説明

アゼチジノン化合物およびその医薬用法

本発明によって、アゼチジノン化合物の調製およびその医薬用法が可能である。より具体的には、本発明によって、式(I)(R1、R2、R3、R4、R5およびR6は明細書で規定)のようなアゼチジノン化合物とその調製方法が提供される。本発明の化合物は、血漿中の全コレステロール(TC)および低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)のレベルを低下させることができ、血中のコレステロールを低下させる薬剤として使用可能である。したがって、本発明の化合物は、アテローム性動脈硬化、血管機能不全、心不全、冠動脈疾患、血管心臓障害、心筋疾患、アンギナ、高脂血症、高コレステロール血症等の疾患の治療または予防に使用可能である。式(I)の化合物の調製方法および中間化合物もまた本発明によって提供される。


(I)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血清コレステロール低下剤としての新しいアゼチジノン化合物およびアゼチジノン化合物の投与による疾患治療に関する。本発明はまた、アゼチジノン化合物の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アテローム性冠動脈疾患は、西欧諸国において、死亡や罹患並びに医療財源の著しい費消の主な原因である。コレステリルエステルは動脈硬化病変の主な危険因子であり、また、動脈壁細胞におけるコレステロールの主要な貯蔵形態でもあることが知られている。
【0003】
人間や動物の体のコレステロール恒常性を制御することは食物コレステロールの制御に関係し、また、コレステロールの生合成や胆汁酸の生合成、コレステロールを含む血漿リポタンパク質の代謝を制御することにも関係する。食物や胆汁源からのコレステロールは腸から吸収され、カイロミクロンの成分として血液循環に入る。また別の面では、コレステロールは肝臓によって生合成されたり代謝されるため、血漿コレステロールレベルの主な決定要因となる。肝臓は超低密度リポタンパク質(VLDL)の合成や分泌の場であり、VLDLはその後血液循環内で低密度リポタンパク質(LDL)へと代謝される。LDLは血漿リポタンパク質を含むコレステロールの主形態であり、高濃度になるとアテローム性動脈硬化の増加に関連する。手段に関係なく、腸のコレステロール吸収が低減されれば、肝臓に運ばれるコレステロールが減り、肝臓リポタンパク質(VLDL)の生成が減少するとともに、血漿コレステロールの肝クリアランスが増加することになる。
【0004】
現在、多くの臨床研究において、全血清コレステロールレベルの増加が冠動脈疾患の主な危険因子の1つであることが明確に実証されている。全血清コレステロールのレベルが高い程、アテローム性動脈硬化のリスクが大きくなり、その発生が早まる。全血清コレステロールを1%低下させる毎に、冠動脈疾患の発生リスクを2%低下させることができる。したがって、コレステリルエステルの形成を抑制したり、血清コレステロールを低下させることによって、動脈硬化病変の形成の進展を抑制し、動脈壁内のコレステリルエステルの蓄積を低減し、食物コレステロールの腸吸収を妨げることが可能である。
【0005】
スタチン(例えば、シンバスタチンやフルバスタチン)、胆汁酸結合剤、フィブラート系薬、ナイアシン類似体といった近年の多様な治療薬を用いても、高コレステロール血症人口のかなりの割合が目標コレステロールレベルに達することができない。また、薬の相互作用や薬の安全性により目標レベルに達するまで長期服用することができない。したがって、より効果的で耐用量の大きいさらなる薬剤の開発が依然として必要である。
【0006】
このようなコレステロール吸収阻害活性を有する化合物は、例えば、国際公開第93/02048号、国際公開第94/17038号、国際公開第95/08532号、国際公開第95/26334号、国際公開第95/35277号、国際公開第96/16037号、国際公開第96/19450号、国際公開第97/16455号、国際公開第02/50027号、国際公開第02/50060号、国際公開第02/50068号、国際公開第02/50090号、国際公開第02/66464号、国際公開第04/000803号、国際公開第04/000804号、国際公開第04/000805号、米国特許第5756470号、米国特許第5767115号および米国再発行特許第37721号に開示される。こられの引例のほとんどで、コレステロールの低下、および/または、哺乳動物の動脈壁における病変形成を抑制できるアゼチジノン化合物が報告された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、コレステロール吸収に対する2-アゼチジノン誘導体の驚くべき抑制に関する上記発見に基づく。本発明は、これらのアゼチジノン化合物を合成および構造的に変更し、さらに効果的なコレステロール抑制効果を有するアゼチジノン化合物を求めるものである。本発明の化合物は上記出願のいずれにも開示されない。
【0008】
本発明はさらに、本発明のアゼチジノン化合物を使用して血清コレステロールレベルを低下させることに関する。
【0009】
本発明は、新しい血清コレステロール低下剤であるアゼチジノン化合物または該化合物の薬学的に利用可能な塩を開示することを目的とする。
本発明はまた、前記アゼチジノン化合物の調製方法を開示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の化合物は、式(I)で表される化合物、
【0011】
【化1】


式(I)
【0012】
または、この化合物の薬学的に利用可能な塩であって、式中、
R1は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルキル、水酸基、C1-C6アルコキシ、ベンジルオキシおよび-OCOR7からなる群から独立に選択される、1から3個の置換基であり、
R2は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルキル、水酸基、C1-C6アルコキシ、C6-C10アリールオキシ、(C6-C10アリール)メトキシおよび-OCOR7からなる群から独立に選択される、1から3個の置換基であり、 R3は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシおよびベンジルオキシからなる群から独立に選択される、1から3個の置換基であり、
R4は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルおよびC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、
R5は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルおよびC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、
R6は、水素または-COR7であり、
R7は、C1-C10アルキル、フェニル、またはハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、水酸基、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシ、フェノキシおよびベンジルオキシからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルであり、
mは0、1、2または3であり、
nは1、2または3であり、
前記炭素-炭素二重結合はZ配置またはE配置である。
【0013】
本発明の上記実施形態において、「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。「C1-C6アルキル」はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシルおよびネオヘキシルを含む。「C2-C6アルケニル」はビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルを含む。「C3-C6シクロアルキル」はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。「C1-C6アルコキシ」はメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ, n-ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、n-ヘキソキシ、イソヘキソキシおよびネオヘキソキシを含む。
【0014】
本発明の別の態様は式(I)の化合物を調製する際の中間化合物に関する。
【0015】
式(III)で表される化合物であって、
【0016】
【化2】

【0017】
式中、
R3は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシおよびベンジルオキシからなる群から独立に選択される、1から3個の置換基であり、
R4は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルおよびC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、
R5は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルおよびC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、
R8は、アセチル、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)等の水酸基の保護基であり、
mは0、1、2または3であり、
nは1、2または3であり、
前記炭素-炭素二重結合はZ配置またはE配置である。
【0018】
式Vで表される化合物であって、
【0019】
【化3】

【0020】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R8、mおよびnは前述と同様に規定される。
【0021】
式IVで表される化合物であって、
【0022】
【化4】

【0023】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R8、mおよびnは前述と同様に規定される。
【0024】
式Lで表される化合物であって、
【0025】
【化5】

【0026】
式中、R3、R4、R5、R8、mおよびnは前述と同様に規定される。
【0027】
式Kで表される化合物であって、
【0028】
【化6】

【0029】
式中、R3、R4、R5、R8、mおよびnは前述と同様に規定され、R9はメチルまたはエチルである。
【0030】
式Jで表される化合物であって、
【0031】
【化7】

【0032】
式中、R3、R4、R5、R8、R9、mおよびnは前述と同様に規定される。
【0033】
式Hで表される化合物であって、
【0034】
【化8】

【0035】
式中、R3、R4、R5、R8、R9、mおよびnは前述と同様に規定される。
【0036】
式Gで表される化合物であって、
【0037】
【化9】

【0038】
式中、R3、R4、R5、R8、mおよびnは前述と同様に規定され、Xはハロゲンすなわち、フッ素、 塩素、臭素またはヨウ素である。
【0039】
式Fで表される化合物であって、
【0040】
【化10】

