説明

アデフォビルジピボキシルの新規結晶形及びその製造方法

本発明は、9−[2−[ホスホノメトキシ]エチル]アデニンのビス−ピバロイルオキシメチルエステル、即ち、アデフォビルジピボキシルの新規結晶形A、結晶形B、結晶形C、結晶形D、結晶形E、結晶形F及び結晶形Gとこれらの製造方法に関するものである。本発明によると、高純度の当該新規結晶形は簡単な方法により高収率で得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヌクレオチド類似体である9−[2−[ホスホノメトキシ]エチル]アデニンのビス−ピバロイルオキシメチルエステル(「アデフォビルジピボキシル」)の新規結晶形及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アデフォビルジピボキシルは、抗ウイルス性のヌクレオチド類似体であり、HIV感染及びB型肝炎(HBV)の治療剤として優れた効果を示す。前記化合物の抗ウイルス活性については、例えば、特許文献1、2、3及び非特許文献1、2を参照することができる。
アデフォビルジピボキシルの化学構造は下記式(1)で示される。
【0003】
【化1】

【0004】
アデフォビルジピボキシルは、特許文献3に初めて開示され、非晶形又は結晶形で存在できる。アデフォビルジピボキシルの非晶形は、メタノール(約4%)及び塩化メチレン(約96%)の混合物を使用してシリカゲルカラムから溶出し、約35℃で減圧下に回転蒸発して析出することによって得ることができる(非特許文献3参照)。しかし、非晶形の精製及び製造は、大量生産に適さず、熱、光、酸素及び湿気から保護しなければならない短所がある。従って、代案として、アデフォビルジピボキシルの結晶形を製造し、使用してきた。例えば、特許文献4は、直接製造するか又は商業的に購入したアデフォビルジピボキシルを有機溶媒に溶解して、高温流下で薬物溶液の微細液滴として噴霧し、得られた液滴を瞬時に乾燥して結晶を得る、スプレー乾燥方法を開示している。しかし、この方法は大量生産に適さないスプレー乾燥装置を使用するという短所がある。一方、特許文献5は、0.2%又はそれ以下の水及び50%又はそれ以上の1−メチルピロリジノンを含有するアデフォビルジピボキシル溶液をアセトンで希釈し、n−ブチルエーテルを添加して結晶を生成し、冷却して結晶形1を得て、前記結晶形1を相対湿度75%又はそれ以上の空気と接触するか、2〜5%の水を含有している溶媒から結晶化して、結晶形2(2水和物)を製造する方法を開示している。しかし、この方法は、n−ブチルエーテルのように爆発性のある危険な有機溶媒を結晶化溶媒として使用している。
【0005】
一般に、結晶多形は、分子式は同じであるが、融点、溶解度、密度などにおいて互いに異なる物理的特性を有していて、別個の固体と考えられている。多形体の物理的特性における差は、バルク固体中の隣接分子(複合体)の配置及び分子間相互作用による。従って、同じ分子式を有する多形体は、1つの多形体が他の多形体に比べて有利な物理的特性を有するか否かが明確でないという点で、固有の固体である。薬理作用のある多形体の最も重要な物理的特性の一つは、水溶性、特に患者の胃液での溶解性である。例えば、腸管を介した吸収が遅い場合、患者の胃又は腸内の環境下に不安定な薬物は、徐々に溶解され、この有害な環境下に蓄積されないことが好ましい。このような結晶化合物は流動性及び弾性変形性、薬学的製剤内での溶解速度、安定性及び有効性なども相違しうる。従って、より安定で、取扱いが容易で、さらに溶出率の高い結晶形態が当業界で求められている。即ち、薬物の新規結晶形の発見は製剤分野の当業者が所望の放出特性又はその他の特性を有する薬物の薬学製剤をデザインできるようにするだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,724,233号
【特許文献2】米国特許第4,808,716号
【特許文献3】ヨーロッパ特許第0481214号
【特許文献4】国際公開WO04/043972号公報
【特許文献5】米国特許第6,451,340号
【特許文献6】米国特許第5,663,159号
【特許文献7】国際公開WO99/04774号公報
【特許文献8】国際公開WO00/35460号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Benzaria et al., “Nucleosides and Nucleotide” 14(3-5):563-565, 1995
【非特許文献2】Starrett et al., J. Med. Chem. 37:1857-1864, 1994
【非特許文献3】J. Med. Chem., 19:1857-1864, 1994
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明者らは、薬剤学的組成物の製造において選択しうる範囲を広めるためにアデフォビルジピボキシルの多様な新規結晶形を提供すること、そしてこれらの新規結晶形の製造において従来技術の問題を解消することに努めた。
【0009】
