説明

アスコルビン酸−2−グルコシド及びエルゴチオネインを含んでなる化粧組成物

【課題】皮膚老化の影響を減少させる、または遅らせる化粧組成物を提供する。
【解決手段】皮膚老化の影響を減少させる、または遅らせる化粧組成物は、化粧上活性成分としてアスコルビン酸2−グルコシドおよびエルゴチオネインを含んでなる化粧組成物であって、DNA修復酵素、特に皮膚および表皮細胞における酸化されたDNAベースを修復するための酵素を刺激する薬剤としての作用を有する。更に、この化粧組成物の使用を伴う化粧トリートメントの方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚老化の影響を減少させまたは遅らせる化粧組成物であって、化粧上活性成分としてアスコルビン酸2−グルコシドおよびエルゴチオネインを含んでなる化粧組成物に関する。本発明は、これらの化粧上活性成分を化粧組成物におけるDNA修復酵素、特に皮膚および表皮細胞における酸化されたDNAベースを修復するための酵素を刺激する薬剤としての使用にも関する。最後に、本発明は、この使用を伴う化粧トリートメントの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の老化(aging)は、遺伝的および環境的要因によって決定される。
【0003】
更に詳細には、2種類の皮膚の老化、すなわち
他の臓器と同様に皮膚に影響を及ぼす本質的または暦年老化であり、これは老化過程から生じる必然的変化に対応するもの、
環境要因に関連した非本質的老化
がある。「化学線老化または日光性皮膚病(actinic aging or heliodermatosis)」という用語は、慢性的に日光に暴露され且つ日光に暴露される部分にある皮膚に特徴的な臨床的、組織学的および機能的変化に相当する。
【0004】
これら2つの過程は緊密に関連しており、いずれの場合にも活性酸素種(ROS)の産生によって酸化ストレスが生じ、これが皮膚の老化の程度を決定する。
【0005】
文献に「酸化性ストレス(oxidating stress)」と区別なしに表されている酸化ストレスは、様々な生理学的機構または外因性の毒性現象による過剰産生によって生じる身体に含まれる過剰なフリーラジカルと定義される。
【0006】
従って、反応性酸化種(reactive oxygenated species)(ROS)およびフリーラジカルは、ミトコンドリア呼吸のような細胞代謝によって、または病原性感染症、生体異物の解毒または日光放射によって産生される可能性がある。
【0007】
このフリーラジカルの生理学的産生は、細胞防御システムによって制御されており、酸化防止/酸化促進防御のバランスが平衡になっている。
【0008】
酸化防止剤または酸化防止酵素活性の欠損あるいは活性酸素種の過剰産生の結果であるかどうかに関わらず、酸化防止/酸化促進防御バランスが不均衡であると、過剰な活性酸素種およびフリーラジカルが生じ、これが「酸化ストレス」と呼ばれる状態を誘発し、DNAなどの細胞成分が酸化される(Sauvaigo S. et al, Brit. J. Dermatol., 157, 26 - 32, 2007)。
【0009】
DNAに対する酸化的損傷は細胞にとって極めて有害であり、アースロバクター種の細菌が50万年間生存していることがそのDNA修復能力と関連していることが示されている(Stewart Johnson et al.; Proc. Natl. Acad. Sci., 104, 11401-14405, 2007)。
【0010】
ヒトでは、細胞防御システムにも拘わらず、DNAの連続的損傷によりゲノム配列が徐々に変化し、老化のような細胞障害が生じる(King et al., Mut. Res. 1994, 316, 79-90)。
【0011】
このことは、DNA損傷の程度を増加させる物理的または化学的攻撃が老化を促進し、その結果として平均余命を縮めることを示唆している(Weirich-Schwaiger H, et al., 1994, Mut. Res., 316, 37-48)。
【0012】
美容研究では、時間経過や酸化ストレスのような攻撃に対して皮膚の本質的機能を保存するための有効な方法を見出す努力が常に続けられている。
【0013】
第一の既知手段は、活性酸素種がDNAに影響を及ぼす前にそれらを化学的に阻害することによって作用する化合物を用いて、細胞DNA、特にケラチン生成細胞、メラニン細胞または繊維芽細胞のような皮膚細胞のDNAに対する損傷を防止することにある。
【0014】
酸化防止剤は、皮膚細胞に対する酸化ストレスによって引き起こされる損傷を減少させまたは防止する能力により、化粧組成物に一般に用いられている。
【0015】
化学的観点からは、酸化防止剤は還元剤として作用し、従って酸化種と反応してそれを失活し中和することにより他の化学物質の酸化を減少させまたは防止し、連鎖反応を停止する化合物である。
【0016】
従って、酸化防止剤は、酸化ストレスの影響下で形成された活性酸素種、フリーラジカルおよび酸化種(oxidised species)によって細胞および細胞DNAに引き起こされる損傷を防止するが、細胞DNAの損傷を次に修復することは化学的にはできない。
【0017】
酸化ストレスに関連した損傷には、2つの種類がある。一方では、DNAの二重らせん配列に変化を生じる化学的酸化過程による塩基の修飾であり、また一方では、細胞DNAの一本鎖および二本鎖の切断である。
【0018】
DNA細胞の損傷は、皮膚腫瘍のような疾患の発生と関連している。
