説明

アミノアルキルニトリルおよびそのようなニトリルからのジアミンの製造法

本発明は、相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとの反応による連続的な運転方式でのアミノアルキルニトリルの製造法であって、以下の工程:(a)相応するモノアミンを、連続的に運搬される反応流中に供給する工程;(b)相応するアルケニルニトリルを反応流中に供給する工程、その際、該反応流は、添加に際してすでにアミノアルキルニトリルを含有する;(c)第一の反応領域中での反応流の反応工程;および(d)さらなる反応のために少なくとも1つの第二の反応領域中に、反応流を少なくとも部分的に移送する工程を含む、相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとの反応による連続的な運転方式でのアミノアルキルニトリルの製造法に関する。さらに本発明は、アミノアルキルニトリルからのジアミンの製造法、本方法を実施するための適した装置ならびに該装置の相応する使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとの反応によるアミノアルキルニトリルの製造法ならびにそのようなアミノアルキルニトリルからのジアミンの製造法、ならびに本方法を実施するのに用いることができる装置に関する。
【0002】
ジアミンは、非常に多岐にわたって、出発物質、中間生成物または最終生成物として使用される、重要な化学的グループである。
【0003】
殊に、3−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン)は、例えば液体石鹸の工業的製造における重要な中間生成物である。加えて、DMAPAは凝結剤の製造における出発生成物として用いられ、かつそれ自体は耐食特性を有するものである。
【0004】
頻繁に、ジアミンはそれらのアミン類似体と同じようにニトリルの還元によって製造される。殊に、この反応は、第一級アミンが得られるべき場合に有利である。
【0005】
すでにアミノ官能基を有してよい相応するニトリルは、例えばアルケニルニトリルからC−C−二重結合へのモノアミンの付加によって得られる。
【0006】
ニトリルからのジアミンの製造のために一体製造法もしくは一体装置が使用できる場合、特に有利である。この場合、まず、アミノニトリルを有する、得られた生成物流が直接または精製後に使用され、そうしてさらなる工程でジアミンに変換される。
【0007】
この場合、ニトリルの還元反応に関して、殊に、還元に際して使用される触媒の消費量に関して、第一の反応(モノアミンとアルケニルニトリル)からのアミノアルキルニトリル−生成物流の品質が決定的に重要である。
【0008】
それゆえ、3−ジメチルアミノプロピルアミンの場合、3−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)の製造が重要であり、その際、該ニトリルは、アクリロニトリルとジメチルアミンから製造される。文献中では、一体化法、殊にDMAPAを製造するための一体化法が記載されており、該方法は、つまり付加工程も還元工程も包含する。それだけではなく、そのつど個々の段階において最適化された方法が記載されている。
【0009】
この方法は、まず、一方ではバッチ式または少なくともセミバッチ式に実施されうる方法と、連続的な運転方式で実施されうる方法とに区分されうる。
【0010】
例えばDMAPAがバッチ式で製造されうる一体製造法は、本出願人に由来する出願番号102005052457.5のドイツ国特許出願の中で記載されている。
【0011】
しかしながら、そのような少なくとも部分的にバッチとして運転される方法の代わりに連続的な方法を提供することが好都合であると判明した。この場合、殊に重要なのは、第一の工程のために、第二の(還元−)工程において最適化された方法を提供することであり、そうして第二の(還元−)工程で同じように、最適化されたジアミン製造が維持されることである。
【0012】
この文脈で高度の最適化とは、殊に、ジアミンの高い個々の収率ならびに全体の収率が獲得されることを意味する。それだけではなく、該収率は、可能な限り高い個々の変換率ならびに全体の変換率と一緒に得られることが重要である。そうしてさらに、品質判定基準は、どのような空時収率でそのような方法が実施されうるのかという点に見られるべきである。最終的に、還元に際して使用される触媒の消費量も重要な役割を果たす。
【0013】
3−ジメチルアミノプロピオニトリルの製造法は、例えばDD−A58306の中で記載されている。その中で提案されるのは、前形成された3−ジメチルアミノプロピオニトリルが溶剤および希釈剤として、アクリル酸ニトリルとジメチルアミンとの反応に際して使用されることであり、そうして発熱反応およびジメチルアミンの沸騰挙動に基づき、必要とされる改善された熱分布および熱排出が達成される。これは3−ジメチルアミノプロピオニトリルの収率を高めることになる。
【0014】
DD−A222011は、DMAPNの連続的な製造法を記載し、その際、ここでは反応成分が液相で、管型反応器中でまず混合チャンバーに装入され、次いで段階的に混合され、かつ反応器の全体長さにわたり段階的に反応される。
【0015】
最後に、DE−A2709966は、DMAPNの製造を記載し、その際、しかしながら、ジメチルアミンはガス状で使用され、かつ反応は、反応相手が向流で導かれるように気泡塔反応器中で実施される。
【0016】
そのような最適化された方法は従来技術で公知であるにも関わらず、依然として、さらなる方法および相応する装置を提供し、そうしてアミノアルキルニトリルの製造および/またはそこから生じるジアミンの製造を最適化する必要がある。
【0017】
従って、本発明の課題は、そのような最適化を可能にする方法および装置を提供することにある。
【0018】
該課題は、相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとの反応による連続的な運転方式でのアミノアルキルニトリルの製造法によって解決され、該方法は、以下の工程:
