説明

アミド誘導体の製造方法

本発明は、アミド誘導体の新規な製造方法に関する。本発明の製造方法は、従来の技術より簡単な工程を通じて、カルボキシル酸誘導体とアミン誘導体を反応し、プランルカストを始めとした様々なアミド誘導体を経済的に製造することができて、反応終結後、副産物の除去が容易であるため、高い収率の最終生産物を得ることができ、大量生産に非常に有用であるという長所がある。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、アミド誘導体の製造方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
ロイコトリエン(Leukotriene)は、生体内でアラキドン酸(Arachidonic acid)の代謝産物であって、肥満細胞または好酸球から遊離される。主要ロイコトリエンとしては、ロイコトリエンB4(LTB4)、C4(LTC4)、D4(LTD4)及びE4(LTE4)がある。これらのロイコトリエンの生合成は、5−リポキシゲナーゼ(5-lipoxigenase)がアラキドン酸に作用し、ロイコトリエンA4(LTA4)として公知されたエポキシドを生成して、これは、他の連続した酵素的段階を経て、他のロイコトリエンに転換される(LeukotrienesandLipoxygenases,J.Rokach,Elsevier,Amsterdam,1989)。
【0003】
下記の化学式1の構造で表されるプランルカスト(Pranlukast)及びその水和物は、ロイコトリエンC4(LTC4)、D4(LTD4)及びE4(LTE4)受容体に対する強力な拮抗作用を有する化合物であって、気管支喘息及びアレルギー性鼻炎治療剤として使用されており、現在カプセル剤形態であるオノンカプセル(OnonCap.プランルカスト水和物112.5mg/カプセル、東亜製薬)として市販されている。
【0004】
【化1】

【0005】
プランルカストの従来の製造方法は、米国特許第5,587,483号に開示されており、下記反応式Iの反応を通じて製造される。
【0006】
【化2】

【0007】
前記反応式Iに示したように、まず化学式(10)のベンゾ酸誘導体をチオニルクロライドと反応して、化学式(11)で表されたアシッドクロライドを分離して得て、得られた化合物を化学式(4)で表される化合物と反応させる。これを通じて得られた化学式(5)(n=4)で表される化合物を化学式(6)のテトラゾール誘導体と反応してテトラゾール基を導入させた後、ベンゾピラン環を形成して、プランルカストを製造する。しかし、前記反応式Iによる製造方法は、(a)化学式(10)のベンゾ酸誘導体をチオニルクロライドと反応して、化学式(11)で表されたアシッドクロライドを得る時、有毒のチオニルクロライドを還流温度近くで過量使用することにより、取り扱いが非常に難しく、(b)反応終了後、人体に非常に有害なチオニルクロライドの除去時、作業が難しく、(c)化学式(7)の化合物を得る時、4当量以上の塩基が必要であり、(d)プランルカストを製造した後、不純物の除去のために、化合物をナトリウム塩形態に変形させた後、精製して得るしかないため、経済的な側面でも大量生産に適していない。
【0008】
一方、米国特許第5,874,593号には、下記反応式IIに示したように、化学式(8)のニトリル化合物とヒドラジンを反応して、化学式(9a)及び化学式(9b)のアミドラゾン化合物を製造した後、亜硝酸を使用してテトラゾール環化反応を行うことにより、プランルカストを製造する。
【0009】
【化3】

【0010】
しかしながら、前記反応式IIの製造方法においても、化学式(8)の化合物を製造する過程で、アシッドクロライド誘導体を得るために、有毒なチオニルクロライドを還流温度近くで過量使用するため、取り扱いが非常に難しく、反応終了後、チオニルクロライドを除去する過程は、人体に非常に有害で且つ作業が難しい。また、次の反応時、人体に有毒な多量のヒドラジン及び環境に悪影響を及ぼす窒素酸化物の発生を誘発して、保管が不安定な亜硝酸を使用することにより、前記反応式IIの製造方法は、産業的規模の大量生産に適していない。
【0011】
また、米国特許第4,780,469号は、反応式IIIのように、化学式(10’)のベンゾ酸誘導体をオキサリルクロライドと反応して、化学式(11’)で表されたアシッドクロライドを分離して得て、得られたアシッドクロライド誘導体を、化学式12のテトラゾールを含むベンゾピランアミン誘導体と反応して、プランルカストを含む多様な誘導体を作っている。
【0012】
【化4】