【0019】
研究もまた、DNAの損傷および/またはこの損傷の修復が、UV光線によって誘発されるメラニン合成の活性化に重要なシグナルであることを示唆している(Eller et al., 1996 Proc. Natl. Acad. Sci., 93 1087-92)。
【0020】
この損傷とそれに伴う修復機構の研究も、老化に対する戦いにおける主要な挑戦である。
【0021】
実際に、蓄積過程によるおよびその突然変異誘発能の結果としての細胞DNAの損傷により、細胞損傷、および皮膚では細胞老化を促進し且つ活性化する効果を有する機能障害を生じる。
【0022】
本発明者らは、酸化ストレスに対して、日本人女性から採取した繊維芽細胞のDNA修復能が年齢と共に減少し、この減少は喫煙により更に悪化することを示した(Sauvaigo et al., Int. J. Cosmet. Sci., 2005, 27, 76-79)。
【0023】
多くの研究は、酸化ストレスを加えられた塩基の酸化によって生じる細胞DNAの変化に集中している。
【0024】
修飾され、文献に報告されている多くの塩基の中では、8−オキソ−7,8−ジヒドロ−2’−デオキシグアノシン(8−オキソ−dG)が、DNA損傷の既知のバイオマーカーである。
【0025】
ヒトケラチン細胞についてイン・ビボで行った研究(Kang et al., Exp. Cell Res., 2005, 310, 186-195)は、8−オキソ−dGと活性酸素種が老化細胞のDNAに蓄積することを明らかにしている。これらの研究は、8−オキソ−dGの削除に関与する酵素8−オキソ−dGDNAグリコシラーゼ(hOGG1)が同じ細胞に少量で見出されることも示している。
【0026】
著者らは、ヒトの皮膚繊維芽細胞培養物において、老化細胞のDNAにおける8−オキソ−dGの蓄積は損傷修復酵素の活性の減少と関連していることを示した(Kaneko et al., Mutat Res., 2001, 487, 19-30)。
【0027】
同様に、結直腸生験試料について行った研究は、生験試料を採取した患者の年齢に関連した8−オキソ−dGの増加を示唆している(Tsurudome et al., Gerontol A Biol Sci Med Sci., 2001, 56, B483-5)。
【0028】
DNAから酸化塩基の除去は、多くの他の生体にも見出される経路である酸化塩基の削除による酵素修復経路を伴っている(Boiteux et al., Biochimie, 1999, 81, 59-67)。
【0029】
DNAから酸化塩基の削除に関与する酵素をコードする遺伝子の発現の程度も、酸化ストレスの感受性マーカーである(Powell et al. Cancer Letters, 2005, 22, 1-11)。
【0030】
最近の公表文献では、UV放射線からのDNA保護を増強する一手段は、細胞DNA修復酵素を投与して日光によって誘発される損傷を減少させることが示唆されている(Yaar and Gilchrest, Br J Dermatol. 2007 Nov;157(5):874-87)。
【発明の概要】
【0031】
従って、本発明は、細胞DNA修復酵素の活性を直接刺激することにある、細胞DNA修復酵素の体外投与以外の新規経路の検討に基づいている。
【0032】
現在のところ、特に変更が多く、従って高度の特異性が必要とされるので、細胞における変化したDNA塩基の修復に関連した酵素活性を直接測定できる方法は極めて少ない。
【0033】
本特許出願の本発明者らは、酸化ストレスの結果として典型的に産生した修飾塩基の組に対するDNA修復酵素の活性を特異的に測定する方法を用いて、酸化ストレスの結果としての細胞DNAの酸化塩基を修復する酵素活性を検討した。
【0034】
この研究中に、意外にも本発明者は、アスコルビン酸2−グルコシドとエルゴチオネインが酸化ストレスによって化学的に変更された細胞DNA塩基の修復酵素活性を刺激することを見出した。
【0035】
細胞DNAの酸化塩基の修復酵素の活性を刺激することによって、細胞DNA修復能(年齢と共に減少する能力)、更に詳細には細胞、細胞機能障害の原因および皮膚老化における酸化塩基の蓄積の防止が改善される。
【0036】
従って、細胞DNAの修復酵素活性を刺激する活性成分を用いることによって細胞老化と効果的に闘い、これによって酸化ストレスによって引き起こされる損傷にも拘わらず、細胞DNAが無傷のままに保存されるようにすることができる。
【0037】
本発明者は、驚くべきことには且つ意外にも、DNAの修復酵素活性が検討を行った化合物のそれぞれによって均一に刺激されないことも見出した。
【0038】
個々に採用されるそれぞれの化合物が、他の種と比較してある種の修復を特異的に刺激する。
【0039】
従って、アスコルビン酸2−グルコシドとエルゴチオネインを組み合わせることによって、二重らせん塩基に対する様々な既知の変更の中でそれぞれの分子を単独で用いたときよりも一層広い修復スペクトルをカバーすることができる。
【0040】
最後に、本発明者は、白人ドナーの皮膚細胞とアジア人ドナーの皮膚細胞は、様々な酸化塩基の修復を検討したとき同じ分子による処理に全く同じようには反応しないことを見出した。
【0041】
同じ化粧組成物にアスコルビン酸2−グルコシドとエルゴチオネインを組み合わせることによって、白人ドナー型とアジア人ドナー型のいずれについても変更されたDNAの細胞酵素により一層広い修復スペクトルをカバーすることができる。
【0042】
