説明

アルキルアルコキシ基を含む構造単位を含むポリマー、これらのポリマーを含むブレンド、これらのポリマーとブレンドを含む光電子素子

本発明は、アルキルアルコキシ基を含む構造単位および本発明によるポリマーを含むブレンドに関する。本発明は、さらに、本発明によるポリマーとブレンドの光電子素子での使用、および前記素子自体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキルアルコキシ基を含む構造単位を含むポリマーおよび本発明によるポリマーを含むブレンドに関する。本発明は、本発明によるポリマーとブレンドの光電子素子での使用、および前記素子自体に関する。
【0002】
有機、有機金属および/またはポリマー半導体を含む電子素子は、市販製品により一般的に使用されており、今まさに市場に導入されるところである。ここで、言及されてもよい例は、電子複写での有機成分(たとえば、トリアリールアミン系正孔輸送体)と表示素子における有機もしくはポリマー発光ダイオード(OLEDもしくPLED)または複写機における有機光受容素子に関する有機系電荷輸送材料である。有機太陽電池(O-SC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機集積回路(O-IC)、有機光増幅素子もしく有機レーザーダイオード(O-laser)が開発の進んだ段階であり、将来におけるより重要な地位を実現するかもしれない。
【0003】
多くのこれら電子素子は、関連用途を問わず、以下の一般的構造を有し、夫々の用途に採用され得る。
【0004】
(1)基板
(2)電極、一般的には、金属もしくは無機物であるが、有機もしくはポリマー伝導性材料をも含む。
【0005】
(3)電荷注入層もしくは中間層、たとえば、電極の不均性の補償用であり(「平坦化層」)、一般的には、伝導性のドープされたポリマーを含む。
【0006】
(4)有機半導体
(5)随意に、さらなる電荷輸送層もしくは電荷注入層もしくは電荷障壁層
(6)対電極、(2)で言及されるとおりの材料
(7)被包
上記配置は、有機電子素子の一般的構造をあらわし、種々の層は結合されてもよく、その結果、最も単純な場合には、配置は、その間に有機層が位置する二個の電極となる。有機層は、この場合、発光を含むすべての機能を発揮する。この型の系は、たとえば、ポリ(p-フェニレン)系のWO 90/13148 A1に記載されている。
【0007】
溶液加工系の場合には、この個々の層は、いずれかがコポリマーであり得、この場合、対応する機能単位は、ポリマーの主鎖または側鎖中に存在し、または、この個々の層は、ポリマーブレンドであり得、この場合、相異なるポリマーは、構造単位として一以上の機能単位を含むか、この個々の層は、可溶性の低分子または一以上のポリマーと一以上の低分子の混合物を含んでもよい。すべての変形は優位性と不都合を示す。しかしながら、主な問題は、いまだ相対的に高い駆動電圧と、不十分な効率と不十分な寿命である。
【0008】
OLEDのための溶液加工可能な材料は、近年、特に、新世代の平面スクリーンまたは照明要素として多くの興奮を引き起こしてきた。溶液加工OLEDにおける大きな改善が近年なされてきたが、溶液加工OLEDは、真空蒸発SMOLED素子と比べると、その効率と寿命の点で不都合をいまだ示している。これに対して、種々の層を公知の被覆方法(印刷、スピンコーティング)で容易に製造することができる点で、真空室での複雑な気相堆積プロセスに対して、優位性は、溶液からの単純な加工にある。
【0009】
色の均質性は、少量のドーパントが正確に分散されねばならないことから、気相堆積低分子の場合に達成することは、ある場合には非常に困難でもある。溶液中のコポリマー、ポリマーブレンドまたは低分子の場合には、たとえば、エミッターまたは電荷輸送単位のような必要とされる成分は、正確な濃度で非常に正確に分散することができる。
【0010】
先行技術による多くのOLEDは、層内に活性ポリマーを含み、ポリマーは、すべての必要とされる機能単位を含む。このポリマー層は、多くは中間層に適用され、たとえば、正孔注入機能を果たす。
【0011】
ポリマーブレンドは、種々の目的、たとえば、異なる色(増加する濃度で空色の黄色、赤色、緑色および青色、たとえば、GB 2340304)で発光するポリマー混合物による白色発光素子のために、中間層の超蛍光を減少することを目的とする(たとえば、WO 2008/011953)か、または、異なる特性を有するポリマーを使用することによるレオロジー特性に適応させることを目的とする正孔注入を改善するために使用することもでき、有益であり得る。
【0012】
ポリマーブレンドは、一般的には、コポリマーを超える全体的な優位性を示さないが、それでも使用される。しかしながら、ブレンドが、コポリマーを超える追加的な優位性を生み出す系が有利である。WO 99/48160では、この型の優位性が、製造されたOLED性能データで示されている:混合物は、混合物中で最高HOMO(最高占有分子軌道)と混合物中の最低LUMO(最低空電子軌道)とが、二つの異なる成分上に局在化して使用される、すなわち、これら二種の成分は、いわゆる「II型異種接合」を形成する、すなわち、より高いHOMOを有する成分は、また、より高いLUMOを有する。したがって、正孔注入に関連するHOMOと電子注入に関連するLUMOとの間の分離は、個々の成分のバンドギャップが減じられず、そのため発光色がより低いエネルギーにシフトしないように減少される。したがって、電荷担体注入はOLED成分の発光色、すなわち、深青色発光OLED、とは独立して単純化される。
【0013】
本発明は、また、特に、いわゆる「II型異種接合」を形成する規制を満足しなければならない成分を必要とせずに、コポリマーを超える性能データの優位性を提供するブレンドを包含する。
【0014】
本発明の目的は、ポリマーかブレンドとして、有機電子素子での使用に関して、より低い駆動電圧と増加した素子寿命と同時に良好な効率をもたらす化合物の提供である。
【0015】
驚くべきことに、酸素原子を介して構造単位に直接結合しないアルキルアルコキシ基を含む構造単位を含むポリマーを含有するポリマーまたはポリマーブレンドが駆動電圧の減少を生じることが見出された。これは、本発明のポリマーを含むポリマーおよびポリマーブレンドのいずれの場合にも証明された。さらに、これら系の効率と寿命を増加することも可能となった。
【0016】
この目的のために、本発明は、構造単位Zとして、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造を含むポリマーであって、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造の少なくとも一つのH原子は、アルキルアルコキシ基のC原子を介して、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造に結合するアルキルアルコキシ基Aにより置換され、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、任意の所望の型の一以上の置換基Rにより置換される、ポリマーを提供する。
【0017】
本発明の一つの具体例では、アルキルアルコキシ基Aは、好ましくは、芳香族もしくは複素環式芳香族基Arを介して、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造に結合する。
【0018】
本発明のさらなる具体例では、アルキルアルコキシ基Aは、式-Ar-(CR-O-(CR-O-(CR-CRにしたがい、Rは、互いに独立して、同一であるか異なり、Rに対して示された意味の一つをとることができるが、好ましくは、Hであり、ここで、個々のCR基は、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール基により置き代えられてよく、n≧0、m>0、o≧0でxは0または1であり、p≧0であり、ここで、oおよびpが0であるならば、xは0である。
【0019】
すべての具体例は、アルキルアルコキシ基Aが酸素原子を介さず、炭素原子を介して構造単位Zに結合するという共通の特徴を有する。これが、本発明によるポリマーを含む有機電子素子の駆動電圧の減少を生じる電子的効果を引き起こす。
【0020】
本発明の目的のために、構造単位Zは、好ましくは、5〜60個の環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であって、任意の所望の型の一以上のR基により置換されもよい。Zは、一般式Iの化合物の骨格を形成し、連続的な重合後、いわゆるポリマー骨組を形成する。
【0021】
本発明の意味での芳香族環構造は、環構造中に5〜60個のC原子を有する。本発明の意味での複素環式芳香族環構造は、環構造中に2〜60個のC原子と少なくとも一つのヘテロ原子を含むが、ただし、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも五個である。ヘテロ原子は、好ましくは、Si、N、P、O、Sおよび/またはSeから選ばれ、特に、好ましくは、N、P、Oおよび/またはSから選ばれる。本発明の意味での芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、さらに、必ずしもアリールもしくヘテロアリール基のみを含む構造ではなく、その代わりに、加えて、複数のアリールもしくヘテロアリール基は、たとえば、C(sp混成)、N、O原子のような非芳香族単位(H以外の原子は、10%より少ない。)により中断されていてもよい構造を意味するものと解される。したがって、たとえば、9,9’-スピロビフルオレン、9,9-ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテルおよびスチルベンのような構造も、本発明の意味での芳香族環構造を意味するものと解されることを意図されてもいるが、二個以上のアリール基が、たとえば、直鎖あるいは分岐鎖アルキル基またはシリル基により中断される系も同様である。P(=O)もしくはC(=O)基は、通常は共役中断ではない。
【0022】
5〜60個の環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、各場合に、任意の所望の基Rにより置換されていてもよく、任意の所望の位置を介して、芳香族もしくは複素環式芳香族系に連結していてもよいが、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランセン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、ターフェニル、ターフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス-もしくはトランス-インデノフルオレン、トルクセン、イソトルクセン、スピロトルクセン、スピロイソトルクセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントリイミダゾール、ピリジンイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5-ジアザアントラセン、2,7-ジアザピレン、2,3-ジアザピレン、1,6-ジアザピレン、1,8-ジアザピレン、4,5-ジアザピレン、4,5,9,10テトラアザピレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン、ベンゾチアジアゾール、ベンズアントレン、ベンズアントラセン、ルビセンおよびトリフェニレンから誘導される基を意味するものと解される。
【0023】
本発明によるポリマーにおいて、以下が、好ましい。
【0024】
は、各場合に、互いに独立して、さらなる構造単位への結合であるか、または、H、D、F、Cl、Br、I、N(R、N(Ar)、C(=O)Ar、P(=O)Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OR、OSO、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(夫々は、1以上の基Rにより置換されてよく、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SもしくはCONRで置き代えられてよく、また、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CNもしくはNOで置き代えられてよい。)、または、各場合に1以上の基Rにより置換されてよい5〜40個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造、または、1以上の基Rにより置換されてよい5〜60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基、またはこれらの構造の組み合わせであり;ここで、さらに、2個以上の置換基Rは、互いにモノ-あるいはポリ環状、脂肪族もしくは芳香族環構造を形成してもよく、
は、各場合に、互いに独立して、Hまたは1〜20個のC原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基である。
【0025】
本発明の意味でのアリール基は、5〜60個のC原子を含む。本発明の意味でのヘテロアリール基は、2〜60個のC原子と少なくとも一つのヘテロ原子を含むが、ただし、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも五個である。ヘテロ原子は、好ましくは、Si、N、P、O、Sおよび/またはSeから選ばれ、特に、好ましくは、N、P、Oおよび/またはSから選ばれる。ここで、アリールもしくはヘテロアリール基は、単純な芳香族環、すなわち、ベンゼン、または単純な複素環式芳香族環、たとえば、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等、または縮合アリールもしくはヘテロアリール基、たとえば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフランおよびインドールを意味するものと解される。
【0026】
本発明の目的のために、1〜40個のC原子を有するアルキル基は、ここで、加えて、個々のH原子もしくはCH基は、上記した基Rにより置換されていてよく、好ましくは、基メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロ-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、シクロ-ブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、シクロヘプチル、n-オクチル、シクロオクチル、2-エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルおよびオクチニルを意味するものと解される。1〜40個のC原子を有するアルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、または2-メチルブトキシを意味するものと解される。
【0027】
本発明の一つの具体例では、構造単位Zが、置換あるいは非置換トランス-インデノフルオレン、ベンゾ-トランス-インデノフルオレン、ジベンゾトランス-インデノフルオレン、シス-インデノフルオレン、ベンゾ-シス-インデノフルオレン、ジベンゾ-シス-インデノフルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、フェナントレン、フルオレン、ジベンゾフラン、ベンゾフルオレン、ベンゾクロメン、ジベンゾオキセピンおよびアントラセンならびに前記構造単位の誘導体から選ばれることが、好ましい。
【0028】
本発明のさらなる具体例では、構造単位Zは、一般式Iにしたがう。
【化1】

