説明

アルカンおよびアルケンのアンモ酸化用のアンチモン酸塩触媒を調製する方法

【課題】オレフィンおよび/またはパラフィンの対応する不飽和ニトリルへのアンモ酸化で有用な触媒を調製する方法を提供すること。
【解決手段】以下の実験式を有する触媒を調製する方法:VSbMNO;ここで、aは、0.01〜2であり;bは、0.5〜4であり;mは、0.01〜3であり;そしてnは、0〜1であり;ここで、Mは、Sn、Ti、Fe、Cu、Mn、Gaまたはそれらの混合物であり;Nは、Li、Mg、Sr、Ca、Ba、Co、Ni、Zn、Ge、Nb、Zr、Mo、W、Cr、Te、Ta、Se、Bi、Ce、In、Ar、Bまたはそれらの混合物であり;水溶性バナジン酸塩およびSbO、および少なくとも1種のM促進剤を含有する水性混合物を、触媒前駆体を形成するのに充分な時間にわたって、撹拌しつつ、自己発生圧力下にて、その還流温度と250℃の間の温度まで加熱する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2個〜5個の炭素原子を含有するパラフィンおよびオレフィンの対応するα,β−不飽和ニトリルへの触媒アンモ酸化に関する。特に、本発明は、プロパンまたはプロピレンのアクリロニトリルへのアンモ酸化で有用な触媒を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロピレンとプロパンとの間の価格の相違のために、プロパンのアクリロニトリルへの転化に有用な実行可能な触媒の開発について、経済的な動機が存在する。プロパンのアクリロニトリルへのアンモ酸化法の開発は、極めて分かりにくい(elusive)。以下の特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;特許文献6;特許文献7および特許文献8および特許文献9は、プロパンのアクリロニトリルへのアンモ酸化で有用な種々のバナジウム−アンチモン型触媒に関し、これらの触媒の種々の製造方法を教示している。
【特許文献1】米国特許第5,214,016号明細書
【特許文献2】米国特許第5,008,427号明細書
【特許文献3】米国特許第5,258,543号明細書
【特許文献4】米国特許第4,788,317号明細書
【特許文献5】米国特許第4,746,641号明細書
【特許文献6】米国特許第3,860,534号明細書
【特許文献7】米国特許第3,681,421号明細書
【特許文献8】英国特許第1,336,135号明細書
【特許文献9】英国特許第1,336,136号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
オレフィンおよび/またはパラフィンの対応する不飽和ニトリルへのアンモ酸化で有用な触媒を製造する方法を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、酸化反応および/またはアンモ酸化反応(例えば、o-キシレンの無水フタル酸またはプロピレンへの酸化およびプロパンのアクリロニトリルへのアンモ酸化)で有用なバナジウム−アンチモン触媒を調製する簡単な手順に関する。特に、本発明の方法は、プロパンアンモ酸化で有用な触媒の製造に関する。本発明の方法の利点は、それが、従来の手順で使用するエキゾチック物質(exoticmaterial)を実質的に除いただけでなく、従来の手順で述べている多くの工程を省いた非常に簡単な手順であることにある。これにより、もちろん、プロパンおよびプロピレンのアンモ酸化で有用な触媒の調製について、さらに経済的で商業的に実行可能な手順が得られる。
【0005】
本発明は、以下の実験式を有する触媒を調製する方法であって:
VSbMNO
ここで、aは、0.01〜2であり;
bは、0.5〜4であり;
mは、0.01〜3であり;そして
nは、0〜1であり;
ここで、Mは、Sn、Ti、Fe、Cu、Mn、Gaまたはそれらの混合物であり;
Nは、Li、Mg、Sr、Ca、Ba、Co、Ni、Zn、Ge、Nb、Zr、Mo、W、Cr、Te、Ta、Se、Bi、Ce、In、Ar、Bまたはそれらの混合物であり;
水溶性バナジン酸塩およびSbO、および必要に応じて、少なくとも1種のM促進剤を含有する水性混合物を、少なくとも該水溶性バナジン酸塩およびSbOを反応させて触媒前駆体を形成するのに充分な時間にわたって、撹拌しつつ、自然圧(自己発生圧力)下にて、その還流温度と250℃の間の温度まで加熱する工程;該触媒前駆体を乾燥して、水を除去する工程;および該触媒前駆体をか焼して、該触媒を生成する工程を包含する方法に関する。
【0006】
好適な実施態様では、上記方法が、上記水性混合物の加熱前に、少なくとも1種のN促進剤を該水性混合物に添加して、上記触媒前駆体を形成する工程をさらに包含する。
【0007】
好適な実施態様では、上記方法が、前記M促進剤として、Snを選択する工程をさらに包含する。