【0041】
式中、R3、R4、R5、R8、mおよびnは前述と同様に規定される。
【0042】
式Dで表される化合物であって、
【0043】
【化11】

【0044】
式中、R3、R4、R5、R8、mおよびnは前述と同様に規定される。
【0045】
さらに、炭素-炭素二重結合を有する前述の中間化合物において、この炭素-炭素二重結合はZ配置またはE配置である。
【0046】
さらに別の態様において、本発明は、式(I)で表される前記化合物またはこの化合物の薬学的に利用可能な塩を有効量含む医薬組成物に関する。
【0047】
本発明の医薬組成物はさらに、式(I)の化合物と適合する、薬学的に利用可能なキャリアを含む。式(I)の化合物は一般的な投与剤形で投与されてもよいが、好ましくはカプセル、錠剤、散剤、扁平型カプセル、懸濁液、液剤といった経口投与剤形で投与される。投与剤形および医薬組成物は、従来の薬学的に利用可能な賦形剤や添加剤を用い、従来技術を採用して調製してもよい。薬学的に利用可能な賦形剤や添加剤には、毒性がなく併用可能な増量剤、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤、潤滑剤、香味料、増ちょう剤、着色料、乳化剤等が含まれる。
【0048】
別の態様において、本発明は、血清コレステロールレベルを低下させる薬剤を調製する際に式(I)の化合物を使用することに関する。
【0049】
本発明はさらに、式(1)の化合物を有効量投与する、すなわち、血清コレステロールレベルを低下させる薬剤として本発明の化合物を適用する、血清コレステロールの低下方法に関する。
【0050】
本発明の化合物は、血漿中の全コレステロール(TC)および低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルを下げることができ、血中のコレステロールを低下させる薬剤として使用可能である。したがって、本発明の化合物は、アテローム性動脈硬化、脈管機能障害、心不全、冠動脈疾患、心血管疾患、心筋梗塞、アンギナ、高脂血症、高コレステロール血症等の疾患の治療または予防に使用可能である。
【0051】
本明細書で用いられるいくつかの用語は以下のように規定される。
【0052】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0053】
「アルキル」が置換基または置換基の一部として用いられる場合、直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素置換基を意味する。特に言及されない限り、最も好ましくはC1-C6アルキルである。直鎖状または分岐状のC1-C6アルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ヘキシル等が挙げられるが、これらに限らない。
【0054】
「アルケニル」が置換基または置換基の一部として用いられる場合、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する脂肪族炭化水素置換基を意味し、直鎖状でも分岐状でもよい。最も好ましくはC2-C6アルケニルである。この置換基は、そのバックボーンに多数の二重結合を有してもよく、それらは独立にE配置またはZ配置でもよい。このアルケニルとしては、ビニル、プロペニル、アリル等が挙げられるが、これらに限らない。
【0055】
「シクロアルキル」は、飽和または部分的に飽和した単一、縮合、またはスピロ炭素環を意味する。好ましくは、炭素数3から6の環である。シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が例として挙げられるが、これらに限らない。
【0056】
「アルコキシ」は(アルキル-O-)の置換基を意味し、このアルキルは本明細書にて規定されたものである。好ましくはC1-C6アルコキシである。メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ等が例として挙げられるが、これらに限らない。
用語「アリール」は単独または組み合わせて用いられる場合、1つまたは2つの環を有する芳香族炭素環系を意味し、これらの環は縮合により結合してもよい。
【0057】
用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルといった芳香族基を意味する。アリールは好ましくはC6-C10アリールであり、より好ましくはフェニルである。この「アリール」は1つ以上の置換基を有してもよく、C1-C6アルキル、水酸基、ハロゲン、アルキルハロゲン化物、ニトロ、シアノ、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルアミノ等が例として挙げられる。
【0058】
本発明は式(I)の化合物およびこの化合物のさまざまな異性体の可能性を含み、異性体としては「Z」または「E」配置の異性体といった、非鏡像異性体、鏡像異性体、幾何異性体が挙げられる。
【0059】
さらに、用語「薬学的に利用可能な塩」は元々の生物活性を有し、かつ、医薬的用途に適した化合物の塩を意味する。式(I)の化合物の薬学的に利用可能な塩はアルカリ金属により形成される塩である。式(I)の化合物で薬学的に利用可能な塩を形成することができるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛等が挙げられる。
【0060】
式(I)の化合物は好ましくは経口で投与される。
【0061】
本発明の化合物が血清コレステロールレベルを低下させうることが分かっている。
【0062】
アゼチジノン化合物の調製
本発明の別の態様はさらに、塩基性条件下で式Vで表される化合物の脱保護を行う、式(I)の化合物の調製に関する。
【0063】
【化12】

【0064】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、mおよびnは上記で規定された通りであり、R8は、アセチル、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)等の水酸基の保護基であり、R2が水酸基の場合、R8は任意で保護され、式Vの化合物の加水分解後にR2上の保護基は取り除かれ、あるいは、必要に応じ、該水酸基はさらに、上記でR2として規定された他の置換基に変換される。
【0065】
式Vの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、式IVで表される化合物をN、O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドで処理した後、得られたシリル化生成物を環化する。
【0066】
【化13】

【0067】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R8、mおよびnは前述と同様に規定される。
【0068】
上記で用いられる式IVの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、式IIIで表される化合物を適当な無水溶媒(例えば、無水塩化メチレン)で溶解し、その後、触媒であるルイス酸TiCl4の存在下、乾性不活性ガス(例えば、窒素)の保護の下、式IIで表されるイミンと縮合する。
【0069】
【化14】

【0070】
上記で用いられる式IIIの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、無水不活性溶媒(例えば、CH2Cl2やTHF)中、式Lで表される酸とイソブチルクロロホーメートが混合無水物を形成し、その後、-60℃から-25℃の温度で、適当な触媒(例えば、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドや4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、好ましくはナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド)の存在下、(S)-4-フェニル-2-オキサゾリジノンと縮合する。
【0071】
【化15】

【0072】
上記で用いられる式Lの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、式Kで表される化合物を塩基性条件下で加水分解し、その後酸性化して式Lの化合物を得る。
【0073】
【化16】

【0074】
式中、R9はメチルまたはエチルである。
【0075】
上記で用いられる式Kの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、加熱により式Jで表される化合物からカルボキシル基を除去し、式Kの化合物であるモノエステル化合物を得る。
【0076】
【化17】

【0077】
上記で用いられる式Jの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、制御された適当な反応条件に基づき、式Hで表される化合物を一方のエステルについて加水分解し、式Jの化合物を得る。
【0078】
【化18】

【0079】
上記で用いられる式Hの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、式Gで表される化合物をマロン酸ジエステルと反応させ、式Hのジエステル化合物を得る。
【0080】
【化19】

【0081】
式中、Xはハロゲンであり、このハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
上記で用いられる式Gの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、式Fで表される化合物の水酸基をハロゲン化剤による処理でハロゲン化し、式Gの化合物を得る。
【0082】
【化20】

【0083】
上記で用いられる式Fの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、式Dで表される化合物のエステル基を適当な還元剤(例えば、水酸化ジイソブチルアルミニウム(DIBAH))により還元し、式Fの化合物を得る。
【0084】
【化21】

【0085】
上記で用いられる式Dの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、式Cで表される化合物をウィッティヒ・ホーナー反応にかけて式Dの化合物を生成し、この生成された化合物をさらに分離してZ配置およびE配置を得る。
【0086】
【化22】

【0087】
上記で用いられる式Cの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、適当な溶媒中、適当な触媒(例えば、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP))の存在下で式Bで表される化合物の水酸基を保護し、式Cの化合物を生成する。
【0088】
【化23】

【0089】
上記で用いられる式Bの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、塩基性条件下で式Aで表される化合物のエステル基を加水分解し、対応するアルコールである、式Bの化合物を生成する。
【0090】
【化24】

【0091】
上記で用いられる式Aの化合物は以下の方法によって調製されてもよい。この方法では、ハロゲン化物を酢酸ナトリウムと反応させ、式Aの化合物を生成する。
【0092】
【化25】

.
【0093】
本発明はさらに以下の実施例により例証される。実施例は式(I)で表される代表的な化合物の調製およびその構造同定の関連データを示す。なお、以下の実施例は例示に過ぎず、本発明に何らかの限定を与えるものとして解釈されてはならない。
【0094】
以下の実施例において、特に言及されない限り、全ての温度は摂氏であり、特に明示されない限り、出発原料および試薬は全て市販のものであった。市販の原料および試薬は、特に明示されない限り、さらに精製されることなしに直接用いられた。
【0095】
ガラス製品は炉および/または加熱により乾かされた。シリカガラス-60F254プレート(0.25mm)(TLC:適切な溶媒の割合(V/V)で展開される分析的薄層クロマトグラフィー)上の各反応がトレースされた。TLCにおいて出発材料がなくなった時点を反応の終了とした。
【0096】
1H NMRスペクトルはブルカー機器(400MHz)を用いて決定された。化学シフトはppmによって表された。テトラメチルシランが内部基準として用いられた(0.00ppm)。1H NMRは以下のように表された。s=一重項、d=二重項、t=三重項、m=多重項、br=ブロード、dd=二重項の二重項、dt=三重項の二重項結合定数が得られた場合、その単位をHzとした。
【0097】
質量スペクトルはESIまたはAPCIといったイオン化を利用するLC/MS機器により決定された。
【0098】
融点はいずれも調整されなかった。
【0099】
以下の実施例は本発明における特定の化合物の合成工程を例示するに過ぎない。しかしながら、この合成工程に限定事項はない。適切な開始原料を選択し、いくつかの反応条件に周知の技術から知りえる必要な調整を加えることで、以下に記載されない化合物も同じ合成ルートおよび同じ合成工程で調整可能である。
【0100】
合成
式(I)の化合物に関し、R1=R3=F、R2=OH、R4=R5=R6=H、R8=TBDMS、R9=Me、X=Cl、m=0、n=1であるとき、対応する化合物は以下の合成ルートに示される工程を用いて合成されてもよい。
【0101】
【化26】