【0029】
式中:少なくとも一つの基R〜R16は、好ましくは、二個の基R〜R16は、更なる構造単位への結合を示し、少なくとも一つの基R〜R16は、C原子を介して一般式Iの化合物に結合する直鎖あるいは分岐鎖アルキルアルコキシ基Aを示し、残りの基R〜R16はRに示される意味を有する。化合物はトランス-インデノフルオレンである。特に、好ましいものは、少なくとも一つのR、R、R12および/またはR13がアルキルアルコキシ基Aを示すものである。
【0030】
本発明のさらなる具体例では、構造単位Zは、一般式Ia、IbおよびIcにしたがう。
【化2】

【0031】
式中、n≧1、好ましくは、n>1でありで、ここで、記号と添え字は上記に示される意味を有する。特に、好ましいものは、少なくとも一つのR、R、R12および/またはR13がアルキルアルコキシ基Aを示すものである。ここで、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を示す。
【0032】
本発明のさらなる具体例では、構造単位Zが、一般式IIにしたがう。
【化3】

【0033】
式中:少なくとも一つの基R17〜R30は、好ましくは、二個の基R17〜R30は、更なる構造単位への結合を示し、少なくとも一つの基R17〜R30は、C原子を介して一般式IIの化合物に結合する直鎖あるいは分岐鎖アルキルアルコキシ基Aを示し、残りの基R17〜R30は、Rに示される意味を有する。特に、好ましいものは、少なくとも一つのR24、R25、R26および/またはR27がアルキルアルコキシ基Aを示すものである。
【0034】
構造単位Zは、さらに、好ましくは、式IIa、IIbまたはIIcに対応する。
【化4】

【0035】
式中、n≧1であり、好ましくは、n>1でありで、ここで、記号と添え字は上記に示される意味を有する。特に、好ましいものは、少なくとも一つのR24、R25、R26および/またはR27がアルキルアルコキシ基Aを示すものである。ここで、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を示す。
【0036】
本発明のさらなる具体例では、構造単位Zが、一般式IIIにしたがう。
【化5】

【0037】
式中:少なくとも一つの基R31〜R38は、好ましくは、二個の基R31〜R38は、更なる構造単位への結合を示し、少なくとも一つの基R31〜R38は、C原子を介して一般式IIIの化合物に結合する直鎖あるいは分岐鎖アルキルアルコキシ基Aを示し、残りの基R31〜R38はRに示される意味を有し、Xは、CR、NR、O、-CH-、-CH-CH-、-CH-CH-、-O-CH-、-CH-O-CH-、CARまたはCAである。基CARまたはCAにおいて、Aは、本発明にしたがって使用されるアルキルアルコキシ基をあらわすことを意図している。
【0038】
本発明のさらなる具体例では、構造単位Zが、一般式IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IIIe、IIIfまたはIIIgにしたがう。
【化6】

