説明

アミドまたはエステル脂肪を含むケラチン繊維の酸化染色のための組成物

【課題】本発明の目的は、従来の技術の欠点がないケラチン繊維の酸化染色のための新規な組成物を得ることである。
【解決手段】本発明は、ケラチン繊維、特に髪などのヒトのケラチン繊維の酸化染色のための組成物であって、
A)1種または複数の脂肪であって、このうちの少なくとも1種の脂肪が脂肪酸アミド及び脂肪酸のエステルから選択される脂肪を少なくとも25%と、
B)1種または複数の染料前駆体と、
C)1種または複数の酸化剤と、任意で、
D)1種または複数のアルカリ性作用剤と
を含む組成物に関する。
本発明による組成物は、改良された染色特性を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ケラチン繊維の酸化染色のための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化染料、特に酸化染料の前駆体と着色調整剤とを含有する染色組成物を用いて、ケラチン繊維、特にヒトの髪を染色することが知られている。
【0003】
一般的に酸化塩基と呼ばれる酸化染料の前駆体は、最初は、無色または淡色の化合物であり、酸化剤と組み合わせた場合、酸化的縮合プロセスによって、有色の及び着色用の化合物が得られる。これらは、一般的にオルト-またはパラ-フェニレンジアミン、オルト-またはパラ-アミノフェノール及び複素環式塩基などの化合物である。
【0004】
このような酸化塩基を用いて得られる色調は、酸化塩基にカップラーまたは着色調整剤を組み合わせることによって変えることができ、後者は、一般的に、メタ-ジアミノベンゼン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール及びある種の複素環式化合物、例えばインドール化合物から選択される。
【0005】
酸化塩基及びカップラーとして使用される分子が多様性に富むということは、豊富な色調範囲が得られることを意味する。
【0006】
このような酸化染料を用いて得られるいわゆる「恒久的」着色は、酸化着色とも呼ばれるが、これにはさらに満足しなければならないいくつかの必要条件がある。要するにこのような着色は、毒物学の観点からは無害でなければならず、所望の強度で色調を出すことが可能でなければならず、外部からの攻撃的因子、例えば、光、天候、洗浄、パーマ、発汗及び摩擦などの作用に対して耐性を有していなければならない。
【0007】
染料はまた、白髪をカバーすることができなければならず、最後に選択性ができるだけ低くなければならない、すなわち染色は1本の同じケラチン繊維に沿って差ができるだけ小さくなければいけないが、繊維の先端から根へと、異なる度合いで感作される(すなわちダメージを受ける度合い)ゾーンを一般的に含む。
【0008】
髪染めの分野では、例えば添加剤を用いるなどして染色特性を改善するための多数の試みがなされてきた。しかし、このような添加剤の選択は困難である。なぜなら、添加剤は、染色組成物の他の特性への有害作用を有することなく、組成物の染色特性を改善しなければならないからである。特に、このような添加剤は、ケラチン繊維の明色化及び着色剤を適用する特性に悪影響を及ぼしてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】GB1026978
【特許文献2】GB1153196
【特許文献3】DE2359399
【特許文献4】JP88-169571
【特許文献5】JP91-10659
【特許文献6】WO96/15765
【特許文献7】FR-A-2750048
【特許文献8】DE3843892
【特許文献9】DE4133957
【特許文献10】WO94/08969
【特許文献11】WO94/08970
【特許文献12】FR-A-2733749
【特許文献13】DE19543988
【特許文献14】FR-A-2886136
【特許文献15】FR-A-2766177
【特許文献16】FR-A-2766178
【特許文献17】FR-A-2782718
【特許文献18】FR-A-2782716
【特許文献19】FR-A-2782719
【特許文献20】FR-A-2766179
【特許文献21】EP-A-1348695
【特許文献22】FR-A-2586913
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Walter NOLL著「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年)、Academic Press
【非特許文献2】Cosmetics and Toiletries、Vol.91、Jan.76、p.27-32で発表されたTODD & BYERSの論文「Volatile Silicone fluids for cosmetics」
【非特許文献3】ASTM規格445付録C
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来の技術の欠点がないケラチン繊維の酸化染色のための新規な組成物を得ることである。とりわけ、本発明の目的は、所望される明色化が実現できるよう改善された染色特性を発揮し、容易に混合及び施用でき、特に流れずに、よって施用した箇所に留まるようなケラチン繊維の酸化着色のための組成物を得ることである。「改善された染色特性」とは、特に、染色の深み/強さ及び/または一様性に関しての改善を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、この目的は、ケラチン繊維、特に髪などのヒトのケラチン繊維の酸化染色のための組成物であって、
A)1種または複数の脂肪であって、このうちの少なくとも1種の脂肪が脂肪酸アミド及び脂肪酸のエステルから選択される脂肪を少なくとも25%と、
B)1種または複数の染料前駆体と、
C)1種または複数の酸化剤と、
任意で、
D)1種または複数のアルカリ性作用剤と
を含む組成物に関する本発明によって達成される。
【0013】
本発明による組成物は、改善された染色特性を特徴とする。特に、本発明の組成物によって、深み及び/または強さに優れた、及び/または髪の先端から根まで、繊維に沿って、色の一様性(着色の選択性とも呼ばれている)が優れた、及び/または色度に優れた着色が得られる。本発明の組成物は、流れずに、ケラチン繊維に容易に施用することができる。この組成物はまた、着色処理中のケラチン繊維の劣化が少ない。
【0014】
最後に、本発明の組成物を用いて得られる着色は、耐久性があり、ケラチン繊維が曝される可能性のある様々な攻撃的外部因子に対してよく耐える。
【0015】
本発明はまた、本発明による組成物を用いてケラチン繊維を染色する方法に関する。
【0016】
本発明はまた、本発明の組成物を施用するためのいくつかの区画を有するデバイスに関する。
【0017】
本発明は、ケラチン繊維の酸化染色のための、本発明による組成物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
すでに述べたように、本発明の組成物は、1種または複数の脂肪を含む。
【0019】
「脂肪」は、常温(25℃)及び大気圧(760mmHg)下で水に不溶性の有機化合物である(溶解度が5%未満、好ましくは1%未満、さらにより好ましくは0.1%未満)。その構造において、脂肪は、少なくとも2つのシロキサン基の1つの鎖または少なくとも6個の炭素原子を有する少なくとも1つの炭化水素鎖を有する。さらに脂肪は、一般的に、同じ温度条件及び圧力条件下で、例えばクロロホルム、エタノール、ベンゼンまたはデカメチルシクロペンタシロキサンなどの有機溶媒に可溶である。
【0020】
一実施形態によると、組成物は、脂肪酸以外の脂肪性物質を少なくとも25%含む。
【0021】
前記脂肪の中では、本発明の組成物は、任意に置換されているアルカノールアミンとC9〜C30脂肪酸の1種または複数の脂肪酸アミドを含有できる。アルカノールアミンは、例えばC2〜C10、好ましくはC2〜C4のモノ-またはジアルカノールアミンである。
【0022】
例えば、本発明において使用することができる脂肪酸アミドは、以下の式(I):
【0023】
【化1】