【0102】
II-1の化合物は以下の工程により合成されてもよい。
【0103】
【化27】

【発明を実施するための形態】
【0104】
実施例1:[2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-エチル]アセタート(化合物A-1)の調製
【0105】
【化28】

【0106】
3Lのフラスコに400グラム(2.32mol)の2-クロロ-1-(4-フルオロフェニル)エタノンと、1LのN,N-ジメチルホルムアミドと、265グラム(3.23mol)の無水酢酸ナトリウムを加えた。混合液を攪拌し、90℃まで加熱した。反応は10時間続いた。反応終了後、加熱を停止した。反応液を室温に冷却し、酢酸エチルで抽出した(600 ml×6)。有機相を結合し、ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。残留物を混合トルエン/石油エーテル溶液から結晶化し、乾燥させ、357グラム(1.82mol)の化合物A-1を得た(収率78.5%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.23 (s, 3 H, CH3), 5.30 (s, 2 H, -CH2-), 7.14-7.19 (m, 2 H, Cpr-H ), 7.93-7.97 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/ z):197 [M+H]
【0107】
実施例2:1-(4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-エタノン(化合物B-1)の調製
【0108】
【化29】

【0109】
2Lのフラスコに321.3グラム(1.64mol)の化合物A-1と、1Lのメタノールと、18グラム(0.13mol)の炭酸カリウムを加えた。混合液を室温で攪拌し、反応は2時間続いた。混合液を酢酸エチルで5回抽出した(800ml×5)。有機相を結合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮して211.0グラム(1.37mol)の化合物B-1を得た(収率83.5%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.46 (br s, 1 H, -OH), 4.85 (s, 2 H, -CH2-), 7.17-7.21 (m, 2 H, Cpr-H), 7.95-7.98 (m, 2 H, Cpr-H)
【0110】
実施例3:2-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-1-(4-フルオロフェニル)エタノン(化合物C-1)の調製
【0111】
【化30】

【0112】
5Lのフラスコに187.8グラム(1.22mol)の化合物B-1と、1.2Lのアセトニトリルと、1.8リットルのジクロロメタンと、17.6グラム(0.14mol)の4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)と、200ml(1.44mol)のトリエチルアミンと、258.4グラム(1.72mol)の塩化tert-ブチルジメチルシラン(TBDMSCl)を加えた。混合液を室温で攪拌し、反応は10時間続いた。その後、136ml(1mol/L)の塩酸を反応液に滴下添加した。添加後、反応液をさらに20分攪拌し、その後ジクロロメタンで3回抽出した(400ml×3)。有機相を結合し、ブラインで5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し(石油エーテル/ジクロロメタン=1.5/1)、219.5グラム(0.82mol)の化合物C-1を得た(収率67.2%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.16 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.93 (s, 9 H, 3×-CH3), 4.86 (s, 2 H, -CH2-), 7.11-7.15 (m, 2 H, Cpr-H), 7.96-8.00 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 269 [M+H]
【0113】
実施例4:エチル4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-3-(4-フルオロフェニル)ブト-2-エノアート(化合物D-1)の調製
【0114】
【化31】

【0115】
5Lのフラスコに27.0グラム(1.19mol)のホスホノ酢酸トリエチルと1.3Lのテトラヒドロフランを加えた。混合液を攪拌し、0.82L(2mol/L)のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドを約-30℃で滴下添加した。添加後、混合液を室温に温め、反応は1時間続いた。その後、192.1グラム(0.72mol)の化合物C-1(450mlのテトラヒドロフランに溶解)を約-60℃の温度で滴下添加した。添加後、温度が室温まで上げられ、反応は1時間続いた。生成物を酢酸エチルで3回抽出し(250ml×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)によって精製し、125グラム(0.37mol、収率51.4%)の化合物D-1(Z配置)と67.6グラム(0.20mol、収率27.8%)の化合物D-1(E配置)を得た。化合物D-1(Z配置): 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.10 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.65 (s, 9 H, 3×-CH3), 1.21 (t, 3 H, J =7.2 Hz, -CH3),4.11 (q, 2 H, J = 7.2 Hz, -CH2-), 5.06 (s, 2 H, -CH2-), 5.89 (s, 1 H, -CH-), 6.90-6.95 (m, 2 H, Cpr-H), 7.35-7.38 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 339 [M+H] 化合物D-1(E配置): 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.10 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.94 (s, 9 H, 3×-CH3), 1.10 (t, 3 H, J =7.2 Hz, -CH3),4.02 (q, 2 H, J = 7.2 Hz, -CH2-), 4.30 (s, 2 H, -CH2-), 6.20 (s, 1 H, -CH-), 7.02-7.06 (m, 2 H, Cpr-H), 7.13-7.16 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 339 [M+H]
【0116】
実施例5:(Z)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-3-(4-フルオロフェニル)ブト-2-エン-1-オール(化合物F-1、Z配置)の調製
【0117】
【化32】

【0118】
5Lのフラスコに120グラム(0.36mol)の化合物D-1(Z配置)と1.0Lのジクロロメタンを加えた。その後、0.8L(1.125mol/L)の水酸化ジイソブチルアルミニウム(DIBAH)n-ヘキサン溶液を約-60℃で滴下添加した温度を室温まで温かくし、反応は30分続いた。500mlのジクロロメタンを反応液に添加した。その後、生成物を飽和塩化アンモニウム水溶液とブラインとで順次3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮して103.6グラム(0.35mol)の化合物F-1(Z配置)を得た(収率97.2%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.07 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.86 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.25 (t, 1 H, J = 5.8 Hz, -OH), 4.36 (t, 2 H, J= 6.3 Hz, -CH2-), 4.54 (s, 2 H, -CH2-), 5.99 (t, 1 H, J = 6.8 Hz, -CH-), 6.98-7.02 (m, 2 H, Cpr-H), 7.32-7.36 (m, 2 H, Cpr-H)
【0119】
実施例6:(E)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-3-(4-フルオロフェニル)ブト-2-エン-1-オール(化合物F-1、E配置)の調製
【0120】
【化33】

この化合物は、実施例5と同様の工程に基づくエチル(E)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エノアート(化合物D-1、E配置)から調製される。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.09 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.94 (s, 9 H, 3×-CH3), 4.12-4.14 (m, 2 H, -CH2-), 4.34 (s, 2 H, -CH2-), 6.01 (t, 1 H, J = 6.8 Hz, -CH-), 7.05-7.09 (m, 2 H, Cpr-H), 7.16-7.19 (m, 2 H, Cpr-H)
【0121】
実施例7:tert-ブチル-[(Z)-4-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ブト-2-エトキシ]-ジメチル-シラン(化合物G-1、Z配置)の調製
【0122】
【化34】

【0123】
5Lのフラスコに100.6グラム(0.34mol)の化合物F-1(Z配置)と、1.6Lのジクロロメタンと、10.5グラム(0.085mol)の4-ジメチルアミノピリジンと、182mlのジイソプロピルエチルアミンを加えた。混合液を窒素保護下で攪拌し、74.3グラム(0.39mol)塩化4-トルエンスルホニル(TsCl)(800mlのジクロロメタンに溶解)を約-20℃で滴下添加した。反応液を室温に温め、反応は12時間続いた。その後反応液を2mol/Lの塩酸でpH=4に酸性化した。反応液は30分攪拌された後、層をなした。水相をジクロロメタンで2回抽出した(100 ml×2)。得られた有機相を結合し、ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮して77.5グラム(0.25mol)の化合物G-1(Z配置)を得た(収率73.5%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.06 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.88 (s, 9 H, 3×-CH3), 4.34 (t, 2 H, J = 8.0 Hz, -CH2-), 4.57 (s, 2 H, -CH2-), 5.91 (t, 1 H, J = 8.0 Hz, -CH-), 6.99-7.03 (m, 2 H, Cpr-H), 7.35-7.39 (m, 2 H, Cpr-H)
【0124】
実施例8:tert-ブチル-[(E)-4-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ブト-2-エトキシ]-ジメチル-シラン(化合物G-1、E配置)の調製
【0125】
【化35】

【0126】
表題の化合物は、実施例7と同様の工程に基づく(E)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-3-(4-フルオロフェニル)ブト-2-エン-1-オール(化合物F-1、E 配置)から調製された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.07 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.91 (s, 9 H, 3×-CH3), 3.97-3.99 (m, 2 H, -CH2-), 4.30 (s, 2 H, -CH2-), 5.99 (t, 1 H, J = 8.0 Hz, -CH-), 7.04-7.09 (m, 2 H, Cpr-H), 7.17-7.21 (m, 2 H, Cpr-H)
【0127】
実施例9:ジメチル2-[(Z)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-3-(4-フルオロフェニル)ブト-2-エニル]プロパンジオエート(化合物H-1、Z配置)の調製
【0128】
【化36】