【0013】
前記反応式IIIによる製造方法は、非常に高価であり、吸湿分解性が強くてオキサリルクロライドを多様使用しなければならなく、1,2−ジクロロエタンを溶媒として還流温度近くまで温度を上昇させた後、1時間程度反応しなければならないという厳しい条件が要求されるだけではなく、反応終了後、オキサリルクロライドを除去する過程で有害な一酸化炭素及び塩素ガスが多量発生し、処理が難しくて、合成過程で無水及び不活性気体下で反応を行わなければならないため、産業的大量生産に適用することが困難である。
【0014】
本発明に記載されているプランルカストを含んだ様々なアミド誘導体は、合成するにおいて、上記のような問題点が発生する。これに、本発明者らは、従来技術の問題点を克服することができる新しいアミド誘導体の製造方法を開発した。
【0015】
本明細書全体にかけて多数の特許文献及び論文が参照されて、その引用が表示されている。引用された特許文献及び論文の開示内容は、その全体が本明細書に参照として取り込まれ、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。
【0016】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは、ロイコトリエン受容体に対する強力な拮抗作用を有する化合物であるプランルカストを、有機合成により安全に産業的に大量生産できる方法を研究して、その結果、従来の技術より簡単な工程を通じて、カルボキシル酸誘導体とアミン誘導体を反応し、プランルカストを始めとした様々なアミド誘導体を経済的に製造することができる新しい方法を開発することにより、本発明を完成した。
【0017】
したがって、本発明の目的は、アミド誘導体を製造する方法を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的及び利点は、発明の詳細な説明及び請求の範囲により、さらに明確にされる。
【0019】
〔課題を解決するための手段〕
本発明の様態によると、本発明は、(a)ジメチルアセトアミド(DMAC)またはN−メチルピロリドン(NMP)溶媒下でカルボキシル酸誘導体及びハロゲン化剤を反応して、アシッドハライド誘導体を得る段階と、(b)前記アシッドハライド誘導体をアミン誘導体と反応して、アミド誘導体を生成させる段階と、を含むアミド誘導体の製造方法を提供する。
【0020】
本発明者らは、ロイコトリエン受容体に対する強力な拮抗作用を有する化合物であるプランルカストを、有機合成により安全に産業的に大量生産できる方法を研究して、その結果、従来の技術より簡単な工程を通じて、カルボキシル酸誘導体とアミン誘導体を反応し、プランルカストを始めとした様々なアミド誘導体を経済的に製造することができる新しい方法を開発した。
【0021】
本発明の製造方法は、最初の段階で、ジメチルアセトアミド(DMAC)またはN−メチルピロリドン(NMP)溶媒下でカルボキシル酸誘導体及びハロゲン化剤を反応し、アシッドハライド誘導体を得る。
【0022】
本発明の製造方法は、ジメチルアセトアミド(DMAC)またはN−メチルピロリドン(NMP)を反応溶媒として使用することに特徴がある。ジメチルアセトアミド(DMAC)またはN−メチルピロリドン(NMP)の存在下で本発明の反応が起こる場合、ハロゲン化剤、例えば、塩素化剤試薬の使用量を最小化することができる。ジメチルアセトアミド(DMAC)またはN−メチルピロリドン(NMP)の使用量は、出発物質の化合物に対して2〜5倍の容量比が好ましく、最も好ましくは、3倍の容量比である。
【0023】
本発明の好ましい具現例によると、使用されるカルボキシル酸誘導体は、下記化学式22で表される化合物である。
【0024】
【化5】

【0025】
式中、Aは、単一結合、C1−4のアルキレン、ビニレン、プロペニレン、ブテニレンまたはブタジエニレンであり、Rは、直鎖または分岐鎖の置換または非置換のC1−10のアルキル、アルケニルまたはアルキニル、または置換または非置換のアリール、アルカリル、アラルキルまたはヘテロアリールである。
【0026】
本発明の好ましい具現例によると、前記Aは、単一結合であり、Rは、直鎖または分岐鎖の置換または非置換のC1−10のアルキル、または下記化学式23で表される。
【0027】
【化6】

