説明

アミロイドプラークに結合し画像化するためのスチルベン誘導体及びそれらの使用

本発明は、アミロイド沈着を画像化する方法、並びにアミロイド沈着の画像化に有用な標識化合物及び該標識化合物を作製する方法に関する。本発明はまた、アミロイド沈着を形成するアミロイドタンパク質の凝集を阻害する化合物及び該化合物を製造する方法、並びにアミロイド沈着に治療薬を輸送する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明は、新規な生物活性化合物、放射線標識した化合物を用いた診断画像化法、及び放射線標識した化合物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
[0002]アルツハイマー病(AD)は、認識衰退、不可逆性記憶喪失、見当識障害、及び言語機能障害によって特徴付けられる進行性神経変性障害である。AD脳切片の検視試験は、アミロイド−β(Aβ)ペプチドから構成される多くの老人斑(SP)、及び非常にリン酸化されたタウタンパク質のフィラメントによって形成される無数の神経原線維変化(NFT)を現す(最近の概要及び追加の引用文献については、Ginsberg,S.D.,et al.,“Molecular Pathology of Alzheimer’s Disease and Related Disorders,”in Cerebral Cortex:Neurodegenerative and Age−related Changes in Structure and Function of Cerebral Cortex,Kluwer Academic/Plenum,NY(1999),pp.603−654;Vogelsberg−Ragaglia,V.,et al.,“Cell Biology of Tau and Cytoskeletal Pathology in Alzheimer’s Disease,”Alzheimer‘s Disease,Lippincot,Williams & Wilkins,Philadelphia,PA(1999),pp.359−372を参照されたい)。
【0003】
[0003]アミロイドーシスは、患者組織における種々の不溶性線維状タンパク質の蓄積によって特徴付けられる状態である。アミロイド沈着は、アミロイドタンパク質の凝集によって形成され、その後の凝集体及び/又はアミロイドタンパク質がさらに複合化する。脳におけるβ−アミロイド(Aβ)ペプチドの凝集体の形成及び蓄積は、ADの発症及び進行に重要な因子である。
【0004】
[0004]アルツハイマー病におけるアミロイド沈着の役割に加えて、アミロイド沈着の存在は、地中海熱、マックル・ウェルズ症候群、特発性骨髄腫、アミロイド多発ニューロパシー、アミロイド心筋症、全身性老人性アミロイドーシス、アミロイド多発ニューロパシー、アミロイドーシスを伴う遺伝性小脳出血、ダウン症候群、スクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールー、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群、甲状腺髄様癌、単離心房アミロイド、透析患者におけるβ2−ミクログロブリンアミロイド、封入体筋炎、筋肉疲労病におけるβ2−アミロイド沈着、及びランゲルハンス島II型糖尿病インスリノーマのような疾患に見られる。
【0005】
[0005]アミロイドペプチドであるAβ1-40及びAβ1-42の線維状凝集体は、AD患者における老人斑及び脳血管アミロイドに見られるアミロイド前駆体タンパク質から誘導される主要な代謝性ペプチドである(Xia,W.,et al.,J.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.97:9299−9304(2000))。Aβプラーク形成の阻止及び拮抗は、この疾患の治療として標的視されている(Selkoe,D.,J.JAMA 283:1615−1617(2000);Wolfe,M.S.et al.,J.Med.Chem.41:6−9(1998);Skovronsky,D.M.,and Lee,V.M.,Trends Pharmacol.Sci.21:161−163(2000))。
【0006】
[0006]家族性AD(FAD)は、A前駆体タンパク質(APP)、プレセニリン1(PS1)及びプレセニリン2(PS2)遺伝子における複数の突然変異によって引き起こされる(Ginsberg,S.D.,et al.,“Molecular Pathology of Alzheimer‘s Diseas and Related Disorders,”in Cerebral Cortex:Neurodegenerative and Age−related Changes in Structure and Function of Cerebral Cortex,Kluwer Academic/Plenum,NY(1999),pp.603−654;Vogelsberg−Ragaglia,V.,et al.,“Cell Biology of Tau and Cytoskeletal Pathology in Alzheimer’s Disease,”Alzheimer’s Disease,Lippincot,Williams & Wilkins,Philadelphia,PA(1999),pp.359−372)。
【0007】
[0007]ADの根底にある正確な機構は十分には理解されていないが、これまでに試験された全ての病原性FAD突然変異は、Aβペプチドのより多くのアミロイド生成性の42〜43個のアミノ酸の長さの生成を増加する。つまり、少なくともFADにおいては、Aβ生成の異常調節は、神経変性へと導く事象のカスケードを誘導するのに十分であることが明らかである。実際に、アミロイドカスケード仮説は、脳における細胞外線維状Aβ凝集体の形成がAD発病における極めて重要な事象であるかもしれないことを示唆する(Selkoe,D.J.,“Biology of β−amyloid Precursor Protein and the Mechanism of Alzheimer’s Disease,”Alzheimer’s Disease,Lippincot Willianms & Wilkins,Philadelphia,PA(1999),pp.293−310;Selkoe,D.J.,J.Am.Med.Assoc.283:1615−1617(2000);Naslund,J.,et al.,J.Am.Med.Assoc.283:1571−1577(2000);Golde,T.E.,et al.,Biochemica et Biophysica Acta 1502:172−187(2000))。
【0008】
[0008]脳における線維状Aβの生成の阻害及び蓄積の減少を試行する種々のアプローチは、現在、ADに対する有力な治療薬として評価されている(Skovronsky,D.M.and Lee,V.M.,Trends Pharmacol.Sci.21:161−163(2000);Vassar,R.,et al.,Science 286:735−741(1999);Wolfe,M.S.,et al.,J.Med.Chem.41:6−9(1998);Moore,C.L.,et al.,J.Med.Chem.43:3434−3442(2000);Findeis,M.A.,Biochimica et Biophysica Acta 1502:76−84(2000);Kuner,P.,Bohrmann,et al.,J.Biol.Chem.275:1673−1678(2000))。したがって、線維状Aβ凝集体に特異的に結合するリガンドを開発することが重要である。細胞外SPは利用しやすい標的物であるので、これらの新規なリガンドは、生存者におけるADアミロイド形成の研究において、インビボにおける診断用ツールとして、そしてAβの進行性沈着を視覚化するためのプローブとして使用することができる。
【0009】
[0009]この目的を達成するために、線維状Aβ凝集体−特異的リガンドを開発するためのいくつかの興味あるアプローチが報告されている(Ashburn,T.T.,et al.,Chem.Biol.3:351−358(1996);Han,G.,et al.,J.Am.Chem.Soc.118:4506−4507(1996);Klunk,W.E.,et al.,Biol.Psychiatry 35:627(1994);Klunk,W.E.,et al.,Neurobiol.Aging 16:541−548(1995);Klunk,W.E.,et al.,Society for Neuroscience Abstract 23:1638(1997);Mathis,C.A.,et al.,Proc.XIIth Intl.Symp.Radiopharm.Chem.,Uppsala,Sweden:94−95(1997);Lorenzo,A.and Yankner,B.A.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.91:12243−112247(1994);Zhen,W.,et al.,J.Med.Chem.42:2805−2815(1999))。最も魅力的なアプローチは、高度に結合したクリサミン−G(CG)とコンゴーレッド(CR)に基づき、後者は、検視AD脳切片におけるSP及びNFTの蛍光染色に関して使用されている(Ashburn,T.T.,et al.,Chem.Biol.3:351−358(1996);Klunk,W.E.,et al.,J.Histochem.Cytochem.37:1273−1281(1989))。線維状Aβ凝集体へのCR、CG、及びCGの3’−ブロモ−及び3’−ヨード誘導体の阻害定数(Ki)は、それぞれ、2,800、370、300及び250nMである(Mathis,C.A.,et al.,Proc.XIIth Intl.Symp.Radiopharm.Chem.,Uppsala,Sweden:94−95(1997))。これらの化合物は、選択的に、インビトロにおいてはAβ(1−40)ペプチド凝集体、並びにAD脳切片における線維状Aβ沈着に結合することが示されている(Mathis,C.A.,et al.,Proc.XIIth Intl.Symp.Radiopharm.Chem.,Uppsala,Sweden:94−95(1997))。
【0010】
[0010]脳におけるAβ凝集体を画像化するためのいくつかの有力な利点がある。画像技術は、脳における過剰なAβプラークを有する潜在的な患者(したがって、アルツハイマー病を発症する可能性があるかもしれない)を同定することによって診断を改善するであろう。同様に、この疾患の進行を監視することに有用であろう。抗プラーク薬物治療が利用可能となる場合、脳におけるAβプラークを画像化することは、治療を監視するための本質的なツールを提供するかもしれない。つまり、患者におけるアミロイド沈着を検出及び定量するための単純な非侵襲性の方法が、熱心に探索されている。現在、アミロイド沈着の検出は、生検又は検視材料の組織学的分析に関与する。両方法は欠点を有する。例えば、検視は、検視診断に使用され得るだけである。
【0011】
[0011]インビボにおけるアミロイド沈着の直接的な画像化は困難であり、それは、沈着が正常な組織と同じ多くの物性(例えば、密度及び水含有量)を有するためである。磁気共鳴画像(MRI)及びコンピュータ関連トモグラフィー(CAT)を用いたアミロイド沈着を画像化する試みは失望させるものであり、ある種の好適な条件下だけでアミロイド沈着を検出する。さらに、抗体を用いてアミロイド沈着を標識する努力は、血清アミロイドPタンパク質又は他のプローブ分子が、組織周辺上にある選択性を提供するが、組織内部の画像化には困難を伴う。
【0012】
[0012]生存者の脳においてAβ凝集体を検出するための有力なリガンドは、無傷の血液脳関門を横断しなければならない。つまり、脳による摂取は、相対的に小さな分子サイズ(コンゴーレッドと比較して)、及び増加した脂溶性を有したリガンドを用いることによって改善することができる。高度に結合したチオフラビン(S及びT)は、AD脳におけるAβ凝集体を染色するための色素として一般に使用される(Elhaddaoui,A.,et al.,Biospectroscopy 1:351−356(1995))。
【0013】
[0013]タングル(主に高リン酸化タウタンパク質から構成される)及びプラーク(Aβタンパク質凝集体を含有する)の両方に結合するための非常に脂溶性のトレーサーである[18F]FDDNPが報告されている(Shoghi−Jadid K,et al.,Am J Geriatr Psychiatry.2002;10:24−35)。陽電子放出断層撮影法(PET)を用いて、このトレーサーが、9人のAD患者及び7人の比較患者においてプラーク及びタングルの沈着を特異的に標識したことが報告されている(Nordberg A.Lancet Neurol.2004;3:519−27)。関心のある脳領域対脳橋の相対的な滞留時間と呼ばれる新規な薬物動態解析法を用いて、AD患者及び比較患者との差異が示された。相対的な滞留時間は、AD患者において有意に高かった。これは、さらに、FDDNPが、インビトロにおけるAβ原線維及びエクスビボにおけるAβプラークに結合するためのいくつかのNSAIDと競合するという興味ある見解によって複雑である(Agdeppa ED,et al.2001;Agdeppa ED,et al.,Neuroscience.2003;117:723−30)。
【0014】
[0014]ベンゾチアゾールアニリン誘導体である[11C]6−OH−BTA−1([11C]PIBとも称される)を用いてAD患者の脳におけるβ−アミロイドを画像化することが、最近、報告されている(Mathis CA et al.,Curr Pharm Des.2004;10:1469−92;Mathis CA,et al.,Arch.Neurol.2005,62:196−200)。[18F]FDDNPに対して観察されたものとは対照的に、[11C]6−OH−BTA−1は、インビボにおいて線維状Aβに特異的に結合する。診断された軽度のADを患う患者は、大脳皮質に[11C]6−OH−BTA−1の顕著な保持を示し、ADにおける大量のアミロイド沈着を含有することを知らせた。AD患者群において、[11C]6−OH−BTA−1保持は、前頭皮質に最も著しく増加した。大きな増加はまた、頭頂側頭後頭皮質及び線条体に観察された。[11C]6−OH−BTA−1保持は、アミロイド沈着によって相対的に影響を受けていないものとして知られる領域(例えば、皮質下白質、脳橋、及び小脳)において、AD患者及び比較患者において均等であった。最近、別の11C標識したAβプラーク標的プローブ−スチルベン誘導体−[11C]SB−13が研究されている。[3H]SB−13を用いたインビトロでの結合は、この化合物が優れた結合親和性を示し、そして、結合がADケースの白質ではなく、皮質灰白質に明確に測定され得ることを示唆する(Kung M−P,et al.,Brain Res.2004;1025:98−105)。対照の脳の皮質組織のホモジネートにおいて非常に低い特異的な結合があった。AD皮質ホモジネートにおける[3H]SB−13のKd値は、2.4±0.2nMであった。非常に高い結合能力及び同程度の値が観察された(14〜45pmol/mgタンパク質)(Id)。予想通りに、AD患者においては、年齢が適合した対照患者ではなく、軽度〜中程度のAD患者において、[11C]SB−13は、前頭皮質(推定上、高密度のAβプラークを含有する領域)において非常な蓄積を示した(Verhoeff NP,et al.,Am J Geriatr Psychiatry.2004;12:584−95)。
【0015】
[0015]患者におけるアミロイド沈着の画像化及び定量化のための非侵襲性の技術を有することが有用であろう。さらに、アミロイド沈着を形成するアミロイドタンパク質の凝集を阻害する化合物、及びアミロイドタンパク質の凝集を阻害する化合物の能力を測定する方法が有用であろう。
【発明の開示】
【0016】
発明の概要
[0016]本発明は、式I、II及びIIIの新規な化合物を提供する。
[0017]本発明はまた、放射線標識した式I、II又はIIIの化合物、及び医薬として許容される担体又は希釈剤を含む診断用組成物を提供する。
【0017】
[0018]本発明は、さらに、アミロイド沈着を画像化する方法を提供し、該方法は、検出可能な標識した式I、II若しくはIIIの化合物又はその医薬として許容される塩、エステル、アミド若しくはプロドラッグを患者に導入することを含む。
【0018】
[0019]本発明はまた、アミロイドタンパク質の凝集を阻害する方法を提供し、該方法は、アミロイドを阻害する量の式I、II若しくはIIIの化合物又はその医薬として許容される塩、エステル、アミド若しくはプロドラッグを哺乳動物に投与することを含む。
【0019】
[0020]本発明の更なる側面は、アミロイドを阻害及び画像化する本明細書中に記載する式I、II又はIIIの化合物を合成するために有用な方法及び中間体に関する。
【0020】
発明の詳細な説明
[0022]第一の側面において、本発明は、式I:
【化1】