【0008】
1つの実施態様では、上記Sn促進剤が、酸化スズゾルの形状で、上記水性混合物に添加される。
【0009】
好適な実施態様では、上記水性混合物が、塩基の添加により、7より高いpHに維持されている。
【0010】
好適な実施態様では、上記水性混合物が、酸の添加により、7以下のpHに維持されている。
【0011】
1つの実施態様では、上記促進剤Nが、上記水溶性バナジン酸塩およびSbOが分散されて反応し上記触媒前駆体を形成した後に、上記触媒に添加される。
【0012】
1つの実施態様では、上記塩基が、無機アミンまたは有機アミンからなる群から選択される。
【0013】
1つの実施態様では、上記塩基が、アルキルアミン、アルカノールアミンまたはそれらの混合物からなる群から選択される有機アミンである。
【0014】
1つの実施態様では、上記酸が、有機酸である。
【0015】
1つの実施態様では、上記有機酸が、酢酸、シュウ酸またはそれらの混合物からなる群から選択される。
【0016】
1つの実施態様では、上記酸が、無機酸である。
【0017】
本発明はまた、以下の式を有する触媒を調製する方法であって:
VSbMNO
bは、0.5〜4であり;
mは、0.01〜3であり;そして
nは、0〜1であり;
ここで、Mは、Sn、Ti、Fe、Cu、Mn、Gaまたはそれらの混合物であり;
Nは、Li、Mg、Sr、Ca、Ba、Co、Ni、Zn、Ge、Nb、Zr、Mo、W、Cr、Te、Ta、Se、Bi、Ce、In、Ar、Bまたはそれらの混合物であり;
VOおよびSbO、および必要に応じて、少なくとも1種のM促進剤を含有する水性混合物を、少なくともVOおよびSbOを反応させて触媒前駆体を形成するのに充分な時間にわたって、混合しつつ、自然圧(自己発生圧力)下にて、約110℃〜250℃の間の温度まで加熱する工程;該触媒前駆体を乾燥して、水を除去する工程;および該触媒前駆体をか焼して、該触媒を生成する工程を包含する、方法に関する。
【0018】
好適な実施態様では、上記M促進剤が、上記水性混合物を加熱して上記触媒前駆体を形成する前に、該水性混合物に添加される。
【0019】
好適な実施態様では、上記M促進剤が、上記触媒前駆体の形成に続いて、上記水性混合物に添加される。
【0020】
1つの実施態様では、上記M促進剤が、Snである。
【0021】
1つの実施態様では、上記Snが、酸化スズゾルの形状で、上記水性混合物に添加される。
【0022】
1つの実施態様では、上記触媒前駆体の形成前に、少なくとも1種のN促進剤が、上記水性混合物に添加される。
【0023】
1つの実施態様では、上記N促進剤が、上記触媒前駆体の形成後に、上記水性混合物に添加される。
【0024】
本発明の第一の目的は、オレフィンおよび/またはパラフィンの対応する不飽和ニトリルへのアンモ酸化で有用な触媒を調製する方法を提供することにある。
【0025】
本発明の第二の目的は、プロパンまたはプロピレンのアクリロニトリルへのアンモ酸化で有用な触媒を調製する方法を提供することにある。
【0026】
本発明の他の目的は、特定の手順で調製したバナジウム−アンチモン促進触媒を使用して、プロパンまたはプロピレンからアクリロニトリルを調製する方法を提供することにある。
【0027】
本発明のさらに他の目的、利点および新規な特徴は、一部は、付随した説明に示されており、また、一部、以下の検討によって当業者に明らかとなるか、または本発明を実施することにより習得できる。本発明の目的および利点は、添付の請求の範囲で特に指摘した手段および組合せによって、実現でき獲得できる。
【0028】
ここで具体的に例示し記述したような本発明の目的に従って、上述の目的を達成するために、本発明の方法は、以下の実験式を有する触媒の調製を包含する:
VSbMNO
ここで、aは、0.01〜2であり;
bは、0.5〜4であり;
mは、0.01〜3であり;そして
nは、0〜1であり;
ここで、Mは、Sn、Ti、Fe、Cu、Mn、Gaまたはそれらの混合物であり;
Nは、Li、Mg、Sr、Ca、Ba、Co、Ni、Zn、Ge、Nb、Zr、Mo、W、Cr、Te、Ta、Se、Bi、Ce、In、As、Bまたはそれらの混合物であり;
該方法は、水溶性バナジン酸塩およびSbO、および必要に応じて、少なくとも1種のM促進剤を含有する水性混合物を、少なくとも該わずかに水溶性のバナジン酸塩およびSbOを反応させて触媒前駆体を形成するのに充分な時間にわたって、撹拌しつつ、自然圧(自己発生圧力)下にて、該水性混合物の還流温度(すなわち、約100℃より高い温度)と250℃の間の温度、好ましくは、約110℃と250℃との間の温度まで加熱する工程;該触媒前駆体を乾燥して、水を除去する工程;および該触媒前駆体をか焼して、最終触媒を生成する工程を包含する。
【0029】
本発明のさらに他の局面では、以下の式を有するVSbO促進触媒を調製する方法であって:
VSbMNO