(a)相応するモノアミンを、連続的に運搬される反応流中に供給する工程;
(b)相応するアルケニルニトリルを反応流中に供給する工程、その際、該反応流は、添加に際してすでにアミノアルキルニトリルを含有する;
(c)第一の反応領域中での反応流の反応工程;および
(d)さらなる反応のために少なくとも1つの第二の反応領域中に、反応流を少なくとも部分的に移送する工程
を含む。
【0019】
すなわち、殊に連続的な運転方式の場合、アルケニルニトリルを純粋なモノアミンには添加せず、また、それだけではなく該反応領域を、反応が少なくとも二段階で実施されうるように分けるのが有利であるとわかった。
【0020】
さらに、上述の最適化された方法の実施は、相応するジアミンを得るためニトリルの後続での還元に際して使用されるのにとりわけ適しているアミノアルキルニトリル流を得ることができるという利点を有する。
【0021】
従って、アミノアルキルニトリルの本発明による製造法の基礎をなしているのは付加反応であって、該反応に際して、アルケニルニトリルのC−C−二重結合への第一級または第二級モノアミンの付加が行われる。
【0022】
本発明の枠内で、"相応するアルケニルニトリル"ならびに"相応するモノアミン"という概念は、上述の合成工程後に、所望された構造式を有するアミノアルキルニトリルが得られるようにこれらが選択されることを意味する。
【0023】
例えばアルケニルニトリルがアクリル酸ニトリル(ACN)であり、かつモノアミンがジメチルアミン(DMA)である場合、所望された3−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)を得るための出発材料の反応が行われる。言い換えれば、本発明による方法でDMAPNが得られるべき場合、相応するアルケニルニトリルはACNであり、かつ相応するモノアミンはDMAであることが明白に読み取られる。
【0024】
有利には、アルケニルニトリルは、直鎖状または分枝鎖状であってもよいC〜C−アルケンであり、その際、水素原子はシアノ基によって置き換えられている。
【0025】
〜C−アルケンという概念は、少なくとも1個のC−C−二重結合を含有する、C原子2〜4個を有するアルケンを意味する。有利には、シアノ基に対するα,β位にちょうど1個のC−C−二重結合が存在する。C〜C−アルケンに関する例は、エテン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチルプロペンである。
【0026】
アルケニルニトリルに関する例は、アクリロニトリル、ブタ−2−エン酸ニトリル、メタクリル酸ニトリル、ペンタ−2−エン酸ニトリル、2−エチルアクリル酸ニトリル、2−メチルブタ−2−エン酸ニトリルならびに3−メチルブタ−2−エン酸ニトリルである。
【0027】
有利なのはACNである。
【0028】
有利には、モノアミンは、一般式RNHの第一級または第二級アミンであり、その際、R、Rは、互いに無関係に、HまたはC〜C−アルキルであるが、ただし少なくとも1個の基R、Rは水素ではない。
【0029】
〜C−アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、1−n−ブチル、2−n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルを意味する。
【0030】
有利なのはDMAである。
【0031】
とりわけ有利な実施態様では、アミノアルキルニトリルは3−ジメチルアミノプロピオニトリルである。
【0032】
本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法は、連続的な運転方式で行われるべきである。これにより、高い空時収率と結び付いた、とりわけ効率的な変換が可能となる。
【0033】
それに従って、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法の工程(a)および(b)で、相応するモノアミンもしくは相応するアルケニルニトリルが、連続的に運搬される反応流中に供給される。この場合、相応するアルケニルニトリルは、反応流が添加に際してすでにアミノアルキルニトリルを含有するように該反応流中に供給されることが顧慮されるべきである。これによって保証されるのは、反応流中に存在するモノアミンが場合によっては十分に希釈された状態で存在し、そうしてアルケニルニトリルの添加に際して生じる反応熱を相応して制御することができることである。さらにこれは、相応するアルケニルニトリルの供給後に反応流を熱交換器に通過させ、そうして場合によっては熱を排出できることによって達成されうる。モノアミンとアルケニルニトリルとの実際の反応は、第一の反応領域中で行われる。この第一の反応領域は、反応器中の一帯域または反応器そのものであってもよい。
【0034】
典型的に、反応領域が、単に反応流の供給もしくは排出のみに用いられるライン領域と区別されるのは、相応する領域中での流の滞留継続時間によってである。有利には、反応領域中での平均滞留時間は15分より長く、さらに有利には30分より長く、その際、ライン領域における平均滞留時間は、一般に10分より短い。
【0035】
さらに、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法では、さらなる反応のために、第一の反応領域から空間的に分けられている少なくとも1つの第二の反応領域中に、反応流が少なくとも部分的に移送される。第二の反応領域は、上で言及された反応器中の他の帯域であるかまたは他の反応器もしくは反応器カスケードであってもよい。第一および第二の反応領域の空間的な分離は、例えば管路によってなされうる。
【0036】
有利なのは、反応流全体が少なくとも1つの第二の反応領域中に移送されるのではなく、すでに形成されたアミノアルキルニトリルを含有する反応流の部分が、相応するモノアミンおよび相応するアルケニルニトリルが少なくとも第一の反応領域中でのアミノアルキルニトリル形成の開始後に、アミノアルキルニトリルを含有する反応流中にそのつど供給されうるように循環運転方式で返送される場合である。