【0024】
(式中、
- R1は、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和のC9〜C30炭化水素基(1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていてもよく、前記ヒドロキシル基は、飽和または不飽和のC16〜C30脂肪酸で任意にエステル化されている)、またはR"-(NR-CO)-R'基(ここで、Rは、水素原子またはモノ-もしくはポリヒドロキシル化した、好ましくはモノヒドロキシル化した、C1-C10炭化水素基を意味し、R'及びR"は、炭素原子の総数が9から30個の間の炭化水素基であり、R'は二価の基である)のいずれかを意味し、
- R2は、水素原子または(グリコシル)n、(ガラクトシル)mまたはスルホガラクトシル基(ここで、nは1から4の範囲の整数(両端の数を含む)であり、mは、1から8の範囲の整数(両端の数を含む)である)を意味し、
- R3は、水素原子または飽和もしくは不飽和のC16〜C27炭化水素基(1つまたは複数のC1〜C14アルキル基で置換されていてもよい)を意味し、R3はまた、C15〜C26α-ヒドロキシアルキル基(このヒドロキシル基は、C16〜C30α-ヒドロキシ酸で任意にエステル化されていてもよい)を意味することができ、
- R4は、水素原子、飽和または不飽和のC16〜C27炭化水素基、C2〜C6ヒドロキシアルキル基または-CH2-CHOH-CH2-O-R6基(ここで、R6は、C10〜C26炭化水素基を意味する)を意味し、
- R5は、水素原子またはモノ-もしくはポリヒドロキシル化したC1〜C4炭化水素基を意味する)に相当する。
【0025】
ある特定の実施形態によると、脂肪酸アミドは、セラミド、特に上記式(I)のセラミド(式中、R1は、C16〜C22脂肪酸から誘導される飽和または不飽和のアルキル基(任意にヒドロキシル化されている)を意味し、R2は、水素原子を意味し、R3は、C16α-ヒドロキシアルキル基を意味する)である。
【0026】
セラミドの例として、
- N-リノレオイルジヒドロスフィンゴシン、
- N-オレオイルジヒドロスフィンゴシン、
- N-パルミトイルジヒドロスフィンゴシン、
- N-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン、
- N-ベヘノイルジヒドロスフィンゴシン、
- N-2-ヒドロキシパルミトイルジヒドロスフィンゴシン、
- N-ステアロイルフィトスフィンゴシン、
またはこれら化合物の混合物、好ましくはN-オレオイルジヒドロスフィンゴシン、N-2-ヒドロキシパルミトイルジヒドロスフィンゴシン及びN-ステアロイルフィトスフィンゴシンを挙げることができる。
【0027】
本発明の組成物に使用可能な脂肪酸アミドの中では、特にモノ-またはジ-アルカノールアミンとC12〜C30、好ましくはC14〜C30、好ましくはC2〜C10、さらにはC2〜C6の脂肪酸のアミド、及びアルカノールアミンとC14〜C22脂肪酸のアミドを挙げることができる。
【0028】
脂肪酸は、飽和または不飽和、直鎖状または分枝状であってよい。
【0029】
アルカノールアミンとC12〜C30脂肪酸(B)のアミドの例として、以下を挙げることができる:
- オレイン酸のジエタノールアミド、例えばCHIMEX社から商品名MEXANYL(登録商標)GTで市販されているアミド、
- ミリスチン酸のモノエタノールアミド、例えばCOGNIS社から商品名COMPERLAN(登録商標)MMで市販されているアミド、
- 大豆脂肪酸のジエタノールアミド、例えばCOGNIS社から商品名COMPERLAN(登録商標)VODで市販されているアミド、
- ステアリン酸のエタノールアミド、例えばUNIQEMA社から商品名MONAMID(登録商標)Sで市販されているアミド、
- オレイン酸のモノイソプロパノールアミド、例えばWITCO社から商品名WITCAMIDE(登録商標)61で市販されているアミド、
- リノール酸のジエタノールアミド、例えばZSCHIMMER SCHWARZ社から商品名PURTON(登録商標)SFDで市販されているアミド、
- ステアリン酸のモノエタノールアミド、例えばICI/UNIQEMA社から商品名MONAMID(登録商標)972で市販されているアミド、
- ベヘン酸のモノエタノールアミド、例えばCRODA社から商品名INCROMIDE(登録商標)BEMで市販されているアミド、
- イソステアリン酸のモノイソプロパノールアミド、例えばWITCO社から商品名WITCAMIDE(登録商標)SPAで市販されているアミド、
- エルカ酸のジエタノールアミド、例えばSTEARINERIES DUBOIS社から商品名エルカ酸のジエタノールアミドで市販されているアミド、
- リシノール酸のモノエタノールアミド、例えばSTEARINERIES DUBOIS社から商品名リシノール酸のモノエタノールアミドで市販されているアミド、
- コプラ酸のモノイソプロパノールアミド、例えばHUNTSMAN社から商品名EMPILAN(登録商標)で市販されているアミド、
- コプラ酸のモノエタノールアミド、例えばCRODA社から商品名MONAMID C M A(登録商標)で市販されているアミド。
【0030】
脂肪酸アミドは、ステアリン酸のモノエタノールアミド、コプラ酸のモノイソプロパノールアミド、コプラ酸のモノエタノールアミド及びN-オレオイルジヒドロスフィンゴシンから選択されるのが好ましい。
【0031】
本発明の変法によると、脂肪酸アミドは、室温(25℃)で固体の脂肪酸アミドである。
【0032】
ある特定の実施形態によると、本発明の組成物は、アルカノールアミンとC14〜C30脂肪酸の1つまたは複数のアミド及び1つまたは複数のセラミドを含む。
【0033】
前記脂肪の中で、組成物は、C8〜C30脂肪酸のエステルを含有することができる。
【0034】
脂肪酸エステル(複数可)は、例えばモノ-またはポリエステルであり、直鎖状のまたは分枝状の、飽和または不飽和のモノ酸またはジ酸(8から30個の炭素原子を有し、任意にヒドロキシル化されている)と、飽和または不飽和の、直鎖状、分枝状または環状の一価アルコールまたはポリオール(2から1000個の炭素原子と、1から30のヒドロキシル基を有する)との反応から生成されるモノエステル、ジエステル及びトリエステルから選択されるのが好ましい。
【0035】
考えられる脂肪酸は、例えばステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸である。
【0036】
考え得る一価アルコールまたはポリオールは、例えばエタノール、イソプロパノール、イソオクタノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グルコース、メチルグルコース、ソルビトール、ソルビトール無水物、ペンタエリスリトールである。
【0037】
ポリエチレングリコール及び/またはポリプロピレングリコール以外の一価アルコール及びポリオールは、任意にポリアルコキシル化されていてもよく、とりわけポリエトキシル化及び/またはポリプロポキシル化されていてもよく、よってエチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドのエステル1モルごとのモル数は、好ましくは、2から400の間、より好ましくは2から200の間である。
【0038】
一価アルコールまたはポリオールは、これらがポリエチレングリコール及び/またはポリプロピレングリコールでない場合、ポリアルコキシル化されていないのが好ましい。
【0039】
本発明により使用可能な脂肪酸エステル(複数可)は、一般的に非イオン性、すなわちイオン電荷を有していない。
【0040】
本発明により使用することができるエステルの例として、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ステアリルまたはパルミチン酸ステアリル、エチレングリコールのモノ-またはジステアリン酸エステル、ポリエチレングリコールのモノ-またはジステアリン酸エステル、例えばPEG-40ステアリン酸、モノパルミチン酸ソルビタン、イソステアリン酸グリセリル、プロピレングリコールジペラルゴナート、パルミチン酸2-エチルヘキシル、トリステアリン酸ソルビタン、ジ(2-エチルヘキシル)セバケート、グリセリルトリヒドロキシステアレート、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチルまたはミリスチン酸セチル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチルまたはミリスチン酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニルを挙げることができる。
【0041】
ある特定の実施形態によると、エステルは、脂肪酸と脂肪アルコールのエステルであり、この酸及びアルコールは、6から30個の炭素原子を含む。
【0042】
脂肪酸のエステルとして、糖と脂肪酸のエステル及びジ-エステルを挙げることができる。「糖」とは、アルデヒド官能基またはケトン官能基の有無にかかわらず、いくつかのアルコール官能基を有し、少なくとも4個の炭素原子を有する酸化した炭化水素化合物を意味することに注目されたい。このような糖は、単糖、寡糖または多糖であってよい。
【0043】
適切な糖として、例えばスクロース、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、ラクトース及びこれらの誘導体、特にアルキル化、例えばメチル化した誘導体、例えばメチルグルコースを挙げることができる。
【0044】
糖と脂肪酸とのエステルは、以前に記載した糖と、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の、好ましくはC12〜C22の脂肪酸のエステルまたはエステル混合物を含む群から特に選択することができる。これらが不飽和の場合、このような化合物は、1から3つの共役または非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
【0045】
この変法によるエステルはまた、モノ-、ジ-、トリ-及びテトラ-エステル、ポリエステル並びにこれらの混合物から選択することができる。
【0046】
このようなエステルは、例えばオレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、ヤシ脂肪酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸、アラキドン酸のエステル、またはこれらの混合物、例えば特にオレオパルミチン酸エステル、オレオステアリン酸エステル、パルミトステアリン酸の混合エステルなどであってよい。
【0047】
とりわけ、モノ-及びジ-エステルが使用され、特にスクロース、グルコースまたはメチルグルコースのオレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレオパルミチン酸、リノール酸、リノレン酸、オレオステアリン酸のモノ-及びジ-エステルが使用される。
【0048】
例として、Glucate(登録商標)DOの名称でAmerchol社から販売されている製品を挙げることができるが、これはメチルグルコースジオレイン酸エステルである。
【0049】
また、糖と脂肪酸とのエステルまたはエステルの混合物の例として、以下を挙げることができる:
- Crodesta社から、F160、F140、F110、F90、F70、SL40の名称で販売されている製品であり、それぞれモノエステル73%及びジ-、トリ-エステル27%、モノエステル61%及びジ-、トリ-、テトラ-エステル39%、モノエステル52%及びジ-、トリ-、テトラ-エステル48%、モノエステル45%及びジ-、トリ-、テトラ-エステル55%、モノエステル39%及びジ-、トリ-、テトラ-エステル61%から形成されるショ糖のパルミトステアリン酸エステル並びにショ糖のモノ-ラウリン酸エステルを意味するもの、
- 例えば参照名B370でRyoto Sugar Esterの名称で販売され、モノエステル20%及びジ-トリエステル-ポリエステル80%から形成されるスクロースのベヘン酸エステルに相当する製品、
- Tegosoft(登録商標)PSEの名称で、Goldschmidt社から市販されているスクロースのモノ-ジ-パルミトステアリン酸エステル。
【0050】
脂肪酸のエステル(複数可)は、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリルまたはミリスチン酸ステアリル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチルまたはミリスチン酸セチル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチルまたはミリスチン酸ミリスチルから選択されるのが好ましい。
【0051】
変法によると、脂肪酸のエステルは、室温で固体である脂肪エステルである。
【0052】
脂肪酸アミド及び/または脂肪酸エステル(複数可)の濃度は、組成物の全質量に対して、一般的に0.01から50質量%の間、特に0.1から30質量%の間、より好ましくは0.2から10質量%の間である。
【0053】
本発明の組成物は、最低必要量である25%に達するように他の脂肪類を含有することができる。本発明による組成物は、脂肪の全含有量が、組成物の全質量に対して、とりわけ25から85質量%、より好ましくは25から65%、さらにより好ましくは30から55質量%の範囲である。
【0054】
以前に定義された脂肪酸アミド及び脂肪酸のエステル以外の脂肪類は、低級アルカン、脂肪アルコール、脂肪アルコールのエステル、非シリコーン油、特に鉱物性、植物性、動物性または合成由来の油、非シリコーンロウ及びシリコーンロウから特に選択される。
【0055】
本発明の意味において、脂肪は、とりわけ、6から30個の炭素原子を有し、特に1つまたは複数のヒドロキシル基(特に1から4)で任意に置換されている、1つまたは複数の直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の炭化水素基を有するということに注目されたい。これらが不飽和である場合、このような化合物は1から3つの共役または非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
【0056】
低級アルカンに関しては、これらは、6から30個の炭素原子を有し、直鎖状または分枝状、任意には環状である。例えば、アルカンは、ヘキサン及びドデカン、並びにイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン及びイソデカンから選択することができる。
【0057】
本発明の組成物において使用可能な非シリコーン油として、例えば、以下を挙げることができる:
- 動物由来の炭化水素油、例えばペルヒドロスクアレンなど;
- 植物由来の炭化水素油、例えば、6から30個の炭素原子を有する脂肪酸の液体のトリグリセリドなど、例えば、ヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリドなど、あるいは例えばヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、ヒョウタン油、ブドウ種油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アンズ油、マカデミア油、アララ油、ヒマシ油、アボカド油など、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、例えばStearineries Dubois社から販売されているもの、またはDynamit Nobel社から、Miglyol(登録商標)810、812及び818の名称で販売されているもの、ホホバ油、シアバター油など;
- 鉱物由来または合成由来の直鎖状または分枝状炭化水素、パラフィン油、ワセリン、流動パラフィン、ポリデセン、Parleamなどの水素化ポリイソブテンなど;
- フッ素化油;これは、ペルフルオロメチルシクロペンタン及びペルフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン、つまりBNFL Fluorochemicals社より、「FLUTEC(登録商標)PC1」及び「FLUTEC(登録商標)PC3」の名称で販売されているもの、ペルフルオロ-1,2-ジメチルシクロブタン、ペルフルオロアルカン、例えばドデカフルオロペンタン及びテトラデカフルオロヘキサンなど、3M社から「PF 5050(登録商標)」及び「PF 5060(登録商標)」の名称で販売されているもの、またはブロモペルフルオロオクチル、すなわちAtochem社から「FORALKYL(登録商標)」の名称で販売されているもの、ノナフルオロメトキシブタン及びノナフルオロエトキシイソブタン、ペルフルオロモルホリンの誘導体、例えば4-トリフルオロメチルペルフルオロモルホリン、すなわち3M社から「PF 5052(登録商標)」の名称で販売されているものなども挙げることができる。
【0058】
本発明の組成物において使用可能な脂肪アルコールは、アルコキシル化されていないものである。これらは、飽和または不飽和の、直鎖状または分枝状であり、6から30個の炭素原子、とりわけ8から30個の炭素原子を有する。すわなち、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びこれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイン酸アルコールまたはリノール酸アルコールを挙げることができる。
【0059】
本発明の組成物において使用することができる非シリコーンロウ(複数可)は、カルナウバロウ、キャンデリラロウ及びアルファロウ、パラフィンロウ、オゾケライト、植物ロウ、例えばオリーブロウ、ライスワックス、水素添加ホホバロウまたは花の無水ロウ、例えばBERTIN(仏国)社から販売されているブラックカラントの花のエッセンシャルロウ、動物ロウ、例えば蜜ロウ、または変性蜜ロウ(セラベリナ)から特に選択される。本発明により使用可能な他のロウまたはロウ様原材料は、特に海洋性ワックス、例えば参照名M82でSOPHIM社から販売されているものなど、一般的にはポリエチレンまたはポリオレフィンのロウである。
【0060】
以前に定義されたもの以外のエステルは、脂肪族の、飽和または不飽和の、直鎖状または分枝状C1〜C7モノ-またはポリ酸と、脂肪族の、飽和または不飽和の、直鎖状のまたは分枝状C1〜C26モノ-またはポリアルコールのエステルであり、エステルの炭素の総数は、とりわけ10以上である。
【0061】
モノエステルの中では、乳酸セチル、C12〜C15アルキル乳酸、乳酸イソステアリル、乳酸ラウリル、乳酸リノレイル、乳酸オレイルを挙げることができる。
【0062】
さらに、この変法の範囲内で、C4〜C7ジ-またはトリカルボン酸とC1〜C22アルコールのエステル及びC4〜C7モノ-、ジ-またはトリカルボン酸とC2〜C26ジ-、トリ-、テトラ-またはペンタヒドロキシアルコールのエステルを使用することも可能である。
【0063】
アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸-ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ジオクチル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイルを特に挙げることができる。
【0064】
上述したエステルの中で、リンゴ酸ジオクチルを使用するのが好ましい。
【0065】
脂肪は、シリコーンを含むことができる。本発明の組成物に使用可能なシリコーンは、揮発性または不揮発性のシリコーンであり、環状、直鎖状または分枝状の、有機の基で変性されていないまたは変性された、25℃で5.10-6から2.5m2/s、好ましくは1.10-5から1m2/sの粘度を有するものである。
【0066】
本発明により使用可能なシリコーンは、油、ワックス、樹脂またはゴムの形態であってよい。
【0067】
シリコーンは、ポリジアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、並びにポリ(アルコキシル化した)基、アミン基及びアルコキシ基から選択される少なくとも1つの官能基を有する有機変性されたポリシロキサンから選択されることが好ましい。
【0068】
有機ポリシロキサンは、Walter NOLL著「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年)、Academic Pressの中でより詳細に定義されている。これらは揮発性または不揮発性であってよい。
【0069】
有機ポリシロキサンが揮発性の場合、シリコーンは、とりわけ60℃から260℃の間の沸点を有するものから選択され、さらにとりわけ:
(i)3から7個、好ましくは4から5個の珪素原子を有する環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、VOLATILE SILCONE(登録商標)7207の名称で、UNION CARBIDE社から特に市販されている、またはSILBCONE(登録商標)70045 V2の名称でRHODIA社から市販されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、VOLATILE SILICONE(登録商標)7158の名称でUNION CARBIDE社から、及びSILBCONE(登録商標)70045 V5の名称でRHODIAから市販されているデカメチルシクロペンタシロキサン及びこれらの混合物。
【0070】
ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサンなどの種類のシクロコポリマー、例えばUNION CARBIDE社から市販されているSILICONE VOLATILE(登録商標)FZ 3109などとして、以下の式のものを挙げることができる。
【0071】
【化2】