【0129】
3Lのフラスコに57.2グラム(0.43mol)のマロン酸ジメチルと1LのN,N-ジメチルホルムアミドを加えた。混合液を窒素保護下で攪拌し、73.0グラム(0.55mol)の炭酸セシウムを室温で添加した。室温で2時間反応後、75.5グラム(0.24mol)の化合物G-1(Z配置)(300mlのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解)を滴下添加した。1時間反応後、反応液に400mlの酢酸エチルと100mlの水を添加した。反応液は層をなした。水相を酢酸エチルで3回抽出した(100ml×3)。有機相を結合し、ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮して96.5グラム(0.235mol)の化合物H-1(Z配置)を得た(収率98%)。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) : δ 0.01 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.81 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.84 (t, 2 H, J = 7.6 Hz, -CH2-), 3.50 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 3.73 (s, 6 H, 2×-CH3), 4.50 (s, 2 H, -CH2-), 5.62 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 6.93-6.97 (m, 2 H, Cpr-H), 7.27-7.31 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 411 [M+H]
【0130】
実施例10:ジメチル2-[(E)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-3-(4-フルオロフェニル)ブト-2-エニル]プロパンジオエート(化合物H-1、E配置)の調製
【0131】
【化37】

【0132】
表題の化合物は、実施例9と同様の工程に基づくtert-ブチル-[(E)-4-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ブト-2-エノキシ]-ジメチルシラン(化合物G-1、E配置)から調製された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.03 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.90 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.54 (t, 2 H, J = 7.6 Hz, -CH2-), 3.39 (t, 1 H, J= 7.6 Hz, -CH-), 3.71 (s, 6 H, 2×-CH3), 4.24 (s, 2 H, -CH2-), 5.67 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 7.02-7.07 (m, 2 H, Cpr-H), 7.10-7.14 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 411 [M+H]
【0133】
実施例11:(Z)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)-2-メトキシカルボニル-ヘクス-4-エン酸(化合物J-1、Z配置)の調製
【0134】
【化38】

【0135】
2Lのフラスコに94.0グラム(含有量75%、0.23mol)の化合物H-1(Z配置)と0.62Lのエタノールを加えた。その後、85ml(3mol/L)の水酸化カリウム水溶液を室温で滴下添加した。1時間反応後、反応液を2mol/Lの塩酸でpH=4に酸性化した。混合液を30分攪拌し、酢酸エチルで3回抽出した(150ml×3)。有機相を結合し、ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮して76.1グラム(0.19mol)の化合物J-1(Z配置)を得た(収率83.8%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.01 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.80 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.84-2.87 (m, 2 H, -CH2-), 3.53 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 3.74 (s, 3 H, -CH3), 4.49 (s, 2 H, -CH2-), 5.62 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 6.92-6.96 (m, 2 H, Cpr-H), 7.23-7.30 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 397 [M+H]
【0136】
実施例12:(E)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)-2-メトキシカルボニル-ヘクス-4-エン酸(化合物J-1、E配置)の調製
【0137】
【化39】

【0138】
表題の化合物は、実施例11と同様の工程に基づくジメチル2-[(E)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-3-(4-フルオロフェニル)ブト-2-エニル]プロパンジオエート(化合物H-1、E配置)から調製された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.02 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.86 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.56-2.60 (m, 2 H, -CH2-), 3.38 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 3.70 (s, 3 H, -CH3), 4.20 (s, 2 H, -CH2-), 5.66 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 6.99-7.03 (m, 2 H, Cpr-H), 7.06-7.24 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z):419 [M+Na]
【0139】
実施例13:メチル(Z)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)ヘクス-4-エノアート(化合物K-1、Z配置)の調製
【0140】
【化40】

【0141】
2Lのフラスコに73.66グラム(0.186mol)の化合物J-1(Z配置)と、0.6Lのトルエンと、3.8mlのトリエチルアミンを加えた。混合液は加熱還流され、反応は5時間続いた。生成物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮して57.02グラム(0.162mol)の化合物K-1(Z配置)を得た(収率87.1%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.03 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.84 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.45-2.47 (m, 2 H, -CH2-), 2.56-2.61 (m, 2 H, -CH2-), 3.69 (s, 3 H, -CH3), 4.52 (s, 2 H, -CH2-), 5.70 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 6.95-7.00 (m, 2 H, Cpr-H), 7.33-7.36 (m, 2 H, Cpr-H) ; MS (m/z): 353 [M+H]
【0142】
実施例14:メチル(E)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)ヘクス-4-エノアート(化合物K-1、E配置)の調製
【0143】
【化41】

【0144】
表題の化合物は、実施例13と同様の工程に基づく6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)-2-メトキシカルボニル-4(E)-ヘキセン酸(化合物J-1、E配置)から調製された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.02(s, 6 H, 2×-CH3), 0.88 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.27-2.33 (m, 4 H,2×-CH2-), 3.64 (s, 3 H, -CH3), 4.24 (s, 2 H, -CH2-), 5.70 (t, 1 H, J= 7.2 Hz, -CH-), 7.02-7.05 (m, 2 H, Cpr-H), 7.10-7.12 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z):353 [M+H]
【0145】
実施例15:(Z)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)ヘクス-4-エン酸(化合物L-1、Z配置)の調製
【0146】
【化42】

【0147】
1Lのフラスコに56.07グラム(0.159mol)の化合物K-1(Z配置)と180mlのエタノールを加えた。その後、54.28 ml(3mol/L)の水酸化カリウム水溶液を室温で滴下添加した。1時間反応後、反応液を2mol/Lの塩酸でpH=4に酸性化した。反応液を30分間攪拌し続けた。残留物を酢酸エチルで3回抽出した(60ml×3)。有機相を結合し、ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮して39.88グラム(0.118mol)の化合物L-1(Z配置)を得た(収率74.1%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.03 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.84 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.50-2.54 (m, 2 H, -CH2-), 2.60 (t, 2 H, -CH2-), 4.52 (s, 2 H, -CH2-), 5.74 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 6.95-6.99 (m, 2 H, Cpr-H), 7.32-7.36 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 361 [M+Na]
【0148】
実施例16:(E)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)ヘクス-4-エン酸(化合物L-1、E配置)の調製
【0149】
【化43】

【0150】
表題の化合物は、実施例15と同様の工程に基づくメチル(E)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)ヘクス-4-エノアート(化合物K-1、E 配置)から調製された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.02 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.88 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.27-2.30 (m, 2 H, -CH2-), 2.35-2.39 (m, 2 H, -CH2-), 4.24 (s, 2 H, -CH2-), 5.71 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 6.95-6.99 (m, 2 H, Cpr-H), 7.32-7.36 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 361 [M+Na]
【0151】
実施例17:(4S)-3-[(Z)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)ヘクス-4-エノイル]-4-フェニル-オキサゾリジン-2-オン(化合物III-1、Z配置)の調製
【0152】
【化44】

【0153】
ステップ1:1Lのフラスコに39.21グラム(0.116mol)の化合物L-1(Z配置)と、300mlのテトラヒドロフランと、19.0ml(0.14mol)のイソブチルクロロホーメートを加えた。その後、19.3ml(0.14mol)のトリエチルアミンを約-60℃の温度で滴下添加した。添加後、混合液を室温に温め、反応は30分続いた。残留物を濾過し、次に用いる混合無水物をテトラヒドロフラン溶液中に得た。
【0154】
ステップ2:3Lのフラスコに22.69グラム(0.14mol)の(S)-4-フェニル-2-オキサゾリドンと0.6Lのテトラヒドロフランを加えた。その後、69.6ml(2mol/L)のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドを約-25℃で滴下添加した。反応は30分続いた。その後、ステップ1で得た混合無水物のテトラヒドロフラン溶液を滴下添加した。添加後、混合液を室温に温め、反応は1時間続いた。残留物を酢酸エチルで3回抽出した(150ml×3)。有機相を結合し、ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮して47.62グラム(0.10mol)の化合物III-1(Z配置)を得た(収率85%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.05 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.86 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.59-2.64 (m, 2 H, -CH2-), 3.13-3.18 (m, 2 H, -CH2-), 4.32-4.35 (m, 1 H, -CH2-), 4.52 (s, 2 H, -CH2-), 4.74 (t, 1 H, J = 8.8 Hz, -CH2-), 5.47-5.49 (m, 1 H, -CH-), 5.74 (t, 1 H, J = 7.5 Hz, -CH-), 6.99-7.03 (m, 2 H, Cpr-H), 7.31-7.41 (m, 7 H, Cpr-H); MS (m/z): 506 [M+Na]
【0155】
実施例18:(4S)-3-[(E)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)ヘクス-4-エノイル]-4-フェニル-オキサゾリジン-2-オン(化合物III-1、E配置)の調製
【0156】
【化45】