【0037】
それゆえ、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法の有利な一実施態様というのは、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法の少なくとも工程(a)〜(c)が循環運転方式で実施されることである。
【0038】
さらに、相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとが液体の形で供給される場合、有利であると判明した。これにより、モノアミンがガス状態で反応混合物に供給される方法と比較して、より良好な空時収率で、より高い変換が可能となる。それゆえ、相応するアルケニルニトリルならびに相応するモノアミンは、これらの出発材料がアミノアルキルニトリルの製造のために液体の形で存在することを保証する、適した温度ならびに適した圧力で供給される。
【0039】
それゆえ、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法の有利な一対象は、相応するアルケニルニトリルならびに相応するモノアミンが液体の形で供給されることである。
【0040】
さらに、相応するアルケニルニトリルの添加に際して、反応流が、アルケニルニトリルに対して0.1モル%の最小過剰量の相応するモノアミンを有することが有利である。さらに有利には、アルケニルニトリルに対するモノアミンのモル過剰量は0.1〜20%の範囲内の値を有する。さらに有利には、該値は1〜10モル%の範囲内にある。殊に、該値は2〜8モル%の範囲内にある。
【0041】
アルケニルニトリルに対するモノアミンの過剰量は、反応流に向かって、モノアミンの供給が空間的にアルケニルニトリルの供給の手前で行われる場合に、両方の出発材料が相応する比で添加されることによって達成されうる。
【0042】
反応流もしくはモノアミンと反応流中でのアルケニルニトリルとの反応は、2つの異なる反応領域中で行われる。これは反応において異なる反応条件が選択されうるという利点を有する。これによって、アルケニルニトリルのより完全な反応と同時に反応流中の副成分の割合の減少が達成されうる。
【0043】
有利には、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法の工程(c)での反応は、アルケニルニトリルの消費量が第一の反応領域中で80〜98%になるように行われる。これは、反応流が第一の反応領域中に入る際に、該流がアルケニルニトリルの第一の濃度値を有し、かつ第一の反応領域を抜け出した後に第二の濃度を有し、その際、第二の濃度対第一の濃度からの1を引いた商が0.8〜0.98の値を有することを意味する。
【0044】
さらに有利には、第一の反応領域中での変換率は90〜95%の範囲内にある。
【0045】
さらに、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法の工程(d)での反応後、反応流中でのアルケニルニトリルの残分含有率は1質量%未満である。
【0046】
それだけではなく、他の反応領域が存在していてもよい。この場合、反応流に向かっていちばん後に存在する反応領域は、上で示された反応流中でのアルケニルニトリルの残分含有率が1質量%未満となるように形作られれば十分である。
【0047】
2つより多い反応領域が存在する場合、場合によっては、反応流に向かう第一の反応領域中での変換率は上で示された値より低くてもよい。上ですでに挙げられたように、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法の利点は、アルケニルニトリルを得るための反応が2つの異なる反応領域中で実施されるという点にある。これによって、反応において異なる反応条件が選択されうる。その際、反応流が、第一の反応領域および第二の反応領域中で、反応に際して異なる温度を有することが有利であると判明した。殊に、反応流が第一の反応領域中で、反応に際して少なくとも第二の反応領域中での温度より高い温度を有する場合に有利である
有利には、第一の反応領域中での反応流の温度は20℃〜110℃の範囲内にある。さらに有利には、該範囲は60℃〜80℃である。
【0048】
少なくとも第二の反応領域中での反応流の温度は、有利には0〜100℃の範囲内、殊に30〜60℃の範囲内にある。
【0049】
少なくともなお他の1つの反応領域が存在する場合、第一の反応領域と比較して異なる、有利にはそれと比較して低い温度が、少なくともこの他の反応領域中で初めて存在してもよい。
【0050】
それだけではなく、圧力も、第一および第二の反応領域中で異なっていてよい。しかしながら、同じように圧力は等しくてもよく、このことは有利である。有利には、第一および第二の反応領域中で、ゲージ圧力(Ueberdruck)は1bar〜20barの範囲内に存在する。それゆえ、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法で、ゲージ圧力が、第一および第二の反応領域中で同じかまたは異なっており、かつ1bar〜20barの範囲内にあるのが有利である。有利には、ゲージ圧力は2〜5barである。さらに、相応するモノアミンならびに相応するアルケニルニトリルにおける供給を、同じように高いゲージ圧力で行うことも有利である。
【0051】
アルケニルニトリルのC−C−二重結合へのモノアミンの付加に際して添加された水が反応を触媒することは公知である。それゆえさらに、反応流に第一の反応領域中での反応前に水が供給され、その後、反応流が第一の反応領域に達するのが有利である。
【0052】
水は、例えば付加的な供給流の形で反応流中に届けてよい。さらに、少なくとも部分的にモノアミンを水溶液の形で反応流に供給することが可能である。これは、例えば30〜70質量%のモノアミン水溶液の形で行われうる。加えて、使用されるアルケニルニトリルは水を含有してよい。
