アプリ制御システム
【課題】車両が走行中であっても、アプリ毎に表示及び操作を行うことができるように自動的に制御することができるアプリ制御システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 サーバと携帯端末と車載端末とからなるアプリ制御システムであって、前記サーバは、アプリケーションの識別子、実行条件である走行中における使用可否の情報を含むアプリ情報が保持されたアプリ情報保持手段を備え、前記車載端末は、表示手段と、操作手段と、車両情報取得手段と、アプリ実行可否判断手段を備え、前記アプリ実行可否判断手段は、前記アプリ情報と前記携帯端末が保持するアプリと前記車載端末からの前記車両情報とを照合し、前記アプリの実行可否を判断する。
【解決手段】 サーバと携帯端末と車載端末とからなるアプリ制御システムであって、前記サーバは、アプリケーションの識別子、実行条件である走行中における使用可否の情報を含むアプリ情報が保持されたアプリ情報保持手段を備え、前記車載端末は、表示手段と、操作手段と、車両情報取得手段と、アプリ実行可否判断手段を備え、前記アプリ実行可否判断手段は、前記アプリ情報と前記携帯端末が保持するアプリと前記車載端末からの前記車両情報とを照合し、前記アプリの実行可否を判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末から送信され車載端末上で走行中の画面表示を行うソフトウェアアプリケーションに対して、安全に表示・操作することのできるアプリ制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムやディスプレイ付きカーオーディオセットなどの自動車の車載端末において、走行中の画面表示を伴うソフトウェアは、ドライバの脇見等に起因する交通事故の危険があるため規制の対象となる場合がある。例えば、日本においては、「画像表示装置の取り扱いに関する自工会ガイドライン」があり、こうした車載端末においては、テレビ、ビデオ等の映像の表示を禁止することとなっている。
【0003】
一方、このような車載端末は、通信やナビ、エンターテインメント機能の発展により、走行中に表示すべき情報量および操作量への要求は高まってきている。例えば、運転者の手の届きにくい箇所に操作釦を配置することで、運転中の運転者からは操作できないように構成されたものや(例えば特許文献1参照)、運転者の視線を検知し、運転者が画面を見た場合に強制的に画面を消去するように構成されたものがある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−311052号公報
【特許文献2】特開2007−292535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今、様々なソフトウェアアプリケーション(以下、アプリと略す)をインストールして使用できる携帯端末(スマートフォン)が普及し始めている。この携帯端末と車載端末を接続し(あるいは携帯端末を直接自動車に搭載)、携帯端末上のアプリを車内で表示する形態が考えられる。
【0006】
この場合、配布される全てのアプリが自動車工業会ガイドライン等の安全上の規制に対応するとは限らず、こうした任意のアプリを全て規制の対象として走行中の表示・操作を禁止した場合、ナビゲーションなど走行中に有用と思われる機能を持ったアプリでさえも実行できず、携帯端末の利便性を使用することができないという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、車両が走行中であっても、アプリ毎に表示及び操作を行うことができるように自動的に制御することができるアプリ制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアプリ制御システムは、サーバと携帯端末と車載端末とからなるアプリ制御システムであって、前記サーバは、アプリケーションの識別子、実行条件である走行中における使用可否の情報を含むアプリ情報が保持されたアプリ情報保持手段を備え、前記車載端末は、表示手段と、操作手段と、車両情報取得手段と、アプリ実行可否判断手段を備え、
前記アプリ実行可否判断手段は、前記アプリ情報と前記携帯端末が保持するアプリと前記
車載端末からの前記車両情報とを照合し、前記アプリの実行可否を判断することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のアプリ制御システムは、サーバと携帯端末と車載端末とからなるアプリ制御システムであって、前記サーバは、アプリケーションの識別子、実行条件である走行中における使用可否の情報を含む安全アプリ情報が保持された安全アプリ情報保持手段を備え、前記携帯端末は、アプリ実行可否判断手段を備え、車載端末は、表示手段と、操作手段と、車両情報取得手段と、を備え、前記アプリ実行可否判断手段は、前記安全アプリ情報と前記携帯端末が保持するアプリと前記車載端末からの前記車両情報とを照合し、前記アプリの実行可否を判断することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のアプリ制御システムのアプリ実行可否判断手段は、前記車両情報取得手段から取得された車両の現在の車速またはパーキングブレーキ情報を用いて判断することを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明のアプリ制御システムの携帯端末は、表示手段と、操作手段と、位置速度情報取得手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のシステムによれば、走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1のシステム構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1における安全アプリ情報の例を示す模式図
【図3】実施の形態1における車載端末の動作を示すフロー図
【図4】本発明の実施の形態2のシステム構成を示すブロック図
【図5】実施の形態2における車載端末の動作を示すフロー図
【図6】本発明の実施の形態3のシステム構成を示すブロック図
【図7】実施の形態3における車載端末の動作を示すフロー図
【図8】本発明の実施の形態4のシステム構成を示すブロック図
【図9】実施の形態4における車載端末の動作を示すフロー図
【図10】本発明の実施の形態5のシステム構成を示すブロック図
【図11】実施の形態5における車載端末の動作を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に関わるシステムについて説明する。本発明の実施の形態に関わるシステムについては、本システムを構成するハードウェアに各機能をどのように割り振るかによって、種々の設計状態が考えられるため、以下、実施の形態1〜5として個々に記述することとする。
【0015】
(実施の形態1)
本発明に係わる実施の形態1のシステム構成について、図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明のアプリ制御システムにおける実施の形態1のシステム構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本発明の実施の形態1におけるアプリ制御システムは、サーバSと、携帯端末Tと、車載端末Cと、を備えて構成されている。
【0017】
ここでサーバSは、安全アプリ情報保持手段1を備えて構成されており、安全アプリ情報としては、アプリの種類、バージョン、地域、条件等について個別に実行可否を記述した最小単位となる情報として安全アプリ情報保持手段に保持されている。また、外部と接続可能に構成されており、例えばインターネットを利用して安全アプリ情報を更新することができるように構成されている。
【0018】
携帯端末Tは、アプリ保持手段2を備え、アプリの実行バイナリ本体並びに関連するデータ、アプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報を保持するように構成されている。また、携帯端末Tは、外部との通信可能に構成されており、電話、インターネットを利用することができるように構成され、また、車載端末Cとは、有線接続、無線接続が可能に構成されている。
【0019】
車載端末Cは、車両情報取得手段3、表示手段4、操作手段5、ならびにアプリ実行可否判断手段6を備えて構成されている。また、図示しないが、車載端末Cは、サーバSや携帯端末Tとの通信を行うことができるように構成されている。