{式中、
1は、下記:
a.NRab(ここで、Ra及びRbは、独立して、水素、C1-4アルキル又は(CH2d18Fであり、及びdは1〜4の間の整数である)、
b.ヒドロキシ、
c.C1-4アルコキシ、
d.ヒドロキシ(C1-4)アルキル、
e.ハロゲン、
f.シアノ、
g.水素、
h.ニトロ、
i.(C1−C4)アルキル、
j.ハロ(C1−C4)アルキル、及び
k.ホルミル
からなる群から選択され;
【0021】
1’は、下記:
a.123I、125I、131I、18F、76Br、
b.水素、
c.18F(C1-4)アルキル、
d.[18F(C1-4)アルキル]アミノ、
e.[18F(C1−C4)アルキル]アルキルアミノ、及び
f.18F(C1−C4)アルコキシ
からなる群から選択され;
【0022】
2は、下記:
i.ヒドロキシル、C1-4アルコキシ、(C1−C4)−アルキルオキソアルキ(C1−C4)オキシ、(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、カルボキシ(C1−C4)アルキル、ハロ(C1−C4)アルコキシ、ハロ(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、ハロ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)−アルキルオキシ、ハロ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、ハロ(C1−C4)アルキル、NR66’、フェニル(C1−C4)アルキル、18F(C1−C4)アルコキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、18F(C1−C4)アルキル(ここで、R6及びR6’は、独立して、水素、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル及びC1−C4アルキルからなる群から選択される);
【0023】
ii.下式:
【化2】

(式中、qは1〜10までの整数であり;Zは、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換ベンジルオキシ、好ましくは18F−フェノキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換(C1-4)アルコキシ、18F置換アリールオキシ、及び18F置換C6-10アリール、好ましくは18F−フェニルからなる群から選択され;並びにR30、R31、R32及びR33は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択される);
【0024】
iii.下式:
【化3】

(式中、Z、R30、R31、R32及びR33は、上述される通りである);
【0025】
iv.下式:
【化4】

(式中、
Yは、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、好ましくは18F−フェノキシ、及び18F置換C6-10アリール、好ましくは18F−フェニルからなる群から選択され;
【0026】
Uは、水素、ヒドロキシ、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、好ましくは18F−フェノキシ、及び18F置換C6-10アリール、好ましくは18F−フェニルからなる群から選択され;及び
34、R35、R36、R37、R38、R39及びR40は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択され;そして
【0027】
7及びR8は、どの場合でも、独立して、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br)、水素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、及びヒドロキシ(C1-4)アルキル(ここで、R7及びR8の少なくとも1つはハロゲン(好ましくは、F)である)からなる群から選択される}
で表される化合物又はその医薬として許容される塩若しくはプロドラッグに関する。
【0028】
好ましい実施態様において、
1は、独立して、水素、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br)、C1−C4アルキル、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C)アルキルアミノ、ハロ(C1−C4)アルキル、ホルミル、及びアルキ(C1−C4)−オキシからなる群から選択され、
1’は、独立して、水素、123I、125I、131I、18F、18F(C1-4)アルキル、[18F(C1-4)アルキル]アミノ、[18F(C1−C4)アルキル]アルキルアミノ、18F(C1−C4)アルコキシ、及び76Brからなる群から選択され、
【0029】
2は、独立して、ヒドロキシル、C1-4アルコキシ、(C1−C4)アルキルオキソアルキ(C1−C4)オキシ、カルボキシ(C1−C4)アルキル、ハロ(C1−C4)アルコキシ、ハロ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、ハロ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、ハロ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ−(C1−C4)アルキルオキシ、ハロ(C1−C4)アルキル、NR66’、フェニル(C1−C4)アルキル、18F(C1−C4)アルコキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ−(C1−C4)アルコキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ−(C1−C4)アルキルオキシ、18F(C1−C4)アルキルからなる群から選択され、
【0030】
6及びR6’は、独立して、水素、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、及びC1−C4アルキルからなる群から選択され、
7及びR8は、H、F、Cl又はBrから選択され、ここで、R7又はR8のいずれかはハロゲンである。
【0031】
さらに好ましい実施態様において、
1は、水素、ヒドロキシ、(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C)アルキルアミノ、メチル及びメトキシからなる群から選択され、特に水素、メチルアミノ、及びジメチルアミノから選択され、
【0032】
1’は、水素、123I、125I、131I及び18Fからなる群から選択され、
2は、ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、NR66’18F(C1−C4)アルコキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ−(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、18F(C1−C4)アルキルからなる群から選択され、特に(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、及び18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシから選択され、
【0033】
6及びR6’は、独立して、水素、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、及びC1−C4アルキルからなる群から選択され、
7及びR8は、水素及びフッ素からなる群から選択され、ここで、R7又はR8のいずれかはフッ素である。
【0034】
[0023]
付加的なハロゲン、特に二重結合でフッ素を担持するスチルベン誘導体が薬物速度論的特性の改善及び/又は代謝的安定性の増加及び/又は幾何異性体安定性及び均一性の増加を示すことが驚くべきことに見出されている。
【0035】
[0024]式Iの好ましい化合物は、下記の構造:
【化5】

(式中、R7及びR8の1つは水素であり、そしてその他はハロゲンである)
を有する。
【0036】
[0025]本発明の第二の側面は、式II:
【化6】

{式中
1は、下記:
a.NRab(ここで、Ra及びRbは、独立して、水素、C1-4アルキル、(CH2d18Fであり、及びdは1〜4の間の整数であり、あるいはRa及びRbはともに酸素であってニトロを形成する)、
b.ヒドロキシ、
c.C1-4アルコキシ、及び
d.ヒドロキシ(C1-4)アルキル
からなる群から選択され;
【0037】
2は、下記:
下式i:
【化7】

(式中、qは1〜10までの整数であり;Zは、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換(C1-4)アルコキシ、18F置換ベンジルオキシ、好ましくは18F置換フェノキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、及び18F置換C6-10アリール、好ましくは18F−フェニルからなる群から選択され;及び、R30、R31、R32及びR33は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択される);
【0038】
下式ii:
【化8】

(式中、Z、R30、R31、R32及びR33は、上述される通りである);
【0039】
下式iii:
【化9】

(式中、
Yは、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、好ましくは18F−フェノキシ、及び18F置換C6-10アリール、好ましくは18F−フェニルからなる群から選択され;
【0040】
Uは、水素、ヒドロキシ、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、好ましくは18F−フェノキシ及び18F置換C6-10アリール、好ましくは18F−フェニルからなる群から選択され;及び
【0041】
34、R35、R36、R37、R38、R39及びR40は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択され;そして
7及びR8は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択される}
で表される化合物又は医薬として許容されるその塩に関する。
【0042】
[0026]より好ましくは、それぞれのR30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39及びR40の値は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ及びメトキシからなる群から選択される。
[0027]好ましくは、R2は、エチレンブリッジに対してメタ位又はパラ位のいずれかである。
【0043】
[0028]R2が、下式i:
【化10】