【0053】
有利には、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法は、さらなる工程(e)を含み、その際、反応流は、反応後に第二の反応領域から搬出される。
【0054】
さらに、該反応流から、第二の反応領域での反応後に、反応しなかったモノアミンを、第二の反応領域中でまたは第二の反応領域の外側で取り出してよい。これは、例えば蒸留により行ってよい。このために、さらなるタンク、例えば蒸留塔を使用してよい。反応しなかったモノアミンをそのように取り出すことは、第二の反応領域の外側で、殊にこの下流で実施するのが有利である。そのようにして回収されたモノアミンは、これが第一の反応領域に達する前に再び反応流に供給してもよい。これは完全にまたは部分的に行ってもよい。同じように、回収された反応しなかったモノアミンをさらに処理または処分することも考えられる。
【0055】
本発明のさらなる一対象は、相応するアミノアルキルニトリルからのジアミンの製造法であって、該製造法は、以下の工程:
(a)本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法の工程(e)で導出された反応流を還元領域中に導入する工程;および
(b)相応するジアミンを得るための、反応流中に存在するアミノアルキルニトリルの還元工程
を含む。
【0056】
本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法からの少なくとも2段階の反応に従って生じる反応流に基づいて、本発明のさらなる一対象は、ジアミンを得るための相応するアミノアルキルニトリルの還元である。従って、この場合、第二の反応工程で、ニトリル基はアミンの酸化状態に変えられる。そのようにして得られた生成物は、このアミノ官能基以外に、モノアミンによって取り入れられた他のアミノ官能基を含有する。
【0057】
有利な一実施態様では、還元は水素によって行われる。これはそれ自体が使用されうるか、またはガス混合物の一部として使用されうる。従って、アミノアルキルニトリルのニトリル基は、第一級アミン官能基に変換される。
【0058】
本発明によるジアミンの製造法の工程(b)の前に、反応流にアンモニアを供給してもよい。
【0059】
有利には、本発明によるジアミンの製造法の工程(a)および(b)は連続的な運転方式で実施される。
【0060】
殊に、工程(b)での還元後に形成された粗製生成物は、循環流が生じるように少なくとも部分的に返送されるのが有利である。
【0061】
そのような循環流が存在する場合、水素およびアンモニアが使用されるケースにおいて、これらが循環流に供給され、その後、第一の段階から排出された反応流が循環流中に導入されるのが有利である。
【0062】
その際、該循環流が、アンモニアならびに水素の導入後および第一の段階から導出された反応流の導入前に、循環流を加熱する熱交換器を通過する場合、きわめて有利である。
【0063】
アンモニア対アミノアルキルニトリルのモル比は、例えば約5である。水素が水素化のために使用される場合、全圧は50〜300barの範囲内で調整してよい。全圧は、相応する温度での、アンモニア、アミノアルキルニトリル、水素ならびに場合によっては反応しなかった出発材料および形成された生成物ならびに場合によっては水からの分圧の合計から生じ、また、適切には水素を圧入することによって所望された値へと調整される。有利な一実施態様では、本発明によるジアミンの製造法の工程(a)および(b)は連続的な運転方式で実施される。
【0064】
適切には、殊に水素が用いられる場合、触媒が使用される。還元は、有利には触媒−固定床で行われる。この場合、アップフロー運転方式ならびにダウンフロー運転方式が可能である。相応するジアミンを得るためのアミノアルキルニトリルの水素化のための適した触媒は、EP−B742045またはEP−B89277の中で記載されている。還元中の還元領域中での最大温度は、有利には150℃である。
【0065】
アミンを得るためのニトリル官能基の水素化のための触媒として、殊に、活性種として周期表の第8副族(Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)の1つ以上の元素、有利にはFe、Co、Ni、RuまたはRh、とりわけ有利にはCoまたはNiを含有する触媒が使用されうる。その中に含まれているのは、いわゆる骨格触媒(Raney(R)型とも呼ばれる、後でも:ラネー触媒)であり、それらは水素化活性金属および他の成分(有利にはAl)からの合金のリーチング(活性化)によって得られる該触媒は、付加的に1つ以上の助触媒を含有してよい。
【0066】
該触媒は、完全触媒または担持触媒として使用してよい。担体として、有利には金属酸化物、例えばAl、SiO、ZrO、TiO、金属酸化物の混合物または炭素(活性炭、カーボンブラック、グラファイト)が用いられる。
【0067】
該酸化物触媒は、使用前に反応器の外側または反応器中で、水素を含有するガス流中での活性金属酸化物の還元によって、高められた温度で活性化される触媒が反応器の外側で還元される場合、その後、酸素を含有するガス流による不動態化または不活性材料中への埋め込みを行ってよく、そうして空気中での未制御の酸化が回避され、かつ安全な操作が可能となる。
【0068】
とりわけ有利な固定床−触媒は、EP−A1742045の中で開示される、Mn、Pおよびアルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)でドープされたコバルト−完全触媒である。これらの触媒の触媒活性組成物は、水素による還元前に、それぞれ酸化物として計算された、コバルト55〜98質量%、殊に75〜95質量%、リン0.2〜15質量%、マンガン0.2〜15質量%およびアルカリ金属、殊にナトリウム0.05〜5質量%から成る。
【0069】
