説明

アミンN−オキシド系界面活性剤

【課題】水性系の動的及び平衡表面張力を効果的に低減し、泡立ちにも影響を与え得る界面活性剤を提供。
【解決手段】界面活性剤組成物が、式(I)


〔R1はメチル、エチル又は1−プロピルであり、RはC4〜C20のアリール、アルカリール、アラルキル、環式、脂環式、又は第2級、分枝状若しくは二環式アルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、イソホロン残基など〕による1種又はそれ以上の化合物を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤組成物そして一層特にはアミンオキシド官能基を有する界面活性剤に関する。
【背景技術】
【0002】
水の表面張力を低減する能力は、水ベースの配合物の適用において非常に重要であり、何故なら低減した表面張力は使用中に基材のヌレが向上することに通じるからである。良好な湿潤性が要求される水ベースの組成物の例は、コーティング剤、インク、接着剤、平版印刷用湿し水、清浄用組成物、金属加工流体、農業用配合物、電子機器清浄及び半導体加工用の組成物、パーソナルケア用製品、並びに繊維加工及び油田への適用のための配合物を包含する。水ベースの系における表面張力低減は、一般に、界面活性剤の添加によって達成されて、向上した表面被覆率、より少数の欠陥及びより一様な分布をもたらすことになる。平衡表面張力(EST)は系が静止している場合において重要であり、一方動的表面張力(DST)は高速施用条件下で表面張力を低減してヌレをもたらすべき界面活性剤の能力の尺度を与える。
【0003】
低使用レベルにおいて低表面張力を達成する界面活性剤の能力、泡立ち性能に影響を及ぼす界面活性剤の能力並びに十分な乳化及び可溶化を与える界面活性剤の能力の重要性はすべて、当該技術においてよく認識されているように、考慮すべき工業的重要性である。また、平衡表面張力の低減効力がいくつかの用途にとって重要であるけれども、他の用途は平衡及び動的表面張力の両方の低減を要求し得る。
【0004】
界面活性剤の泡立ち特性もまた重要であり、何故ならそれらは界面活性剤が適当であり得るところの用途を定めるのに役立ち得るからである。たとえば、泡は、鉱石の浮選及び精選のような用途にとって望ましくあり得る。他方、コーティング剤、グラフィックアート及び接着剤の用途においては、泡は望ましくなく、何故ならそれは施用を困難にし得る及び欠陥形成に通じ得るからである。かくして、泡立ち特性は、しばしば、重要な性能パラメーターである。
【0005】
界面活性剤が用いられるところの広く様々な用途及びそれに起因する性能要件の変動により、これらの様々な性能要求に適合した相応的に多数の界面活性剤が必要である及びそれらを作るための適当な方法が必要であることになる。
【0006】
発明の要約
一つの側面において、本発明は、式(I)
【化1】

による1種又はそれ以上の化合物を含む組成物に提供する。式(I)において、R1はメチル、エチル又は1−プロピルであり、RはC4〜C20のアリール、アルカリール、アラルキル、環式、脂環式、又は第2級、分枝状若しくは二環式アルキル基、あるいは式(A)
【化2】

〔ここで、uは0から2の整数であり、そしてR2はH、α−D−グルコピラノシル、β−D−ピラノシル又はβ−D−ガラクトピラノシルである〕
によるポリヒドロキシアルキル基である。基Zは、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシル)、CH2(CH2n{N+O−R1−CH2(CH2op(ここで、pは1から10の整数であり、そしてn及びoは各々独立して1から5の整数である)、(CH2r[O(CH2stO(CH2q(ここで、sは2から4の整数であり、tは0から2の整数であり、そしてr及びqは各々個々に2又は3である)、(CH2m(ここで、mは2から6の整数である)及びイソホロン残基(B)
【化3】

から成る群から選択された連結基である。
【0007】
別の側面において、本発明は、配合物における表面張力を低減する方法であって、該配合物の平衡表面張力を52mN/mより小さい値に低減するのに十分な有効量の上記に示されたとおりの式(I)による1種又はそれ以上の化合物を該配合物に添加することを含む方法を提供する。
【0008】
発明の詳細な説明
本発明は、水性系の動的及び/又は平衡表面張力を効果的に低減する並びに/あるいはかかる系の泡立ち性能に影響を及ぼすことが可能である界面活性剤組成物に関する。該組成物は、式(I)
【化4】

〔ここで、R1はメチル、エチル又は1−プロピルであり、RはC4〜C20のアリール、アルカリール、アラルキル、環式、脂環式、又は第2級、分枝状若しくは二環式アルキル基、あるいは式(A)
【化5】

(ここで、uは0から2の整数であり、そしてR2はH、α−D−グルコピラノシル、β−D−ピラノシル又はβ−D−ガラクトピラノシルである)
によるポリヒドロキシアルキル基であり、そして基Zは4,4′−メチレンビス(シクロヘキシル)、CH2(CH2n{N+O−R1−CH2(CH2op(ここで、pは1から10の整数であり、そしてn及びoは各々独立して1から5の整数である)、(CH2r[O(CH2stO(CH2q(ここで、sは2から4の整数であり、tは0から2の整数であり、そしてr及びqは各々個々に2又は3である)、(CH2m(ここで、mは2から6の整数である)及びイソホロン残基(B)
【化6】