【0039】
式中、n≧1であり、好ましくは、n>1でありで、ここで、記号と添え字は上記に示される意味を有し、Yは、さらに、NR、O、-CH-CH-、-O-CH-、-CH-O-CH-、CARまたはCAである。基CARおよびCAにおいて、Aは、本発明にしたがって使用されるアルキルアルコキシ基をあらわす。ここで、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を示す。
【0040】
本発明のさらなる具体例では、構造単位Zが、一般式IVにしたがう。
【化7】

【0041】
式中:少なくとも一つの基R39〜R60は、好ましくは、二個の基R39〜R60は、更なる構造単位への結合を示し、少なくとも一つの基R39〜R60は、C原子を介して一般式IVの化合物に結合する直鎖あるいは分岐鎖アルキルアルコキシ基Aを示し、残りの基R39〜R60はRに示される意味を有する。
【0042】
構造単位Zは、さらに、好ましくは、一般式IVa、またはIVbにしたがう。
【化8】

【0043】
式中、n≧1であり、好ましくは、n>1でありで、ここで、記号と添え字は上記に示される意味を有す。ここで、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を示す。
【0044】
本発明による構造単位の例は、以下に示す化合物1〜7である。
【化9】

【0045】
本発明の意味でのポリマーは、オリゴマーとデンドリマーを意味するものと解されることも意図している。
【0046】
本発明の目的のために、用語「オリゴマー」は、3〜9個の反復単位を有する化合物に適用される。本発明の意味でのポリマーは、10個以上の反復単位を有する化合物を意味するものと解される。ここで、ポリマーの分岐因子は0(直鎖ポリマー、分岐点なし)と1(完全に分岐したデンドリマー)の間である。
【0047】
オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーは、共役していても、部分共役していても、非共役でもよい。オリゴマーまたはポリマーは、直鎖、分岐鎖もしくは樹状であってよい。直鎖で結合する構造において、構造単位Zは、互いに直接結合することができるか、二価基を介して、たとえば、置換あるいは非置換アルキレン基を介して、ヘテロ原子を介して、二価の芳香族もしくは複素環式芳香族環基を介して、互いに結合することができるかの何れかであり得る。分岐構造においては、たとえば、3個以上の構造単位Zは、三価あるいは多価基を介して、たとえば、三価あるいは多価の芳香族もしくは複素環式芳香族環基を介して、結合することができ、分岐オリゴマーまたはポリマーを形成する。
【0048】
ポリマー中の構造単位Zの割合は、好ましくは、0.01〜100モル%の範囲、特に、好ましくは、0.1〜50モル%の範囲、特に、好ましくは、0.5〜30モル%の範囲である。
【0049】
本発明によるポリマーの分子量Mは、好ましくは、10,000〜2,000,000g/モルの範囲、特に、好ましくは、100,000〜1,500,000g/モルの範囲、特に、好ましくは、200,000〜1,000,000g/モルの範囲である。分子量Mは、内部ポリスチレン標準に対するGPC(=ゲル透過クロマトグラフィー)により測定される。
【0050】
一以上の構造単位Zに加えて、本発明によるポリマーは、上記構造単位Zとは異なる更なる構成単位を含んでもよい。これらは、WO 02/077060 A1およびWO 2005/014689 A2に広範に開示され、挙げられるものである。これらは、参照として、本願に組み込まれる。更なる構造単位は、たとえば以下に記載されるクラスから生じることができる:
群1:ポリマーの正孔注入および/または正孔輸送特性に作用する単位。
【0051】
群2:ポリマーの電子注入および/または電子輸送特性に作用する単位。
【0052】
群3:群1および群2からの個々の単位の組み合わせを有する単位。
【0053】
群4:電子燐光発光を電子蛍光発光の代わりに得ることができる程度に、発光特性を変更する単位。
【0054】
群5:いわゆる一重項状態から三重項状態への遷移を改善する単位。
【0055】
群6:得られるポリマーの発光色に作用する単位。
【0056】
群7:典型的には骨組として使用される単位。
【0057】
群8:膜形態学特性および/または得られるポリマーのレオロジー特性に作用する単位。
【0058】
本発明の好ましいポリマーは、少なくとも1つの構造単位が電荷輸送特性を有するもの、即ち群1および/または群2からの単位を含むものである。
【0059】
正孔注入および/または正孔輸送特性を有する群1からの構造単位は、たとえば、トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール-パラ-フェニレンジアミン、トリアリールホスフィン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、チアントレン、ジベンゾ-パラ-ジオキシン、フェノキサチン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロールおよびフラン誘導体と、更には、高HOMO(HOMO=最高占有分子軌道)を有するさらなるO-、S-もしくはN-含有へテロ環である。これらのアリールアミンおよびヘテロ環は、ポリマー中で、好ましくは、−5.8eV(真空レベルに対して)より大な、特に好ましくは、−5.5eVより大なHOMOを生じる。
【0060】
電子注入および/または電子輸送特性を有する群2からの構造単位は、たとえば、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフインオキシドおよびフェナジン誘導体のみならずトリアリールボランならびに低LUMO(LUMO=最低空分子軌道)を有するさらなるO-、S-もしくはN-含有へテロ環である。これらの単位は、ポリマー中で、好ましくは、−1.5eV(真空レベルに対して)未満の、特に、好ましくは、−2.0eV未満のLUMOを生じる。
【0061】
本発明のポリマーは、正孔移動性を増加する構造と、電子移動性を増加する構造(即ち、群1および2からの単位)が互いに直接結合している構造または正孔移動性と電子移動性の双方を増加する構造を含む群3からの単位を含むことが好ましいかもしれない。これら単位の幾つかは、エミッターとして役立ち、発光色を緑色、黄色あるいは赤色にシフトすることができる。それゆえ、それらの使用は、たとえば、元来が青色発光のポリマーから他の発光色の生成のために適している。
【0062】
群4からの構造単位は、室温でさえも、高効率で三重項状態から発光することができる、即ち、電子蛍光発光の代わりに電子燐光発光を呈し、一般的にエネルギー効率の増加を引き起こすことができる。この目的のために適するのは、まず、36より大な原子番号を有する重い原子を含む化合物である。好ましい化合物は、上記条件を満足するdあるいはf遷移金属を含むものである。ここで、特に好ましいものは、8乃至10属(Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)からの元素を含む対応する構造単位である。本発明のポリマーのために適する構造単位は、ここで、たとえば、種々の錯体であり、たとえば、WO 02/068435 A1、WO 02/081488 A1、EP 1239526 A2およびWO 2004/026886 A2に記載されている。対応するモノマーは、WO 02/068435 A1およびWO 2005/042548 A1に記載されている。
【0063】
群5からの構造単位は、一重項状態から三重項状態への遷移を改善するものであり、群4からの構造単位のサポートに使用され、これら構造単位の燐光特性を改善する。この目的のために適するものは、特に、カルバゾールおよび架橋カルバゾール2量体単位であり、たとえば、WO 2004/070772 A2およびWO 2004/113468 A1に記載されている。また、この目的のために適するものは、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、スルホン、シラン誘導体および類似化合物であり、たとえば、WO 2005/040302 A1に記載されている。
【0064】
上記言及されたものに加えて群6からの構造単位は、上記群の範囲に入らない少なくとも1つの更なる芳香族構造もしくは別の共役構造を有するものであり、即ち、電荷担持移動性に関する作用が少ししかなく、有機金属錯体でなく、一重項-三重項遷移に作用しないものである。この型の構造要素は、得られるポリマーの発光色にも作用することができる。それゆえ、単位に応じて、それらはエミッターとしても使用されることもできる。ここで好ましいものは、6〜40個のC原子を有する芳香族構造およびまたトラン、スチルベンあるいはビスチリルアリーレン誘導体であり、夫々は、1以上の基Rにより置換されていてもよい。ここで特に好ましいものは、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,4-あるいは9,10-アントリレン、1,6-、2,7-あるいは4,9-ピレニレン、3,9-あるいは3,10-ペリレニレン、4,4’-ビフェニリレン、4,4”-ターフェニリレン、4,4’-ビ-1,1’-ナフチリレン、4,4’-トラニレン、4,4’-スチルベニレン、4,4”-ビススチリルアリーレン、ベンゾチアジアゾールおよび対応する酸素誘導体、キノキサリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ビス(チオフェニル)アリーレン、オリゴ(チオフェニレン)、フェナジン、ルブレン、ペンタセンまたはペリレン誘導体とトリアリールアミンもしくはスチリルトリアリールアミンの組み込みであり、好ましくは、置換され、または、好ましくは、共役プッシュ-プル系(ドナーおよびアクセプター置換基により置換された系)、または、好ましくは、置換されたスクアリンもしくはキナクリドンのような系である。
【0065】
群7からの構造単位は、ポリマー骨組として典型的に使用される6〜40個のC原子を有する芳香族構造を有する単位である。これらは、たとえば、4,5-ジヒドロピレン誘導体、4,5,9,10-テトラヒドロピレン誘導体、フルオレン誘導体、9,9’-スピロビフルオレン誘導体、フェナントレン誘導体、9,10-ジヒドロフェナントレン誘導体、5,7-ジヒドロジベンゾオキセピン誘導体、シス-およびトランス-インデノフルオレン誘導体である。
【0066】
群8からの構造単位は、膜形態学特性および/または得られるポリマーのレオロジー特性に作用する単位であり、たとえば、シロキサン、長鎖アルキルまたはフッ化物基のみならず、特に、たとえば、液晶生成単位もしくは架橋可能基のような剛直あるいは柔軟な単位である。
【0067】
構造単位Zに加えて、本発明の好ましいポリマーは、本発明の構造単位とは異なる群1乃至8から選ばれる1以上の単位を同時に追加的に含んでもよい。1つの群からの1以上の構造単位が同時に存在することが同様に好ましい。
【0068】
ここで、少なくとも一つの構造単位Zに加えて、本発明の好ましいポリマーは、群7からの単位を、特に、好ましくは、ポリマー中の構造単位の合計数を基礎として少なくとも50モル%含む。
【0069】
同様に、本発明の好ましいポリマーは、電荷輸送または電荷注入を改善する単位、すなわち、群1および/または2からの単位を、好ましくは、これら単位を0.5〜30モル%の割合で含み、非常に、特に、好ましくは、これら単位を1〜10モル%の割合で含む。
【0070】
さらに、本発明の特に好ましいポリマーは、群7からの構造単位と群1および/または2からの単位を含んでもよく、少なくとも50モル%の群7からの単位と0.5〜30モル%の群1および/または2からの単位を含んでよい。
【0071】
さらに、本発明の特に好ましいポリマーは、群6からの構造単位と群1および/または2からの単位を含んでもよく、少なくとも5モル%の群6からの単位と0.5〜30モル%の群1および/または2からの単位を含んでよい。
【0072】
本発明によるポリマーは、構造単位Zを含むホモポリマーかコポリマーの何れかであってよい。本発明によるポリマーは、直鎖、分岐鎖もしくは架橋であってよい。一以上の構造単位Zとその好ましい副構造に加えて、本発明によるコポリマーは、上記群1〜群8からの一以上の更なる構造を潜在的に有してもよい。
【0073】
本発明のさらなる具体例では、さらなる構造単位は、好ましくは、以下の構造単位Va、Vb、Vc、Vd、Ve、Vf、VgおよびVhから選ばれる。
【化10】

