説明

アミド誘導体及び医薬

優れたBCR−ABLチロシンキナーゼの阻害活性を有するアミド誘導体又はその塩を提供することにある。
本発明は、次の一般式[1]
【化8】


(Rは、次の(1)〜(4)の基のいずれかを表し、
(1)−CH−R11
(2)−O−R12
(3)−CH=R13
(4)N−アルキル−N−(ジアルキルアミノアルキル)アミノアルキル
は、ハロゲン又はハロアルキルを表し、Zは、炭素又は窒素を表す)で表されるアミド誘導体又はその医薬上許容される塩で構成される。
本発明化合物は、BCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミド誘導体又はその塩、及びアミド誘導体又はその塩を有効成分とする医薬組成物に関する。
BCR−ABLチロシンキナーゼ(例えば、非特許文献1参照。)は細胞の異常増殖を引き起こすが、その活性を阻害する化合物は、BCR−ABLチロシンキナーゼの活性が原因となっている疾患、例えば、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病の予防又は治療に有用である(例えば、非特許文献2参照。)。
【背景技術】
【0002】
bcrは第22染色体、ablは第9染色体に存在する遺伝子であり、この第22染色体と第9染色体の転座によりフィラデルフィア染色体が形成される。該染色体の遺伝子産物であるBCR−ABLは、チロシンキナーゼ活性を有するタンパク質であり、恒常的に増殖シグナルを出し、細胞の異常増殖を引き起こすことが知られている(例えば、非特許文献2参照。)。
従って、BCR−ABLチロシンキナーゼ活性を阻害することにより、該キナーゼが要因となって引き起こされる細胞の増殖を抑制することが可能であり、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病等の疾患治療に有効である。同作用を有する薬物としてグリベック(登録商標)(例えば、特許文献1参照。)が既に上市されているが、同じ作用機序を有する上市薬剤は他になく、より優れた医薬品の開発が望まれている。また、同作用を有する薬物が、特許文献1及び特許文献2に記載されている。
さらに近年、慢性骨髄性白血病の急性転化例やBCR−ABL陽性急性リンパ性白血病において、グリベックの投与により寛解の得られた患者の多くに再発が認められることが報告されている(例えば、非特許文献3参照。)。再発した患者の白血病細胞を調べたところ、E255K等の変異体の出現が認められている(例えば、非特許文献4〜7参照。)。さらにBCR−ABL陽性の急性リンパ性白血病患者に対するグリベックの投与例においても、E255Kを中心とした変異を示す耐性細胞の出現が認められている(例えば、非特許文献8参照。)。今後グリベックの使用が広まるにつれ、さらなる耐性患者の増加とそれに対する治療法確立が求められることになる。
【特許文献1】特開平6−87834号公報
【特許文献2】国際公開第02/22597号パンフレット
【非特許文献1】Shtivelman E,et al.:Nature,1985,315,550−554
【非特許文献2】Daley G Q,et al.:Science,1990,247,824−830
【非特許文献3】Druker B J,et al.:N.Engl.J.Med.,2001,344,1038−1042
【非特許文献4】Weisberg E,et al.:Drug Resist Updat,2001,4,22−28
【非特許文献5】Gorre M E,et al.:Science,2001,293,876−880
【非特許文献6】Blagosklonny M V:Leukemia,2002,16,570−572
【非特許文献7】Hochhaus A,et al.:Leukemia,2002,16,2190−2196
【非特許文献8】Hofmann W−K,et al.:blood,2002,99,1860−1862
【非特許文献9】Deninger W N,et al.:blood,2000,96,3343−3356
【非特許文献10】J.Am.Chem.Soc.,1999,121,4369−4378
【非特許文献11】Tetrahedron Lett.,1997,38,8005−8008
【非特許文献12】J.Med.Chem.,2002,45,3406−3417
【非特許文献13】J.Med.Chem.,2000,43,3895−3905
【非特許文献14】Khim.Geterotsikl.Soedim.,1981,(7),958−962
【非特許文献15】J.Am.Chem.Soc.,1972,94,6203
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、優れたBCR−ABLチロシンキナーゼの阻害活性を有する新規なアミド誘導体又はその医薬上許容される塩を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、種々の化合物について鋭意検討したところ、ある新規なアミド誘導体及びその医薬上許容される塩(以下、「本発明化合物」という)が上記目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
本発明として、次の一般式[1]で表されるアミド誘導体又はその医薬上許容される塩を挙げることができる。
【化1】

は、次の(1)〜(4)の基のいずれかを表す。
(1)−CH−R11〔R11は含窒素飽和ヘテロ環基を表す。かかる含窒素飽和ヘテロ環基は、1〜3個の同一又は異なるアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、含窒素飽和ヘテロ環基で置換されていてもよい。〕、
(2)−O−R12〔R12は含窒素飽和ヘテロ環基を表す。かかる含窒素飽和ヘテロ環基は、1〜3個の同一又は異なるアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、含窒素飽和ヘテロ環基で置換されていてもよい。〕、
(3)−CH=R13〔R13は含窒素飽和ヘテロ環基を表す。かかる含窒素飽和ヘテロ環基は、1〜3個の同一又は異なるアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、含窒素飽和ヘテロ環基で置換されていてもよい。〕、
(4)N−アルキル−N−(ジアルキルアミノアルキル)アミノアルキル又はジアルキルアミノアルコキシ
は、ハロゲン又はハロアルキルを表す。
Zは、炭素又は窒素を表す。
【0005】
上記の一般式[1]で表される化合物の中で好ましい化合物は、次の(1)〜(23)のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩である。
(1)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(2)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(3)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(4)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イリデンメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(5)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(6)4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(7)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]ベンズアミド
(8)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−((S)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(9)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(10)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(11)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−エチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(12)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(1−ピロリジニル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(13)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(14)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(R)−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(15)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(16)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−ピペラジニルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(17)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−((R)−3、4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(18)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−((R)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(19)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(20)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[3−(ジメチルアミノメチル)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(21)4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(22)4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(23)4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
【0006】
また、本発明としては、本発明化合物を有効成分として含有する医薬組成物、例えば、BCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤を挙げることができる。より具体的には、例えば、慢性骨髄性白血病治療剤、急性リンパ性白血病治療剤、急性骨髄性白血病治療剤としての医薬組成物を挙げることができる。
【0007】
本発明化合物は、BCR−ABLチロシンキナーゼの阻害活性を有し、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病等の疾患に対する治療薬又は予防薬として有用である(例えば、非特許文献9参照。)。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
「含窒素飽和ヘテロ環基」としては、環構成原子として、窒素原子を少なくとも1個有する4〜8員の飽和環基であり、さらに、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を、1個〜3個含んでいてもよい。環構成原子として窒素原子又は硫黄原子を有している場合、かかる窒素原子、硫黄原子はオキシドを形成してもよい。含窒素飽和ヘテロ環基の具体例としては、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、アゼチジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピニルが挙げられる。但し、R13の「含窒素飽和ヘテロ環基」は、R13と二重結合を介して結合する環構成原子及びその両隣の環構成原子が炭素原子のものに限られ、具体例として、−CH=R13が4−ピペリジリデンメチルを挙げることができる。
「アルキル」としては、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜10個のもの、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルが挙げられる。特に、直鎖状の炭素数1〜3のものが好ましい。
「ハロアルキル」、「ヒドロキシアルキル」、「アミノアルキル」、「モノアルキルアミノアルキル」、「ジアルキルアミノアルキル」、「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」、「N−アルキル−N−(ジアルキルアミノアルキル)アミノアルキル」及び「ジアルキルアミノアルコキシ」のアルキル部分としては、上記のアルキルが挙げられる。
「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
「ハロアルキル」には、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキルを含み、「ハロアルキル」のハロゲン部分としては、上記のハロゲンが挙げられる。「ハロアルキル」としては、例えば、フルオロメチル、2−フルオロエチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルが挙げられる。
「飽和環状アミノ基」としては、環構成原子として、窒素原子を少なくとも1個有する4〜8員の飽和環状アミノ基であり、さらに、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を、1個〜3個含んでいてもよい。環構成原子として窒素原子又は硫黄原子を有している場合、かかる窒素原子、硫黄原子はオキシドを形成してもよい。飽和環状アミノ基の具体例としては、1−ピロリジニル、ピペリジノ、1−ピペラジニル、1−アゼチジニル、モルホリノ、4−チオモルホリニル、ヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イルが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明化合物は、公知化合物又は容易に調製可能な中間体から、例えば下記の方法に従って製造することができる。本発明化合物の製造において、原料が反応に影響を及ぼす置換基を有する場合には、原料をあらかじめ公知の方法により適当な保護基で保護した後に反応を行うのが一般的である。保護基は、反応後に、公知の方法により脱離することができる。
【0010】
製法1
【化2】