ここで、aは、0.01〜2であり;
bは、0.5〜4であり;
mは、0.01〜3であり;そして
nは、0〜1であり;
ここで、Mは、Sn、Ti、Fe、Cu、Mn、Gaまたはそれらの混合物であり;
Nは、Li、Mg、Sr、Ca、Ba、Co、Ni、Zn、Ge、Nb、Zr、Mo、W、Cr、Te、Ta、Se、Bi、Ce、In、As、Bまたはそれらの混合物であり;
該方法は、VOおよびSbO、および必要に応じて、少なくとも1種のM促進剤を含有する水性混合物を、少なくともVOおよびSbOを反応させて触媒前駆体を形成するのに充分な時間にわたって、撹拌しつつ、自然圧(自己発生圧力)下にて、125℃〜250℃の間の温度まで加熱する工程;該触媒前駆体を乾燥して、水を除去する工程;および該触媒前駆体をか焼して、該触媒を生成する工程を包含する。
【0030】
本発明の方法の好ましい実施態様では、上で定義した少なくとも1種の促進剤Nは、この水性混合物を加熱してこの触媒前駆体を形成する前に、この水性混合物に添加される。
【0031】
本発明のさらに好ましい実施態様では、少なくとも1種の促進剤要素Mは、この水性混合物を加熱してこの触媒前駆体を形成することに続いて、この水性混合物に添加される。
【0032】
本発明のさらに好ましい実施態様では、このM促進剤は、スズであるように選択され、このスズ促進剤は、酸化スズゾルの形状で、この水性混合物に添加される。
【0033】
本発明の他の好ましい実施態様では、この水性混合物は、酸の添加により、7未満のpHに維持されている。この酸は、無機酸または有機酸のいずれかから選択できる。
【0034】
本発明のさらに他の好ましい実施態様では、この水性混合物は、塩基の添加により、7より高いpHに維持されている。好ましくは、この塩基は、有機アミンまたは無機アミン(例えば、アルカノールアミン、水酸化テトラエチルアンモニウム)である。
【0035】
本発明の方法を、以下に詳細に説明する。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、オレフィンおよび/またはパラフィンの対応する不飽和ニトリルへのアンモ酸化で有用な触媒を調製する方法が提供される。本発明によれば、
プロパンおよびプロピレンのアンモ酸化で有用な触媒について、さらに経済的で商業的に実行可能な手順が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明は、炭化水素(特に、C〜Cアルカンおよびオレフィン)の対応するα,β−不飽和ニトリルへのアンモ酸化用のVSbOベース触媒を調製する方法に関する。特に、本発明は、プロパンおよびプロピレンのアクリロニトリルへのアンモ酸化用のバナジウム−アンチモン酸塩ベースの触媒の調製に関する。本発明の方法は、以下の実験式を有する触媒を調製する工程を包含する:
VSbMNO
ここで、aは、0.01〜2であり;
bは、0.5〜4であり;
mは、0.01〜3であり;そして
nは、0〜1であり;
ここで、Mは、Sn、Ti、Fe、Cu、Mn、Gaまたはそれらの混合物であり;
Nは、Li、Mg、Sr、Ca、Ba、Co、Ni、Zn、Ge、Nb、Zr、Mo、W、Cr、Te、Ta、Se、Bi、Ce、In、Ar、Bまたはそれらの混合物であり;
該方法は、水溶性バナジン酸塩(例えば、VO−3、VO−1、VO)およびSbO、および必要に応じて、少なくとも1種のM促進剤を含有する水性混合物を、少なくとも僅かに水溶性のバナジン酸塩およびSbOを反応させて触媒前駆体を形成するのに充分な時間にわたって、撹拌しつつ、自然圧(自己発生圧力)下にて、この水性混合物の還流温度より高く250℃までの温度まで加熱する工程;該触媒前駆体を乾燥して、水を除去する工程;および該触媒前駆体をか焼して、該最終触媒を生成する工程を包含する。
【0038】
本発明の方法のさらに他の実施態様では、M促進剤は、水溶性バナジン酸塩およびSbOを混合し反応させた後に、水性混合物に添加される。
【0039】
本発明のさらに他の局面では、上述の式を有するVSbMNO触媒を調製する方法は、VOおよびSbOを含有する水性混合物を、これらの金属酸化物を反応させて触媒前駆体を形成するのに充分な時間にわたって、混合しつつ、自然圧(自己発生圧力)下にて、110℃〜250℃の間の温度まで加熱する工程;少なくとも1つのM促進剤を水性混合物に添加する工程;該触媒前駆体を乾燥して、水を除去する工程;および該触媒前駆体をか焼して、該触媒を生成する工程を包含する。
【0040】
水性溶液中における金属酸化物の水熱反応は、金属酸化物が適切に反応して触媒前駆体を形成するのに充分な期間にわたって、継続される。必要な反応時間は、最終的には、か焼後に得られる最終物質の触媒特性および物理的特性により、決定される。典型的には、この反応は、0.5時間と100時間の間、好ましくは、1〜50時間、特に好ましくは、1〜10時間継続される。この触媒前駆体の形成中に使用する温度を上げるにつれて、必要な反応時間が短くなることが観察されている。
