説明

アップリケ

この発明の限定的でない実施形態に従えば、アップリケ被膜が基材に設けられる。このアップリケ被膜は、金属箔と、この金属箔の下に横たわる第1のポリマー膜とを含む。金属箔の上に横たわるトップコートが、塗料の層または第2のポリマー膜として設けられてもよい。第1のポリマー層の下に横たわる感圧性接着剤などの接着剤が、アップリケ被膜を基材に付けるように設けられてもよい。所望であれば、第2のポリマー膜の全体にわたって繊維を分散させ、静電防止特性を与えてもよい。また、所望であれば、美観および/または静電防止目的で、金属箔と第2のポリマー膜との間にインク層が設けられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2003年9月30日に出願された仮出願60/507,546の本出願(米国特許法第119条(e))であり、その内容は引用により援用される。
【0002】
発明の分野
この発明は、一般的にアップリケに関し、特に落雷に対する保護のためのアップリケに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
塗装は、長い間、表面、特に複雑な湾曲を有するものに被膜を塗布するために選択されるプロセスであった。塗装は一般的に、制御可能で確実で簡単かつ用途の広いプロセスである。塗料は、光沢、色、反射性、またはこれらの組合せなどの、表面の所望の物理的特性を与えるための添加剤を含む。塗装プロセスは、よく理解されており、表面が複雑な曲面を含む場合でも、均一な特性を有する良質の被膜をもたらす。しかしながら、塗料は結合剤および顔料を担持するための揮発性の溶剤を使用するので、また結合剤の前駆体および顔料自体のために、塗装は厳しい環境的監視の対象となっている。そのため、この塗装プロセスを、環境影響の少ない処理に置き換える必要がある。さらに、塗装は明確でよく理解され一般的であるが、理由を説明したり他者に方法を教授することができるとは限らない、未熟者や初心者よりも精通者がより良い成果を生む「技術」がなおもある。
【0004】
塗装された表面は、品質を重視する顧客が要求する耐久性を欠くことがある。表面は、塗料を塗布する前に処理され洗浄されなければならない。その部分を取り巻く環境は、被膜の塗布の間制御されなければならず、しばしば噴霧室を必要とする。また、塗装された被膜は、亀裂や擦り傷などの損傷を受けやすい。孤立した損傷は、パネル全体の再塗装を余儀なくするなどの、大面積の修理を必要とすることがある。
【0005】
噴霧は、本質的に、塗料に無駄が出たり、塗布に関わる「技術」のために予想がつかない。噴霧が完了するまで、不適当な塗布を検出することはできないため、欠陥を補修するための再加工は、通常、小さな欠損でも大面積に影響する。さらに、航空宇宙産業においては、塗装は、構築および操作に費用がかかる特殊な機器および設備を必要とする。塗装のために、航空機は、収益を創出するための運航が休止してしまう。塗装は、塗料用格納庫が利用できる場合にのみ行うことができるので、比較的時間がかかり融通が利かない。
【0006】
航空機の文脈において、米国特許第4,986,496号は、航空機のまわりの流れ制御に応用され、航空機の抵抗を低減する表面材質を備え、形の沿うシート材料(デカール(decal))の形をした抵抗低減素材を記載し、その内容は引用により援用される。この素材は、基礎担体膜の塗料状の特性のために、亀裂、気泡、または皺なしに湾曲した表面にぴったり沿う。デカールは、平坦に製造され、意図した曲面に沿うように伸長される。アップリケ変形に可塑性がなければ、引き伸ばされた材料が、縮んで、デカールと表面との界面を悪天候が襲う可能性のある隣り合うデカール間の間隙を露出した場合、この伸長は時間が経つと問題となる。アップリケまたはデカールは、可塑的に変形可能でなければならず、さもなくば、ゆっくりと変化する曲面の表面に制限される。
【0007】
アップリケ(すなわち、デカール)は、米国特許第5,660,667号にも記載され、その内容は引用により援用される。複雑な曲面を有する場合でも、アップリケは、余分
な伸長無しに、複雑な曲面の表面に、完全で気泡や皺のない被覆を形成する。アップリケのラップ仕上げは、一般に、欧州特許出願公開番号1093409号に記載され、その内容は引用により援用される。
【0008】
しばしば、表面は、腐食から保護されなければならない。そのような保護は、通常、その塗布に伴う化学物質やこれに関連する時間のために、比較的費用のかかる表面処理またはプライマ(すなわち、クロメート化プライマまたは化成被膜)を伴う。これらの従来の被膜は、特に、色、光沢、表面耐久性の向上、磨耗保護、これらの属性の組合せ、またはその他の属性を与えるために、腐食保護被膜の上に塗布されなければならない他の表面被膜と結合されると、比較的重くなる。従来の腐食保護被膜に用いられる化学物質はしばしば、有害物質である。
【0009】
アップリケは、民間および軍事航空宇宙の用途に、今日注目されている。アップリケなどの非塗装航空機技術に対して飛行実験が行われている。これらのアップリケは、製造コスト、支持要件、および航空機重量を節約しながら、環境的な利益がかなりある。これらのアップリケのいくつかは、米国特許第6,177,189号およびAero. Eng’g、1997年11月、17頁の「非塗装航空機技術」(“Paintless aircraft technology”) と題する記事により詳細に記載され、引用により援用される。また、ウェスタン・パシフィック(Western Pacific)のように、民間の航空会社の中には、アップリケを用いてその航空機を飛行広告塔に転用しているものもある。
【0010】
上記の利点に加えて、金属層を組み込んだアップリケは、落雷に対する保護にもなり得る。落雷に対する保護を提供するアップリケの説明は、米国特許第4,352,142号に記載され、引用により援用される。落雷は航空機、特に複合材航空機に損傷を与える可能性がある。航空機への典型的な落雷は、集合的にゾーン1と呼ぶ、エンジン吸気口カウリングの前縁または胴体の機首などの場所に、まず付着する可能性がある。最初のゾーン1への落雷は、電流の急激なスパイクであり得、ピーク振幅はおよそ200KAのオーダであり、およそ500マイクロ秒ほどの間続くことがある(「A」波形と呼ぶ)。
【0011】
航空機は、雷のプラズマ場を通って飛行するので、雷は、エンジン排気口(ゾーン2と呼ぶ)または翼外板(場所に応じてゾーン2または3と呼ぶ)などの場所で、ゾーン1落雷の後部側に再度付着することがある。ゾーン2への再付着は、およそ5ミリ秒ほどのオーダである期間にわたって、最大約10クーロンの連続的な電流電荷移動を経験し得る(「B」波形と呼ぶ)。ゾーン3への再付着は、およそ0.25秒とおよそ1秒との間の期間にわたって最大約200クローンの継続的な電流電荷移動を経験し得る(「C」波形と呼ぶ)。
【0012】
再落雷は、いずれのゾーンでも起こり得り、「D」波形と呼ばれる。「D」波形は、電流の急激なスパイクであり得、ピーク振幅がおよそ100KAのオーダで、およそ500マイクロ秒ほどの間続くことがある。
【0013】
主な関心事は、ゾーン2または3、特に燃料で濡れることのあるウィングボックスの中へ延びる締結具の付近における「D」波形の再落雷から保護することである。別の関心事は、「B」波形および「C」波形の継続的な電流によって生じ得る、複合材への損傷を軽減することである。
【0014】
例えば、Vargoらによる米国特許出願公開番号2002/0081921(その内容は引用により援用される)は、金属メッシュまたは引き伸ばされた金属箔などの金属層に接着または結合された、ハロポリマー繊維などのポリマーシート材を含むアップリケを記載する。この金属層は、航空機構造に用いられる複合材料などの非金属基材に接着剤で直接