である場合、R30、R31、R32及びR33に関する好ましい値は、どの場合でも、水素であり、そしてZは18Fである。qの有用な値は、1〜10までの整数を含む。好ましくは、qは2〜5までの整数である。より好ましくは、qの値は3又は4である。
【0044】
[0029]式IIの好ましい実施態様は、下記の構造:
【化11】

(式中、
a及びRbは、独立して、水素又はメチルであり、好ましくはRa及びRbの少なくとも1つはメチルであり;そして
Xは18Fである)
を含む。
【0045】
[0030]好ましい一連の式IIの化合物は、下記の構造:
【化12】

(式中、qは1〜10までの整数である)
を有する18F標識したポリエチレングリコール(PEG)−スチルベン誘導体を含む。より好ましい化合物は、qが、
【0046】
2に等しい
【化13】

化合物;
【0047】
3に等しい
【化14】

化合物;又は
【0048】
4に等しい
【化15】

化合物を含む。
【0049】
[0031]
この一連の化合物において、18Fは、可変数のエトキシ基を有するPEG鎖を通じてスチルベンに連結される。全てのフッ素化スチルベンは、検視AD脳ホモジネートを用いたアッセイにおいて高い結合親和性を示した(Ki=2.9〜6.7nM)。本明細書中のスキーム1〜3に示されるように、放射線標識は、10a−dのメシレート基を標的化合物[18F]12a−dを与える[18F]による置換によって首尾よく実行した(EOS、比活性、900〜1,500Ci/mmol;放射化学的純度>99%)。インビボにおいて、正常マウスにおけるこれらの18Fリガンドの生体内分布は、iv注射後に優れた脳浸透及び迅速な洗い出しを示した(2分及び60分でそれぞれ6.6〜8.1及び1.2〜2.6%服用量/g)。[18F]12a−dの検視AD脳切片のオートラジオグラフィーは、Aβプラークの存在に関連した特異的な結合を確かめた。さらに、インビボでのプラーク標識は、アルツハイマー病に対する有用な動物モデルであるトランスジェニックマウス(Tg2576)において18F標識した試薬を用いて明確に示され得る。
【0050】
[0032]本発明はまた、式III:
【化16】

(式中、nは1〜4の間の整数であり、R7及びR8は、各々、上述される通りであり、そしてR41は、ヒドロキシ及びNRab(ここで、Ra及びRbは、独立して、水素、C1-4アルキルであるか、又はRa及びRbはともに酸素であってニトロを形成する)からなる群から選択される)
で表される化合物に関する。
【0051】
[0033]好ましくは、nは1であり、及びR41はヒドロキシ、メチルアミノ又はジメチルアミノである。
[0034]C6-10アリールの範囲での好ましい値は、フェニル、ナフチル又はテトラヒドロナフチルを含む。ヘテロアリールの範囲での好ましい値は、チエニル、フリル、ピラニル、ピロリル、ピリジニル、インドリル、及びイミダゾリルを含む。複素環の範囲での好ましい値は、ピペリジニル、ピロリジニル、及びモルホリニルを含む。
【0052】
[0035]式I、II及びIIIの化合物はまた、溶媒和され、特に水和されてもよい。水和は、化合物又は該化合物を含む組成物の製造過程で発生してもよく、あるいは水和は、該化合物の吸湿性のために時間をかけて発生してもよい。さらに、本発明の化合物は、溶媒和されていない形態で存在することができ、並びに水、エタノール等のような医薬として許容される溶媒を用いて溶媒和された形態で存在してもよい。一般的に、溶媒和されて形態は、本発明の目的のために溶媒和されていない形態に均等であると考えられる。
【0053】
[0036]本発明は、スチルベン型化合物のシス及びトランス異性体の両方のような立体異性体を含むと考えられる。さらには、光学異性体、例えば鏡像異性体の混合物、並びに、個々の鏡像異性体及びジアステレオマーが含まれ、これらは、式I、II又はIIIの選択された化合物に構造的に非対称の結果として生じる。
【0054】
[0037]任意の変化が任意の構成要素又は式I、II若しくはIIIに1回を超えて発生する場合、各場合におけるその定義は、すべての他の場合でのその定義とは独立する。置換基及び/又は変化の組み合わせはまた、このような組み合わせが安定な化合物に帰着する場合にのみ許容される。
【0055】
[0038]用語「アルキル」は、単独で又は別の基の一部として本明細書中で使用するとき、最大8個の炭素、好ましくは6個の炭素、より好ましくは4個の炭素の直鎖及び分岐鎖基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル及びイソブチルを意味する。
【0056】
[0039]用語「アルコキシ」は、本明細書中で使用するとき、鎖長が限定されない限り、酸素原子に結合した直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味し、限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ等を含む。好ましくは、アルコキシ鎖は、1〜6個の長さの炭素原子であり、より好ましくは1〜4個の長さの炭素原子である。
【0057】
[0040]用語「モノアルキルアミン」は、単独で又は別の基の一部として本明細書中で使用するとき、上記で定義したアルキル基1個で置換されるアミノ基を意味する。
[0041]用語「ジアルキルアミン」は、単独で又は別の基の一部として本明細書中で使用するとき、上記で定義したアルキル基2個で置換されるアミノ基を意味する。
【0058】
[0042]用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、単独で又は別の基の一部として本明細書中で使用するとき、本明細書及び/又は請求の範囲で特別な使用で他に定義されない限り、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素を意味する。
【0059】
[0043]用語「ハロアルキル」は、本明細書中で使用するとき、上記のアルキル基を1以上の塩素、臭素、フッ素又はヨウ素によって置換した任意のものを意味し、フッ素及び塩素が好ましく、例えば、クロロメチル、ヨードメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、及び2−クロロエチルである。
【0060】
[0044]用語「アリール」は、単独で又は別の基の一部として本明細書中で使用するとき、環部分に6〜12個の炭素、好ましくは環部分に6〜10個の炭素を含有する単環式又は二環式芳香族基を意味し、例えば、フェニル、ナフチル又はテトラヒドロナフチルである。
【0061】
[0045]用語「複素環」又は「ヘテロ環」は、本明細書中で使用するとき、注記される場合を除いて、不変の5〜7員の単ヘテロ環系を表し、それは飽和又は不飽和であってもよく、炭素原子及びN、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子からなり、窒素及び硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されてもよい。特に有用なのは、1個の酸素若しくは硫黄と組み合わせた1個の窒素原子、又は2個の窒素のヘテロ原子を含有する環である。このようなヘテロ環基の例には、ピペリジニル、ピロリル、ピロリジニル、イミダゾリル、イミダジニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、及びピラゾリジニルが含まれ、より好ましくは、チアモルホリニル、ピペラジニル、及びモルホリニルである。
【0062】
[0046]用語「ヘテロ原子」は、本明細書中で使用するとき、酸素原子(「O」)、硫黄原子(「S」)又は窒素原子(「N」)を意味する。ヘテロ原子が窒素原子である場合、NRab部分を形成してもよいことは認識されるであろうし、ここで、Ra及びRbは、互いに独立して、水素若しくはC1-4アルキル、C2-4アミノアルキル、C1-4はハロアルキル、ハロベンジルであり、あるいはR1及びR2は、一緒になって、場合によっては同環にO、S又はNRcを有する5〜7員のヘテロ環を形成し、ここで、Rcは水素又はC1-4アルキルである。
【0063】
[0047]用語「ヘテロアリール」は、本明細書中で使用するとき、5〜14個の環原子を有する基を意味し;6、10又は14π電子が循環アレイに共有され;そして、炭素原子、及び1、2、3若しくは4個の酸素、窒素又は硫黄のヘテロ原子を含有する(ヘテロアリール基の例は、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾキサゾリル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタルアジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、3−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル及びフェノキサジニル基である)。
【0064】
[0048]用語「アラルキル」又は「アリールアルキル」は、単独で又は別の基の一部として本明細書中で使用するとき、アリール置換基を有する、上記で検討したC1-6アルキル基を意味し、例えば、ベンジル、フェニルエチル又は2−ナフチルメチルである。
【0065】
[0049]本発明は、さらに、上記の式I、II又はIIIの化合物を調製する方法に関する。本発明の化合物は、スキーム1〜8記載される反応によって調製することができる。
【0066】
[0050]スキーム1は、式Iの誘導を含有するチオフェン、具体的にはある種の式Ia化合物を形成する合成経路を記述する。
[0051]フッ素化PEGスチルベン12a−dは、スキーム1に示される反応によって調製した。PEG連結として2又は3個のエトキシ基を有する化合物を調製するために、商業的に利用可能な塩化物2a、bを4−メチルアミノ−4’−ヒドロキシスチルベン、1(Ono M,et al.,Nucl Med Biol.2003;30:565−71;Wilson A,et al.,J Labelled Cpd Radiopharm.2003;46:S61)のOH基とカップリングさせ、それぞれ3a、bを得た。3a、bの遊離OH基は、その後、TBDMSClを用いて保護し、化合物7a、bを得た。PEG連結として4又は5個のエトキシ基を有する化合物を調製するために、臭化物6c、dをスキーム2に示されるように別個に調製し、次いで、スチルベン1とカップリングさせ、TBS保護した化合物7c、dを得た。化合物7c、d上のO−TBS保護基は、THF中のTBAF(1M)処理によって除去し、3c、dを得た。化合物8a−dは、7a−dのメチルアミノ基をBOCで保護することによって得た。8a−dのTBS保護基をTBAF(1M)/THFで除去後、遊離OH基は、トリエチルアミンの存在下でMsClと反応させメシレートに変換して10a−dを得た。「コールド」のフッ素化PEGスチルベン12a−dは、無水TBAF/THF中で10a−dを還流し(Cox DP,et al.,J Org Chem.1984;49:3216−19)、その後、TFAとともに撹拌することによってBOC保護基を除去することによって首尾よく得た。
【0067】
[0052]所望の18F標識したPEGスチルベン[18F]12a−dを作製するために、N−BOC保護したメシレート10a−dを前駆体として使用した(スキーム3)。メシレート10a−dの各々は、DMSO中で[18F]フッ化物/炭酸カリウム及びKryptofix 222と混合し、120℃で4分加熱した。次に、この混合物をHCl水溶液で処理し、N−BOC保護基を除去した。粗製造物をHPLC(放射化学純度>99%、放射化学収率10〜30%、減衰補正)によって精製した。各18F標識した化合物、[18F]12a−dの調製には約90分かかり、比活性は合成の終端で900〜1,500Ci/mmolであると測定された。
【0068】
【化17】