【0074】
式中、Rは、互いに独立して、同一であるか異なり、RまたはArと同じ意味を有し、Ar、X、X、XおよびXは、夫々、互いに独立して、Rに示される意味を有し、Xは、O、SもしくはNRであり、Xは、Rにより置換されたまたは非置換のアルキレン基であって、一以上のC原子はOで置き代えられてよく、または芳香族環構造であり、ArおよびArは夫々、互いに独立して、芳香族もしくは複素環式芳香族基であり、n≧1である。ここで、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を示す。
【0075】
本発明の目的のために、本発明のポリマーは、共役または部分共役および/またはブロックコポリマーであり得る。
【0076】
本発明は、さらに、上記定義されるポリマーと少なくとも一つのさらなる有機、有機金属もしくはポリマー化合物を含むブレンドに関する。
【0077】
本発明によるブレンド中で、さらなる化合物は、正孔注入、正孔輸送、正孔障壁、電子注入、電子輸送、電子障壁、エミッター、励起子生成単位または骨組単位およびそれらの組み合わせから選ばれる構造単位を含む。さらなる化合物は、追加的に、上記群1〜8からの上記構造単位を含んでもよい。
【0078】
ブレンドのさらなるポリマー化合物は、好ましくは、構造単位Va、Vb、Vc、Vd、Ve、Vf、VgまたはVhを含む。
【化11】

【0079】
式中、Rは、互いに独立して、同一であるか異なり、RまたはArに示される意味を有し、Ar、X、X、XおよびXは、夫々、互いに独立して、Rに示される意味を有し、Xは、O、SもしくはNRであり、Xは、Rにより置換されたまたは非置換のアルキレン基であって、一以上のC原子はOで置き代えられてよく、または芳香族環構造であり、ArおよびArは夫々、互いに独立して、芳香族もしくは複素環式芳香族基であり、n≧1である。ここで、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を示す。
【0080】
本発明の好ましい具体例では、ブレンドは、上記定義されるポリマーとエミッター単位と正孔障壁単位を含むポリマー化合物を含む。
【0081】
本発明のさらに好ましい具体例では、ブレンドは、上記定義されるポリマーとエミッター単位を含むポリマー化合物と正孔障壁単位を含むポリマー化合物を含む。これは、少なくとも三個のポリマー成分から構築されるブレンドである。ブレンドは、さらなるポリマー化合物もしくはポリマーを追加的に含んでもよい。好ましいものは、三個以上のポリマーを含むブレンドである。各場合に、ブレンド中のひとつのポリマーがポリマー骨組みと唯一つの型の機能単位を含むことが、特に、好ましい。したがって、ブレンドは、本発明にしたがって、以下にとおり構築される。
【0082】
本発明による構造単位を含むポリマー、および
正孔注入単位を含むポリマーおよび/または
正孔輸送単位を含むポリマーおよび/または
正孔障壁単位を含むポリマーおよび/または
エミッター単位を含むポリマーおよび/または
電子注入単位を含むポリマーおよび/または
電子輸送単位を含むポリマーおよび/または
電子障壁単位を含むポリマーおよび/または
励起子生成単位を含むポリマー
したがって、本発明の好ましいものは、ブレンドがさらなるポリマーを含み、夫々は、互いに独立して、正孔注入、正孔輸送、正孔障壁、電子注入、電子輸送、電子障壁、エミッター、励起子生成単位を含む。
【0083】
本発明の好ましいものは、個々の成分が、いわゆる「II型ヘテロ接合」を含まない、すなわち、より高いHOMOを有する成分は、また、より高いLUMOを有さないブレンドである。特に、好ましいものは、含まれる成分のLUMOが同じであるブレンドである。
【0084】
構造単位Zと任意のさらなる構造単位を重合することが可能であるために、構造単位は、好ましくは、カップリング反応、好ましくは、金属触媒架橋カップリング反応に使用できる脱離基を含む。脱離基で官能化された化合物は重合のための基礎となる。したがって、臭素誘導体は、スズキカップリングによりアリールボロン酸もしくはアリールボロン酸誘導体と反応することができ、または、スチル反応により有機錫化合物と反応して、対応するオリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーを得る。
【0085】
これらのプロセスは先行技術により知られている。したがって、スズキカップリンッグは、たとえば、ジフェニル誘導体もしくはビニル芳香族化合物の生成のためのクロスカップリンッグ反応であり、ここで、アリールボロン酸は、好ましくは、触媒、好ましくは、パラジウム-ホスフィン錯体の使用により、ハロゲン化芳香族化合物と反応する。芳香族化合物の反応性は、臭素からトリフルオロメタンスルホン酸エステルを介して沃素まで増加するが、さしあたりは、弱い反応性の塩化芳香族化合物でさえも、パラジウム-ホスフィン触媒により反応することができる。スチルクロスカップリンッグ反応は、有機ホウ素化合物に代えて、有機錫化合物を使用して、同様に進行するが、その高い毒性により好まれない。
【0086】
本発明の目的のために、特に、好ましい構造単位は、たとえば、臭素、沃素、ボロン酸、ボロン酸エステル、トシレートもしくはトリフレートのような反応性脱離基により置換される。これらは、対応する共役、部分共役もしくは非共役ポリマー、オリゴマーの製造のためのコモノマーとしてまたデンドリマーのコアとしても使用することができる。ここで、重合は、好ましくは、ハロゲン官能基もしくはボロン酸官能基により実行される。
【0087】
この関連で特に、好ましいものは、以下のジブロモ置換化合物もしくはそのボロン酸誘導体またはそれらの組み合わせである。
【化12】