従って、第一の態様によれば、本発明は、化粧上活性成分としてアスコルビン酸2−グルコシドおよびエルゴチオネイン、好ましくはL−エルゴチオネインと、少なくとも1種類の化粧上許容可能な賦形剤を含む化粧組成物を包含する。
【発明の具体的説明】
【0043】
エルゴチオネインは、酸化による細胞損傷に対して有効な確立された天然酸化防止剤であり、更に詳細には過酸化水素によって誘発される細胞死およびヒト細胞系でペルオキシナイトライトによって引き起こされるDNA酸化を抑制する(Aruoma et al., Food Chem Toxicol. 1999 Nov;37(11):1043-53)。
【0044】
2−O−α−D−グルコピラノシルL−アスコルビン酸とも呼ばれるアスコルビン酸2−グルコシドは、UVBによって引き起こされる細胞傷害性からケラチン細胞の保護に有効な薬剤である(Yasuda et al., In Vitro Cell. Dev. Biol. Animal., 2004, 40, 71-73)。更に、アスコルビン酸2−グルコシドは、細胞DNAの切断における還元によって分かるUVAまたはUVBによって引き起こされる損傷から培養されているマウス皮膚細胞を保護する役割を持っている(Masatsuji-Kato E et al., J. of Health Science, 2005, 51, 122-129)。
【0045】
本発明の詳細な特徴によれば、アスコルビン酸2−グルコシドは、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜10重量%、有利には0.001重量%〜5重量%、更に有利には0.001重量%〜2.5重量%、最も好ましくは0.1重量%〜2.2重量%の量で化粧組成物に含まれている。
【0046】
本発明のもう一つの詳細な特徴によれば、エルゴチオネインは、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜10重量%、有利には0.001重量%〜1重量%、更に有利には0.005重量%〜0.8重量%、最も好ましくは0.01重量%〜0.5重量%の量で上記化粧組成物に含まれている。
【0047】
有利には、本発明によれば、エルゴチオネインとアスコルビン酸2−グルコシドは、上記化粧組成物に0.001〜100、好ましくは0.002〜80、更に好ましくは0.003〜70、総ての中で最も好ましくは0.005〜60のエルゴチオネイン/アスコルビン酸2−グルコシドの比で含まれている。
【0048】
本発明による組成物は、化粧品の分野で一般に用いられる安定剤、酸化防止剤、溶剤、芳香剤、キレート化剤、化学的または鉱物吸水剤、無機顔料、界面活性剤、ポリマー、シリコン油および色素などこのリストに限定されないアジュバントを含むこともできる。
【0049】
本発明の特定の態様では、化粧組成物は、脱色剤および/または皮膚老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせることを目的とする薬剤も含む。
【0050】
当業者に知られている脱色剤は、例えば、アルブチン、コウジ酸、アゼライン酸、ビタミンB3またはPP、D−パンテテイン−S−スルホン酸カルシウム、レゾルシノール誘導体、レスベラトロール、カンゾウまたはシロクワ抽出物、α−リポ酸、リノール酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)のようなカチオンキレート化剤、大豆抽出物、温州ミカン抽出物、ジアセチルボルジンであるが、このリストは限定的なものではない。好ましくは、脱色剤は、ビタミンB3、カンゾウ抽出物、D−パンテテイン−S−スルホン酸カルシウム、フェルル酸およびその誘導体、温州ミカン抽出物、およびジアセチルボルジンからなる群から選択される。
【0051】
皮膚老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせることを目的とする、当業者に知られている薬剤は、有利にはレチノール、プロピオン酸レチノールまたはパルミチン酸レチノールのようなレチノールエステル、β−エクジソン、リン酸トコフェロールまたはアスコルビルトコフェロールリン酸カリウムのようなトコフェロール誘導体、およびアシアチコシドからなる群から選択される。
【0052】
本発明による化粧組成物、化粧上許容可能な賦形剤、換言すれば、皮膚に適合性の賦形剤を含む。それは、有利には局所塗布に普通に用いられる形態のいずれか、特に水性、水−アルコールまたは油性溶液、水中油または油中水エマルション、水性または油性ゲル、無水液体生成物、ペーストまたは固形物の形態、または局所塗布用の任意の他の形態であることができる。
【0053】
この組成物は多少流動性であることができ、白色または着色クリーム、軟膏、ローション、ミルク、セラム(serum)、ペースト、フォームまたはゲルの外観を有する。それは、エアゾール、またはパッチやマスク、またはアプリケーターの形態で皮膚に塗布することができる。それは固形形態、例えば、自由に移動するまたは圧縮した粉末または棒の形態であることもできる。有利には、化粧組成物はローション、ゲル、セラム(serum)、クリーム、パッチまたはマスクの形態である。
【0054】
好ましくは、本発明による化粧組成物は、セラム(serum)、デイクリーム、ナイトクリームまたはアフターサンクリームの形態のエマルションである。
【0055】
本発明の特定の態様では、様々な形態の1つの化粧組成物は、少なくとも身体の一部分、特に手または顔につける。
【0056】