接着される。落雷の場合に、雷からのエネルギが大きい表面積にわたって分散されることより、非金属基材への局所的な損傷を軽減する。しかしながら、金属層は非金属基材に直接接着されるので、落雷のエネルギは非金属基材に接触し続けてしまう。その結果、非金属の大きい表面が、落雷の大量のエネルギに接触してしまう。
【0015】
また、飛行中に生じる静電荷の影響を軽減することが望ましい。航空機は空気中を飛行するため、空気分子中の電子が、航空機の外板との衝突により軌道から押し出されてしまうことがある。電子は、航空機の複合外板上に蓄積され、P静電荷と呼ばれる静電荷を与え得る。着陸後であるが航空機が電気的に接地する前に人が航空機外板にふれた場合、このP静電荷のために人がけがをする可能性がある。さらに、P静電荷の放電により、航空機の電子系統に干渉し得る電気ノイズが生じることがある。
【0016】
そのため、アップリケが与える落雷保護を向上、および/または同時に静電荷帯電を軽減することが望ましいであろう。しかしながら、下層の表面への落雷からの保護を向上し、かつ/または静電荷帯電を軽減する低コストのアップリケの要求は、当該技術において満たされていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
発明の概要
この発明の実施形態は、塗料と低コストで置換えられるような、表面被膜として用いられ得るアップリケを提供する。有利には、この発明のアップリケは、落雷に対する保護および/またはP静電荷帯電の軽減のための金属箔を提供する。さらに、前記金属箔は、誘電層により下層の基材から間隔を置かれる。その結果、この発明のアップリケは、以前のアップリケよりも、落雷からの保護を向上させる。この発明のアップリケは、航空機、ならびに自動車、ボート、建築用被膜、および他の商業製品などの多くの他の分野に適するであろう。
【0018】
この発明の限定的でない実施形態に従えば、アップリケ被膜が基材に設けられる。アップリケ被膜は、金属箔と、金属箔の下に横たわる第1のポリマー膜とを含む。金属箔の上に横たわるトップコートが、塗料の層または第2のポリマー膜として設けられてもよい。第1のポリマー膜の下に横たわる感圧性接着剤などの接着剤が、アップリケ被膜を基材に付けるために設けられてもよい。所望であれば、第2のポリマー膜の全体にわたって繊維を分散させて静電防止特性を与えてもよい。また、所望であれば、美観および/または静電防止目的で、金属箔と第2のポリマー膜との間にインク層が設けられてもよい。
【0019】
この発明の局面に従えば、金属箔は、アルミニウム箔を含むが、銅または他の金属を含んでもよい。第1のポリマー膜は、ポリアミド(ナイロン)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリウレタン、ハロポリマー、ならびにポリエステル/ポリエチレンの組合せ、ポリエステル/ナイロンの組合せ、PEEK/ポリエチレンの組合せ、およびPEEK/ナイロンの組合せなどの2層のポリマー膜の組合せのいずれか1つまたはその組合せを含み得る。第2のポリマー膜は、ポリウレタン、ポリアミド(ナイロン)、ポリオレフィン、プラスチックおよびエラストマの両方を含むハロポリマー、エポキシ、フルオロシリコーン、フルオロウレタン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリ尿素のいずれか1つまたはその組合せを含み得る。所望であれば、第2のポリマー膜を溶剤で鋳造して多孔度を増大させてもよく、それにより金属箔への静電荷移動を向上させる。
【0020】
この発明の別の実施形態に従えば、締結具が貫通する基材にアップリケ被膜アセンブリが設けられる。アップリケ被膜アセンブリは、アップリケ被膜と、アップリケ被膜の下に横たわる誘電層とを含む。誘電層は、アップリケ被膜と締結具の頭部との間に介在するよう配置される。誘電層は、締結具にかかる誘電体耐電圧を増大させ、締結具の近傍において落雷に対する保護を向上させる助けとなり得る。例えば、航空機翼の外板を貫通して、燃料で濡れることのあるウィングボックス内へ延びる締結具に関して、この落雷に対する保護の向上が望ましいであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
発明の詳細な説明
概観として、図1および図2を参照し、この発明の限定的でない実施形態に従えば、アップリケ被膜10が基材22に設けられる。アップリケ被膜10は、外層またはトップコートとして配置されるポリマー膜12と、金属箔からなる防湿膜18とを含む。感圧性接着剤24が、基材22に接着するための別の外層として配置される。ポリマー膜20が、防湿膜18と感圧性接着剤24との間に配設される。図2は、この発明をわかりやすくする特徴を強調するために、縮尺どおりに描かれているわけではない。まずアップリケ10の例示的な構成要素に関して詳細を説明し、次にこの発明の例示の実施形態に従うアップリケの好ましい代替の実現例を説明する。
【0022】
ポリマー膜12が、外側の膜またはトップコートとなる。ポリマー膜12は、典型的には、有機樹脂基質のエラストマ複合材である。限定的でない例をあげれば、ポリマー膜12は、好適には、ポリウレタン、フッ素化ウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、ポリアミド、PEEK、フルオロポリマー、またはクロロポリマーである。ポリマー膜12は、好適には、丈夫で耐久性があり悪天候に強い。例えば、ポリマー膜12は、好適には、防湿膜18に対して耐久性を高くし強化する。同様に、ポリマー膜12は表示付け可能であるため、除去可能な印をその上に付すことができる。代替的に、ポリマー膜12は、透明であってもよい。ポリマー膜12の下の層に色または図形パターンが含まれている場合、透明であることが所望されるであろう。所望であれば、図形パターンがポリマー膜12の中に埋め込まれてもよい。
【0023】
さらに、ポリマー膜12は、適切な顔料により光沢または色などの美的品質に寄与し得る。一般的に、顔料は、好適には、金属薄片、酸化金属粒子、有機顔料もしくは染料、または有機金属粒子であり、典型的には、いくつかの種類の材料の混合物である。好適なアルミニウム薄片顔料は、Siberline Manufacturing Co.より入手可能なAquasil BPシリーズの顔料を含む。この顔料は、ガラス、雲母、金属(Novametより入手可能なニッケル、コバルト、銅、青銅など)、またはPotters Industries, Inc.より入手可能なガラス薄片、銀被覆ガラス薄片、雲母薄片などであってもよい。これらの薄片は、典型的には、その特徴的寸法として、約17〜55μmである。用途の中には、セラミック顔料が適当な場合もある。顔料は、被膜のための所望の特徴を与えるために混合されてもよい。
【0024】
Titanox 2020酸化チタン顔料が、NL Industriesより入手可能である。酸化銅または酸化鉄顔料が、Fischer Scientificより入手可能である。NANOTEKチタニア、酸化亜鉛、酸化銅顔料が、Nanophase Technologies Corporationより入手可能である。これらの顔料は、一般的には、(NANOTEK顔料については)約30μmからミクロンサイズの範囲の径を有する球体である。
【0025】
ポリマー膜12は、好適には、所望により、ポリウレタンまたはフッ素化ウレタンである。代替的に、上述のように、ポリマー膜12は、フルオロポリマーまたはフルオロエラストマであってもよい。ポリマー膜12の現在のところ好ましいトップコートの一つは、CAAP Companyより入手可能な改良されたCAAPCOAT Type IIIまたはType IVの耐雨および耐