従って、本発明は、アデフォビルジピボキシルの新規結晶形を提供することを目的の1つとする。
【0010】
本発明は、また、アデフォビルジピボキシルの新規結晶形の製造方法を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、アデフォビルジピボキシルの新規結晶形A、結晶形B、結晶形C、結晶形D、結晶形E、結晶形F及び結晶形Gを開発することに成功した。
【0012】
本発明によって提供される新規結晶形をより具体的に定義すれば、以下の通りである。
【0013】
結晶形AのX線回折(XRD)パターンは、2θ=12.9、25.9及び28.1に特性ピークを示す。具体的に結晶形Aは、2θ=4.4、8.7、12.9、17.2、19.8、21.6、25.9、28.1及び30.38±0.3゜の粉末XRDパターンを示す。
【0014】
結晶形BのXRDパターンは、2θ=7.3、16.3、17.2及び22.2に特性ピークを示す。具体的に結晶形Bは、2θ=6.4、7.3、8.6、9.7、12.6、13.5、16.3、17.2、19.5、20.8、22.2及び26.0±0.3゜の粉末XRDパターンを示す。
【0015】
結晶形CのXRDパターンは、2θ=8.1、8.8、9.5、24.5、25.3及び32.9に特性ピークを示す。具体的に結晶形Cは、2θ=8.1、8.8、9.5、15.4、17.2、17.6、19.7、21.8、24.5、25.3、26.8、28.9及び32.9±0.3゜の粉末XRDパターンを示す。
【0016】
結晶形DのXRDパターンは、2θ=3.8及び13.0に特性ピークを示す。具体的に結晶形Dは、2θ=3.8、7.2、10.4、12.4、13.0、15.9、17.5、21.0及び23.3±0.3゜の粉末XRDパターンを示す。
【0017】
結晶形EのXRDパターンは2θ=3.4に特性ピークを示す。具体的に結晶形Eは、2θ=3.4、6.9、11.8、12.7、15.7、17.2、20.7、21.5、22.5及び23.3±0.3゜の粉末XRDパターンを示す。
【0018】
結晶形FのXRDパターンは、2θ=5.6に特性ピークを示す。具体的に結晶形Fは、2θ=5.6、6.9、11.8、12.7、15.7、17.2、20.7、21.5、22.5及び23.3±0.2゜の粉末XRDパターンを示す。
【0019】
結晶形GのXRDパターンは、特許文献5の結晶形1の特性ピークである2θ=11.8のピークがないことを特徴とする。具体的に結晶形Gは、2θ=6.9、12.7、15.7、17.2、20.7、21.5、22.5及び23.3±0.2゜の粉末XRDパターンを示す。
【0020】
通常、結晶形は、溶解度のような熱力学的な特性といくつかの運転率のような動的特性によって決定される。運転率により結晶化メカニズムが決定され、このようなメカニズムは結晶核の形成、結晶の成長、及び結晶形の変形に影響を与えて所望の結晶をもたらす。従って、結晶形を制御するための結晶化メカニズムの分析は、必須であって、結晶化の研究において必ず遂行しなければならない。効率的な方法を開発するために、様々な過飽和形成方法が研究されている。
【0021】
実質的な研究を通して、様々な溶媒中の濃度と温度による過飽和度の変化がアデフォビルジピボキシルの結晶形製造のための最も重要な因子であることが明らかにされた。飽和溶液から核形成によって結晶を析出する場合、粒子の結晶形に最も大きな影響を及ぼすパラメータは温度と溶媒である。結晶形成工程を介して得られた結晶形を調べるために、X線回折分析(XRD)、示差走査熱量測定(DSC)、顕微鏡分析などの様々なオフライン(off-line)方法を使用する。
【0022】
本発明に係る新規結晶形の製造に使われる出発物質アデフォビルジピボキシルは、公知の方法、例えば、特許文献6または非特許文献3に記載された方法によって得られるが、出発物質アデフォビルジピボキシルを製造する方法について、本発明は何ら制限されない。
【発明の効果】
【0023】
前述のように、本発明は、アデフォビルジピボキシルの様々な新規な結晶形を及びこれらの製造方法を提供する。本発明によって、当該技術分野に下記利点が提供される。
【0024】
第1に、本発明によって提供される様々な結晶形は医薬組成物の製造において基剤の選択範囲を広げる効果がある。
【0025】
第2に、本発明におけるアデフォビルジピボキシルの結晶形を製造するための結晶化溶媒として水を使用することにより、従来技術に比べて少ない量で、製薬学的に制約のある有機溶媒が残留する。さらに、本発明によると製造コストが下がり、大量生産を含むその製造が容易になる。
【0026】
第3に、本発明の結晶形は、高い回収率、優れた溶出率及び貯蔵安定性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、公知のアデフォビルジピボキシル結晶形のXRD結果を示す:[(a)結晶形1、(b)結晶形2、(c)結晶形3、(d)結晶形4(以上、結晶形1〜4は特許文献5に開示されている)、(e)特許文献4の結晶形]。
【図2】図2は、実施例1で得られたアデフォビルジピボキシル結晶形AのX線回折スペクトルである。