【0088】
本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドは、有機電子素子中で使用することができるが、ポリマーまたはブレンドは、好ましくは、有機層内に存在する。有機層は、さらに、さらなる構成成分、たとえば、低分子量化合物もしくはフィルム形成特性を改善する化合物を含む。有機層の製造のために、本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドと一以上の溶媒を含む液体処方が、溶液からコーティングにより通常調製される。この目的のために必要な技術は、当業者に知られている。ポリマー層は、たとえば、溶液からの被覆により、たとえば、スピンコーティングにより製造することができる。ポリマー層の適用と溶媒の除去後、ポリマーは、追加的に架橋することができる。架橋は、誘導放射(たとえば、UV光、可視光、マイクロウエーブ、電子ビーム)または熱により実行することができる。しかしながら、架橋のために適切である置換基、たとえば、ビニル基が存在せねばならない。
【0089】
したがって、本発明は、さらに、本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドと一以上の溶媒を含む処方に関する。この型の処方を調製することができる方法は、当業者により知られ、たとえば、WO 02/072714、WO 03/019694 およびそこに引用された文献に記載されている。
【0090】
適切で好ましい溶媒は、たとえば、トルエン、アニソール、キシレン、メチルベンゾエート、ジメチルアニソール、メシチレン、テトラリン、ベラトロールおよびテトラヒドロフランまたはそれらの混合物である
本発明は、さらに、一以上の有機層を含む有機電子素子に関し、少なくとも一つの層は、本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドを含む。
【0091】
本発明のさらなる具体例では、素子は複数の層を含む。これらは、本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドを含む層またはそれらとは独立したポリマー、ブレンドもしくは低分子量化合物を含む層であり得る。ここで、本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドは、正孔輸送、正孔注入、エミッター、電子輸送、電子注入、電荷障壁および/または電荷生成層の形で存在することができる
有機エレクトロルミネセンス素子は、一つの発光層もしくは複数の発光層を含んでもよい。複数の発光層が存在するならば、これらは、特に好ましくは、380nm〜750nm間に全体で複数の最大発光波長を有し、全体として、白色発光が生じ、換言すれば、蛍光もしくは燐光を発することができる種々の発光化合物が発光層に使用される。特に好ましいものは、3層構造であり、その3層は青色、緑色およびオレンジ色もしくは赤色発光するものである。(基本構造については、たとえば、WO 05/011013参照。)発光素子は、たとえば、表示装置(LCD)の照明もしくはバックライトのために適している。
【0092】
さらに、好ましい具体例では、素子は、複数の層を含み、その一つは発光層であり、その一つは本発明のポリマーを含む電子注入層である。
【0093】
これらの層とは別に、素子は、更なる層、たとえば、各場合に、一以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔障壁層、電子輸送層、電子障壁層、励起子障壁層および/または電荷生成層(IDMC 2003, Taiwan; Session 21 OLED (5), T.Matsumoto, T. Nakada, J.Endo, K. Mori, N. Kawamura, A. Yokoi, J.Kido, 電荷生成層を有するマルチフォトン有機EL素子)をも含んでもよい。同様に、たとえば、励起子障壁機能を有する中間層を、二個の発光層の間に導入することも可能である。しかしながら、これら各層は必ずしも存在する必要はないことが指摘されねばならない。これらの層は、同様に、上記定義されるとおりの本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドを含む。複数のOLEDが互いに上に配置されることも可能であり、達成されるべき光収率に関して、効率に関する更なる増加が可能となる。光のアウトカップリングを改善するために、OLEDの光の出口側の最後の有機層が、全反射の割合を減少するナノフォームとして設計することもできる。
【0094】
素子は、さらに、低分子から構築される層を含んでもよい(SMOLED)。これらは、たとえば、高真空中での低分子の蒸発により製造することができる。
【0095】
したがって、さらに好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が昇華プロセスにより適用され、材料は、10−5mbar以下、好ましくは、10−6mbar以下、特に好ましくは、10−7mbar以下の圧力で真空昇華ユニット中で蒸着される。
【0096】
同様に、1以上の層が、OVPD(有機気相堆積)プロセスあるいはキャリアーガス昇華を用いて適用されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が好ましく、材料は、一般的には10−5mbar〜1barの圧力で適用される。
【0097】
さらに、1以上の層が、溶液から、たとえば、スピンコーティングにより、もしくはたとえば、スクリーン印刷、フレキソ印刷またはオフセット印刷、特に好ましくは、LITI(光誘起熱画像化、熱転写印刷)もしくはインクジェット印刷のような所望の印刷法により製造されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が好ましい。可溶性化合物は、必要ならば、適切な置換により得られ、この目的のために必要である。
【0098】
有機電子素子は、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)、ポリマーエレクトロルミネッセンス素子(PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光検査素子、有機光受容器、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電子化学電池(LEC)または有機レーザーダイオード(O-laser)である。
【0099】
素子は、通常、陰極と陽極(電極)を含む。本発明の目的のために、電極(陰極、陽極)は、高度に効率的な電子もしくは正孔注入を保証するために、それらの電位が隣接する有機層の電位に可能な限り適合するよう選択される。
【0100】
陰極は、好ましくは、低い仕事関数を有する金属、たとえば、アルカリ土類金属、アルカリ金属、主族金属あるいはランタノイド金属(たとえば、Ca、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Sm等)のような種々の金属を含む金属合金もしくは多層構造を含む。多層構造の場合、たとえばAgのような比較的高い仕事関数を有する金属を前記金属に加えて使用することもでき、たとえば、Ca/AgもしくはBa/Agのような金属の組み合わせが一般的に使用される。高い誘電定数を有する材料の薄い中間層を金属陰極と有機半導体との間に導入することも好ましい。この目的のために適切なのは、たとえば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属フッ化物だけでなく対応する酸化物もしくは炭酸塩等である(たとえば、LiF、LiO、BaF、MgO、NaF、CsF、CsO、CsCO等)。この層の厚さは、好ましくは、1〜10nm、特に、好ましくは、2〜8nmである。
【0101】
陽極は、好ましくは、高い仕事関数を有する材料を含む。陽極は、好ましくは、真空に対して4.5eV超の電位を有する。この目的に適切なものは、一方で、たとえば、Ag、PtもしくはAuのような高還元電位を有する金属である。他方で、金属/金属酸化物電極(たとえば、Al/Ni/NiO、Al/PtO)も好ましいかもしれない。いくつかの用途では、少なくとも一つの電極は、有機材料の照射(O−SC)もしくは光のアウトカップリング(OLED/PLED、O−laser)の何れかを可能とするために、透明でなければならない。好ましい構成は、透明陽極を使用する。ここで、好ましい陽極材料は、伝導性混合金属酸化物である。特に、好ましいものは、インジウム錫酸化物(ITO)もしくはインジウム亜鉛酸化物(IZO)である。さらに好ましいものは、伝導性のドープされた有機材料、特に、たとえば、PEDOTもしくはPANIのような伝導性のドープされたポリマーである。
【0102】
素子は、用途に応じて、それ自体公知の方法で構造化され、接点を供給され、このような素子の寿命が水および/または空気の存在で徹底的に短くなることから、最後に密封される。
【0103】
本発明は、いくつかの例を参照して、以下により詳細に説明されるが、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【0104】
例:
例1〜4において、本発明にしたがう好ましいモノマーもしくはその前駆体が調製される。例5〜7において、本発明にしたがう好ましいポリマーと比較例のポリマーが調製される。例8〜11において、本発明にしたがう好ましいブレンドが調製される。
【0105】
A)例1〜4:モノマーの合成
例1:1-ブロモ-4-(3-エトキシプロピル)ベンゼン3の調製
【化13】