〔式中、R、R、Zは、前記と同義である。〕

本反応は、化合物[2]と化合物[3]との縮合反応であって、それ故、縮合反応としてそれ自体公知の方法によって行うことができる。化合物[2]で表されるカルボン酸又はその反応性誘導体と、化合物[3]で表されるアミンを反応させることにより、化合物[1]を製造することができる。化合物[2]の反応性誘導体としては、例えば、酸ハライド(例えば、酸クロリド、酸ブロミド)、混合酸無水物、イミダゾリド等、アミド縮合形成反応に通常用いられるものを挙げることができる。カルボン酸[2]を用いる場合は、縮合剤(例えば、1,1’−オキサリルジイミダゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、シアノホスホン酸ジエチル、ジフェニルホスホリルアジド、よう化 2−クロロ−1−メチルピリジニウム、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート)が使用され、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンの有機塩基)の存在又は非存在下に、−20〜100℃の範囲で反応を行う。使用される溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。この際、添加剤(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシコハク酸イミド等)を加えることもできる。反応時間は、原料及び縮合剤の種類、反応温度等によって異なるが、通常、30分〜24時間の範囲が適当である。化合物[2]及び縮合剤の使用量は、化合物[3]に対して1〜3倍モル量が好ましい。化合物[2]の反応性誘導体として、例えば酸ハライドを用いる場合は、ピリジン、4−メチルピリジンなどのピリジン系溶媒又は前記と同じ塩基と溶媒を使用し、−20〜100℃の範囲で反応を行う。また、添加物として、例えば4−(ジメチルアミノ)ピリジンを加えることもできる。反応時間は、使用する酸ハライドの種類、反応温度によって異なるが、通常、30分〜24時間の範囲が適当である。
【0011】
製法1で用いる原料化合物[2]の製法
原料化合物である化合物[2]は、例えば参考例2及び9に記載の方法により製造することができる。
【0012】
製法1で用いる原料化合物[3]の製法
原料化合物[3]が下記化合物[3a]の場合は、例えば次の方法に従って製造することができる。
【化3】

[式中、Rは前記と同義である。R15は含窒素飽和へテロ環基又はジアルキルアミノアルキルを表す。Xはハロゲンを表す。]

工程1
ハロゲン化アリール[4]とアルコール[5]とのエーテル結合形成反応によって化合物[6]を製造することができる。本反応は、化合物[4]とアルコール類の求核置換反応であり、公知の方法によって行うことができる。本反応は、適当な溶媒中、塩基の存在下で行うことができる。使用される好適な塩基としては、通常使用される任意の塩基性物質(例えば、ピリジン、トリエチルアミン)、アルカリ金属のアルコキシド(例えば、カリウムt−ブトキシド)、金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム)、無機塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を挙げることができる。使用される溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。反応温度は、通常、−78〜200℃の範囲で行われ、反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常、30分〜24時間の範囲が適当である。またこの種の置換反応では銅粉、ハロゲン化銅(I)あるいは銅アルコキシドが触媒となる。別法としてA.Aranyosらあるいは、G.Mannらのパラジウム触媒を用いた方法(例えば、非特許文献10、11参照。)を用い、ハロゲン化アリール[4]とアルコール[5]から化合物[6]を製造することができる。
工程2
本反応は、化合物[6]の芳香族ニトロ基のアミノ基への還元反応であり、それ故、還元反応としてそれ自体公知の方法によって行われる。反応は、酸性条件下で亜鉛や塩化スズ(II)を用いる方法がある。また接触還元法としては、例えば白金、ラネーニッケル、白金−炭素(Pt−C)、パラジウム−炭素(Pd−C)、ルテニウム錯体などを触媒として水素化することができる。その他、亜ジチオン酸ナトリウムなどの硫化物を用いる方法や、金属触媒下、ギ酸アンモニウム、ヒドラジンなどで還元する方法もある。
【0013】
原料化合物[3]が下記化合物[3b]の場合は、例えば次の方法に従って製造することができる。
【化4】

〔式中、R及びR13は前記と同義である。Qはトリアリールホスホニウムハライド塩又はジアルコキシホスホリルを表す。〕

工程1
本反応は、有機リン化合物[7]と化合物[8]とのWittig反応又はHorner−Emmons反応であって、それ故、Wittig反応又はHorner−Emmons反応としてそれ自体公知の方法によって行うことができる。反応は、適当な溶媒中、塩基の存在下、−78〜150℃の範囲で行うことができる。使用される塩基は、例えば、n−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、ナトリウムエトキシド、カリウム t−ブトキシド、リチウム ジイソプロピルアミドなどを挙げることができる。使用される溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。反応時間は、原料及び縮合剤の種類、反応温度等によって異なるが、通常、30分〜24時間の範囲が適当である。
原料化合物である化合物[7]はアルキル(トリアリール)ホスホニウム ハライド塩、又はアルキル(ジアルコキシ)ホスホリルであり、各々例えば非特許文献12、13に記載の方法に準じて、製造することができる。
工程2
本反応は、化合物[9a]の芳香族ニトロ基のアミノ基への還元反応であり、それ故、還元反応としてそれ自体公知の方法によって行うことができる。反応は、例えば酸性条件下で亜鉛や塩化スズ(II)を用いる方法がある。
【0014】
原料化合物[3]が下記化合物[3d]の場合は、例えば次の方法に従って製造することができる。
【化5】

〔式中、R及びR11は前記と同義である。〕

化合物[3d]は、化合物[3c]の二重結合を還元することによって、製造することができる。本反応は二重結合の還元反応としてそれ自体公知の方法によって行われる。また化合物[3d]は、化合物[9b]のニトロ基と二重結合を1工程で還元することによっても製造することができる。具体的な方法としては、例えば白金、ラネーニッケル、白金−炭素(Pt−C)、パラジウム−炭素(Pd−C)、ルテニウム錯体などを触媒として水素化する接触還元法が挙げられる。また金属触媒下、ギ酸アンモニウム、ヒドラジンなどで還元する方法もある。
【0015】
また、原料化合物[3]が化合物[3e]の場合は、例えば次の方法によっても製造することができる。
【化6】

[式中、Rは前記と同義である。R14は飽和環状アミノ基、N−アルキル−N−(ジアルキルアミノアルキル)アミノアルキル又はジアルキルアミノアルコキシを表す。XはCl、Br、I、p−トルエンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキシ等の脱離基を表す。〕

工程1
化合物[10](例えば、参考例5(工程1〜3)、参考例6に記載の方法に準じて製造することができる。)と化合物[11]の縮合反応により、化合物[12]を製造することができる。本反応は、化合物[10]とアミン類の求核置換反応であり、公知の方法によって行うことができる。本反応は、適当な溶媒中、過剰のアミンを用いるか、又は塩基の存在下で行うことができる。使用される好適な塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等を挙げることができる。使用される溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、水、又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。反応温度は、通常、0〜100℃の範囲で行われ、反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常、30分〜24時間の範囲が適当である。
工程2
本反応は、化合物[12]の芳香族ニトロ基のアミノ基への還元反応であり、それ故、還元反応としてそれ自体公知の方法によって行うことができる。具体的な反応条件は前述の通りである。
【0016】
本発明にかかるアミド誘導体は遊離の塩基のまま医薬として用いることができるが、公知の方法により医薬上許容される塩の形にして用いることもできる。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸などの鉱酸の塩、酢酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸の塩などを挙げることができる。
例えば、本発明にかかるアミド誘導体の塩酸塩は、本発明にかかるアミド誘導体を塩化水素のアルコール溶液、酢酸エチル溶液又はエーテル系溶液に溶解することにより得ることができる。
【0017】
本発明化合物は、後記の試験例に示すように、特許文献1に具体的に開示されているピリミジン誘導体に比して、BCR−ABLチロシンキナーゼの阻害活性が高い。このことから、本発明化合物は、BCR−ABLチロシンキナーゼが関与する疾患、例えば、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、等の予防又は治療剤として有用である。
本発明化合物を医薬として投与する場合、本発明化合物は、そのまま又は医薬上許容され得る無毒性かつ不活性の担体中に、例えば 0.1〜99.5%、好ましくは 0.5〜90%を含有する医薬組成物として、人を含む哺乳動物に投与することができる。
担体としては、固形、半固形又は液状の希釈剤、充填剤及びその他の処方用の助剤一種以上が用いられる。医薬組成物は、投与単位形態で投与することが望ましい。本発明にかかる医薬組成物は、静脈内投与、経口投与、組織内投与、局所投与(経皮投与など)又は経直腸的に投与することができる。これらの投与方法に適した剤型で投与されるのはもちろんである。経口投与が特に好ましい。
BCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤又は慢性骨髄性白血病治療剤としての用量は、病気の性質と程度、年齢、体重などの患者の状態、投与経路などを考慮した上で設定することが望ましいが、通常は、成人に対して本発明化合物の有効成分量として、1日あたり、0.1〜1000mg/ヒトの範囲、好ましくは 1〜500mg/ヒトの範囲が一般的である。
場合によっては、これ以下で足りるし、また逆にこれ以上の用量を必要とすることもある。また1日2〜3回に分割して投与することもできる。
【実施例】
【0018】
以下に参考例、実施例、試験例及び製剤例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0019】
参考例1
3−(ジメチルアミノ)−1−(5−ピリミジニル)−2−プロペン−1−オン
5−アセチルピリミジン(例えば、非特許文献14参照。)1.54gにN,N−ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール6.01gを添加し、15時間加熱還流した。反応液を放冷後、少量のジイソプロピルエーテルを加えて析出晶を濾取し、目的化合物1.52gを赤褐色結晶として得た。
融点133〜135℃