ここで、車両情報取得手段3は、GPS(Global Positioning System)、ジャイロセンサ、車速センサ、並びにこれらのセンサ情報を処理する処理部とからなり、車両の現在位置や姿勢、速度などの車両情報を取得することができるように構成されている。なお、取得する車両情報の種類としては、車速パルス、パーキングブレーキの状態、シフトレバー位置、ハンドルの舵角、GPSによって得られる位置情報などを取得することができる。更に、他の車両情報として、シートベルトの脱着情報、灯火の点灯に関する情報、方向指示器又はハザードランプの点灯に関する情報、燃料の残量情報などがあり、必要に応じてこれらの情報が車両情報取得部3aによって車載端末Cに入力される構成にするように構成されている。
表示手段4は、液晶ディスプレイなどで構成され、実行中のアプリを表示するなどして運転者に情報を提示することができるように構成されている。
操作手段5は、タッチパッド、各種スイッチなどのデバイスおよびその周辺の回路を備えて構成され、実行中のアプリに対して運転者が命令を指示する際に用いることができるように構成されている。なお、車載端末Cとして、タッチパネルを表示手段4に備え、操作手段5が表示手段4と見かけ上一体化するように構成してもよい。
アプリ実行可否判断手段6は、CPUとメモリによって構成され、サーバSの安全アプリ情報保持手段1が保持する安全アプリ情報、携帯端末Tのアプリ保持手段2が保持するアプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報を、車両情報取得手段3を用いて車両情報を取得し、アプリの実行(表示・操作)を許可して良いかどうかを判断するように構成されている。
【0020】
次に、図1における安全アプリ情報保持手段1に格納される安全アプリ情報について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1における安全アプリ情報の例を示す模式図である。
【0021】
図2に示すようにサーバSに備えた安全アプリ情報保持手段1に保持されている安全アプリ情報は、個別情報のリストによって構成される。この個別情報は、アプリ、バージョン、地域、条件等について個別に実行可否を記述した最小単位となる情報で構成されている。ここで図2には、個別情報の例として個別情報1と個別情報2を示して説明する。 図2に示すように個別情報1、2は、アプリ識別子とバージョン識別子、地域、単数または複数の条件によって構成されている。ここでアプリ識別子は、アプリ開発または配布時に個別に付与される数字または文字からなる情報で構成されている。
【0022】
ここでバージョン識別子とは、同一アプリ内のバージョンを識別するための数字又は文字からなる情報を示すものである。特定のプラットフォーム上で開発されたアプリには、
コンパイル時または配布時にそれぞれに固有のアプリ識別子、バージョン識別子が割り当てられるのが一般的である。たとえば、個別情報1では、ある開発者によって開発された動画再生用アプリの識別子「VideoPlayerApp」とそのバージョン識別子「1.11」が格納されている。個別情報2では、別の開発者によって開発された駐車アシスト用アプリの識別子「ParkingAssistApp」とそのバージョン識別子「2.0」が格納されている。
【0023】
地域は、この個別情報が適用される地域を示すものである。前記したように、安全上の規制は国または地域によってそれぞれの交通事情等にあわせて異なっており、個別情報が適用される地域を示す情報が格納されている。例えば、個別情報1では、「日本と米国」に限って適用されることが記されている。個別情報2では、地域にかかわらず「全世界」で適用されることが記されている。条件は、車両の状況にもとづく実行可否を判断するための項目名とその値、そして条件が満たされたときの実行可否についての情報によって構成されている。例えば、個別情報1では、条件は単数であり、その項目名が「パーキングブレーキ」、値が「ON」、実行可否が「実行可」となっている。即ち、パーキングブレーキがONの場合に実行を許可し、それ以外の場合には実行を許可しない。これは、動画再生を主目的としたアプリであるので、走行中の動画再生を禁ずる従来の車載装置のガイドラインに則した条件となっている。それに対し、個別情報2では、条件は複数であり、条件1の項目名が「シフトレバー」、値が「リバース」、実行可否が「実行可」、条件2の項目名が「車速」、値が「10km/h未満」、実行可否が「実行可」となっている。また、複数条件1と条件2の関係が「OR」となっている。即ち、シフトレバーがリバースに入っているとき、または、車速が10km/h未満の停車中・徐行中の場合に実行を許可し、それ以外の場合には実行を許可しない。これは、駐車時の運転支援を主目的としたアプリであるので、後退中・停車中・徐行中など本アプリの使用目的に即した条件において、実行を許可する例としている。
【0024】
なお、本発明の実施の形態では、説明を分かり易くするために表形式で例をあげたが、実際には、安全アプリ情報は、xml形式など計算機が取り扱いしやすい形で格納されている。その場合、アプリ識別子や、バージョン識別子、地域や実行条件を可変数持たせることも可能であり、これらを可変数にすることで、個別情報の粒度が大きくなり、安全アプリ情報全体のデータ容量が圧縮される等の効果が考えられるが、格納されている情報について本質的な差異はない。
【0025】
このように構成された図1における車載端末Cの主たる動作について、図3のフロー図を用いて説明する。図3は、実施の形態1における車載端末の動作を示すフロー図である。
車載端末Cは、図3に示すように、一連の起動処理が終了すると、割り込み処理を待つループに入る。まず、ステップS30において、携帯端末Tのアプリ実行命令があるかどうかを判定する。S30においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS31において、携帯端末Tより該当するアプリ情報を取得する(S31)。ここでアプリ情報とはアプリケーションのID、バージョン情報を含む。次に、車載端末Cは、ステップS32において、車両情報を取得する。次に、車載端末Cは、ステップS33において、安全アプリ情報を照合する(S33)。ここサーバ全アプリ情報は、その都度サーバにネットワーク経由でアクセスしても良いし、アクセス時間がかかるのであれば、起動処理時に事前にサーバにアクセスして取得し、車載端末内に格納しておいてもよい。安全アプリ情報は刻々と更新される可能性があるので、格納された安全アプリ情報を照合して、該当するアプリが見つからなかった場合にのみ、再度サーバにアクセスしてデータを更新するように構成してもよい。なお、この場合の通信手段は、携帯端末Tを経由しても良い。即ち、携帯端末Tに搭載されているインターネット通信機能を介してサーバにアクセスし、携帯端末Tを経由して安全アプリ情報を取得しても良い。
【0026】
次に、車載端末Cは、ステップS34において、取得したアプリ情報、車両情報および安全アプリ情報内の条件を参照して、アプリが実行可能な状況にあるかどうかを判断する。S34においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS35において、該当するアプリの表示・操作を許可する(S34、Yes)。S34においてNoの場合は(S34、No)、車載端末Cは、ステップS36において、アプリを表示・操作できない旨をドライバに表示、または音声によって提示する(S36)。そして、ドライバに親切な処理として、ステップS32に戻り、S32〜S34のステップを繰り返すことで、アプリを表示・操作可能になる時点まで待ち、表示・操作可能になった時点でステップS35に進み、アプリを表示・操作可能とする。
【0027】
このように構成された本発明の実施の形態1における車載端末Cによれば,携帯端末に精度のよい加速度センサや地磁気センサが搭載されていない場合でも,車両に搭載された車両情報取得手段の情報を用いることで,走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【0028】
(実施の形態2)
本発明に係わる実施の形態2のシステム構成について、図1のブロック図を用いて説明する。なお、図1で示したシステム構成と同様の箇所については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本発明の実施の形態2は、実施の形態1と同様に、車載端末が表示・操作手段を備えているが、携帯端末自体が高性能な位置速度の取得手段を備えている場合を想定している。理由としては、携帯端末自身にGPSやジャイロセンサを備えている場合も多いため、これらを用いることで車載端末の構成を簡易にすることが可能である。
【0029】