好ましくは、様々な形態の1つの本発明による化粧組成物は、酸化ストレスまたは日光、特に紫外(UV)光線に皮膚を単回または反復暴露した後に塗布される。
【0057】
第二の態様によれば、本発明は、エルゴチオネインと組み合わせたまたは組み合わせないアスコルビン酸2−グルコシドの皮膚老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせることを目的とする化粧組成物の化粧用活性成分としての使用に関する。
【0058】
本発明による化粧組成物は、更に詳細には皮膚の暦年および/または化学線老化の影響を減少させまたはその影響の出現を遅らせることを目的とする。
【0059】
有利には、化粧組成物は、皺の形成を減少させまたは遅らせ、および/または皮膚の締まりの喪失を減少させまたは遅らせ、および/または皮膚の色素斑点、特に日光によって誘発される色素斑点および/または老齢斑点を減少させまたは遅らせることができる。化粧組成物は、有利には上記で定義されているものである。
【0060】
本発明のもう一つの好ましい態様によれば、化粧組成物は、酸化ストレスまたは日光、特に紫外線(UV)への皮膚の単回または反復暴露によってDNAに引き起こされる損傷を修復する酵素を刺激することを目的とする。
【0061】
化粧組成物は、更に詳細には皮膚および表皮細胞DNAの酸化された塩基を修復する酵素を刺激することを目的とする。
【0062】
特定の態様では、本発明による使用は、化粧組成物がアスコルビン酸2−グルコシドとエルゴチオネインを含むことを特徴とする。有利には、エルゴチオネインとアスコルビン酸2−グルコシドは、上記化粧組成物に0.001〜100、好ましくは0.002−80、更に好ましくは0.003〜70、最も好ましくは0.005〜60のエルゴチオネイン/アスコルビン酸2−グルコシドの比で含まれている。
【0063】
アスコルビン酸2−グルコシドおよびエルゴチオネインの有利な量は、上記した量である。
【0064】
有利には、化粧組成物は、化粧上許容可能な賦形剤と少なくとも1種類の脱色剤および/または皮膚老化防止剤をさらに含んでなる。好ましい脱色剤および/または皮膚老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせることを目的とする薬剤は、上記したものである。
【0065】
最後の態様によれば、本発明は、皮膚の老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせることを目的とする化粧治療の方法であって、アスコルビン酸2−グルコシドとエルゴチオネインを化粧上活性成分として含む化粧組成物の十分な量を皮膚に塗布することを特徴とする方法に関する。この組成物は、有利には上記したものである。
【0066】
化粧治療の方法は、更に詳細には皮膚に影響を与える暦年および/または化学線老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせることを目的とする。
【0067】
有利には、本発明による方法は、化粧組成物が皺の形成を減少させまたは遅らせ、および/または皮膚の締まりの喪失を減少させまたは遅らせ、および/または皮膚の色素斑点、特に日光によって誘発される色素斑点および/または老齢斑点を減少させまたは遅らせることができることを特徴とする。
【0068】
好ましくは、本発明による方法は、様々な形態の1つの化粧組成物を少なくとも身体の一部分、特に手または顔につけることを特徴とする。
【0069】
同様に好ましくは、本発明による方法は、様々な形態の1つの化粧組成物を、酸化的酸化ストレスまたは日光、特に紫外(UV)光線への皮膚の単回または反復暴露の後に塗布することを特徴とする。
【0070】
本発明による組成物の投与方法、用量および最適形態は、化粧治療生成物を製造するのに用いられる通常の標準に従って決定することができる。
【0071】
下記の図面および実施例は、純粋に例示の目的で示され、限定的なものでは決してない。
【実施例】
【0072】
実施例1: 培養されている正常なヒト繊維芽細胞のDNA損傷を修復する能力についてのそれぞれエルゴチオネインおよびアスコルビン酸2−グルコシドによる治療の生物活性の測定
繊維芽細胞は、52歳の白人女性の乳房細胞および39歳アジア人女性(日本人)の光線から保護した皮膚から得た。
【0073】
1.1. 方法
1.1.1. 繊維芽細胞の治療
白人(FHN52)およびアジア人(FHN 1C)のドナーのそれぞれからの繊維芽細胞を培養し、指数増殖期に治療した。
繊維芽細胞を、4mMの非細胞傷害性濃度のエルゴチオネイン(AGI Dermatics, ニューポート, ニューヨーク,米国)で24時間処理した。
【0074】
繊維芽細胞のアスコルビン酸2−グルコシド(Siber Hegner, ミリベル,フランス国)による処理を、50μMの非細胞傷害性濃度のアスコルビン酸2− 酸24時間で行った。
次に、細胞をすすぎ洗いし、トリプシン処理によって単離した。
非処理コントロール(NT)を、それぞれの時点で平行して作製した。
細胞ペレットを、培地(Medium 199+アール塩 +L−グルタミンにSVF、ペニシリンおよびストレプトマイシンを加えて完成)+10% DMSO中で凍結した。それぞれの条件について、6枚の100mmペトリ皿を用いた。
【0075】
1.1.2. 抽出物の調製
核抽出物を調製し、目的の修復酵素を含むタンパク質溶液を得た。
タンパク質は、Micro BCAキット(Interchim, モントルコン,フランス国)を用いて分析した。