【図3】図3は、実施例4で得られたアデフォビルジピボキシル結晶形CのX線回折スペクトルである。
【図4】図4は、実施例5で得られたアデフォビルジピボキシル結晶形DのX線回折スペクトルである。
【図5】図5は、実施例7で得られたアデフォビルジピボキシル結晶形EのX線回折スペクトルである。
【図6】図6は、実施例9で得られたアデフォビルジピボキシル結晶形FのX線回折スペクトルである。
【図7】図7は、実施例10で得られたアデフォビルジピボキシル結晶形GのX線回折スペクトルである。
【図8】図8は、実施例11で得られたアデフォビルジピボキシル結晶形BのX線回折スペクトルである。
【図9】図9は、実施例3で得られたアデフォビルジピボキシル結晶形AのDSC吸熱曲線である。
【図10】図10は、実施例11で得られたアデフォビルジピボキシル結晶形BのDSC吸熱曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る新規結晶形製造方法において、新規結晶形の種類は、溶質(アデフォビルジピボキシル):良溶媒:結晶化溶媒の割合、溶解条件及び結晶化温度などによって決定されるが、これらを詳細に下記に説明する。
【0029】
1)結晶化溶媒として水を使用する場合
本発明の一実施様態においては、良溶媒としてアセトンをアデフォビルジピボキシルを溶解する最小量である、アデフォビルジピボキシルの重量に対して2〜7倍の重量、好ましくは4〜6倍の重量で使用する。10〜40℃、好ましくは20〜30℃の温度でアデフォビルジピボキシルを溶解した後、前記溶液にアデフォビルジピボキシルを結晶化する溶媒として水を添加する。水の量はアデフォビルジピボキシルの重量に対して20〜40倍重量、好ましくは25〜30倍重量である。結晶化溶媒を加えて結晶を形成し、結晶核の形成と成長を助けるために、得られた混合物を0〜30℃、好ましくは5〜25℃の温度に保持しながら、4〜30時間、好ましくは5〜20時間撹拌する。混合物をろ過し、回収した結晶を35℃又はそれ以下の温度で減圧下乾燥すると、アデフォビルジピボキシル結晶形Aが得られる。乾燥後、結晶形Aが、カールフィッシャー(Karl Fisher)滴定により水分含量が6.5%〜7.1%であることを確認する。撹拌温度が高いと、収率が低下する。従って、撹拌温度及び撹拌時間は、所望の高収率、高純度のアデフォビルジピボキシル結晶形Aを得るのに重要な影響を与える。
【0030】
本発明の他の実施様態においては、良溶媒のアセトンをアデフォビルジピボキシルの重量に対して2〜7倍重量、好ましくは2〜4倍重量で使用して、10〜40℃、好ましくは20〜30℃の温度でアデフォビルジピボキシルを溶解する。次いで、前記溶液に結晶化溶媒として水をアデフォビルジピボキシルの重量に対して7〜13倍重量、好ましくは9〜11倍重量で加える。このようにして得られた混合物を撹拌することなく、一定の冷却温度の範囲0〜10℃、好ましくは5〜10℃を5〜30時間、好ましくは5〜20時間保持して、結晶の成長を誘導する。混合物をろ過し、回収した結晶を35℃又はそれ以下の温度で減圧下乾燥する。乾燥後、結晶形Cは、カールフィッシャー滴定により水分含量が6.5%〜7.1%であることを確認する。
【0031】
本発明の別の実施様態においては、良溶媒として1−メチルピロリジノンまたはエタノールを使用し、結晶化溶媒として水を使用してアデフォビルジピボキシル結晶形Aを製造する。アデフォビルジピボキシルを溶解するための良溶媒として1−メチルピロリジノンを使用する場合、1−メチルピロリジノンをアデフォビルジピボキシルの重量に対して2〜5倍重量、好ましくは3〜4倍重量使用する。エタノールを良溶媒として使用する場合、エタノールをアデフォビルジピボキシルの重量に対して5〜15倍重量、好ましくは8〜12倍重量使用する。こうして得られた溶液を10〜40℃、好ましくは20〜30℃の温度に保持して、アデフォビルジピボキシルを溶解する。次いで、前記溶液に、結晶化溶媒として水をアデフォビルジピボキシルの重量に対して10〜30倍重量、好ましくは15〜20倍重量で加える。結晶の成長を誘導するために、混合物を一定の冷却温度0〜10℃、好ましくは5〜10℃の温度を維持しながら、3〜10時間、好ましくは4〜5時間撹拌する。混合物をろ過し、回収した結晶を30℃又はそれ以下の温度で減圧下乾燥して、アデフォビルジピボキシル結晶形Aを得る。結晶化溶媒として水を使用して結晶化する場合、乾燥後の、カールフィッシャー滴定による水分含量は6.5%〜7.1%である。
【0032】
2)良溶媒及び結晶化溶媒として有機溶媒を使用する場合
アデフォビルジピボキシルの結晶形は、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような結晶化溶媒を、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリルまたはイソプロピルアルコールのような良溶媒中のアデフォビルジピボキシル溶液と混合することによって製造できる。
【0033】