【0028】
式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、直鎖または分岐鎖の置換または非置換のC1−10のアルキルまたはアリールアルコキシである。
【0029】
本明細書において、用語‘アルキレン’は、1〜4個の炭素原子からなる直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルを意味し、例えば、メチレン、エチレン、そしてプロピレン及びブチレンの構造異性質体を含む。アルキレン基は、一つまたはそれ以上の置換体で置換可能であり、例えば、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸またはリン酸などにより置換可能である。
【0030】
用語‘C〜C10アルキル’は、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0031】
用語、‘アルケニル’は、指定された炭素原子数を含む直鎖または分岐鎖不飽和炭化水素基を示して、これは、少なくとも一つの二重結合を有する炭化水素基であって、例えば、C〜C直鎖または分岐鎖アルケニル炭化水素は、少なくとも一つの二重結合を有する2〜6個の炭素原子を含み、エテニル、プロペニル、イソ−プロペニル、ブテニル、イソ−ブテニル、tert−ブテニル、n−ペンテニル、n−ヘキセニルなどのような置換体を含むが、これらに限定されるものではない。
【0032】
用語‘アルキニル’は、任意に置換された(多数の置換も許容)、2〜10個の炭素及び1個以上の炭素−炭素三重結合を有する炭化水素ラジカルを意味し、例えば、4−ヘックス−1イニル及び3,3−ジメチル−but−1イニルなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
用語‘アリール’は、全体的にまたは部分的に不飽和された置換または非置換のモノサイクリックまたはポリサイクリック炭素環を意味し、好ましくは、モノアリールまたはビアリールである。モノアリールは、炭素数5〜6を有することが好ましく、ビアリールは、炭素数9〜10を有することが好ましい。モノアリール、例えば、フェニルが置換される場合は、多様な位置で多様な置換体により置換がなされるが、好ましくは、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C〜C置換または非置換の直鎖または分岐鎖アルキル、C〜C直鎖または分岐鎖アルコキシ、アルキル置換スルファニル、フェノキシ、C〜Cシクロへテロアルキルまたは置換または非置換アミノ基により置換可能である。
【0034】
用語‘アルカリル(アルキルアリール)’は、アリール置換基が結合されたアルキル基を意味する。用語‘アラルキル(アリールアルキル)’は、一つまたはそれ以上のアルキル基による構造に結合されたアリール基を意味する。用語‘ヘテロアリール’は、ヘテロサイクリック芳香族基であって、ヘテロ原子として窒素、酸素または硫黄原子を含む。
【0035】
用語‘アリールアルコキシ’は、オキシ残基を通じて母分子残基に付着されたアリールアルキルグループ(即ち、アリールアルキル−O−)を意味する。例えば、2−フェニルエトキシ、3−ナフト−2−イルプロポキシ及び5−フェニルペンチルオキシなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
本明細書において、用語‘ニトロ’は、−NOを意味し、用語‘ハロゲン’は、フッ素、塩素、臭素及びヨードを含むことを意味する。
【0037】
本発明で使用される具体的な化合物の例は、下記実施例に記載されている。
【0038】
本発明では、最終生成物を収得するために、反応化合物の間にアミド結合を形成しなければならない。アミド結合を形成するための反応としては、a) mixed acid anhydrideを利用する方法、b)アシッドハライド(acid halide)を利用する方法、及びc)ジシクロヘキシルカルボジミド(dicyclohexylcarbodimide, DCC)を利用する方法がある。本発明は、アシッドハライド方法を利用するが、これの詳細な説明は、米国特許第4,780,469号に開示されている。
【0039】
本発明において、アシッドハライドを利用してアミド結合を形成するためには、出発物質のカルボキシル酸誘導体をハロゲン化剤と反応しなければならない。本発明で使用されるハロゲン化剤は、フッ素化剤、塩素化剤、臭素化剤またはヨード化剤であり、好ましくは、塩素化剤またはヨード化剤であり、より好ましくは塩素化剤であって、さらに好ましくは、チオニルクロライド、オキサリルクロライド、フォスフォルスペンタクロライド及びフォスフォルスオキシトリクロライドからなる群から選択される塩素化剤であって、最も好ましくは、チオニルクロライドまたはオキサリルクロライドである。
【0040】
本発明の製造方法を利用する場合、塩素化剤の使用を最小化することができる。前記反応で使用する塩素化剤の使用範囲は、1〜3当量が好ましく、さらに好ましくは、1〜2当量であって、最も好ましくは、1〜1.2当量である。
【0041】
本発明の製造方法において、前記反応は、−5℃乃至25℃の温度で行うことが好ましい。さらに好ましくは、反応温度が−5℃乃至10℃であって、最も好ましくは、−1℃乃至2℃である。この際、反応時間は、10分乃至1時間程度が所要される。
【0042】
本発明の好ましい具現例によると、前記反応で得られたアシッドハライド誘導体は、分離せずに直接アミン誘導体と反応してアミド結合を生成する。
本発明の好ましい具現例によると、本発明で使用されるアミン誘導体は、下記化学式24で表される。
【0043】
【化7】

【0044】
式中、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロまたは−COOR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−10アルキル)であり、Bは、4〜8員炭素環であるか、前記員の少なくとも一つは、酸素、窒素または硫黄原子であってよく、前記炭素環は、オキソ、チオキソ、またはヒドロキシ基により置換可能であって、Rは、Bが炭素環である場合にのみ存在して、Rは、
【0045】
【化8】

【0046】
または
【化9】

【0047】
であって、Bが炭素環ではない場合、Bは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−COOR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−10アルキル)、−COR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−10アルキル)、または−X−CH−R(Xは、酸素または硫黄原子であり、Rは、
【0048】
【化10】

