説明

アリール複素環誘導体および農園芸用殺菌剤および殺虫剤

式(1)


[式中、RはC1−6アルキル基等を、Rはハロゲン原子等を、mは、0または1〜4の整数を表し、Tは式(2)、式(3)、式(4)で表される基を表し、


、R、R、Rは水素原子等を表し、nは、1〜4の整数を表し、Qは、式(5)、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)で表される基を表し、


はC5−12アルキル基等を、R、R、R10、R11は水素原子等を、Xは酸素原子または硫黄原子を、kは0または1〜3の整数を表す。]
で表されるアリール複素環誘導体並びにこれらを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤および農園芸用殺虫剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は新規なアリール複素環誘導体、該化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤および殺虫剤に関する。
【背景技術】
農園芸作物の栽培に当り、作物の病害に対して多数の防除薬剤が使用されているが、その防除効力が不十分であったり、薬剤耐性の病原菌の出現によりその使用が制限されたり、また植物体に薬害や汚染を生じたり、あるいは人畜魚類に対する毒性や環境への影響の観点から、必ずしも満足すべき防除薬とは言い難いものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない安全に使用できる薬剤の出現が強く要請されている。
本発明化合物と類似した下記式に示すアリール複素環化合物が、米国特許第5567723号公報に殺ダニ活性を有する開示されている。

また、下記式に示す化合物が国際公開第02098840号パンフレットに、糖尿病治療薬としての作用を有することが開示されている。

また、下記式に示す化合物が、国際公開第01092214号パンフレット、国際公開第02083630号パンフレットに、抗血栓薬としての作用を有することが開示されている。

【発明の開示】
本発明の目的は、工業的に有利に合成でき効果が確実で安全に使用できる農園芸用殺菌剤および殺虫剤となりうるアリール複素環誘導体を提供することにある。
本発明は式(1)

[式中、RはC1−6アルキル基または、C1−6アルコキシ基を表わす。
は水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ヒドロキシアルキル基、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル基、またはC1−6アルキルカルボニルオキシC1−6アルキル基を表わす。mは、0または1〜4の整数を表す。Tは式(2)、式(3)、または式(4)で表される基を表す。

およびRは各々独立して、水素原子、C1−6アルキル基、またはC1−6アルキルカルボニル基を表わす。RおよびRは各々独立して、水素原子、またはC1−6アルキル基を表わす。nは、1〜4の整数を表す。Qは、式(5)、式(6)、式(7)、式(8)または式(9)で表される基を表す。


(式中、RはC5−12アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルC1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−12アルキル基、Gで置換されてもよいフェニル基、Gで置換されてもよいナフチル基、アルキル基部分がC1−6アルコキシ基で置換されてもよくベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいベンゾイル基、ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルアミノ基、Gで置換されてもよいピリジル基、ピリジン環部がGで置換されてもよいピリジルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいピラジニル基、ピラジン環部がGで置換されてもよいピラジニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいピリミジニル基、Gで置換されてもよいキノリニル基、Gで置換されてもよいフリル基、Gで置換されてもよいベンゾフラニル基、Gで置換されてもよいチエニル基、Gで置換されてもよいチアゾリル基、またはGで置換されてもよいテトラヒドロナフチル基を表わす。R、R及びR11は各々独立して水素原子またはC1−6アルキル基を示す。R10は水素原子、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−6アルキルカルボニル基、Gで置換されてもよいフェニル基、ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいフェニルカルボニル基、Gで置換されてもよいフェニルC1−6アルキルカルボニル基、Rと結合したC1−6アルキレン基またはシアノ基を表わす。Gはハロゲン原子、C1−6アルキル基、シアノ基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6ハロアルコキシ基、置換されてもよいフェニル基、置換されてもよいフェノキシ基、置換されてもよいフェニルC1−6アルコキシ基、置換されてもよいピリジルオキシ基、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、置換されてもよいフェニルカルボニルオキシ基、C1−6アルキルスルホニルオキシ基、C1−6アルコキシカルボニルオキシ基、C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルコキシ基、窒素原子が1個もしくは2個の同一もしくは異なるC1−6アルキル基で置換されてもよいカルバモイルオキシ基、1個もしくは2個の同一もしくは異なるC1−6アルキル基で置換されてもよいアミノ基、シアノ基、またはニトロ基を表す。Xは酸素原子もしくは硫黄原子を表す。kは0または1〜3の整数を表す。)]
で表されるアリール複素環誘導体および式(1)で表されるアリール複素環誘導体またはその塩の1種または2種以上を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤および殺虫剤である。
【発明を実施するための最良の形態】
前記式(1)の定義において、

は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1−6アルキル基;またはメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、t−ブチルオキシ等のC1−6アルコキシ基を表わす。
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1−6アルキル基;またはメトキシ、エトキシ等のC1−6アルコキシ基;またはヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル等のC1−6ヒドロキシアルキル基;またはメトキシメチル、エトキシメチル、1−メトキシエチル、2−メトキシエチル等のC1−6アルキルオキシC1−6アルキル基;またはアセトキシメチル、プロポキシメチル、1−アセトキシエチル、2−アセトキシエチル等のC1−6アルキルカルボニルオキシC1−6アルキル基を表わす。
mは0、1、2、3,4の整数を表す。mが2、3,4のとき、Rは同一でも相異なっていてもよい。
Tは前記式(2)、式(3)、式(4)で表される基を表す。
式(2)、式(3)において、R、Rは各々独立して、水素原子またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1−6アルキル基;またはアセチル、プロピオニル、ノルマルブチリル、イソブチリル等のC1−6アルキルカルボニル基を表わす。
式(2)において、R、Rは各々独立して、水素原子またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1−6アルキル基を表わす。
式(2)において、nは1、2、3,4の整数を表す。nが2、3,4のとき、R同士、R同士は同一でも相異なっていてもよい。
Qは、前記式(5)、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)で表されるいずれかの基を表す。
式(5)、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)において、Rは、ノルマルペンチル、ノルマルヘキシル、ノルマルヘプチル、ノルマルオクチル、ノルマルデシル等のC5−12アルキル基;トリクロロメチル、トリフルオロメチル、トリブロモメチル等のC1−6ハロアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3−8シクロアルキル基;シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチル、シクロヘプチルエチル等のC3−8シクロアルキルC1−6アルキル基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル、1−メトキシノルマルプロピル、1−エトキシノルマルプロピル、1−メトキシ−2−メチルノルマルプロピル、1−エトキシ−2−メチルノルマルプロピル、1−メトキシ−3−メチルノルマルブチル、1−エトキシ−3−メチルノルマルブチル、1−メトキシノルマルヘキシル、1−エトキシノルマルヘキシル、1−メトキシノルマルノニル、1−エトキシノルマルノニル等のC1−6アルコキシC1−12アルキル基;Gで置換されてもよいフェニル基;2−メトキシ−1−ナフチル等のGで置換されてもよいナフチル基;ベンゼン環部がGで置換されてもよいベンジル、α−メトキシベンジル、1−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルエチル、2−フェニル−1−メトキシエチル、3−フェニルプロピル、3−フェニル−1−メトキシプロピル等のアルキル基部分がC1−6アルコキシ基で置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基;ベンゼン環部がGで置換されてもよいベンゾイル基;ベンゼン環部がGで置換されてもよいフェニルアミノ基;2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−クロロ−4−ピリジル等のGで置換されてもよいピリジル基;2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、1−(2−ピリジル)エチル、1−(3−ピリジル)エチル、1−(4−ピリジル)エチル、2−(2−ピリジル)エチル、2−(3−ピリジル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル等のピリジン環部がGで置換されてもよいピリジルC1−6アルキル基;Gで置換されてもよいピラジニル基;2−ピラジニルメチル、1−(2−ピラジニル)エチル、1−(2−ピラジニル)エチル、2−(2−ピラジニル)エチル等のピラジン環部がGで置換されてもよいピラジニルC1−6アルキル基;2−ピリミジル、4,6−ジメトキシ−2−ピリミジル等のGで置換されてもよいピリミジニル基;2−キノリニル、6−キノリニル等のGで置換されてもよいキノリニル基;5−メチル−2−フリル等のGで置換されてもよいフリル基;Gで置換されてもよいベンゾフラニル基;Gで置換されてもよいチエニル基;Gで置換されてもよいチアゾリル基、またはGで置換されてもよいテトラヒドロナフチル基を表す。
、R及びR11は各々独立して水素原子またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1−6アルキル基を表す。
10は水素原子またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1−6アルキル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、プロピオニル、イソブチリル、ノルマルブチリル、ピバロイル等のC1−6アルキルカルボニル基;Gで置換されてもよいフェニル基;Gで置換されてもよいフェニルカルボニル基;ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基;ベンゼン環部がGで置換されてもよいフェニルアセチル、1−フェニルプロピオニル、2−フェニルプロピオニル等のフェニルC1−6アルキルカルボニル基、プロピレン、ブチレン等のRと結合したC1−6アルキレン基、またはシアノ基を表わす。
Xは酸素原子または硫黄原子を表す。
Gは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1−6アルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、シアノメトキシ、1−シアノエトキシ、2−シアノエトキシ、1−シアノプロポキシ、2−シアノプロポキシ等のシアノ基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec−ブチルチオ、イソブチルチオ等のC1−6アルキルチオ基;メタンスルホニル、エタンスルホニル、プロパンスルホニル等のC1−6アルキルスルホニル基;クロロメチル、フルオロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、ジフルオロメチル、ジブロモメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、トリブロモメチル、トリクロロエチル、トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル等のC1−6ハロアルキル基;クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジブロモメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリブロモメトキシ、トリクロロエトキシ、トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ等のC1−6ハロアルコキシ基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル等のC1−6アルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等のC1−6アルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等のC1−6アルキルチオ基、トリクロロメチル、トリフルオロメチル等のC1−6ハロアルキル基、ジフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロメトキシ等のC1−6ハロアルコキシ基で置換されてもよいフェニル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル等のC1−6アルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等のC1−6アルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等のC1−6アルキルチオ基、トリクロロメチル、トリフルオロメチル等のC1−6ハロアルキル基、ジフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロメトキシ等のC1−6ハロアルコキシ基で置換されてもよいフェノキシ基;そのフェニル部分がフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル等のC1−6アルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等のC1−6アルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等のC1−6アルキルチオ基、トリクロロメチル、トリフルオロメチル等のC1−6ハロアルキル基、ジフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロメトキシ等のC1−6ハロアルコキシ基で置換されてもよいベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル等のフェニルC1−6アルコキシ基;2−ピリジルオキシ、3−ピリジルオキシ、4−ピリジルオキシ、3−メチル−2−ピリジルオキシ、4−メチル−2−ピリジルオキシ、5−メチル−2−ピリジルオキシ、6−メチル−2−ピリジルオキシ、3−クロロ−2−ピリジルオキシ、3,5−ジクロロ−2−ピリジルオキシ、3−クロロ−5−トリフルオロメチル2−ピリジルオキシ等の置換されてもよいピリジルオキシ基;ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ等のC1−6アルキルカルボニルオキシ基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル等のC1−6アルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等のC1−6アルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等のC1−6アルキルチオ基、トリクロロメチル、トリフルオロメチル等のC1−6ハロアルキル基、ジフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロメトキシ等のC1−6ハロアルコキシ基で置換されてもよいフェニルカルボニルオキシ基;メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、プロパンスルホニルオキシ等のC1−6アルキルスルホニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ等のC1−6アルコキシカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルメトキシ、エトキシカルボニルメトキシ、1−メトキシカルボニルエトキシ、1−エトキシカルボニルエトキシ、2−メトキシカルボニルエトキシ、2−エトキシカルボニルエトキシ等のC1−6アルコキシカルボニルオキシC1−6アルコキシ基;N−メチルカルバモイルオキシ、N−エチルカルバモイルオキシ、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−エチル−メチルカルバモイルオキシ等の窒素原子が1個もしくは2個の同一もしくは異なるC1−6アルキル基で置換されてもよいカルバモイルオキシ基;メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、ジエチルアミノ等の1個もしくは2個の同一もしくは異なるC1−6アルキル基で置換されてもよいアミノ基;シアノ基;ニトロ基を表し、これらGは同一または相異なって2個から5個置換してもよい。
式(9)において、kは0、1、2、3の整数を表す。
本発明における式(1)で示されるアリール複素環誘導体の製造法について説明する。式(1)で示されるアリール複素環誘導体は例えば下記の方法で製造できるが、該化合物の製造法は、これらの製造法に限定するものではない。
製造法例1
式(1)で示される本発明化合物は、式(I)及び式(II)で示される化合物から、所望により塩基存在下に反応させることにより、下記の化学反応式に従って製造することができる。