参考例2
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸
工程1
3−グアニジノ−4−メチル安息香酸エチル
3−アミノ−4−メチル安息香酸エチル10.00gのエタノール40mL溶液に室温攪拌下、水10mLと濃塩酸15.51gを加え、設定70℃の油浴で加温した。シアナミド9.38gの水9mL溶液を約4分の1ほど5分間で滴下し、1時間加熱攪拌した。さらに残りのシアナミド水溶液も同様の操作で3回に分けて滴下し、加熱攪拌した。濃塩酸5.81gを添加し、上記と同様の操作でシアナミド4.69gの水5mL溶液を2回に分けて滴下した後、さらに濃塩酸1.86gを添加し、シアナミド1.86gの水2mL水溶液を滴下し、1時間加熱攪拌した。一晩室温で放置した後、再び、設定70℃の油浴で加温し、シアナミド9.38gの水9mL溶液を上記と同様の操作で4回に分けて滴下し、加熱攪拌した。反応液を氷冷し、15%水酸化ナトリウム水溶液にて中和し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えアルカリ性とした。析出した結晶を濾取し、水、エタノールで順次洗浄後、減圧乾燥し、目的化合物11.81gを無色結晶として得た。
融点 154〜157℃(分解)
工程2
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸エチル
工程1で得られた3−グアニジノ−4−メチル安息香酸エチル11.00gおよび3−(ジメチルアミノ)−1−(5−ピリミジニル)−2−プロペン−1−オン(参考例1)8.81gに2−メトキシエタノール40mLを加え、1.5時間加熱還流した。反応液を放冷し、イソプロパノール80mLを加え、結晶を濾取した。イソプロパノール、ジエチルエーテルで順次洗浄後、減圧乾燥し、目的化合物9.26gを乳白色結晶として得た。
融点 158〜160℃
工程3
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸
工程2で得られた4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸エチル9.18gのメタノール50mL懸濁液に、1N水酸化ナトリウム水溶液50mLを加えた。3時間加熱還流後、反応液を放冷し、水を加え均一溶液とした。酢酸エチルで洗浄後、水層を1N塩酸50mLで中和し、析出した結晶を濾取した。アセトンで洗浄後、減圧乾燥し、目的化合物7.99gを淡黄色結晶として得た。
融点 >300℃

参考例3
4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エチル
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸85.00gのエタノール850mL懸濁液に濃硫酸24.4mLを添加して、22時間加熱還流した。溶媒を減圧留去後、残渣に氷水を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、目的化合物89.77gを淡黄色油状物として得た。
工程2
4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル安息香酸エチル
工程1で得られた4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エチル80.00gを四塩化炭素1000mLに溶解し、N−ブロモコハク酸イミド57.10g、過酸化ベンゾイル64mgを添加して、白熱灯(1500W)照射下、6時間加熱還流した。不溶物を濾去後、濾液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、4−(ブロモメチル)−3−トリフルオロメチル安息香酸エチルの粗生成物104.97gを淡黄色油状物として得た。アルゴン雰囲気下、得られた油状物80.00gを乾燥テトラヒドロフラン800mLに溶解し、炭酸カリウム35.24gを添加して室温攪拌下、N−メチルピペラジン18.73gの乾燥テトラヒドロフラン100mL溶液を30分かけて滴下した。室温で8時間攪拌後、不溶物を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物55.18gを黄褐色油状物として得た。
工程3
4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル安息香酸 二塩酸塩
工程2で得られた4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル安息香酸エチル55.16gをメタノール1100mLに溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液251mLを添加して、1時間加熱還流した。溶媒をほとんど減圧留去後、残渣を水400mLに溶解し、ジエチルエーテルで洗浄した。水層は濃塩酸で酸性(pH3)とし、結晶が析出するまで水を減圧濃縮した。室温で静置、結晶を濾取後、減圧乾燥し、目的化合物26.97gを微褐色結晶として得た。
融点 233〜238℃(分解)
工程4
N−(t−ブトキシカルボニル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程3で得られた4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル安息香酸 二塩酸塩3.00gおよびトリエチルアミン2.43gにt−ブタノール60mLを加え、室温攪拌下、ジフェニルホスホリルアジド2.64gを添加した(例えば、非特許文献15参照。)。6.5時間加熱還流後、反応液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物1.57gを無色結晶として得た。
工程5
4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程4で得られたN−(t−ブトキシカルボニル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン1.57gに、塩酸−メタノール(Reagent 10、東京化成)40mLを加え、1時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、目的化合物1.10gを微黄色結晶として得た。
融点 107〜112℃

参考例4
4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−1−ニトロ−3−トリフルオロメチルベンゼン
カリウムt−ブトキシド4.03gを無水テトラヒドロフラン35mLに懸濁し、氷水冷下で攪拌しながら、1−メチル−4−ヒドロキシピペリジン4.13gの無水テトラヒドロフラン溶液15mLを20分かけて滴下し、さらに20分攪拌した。一方、アルゴン雰囲気下、4−フルオロ−1−ニトロ−3−トリフルオロメチルベンゼン5.00gを無水テトラヒドロフラン50mLに溶解し、ドライアイス−アセトン浴で冷却攪拌しながら、先に調製した溶液を内温−65℃以下で滴下した。1時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温まで昇温した。減圧濃縮し、残留物に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物4.84gを淡黄色結晶として得た。
融点 57〜59℃
工程2
4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1で得られた4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−1−ニトロ−3−トリフルオロメチルベンゼン4.53gをメタノール45mLに懸濁し、10%パラジウム炭素0.45gを添加して、30℃、3atmで3時間水素添加した。触媒を濾別後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物3.87gを無色結晶として得た。
融点 75〜78℃

参考例5
4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
硝酸4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジル
発煙硝酸18mLに濃硫酸14.4mLを添加し、室温攪拌下、2−トリフルオロメチルベンジルアルコール24.85gを1時間かけて滴下した。1.5時間攪拌後、反応液を氷水中に少量ずつ注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗結晶をn−ヘキサンで洗浄後、濾取し、減圧乾燥した。目的化合物15.74gを黄色結晶として得た。
融点 43.1℃
工程2
4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルアルコール
工程1で得られた硝酸4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジル14.42gをメタノール144mLに溶解し、室温攪拌下、トリエチルアミン9.1mLを滴下した。30分攪拌後、反応液を氷冷し、水素化ほう素ナトリウム2.46gを10回に分けて添加した。氷水冷下10分攪拌後、メタノールを減圧下留去し、残留物に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。希塩酸、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。目的化合物11.55gを淡黄色結晶として得た。
融点 75.7℃
工程3
4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルクロリド
工程2で得られた4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルアルコール6.00gのジクロロメタン60mL溶液にトリエチルアミン4.9mLを添加し、氷水冷攪拌下、塩化メタンスルホニル2.5mLのジクロロメタン10mL溶液を滴下した。氷浴を外し、室温で15時間攪拌後、ジクロロメタンを減圧下留去し、残留物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。10%クエン酸、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。目的化合物6.66gを橙色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:4.82(2H,s),7.93(1H,d),8.45(1H,dd),8.56(1H,d)
工程4
1−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
工程3で得られた4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルクロリド10.00gの無水テトラヒドロフラン100mL溶液によう化ナトリウム6.42gと炭酸カリウムを添加し、室温攪拌下、(S)−(−)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン5.13gの無水テトラヒドロフラン50mL溶液を滴下した。室温で20時間攪拌後、不溶物を濾別し、濾液は減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物8.72gを橙色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.70−2.15(2H,m),2.22(6H,s),2.45−2.90(5H,m),3.87(2H,s),8.08(1H,d),8.37(1H,dd),8.50(1H,d)
工程5
4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程4で得られた1−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン5.00gのメタノール150mL溶液に10%パラジウム炭素1.50gとギ酸アンモニウム9.94gを添加し、室温で5分攪拌した。触媒を濾別し、濾液は減圧濃縮した。残留物に水と酢酸エチルを加え分液し、酢酸エチル層は0.2N塩酸100mLで抽出した。水層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、アルカリ性とした後、酢酸エチルで2回抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、目的化合物3.89gを淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.60−2.10(2H,m),2.20(6H,s),2.30−2.80(5H,m),3.63(2H,s),3.75(2H,br),6.79(1H,dd),6.91(1H,d),7.47(1H,d)
【0020】
参考例6
4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルブロミド
4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルアルコール(参考例5、工程2)3.10gとトリフェニルホスフィン4.77gのジクロロメタン50mL溶液に、氷水冷攪拌下、四臭化炭素5.57gを少量ずつ添加した。1.5時間攪拌後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物3.68gを微黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:4.67(2H,s),7.84(1H,d),8.42(1H,dd),8.54(1H,d)