熱フルオロエラストマなどの、フルオロエラストマであり、所望の色で、(以下に記載する静電防止特徴のためなどの)所望の添加剤とともに、ロールコーティングに好適である。さらに、ポリマー膜12は、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ハロポリマー、エチレンプロピレンゴム、エポキシ、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)など)フルオロシリコーン、ポリエーテルスルホン(PES)、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であってもよい。ポリマー膜12は、所望に応じて、溶剤鋳造物であってもよい。有利には、フルオロポリマーは、撥水性が良好であるうえに、SKYDROLTMのような油圧作動油などの、航空機中または周囲に存在し得る流体に対する耐性が向上している。ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、PEEKなども、SKYDROLTMなどの油圧作動油に対する耐性がある。また上述のように、ポリマー膜12は、好適には、クロロエラストマであってもよい。ポリマー膜12の組成に関わらず、紫外線安定性により、アップリケ10により与えられる被膜システムの長期耐久性が保証される。
【0026】
ポリマー膜12は、好適には、薄い層である。例えば、ポリマー膜12は、0.1〜4ミル(0.0001〜0.004インチ)の間の厚さであってもよい。現在のところ好ましい実施形態の一つでは、ポリマー膜12は、およそ1〜2ミルの厚さである。アップリケ10を航空機に用いる場合、重量の節約のため、より厚い層の上にはより薄い層が望ましい。
【0027】
さらに、ポリマー膜12が好適には薄く多孔性である場合、ポリマー膜12は、アップリケ10の静電防止特性を支援し得る。所望であれば、静電防止材料がポリマー膜12内に配設されてもよい。例えば、これに限られるものでないが黒鉛繊維または金属繊維などの導電性材料がポリマー膜12全体にわたって分散されていてもよい。繊維がP静電荷を分散または放散させるので、局所的な領域でのP静電荷の蓄積が軽減する。この分散および放散により、飛行中の航空機の機上の様々な通信系への電気ノイズ源である放電の可能性が低減する。この放散および分散により、航空機の着陸後であるが航空機が電気的に接地する前に人が航空機の外板に触れる場合の人のけがの可能性も低減する。
【0028】
所望であれば、任意のインク層14が設けられてもよい。インク層14は、所望の色および/または図形デザインを与えてもよい。代替的に、インク層14は、任意のインク層14に被さるポリマー膜12に色を与えてもよい。有利には、インク層14を設けた場合、アップリケ10に静電防止特徴を与え得る。
【0029】
代替的に、場合によっては、インク層14を設ける代わりに、ポリマー膜12の上に塗装することが望ましいかもしれない。こうした場合には、ポリマー膜12は無光沢の材質を有し得る。無光沢の材質により、ポリマー膜12への塗料の接着が向上する。
【0030】
さらに所望であれば、ポリマー膜16が設けられてもよい。任意のポリマー膜16は、いかなる所望の目的のために設けてもよい。例えば、グラフィックイメージがポリマー膜16に印刷されてもよい。ポリマー膜16は、ポリマー膜12についてここに記載したのと同じ材料からなり処理されてもよい。
【0031】
ポリマー膜12および16は、押出しされても鋳造されてもよい。ポリマー膜12および16が溶剤で鋳造される場合、ポリマー膜12および16は、微孔性であり、防湿膜18へのP静電荷の移動の経路となり得る。その結果、防湿膜18は、静電防止特徴を与え得る。静電荷移動メカニズムに関わらず、静電荷は、有利には、広域にわたって分散される。上述のように、この分散により、飛行中の航空機内部の電子回路における電気ノイズの誘発の可能性が低減し、また、航空機が着陸した後であるが航空機が電気的に接地する前に人が航空機の外板に触れた場合の人のけがの可能性も低減する。
【0032】
有利には、この発明の実施形態によれば、防湿膜18は、金属箔からなる。限定的でない例をあげれば、この金属は、好適には、アルミニウム箔などの、アルミニウムを含む。防湿膜として最適に使用するために、かつ落雷に対する保護のために、防湿膜18は、アップリケ10が伸長しかつ複雑な曲面の表面に沿うことを許すべきである。限定的でない例をあげれば、圧延されたアルミニウム箔などの、高品質の箔を防湿膜18として使用可能である。およそ0.1ミルとおよそ0.75ミルとの間の厚さの箔が好適には使用可能であり、およそ0.25ミルとおよそ0.5ミルとの間の厚さの箔が現在のところ好ましい。
【0033】
しかしながら、防湿膜18は、これに限られるものでないが、銅、ニッケル、金、またはチタンなどの、所望のいずれの金属箔からなってもよい。防湿膜18は金属箔であるので、防湿膜18は、有利には、低コストで設けられる。また、金属箔は、物理的蒸着もしくはスパッタリングなどの金属化蒸着により、またはエキスパンドメッシュにより設けられ得る防湿膜よりも、整合性が向上する。金属箔は容易に入手できるので、防湿膜18は、真空チャンバ内での蒸着を必然的に伴う金属化防湿膜よりもコストが少なくてすむ。さらに、金属箔は、金属化材料またはエキスパンドメッシュの代わりに金属であるため、防湿膜18は、金属化防湿膜またはエキスパンドメッシュよりも、導電性および均一性が向上する。防湿膜18は金属化防湿膜よりも厚くてもよいが、防湿膜18の厚さは1ミル未満の厚さであり得る。例えば、現在の実施形態の一つでは、防湿膜18はおよそ0.3ミル未満の厚さであってよい。
【0034】
有利には、防湿膜18はまた、静電防止特性を与え、かつアップリケ10に伸びの制御および剛性を与える。ある例示の実施形態では、防湿膜18により、複雑な形状にアップリケ10を付与する間に、およそ10パーセントからおよそ45パーセントのオーダの実質的な伸びが可能となる。さらに、防湿膜18は、有利には、完全に紫外線不透過性であり、その結果、下層の複合構造のための紫外線保護となる。
【0035】
有利には、この発明の実施形態に従えば、ポリマー膜20は、防湿膜18の下に横たわる。ポリマー膜20は、好適には、特定の用途のために所望に応じて、ポリマー膜12またはポリマー膜16と同じ材料のいずれかからなる。所望であれば、ポリマー膜20は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)膜、ポリスルホネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロプレン、またはこれらのいずれかの組合せであってもよい。
【0036】
現在のところ好ましい実施形態の一つでは、ポリマー膜20は、ナイロンからなる。有利には、ナイロンは、ミルあたり約385ボルトの適度に高い絶縁耐力を提供し、SKYDROLTMなどの油圧作動油に十分に耐え、他の材料に容易に結合でき、高品質で安価な膜に利用可能である。
【0037】
代替的に、ポリマー膜20は、種々の他の好適な材料からなってもよい。例えば、ポリマー膜20は、ポリイミドからなってもよい。有利には、他の材料がポリイミドに結合しやすいであろう。さらに、ポリマー膜20は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、またはハロポリマーからなってもよい。
【0038】