から成る群から選択された連結基である〕
による1種又はそれ以上の化合物を含む。多くの場合において、R1はメチルであり、そしてsは普通は2である。いくつかの具体的態様において、ZはCH2(CH2n{N+O−R1−CH2(CH2opであり、そして典型的にはpは1又は2でありそしてn及びoは独立して1又は2である。通常、mは2又は3である。適当な例示的R基は、2−ブチル、イソブチル、2−ペンチル、3−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、3−メチルブタ−2−イル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチルペンタ−1−イル、イソヘキシル、4−メチルペンタ−2−イル、4−メチルペンタ−3−イル、2−メチルヘキサ−1−イル、5−メチルヘキサ−2−イル、2−ノルボルニル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、4−ヘプチル、2−オクチル、3−オクチル、4−オクチル、2−エチルヘキサ−1−イル、2−ボルニル、3,5−ジメチルオクタ−1−イル、3,7−ジメチルオクタ−1−イル、3−メチル−10−エチルドデカ−1−イル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、ピニル、ピニルメチル、フェネチル、p−メチルベンジル、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、エチルフェニル、メチルナフチル、ジメチルナフチル及びノルボルニルメチルを包含する。典型的には、各Rは分枝状又は二環式アルキル基である。いくつかの具体的態様において、RはC5〜C10アルキル基である。
【0009】
式(I)の化合物の製造
式(I)による化合物は、合成有機化学技術において知られたいかなる方法によっても製造され得る。たとえば、それらは、式(III)によるビス第3級アミンを形成するべき式(II)によるビス第2級アミンの還元的アルキル化及びその後の酸化(たとえば過酸化水素でもって)により製造され得る。
【化7】