【0106】
工程1:3-(4-ブロモフェニル)プロピオン酸1
【化14】

【0107】
45.25g(1モル当量、0.4モル)の2,2,4-トリメチル-2-オキサゾリンが、1000mlのTHF中にまず導入され、保護ガス下、−78℃まで冷却される。160ml(1モル当量、0.4モル)のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)が、ゆっくりと滴下される。1時間後、100mlのTHF中に溶解された99.9g(1モル当量、0.4モル)の4-ブロモベンジルブロミドが、ゆっくりと滴下される。溶液は一晩で室温にもたらされる。溶液は200mlまで濃縮され、有機層はエーテルと10%HCl溶液で抽出され、水性層は、40%NaOH溶液を使用して中和され、ついで、同様にエーテルで抽出される。有機層は、塩化ナトリウム溶液で洗浄され、硫酸ナトリウムで乾燥され、真空蒸発される。油状物は500mlの10%HClで、2時間還流下暖められ、一晩冷却される。生成物1は、吸引ろ過され、水で洗浄される。収率は76.4g(83.4%)である。
【0108】
H NMR (DMSO, δ(ppm), J (Hz)): 2.49-2.53 (m, 3H), 2.78 (t, 2H, J = 7.57), 7.19 (d, 2H, J = 8.42), 7.45 (d, 2H, J = 8.25)
工程2:3-(4-ブロモフェニル)プロパン-1-オル2
【化15】

【0109】
75g(1モル当量、0.327モル)の1が、1000mlのTHF中に溶解され、0℃まで冷却される。150ml(4.83モル当量、1.582モル)のボラン-メチルスルフィド錯体が、ゆっくりと滴下され、混合物は、引き続き0℃で1時間攪拌される。混合物は一晩で室温に暖められる。翌日、混合物は再び0℃まで冷却され、500mlのメタノールが注意深く添加される。混合物は引き続き一晩でゆっくりと室温に暖められ、さらに、1時間攪拌される。
【0110】
バッチは、減圧下蒸発され、500mlのジエチルエーテル中に溶解され、10%NaOHで洗浄され、飽和NaCl溶液で洗浄され、硫酸ナトリウムで乾燥され、減圧下再蒸発され、収率69.62g(98.9%)の黄色油状物2が残る。
【0111】
H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 1.80-1.86 (m, 2H), 2.63 (t, 2H, 7.91), 2.23 (s, 1H), 3.60-3.63 (m, 2H), 7.04 (d, 2H, J = 8.41), 7.37 (d, 2H, J = 8.42)
工程3:p-ブロモ-tert-ブチルベンゼン(1-ブロモ-4-(3-エトキシプロピル)ベンゼン)3
【化16】

【0112】
24.7g(2モル当量、0.617モル)の60%水酸化ナトリウム分散液が、まず導入され、65g(1モル当量、0.302モル)の油状物2が、100mlのヘプタンとともに添加される。引き続き、500mlの無水THFが添加され、混合物は0℃まで冷却される。アルコール(65g)と200mlのTHFの混合物が添加され、混合物は、1時間攪拌される。39ml(1.613モル当量、0.488モル)のヨードエタンが、150mlのTHFで希釈され、注意深く滴下される。バッチは、一晩、室温に暖められ、反応の進行は、薄層クロマトグラフ(溶出液:DCM/ヘプタン1:1)によりフォローされる。次いで、冷水が注意深く滴下され、混合物は、さらに、30分間攪拌される。相が分離され、水相が分離され、ジクロロメタンで洗浄される。有機相は水で抽出され、硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、減圧下再蒸発され、収率71.4g(97.7%)の黄色油状物3が残る。
【0113】
H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 1.20 (t, 3H, J = 7.07), 1.83-1.89 (m, 2H), 2.65 (t, 2H, J = 7.91), 3.40 (t, 2H, J = 6.4), 3.46 (q, 2H, J = 7.07 ), 7.06 (d, 2H, J = 8.25), 7.39 (d, 2H, J = 8.41)
例2:1-ブロモ-4-(ブチルベンジルアルコール)4の調製
【化17】

【0114】
工程1:1-ブロモ-4-(ブチルベンジルアルコール)
【化18】

【0115】
油中での分散剤として60%水酸化ナトリウムが、まず、よく乾燥された四首フラスコ中に導入され、600mlのabs.THFがアルゴン下添加される。反応混合物は、0℃まで、冷却され、150mlのTHF中のn-ブタノール溶液は、温度が3℃を超えないようにゆっくりと滴下される。p-ブロモベンジルブロミドが、250mlのTHF中に溶解され、引き続き、温度が5℃を超えないような速度でゆっくりと滴下される。反応混合物は、ゆっくりと室温に温められ、一晩中室温で攪拌される。冷水が注意深く滴下され、混合物は、さらに、30分間攪拌される。相が分離する。水相が、ジクロロメタンで洗浄される。有機相は水で抽出され、硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、溶媒が減圧下除去される。得られた油状物は、真空蒸留(0,13mbarで76〜78℃)される。
【0116】
H NMR (CDCl3, δ (ppm): 7.47 (d, 2H, J = 8.13); 7.19 (d, 2H, J = 8.18); 4.42 (s, 2H); 3.46 (t, 2H, J = 7.11); 1.60 (m, 2H, J = 7.07); 1.38 (m, 2H, J = 7.21); 0.92 (t, 3H, J = 7.18)
例3:2,8-ジブロモ-6,6-ビス(4-(3-エトキシプロピル)フェニル)-12,12-ジオクチル-6,12-ジヒドロインデノ[1,2-b]フルオレン8の調製
【化19】