【0069】
【化18】

【0070】
[0053]化合物15e、16eの合成、及び[18F]15e及び[18F]6eを調製するための標識前駆体15d、17dの合成は、スキーム9に示される。化合物15aを調製するために、4−ニトロ−4’−ヒドロキシスチルベン13aのニトロ基は、エタノール中でSnCl2で還元し、対応するアミン14aを得た。次に、このアミノ基は、(CHO)n及びNaBH3CNで処理し、ジメチルアミノ化合物15aを得た。化合物15bは、ヒドロキシルスチルベン15aを無水DMF中の臭化物20m(スキーム10で示されるように別個に調製した)及び炭酸カリウムと反応させることによって得た。化合物15cは、15bをアセトン中の1N HClで処理することによって得た。モノトシレート15dは、ジオール15cをピリジン中の1.5当量の塩化トシルと反応させることによって製造混合物から単離することができた。トシレート15dは、THF中の無水TBAFと還流することによってフッ化物15eに変換した。TBAFは、使用前24時間、高真空(<0.5mmHg)下で58℃で乾燥させなければならない。トシル化合物15dは、出発原料として使用し、放射線標識した化合物[18F]15eを得た。ニトロ化合物13eは、13aと20mのカップリング反応、その後のトシレーション及びフッ素化によって同様に合成した。化合物16eの合成は、13eのニトロ基をSnCl2/EtOHを用いて還元し、その後のアミノ基を(CHO)n、NaOCH3及びNaBH4を用いたモノメチル化によって達成した。中間体13bをアミン14cに還元し、次いで、モノメチル化して化合物16cを得た。[18F]16eを得るために、N保護したトシレート17dを放射線標識のための前駆体として設計した。予め調製した14aを始めに16aにモノメチル化した。次に、化合物17fは、16aと20nのカップリング(スキーム10)、及びBOCの2°アミンへの導入によって調製した。17fのジ−tert−ブチルシリル基は、室温でTHF中の1N TBAFを用いて除去し、ジオール5cを得て、これをモノトシル化して化合物17dを得た。
【0071】
[0054]関連化合物15hはまた、スキーム4に示されるように合成した。置換したマロネート21は、DIBALHでジオール22に還元し、その後、1当量のTBSClと反応させ、23を得た。次に、未保護のOHをCBr4/PPh3を用いて臭化物24に変換した。化合物24を15aと反応させて15gを得て、TBAFで処理してTBS基を除去し、15hを得た。
【0072】
[0055]
N,N−ジメチルスチルベンの2つのベンジル誘導体14及び15はまた合成した(スキーム4)。化合物14は、対応するエチルエステル133をLiAlH4で還元して得た。次に、ベンジルアルコールは、HBr/HOAcを用いて、非常に反応的な臭化ベンジル中間体に変換し、さらに精製せずに、即座に、メタノール及び炭酸カリウムの変換によってメチルエーテル15に変換した。
【0073】
[0056]二重結合に直接結合したフッ素原子を含むスチルベン誘導体(式I:R7又はR8はフッ素である)は、周知の方法(例えば、Tetrahedron Lett.43,(2002),2877−2879)によって合成した。
【0074】
[0057][18F]15eを得るために、前駆体15dは、DMSO中の[18F]フッ化物/炭酸カリウム及びKryptofix(登録商標)222と混合し、120℃で4分加熱した。粗生成物は、HPLCによって精製し、10%放射化学収率(減衰補正)を有する>99%の放射化学純度を得た。この手法は90分かかり、比活性は合成の終端で70Ci/mmolであると測定された。同様の手法が実行され、前駆体17dから[18F]16eを得た。DMSO中の初期反応後、混合物をHCl水溶液で処理し、BOC基を除去した。放射化学純度は、HPLC精製後に>99%であり、放射化学収率は15%であった。全合成は110分かかり、比活性は、合成の終端で90Ci/mmolである測定された。
【0075】
【化19】

【0076】
【化20】

【0077】
【化21】

【0078】
【化22】

【0079】
【化23】

【0080】
[0058]化合物のいくつかはまた、実施例50〜52に後述されるようにマイクロ波合成に従うことができる。
[0059]本発明の放射線ハロゲン化した化合物は、それ自身がキットにおいてユーザーに提供され得る材料から容易に形成するのに役立つ。造影剤を形成するためのキットは、例えば、最適な複合条件に適した濃度及びpHで生理学的に適した式Iの中間体の溶液を含有するバイアルを含むことができる。ユーザーは、ラジオアイソトープの適量、及び過酸化水素のような酸化剤をバイアルに添加するであろう。次に、得られた標識したリガンドを患者の静脈内に投与してもよく、脳内の受容体がγ線又はそこからの光電子放出を想定する手段によって画像化される。
【0081】
[0060]所望により、放射性診断薬は、pH調整剤(例えば、酸、塩、緩衝剤)、安定化剤(例えば、アスコルビン酸)又はイオン化剤(例えば、塩化ナトリウム)のような任意の添加物を含有してもよい。
【0082】
[0061]用語「医薬として許容される塩」は、本明細書中で使用するとき、本発明の化合物の炭酸塩又は酸付加塩を意味し、健全な医療判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答等なしに患者の組織と接触させた使用に適切であり、妥当な利益/リスク比が釣り合っていて、それらの意図された使用に効果的であり、並びに可能であれば、本発明の化合物の両性イオン形態である。用語「塩」は、本発明の化合物の相対的に無毒性の無機及び有機酸付加塩を意味する。また無毒性の有機酸、例えば、脂肪族モノ及びジカルボン酸、例えば、酢酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸及びアルカンジオイック酸、芳香族酸、及び脂肪族及び芳香族スルホン酸から誘導される塩が含まれる。これらの塩は、化合物の最終の単離及び精製過程でその場で又は別々に遊離塩形態で精製した化合物を適切な有機若しくは無機酸と反応させ、このように形成した塩を単離することによって調製することができる。さらに代表的な塩は、臭酸塩、塩酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシレート、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシレート、グルコヘプトナート、ラクチオバイオネート及びラウリルスルホネート塩、プロピオン酸塩、ピルビン酸塩、シクラメート、イセチオネート等を含む。これらは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属、例えば、ナトリウム、リチウム。カリウム、カルシウム。マグネシウム等に基づくカチオンを含んでもよく、並びに無毒性アンモニウム、四級アンモニウム、及び、限定されないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン等を含むアミンカチオンを含んでもよい。(例えば、Berge S.M.,et al.,Pharmaceutical Salts,J.Pharm.Sci.66:1−19(1977)を参照されたい。この文献は、本明細書中に参照により援用される。)
【0083】
[0062]本発明はまた、アミロイド沈着を画像化する方法に関する。脳のインビボでの画像薬に関する主要な必要条件の1つは、ボーラスのiv注射後に無傷の血液脳関門を横断する能力である。
【0084】
[0063]画像化の本発明の第一段階では、標識した式I、II又はIIIの化合物が検出可能な量で組織又は患者に導入される。この化合物は、典型的には、医薬組成物の一部であり、当業者に周知の方法によって組織又は患者に投与される。
【0085】
[0064]例えば、化合物は、経口、直腸内、非経口(筋内又は皮下による静脈)、嚢内、膣内、腹腔内、膀胱内、局所(粉末剤、軟膏又はドロップ)、又は口腔若しくは鼻腔スプレイとして投与され得る。
【0086】
[0065]本発明の好ましい態様において、標識した化合物は、検出可能な量で患者内に導入され、化合物がアミロイド沈着と結合するようになる十分な時間後、標識した化合物は、患者の内部に非侵襲的に検出される。本発明の別の実施態様において、式I、II又はIIIの18F標識した化合物は、患者に導入され、化合物がアミロイド沈着と結合するようになるような十分な時間後に、患者からの組織試料を取り出し、組織中の標識した化合物が患者から離れて検出される。本発明の第三の実施態様において、組織試料が患者から取り出されて、式I、II又はIIIの標識した化合物は組織試料に導入される。化合物がアミロイド沈着に結合するようになる十分量の時間後に化合物を検出する。
【0087】
[0066]患者への標識した化合物の投与は、一般的又は局所的投与経路によってなすことができる。例えば、標識した化合物は、生体を通して輸送されるように患者に投与してもよい。その代わりに、標識した化合物は、関心のある特定の臓器又は組織に投与することができる。例えば、患者のアルツハイマー病の進行を診断又は追跡するために、脳のアミロイド沈着を探し、定量することが望まれる。
【0088】
[0067]用語「組織」は、患者の身体の一部を意味する。組織の例には、脳、心臓、肝臓、血管、及び動脈が含まれる。検出可能な量は、選択された検出方法によって検出されるのに必要な標識した化合物の量である。検出を提供するための患者に導入されるべき標識した化合物の量は、当業者に容易に測定され得る。例えば、標識した化合物の量の増加は、化合物が選択された検出方法によって検出されるまで患者に提供され得る。標識は、化合物の検出を提供する化合物に導入される。
【0089】
[0068]用語「患者」は、ヒト及びその他の動物を意味する。当業者はまた、化合物がアミロイド沈着と結合するようになる十分な時間量を決定することに詳しい。必要な時間量は、検出可能な量の標識した式I、II又はIIIの化合物を患者に導入し、次に、投与後の種々の時間で標識した化合物を検出することによって容易に測定することができる。
【0090】
[0100]用語「結合した(associated)」は、標識した化合物とアミロイド沈着との間の化学的相互作用を意味する。結合(association)の例には、共有結合、イオン結合、親水性−親水性相互作用、疎水性−疎水性相互作用、及び複合体が含まれる。
【0091】
[0101]当業者は、陽電子放出原子、例えば18Fの陽電子放出断層撮影(PET)検出に詳しい。本発明はまた、18F原子が放射線非標識のフッ素原子と置換される特定の化合物に関する。
【0092】
[0102]放射性診断薬は、信頼できる診断を確実にすることができる十分な放射能及び放射能濃度を有するべきである。放射能の所望のレベルは、式I、II又はIIIの化合物を調製するために本明細書中に提供した方法によって達成され得る。
【0093】
[0103]アミロイド沈着の画像化はまた、アミロイド沈着の量を測定することができるように定量的に実行され得る。
[0104]本発明の別の側面は、アミロイドプラークの凝集を阻害する方法である。本発明はまた、アミロイドを阻害する上記の式I、II又はIIIの化合物の量を患者に投与することによって、アミロイド沈着を形成するアミロイドタンパク質の凝集を阻害する方法を提供する。
【0094】
[0105]当業者は、アミロイド沈着の成長が減少又は停止するまで、患者に増加した量で式I、II又はIIIの化合物を単に投与することによってアミロイドを阻害する量を容易に決定することができる。成長速度は、上述したような画像化を用いて、あるは患者から組織試料を取り出し、そこにあるアミロイド沈着を観察することによって評価することができる。本発明の化合物は、約0.1〜約1,000mg/日の範囲の服用レベルで患者に投与することができる。約70kgの体重を有する正常な成人については、約0.01〜約100mg/kg体重/日の範囲の服用量が十分である。しかしながら、使用される特定の服用量は変化してもよい。例えば、服用量は、患者の要件を含む多くの因子、治療される状態の重症度、及び使用される化合物の薬理学的活性に依存し得る。特定の患者に対する最適な服用量の決定は、当業者に周知である。
【0095】
[0106]放射性診断薬は、信頼できる診断を確実にすることができる十分な放射能及び放射能濃度を有するべきである。放射能の所望のレベルは、式I、II又はIIIの化合物を調製するために本明細書中に提供した方法によって達成され得る。
【0096】
[0107]アミロイド沈着の画像化はまた、アミロイド沈着の量を測定することができるように定量的に実行され得る。
[0108]下記の実施例は、本発明の方法及び組成物の例示であり、これに限定されない。当業者に通常直面され明白である種々の条件及びパラメータの他の適切な修飾及び適合は、本発明の精神及び範囲内である。
【0097】
[0109]合成に使用される全ての試薬は、商品であり、他に指示がない限り、さらに精製せずに使用した。1H NMRスペクトルは、CDCl3中でBruker DPXスペクトロメーター(200MHz)により得た。化学シフトは、内部TMSと比較したδ値(100万分の1)として報告される。カップリング定数は、ヘルツで報告される。多重度は、s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、br(ブロード)、m(多重項)によって定義される。元素分析は、Atlantic Microlab INCによって実行した。各手法に関して、「標準的な作業(workup)」は、下記の工程:指示した有機溶媒の天下、水、その後のブラインによる有機層の洗浄、水層からの有機層の分離、合わせた有機層の無水硫酸ナトリウムによる乾燥、硫酸ナトリウムのろ過による除去、減圧下での有機溶媒の除去を意味する。
【実施例】
【0098】
実施例1
2−(2−{4−[2−(4−メチルアミノ−フェニル)−ビニル]−フェノキシ}−エトキシ)−エタノール(3a)
[0110]窒素雰囲気下で、4−メチルアミノ−4’−ヒドロキシスチルベン、1(Ono M,et al.,Nucl Med Biol.2003;Wilson A,et al.,J Labelled Cpd Radiopharm.2003)(63mg、0.28mmol)及び2a(42mg、0.34mmol)を無水DMF(5.0ml)に溶解し、炭酸カリウム(125mg、0.91mmol)を添加した。懸濁液を100℃に加熱し、一晩撹拌した。室温まで冷却後、ジクロロメタンを用いた標準的な作業を適用し、残渣をシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中、4%メタノール)によって精製し、化合物3a(67mg、76%)を得た:
【化24】