【0010】
式(II)のビス第2級アミンは、たとえば、米国特許第4,126,640号、第5,939,476号及び第6,190,733号、JP62,074,814並びにCasellin等,Tetrahedron:非対称,vol.14,2003,pp1451〜1454に報告されているような公知の手順又はそれらの改変に従って製造され得る。連結基Zが(CH2r[O(CH2stO(CH2qである場合において、前駆体アミンは、たとえば、Lassila等の米国特許第6,492,559号に開示された方法により製造され得る。ZがCH2(CH2n{N+O−R1−CH2(CH2opである場合、前駆体アミンは、Lassila等の米国特許第6,288,151号に記載されているように作られ得る。
【0011】
Rが上記の式(A)によるポリヒドロキシアルキル基である場合において、式(III)による化合物は、いかなる適当な手順によっても、たとえばJ.M.Prestman等,Langmuir,13,6857〜6860(1997)により報告されている手順により得られ得る。様々なポリヒドロキシアルキル基のいずれかが組み込まれ得るけれども、それらは最も典型的には還元糖たとえばグルコースの開鎖形態に由来する。例示的ポリヒドロキシアルキル基はグルコースに由来し、すなわちそれらは1−デオキシグルシチル基である。一般に、適当なポリヒドロキシアルキル基は、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース及びキシロースから成る還元糖の群のいずれかに由来し得る。典型的には、還元糖はアルドースであるけれども、ケトースもまた用いられ得、またモノサッカライド及びジサッカライドの両方が用いられ得、しかして後者の好都合な源は高デキストローストウモロコシシロップ、高フルクトーストウモロコシシロップ及び高マルトーストウモロコシシロップを包含する。他の有用なポリヒドロキシアルキル基は、グリセルアルデヒドに由来し得る。いくつかの具体的態様において、Rはグルコースに由来するポリヒドロキシアルキル基であり、すなわち該基は1−デオキシグルシチルである。この場合において、uは2であり、そしてR2は水素である。
【0012】
式(I)の化合物の使用
式(I)による化合物は、典型的には、良好な酸化安定性を有し、しかして強酸化条件が存在し得るところの、或る清浄及び金属処理用途、繊維及び紙の加工並びに漂白剤、過酸化物及び/又は強酸化剤が用いられる他の工業的及び家庭的用途のような用途において、それらを特に潜在的に有用にする。そのような環境において、該化合物は次亜塩素酸塩、過酸化水素、有機若しくは無機過酸化物若しくはヒドロペルオキシド、ハロゲン又は硝酸を含めて(しかしこれらに限定されない)酸化剤を含有する配合物中に分散され得、そして式(I)の化合物はかかる環境において酸化分解に対して実質的抵抗性を示し得る。それらはまた、典型的には、或る工業的・業務的及び家庭的清浄用途(硬質表面の清浄、金属及び金属部品の清浄、半導体の清浄及び加工のような)、繊維及び紙の加工、コーティング剤及び接着剤並びにグラフィックアート用途のような用途における望ましい特性である低レベルの泡立ちを示す。より一般的には、本発明による組成物は、式(I)の1種又はそれ以上の化合物に加えて、多数の用途のいずれかにおいてそれらの有用性を補足するのに適合した様々な他の成分を含み得る。かかる製品の性能特性は、式(I)の界面活性剤の基本構造の適切な選択により及び置換基の適当な選択により、特定の用途について最適にされ得る。かかる最適化は常用的であり、そして特定の用途分野における当業者の能力内にある。かくして、これらの変動要素の操作により、乳化剤又は洗剤、湿潤剤、泡立て剤、脱泡剤、レオロジー調整剤又は会合性増粘剤、分散剤、等として有用であり得る化合物がもたらされる。かかるものとして、これらの化合物は、コーティング剤、インク、接着剤、農業用配合物、湿し水、フォトレジスト用の剥離剤及び現像剤、シャンプー、ボディウォッシュ、洗剤及び他の清浄用組成物のような用途において有用であり得る。該化合物はまた、石油高次回収、フラクチャリング及び刺激方法並びに掘削及びセメンチング操作のような油田の探査、開発及び産出用途における使用があり得、また繊維の染色並びに繊維の精錬及びキアーボイルのような様々な繊維湿式加工操作においても有用であり得る。これらの用途の各々を支配する一般的配合原理はそれぞれの技術においてよく知られており、そしてかかる数多くの用途分野及び本発明の化合物をかかる配合物中に組み込む方法の詳細な説明は、本明細書中へのそれらの有効な組込みにとって必要でない。しかしながら、本発明による化合物についてのかかる広範囲の可能な使用の指摘として、例示的しかし非制限的な配合物が、多数の用途分野について下記に示される。
【0013】
本明細書において用いられる場合の用語「水ベース」「水系」、「水性」、又は「水性媒質」若しくは「水性キャリア」は、溶媒又は液体分散媒質が少なくとも50wt%の水、好ましくは少なくとも90wt%の水、そして一層好ましくは少なくとも95wt%の水を含む系を指す。分散媒質は本質的に水から成り得、すなわちそれは添加溶媒を有さなくてよい。
【0014】
広い見地から、式(I)による化合物は、第2成分の適用が式(I)の物質により与えられた界面活性特性から利益を得るような第2成分を含む広範囲の配合物において用いられ得る。式(I)による化合物の製造のための製造前又は製造後の合成反応混合物の成分は存在し得るけれども、これらは本発明の目的のための第2成分の一部とみなされない、ということが理解されるべきである。かかる成分は、たとえば、式(I)の化合物の製造に関連した単純塩、溶媒、触媒、有機前駆体、試薬、副産物及び副生成物を包含し得、そしてこれらは第2成分の一部ではない。典型的にはしかし必ずしもではないが、配合物中の第2成分の重量による量は、式(I)の化合物の量より多い。
【0015】
本発明による式(I)による化合物を含有する配合物は、典型的には、25℃において流体であるように構成される。それらは典型的には水性であるが、しかしそれらは水性である必要はない。第2成分は、鉱酸、ギ酸、酢酸、水酸化テトラメチルアンモニウム、非揮発性有機物質、非揮発性無機物質及びそれらの混合物から成る群から選択された1種又はそれ以上の物質から成り得る。本明細書において用いられる場合、用語「非揮発性」は、指摘物質が沸騰し得ないか又は760Torrの圧力において少なくとも150℃の温度にて沸騰するかのどちらかであることを意味する。かくして、典型的な揮発性溶媒は配合物中に含まれ得るけれども、それらは第2成分の一部を構成しない。かかる揮発性溶媒若しくは水又はそれらの組合わせは、いくつかの具体的態様において、配合物の第3成分の一部であり得る。典型的には、第2及び第3成分は合わせて、配合物の0.1〜99.9wt%になる。
【0016】
非揮発性物質の典型的な非制限的例は、以後に与えられる例示的配合物において与えられる。本発明による配合物は、すぐに使用できる配合物又は濃厚物を包含し得る。これらのどちらもが、使用の際に更に希釈され得る。かくして、本発明による組成物中の式(I)の1種又はそれ以上の化合物の濃度は、広範囲にわたって変動し得る。典型的には、それは配合物の0.001〜45wt%にあるけれども、いくつかの場合において、その量は0.00001wt%くらいに低くあり得る。多くの場合において、この濃度範囲の上限における組成物は予定用途において使用中又は使用前に希釈されるけれども、これはすべての用途においては要求されない。
【0017】
式(I)の化合物を用いることにより、水系組成物又は工業的方法において表面張力を低減することが可能である。かくして、本発明は、かかる化合物を含む水性組成物であって、その界面活性剤が界面活性剤の有効量にて用いられる場合に良好な湿潤性を与える水性組成物を提供する。たとえば、水ベースの有機化合物含有組成物の湿潤性を向上させるのに有効である界面活性剤の量は、配合物の総重量を基準として0.00001〜5wt%、好ましくは0.0001〜3wt%そして最も好ましくは0.001〜3wt%の範囲にあり得る。典型的には、水性配合物に用いられる場合、界面活性剤は平衡表面張力を約52mN/m未満に低減する量にて用いられ、そしてこれを行うのに要求される量は一般に多くとも5wt%そしてより普通には多くとも1%である。しかしながら、他の表面張力値を達成するために、他の量が用いられ得る。最も有利な量は、泡特性及び湿潤性能に影響を及ぼすことが可能であるところの配合物中に存在する他の化学種たとえばラテックスポリマーの量及びタイプに依存して、用途によって変動する。
【0018】
式(I)の化合物を含有する次の典型的な水性系組成物において、当業者は、指摘成分を規定範囲内で、組成物中100wt%の諸成分を与えるのに十分な量にて用いる。
【0019】
本発明の界面活性剤を含む典型的な水性系コーティング用配合物は、水性媒質中に分散された下記に示された組成物を含み得、しかして該組成物は典型的には全水性配合物の30から80%を構成する。
【表1】