本発明の一実施様態においては、アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して1〜5倍重量、好ましくは2〜4倍重量の良溶媒であるクロロホルムに30〜50℃、好ましくは35〜45℃の温度で溶解する。前記溶液を10〜30℃、好ましくは20〜25℃の温度に冷却し、n−ヘプタンを添加して結晶化する。n−ヘプタン量はアデフォビルジピボキシルの重量に対して1〜5倍重量、好ましくは2〜3倍重量である。結晶化の後、結晶核の形成と成長を助けるために、−10〜30℃、好ましくは−5〜25℃の温度を保持しながら、混合物を4〜20時間、好ましくは5〜10時間撹拌する。混合物をろ過し、回収した結晶を乾燥するとアデフォビルジピボキシル結晶形Dが得られる。
【0034】
本発明の別の実施様態においては、良溶媒である酢酸エチルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して0.5〜2倍重量、好ましくは0.5〜1倍重量の量で10〜40℃、好ましくは20〜30℃の温度で使用して、高含量のアデフォビルジピボキシルを含有する溶液を製造する。次いで、前記溶液を−20〜20℃、好ましくは−5〜5℃でn−ヘプタンに添加して結晶化する。n−ヘプタンの量はアデフォビルジピボキシルの重量に対して10〜100倍重量、好ましくは20〜50倍重量である。結晶化の後、結晶核の形成と成長を助けるために、温度を−20〜20℃、好ましくは−5〜5℃に保持しながら、混合物を4〜20時間、好ましくは5〜10時間撹拌する。混合物をろ過し、回収した結晶を乾燥するとアデフォビルジピボキシル結晶形Dが得られる。
【0035】
本発明の別の実施様態においては、良溶媒であるイソプロピルアルコールを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して5〜20倍重量、好ましくは10〜15倍重量の量で10〜40℃、好ましくは20〜30℃の温度で使用して、アデフォビルジピボキシルの溶液を製造する。次いで、前記溶液にシクロヘキサンを10〜40℃、好ましくは20〜30℃で加えて結晶化する。シクロヘキサンの量はアデフォビルジピボキシルの重量に対して10〜40倍重量,好ましくは20〜30倍重量である。結晶化の後、結晶核の成長を助けるために、−20〜20℃、好ましくは0〜10℃の温度を保持しながら、混合物を10〜40時間、好ましくは15〜25時間撹拌する。混合物をろ過して、回収した結晶を乾燥すると、アデフォビルジピボキシル結晶形Fが得られる。
【0036】
本発明の別の実施様態においては、良溶媒であるクロロホルムを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して1〜5倍重量、好ましくは2〜3倍重量の量で10〜40℃、好ましくは20〜30℃で使用して、アデフォビルジピボキシル溶液を製造する。次いで、前記溶液にn−ヘキサンを10〜40℃、好ましくは20〜30℃で加えて結晶化する。n−ヘキサンの量は、アデフォビルジピボキシルの重量に対して5〜30倍重量、好ましくは5〜10倍重量である。結晶化の後、結晶核の成長を助けるために、10〜40℃、好ましくは20〜30℃の温度を保持しながら、混合物を1〜10時間、好ましくは2〜5時間撹拌する。混合物をろ過して、回収した結晶を乾燥するとアデフォビルジピボキシル結晶形Gが得られる。
【0037】
3)アデフォビルジピボキシル結晶形Bの製造
本発明の別の実施様態においては、アデフォビルジピボキシル結晶形Aを製造して、ろ過する。回収した結晶を35〜45℃で減圧下乾燥すると、アデフォビルジピボキシル結晶形Bが得られる。乾燥後のカールフィッシャー滴定による水分含量は0.01%〜0.5%である。
【0038】
4)アデフォビルジピボキシル結晶形Eの製造
本発明の別の実施様態においては、良溶媒である酢酸メチルまたはアセトニトリルをアデフォビルジピボキシルの重量に対して、3〜40倍、好ましくは3〜15倍重量の量で10〜40℃、好ましくは20〜30℃で使用して、アデフォビルジピボキシルを溶解する。同温度で減圧下、使用した良溶媒を蒸発して除去すると、アデフォビルジピボキシル結晶形Eが得られる。
【実施例】
【0039】
以下の実施例により本発明をより具体的に説明するが、当然のことながら、これら実施例は説明のみを目的として挙げられており、本発明の範囲はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0040】
実施例1:結晶形Aの製造
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.3g)及び1−メチルピロリジノン(1.00g)を1:3.33の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解した。この溶液に、予め25℃に制御された水を結晶が形成するまで加えた。加えた水の量は5.00gであった。5℃に制御された冷却装置を使用して溶液を冷却した。このように冷却した溶液を約4.5時間撹拌して、スラリーをろ過して結晶を分離した。ろ過して得た結晶を水で洗浄して、再びろ過した。結晶を25℃〜30℃で減圧下乾燥して、結晶形A( 0.3g、回収率:93%)を得た(カールフィッシャー滴定による水分含量:6.7%)。