さらなる適した触媒は、EP−A963975の中で開示される触媒であり、それは水素による処理前に、ZrO22〜40質量%、CuOとして計算された銅の酸素含有化合物1〜30質量%、NiOとして計算されたニッケルの酸素含有化合物15〜50質量%(その際、Ni:Cu−モル比は1より大きい)、CoOとして計算されたコバルトの酸素含有化合物15〜50質量%、AlもしくはMnOとして計算されたアルミニウムおよび/またはマンガンの酸素含有化合物0〜10質量%を含有し、かつモリブデンの酸素含有化合物を含有しない;例えば、この文献中で開示される、ZrOとして計算されたZr33質量%、NiOとして計算されたNi28質量%、CuOとして計算されたCu11質量%およびCoOとして計算されたCo28質量%の組成を有する触媒Aである。
【0070】
さらに適しているのは、EP−A696572の中で開示される触媒であり、それは水素による還元前に、ZrO20〜85質量%、CuOとして計算された銅の酸素含有化合物1〜30質量%、NiOとして計算されたニッケルの酸素含有化合物30〜70質量%、MoOとして計算されたモリブデンの酸素含有化合物0.1〜5質量%、およびAlもしくはMnOとして計算されたアルミニウムおよび/またはマンガンの酸素含有化合物0〜10質量%を含有する。例えば、この文献中で具体的に開示される、ZrO31.5質量%、NiO50質量%、CuO17質量%およびMoO1.5質量%の組成を有する触媒が言及されている。同じように適しているのは、WO−A99/44984の中で記載される、(a)鉄または、鉄をベースとする化合物またはそれらの混合物、(b)(a)に対して0.001〜0.3質量%の、Al、Si、Zr、Ti、Vの群から選択された2、3、4または5個の元素をベースとする助触媒、(c)(a)に対して0〜0.3質量%のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属をベースとする化合物、ならびに(d)(a)に対して0.001〜1質量%のマンガンを含有する触媒である。
【0071】
還元は、適した反応処理の場合、断熱的になされうる。
【0072】
還元から得られた流は、生成物以外に、場合によっては分離後に再び返送されうるアンモニアおよび水素も含有する。
【0073】
さらなる一対象は、連続的な運転方式での相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとの反応によってアミノアルキルニトリルを製造するための装置であって、該装置は:
−以下のものを含む第一の反応領域
−供給管を備えた入口、その際、該供給管は
−該供給管にモノアミンを供給するのに適している第一の入口;
−アルケニルニトリルを該供給管に供給するのに適しており、かつ第一の入口と第一の反応領域の入口との間にある第二の入口を有する;
−該供給管と結ばれている出口;および
−第二の反応領域への移送部:および
−第二の反応領域
を含み、その際、該供給管はアミノアルキルニトリルを含有する。
【0074】
アミノアルキルニトリルを製造するための上述の装置は、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法を実施するための有利な装置である。
【0075】
該装置は、供給管を備えた入口を含む第一の反応領域を含み、その際、さらに該供給管は、該供給管にモノアミンを供給するのに適している第一の入口ならびにアルケニルニトリルを該供給管に供給するのに適している第二の入口を有する。この場合、第二の入口は、第一の入口と第一の反応領域の入口との間に存在する。さらに、第一の反応領域は、該供給管と結ばれている出口を有する。これによって、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法は連続的な循環運転方式で実施されえ、もしくは本発明によるアミノアルキルニトリルを製造するための装置が稼働されうる。そうして第一の反応領域は、第二の反応領域に通じる移送部を有する。それに従って、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造装置は、同じように第二の反応領域を含む。本発明によるアミノアルキルニトリルを製造するための装置は、この場合、供給管内にアミノアルキルニトリルを含む。
【0076】
それにより保証されるのは、第二の入口を介してアルケニルニトリルが供給される場合、アミノアルキルニトリルによって希釈が行われることと、ひいては純粋なモノアミンへのアルケニルニトリルの供給が行われなくなることである。
【0077】
本発明によるアミノアルキルニトリルを製造するための装置の第一および第二の反応領域は、反応器容器中で異なる帯域の形で存在してよい。しかしながら、第一および第二の反応領域が異なる反応器容器もしくは容器カスケードであるのが有利である。
【0078】
これらの2つの反応器容器は、管路によって互いに接続されていてよい。
【0079】
それだけではなく、本発明のさらなる一対象は、相応するアミノアルキルニトリルからジアミンを製造するための装置であって、該装置は
−上で記載されたようなアミノアルキルニトリルを製造するための装置;および
−還元領域
を含む。
【0080】
還元領域は、有利には固定床反応器である。
【0081】
すでに上で挙げられたように、本発明によるアミノアルキルニトリルを製造するための装置は、本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法を実施するための有利な装置である。
【0082】
それゆえ、本発明のさらなる一対象は、連続的な運転方式で、相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとを反応させることによる、本発明によるアミノアルキルニトリルを製造するための装置の使用である。
【0083】
それだけではなく、本発明によるジアミンの製造装置は、本発明によるジアミンの製造法を実施するのに適している。
【0084】