(式中、R、R、T,Q、mは前記と同じ意味を表し、Yはハロゲン原子等の脱離基を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホル厶アミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
式(II)で示される化合物の使用量は通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜2倍モルである。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ厶、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ厶、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。塩基の使用量は。式(I)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
製造法例2
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−1)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(III)で示される化合物から、所望により塩基又は酸の存在下に反応させることにより製造することができる。

(式中、R、R、R、T、m は前記と同じ意味を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。用いられる塩基の使用量は、式(III)で示される化合物に対し、通常0.01〜10倍モル、好ましくは0.1〜3倍モルである。
酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等が挙げられる。用いられる酸の使用量は、式(III)で示される化合物に対し、通常0.01〜10倍モル、好ましくは0.1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
製造法例3
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−2)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(IV)で示される化合物から、所望により塩基又は酸の存在下に反応させることにより製造することができる。

(式中、R、R、R、T、mは前記と同じ意味を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホル厶、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホル厶アミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。用いられる塩基の使用量は、式(IV)で示される化合物に対し、通常0.01〜10倍モル、好ましくは0.1〜3倍モルである。
酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等が挙げられる。用いられる酸の使用量は、式(IV)で示される化合物に対し、通常0.01〜10倍モル、好ましくは0.1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
製造法例4
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−3)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(V)で示される化合物から、所望により塩基又は酸の存在下に反応させることにより製造することができる。

(式中、R、R、R、R10、T、mは前記と同じ意味を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。用いられる塩基の使用量は、式(V)で示される化合物に対し、通常0.01〜10倍モル、好ましくは0.1〜3倍モルである。
酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等が挙げられる。用いられる酸の使用量は、式(V)で示される化合物に対し、通常0.01〜10倍モル、好ましくは0.1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
製造法例5
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−3)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(VI)及び式(VII)で示される化合物から、所望により塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。

(式中、R、R、R、R10、T、mは前記と同じ意味を表す。Yは、ハロゲン等の脱離基を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ厶、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ厶、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。用いられる塩基の使用量は、式(VI)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが,30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
製造法例6
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−4)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(VIII)で示されるアニリンから、通常のジアゾ化及び還元反応により、式(IX)で示されるヒドラジンを製造した後、製造法例1で示した製造法を用いて、式(1−4)で示される本発明化合物を製造することができる。

(式中、R、R、Q、Y、mは前記と同じ意味を表す。)
製造法例7
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−5)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(1−4)で示される本発明化合物から、酸化剤の存在下、所望により塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。

(式中、R、R、Q、mは前記と同じ意味を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール類、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
酸化剤としては、臭素などのハロゲン類、過酸化水素等の過酸化物類、パラジウム等の金属類、酸化水銀等の金属酸化物、N−クロロサクシンイミド、N−ブロモサクシンイミド等が挙げられる。用いられる酸化剤の使用量は、式(1−4)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ厶、炭酸カリウ厶、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ厶等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。用いられる塩基の使用量は、式(VI)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
製造法例8
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−6)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(XIV)で示される化合物から、アミノ化剤の存在下に反応させることにより製造することができる。

(式中、R、R、R、T、Q、mは前記と同じ意味を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
アミノ化剤としては、O−(メシチレンスルホニル)ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸などのヒドロキシルアミン類等が挙げられる。用いられるアミノ化剤の使用量は、式(XIV)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
製造法例9
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−7)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(XIV)及び式(XV)で示される化合物から、所望により酸の存在下に反応させることにより製造することができる。

(式中、R、R、R10、T、Y、mは前記と同じ意味を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
酸としては、蟻酸、塩酸、酢酸、臭化水素酸等が挙げられる。用いられる酸の使用量は、式(XIV)で示される化合物に対し、通常1〜100倍モル、好ましくは1〜10倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
製造法例10
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−8)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(XVI)で示される化合物から、硫化剤の存在下に反応させることにより製造することができる。

(式中、R、R、R、R11、T、Y、m、kは前記と同じ意味を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
硫化剤としては、例えば五硫化ニリン、ローソン試薬等が挙げられる。硫化剤の使用量は、式(XVI)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
製造法例11
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−9)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(XVII)で示される化合物から、所望により塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。

(式中、R、R、R、R11、T、m、kは前記と同じ意味を表す。Lはアルキルスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ハロゲン等の脱離基を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ厶、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。塩基の使用量は、式(XVII)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
参考として、本願記載の化合物の中間体化合物(III)、(IV)、(V)、(VI)、(XIV)、(XVI)、(XVII)の製造法の例を示すが、これらの製造法に限定するものではない。
中間体製造例1
式(XVIII)で示される中間体化合物は、式(X)で示される化合物とヒドロキシルアミン塩もしくはヒドロキシルアミン水溶液から、所望により塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。

(式中、R、R、T、mは前記と同じ意味を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール類、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
ヒドロキシルアミン塩もしくはヒドロキシルアミン水溶液の使用量は、式(X)で示される化合物に対し、純分換算で通常1〜10倍モルの範囲であり、好適には1〜3倍モルである。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ厶、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ厶、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。塩基の使用量は式(X)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
中間体製造例2
式(III)で示される中間体化合物は、式(XVIII)及び式(XI)で示される化合物から、所望により塩基あるいは脱水剤存在下に反応させることにより、下記の化学反応式に従って製造することができる。

(式中、R、R、T、mは前記と同じ意味を表す。Zは、水酸基またはハロゲン等の脱離基を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホル厶、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
式(XVI)で示される化合物の使用量は、式(XVIII)で示される化合物に対し、通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜2倍モルである。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。塩基の使用量は式(XVIII)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
脱水剤としては、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド類や光延反応法(例えば、J.Chem.Soc.,Perkin Trans1.、1708、(1976)参照)を使用できる。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
中間体製造例3
式(IV)で示される中間体化合物は、式(XII)及び式(XIII)で示される化合物から、所望により塩基あるいは脱水剤存在下に反応させることにより、下記の化学反応式に従って製造することができる。

(式中、R、R、R、T、mは前記と同じ意味を表す。Zは、水酸基またはハロゲン等の脱離基を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
式(XIII)で示される化合物の使用量は、式(XII)で示される化合物に対し、通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜2倍モルである。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウ厶、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ厶、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。塩基の使用量は式(XII)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
脱水剤としては、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド類や光延反応法(例えば、J.Chem.Soc.,Perkin Trans1.、1708、(1976)参照)を使用できる。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
中間体製造例4
式(V)で示される中間体化合物は、式(VI)及び式(VII)で示される化合物から、所望により塩基存在下に反応させることにより、下記の化学反応式に従って製造することができる。

(式中、R、R、R、R10、T、m、Yは前記と同じ意味を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホル厶、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
式(VII)で示される化合物の使用量は、式(VI)で示される化合物に対し、通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜2倍モルである。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ厶、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ厶等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。塩基の使用量は、式(VI)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
中間体製造例5
式(VI)で示される中間体化合物は、式(X)及び硫化水素、もしくは式(XIX)で示されるチオアルキルアミドから、所望により塩基あるいは酸存在下に反応させることにより、下記の化学反応式に従って製造することができる。

(式中、R、R、T、mは前記と同じ意味を表す。R12はC1−6アルキル基を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
硫化水素の使用量は、式(X)で示される化合物に対し、通常1〜100倍モルの範囲であり、好適には10〜20倍モルである。式(XIX)で示されるチオアルキルアミドの使用量は、式(X)で示される化合物に対し、通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜3倍モルである。
塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基、及びこれらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。塩基の使用量は式(X)で示される化合物に対し、通常1〜100倍モル、好ましくは1〜20倍モルである。
酸としては、例えば蟻酸、塩酸、臭化水素酸等の無機酸等が挙げられる。酸の使用量は、式(X)で示される化合物に対し通常1〜100倍モル、好ましくは1〜10倍モルである。
本反応の温度は、0℃〜200℃の範囲で、好適には0℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
中間体製造例6
式(XIV)で示される中間体化合物は、式(VI)及び式(XX)で示される化合物から、下記の化学反応式に従って製造することができる。