【0072】
環状ポリジアルキルシロキサンと珪素由来の有機化合物の混合物、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールの混合物(50/50)及びオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-(ヘキサ-2,2,2',2',3,3'-トリメチルシリルオキシ)ビス-ネオペンタンなどの混合物も挙げることができる。
(ii)2から9個の珪素原子を有し、25℃で5.10-6m2/s以下の粘度を有する、揮発性の直鎖状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、TORAY SILICONE社より「SH 200」の名称で特に市販されているデカメチルテトラシロキサンを含む。この種類の他のシリコーンは、Cosmetics and Toiletries、Vol.91、Jan.76、p.27-32で発表されたTODD & BYERSの論文「Volatile Silicone fluids for cosmetics」にも記載されている。
【0073】
不揮発性のポリジアルキルシロキサン、ポリジアルキルシロキサンのゴム及び樹脂、上述の有機官能基で変性されたポリ有機シロキサン並びにこれらの混合物を使用するのが好ましい。
【0074】
このようなシリコーンは、とりわけ、ポリジアルキルシロキサンから選択され、このようなポリジアルキルシロキサンの中でも、トリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンを主に挙げることができる。シリコーンの粘度は、ASTM規格445付録Cに従って25℃で測定される。
【0075】
このようなポリジアルキルシロキサンの中では、非限定的に、以下の市販の製品を挙げることができる:
- RHODIAから市販されているSILBIONE(登録商標)油の47及び70 047シリーズ、またはMIRASIL(登録商標)油、例えば、70 047 V 500 000の油、
- RHODIA社から市販されているMIRASIL(登録商標)シリーズの油、
- DOW CORNING社製の200シリーズの油、例えば、粘度60000mm2/sを有するDC200など、ELECTRIC製のVISCASIL(登録商標)油及びGENERAL ELECTRIC製のSFシリーズのいくつかの油(SF 96、SF 18)。
【0076】
RHODIA社製の48シリーズの油などのジメチルシラノール末端基を有するポリジメチルシロキサン(CTFAではジメチコノールの名称で知られている)も挙げることができる。
【0077】
この種類のポリジアルキルシロキサンにおいては、GOLDSCHMIDT社から「ABIL WAX(登録商標)9800及び9801」の名称で市販されている製品も挙げることができるが、これはポリジアルキル(C1〜C20)シロキサンである。
【0078】
本発明に従って使用可能なシリコーンゴムは、特にポリジアルキルシロキサンであり、好ましくは、溶媒中で単独でまたは混合して使用される、200000から1000000の間の高い数平均分子量を有するポリジメチルシロキサンである。前記溶媒は、揮発性シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)油、ポリフェニルメチルシロキサン(PPMS)油、イソパラフィン、ポリイソブチレン、塩化メチレン、ペンタン、ドデカン、トリデカンまたはこれらの混合物から選択することができる。
【0079】
本発明に従いさらに特に使用可能な製品は、以下のような混合物である:
- 鎖の末端がヒドロキシル化したポリジメチルシロキサンまたはジメチコノール(CTFA)と、シクロメチコン(CTFA)とも呼ばれている環状ポリジメチルシロキサンから形成される混合物、例えばDOW CORNING社から市販されている製品Q2 1401など、
- ポリジメチルシロキサンゴムと環状シリコーンの混合物、例えばGENERAL ELECTRIC社の製品SF 1214 Silicone Fluidであり、この製品は、デカメチルシクロペンタシロキサンに相当する油SF 1202 Silicone Fluidに溶解された、数平均分子量500000を有する、ジメチコンに相当するゴムSF 30である、
- 異なる粘度の2種のPDMS、とりわけPDMSゴムとPDMS油の混合物、例えばGENERAL ELECTRIC社製の製品SF 1236。この製品SF 1236は、粘度20m2/sを有する上述のようなゴムSE 30と、粘度5.10-6m2/sを有する油SF96の混合物である。この製品は、ゴムSE 30を15%、油SF 96を85%含むのが好ましい。
【0080】
本発明に従って使用可能な有機ポリシロキサンの樹脂は、以下の単位:
R2SiO2/2、R3SiO1/2、RSiO3/2及びSiO4/2
(この中で、Rは、1から16個の炭素原子を有するアルキルを表す)を含有する架橋したシロキサン系の樹脂である。このような製品の中で特に好ましいものは、Rが、C1〜C4低級アルキル基、とりわけメチルを意味するものである。
【0081】
このような樹脂の中では、「DOW CORNING 593」の名称で市販されている製品、またはGENERAL ELECTRIC社から「SILICONE FLUID SS 4230」及び「SILICONE FLUID SS 4267」の名称で市販されている製品を挙げることができるが、これらは、ジメチル/トリメチルシロキサン構造を有するシリコーンである。
【0082】
トリメチルシロキシシリケート型の、X22-4914、X21-5034及びX21-5037の名称でSHIN-ETSU社から特に市販されている樹脂も挙げることができる。
【0083】
本発明に従って使用可能な有機変性シリコーン類は、以前に定義された通りであり、且つ、炭化水素基を用いて固定された1つまたは複数の有機官能基をその構造の中に有する、シリコーン類である。
【0084】
上述したシリコーンに加えて、有機変性シリコーン類は、ポリジアリールシロキサン類、特にポリジフェニルシロキサン類、及び以前に述べた有機官能基で官能化されたポリアルキルアリールシロキサン類である。
【0085】
ポリアルキルアリールシロキサン類は、直鎖状及び/または分枝状であり、25℃で1.10-5から5.10-2m2/sの範囲の粘度を有する、ポリジメチル/メチルフェニルシロキサン類及びポリジメチル/ジフェニルシロキサン類から特に選択される。
【0086】
このようなポリアルキルアリールシロキサン類の中で、挙げてよい例には以下の名称で市販されている製品が含まれる:
- RHODIA製のSILBIONE(登録商標)70 641シリーズの油、
- RHODIA製のRHODORSIL(登録商標)70 633及び763シリーズの油、
- DOW CORNING製のDOW CORNING 556 COSMETIC GRADE FLUIDの油、
- BAYER製のPKシリーズのシリコーン、例えば製品PK20など、
- BAYER製のPN、PHシリーズのシリコーン、例えばPN1000及びPH1000の製品など、
- GENERAL ELECTRIC製のSFシリーズのある種の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250、SF 1265など。
【0087】
有機変性シリコーンの中では、以下のポリ有機シロキサンを挙げることができる:
- C6〜C24アルキル基を任意に含むポリエチレンオキシ及び/またはポリプロピレンオキシ基を有するもの、例えばDOW CORNING社からDC 1248の名称で市販されている、またはUNION CARBIDE社製のSILWET(登録商標)L 722、L 7500、L 77、L 711の油などのジメチコンコポリオールと呼ばれる製品、及びDOW CORNING社からQ2 5200の名称で市販されているアルキル(C12)-メチコンコポリオールなど、
- 置換または非置換のアミン基を有するもの、例えばGENESEE社からGP4 Silicone Fluid及びGP 7100の名称で市販されている製品、またはDOW CORNING社からQ2 8220及びDOW CORNING 929もしくは939の名称で市販されている製品。置換アミン基は、特にC1〜C4アミノアルキル基である。
- アルコキシル化した基を有するもの、例えばSWS SILICONESから「SILICONE COPOLYMER F-755」の名称で、及びGOLDSCHMIDT社からABIL WAX(登録商標)2428、2434及び2440の名称で市販されている製品。
【0088】
以前に定義された脂肪酸アミド及び脂肪酸エステル以外の脂肪は、とりわけ、室温で及び大気圧下で液体またはペースト状の化合物から選択される。
【0089】
温度25℃及び大気圧下で液体であるのが好ましい。
【0090】
この変法によると、追加の液体の脂肪(複数可)は、流動パラフィン、ポリデセン、脂肪酸と脂肪アルコールの液体エステル、またはこれらの混合物から選択され、特に本発明による組成物の脂肪(複数可)は非シリコーンである。
【0091】
本発明による組成物は、1種または複数の染料前駆体を含む。
【0092】
このまたはこれらの染料前駆体は、酸化塩基及びカップラーから選択される。
【0093】
本発明の範囲内に使用可能な酸化塩基または塩基は、酸化染色において従来から既知のもの、中でも特に挙げられるものとして、オルト-及びパラフェニレンジアミン、二重塩基、オルト-及びパラアミノフェノール、複素環式塩基並びにこのような化合物と酸との付加塩から選択される。
【0094】
このような酸化塩基は、特にカチオン性であってよい。
【0095】
本発明の範囲内で使用可能なパラ-フェニレンジアミンは、以下の式(II)の化合物:
【0096】
【化3】