【0099】
実施例2
2−[2−(2−{4−[2−(4−メチルアミノ−フェニル)−ビニル]−フェノキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エタノール(3b)
[0111]化合物3bは、化合物3aについて記載したのと同じ手法を用いて、DMF(10ml)中の1(150mg、0.67mmol)、2b(136mg、0.81mmol)、及び炭酸カリウム(277mg、2.01mmol)から調製した。3b(180mg、76%):
【化25】

【0100】
実施例3
2−{2−[2−(2−{4−[2−(4−メチルアミノ−フェニル)−ビニル]−フェノキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エタノール(3c)
[0112]TBAF(TMF中1M、0.06ml)をTHF(1ml)中の化合物7c(12mg、0.023mmol)の溶液にシリンジを通じて添加した。この溶液を室温で2時間撹拌した。ジクロロメタンを用いた標準的な作業後、残渣をシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中の4.5%メタノール)によって精製し、3cを得た(8.7mg、94%):
【化26】

【0101】
実施例4
2−(2−{2−[2−(2−{4−[2−(4−メチルアミノ−フェニル)−ビニル]−フェノキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エタノール(3d)
[0113]化合物3dは、化合物3cについて記載したのと同じ手法を用いて、THF(1ml)中の7d(15mg、0.027mmol)及びTBAF(THF中1M、0.06ml)から調製した。3d(7.8mg、65%):
【化27】

【0102】
実施例5
2−(2−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エタノール(5c)
[0114]テトラエチレングリコール、4c(1.12g、5.77mmol)及びTBDMSCl(0.87g、5.77mmol)をジクロロメタン(25ml)、その後トリエチルアミン(1.46g、14.4mmol)中に溶解した。溶液を室温で2時間撹拌した。ジクロロメタンを用いた標準的な作業後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の50%酢酸エチル)によって精製し、5c(744mg、42%)を得た:
【化28】

【0103】
実施例6
2−[2−(2−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エタノール(5d)
[0115]化合物5dは、化合物5cについて記載したのと同じ手法を用いて、ジクロロメタン(25ml)中のペンタエチレングリコール、4d(1.13g、4.72mmol)、TBDMSCl(0.78g、5.19mmol)、及びトリエチルアミン(1.2g、11.8mmol)から調製した。5d(668mg、40%):
【化29】

【0104】
実施例7
(2−{2−[2−(2−ブロモ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン(6c)
[0116]化合物5c(680mg、2.20mmol)及び四臭化炭素(947mg、2.86mg)をジクロロメタン(20ml)中に溶解した。溶液を氷浴を用いて0℃まで冷却し、ピリジン(2.0ml)、次いでトリフェニルホスフィン(749mg、0.286mmol)を添加した。この溶液を0℃で30分間、室温で2時間撹拌した。ジクロロメタンを用いた標準的な作業後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%酢酸エチル)によって精製し、化合物6c(680mg、79.6%)を得た:
【化30】

【0105】
実施例8
[2−(2−{2−[2−(2−ブロモエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−tert−ブチル−ジメチルシラン(6d)
[0117]化合物6dは、化合物6cについて記載したのと同じ手法を用いて、ジクロロメタン(20ml)中の5d(624mg、1.77mmol)、四臭化炭素(761mg、2.3mmol)、トリフェニルホスフィン(602mg、2.30mmol)、ピリジン(2.0ml)から調製した。6d(400mg、52.3%):
【化31】

【0106】
実施例9
{4−[2−(4−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−フェニル)−ビニル]−フェニル}−メチル−アミン(7a)
[0118]化合物3a(45mg、0.14mmol)及びTBDMSCl(33mg、0.22mmol)をジクロロメタン(10ml)、次いでイミダゾール(20mg、0.29mmol)に溶解した。この溶液を室温で2時間撹拌した。ジクロロメタンを用いた標準的な作業後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中1.5%メタノール)によって精製し、7a(56mg、91%)を得た:
【化32】

【0107】
実施例10
(4−{2−[4−(2−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−フェニル]−ビニル}−フェニル)−メチル−アミン(7b)
[0119]化合物7bは、化合物7aについて記載したのと同じ手法を用いて、ジクロロメタン(10ml)中の3b(136mg、0.38mmol)、TBDMSCl(86mg、0.57mmol)、イミダゾール(52mg、0.76mmol)から調製した。7b(170mg、95%):
【化33】

【0108】
実施例11
[4−(2−{4−[2−(2−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−フェニル}−ビニル)−フェニル−メチル−アミン(7c)
[0120]化合物7cは、化合物3aについて記載したのと同じ手法を用いて、DMF(10ml)中の1(98mg、0.44mmol)、6c(210mg、0.57mmol)、K2CO3(300mg、2.18mmol)から調製した。7c(213mg、95%):
【化34】

【0109】
実施例12
{4−[2−(4−{2−[2−(2−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−フェニル)−ビニル]−フェニル}−メチル−アミン(7d)
[0121]化合物7dは、化合物3aについて記載したのと同じ手法を用いて、DMF(10ml)中の1(97mg、0.43mmol)、6d(197mg、0.47mmol)、K2CO3(297mg、2.15mmol)から調製した。7d(220mg、91%):
【化35】

【0110】
実施例13
{4−[2−(4−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−フェニル)−ビニル]−フェニル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(8a)
[0122]窒素雰囲気下で、7a(54mg、0.13mmol)を無水THF(5.0ml)、次いでBoc−無水物(84mg、0.25mmol)に溶解した。この溶液を一晩還流した。ジクロロメタンを用いた標準的な作業後、残渣をシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中2%メタノール)によって精製し、8a(60mg、90%)を得た:
【化36】

【0111】
実施例14
(4−{2−[4−(2−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−フェニル]−ビニル}−フェニル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(8b)
[0123]化合物8bは、化合物8aについて記載したのと同じ手法を用いて、THF(10ml)中の7b(124mg、0.26mmol)及びBoc−無水物(218mg、0.66mmol)から調製した。8b(130mg、86%):
【化37】

【0112】
実施例15
[4−(2−{4−[2−(2−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−フェニル}−ビニル)−フェニル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(8c)
[0124]化合物8cは、化合物8aについて記載したのと同じ手法を用いて、THF(5ml)中の7c(84mg、0.16mmol)及びBoc−無水物(163mg、0.49mmol)から調製した。8c(86mg、86%):
【化38】

【0113】
実施例16
{4−[2−(4−{2−[2−(2−{2−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−フェニル)−ビニル]−フェニル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(8d)
[0125]化合物8dは、化合物8aについて記載したのと同じ手法を用いて、THF(10ml)中の7d(210mg、0.51mmol)及びBoc−無水(840mg、2.54mmol)から調製した。8d(174mg、66.7%):
【化39】

【0114】
実施例17
[4−(2−{4−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシ]−フェニル}−ビニル−フェニル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(9a)
[0126]化合物9aは、化合物3cについて記載したのと同じ手法を用いて、THF(5ml)中の8a(56mg、0.11mmol)及びTBAF(THF中1M、0.21ml)から調製した。9a(36mg、82%):
【化40】

【0115】
実施例18
{4−[2−(4−{2−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−フェニル)−ビニル]−フェニル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(9b)
[0127]化合物9bは、化合物3cについて記載したのと同じ手法を用いて、THF(10ml)中の8b(118mg、0.21mmol)及びTBAF(THF中1M、0.42ml)から調製した。9b(94mg、99.7%):
【化41】

【0116】
実施例19
(4−{2−[4−(2−{2−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−フェニル]−ビニル}−フェニル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(9c)
[0128]化合物9cは、化合物3cについて記載したのと同じ手法を用いて、8b(66mg、0.11mmol)、TBAF(THF中1M、0.22ml)及びTHF(5ml)から調製した。9c(50mg、93.0%):
【化42】