それに従って、さらなる一対象は、相応するアミノアルキルニトリルからの本発明によるジアミンの製造装置の使用である。
【0085】
本発明は、以下の図および実施例を手掛かりにして詳細に説明される。図面の簡単な説明
図1は、例としての本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法に関する概略的なフロー図を示す。
【0086】
図2は、本発明による、相応するアミノアルキルニトリルからジアミンを製造するための概略的なフロー図を示す。
【0087】
図1は、相応するアミノアルキルニトリルを得るためのモノアミンとアルケニルニトリルとの反応の段階を示す。この場合、循環運転方式で、モノアミンは入口1を介して供給され、かつアルケニルニトリルは入口2を介して循環流に供給される。モノアミンとアルケニルニトリルとの実際の反応は、反応器5の中で、入口2と反応器5の間に熱交換器3を備える管路を介して行われる。反応器5の中に存在する反応流は、部分的にポンプ4によって循環流中に返送され、その際、返送されなかった反応流の部分は、熱交換器6を介して第二の反応器7の中に移送される。これによって、反応流が反応器5および7の中で異なる温度をもてることが保証される。アミノアルキルニトリルを含有する反応流は、出口8を介して反応器7を抜け出す
図2は、水素による還元段階を示す。出口8から入ってくるアミノアルキルニトリルは、入口14を介して固定床反応器15の中に管路によって移送される。この場合、触媒−固定床は、水素によるニトリル基の還元に用いられる。これは入口12を介して供給される。入口11を介してアンモニアが供給され、その際、反応流は、水素およびアンモニアの添加後、それらの加熱のために熱交換器13を通過し、その後にアミノアルキルニトリルが入口14を介して反応器15の中に届けられるように導かれる。殊にこれは、アミノアルキルニトリルが可能な限り速く反応器15の中で反応し、それによって水素化反応器と接触するまで非常に僅かな滞留時間しか有さないという利点を有する。これによって、より少ない副生成物(ビス−ジアミン)が形成されるということが達成されうる。固定床反応器15は、上方から下方に貫流され(ダウンフロー運転方式)、かつ熱交換器17を介して分離器18に届けられ、その際、水素、モノアミンおよびアンモニアの粗製生成物が分離され、かつ出口20を介して搬出されうる。加えて、該粗製生成物は、少なくとも部分的にポンプ16によって反応流に再び供給されうる。少なくとも部分的に返送される場合、有利なのは、水素化に際しても循環プロセスが生じることである。水素、モノアミンおよびアンモニアからの発生する混合物は、出口19を介して搬出されうる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】例としての本発明によるアミノアルキルニトリルの製造法に関する概略的なフローを示す図
【図2】本発明による、相応するアミノアルキルニトリルからジアミンを製造するための概略的なフローを示す図
【0089】
実施例
実施例1
ACNへのDMAの付加を、3つの攪拌釜から成る、連続的に運転される攪拌釜カスケード中で実施する。3つの攪拌釜の体積比は1:1.5:2.5である。反応は5barの圧力で実施する。
【0090】
初めの2つの攪拌釜中での温度は60℃であり、3つ目の攪拌釜中では30℃である。付加は、1つ目の攪拌容器の体積に対して、単位時間当たりのアクリロニトリルの供給流として計算した0.54kg/L/hの負荷量で実施する。DMA対ACNの使用材料のモル比は0.98である。アクリロニトリルの残分含有率は3質量%である(反応搬出物全体に対して)。付加段階の容器中での反応混合物の平均滞留時間は約4時間である。
【0091】
付加段階の反応搬出物を、連続的に運転される反応器中での2つ目の反応段階で、コバルト含有固定床触媒により水素化する。触媒負荷量は、1.0kg(DMAPN−粗製搬出物)/kg(触媒)/hである。水素化は180barの絶対圧で実施する。反応器出発温度は120℃である、循環流対DMAPN−供給流の質量比は2.5kg/kgである。反応供給流中でのアンモニアの割合は0.8kg(アンモニア)/kg(DMAPN)であり、アンモニア対ニトリルのモル比は5である。
【0092】
計1300hの運転時間後、水素化でニトリルの目立った破過(Durchbruch)が確認される(搬出物中でDMAPN>0.1%)。
【0093】
実施例2
ACNへのDMAの付加を、7つの攪拌釜から成る、連続的に運転される攪拌釜カスケード中で実施する。7つの攪拌釜の体積比は、1:1.5:2.5:3.4:3.4:3.4:3.4である。反応は5barの圧力で実施する。
【0094】
初めの2つの攪拌釜中での温度は60℃であり、3つ目〜7つ目の攪拌釜中では40℃である。付加は、1つ目の攪拌容器の体積に対して、単位時間当たりのアクリロニトリルの供給流として計算した0.54kg/L/hの負荷量で実施する。DMA対ACNの使用材料のモル比は0.98である。アクリロニトリルの残分含有率は約2質量%である(反応搬出物全体に対して)。付加段階の容器中での反応混合物の平均滞留時間は約16時間である。
【0095】
500hの運転時間後、約24hの間、軽減した量のDMAを付加反応器中に加え、これにより搬出物中での残分のアクリロニトリル含有率が5〜30質量%に上昇する。
【0096】
付加段階の反応搬出物を、連続的に運転される反応器中での2つ目の反応段階で、コバルト含有固定床触媒により水素化する。触媒負荷量は、1.0kg(DMAPN−粗製搬出物)/kg(触媒)/hである。水素化は180barの絶対圧で実施する。反応器出発温度は120℃である、循環流対DMAPN−供給流の質量比は2.5kg/kgである。反応供給流中でのアンモニアの割合は0.8kg(アンモニア)/kg(DMAPN)であり、アンモニア対ニトリルのモル比は5である。
【0097】
初めの500hの内に、水素化段階の搬出物中でニトリルの破過は検出されない。
【0098】
計530hの運転時間後、水素化でニトリルの目立った破過が確認される(搬出物中でDMAPN>0.2%)。