図4において、サーバSは、安全アプリ情報保持手段1を備えて構成されている。安全アプリ情報保持手段が保持している安全アプリ情報については実施の形態1で述べたものと同様であり詳細な説明は省略する。
携帯端末Tは、アプリ保持手段2と位置速度情報取得手段7とを備えて構成されている。ここで、アプリ保持手段2は、アプリの実行バイナリ本体並びに関連するデータ、アプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報を保持する。
また、位置速度情報取得手段7は、GPS、ジャイロセンサ、加速度センサ並びにこれらのセンサ情報を処理する処理部とからなり、携帯端末の現在位置や姿勢、速度などの位置速度情報を取得する。取得する位置速度情報の種類としては、加速度センサによって得られる加速度、GPSによって得られる位置情報、およびその時間微分として求められる速度が代表的である。
【0030】
車載端末Cは、表示手段4、操作手段5、ならびにアプリ実行可否判断手段6を備えて構成されている。
表示手段4は液晶ディスプレイなどで構成され、実行中のアプリを表示するなどして運転者に情報を提示する。
操作手段5は、タッチパッド、各種スイッチなどのデバイスおよびその周辺の回路で構成され、実行中のアプリに対して運転者が命令を指示する際に用いられる。多くの車載端末では、タッチパネルによって表示手段と操作手段が見かけ上一体化している。
アプリ実行可否判断手段6は、CPUとメモリによって構成され、サーバの安全アプリ情報保持手段1が保持する安全アプリ情報、アプリ保持手段2が保持するアプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報、位置速度情報取得手段7より位置速度情報を取得し、アプリの実行(表示・操作)を許可して良いかどうかを判断する。
【0031】
次に、図4における車載端末Cの主たる動作について、図5のフロー図を用いて説明する。図5は、実施の形態2における車載端末の動作を示すフロー図である。
【0032】
図5に示すように本発明の実施の形態2における車載端末Cは、一連の起動処理が終了すると、割り込み処理を待つループに入る。ステップS50において、携帯端末のアプリ実行命令があるかどうかを判定する。S50においてYesの場合は、車載端末は、ステップS51において、携帯端末より該当するアプリ情報を取得する(S51)。ここでアプリ情報とはアプリケーションのID、バージョン情報を含む。次に、車載端末Cは、ステップS52において、携帯端末より位置速度情報を取得する。次に、車載端末Cは、ステップS53において、安全アプリ情報を照合する。次に、車載端末Cは、ステップS54において、取得したアプリ情報、位置速度情報および安全アプリ情報内の条件を参照して、アプリが実行可能な状況にあるかどうかを判断する(S54)。S54においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS55において、該当するアプリの表示・操作を許可する。S54においてNoの場合は、車載端末Cは、ステップS56において、アプリを表示・操作できない旨をドライバに表示、または音声によって提示する。この場合、すぐに処理を終了してもよいが、よりドライバに親切な処理として、ステップS52に戻り、S52〜S54のステップを繰り返すことで、アプリを表示・操作可能になる時点まで待ち、表示・操作可能になった時点でステップS55に進み、アプリを表示・操作可能とする。
【0033】
このように構成された本発明の実施の形態2における車載端末Cによれば,携帯端末が備えている高性能な位置速度の取得手段を用いることで,より簡易な構成によって,走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【0034】
(実施の形態3)
次に、本発明に係わる実施の形態3のシステム構成について、図6のブロック図を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態3のシステム構成を示すブロック図である。なお、図1で示したシステム構成と同様の箇所については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0035】
本発明の実施の形態3は、車載端末Cに正確な車両情報取得手段3とアプリ実行可否判断手段6を備える構成とし、表示・操作に関しては携帯端末Tの表示手段4、操作手段5(一体化させたタッチパネルとしてもよい)を用いることを想定している。
【0036】
この場合、運転者は携帯端末Tを車載端末Cに接続し、直接携帯端末上の表示・操作手段を用いてアプリにアクセスする。
ここでサーバSは、安全アプリ情報保持手段1を備えて構成されている。なお、安全アプリ情報保持手段1が保持している安全アプリ情報については後述する。
【0037】
携帯端末Tは、アプリ保持手段2、表示手段4、ならびに操作手段5を備えて構成されている。ここで、アプリ保持手段2は、アプリの実行バイナリ本体並びに関連するデータ、アプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報を保持して構成されている。
表示手段4は、液晶ディスプレイなどで構成され、実行中のアプリを表示するなどして操作者に情報を提示することができるように構成されている。
操作手段5は、タッチパッド、各種スイッチなどのデバイスおよびその周辺の回路で構成され、実行中のアプリに対して操作者が命令を指示する際に用いることができるように構成されている。
【0038】
車載端末Cは、車両情報取得手段3とアプリ実行可否判断手段6を備えて構成されてい
る。
ここで位置速度情報取得手段7は、GPS、ジャイロセンサ、車速センサ、並びにこれらのセンサ情報を処理する処理部とからなり、車両の現在位置や姿勢、速度などの車両情報を取得することができるように構成されている。
アプリ実行可否判断手段6は、CPUとメモリによって構成され、サーバの安全アプリ情報保持手段が保持する安全アプリ情報、アプリ保持手段が保持するアプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報、車両情報取得手段より車両情報を取得し、アプリの実行(表示・操作)を許可して良いかどうかを判断することができるように構成されている。
【0039】
図6における車載端末の主たる動作について、図7のフロー図を用いて説明する。
図7は、実施の形態3における車載端末の動作を示すフロー図である。
図7に示すように、本発明の実施の形態3における車載端末Cは、一連の起動処理が終了すると、割り込み処理を待つループに入る。ステップS70において、携帯端末のアプリ実行命令があるかどうかを判定する(S70)。S70においてYesの場合は、車載端末は、ステップS71において、携帯端末より該当するアプリ情報を取得する(S71)。次に、車載端末Cは、ステップS72において、携帯端末より位置速度情報を取得する(S72)。次に、車載端末Cは、ステップS73において、安全アプリ情報を照合する(S73)。次に、車載端末Cは、ステップS74において、取得したアプリ情報、位置速度情報および安全アプリ情報内の条件を参照して、アプリが実行可能な状況にあるかどうかを判断する(S74)。S74においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS75において、該当するアプリの表示・操作を許可する(S75)。S74においてNoの場合は、車載端末Cは、ステップS76において、アプリを表示・操作できない旨をドライバに表示、または音声によって提示する(S76)。この場合、すぐに処理を終了してもよいが、よりドライバに親切な処理として、ステップS72に戻り、S72〜S74のステップを繰り返すことで、アプリを表示・操作可能になる時点まで待ち、表示・操作可能になった時点でステップS75に進み、アプリを表示・操作可能とする。
【0040】
このように構成された本発明の実施の形態3における車載端末Cによれば携帯端末が備えている表示・手段を用いることで,より簡易な構成によって,走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【0041】
(実施の形態4)
次に、本発明に係わる実施の形態4のシステム構成について、図8のブロック図を用いて説明する。なお、前記で示した実施の形態におけるシステム構成と同様の箇所については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図8は、本発明の実施の形態4のシステム構成を示すブロック図である。
【0042】
本発明の実施の形態4は、車載端末そのものが存在せず、携帯端末Tのみで表示・操作、位置速度取得を備え持つ場合を想定している。