【0117】
工程1:(2-(9,9-ジオクチル-9H-フルオレン-2-イル)フェニル)ビス-(4-(3-エトキシプロピル)フェニル)メタノール6
【化20】

【0118】
18.5g(2モル当量、0.076モル)のp-ブロモ-tert-ブチルベンゼン3が、110mlのTHF中にまず導入され、アセトン/乾燥氷浴中−67℃まで、冷却される。34ml(2.2モル当量、0.085モル)の2.5Mのn-ブチルリチウム(ヘキサン中)が、内部温度が−65℃を超えないような速度でゆっくりと滴下され、引き続き、攪拌が−72℃で2時間続けられる。次いで、19.9g(1モル当量、0.037モル)のフェニルジオクチルフルオレン5が、20mlのTHF中に溶解され、−66℃で、ゆっくりと滴下される。反応溶液はさらなる時間−70℃で、一晩、室温で攪拌される。15mlの50%酢酸がバッチに添加される。相は分離する。水性相は、ヘプタンで抽出される。結合した有機層はHOで抽出され、硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、減圧下蒸発される。
【0119】
精製は、溶出液ヘプタン/酢酸エチル1:1を使用するカラムクロマトグラフにより実行され、14.5g(48.2%)の収率の黄色油状物6を得る。
【0120】
H NMR (TCE, δ (ppm), J (Hz)): 0.51 (s broad, 4H), 0.80 (t, 6H, J = 7.23), 0.91-1.21 (m, 26H), 1.47-1.65 (m, 2H), 1.75 (s broad, 2H), 1.84-1.94 (m, 4H), 2.69 (s broad, 4H), 3.13 (s, 1H), 3.40-3.49 (m, 8H), 6.77 (d, 1H, J = 7.91), 6.81 (s, 1H), 6.93 (d, 1H, J = 7.75), 7.03-7.16 (m, 8H), 7.19 (t, 2H, J= 7.99), 7.26-7.32 (m, 4H), 7.53 (d, 1H, J = 7.74), 7.65 (d, 1H, J = 6.73)
工程2: 6,6-ビス(4-(3-エトキシプロピル)フェニル)-12,12-ジオクチル-6,12-ジヒドロインデノ[1,2-b]フルオレン7
【化21】

【0121】
14.49g(1モル当量、0.018モル)の6が、34mlの酢酸(33.8モル当量、0.594モル)中に溶解され、還流で暖められる。0.9ml(0.4モル当量、0.007モル)の濃塩酸が還流下添加され、混合物は、還流下1.5時間加熱される。TLCチェック(ヘプタン/酢酸エチル)後、引き続き2×2mlの濃塩酸が、反応時間3時間で計量される。反応が終わると、25mlの水が注意深く添加される。さらなる50mlの水が、引き続き、相分離のために添加される。混合物は、ジクロロメタンで抽出され、結合した有機相は、次いで、水と炭酸水素ナトリウムで抽出され、硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、減圧下蒸発される。
【0122】
精製は、カラムクロマトグラフ(ヘプタン/酢酸エチル)により実行され、12.0g(85.2%)の収率の赤茶色の油状物7を得る。
【0123】
H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 0.64-0.76 (m, 4H), 0.80 (t, 6H, J = 7.23), 1.06-1.20 (m, 26H), 1.83-1.89 (m, 4H), 2.00 (t, 4H, J = 8.25), 2.63 (t, 4H, J= 7.91), 3.40-3.47 (qt, 8H, Jq = 7.07, Jt = 6.56), 7.04 (d, 4H, J = 8.42), 7.15 (d, 4H, J = 8.42), 7.22-7.27 (m, 3H), 7.31-7.32 (m, 1H), 7.35 (t, 1H, J=7.48), 7.40 (d, 1H, J = 7.57), 7.59-7.61 (m, 1H), 7.67 (d, 2H, J = 6.22), 7.79 (d, 1H, J = 7.41)
工程3: 2,8-ジブロモ-6,6-ビス(4-(3-エトキシプロピル)フェニル)-12,12-ジオクチル-6,12-ジヒドロインデノ[1,2-b]フルオレン8の調製
【化22】

【0124】
12.0g(1モル当量、0.015モル)の7が、200mlのジクロロメタン中に溶解され、2℃まで冷却される。20mlのTHF中の1.5mlの臭素(2モル当量、0.030モル)を含む臭素溶液がゆっくりと滴下される(T<5℃)。反応溶液は一晩で室温にもたらされる。HPLCチェック後、二回の引き続く臭素の計量添加(150マイクロリットル、ジクロロメタン中0.24mlの1M溶液)が室温で実行され、反応時間は合計54時間である。30mlの硫酸ナトリウム溶液が、注意深く添加され、30mlの水が引き続き添加される。反応溶液は、ジクロロメタンで抽出され、溶媒は減圧下除去される。精製は、カラムクロマトグラフ(ヘプタン/酢酸エチル1:1)により実行される。得られた黄色油状物は、5日後に結晶化する。再結晶化はアセトニトリル/トルエンから実行され、6.8g(47.4%)の収率の8を得る。
【0125】
H NMR (TCE, δ (ppm), J (Hz)): 0.71 (s, 4H), 0.80 (t, 6H, J = 7.24), 1.02-1.20 (m, 26H), 1.82-1.88 (m, 4H), 1.93-2.00 (m, 4H), 2.62 (t, 4H, J = 7.91), 3.39-3.46 (m,8H), 7.08 (q, 8H, J = 8.42), 7.41 (d, 1H, 8.08), 7.46 (s, 1H), 7.50 (q, 3H, J = 7.74), 7.61 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.70 (d, 1H, J = 8.08)
例4:2,8-ジブロモ-6,6-ビス-(1-ブロモ-4-(ブチルベンジルアルコール)-12,12-ジオクチル-6,12-ジヒドロジベンゾインデノ[1,2-b]フルオレン12の調製
【化23】

【0126】
工程1:(2-(9,9-ジオクチル-9H-フルオレン-2-イル)フェニル)ビス-(4-(3-エトキシプロピル)-フェニル)メタノール10
【化24】

【0127】
23.05g(4.5モル当量、0.095モル)のp-ブロモベンジルブチルエーテル4が、100mlのTHF中にまず導入され、アセトン/乾燥氷浴中−75℃まで冷却される。42ml(5モル当量、0.105モル)の2.5Mのn-ブチルリチウム(ヘキサン中)が、内部温度が−65℃を超えないような速度でゆっくりと滴下され、混合物は引き続き、−75℃でさらに1時間攪拌される。ついで、10g(1モル当量、0.021モル)のエチルジナフチルテレフタレート9が、150mlのTHF中に溶解され、−75℃で、ゆっくりと滴下される。反応溶液はさらなる時間−75℃で、一晩、室温で攪拌される。15mlの50%酢酸がバッチに添加される。相は分離する。水性相は、ヘプタンで抽出される。結合した有機層はHOで抽出され、硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、減圧下蒸発される。
【0128】
精製は、n-ヘプタンからの再結晶化により実行され、7.3gの白色結晶を得る。
【0129】
H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 0.86 (t 6H J = 7.24), 0.94 (t, 6H, J = 7.23), 1.26-1.65 (4*m, 16H), 3.31 (t, 4H J = 7.21), 3.45 (t, 4H J = 7.20), 4.32 (s, 4H) , 4.48 (s, 4H) 6.77 (d, 2H, J = 7.91), 6.88 (s, 2H), 6.96-7.05 (m, 2H), 7.12 (d, 2H, J = 7.75), 7.19 (d, 2H, J = 7.75), 7.42 (m, 8H), 7.50 (d, 2H, J = 7.73) 7.72 (d, 2H, J = 7.75) 7.78 (d, 2H, J = 7.78)
工程2: 6,6-ビス-(4-(ベンジルエチルエーテル)-12,12-ジオクチル-6,12-ジヒドロジベンゾインデノ[1,2-b]フルオレン11
【化25】