(式中、R、R、R、T、mは前記と同じ意味を表す。R12はC1−6アルキル基を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホル厶、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
式(XX)で示される化合物の使用量は、式(VI)で示される化合物に対し通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜2倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
中間体製造例7
式(XVI)で示される中間体化合物は、式(XII)及び式(XXI)で示される化合物から、所望により塩基あるいは脱水剤存在下に反応させることにより、下記の化学反応式に従って製造することができる。

(式中、R、R、R、R11、T、m、kは前記と同じ意味を表す。Zは、水酸基またはハロゲン等の脱離基を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
式(XXI)で示される化合物の使用量は、式(XII)で示される化合物に対し、通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜2倍モルである。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウ厶、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。塩基の使用量は式(XII)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
脱水剤としては、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド類や光延反応法(例えば、J.Chem.Soc.,Perkin Trans1.、1708、(1976)参照)を使用できる。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
中間体製造例8
式(XVII)で示される中間体化合物のうち、式(XVII−1)で示される中間体化合物あるいは式(XVII−2)で示される中間体は、下記の化学反応式に従って、式(XVI)で示される中間体化合物から、通常のハロゲン化反応により式(XVII−1)で示される中間体化合物が製造でき、通常の塩基を用いたスルホン化反応により式(XVII−2)で示される中間体を製造することができる。

(式中、R、R、R、R11、T、m、kは前記と同じ意味を表す。Xは、ハロゲンを表し、R13は低級アルキル基、置換されてもよいフェニル基等を表す。)
農園芸用殺菌剤および殺虫剤
本発明化合物(式(1)で表される化合物またはその塩)は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes),不完全菌類(Deuteromycetes),担子菌類(Basidiomycetes)に属する菌に対しすぐれた殺菌力を有する。本発明化合物を有効成分とする組成物は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物の栽培に際し発生する種々の病害の防除に、種子処理、茎葉散布、土壌施用または水面施用等により使用することができる。
例えば、
テンサイ 褐斑病(Cercospora beticola)
ラッカセイ 褐斑病(Mycosphaerella arachidis)
黒渋病(Mycosphaerella berkeleyi)
キュウリ うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)
つる枯病(Mycosphaerella melonis)
菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)
灰色かび病(Botrytis cinerea)
黒星病(Cladosporium cucumerinum)
トマト 灰色かび病(Botrytis cinerea)
葉かび病(Cladosporium fulvum)
ナス 灰色かび病(Botrytis cinerea)
黒枯病(Corynespora melongenae)
うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)
イチゴ 灰色かび病(Botrytis cinerea)
うどんこ病(Sohaerotheca humuli)
タマネギ 灰色腐敗病(Botrytis allii)
灰色かび病(Botrytis cinerea)
インゲン 菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)
灰色かび病(Botrytis cinerea)
りんご うどんこ病(Podosphaera leucotricha)
黒星病(Venturia inaequalis)
モニリア病(Monilinia mali)
カキ うどんこ病(Phyllactinia kakicola)
炭そ病(Gloeosporium kaki)
角斑落葉病(Cercospora kaki)
モモ・オウトウ 灰星病(Monilinia fructicola)
ブドウ 灰色かび病(Botrytis cinerea)
うどんこ病(Uncinula necator)
晩腐病(Glomerella cingulata)
ナシ 黒星病(Venturia nashicola)
赤星病(Gymnosporangium asiaticum)
黒斑病(Alternaria kikuchiana)
チャ 輪斑病(Pestalotia theae)
炭そ病(Colletotrichum theae−sinensis)
カンキツ そうか病(Elsinoe fawcetti)
青かび病(Penicillium italicum)
緑かび病(Penicillium digitatum)
灰色かび病(Botrytis cinerea)
オオムギ うどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.hordei)
裸黒穂病(Ustilago nuda)
コ厶ギの赤かび病(Gibberella zeae)
赤さび病(Puccinia recondita)
斑点病(Cochliobolus sativus)
眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)
ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)
うどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.tritici)
紅色雪腐病(Micronectriella nivalis)
イネ いもち病(Pyricularia oryzae)
紋枯病(Rhizoctonia solani)
馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、
ごま葉枯病(Cochliobolus niyabeanus)、
タバコ 菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)
うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)
チューリップ 灰色かび病(Botrytis cinerea)
ベントグラス 雪腐大粒菌核病(Sclerotinia borealis)、
オーチャードグラスのうどんこ病(Erysiphe graminis)、
ダイズ 紫斑病(Cercospora kikuchii)、
ジャガイモ・トマトの疫病(Phytophthora infestans)、
キュウリ べと病(Pseudoperonospora cubensis)、
ブドウ べと病(Plasmopara viticola)
等の防除に使用することができる。
また、近年種々の病原菌においてベンズイミダゾール系殺菌剤やジカルボキシイミド系殺菌剤等に対する耐性が発達し、それらの薬剤の効力不足を生じており、耐性菌にも有効な薬剤が望まれている。本発明の化合物は、それら薬剤に対し感受性の病原菌のみならず、耐性菌にも優れた殺菌効果を有する薬剤である。
例えば、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダジム等のベンズイミダゾール系殺菌剤に耐性を示す灰色かび病菌(Botrytis cinerea)やテンサイ褐斑病菌(Cercospora beticola)、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、ナシ黒星病菌(Venturia nashicola)に対しても感受性菌と同様に本発明化合物は有効である。
さらに、ジカルボキシイミド系殺菌剤(例えば、ビンクロゾリン、プロシミドン、イプロジオン)に耐性を示す灰色かび病菌(Botrytis cinerea)に対しても感受性菌と同様に本発明化合物は有効である。
適用がより好ましい病害としては、テンサイの褐斑病、コムギのうどんこ病、イネのいもち病、リンゴ黒星病、キュウリの灰色かび病、ラッカセイの褐斑病等が挙げられる。
(殺虫剤)
本発明化合物(式〔I〕で表される化合物又はその塩)は農業上の有害生物、衛生害虫、貯殻害虫、衣類害虫、家屋害虫等の防除に使用でき、殺成虫、殺若虫、殺幼虫、殺卵作用を有する。
鱗翅目害虫、例えば、ハスモンヨトウ、ヨトウガ、タマナヤガ、アオムシ、タマナギンウワバ、コナガ、チャノコカクモンハマキ、チャハマキ、モモシンクイガ、ナシヒメシンクイ、ミカンハモグリガ、チャノホソガ、キンモンホソガ、マイマイガ、チャドクガ、ニカメイガ、コブノメイガ、ヨーロピアンコーンボーラー、アメリカシロヒトリ、スジマダラメイガ、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属、アグロティス属、イガ、コドリンガ、ワタアカミムシ等、
半翅目害虫、例えば、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、ムギクビレアブラ厶シ、ホソヘリカメムシ、アオクサカメムシ、ヤノネカイガラムシ、クワコナカイガラムシ、オンシツコナジラミ、タバココナジラミ、ナシキジラミ、ナシグンバイムシ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカ、セジロウンカ、ツマグロヨコバイ等、
甲虫目害虫、例えば、キスジノミハムシ、ウリハムシ、コロラドハ厶シ、イネミズゾウムシ、コクゾウムシ、アズキゾウムシ、マメコガネ、ヒメコガネ、ジアブロティカ属、タバコシバンムシ、ヒラタキクイムシ、マツノマダラカミキリ、ゴマダラカミキリ、アグリオティス属、ニジュウヤホシテントウ、コクヌスト、ワタミゾウ厶シ等、
双翅目害虫、例えば、イエバエ、オオクロバエ、センチニクバエ、ウリミバエ、ミカンコミバエ、タネバエ、イネハモグリバエ、キイロショウジョウバエ、サシバエ、コガタアカイエカ、ネッタイシマカ、シナハマダラカ等、
アザミウマ目害虫、例えば、ミナミキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ等、
膜翅目害虫、例えば、イエヒメアリ、キイロスズメバチ、カブラハバチ等、
直翅目害虫、例えば、トノサマバッタ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリ、クロゴキブリ等
シロアリ目害虫、例えば、イエシロアリ、ヤマトシロアリ等、
隠翅目害虫、例えば、ヒトノミ、ネコノミ等、シラミ目害虫、例えば、ヒトジラミ等、
ダニ類、例えば、ナミハダニ、ニセナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、ミカンサビダニ、リンゴサビダニ、チャノホコリダニ、ブレビパルパス属、エオテトラニカス属、ロビンネダニ、ケナガコナダニ、コナヒョウヒダニ、オウシマダニ、フタトゲチマダニ等、
植物寄生性線虫類、例えば、サツマイモネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、ダイズシストセンチュウ、イネシンガレセンチュウ、マツノザイセンチュウ等。
適用が好ましい有害生物としては、鱗翅目害虫、半翅目害虫、甲虫目害虫、アザミウマ目害虫、ハダニ類であり、特に好ましくは鱗翅目害虫、半翅目害虫、ハダニ類である。
又、近年コナガ、ウンカ、ヨコバイ、アブラムシ等多くの害虫において有機リン剤、カーバメート剤や殺ダニ剤に対する抵抗性が発達し、それら薬剤の効力不足問題を生じており、抵抗性系統の害虫やダニにも有効な薬剤が望まれている。本発明化合物は感受性系統のみならず、有機リン剤、カーバメート剤、ピレスロイド剤抵抗性系統の害虫や、殺ダニ剤抵抗性系統のダニにも優れた殺虫殺ダニ効果を有する薬剤である。
また本発明化合物は薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低く、安全性の高い薬剤である。
本発明化合物は、水棲生物が船底、魚網等の水中接触物に付着するのを防止するための防汚剤として使用することもできる。
本発明殺菌剤および殺虫剤は本発明化合物の1種または2種以上を有効成分として含有する。
本発明化合物を実際に施用する際には他成分を加えず純粋な形で使用できるし、また農薬として使用する目的で一般の農薬のとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤等の形態で使用することもできる。
農薬製剤中に添加することのできる添加剤および担体としては、固型剤を目的とする場合は、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレー等の鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機及び無機化合物が使用される。
また、液体の剤型を目的とする場合は、ケロシン、キシレンおよび石油系の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロルエチレン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水等を溶剤として使用することができる。
さらに、これらの製剤において均一かつ安定な形態をとるために、必要に応じ界面活性剤を添加することもできる。添加することができる界面活性剤としては特に限定はないが、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合物等が挙げられる。
このようにして得られた水和剤、乳剤、フロアブル剤,水溶剤,顆粒水和剤は水で所定の濃度に希釈して溶解液,懸濁液あるいは乳濁液として、粉剤・粒剤はそのまま植物に散布する方法で使用される。
また有効成分量は、通常、組成物(製剤)全体に対して好ましくは0.01〜90重量%であり、より好ましくは0.05〜85重量%である。
製剤化された本発明の殺菌剤組成物は、そのままで、或いは水等で希釈して、植物体、種子、水面または土壌に施用される。施用量は、気象条件、製剤形態、施用磁気、施用方法、施用場所、防除対象病害、対象作物等により異なるが、通常1ヘクタール当たり有効成分化合物量にして1〜1,000g、好ましくは10〜100gである。
水和剤、乳剤、懸濁剤、水溶剤、顆粒水和剤等を水で希釈して施用する場合、その施用濃度は1〜1000ppm、好ましくは10〜250ppmであり、粒剤、粉剤等の場合は、希釈することなくそのまま施用する。
なお、本発明化合物は単独でも十分有効であることは言うまでもないが、各種の殺菌剤や殺虫・殺ダニ剤または共力剤の1種または2種以上と混合して使用することもできる。
本発明化合物と混合して使用できる殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤の代表例を以下に示す。
殺菌剤:
キャプタン、フォルペット、チウラム、ジラ厶、ジネブ、マンネブ、マンコゼブ、プロピネブ、ポリカーバメート、クロロタロニル、キントーゼン、キャプタホル、イプロジオン、プロサイミドン、ビンクロゾリン、フルオロイミド、サイモキサニル、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、オキシカルボキシン、ホセチルアルミニウム、プロパモカーブ、トリアジメホン、トリアジメノール、プロピコナゾール、ジクロブトラゾール、ビテルタノール、ヘキサコナゾール、マイクロブタニル、フルシラゾール、メトコナゾール、エタコナゾール、フルオトリマゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアフェン、ベンコナゾール、ジニコナゾール、サイプロコナゾーズ、フェナリモール、トリフルミゾール、プロクロラズ、イマザリル、ペフラゾエート、トリデモルフ、フェンプロピモルフ、トリホリン、ブチオベート、ピリフェノックス、アニラジン、ポリオキシン、メタラキシル、オキサジキシル、フララキシル、イソプロチオラン、プロベナゾール、ピロールニトリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、バリダマイシン、硫酸ジヒドロストレプトマイシン、ベノミル、カルベンダジ厶、チオファネートメチル、ヒメキサゾール、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、フェンチンアセテート、水酸化トリフェニル錫、ジエトフェンカルブ、メタスルホカルブ、キノメチオナート、ビナパクリル、レシチン、重曹、ジチアノン、ジノカップ、フェナミノスルフ、ジクロメジン、グアザチン、ドジン、IBP、エディフェンホス、メパニピリ厶、フェルムゾン、トリクラミド、メタスルホカルブ、フルアジナム、エトキノラック、ジメトモルフ、ピロキロン、テクロフタラム、フサライド、フェナジンオキシド、チアベンダゾール、トリシクラゾール、ビンクロゾリン、シモキサニル、シクロブタニル、グアザチン、プロパモカルブ塩酸塩、オキソリニック酸、ヒドロキシイソオキサゾール、イミノクタジン酢酸塩等。
殺虫・殺ダニ剤:
有機燐およびカーバメート系殺虫剤:
フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラソン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルボス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、サリチオン、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、エチルチオメトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルディカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、BPMC、MTMC、MIPC、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、EDDP等。
ピレスロイド系殺虫剤:
ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメスリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、ピレトリン、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、ジメスリン、プロパスリン、フェノトリン、プロトリン、フルバリネート、シフルトリン、シハロトリン、フルシトリネート、エトフェンプロクス、シクロプロトリン、トロラメトリン、シラフルオフェン、ブロフェンプロクス、アクリナスリン等。
ベンゾイルウレア系その他の殺虫剤:
ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、テトラベンズロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、メトプレン、ベンゾエピン、ジアフェンチウロン、アセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラム、フィプロニル、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、硫酸ニコチン、ロテノン、メタアルデヒド、機械油、BTや昆虫病原ウイルスなどの微生物農薬等。
殺線虫剤:
フェナミホス、ホスチアゼート等。
殺ダニ剤:
クロルベンジレート、フェニソブロモレート、ジコホル、アミトラズ、BPPS、ベンゾメート、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ポリナクチン、キノメチオネート、CPCBS、テトラジホン、アベルメクチン、ミルベメクチン、クロフェンテジン、シヘキサチン、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、ピリミジフェン、フェノチオカルブ、ジエノクロル等。
植物生長調節剤:
ジベレリン類(例えばジベレリンA3、ジベレリンA4、ジベレリンA7)IAA、NAA。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【実施例1】
N−{2−ブロモ−5−[5−(2−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンジル}カルバミン酸メチル(化合物番号2−6)の製造