さらなる例として、ポリマー膜20は、およそ華氏70度とおよそ華氏180度との間の温度などの、広範な温度で典型的に使用される用途については、ポリエチレンまたはポリエステルであってよい。有利には、プラズマ処理により、ポリエチレンとポリエステルとの結合強度ならびに、ポリエチレンおよびポリエステルの低温での接着剤への結合強度が効果的に向上することがわかっている。
【0039】
別の例として、ポリマー膜20は、2層のポリマー膜の組合せであってもよい。限定的でない例をあげれば、ポリマー膜20は、ポリエステル/ポリエチレンの組合せ、ポリエステル/ナイロンの組合せ、PEEK/ポリエチレンの組合せ、PEEK/ナイロンの組合せなどであってよい。
【0040】
ポリマー膜20は必ずしも、ポリマー膜12とまったく同じ材料からなっていなくてもよい。同様に、ポリマー膜20は、所望により、鋳造されても、押出しされても、積層体として提供されてもよい。ポリマー膜20は、有利には、防湿膜18を支持する。付加的に、ポリマー膜20が任意で高弾性プラスチックである場合、ポリマー膜20は、アップリケ10に剛性および伸びを与える。好ましい熱可塑性ポリマー膜20は、低コストであり、高い絶縁耐力を与え、空気もしくは溶剤などの他の流体のための、または電荷が移動するための穴が実質的にない。
【0041】
所望であれば、ポリマー膜12、ポリマー膜16および/またはポリマー膜20および/または防湿膜18のいずれかがプラズマ処理されて結合を向上させてもよい。現在のところ好ましい実施形態では、大気処理が好ましい。プラズマ処理は、酸素または他の気体化学物質中で行われる。
【0042】
この発明の実施形態に従えば、防湿膜18およびポリマー膜20は協働して落雷に対する保護に寄与する。有利には、実験室実験によって、アップリケ10は優れた落雷保護となることがわかった。落雷の際に、この発明に従えば、防湿膜18およびポリマー膜20は協調して、航空機外板などの下層の基材22から落雷のエネルギを近づけないよう作用する。したがって、この発明の実施形態は、これに限られるものでないが、航空機外板または所望の他の用途に使用され得る、繊維強化樹脂複合パネルまたは炭素繊維強化複合パネルなどの、複合パネルに適用されるのに適している。
【0043】
アップリケ10が落雷にあうと、防湿膜18に衝突する電荷は、有利には、ポリマー膜20を貫通しない。ポリマー膜20は、落雷のエネルギがアップリケ10を介して下層の基材22に直接アーク放電するのを防ぐ。代わりに、ポリマー膜20は、防湿膜18が防湿膜18全体にわたって電荷を分散させることを可能にする。その結果、エネルギはアップリケ10上にとどまり、実質的に均一に広がる。実験によって、エネルギの付着点は落雷箇所の周りを移動することがわかった。
【0044】
この分散は、落雷のエネルギを大面積にわたって分配し、それによりいかなる局所的領域おいても電荷密度を低くする。これにより、雷がポリマー膜20を通って基材22に貫入する可能性が低減する。もし電気エネルギが下層の構造への経路を見出したならば、有利には、アップリケ10は、その構造への、多くの異なったより低いエネルギ経路にエネルギを分配する。防湿膜18による電荷の分配の結果、ポリマー膜20の絶縁耐力が、有利には、ゾーン1およびゾーン2での落雷に予想されるエネルギに耐えることがわかった。ポリマー膜20は、防湿膜18により分散される電荷にさらされる結果として絶縁破壊を受けないことがわかっているので、ポリマー膜20は、基材22から電荷を分離することができる(かつ、電気的接触をさせない)。アップリケ10により与えられる保護の結果、非破壊評価(パルスエコー技術による)によって、基材22は有利には、ゾーン1およびゾーン2での落雷で予想されるエネルギ損傷を受けないことがわかった。
【0045】
さらに、この分散により、防湿膜18は、落雷箇所に隣接したいくつかの領域ではポリマー膜20から「浮上って」剥離する。なお、実験によって、防湿膜18は、落雷箇所で蒸発することがわかった。その結果、電荷のエネルギは、有利には、ポリマー膜20の下に横たわる航空機外板などの基材22から垂直に間隔をおいて離される。
【0046】
感圧性接着剤(PSA)24が好適には、アップリケ10と基材22との間の完全な接着を与える。PSA24は、望ましくは、ジェット燃料、洗浄用流体、水、および高湿度環境に耐える接着剤である。可能であれば、接着剤は、SKYDROLTMなどの航空機油圧作動油に耐えるべきである。現在のところ好ましい実施形態の一つでは、PSA24は、Washington州SeattleのBoeing Companyから入手可能な接着剤A8などの、感圧性アクリル接着剤である。代替的に、他の、許容可能な接着剤は、Minnesota州St. Paulの3M Companyから入手可能な52−4または86−02を含む。PSA24は好適には、航空機の飛行などのビークルの通常運転中にアップリケ10を基材22上に保持する。しかしながら、PSA24は、望ましくは、基材22上に残渣を残さずに、アップリケ10を交換するために剥離可能であってもよい。
【0047】
有利には、PSA24の厚さは、防湿膜18および第2のポリマー膜20を基材22から間隔をあけるのに寄与する。その結果、PSA24の厚さは、絶縁破壊電圧を上昇させるのに寄与し、それにより落雷に対する保護が向上する。
【0048】
ポリマー膜20の下面には、これに限られるものでないが、コロナまたはプラズマ処理などの表面処理26が設けられる。PSA24は、所望に応じて、積層されても、ポリマー膜20上に直接鋳造されてもよい。その結果、表面処理26を設けると、PSA24へのポリマー膜20の受容性が向上する。
【0049】
接着剤28が防湿膜18の片側または両側に付けられる。所望であれば、接着剤28は任意で、所望に応じて、ポリマー膜12とインク層14との間、またはインク層14とポリマー膜16との間に付与されてもよい。接着剤28は好適には、標準のラミネート接着剤である。
【0050】
アップリケ10の全体の厚さは、有利には、4ミル未満であってよい。およそ1.5ミルから2ミルの厚さは、PSA24および接着剤28によるものであってよい。同様に、およそ2ミルの厚さは、ポリマー膜12、16、および20、インク層14、ならびに防湿膜18によるものであってよい。このような薄いプロファイルのために、アップリケ10は重量を低減する。
【0051】
ポリマー膜20の厚さを厚くすることが望ましいこともある。ポリマー膜20の厚さを厚くすることにより、絶縁破壊電圧が高くなる。厚さが厚くなるほど、ポリマー膜20は、絶縁破壊を受ける前により高い電気ポテンシャルにも耐えることができ、それにより落雷に対する保護が向上する。しかしながら、ポリマー膜20の厚さを厚くすると、重量が増し、かつ/または複雑な表面曲面に沿いにくくなる。したがって、ポリマー膜20の絶縁耐力を増大させる欲求は、重量の増加および沿いにくくなることと均衡をとらなければならない。
【0052】
さらに、アップリケ10は有利には、空気が出ていこうとするであろう、航空機構造上に使用される継手または締結具のような地点などでアップリケの大きな剥離が生じ得る前に、塗料のように疲労または亀裂し得る。また、アップリケ10はばらばらになるので航空機の飛行中に細かく裂かれ、それにより、アップリケ端縁での整備上の損傷または雨の吹きつけから生じたかもしれない剥がれの進行を制限する。アップリケ10は、所望の場合、検査または交換のために剥すことで除去可能であるが、有利には飛行中は接着されたままである。
【0053】
有利には、アップリケ10は、低コストで製造可能である。アップリケ10は、所望に応じて、すべて既成または受注生産で商業的入手可能であるポリマー膜12、16、およ