図8に示すようにサーバSは、安全アプリ情報保持手段を備えて構成されている。
携帯端末Tは、アプリ保持手段2、表示手段4、操作手段5、位置速度情報取得手段7、ならびにアプリ実行可否判断手段6を備えて構成されている。
【0043】
ここで、アプリ保持手段2は、アプリの実行バイナリ本体並びに関連するデータ、アプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報を保持して構成されている。
表示手段4は、液晶ディスプレイなどで構成され、実行中のアプリを表示するなどして操作者に情報を提示することができるように構成されている。
【0044】
操作手段5は、タッチパッド、各種スイッチなどのデバイスおよびその周辺の回路で構
成され、実行中のアプリに対して操作者が命令を指示する際に用いることができるように構成されている。なお、多くの携帯端末では、タッチパネルによって表示手段4と操作手段5が一体化して構成されている。
【0045】
位置速度情報取得手段7は、GPS、ジャイロセンサ、加速度センサ並びにこれらのセンサ情報を処理する処理部とからなり、携帯端末の現在位置や姿勢、速度などの位置速度情報を取得することができるように構成されている。取得する位置速度情報の種類としては、加速度センサによって得られる加速度、GPSによって得られる位置情報、およびその時間微分として求められる速度を取得することが出来るよう構成されている。
【0046】
アプリ実行可否判断手段6は、CPUとメモリによって構成され、サーバの安全アプリ情報保持手段1が保持する安全アプリ情報、アプリ保持手段が保持するアプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報、位置速度情報取得手段より位置速度情報を取得し、アプリの実行(表示・操作)を許可して良いかどうかを判断することができるように構成されている。
【0047】
次に、図8における携帯端末Tの主たる動作について、図9のフロー図を用いて説明する。
図9は、実施の形態4における車載端末の動作を示すフロー図である。
【0048】
図9に示すように携帯端末Tは、一連の起動処理が終了すると、割り込み処理を待つループに入る。ステップS90において、アプリ実行命令があるかどうかを判定する(S90)。S90においてYesの場合は、携帯端末Tは、ステップS91において、該当するアプリ情報を取得する。ここでアプリ情報とはアプリケーションのID、バージョン情報を含む。次に、携帯端末Tは、ステップS92において、位置速度情報を取得する。次に、携帯端末Tは、ステップS93において、安全アプリ情報を照合する。次に、携帯端末Tは、ステップS94において、取得したアプリ情報、位置速度情報および安全アプリ情報内の条件を参照して、アプリが実行可能な状況にあるかどうかを判断する。S94においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS95において、該当するアプリの表示・操作を許可する。S94においてNoの場合は、携帯端末は、ステップS96において、アプリを表示・操作できない旨をドライバに表示、または音声によって提示する。この場合、すぐに処理を終了してもよいが、よりドライバに親切な処理として、ステップS92に戻り、S92〜S94のステップを繰り返すことで、アプリを表示・操作可能になる時点まで待ち、表示・操作可能になった時点でステップS95に進み、アプリを表示・操作可能とする。
【0049】
このように構成された本発明の実施の形態4における携帯端末Tによれば,携帯端末が備えている表示・操作手段,高性能な位置速度の取得手段を用いることで,より簡易な構成によって,走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【0050】
(実施の形態5)
次に、本発明に係わる実施の形態5のシステム構成について、図10のブロック図を用いて説明する。なお、前記で示した実施の形態におけるシステム構成と同様の箇所については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図10は、本発明の実施の形態5のシステム構成を示すブロック図である。
【0051】
本発明の実施の形態5は、実施の形態4同様に携帯端末Tのみで構成されるが、アプリ情報をサーバSが保持して構成されている。この場合のサーバSはクラウドとして機能している。
【0052】
図10において、サーバSは、安全アプリ情報保持手段1とアプリ保持手段2を備えて構成されている。
【0053】
携帯端末Tは、表示手段4、操作手段5、位置速度情報取得手段7、とアプリ実行可否判断手段6を備えて構成されている。
【0054】
次に、本発明の実施の形態5における携帯端末Tの主たる動作について、図11のフロー図を用いて説明する。
図11は、実施の形態5における車載端末の動作を示すフロー図である。
【0055】
本発明の実施の形態5における携帯端末Tは、一連の起動処理が終了すると、割り込み処理を待つループに入る。ステップS110において、アプリ実行命令があるかどうかを判定する。S110においてYesの場合は、携帯端末Tは、ステップS111において、サーバにアクセスし、該当するアプリ情報を取得する。次に、携帯端末Tは、ステップS112において、位置速度情報を取得する。次に、携帯端末Tは、ステップS113において、安全アプリ情報を照合する。次に、携帯端末Tは、ステップS114において、取得したアプリ情報、位置速度情報および安全アプリ情報内の条件を参照して、アプリが実行可能な状況にあるかどうかを判断する(S114)。S114においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS115において、該当するアプリの表示・操作を許可する。S114においてNoの場合は、携帯端末Tは、ステップS116において、アプリを表示・操作できない旨をドライバに表示、または音声によって提示する。この場合、すぐに処理を終了してもよいが、よりドライバに親切な処理として、ステップS112に戻り、S112〜S114のステップを繰り返すことで、アプリを表示・操作可能になる時点まで待ち、表示・操作可能になった時点でステップS115に進み、アプリを表示・操作可能とする。
【0056】
このように構成された本発明の実施の形態5における携帯端末Tによれば携帯端末が備えている表示・操作手段,高性能な位置速度の取得手段を用いることで,より簡易な構成によって,走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。また,安全アプリ情報をサーバに保持することで,常に最新のデータを用いて安全性を判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明は、車上で携帯端末のアプリを実行する際に、アプリ情報、地域に関する情報、車両情報、安全アプリ情報を参照し、実行の可否を判断するので、走行中の安全性が確保されたアプリのみの実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 安全アプリ情報保持手段
2 アプリ保持手段
3 車両情報取得手段
4 表示手段
5 操作手段
6 アプリ実行可否判断手段
7 位置速度情報取得手段
S サーバ
T 携帯端末
C 車載端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末から送信され車載端末上で走行中の画面表示を行うソフトウェアアプリケーションに対して、安全に表示・操作することのできるアプリ制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムやディスプレイ付きカーオーディオセットなどの自動車の車載端末において、走行中の画面表示を伴うソフトウェアは、ドライバの脇見等に起因する交通事故の危険があるため規制の対象となる場合がある。例えば、日本においては、「画像表示装置の取り扱いに関する自工会ガイドライン」があり、こうした車載端末においては、テレビ、ビデオ等の映像の表示を禁止することとなっている。
【0003】
一方、このような車載端末は、通信やナビ、エンターテインメント機能の発展により、走行中に表示すべき情報量および操作量への要求は高まってきている。例えば、運転者の手の届きにくい箇所に操作釦を配置することで、運転中の運転者からは操作できないように構成されたものや(例えば特許文献1参照)、運転者の視線を検知し、運転者が画面を見た場合に強制的に画面を消去するように構成されたものがある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−311052号公報