【0041】
このバナジウム成分およびアンチモン成分を含有する水性混合物はまた、酸または塩基(好ましくは、この酸化スズゾルと共に存在している塩基)を含有し得る。
【0042】
このpHを7以下に調整するのに、任意の無機酸または有機酸を使用し得る。この組成物を変性し得る非揮発性成分(例えば、塩化物または硫酸塩)が望ましくない場合、それらを残すことなく、か焼の間に分解し得る酸を使用するのがより望ましい。無機酸(例えば、硝酸)は使用できるが、これらの酸は、環境上受容不可能な気体(例えば、NO)を発生し得る。好ましい酸には、か焼すると分解してCOおよび水を生成する有機酸(例えば、酢酸、クエン酸またはシュウ酸)があると想定される。これらの合成で使用される酸の量は、反応前に全ての無機成分(例えば、VO)を溶解するのに必要な量よりも、著しく低い。
【0043】
このpHを7より高く調整するために、任意の無機塩基(例えば、水酸化アンモニウム)または有機アミン(ジエトキシエチルアミン、水酸化テトラメチルアルキルアンモニウム、アルカノールアミン、水酸化t-ブチルアンモニウムを含めて)を使用し得る。しかし、非揮発性成分(例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属)が最終触媒組成物中に存在するのが望ましくない場合、それらを残すことなく、か焼中に分解できる塩基を使用するのがより望ましい。使用し得る適切な塩基には、水酸化アンモニウムおよび有機塩基(例えば、アルキルアミンおよびアルカノールアミン)がある。最も好ましくは、この塩基は、この触媒前駆体の形成中に、このM促進剤用の原料として使用した水和無機金属酸化物(例えば、酸化スズゾル)のための安定剤/分散剤として、水性混合物中に既に存在していてもよく、従って、別に添加する必要はない。
【0044】
本発明の手順は、水、および必要に応じて、pHを調整するための酸または塩基の存在下にて、100℃(還流温度)から250℃までの温度で、自然圧力(自己発生圧力)下にて、激しく撹拌しながら、適切な量のVOおよびSbO(および、必要に応じて、アンモ酸化触媒を促進することが知られている他の金属酸化物(例えば、酸化スズ(ゾル)、チタン、テルル、レニウム、ケイ素、アルミニウム、鉄、ニオブ、クロム、コバルト、銅、ビスマス、タングステンなどをベースにしたものであるが、これらに限定されない))の反応を包含し得る。この促進剤金属酸化物それ自体が、水熱的に反応するようには製造できない(または、適切な形状では、容易に入手できない)場合には、この金属促進剤の他の供給源(例えば、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物、アンモニウムイオン錯体、カルボニルなど)を、必要に応じて使用し得る。これらの金属酸化物の水熱反応は、これらの金属酸化物が適切に分散して触媒前駆体を形成するのに充分な時間(代表的には、0.5〜100時間)継続される。いくつかの金属酸化物または他の原料は、この水熱反応工程に引き続いて添加され得、金属の微粉、ゾルまたは錯体の形状であり得る。これらの例には、発煙TiO、酸化スズゾル、シリカゾル、およびアルミナゾルがある。冷却の際に、得られた物質(代表的には、かなり均一なスラリーであるが、撹拌せずに放置すると、ある程度の分離が起こり得る)は、さらなる金属酸化物(または、他の金属供給源(例えば、硝酸塩、酢酸塩など))と混合/さらに反応され、乾燥状態まで蒸発され(またはスプレー乾燥され)、そして1段以上の工程でか焼されて、この最終触媒を生成できる。この水熱的に調製されたスラリーのpHは、この触媒の最適調製のために、他の試薬の添加前に、調整されてもよい。
【0045】
必要な反応時間、温度、固形分含量、および他の金属酸化物試薬の添加順序は、最終的には、生成する最終物質の触媒特性および物理的特性により、決定される。他の経路により調製した触媒に使用されるような、さらなる洗浄工程およびか焼工程もまたこれらの触媒の性能を改良するために使用し得る。例えば、米国特許第5,214,016号、第5,008,427号および第5,258,543号(これらの内容は、本明細書中で参考として援用される)に開示の洗浄工程およびか焼工程は、触媒の性能を改善するために利用し得る。噴霧乾燥前に、スラリーの粘度を低減させるためのアルカリ(例えば、水酸化リチウム)の添加もまた、この経路により調製したスラリーに適用し得る。
【0046】
促進触媒前駆体の水熱合成中に、酸化スズゾル/安定剤の形状で、このスズ促進剤が存在することは、自然圧力(自己発生圧力)下にて、特に、還流温度(約100℃)以上〜250℃(例えば、110℃〜250℃)、好ましくは、110℃〜175℃、最も好ましくは、120℃〜160℃で、有利であることが見出された。
【0047】