【0157】
表題の化合物は、実施例17と同様の工程に基づく(E)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)ヘクス-4-エン酸(化合物L-1、E配置)から調製された。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.01 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.87 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.23-2.28 (m, 2 H, -CH2-), 2.94-2.99 (m, 2 H, -CH2-), 4.22 (s, 2 H, -CH2-), 4.25-4.28 (m, 1 H, -CH2-), 4.66 (t, 1 H, J = 8.8 Hz, -CH2-), 5.36-5.39 (m, 1 H, -CH-), 5.69 (t, 1 H, J= 7.2 Hz, -CH-), 6.99-7.01 (m, 2 H, Cpr-H), 7.06-7.08 (m, 2 H, Cpr-H), 7.27-7.37 (m, 5 H, Cpr-H); MS (m/z): 506 [M+Na]
【0158】
実施例19:[4-[(4-フルオロフェニル)イミノメチル]フェニル]安息香酸エステル(化合物II-1)の調製
【0159】
【化46】

【0160】
500mlのフラスコに45.6グラム((0.374mol)の4-ヒドロキシルベンズアルデヒドと、150mlのアセトンと、25.8グラム(0.187mol)の炭酸カリウムを加えた。その後、52.1ml(0.449mol)の塩化ベンゾイル(BzCl)を約0℃の温度でゆっくり滴下添加した。添加後、混合液を室温に温め、反応は2時間続いた。残留物を酢酸エチルで3回抽出した(150ml×3)。有機相を結合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮して76.08グラム(0.336mol)の4-ベンゾイルオキシベンズアルデヒドを得た。次に、300mlの酢酸エチル中の得られた4-ベンゾイルオキシベンズアルデヒド溶液に35.7ml(0.37 mol)の4-フルオロアニリンを滴下添加した。反応は1時間続いた。反応混合液を濾過した。得られた固形物を脱水エタノールから再結晶化し、60.3グラム(0.189mol)の白色の固形物である化合物II-1を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 7.09-7.14 (m, 2 H, Cpr-H), 7.23-7.28 (m, 2 H, Cpr-H), 7.37-7.39 (m, 2 H, Cpr-H), 7.54-7.59 (m, 2 H, Cpr-H), 7.67-7.71 (m, 1 H, Cpr-H), 7.99-8.02 (m, 2 H, Cpr-H), 8.24-8.26 (m, 2 H, Cpr-H), 8.49 (s, 1 H, -CH-)
【0161】
実施例20:[4-[(Z,1S,2R)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-1-(4-フルオロアニリノ)-5-(4-フルオロフェニル)-2-[(4S)-2-オキソ-4-フェニル-オキサゾリジン-3-カルボニル]ヘクス-4-エニル]フェニル]安息香酸エステル(化合物IV-1、Z配置)の調製
【0162】
【化47】

【0163】
1Lのフラスコに350mlのジクロロメタンと20グラムの粉末モレキュラーシーブを窒素保護下で加え、さらに10.6ml(95.7 mmol)の四塩化チタンと9.6ml(0.032mol)のテトライソプロポキシドを約0℃の温度で加えた。15分間反応後、47.62グラム(98.6 mmol)の化合物III-1(Z配置)(60mlのジクロロメタンに溶解)を加えた。5分間反応後、37.8ml(0.21mol)のジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を約0℃で添加した。1時間反応後、反応液を約-20℃に冷却し、34.97グラム(98.6mmol)の化合物II-1(0.87Lのジクロロメタンに溶解)を添加した。4時間反応後、29mlの酢酸と58ml(2mol/L)の硫酸を滴下添加した。混合液を室温で30分攪拌し、その後ジクロロメタンで3回抽出した(120 ml×3)。 有機相を結合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、43.3mmolの化合物IV-1(Z配置)を得た(収率43.9%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.05 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.86 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.60-2.62 (m, 2 H, -CH2-), 3.15-3.16 (m, 1 H, -CH-), 4.35-4.40 (m, 2 H, -CH2-), 4.46-4.52 (m, 2 H, -CH2-), 4.53-4.60 (m, 1 H, -CH-), 4.72-4.76 (m, 1 H, -NH-), 5.74 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 6.80-6.85 (m, 1 H, -CH-), 6.99-7.38 (m, 6 H, Cpr-H), 7.39-7.41 (m, 8 H, Cpr-H), 7.59-7.55 (m, 2 H, Cpr-H), 7.69-7.72 (m, 1 H, Cpr-H), 8.23-8.25 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 803 [M+H]
【0164】
実施例21:[4-[(E,1S,2R)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-1-(4-フルオロアニリノ)-5-(4-フルオロフェニル)-2-[(4S)-2-オキソ-4-フェニル-オキサゾリジン-3-カルボニル]ヘクス-4-エニル]フェニル]安息香酸エステル(化合物IV-1、E配置)の調製
【0165】
【化48】

【0166】
表題の化合物は、実施例20と同様の工程に基づく(4S)-3-[(E)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-5-(4-フルオロフェニル)ヘクス-4-エノイル]-4-フェニル-オキサゾリジン-2-オン(化合物III-1、E 配置)から調製された。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.01 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.87 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.24-2.26 (m, 2 H, -CH2-), 2.96-2.97 (m, 1 H, -CH-), 4.28-4.33 (m, 2 H, -CH2-), 4.37-4.43 (m, 2 H, -CH2-), 4.51-4.58 (m, 1 H, -CH-), 4.66-4.70 (m, 1 H, -NH-), 5.68 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 6.78-6.83 (m, 1 H, -CH-), 6.88-7.25 (m, 6 H, Cpr-H), 7.29-7.31 (m, 8 H, Cpr-H), 7.52-7.54 (m, 2 H, Cpr-H), 7.58-7.60 (m, 1 H, Cpr-H), 8.15-8.17 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 803 [M+H]
【0167】
実施例22:(3R,4S)-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-ブト-2-エニル]アゼチジン-2-オン(化合物V-1、Z配置)の調製
【0168】
【化49】

【0169】
1Lのフラスコに42.5mmolの化合物IV-1(Z配置)と、350mlのトルエンと、22.93グラム(112.7mmol)のN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドを添加した。反応は約50℃で1時間続いた。その後、1.36グラム(4.3mmol)のフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)を添加した。反応は同じ温度で3時間続けられた。反応終了後、加熱を停止した。反応系が室温に冷却されると、2mol/Lの塩酸でpHを約7.0に調整した。 生成物を300mlの酢酸エチルで抽出し、ブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、33.1mmolの化合物V-1(Z配置)を得た(収率77.9%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.10 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.90 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.92-2.96 (m, 2 H, -CH2-), 3.31-3.32 (m, 1 H, -CH-), 4.59 (d, 1 H, J= 12.0 Hz, -CH2-), 4.71 (d, 1 H, J= 12.0 Hz, -CH2-), 4.92 (s, 1 H, -CH-), 5.78 (t, 1 H, J = 8.0 Hz, -CH-), 7.00-7.07 (m, 5 H, Cpr-H), 7.26-7.38 (m, 5 H, Cpr-H), 7.44-7.46 (m, 2H, Cpr-H), 7.56-7.60 (m, 2 H, Cpr-H), 7.69-7.71 (m, 1 H, Cpr-H), 8.24-8.26 (m, 2 H, Cpr-H); MS (m/z): 640 [M+H]
【0170】
実施例23:(3R,4S)-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(E)-3-(4-フルオロフェニル)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-ブト-2-エニル]アゼチジン-2-オン(化合物V-1、E配置)の調製
【0171】
【化50】

【0172】
表題の化合物は、実施例22と同様の工程に基づく[4-[(E,1S,2R)-6-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-1-(4-フルオロアニリノ)-5-(4-フルオロフェニル)-2-[(4S)-2-オキソ-4-フェニル-オキサゾリジン-3-カルボニル]ヘクス-4-エニル]フェニル]安息香酸エステル(化合物IV-1、E配置)から調製された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 0.12 (s, 6 H, 2×-CH3), 0.93 (s, 9 H, 3×-CH3), 2.65-2.69 (m, 2 H, -CH2-), 3.09-3.10 (m, 1 H, -CH-), 4.42 (d, 1 H, J = 12.0 Hz, -CH2-), 4.54 (d, 1 H, J = 12.0 Hz, -CH2-), 4.48 (s, 1 H, -CH-), 5.71(t, 1 H, J = 12.0 Hz, -CH-), 6.73-6.75 (m, 5 H, Cpr-H), 6.92-6.98 (m, 5 H, Cpr-H), 7.02-7.08 (m, 2H, Cpr-H), 7.22-7.25 (m, 5 H, Cpr-H); MS (m/z): 640 [M+H]
【0173】
実施例24:(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン(化合物I-1、Z配置)の調製
【0174】
【化51】