参考例7
4−(1−メチルピペリジン−4−イリデンメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジル)ホスホン酸ジエチル
4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルブロミド(参考例6)3.65gと亜りん酸トリエチル10.67gの混合物を120℃で1時間加熱攪拌した。トルエンを加え、亜りん酸トリエチルを共沸除去する操作を3回繰り返した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物1.69gを黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.27(6H,t),3.45(2H,d),4.10(4H,d),7.92(1H,dd),8.37(1H,dd),8.55(1H,s)
工程2
4−(1−メチルピペリジン−4−イリデンメチル)−1−ニトロ−3−トリフルオロメチルベンゼン
60%水素化ナトリウム48mgの1,2−ジメトキシエタン1mL懸濁液に、工程1で得られた(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジル)ホスホン酸ジエチル341mgと1−メチル−4−ピペリドン113mgの1,2−ジメトキシエタン2mL溶液を滴下した。室温で23時間攪拌後、反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物115mgを橙色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.20−2.60(8H,m),2.30(3H,s),6.47(1H,s),7.45(1H,d),8.34(1H,dd),8.54(1H,d)
工程3
4−(1−メチルピペリジン−4−イリデンメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程2で得られた4−(1−メチルピペリジン−4−イリデンメチル)−1−ニトロ−3−トリフルオロメチルベンゼン110mgに濃塩酸1mLを添加し、55℃で攪拌しながら塩化スズ(II)二水和物413mgの濃塩酸1mL溶液を加えた。徐々に100℃まで昇温し、100℃で15分加熱攪拌した。反応液を放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でアルカリ性とした。酢酸エチルを加えて、しばらく攪拌し、不溶物を濾別後、有機層を分取した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、目的化合物106mgを橙色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.20−2.55(8H,m),2.29(3H,s),3.78(2H,br),6.32(1H,s),6.75(1H,dd),6.94(1H,d), 7.00(1H,d)

参考例8
4−(1−メチルピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
1−メチル−4−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチルベンジリデン)ピペリジン(参考例7、工程2)260mgのメタノール5mL溶液に、10%パラジウム炭素26mgを添加し、室温、3atmで7時間水素添加した。触媒を濾別後、溶媒を減圧留去し、目的化合物239mgを微黄色結晶として得た。
融点 99〜103℃

参考例9
4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸
工程1
3−(ジメチルアミノ)−1−(3−ピリジル)−2−プロペン−1−オン
3−アセチルピリジン10.00gにN,N−ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール10.82gを添加し、2時間加熱攪拌した。反応液を放冷後、ジイソプロピルエーテルを加えて析出晶を濾取し、目的化合物11.93gを橙色結晶として得た。
融点76〜80℃
工程2
4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸エチル
3−グアニジノ−4−メチル安息香酸エチル(参考例2、工程1)0.75gおよび工程1で得られた3−(ジメチルアミノ)−1−(3−ピリジル)−2−プロペン−1−オン0.60gに2−メトキシエタノール3mLを加え、2時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物580mgを微黄色結晶として得た。
融点 95〜97℃
工程3
4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸
工程2で得られた4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸エチル541mgのメタノール3mL溶液に、1N水酸化ナトリウム水溶液3mLを加えた。3時間加熱還流後、溶媒を減圧留去し、水を加え均一溶液とした。ジエチルエーテルで洗浄後、水層を1N塩酸3mLで中和し、析出した固体を濾取した。アセトンで洗浄後、減圧乾燥し、目的化合物481mgを淡黄色粉末として得た。
融点 280〜281℃

参考例10
3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)アニリン
工程1
3−ブロモ−4−メチル安息香酸エチル
3−ブロモ−4−メチル安息香酸10.00gをエタノール100mLに懸濁し、濃硫酸2.7mLを添加して22時間加熱還流した。溶媒を減圧留去後、残渣に氷水を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和(pH8)した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、目的化合物10.99gを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.39(3H,t),2.45(3H,s),4.37(2H,q),7.29(1H,dd),7.87(1H,dd),8.20(1H,d)
工程2
3−ブロモ−4−(ブロモメチル)安息香酸エチル
工程1で得られた3−ブロモ−4−メチル安息香酸エチル10.00gを四塩化炭素125mLに溶解し、N−ブロモコハク酸イミド6.83g、過酸化ベンゾイル80mgを添加して、白熱灯(1500W)照射下、8時間加熱還流した。不溶物を濾去後、濾液をジクロロメタン500mLで希釈した。水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、目的の粗生成物13.02gを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.40(3H,t),2.45(3H,s),4.37(2H,q),4.60(2H,s),7.52(1H,d),7.96(1H,dd),8.24(1H,d)
工程3
3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)安息香酸エチル
工程2で得られた3−ブロモ−4−(ブロモメチル)安息香酸エチル11.40gを無水テトラヒドロフラン114mLに溶解し、炭酸水素カリウム5.3gを添加後、アルゴン雰囲気下、室温で攪拌しながらN−メチルピペラジン2.86gのテトラヒドロフラン溶液10mLを10分かけて滴下した。室温で4時間攪拌後、不溶物を濾去し、濾液の溶媒を減圧下に留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物7.53gを黄褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.39(3H,t),2.30(3H,s),2.48(4H,br),2.57(4H,br),3.63(2H,s),4.38(2H,q),7.57(1H,d),7.94(1H,dd),8.20(1H,d)
工程4
3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)安息香酸
工程3で得られた3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)安息香酸エチル5.57gをメタノール50mLに溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液25mLを添加して、2時間加熱還流した。反応液を放冷し、1N塩酸25mLで中和後、溶媒を減圧留去した。残留物を減圧乾燥し、メタノール200mLを加え、加熱した。不溶物を濾別し、メタノールを減圧留去後、粉末を濾取した。ジエチルエーテルで洗浄後、減圧乾燥し、目的化合物4.54gを無色粉末として得た。
工程5
3−ブロモ−N−(t−ブトキシカルボニル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)アニリン
参考例3(工程4)と同様の方法で、工程4で得られた3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)安息香酸を用いて製造した。
無色結晶 融点 130〜132℃
工程6
3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)アニリン
参考例3(工程5)と同様の方法で、工程5で得られた3−ブロモ−N−(t−ブトキシカルボニル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)アニリンを用いて製造した。
無色結晶 融点 126〜130℃
【0021】
参考例11
4−((S)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジン
(S)−(+)−2−メチルピペラジン2.12gとトリエチルアミン3mLをクロロホルム40mLに溶解し、氷水冷攪拌下、塩化ベンジルオキシカルボニル3.02gを添加した。室温で22時間攪拌後、反応液を1N塩酸で抽出し、抽出液は10%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とした。酢酸エチルで抽出後、水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、目的化合物2.01gを無色油状物として得た。
工程2
(S)−4−ベンジルオキシカルボニル−1,2−ジメチルピペラジン
工程1で得られた(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジン1.71g、37%ホルムアルデヒド水溶液1.19gおよび酢酸2.8mLのメタノール28mL溶液を氷冷し、トリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム3.12gを3回に分けて加えた。4時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で弱アルカリ性とし、酢酸エチルで2回抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物1.31gを橙色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.06(3H,d),1.90−2.30(2H,m),2.28(3H,s),2.52−2.85(2H,m),2.95−3.15(1H,m),3.80−4.10(2H,m),5.13(2H,s),7.26−7.38(5H,m)
工程3
(S)−1,2−ジメチルピペラジン
工程2で得られた(S)−4−ベンジルオキシカルボニル−1,2−ジメチルピペラジン600mgのメタノール6mL溶液に、10%パラジウム炭素60mgを添加し、室温攪拌下、常圧で7時間水素添加した。触媒を濾別後、溶媒を減圧留去し、目的化合物200mgを橙色油状物として得た。
工程4
(S)−1,2−ジメチル−4−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン
4−ニトロ−3−トリフルオロメチルベンジルブロミド(参考例6)400mgを無水テトラヒドロフラン4mLに溶解し、炭酸水素カリウム292mgを添加後、アルゴン雰囲気下、室温で攪拌しながら、工程3で得られた(S)−1,2−ジメチルピペラジン195mgのテトラヒドロフラン溶液2mLを10分かけて滴下した。室温で84時間攪拌後、不溶物を濾去し、濾液の溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物363mgを淡橙色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.04(3H,d),1.98−2.46(4H,m),2.31(3H,s),2.59−2.82(3H,m),3.72(2H,s),8.11(1H,d),8.38(1H,dd),8.51(1H,d)
工程5
4−((S)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程4で得られた(S)−1,2−ジメチル−4−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン354mgのメタノール10mL溶液に、10%パラジウム炭素80mgとギ酸アンモニウム690mgを添加し、室温で30分攪拌した。さらに10%パラジウム炭素80mgを添加し、20分攪拌後、触媒を濾別し、溶媒を減圧留去した。残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物193mgを無色結晶として得た。
融点 101〜103℃