【0097】
(式中、
・ R8は、水素原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4モノヒドロキシアルキル、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル、アルコキシ(C1〜C4)アルキル(C1〜C4)、窒素含有のフェニルまたは4'-アミノフェニル基で置換されているC1〜C4アルキル基を表し、
・ R9は、水素原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4モノヒドロキシアルキル、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル、アルコキシ(C1〜C4)アルキル(C1〜C4)、または窒素含有基で置換されているC1〜C4アルキル基を表し、
・ R8及びR9はまた、これらを担持する窒素原子と一緒になって、窒素含有の複素環(5または6員を有し、1つまたは複数のアルキル、ヒドロキシまたはウレイド基で任意に置換されている)を形成することができ、
・ R10は、水素原子、塩素原子などのハロゲン原子、C1〜C4アルキル、スルホ、カルボキシ、C1〜C4モノヒドロキシアルキルもしくはC1〜C4ヒドロキシアルコキシ、C1〜C4アセチルアミノアルコキシ、C1〜C4メシルアミノアルコキシまたはC1〜C4カルバモイルアミノアルコキシ基を表し、
・ R11は、水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基を表す。)
及びこれらの酸との付加塩から特に選択することができる。
【0098】
上記式(II)の窒素含有基の中では、アミノ、モノアルキル(C1〜C4)アミノ、ジアルキル(C1〜C4)アミノ、トリアルキル(C1〜C4)アミノ、モノヒドロキシアルキル(C1〜C4)アミノ、イミダゾリニウム及びアンモニウム基を特に挙げることができる。
【0099】
上記式(II)のパラ-フェニレンジアミンの中では、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルイレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチル-アニリン、4-N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチル-アニリン、N,N-ビス-β-ヒドロキシエチルパラフェニレンジアミン、4-N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-クロロ-アニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-(エチル-β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-メチル-1-N-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、及びこれらの酸との付加塩をより特定して挙げることができる。
【0100】
上記式(II)のパラ-フェニレンジアミンの中で極めて特に好ましいものが、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルイレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラフェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレン-ジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス-β-ヒドロキシエチルパラフェニレンジアミン及びこれらの酸との付加塩である。
【0101】
極めて特に、パラ-フェニレンジアミン及びパラ-トルイレンジアミン、N,N-ビス-β-ヒドロキシエチルパラフェニレンジアミン及びこれらの酸との付加塩が使用されることになる。
【0102】
本発明によると、二重塩基は、少なくとも2つの芳香族核を有し、アミノ及び/またはヒドロキシル基を有する化合物である。
【0103】
本発明による組成物において酸化塩基として使用可能な二重塩基の中では、以下の式(III)に相当する化合物:
【0104】
【化4】