【0049】
または
【化11】

【0050】
)であって、Uは、酸素または硫黄原子であり、m及びnは、1乃至10の整数であり、p及びqは、0〜10の整数であって、R10は、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−6アルキルである。
【0051】
好ましくは、前記化学式において、Rは、水素、ヒドロキシまたは−COOR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−10アルキル)であり、Bは、4〜8員炭素環であるか、前記員の少なくとも一つは、酸素または窒素原子であってよく、前記炭素環は、オキソまたはヒドロキシ基により置換可能であって、Rは、Bが炭素環である場合にのみ存在して、Rは、
【0052】
【化12】

【0053】
または
【化13】

【0054】
であって、Bが炭素環ではない場合、Bは、水素、ヒドロキシ、−COOR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−10アルキル)、−COR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−10アルキル)、または−X−CH−R(Xは、酸素または硫黄原子であり、Rは、
【0055】
【化14】

【0056】
または
【化15】

【0057】
)であって、Uは、酸素または硫黄原子であり、m及びnは、1乃至5の整数であり、p及びqは、0または1〜5の整数であって、R10は、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルである。最も好ましくは、前記化学式において、Rは、水素であり、Bは、4〜6員炭素環であるか、前記員の少なくとも一つは、酸素であってよく、前記炭素環は、オキソにより置換可能であって、Rは、Bが炭素環である場合にのみ存在して、Rは、
【0058】
【化16】

【0059】
であり、qは、0であって、Bが炭素環ではない場合、Bは、−COR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1〜3アルキル)である。
【0060】
本明細書において、用語‘カーボサイクル’は、4乃至8個の炭素原子からなる非芳香族環状炭化水素ラジカルを意味し、5〜8個の炭素原子を含む環は、構造内に二重結合を含むか、2個の環を形成することができる。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
用語‘オキソ’は、置換体であって、二重結合で炭素原子に結合された酸素原子を意味し、用語‘チオキソ’は、置換体であって、二重結合で炭素原子に結合された硫黄原子を意味する。
【0062】
本発明の具体的な化合物の例は、下記実施例に記載されている。
【0063】
本発明の好ましい具現例によると、アミド結合反応が起こる段階(b)は、塩基条件下で行われる。
【0064】
段階(b)で使用される塩基は、有機化学分野で通常的に使用される塩基を使用することができ、好ましくは、トリエチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール、イミダゾールまたは3級C〜Cアルキルアミンを使用することができ、さらに好ましくは、トリエチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジンであって、最も好ましくは、トリエチルアミンまたはピリジンである。
【0065】
本発明の製造方法で使用する塩基の量は、特に制限されないが、好ましくは、1乃至10当量の範囲で使用でき、さらに好ましくは、1乃至5当量の範囲であって、最も好ましくは、1乃至1.1当量の範囲である。
【0066】
前記アシッドハライド誘導体化合物とアミン誘導体の反応において、反応温度及び反応時間は、使用される有機溶媒または塩基の種類によって変わる。反応温度は、0℃乃至100℃の温度で可能であり、20℃乃至50℃の温度が最も好ましい。また、反応時間は、2時間乃至7時間の範囲で選択できて、好ましくは、3時間乃至6時間、最も好ましくは、5時間である。前記反応温度及び反応時間は、前記範囲に限定されるものではなく、条件によって変更して適用することができる。
【0067】
本発明の好ましい具現例によると、アシッドハライド誘導体をアミン誘導体と反応させる段階以後に、反応生成物アミド誘導体に溶媒を加えて沈殿物を生成させて、前記沈殿物を精製する段階をさらに含む。
【0068】
本発明の製造方法によって合成されたアミド誘導体は、最終的に溶媒を添加して生成される沈殿物である。沈殿物の形成のために使用される溶媒は、水、C〜Cのアルコール、アセトニトリル、アセトン、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン及びこれらの混合物からなる群から選択でき、水またはC〜Cのアルコールを使用することが最も好ましい。前記溶媒を添加して沈殿物を分離して、これをろ過して精製する過程を経て、さらに高純度のアミド誘導体を得ることができる。
【0069】
また、本発明の他の好ましい具現例によると、前記沈殿された反応生成物に溶媒を加えて加温還流させる段階をさらに含むことができる。前記精製過程で収得した沈殿物に水、C〜Cのアルコール、アセトニトリル、アセトン及びこれらの混合物からなる群から選択された溶媒または前記溶媒と水の混合溶媒を添加して加温還流することにより、さらに純粋なアミド誘導体を得ることができる。
【0070】
また、得られたアミド誘導体は、空気中に放置することにより、水和物形態に転換させることができる。水和物の生成は、多様な温度で行うことができるが、便宜性を考慮すると、室温で行うことが最も好ましい。空気中で室温でアミド誘導体の水和物を生成させる過程は、化合物の種類によって、0.5〜24時間、好ましくは、0.5〜20時間、より好ましくは、2〜15時間、最も好ましくは、3〜7時間空気中に放置して行われる。
【0071】
本発明の好ましい具現例によると、カルボキシル酸誘導体は、下記化学式10で表されるベンゾ酸誘導体であり、前記アミン誘導体は、下記化学式12で表されるベンゾピランアミン誘導体であって、最終生成物であるアミド誘導体は、化学式1で表される化合物である。
【0072】
【化17】