参考例12
4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン143mgの無水テトラヒドロフラン2mL溶液に炭酸カリウム276mgを添加し、室温攪拌下、4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルブロミド(参考例6)284mgの無水テトラヒドロフラン3mL溶液を滴下した。室温で18時間攪拌後、不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物330mgを黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.56−2.60(10H,m),3.62(2H,t),3.76(2H,s),8.10(1H,d),8.38(1H,dd),8.51(1H,d)
工程2
4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1で得られた1−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル] −4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン330mgのメタノール9mL溶液に10%パラジウム炭素60mgおよびギ酸アンモニウム0.62gを加え、室温下10分攪拌した。不溶物を濾別し濾液を減圧濃縮した。残留物に水を加え、1N塩酸5mLを加え酢酸エチルで洗浄した。水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し目的化合物250mgを淡黄色粉末として得た。
融点 115〜117℃

参考例13
4−[N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−[N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
参考例12(工程1)と同様の方法で、N,N,N’−トリメチルプロパンジアミンを用いて製造し、目的化合物190mgを褐色アモルファス得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.68−1.80(2H,m),2.23(3H,s),2.28(6H,s),2.38(2H,t),2.49(2H,t),3.73(2H,s),8.11(1H,d),8.38(1H,dd),8.49(1H,d)
工程2
4−[N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程1で得られた1−[N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて反応、後処理し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物57mgを黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.61−1.71(2H,m),2.17(3H,s),2.22(6H,s),2.29(2H,t),2.40(2H,t),3.50(2H,s),3.76(2H,s),6.80(1H,dd),6.91(1H,d),7.49(1H,d)

参考例14
4−(4−エチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−(4−エチルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
1−エチルピペラジン126mgの無水テトラヒドロフラン2mL溶液に炭酸カリウム276mgを添加し、室温攪拌下、4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルブロミド(参考例6)284mgの無水テトラヒドロフラン3mL溶液を滴下した。室温で5.5時間攪拌後、不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物に水、1N塩酸3mLを加え、酢酸エチルにて洗浄した。水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し目的化合物310mgを黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.10(3H,t),2.39−2.54(10H,m),3.75(2H,s),8.11(1H,d),8.40(1H,dd),8.50(1H,d)
工程2
4−(4−エチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程1で得られた1−(4−エチルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物240mgを淡褐色粉末として得た。
融点 107〜109℃

参考例15
4−[(S)−3−(1−ピロリジル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−[(S)−3−(1−ピロリジル)ピロリジン−1−イルメチル] −4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
参考例14(工程1)と同様の方法で、(S)−3−(1−ピロリジル)ピロリジン塩酸塩を用いて製造し、目的化合物0.28gを黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.79−1.93(6H,m),2.49−2.90(8H,m),3.89(2H,t),8.10(1H,d),8.37(1H,dd),8.50(1H,d)
工程2
4−[(S)−3−(1−ピロリジル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程1で得られた1−[(S)−3−(1−ピロリジル)ピロリジン−1−イルメチル] −4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物220mgを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.75−1.86(6H,m),1.93−2.10(1H,m),2.41−2.56(6H,m),2.71−2.83(2H,m),3.65(2H,s),3.75(2H,s),6.79(1H,dd),6.90(1H,d),7.48(1H,d)
【0022】
参考例16
4−[N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−[N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルアミノメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
参考例14(工程1)と同様の方法で、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミンを用いて製造し目的化合物0.26gを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.24(6H,s),2.29(3H,s),2.41−2.61(4H,m),3.78(2H,s),8.16(1H,d),8.38(1H,dd),8.50(1H,d)
工程2
4−[N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程1で得られた1−[N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルアミノメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物160mgを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.21(9H,s),2.39−2.52(4H,m),3.53(2H,s),3.76(2H,s),6.80(1H,dd),6.91(1H,d),7.52(1H,d)

参考例17
4−[(R)−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
(S)−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン 二塩酸塩
(R)−1−t−ブトキシカルボニル−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン0.65gに4N塩酸−酢酸エチル溶液6mLを加え、室温下1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、目的化合物0.50gを淡黄色アモルファスとして得た。
工程2
1−[(R)−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
参考例14(工程1)と同様の方法で、工程1で得られた(S)−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン 二塩酸塩を用いて製造し目的化合物250mgを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.49−1.59(1H,m),1.94−2.11(1H,m),2.22(6H,s),2.25−2.57(4H,m),2.60−2.80(3H,m),3.86(2H,s),8.08(1H,d),8.37(1H,dd),8.49(1H,d)
工程3
4−[(R)−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程2で得られた1−[(R)−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物210mgを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.38−1.52(1H,m),1.90−2.07(1H,m),2.21(6H,s),2.21−2.80(7H,m),3.63(2H,s),3.75(2H,s),6.79(1H,dd),6.90(1H,d),7.47(1H,d)

参考例18
4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
3−(ジメチルアミノ)アゼチジン 二塩酸塩
1−t−ブトキシカルボニル−3−(ジメチルアミノ)アゼチジン300mgに4N塩酸−酢酸エチル溶液3mLを加え、室温下1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、目的化合物260mgを淡黄色アモルファスとして得た。
工程2
4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチル−1−ニトロベンゼン
参考例14(工程1)と同様の方法で、工程1で得られた3−(ジメチルアミノ)アゼチジン 二塩酸塩を用いて製造し目的化合物170mgを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.14(6H,s),2.94−3.05(3H,m),3.57(2H,t),3.92(2H,s),7.97(1H,d),8.37(1H,dd),8.49(1H,d)
工程3
4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程2で得られた4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチル−1−ニトロベンゼンを用いて製造し、目的化合物140mgを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.11(6H,s),2.87−2.95(3H,m),3.49−3.54(2H,m),3.69(2H,s),3.76(2H,s),6.78(1H,dd),6.91(1H,d),7.36(1H,d)

参考例19
4−(4−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
4−ニトロ−1−(1−ピペラジニルメチル)−2−トリフルオロメチルベンゼン
ピペラジン431mgの無水テトラヒドロフラン7mL溶液に4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルブロミド(参考例6)284mgの無水テトラヒドロフラン3mL溶液を滴下した。室温で45分攪拌後、不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物に酢酸エチルを加え水にて3回洗浄した。酢酸エチル層に1N塩酸5mLを加え、水にて抽出した。水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、目的化合物250mgを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.47(4H,t),2.93(4H,t),3.73(2H,s),8.13(1H,d),8.38(1H,dd),8.51(1H,d)
工程2
1−(4−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
工程1で得られた4−ニトロ−1−(1−ピペラジニルメチル)−2−トリフルオロメチルベンゼン250mgの無水テトラヒドロフラン5mL溶液に二炭酸ジ−t−ブチル210mgの無水テトラヒドロフラン3mL溶液を滴下し室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物330mgを淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.49(9H,s),2.45(4H,t),3.47(4H,t),3.75(2H,s),8.12(1H,d),8.39(1H,dd),8.52(1H,d)
工程3
4−(4−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程2で得られた1−(4−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物270mgを淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.46(9H,s),2.38(4H,t),3.42(4H,t),3.53(2H,s),3.79(2H,s),6.80(1H,dd),6.92(1H,d),7.48(1H,d)

参考例20
4−((R)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−((R)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
(R)−3−メチルピペラジン501mgの無水テトラヒドロフラン15mL溶液に4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルブロミド(参考例6)568mgの無水テトラヒドロフラン5mL溶液を氷冷下滴下した。室温で2時間攪拌後、不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物に酢酸エチルを加え水にて3回洗浄した。酢酸エチル層に1N塩酸10mLを加え、水にて抽出した。水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、目的化合物580mgを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.04(3H,d),1.84(1H,t),2.13−2.24(1H,m),2.70(2H,d),2.87−3.00(3H,m),3.72(2H,s),8.12(1H,d),8.39(1H,dd),8.52(1H,d)
工程2
1−((R)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
工程1で得られた1−((R)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン380mgのメタノール7.5mL溶液に酢酸1.43mL、36%ホルムアルデヒド水溶液1.05mL、トリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム0.80gを加え室温で5時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。酢酸エチル層を水にて洗浄し、1N塩酸10mLを加え、水にて抽出した。水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、目的化合物380mgを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.04(3H,d),2.03(1H,t),2.31(3H,s),2.28−2.46(2H,m),2.59−2.81(3H,m),3.72(2H,s),8.11(1H,d),8.38(1H,dd),8.51(1H,d)
工程3
4−((R)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程2で得られた1−((R)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物280mgを淡褐色粉末として得た。
融点 95〜97℃
【0023】
参考例21
4−[(R)−(4−t−ブトキシカルボニル)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−[(R)−(4−t−ブトキシカルボニル)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
1−((R)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン200mgの無水テトラヒドロフラン5mL溶液に二炭酸ジ−t−ブチル160mgの無水テトラヒドロフラン2mL溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物250mgを淡褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.28(3H,d),1.47(9H,s),2.11−2.35(2H,m),2.55(1H,d),2.73(1H,d),3.15(1H,dt),3.71(2H,s),3.86(1H,d),4.18−4.28(1H,m),8.12(1H,d),8.40(1H,dd),8.52(1H,d)
工程2
4−[(R)−(4−t−ブトキシカルボニル)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程1で得られた1−[(R)−(4−t−ブトキシカルボニル)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物190mgを淡褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.22(3H,d),1.62(9H,s),1.94−2.20(2H,m),2.56(1H,d),2.71(1H,dd),3.08(1H,dt),3.47(2H,s),3.78(3H,br),4.10−4.18(1H,m),6.80(1H,dd),6.92(1H,d),7.48(1H,d)