【0020】
本発明の界面活性剤を含む典型的な水ベースのインク組成物は、水性媒質中に分散された下記に示された組成物を含み得、しかして該組成物(凝集用溶媒を除いて)は典型的には全水性配合物の20から60%を構成する。
【表2】

【0021】
本発明の界面活性剤を含む典型的な水ベースの農業用組成物は、水性媒質中に分散された下記に示された組成物を含み得、しかして該組成物は典型的には全水性配合物の0.01から80%を構成する。
【表3】

【0022】
本発明の界面活性剤を含む典型的な平版印刷用湿し水組成物は、次の成分を含み得る。
【表4】

【0023】
本発明の界面活性剤を含む典型的な硬質表面用清浄剤は、次の成分を含み得る。
【表5】

【0024】
本発明の界面活性剤を含む典型的な水ベースのフォトレジスト現像剤又は電子機器清浄用組成物は、次の成分を含み得る。
【表6】

【0025】
本発明の界面活性剤を含む典型的な金属加工流体は、次の成分を含み得る。
【表7】

【0026】
界面活性剤はまた、パーソナルケア並びに家庭的及び工業的清浄の分野における広く様々な製品において用いられる。本発明の界面活性剤は、これらの配合物のいずれにおいても、1つ又はそれ以上の利益を与えるために用いられ得、しかして界面活性剤化合物の正確な構造は特定の用途に要求される特定の性能特徴に依存する。これらの市場において用いられる典型的配合物は、Louis Ho Tan Taiの著書Formulating Detergents and Personal Care Products:製品開発完全便覧(イリノイ州シャンペン,AOCS Press,2000)に、並びに当業者になじみの他の著書、文献、製品配合集、等に記載されている。少数の代表的な例示の配合物が、例示としてここに記載される。たとえば、家庭的自動皿洗いに又は工業的及び業務的器物洗いに用いるためのすすぎ助剤は、下記に記載された成分を有し得る。
【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【0027】
セメント混和剤配合物
セメント混和剤は、超可塑化、可塑化、促進、凝結遅延、空気連行、耐水、腐食抑制及び他のタイプを含めて、いくつかのタイプのいずれかであり得る。かかる混和剤は、コンクリート、モルタル、等のようなセメント質製品のワーカビリティー、凝結及び最終性質(強度、不浸透性、耐久性及び霜/除氷用塩類耐性、等)を制御するために用いられる。混和剤は通常水溶液として提供され、そしてそれらはセメント質系にその配合中のある時点において添加され得る。本発明の界面活性剤は、かかる系に用いられる場合、湿潤性、泡制御性、流動性及び均展性、減水性、腐食抑制性、高イオン強度寛容性及び適合性、並びに他の利益を与え得る。
【表16】