N−{2−ブロモ−5−[5−(2−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンジルアミン0.80g(2.2mmol)、ピリジン0.21g(2.6mmol)をテトラヒドロフラン10mlに溶解し、0℃にてクロロ蟻酸メチル0.23g(0.24mmol)を加えた後、室温で反応させた。1時間後反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル=7:3)にて精製して、目的とするN−{2−ブロモ−5−[5−(2−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンジル}カルバミン酸メチル0.48gを得た。収率52%
参考例1
N−(2−ブロモ−5−シアノベンジル)フタルイミドの製造

フタルイミドカリウム4.6g(25mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド50mlに懸濁させた溶液に、2−ブロモ−5−シアノベンジルクロリド4.8g(20mmol)を室温にて加え1晩反応させた。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をジエチルエーテルにて洗浄し目的とするN−(2−ブロモ−5−シアノベンジル)フタルイミド4.7gを得た。収率66%
N−ヒドロキシ−4−ブロモ−3−(フタルイミドメチル)ベンズアミジンの製造

N−(2−ブロモ−5−シアノベンジル)フタルイミド4.7g(14mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩4.8g(42mmol)を含むエタノール溶液60mlに、0−10℃にて炭酸ナトリウム2.2g(21mmol)を溶解した水溶液10mlを滴下したのち、室温にて30分、次いで3時間還流した。エタノールを減圧留去後、反応液に飽和食塩水50mlを加え、酢酸エチルエステルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をジエチルエーテルにて洗浄し目的とするN−ヒドロキシ−4−ブロモ−3−(フタルイミドメチル)ベンズアミジン3.9gを得た。収率75%
N−(2−クロロベンゾイルオキシ)−4−ブロモ−3−(フタルイミドメチル)ベンズアミジンの製造

N−ヒドロキシ−4−ブロモ−3−(フタルイミドメチル)ベンズアミジン1.2g(3.2mmol)、ピリジン0.30g(3.8mmol)をテトラヒドロフラン15mlに溶解し、0℃にて2−クロロベンゾイルクロリド0.64g(3.7mmol)を加えた後、室温で反応させた。1時間後反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去し、目的とする粗N−(2−クロロベンゾイルオキシ)−4−ブロモ−3−(フタルイミドメチル)ベンズアミジン1.6gを得た。
N−{2−ブロモ−5−[5−(2−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンジルフタルイミドの製造

N−(2−クロロベンゾイルオキシ)−4−ブロモ−3−(フタルイミドメチル)ベンズアミジン1.6gを、N,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、140℃で1時間反応させた。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル=7:3)にて精製して、目的とするN−{2−ブロモ−5−[5−(2−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンジルフタルイミド1.1gを得た。
N−{2−ブロモ−5−[5−(2−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンジルアミンの製造

N−{2−ブロモ−5−[5−(2−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンジルフタルイミド1.1gをクロロホルム20mlに溶解し、抱水ヒドラジン0.3gを含むメタノール溶液10mlを室温にて加えた。40℃で2日間反応後、不溶物をろ別し、クロロホルムを減圧留去した。得られた残留物にクロロホルム10mlを加え、再度不溶物をろ別後、クロロホルムを減圧留去し、目的とする粗N−{2−ブロモ−5−[5−(2−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンジルアミン0.8gを得た。
【実施例2】
2−{2−クロロ−5−[5−(2−クロロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]フェニル}カルバジン酸メチル(化合物番号2−68)の製造

2−{2−クロロ−5−[N−(2−クロロフェニルアセトキシ)アミジノ]フェニル}カルバジン酸メチル0.8gを、N,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、150℃で1時間反応させた。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; ヘキサン:酢酸エチルエステル=6:4)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[5−(2−クロロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]フェニル}カルバジン酸メチル0.7gを得た。
参考例2
2−[2−クロロ−5−(N−ヒドロキシアミジノ)フェニル]カルバジン酸メチルの製造

2−(2−クロロ−5−シアノフェニル)カルバジン酸メチル4.0g(18mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩4.9g(71mmol)を含むエタノール溶液80mlに、0−10℃にて炭酸ナトリウム3.8g(36mmol)を溶解した水溶液15mlを滴下したのち、室温にて30分、次いで2時間還流した。エタノールを減圧留去後、反応液に飽和食塩水50mlを加え、酢酸エチルエステルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をジエチルエーテルにて洗浄し目的とする2−[2−クロロ−5−(N−ヒドロキシアミジノ)フェニル]カルバジン酸メチル4.1gを得た。収率89%
2−{2−クロロ−5−[N−(2−クロロフェニルアセトキシ)アミジノ]フェニル}カルバジン酸メチルの製造