【0175】
ステップ1:500mlのフラスコに32.5mmolの化合物V-1(Z配置)と、250mlのメタノールと、4.89グラム(35.8mmol)の炭酸カリウムを加えた。混合液を室温で攪拌し、反応は30分続いた。反応終了後、残留物を酢酸エチルで3回抽出した(300 ml×3)。次の工程で使用するために、有機相を結合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。
【0176】
ステップ2:ステップ1の生成物を200mlのテトラヒドロフランに溶解した。pHを6mol/Lの塩酸で約1に調整した。混合液を室温で攪拌し、反応は30分続いた。残留物を酢酸エチルで3回抽出した(250 ml×3)。有機相を結合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して8.14グラム(19.3mmol)の化合物I-1(Z配置)を得た(収率59.4%)。 [α]24D= -1.67°(c= 3 mg/ml MeOH), 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) : δ 2.72-2.84 (m, 2 H, -CH2-), 3.20-3.25 (m, 1 H, -CH-), 4.39 (s, 2 H, -CH2-), 4.85 (t, 1 H, J= 5.2Hz, -CH-), 4.93 (s, 1 H, -OH), 5.80 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 6.73-6.76 (m, 2H, Cpr-H), 7.10-7.20 (m, 4 H, Cpr-H), 7.21-7.39 (m, 4 H, Cpr-H), 8.40-7.42 (m, 2 H, Cpr-H), 9.48 (s, 1 H, -OH); MS (m/z): 422 [M+H]
【0177】
実施例25:(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(E)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン(化合物I-1、E配置)の調製
【0178】
【化52】

【0179】
表題の化合物は、実施例24と同様の工程に基づく(3R,4S)-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(E)-3-(4-フルオロフェニル)-4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-ブト-2-エニル]アゼチジン-2-オン(化合物V-1、E配置)から調製された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 2.45-2.57 (m, 2 H, -CH2-), 2.98-3.02 (m, 1 H, -CH-), 4.22 (s, 2 H, -CH2-), 4.41 (d, 1 H, J = 2.3Hz, -CH-), 5.73 (t, 1 H, J= 7.2Hz, -CH-), 6.75-6.77 (m, 2H, Cpr-H), 6.82-6.86 (m, 2H, Cpr-H), 6.98-7.00 (m, 2H, Cpr-H), 7.04-7.07(m, 2 H, Cpr-H), 7.09-7.19 (m, 4 H, Cpr-H) ; MS (m/z):422 [M+H]
【0180】
以下の化合物は同様の方法および適当な開始原料を用いて調製される。
【化53】


【化54】

【0181】
実施例32:(3R,4S)-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]アゼチジン-2-オン(化合物I-5、Z配置)の調製
【0182】
【化55】

【0183】
250mlのフラスコに19.0mmolの化合物I-1(Z配置)と、100mlのジクロロメタンと、4.72グラム(20.9mmol)の安息香酸無水物と、3.3mlのトリエチルアミンを加えた。混合液を室温で攪拌し、反応は2時間続いた。反応終了後、残留物を酢酸エチルで3回抽出した(100 ml×3)。有機相を結合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、8.04グラム(15.3 mmol)の化合物I-5(Z配置)を得た(収率80.6%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.87-2.91 (m, 2 H, -CH2-), 3.29-3.34 (m, 1 H, -CH-), 4.57 (q, 2 H, -CH2-), 4.85 (s, 1 H, -CH-), 5.86 (t, 1 H, J = 8.0 Hz, -CH-), 6.94-7.04 (m, 4H, Cpr-H), 7.24-7.29 (m, 4 H, Cpr-H), 7.39-7.43 (m, 4 H, Cpr-H), 7.50-7.54 (m, 2 H, Cpr-H), 7.64-7.68 (m, 1 H, Cpr-H), 8.18-8.20 (m, 2 H, Cpr-H);MS (m/z): 526 [M+H]
【0184】
実施例33:(3R,4S)-4-(4-アセトキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]アゼチジン-2-オン(I-6、Z配置)の調製
【0185】
【化56】

【0186】
開始原料として化合物I-1(Z配置)を用い、実施例32と同様の工程で化合物I-6(Z配置)を調製した。1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 2.30 (s, 3 H, -CH3), 2.83-2.88 (m, 2 H, -CH2-), 3.24-3.29 (m, 1 H, -CH-), 4.54 (q, 2 H, -CH2-), 4.81 (s, 1 H, -CH-), 5.82 (t, 1 H, J = 8.0 Hz, -CH-), 6.91-7.01 (m, 4H, Cpr-H), 7.09-7.12 (m, 2 H, Cpr-H), 7.22-7.26 (m, 2 H, Cpr-H), 7.34-7.38 (m, 2 H, Cpr-H), 7.38-7.41 (m, 2 H, Cpr-H);MS (m/z): 464 [M+H]
【0187】
実施例34:(3R,4S)-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ペンタ-2-エニル]アゼチジン-2-オン(化合物I-7、Z配置)の調製
【0188】
【化57】

【0189】
ステップ1:100 mlのフラスコに15.0mmolの化合物I-5(Z配置)と、20mlのジクロロメタンと、7.63グラム(18.0mmol)のデス ・マーチン ・ペルヨージナンを加えた。混合液を室温で攪拌し、反応は2時間続いた。反応終了後、生成物をエーテルで洗浄した。濾過液を乾燥するまで濃縮し、さらに精製することなしに次の工程で直接用いた。
【0190】
ステップ2:100mlのフラスコに18.0mmolのメチルマグネシウムクロライドと30mlの無水テトラヒドロフランを加えた。混合液を-10℃に冷却し、ステップ1における生成物のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり滴下添加した。添加後、混合液を0℃に温め、反応は2時間続いた。反応終了後、残留物を飽和塩化アンモニウム(NH4Cl)溶液で中和し、ジクロロメタンで3回抽出した(80ml×3)。有機相を結合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、2.29グラム(4.25mmol)の化合物I-7(Z配置)を得た(収率52.6%)。 1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 1.26 (d, 3 H, -CH3), 2.80-2.98 (m, 2 H, -CH2-), 3.32-3.35 (m, 1 H, -CH-), 4.80 (d, 1 H, -CH-), 5.03-5.08 (m, 2 H, 2×-CH-), 5.56 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 6.93-7.00 (m, 4H, Cpr-H), 7.23-7.32 (m, 6 H, Cpr-H), 7.38-7.47 (m, 2 H, Cpr-H), 7.50-7.54 (m, 2 H, Cpr-H), 7.64-7.67 (m, 1 H, Cpr-H), 8.15-8.20 (m, 2 H, Cpr-H);MS (m/z): 584 [M-H+HCOOH]
【0191】
実施例35:(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ペンタ-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン(化合物I-8、Z配置)の調製
【0192】
【化58】

【0193】
開始原料として化合物I-7(Z配置)を用い、実施例24のステップ1に基づき、ベンゾイル保護基を取り除いて化合物I-8(Z配置)を得た。 1H NMR (400 MHz,DMSO-d6): δ 1.11 (d, 3 H, -CH3), 2.76-2.83 (m, 2 H, -CH2-), 3.20-3.24 (m, 1 H, -CH-), 4.91-4.93 (m, 2 H, 2×-CH-), 4.93 (s, 1 H, -OH), 5.45 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 6.74-6.78 (m, 2H, Cpr-H), 7.07-7.19 (m, 4 H, Cpr-H), 7.21-7.26 (m, 4 H, Cpr-H), 7.33-7.39 (m, 2 H, Cpr-H), 9.56 (s, 1 H, -OH);MS (m/z): 434 [M-H]
【0194】
実施例36:(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(E)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ペンタ-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン(化合物I-8、E配置)の調製
【0195】
【化59】

【0196】
開始原料として化合物I-1(E配置)を用い、実施例32、実施例34および実施例35の工程に順次基づき化合物I-8(E配置)を調製した。 1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 1.18 (d, 3 H, -CH3), 2.43-2.50 (m, 2 H, -CH2-), 3.04-3.06 (m, 1 H, -CH-), 4.48-4.50 (m, 2 H, 2×-CH-), 5.78 (t, 1 H, J = 7.2 Hz, -CH-), 6.82-6.85 (m, 2H, Cpr-H), 6.89-6.94 (m, 2 H, Cpr-H), 7.02-7.07 (m, 2 H, Cpr-H), 7.12-7.15 (m, 4 H, Cpr-H), 7.18-7.22 (m, 2 H, Cpr-H);MS (m/z): 434 [M-H]
【0197】
実施例37:(3R,4S)-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-エニル]アゼチジン-2-オン(化合物I-9、Z配置)の調製
【0198】
【化60】

【0199】
開始原料として化合物I-7(Z配置)を用い、実施例34のステップ1およびステップ2に基づき化合物I-9(Z配置)を調製した。1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 1.35 (s, 3 H, -CH3), 1.38 (s, 3 H, -CH3), 3.01-3.09 (m, 1 H, -CH-), 3.26-3.34 (m, 2 H, -CH2-), 4.86 (d, 1 H, -CH-), 5.34 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 6.89-7.04 (m, 6H, Cpr-H), 7.23-7.30 (m, 4 H, Cpr-H), 7.39-7.41 (m, 2 H, Cpr-H), 7.50-7.54 (m, 2 H, Cpr-H), 7.64-7.65 (m, 1 H, Cpr-H), 8.18-8.20 (m, 2 H, Cpr-H);MS (m/z):598 [M-H+HCOOH]
【0200】
実施例38:(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン(化合物I-10、Z配置)の調製
【0201】
【化61】