【0099】
実施例3
ACNへのDMAの付加を、3つの攪拌釜から成る、連続的に運転される攪拌釜カスケード中で実施する。3つの攪拌釜の体積比は1:1.5:2.5である。反応は5barの圧力で実施する。
【0100】
初めの2つの攪拌釜中での温度は60℃〜80℃であり、3つ目の攪拌釜中では30℃〜45℃である。付加は、1つ目の攪拌容器の体積に対して、単位時間当たりのアクリロニトリルの供給流として計算した0.44〜0.54kg/L/hの負荷量で実施する。DMA対ACNの使用材料のモル比は1.08〜1.18である。アクリロニトリルの残分含有率は0.2質量%未満である(反応搬出物全体に対して)。付加段階の容器中での反応混合物の平均滞留時間は約4時間である。
【0101】
付加段階の反応搬出物を、連続的に運転される反応器中での2つ目の反応段階で、コバルト含有固定床触媒により水素化する。触媒負荷量は、1.0kg(DMAPN−粗製搬出物)/kg(触媒)/hである。水素化は180barの絶対圧で実施する。反応器出発温度は120℃である、循環流対DMAPN−供給流の質量比は2.5kg/kgである。反応供給流中でのアンモニアの割合は0.8kg(アンモニア)/kg(DMAPN)であり、アンモニア対ニトリルのモル比は5である。
【0102】
600hの運転時間の内に、水素化でニトリルの破過は確認されない。
【0103】
実施例4
ACNへのDMAの付加を、2つの容器を備えたポンプ循環される循環サイクルならびに層流が生ずる容器および他の2つの容器から成る、連続的に運転される装置中で実施する。ポンプ循環サイクルの容器対層流が生ずる容器および他の2つの容器の体積比は、1:0.2:2:3である。
【0104】
ポンプ循環サイクル内での温度は60℃であり、他の容器中では30〜45℃である。付加は、ポンプ循環サイクルの体積に対して、単位時間当たりのアクリロニトリルの供給流として計算した0.75kg/L/hの負荷量で実施する。初めの2つの容器中でポンプ循環された量の粗製−DMAPN対反応搬出物の比は30kg/kgである。
【0105】
DMA対ACNの使用材料のモル比は1.08である。アクリロニトリルの残分含有率は、5つの容器を通過した後の反応流中で0.1質量%未満である(反応搬出物全体に対して)。付加段階の容器中での反応混合物の平均滞留時間は約4時間である。反応は4barの圧力で実施する。使用したアクリロニトリルは、約0.4%の水含有率を有する。
【0106】
付加段階の反応搬出物を、連続的に運転される反応器中での2つ目の反応段階で、コバルト含有固定床触媒により水素化する。触媒負荷量は、平均して1.0kg(DMAPN−粗製搬出物)/kg(触媒)/hである。水素化は180barの絶対圧で実施する。反応器中での反応器出発温度は約144℃である、循環流対DMAPN−供給流の質量比は2.5kg/kgである。反応供給流中でのアンモニアの割合は0.8kg(アンモニア)/kg(DMAPN)であり、アンモニア対ニトリルのモル比は5である。
【0107】
6ヶ月の運転時間の内に、水素化でニトリルの破過は確認されず、この時間で約4500kg(DMAPN)/kg(触媒)の全量を水素化した。
【符号の説明】
【0108】
1 入口、 2 入口、 3 熱交換器、 4 ポンプ、 5 反応器、 6 熱交換器、 7 第二の反応器、 8 出口、 11 入口、 12 入口、 13 熱交換器、 14 入口、 15 固定床反応器、 16 ポンプ、 17 熱交換器、 18 分離器、 19 出口、 20 出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとの反応による連続的な運転方式でのアミノアルキルニトリルの製造法であって、以下の工程:
(a)相応するモノアミンを、連続的に運搬される反応流中に供給する工程;
(b)相応するアルケニルニトリルを反応流中に供給する工程、その際、該反応流は、添加に際してすでにアミノアルキルニトリルを含有する;
(c)第一の反応領域中での反応流の反応工程;および
(d)さらなる反応のために少なくとも1つの第二の反応領域中に、反応流を少なくとも部分的に移送する工程
を含む、相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとの反応による連続的な運転方式でのアミノアルキルニトリルの製造法。
【請求項2】
アミノアルキルニトリルが3−ジメチルアミノプロピオニトリルであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも工程(a)〜(c)を循環運転方式で実施することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
アルケニルニトリルおよびモノアミンを液体の形で供給することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
相応するアルケニルニトリルの添加に際して、反応流が、アルケニルニトリルに対して0.1モル%の最小過剰量の相応するモノアミンを有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
工程(c)での反応を、アルケニルニトリルの消費量が80〜98%の範囲内となるように行うことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
工程(d)での反応後、反応流中でのアルケニルニトリルの残分含有率が1質量%未満であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
反応流が第一および第二の反応領域中で、反応に際して異なる温度を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
反応流が第一の反応領域中で、反応に際して、少なくとも第二の反応領域中での温度より高い温度を有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