2−[2−クロロ−5−(N−ヒドロキシアミジノ)フェニル]カルバジン酸メチル1.2g(4.6mmol)、ピリジン0.44g(5.6mmol)をテトラヒドロフラン20mlに溶解し、0℃にて2−クロロフェニルアセチルクロリド0.97g(5.1mmol)を加えた後、室温で反応させた。1時間後反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; ヘキサン:酢酸エチルエステル=4:6)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[N−(2−クロロフェニルアセトキシ)アミジノ]フェニル}カルバジン酸メチル1.4gを得た。収率80%
【実施例3】
2−{2−クロロ−5−[3−(2−クロロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]フェニル}カルバジン酸メチル(化合物番号3−37)の製造

N−{[4−クロロ−3−(2−メトキシカルボニルヒドラジノ)フェニル]カルボニルオキシ}−2−クロロベンジルアミジン0.32gを、N,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、150℃で1時間反応させた。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウ厶を加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラ厶クロマトグラフィー(溶媒; ヘキサン:酢酸エチルエステル=6:4)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[3−(2−クロロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]フェニル}カルバジン酸メチル0.15gを得た。収率48%
参考例3
N−{[4−クロロ−3−(2−メトキシカルボニルヒドラジノ)フェニル]カルボニルオキシ}−2−クロロベンジルアミジンの製造

N−ヒドロキシ−2−クロロベンジルアミジン0.38g(2.1mmol)、4−クロロ−3−(2−メトキシカルボニルヒドラジノ)安息香酸0.50g(2.1mmol)、をジクロロメタン10mlに溶解し、室温にて4−ジメチルアミノピリジン0.27g(2.2mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩0.43g(2.2mmol)を加えた後、室温で1晩反応させた。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウ厶を加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; ヘキサン:酢酸エチルエステル=4:6)にて精製して、目的とするN−{[4−クロロ−3−(2−メトキシカルボニルヒドラジノ)フェニル]カルボニルオキシ}−2−クロロベンジルアミジン0.32gを得た。収率38%
【実施例4】
2−{2−クロロ−5−[4−(4−フルオロベンジル)−2−チアゾリル]フェニル}カルバジン酸メチル(化合物番号4−88)の製造

2−{2−クロロ−5−[3−(4−フルオロフェニル)−2−プロパノニルチオイミドイル]フェニル}カルバジン酸メチル0.80gを、トルエン10ml中で2時間反応させた。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; ヘキサン:酢酸エチルエステル=7:3)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[4−(4−フルオロベンジル)−2−チアゾリル]フェニル}カルバジン酸メチル0.65gを得た。
収率86%
参考例4
2−(2−クロロ−5−チオカルバモイルフェニル)カルバジン酸メチルの製造

ピリジン20ml中の2−(2−クロロ−5−シアノフェニル)カルバジン酸メチル6g(27mmol)に室温にてトリエチルアミン3.2g(32mmol)を加えた後、30℃で硫化水素ガスを導入した。約3時間後、窒素ガスで硫化水素ガスを置換後、反応液を氷水中にあけ、得られた結晶をろ別後、水洗、n−ヘキサン洗することにより、2−(2−クロロ−5−チオカルバモイルフェニル)カルバジン酸メチル6.7gを得た。収率97%
2−{2−クロロ−5−[3−(4−フルオロフェニル)−2−プロパノニルチオイミドイル]フェニル}カルバジン酸メチルの製造

2−(2−クロロ−5−チオカルバモイルフェニル)カルバジン酸メチル1.4g(5.4mmol)をテトヒドロフラン15mlに溶解し、0℃にてピリジン0.64g(8.1mmol)、1−ブロモ−3−(4−フルオロフェニル)アセトン1.5g(6.5mmol)を加えた後、室温で1晩反応させた。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラ厶クロマトグラフィー(溶媒; ヘキサン:酢酸エチルエステル=1:1)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[3−(4−フルオロフェニル)−2−プロパノニルチオイミドイル]フェニル}カルバジン酸メチル1.5gを得た。収率68%
【実施例5】
2−{2−クロロ−5−[4−(2−トリフルオロメチルフェニル)−2−チアゾリル]フェニル}カルバジン酸メチル(化合物番号4−68)の製造

2−(2−クロロ−5−チオカルバモイルフェニル)カルバジン酸メチル0.50g(1.9mmol)をメタノール10mlに溶解し、室温にて2−トリフルオロメチルフェナシルブロミド0.63g(2.4mmol)を加えた後、2時間還流した。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; ヘキサン:酢酸エチルエステル=6:4)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[4−(2−トリフルオロメチルフェニル)−2−チアゾリル]フェニル}カルバジン酸メチル0.53gを得た。収率65%
【実施例6】
2−{2−クロロ−5−[4−(2−クロロフェニル)−2−チアゾリル]フェニル}ジアゼンカルボン酸メチル(化合物番号4−109)の製造

2−{2−クロロ−5−[4−(2−クロロフェニル)−2−チアゾリル]フェニル}カルバジン酸メチル0.73g(1.9mmol)をクロロホルム10mlに溶解し、室温にてピリジン0.18g(2.3mmol)、N−クロロサクシンイミド0.27g(2.0mmol)を加えた後、2時間攪拌した。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。得られた有機層を希塩酸、ついで飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; ヘキサン:酢酸エチルエステル=5:1)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[4−(2−クロロフェニル)−2−チアゾリル]フェニル}ジアゼンカルボン酸メチル0.60gを得た。収率82%
【実施例7】
2−{2−クロロ−5−[3−(4−メチルフェニル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]フェニル}カルバジン酸メチル(化合物番号3−90)の製造

2−{2−クロロ−5−[N−(α−ジメチルアミノ−4−メチルベンジリデン)チオカルバモイル]フェニル}カルバジン酸メチル0.35g(0.9mmol)、ピリジン0.14g(1.8mmol)をメチルアルコール7mlに溶解し、室温にて、メチルアルコール5mlに溶解したヒドロキシルアミン−O−スルホン酸0.11g(1.0mmol)を加えた後、1時間攪拌した。反応液を希塩酸中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出後、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; ベンゼン:酢酸エチルエステル=4:1)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[3−(4−メチルフェニル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]フェニル}カルバジン酸メチル0.24gを得た。収率75%
参考例5
2−{2−クロロ−5−[N−(α−ジメチルアミノ−4−メチルベンジリデン)チオカルバモイル]フェニル}カルバジン酸メチルの製造

2−(2−クロロ−5−チオカルバモイルフェニル)カルバジン酸メチル0.5g(1.9mmol)に室温にて、N,N−ジメチル−4−メチルベンズアミドジメチルアセタール1.6g(7.7mmol)を加え室温にて1時間、60℃で4時間攪拌した。室温に冷却後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; ベンゼン:酢酸エチルエステル=3:7)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[N−(α−ジメチルアミノ−4−メチルベンジリデン)チオカルバモイル]フェニル}カルバジン酸メチル0.7gを得た。収率90%
【実施例8】
2−{2−クロロ−5−[4−(2−クロロフェニル)−5−シアノ−2−チアゾリル]フェニル}カルバジン酸メチル(化合物番号4−352)の製造

2−{2−クロロ−5−[N−(α−ジメチルアミノ−2−クロロベンジリデン)チオカルバモイル]フェニル}カルバジン酸メチル0.4g(0.9mmol)、ブロモアセトニトリル0.14g(1.2mmol)をアセトン20mlに溶解し、室温にて1晩反応させた。反応液を減圧濃縮後、酢酸10mlを加え、1時間還流した。反応液を希塩酸中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出後、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; ベンゼン:酢酸エチルエステル=7:3)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[4−(2−クロロフェニル)−5−シアノ−2−チアゾリル]フェニル}カルバジン酸メチル0.15gを得た。収率39%
【実施例9】
2−{2−クロロ−5−[(4S)−4,5−ジヒドロ−4−ベンジルオキサゾリン−2−イル]フェニル}カルバジン酸メチル(化合物番号5−9)の製造

2−{2−クロロ−5−[(1S)−N−(2−メタンスルホニルオキシ)−1−ベンジルエチル]カルバモイルフェニル}カルバジン酸メチル0.65g(1.4mmol)、トリエチルアミン0.16g(1.6mmol)をジオキサン10mlに溶解し、1.5時間還流した。反応液を希塩酸中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出後、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウ厶を加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; n−ヘキサン:酢酸エチルエステル=1:1)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[(4S)−4,5−ジヒドロ−4−ベンジルオキサゾリン−2−イル]フェニル}カルバジン酸メチル0.42gを得た。収率82%
参考例6
2−{2−クロロ−5−[(1S)−N−(2−ヒドロキシ)−1−ベンジルエチル]カルバモイルフェニル}カルバジン酸メチルの製造

L−フェニルアラニノール0.69g(4.6mmol)、トリエチルアミン(5.4mmol)をテトラヒドロフラン10mlに溶解し、0℃にてテトラヒドロフラン5mlに溶解した2−(2−クロロ−5−クロロカルボニルフェニル)カルバジン酸メチル1.2g(4.6mmol)を滴下した。室温にて2時間反応後、反応液を希塩酸中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出後、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラ厶クロマトグラフィー(溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチルエステル=1:9)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[(1S)−N−(2−ヒドロキシ)−1−ベンジルエチル]カルバモイルフェニル}カルバジン酸メチル1.1gを得た。収率65%
2−{2−クロロ−5−[(1S)−N−(2−メタンスルホニルオキシ)−1−ベンジルエチル]カルバモイルフェニル}カルバジン酸メチルの製造

2−{2−クロロ−5−[(1S)−N−(2−ヒドロキシ)−1−ベンジルエチル]カルバモイルフェニル}カルバジン酸メチル0.5g(1.3mmol)をテトラヒドロフラン10mlに溶解し、0℃にてトリエチルアミン0.16g(1.6mmol)、次いでメタンスルホニルクロリド0.16g(1.4mmol)を滴下した。室温にて1時間反応後、反応液を希塩酸中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出後、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去し、目的とする2−{2−クロロ−5−[(1S)−N−(2−メタンスルホニルオキシ)−1−ベンジルエチル]カルバモイルフェニル}カルバジン酸メチル0.6gを得た。
【実施例10】
2−{2−クロロ−5−[(4S)−4,5−ジヒドロ−4−フェニルチアゾリン−2−イル]フェニル}カルバジン酸メチル(化合物番号5−2)のの製造