【0202】
開始原料として化合物I-9(Z配置)を用い、実施例24のステップ1の工程に基づき、ベンゾイル保護基を取り除いて化合物I-10(Z配置)を得た。 1H NMR (400 MHz,DMSO-d6): δ 1.21 (s, 3 H, -CH3), 1.23 (s, 3 H, -CH3), 2.96-3.08 (m, 2 H, -CH2-), 3.16-3.20 (m, 1 H, -CH-), 4.88 (d, 1 H, -CH-), 4.96 (s, 1 H, -OH), 5.14 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 6.74-6.76 (m, 2H, Cpr-H), 7.06-7.07 (m, 4 H, Cpr-H), 7.12-7.16 (m, 4 H, Cpr-H), 7.19-7.23 (m, 4 H, Cpr-H), 9.51 (s, 1 H, -OH);MS (m/z): 448 [M-H]
【0203】
実施例39:(3R,4S)-3-[(Z)-4-アセトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-4-(4-アセトキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)アゼチジン-2-オン(化合物I-11、Z配置)の調製
【0204】
【化62】

【0205】
250mlのフラスコに19.0mmolの化合物I-1(Z配置)と、100mlのジクロロメタンと、4.84グラム(47.5mmol)の無水酢酸と、7.5 mlのトリエチルアミンを加えた。混合液を室温で攪拌し、反応は2時間続いた。反応終了後、残留物を酢酸エチルで3回抽出した(100ml×3)。有機相を結合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、8.16グラム(16.2mmol)の化合物I-11(Z配置)を得た(収率85.0%)。 1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 2.00 (s, 3 H, -CH3), 2.30 (s, 3 H, -CH3), 2.88-2.92 (m, 2 H, -CH2-), 3.23-3.27 (m, 1 H, -CH-), 4.76 (s, 1 H, -CH-), 5.04 (q, 2 H, -CH2-), 5.95 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 6.93-6.98 (m, 2H, Cpr-H), 6.98-7.03 (m, 2 H, Cpr-H), 7.09-7.11 (m, 2 H, Cpr-H), 7.23-7.29 (m, 4 H, Cpr-H), 7.30-7.34 (m, 2 H, Cpr-H);MS (m/z): 506 [M+H]
【0206】
実施例40:(3R,4S)-3-[(Z)-4-アセトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-1-(4-フルオロフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン(化合物I-12、Z配置)の調製
【0207】
【化63】

【0208】
開始原料として化合物I-11(Z配置)を用い、実施例24のステップ1の工程に基づき、アセチル保護基をフェノール性水酸基から取り除いて化合物I-12(Z配置)を得た。 1H NMR (400 MHz,DMSO-d6): δ 1.94 (s, 3 H, -CH3), 2.76-2.88 (m, 2 H, -CH2-), 3.23-3.27 (m, 1 H, -CH-), 4.90 (d, 1 H, -CH-), 5.05 (q, 2 H, -CH2-), 6.01 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 6.74-6.76 (m, 2 H, Cpr-H), 7.12-7.21 (m, 6 H, Cpr-H), 7.21-7.25 (m, 2 H, Cpr-H), 7.36-7.40 (m, 2 H, Cpr-H), 9.52 (s, 1 H, -OH);MS (m/z): 464 [M+H]
【0209】
以下の化合物は、実施例39および実施例40の工程に基づき、適当な開始原料を用いて調製された。
【化64】



【0210】
実施例44:(3R,4S)-3-[(Z)-4-アセトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)アゼチジン-2-オン(化合物I-16、Z配置)
【0211】
【化65】

【0212】
250mlのフラスコに16.0mmolの化合物I-5(Z配置)と、100mlのジクロロメタンと、1.96グラム(19.2mmol)の無水酢酸と、2.8 mlのトリエチルアミンを加えた。混合液を室温で攪拌し、反応は2時間続いた。反応終了後、残留物を酢酸エチルで3回抽出した(100ml×3)。有機相を結合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまで濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、7.94グラム(14.0mmol)の化合物I-16(Z配置)を得た(収率87.5%)。 1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 2.90-2.94 (m, 2 H, -CH2-), 3.27-3.31 (m, 1 H, -CH-), 4.80 (s, 1 H, -CH-), 5.06 (q, 2 H, -CH2-), 5.97 (t, 1 H, J = 8.0 Hz, -CH-), 6.95-7.03 (m, 4H, Cpr-H), 7.23-7.32 (m, 6 H, Cpr-H), 7.38-7.40 (m, 2 H, Cpr-H), 7.50-7.54 (m, 2 H, Cpr-H), 7.63-7.67 (m, 1 H, Cpr-H), 8.18-8.20 (m, 2 H, Cpr-H);MS (m/z): 568 [M+H]
【0213】
実施例45:(3R,4S)-3-[(Z)-4-アセトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-1-(4-フルオロフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(化合物I-17、Z配置)
【0214】
【化66】

【0215】
化合物I-2(Z配置)を開始原料として用い、実施例44の工程に基づき化合物I-17(Z配置)を調製した。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.96 (s, 3 H, -CH3), 2.52-2.67 (m, 2 H, -CH2-), 3.07-3.11 (m, 1 H, -CH-), 3.80 (s, 3 H, -CH3), 4.47 (s, 1 H, -CH-), 4.74 (q, 2 H, -CH2-), 5.80 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 6.87-6.94 (m, 4H, Cpr-H), 7.05-7.09 (m, 2 H, Cpr-H), 7.16-7.23 (m, 6 H, Cpr-H);MS (m/z):500 [M+Na]
【0216】
実施例46:(3R,4S)-3-[(E)-4-アセトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-1-(4-フルオロフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(化合物I-17、E配置)
【0217】
【化67】

【0218】
化合物I-2(E配置)を開始原料として用い、実施例44の工程に基づき化合物I-17(E配置)を調製した。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.99 (s, 3 H, -CH3), 2.87-2.91 (m, 2 H, -CH2-), 3.21-3.25 (m, 1 H, -CH-), 3.80 (s, 3 H, -CH3), 4.47 (s, 1 H, -CH-), 5.04 (s, 2 H, -CH2-), 5.96 (t, 1 H, J = 7.6 Hz, -CH-), 6.88-6.96 (m, 4H, Cpr-H), 6.98-7.02 (m, 2 H, Cpr-H), 7.23-7.31 (m, 6 H, Cpr-H);MS (m/z):500 [M+Na]
【0219】
体内薬力学的スクリーニング
本発明の化合物の体内薬力学的スクリーニングを以下の工程により実施した。
【0220】
1.ゴールデンハムスターによる高コレステロール血症モデルの確立
動物を1週間馴化飼育し、10h/14hの照明条件下、自由に飲食させた。8日目に高脂肪飼料(コレステロール0.5%、ヤシ油20%、基礎飼料79.5%)を動物に与え、1週間飼育した。その後、エーテルで各動物に麻酔をかけた。秤量後、眼窩静脈から0.5mlの血液を採取し、ヘパリンで血液凝固を阻止し、5,000rpmで10分間遠心分離機にかけた。血漿を採集し、血漿TC(全コレステロール)とLDL-C(低密度リポタンパク質コレステロール)のレベルを自動生化学分析装置で決定した。血漿TCが9から15mmol/Lの動物をモデル動物として選択した(動物モデリングの方法は以下の文献を参照:Smith, A. A., Mcgregor, D. G., Hoos, L. M., Zilli, D. L., Davis, H. R. The effect of acyl CoA: cholesterol acyltransferase inhibition on the uptake, esterification and secretion of cholesterol by the hamster small intestine. J. Pharm. Exp. Ther., 1995, 272, 156-163)。
【0221】
2.化合物スクリーニング
TCとLDL-Cのレベルおよび体重に基づき、動物を1グループ6匹ずつにグループ分けした。エゼチミブを陽性対照として用いた。動物に1週間5ml/kgの量で胃内投与した。エーテルで各動物に麻酔をかけた。秤量後、眼窩静脈から0.5mlの血液を採取し、ヘパリンで血液凝固を阻止し、5,000rpmで10分間遠心分離機にかけた。血漿を採集し、血漿TC(全コレステロール)とLDL-C(低密度リポタンパク質コレステロール)のレベルを自動生化学分析装置で決定し、各化合物の効果を評価した。
【0222】
3.スクリーニング結果
エゼチミブを陽性対照として用いた体内薬力学的スクリーニングテストによれば、化合物I-1(Z)、I-2(Z)、I-3(Z)、I-4(Z)、I-5(Z)、I-6(Z)、I-11(Z)、I-12(Z)、I-13(Z)、I-14(Z)、I-15(Z)、I-16(Z)およびI-17(Z)にコレステロールを低下させる効果があることが分かる。特に、化合物I-1(Z)、I-2(Z)、I-3(Z)、I-4 (Z)、I-6(Z)、I-15(Z)およびI-17(Z)の効果は陽性対照により類似しており、また、I-1(E)もある程度のコレステロール低下効果を示す。スクリーニング結果は表1から12に示される。I-1(Z)はかなり効果があることから、さらに実験が行われ、そのコレステロール低下効果が測定された(表13参照)。
【0223】
(1)高コレステロール血症ゴールデンハムスターモデルの血中脂質レベルに対する化合物の効果
【0224】
【表1】