【0028】
油田及びガス田用配合物
単独で又は配合物中の成分として用いられる本発明の界面活性剤は、油・ガス工業内の様々な用途において表面張力低減性、泡制御性及び改善湿潤性を与え得る。これらは、たとえば、次の使用のための配合物を包含し得る。
【0029】
掘削用途において、界面活性剤は、粘土及びドリルカッティングス(「掘削掘りクズ」)の分散、ROP(掘進率)の向上、乳化及び抗乳化、表面湿潤及び表面張力低減、頁岩安定化、並びに固体添加剤の水和又は溶解の向上のための配合物に用いられ得る。
【0030】
セメンチング、刺激(スティミュレーション)及び改修用途において、使用は、スペーサー、セメント分散、空気吐出及び脱泡、セメント凝結遅延、フラクチャリング流体、炭層メタンの刺激、表面張力又は界面張力の低減、油/水湿潤並びに清浄流体用の配合物を包含し得る。
【0031】
油及びガスの産出において、使用は、リグ洗浄用配合物、原油の脱泡、水攻/水圧入、酸性ガススイートニングのための脱泡、油/水分離、石油高次回収、並びにアスファルテン、水和物、スケール及びロウの抑制又は分散を包含し得る。
【0032】
地下の井戸の掘削、仕上げ(コンプリーション)、セメンチング、刺激(スティミュレーション)、フラクチャリング、酸処理若しくは改修又は他の処理ためのあるいは油若しくはガスを含んだ地層からの産出を増進する又は産出油若しくはガスを処理するための例示的流体は、典型的には、水及び/又は有機液体(典型的には、流体の5から99.85wt%を構成する)を含有する流体中0.05から10wt%の本発明の界面活性剤を含む。有機液体は典型的には石油製品であり(それは石油製品である必要はないけれども)、そしてたとえば原油又は下記に記載される掘削泥水ベース油のいずれかを含み得る。水が含まれる場合、それは淡水、海水又はブライン源からであり得、あるいはそれは塩酸、フッ化水素酸、硫酸、等のような水性鉱酸を含めることにより与えられ得る。かかる用途のための流体は、通常、加重剤、粘性化剤、分散剤、掘削泥水ベース油、乳化剤、可溶性塩、セメント、プロップ剤、鉱酸、有機酸、殺生物剤、脱泡剤、抗乳化剤、腐食抑制剤、摩擦低減剤、ガスハイドレート抑制剤、硫化水素除去又は制御用添加剤、アスファルテン制御用添加剤、パラフィン制御用添加剤及びスケール制御用添加剤から選択された合計で0.1〜80wt%の1つ又はそれ以上の成分も含有する。これらの機能を遂行するために、様々な特定の物質が当該技術において知られている。これらの物質のいくつかの適当な非制限的例が以下に記載され、そして他のものは当業者に明らかであるであろう。
【0033】
加重剤: 硫酸バリウム、ヘマタイト及びイルメナイト。
【0034】
粘性化剤: 粘土(たとえばベントナイト、アタパルジャイト)、水溶性ポリマー(たとえばキサンタンガム、グアー、ポリサッカライド、変性ポリサッカライド)、親有機性粘土及び油溶性ポリマー。
【0035】
分散剤: リグノスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホン化メラミンホルムアルデヒド樹脂。
【0036】
掘削泥水ベース油: ディーゼル、鉱油、オレフィン油、パラフィン油及びエステル。
【0037】
乳化剤: 脂肪酸、脂肪酸アミド、アニオン性界面活性剤及び非イオン性アルコキシル化系界面活性剤。
【0038】
可溶性塩(たとえば、比重調整、頁岩安定化又は浸透圧制御のために):NaCl、NaBr、KCl、KBr、CaCl2、CaBr2、ZnCl2、ZnBr2、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム及びギ酸セシウム。
【0039】
セメント
他の界面活性剤: カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アルキルグルコシド、ホスフェートエステル及びフッ素系界面活性剤。
【0040】
プロップ剤: セラミック、焼結ボーキサイト、砂及び樹脂被覆砂。
【0041】
有機酸: ギ酸、酢酸、クエン酸。
【0042】
鉱酸: 塩酸及びフッ化水素酸。
【0043】
以上のクラスの物質は、本発明の界面活性剤と組み合わせて用いられる場合、様々な油田への適用において用途があり得る。正確な適用及び所望効果に依存して、組成物は井戸中に圧入され得又は井戸により産出された油若しくはガスの流れに添加され得る(すべて当該技術においてよく知られた方法に従って)。
【0044】
典型的用途、並びにこれらの目的のための配合物を作る際に普通に用いられる(必ずしも用いられないけれども)成分が、すぐ下に示される。他の成分もまた存在し得る。これらの配合物の各々はまた本発明による界面活性剤を含有する、ということが理解されるであろう。
【0045】
水ベースの掘削泥水: 加重剤、粘性化剤及び分散剤。
【0046】
油ベースの掘削泥水: ベース油、乳化剤及び粘性化剤。
【0047】
仕上げ(コンプリーション)流体: 比重調整用可溶性塩。
【0048】
セメント配合物: 分散剤と組み合わされたセメントそれら自体。
【0049】
スペーサー: 加重剤及び界面活性剤。
【0050】
酸処理流体: 界面活性剤、並びに鉱酸及び有機酸の一方又は両方。
【0051】
フラクチャリング流体: 粘性化剤、プロップ剤及び界面活性剤。
【0052】
ガス又は油を含んだ地層からの産出を刺激する又は増進するための流体は、プロップ剤を除いて、フラクチャリング流体中に存在するものと同様な成分を含有し得る。最後に、上記のやり方で産出された油又はガスを処理するための流体は、殺生物剤、脱泡剤、抗乳化剤、腐食抑制剤、摩擦低減剤、ガスハイドレート抑制剤、硫化水素除去又は制御用添加剤、アスファルテン制御用添加剤、パラフィン制御用添加剤及びスケール制御用添加剤の一つ又はそれ以上を含み得る。
【0053】
式(I)による化合物は、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン及びイソブタンのような低級炭化水素が普通存在するところの石油を含んだ地層中において又は原油の輸送中においてガスハイドレートの形成を防止する又は遅くすることにおいて有用性を有し得る。水もまたかかる地層中に典型的には存在し、そして高められた圧力及び低減された温度の条件下で、水と低級炭化水素の混合物はクラスレートハイドレートを形成する傾向がある。かかる水和物は、低級炭化水素のようなゲスト分子の周りに籠形構造が形成されている水結晶である。たとえば、約1MPaの圧力において、エタンは4℃未満の温度において水とガスハイドレートを形成し得る。3MPaの圧力において、それは14℃未満の温度において水とガスハイドレートを形成し得る。これらのような温度及び圧力は、天然ガス及び原油が産出される及び輸送される数多くの環境において普通に遭遇される。生じる水和物は、しばしば、パイプ、導管、弁及び他の装置内での結晶の成長及びアグロメレーションに因りパイプラインの閉塞を引き起こして、低減流量及びそれどころか装置の損傷さえももたらすことになる。
【0054】
式(I)による化合物は、石油流中にそれらを含めることにより、ガスハイドレートの核形成、成長及び/又はアグロメレーションを減じ、それによって予定外の操業停止、保守及び修理を最小にするために用いられ得る。かかる用途のために用いられる式(I)の化合物の量は広範囲にわたって変動し得、そしてとりわけ原油中に存在する様々な低級炭化水素の相対割合、石油が曝される温度及び圧力条件並びに存在する水の量に依存し得る。任意の所与状況についての適切な量は常用実験により容易に決定され得るが、しかし該量は存在する水の量に関して典型的には少なくとも約0.05wt%一層典型的には少なくとも約0.1wt%そして最も典型的には少なくとも約0.3wt%である。用いられる式(I)の化合物の量の上限は必要でないけれども、それを水に関して多くとも約5wt%そして典型的には水に関して多くとも2wt%に限定することが最も経済的であり得る。
【0055】
以上の論考に照らして認識されるように、本発明の化合物は、広く様々な用途において有用性があり得る。本発明は更に次の例により例示され、しかしてこれらの例は本発明の方法及び組成物を実例で示す(しかし限定しない)目的のために呈される。
実施例
【0056】
次の例において、本発明による化合物は、それらの製造において用いられた出発物質に由来する頭字語でもって名づけられている。文字PMは、ペルメチルを示す。式(I)に言及すると、EDAはエチレンジアミンに由来するZ基を示し、DETAはジエチレントリアミンを指摘し、そしてPACMは4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)を示す。文字EHはR基が2−エチルヘキサナールに由来していたことを示し、MIBKはメチルイソブチルケトンを示し、そしてMIAKはメチルイソアミルケトンを示す。
実施例1 − PMEDA/EH2オキシドの製造
【化8】