【0073】
前記nが4である場合、化学式10で表される化合物は、4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾ酸であり、化学式12で表される化合物は、8−アミノ−4−オキソ−テトラゾール−5−イル−4H−1−ベンゾピランである。
【0074】
化学式12のアミン誘導体は、その塩形態で使用することもできる。例えば、8−アミノ−4−オキソ−テトラゾール−5−イル−4H−1−ベンゾピラン酸付加塩が使用できる。前記化学式12で表される化合物の塩は、通常の酸付加塩でよく、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸などの無機酸またはアセト酸、クエン酸及びシュウ酸などの有機酸の塩である。最も好ましくは、8−アミノ−4−オキソ−テトラゾール−5−イル−4H−1−ベンゾピラン塩酸塩の形態で使用される。
【0075】
本発明の製造方法により、前記化合物を反応させると、プランルカスト(Pranlukast、N−[4−オキソ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−1−ベンゾピラン−8−イル]−4−(4−フェニルブトキシ)ベンズアミド)を得ることができる。前記反応物質として利用される誘導体は、米国特許第4,780,469号に開示されている方法によって製造できる。
【0076】
化学式1の反応生成物、特に、プランルカストは、それ自体が空気中の水分を吸収して、半水和物(1/2水和物)形態をとる性質を有している。これに、製造されたプランルカストを室温で1〜20時間、好ましくは2〜15時間、最も好ましくは、3〜7時間空気中に放置して半水和物(1/2水和物)形態に転換させることができる。
【0077】
〔発明の効果〕
本発明によるアミド誘導体製造方法は、ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリドン溶媒を使用して、中間化合物であるアシッドハライド誘導体を分離せずに直接アミン誘導体と反応させるため、処理が困難な有毒性溶媒の使用量を最小化して、不純物の生成及び精製過程を短縮することができて、反応時間が短いため、大量生産に適しており、高い収率のアミド誘導体を獲得できる長所を有する。
【0078】
〔発明を実施するための形態〕
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されないことは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとっては自明なことであろう。
【0079】
(実施例1:プランルカスト半水和物の製造)
0℃で4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾ酸(29.1g、1.1当量、米国特許第4,780,469号に開示された方法によって製造)をジメチルアセトアミド(DMAC、Aldrich)80mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(14.2g、1.2当量、Aldrich)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液80mlに溶解された8−アミノ−4−オキソ−2−テトラゾール−5−イル−4H−1−ベンゾピラン塩酸塩(26.7g、1当量、米国特許第4,780,469号に開示の方法によって製造)とトリエチルアミン(TEA、10.1g、1当量、Aldrich)の混合物を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水300mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水100mlで洗浄し、50%アセトン水溶液200mlを加えた後、1時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、ろ過乾燥した後、室温で5時間空気中に放置し、プランルカスト半水和物47.0g(収率:98%)を得た。:融点 231-233℃(分解); 1H-NMR(DMSO-d6,300MHz)δ 1.9(m, 4H), 2,7(m, 2H), 4.0(t, 2H), 7.0(s, 2H), 7.1(s, 1H), 7.2-7.3(m, 5H), 7.6(t, 1H), 7.9(t, 1H), 8.0(m, 2H), 8.3(t, 1H), 10.0(bs, 1H)。
【0080】
(実施例2:プランルカスト半水和物の製造;塩素化剤の置換)
0℃で4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾ酸(29.1g、1.1当量)をジメチルアセトアミド(DMAC)80mlに溶解した後、この溶液にオキサリルクロライド(15.2g、1.2当量、Aldrich)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液80mlに溶解された8−アミノ−4−オキソ−2−テトラゾール−5−イル−4H−1−ベンゾピラン塩酸塩(26.7g、1当量)とトリエチルアミン(TEA、10.1g、1当量)の混合物を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水300mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水100mlで洗浄し、50%アセトン水溶液200mlを加えた後、1時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、ろ過乾燥した後、室温で5時間空気中に放置し、プランルカスト半水和物43.3g(収率:92%)を得た。
【0081】
(実施例3:プランルカスト半水和物の製造;塩基条件の変化)
0℃で4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾ酸(29.1g、1.1当量)をジメチルアセトアミド(DMAC)80mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(14.2g、1.2当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液80mlに溶解された8−アミノ−4−オキソ−2−テトラゾール−5−イル−4H−1−ベンゾピラン塩酸塩(26.7g、1当量)とピリジン(7.9g、1当量、Aldrich)の混合物を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水300mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水100mlで洗浄し、50%アセトン水溶液200mlを加えた後、1時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、ろ過乾燥した後、室温で5時間空気中に放置し、プランルカスト半水和物45.6g(収率:95%)を得た。
【0082】
(実施例4:プランルカスト半水和物の製造;反応温度条件の変化)
0℃で4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾ酸(29.1g、1.1当量)をジメチルアセトアミド(DMAC)80mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(14.2g、1.2当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液80mlに溶解された8−アミノ−4−オキソ−2−テトラゾール−5−イル−4H−1−ベンゾピラン塩酸塩(26.7g、1当量)とトリエチルアミン(TEA、10.1g、1当量)の混合物を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、50℃で4時間攪拌した。その後、反応混合物を水300mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水100mlで洗浄し、50%アセトン水溶液200mlを加えた後、1時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、ろ過乾燥した後、室温で5時間空気中に放置し、プランルカスト半水和物45.6g(収率:95%)を得た。
【0083】
(実施例5:プランルカスト半水和物の製造;反応溶媒の置換)
0℃で4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾ酸(29.1g、1.1当量)をN−メチルピロリドン(NMP、Aldrich)80mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(14.2g、1.2当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、N−メチルピロリドン溶液80mlに溶解された8−アミノ−4−オキソ−2−テトラゾール−5−イル−4H−1−ベンゾピラン塩酸塩(26.7g、1当量)とトリエチルアミン(TEA、10.1g、1当量)の混合物を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水300mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水100mlで洗浄し、50%アセトン水溶液200mlを加えた後、1時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、ろ過乾燥した後、室温で5時間空気中に放置し、プランルカスト半水和物43.3g(収率:90%)を得た。
【0084】
(実施例6:プランルカスト半水和物の製造;塩素化剤の当量変化)
0℃で4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾ酸(29.1g、1.1当量)をジメチルアセトアミド(DMAC)80mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(11.8g、1当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液80mlに溶解された8−アミノ−4−オキソ−2−テトラゾール−5−イル−4H−1−ベンゾピラン塩酸塩(26.7g、1当量)とトリエチルアミン(TEA、10.1g、1当量)の混合物を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水300mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水100mlで洗浄し、50%アセトン水溶液200mlを加えた後、1時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、ろ過乾燥した後、室温で5時間空気中に放置し、プランルカスト半水和物44.6g(収率:93%)を得た。
【0085】
(実施例7:N−(3−アセチル−2−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−ベンズアミドの製造)
【0086】
【化18】