【0225】
【表2】

【0226】
【表3】

【0227】
【表4】

【0228】
【表5】

【0229】
【表6】

【0230】
【表7】

【0231】
【表8】

【0232】
【表9】

【0233】
【表10】

【0234】
【表11】

【0235】
【表12】

【0236】
(2)通常のモルモットの血中脂質レベルに対する各化合物の効果
【0237】
【表13】

【0238】
薬力学的テストから分かるように、化合物I-1(Z)、I-2(Z)、I-3(Z)、I-4(Z)、I-5(Z)、I-6(Z)、I-11(Z)、I-12(Z)、I-13(Z)、I-14(Z)、I-15(Z)、I-16(Z)およびI-17(Z)はゴールデンハムスターの高コレステロール血症モデルの血漿TCおよびLDL-Cレベルを大幅に低下させることができ、いずれの化合物も大幅な統計的相違を示す。特に、化合物I-2(Z)、I-3(Z)、I-4(Z)、I-6(Z)、I-15(Z)およびI-17(Z)の効果は、同じ投与量において陽性対照であるエゼチミブと類似しており、また、化合物I-1(Z)の効果は同じ投与量において陽性対照と同様である。化合物I-1(E)もまた動物の血漿TCおよびLDL-Cレベルを低下させることが可能だが、その低下量はエゼチミブやI-1(Z)による低下量の50%未満である。さらに、化合物I-1(Z)は通常のモルモットの血漿TCおよびLDL-Cレベルを大幅に低下させることが可能であり、その効果は同じ投与量で陽性対照であるエゼチミブと同様である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物、
【化1】

式(I)
または、この化合物の薬学的に利用可能な塩であって、式中、
R1は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルキル、水酸基、C1-C6アルコキシ、ベンジルオキシおよび-OCOR7からなる群から独立に選択される、1から3個の置換基であり、
R2は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルキル、水酸基、C1-C6アルコキシ、C6-C10アリールオキシ、(C6-C10アリール)メトキシおよび-OCOR7からなる群から独立に選択される、1から3個の置換基であり、
R3は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシおよびベンジルオキシからなる群から独立に選択される、1から3個の置換基であり、
R4は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルおよびC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、
R5は、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルおよびC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、
R6は、水素または-COR7であり、
R7は、C1-C10アルキル、フェニル、またはハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、水酸基、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシ、フェノキシおよびベンジルオキシからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルであり、
mは0、1、2または3であり、
nは1、2または3であり、
前記炭素-炭素二重結合はZ配置またはE配置であることを特徴とする化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物において、
R1は、ハロゲンからなる群から独立に選択される1から3個の置換基であることを特徴とする化合物。
【請求項3】
請求項2に記載の化合物において、
R1は、フッ素および塩素からなる群から独立に選択される1から3個の置換基であって、好ましくはフッ素であることを特徴とする化合物。
【請求項4】
上記請求項のいずれかに記載の化合物において、
R2は、水酸基、C1-C6アルコキシおよび-OCOR7からなる群から独立に選択される1から3個の置換基であり、R7はC1-C10アルキル、フェニル、またはハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、水酸基、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシおよびベンジルオキシからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルであることを特徴とする化合物。
【請求項5】
請求項4に記載の化合物において、
R2は、水酸基、メトキシ、フェニールオキシおよび-OCOR7からなる群から独立に選択される1から3個の置換基であることを特徴とする化合物。
【請求項6】
上記請求項のいずれかに記載の化合物において、
R3は、ハロゲンからなる群から独立に選択される1から3個の置換基であることを特徴とする化合物。
【請求項7】
請求項6に記載の化合物において、
R3は、フッ素および塩素からなる群から独立に選択される1から3個の置換基であって、好ましくはフッ素であることを特徴とする化合物。
【請求項8】
上記請求項のいずれかに記載の化合物において、
R4は水素またはC1-C6アルキルであることを特徴とする化合物。
【請求項9】
請求項8に記載の化合物において、
R4は水素またはメチルであることを特徴とする化合物。
【請求項10】
上記請求項のいずれかに記載の化合物において、
R5は水素またはC1-C6アルキルであることを特徴とする化合物。
【請求項11】
請求項10に記載の化合物において、
R5は水素またはメチルであることを特徴とする化合物。
【請求項12】
上記請求項のいずれかに記載の化合物において、
R6は水素であることを特徴とする化合物。
【請求項13】
請求項1から11のいずれかに記載の化合物において、
R6は-COR7であり、R7は、C1-C10アルキル、フェニル、またはハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、水酸基、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシ、フェノキシおよびベンジルオキシからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルであることを特徴とする化合物。
【請求項14】
上記請求項のいずれかに記載の化合物において、
R7はC1-C10アルキルであり、好ましくはメチルであることを特徴とする化合物。
【請求項15】
上記請求項のいずれかに記載の化合物において、
mは0または1であることを特徴とする化合物。
【請求項16】
上記請求項のいずれかに記載の化合物において、
nは1であることを特徴とする化合物。
【請求項17】
請求項1に記載の化合物であって、
3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-1、Z配置)
(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(E)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-1、E配置)
(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]-4-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-2、Z配置)
(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(E)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]-4-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-2、E配置)
(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]-4-(4-フェノキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-3、Z配置)
(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(E)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]-4-(4-フェノキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-3、E配置)
(3R,4S)-4-(4-ベンジルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]アゼチジン-2-オン (I-4、Z配置)
(3R,4S)-4-(4-ベンジルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(E)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]アゼチジン-2-オン (I-4、E配置)
(3R,4S)-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]アゼチジン-2-オン (I-5、Z配置)
(3R,4S)-4-(4-アセトキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ブト-2-エニル]アゼチジン-2-オン (I-6、Z配置)
(3R,4S)-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ペンタ-2-エニル]アゼチジン-2-オン (I-7、Z配置)
(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ペンタ-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-8、Z配置)
(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(E)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-ペンタ-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-8、E配置)
(3R,4S)-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-エニル]アゼチジン-2-オン (I-9、Z配置)
(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-10、Z配置)
(3R,4S)-3-[(Z)-4-アセトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-4-(4-アセトキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)アゼチジン-2-オン (I-11、Z配置)
(3R,4S)-3-[(Z)-4-アセトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-1-(4-フルオロフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-12、Z配置)
(3R,4S)-3-[(Z)-4-ベンゾイルオキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-1-(4-フルオロフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-13、Z配置)
(3R,4S)-3-[(Z)-4-(4-フルオロベンゾイルオキシ)-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-1-(4-フルオロフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-14、Z配置)
(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(Z)-3-(4-フルオロフェニル)-4-(4-メチルベンゾイルオキシ)-ブト-2-エニル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-15、Z配置)
(3R,4S)-3-[(Z)-4-アセトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-4-(4-ベンゾイルオキシフェニル)-1-(4-フルオロフェニル)アゼチジン-2-オン (I-16、Z配置)
(3R,4S)-3-[(Z)-4-アセトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-1-(4-フルオロフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-17、Z配置)
(3R,4S)-3-[(E)-4-アセトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-ブト-2-エニル]-1-(4-フルオロフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン (I-17、E配置)から選択されることを特徴とする化合物。
【請求項18】
塩基性条件下で式Vで表される化合物の脱保護を行う、請求項1の式(I)で表される化合物の調製方法であって、
【化2】

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、mおよびnは請求項1と同様に規定され、R8は、アセチル、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)等の水酸基の保護基であることを特徴とする調製方法。
【請求項19】
請求項1から17のいずれかに記載される式(I)で表される前記化合物またはこの化合物の薬学的に利用可能な塩を有効量含む医薬組成物。
【請求項20】
血清コレステロールレベルを低下させる薬剤を調製する際の請求項1から17のいずれかに記載される化合物の使用。
【請求項21】
式IVで表される化合物をN, O- bis(トリメチルシリル)アセトアミドで処理した後、得られたシリル化生成物を環化する、請求項18に規定される式Vの化合物の調製方法であって、
【化3】

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R8、mおよびnは請求項18と同様に規定されることを特徴とする調製方法。
【請求項22】
式Vで表される化合物であって、
【化4】

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R8、mおよびnは請求項21と同様に規定されることを特徴とする化合物。
【請求項23】
式IVで表される化合物であって、
【化5】

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R8、mおよびnは請求項21と同様に規定されることを特徴とする化合物。

【公表番号】特表2013−501734(P2013−501734A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524081(P2012−524081)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【国際出願番号】PCT/CN2010/001206
【国際公開番号】WO2011/017907
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(509079732)チュージャン・ヒスン・ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】