2−{2−クロロ−5−[(1S)−N−(2−ヒドロキシ)−1−フェニルエチル]カルバモイルフェニル}カルバジン酸メチル0.7g(1.9mmol)をベンゼン10mlに溶解し、ローソン試薬1.2g(3.0mmol)を加えた後、1時間還流した。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出後、10%炭酸ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒; n−ヘキサン:酢酸エチルエステル=1:1)にて精製して、目的とする2−{2−クロロ−5−[(4S)−4,5−ジヒドロ−4−フェニルチアゾリン−2−イル]フェニル}カルバジン酸メチル0.33gを得た。収率66%
【実施例11】
2−{2−クロロ−5−[5−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−2−イル]フェニル}カルバジン酸メチル(化合物番号4−398)の製造

2−クロロ−5−[5−(4−メトキシフェニル)−2−オキサゾリル]アニリン1.0g(3.6mmol)をTHF1mlに溶解させた後、濃塩酸4mlを加えた。あらかじめ亜硝酸ナトリウム0.28g(4.0mmol)を水0.5mlに溶解させた溶液を−10℃にて滴下した。30分後、反応液に塩化スズ1.5g(7.2mmol)を濃塩酸1.5mlに溶解させた溶液を同じく−10℃にて加えた後、30分反応させた。析出物をろ別後、n−ヘキサンにて洗浄し、粗生成物をTHF10mlに溶解した。−10℃にてクロロ蟻酸メチル0.5g(5.3mmol)、トリエチルアミン1.1g(10.9mmol)を加えた後、室温で反応させた。30分後、反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルエステルにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル=4:1)にて精製して目的とする2−{2−クロロ−5−[5−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−2−イル]フェニル}カルバジン酸メチル0.4gを得た。収率35%
参考例7
2−クロロ−5−[5−(4−メトキシフェニル)−2−オキサゾリル]アニリンの製造

鉄粉5.6gと水80mlを60℃にて攪拌し、酢酸4mlを加えた。あらかじめ2−(4−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール7.5g(22.7mmol)をアセトン40mlに溶解させた溶液を60℃にて滴下した。3時間後、反応液を放冷しセライトろ過を行い不溶物を除いた。ろ液を酢酸エチルエステルにて抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥、ろ別後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル=4:1)にて精製して目的とする2−クロロ−5−[5−(4−メトキシフェニル)−2−オキサゾリル]アニリン4.5gを得た。収率66%
参考例8

2−(4−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾールの製造
4−クロロ−3−ニトロ−ベンゾイルクロライド5.0g(22.7mmol)をベンゼン100mlに溶解し、2−アジド−1−(4−メトキシフェニル)−エタノン4.3g(22.7mmol)、トリフェニルホスフィン5.9g(22.7mmol)を室温にて加えた。60℃にて1時間反応させた後、反応溶媒を留去し残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル=4:1)にて精製して目的とする2−(4−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール7.5gを得た。収率99%
上記実施例を含め本発明化合物の具体例を第1表〜第4表に記載する。
ただし、NHNMe*は*側の窒素原子がカルボニル炭素と結合する。
なお、表中の略記号は以下の意味を示す。
Me;メチル、Et;エチル、nPr;ノルマルプロピル、cPr;シクロプロピル、iPr;イソプロピル、iBu;イソブチル、cPen;シクロペンチル、cHex;シクロヘキシル、Ph;フェニル、Bn;ベンジル、Py;ピリジン、Piv;ピバロイル、Boc;ターシャリーブトキシカルボニル、
































次に、本発明の殺菌殺虫剤組成物の実施例を若干示すが、添加物及び添加割合は、これら実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。
製剤実施例中の部は重量部を示す。
製剤実施例1 水和剤
本発明化合物 40部
クレー 48部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 4部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
以上を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分40%の水和剤を得た。
製剤実施例2 乳剤
本発明化合物 10部
ソルベッソ200 53部
シクロヘキサノン 26部
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩 1部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10部
以上を混合溶解して、有効成分10%の乳剤を得た。
製剤実施例3 粉剤
本発明化合物 10部
クレー 90部
以上を均一に混合、微細に粉砕して、有効成分10%の粉剤を得た。
製剤実施例4 粒剤
本発明化合物 5部
クレー 73部
ベントナイト 20部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 1部
リン酸カリウム 1部
以上をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得た。
製剤実施例5 懸濁剤
本発明化合物 10部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 4部
ポリカルボン酸ナトリウム塩 2部
グリセリン 10部
キサンタンガム 0.2部
水 73.8部
以上を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕して、有効成分10%の懸濁剤を得た。
製剤実施例6 顆粒水和剤
本発明化合物 40部
クレー 36部
塩化カリウム 10部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ厶塩 1部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩の
ホル厶アルデヒド縮合物 5部
以上を均一に混合して微細に粉砕後,適量の水を加えてから練り込んで粘土状にした。粘土状物を造粒した後乾燥し、有効成分40%の顆粒水和剤を得た。
次に、本発明化合物が各種植物病害防除剤および殺虫剤の有効成分として有用であることを試験例で示す。
なお、本発明の効果を明確にするために、米国特許第5567723号公報に記載の以下の対照化合物Aとの比較試験も併せて行った。