【0087】
0℃でm−トルイル酸(1.98g、1.1当量、Aldrich)をジメチルアセトアミド(DMAC、Aldrich)15mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(1.81g、1.15当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液15mlに溶解された1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(2g、1当量)を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水40mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水20mlで洗浄し、60℃で熱風乾燥して3.31g(収率:93%)を得た。1H-NMR(400MHz, DMSO)δ 12.62(s, 1H) 9.58(s, 1H) 7.98(d, 1H, J=6.2Hz) 7.77(m, 3H) 7.41(d, 2H, J=3.8Hz) 7.01(t, 1H, J=6.3Hz) 2.71(s, 3H) 2.39(s, 3H)。
【0088】
(実施例8:(ピリジン−2−カルボン酸(3−アセチル−2−ヒドロキシフェニル)−アミド)の製造)
【0089】
【化19】

【0090】
0℃でピコリン酸(1.79g、1.1当量、Aldrich)をジメチルアセトアミド(DMAC、Aldrich)15mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(1.81g、1.15当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液15mlに溶解された1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(2g、1当量)を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水40mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水20mlで洗浄し、60℃で熱風乾燥して3.38g(収率:95%)を得た:1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 12.89(bs, 1H) 10.56(s, 1H) 8.75(d, 1H, J=3.6Hz) 8.67(d, 1H, J=5.4Hz) 8.19(d, 1H, J=6.2Hz) 8.10(t, 1H, J=6.2Hz) 7.72(m, 2H) 7.06(t, 1H, J=6.4Hz) 2.69(s, 3H)。
【0091】
(実施例9:(N−(3−アセチル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ニトロ−ベンズアミド)の製造)
【0092】
【化20】

【0093】
0℃で4−ニトロ安息香酸(24.32g、1.1当量、Aldrich)をジメチルアセトアミド(DMAC、Aldrich)50mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(18.1g、1.15当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液50mlに溶解された1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(20g、1当量)を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水40mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水20mlで洗浄し、60℃で熱風乾燥して36.9g(収率:93%)を得た:1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 12.61(bs, 1H) 10.09(bs, 1H) 8.37(d, 1H, J=7.0Hz) 8.20(d, 2H, J=6.96Hz) 7.89(m, 2H) 7.03(t, 1H, J=6.3Hz) 2.70(s, 3H)。
【0094】
(実施例10:(N−(3−アセチル−2−ヒドロキシフェニル)−4−クロロ−ベンズアミド)の製造)
【0095】
【化21】