【0117】
実施例20
[4−(2−{4−[2−(2−{2−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−フェニル}−ビニル)−フェニル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(9d)
[0129]化合物9dは、化合物3cについて記載したのと同じ手法を用いて、THF(5ml)中の8d(76mg、0.12mmol)及びTBAF(THF中1M、0.24ml)から調製した。9d(52mg、82.7%):
【化43】

【0118】
実施例21
メタンスルホン酸2−[2−(4−{2−[4−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−フェニル]−ビニル}−フェノキシ)−エトキシ]−エチルエステル(10a)
[0130]化合物9a(36mg、0.087mmol)は、ジクロロメタン(5ml)、次いでトリエチルアミン(44mg、0.44mmol)に溶解した。塩化メタンスルホニル(30mg、0.26mmol)は、次に、シリンジを通して添加した。この溶液を室温で4時間撹拌した。ジクロロメタンを用いた標準的な作業後、残渣はシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中の2.0%メタノール)によって精製し、10a(39mg、91%)を得た:
【化44】

【0119】
実施例22
メタンスルホン酸2−{2−[2−(4−{2−[4−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−フェニル]−ビニル}−フェノキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチルエステル(10b)
[0131]化合物10bは、化合物10aについて記載したのと同じ手法を用いて、ジクロロメタン(8ml)中の9b(81mg、0.18mmol)、塩化メタンスルホニル(62mg、0.54mmol)及びトリエチルアミン(88mg、0.88mmol)から調製した。10b(82mg、86.5%):
【化45】

【0120】
実施例23
メタンスルホン酸2−(2−{2−[2−(4−{2−[4−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−フェニル]−ビニル}−フェノキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチルエステル(10c)
[0132]化合物10cは、化合物10aについて記載したのと同じ手法を用いて、ジクロロメタン(5ml)中の9c(50mg、0.10mmol)、塩化メタンスルホニル(46mg、0.40mmol)及びトリエチルアミン(50mg、0.50mmol)から調製した。10c(56mg、96.9%):
【化46】

【0121】
実施例24
メタンスルホン酸2−[2−(2−{2−[2−(4−{2−[4−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−フェニル]−ビニル}−フェノキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エチルエステル(10d)
[0133]化合物10dは、化合物10aについて記載したのと同じ手法を用いて、ジクロロメタン(5ml)中の9d(58mg、0.11mmol)、塩化メタンスルホニル(49mg、0.43mmol)及びトリエチルアミン(54mg、0.54mmol)から調製した。10d(63mg、95%):
【化47】

【0122】
実施例25
[4−(2−{4−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−フェニル}−ビニル)−フェニル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(11a)
[0134]無水TBAF(Cox DP,et al.,J Org Chem.1984;49:3216−19)(38.5mg、0.15mmol)を無水THF(3ml)中の化合物10a(14.5mg、0.03mmol)の溶液に添加した。混合物を4時間還流した。室温まで冷却後、ジクロロメタンを用いた標準的な作業を適用し、残渣をシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中の2%メタノール)により精製し、化合物11a(7mg、57%)を得た:
【化48】

【0123】
実施例26
{4−[2−(4−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−フェニル)−ビニル]−フェニル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(11b)
[0135]化合物11bは、化合物11aについて記載したのと同じ手法を用いて、THF(10ml)中の10b(21mg、0.04mmol)及びTBAF(52mg、0.2mmol)から調製した。11b(17mg、94%):
【化49】

【0124】
実施例27
(4−{2−[4−(2−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−フェニル]−ビニル}−フェニル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(11c)
[0136]化合物11cは、化合物11aについて記載したのと同じ手法を用いて、THF(5ml)中の10c(18mg、0.03mmol)及びTBAF(42mg、0.16mmol)から調製した。11c(12mg、77%):
【化50】

【0125】
実施例28
[4−(2−{4−[2−(2−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−フェニル}−ビニル)−フェニル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(11d)
[0137]化合物11bは、化合物11aについて記載したのと同じ手法を用いて、THF(5ml)中の10d(15mg、0.024mmol)及びTBAF(32mg、0.12mmol)から調製した。11d(11mg、84%):
【化51】

【0126】
実施例29
[4−(2−{4−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−フェニル}−ビニル)−フェニル]−メチル−アミン(12a)
[0138]トリフルオロ酢酸(0.5ml)をジクロロメタン(1ml)中の化合物11a(7.0mg、0.017mmol)の溶液に徐々に添加した。次に、混合物を室温で1時間撹拌した。ジクロロメタンを用いた標準的な作業後、残渣をシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中の1%メタノール)によって精製し、12a(3mg、56%)を得た:
【化52】

【0127】
実施例30
{4−[2−(4−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−フェニル)−ビニル]−フェニル}−メチル−アミン(12b)
[0139]化合物12bは、化合物12aについて記載したのと同じ手法を用いて、トリフルオロ酢酸(1ml)及びジクロロメタン(2ml)中の11b(17mg、0.037mmol)から調製した。12b(9mg、68%):
【化53】

【0128】
実施例31
(4−{2−[4−(2−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エトコシ}−エトキシ)−フェニル]−ビニル}−フェニル)−メチル−アミン(12c)
[0140]化合物12cは、化合物12aについて記載したのと同じ手法を用いて、トリフルオロ酢酸(0.5ml)及びジクロロメタン(1ml)中の11c(12mg、0.024mmol)から調製した。12c(7mg、73%):
【化54】

【0129】
実施例32
[4−(2−{4−[2−(2−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−フェニル}−ビニル)−フェニル]−メチル−アミン(12d)
[0141]化合物12dは、化合物12aについて記載したのと同じ手法を用いて、トリフルオロ酢酸(0.3ml)及びジクロロメタン(1ml)中の11d(10mg、0.018mmol)から調製した。12d(6mg、73%):
【化55】

【0130】
実施例33
18F][4−(2−{4−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−フェニル}−ビニル)−フェニル]−メチル−アミン([18F]12a)
[0142][18F]フッ化物は、18O(p,n)18F反応を用いたサイクロ(登録商標)トロンによって製造され、[18O]に富んだ水中で水溶液としてSep−Pak Light QMAカートリッジを通過させた。カートリッジを気流によって乾燥させ、そして18F活性物は、2mLのKryptofix 222(K222)/K2CO3溶液(CH3CN/H2O中の22mgのK222及び4.6mgのK2CO3、1.77/0.23)を用いて溶離した。溶媒は、アルゴン気流下で120℃で除去した。残渣をアルゴン気流下で120℃で2回、1mLの無水CH3CNと共沸させて乾燥させた。DMSO(0.2mL)中のメシレート前駆体10a(4mg)の溶液を乾燥した18F活性物を含有する反応槽に添加した。この溶液を120℃で4分加熱した。水(2mL)を添加し、溶液を1分間冷ました。次に、HCl(10%水溶液、0.5mL)を添加し、混合物を再び120℃で5分間加熱した。NaOH水溶液を添加して、pHを塩基性(pH8〜9)まで調整した。混合物を酢酸エチル(1mL×2)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、そして溶媒を穏やかに加熱(55〜60℃)してアルゴン気流下で除去した。残渣をCH3CNに溶解し、精製するためにHPLCに注入した。[Hamilton PRP−1 semi−prepカラム(7.0×305mm、10μm)、CH3CN/ジメチルグルタレート緩衝液(5mM、pH7)9/1;流速2mL/分]。12aの保持時間は、このHPLC系では8.9分であり、前駆体10a(rt=12分)並びに加水分解副産物(rt=6.2分)から十分に分別された。調製は90分かかり、放射活性収率は20%(減衰補正)であった。放射化学純度及び比活性(Spec.Act.)を決定するために、分析用HPLCを使用した[Hamilton PRP−1分析用カラム(4.1×250mm、10μm)、CH3CN/ジメチルグルタレート緩衝液(5mM、pH7)9/1;流速0.5mL/分]。この系での12aの保持時間は、10.98分であり、RCPは99%を超えた。比活性は、精製した[18F]10のUVピーク強度を参照の非放射活性化合物(既知濃度)と比較することによって測定した。非放射能(Spec.Act.)は、調製後1,000〜1,500Ci/mmolであった。
【0131】
実施例34
18F]{4−[2−(4−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−フェニル)−ビニル]−フェニル}−メチル−アミン([18F]12b)
[0143]同様の反応を用いて、[18F]12bは10bから得た。放射化学収率は30%(減衰補正)であり、放射化学純度は>99%であった。12bのHPLC保持時間は、上述した分析系について11.7分であった(Spec.Act.=1,300〜1,500Ci/mmol)。
【0132】
実施例35
18F](4−{2−[4−(2−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−フェニル]−ビニル}−フェニル)−メチル−アミン([18F]12c)
[0144]同様の反応を用いて、[18F]12cは、10cから得た。放射化学収率は10%(減衰補正)であり、放射化学純度は>99%であった。12cのHPLC保持時間は、上述した分析系について11.7分であった(Spec.Act.=900Ci/mmol)。
【0133】
実施例36
18F][4−(2−{4−[2−(2−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−フェニル}−ビニル)−フェニル]−メチル−アミン([18F]12d)
[0145]同様の反応を用いて、[18F]12dは10bから得た。放射化学収率は20%(減衰補正)であり、放射化学純度は>99%であった。12dのHPlC保持時間は、上述した分析系について10.7分であった(Spec.Act.=1,000〜1,500Ci/mmol)。
【0134】
実施例37
4−アミノ−4’−ヒドロキシルスチルベン(14a)
[0146]塩化第一スズ(11.8g、0.062mol)をエタノール(100mL)中の化合物13a(Frinton Lab)(3.0g、0.012mol)の溶液に添加し、次に濃縮した塩酸(5.0mL)を添加した。この溶液を3時間還流させ、日と癌撹拌しながら室温まで冷却した。水酸化物の水溶液(1N)を添加し、pHを8.5〜9に調製した。ジクロロメタンを用いた標準的な作業後、粗製造物14aを得た(2.6g、約100%)。製造物はさらに精製せずに次の工程で使用した。
【化56】

【0135】
実施例38
4−N,N’−ジメチルアミノ−4’−ヒドロキシルスチルベン(15a)
[0147]14a(211mg、1.0mmol)の混合物に、パラホルムアルデヒド(300mg、10mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(189mg、3.0mmol)、酢酸(10mL)を添加した。混合物全体を室温で一晩撹拌し、次に100mLno水に注いだ。炭酸ナトリウムを添加し、pHを8〜9に調整した。ジクロロメタン中の5%メタノールを用いた標準的な作業後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の2.5%メタノール)によって精製し、15aを白色の固形物として得た(214mg、89.5%):
【化57】