参考例22
4−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
参考例14(工程1)と同様の方法で、4−(ジメチルアミノ)ピペリジンを用いて製造し、目的化合物270mgを黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.59(2H,dt),1.84(2H,d),2.05−2.20(3H,m),2.30(6H,s),2.87(2H,d),3.72(2H,s),8.13(1H,d),8.39(1H,dd),8.50(1H,d)
工程2
4−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程1で得られた1−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物190mgを淡黄色粉末として得た。
融点 99〜101℃

参考例23
4−[3−(ジメチルアミノメチル)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−t−ブトキシカルボニル−3−(ジメチルアミノメチル)アゼチジン
1−t−ブトキシカルボニル−3−(アミノメチル)アゼチジン520mgのメタノール10mL溶液に酢酸3.2mL、36%ホルムアルデヒド水溶液2.33mL、トリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム1.77gを加え室温で16時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残留液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に滴下して加え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物320mgを淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.44(9H,s),2.22(6H,s),2.49(2H,d),2.59−2.76(1H,m),3.57(2H,dd),4.02(2H,t)
工程2
1−[3−(ジメチルアミノメチル)アゼチジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
工程1で得られた1−t−ブトキシカルボニル−3−(ジメチルアミノメチル)アゼチジン220mgをトリフルオロ酢酸3mLに溶解し、室温で0.5時間攪拌後、反応液を減圧濃縮した。残留物を無水テトラヒドロフラン7mLに溶解し、炭酸カリウム0.71gを添加し、室温攪拌下、4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルブロミド(参考例6)266mgの無水テトラヒドロフラン3mL溶液を滴下した。室温で15時間攪拌後、不溶物を濾別し、酢酸エチルで希釈し、1N塩酸10mLを加え、水にて抽出した。水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、目的化合物260mgを黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.21(6H,s),2.52(2H,d),2.70−2.80(1H,m),2.94(2H,t),3.55(2H,t),3.86(2H,s),7.95(1H,d),8.37(1H,d),8.48(1H,s)
工程3
4−[3−(ジメチルアミノメチル)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程2で得られた1−[3−(ジメチルアミノメチル)アゼチジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物210mgを淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ: 2.19(6H,s),2.48(2H,d),2.62−2.78(1H,m),2.85(2H,t),3.51(2H,t),3.64(2H,s),3.75(2H,s),6.79(1H,dd),6.91(1H,d),7.36(1H,d)

参考例24
4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン126mgの無水テトラヒドロフラン2mL溶液に炭酸カリウム276mgを添加し、室温攪拌下、4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンジルブロミド(参考例6)284mgの無水テトラヒドロフラン3mL溶液を滴下した。室温で14時間攪拌後、不溶物を濾別し、濾液に酢酸エチル、1N塩酸5mLを加え、水にて抽出した。水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し目的化合物290mgを褐色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.70−1.89(1H,m),1.95−2.12(1H,m),2.22(6H,s),2.49−2.59(1H,m),2.62−2.90(4H,m),3.88(2H,t),8.08(1H,d),8.38(1H,dd),8.50(1H,d)
工程2
4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程1で得られた1−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物230mgを黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.70−1.79(1H,m),1.92−2.05(1H,m),2.20(6H,s),2.34−2.45(1H,m),2.49−2.82(4H,m),3.64(2H,s),3.75(2H,s),6.79(1H,dd),6.91(1H,d),7.49(1H,d)

参考例25
4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
参考例24(工程1)と同様の方法で、1−メチルピペラジンを用いて製造し、目的化合物270mgを黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.31(3H,s),2.52(8H,brs),3.74(2H,s),8.10(1H,d),8.37(1H,dd),8.50(1H,d)
工程2
4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン
参考例12(工程2)と同様の方法で、工程1で得られた1−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いて製造し、目的化合物200mgを無色粉末として得た。
融点 117〜119℃
【0024】
参考例26
4−{4−[2−(t−ブチルジメチルシラノキシ)エチル]ピペラジン−1−イルメチル}−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1
1−{4−[2−(t−ブチルジメチルシラノキシ)エチル]ピペラジン−1−イルメチル}−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン
1−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル] −4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン(参考例12工程1)330mgのN,N−ジメチルホルムアミド10mL溶液にイミダゾール150mg、t−ブチルジメチルクロロシラン160mgを添加し、室温で15時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物330mgを淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.06(6H,s),0.90(9H,s),2.52−2.58(10H,m),3.73(2H,s),3.76(2H,t),8.10(1H,d),8.37(1H,dd),8.50(1H,d)
工程2
4−{4−[2−(t−ブチルジメチルシラノキシ)エチル]ピペラジン−1−イルメチル}−3−トリフルオロメチルアニリン
工程1で得られた1−{4−[2−(t−ブチルジメチルシラノキシ)エチル]ピペラジン−1−イルメチル}−4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼン330mgのメタノール7mL溶液に10%パラジウム炭素60mgおよびギ酸アンモニウム460mgを加え、室温下10分攪拌した。不溶物を濾別し濾液を減圧濃縮した。残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物250mgを無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.05(6H,s),0.88(9H,s),2.49−2.56(10H,m),3.52(2H,s),3.75(4H,t),6.79(1H,dd), 6.91(1H,d),7.48(1H,d)
【0025】
実施例1
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例2)200mgのN,N−ジメチルホルムアミド8mL懸濁液に、室温攪拌下、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート410mgを加え、1時間攪拌した。4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例3)200mgを添加し、室温で60時間攪拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物84mgを黄色粉末として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.29(3H,s),2.40(3H,s),2.48(8H,br),3.61(2H,s),7.19(1H,d),7.26(1H,s),7.30(1H,d),7.54(1H,dd),7.74(1H,d),7.83(1H,d),7.94(1H,dd),8.44(1H,d),8.55(1H,d),8.63(1H,d),9.30(1H,s),9.35(2H,s)

実施例2
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド 塩酸塩
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド(実施例1)84mgをエタノール4mLに溶解し、1N塩酸0.16mLを添加し、減圧濃縮した。残留物をエタノールで洗浄し、濾取後、減圧乾燥した。目的化合物76mgを黄色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:2.25−3.60(8H,overlapped),2.35(3H,s),2.77(3H,s),3.71(2H,br),7.44(1H,d),7.56(1H,d),7.65−7.85(2H,m),8.13(1H,d),8.22(1H,s),8.29(1H,s),8.60(1H,d),9.28(1H,s),9.30(1H,s),9.43(2H,s),10.50(1H,br)

実施例3
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例2)233mgおよび4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例4)173mgのN,N−ジメチルホルムアミド3mL懸濁液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.22mLを添加した。室温攪拌下、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート334mgを加え、20時間攪拌した。反応液を水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物203mgを無色結晶として得た。
融点 134〜137℃

実施例4
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド 塩酸塩
実施例2と同様の方法で、4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド(実施例3)を用いて製造した。
無色結晶 融点 230〜232℃(分解)
元素分析値 (C2928・HCl)
計算値(%) C:58.05 H:4.87 N:16.34
実測値(%) C:57.83 H:4.80 N:16.29

実施例5
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
実施例3と同様の方法で、4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例5)を用いて製造した。ただし、反応は59時間行った。
淡黄色結晶 融点 181〜185℃(分解)
【0026】
実施例6
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド 塩酸塩
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド3.16gをエタノール63mLに加熱溶解し、1N塩酸5.48mLを添加後、減圧濃縮した。結晶をアセトニトリルにて再結晶し、目的化合物3.15gを無色結晶として得た。
融点 151〜155℃(分解)
元素分析値 (C3031O・HCl・1.7HOとして)
計算値(%) C:55.98 H:5.54 N:17.41
実測値(%) C:55.74 H:5.20 N:17.44

実施例7
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イリデンメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
実施例3と同様の方法で、4−(1−メチルピペリジン−4−イリデンメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例7)を用いて製造した。
微黄色結晶 融点 198〜200℃
元素分析値 (C3028Oとして)
計算値(%) C:64.39 H:5.04 N:17.52
実測値(%) C:64.07 H:5.04 N:17.39

実施例8
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
実施例3と同様の方法で、4−(1−メチルピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例8)を用いて製造した。
微黄色結晶 融点 224〜228℃(分解)
元素分析値 (C3030O・0.2HOとして)
計算値(%) C:63.75 H:5.42 N:17.35
実測値(%) C:63.64 H:5.33 N:17.26

実施例9
4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
実施例3と同様の方法で、4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例4)と4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例9)を用いて製造した。
無色結晶 融点 159〜161℃