【0041】
実施例2:結晶形Aの製造
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.3g)及びエタノール(3.31g)を1:11.03の重量比で混合したことを除いては、実施例1と同様にして、結晶形A (0.31g、回収率:96%)を得た(カールフィッシャー滴定による水分含量:7.1%)。
【0042】
実施例3:結晶形Aの製造
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(3.94kg)とアセトン(14.15kg)を1:3.59の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解した。この溶液に、予め25℃に制御された水(141.5kg)を加えて、混合物を20℃〜25℃で約10時間撹拌した。ろ過して結晶を分離し、水で洗浄した。結晶を25℃〜30℃で減圧下乾燥して、結晶形A(3.83kg、回収率:91%)を得た(カールフィッシャー滴定による水分含量:6.9%)。
【0043】
実施例4:結晶形Cの製造
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.301g)及びアセトン(1.30g)を1:4.32の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解した。この溶液に、水をアセトン溶媒の2倍の量、即ち、2.60g加えた。混合物を6.4℃で約17時間保持して結晶の成長を誘導した。結晶をろ過して分離し、25℃〜30℃で24時間減圧下乾燥して、結晶形C(0.29g、回収率:90%)を得た(カールフィッシャー滴定による水分含量:6.5%)。
【0044】
実施例5:結晶形Dの製造
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(1.00g)及びクロロホルム(3g)を1:3.00の重量比で混合し、45℃で完全に溶解した。得られた溶液を25℃に冷却し、そこに予め25℃に制御されたn−ヘプタン(2.7g)を加えた。0℃に制御された冷却装置を使用して混合物を冷却し、約5時間撹拌した。ろ過して結晶を分離し、n−ヘプタンで洗浄した。結晶を25℃〜30℃で24時間減圧下乾燥して、結晶形D( 0.89g、回収率:89%)を得た。
【0045】
実施例6:結晶形Dの製造
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(3.8g)及び酢酸エチル(2.7g)を1:0.71の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解して、高濃度の溶液を製造した。得られた溶液を、0℃に保持しているn−ヘプタン(82g)に加えて、混合物を約6時間保持して結晶化した。このようにして形成した結晶をろ過して分離し、n−ヘプタンで洗浄し、再びろ過した。結晶を25℃〜30℃で24時間減圧下乾燥して、結晶形D(3.7g、回収率:97%)を得た。
【0046】
実施例7:結晶形Eの製造
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.2g)及び酢酸メチル(2.8g)を1:14の重量比で混合して、25℃でアデフォビルジピボキシル完全に溶解した。得られた溶液から同温度で溶媒を減圧下蒸発した。その結果、特許文献5に記載された結晶形1に比べて2θ=3.4゜のピークをさらに有している結晶形E(0.18g、回収率:90%)を得た。
【0047】
実施例8:結晶形Eの製造
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.2g)及びアセトニトリル(0.8g)を1:4の重量比で混合したことを除いては、実施例7と同様にした。その結果、特許文献5に記載された結晶形1に比べて、2θ=3.4゜のピークをさらに有している結晶形E(0.18g、回収率:90%)を得た。
【0048】
実施例9:結晶形Fの製造
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.5016g)及びイソプロピルアルコール(6.11g)を1:12.2の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解した。この溶液に、シクロヘキサンをイソプロピルアルコール溶媒の約2倍の量、即ち、12.83g加えた。次いで、混合物を6.4℃で約20時間撹拌して、結晶の成長を誘導した。ろ過して結晶を分離し、シクロヘキサンで洗浄し、再びろ過し、結晶を25℃〜30℃で24時間減圧下乾燥して、特許文献5に記載された結晶形1に比べて、2θ=5.6゜のピークをさらに有している結晶形F(0.45g、回収率:90%)を得た。
【0049】
実施例10:結晶形Gの製造