【特許文献2】特開2007−292535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今、様々なソフトウェアアプリケーション(以下、アプリと略す)をインストールして使用できる携帯端末(スマートフォン)が普及し始めている。この携帯端末と車載端末を接続し(あるいは携帯端末を直接自動車に搭載)、携帯端末上のアプリを車内で表示する形態が考えられる。
【0006】
この場合、配布される全てのアプリが自動車工業会ガイドライン等の安全上の規制に対応するとは限らず、こうした任意のアプリを全て規制の対象として走行中の表示・操作を禁止した場合、ナビゲーションなど走行中に有用と思われる機能を持ったアプリでさえも実行できず、携帯端末の利便性を使用することができないという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、車両が走行中であっても、アプリ毎に表示及び操作を行うことができるように自動的に制御することができるアプリ制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアプリ制御システムは、サーバと携帯端末と車載端末とからなるアプリ制御システムであって、前記サーバは、アプリケーションの識別子、実行条件である走行中における使用可否の情報を含むアプリ情報が保持されたアプリ情報保持手段を備え、前記車載端末は、表示手段と、操作手段と、車両情報取得手段と、アプリ実行可否判断手段を備え、
前記アプリ実行可否判断手段は、前記アプリ情報と前記携帯端末が保持するアプリと前記
車載端末からの前記車両情報とを照合し、前記アプリの実行可否を判断することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のアプリ制御システムは、サーバと携帯端末と車載端末とからなるアプリ制御システムであって、前記サーバは、アプリケーションの識別子、実行条件である走行中における使用可否の情報を含む安全アプリ情報が保持された安全アプリ情報保持手段を備え、前記携帯端末は、アプリ実行可否判断手段を備え、車載端末は、表示手段と、操作手段と、車両情報取得手段と、を備え、前記アプリ実行可否判断手段は、前記安全アプリ情報と前記携帯端末が保持するアプリと前記車載端末からの前記車両情報とを照合し、前記アプリの実行可否を判断することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のアプリ制御システムのアプリ実行可否判断手段は、前記車両情報取得手段から取得された車両の現在の車速またはパーキングブレーキ情報を用いて判断することを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明のアプリ制御システムの携帯端末は、表示手段と、操作手段と、位置速度情報取得手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のシステムによれば、走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1のシステム構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1における安全アプリ情報の例を示す模式図
【図3】実施の形態1における車載端末の動作を示すフロー図
【図4】本発明の実施の形態2のシステム構成を示すブロック図
【図5】実施の形態2における車載端末の動作を示すフロー図
【図6】本発明の実施の形態3のシステム構成を示すブロック図
【図7】実施の形態3における車載端末の動作を示すフロー図
【図8】本発明の実施の形態4のシステム構成を示すブロック図
【図9】実施の形態4における車載端末の動作を示すフロー図
【図10】本発明の実施の形態5のシステム構成を示すブロック図
【図11】実施の形態5における車載端末の動作を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に関わるシステムについて説明する。本発明の実施の形態に関わるシステムについては、本システムを構成するハードウェアに各機能をどのように割り振るかによって、種々の設計状態が考えられるため、以下、実施の形態1〜5として個々に記述することとする。
【0015】
(実施の形態1)
本発明に係わる実施の形態1のシステム構成について、図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明のアプリ制御システムにおける実施の形態1のシステム構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本発明の実施の形態1におけるアプリ制御システムは、サーバSと、携帯端末Tと、車載端末Cと、を備えて構成されている。
【0017】
ここでサーバSは、安全アプリ情報保持手段1を備えて構成されており、安全アプリ情報としては、アプリの種類、バージョン、地域、条件等について個別に実行可否を記述した最小単位となる情報として安全アプリ情報保持手段に保持されている。また、外部と接続可能に構成されており、例えばインターネットを利用して安全アプリ情報を更新することができるように構成されている。
【0018】
携帯端末Tは、アプリ保持手段2を備え、アプリの実行バイナリ本体並びに関連するデータ、アプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報を保持するように構成されている。また、携帯端末Tは、外部との通信可能に構成されており、電話、インターネットを利用することができるように構成され、また、車載端末Cとは、有線接続、無線接続が可能に構成されている。
【0019】
車載端末Cは、車両情報取得手段3、表示手段4、操作手段5、ならびにアプリ実行可否判断手段6を備えて構成されている。また、図示しないが、車載端末Cは、サーバSや携帯端末Tとの通信を行うことができるように構成されている。
ここで、車両情報取得手段3は、GPS(Global Positioning System)、ジャイロセンサ、車速センサ、並びにこれらのセンサ情報を処理する処理部とからなり、車両の現在位置や姿勢、速度などの車両情報を取得することができるように構成されている。なお、取得する車両情報の種類としては、車速パルス、パーキングブレーキの状態、シフトレバー位置、ハンドルの舵角、GPSによって得られる位置情報などを取得することができる。更に、他の車両情報として、シートベルトの脱着情報、灯火の点灯に関する情報、方向指示器又はハザードランプの点灯に関する情報、燃料の残量情報などがあり、必要に応じてこれらの情報が車両情報取得部3aによって車載端末Cに入力される構成にするように構成されている。
表示手段4は、液晶ディスプレイなどで構成され、実行中のアプリを表示するなどして運転者に情報を提示することができるように構成されている。
操作手段5は、タッチパッド、各種スイッチなどのデバイスおよびその周辺の回路を備えて構成され、実行中のアプリに対して運転者が命令を指示する際に用いることができるように構成されている。なお、車載端末Cとして、タッチパネルを表示手段4に備え、操作手段5が表示手段4と見かけ上一体化するように構成してもよい。
アプリ実行可否判断手段6は、CPUとメモリによって構成され、サーバSの安全アプリ情報保持手段1が保持する安全アプリ情報、携帯端末Tのアプリ保持手段2が保持するアプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報を、車両情報取得手段3を用いて車両情報を取得し、アプリの実行(表示・操作)を許可して良いかどうかを判断するように構成されている。
【0020】
次に、図1における安全アプリ情報保持手段1に格納される安全アプリ情報について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1における安全アプリ情報の例を示す模式図である。
【0021】
図2に示すようにサーバSに備えた安全アプリ情報保持手段1に保持されている安全アプリ情報は、個別情報のリストによって構成される。この個別情報は、アプリ、バージョン、地域、条件等について個別に実行可否を記述した最小単位となる情報で構成されている。ここで図2には、個別情報の例として個別情報1と個別情報2を示して説明する。 図2に示すように個別情報1、2は、アプリ識別子とバージョン識別子、地域、単数または複数の条件によって構成されている。ここでアプリ識別子は、アプリ開発または配布時に個別に付与される数字または文字からなる情報で構成されている。
【0022】
ここでバージョン識別子とは、同一アプリ内のバージョンを識別するための数字又は文字からなる情報を示すものである。特定のプラットフォーム上で開発されたアプリには、