実施例10
4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド 塩酸塩
実施例2と同様の方法で、4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド(実施例9)を用いて製造した。
微黄色結晶 融点 278〜280℃
元素分析値 (C3029・HCl・0.7HOとして)
計算値(%) C:58.91 H:5.17 N:13.74
実測値(%) C:58.85 H:5.09 N:13.66
【0027】
実施例11
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]ベンズアミド
実施例3と同様の方法で、3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)アニリン(参考例10)を用いて製造した。
無色結晶 融点 198〜200℃
元素分析値 (C2829BrNOとして)
計算値(%) C:58.64 H:5.10 N:19.54
実測値(%) C:58.42 H:5.09 N:19.03

実施例12
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]ベンズアミド 塩酸塩
実施例2と同様の方法で、4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]ベンズアミド(実施例11)を用いて製造した。
微黄色結晶 融点 177〜179℃
元素分析値 (C2829BrNO・HCl・1.5HOとして)
計算値(%) C:52.80 H:5.22 N:17.59
実測値(%) C:52.97 H:5.35 N:17.43

実施例13
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−((S)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
実施例3と同様の方法で、4−((S)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例11)を用いて製造した。
無色結晶 融点 201〜202℃
元素分析値 (C3031Oとして)
計算値(%) C:62.49 H:5.42 N:19.43
実測値(%) C:62.38 H:5.34 N:19.43

実施例14
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例2)240mgおよび4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例12)200mgのN,N−ジメチルホルムアミド4mL懸濁液に室温攪拌下、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート350mgを加え、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.23mLを添加し、18時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、ジエチルエーテルにて粉末化し目的化合物29mgを淡黄色粉末として得た。
融点 150〜153℃
元素分析値 (C3031・HO)
計算値(%) C:59.01 H:5.45 N:18.35
実測値(%) C:59.02 H:5.08 N:18.43

実施例15
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
実施例14と同様の方法で、4−[N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例13)を用いて製造し、目的化合物43mgを淡黄色粉末として得た。ただし、反応は45時間、粉末化はジイソプロピルエーテルで行った。
融点 145〜148℃
元素分析値 (C3033O・0.5HO)
計算値(%) C:61.32 H:5.83 N:19.07
実測値(%) C:61.16 H:5.77 N:18.85
【0028】
実施例16
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−エチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
実施例14と同様の方法で、4−(4−エチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例14)を用いて製造し、目的化合物70mgを淡黄色粉末として得た。ただし、反応は21時間、粉末化はジイソプロピルアルコールで行った。
融点 187〜190℃
元素分析値 (C3031O・0.5HO)
計算値(%) C:61.53 H:5.51 N:19.13
実測値(%) C:61.65 H:5.28 N:19.17

実施例17
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(1−ピロリジニル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
実施例14と同様の方法で、4−[(S)−3−(1−ピロリジニル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例15)を用いて製造し、目的化合物50mgを淡黄色粉末として得た。ただし、反応は20時間、粉末化は酢酸エチルで行った。
融点 185〜189℃
元素分析値 (C3233O・0.5HO)
計算値(%) C:62.84 H:5.60 N:18.32
実測値(%) C:63.15 H:5.38 N:18.38

実施例18
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例2)200mgおよび4−[N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例16)150mgのN,N−ジメチルホルムアミド5mL懸濁液に室温攪拌下、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート360mgを加え、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.19mLを添加し、26時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層に1N塩酸5mLを加え水にて抽出した。水層に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、ジイソプロピルエーテルにて粉末化し目的化合物85mgを淡黄色粉末として得た。
融点 155〜157℃
元素分析値 (C2931O・0.25HO)
計算値(%) C:61.20 H:5.58 N:19.69
実測値(%) C:61.10 H:5.50 N:19.62

実施例19
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(R)−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
実施例18と同様の方法で、4−[(R)−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例17)を用いて製造し、目的化合物105mgを淡黄色粉末として得た。ただし、反応は39時間、粉末化はジイソプロピルエーテルで行った。
融点 173〜175℃
元素分析値 (C3133O・0.25HO)
計算値(%) C:62.56 H:5.67 N:18.83
実測値(%) C:62.63 H:5.50 N:18.81

実施例20
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
実施例18と同様の方法で、4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例18)を用いて製造し、目的化合物70mgを淡黄色粉末として得た。ただし、反応は40時間、粉末化はジイソプロピルエーテルで行った。
融点 197〜199℃
元素分析値 (C2929O・0.25HO)
計算値(%) C:61.42 H:5.24 N:19.76
実測値(%) C:61.55 H:5.13 N:19.76
【0029】
実施例21
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−ピペラジニルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
工程1
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例2)280mgおよび4−(4−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例19)270mgのN,N−ジメチルホルムアミド7.5mL懸濁液に室温攪拌下、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート500mgを加え、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.26mLを添加し、64時間攪拌した。反応液に氷水を加え、生じた固体を濾取した。得られた固体を酢酸エチルに溶解し不溶物を濾別した。溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的化合物260mgを淡黄色粉末として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.29(9H,s),2.42−2.44(7H,m),3.44(4H,t),3.63(2H,s),7.14(1H,s),7.22(1H,d),7.35(1H,d),7.54(1H,d),7.79(1H,d),7.84(1H,s),7.95(1H,d),8.11(1H,s),8.59(1H,d),8.70(1H,s),9.32(1H,s),9.38(2H,s)
工程2
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−ピペラジニルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド255mgをトリフルオロ酢酸2.5mLに溶解し室温下1時間撹拌した。減圧濃縮後残留物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸5mLを加え、水にて抽出した。水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、ジイソプロピルエーテルにて粉末化し目的化合物110mgを淡黄色粉末として得た。
融点 205〜207℃
元素分析値 (C2827O・0.25HO)
計算値(%) C:60.81 H:5.01 N:20.26
実測値(%) C:60.91 H:5.09 N:19.97

実施例22
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−((R)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例2)320mgおよび4−((R)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例20)250mgのN,N−ジメチルホルムアミド9mL懸濁液に室温攪拌下、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート580mgを加え、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.30mLを添加し、66時間攪拌した。反応液に氷水を加え、生じた固体を濾取した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、ジイソプロピルエーテルにて粉末化し目的化合物200mgを淡黄色粉末として得た。
融点 196〜197℃
元素分析値 (C3031O・0.25HO)
計算値(%) C:62.01 H:5.46 N:19.28
実測値(%) C:62.23 H:5.40 N:19.23

実施例23
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−((R)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
工程1
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(R)−(4−t−ブトキシカルボニル)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例2)190mgおよび4−[(R)−(4−t−ブトキシカルボニル)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例21)190mgのN,N−ジメチルホルムアミド5mL懸濁液に室温攪拌下、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート340mgを加え、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.17mLを添加し、66時間攪拌した。反応液に氷水を加え、生じた固体を濾取した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的化合物120mgを淡黄色アモルファスとして得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.23(3H,d),1.46(9H,s),2.04−2.26(2H,m),2.45(3H,s),2.58(1H,d),2.74(1H,d),3.12(1H,dt),3.58(2H,s),3.83(1H,d),4.14−4.25(1H,m),7.13(1H,s),7.23(1H,d),7.36(1H,d),7.56(1H,dd),7.78(1H,d),7.84(1H,dd),7.95(1H,d),8.07(1H,s),8.59(1H,d),8.72(1H,dd),9.33(1H,s),9.39(2H,s)
工程2
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−((R)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(R)−(4−t−ブトキシカルボニル)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド120mgをトリフルオロ酢酸2mLに溶解し室温下1時間撹拌した。減圧濃縮後残留物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸3mLを加え、水にて抽出した。水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、ジイソプロピルエーテルにて粉末化し目的化合物70mgを淡黄色粉末として得た。
融点 194〜197℃
元素分析値 (C2929O・0.25HO)
計算値(%) C:61.42 H:5.24 N:19.76
実測値(%) C:61.53 H:5.21 N:19.59

実施例24
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例2)200mgおよび4−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例22)160mgのN,N−ジメチルホルムアミド5mL懸濁液に室温攪拌下、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート350mgを加え、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.18mLを添加し、42時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、生じた固体を濾取した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、ジイソプロピルエーテルにて粉末化し目的化合物90mgを淡黄色粉末として得た。
融点 194〜197℃
元素分析値 (C3133O・0.5HO・0.5CHCl
計算値(%) C:57.38 H:5.27 N:16.99
実測値(%) C:57.56 H:5.52 N:16.86

実施例25
4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[3−(ジメチルアミノメチル)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
実施例14と同様の方法で、4−[3−(ジメチルアミノメチル)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例23)を用いて製造し、目的化合物80mgを淡黄色粉末として得た。ただし、反応は66時間、粉末化はジイソプロピルエーテルで行った。
融点 182〜184℃
元素分析値 (C3031O・HO)
計算値(%) C:60.60 H:5.59 N:18.84
実測値(%) C:60.63 H:5.13 N:18.61
【0030】
実施例26
4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
実施例14と同様の方法で、4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例24)、4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例9)を用いて製造し、目的化合物80mgを淡黄色粉末として得た。ただし、反応は66時間、粉末化はジイソプロピルエーテルで行った。
融点 152〜155℃
元素分析値 (C3132O・0.25HO)
計算値(%) C:64.18 H:5.65 N:16.90
実測値(%) C:63.99 H:5.89 N:16.64