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.50g)及びクロロホルム(1.50g)を1:3の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解した。この溶液に、予め同温度に制御されたn−ヘキサン(3.03g)を加えた。次に、混合物を約4時間撹拌し、吸引装置を利用してろ過して結晶を分離し、25℃〜30℃で24時間乾燥して、特許文献5に記載された結晶形1に比べて、2θ=11.8゜のピークが欠如している結晶形G(0.42g、回収率:84%)を得た。
【0050】
実施例11:結晶形Bの製造
実施例3と同じ手順により製造し、ろ過して、回収したアデフォビルジピボキシル結晶形A(3.83kg)を35〜45℃で減圧下乾燥して、アデフォビルジピボキシル結晶形B(3.54kg、回収率:99%)を得た(カールフィッシャー滴定による水分含量:0.2%)。
【0051】
実験例1:X線回折スペクトル
実施例で製造したアデフォビルジピボキシルをX線回折分析装置[機器名:M18XHF−SRA(Mac Science 社製、日本)及びPowder XRD(Bruker AXS社製、ドイツ)]で測定した。その結果を図2、3、4、5、6、7及び8に示した。
【0052】
実験例2:示差走査熱量計;DSC
実施例3及び11で製造したアデフォビルジピボキシルの結晶形を示差走査熱量計[機器名:DSC822e、Mettler Toledo 社製]で測定した。その結果をそれぞれ図9及び10に示した。
【0053】
実験例3:結晶形A及びBを製造するための乾燥温度条件
実施例3で製造した結晶形Aを0.1〜1.0Torrの真空条件下に多種の乾燥温度及び乾燥時間で処理して、得られた結晶形の変換結果を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
前記表1の結果から分かるように、実施例3によって製造したアデフォビルジピボキシル結晶形Aを25℃で真空乾燥すると、他の結晶形に変換されずに結晶形Aとして2水和物に相当する水分含量を保持した。しかし、35〜45℃で乾燥すると、結晶形Aから結晶形Bに変換されることが分かった。一方、結晶形Iは前記温度で乾燥しても結晶形Bに変換されなかった。
【0056】
実験例4:安定性試験
本発明の実施例3及び11の新規結晶形A及びBと、アデフォビルジピボキシル標準品(純度99.5%、50mg)を精密に計量し、50mL容量フラスコに入れ、希釈液に溶解した。標線に仕上げた後、それぞれ試料液と標準液として使用した。下記条件で分析し、新規結晶形A、Bの含量及び形成されたアデフォビルジピボキシルの分解産物の量をピーク面積により計算した。5℃及び加速条件下で6カ月かけて新規な結晶形の含量と分解産物の量の変化を測定した。その結果を下記表2と表3に示す。
【0057】
分析条件:
使用機器:Waters HPLC model 2695
カラム:Allech Mixed Mode Anion exchange C8、7μm 100A poresize、250mm×4.6mm
分析条件:
移動相混合状態を下記のように実施した:
19分間、移動相Aを100%から0%に、移動相Bを0%から100%に変化させた。
36分まで、移動相B100%で溶出した後、46分まで、溶出を移動相A0%から100%に変化させた。
移動相A:緩衝液/アセトニトリル(70:30、v/v)
移動相B:緩衝液/アセトニトリル(50:50、v/v)
緩衝液:KHPO(9.2g)とKHPO(47.2g)を精製水(2L)に溶解した
希釈液:KHPO(3.4g)を精製水(1L)に溶解してpH3.0に調節した
検出波長:260nm
流速:1.2mL/min
【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
表2及び表3に示されるように、新規結晶形A及びBは5℃及び加速の両条件下で、98.85%〜100.48%の含量及び0.25%〜0.66%の分解産物の総量を保持しており、非常に優れた安定性を示した。
【0061】
実験例5:溶出試験
本発明の実施例11で製造した新規結晶形Bと特許文献7の実施例1で製造した結晶形Iを原料として用い、特許文献8の実施例1に開示された技術によって、それぞれの製剤を製造した。0.01NのHCl溶液、pH1.2の緩衝液(NaCl(20g)+37%のHCl(68〜70mL)+蒸留水(9L))、pH4.0の緩衝液(酢酸ナトリウム(7.38g)+酢酸(25mL)+蒸留水(9L))、pH6.0の緩衝液(KHPO(68g)+NaOH+蒸留水(10L))及びpH7の蒸留水での溶出率を比較した。試験はそれぞれ3回繰り返して、平均値を表4に示す。
【0062】
【表4】

【0063】
表4の結果は、本発明の新規結晶形Bを用いた製剤が従来の結晶形Iを用いた製剤に比べて優れた溶出率を示すことを明らかにしている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末XRDパターンが、2θ=12.9、25.9及び28.1に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形A。
【請求項2】