抽出物を5μl画分ずつに分け、−80℃で凍結した。
抽出物は、10g/mlの最終濃度で用いた。
2回解凍した後、それらを除去した。
【0076】
1.1.3. DNA修復に適用されるOLISA法
OLISA法(Bonnet-Duquennoy et al., Eur. J. Dermatol., 16, 2, 136-140 2006)を用いて、グリコシラーゼ型DNA修復酵素によって変更された核酸塩基の切除を測定した。
原理(図1)は、「様々なDNA損傷に対する修復酵素活性を観察するためのオリゴヌクレオチドマイクロアレイ」という標題の公表文献 Sauvaigo et al., Annal. Biochem. (2004); 333 : 182-192に記載されている。
支持体上に固定された標識オリゴヌクレオチドプローブは、その塩基配列に細胞酵素による修復活性を検討している変更された塩基を含む合成二本鎖DNAを生じる。
【0077】
プローブを決定して、酸化ストレスへの暴露から生じる酵素修復に典型的な損傷を検討した(図2)。
【0078】
17スポットでのOLISAフォーマットチップ(96穴プレート;bioMerieux,グルノーブル,フランス国)を、目的とする様々な損傷を含むオリゴヌクレオチド(LAN合成,CEA,グルノーブル,フランス国)によって機能化した。
この研究には、目的とする損傷またはコントロールオリゴヌクレオチド(損傷なし)当たり2スポットおよび読み込みを指示するのに用いた3スポットを用いた。
【0079】
機能化したウェルを、目的とする抽出物の存在下にて30℃でインキュベーションした。
選択した消化の時間は、実験について45分間である。抽出物を4個のウェルに沈澱させた。
同時に、抽出物を含まないコントロールウェル(緩衝液のみ)も、作製した。
それぞれの条件についてチップ(またはスライド)を読み込んだ後、目的とする損傷当たり8個の値を得た(2スポットx 4ウェル)。
これらの値の平均を「コントロール」ウェル並びに「抽出物」ウェルについて「コントロール」ウェル中の未消化のままの損傷を用いて計算した。
【0080】
このようにそれぞれの損傷について、抽出物活性の後に残っている損傷の割合を、100%損傷を表すコントロールウェルに対する「抽出物」ウェルシグナルの比を計算することによって決定する(計算は、得られた8個の値の平均を用いて行った)。
8個の比の値を、それぞれの残存損傷について得た。
シグナルは残存している未消化プローブの量に対応し、並びに低シグナルは高消化、従って高酵素活性に対応する。
それぞれの実験は、2または3回行った。
【0081】
1.1.4. 統計分析
抽出物の非特異的消化に対する一方においてエルゴチオネインの、および他方においてアスコルビン酸2−グルコシドの効果を決定するため、コントロールによって規格化したコントロールオリゴヌクレオチドを用いて得たデーターを用いた。
同様に、抽出物の特異的消化に対する2活性成分それぞれの効果を決定するため、それぞれの損傷について得たデーターをコントロールによって規格化したコントロールオリゴヌクレオチドを用いて得たデーターによって規格化した。
実験は、チップの製造における変動を考慮するため、独立して分析した。
同様にして、試験した2名のドナーのそれぞれについて分析を行った。コントロールオリゴヌクレオチドについての活性だけを2名のドナーについて行った。
用いた統計試験は、ANOVA変異分析であった。
【0082】
1.2. 結果
1.2.1 非特異的消化活性に対するエルゴチオネインの活性
エルゴチオネインによる24時間処理では、処理直後にはコントロールオリゴヌクレオチドに対して有意な効果はなかった(図3参照)。
これは、処理により細胞抽出物の非特異的消化活性(ヌクレアーゼ)が変化しないことを示している。
【0083】
1.2.2 非特異的消化活性に対するアスコルビン酸2−グルコシドの効果
アスコルビン酸2−グルコシドの24時間インキュベーションでは、処理直後にはコントロールオリゴヌクレオチドに対して有意な効果はなかった(図4参照)。
これは、処理により細胞抽出物の非特異的消化活性(ヌクレアーゼ)が変化しないことを示している。
【0084】
5.2.3 特異的消化活性に対するエルゴチオネインの活性
【表1】

表1: 2名のドナーのエルゴチオネインによる24時間処理後の処理結果のまとめ
【0085】
記録した値は、コントロールオリゴヌクレオチドに対する規格化損傷についての残存比率である。
100%を上回る値は、治療が損傷の修復を阻害することを示している。
100%を下回る値は、治療が損傷の修復増加させることを示している。
太文字は0.05<p<0.15であり、陰影入りは0.05<pであり、N.Sは有意な変動なしである。
【0086】
表から、
白人ドナー(FHN 52)はアジア人ドナー(FHN 1C)より感受性が高い。
4損傷:8オキソdG、イノシン、ホルミルアミンおよびウラシルに対する残存比率は、白人ドナー (FHN 52)ではエルゴチオネイン投与の直後に治療直後溶液有意に減少する(図5参照)。
ホルミルアミンおよびウラシル損傷の残存比率は、アジア人ドナーではエルゴチオネイン投与の直後に有意に減少する。
【0087】
白人ドナー細胞(FHN 52)について更に検討を行い、繊維芽細胞のDNA修復能力に対するエルゴチオネインの長時間効果を測定した。
細胞をエルゴチオネイン(4mM)と共に24時間インキュベーションし、すすぎ洗いし、更に24時間再培養した(エルゴチオネインなし)。
【0088】