【0096】
0℃で4−クロロ安息香酸(2.28g、1.1当量、Aldrich)をジメチルアセトアミド(DMAC、Aldrich)15mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(1.81g、1.15当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液15mlに溶解された1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(2g、1当量)を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水40mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水20mlで洗浄し、60℃で熱風乾燥して3.8g(収率:99%)を得た:1H-NMR(300MHz, DMSO) δ 12.60(bs, 1H) 9.79(bs, 1H) 7.82-8.01(m, 4H) 7.60(d, 2H, J=8.67Hz) 7.01(t, 1H, J=7.89Hz) 2.70(s, 3H)。
【0097】
(実施例11:(N−(3−アセチル−2−ヒドロキシフェニル)−プロピオンアミド)の製造)
【0098】
【化22】

【0099】
0℃でプロピオン酸(1.08g、1.1当量、Aldrich)をジメチルアセトアミド(DMAC、Aldrich)15mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(1.81g、1.15当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液15mlに溶解された1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(2g、1当量)を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水40mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水20mlで洗浄し、60℃で熱風乾燥して2.60g(収率:95%)を得た:1H-NMR(300MHz, DMSO) δ 12.70(bs, 1H) 9.26(bs, 1H) 8.16(d, 1H, J=7.68Hz) 7.68(d, 1H, J=6.78Hz) 6.94(t, 1H, J=8.04Hz) 2.66(s, 3H) 2.42(q, 2H, J=7.5Hz) 1.07(t, 3H, J=7.5Hz)。
【0100】
(実施例12:(N−(3−アセチル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ニトロ−ベンズアミド)の製造)
【0101】
【化23】

【0102】
0℃で2−ニトロ安息香酸(2.43g、1.1当量、Aldrich)をジメチルアセトアミド(DMAC、Aldrich)15mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(1.81g、1.15当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液15mlに溶解された1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(2g、1当量)を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水40mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水20mlで洗浄し、60℃で熱風乾燥して3.85g(収率:97%)を得た:1H-NMR(300MHz, DMSO) δ 12.65(bs, 1H) 10.46(bs, 1H) 8.14(d, 1H, J=9.0Hz) 7.71-8.02(m, 4H) 7.04(t, 1H, J=7.8Hz) 2.69(s, 3H)。
【0103】
(実施例13:(N−(3−アセチル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ニトロ−ベンズアミド)の製造)
【0104】
【化24】

【0105】
0℃で3−ニトロ安息香酸(2.43g、1.1当量、Aldrich)をジメチルアセトアミド(DMAC、Aldrich)15mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(1.81g、1.15当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液15mlに溶解された1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(2g、1当量)を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水40mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水20mlで洗浄し、60℃で熱風乾燥して3.77g(収率:95%)を得た:1H-NMR(300MHz, DMSO) δ 12.61(bs, 1H) 10.19(bs, 1H) 8.80(s, 1H) 8.37-8.59(m, 2H) 7.56-7.56(m, 4H) 2.71(s, 3H)。
【0106】
(実施例14:(N−(3−アセチル−2−ヒドロキシフェニル)−ベンズアミド)の製造)
【0107】
【化25】

【0108】
0℃で安息香酸(6.1g、1.1当量、Aldrich)をジメチルアセトアミド(DMAC、Aldrich)15mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(6.21g、1.15当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液15mlに溶解された1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(6.86g、1当量)を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水40mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水20mlで洗浄し、60℃で熱風乾燥して11.24g(収率:97%)を得た:1H-NMR(300MHz, DMSO) δ 10.13(bs, 1H) 9.64(bs, 1H) 7.75-7.85(m, 4H) 2.47(s, 3H)。
【0109】
(実施例15:(N−(3−アセチル−2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−フェニルブトキシ)−ベンズアミド)の製造)
【0110】
【化26】