粉末XRDパターンが、2θ=4.4、8.7、12.9、17.2、19.8、21.6、25.9、28.1及び30.38±0.3゜に特性ピークを示す、請求項1に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形A。
【請求項3】
(a)アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して2〜7倍重量の良溶媒であるアセトンに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して20〜40倍重量の水を結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収する、又は
(b)アデフォビルジピボキシルをアデフォビルジピボキシルの重量に対して2〜5倍重量の良溶媒である1−メチルピロリジノン、又はアデフォビルジピボキシルの重量に対して5〜15倍重量の良溶媒であるエタノールに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して10〜30倍重量の水を結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収する、ことを特徴とする、請求項1に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Aを製造する方法。
【請求項4】
結晶化溶媒を加える工程の温度を、方法(a)では0〜30℃に、方法(b)では0〜10℃に保持することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
回収された結晶を、方法(a)では35℃又はそれ以下で、方法(b)では30℃又はそれ以下で乾燥することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
粉末XRDパターンが、2θ=7.3、16.3、17.2及び22.2に特性ピークを示すことを特徴とする、アデフォビルジピボキシルの結晶形B。
【請求項7】
粉末XRDパターンが、2θ=6.4、7.3、8.6、9.7、12.6、13.5、16.3、17.2、19.5、20.8、22.2及び26.0±0.3゜に特性ピークを示す、請求項6に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形B。
【請求項8】
請求項3に記載の方法によって回収されたアデフォビルジピボキシルの結晶形Aを、35〜45℃の温度で乾燥することを特徴とする、請求項6に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Bを製造する方法。
【請求項9】
粉末XRDパターンが、2θ=8.1、8.8、9.5、24.5、25.3及び32.9に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形C。
【請求項10】
粉末XRDパターンが、2θ=8.1、8.8、9.5、15.4、17.2、17.6、19.7、21.8、24.5、25.3、26.8、28.9及び32.9±0.3゜に特性ピークを示す、請求項9に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形C。
【請求項11】
アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して2〜7倍重量の良溶媒であるアセトンに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して7〜13倍重量の水を結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収することを特徴とする、請求項9に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Cを製造する方法。
【請求項12】
水を加えた後、撹拌することなく、0〜10℃の一定の冷却温度を5〜30時間保持して結晶の成長を誘導する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
粉末XRDパターンが、2θ=3.8及び13.0に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形D。
【請求項14】
粉末XRDパターンが、2θ=3.8、7.2、10.4、12.4、13.0、15.9、17.5、21.0及び23.3±0.3゜に特性ピークを示す、請求項13に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形D。
【請求項15】
(a)アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して1〜5倍重量の良溶媒であるクロロホルムに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して1〜5倍重量のn−ヘプタンを結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収する、又は