さらに、高固形分含量の水性スラリーの調製は、本発明の実施に特に有益であると想定される。水酸化テトラメチルアンモニウム安定化SnOゾルの使用は、本発明の実施の際に適切な70%固形分範囲の水性スラリーを得るのに利用し得る。
【0048】
この水熱反応工程を高温で行うことは、最終的に、還流下(約100℃)で調製したものと同程度またはそれ以上に良好な触媒を生じるスラリーを調製するのに必要な時間を、短縮する。高温(還流温度以上の温度、すなわち、100℃以上の温度)での操作は、この塩基組成物への他の促進剤要素の混合を増強して、全体的な性能を改善するとも思われる。さらに、本発明の方法は、任意のある時点において、全ての出発物質を溶液中に存在させる必要がないために、市販の触媒製造に容易に規模を変更できる。従って、例えば、噴霧乾燥前の蒸発によって高濃度にする費用なしで、高固形分濃度のスラリーを得ることができる。これにより、触媒の調製に利用される反応器および他の装置の利用効率を高める。本発明の手順はまた、噴霧乾燥に適切な固形分含量を得るために、このスラリーから留去されるべき水の量を低減させ、それにより、時間およびエネルギーの節約をもたらす。
【0049】
高温および自然圧力(自己発生圧力)下での、この金属酸化物の反応速度は、酸化スズゾルの形状でのスズ促進剤の存在により、著しく増強されることもまた観察される。特に、酸化スズゾル(すなわち、Nalco 88-SN-123およびNalco TX7684;これらは、Nalco Chemical Co.、Naperville、Illinoisから供給される)の存在下での、この金属酸化物反応は、著しく増強される。このことは、先に使用されてきたものより短い反応時間および低い反応温度を用いた触媒(前駆体)調製を可能にする。
【0050】
酸化スズゾルの存在が、酸化バナジウムおよび酸化アンチモンの反応速度を加速することを示す定性因子がある。酸化スズゾルの非存在下では、還流した混合物の色は、3〜6時間の反応時間後まで、それ程濃くならない(また、一片の濾紙上に、一滴のスラリーを置くと、黄色のしま(streaking)が観察され、これは、遊離の溶解性バナジウム含有種を示す)。酸化スズゾルの存在下では、この色は、約1/2時間以内に黒色となり、これは、実質的な反応を表わす。中程度か焼物質(650℃)のXRD分析により、この酸化スズおよび酸化チタンは、もし、この水熱工程中に、この酸化スズゾルが存在すると、より良好に分散されていることが示される。この酸化スズゾル中での有機安定剤の存在は、最終か焼前に安定剤を除去する特定の対策をとらないと、最終触媒の性能を損なう場合がある。従って、低レベルの安定剤を使用するか、および/または容易に揮発するものを使用することが、ある程度有利となる。この安定剤の揮発性は、自然圧(自己発生圧力)下での密封系を使用した本発明方法を用いる場合、合成中において、問題ではない。
【0051】
塩基性条件下にて、本発明の手順を利用する最も簡単で便利な手段は、この酸化バナジウムおよび酸化アンチモンの水熱反応工程中に存在する安定剤/分散剤と共に、このスズゾルを存在させることである。これは、この触媒を流動床形状で調製するために、噴霧乾燥中に形成した粒子表面への、この酸化スズ粒子の移動を最小化することに関して、有利であり得る。
【実施例】
【0052】
以下の実施例は、例示の目的のみのために示す。
【0053】
(固定床プロピレンアンモ酸化)
(実施例1)
以下の様式で、60%VSb1.2Fe0.08Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。4.55gのVO(Stratcore)、8.75gのSbO、0.32gのFeO(Baker)および40gの水を、テフロン(登録商標)製ライナーに入れて、マグネチック撹拌棒を備えたParr125 mLボンベを固定した。およそ15分間撹拌した後、引き続き撹拌しながら、1.58gのシュウ酸(Baker)および20gのさらなる水を添加した。次いで、このライナーを、このボンベケーシングに密封し、そして175℃のオーブンに入れた。93時間後に得られたスラリーを、撹拌棒を備えた800mLビーカーに移し、そして水で約150 mLまで希釈した。スラリーに、4.00gのTiO(Degussa P25)を添加し、そしておよそ1時間撹拌した。次いで、混合物を沸騰するまで加熱した。次いで、18.84gのSnOゾル(20%固形分)および47.50gのSiOゾル(30%固形分)を添加し、ゲルが撹拌棒が止まるほど濃厚になるまで、水を蒸発させた。次いで、得られた物質を、オーブンにて、120℃で一晩乾燥した。次いで、得られた固形物を、空気中にて、290℃で3時間、425℃で3時間、そして650℃で8時間にわたり、か焼した。次いで、この物質を粉砕し、そしてふるいにかけ、その20〜40メッシュ部分の一部を、900℃で3時間にわたり、か焼し、熱メタノールで洗浄し、次いで、650℃で3時間にわたり、か焼し、次いで、熱メタノールで洗浄した。