【0111】
0℃で4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾ酸(31.70g、1.1当量)をジメチルアセトアミド(DMAC、Aldrich)60mlに溶解した後、この溶液にチオニルクロライド(14.58g、1.15当量)を徐々に添加した。混合溶液を同一温度で10分間攪拌した後、ジメチルアセトアミド溶液60mlに溶解された1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(20g、1当量)を、前記攪拌された溶液に徐々に添加して加温し、25℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を水40mlに入れて、同一な温度で1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、得られた固体を水20mlで洗浄し、60℃で熱風乾燥して40.86g(収率:95%)を得た:1H-NMR(300MHz, DMSO) δ 12.61(bs, 1H) 9.47(bs, 1H) 7.92-7.98(m, 3H) 7.85(d, 1H, J=8.79) 7.14-7.30(m, 5H) 6.97-7.04(m, 3H) 4.05(m, 2H) 2.62-2.66(m, 4H) 2.47-2.50(m, 3H) 1.73-1.74(m, 2H)。
【0112】
以上、本発明の特定の部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとっては、このような具体的な記述はただ望ましい具現例に過ぎなく、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。従って、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とその等価物により定義されると言える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ジメチルアセトアミド(DMAC)またはN−メチルピロリドン(NMP)溶媒下でカルボキシル酸誘導体及びハロゲン化剤を反応して、アシッドハライド誘導体を得る段階と、
(b)前記アシッドハライド誘導体をアミン誘導体と反応して、アミド誘導体を生成させる段階と、
を含むアミド誘導体の製造方法。
【請求項2】
前記カルボキシル酸誘導体は、下記化学式22で表されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【化1】

(式中、Aは、単一結合、C1−4のアルキレン、ビニレン、プロペニレン、ブテニレンまたはブタジエニレンであり、Rは、直鎖または分岐鎖の置換または非置換のC1−10のアルキル、アルケニルまたはアルキニル、または置換または非置換のアリール、アルカリル、アラルキルまたはヘテロアリールである。)
【請求項3】
前記Aは、単一結合であり、Rは、直鎖または分岐鎖の置換または非置換のC1−10のアルキル、または下記化学式23で表されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【化2】

(式中、Xは、炭素または窒素原子であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、直鎖または分岐鎖の置換または非置換のC1−10のアルキル、または置換または非置換のアリールアルコキシである。
【請求項4】
前記ハロゲン化剤は、フッ素化剤、塩素化剤、臭素化剤またはヨード化剤であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ハロゲン化剤は、チオニルクロライド、オキサリルクロライド、フォスフォルスペンタクロライドまたはフォスフォルスオキシトリクロライドからなる群から選択される塩素化剤であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記塩素化剤は、1乃至1.2当量の範囲で使用されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記段階(b)は、前記段階(a)で得られたアシッドハライド誘導体を分離せずに行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アミン誘導体は、下記化学式24で表されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【化3】

(式中、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロまたは−COOR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−10アルキル)であり、Bは、4〜8員炭素環であるか、前記員の少なくとも一つは、酸素、窒素または硫黄原子であってよく、前記炭素環は、オキソ、チオキソ、またはヒドロキシ基により置換可能であって、Rは、Bが炭素環である場合にのみ存在して、Rは、
【化4】

または
【化5】

であって、Bが炭素環ではない場合、Bは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−COOR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−10アルキル)、−COR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−10アルキル)、または−X−CH−R(Xは、酸素または硫黄原子であり、Rは、
【化6】

または
【化7】

)であって、Uは、酸素または硫黄原子であり、m及びnは、1乃至10の整数であり、p及びqは、0〜10の整数であって、R10は、水素、または直鎖または分岐鎖のC1−6アルキルである。)
【請求項9】
前記化学式において、Rは、水素であり、Bは、4〜6員炭素環であるか、前記員の少なくとも一つは、酸素であってよく、前記炭素環は、オキソにより置換可能であって、Rは、Bが炭素環である場合にのみ存在して、Rは、
【化8】

であり、qは、0であって、Bが炭素環ではない場合、Bは、−COR(Rは、水素、または直鎖または分岐鎖のC1〜3アルキル)で表されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記段階(b)は、塩基条件下で行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記塩基は、トリエチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール、イミダゾールまたは3級C〜Cアルキルアミンであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アシッドハライド誘導体をアミン誘導体と反応させる段階以後に、反応生成物アミド誘導体に溶媒を加えて沈殿物を生成させて、前記沈殿物を精製する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記溶媒は、水、C〜Cのアルコール、アセトニトリル、アセトン、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン及びこれらの混合物からなる群から選択された溶媒であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記沈殿された反応生成物に溶媒を加えて加温還流させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記溶媒は、水、C〜Cのアルコール、アセトニトリル、アセトン及びこれらの混合物からなる群から選択された溶媒または前記溶媒と水の混合溶媒であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記カルボキシル酸誘導体は、下記化学式10で表されるベンゾ酸誘導体であり、前記アミン誘導体は、下記化学式12で表されるベンゾピランアミン誘導体であって、最終生成物であるアミド誘導体は、化学式1で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【化9】

【請求項17】
前記nは、4であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、化学式1のアミド誘導体を空気中に放置し、その水和物を生成させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2011−519916(P2011−519916A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508411(P2011−508411)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006838
【国際公開番号】WO2010/002075
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(510297222)ファーマコステック カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PHARMACOSTECH CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】91−20 Yongseong−ri,Samseong−myeon,Eumseong−gun,Chungcheongbuk−do 369−834 Republic of Korea
【Fターム(参考)】