(b)アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して0.5〜2倍重量の良溶媒である酢酸エチルに溶解し、この溶液をアデフォビルジピボキシルの重量に対して10〜100倍重量の結晶化溶媒であるn−ヘプタンに加えて、こうして得られた結晶を回収する、ことを特徴とする、請求項13に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Dを製造する方法。
【請求項16】
工程(a)が、結晶化溶媒を加えた後、混合物を−10〜30℃の温度で4〜20時間撹拌する工程を更に含有している、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
工程(b)が、結晶化溶媒を加えた後、混合物を−20〜20℃の温度で4〜20時間撹拌する工程を更に含有している、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
粉末XRDパターンが、2θ=3.4に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形E。
【請求項19】
粉末XRDパターンが、2θ=3.4、6.9、11.8、12.7、15.7、17.2、20.7、21.5、22.5及び23.3±0.3゜に特性ピークを示す、請求項18に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形E。
【請求項20】
アデフォビルジピボキシルをアデフォビルジピボキシルの重量に対して3〜40倍重量の良溶媒である酢酸メチル又はアセトニトリルに10〜40℃で溶解し、同温度で減圧下に良溶媒を蒸発することを特徴とする、請求項18に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Eを製造する方法。
【請求項21】
粉末XRDパターンが、2θ=5.6に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形F。
【請求項22】
粉末XRDパターンが、2θ=5.6、6.9、11.8、12.7、15.7、17.2、20.7、21.5、22.5及び23.3±0.2゜に特性ピークを示す、請求項21に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形F。
【請求項23】
アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシの重量に対して5〜20倍重量の良溶媒であるイソプロピルアルコールに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して10〜40倍重量のシクロヘキサンを結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収することを特徴とする、請求項21に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Fを製造する方法。
【請求項24】
結晶化溶媒を加えた後、混合物を−20〜20℃の温度で10〜40時間撹拌する工程を更に含有している、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
粉末XRDパターンが、2θ=6.9、12.7、15.7、17.2、20.7、21.5、22.5及び23.3±0.2゜に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形G。
【請求項26】
アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して1〜5倍重量の良溶媒であるクロロホルムに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して5〜30倍重量のn−ヘキサンを結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収することを特徴とする、請求項25に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Gを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−521417(P2012−521417A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501942(P2012−501942)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001867
【国際公開番号】WO2010/110622
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(500409840)ダエウン ファーマシューティカル カンパニー リミテッド (13)
【出願人】(509092960)ダエウォン バイオ インク. (3)
【Fターム(参考)】