び20ならびに防湿膜18を積層、鋳造、および押出するなどの商業的大規模製造工程により製造可能である。その結果、アップリケ10は、大量に製造可能であるので、製造コストにおいてスケールについての経済利益を獲得する。このような構成はごくわずかに剛性を増大させるかもしれないが(伸びが若干低減することがあるからである)、コストは、現在のアップリケよりもほぼオーダの大きさで削減することができる。
【0054】
以上の説明から、アップリケ10の多層構成により、有利には、最上層としてポリマー膜12を組込むことができるが、これは、規定された材質を用いて高耐久性、紫外線安定性、磨耗耐性、および優れた光沢(高くても低くても)を与える。さらに、アップリケ10の性能特徴は柔軟である。すなわち、アップリケ10の性能及び美観は所望の用途に合わせることができる。所望に応じてポリマー膜16またはインク層14を設けたり省いたりできるので、この柔軟性が達成される。例えば、ポリマー膜16は、被膜の付与および除去のための強度および物理的特性を与える。さらに、ポリマー膜16またはインク層14は、所望に応じて、静電防止目的などの動作特徴のために、または、色、グラフィックイメージ、もしくはカムフラージュなどの美観目的のために設けられてもよい。この目的のために、ポリマー膜12、16、または20のいずれかは、特定の用途のために所望に応じて、表面パターンを含んでもよく、可塑剤、エキステンダ、酸化防止剤、紫外光安定剤、染料、顔料、放射率作用剤(炭化ケイ素など)、チョップドまたは連続繊維強化材などを含んで、所望の色、光沢、疎水性、防氷性、または他の表面特徴を与えてもよい。さらなる例として、任意のチョップドファイバは、ポリマー膜12、16、または20のいずれかにおける靭性を向上させることができ、かつポリマー膜12もしくは16またはインク層14のいずれかに静電防止性を与えることができる。
【0055】
アップリケ10は、付与しやすくするために、一重または二重の転写保護紙またはプラスチック膜30で保護されてもよい。1つの例示の実施形態では、1枚の保護紙がPSA24(すなわち、基材22との界面をなし基材22と結合するアップリケ10の面)を覆ってPSA24を汚れから保護し、かつアップリケ10の設置の準備が整うまでにPSA24が自身や他の物体に引っ付いてしまうのを防ぐ。アップリケ10が非常に薄い場合、所望であれば、ポリマー膜12(すなわちトップコート)の露出面も、同様の保護紙30を有してもよく、これを補強したり、位置決めおよび転写の際にこれを保護する。保護紙30は、適切な位置決めの後に剥される。所望であれば、アップリケ10をどのように、どこへ、どの順序で付与するかに関する識別情報および指示を転写紙30上に印刷して、その配置および位置決めを簡素化してもよい。代替的に、識別情報および指示は、所望であれば、ポリマー膜12(すなわちトップコート)の上に直接印刷してもよい。
【0056】
ここで図3を参照し、航空機32は、有利には、複数個のアップリケ10で被覆される。わかりやすくするために、1つのみのアップリケ10が図示される。公知のように、航空機32は、胴体34と、一対の翼36と、複数個の操縦面38と、少なくとも1つのエンジン40と、コックピット42とを含む。また、公知のように、胴体34、翼36、および操縦面38はすべて、それぞれの外板を有する。航空機は周知であるので、航空機32の構成のさらなる説明は、この発明を理解するために必要でない。この発明に従えば、複数個のアップリケ10が胴体34、翼36、および操縦面38の外板に被覆される。その結果、所望に応じて、アップリケ10を検査したり、補修したり、交換したりしながら、例えば、コックピット42内で航空機32の同時保守を行うことができる。
【0057】
ここで図4を参照し、この構造の曲面がアップリケ10のサイズおよび形状を決定するが、上部翼外板44に付与される典型的なアップリケ10は矩形であってもよい。塗料を交換するために、アップリケ10は、塗料が使用されていた、航空機32の表面のすべて、実質的にすべて、または一部のみ(図4)を覆う。高温の領域、または特に腐食しやすい領域は、アップリケ10に加えて従来の処理または被膜を必要とするかもしれない。
【0058】
マチ(図示せず)は、一般的に、野球のボールの部分と同様に、3次元の表面に沿うようにサイズ決めされる2次元の平坦なパネルである。設置の際に、最終的な嵌め合せを達成するためにアップリケ10はしばしばトリミングされることがある。マチは、対象の上の意図した場所に応じて異なった厚さを有してもよい。好適には、高損耗にさらされた領域または衝撃地帯に、より厚いマチが用いられる。
【0059】
アップリケ10は、典型的には、可撓性で容易に曲がる平坦な材料の多層「積層体」として製造される。この材料は、有利には、実質的に商業的に既成で(COTS)入手され得る。この形の材料は、平坦な表面にも、円柱、円錐、およびうねった屈曲部などの簡素な湾曲表面にも、容易に付与することができる。材料を伸ばしたり縮めたりして皺や裂けを避けることができるならば、複雑な曲面を伴うより込み入った表面を覆ってもよい。材料が十分に変形可能でない場合は、重ね合せたり、楔形に除去したり、ダーツを加えたりするための裁断が、名目上平坦なアップリケ10での覆いを拡張するのに有用であろう。しかしながら、そのような方策は、時間がかかり、材料が好ましい配向を有していなければ、付与された材料に損傷を与える可能性がある。
【0060】
アップリケ10は典型的には、平坦な材料からなり、アップリケ10の本来の伸縮性および弾性により曲面に対応する。上述のように、アップリケ10は、好適には、比較的許容性があり加工が容易な材料からなる。平坦なアップリケを、円柱状の立体、平坦な表面、およびその他の大面積に用いることができる。有利には、平坦なマチを用いて航空機全体をうまく覆うことができることが確認された。アップリケ10の本来のサイズは、これらが覆う表面の曲面の程度に依存する。3次元の曲面を含む領域にはより小さい切片が用いられる。
【0061】
アップリケ10は、膜を配置して滑らかにするためのスキージ、マットナイフ、ゴムローラー、壁紙用工具などを用いて、濡れたまたは乾いた状態で付与することができる。閉じ込められた空気または水を皮下注射器で搾り取ることで気泡をなくす。界面をなすアップリケ10は、通常、4分の1または2分の1インチ以上重なっているが、突合せ接合が可能である。重量およびコストの要因のために、かつまた、PSA24およびポリマー膜12に依存してアップリケ10は互いによりも基材22にしっかりと貼りつくことがあるので、重なりの程度は制限される。
【0062】
アップリケ10は、2024、6061、7075および他のアルミニウム合金;全チタン合金;4130、4340、および9310のような強度の高い(低炭素)鋼;INCONEL718のようなニッケル合金;ならびにDow化成被膜で保護されたマグネシウム合金を含む、航空宇宙金属のほとんどに使用可能である。さらに、アップリケ10は、複合的構造に使用可能である。炭素繊維強化複合材と金属構造との界面において、アップリケ10は、金属表面への電解質の接近を低減することで電気化学的腐食を低減する。すなわち、アップリケ10は、金属(導体)から湿気および航空機流体を封止する。
【0063】
アップリケ10の構成要素に関して、およびこの発明のアップリケを使用可能な例示のシステム環境に関して詳細を述べたので、次に、この発明に従うアップリケの様々な好ましい、代替の実現例を説明する。同様の参照番号を用いて、以上に説明した構成要素を参照する。簡潔のために、それらの詳細は繰返さない。
【0064】
ここで図5を参照し、現在のところ好ましいアップリケ100は、ポリマー膜12と、防湿膜18と、ポリマー膜20と、PSA24とを含む。現在のところ好ましい実施形態においては、ポリマー膜12は、所望に応じて光沢のある材質または無光沢の材質を備える、Boeing Material Specification 10-60 (BMS 10-60)ポリウレタンの鋳造版を含む。