【0136】
実施例39
4−N,N’−ジメチルアミノ−4’−(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−5−イルメトキシ)スチルベン(15b)
[0148]窒素雰囲気下で、15a(100mg、0.38mmol)を無水DMF(5.0mL)に溶解した。炭酸カリウム(140mg、1.0mmol)をこの溶液に添加し、次に5−ブロモメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン20m1(105mg、0.5mmol)を添加した。混合物を100℃に加熱し、一晩撹拌した。室温まで冷ました後、ジクロロメタンを用いた標準的な作業を適用し、残渣をシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中の1%メタノール)によって精製し、化合物15bを得た(100mg、72%):
【化58】

【0137】
実施例40
4−N,N’−ジメチルアミノ−4’−(1,3−ジヒドロキシ−プロパン−2−イルメトキシ)スチルベン(15c)
[0149]化合物15b(180mg、0.49mmol)をアセトン(5.0mL)中に懸濁させ、氷浴を用いて0℃に冷却した。1N HCl(5.0mL、5.0molm)を20分かけて徐々に添加した。懸濁液は、添加中に透明な溶液に変化した。溶液はさらに30分間0℃で撹拌し、次に室温まで30分で加温した。飽和炭酸水素ナトリウムを添加し、pHを8.5〜9に調整した。ジクロロメタンを用いて標準的な作業後、残渣をシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中の5%メタノール)によって精製し、化合物15cを白色の固形物として得た(140mg、87%):
【化59】

【0138】
実施例41
4−N,N’−ジメチルアミノ−4’−(1−トシル−3−ヒドロキシ−プロパン−2−イルメトキシ)スチルベン(15d)
[0150]化合物15c(158mg、0.49mmol)は、無水ピリジン(15mL)に溶解させ、氷浴を用いて0℃に冷却した。塩化トシル(137mg、0.72mmol)を添加し、溶液を0℃で2時間撹拌した。ジクロロメタンを用いた標準的な作業後、残渣をシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中の55メタノール)によって精製し、モノトシレート化合物15dを白色の固形物として得た(95mg、41%):
【化60】

【0139】
実施例42
4−N,N’−ジメチルアミノ−4’−(1−フルオロ−3−ヒドロキシ−プロパン−2−イルメトキシ)スチルベン(15e)
[0151]化合物15d(40mg、0.083mmol)は、無水THF(5.0mL)に溶解した。窒素雰囲気下で、無水THF(1.0mL)中の無水TBAF(150mg、0.5mmol)を徐々に添加した。次に、この溶液を3時間還流温度まで加熱した。室温まで冷ました後、ジクロロメタンを用いた標準的な作業を適用し、残渣をシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中の5%メタノール)に適用し、製造物15eを得た(17mg、62%):
【化61】

【0140】
実施例43
4−ニトロ−4’−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)スチルベン(13b)
[0152]化合物13bは、化合物15bについて記載したのと同じ手法を用いて、13a(241mg、1.0mmol)から調製した。13b(260mg、70%):
【化62】

【0141】
実施例44
4−ニトロ−4’−(1,3−ジヒドロキシ−プロパン−2−イルメトキシ)スチルベン(13c)
[0153]化合物13cは、化合物15cについて記載したのと同じ手法を用いて、13b(260mg、0.7mmol)から調製した。13c(190mg、82%):
【化63】

【0142】
実施例45
4−ニトロ−4’−(1−トシル−3−ヒドロキシ−プロパン−2−イルメトキシ)スチルベン(13d)
[0154]化合物13dは、化合物15dについて記載したのと同じ手法を用いて、13c(80mg、0.24mmol)から調製した。13d(66mg、56%):
【化64】

【0143】
4−ニトロ−4’−(1−フルオロ−3−ヒドロキシ−プロパン−2−イルメトキシ)スチルベン(13e)
[0155]化合物13eは、化合物15eについて記載したのと同じ手法を用いて、13d(33mg、0.069mmol)から調製した。13e(20mg、88%):
【化65】

【0144】
実施例47
4−アミノ−4’−(1−フルオロ−3−ヒドロキシ−プロパン−2−イルメトキシ)スチルベン(14e)
[0156]化合物14eは、化合物14aについて記載したのと同じ手法を用いて、13e(37mg、0.11mmol)から調製した。14e(24mg、71%):
【化66】

【0145】
実施例48
4−N−メチル−アミノ−4’−(1−フルオロ−3−ヒドロキシ−プロパン−2−イルメトキシ)スチルベン(16e)
[0157]窒素雰囲気下で、ナトリウムメトキシド(22mg、0.4mmol)をメタノール(6mL)中の化合物14e(24mg、0.08mmol)の懸濁液に添加し、次にパラホルムアルデヒド(12mg、0.4mmol)を添加した。この溶液を2時間還流温度まで加熱し、氷浴を用いて0℃で冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(15mg、0.4mmol)を分けて添加した。反応混合物を再び1時間還流し、砕いた氷上に注いだ。ジクロロメタンを用いた標準的な作業後、残渣をシリカゲル調製用TLC(ジクロロメタン中の4.5%メタノール)に適用し、生成物16e(23mg、92%)を得た:
【化67】

【0146】
実施例49
4−N−メチル−アミノ−4’−ヒドロキシスチルベン(16a)
[0158]化合物16aは、化合物16eについて記載したのと同じ手法を用いて、14a(105mg、0.5mmol)から調製した。16a(100mg、89%):
【化68】

【0147】
実施例50
12(n=6、8)スチルベンの調製のための一般的なマイクロ波法
[0159]マイクロ波合成:DMF(1mL/0.05mmol SB−13)中の16a、アルキル化剤(1当量)、K2CO3(3当量)の混合物は、密封した管中に配置し、下記の条件:180℃、10分、高吸収レベルで電子レンジで加熱した。次に、溶媒を除去し、PTLC[展開溶媒としてCH2Cl2−MeOH(97:3)]によって所望の製造物を得た(収率:使用されるアルキル化剤に依存して42〜60%)。
【0148】
実施例51
(4−(2−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−フェニル)−ビニル)−フェニル)−メチル−アミン(12、n=6)
[0160]収率=60%。
【化69】

HRMS(EI)m/z、[C2738FNO6+についての計算値491.2683、実測値491.2667
【0149】
実施例52
(4−(2−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ−フェニル)−ビニル)−フェニル)−メチル−アミン(12、n=8)
[0161]収率:42%。
【化70】

HRMS(EI)m/z、[C3146FNO8+についての計算値579.3207、実測値579.3192
【0150】
実施例53
脳組織ホモジネートの調製
[0162]検視脳組織は、生検でAD患者から得て、神経病理学的診断は、現在の基準(NIA−Reagan Institute Consensus Group,1997)によって確かめた。次に、ホモジネートは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)で約100mgの湿性組織/mlの濃度でAD患者から解剖した灰白質から調製した(30秒間6の設定のモーター駆動のガラスホモジナイザー)。ホモジネートは、1mlの部分に分注し、結合シグナルの喪失なしに6〜12ヶ月間、−70℃で保存した。
【0151】
実施例54
結合試験
[0163]以前に報告したように、[125I]IMPYは、2,200Ci/mmolの非放射能及び95%以上の放射化学純度を有し、標準的なヨウ素脱スタンニル反応を用いて調製し、簡素化したC−4ミニカラムによって精製した(Kung M−P,et al.,Euro J Nucl Med Mol Imag.2004;31:1136−45)。結合アッセイは、12×75mmのホウケイ酸ガラス管中で実行した。反応混合物は、1mlの最終体積中に50μlの脳ホモジネート(20〜50μg)、50μlの[125I]IMPY(PBS中に希釈して0.04〜0.06nM)、及び50μlの阻害剤(0.1%ウシ血清アルブミンBSAを含有するPBSに連続的に希釈して10-5〜10-10)を含有した。非特異的な結合は、同じアッセイ管中にIMPY(600nM)の存在下で規定した。混合物は、37℃で2時間インキュベートし、遊離の放射能は、Brandel M−24Rセルハーベースターを用いてWhatman GF/Bフィルターを通じて吸引ろ過によって分別し、その後、室温でPBS(2×3ml)で洗浄した。結合した125Iリガンドを含有するろ過物は、70%のカウント効率でガンマカウンター(Packard 5000)で放射能含量についてアッセイした。圧制条件下で、特異的に結合した分画は、全放射能の15%未満であった。阻害実験の結果は、EBDAを用いた非線形回帰分析に供して、それによりKi値を計算した。結果を表1に示した。
【0152】
【表1】

各値は、二重で実行した3つの独立した測定から得た。
【0153】
[0164]フッ素化PEGスチルベン(12a−d)は、優れた結合親和性(Ki=2.9〜6.7nM)を示した;一方、対応するヒドロキシル置換類似体(3a−d)はまた非常に高い結合親和性(Ki=2.8〜5.2nM)を示した(表1)。この一連の標識した試薬[18F]12a−dの脂溶性は、適切な範囲内であった(logP値は、n=2〜5について、それぞれ2.52、2.41、2.05及び2.28であった)。PEG基は、分子サイズ、及びAβプラーク特異的結合親和性に影響を与えることなくフッ素原子とスチルベンコア構造の間の距離を修飾することができる。
【0154】
実施例55
フィルムオートラジオグラフィー
[0165]AD患者からの脳切片は、粉末にしたドライアイスで脳を凍結し、20ミクロメートルの厚さの切片に切断することによって得た。切片は、室温で1時間、[18F]トレーサー(200,000〜250,000cpm/200μl)と一緒にインキュベートした。次に、この請求項ペンを40%EtOH中の飽和Li2CO3に浸し(2分の洗浄2回)、40%EtOH(2分の洗浄1回)で洗浄し、その後、水で30秒間リンスした。乾燥後、18F−標識した切片をKodak MRフィルムに一晩晒した。
【0155】
実施例56
18F]12b及び[18F]12dを用いたインビボでのプラーク標識化
[0166]インビボ評価は、AstraZenecaから親切にも提供を受けた二重トランスジェニックAPP/PS1又は一重トランスジェニックAPP2576マウスのいずれかを用いて実行した。1%イソフルレンで麻酔後、0.1%BSAの200μl中の[18F]12b又は[18F]12dの250〜300μCiは、尾静脈を通して注射した。動物は60分間回復させ、その後、断頭して屠殺した。脳を即座に取り出し、粉末にしたドライアイスに凍結した。20ミクロメートルの切片を切断し、Kodak MRフィルムに一晩晒した。このようにして、エクスビボフィルムオートラジオグラフィーを得た。
【0156】
実施例57
[0167]イソフルレン麻酔中、[18F]トレーサー(5〜10μCi)を含有する0.1%のウシ血清アルブミン溶液の0.15mLをICRマウス(22〜25g、雄)の尾静脈に直接注射した。マウス(各時間点でn=3)を注射後120分で頸椎脱臼によって屠殺した。関心のある臓器を取り出し、計量し、放射能を自動化ガンマカウンターを用いて放射能含量についてアッセイした。臓器当りの線量パーセントは、組織カウントと注射した材料の適切に希釈したアリコートとの比較によって計算した。血液の全活性は、血液が全体重の7%であると見積もって計算した。試料の%線量/gは、試料カウントと希釈した初期線量のカウントとを比較することによって計算した。
【0157】
表2.0.1%BSA中の[18F]12a−dのiv注射後のICRマウスにおける生体分布(%線量/g、3匹のマウスの平均±SD)
【表2】