図5は、ethenodA、8−オキソ−dG、イノシン、ホルミルアミンおよびHmdU損傷の残存比率は、24時間処理後更に24時間培養した細胞で有意に減少することを示している。
【0089】
1.2.4 結論
これらの結果は、4mMの濃度のエルゴチオネインによる処理によって消化活性が有意に増加するので、酸化ストレスの結果として形成される変更DNA塩基が除去されることを示している。
繊維芽細胞抽出物で誘発される酵素活性の増加は、エルゴチオネインが正常なヒト繊維芽細胞におけるDNA修復を刺激することを示している。
この刺激は、エルゴチオネインの投与後24時間測定可能なままである。この観察は、DNA修復に対するこの治療の長時間効力を示唆している。
【0090】
1.2.5 特異的消化活性に関する24時間後アスコルビン酸2−グルコシドの効果
【表2】

表2: 治療の24時間後の2名のドナーにおけるアスコルビン酸2−グルコシド投与結果のまとめ
【0091】
記録した値は、コントロールオリゴヌクレオチドに対する規格化損傷についての残存比率である。
100%を上回る値は、治療が損傷の修復を阻害することを示している。
100%を下回る値は、治療が損傷の修復増加させることを示している。
太文字は0.05<p<0.15であり、陰影入りは0.05<pであり、N.Sは有意な変動なしである。
【0092】
4種類の損傷: 8−オキソ−dG、イノシン、ホルミルアミンおよびウラシルは、白人ドナー(FHN 52)におけるアスコルビン酸2−グルコシドの投与の24時間後に有意に減少する。
4種類の損傷: 8−オキソdG、イノシン、ホルミルアミンおよびウラシルは、アジア人ドナー(FHN 1C)におけるアスコルビン酸2−グルコシドの投与の24時間後に有意に減少する。
【0093】
1.2.6 結論
これらの結果は、50μMの濃度のアスコルビン酸2−グルコシドによる処理によって消化活性が有意に増加するので、酸化ストレスの結果として形成される変更DNA塩基が除去されることを示している。
繊維芽細胞抽出物で誘発される酵素活性の増加は、アスコルビン酸2−グルコシドが白人またはアジア人ドナーから得た正常なヒト繊維芽細胞におけるDNA修復を刺激することを示している。
この刺激は、アスコルビン酸2−グルコシドの投与後24時間測定可能なままである。
この観察は、DNA修復に関するこの治療の長時間効力を示唆している。
【0094】
実施例2: フェースクリーム
下記の4組成物の割合は、総重量に対する重量%として示している。

シクロペンタンシロキサン 12.90
ブチレングリコール 11.00
PEG−7ジメチコン 5.00
フェニルトリメチコン 2.50
グリセリン 2.00
ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン架橋ポリマー
1.50
ネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエート 1.00
シリカジメチルシリレート 0.80
クエン酸ナトリウム 0.50
塩化ナトリウム 0.50
トリメチルシロキシシリケート 0.50
防腐剤 0.70
酢酸トコフェリル 0.20
エルゴチオネイン 0.01
EDTA四ナトリウム 0.10
芳香剤 0.04
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
ソルビン酸カリウム <0.01
水 適量を加えて全量を 100%とする。
【0095】
実施例3: 眼の輪郭用のナイトセラム
グリセリン 3.05
ブチレングリコール 3.00
スクワラン 2.90
セトアリールエチルヘキサノエート 2.60
アスコルビン酸2−グルコシド 2.00
ステアレス−21 1.20
ミリスチン酸ミリスチル 1.00
メタクリル酸ポリメチル 1.00
ステアリン酸グリセリル 0.80
防腐剤 0.70
雲母 0.65
クエン酸ナトリウム 0.45
ケチルアルコール(Ketyl alcohol) 0.40
ステアリルアルコール 0.40
水酸化ナトリウム 0.30
アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー
0.30
ポリアクリルアミド 0.24
キサンタンガム 0.20
ジメチコン 0.20
EDTA四ナトリウム 0.20
C13−14イソパラフィン 0.15
ステアリン酸 0.05
パルミチン酸 0.05
芳香剤 0.03
ラウレス−7 0.03
クエン酸 0.02
ソルビン酸カリウム <0.01
水 適量を加えて全量を 100%とする。
【0096】
実施例4: エッセンス
ブチレングリコール 7.00
グリセリン 4.00
ポリメチルシルセスキオキサン 4.00
アスコルビン酸2−グルコシド 2.00
イソヘキサデカン 1.50
シクロペンタンシロキサン 1.30
アミノメチルプロパンジオール 1.00
アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー
0.45
クエン酸ナトリウム 0.45
防腐剤 0.70
ジメチコン 0.20
EDTA四ナトリウム 0.20
PEG−7グリセリルココエート 0.20
エルゴチオネイン 0.10
キサンタンガム 0.05
クエン酸 0.02
芳香剤 0.02
ソルビン酸カリウム <0.01%
水 適量を加えて全量を 100%とする。
【0097】
引用文献
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【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】バイオチップにおけるDNA−N−グルコシラーゼ活性の測定原理。