防湿膜18は、好ましくは、薄いアルミニウム箔(およそ0.3ミル厚さ)を含む。ポリマー膜20は、ナイロンまたはPETおよびポリエチレンの積層体を含む。PSA24は、好ましくは、接着剤A8を含む。アップリケ100は、特定の用途のために所望であれば重ね塗りされてもよい。
【0065】
ここで図6を参照し、アップリケ200は、インクを含む。アップリケ200は、ポリマー膜12と、防湿膜18と、ポリマー膜20と、PSA24とを含み、これらすべては、アップリケ10(図1および図2)の文脈において前述した材料のいずれからなってもよい。インクは、防湿膜18とポリマー膜12との間のインク層214および/またはポリマー膜12の上に設けられたインク層214′として設けられてもよい。インク層214および214´の詳細は、インク層14(図2)の詳細と同様であるので繰返す必要はない。
【0066】
ここで図7を参照し、代替の実施形態において、アップリケ300は、防湿膜18と、第2のポリマー膜20と、PSA24とを含み、これらすべては、アップリケ10(図1および図2)の文脈において前述した材料のいずれからなってもよい。なお、アップリケ300はポリマー膜12を含まない。代わりに、防湿膜18の上に塗装することにより、「トップコート」の機能を与えてもよい。有利には、アップリケ300は、上述のように、防湿膜18とポリマー膜20との協働により落雷保護を行う。さらに、塗料(図示せず)を防湿膜18の上に塗布することより、特定の用途のために所望に応じて外観および美観をカスタマイズ可能である。
【0067】
所望であれば、塗装の前に防湿膜18に保護処理またはプライマを施してもよい。保護処理またはプライマは、防湿膜18の金属を腐食から保護する助けとなり、かつ/または、防湿膜への塗料の結合を向上する助けとなり得る。限定的でない例をあげれば、保護処理またはプライマは、陽極処理、Alodineまたはその他の化成被膜/処理、電着、薄い接着剤、プライマ、ゾル−ゲルなどを含み得る。
【0068】
ここで図8を参照し、アップリケ300´は、アップリケ300(図7)と同様であり、防湿膜18と、第2のポリマー膜20と、PSA24とを含み、これらすべては、アップリケ10(図1および図2)の文脈において前述した材料のいずれからなってもよい。アップリケ300´もポリマー膜12を含まない。有利には、マスカント302が防湿膜18に被さって覆う。マスカント302は好適には除去可能である。保護のための除去可能なマスカント302を防湿膜18の上に使用することで、有利には、保管および設置の際にアップリケ300´の品質および完全性を維持する助けとなる。さらに、任意の保護処理またはプライマを使用するので、除去可能なマスカント302は、保護処理またはプライマの品質及び結合性を維持する助けとなり得る。保護のためのマスカント302は、塗装および/または重ね継手の設置の前に除去される。マスカント302は、可能な限り設置後はそのままにしておくことにより、部品組立ておよび出荷の際にアップリケ300´を保護できる。除去可能なマスカント302は典型的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエステルなどの低コストのポリマー膜であってよい。代替的に、マスカント302は、低粘着性感圧性接着剤を備える紙であってもよく、それによりマスカント302は設置後アップリケ300´から選択的に除去可能となる。
【0069】
ここで図9を参照し、別の代替の実施形態において、アップリケアセンブリ400は、落雷保護が向上している。落雷のものなどの電気エネルギは、基材を貫通し基材を下層の構造に締結する締結具を選択的に捜し求めることがわかっている。これは、締結具は、直接、または締結具の穴の周囲に露出する黒鉛繊維を介して、電気的「接地」(すなわち、下層の構造)への経路を与えるからである。アップリケ被膜10のポリマー膜20は、金属箔18と締結具を含む下層の航空機構造22との間に十分な誘電体分離を与え得るが、
ポリマー膜20の厚さを減らし、好ましくは、さらなる誘電材料および/または締結具での電圧分離または他の不連続を含めることにより、アップリケ被膜10の全体の重量を減らすことが可能である。誘電性アイソレータまたはスペーサの使用は、多くの種類の電気製品およびシステムに典型的であるが、アップリケ10と協調して使用するとさらに重量を節約することができる。図9において、さらなる誘電層402が、基材22を貫通する締結具404の上に設けられる。この締結具は、構造406に取付けられている。限定的でない例をあげれば、基材22は、複合材料または金属からなる翼外板などの航空機外板であってもよく、締結具404は所望に応じて、許容できるいかなる締結具であってもよく、構造406はストリンガ、シアタイ、またはリブであってもよい。落雷付着点と締結具404との間に誘電材料の別の層を介在させることにより、誘電層402は、有利には、アップリケの外面と締結具404との間の最大電気ポテンシャルを増加させ、それにより締結具での破壊の可能性を低くする。したがって、アップリケアセンブリ400は、燃料で濡れた航空機ウィングボックス内へ延びる締結具を覆うのに適している。
【0070】
誘電層402は好適には、ポリマー膜20(図2)と同じ材料からなる。誘電層402は、締結具404を覆うのに望ましいいかなる形状に切断されてもよい。限定的でない例をあげれば、誘電層402は、帯状に切断されてもよく、または締結具404の頭部を少なくとも覆う丸い形状に切断されてもよい。誘電層402が基材22および締結具404に接着する助けとなるために、PSA424が誘電層402の下側に付与されてもよい。PSA424は好適にはPSA24(図2)と同様であるので、その構成に関する詳細は繰返す必要がない。
【0071】
代替の実現例は、締結具の近傍における落雷保護を向上させることもできる。例えば、ポリマー膜20の厚さを締結具にわたって厚くしたり、またはポリマー膜20の追加の層を締結具の上に設けてもよい。さらに、PETまたはナイロンまたはパーフルオロアルコキシ(PFA)などの高絶縁破壊特性を備える材料を、締結具の上にポリマー膜20として用いてもよい。また、PSA24の厚さを締結具の上では厚くして、さらなる分離、およびしたがって電圧分離を与えてもよい。
【0072】
ここで図10を参照し、端縁仕上げ600が、隣合うアップリケ10の間の突合せ接合のための物理的バリアとなる。端縁仕上げ600は、有利には、紫外線(UV)照射、湿気、雨、空気の吹きつけなどから下層の基材(図示せず)を保護する。端縁仕上げ600は、重なり合うアップリケ10間の重ね継手とともに用いられてもよい。
【0073】
端縁仕上げ600は、好適には、金属箔502と、金属箔502の下に横たわるポリマー膜504とを含む。代替的に、この箔502は、ポリマー膜504の下になってもよい。代替的に、端縁仕上げ600は、金属箔502またはポリマー膜504のいずれかを含んでもよい。端縁仕上げ600の下側に与えられた接着剤(わかりやすくするために図示しない)が、端縁仕上げ600を、所望に応じてアップリケ10または他の構造に付ける。この接着剤は、特定の用途のために所望に応じて、PSA、熱硬化性接着剤、または熱可塑性/ホットメルト接着剤であってもよい。例えば、金属充填エポキシまたはポリスルフィドなどの、他の湿式シーラント生成物を用いて、物理的バリア特性を与えてもよい。
【0074】
図10に示すアップリケ10は、限定的でない例として、防湿膜18と、ポリマー膜20と、PSA24とのみを示している。特定の目的のために所望に応じてアップリケ10(図2)の構成要素のいずれかを含んでもよい。図10に示すアップリケ10の限定的でない例は例示のためにのみ与えられ、図面をわかりやすくするためにさらなる構成要素は図示していない。