コンパイル時または配布時にそれぞれに固有のアプリ識別子、バージョン識別子が割り当てられるのが一般的である。たとえば、個別情報1では、ある開発者によって開発された動画再生用アプリの識別子「VideoPlayerApp」とそのバージョン識別子「1.11」が格納されている。個別情報2では、別の開発者によって開発された駐車アシスト用アプリの識別子「ParkingAssistApp」とそのバージョン識別子「2.0」が格納されている。
【0023】
地域は、この個別情報が適用される地域を示すものである。前記したように、安全上の規制は国または地域によってそれぞれの交通事情等にあわせて異なっており、個別情報が適用される地域を示す情報が格納されている。例えば、個別情報1では、「日本と米国」に限って適用されることが記されている。個別情報2では、地域にかかわらず「全世界」で適用されることが記されている。条件は、車両の状況にもとづく実行可否を判断するための項目名とその値、そして条件が満たされたときの実行可否についての情報によって構成されている。例えば、個別情報1では、条件は単数であり、その項目名が「パーキングブレーキ」、値が「ON」、実行可否が「実行可」となっている。即ち、パーキングブレーキがONの場合に実行を許可し、それ以外の場合には実行を許可しない。これは、動画再生を主目的としたアプリであるので、走行中の動画再生を禁ずる従来の車載装置のガイドラインに則した条件となっている。それに対し、個別情報2では、条件は複数であり、条件1の項目名が「シフトレバー」、値が「リバース」、実行可否が「実行可」、条件2の項目名が「車速」、値が「10km/h未満」、実行可否が「実行可」となっている。また、複数条件1と条件2の関係が「OR」となっている。即ち、シフトレバーがリバースに入っているとき、または、車速が10km/h未満の停車中・徐行中の場合に実行を許可し、それ以外の場合には実行を許可しない。これは、駐車時の運転支援を主目的としたアプリであるので、後退中・停車中・徐行中など本アプリの使用目的に即した条件において、実行を許可する例としている。
【0024】
なお、本発明の実施の形態では、説明を分かり易くするために表形式で例をあげたが、実際には、安全アプリ情報は、xml形式など計算機が取り扱いしやすい形で格納されている。その場合、アプリ識別子や、バージョン識別子、地域や実行条件を可変数持たせることも可能であり、これらを可変数にすることで、個別情報の粒度が大きくなり、安全アプリ情報全体のデータ容量が圧縮される等の効果が考えられるが、格納されている情報について本質的な差異はない。
【0025】
このように構成された図1における車載端末Cの主たる動作について、図3のフロー図を用いて説明する。図3は、実施の形態1における車載端末の動作を示すフロー図である。
車載端末Cは、図3に示すように、一連の起動処理が終了すると、割り込み処理を待つループに入る。まず、ステップS30において、携帯端末Tのアプリ実行命令があるかどうかを判定する。S30においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS31において、携帯端末Tより該当するアプリ情報を取得する(S31)。ここでアプリ情報とはアプリケーションのID、バージョン情報を含む。次に、車載端末Cは、ステップS32において、車両情報を取得する。次に、車載端末Cは、ステップS33において、安全アプリ情報を照合する(S33)。ここサーバ全アプリ情報は、その都度サーバにネットワーク経由でアクセスしても良いし、アクセス時間がかかるのであれば、起動処理時に事前にサーバにアクセスして取得し、車載端末内に格納しておいてもよい。安全アプリ情報は刻々と更新される可能性があるので、格納された安全アプリ情報を照合して、該当するアプリが見つからなかった場合にのみ、再度サーバにアクセスしてデータを更新するように構成してもよい。なお、この場合の通信手段は、携帯端末Tを経由しても良い。即ち、携帯端末Tに搭載されているインターネット通信機能を介してサーバにアクセスし、携帯端末Tを経由して安全アプリ情報を取得しても良い。
【0026】
次に、車載端末Cは、ステップS34において、取得したアプリ情報、車両情報および安全アプリ情報内の条件を参照して、アプリが実行可能な状況にあるかどうかを判断する。S34においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS35において、該当するアプリの表示・操作を許可する(S34、Yes)。S34においてNoの場合は(S34、No)、車載端末Cは、ステップS36において、アプリを表示・操作できない旨をドライバに表示、または音声によって提示する(S36)。そして、ドライバに親切な処理として、ステップS32に戻り、S32〜S34のステップを繰り返すことで、アプリを表示・操作可能になる時点まで待ち、表示・操作可能になった時点でステップS35に進み、アプリを表示・操作可能とする。
【0027】
このように構成された本発明の実施の形態1における車載端末Cによれば,携帯端末に精度のよい加速度センサや地磁気センサが搭載されていない場合でも,車両に搭載された車両情報取得手段の情報を用いることで,走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【0028】
(実施の形態2)
本発明に係わる実施の形態2のシステム構成について、図1のブロック図を用いて説明する。なお、図1で示したシステム構成と同様の箇所については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本発明の実施の形態2は、実施の形態1と同様に、車載端末が表示・操作手段を備えているが、携帯端末自体が高性能な位置速度の取得手段を備えている場合を想定している。理由としては、携帯端末自身にGPSやジャイロセンサを備えている場合も多いため、これらを用いることで車載端末の構成を簡易にすることが可能である。
【0029】
図4において、サーバSは、安全アプリ情報保持手段1を備えて構成されている。安全アプリ情報保持手段が保持している安全アプリ情報については実施の形態1で述べたものと同様であり詳細な説明は省略する。
携帯端末Tは、アプリ保持手段2と位置速度情報取得手段7とを備えて構成されている。ここで、アプリ保持手段2は、アプリの実行バイナリ本体並びに関連するデータ、アプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報を保持する。
また、位置速度情報取得手段7は、GPS、ジャイロセンサ、加速度センサ並びにこれらのセンサ情報を処理する処理部とからなり、携帯端末の現在位置や姿勢、速度などの位置速度情報を取得する。取得する位置速度情報の種類としては、加速度センサによって得られる加速度、GPSによって得られる位置情報、およびその時間微分として求められる速度が代表的である。
【0030】
車載端末Cは、表示手段4、操作手段5、ならびにアプリ実行可否判断手段6を備えて構成されている。
表示手段4は液晶ディスプレイなどで構成され、実行中のアプリを表示するなどして運転者に情報を提示する。
操作手段5は、タッチパッド、各種スイッチなどのデバイスおよびその周辺の回路で構成され、実行中のアプリに対して運転者が命令を指示する際に用いられる。多くの車載端末では、タッチパネルによって表示手段と操作手段が見かけ上一体化している。
アプリ実行可否判断手段6は、CPUとメモリによって構成され、サーバの安全アプリ情報保持手段1が保持する安全アプリ情報、アプリ保持手段2が保持するアプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報、位置速度情報取得手段7より位置速度情報を取得し、アプリの実行(表示・操作)を許可して良いかどうかを判断する。
【0031】
次に、図4における車載端末Cの主たる動作について、図5のフロー図を用いて説明する。図5は、実施の形態2における車載端末の動作を示すフロー図である。
【0032】
図5に示すように本発明の実施の形態2における車載端末Cは、一連の起動処理が終了すると、割り込み処理を待つループに入る。ステップS50において、携帯端末のアプリ実行命令があるかどうかを判定する。S50においてYesの場合は、車載端末は、ステップS51において、携帯端末より該当するアプリ情報を取得する(S51)。ここでアプリ情報とはアプリケーションのID、バージョン情報を含む。次に、車載端末Cは、ステップS52において、携帯端末より位置速度情報を取得する。次に、車載端末Cは、ステップS53において、安全アプリ情報を照合する。次に、車載端末Cは、ステップS54において、取得したアプリ情報、位置速度情報および安全アプリ情報内の条件を参照して、アプリが実行可能な状況にあるかどうかを判断する(S54)。S54においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS55において、該当するアプリの表示・操作を許可する。S54においてNoの場合は、車載端末Cは、ステップS56において、アプリを表示・操作できない旨をドライバに表示、または音声によって提示する。この場合、すぐに処理を終了してもよいが、よりドライバに親切な処理として、ステップS52に戻り、S52〜S54のステップを繰り返すことで、アプリを表示・操作可能になる時点まで待ち、表示・操作可能になった時点でステップS55に進み、アプリを表示・操作可能とする。