【0054】
(実施例2)
175℃での93時間の水熱反応工程の間に、TiOを存在させること以外は、60%VSb1.2Fe0.08Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。
【0055】
(実施例3)
シュウ酸の非存在下で、水熱反応工程(175℃、138時間)において、0.10gのFeOおよび0.17gのNbO(Alfa)を存在させて、実施例1の方法と類似の方法により、60%VSb1.2Fe0.025Nb0.025Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。
【0056】
(実施例4)
水熱反応工程(175℃、91時間)の間に、0.14gのCuO(Alfa)を存在させて、実施例1の方法と類似の方法により、60%VSb1.2Cu0.04Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。
【0057】
(実施例5)
水熱反応工程の間に、0.16gのCuO(Alfa)を存在させて、実施例4の方法と類似の方法により、60% VSb1.2Cu0.04Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。
【0058】
(実施例6)
水熱反応工程の間に、0.16gのCuO(Alfa)を存在させて、実施例4の方法と類似の方法により、60% VSb1.2Cu0.04Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。
【0059】
(実施例7)
水熱反応工程の間に、0.24gのCuO(Alfa)および僅か0.79gのシュウ酸を存在させて、実施例4の方法と類似の方法により、60% VSb1.2Cu0.06Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。
【0060】
(実施例8)60%VSb1.2Fe0.08Sn0.5TiO−40%SiO
VO(4.55g)、SbO(8.75g)、FeO(Nanocat(R);以下、「Nano」と呼び、ペンシルベニア州のMach1 Companyから入手した(0.32g))、酸化スズゾル18.84g(3.77gのSnO)および水125 mlの混合物を、還流下にて、約24時間反応させた。冷却後、4.00gのTiOおよび47.50gのシリカゾル(30%固形分)を添加し、このスラリーを、撹拌棒が止まるまで、ホットプレート上で濃厚化した。885℃で3時間にわたり、高温か焼を行った。
【0061】
(比較例9)60%VSb1.3Fe0.2Sn0.5TiO−40%SiO
以下のようにして、60% VSb1.3Fe0.2Sn0.5TiO−40%SiOの実験式を有する触媒を製造した:2リットルのビーカーにて、900 ccのHOおよび100gの30% HOから成る混合物に、12.08gのVOを添加し、そして暗赤色の過酸化錯体が形成されるまで、室温で約15分間撹拌した。次いで、25.17gのSbO、2.12gのFeO(Nano)および10.61gのTiO(Degussa、P-25)を添加し、ホットプレート温度コントロールを「高」に設定し、このビーカーを、時計皿で覆った。加熱するにつれて、このスラリーの色は、黄色から緑色、そして黒色へと変わった。この混合物を、約4.5時間温浸(digest)し、時々、水を添加して、その容量を一定に保った。50.05gの20%SnOゾル(Nalco 88SN123)を添加し、続いて、133.33gの30%シリカゾル(Nissan)を添加した。この触媒スラリーを、それが濃厚になるまで、絶えず撹拌しつつ、ホットプレート上で蒸発させた。残りの手順は、実施例8と同じであった。
【0062】
(実施例10)60%VSb1.2Fe0.025Ni0.025Sn0.5TiO−40%SiO
水熱反応工程(175℃、16時間)の間に、0.093gのNiOおよび0.10gのFeOおよび0.79gのシュウ酸を存在させて、実施例4の方法と類似の方法により、60%VSb1.2Fe0.025Ni0.025Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。
【0063】
(実施例11)60%VSb1.2Mn0.025Sn0.5TiO−40%SiO
0.11gのMnOを存在させたこと以外は、実施例10の方法と同様の方法により、60%VSb1.2Mn0.025Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。
【0064】
(実施例12)60%VSb1.2Fe0.025Mn0.025Sn0.5TiO−40%SiO