【図2】バイオチップ上の検討した損傷および分布図。 Uracil=ウラシル OxodG=8−オキソGua=8−オキソ−7,8−ジヒドロ−2’−デソキシグアノシン Inosine=イノシン HmdU=5−ヒドロキシメチル−2’−デソキシウリジン ホルミルアミン=N−(デソキシ−β−D−エリトロペントフラノシル)−ホルミルアミン EthenodA=N6−エテノ−デソキシアデノシン
【図3】24時間治療後のコントロールオリゴヌクレオチド(損傷なし)の消化に対するエルゴチオネインの効果。
【図4】24時間治療後のコントロールオリゴヌクレオチド(損傷なし)の消化に対するアスコルビン酸2−グルコシドの効果。
【図5】治療直後(A)または治療の24時間後(B)に白人ドナーから採取した様々な繊維芽細胞の損傷の消化に対するエルゴチオネインの効果。 記録された値は、コントロールオリゴヌクレオチドに対する規格化された損傷の残留率である。 100%を上回る値は、治療が損傷の修復を阻害することを示している。 100%を下回る値は、治療が損傷の修復増加させることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧上活性成分としてアスコルビン酸2−グルコシドおよびエルゴチオネインと、少なくとも1種類の化粧上許容可能な賦形剤とを含んでなる、化粧組成物。
【請求項2】
エルゴチオネインがL−エルゴチオネインである、請求項1に記載の化粧組成物。
【請求項3】
アスコルビン酸2−グルコシドが、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜10重量%、有利には0.001重量%〜5重量%、更に有利には0.001重量%〜2.5重量%、最も好ましくは0.1重量%〜2.2重量%の量で含まれる、請求項1または2に記載の化粧組成物。
【請求項4】
エルゴチオネインが、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜10重量%、有利には0.001重量%〜1重量%、更に有利には0.005重量%〜0.8重量%、最も好ましくは0.01重量%〜0.5重量%の量で化粧組成物に含まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧組成物。
【請求項5】
エルゴチオネインおよびアスコルビン酸2−グルコシドが、化粧組成物に0.001〜100、好ましくは0.002〜80、更に好ましくは0.003〜70、総ての中で最も好ましくは0.005〜60のエルゴチオネイン/アスコルビン酸2−グルコシドの比で含まれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧組成物。
【請求項6】
少なくとも1種類の脱色剤および/または暦年および/または化学線老化の影響のような皮膚老化の影響を減少させまたは遅らせることを目的とする薬剤をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧組成物。
【請求項7】
脱色剤が、ビタミンB3、D−パンテテイン−S−スルホン酸カルシウム、カンゾウ抽出物、フェルラ酸およびその誘導体、温州ミカン抽出物、およびジアセチルボルジンからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧組成物。
【請求項8】
皮膚老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせることを目的とする薬剤が、レチノール、プロピオン酸レチノールまたはパルミチン酸レチノールのようなレチノールエステル、β−エクジソン、リン酸トコフェロールまたはアスコルビルトコフェロールリン酸カリウムのようなトコフェロール誘導体、およびアシアチコシドからなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧組成物。
【請求項9】
化粧組成物が、粉末あるいはコンパクト、ローション、ゲル、セラム(serum)、クリーム、パッチまたはマスクの形態である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化粧組成物。
【請求項10】
化粧組成物が、デイクリーム、ナイトクリームまたはアフターサンクリームの形態のエマルションである、請求項9に記載の化粧組成物。
【請求項11】
皮膚老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせることを目的とする化粧組成物において、化粧用活性成分としてエルゴチオネインと組み合わせたまたは組み合わせないアスコルビン酸2−グルコシドの使用。
【請求項12】
化粧組成物により皺の形成を減少させまたは遅らせ、および/または皮膚の締まりの喪失を減少させまたは遅らせ、および/または皮膚の色素斑点、特に日光によって誘発される色素斑点および/または老齢斑点を減少させまたは遅らせることができる、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
化粧組成物が、皮膚を酸化ストレスまたは日光、特に紫外線(UV)の太陽輻射への皮膚の単回または反復暴露によってDNAに引き起こされる損傷を修復する酵素を刺激することを目的とする、請求項11または12に記載の使用。
【請求項14】