【0057】
1リットルのステンレス鋼製オートクレーブ中に、118.0gのEDA/EH2、300mLのイソプロパノール及び8.3gの10%Pd/C(50wt%の水で湿潤させる)を入れた。この反応器を密封し、そして窒素で及び次いで水素でパージした。この反応器の内容物を、6.9bar(100psig)の水素下で80℃に加熱した。水素圧を57.4bar(832psig)に増加し、そして64.4mLの37%水性ホルムアルデヒドを高圧シリンジポンプによって126分かけて添加した。この時点において、水素吸収は突然にやみ、そしてホルムアルデヒドの流れを停止した。圧力を反応の全体を通じて、必要に応じてドーム型調節器による1ガロンバラストからの水素の給気により一定に維持した。この反応混合物を真空中で濃縮し、そして更に精製することなく用いた。25mLのメタノール中の24.5gのPMEDA/EH2に、28.1gの30%過酸化水素を添加した。この反応混合物を周囲温度にて7日間撹拌し、しかしてこの時点において白金黒の水性懸濁液をゆっくり添加して、過剰過酸化水素による分解を遂行した。次いで、この反応混合物をセライト珪藻土を通じて濾過し、そして40℃及び1トルにて濃縮して、カールフィッシャー(KF)滴定による8.1wt%の水を含有する28.2gのPMEDA/EH2オキシドが得られた。その構造を13C−NMRにより確認した。
実施例2 − PMPACM/MIBK2オキシドの製造
【化9】

【0058】
1リットルのステンレス鋼製オートクレーブ中に、240gのPACM/MIBK2、240mLのイソプロパノール及び15.2gの10%Pd/C(50wt%の水で湿潤させる)を入れた。この反応器を密封し、そして窒素で及び次いで水素でパージした。この反応器の内容物を、6.9bar(100psig)の水素下で90℃に加熱した。水素圧を58.1bar(842psig)に増加し、そして77.1mLの37%水性ホルムアルデヒドを高圧シリンジポンプによって128分かけて添加した。第2級アミンの完全な消失を確実にするために、更に219分間反応を進行させた。圧力を反応の全体を通じて、必要に応じてドーム型調節器による1ガロンバラストからの水素の給気により一定に維持した。この反応混合物を190℃及び0.53mbar(0.4トル)にて濃縮して、168.7gの透明な粘性油が得られた。この物質を更に精製することなく用いた。20mLのメタノール中の4.1gのPMPACM/MIBK2に、9.2gの30%過酸化水素を添加した。この反応混合物を周囲温度にて2日間撹拌し、しかしてこの時点において白金黒の水性懸濁液をゆっくり添加して、過剰過酸化水素による分解を遂行した。次いで、この反応混合物をセライト珪藻土を通じて濾過し、そして40℃及び1.3mbar(1トル)にて濃縮して、KF滴定による3.5wt%の水を含有する4.6gのPMPACM/MIBK2オキシドが得られた。その構造を13C−NMRにより確認した。
実施例3 − PMDETA/MIBK2オキシドの製造
【化10】

【0059】
1リットルのステンレス鋼製オートクレーブ中に、49.5gのDETA/MIBK2、350mLのイソプロパノール及び9.7gの10%Pd/C(50wt%の水で湿潤させる)を入れた。この反応器を密封し、そして窒素で及び次いで水素でパージした。この反応器の内容物を、6.9bar(100psig)の水素下で90℃に加熱した。水素圧を55.6bar(806psig)に増加し、そして48mLの37%水性ホルムアルデヒドを高圧シリンジポンプによって109分かけて添加した。第2級アミンの完全な消失を確実にするために、更に45分間反応を進行させた。圧力を反応の全体を通じて、必要に応じてドーム型調節器による1ガロンバラストからの水素の給気により一定に維持した。この反応混合物を真空中で濃縮し、そして次いで155℃及び6.7mbar(5トル)にて蒸留して28.7gの透明な液体が得られ、しかしてその構造をGC−MS及び13C−NMRにより確認した。100mLのメタノール中の28gのPMDETA/MIBK2に、56.3gの30%過酸化水素を添加した。この反応混合物を周囲温度にて2日間撹拌し、しかしてこの時点において白金黒の水性懸濁液をゆっくり添加して、過剰過酸化水素による分解を遂行した。次いで、この反応混合物をセライト珪藻土を通じて濾過し、そして40℃及び1.3mbar(1トル)にて濃縮して、KF滴定による7.1wt%の水を含有する31.8gのPMDETA/MIBK2オキシドが得られた。その構造を13C−NMRにより確認した。
実施例4 − PMEDA/ショウノウ2オキシドの製造
【化11】