0.12gのFeO(Baker)および0.11gのMnOを存在させたこと以外は、実施例10の方法と同様の方法により、60%VSb1.2Fe0.025Mn0.025Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。
【0065】
(実施例13)60%VSb1.2Fe0.12Sn0.5TiO−40%SiO
VO(4.55g)、SbO(8.75g)、FeO(Nano、0.479g)、酸化スズゾル18.84g(3.77gのSnO)および水125mlの混合物を、還流下にて、約24時間反応させることにより、60% VSb1.2Fe0.12Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。冷却後、4.00gのTiOおよび47.86gのシリカゾル(30%固形分)を添加し、このスラリーを、撹拌棒が止まるまで、ホットプレート上で濃厚化した。900℃で3時間にわたり、高温か焼を行った。
【0066】
(実施例14)60%VSb1.2Fe0.12Sn0.5TiO−40%SiO
VO(4.55g)、SbO(8.75g)、FeO(Nano、0.479g)、酸化スズゾル18.84g(3.77gのSnO)および水120mlの混合物を、撹拌オートクレーブ中で、自然圧(自己発生圧力)力下にて、150℃で、21時間反応させることにより、60% VSb1.2Fe0.12Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。冷却後、4.00gのTiOおよび47.86gのシリカゾル(30%固形分)を添加し、このスラリーを、撹拌棒が止まるまで、ホットプレート上で濃厚化した。900℃で2.5時間にわたり、高温か焼を行った。
【0067】
(実施例15)60%VSb1.2Fe0.12Sn0.5TiO−40%SiO
VO(7.00g)、SbO(13.46g)、FeO(Nano、0.74g)、酸化スズゾル28.98g(5.80gのSnO)および水112mlの混合物を、撹拌オートクレーブ中で、自然圧力(自己発生圧力)下にて、150℃で、3時間反応させることにより、60% VSb1.2Fe0.12Sn0.5TiO−40%SiOの組成の触媒を調製した。冷却後、6.15gのTiOおよび73.62gのシリカゾル(30%固形分)を添加し、このスラリーを、撹拌棒が止まるまで、ホットプレート上で濃厚化した。900℃で2.5時間にわたり、高温か焼を行った。
【0068】
上記実施例1〜15の触媒を、以下の条件下にて試験した。これらの各実施例におけるC/NH/O/N/HOの供給比は、それぞれ、1.8/2.2/3.9/2.4/6.0であった。これらの結果を、表Iにて、以下に示す。
【0069】
【表1】

(流動床プロピレンアンモ酸化)
(実施例1)
上記実施例13で触媒を調製するのに使用した手順に従って、VSb1.2Fe0.12Sn0.5TiO−40%SiOの組成の流動床触媒の大バッチを調製した。この場合、水熱反応工程から得たスラリーに、チタニアおよびシリカゾルを添加した。次いで、スラリーを、噴霧乾燥前に、水の蒸発により、約32〜33%固形分まで濃縮した。
【0070】
(実施例2)
水熱反応工程から得たスラリーを、このチタニアおよびシリカの添加前に、18〜20%固形分まで濃縮したこと以外は、上で使用した方法に従って、VSb1.2Fe0.12Sn0.5TiO−40%SiOの組成の流動床触媒の大バッチを調製した。次いで、このスラリーを、噴霧乾燥前に、水の蒸発により、約35%固形分まで濃縮した。
【0071】
40 ccの流動床反応器にて、実施例1および2を行った。実施例1および2のC/NH/O/N/HOの供給比は、それぞれ、1.8/2.2/3.9/16であった。これらの結果を、表IIにて、以下に示す。
【0072】
【表2】

(プロパンのアンモ酸化)
(比較例1)
鉄またはSiOを添加しないこと以外は、上記実施例9に記載の方法と類似の方法で、VSb1.4Sn0.2Ti0.1Oの組成の触媒を調製した。この触媒を、最終的に、820℃で3時間か焼し、650℃で3時間か焼し、そしてイソブタノールで洗浄した。
【0073】
(実施例2)
以下の方法で、VSb1.4Sn0.2Ti0.1Oの組成の触媒を調製した:7.58gのVO、17.01gのSbOおよび27.57gのNHOH安定化SnOゾル(これは、2.51gのSnOを含有する)、約125gの水を、冷却器を備えた250mL丸底フラスコに入れた。この混合物を、撹拌しながら、22時間還流した。冷却後、得られたスラリーを、撹拌しながら、0.67gの発煙TiOを含むビーカーに添加した。1時間後、このスラリーを、混合物が濃厚化されるまで、蒸発により濃縮し、そして125℃オーブンに一晩入れて、乾燥した。乾燥した固形物を、空気中にて、290℃で3時間、次いで、425℃で3時間、次いで、650℃で8時間加熱した。次いで、この物質を粉砕し、そしてふるいにかけ、20〜35メッシュ部分の一部を、820℃で3時間、次いで、650℃で3時間にわたり、か焼し、次いで、イソブタノールで洗浄した。