【0105】
(式中、
・ Z1及びZ2は、同一または異なっていてもよく、C1〜C4アルキル基または連結Yで置換されていてもよいヒドロキシルまたは-NH2基を表し、
・ 連結Yは、1から14個の炭素原子を有し、1つまたは複数の窒素含有基及び/または1つまたは複数のヘテロ原子、例えば酸素、硫黄または窒素原子で中断または終端されていることができ、1つまたは複数のヒドロキシルまたはC1〜C6アルコキシ基で任意に置換されている、直鎖状または分枝状アルキレン鎖を表し、
・ R12及びR13は、水素原子またはハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4モノヒドロキシアルキル、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル、C1〜C4アミノアルキル基または連結Yを表し、
・ R14、R15、R16、R17、R18及びR19は、同一または異なっていてもよく、水素原子、連結YまたはC1〜C4アルキル基を表し、
・ 式(III)の化合物は、1個の分子につき単一の連結Yしか持たないことが理解されている。)
及びこれらの酸との付加塩を特に挙げることができる。
【0106】
上記式(III)の窒素含有基の中では、アミノ、モノアルキル(C1〜C4)アミノ、ジアルキル(C1〜C4)アミノ、トリアルキル(C1〜C4)アミノ、モノヒドロキシアルキル(C1〜C4)アミノ、イミダゾリニウム及びアンモニウム基を特に挙げることができる。
【0107】
上記式(III)の二重塩基の中では、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)-エチレンジアミン、N,N'-ビス-(4-アミノフェニル)-テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス-(4-アミノフェニル)-テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス-(4-メチル-アミノフェニル)-テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス-(エチル)-N,N'-ビス-(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)-エチレンジアミン、1,8-ビス-(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサオクタン、及びこれらの酸との付加塩をより特定して挙げることができる。
【0108】
このような式(III)の二重塩基の中では、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、1,8-ビス-(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサオクタンまたはこれらの酸との付加塩のうちの1つが特に好ましい。
【0109】
本発明の範囲内で使用可能なパラ-アミノフェノールは、以下の式(IV)に相当する化合物:
【0110】
【化5】