【0060】
300mLのステンレス鋼製オートクレーブ中に、9.3gのEDA/ショウノウ2、180mLのイソプロパノール及び8.0gの10%Pd/C(50wt%の水で湿潤させる)を入れた。この反応器を密封し、そして窒素で及び次いで水素でパージした。この反応器の内容物を、6.9bar(100psig)の水素下で90℃に加熱した。水素圧を57.8bar(838psig)に増加し、そして13mLの20.8wt%水性ホルムアルデヒドを高圧シリンジポンプによって50分かけて添加した。第2級アミンの完全な消失を確実にするために、更に40分間反応を進行させた。圧力を反応の全体を通じて、必要に応じてドーム型調節器による1ガロンバラストからの水素の給気により一定に維持した。この反応混合物を真空中で濃縮して9.5gの白色固体が得られ、しかしてその構造をGC−MS及び13C−NMRにより確認した。この物質を更に精製することなく用いた。75mLのエタノール中の9.3gのPMEDA/ショウノウ2に、27.5gの30%過酸化水素を添加した。この反応混合物を周囲温度にて7日間撹拌し、しかしてこの時点において白金黒の水性懸濁液をゆっくり添加して、過剰過酸化水素による分解を遂行した。次いで、この反応混合物をセライト珪藻土を通じて濾過し、そして40℃及び1.3mbar(1トル)にて濃縮して、KF滴定による4.1wt%の水を含有する9.4gのPMEDA/ショウノウ2オキシドが得られた。その構造をGC−MS及び13C−NMRにより確認した。
実施例5〜10 − 表面張力の評価
【0061】
白金ウィルヘルミー板を備えたクルス(Kruss)K−12表面張力計を用いて、恒温循環浴によって25±1℃に温度を維持して、平衡表面張力(EST)を決定した。報告された結果は10分間にわたっての10回の測定の平均であり、また0.1ダイン/cmより小さい標準偏差を有する。
【0062】
クルス(Kruss)BP−2泡圧表面張力計を用いて、Langmuir,1986,2,428〜432に記載されているような最大泡圧法により、6気泡/secの速度にて動的表面張力(DST)を決定した。擬平衡表面張力(p−EST)を、同様にしかし0.1気泡/secの速度にて測定した。
【表17】

【0063】
表1は、水、5%NaCl水溶液及び公称6%次亜塩素酸ナトリウム漂白剤溶液の表面張力を低減するこれらの物質の能力を示す。これらのオキシドのすべてが、特にウィルヘルミー板法により測定される場合の平衡表面張力に関して、表面張力を低減するいくらかの効力を示す。
【0064】
図1は、動的表面張力を最大泡圧技法によって測定することにより、次亜塩素酸ナトリウム(洗濯用漂白剤)の溶液中における本発明の例示的界面活性剤すなわちPMEDA/EH2アミンオキシドの安定性を評価するために計画された実験の結果を示す。表面張力低減能力においていくらかの初期損失があるけれども、表面張力は2日後において安定であり、そしてこの物質は依然として表面張力を低減するのに効果がある。
【0065】
本発明のいくつかの界面活性剤の各々の0.1wt%水溶液50mLを200mLボトル中で5秒間手でもって振とうしそして泡が消散する時間を記録することにより、様々な水性媒質中における泡安定性を査定した。それらの結果は、表2に示されている。
【表18】

【0066】
以前に知られた数多くのアミンオキシド界面活性剤は、大きい泡立ち傾向を有する。例として、ドデシルジメチルアミンオキシドの0.1wt%溶液は、ポリアミンオキシドと同じプロトコールに付された場合、5分後に依然として消散しなかった泡を発生した。
【0067】
上記の実施例におけるデータは、本発明の化合物が水溶液の動的表面張力だけでなく平衡表面張力も効果的に低減する及び水溶液の泡特性に影響を及ぼすように働くことを実証している。実証された低い平衡表面張力値は、所与表面をすっかり濡らすべきこれらの化合物を含有する配合物の能力を高め得る。実証された低い動的表面張力値は、高い表面発生速度によって平衡に近い範囲の条件(0.1気泡/sec)又は動的条件(10〜20気泡/sec)における界面活性剤の性能についての情報を与える。実用的意味では、高い表面発生速度は、噴霧若しくはローラー施用式コーティング、高速印刷操作又は農業用製品若しくは清浄剤の迅速施用のような迅速方法に関連する。コーティング剤、インク及び接着剤のような用途は低い泡又は速く消散する泡を要求するのに対して、清浄又は浮遊選鉱のような他の用途は制御量の泡が存在する及び存続することを要求する。
【0068】
以上の開示において記載されているように、本発明は、広範囲の工業的及び商業的用途において用いるのに適当である性質を有する新規界面活性剤を提供する。かかる用途は、水ベースのコーティング剤、インク、接着剤、農業用配合物、水性及び非水性清浄用組成物、パーソナルケア用剤、並びに繊維加工及び油田への適用のための配合物を包含する。
【0069】
本発明は特定の具体的態様に関して本明細書に例示及び記載されているけれども、示された詳細に添付の請求項が限定されることは意図されていない。むしろ、様々な改変がこれらの詳細において当業者によりなされ得、しかしてかかる改変は依然として請求項に記載された本発明の精神及び範囲内にあり得ることが期待され、そしてこれらの請求項は相応して解釈されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、次亜塩素酸ナトリウム中における老化後の本発明の例示的界面活性剤の動的表面張力を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔ここで、R1はメチル、エチル又は1−プロピルであり、RはC4〜C20のアリール、アルカリール、アラルキル、環式、脂環式、又は第2級、分枝状若しくは二環式アルキル基、あるいは式(A)
【化2】