【0074】
(実施例3)
発煙TiOを、24時間の還流工程の間に存在させたこと以外は、実施例2に示したものと同様の組成物を調製した。
【0075】
(実施例4)
以下の形式で、VSb1.4Sn0.2Ti0.1Oの組成の触媒を調製した:7.58gのVO、17.01gのSbO、0.67gの発煙TiO、27.57gの水酸化アンモニウム安定化SnOゾル(これは、2.51gのSnOを含有する)、およそ125gの水を、石英ライナーに入れた。次いで、このライナーを、オーバーヘッド撹拌機を備えた300ccオートクレーブ内に入れ、そして密封した。次いで、この混合物を、撹拌しながら、125℃まで加熱し、そして6時間維持した。次いで、このオートクレーブからヒーターを取り除き、この混合物を、撹拌しながら、一晩放置して冷却した。残りの手順は、実施例2および3と同様であった。
【0076】
(実施例5)
実施例4の方法と同様の方法を使用して、その成分を含有するスラリーを調製し、VSb1.4Sn0.2Ti0.1Oの組成の触媒を調製した。このスラリーを、冷却オートクレーブから除去すると、ホットプレート上のビーカーにて、29〜30%の固形分まで濃縮した。水中の水酸化リチウムを添加して、このスラリーの粘度を低くした。水を留去し続け、この撹拌棒が止まる前に、約46%の固形分含量が得られた。残りの手順は、この触媒を、650℃か焼の後の単一イソブタノール洗浄工程前に、空気流中にて、810℃および650℃でか焼したこと以外は、上記の手順と類似していた。得られた触媒組成物は、Li0.05VSb1.4SnTi0.1Oであった。
【0077】
(実施例6)(6時間)
最終の2つのか焼工程を、実施例5のように行ったこと以外は、実施例4の手順と同様の手順を使用した。
【0078】
(実施例7)(4時間)
水熱工程を4時間だけ行ったこと以外は、実施例6の手順と同様の手順を使用した。
【0079】
(実施例8)
水熱工程を150℃で4時間行ったこと以外は、実施例4の方法と同様の方法を使用した。
【0080】
プロパンアンモ酸化のための固定床反応器試験の結果を、表IIIにて、以下に示す。
【0081】
【表3】

先行する明細書は、本発明の方法の実施態様およびその組合せを網羅することを意図していない。現在までに調製した組成物は、プロパンおよびプロピレン用のアンモ酸化触媒を標的にしているものの、この方法は、他のタイプの酸化触媒の調製に適切であると想定される。本発明の方法は、添付の請求の範囲により規定されることが意図される。
【0082】
C2〜C炭化水素を、対応するα,β-不飽和ニトリルにアンモ酸化するのに有用なVSbMNO触媒を調製する方法であって、VOおよびSbOを含有する水性混合物を、撹拌しつつ、自然圧(自己発生圧力)下にて、約100℃〜250℃の間の温度、好ましくは、約110℃〜175℃の間の温度、最も好ましくは、120℃〜160℃の間の温度まで加熱して、触媒前駆体を形成する工程;該触媒前駆体を乾燥する工程、および該触媒前駆体をか焼して、最終触媒を生成することを包含する、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の実験式を有する触媒を調製する方法であって:
VSbMNO
ここで、aは、0.01〜2であり;
bは、0.5〜4であり;
mは、0.01〜3であり;そして
nは、0〜1であり;
ここで、Mは、Sn、Ti、Fe、Cu、Mn、Gaまたはそれらの混合物であり;
Nは、Li、Mg、Sr、Ca、Ba、Co、Ni、Zn、Ge、Nb、Zr、Mo、W、Cr、Te、Ta、Se、Bi、Ce、In、As、Bまたはそれらの混合物であり;
水溶性バナジン酸塩およびSbO、および必要に応じて、少なくとも1種のM促進剤を含有する水性混合物を、少なくとも該水溶性バナジン酸塩およびSbOを反応させて触媒前駆体を形成するのに充分な時間にわたって、撹拌しつつ、自己発生圧力下にて、その還流温度と250℃の間の温度まで加熱する工程;該触媒前駆体を乾燥して、水を除去する工程;および該触媒前駆体をか焼して、該触媒を生成する工程を包含する、方法。

【公開番号】特開2007−38224(P2007−38224A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291651(P2006−291651)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【分割の表示】特願平10−81797の分割
【原出願日】平成10年3月27日(1998.3.27)
【出願人】(595017584)ザ スタンダード オイル カンパニー (8)
【氏名又は名称原語表記】The Standard Oil Company
【Fターム(参考)】