【0158】
[0168]放射性化合物は、[18F]12a−dを含み、無傷の血液脳関門を貫通し、iv注射2分後で正常マウス(6.6〜8.1%線量/g脳)において優れた脳への取り込みを示した(表2A及びB)。正常マウスは、生体分布実験について使用したので、脳におけるAβプラークはこれらの若年のマウスウレアに期待されない;したがって、標識した試薬、[18F]12a−dをiv注射後60分で迅速に脳から洗い出した(1.2〜2.6%線量/g脳)。正常なマウス脳における高い初期取り込み及び迅速な洗い出しは、Aβプラークを標的とする造影剤について非常に期待される特性である。表2に報告した値は、[11C]PIC及び[11C]SB−13(Mathis CA,et l.,Curr Pharm Des.204;10:1469−92;Ono M,et al.,Nucl Med Biol.2003;Mathis CA,et al.,J Med Chem.2003)に関して報告されたものに匹敵した。
【0159】
[0169][18F]12bの詳細な生体分布は、表2Aに示される。注射後2分で、化合物は、肝臓、腎臓、肺及び筋肉に取り込まれ、一般的な血液の灌流パターンを反映しているようだ。120分での骨への取り込みは高く(2.74%線量/g)、インビボでの脱フッ素化であるかもしれないことが示唆された。しかしながら、遊離のフッ素は、脳組織によって取り込まれず;したがって、骨への吸収が相対的に低い。他のPEGスチルベン誘導体12a、c、dは、同様の生体分布パターンを示した(表2B)。
【0160】
実施例58
分配係数
[0170]分配係数は、試験管中、[18F]トレーサーを各3gの1−オクタノール及び緩衝液(0.1Mリン酸塩、pH7.4)と混合することによって測定した。試験管を3分間室温で激しく振とうし、その後、5分間遠心した。1−オクタノール及び緩衝液層からの2つの計量した試料(各0.5g)をウェルカウンターでカウントした。分配係数は、1−オクタノールのcpm/gと緩衝液のそれとの比を計算することによって測定した。1−オクタノール層からの試料は、係数値の一貫した分割が得られるまで再度分割した(通常、3回から4回の分割)。測定は、2重で行い、3回繰り返した。
【0161】
「0171]本発明の範囲及び任意の実施態様に影響を与えることなしに、条件、処方及び他のパラメータの幅広い均等な範囲内で同様に行うことは当業者に理解されるであろう。本明細書中に引用した全ての特許、特許出願、及び刊行物は、全体として本明細書中に参照により十分に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】図1は、本発明のいくつかの化合物のKi結合データを記述する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

{式中、
1は、下記:
a.NRab(ここで、Ra及びRbは、独立して、水素、C1-4アルキル又は(CH2d18Fであり、及びdは1〜4の間の整数である)、
b.ヒドロキシ、
c.C1-4アルコキシ、
d.ヒドロキシ(C1-4)アルキル、
e.ハロゲン、
f.シアノ、
g.水素、
h.ニトロ、
i.(C1−C4)アルキル、
j.ハロ(C1−C4)アルキル、及び
k.ホルミル
からなる群から選択され;
1’は、下記:
a.123I、125I、131I、18F、76Br、
b.水素、
c.18F(C1-4)アルキル、
d.[18F(C1-4)アルキル]アミノ、
e.[18F(C1−C4)アルキル]アルキルアミノ、及び
f.18F(C1−C4)アルコキシ
からなる群から選択され;
2は、下記:
i.ヒドロキシル、C1-4アルコキシ、(C1−C4)−アルキルオキソアルキ(C1−C4)オキシ、(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、カルボキシ(C1−C4)アルキル、ハロ(C1−C4)アルコキシ、ハロ(C1−C4)−アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、ハロ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)−アルキルオキシ、ハロ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、ハロ(C1−C4)アルキル、NR66’、フェニル(C1−C4)アルキル、18F(C1−C4)アルコキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルコキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、18F(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキソ(C1−C4)アルキルオキシ、18F(C1−C4)アルキル(ここで、R6及びR6’は、独立して、水素、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル及びC1−C4アルキルからなる群から選択される);
ii.下式:
【化2】

(式中、qは、1〜10までの整数であり;Zは、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換(C1-4)アルコキシ、18F置換ベンジルオキシ、場合により18F−フェノキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、及び18F置換C6-10アリール、場合により18F−フェニルからなる群から選択され;並びにR30、R31、R32及びR33は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択される);
iii.下式:
【化3】

(式中、Z、R30、R31、R32及びR33は、上述される通りである);
iv.下式:
【化4】

(式中、
Yは、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、場合により18F−フェノキシ、及び18F置換C6-10アリール、場合により18F−フェニルからなる群から選択され;
Uは、水素、ヒドロキシ、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、場合により18F−フェノキシ、及び18F置換C6-10アリール、場合により18F−フェニルからなる群から選択され;及び
34、R35、R36、R37、R38、R39及びR40は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択され;そして
7及びR8は、どの場合でも、独立して、ハロゲン、水素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、及びヒドロキシ(C1-4)アルキル(ここで、R7及びR8の少なくとも1つは、ハロゲンである)からなる群から選択される}
で表される化合物又はその医薬として許容される塩若しくはプロドラッグ。
【請求項2】
1’が水素であり、そしてR1がNRabであり、ここで、Ra及びRbは、独立して、水素又はC1-4アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
7及びR8が水素又はフッ素であり、ここで、R7及びR8の少なくとも1つはフッ素である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
2が、下式ii:
【化5】

(式中、Z、R30、R31、R32及びR33は、上述される通りである)
である、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
qが2〜5までの整数である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
30、R31、R32及びR33が、どの場合でも、水素である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
qが3〜4までの整数である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Zが18Fである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
下式:
【化6】

(式中、R7及びR8の1つは水素であり、そしてその他はハロゲンである)
を有する、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
下式:
【化7】

(式中、R7及びR8の1つは水素であり、そしてその他はハロゲンである)
を有する、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
2が、下式iii:
【化8】

(式中、Z、R30、R31、R32及びR33は、上述される通りである)
である、請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
Zが18Fである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
30、R31、R32及びR33が、どの場合でも、水素である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
2が、下式iv:
【化9】

(式中、Uはヒドロキシである)
である、請求項2に記載の化合物。
【請求項15】
34、R35、R36、R37、R38、R39及びR40が、どの場合でも、水素である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
下記の構造:
【化10】

(式中、R7及びR8の1つは水素であり、そしてその他はハロゲンである)
を有する、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
式II:
【化11】

{式中
1は、下記:
a.NRab(ここで、Ra及びRbは、独立して、水素、C1-4アルキル又は(CH2dX(ここで、Xは18Fであり、及びdは1〜4の間の整数であり、あるいはRa及びRbはともに酸素であってニトロを形成する)である)、
b.ヒドロキシ、
c.C1-4アルコキシ、及び
d.ヒドロキシ(C1-4)アルキル
からなる群から選択され;
2は、下記:
下式i:
【化12】

(式中、qは2〜10までの整数であり;Zは、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換(C1-4)アルコキシ、18F置換ベンジルオキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、及び18F置換C6-10アリールからなる群から選択され;及び、R30、R31、R32及びR33は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択される);
下式ii:
【化13】

(式中、Z、R30、R31、R32及びR33は、上述される通りである);
下式iii:
【化14】

(式中、
Yは、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、及び18F置換C6-10アリールからなる群から選択され;
Uは、水素、ヒドロキシ、18F、18F置換ベンゾイルオキシ、18F置換フェニル(C1-4)アルキル、18F置換アリールオキシ、及び18F置換C6-10アリールからなる群から選択され;及び
34、R35、R36、R37、R38、R39及びR40は、どの場合でも、独立して、水素、18F、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択され;そして
7及びR8は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択される}
で表される化合物。
【請求項18】
1がNRabであり、ここで、Ra及びRbは、独立して、水素又はC1-4アルキルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
2が、下式i:
【化15】

(式中、Z、R30、R31、R32及びR33は、上述される通りである)
である、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
qが2〜5までの整数である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
7及びR8が、各々、水素である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
30、R31、R32及びR33が、どの場合でも、水素である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
下式:
【化16】

を有する、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
下式:
【化17】

を有する、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
2が、下式:
【化18】

(式中、Z、R30、R31、R32及びR33は、上述される通りである)
である、請求項18に記載の化合物。
【請求項26】
Zが18Fである、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
7及びR8が、各々、水素である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
30、R31、R32及びR33が、どの場合でも、水素である、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
2が、下式iii:
【化19】

(式中、Uはヒドロキシである)
である、請求項18に記載の化合物。
【請求項30】
34、R35、R36、R37、R38、R39及びR40が、どの場合でも、水素である、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
下記の構造:
【化20】

を有する、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
式III:
【化21】

(式中、
nは、1〜4の間の整数であり;
7及びR8は、どの場合でも、独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、及びヒドロキシ(C1-4)アルキルからなる群から選択され;そして、
41は、ヒドロキシ及びNRabからなる群から選択され、ここで、Ra及びRbは、独立して、水素、C1-4アルキルであり、あるいはRa及びRbはともに酸素でありニトロを形成する)
で表される化合物。
【請求項33】
nが1であり、そしてR41が、水素、メチルアミノ及びジメチルアミノからなる群から選択される、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
請求項1、17又は32に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項35】
放射線標識した請求項1、17又は32に記載の化合物を含む、アミロイド沈着を画像化するための診断用組成物。
【請求項36】
a.検出可能な量の請求項35に記載の診断用組成物を哺乳動物に導入すること;
b.前記標識化合物がアミロイド沈着と結合するのに十分な時間を与えること;及び
c.1又はそれより多くのアミロイド沈着と結合した標識化合物を検出すること
を含む、アミロイド沈着を画像化する方法。
【請求項37】
アミロイドプラークの凝集を阻害するのに有効な量で請求項34に記載の組成物を投与することを含む、哺乳動物におけるアミロイドプラークの凝集を阻害する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−524243(P2008−524243A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546948(P2007−546948)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/045682
【国際公開番号】WO2006/066104
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(500429103)ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルバニア (102)
【Fターム(参考)】