(ここで、uは0から2の整数であり、そしてR2はH、α−D−グルコピラノシル、β−D−ピラノシル又はβ−D−ガラクトピラノシルである)
によるポリヒドロキシアルキル基であり、そして基Zは4,4′−メチレンビス(シクロヘキシル)、CH2(CH2n{N+O−R1−CH2(CH2op(ここで、pは1から10の整数であり、そしてn及びoは各々独立して1から5の整数である)、(CH2r[O(CH2stO(CH2q(ここで、sは2から4の整数であり、tは0から2の整数であり、そしてr及びqは各々個々に2又は3である)、(CH2m(ここで、mは2から6の整数である)及びイソホロン残基(B)
【化3】

から成る群から選択された連結基である〕
による1種又はそれ以上の化合物を含む組成物。
【請求項2】
各R1がメチルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
各Rが、分枝状又は二環式アルキル基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
各Rが2−エチルヘキサ−1−イルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
各Rが4−メチルペンタ−2−イルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
各Rが5−メチルヘキサ−2−イルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
各Rが、式(A)によるポリヒドロキシアルキル基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
ポリヒドロキシアルキル基が1−デオキシグルシチルである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
Zが(CH22である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
各R1がメチルである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
Zが4,4′−メチレンビス(シクロヘキシル)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
各R1がメチルである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
ZがCH2(CH2n{N+O−R1−CH2(CH2opである、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
各R1がメチルである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
n、o及びpがすべて1である、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
各R1がメチルである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
酸化剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
式(I)による1種又はそれ以上の化合物が第1成分を構成し、組成物が鉱酸、ギ酸、酢酸、水酸化テトラメチルアンモニウム、非揮発性有機物質、非揮発性無機物質及びそれらの混合物から成る群から選択された1種又はそれ以上の物質から成る第2成分を更に含み、第2成分が式(I)による1種又はそれ以上の化合物のいずれかの製造のための製造前又は製造後の合成反応混合物のいずれの成分も含まず、しかも組成物が25℃において流体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
第2成分が、第1成分より多い重量による量にて存在する、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
組成物が水性キャリアを更に含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
式(I)による1種又はそれ以上の化合物が、各Rが2−エチルヘキサ−1−イルである化合物を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
式(I)による1種又はそれ以上の化合物が、各Rが4−メチルペンタ−2−イルである化合物を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項23】
式(I)による1種又はそれ以上の化合物が、各Rが5−メチルヘキサ−2−イルである化合物を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項24】
式(I)による1種又はそれ以上の化合物が、Zが(CH22である化合物を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項25】
式(I)による1種又はそれ以上の化合物が、ZがCH2(CH2n{N+O−R1−CH2(CH2opでありしかもn、o及びpがすべて1である化合物を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項26】
配合物における表面張力を低減する方法であって、該配合物の平衡表面張力を52mN/mより小さい値に低減するのに十分な有効量の式(I)による1種又はそれ以上の化合物を該配合物に添加することを含む方法
【化4】

〔ここで、R1はメチル、エチル又は1−プロピルであり、RはC4〜C20のアリール、アルカリール、アラルキル、環式、脂環式、又は第2級、分枝状若しくは二環式アルキル基、あるいは式(A)
【化5】

(ここで、uは0から2の整数であり、そしてR2はH、α−D−グルコピラノシル、β−D−ピラノシル又はβ−D−ガラクトピラノシルである)
によるポリヒドロキシアルキル基であり、そして基Zは4,4′−メチレンビス(シクロヘキシル)、CH2(CH2n{N+O−R1−CH2(CH2op(ここで、pは1から10の整数であり、そしてn及びoは各々独立して1から5の整数である)、(CH2r[O(CH2stO(CH2q(ここで、sは2から4の整数であり、tは0から2の整数であり、そしてr及びqは各々個々に2又は3である)、(CH2m(ここで、mは2から6の整数である)及びイソホロン残基(B)
【化6】

から成る群から選択された連結基である〕。
【請求項27】
前記配合物が水性である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記配合物が酸化剤を含む、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−39693(P2007−39693A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−212058(P2006−212058)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】