【0111】
(式中、
・ R20は、水素原子、フッ素などのハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4モノヒドロキシアルキル、アルコキシ(C1〜C4)アルキル(C1〜C4)またはC1〜C4アミノアルキルまたはヒドロキシアルキル(C1〜C4)C1〜C4アミノアルキル基を表し、
・ R21は、水素原子またはフッ素などのハロゲン原子、C1〜C4アルキル、C1〜C4モノヒドロキシアルキル、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル、C1〜C4アミノアルキル、C1〜C4シアノアルキルまたはアルコキシ(C1〜C4)アルキル(C1〜C4)基を表す)
及びこれらの酸との付加塩から特に選択することができる。
【0112】
上記式(IV)のパラ-アミノフェノールの中では、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチル-アミノメチル)-フェノール及びこれらの酸との付加塩をより特定して挙げることができる。
【0113】
パラ-アミノフェノール及び4-アミノ-3-メチルフェノールがさらにより好ましい。
【0114】
本発明の範囲内で酸化塩基として使用可能なオルト-アミノフェノールは、2-アミノフェノール、2-アミノ-1-ヒドロキシ-5-メチルベンゼン、2-アミノ-1-ヒドロキシ-6-メチルベンゼン、5-アセトアミド-2-アミノフェノール及びこれらの酸との付加塩から特に選択される。
【0115】
本発明による組成物において酸化塩基として使用可能な複素環式塩基の中では、とりわけ、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体及びこれらの酸との付加塩が挙げられる。
【0116】
ピリジン誘導体の中では、例えば特許GB1026978及び特許GB1153196に記載の化合物、例えば2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジン、3,4-ジアミノピリジン及びこれらの酸との付加塩をより特定して挙げることができる。
【0117】
ピリミジン誘導体の中では、とりわけ、例えば独国特許DE2359399または日本国特許JP88-169571及び日本国特許JP91-10659または特許出願のWO96/15765に記載の化合物、例えば2,4,5,6-テトラ-アミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノピリミジン、及びピラゾロ-ピリミジン誘導体、例えば特許出願のFR-A-2750048に記載のものを挙げることができ、この中でも、ピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;2,5-ジメチルピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;ピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,5-ジアミン;2,7-ジメチルピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,5-ジアミン;3-アミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-7-オール;3-アミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-5-オール;2-(3-アミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-7-イルアミノ)-エタノール;2-(7-アミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3-イルアミノ)-エタノール;2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ]-エタノール;2-[(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ]-エタノール;5,6-ジメチルピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;2,6-ジメチルピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;2,5,N7,N7-テトラメチルピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン;3-アミノ-5-メチル-7-イミダゾリルプロピルアミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリミジン;及びこれらの付加塩並びに互変異性平衡がある場合には互変異性の形態などを挙げることができる。
【0118】
ピラゾール誘導体の中では、とりわけ、特許のDE3843892、DE4133957、並びに特許出願のWO94/08969、WO94/08970、FR-A-2733749及びDE19543988に記載の化合物、例えば4,5-ジアミノピラゾール、例えば4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール及び4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール;3,4-ジアミノピラゾール;4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノ-ピラゾール;3,4,5-トリアミノピラゾール、例えば3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール等;及びこれらの酸との付加塩を挙げることができる。
【0119】
好ましくは、4,5-ジアミノピラゾール、さらにより好ましくは4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-ピラゾール及び/またはその塩が使用されることになる。
【0120】
ピラゾール誘導体としてはまた、ジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロピラゾロン及び特に特許出願のFR-A-2886136に記載のもの、例えば以下の化合物及びこれらの付加塩も挙げることができる:2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-(ピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジ-(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン、2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン、4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノ-ピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン、2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン。
【0121】
2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン及び/またはその付加塩の1つを使用するのが好ましい。
【0122】
複素環式塩基として、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール及び/または2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン及び/またはその付加塩の1つを使用するのが好ましいことになる。
【0123】
本発明による組成物に使用可能なカチオン性酸化塩基として、例えばパラフェニレンジアミン、例えば特許出願のFR-A-2766177及びFR-A-2766178に特に記載されたものなど、パラ-アミノフェノール、例えば特許出願のFR-A-2766177及びFR-A-2766178に記載されたものなど、オルト-フェニレンジアミン、例えば特許出願のFR-A-2782718、FR-A-2782716及びFR-A-2782719に記載されたものなど、オルト-アミノフェノールまたはカチオン性二重塩基、例えば特許出願のFR-A-2766179に記載されたビス(アミノフェニル)アルキレンジアミン系の誘導体、並びにカチオン性複素環式塩基などの化合物を挙げることができ、前記化合物は、少なくとも1つの第四級窒素原子を有する。
【0124】
本発明による組成物に使用可能なカチオン性の酸化塩基は、カチオン性パラ-フェニレンジアミンが好ましい。
【0125】
有利には、一変法は、パラ-フェニレンジアミン構造のカチオン性酸化塩基を使用することからなり、この場合アミン官能基のうちの少なくとも1つは、ピロリジン核を有する三級アミンであり、この分子は、少なくとも1個の四級化した窒素原子を所有する。このような塩基は、例えば文書EP-A-1348695に記載されている。
【0126】
本発明による組成物は、含まれる酸化塩基の全量が組成物の全質量に対して0.0005から12質量%の範囲となるのが好ましい。含まれる酸化塩基の全量は、前記組成物の全質量に対して、好ましくは0.005から8質量%、さらによりよいのは、0.05から5質量%の範囲となる。
【0127】
本発明による組成物に使用可能なカップラー(複数可)は、従来から酸化染色用の組成物において使用されているもの、すなわちメタ-アミノフェノール、メタ-フェニレンジアミン、メタジフェノール、ナフトール及び複素環式カップラー、例えば、インドール誘導体、インドリン誘導体、セサモール及びその誘導体、ピリジン誘導体、ピラゾロトリアゾール誘導体、ピラゾロン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、1,3-ベンゾジオキソール、キノリン及びこれらの化合物の酸との付加塩である。
【0128】
このようなカップラーは、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)-ベンゼン、2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、セサモール、1-アミノ-2-メトキシ-4,5-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、6-ヒドロキシ-インドール、4-ヒドロキシ-インドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、6-ヒドロキシ-インドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1-H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、3,6-ジメチルピラゾロ-[3,2-c]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチルピラゾロ-[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール及びこれらの酸との付加塩からより特定して選択される。
【0129】
本発明による組成物は一般的に、含まれるカップラーの全量が、組成物の全質量に対して、0.0001から15質量%の範囲となる。含まれるカップラーの全量は、組成物の全質量に対して、好ましくは0.001から10質量%、さらによりよいのは、0.01から8質量%の範囲である。
【0130】
酸化塩基及びカップラーは、付加塩、特に酸との付加塩の形態で、本発明の組成物中に存在することができる。
【0131】
本発明の範囲内で使用することができる酸との付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸、酢酸、アルキル硫酸塩及びアルキルスルホン酸塩から特に選択される。
【0132】
酸化塩基またはカップラーが1つまたは複数のカルボン酸またはスルホン酸の官能基を含有する場合、塩基との付加塩も考えられる。本発明の染色組成物の範囲内で使用可能な塩基との付加塩は特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアまたはアミンで得られるものである。
【0133】
本発明ある特定の実施形態によると、組成物は、1種または複数の酸化塩基及び1種または複数のカップラーを含む。
【0134】
一変法によると、追加の酸化塩基は、パラ-アミノフェノール、複素環式塩基並びに対応する酸との付加塩から選択される。
【0135】
本発明による組成物は、1種または複数の酸化剤を含む。
【0136】
前記酸化剤は、例えば過酸化物、例えば過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属の臭素酸塩またはフェリシアン化物、過酸基塩、例えば、過ほう酸塩、過炭酸塩及び過硫酸塩などから選択される。酸化剤として、任意にそれぞれの供与体または共同因子の存在下で、1種または複数の酸化還元酵素、例えばラッカーゼ、ペルオキシダーゼ及び2個の電子を有するオキシドレダクターゼ(例えばウリカーゼ)を使用することも可能である。
【0137】
過酸化物の使用が、特に好ましい。この酸化剤は、過酸化水素溶液で有利に構成され、その強度を、とりわけ、約1から40容量、さらにより好ましくは約5から40容量に変化させることができる。
【0138】
本発明び組成物の酸化剤(複数可)の濃度は、組成物の全質量の、好ましくは0.1から20%であり、より好ましくは0.5から10%である。
【0139】
本発明の組成物は、1種または複数のアルカリ性作用剤を含むのが好ましい。前記アルカリ性作用剤(複数可)は、例えば、アンモニア、アルカリ金属の炭酸塩または炭酸水素塩、特にナトリウムまたはカリウムの炭酸塩または炭酸水素塩、アルカノールアミン、例えばモノ-、ジ-及びトリエタノールアミン並びにこれらの誘導体、ヒドロキシアルキルアミン及びエトキシ化した及び/またはプロポキシ化したエチレンジアミン、ナトリウムまたはカリウムの水酸化物、アミノ酸、特に塩基性アミノ酸、例えばアルギニンまたはリジンなど、並びに以下の式(V)の化合物:
【0140】
【化6】