【0033】
このように構成された本発明の実施の形態2における車載端末Cによれば,携帯端末が備えている高性能な位置速度の取得手段を用いることで,より簡易な構成によって,走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【0034】
(実施の形態3)
次に、本発明に係わる実施の形態3のシステム構成について、図6のブロック図を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態3のシステム構成を示すブロック図である。なお、図1で示したシステム構成と同様の箇所については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0035】
本発明の実施の形態3は、車載端末Cに正確な車両情報取得手段3とアプリ実行可否判断手段6を備える構成とし、表示・操作に関しては携帯端末Tの表示手段4、操作手段5(一体化させたタッチパネルとしてもよい)を用いることを想定している。
【0036】
この場合、運転者は携帯端末Tを車載端末Cに接続し、直接携帯端末上の表示・操作手段を用いてアプリにアクセスする。
ここでサーバSは、安全アプリ情報保持手段1を備えて構成されている。なお、安全アプリ情報保持手段1が保持している安全アプリ情報については後述する。
【0037】
携帯端末Tは、アプリ保持手段2、表示手段4、ならびに操作手段5を備えて構成されている。ここで、アプリ保持手段2は、アプリの実行バイナリ本体並びに関連するデータ、アプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報を保持して構成されている。
表示手段4は、液晶ディスプレイなどで構成され、実行中のアプリを表示するなどして操作者に情報を提示することができるように構成されている。
操作手段5は、タッチパッド、各種スイッチなどのデバイスおよびその周辺の回路で構成され、実行中のアプリに対して操作者が命令を指示する際に用いることができるように構成されている。
【0038】
車載端末Cは、車両情報取得手段3とアプリ実行可否判断手段6を備えて構成されてい
る。
ここで位置速度情報取得手段7は、GPS、ジャイロセンサ、車速センサ、並びにこれらのセンサ情報を処理する処理部とからなり、車両の現在位置や姿勢、速度などの車両情報を取得することができるように構成されている。
アプリ実行可否判断手段6は、CPUとメモリによって構成され、サーバの安全アプリ情報保持手段が保持する安全アプリ情報、アプリ保持手段が保持するアプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報、車両情報取得手段より車両情報を取得し、アプリの実行(表示・操作)を許可して良いかどうかを判断することができるように構成されている。
【0039】
図6における車載端末の主たる動作について、図7のフロー図を用いて説明する。
図7は、実施の形態3における車載端末の動作を示すフロー図である。
図7に示すように、本発明の実施の形態3における車載端末Cは、一連の起動処理が終了すると、割り込み処理を待つループに入る。ステップS70において、携帯端末のアプリ実行命令があるかどうかを判定する(S70)。S70においてYesの場合は、車載端末は、ステップS71において、携帯端末より該当するアプリ情報を取得する(S71)。次に、車載端末Cは、ステップS72において、携帯端末より位置速度情報を取得する(S72)。次に、車載端末Cは、ステップS73において、安全アプリ情報を照合する(S73)。次に、車載端末Cは、ステップS74において、取得したアプリ情報、位置速度情報および安全アプリ情報内の条件を参照して、アプリが実行可能な状況にあるかどうかを判断する(S74)。S74においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS75において、該当するアプリの表示・操作を許可する(S75)。S74においてNoの場合は、車載端末Cは、ステップS76において、アプリを表示・操作できない旨をドライバに表示、または音声によって提示する(S76)。この場合、すぐに処理を終了してもよいが、よりドライバに親切な処理として、ステップS72に戻り、S72〜S74のステップを繰り返すことで、アプリを表示・操作可能になる時点まで待ち、表示・操作可能になった時点でステップS75に進み、アプリを表示・操作可能とする。
【0040】
このように構成された本発明の実施の形態3における車載端末Cによれば携帯端末が備えている表示・手段を用いることで,より簡易な構成によって,走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【0041】
(実施の形態4)
次に、本発明に係わる実施の形態4のシステム構成について、図8のブロック図を用いて説明する。なお、前記で示した実施の形態におけるシステム構成と同様の箇所については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図8は、本発明の実施の形態4のシステム構成を示すブロック図である。
【0042】
本発明の実施の形態4は、車載端末そのものが存在せず、携帯端末Tのみで表示・操作、位置速度取得を備え持つ場合を想定している。
図8に示すようにサーバSは、安全アプリ情報保持手段を備えて構成されている。
携帯端末Tは、アプリ保持手段2、表示手段4、操作手段5、位置速度情報取得手段7、ならびにアプリ実行可否判断手段6を備えて構成されている。
【0043】
ここで、アプリ保持手段2は、アプリの実行バイナリ本体並びに関連するデータ、アプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報を保持して構成されている。
表示手段4は、液晶ディスプレイなどで構成され、実行中のアプリを表示するなどして操作者に情報を提示することができるように構成されている。
【0044】
操作手段5は、タッチパッド、各種スイッチなどのデバイスおよびその周辺の回路で構
成され、実行中のアプリに対して操作者が命令を指示する際に用いることができるように構成されている。なお、多くの携帯端末では、タッチパネルによって表示手段4と操作手段5が一体化して構成されている。
【0045】
位置速度情報取得手段7は、GPS、ジャイロセンサ、加速度センサ並びにこれらのセンサ情報を処理する処理部とからなり、携帯端末の現在位置や姿勢、速度などの位置速度情報を取得することができるように構成されている。取得する位置速度情報の種類としては、加速度センサによって得られる加速度、GPSによって得られる位置情報、およびその時間微分として求められる速度を取得することが出来るよう構成されている。
【0046】
アプリ実行可否判断手段6は、CPUとメモリによって構成され、サーバの安全アプリ情報保持手段1が保持する安全アプリ情報、アプリ保持手段が保持するアプリの識別子ならびにバージョンに関わる情報、位置速度情報取得手段より位置速度情報を取得し、アプリの実行(表示・操作)を許可して良いかどうかを判断することができるように構成されている。
【0047】
次に、図8における携帯端末Tの主たる動作について、図9のフロー図を用いて説明する。
図9は、実施の形態4における車載端末の動作を示すフロー図である。
【0048】
図9に示すように携帯端末Tは、一連の起動処理が終了すると、割り込み処理を待つループに入る。ステップS90において、アプリ実行命令があるかどうかを判定する(S90)。S90においてYesの場合は、携帯端末Tは、ステップS91において、該当するアプリ情報を取得する。ここでアプリ情報とはアプリケーションのID、バージョン情報を含む。次に、携帯端末Tは、ステップS92において、位置速度情報を取得する。次に、携帯端末Tは、ステップS93において、安全アプリ情報を照合する。次に、携帯端末Tは、ステップS94において、取得したアプリ情報、位置速度情報および安全アプリ情報内の条件を参照して、アプリが実行可能な状況にあるかどうかを判断する。S94においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS95において、該当するアプリの表示・操作を許可する。S94においてNoの場合は、携帯端末は、ステップS96において、アプリを表示・操作できない旨をドライバに表示、または音声によって提示する。この場合、すぐに処理を終了してもよいが、よりドライバに親切な処理として、ステップS92に戻り、S92〜S94のステップを繰り返すことで、アプリを表示・操作可能になる時点まで待ち、表示・操作可能になった時点でステップS95に進み、アプリを表示・操作可能とする。