試験例1 リンゴ黒星病防除試験
素焼きポットで栽培したリンゴ幼苗(品種「国光」、3〜4葉期)に、本発明化合物の乳剤を有効成分100ppmの濃度で散布した。室温で自然乾燥した後、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)の分生胞子を接種し、明暗を12時間毎にくりかえす20℃、高湿度の室内に2週間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた結果、1−5、1−31、2−6、2−7、2−12、2−14、2−25、2−26、2−27、2−28、2−29、2−33、2−34、2−39、2−40、2−39、2−40、2−43、2−49、2−54、2−58、2−59、2−60、2−65、2−68、2−69、2−70、2−71、2−74、2−76、2−77、2−81、2−83、2−86、2−89、2−122、3−37、3−65、3−68、3−70、3−71、3−88、3−90、3−100、3−101、3−103、3−104、3−123、3−124、4−2、4−3、4−6、4−7、4−8、4−9、4−10、4−11、4−27、4−33、4−34、4−35、4−41、4−49、4−51、4−58、4−59、4−60、4−61、4−62、4−64、4−65、4−66、4−67、4−68、4−69、4−70、4−72、4−73、4−74、4−75、4−76、4−77、4−79、4−80、4−81、4−82、4−83、4−84、4−85、4−86、4−87、4−88、4−89、4−90、4−91、4−92、4−94、4−95、4−104、4−105、4−106、4−107、4−108、4−109、4−111、4−112、4−114、
4−115、4−127、4−137、4−138、4−139、4−142、4−143、4−145、4−148、4−149、4−151、4−152、4−153、4−157、4−173、4−174、4−175、4−176、4−177、4−178、4−179、4−182、4−183、4−185、4−186、4−190、4−199、4−200、4−203、4−207、4−208、4−210、4−212、4−222、4−223、4−229、4−230、4−231、4−232、4−233、4−237、4−246、4−250、4−254、4−260、4−264、4−286、4−287、4−288、4−290、4−291、4−292、4−294、4−297、4−307、4−314、4−315、4−316、4−318、4−321、4−328、4−330、4−332、4−334、4−336、4−348、4−373、4−374、4−375、4−399、4−407、4−408、4−409、4−410、4−411、4−413、4−416、4−424、4−425、4−426、4−427、4−428、4−429、4−430、4−435、4−438、4−439、4−442、4−443、4−446、4−449、4−452、4−453、4−455、4−456、4−457、4−460、4−461、4−462、4−463、4−466、4−467、4−468、4−469、4−473、4−474、4−475、4−477、4−482、4−483、4−487、4−491、4−492、4−493、4−494、4−495、4−496、4−499、4−501、4−513、4−515、4−525、4−526、4−527、4−530、4−534、4−537、4−539、4−542、4−544、4−545、4−546、4−547、4−549、4−550、4−551、4−552、4−554、4−555、4−556、4−557、4−558、4−559、4−561、4−570、4−571、4−573、4−582、4−584、4−587、4−593、4−594、4−603、4−604、4−605、4−606、4−608、4−609、4−611、4−612、4−613、4−617、4−618、4−619、5−1、5−2、5−6、5−9、5−10、5−13、5−14、5−17、5−18の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。
一方、対照化合物Aの防除値は0%であった。
試験例2 インゲン灰色かび病防除試験
育苗バットで栽培したインゲン(品種「ながうずら」)の花を切除し、本発明化合物の乳剤を有効成分100ppmに調製した薬液に浸漬した。浸漬後、風乾し、インゲン灰色かび病菌(Botrytis cinerea)を噴霧接種した。接種した花を無処理のインゲン葉に乗せ、恒温室(20℃)に7日間保持した。葉上の病斑直径を無処理と比較調査し、防除価を求めた。その結果、化合物番号2−39、2−58、4−223、4−294、4−330、5−1の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。
一方、対照化合物Aの防除値は0%であった。
試験例3 コムギうどんこ病防除試験
素焼きポットで栽培したコ厶ギ幼苗(品種「チホク」、1.0〜1.2葉期)に本発明化合物の水和剤100ppmの濃度で散布した。葉を風乾させた後、コムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis f.sp.tritici)の分生胞子を振り払い接種し、22〜25℃の温室で7日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。その結果、化合物番号1−5、1−31、2−4、2−6、2−7、2−12、2−14、2−25、2−26、2−27、2−28、2−29、2−33、2−34、2−40、2−41、2−59、2−60、2−67、2−68、2−71、2−77、2−89、2−122、3−65、3−68、3−70、3−71、3−100、3−101、3−103、3−104、3−123、3−124、4−2、4−3、4−6、4−7、4−8、4−9、4−10、4−11、4−27、4−33、4−41、4−49、4−51、4−59、4−61、4−62、4−64、4−65、4−66、4−67、4−68、4−69、4−70、4−73、4−74、4−75、4−77、4−79、4−80、4−81、4−82、4−83、4−84、4−85、4−86、4−87、4−88、4−89、4−90、4−92、4−94、4−95、4−104、4−105、4−106、4−107、4−108、4−109、4−111、4−112、4−114、4−115、4−127、4−138、4−139、4−142、4−143、4−146、4−147、4−151、4−152、4−153、4−157、4−173、4−174、4−175、4−176、4−177、4−178、4−179、4−180、4−181、4−182、4−183、4−185、4−186、4−190、4−200、4−203、4−207、4−208、4−210、4−212、4−222、4−223、4−227、4−229、4−230、4−231、4−246、4−250、4−254、4−260、4−264、4−286、4−287、4−288、4−290、4−291、4−292、4−294、4−297、4−307、4−314、4−315、4−316、4−321、4−328、4−330、4−332、4−334、4−374、4−399、4−407、4−409、4−411、4−413、4−416、4−424、4−426、4−427、4−428、4−429、4−430、4−435、4−438、4−442、4−449、4−452、4−453、4−456、4−457、4−461、4−463、4−464、4−466、4−467、4−469、4−473、4−475、4−477、4−481、4−482、4−483、4−487、4−491、4−492、4−493、4−494、4−495、4−496、4−499、4−501、4−513、4−515、4−524、4−526、4−527、4−530、4−537、4−539、4−542、4−543、4−546、4−547、4−549、4−550、4−551、4−555、4−556、4−557、4−558、4−561、4−570、4−571、4−572、4−573、4−584、4−587、4−593、4−594、4−603、4−604、4−605、4−606、4−608、4−609、4−610、4−611、4−612、4−613、4−614、4−617、4−618、4−619、5−1、5−2,5−6、5−9、5−10、5−13、5−14の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。
一方、対照化合物Aの防除値は0%であった。
試験例4 トマト疫病防除試験
素焼きポットで栽培したトマト幼苗(品種「レジナ」、4〜5葉期)に、本発明化合物の乳剤を有効成分100ppmの濃度で散布した。散布後、室温で自然乾燥し、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)の遊走子嚢懸濁液を噴霧接種し、明暗を12時間毎に繰り返す高湿度の恒温室(20℃)に4日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。その結果、化合物番号1−2、1−12、1−22、1−26、2−6、2−7、2−12、2−14、2−25、2−26、2−27、2−29、2−33、2−34、2−39、2−40、2−41、2−43、2−53、2−57、2−59、2−60、2−67、2−68、2−69、2−70、2−71、2−74、2−76、2−77、2−81、2−83、2−86、2−89、2−122、3−37、3−65、3−68、3−70、3−71、3−88、3−90、3−100、3−101、3−103、3−123、3−124、4−7、4−8、4−9、4−10、4−11、4−27、4−33、4−34、4−41、4−49、4−58、4−59、4−60、4−61、4−62、4−64、4−65、4−66、4−67、4−70、4−73、4−74、4−75、4−77、4−79、4−81、4−82、4−83、4−84、4−85、4−86、4−88、4−89、4−90、4−91、4−92、4−94、4−95、4−104、4−105、4−106、4−107、4−108、4−109、4−111、4−112、4−114、4−115、4−138、4−139、4−142、4−145、4−146、4−147、4−149、4−151、4−157、4−172、4−174、4−175、4−176、4−177、4−178、4−179、4−182、4−185、4−186、4−191、4−194、4−195、4−196、4−197、4−199、4−200、4−203、4−207、4−208、4−210、4−212、4−222、4−223、4−229、4−230、4−231、4−241、4−246、4−250、4−254、4−260、4−264、4−286、4−287、4−288、4−290、4−291、4−292、4−294、4−297、4−307、4−314、4−315、4−316、4−321、4−332、4−336、4−341、4−343、4−360、4−373、4−374、4−375、4−399、4−407、4−408、4−409、4−411、4−413、4−416、4−424、4−425、4−426、4−427、4−429、4−430、4−435、4−446、4−449、4−452、4−453、4−455、4−456、4−459、4−461、4−462、4−463、4−466、4−467、4−469、4−473、4−474、4−475、4−477、4−481、4−482、4−483、4−487、4−491、4−492、4−493、4−494、4−495、4−496、4−499、4−501、4−513、4−515、4−524、4−525、4−527、4−530、4−534、4−537、4−540、4−542、4−543、4−544、4−545、4−546、4−547、4−548、4−549、4−550、4−552、4−554、4−555、4−556、4−557、4−558、4−559、4−561、4−570、4−571、4−572、4−573、4−582、4−584、4−587、4−603、4−604、4−605、4−606、4−608、4−609、4−611、4−612、4−613、4−614、4−617、4−618、4−619、5−2、5−6、5−9、5−10、5−13、5−14、5−17、5−18、5−20
の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。
一方、対照化合物Aの防除値は0%であった。
試験例5 コムギ赤さび病防除試験
素焼きポットで栽培したコムギ幼苗(品種「農林61号」、1.0〜1.2葉期)に本発明化合物の水和剤100ppmの濃度で散布した。葉を風乾させた後、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子を振り払い接種し、22〜25℃の温室で10日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。その結果、化合物番号2−12、2−14、2−25、2−26、2−27、2−39、2−40、2−56、2−60、2−77、3−65、3−70、3−71、3−90、3−100、3−101、3−103、3−104、3−123、3−124、4−2、4−3、4−6、4−7、4−8、4−10、4−11、4−33、4−34、4−41、4−59、4−60、4−61、4−62、4−64、4−65、4−66、4−67、4−69、4−70、4−74、4−75、4−77、4−79、4−81、4−82、4−83、4−85、4−86、4−90、4−92、4−104、4−105、4−106、4−108、4−109、4−111、4−112、4−114、4−115、4−127、4−138、4−139、4−142、4−143、4−148、4−151、4−152、4−153、4−156、4−157、4−173、4−174、4−175、4−176、4−177、4−178、4−179、4−180、4−181、4−182、4−183、4−185、4−186、4−190、4−195、4−200、4−203、4−207、4−208、4−210、4−212、4−222、4−223、4−227、4−229、4−230、4−231、4−232、4−233、4−250、4−254、4−260、4−264、4−286、4−287、4−288、4−290、4−291、4−292、4−294、4−297、4−300、4−307、4−314、4−315、4−316、4−318、4−321、4−328、4−330、4−332、4−334、4−336、4−344、4−374、4−399、4−407、4−409、4−410、4−411、4−412、4−416、4−424、4−425、4−426、4−427、4−428、4−429、4−430、4−435、4−438、4−439、4−442、4−446、4−449、4−452、4−453、4−455、4−456、4−457、4−463、4−466、4−467、4−468、4−469、4−475、4−477、4−481、4−482、4−483、4−487、4−491、4−492、4−493、4−495、4−496、4−499、4−501、4−513、4−515、4−524、4−525、4−526、4−530、4−539、4−547、4−549、4−551、4−554、4−555、4−556、4−557、4−558、4−559、4−570、4−571、4−572、4−573、4−584、4−587、4−593、4−594、4−603、4−604、4−605、4−606、4−608、4−609、4−611、4−612、4−613、4−614、4−617、4−618、4−619、5−2、5−6、5−9、5−10、5−13、5−14、5−17
の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。
一方、対照化合物Aの防除値は0%であった。
試験例6 アワヨトウに対する防除試験
前記の製剤実施例1に示された水和剤の処方に従い、化合物濃度が125ppmになるように水で希釈した。その薬液中にトウモロコシ葉を30秒間浸漬し風乾後、ろ紙を敷いたシャーレに入れ、アワヨトウ2齢幼虫5頭を接種した。ガラス蓋をして、温度25℃、湿度65%の恒温室内に置き、6日後に殺虫率を調べた。2反復である。その結果、化合物番号2−60、2−65、2−122、3−68、3−90、3−102、3−123、4−27、4−33、4−61、4−64、4−65、4−70、4−75、4−77、4−79、4−81、4−82、4−84、4−85、4−87、4−91、4−95、4−104、4−105、4−106、4−107、4−108、4−142、4−164、4−172、4−173、4−174、4−175、4−177、4−178、4−179、4−183、4−185、4−186、4−195、4−198、4−199、4−222、4−223、4−229、4−230、4−232、4−233、4−237、4−240、4−246、4−254、4−294、4−328、4−332、4−341、4−374、4−422、4−423、4−424、4−449、4−453、4−454、4−456、4−457、4−461、4−463、4−467、4−475、4−482、4−495、4−496、4−497、4−499、4−513、4−515、4−526、4−539、4−549、4−552、4−553、4−554、4−556、4−557、4−559、4−570、4−571、4−572、4−573、4−604、4−605、4−606、4−611、4−613、4−614、4−617、4−618、4−619、5−10、5−18
の化合物が100%の殺虫率を示した。対照に用いたクロルジメフォルムの125ppmにおける殺虫率は40%であった。
試験例7 ワタアブラムシに対する効力試験
3寸鉢に播種した発芽10日が経過したキュウリにワタアブラムシ成虫を接種した。1日後に成虫を除去し、産下された若虫が寄生するキュウリに、前記製剤実施例2に示された乳剤の処方に従い、化合物濃度が125ppmになるように水で希釈した薬液を散布した。温度25℃、湿度65%の恒温室内に置き、6日後に殺虫率を調査した。試験は2反復である。その結果、化合物番号1−26、2−6、2−25、2−26、2−27、2−28、2−33、2−34、2−41、2−43、2−49、2−56、2−59、2−60、2−65、2−68、2−69、2−70、2−71、2−76、2−77、2−81、2−89、2−122、3−70、3−85、3−88、3−90、3−101、3−102、3−103、3−104、3−123、3−124、4−10、4−11、4−16、4−27、4−33、4−45、4−49、4−58、4−59、4−60、4−61、4−62、4−64、4−65、4−66、4−67、4−69、4−70、4−75、4−76、4−77、4−79、4−81、4−82、4−83、4−84、4−85、4−86、4−87、4−88、4−89、4−91、4−92、4−95、4−104、4−105、4−106、4−107、4−108、4−109、4−111、4−112、4−115、4−138、4−139、4−142、4−148、4−149、4−151、4−152、4−153、4−154、4−162、4−164、4−166、4−168、4−173、4−174、4−175、4−176、4−177、4−178、4−179、4−182、4−183、4−185、4−186、4−207、4−210、4−212、4−222、4−223、4−227、4−229、4−230、4−232、4−233、4−240、4−254、4−260、4−264、4−287、4−290、4−292、4−294、4−297、4−307、4−318、4−328、4−330、4−332、4−334、4−374、4−407、4−409、4−416、4−422、4−423、4−424、4−430、4−432、4−449、4−453、4−454、4−456、4−467、4−469、4−475、4−482、4−495、4−496、4−497、4−513、4−515、4−524、4−526、4−527、4−539、4−544、4−547、4−549、4−552、4−553、4−554、4−556、4−557、4−559、4−570、4−572、4−573、4−603、4−604、4−604、4−605、4−606、4−613、4−615、4−618、4−619、5−2、5−10、5−14、5−18、5−19、5−20の化合物が100%の殺虫率を示した。なお、対照に用いたピリミカーブは125ppmで6%の殺虫率であった。
試験例8 ナミハダニに対する効力試験
3寸鉢に播種したインゲンの発芽後7〜10日を経過した第1本葉上に、有機リン剤抵抗性のナミハダニ雌成虫を15頭接種したのち、前記製剤実施例1に示された水和剤の処方に従い、化合物濃度が125ppmになるように水で希釈した薬液を散布した。温度25℃、湿度65%の恒温室内に置き、3日後に殺成虫率を調査した。試験は2反復である。その結果、化合物番号2−77、4−68、4−79、4−109、4−174、4−176、4−178、4−179、4−222、4−223、4−240、4−254、4−260、4−264、4−287、4−332、4−334、4−413、4−554、4−593、4−594、4−609、4−610、5−14の化合物が100%の殺成虫率を示した。なお、対照に用いたクロルジメフォル厶は125ppmで13%の殺成虫率であった。
【産業上の利用可能性】
式(1)で表されるアリール複素環誘導体またはその塩は農園芸用殺菌剤または農園芸用殺虫剤として優れた効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