【0141】
(式中、
・ Rは、ヒドロキシル基またはC1〜C4アルキル基で任意に置換されたプロピレン残基、
・ R22、R23、R24及びR25は、同一または異なっていてよく、水素原子、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表す)
から選択される。
【0142】
好ましい実施形態によると、組成物は、アルカリ性作用剤として少なくとも1つの有機のアミン、好ましくは少なくとも1つのアルカノールアミンを含む。組成物が、アルカノールアミン及び水酸化アンモニウムまたはその塩を含めた2つ以上のアルカリ性作用剤を含有する場合、有機アミン(複数可)の量は、アンモニアの量よりも多いことが好ましい。
【0143】
ある特定の実施形態によると、この組成物は、少量のアンモニアを含有するか、さらにはアンモニアをまったく含まない。この実施形態によると、組成物は1つまたは複数のアルカノールアミン、特にモノエタノールアミンを含有するのが好ましい。
【0144】
本発明の組成物のアルカリ性作用剤(複数可)の濃度は、組成物の全質量の、好ましくは0.01から30%、さらにより好ましくは0.1から20%である。
【0145】
本発明による染色組成物は、ベンゼン系のニトロ染料、アゾ直接染料、メチン直接染料及びこれらの付加塩から特に選択することができる1種または複数の直接染料をさらに含有することができる。このような直接染料は、非イオン性、アニオン性またはカチオン性の性質であってよい。
【0146】
組成物は、着色媒質を構成する他の化合物を含有することもできる。この着色媒質は、水または水の混合物及び1つまたは複数の許容できる有機溶媒(複数可)、好ましくは化粧品分野での水溶性有機溶媒を一般的に含む。
【0147】
有機溶媒の例として、アルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール、またはグリコールもしくはグリコールエーテル、例えば、エチレングリコールのモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコールまたはそのエーテル、例えば、プロピレングリコールのモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール並びにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテルまたはモノブチルエーテルなどを特に挙げることができる。さらに溶媒は、組成物の全質量に対して、約0.01から35質量%の間、好ましくは、約0.1から25質量%の間の濃度で存在することができる。
【0148】
本発明の組成物は、水を含有することが好ましい。さらにより好ましくは水の濃度は、組成物の全質量の10から70%、さらによりよいのは20から55%の範囲とすることができる。
【0149】
本発明による組成物は、髪を染色するための組成物に従来から使用されている1つまたは複数の添加剤(複数可)をさらに含有することができる。
【0150】
「添加剤」とは、上述の化合物以外のもので、添加される物質を意味する。
【0151】
使用することができる添加剤の例として、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、双性イオン性界面活性剤またはこれらの混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、双性イオン性ポリマー、鉱物性または有機の増粘剤、特に本発明による結合性セルロース以外の、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性ポリマー結合性増粘剤、酸化防止剤または還元剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、芳香剤、緩衝剤、分散剤、例えば揮発性または不揮発性の、変性または未変性シリコーンなどの調湿剤、膜形成剤、セラミド、防腐剤、乳白剤及び帯電防止剤などを挙げることができる。
【0152】
上記添加剤は、それぞれ、染色組成物の質量に対して、0.01から20質量%の間の量で一般的に存在する。
【0153】
本発明の組成物は、1種または複数の界面活性剤を含有するのが好ましい。
【0154】
界面活性剤(複数可)は、非イオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤から選択されるのが好ましい。
【0155】
アニオン性界面活性剤は、以下の化合物の塩(特にアルカリ金属の塩、特にナトリウムの塩、アンモニウムの塩、アミンの塩、例えばアミノアルコールの塩またはマグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩)からさらに特別に選択される:
- アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルカリル-ポリエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩、
- アルキルスルホン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、α-オレフィン-スルホン酸塩、パラフィン-スルホン酸塩、
- アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、
- アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミド-スルホコハク酸塩、アルキルスルホスクシナメート、
- アルキルスルホアセテート、
- アシルサルコシネート、アシルイセチオン酸塩及びN-アシルタウレート、
- 脂肪酸の塩、例えばオレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヤシ油酸または水素添加されたヤシ油酸などの塩、
- アルキル-D-ガラクトシドウロン酸の塩、
- アシル-ラクチレート、
- ポリアルコキシル化アルキルエーテルカルボン酸、ポリアルコキシル化アルカリルエーテルカルボン酸、ポリアルコキシル化アルキルアミドエーテルカルボン酸、特に2から50個のエチレンオキシド基を有するものなどの塩、
- 並びにこれらの混合物。
【0156】
このような様々な化合物のアルキルまたはアシル基は、6から24個の炭素原子、好ましくは8から24個の炭素原子を有するのが有利であり、また、アリール基は、好ましくはフェニルまたはベンジル基を意味するということに留意すべきである。
【0157】
非イオン性界面活性剤は、とりわけ、モノ-またはポリ-アルコキシル化した、モノ-またはポリ-グリセロール化した非イオン性界面活性剤から選択される。アルコキシル化した単位は、とりわけ、エトキシ化した単位、プロポキシ化した単位、またはこれらの組合せであり、エトキシ化しているのが好ましい。
【0158】
アルコキシル化した非イオン性界面活性剤の例として、以下を挙げることができる:
・ アルコキシル化アルキル(C8-C24)フェノール、
・ 飽和または不飽和の、直鎖状または分枝状の、アルコキシル化C8〜C30アルコール、
・ 飽和または不飽和の、直鎖状または分枝状の、アルコキシル化C8〜C30アミド、
・ 飽和または飽和の、直鎖状または分枝状の、C8〜C30酸とポリエチレングリコールのエステル、
・ 飽和または不飽和の、直鎖状または分枝状の、C8〜C30酸とポリエトキシ化ソルビトールのエステル
・ エトキシ化した、飽和または不飽和の植物油、
・ とりわけ、エチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドの縮合物(単独でまたは混合して使用)。
【0159】
界面活性剤は、1から50の間、好ましくは2から30の間のいくつかのモル数のエチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドを有する。非イオン性界面活性剤は、プロポキシ化した単位を含まないのが有利である。
【0160】
本発明の好ましい実施形態によれば、アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、エトキシ化したC8〜C30、特にエトキシ化したC8〜C30アルコールから選択される。
【0161】
モノ-またはポリ-グリセロール化した非イオン性界面活性剤の例として、好ましくはモノ-またはポリグリセロール化したC8〜C40アルコールが用いられる。
【0162】
特に、モノ-またはポリ-グリセロール化したC8〜C40アルコールは、以下の式に相当する:
RO-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H
(式中、Rは、直鎖状または分枝状の、C8〜C40、好ましくはC8〜C30のアルキルまたはアルケニル基を表し、mは、1から30、好ましくは1から10の範囲の数を表す)。
【0163】
本発明の範囲内で適切な化合物の例として、4モルのグリセロールを有するラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5モルのグリセロールを有するラウリン酸アルコール、4モルのグリセロールを有するオレイン酸アルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを有するオレイン酸アルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを有するセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを有するセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを有するオレオセチルアルコール及び6モルのグリセロールを有するオクタデカノールなどを挙げることができる。
【0164】
mの数値は統計値を表し、これは市販の製品は、数種類のポリグリセロール化した脂肪アルコールを混合物の形態で含有することができるということを意味するので、アルコールは、複数のアルコールの混合物を意味することができる。
【0165】
モノ-またはポリ-グリセロール化したアルコールの中では、1モルのグリセロールを有するC8/C10アルコール、1モルのグリセロールを有するC10/C12アルコール及び1.5モルのグリセロールを有するC12アルコールを使用するのが特により好ましい。
【0166】
本発明の組成物中に存在する界面活性剤は、非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0167】
本発明の組成物の界面活性剤の含有量は、とりわけ、組成物の質量に対して、0.1から50質量%、好ましくは0.5から30質量%を占める。
【0168】
勿論、当業者は、本発明による組成物に本質的に付随する有利な特性が、想定される添加物(複数可)による悪影響を受けない、または実質的に受けないように、上述の任意の添加物(複数可)を注意して選択することになる。
【0169】
本発明による組成物のpHは、一般的に、約3から12の間、好ましくは約5から11の間、より好ましくは7から11の間である。pHは、ケラチン繊維の染色に通常使用される酸性化剤またはアルカリ性作用剤を用いて、または代わりに従来の緩衝系を用いて、所望の数値に調整することができる。
【0170】
アルカリ性作用剤は、例えば以前に記述したものである。
【0171】
酸性化剤の中では、例として、鉱酸または有機酸、例えば塩酸、オルトリン酸など、カルボン酸、例えば酒石酸、クエン酸、乳酸、またはスルホン酸などを挙げることができる。
【0172】
本発明による染色組成物は、様々な形態、例えば液体、クリーム、ゲルなどの形態、またはケラチン繊維、特にヒトの髪の染色を実施するための他の適切な任意の形態をとることができる。
【0173】
本発明の方法は、以前に定義されたような本発明による組成物を繊維に施用する方法である。色は、酸性、中性またはアルカリ性pHで発色させることができ、使用時に酸化剤を加えることができ、または本発明の組成物の他の化合物を同時もしくは連続して施用することもできる。
【0174】
一般的に約1から60分間、好ましくは約5から45分間の範囲の時間放置した後で、ケラチン繊維を濯ぎ、任意にシャンプーで洗浄し、再び濯ぎ、次いで乾燥する。
【0175】
本発明による組成物は、少なくとも2つの組成物、好ましくは2または3つの組成物を混合することにより生成することができ、これら組成物は、以前に定義されたような少なくとも1つの酸化剤を含む酸化組成物を含むことが好ましい。組成物の1つは無水であってよい。
【0176】
本発明はまた、いくつかの区画または染色用「キット」を有するデバイスであって、第1の区画が、他の追加の脂肪類と任意に組み合わせた本発明のエステル(複数可)及び/または脂肪酸アミドを含む組成物を含有し、第2の区画が、染料前駆体または前駆体と任意のアルカリ性作用剤(複数可)とを含み、第3の区画が、酸化剤(複数可)を含み、この第3の区画が、ある割合の脂肪を含有することができるデバイスに関する。この実施形態において、他の追加の脂肪と任意に組み合わせた本発明のエステル(複数可)及び/または脂肪酸アミドを含む組成物は、無水であってよい。無水組成物とは、本発明の意味において、前記組成物の質量に対して、5質量%未満、好ましくは2質量%未満、さらにより好ましくは1質量%未満の含水量を有する化粧品組成物を意味する。これは、とりわけ、結合水、例えば塩の結晶水または本発明による組成物の調製において使用された原料により吸収された微量の水などに関するということを指摘しておきたい。
【0177】
第2の実施形態によると、本発明のデバイスは、他の追加の脂肪及び1種または複数の酸化剤と任意に組み合わせた本発明のエステル(複数可)及び/または脂肪酸アミドを含む組成物を含有する第1の区画と、染料前駆体(複数可)を含み、1種または複数のアルカリ性作用剤を任意に含む組成物を含有する第2の区画とを含む。前記デバイスは、所望の混合物を髪に送達するための手段、例えば本出願人名義の特許FR-A-2586913に記載のデバイスなどを備えることができる。
【0178】
第3の実施形態によると、本発明のデバイスは、他の追加の脂肪、染料前駆体(複数可)及び任意のアルカリ性作用剤(複数可)と任意に組み合わせた本発明のエステル(複数可)及び/または脂肪酸アミドを含む組成物を含有する第1の区画と、1種または複数の酸化剤を含有する第2の区画とを含む。
【0179】
本発明はまた、ケラチン繊維、特に髪などのヒトのケラチン繊維を酸化染色するために、以前に定義されたような染色組成物を使用することにも関する。
【0180】
以下に提供される実施例は、本発明を例示するためのものであり、その範囲を制限するものではない。
【0181】
(実施例)
以下の組成物を調製した。
【0182】
(実施例1)
【0183】
【表1】