【0049】
このように構成された本発明の実施の形態4における携帯端末Tによれば,携帯端末が備えている表示・操作手段,高性能な位置速度の取得手段を用いることで,より簡易な構成によって,走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【0050】
(実施の形態5)
次に、本発明に係わる実施の形態5のシステム構成について、図10のブロック図を用いて説明する。なお、前記で示した実施の形態におけるシステム構成と同様の箇所については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図10は、本発明の実施の形態5のシステム構成を示すブロック図である。
【0051】
本発明の実施の形態5は、実施の形態4同様に携帯端末Tのみで構成されるが、アプリ情報をサーバSが保持して構成されている。この場合のサーバSはクラウドとして機能している。
【0052】
図10において、サーバSは、安全アプリ情報保持手段1とアプリ保持手段2を備えて構成されている。
【0053】
携帯端末Tは、表示手段4、操作手段5、位置速度情報取得手段7、とアプリ実行可否判断手段6を備えて構成されている。
【0054】
次に、本発明の実施の形態5における携帯端末Tの主たる動作について、図11のフロー図を用いて説明する。
図11は、実施の形態5における車載端末の動作を示すフロー図である。
【0055】
本発明の実施の形態5における携帯端末Tは、一連の起動処理が終了すると、割り込み処理を待つループに入る。ステップS110において、アプリ実行命令があるかどうかを判定する。S110においてYesの場合は、携帯端末Tは、ステップS111において、サーバにアクセスし、該当するアプリ情報を取得する。次に、携帯端末Tは、ステップS112において、位置速度情報を取得する。次に、携帯端末Tは、ステップS113において、安全アプリ情報を照合する。次に、携帯端末Tは、ステップS114において、取得したアプリ情報、位置速度情報および安全アプリ情報内の条件を参照して、アプリが実行可能な状況にあるかどうかを判断する(S114)。S114においてYesの場合は、車載端末Cは、ステップS115において、該当するアプリの表示・操作を許可する。S114においてNoの場合は、携帯端末Tは、ステップS116において、アプリを表示・操作できない旨をドライバに表示、または音声によって提示する。この場合、すぐに処理を終了してもよいが、よりドライバに親切な処理として、ステップS112に戻り、S112〜S114のステップを繰り返すことで、アプリを表示・操作可能になる時点まで待ち、表示・操作可能になった時点でステップS115に進み、アプリを表示・操作可能とする。
【0056】
このように構成された本発明の実施の形態5における携帯端末Tによれば携帯端末が備えている表示・操作手段,高性能な位置速度の取得手段を用いることで,より簡易な構成によって,走行中の安全性が確保されていると認められているアプリのみに対して実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。また,安全アプリ情報をサーバに保持することで,常に最新のデータを用いて安全性を判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明は、車上で携帯端末のアプリを実行する際に、アプリ情報、地域に関する情報、車両情報、安全アプリ情報を参照し、実行の可否を判断するので、走行中の安全性が確保されたアプリのみの実行を許可することができ、携帯端末の利便性と安全性を両立することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 安全アプリ情報保持手段
2 アプリ保持手段
3 車両情報取得手段
4 表示手段
5 操作手段
6 アプリ実行可否判断手段
7 位置速度情報取得手段
S サーバ
T 携帯端末
C 車載端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと携帯端末と車載端末とからなるアプリ制御システムであって、
前記サーバは、アプリケーションの識別子、実行条件である走行中における使用可否の情報を含むアプリ情報が保持されたアプリ情報保持手段を備え、
前記車載端末は、表示手段と、操作手段と、車両情報取得手段と、アプリ実行可否判断手段を備え、
前記アプリ実行可否判断手段は、前記アプリ情報と前記携帯端末が保持するアプリと前記車載端末からの前記車両情報とを照合し、前記アプリの実行可否を判断することを特徴とするアプリ制御システム。
【請求項2】
サーバと携帯端末と車載端末とからなるアプリ制御システムであって、
前記サーバは、アプリケーションの識別子、実行条件である走行中における使用可否の情報を含む安全アプリ情報が保持された安全アプリ情報保持手段を備え、
前記携帯端末は、アプリ実行可否判断手段を備え、
車載端末は、表示手段と、操作手段と、車両情報取得手段と、を備え、
前記アプリ実行可否判断手段は、前記安全アプリ情報と前記携帯端末が保持するアプリと前記車載端末からの前記車両情報とを照合し、前記アプリの実行可否を判断することを特徴とするアプリ制御システム。
【請求項3】
前記アプリ実行可否判断手段は、前記車両情報取得手段から取得された車両の現在の車速またはパーキングブレーキ情報を用いて判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアプリ制御システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、表示手段と、操作手段と、位置速度情報取得手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のアプリ制御システム。
【請求項1】
サーバと携帯端末と車載端末とからなるアプリ制御システムであって、
前記サーバは、アプリケーションの識別子、実行条件である走行中における使用可否の情報を含むアプリ情報が保持されたアプリ情報保持手段を備え、
前記車載端末は、表示手段と、操作手段と、車両情報取得手段と、アプリ実行可否判断手段を備え、
前記アプリ実行可否判断手段は、前記アプリ情報と前記携帯端末が保持するアプリと前記車載端末からの前記車両情報とを照合し、前記アプリの実行可否を判断することを特徴とするアプリ制御システム。
【請求項2】
サーバと携帯端末と車載端末とからなるアプリ制御システムであって、
前記サーバは、アプリケーションの識別子、実行条件である走行中における使用可否の情報を含む安全アプリ情報が保持された安全アプリ情報保持手段を備え、
前記携帯端末は、アプリ実行可否判断手段を備え、
車載端末は、表示手段と、操作手段と、車両情報取得手段と、を備え、
前記アプリ実行可否判断手段は、前記安全アプリ情報と前記携帯端末が保持するアプリと前記車載端末からの前記車両情報とを照合し、前記アプリの実行可否を判断することを特徴とするアプリ制御システム。
【請求項3】
前記アプリ実行可否判断手段は、前記車両情報取得手段から取得された車両の現在の車速またはパーキングブレーキ情報を用いて判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアプリ制御システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、表示手段と、操作手段と、位置速度情報取得手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のアプリ制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−208053(P2012−208053A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75015(P2011−75015)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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