化粧組成物が、皮膚および表皮細胞DNAの酸化された基部を修復する酵素を刺激することを目的とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
アスコルビン酸2−グルコシドが、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜10重量%、有利には0.001重量%〜5重量%、更に有利には0.001重量%〜5重量%、最も好ましくは0.1重量%〜2.2重量%の量で含まれる、請求項11〜14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
化粧組成物がアスコルビン酸2−グルコシドおよびエルゴチオネインを含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の使用。
【請求項17】
エルゴチオネインが、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜10重量%、有利には0.001重量%〜1重量%、更に有利には0.005重量%〜0.8重量%、最も好ましくは0.01重量%〜0.5重量%の量で化粧組成物に含まれる、請求項11〜16のいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
エルゴチオネインとアスコルビン酸2−グルコシドが、化粧組成物に0.001〜100、好ましくは0.002〜80、更に好ましくは0.003〜70、総ての中で最も好ましくは0.005〜60のエルゴチオネイン/アスコルビン酸2−グルコシドの比で含まれる、請求項16または17に記載の使用。
【請求項19】
化粧組成物が化粧上許容可能な賦形剤、および少なくとも1種類の脱色剤および/または皮膚老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせることを目的とする薬剤をさらに含む、請求項11〜18のいずれか一項に記載の使用。
【請求項20】
脱色剤がビタミンB3、D−パンテテイン−S−スルホン酸カルシウム、カンゾウ抽出物、フェルラ酸およびその誘導体、温州ミカン抽出物、およびジアセチルボルジンからなる群から選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
皮膚老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせることを目的とする薬剤が、レチノール、プロピオン酸レチノールまたはパルミチン酸レチノールのようなレチノールエステル、β−エクジソン、リン酸トコフェロールまたはアスコルビルトコフェロールリン酸カリウムのようなトコフェロール誘導体、およびアシアチコシドからなる群から選択される、請求項19または20に記載の使用。
【請求項22】
化粧組成物が、粉末あるいはコンパクト、ローション、ゲル、エマルション、パッチまたはマスクの形態である、請求項11〜21のいずれか一項に記載の使用。
【請求項23】
様々な形態の1つの化粧組成物を、少なくとも身体の一部分、特に手または顔につける、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
様々な形態の1つの化粧組成物を、酸化的酸化ストレスまたは日光、特に紫外(UV)光線への皮膚の単回または反復暴露の後に塗布する、請求項22または23に記載の使用。
【請求項25】
暦年および/または化学線老化の影響のような皮膚に対する老化の影響を減少させまたは遅らせるための化粧治療の方法であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化粧組成物を皮膚老化の影響を減少させまたは影響の出現を遅らせるのに十分な量を皮膚につけることを特徴とする、方法。
【請求項26】
化粧組成物により皺の形成を減少させまたは遅らせ、および/または皮膚の締まりの喪失を減少させまたは遅らせ、および/または皮膚の色素斑点、特に日光によって誘発される色素斑点および/または老齢斑点を減少させまたは遅らせることができる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
様々な形態の1つの化粧組成物を、少なくとも身体の一部分、特に手または顔につける、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
化粧組成物がローション、ゲル、エマルション、パッチまたはマスクの形態である、請求項25〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
化粧組成物がデイクリーム、ナイトクリームまたはアフターサンクリームの形態のエマルションである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
様々な形態の1つの化粧組成物を、酸化的酸化ストレスまたは日光、特に紫外(UV)光線への皮膚の単回または反復暴露の後に塗布する、請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−167169(P2009−167169A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−306319(P2008−306319)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(508066212)
【氏名又は名称原語表記】L V M H RECHERCHE
【Fターム(参考)】