【0184】
【表2】

【0185】
【表3】

【0186】
(実施例2)
【0187】
【表4】

【0188】
【表5】

【0189】
この実施例に使用した組成物3は、実施例1に記載したものと同一である。
【0190】
各実施例の組成物1、2及び3は、使用時に、組成物1を10g及び組成物2を4gと、組成物3を16gの割合で混合する。混合物を、白髪が90%混じった天然の白髪の房に、毛髪1gに対して混合物10gの割合で施用する。30分間待った後、髪を濯ぎ、標準のシャンプーで洗浄し、乾燥する。
【0191】
毛染めを視覚的に評価する。
【0192】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)1種または複数の脂肪であって、このうちの少なくとも1種の脂肪が脂肪酸アミド及び脂肪酸のエステルから選択される脂肪を少なくとも25%と、B)1種または複数の染料前駆体と、C)1種または複数の酸化剤と、任意で、D)1種または複数のアルカリ性作用剤とを含む、ケラチン繊維の酸化染色のための組成物。
【請求項2】
脂肪酸アミド及び脂肪酸のエステルが室温で固体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
脂肪酸アミドが、任意に置換されている、C2〜C10モノ-またはジアルカノールアミンと、C9〜C30脂肪酸のアミドであることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
脂肪酸アミドが、以下の式(I):
【化1】

(式中、
R1は、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和のC9〜C30炭化水素基(1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていてもよく、前記ヒドロキシル基は、飽和または不飽和のC16〜C30脂肪酸で任意にエステル化されている)、またはR"-(NR-CO)-R'基(ここで、Rは、水素原子またはモノ-もしくはポリヒドロキシル化した、好ましくはモノヒドロキシル化した、C1〜C10炭化水素基を意味し、R'及びR"は、炭素原子の総数が9から30個の間の炭化水素基であり、R'は二価の基である)のいずれかを意味し、
R2は、水素原子または(グリコシル)n、(ガラクトシル)mまたはスルホガラクトシル基(ここで、nは1から4の範囲の整数であり(両端の数を含む)、mは1から8の範囲の整数(両端の数を含む)である)を意味し、
R3は、水素原子または飽和もしくは不飽和のC16〜C27炭化水素基(1つまたは複数のC1〜C14アルキル基で置換されていてもよい)を意味し、R3はまた、C15〜C26α-ヒドロキシアルキル基(このヒドロキシル基は、C16〜C30α-ヒドロキシ酸で任意にエステル化されていてよい)を意味することができ、
R4は、水素原子、飽和または不飽和のC16〜C27炭化水素基、C2〜C6ヒドロキシアルキル基または-CH2-CHOH-CH2-0-R6の基(ここで、R6は、C10〜C26炭化水素基を意味する)を意味し、
R5は、水素原子またはモノ-もしくはポリヒドロキシル化したC1〜C4炭化水素基を意味する)
に相当することを特徴とする、請求項1から3に記載の組成物。
【請求項5】
脂肪酸アミドが、式(I)のセラミド(ここで、R1は、C16-C22脂肪酸から誘導された飽和または不飽和のアルキル基(任意にヒドロキシル化されている)を意味し、R2は、水素原子を意味し、R3は、C16α-ヒドロキシアルキル基を意味する)であることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
脂肪酸アミドが、ステアリン酸のモノエタノールアミド、ヤシ酸のモノイソプロパノールアミド、ヤシ酸のモノエタノールアミド及びN-オレオイルジヒドロスフィンゴシンから選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
脂肪酸のエステルが、C8〜C30脂肪酸から得られることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
脂肪酸が、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
エステルが、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリルまたはミリスチン酸ステアリル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチルまたはミリスチン酸セチル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチルまたはミリスチン酸ミリスチルから選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
脂肪酸アミド及び/または脂肪酸エステルの濃度が、組成物の全質量に対して、0.01から50質量%の間、特に0.1から30質量%の間、より好ましくは0.2から10質量%の間であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
染料前駆体が、酸化塩基及びカップラーから選択されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
染料前駆体が、オルト-及びパラ-フェニレンジアミン酸化塩基、二重塩基、オルト-及びパラアミノフェノール、複素環式塩基、並びにこれら化合物の酸との付加塩、さらにカップラーのメタ-アミノフェノール、メタ-フェニレンジアミン、メタ-ジフェノール、ナフトール、複素環式カップラー及びこれら化合物の酸との付加塩から選択されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
酸化剤が、過酸化物、好ましくは過酸化水素であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
アルカリ性作用剤が、アンモニアまたはアルカノールアミン、好ましくはアルカノールアミンであることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
アルカリ性作用剤がモノエタノールアミンであることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物が、所望の着色を発色するために十分な時間の間ケラチン繊維に施用されることを特徴とする、ケラチン繊維を染色する方法。
【請求項17】
他の追加の脂肪と任意で組み合わせた、本発明のエステル及び/または脂肪酸アミドを含む組成物を含有する第1の区画と、染料前駆体及び任意のアルカリ性作用剤を含む第2の区画と、酸化剤を含む第3の区画とを含む、いくつかの区画を有するデバイスであって、前記第3の区画が、ある割合の脂肪を含有することができ、前記脂肪、前記染料前駆体、前記酸化剤及び前記任意のアルカリ性作用剤が、請求項1から14のいずれか一項で定義されているデバイス。
【請求項18】
他の追加の脂肪及び1種または複数の酸化剤と任意で組み合わせた、本発明のエステル及び/または脂肪酸アミドを含む組成物を含有する第1の区画と、染料前駆体及び任意のアルカリ性作用剤を含む第2の区画とを含む、いくつかの区画を有するデバイスであって、前記脂肪酸のアミド及び/またはエステルを含めた脂肪、前記染料前駆体、前記酸化剤並びに前記任意のアルカリ性作用剤が、請求項1から13のいずれか一項に記載されているデバイス。
【請求項19】
脂肪、染料前駆体及び任意のアルカリ性作用剤を含む組成物を含有する第1の区画と、1種または複数の酸化剤を含有する第2の区画とを含む、いくつかの区画を有するデバイスであって、前記脂肪酸のアミド及び/またはエステルを含めた脂肪、前記染料前駆体、前記酸化剤並びに前記任意のアルカリ性作用剤が、請求項1から14のいずれか一項に記載されているデバイス。
【請求項20】
ケラチン繊維の酸化染色のための、請求項1から14のいずれか一項で定義された組成物の使用。

【公開番号】特開2010−143912(P2010−143912A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−288201(P2009−288201)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】