【0075】
この発明の好ましい実施形態を以上に説明し記載したが、この発明の精神および範囲か
ら逸脱することなしに多くの変更がなされ得る。したがって、この発明の範囲は、好ましい実施形態の開示により制限されるものでない。その代わりに、この発明は以下のクレームを参照することにより全体として判断されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】アップリケマチの概略平面図である。
【図2】図1のアップリケの概略断面図である。
【図3】非塗装被膜を与えるためのアップリケで被覆された航空機の斜視図である。
【図4】図3の航空機のウィングボックスの分解図である。
【図5】アップリケの概略断面図である。
【図6】別のアップリケの概略断面図である。
【図7】別のアップリケの概略断面図である。
【図8】別のアップリケの概略断面図である。
【図9】締結具を被覆するアップリケの側面図である。
【図10】当接するアップリケの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材のためのアップリケ被膜であって、該被膜は、
金属箔と、
前記金属箔の下に横たわるポリマー膜とを含むアップリケ被膜。
【請求項2】
前記金属箔は、アルミニウム箔を含む、請求項1に記載の被膜。
【請求項3】
前記金属箔は、およそ0.1ミルとおよそ0.75ミルとの間の厚さを有する、請求項1に記載の被膜。
【請求項4】
前記金属箔は、およそ0.25ミルとおよそ0.5ミルとの間の厚さを有する、請求項3に記載の被膜。
【請求項5】
前記金属は、銅、ニッケル、金、およびチタンの1つを含む、請求項1に記載の被膜。
【請求項6】
前記ポリマー膜はナイロンを含む、請求項1に記載の被膜。
【請求項7】
前記ポリマー膜は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリウレタン、およびハロポリマーの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の被膜。
【請求項8】
前記ポリマー膜は、2層のポリマー膜の組合せを含む、請求項1に記載の被膜。
【請求項9】
前記2層のポリマー膜の組合せは、ポリエステル/ポリエチレンの組合せ、PEEK/ポリエチレンの組合せ、PEEK/ナイロンの組合せ、およびポリエステル/ナイロンの組合せの1つを含む、請求項8に記載の被膜。
【請求項10】
前記ポリマー膜は、基材に付くように配置され、前記基材は、航空機の外板を含む、請求項1に記載の被膜。
【請求項11】
前記金属箔を覆う塗料の層をさらに含む、請求項1に記載の被膜。
【請求項12】
前記金属箔は、化成被膜、電着、接着剤、プライマ、およびゾル−ゲルの1つで処理される、請求項11に記載の被膜。
【請求項13】
前記金属箔の上に横たわるマスカントをさらに含む、請求項1に記載の被膜。
【請求項14】
前記金属箔および前記ポリマー膜の少なくとも1つはプラズマ処理される、請求項1に記載の被膜。
【請求項15】
前記ポリマー膜の下に横たわる接着剤をさらに含む、請求項1に記載の被膜。
【請求項16】
前記接着剤は、感圧性接着剤を含む、請求項15に記載の被膜。
【請求項17】
基材のためのアップリケ被膜であって、該被膜は、
金属箔と、
前記金属箔の下に横たわる第1のポリマー膜と、
前記金属箔の上に横たわりトップコートとして構成される第2のポリマー膜とを含むアップリケ被膜。
【請求項18】
前記第2のポリマー膜はポリウレタンを含む、請求項17に記載の被膜。
【請求項19】
前記第2のポリウレタンは、溶剤で鋳造される、請求項18に記載の被膜。
【請求項20】
前記第2のポリマー膜は、ハロポリマー、エポキシ、フルオロシリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタンおよびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ならびにポリ尿素の少なくとも1つを含む、請求項17に記載の被膜。
【請求項21】
前記第2のポリマー膜全体にわたって分散される複数個の繊維をさらに含む、請求項17に記載の被膜。
【請求項22】
前記繊維は、黒鉛繊維および金属繊維の少なくとも1つを含む、請求項21に記載の被膜。
【請求項23】
前記第2のポリマー膜と前記金属箔との間に配設される第3のポリマー膜をさらに含む、請求項17に記載の被膜。
【請求項24】
前記第3のポリマー膜は、ポリオレフィン、ハロポリマー、エポキシ、フルオロシリコーン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリ尿素の少なくとも1つを含む、請求項23に記載の被膜。
【請求項25】
インクの層をさらに含む、請求項17に記載の被膜。
【請求項26】
前記インクの層は、前記第2のポリマー膜と前記金属箔との間に配設される、請求項25に記載の被膜。
【請求項27】
前記第1のポリマー膜は基材に付くように配置され、前記基材は航空機の外板を含む、請求項17に記載の被膜。
【請求項28】
前記第1のポリマー膜の下に横たわる接着剤をさらに含む、請求項17に記載の被膜。
【請求項29】
前記接着剤は感圧性接着剤を含む、請求項28に記載の被膜。
【請求項30】
前記第2のポリマー膜を覆う塗料の層をさらに含む、請求項17に記載の被膜。
【請求項31】
基材のためのアップリケ被膜であって、該被膜は、
金属箔と、
前記金属箔の下に横たわる第1のポリマー膜とを含み、前記第1のポリマー膜は、ナイロン、PEEK、2層のポリエステル/ナイロンの組合せ、2層のPEEK/ポリエチレンの組合せ、2層のPEEK/ナイロンの組合せ、および2層のポリエステル/ポリエチレンの組合せの1つを含み、さらに
トップコートとして構成される第2のポリマー膜を含み、前記第2のポリマー膜は、溶剤で鋳造されたポリウレタンを含む、アップリケ被膜。
【請求項32】
前記金属箔はアルミニウム箔を含む、請求項31に記載の被膜。
【請求項33】
前記アルミニウム箔は、およそ0.25ミルとおよそ0.5ミルとの間の厚さを有する、請求項32に記載の被膜。
【請求項34】
前記第1のポリマー膜は基材に付くように配置され、前記基材は航空機の外板を含む、請求項31に記載の被膜。
【請求項35】
前記第1のポリマー膜の下に横たわる接着剤をさらに含む、請求項31に記載の被膜。
【請求項36】
前記接着剤は感圧性接着剤を含む、請求項35に記載の被膜。
【請求項37】
基材のためのアップリケ被膜を形成する方法であって、
金属箔を設けるステップと、
前記金属箔の下に横たわる第1のポリマー膜を設けるステップとを含む方法。
【請求項38】
前記金属箔の上に横たわるトップコートを設けるステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
トップコートを設けるステップは、前記金属箔の上に横たわる第2のポリマー膜および前記金属箔を覆う塗料の層の少なくとも1つを設けるステップを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1のポリマー膜、前記金属箔、および前記第2のポリマー膜の少なくとも1つをプラズマ処理するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第2のポリマー膜の全体にわたって複数個の繊維を分散させるステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記繊維は黒鉛繊維および金属繊維の少なくとも1つを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第2のポリマー膜と前記金属箔との間に配設される第3のポリマー膜を設けるステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