実施例27
4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
実施例14と同様の方法で、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例25)、4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例9)を用いて製造し、目的化合物100mgを淡黄色粉末として得た。ただし、反応は66時間、粉末化はジイソプロピルエーテルで行った。
融点 181〜183℃
元素分析値 (C3030O)
計算値(%) C:64.16 H:5.38 N:17.46
実測値(%) C:63.96 H:5.31 N:17.27

実施例28
4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
工程1
4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−{4−[2−(t−ブチルジメチルシラノキシ)エチル]ピペラジン−1−イルメチル}−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
4−{4−[2−(t−ブチルジメチルシラノキシ)エチル]ピペラジン−1−イルメチル}−3−トリフルオロメチルアニリン(参考例26)250mg、4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]安息香酸(参考例9)220mgのN,N−ジメチルホルムアミド6mL懸濁液に室温攪拌下、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート320mgを加え、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.21mLを添加し、40時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、生じた固体を濾取した。得られた固体を酢酸エチルに溶かし、不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物230mgを無色粉末として得た。
融点 149〜150℃
工程2
4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
工程1で得られた4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−{4−[2−(t−ブチルジメチルシラノキシ)エチル]ピペラジン−1−イルメチル}−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド225mgの無水テトラヒドロフラン6mL溶液に1Mテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド−テトラヒドロフラン溶液6mLを滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、ジイソプロピルエーテルにて粉末化し目的化合物150mgを淡黄色粉末として得た。
融点 119〜121℃
元素分析値 (C3132・0.25HO)
計算値(%) C:62.46 H:5.50 N:16.45
実測値(%) C:62.25 H:5.42 N:16.20
【0031】
上記の実施例1〜28の構造式については、表1に示す。
【表1】





【0032】
試験例1
細胞増殖抑制作用
10%(v/v)牛胎児血清(FCS)(Sigma社製)を含むRPMI−1640培地(Sigma社製)(RPMI−1640/FCS)にて継代を行い、対数増殖期にあるK562細胞(American Type Culture Collection社製)をRPMI−1640/FCS培地 にて5,000cells/wellとなるように、またU937細胞(American Type Culture Collection社製)を4,000cells/wellとなるように96穴プレート(costar社製)に100μlずつ播種し、COインキュベーター内で一晩培養した。被験薬物を試験濃度(0,0.00001〜1μΜ)の1000倍濃度にジメチルスルホキシド(DMSO)(nacalai tesque社製)にて調製しRPMI−1640/FCS培地にて500倍希釈後、100μlずつ添加しCOインキュベーター内で培養した。72時間後、生細胞数の測定試薬であるCell counting Kit−8(5mmol/l WST−8、0.2mmol/l 1−Methoxy PMS、150mmol/l NaCl)(Dojindo社製)を20μlずつ添加した。COインキュベーター内で3時間呈色反応後、WST−8が細胞内脱水素酵素により還元され生成するホルマザンの450nmにおける吸光度をマルチラベルカウンタARVOsx(Wallac社製)にて測定した。
0.1%のDMSOを含むRPMI−1640/FCS培地にて、72時間COインキュベーター内で培養後の細胞が播種してある部位の吸光度を細胞増殖抑制作用の0%とし、細胞を播種していない部位の吸光度を100%として、log(阻害率/(100−阻害率))に換算してlog conc値とプロットしてIC50値(μM)を算出した。その結果を表2に示す。
なお、対照薬物としては、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−{4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]フェニル}ベンズアミド(特許文献1参照。)を用いた。
【表2】

上記表2に示す通り、本発明化合物は、対照薬物に比べ、390〜13000倍の強い細胞増殖抑制作用を示す。なお、試験例1で用いたK562細胞は、急性転化を起こした末期の慢性骨髄性白血病患者の胸水から採取したBCR−ABL陽性細胞であり、U937細胞は細網肉腫の患者の胸水から採取した悪性のBCR−ABL陰性細胞である。また、両細胞に対する細胞増殖抑制比率(U937細胞/K562細胞)を見ても、対照薬物に比べ、安全性の高い薬物であることは明白である。
【0033】
更に、本発明化合物はE255K発現細胞に対しても細胞増殖抑制作用が認められたことから、今後見出される変異型キナーゼに対しても、十分な自己リン酸化抑制作用が期待でき、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病等の疾患治療剤として非常に有用である。
【0034】
製剤例1
錠剤(内服錠)
処方1錠80mg 中
実施例1の化合物 5.0mg
トウモロコシ澱粉 46.6mg
結晶セルロース 24.0mg
メチルセルロース 4.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
この割合の混合末を通常の方法により打錠成形し内服錠とする。

製剤例2
錠剤(内服錠)
処方1錠80mg 中
実施例2の化合物 5.0mg
トウモロコシ澱粉 46.6mg
結晶セルロース 24.0mg
メチルセルロース 4.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
この割合の混合末を通常の方法により打錠成形し内服錠とする。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上に示したように、本発明化合物は、優れたBCR−ABLチロシンキナーゼの阻害活性を有する化合物であることから、本発明化合物を有効成分として含む医薬組成物は、ヒトを含む哺乳動物に対して、BCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤、慢性骨髄性白血病治療剤、急性リンパ性白血病治療剤、急性骨髄性白血病治療剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式[1]で表されるアミド誘導体又はその医薬上許容される塩。
【化7】

は、次の(1)〜(4)の基のいずれかを表す。
(1)−CH−R11〔R11は含窒素飽和ヘテロ環基を表す。かかる含窒素飽和ヘテロ環基は、1〜3個の同一又は異なるアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、含窒素飽和ヘテロ環基で置換されていてもよい。〕
(2)−O−R12〔R12は含窒素飽和ヘテロ環基を表す。かかる含窒素飽和ヘテロ環基は、1〜3個の同一又は異なるアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、含窒素飽和ヘテロ環基で置換されていてもよい。〕
(3)−CH=R13〔R13は含窒素飽和ヘテロ環基を表す。かかる含窒素飽和ヘテロ環基は、1〜3個の同一又は異なるアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、含窒素飽和ヘテロ環基で置換されていてもよい。〕
(4)N−アルキル−N−(ジアルキルアミノアルキル)アミノアルキル又はジアルキルアミノアルコキシ
は、ハロゲン又はハロアルキルを表す。
Zは、炭素又は窒素を表す。
【請求項2】
が、−CH−R11〔R11は含窒素飽和ヘテロ環基を表す。かかる含窒素飽和ヘテロ環基は、1〜3個の同一又は異なるアルキル、ヒドロキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノ又は含窒素飽和ヘテロ環基で置換されていてもよい。〕である、請求項1記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩。
【請求項3】
が、−O−R12〔R12は含窒素飽和ヘテロ環基を表す。かかる含窒素飽和ヘテロ環基は、1〜3個の同一又は異なるアルキル、ヒドロキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノ又は含窒素飽和ヘテロ環基で置換されていてもよい。〕である、請求項1記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩。
【請求項4】
が、−CH=R13〔R13は含窒素飽和ヘテロ環基を表す。かかる含窒素飽和ヘテロ環基は、1〜3個の同一又は異なるアルキル、ヒドロキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノ又は含窒素飽和ヘテロ環基で置換されていてもよい。〕である、請求項1記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩。
【請求項5】
が、N−メチル−N−(ジメチルアミノプロピル)アミノメチル又はN−メチル−N−(ジメチルアミノエチル)アミノメチルである、請求項1記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩。
【請求項6】
が、臭素又はトリフルオロメチルである、請求項1記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩。
【請求項7】
Zが窒素である、請求項1記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩。
【請求項8】
次の(1)〜(23)の化合物からなる群から選択される化合物である、請求項1記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩。
(1)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(2)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(3)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(4)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イリデンメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(5)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(6)4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(7)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[3−ブロモ−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]ベンズアミド
(8)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−((S)−3,4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(9)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(10)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(11)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−エチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(12)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(1−ピロリジニル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(13)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[N−(2−ジメチルアミノエチル)−N−メチルアミノメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(14)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(R)−3−(ジメチルアミノメチル)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(15)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(16)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(1−ピペラジニルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(17)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−((R)−3、4−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(18)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−((R)−3−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(19)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−ジメチルアミノピペリジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(20)4−メチル−3−[4−(5−ピリミジニル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[3−(ジメチルアミノメチル)アゼチジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(21)4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[(S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
(22)4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド
(23)4−メチル−3−[4−(3−ピリジル)ピリミジン−2−イルアミノ]−N−{4−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−トリフルオロメチルフェニル}ベンズアミド
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有するBCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれかに記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する慢性骨髄性白血病治療剤。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれかに記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する急性リンパ性白血病治療剤。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれかに記載のアミド誘導体又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する急性骨髄性白血病治療剤。

【国際公開番号】WO2005/063720
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【発行日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516691(P2005−516691)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019542
【国際出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000004156)日本新薬株式会社 (46)
【Fターム(参考)】