[式中、RはC1−6アルキル基または、C1−6アルコキシ基を表わす。
はハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ヒドロキシアルキル基、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル基、またはC1−6アルキルカルボニルオキシC1−6アルキル基を表わす。mは、0または1〜4の整数を表す。Tは式(2)、式(3)、または式(4)で表される基を表す。

およびRは各々独立して、水素原子、C1−6アルキル基、またはC1−6アルキルカルボニル基を表わす。RおよびRは各々独立して、水素原子、またはC1−6アルキル基を表わす。nは、1〜4の整数を表す。Qは、式(5)、式(6)、式(7)、式(8)または式(9)で表される基を表す。


(式中、RはC5−12アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルC1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−12アルキル基、Gで置換されてもよいフェニル基、Gで置換されてもよいナフチル基、アルキル基部分がC1−6アルコキシ基で置換されてもよくベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいベンゾイル基、ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルアミノ基、Gで置換されてもよいピリジル基、ピリジン環部がGで置換されてもよいピリジルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいピラジニル基、ピラジン環部がGで置換されてもよいピラジニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいピリミジニル基、Gで置換されてもよいキノリニル基、Gで置換されてもよいフリル基、Gで置換されてもよいベンゾフラニル基、Gで置換されてもよいチエニル基、Gで置換されてもよいチアゾリル基、またはGで置換されてもよいテトラヒドロナフチル基を表わす。R、R及びR11は各々独立して水素原子またはC1−6アルキル基を示す。R10は水素原子、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−6アルキルカルボニル基、Gで置換されてもよいフェニル基、ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいフェニルカルボニル基、Gで置換されてもよいフェニルC1−6アルキルカルボニル基、Rと結合したC1−6アルキレン基またはシアノ基を表わす。Gはハロゲン原子、C1−6アルキル基、シアノ基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6ハロアルコキシ基、置換されてもよいフェニル基、置換されてもよいフェノキシ基、置換されてもよいフェニルC1−6アルコキシ基、置換されてもよいピリジルオキシ基、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、置換されてもよいフェニルカルボニルオキシ基、C1−6アルキルスルホニルオキシ基、C1−6アルコキシカルボニルオキシ基、C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルコキシ基、窒素原子が1個もしくは2個の同一もしくは異なるC1−6アルキル基で置換されてもよいカルバモイルオキシ基、1個もしくは2個の同一もしくは異なるC1−6アルキル基で置換されてもよいアミノ基、シアノ基、またはニトロ基を表す。Xは酸素原子もしくは硫黄原子を表す。kは0または1〜3の整数を表す。)]
で表されるアリール複素環誘導体またはその塩。
【請求項2】
式(1)

[式中、RはC1−6アルキル基または、C1−6アルコキシ基を表わす。
はハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ヒドロキシアルキル基、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル基、またはC1−6アルキルカルボニルオキシC1−6アルキル基を表わす。mは、0または1〜4の整数を表す。Tは式(2)、式(3)、または式(4)で表される基を表す。

およびRは各々独立して、水素原子、C1−6アルキル基、またはC1−6アルキルカルボニル基を表わす。RおよびRは各々独立して、水素原子、またはC1−6アルキル基を表わす。nは、1〜4の整数を表す。Qは、式(5)、式(6)、式(7)、式(8)または式(9)で表される基を表す。

(式中、RはC5−12アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルC1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−12アルキル基、Gで置換されてもよいフェニル基、Gで置換されてもよいナフチル基、アルキル基部分がC1−6アルコキシ基で置換されてもよくベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいベンゾイル基、ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルアミノ基、Gで置換されてもよいピリジル基、ピリジン環部がGで置換されてもよいピリジルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいピラジニル基、ピラジン環部がGで置換されてもよいピラジニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいピリミジニル基、Gで置換されてもよいキノリニル基、Gで置換されてもよいフリル基、Gで置換されてもよいベンゾフラニル基、Gで置換されてもよいチエニル基、Gで置換されてもよいチアゾリル基、またはGで置換されてもよいテトラヒドロナフチル基を表わす。R、R及びR11は各々独立して水素原子またはC1−6アルキル基を示す。R10は水素原子、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−6アルキルカルボニル基、Gで置換されてもよいフェニル基、ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいフェニルカルボニル基、Gで置換されてもよいフェニルC1−6アルキルカルボニル基、Rと結合したC1−6アルキレン基またはシアノ基を表わす。Gはハロゲン原子、C1−6アルキル基、シアノ基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6ハロアルコキシ基、置換されてもよいフェニル基、置換されてもよいフェノキシ基、置換されてもよいフェニルC1−6アルコキシ基、置換されてもよいピリジルオキシ基、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、置換されてもよいフェニルカルボニルオキシ基、C1−6アルキルスルホニルオキシ基、C1−6アルコキシカルボニルオキシ基、C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルコキシ基、窒素原子が1個もしくは2個の同一もしくは異なるC1−6アルキル基で置換されてもよいカルバモイルオキシ基、1個もしくは2個の同一もしくは異なるC1−6アルキル基で置換されてもよいアミノ基、シアノ基、またはニトロ基を表す。Xは酸素原子もしくは硫黄原子を表す。kは0または1〜3の整数を表す。)]
で表されるアリール複素環誘導体またはその塩を含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤。
【請求項3】
式(1)

[式中、RはC1−6アルキル基または、C1−6アルコキシ基を表わす。
はハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ヒドロキシアルキル基、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル基、またはC1−6アルキルカルボニルオキシC1−6アルキル基を表わす。mは、0または1〜4の整数を表す。Tは式(2)、式(3)、または式(4)で表される基を表す。


およびRは各々独立して、水素原子、C1−6アルキル基、またはC1−6アルキルカルボニル基を表わす。RおよびRは各々独立して、水素原子、またはC1−6アルキル基を表わす。nは、1〜4の整数を表す。Qは、式(5)、式(6)、式(7)、式(8)または式(9)で表される基を表す。

(式中、RはC5−12アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルC1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−12アルキル基、Gで置換されてもよいフェニル基、Gで置換されてもよいナフチル基、アルキル基部分がC1−6アルコキシ基で置換されてもよくベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいベンゾイル基、ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルアミノ基、Gで置換されてもよいピリジル基、ピリジン環部がGで置換されてもよいピリジルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいピラジニル基、ピラジン環部がGで置換されてもよいピラジニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいピリミジニル基、Gで置換されてもよいキノリニル基、Gで置換されてもよいフリル基、Gで置換されてもよいベンゾフラニル基、Gで置換されてもよいチエニル基、Gで置換されてもよいチアゾリル基、またはGで置換されてもよいテトラヒドロナフチル基を表わす。R、R及びR11は各々独立して水素原子またはC1−6アルキル基を示す。R10は水素原子、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−6アルキルカルボニル基、Gで置換されてもよいフェニル基、ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基、Gで置換されてもよいフェニルカルボニル基、Gで置換されてもよいフェニルC1−6アルキルカルボニル基、Rと結合したC1−6アルキレン基またはシアノ基を表わす。Gはハロゲン原子、C1−6アルキル基、シアノ基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6ハロアルコキシ基、置換されてもよいフェニル基、置換されてもよいフェノキシ基、置換されてもよいフェニルC1−6アルコキシ基、置換されてもよいピリジルオキシ基、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、置換されてもよいフェニルカルボニルオキシ基、C1−6アルキルスルホニルオキシ基、C1−6アルコキシカルボニルオキシ基、C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルコキシ基、窒素原子が1個もしくは2個の同一もしくは異なるC1−6アルキル基で置換されてもよいカルバモイルオキシ基、1個もしくは2個の同一もしくは異なるC1−6アルキル基で置換されてもよいアミノ基、シアノ基、またはニトロ基を表す。Xは酸素原子もしくは硫黄原子を表す。kは0または1〜3の整数を表す。)]
で表されるアリール複素環誘導体またはその塩を含有することを特徴とする農園芸用殺虫剤。

【国際公開番号】WO2005/051932
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【発行日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515843(P2005−515843)
【国際出願番号】PCT/JP2004/017898
【国際出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】