インク層を設けるステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
トップコートを設けるステップは、前記第2のポリマー膜を塗料で覆うステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
化成被膜、電着、接着剤、プライマ、およびゾル−ゲルの1つで前記金属箔を処理するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
前記金属箔の上に横たわるマスカントを設けるステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のポリマー膜の下に横たわる接着剤を設けるステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項49】
前記第1のポリマー膜は、ポリエステル/ポリエチレンの組合せ、PEEK/ポリエチレンの組合せ、PEEK/ナイロンの組合せ、ポリエステル/ナイロンの組合せの1つを含む2層のポリマー膜の組合せを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項50】
一対の翼を含み、前記翼の各々は外板を有し、
少なくとも1つのエンジンと、
外板を有する胴体と、
外板を有する操縦面と、さらに
前記外板の一部に接着により取付けられたアップリケ被膜とを含み、前記被膜は
金属箔と、
前記金属箔の下に横たわる第1のポリマー膜とを含む、航空機。
【請求項51】
前記被膜は、前記金属箔の上に横たわるトップコートをさらに含む、請求項50に記載の航空機。
【請求項52】
前記トップコートは、前記金属箔の上に横たわる第2のポリマー膜を含む、請求項51に記載の航空機。
【請求項53】
前記トップコートは、前記金属箔を覆う塗料の層を含む、請求項51に記載の航空機。
【請求項54】
前記第2のポリマー膜を覆う塗料の層をさらに含む、請求項52に記載の航空機。
【請求項55】
前記第1のポリマー膜の下に横たわる接着剤をさらに含む、請求項50に記載の航空機。
【請求項56】
前記第1のポリマー膜は、ポリエステル/ポリエチレンの組合せ、PEEK/ポリエチレンの組合せ、PEEK/ナイロンの組合せ、およびポリエステル/ナイロンの組合せの1つを含む2層のポリマー膜の組合せを含む、請求項50に記載の航空機。
【請求項57】
締結具が貫通した基材のためのアップリケ被膜アセンブリであって、該被膜アセンブリは、アップリケ被膜と、
前記アップリケ被膜の下に横たわる誘電層とを含み、前記誘電層は、前記アップリケ被膜と、基材を貫通する締結具の頭部との間に介在するよう配置される、アップリケ被膜アセンブリ。
【請求項58】
前記アップリケ被膜は、
金属箔と、前記金属箔の下に横たわるポリマー膜とを含む、請求項57に記載のアセンブリ。
【請求項59】
前記誘電層は、ポリマー膜の層を含む、請求項57に記載のアセンブリ。
【請求項60】
パネルと、
前記パネルの表面の一部に取付けられたアップリケ被膜とを含み、前記被膜は、
金属箔と
前記金属箔の下に横たわる第1のポリマー膜とを含む、構造。
【請求項61】
前記被膜は、前記金属箔の上に横たわるトップコートをさらに含む、請求項60に記載の構造。
【請求項62】
前記トップコートは、前記金属箔の上に横たわる第2のポリマー膜を含む、請求項61に記載の構造。
【請求項63】
前記トップコートは、前記金属箔を覆う塗料の層を含む、請求項61に記載の構造。
【請求項64】
前記第2のポリマー膜を覆う塗料の層をさらに含む、請求項62に記載の構造。
【請求項65】
前記第1のポリマー膜の下に横たわる接着剤をさらに含む、請求項60に記載の構造。
【請求項66】
前記パネルは複合パネルを含む、請求項60に記載の構造。
【請求項67】
前記複合パネルは繊維強化樹脂複合パネルを含む、請求項66に記載の構造。
【請求項68】
前記パネルは金属パネルである、請求項60に記載の構造。
【請求項69】
電気エネルギからの損傷に対して基材を保護するための方法であって、
基材を設けるステップと、
金属箔を設けるステップと、
前記金属箔と前記基材との間に第1のポリマー膜を設けるステップとを含む方法。
【請求項70】
前記金属箔の上に横たわるトップコートを設けるステップをさらに含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
トップコートを設けるステップは、前記金属箔の上に横たわる第2のポリマー膜および前記金属箔を覆う塗料の層の少なくとも1つを設けるステップを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記第1のポリマー膜、前記金属箔、および前記第2のポリマー膜の少なくとも1つをプラズマ処理するステップをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記第2のポリマー膜の全体にわたって複数個の繊維を分散させるステップをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記繊維は、黒鉛繊維および金属繊維の少なくとも1つを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記第2のポリマー膜と前記金属箔との間に配設される第3のポリマー膜を設けるステップをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
インク層を設けるステップをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
トップコートを設けるステップは、前記第2のポリマー膜を塗料で覆うステップを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
化成被膜、電着、接着剤、プライマ、およびゾル−ゲルの1つで前記金属箔を処理するステップをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記金属箔の上に横たわるマスカントを設けるステップをさらに含む、請求項69に記載の方法。
【請求項80】
前記第1のポリマー膜の下に横たわる接着剤を設けるステップをさらに含む、請求項69に記載の方法。
【請求項81】
前記複合基材は、複合ビークルの一部として設けられる、請求項69に記載の方法。
【請求項82】
前記第1のポリマー膜は、ポリエステル/ポリエチレンの組合せ、PEEK/ポリエチ
レンの組合せ、PEEK/ナイロンの組合せ、およびポリエステル/ナイロンの組合せの1つを含む2層のポリマー膜の組合せを含む、請求項69に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2007−524529(P2007−524529A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533926(P2006−533926)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/030251
【国際公開番号】WO2005/032812
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】