第一の反応領域中での反応流の温度が20℃〜110℃の範囲内にあることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
少なくとも第二の反応領域中での反応流の温度が0℃〜100℃の範囲内にあることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
ゲージ圧力が第一および第二の反応領域中で、同じかまたは異なっており、かつ1bar〜20barの範囲内にあることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
反応流に、第一の反応領域中での反応前に水を供給することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
モノアミンを水溶液の形で反応流に供給することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
反応流から、第二の反応領域中での反応後に、反応しなかったモノアミンを、第二の反応領域中でまたは第二の反応領域の外側で取り出すことを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
さらなる工程
(e)反応流を、反応後に第二の反応領域から排出する工程
を含む、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
相応するアミノアルキルニトリルからのジアミンの製造法であって、以下の工程:
(a)請求項16記載の工程(e)で導出された反応流を還元領域中に導入する工程;および
(b)相応するジアミンを得るための、反応流中に存在するアミノアルキルニトリルの還元工程
を含む、相応するアミノアルキルニトリルからのジアミンの製造法。
【請求項18】
還元を水素によって行うことを特徴とする、請求項17記載の方法。
【請求項19】
工程(b)の前に、反応流にアンモニアを供給することを特徴とする、請求項17または18記載の方法。
【請求項20】
工程(a)および(b)を連続的な運転方式で実施することを特徴とする、請求項17から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
請求項17記載の工程(b)からの粗製生成物を、少なくとも部分的に循環流で返送することを特徴とする、請求項20記載の方法。
【請求項22】
水素およびアンモニアを、循環流に向かって、請求項17記載の工程(a)での反応流の導入前に該循環流に供給することを特徴とする、請求項18、19または21記載の方法。
【請求項23】
水素ならびにアンモニアの供給後および請求項17記載の工程(a)での導入前に、循環流を熱交換器にその加熱のために通過させることを特徴とする、請求項22記載の方法。
【請求項24】
還元を固定床−触媒により行うことを特徴とする、請求項17から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
還元中、還元領域中での最大温度が150℃であることを特徴とする、請求項17から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
還元を断熱的に行うことを特徴とする、請求項17から25までのいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
連続的な運転方式で、相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとを反応させることによってアミノアルキルニトリルを製造するための装置であって、該装置は:
−以下のものを含む第一の反応領域
−供給管を備えた入口、その際、該供給管は
−該供給管にモノアミンを供給するのに適している第一の入口;
−アルケニルニトリルを該供給管に供給するのに適しており、かつ第一の入口と第一の反応領域の入口との間にある第二の入口を有する;
−該供給管と結ばれている出口;および
−第二の反応領域への移送部:および
−第二の反応領域
を含み、その際、該供給管はアミノアルキルニトリルを含有する、連続的な運転方式で、相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとを反応させることによってアミノアルキルニトリルを製造するための装置。
【請求項28】
第一および第二の反応領域が異なる反応器容器であることを特徴とする、請求項27記載の装置。
【請求項29】
異なる反応器容器間の移送部が導管であることを特徴とする、請求項28記載の装置。
【請求項30】
相応するアミノアルキルニトリルからジアミンを製造するための装置であって、該装置は、
−請求項27から29までのいずれか1項記載の装置;および
−還元領域
を含む、相応するアミノアルキルニトリルからジアミンを製造するための装置。
【請求項31】
還元領域が固定床反応器であることを特徴とする、請求項30記載の装置。
【請求項32】
連続的な運転方式で、相応するモノアミンと相応するアルケニルニトリルとを反応させることによってアミノアルキルニトリルを製造するための、請求項27から29までのいずれか1項記載の装置の使用方法。
【請求項33】
相応するアミノアルキルニトリルからジアミンを製造するための、請求項30または31記載の装置の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−536177(P2009−536177A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508366(P2009−508366)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054381
【国際公開番号】WO2007/128803
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】