【0130】
7g(1モル当量、0.007モル)の10が、30mlのジクロロメタン中に溶解され、0℃まで冷却される。4.4mlのメタンスルホン酸と3mlのポリ燐酸の混合物が0℃で添加される。30分後、30mlのエタノールが0℃で添加される。生成物は白色沈殿物として堆積する。粗生成物は、吸引ろ過され、エタノールで洗浄され、エタノール/トルエン1:1から再結晶化される。
【0131】
H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 0.86 (t 6H J = 7.24), 0.94 (t, 6H, J = 7.23), 1.26-1.65 (4*m, 16H), 3.31 (t, 4H J = 7.21), 3.45 (t, 4H J = 7.20), 4.32 (s, 4H) , 4.48 (s, 4H) 6.77 (d, 2H, J = 7.91), 6.88 (s, 2H), 6.96-7.05 (m, 2H), 7.12 (d, 2H, J = 7.75), 7.19 (d, 2H, J = 7.75), 7.42 (m, 8H), 7.50 (d, 2H, J = 7.73) 7.72 (d, 2H, J = 7.75) 7.78 (d, 2H, J = 7.78)
工程3:2,8-ジブロモ-6,6-ビス-(4-ベンジルブチルエーテル)-12,12-ジオクチル-6,12-ジヒドロジベンゾインデノ[1,2-b]フルオレン12
【化26】

【0132】
5g(1モル当量、0.005モル)の11が、80mlのジクロロメタン中に溶解され、2℃まで冷却される。2モル当量(0.010モル)のN-ブロモスクシンイミドが引き続き添加され、反応混合物は一晩攪拌される。反応は、15mlの10%硫酸ナトリウム溶液の添加により終了される。反応溶液は、ジクロロメタンで抽出され、溶媒は減圧下除去される。再結晶化はエタノールから実行され、5g(80%)の収率の12を得る。
【0133】
H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 0.89 (t, 12H, J = 7.24), 1.37 (m, 8H, J=7.22), 1.55 (m, 8H, J = 7.22), 3.43 (t, 8H, J = 7.91), 4.45 (s, 8H), 7.26 (d, 8H, J = 8.42), 7.31 (d, 8H, 8.41), 7.64 (m, 4H), 7.82 (s, 2H), 8.33 (d, 2H, J = 8.06), 8.34 (s, 2H) 8.56 (d, 2H, J = 8.08)
B)例5〜7:ポリマーの合成
以下の組成のモノマーを含むポリマーP1〜P3が、WO 03/048225にしたがってスズキカップリングにより合成される。ポリマー中のモノマーのパーセント割合は、無視できる偏差でモノマーの規格量で与えられ、ここで、臭素とボロン酸置換基は、次いで、さらなる構造単位への結合を表す。
【0134】
例5:ポリマーP1
【化27】

【0135】
例6:ポリマーP2
【化28】

【0136】
例7:ポリマーP3
【化29】

【0137】
比較例のポリマー
比較例のポリマーC1:
【化30】

【0138】
比較例のポリマーC2:
【化31】

【0139】
比較例のポリマーC3:
【化32】

【0140】
ポリマーOLED(PLED)の製造は、特許文献(たとえば、WO 04/037887 参照。)に何度も既に記載されてきた。本発明を実例により説明するために、ポリマーP1〜P3と比較例のポリマーC1〜C3を含むPLEDが、予め、PEDOTと正孔注入中間層(PEDOTは、ポリチオフェン誘導体(バイトロン P.C.Stack,Goslar製))で被覆されたITO基板上にスピンコーティングにより、製造される。ポリマー層の層厚は、約65nmである。Ba/Al陰極(アルドリッチ製金属)が、次いで、気相堆積により適用され、PLEDが密封され、電子光学的に特性決定される。
【0141】
本発明によるポリマーP1〜P3と比較例のポリマーC1〜C3の結果が、以下の表1に示される。
【表1】

【0142】
例8:ポリマーP4とP5のブレンド
ポリマー4
【化33】

【0143】
ポリマー5
【化34】

【0144】
比1:1のポリマーP4とP5のA-2成分ブレンドは、上記手順にしたがって調製される。
【0145】
OLEDをチェックすると(表2)、P4とP5のブレンドは、効率と特に寿命において、二個の個々のポリマーより、明らかに優れており、同時に、非常に低い駆動電圧を有する。
【表2】

【0146】
アルキルアルコキシ基を有する構造単位を有さないP4と、アルキルアルコキシ基を有する構造単位を有するP5は、−2.2eVの同一のLUMOエネルギー準位(サイクリックヴォルタンメトリで直接測定)を有する。したがって、アルキルアルコキシ基を有する単位の効果は、LUMO準位の減少ではなく、本発明のポリマーまたはブレンドの増加した効率と寿命を生じる、完全に新規でこれまで説明されていないメカニズムである。
【0147】
例9:ポリマーP6とP7のブレンド
ポリマー6
【化35】

【0148】
ポリマー7
【化36】

【0149】
比1:1のポリマーP6とP7のA-2成分ブレンドは、上記手順にしたがって調製される。
【0150】
OLEDをチェックすると(表3)、P6とP7のブレンドは、寿命において、二個の個々のポリマーより、明らかに優れている。
【表3】

【0151】
例10:ポリマーC3、P5とP8のブレンド
比較例のポリマーC3
【化37】

【0152】
(上記参照。)
ポリマーP5
【化38】

【0153】
(上記参照。)
ポリマーP8
【化39】

【0154】
OLEDをチェックすると(表4)、C3、P5とP8のブレンドは、効率と特に寿命において、すべての個々のポリマーより、特に、P7より、明らかに優れている。
【表4】

【0155】
例11:対応するコポリマー13と比較したポリマーP9〜P12のブレンド
以下の、ポリマーP9〜P13が、WO 03/048225にしたがって、対応するモノマーのスズキカップリングにより合成される。パーセントデータは、夫々のポリマー中の構造単位の割合に関する。
【0156】
ポリマー9
【化40】

【0157】
ポリマー10
【化41】

【0158】
ポリマー11
【化42】

【0159】
ポリマー12
【化43】

【0160】
ポリマー13
【化44】

【0161】
ブレンドは、P9(電子注入成分)、P10(充填成分)、P11(正孔輸送成分)およびP12(エミッター成分)から調製される。割合は、ポリマー13(ランダムコポリマー)の対応するモノマー濃度が達成されるように選ばれる。
【0162】
OLEDをチェックすると(表5)、P9〜P12のブレンドは
(a)すべての四個の個々のポリマーより、実質的にすべての特性において、明らかに優れており、
(b)同じ全体組成を有するランダムコポリマー(P13)より、寿命において、明らかに優れていることが、驚くべきことに、見出された。
【表5】

【0163】
C)例8〜11:ブレンドの調製
本発明によるブレンドは、以下の一般的プロセスにより調製される。
【0164】
1.各成分に対して、同じ濃度の溶液が調製される。このために、固体化合物の対応する量が計量され、対応する量の適切な溶媒に添加される。次いで、混合物は、透明溶液が生じるまで、少なくとも1時間加熱される。
【0165】
2.ブレンドの調製のために、対応する体積の溶液がピペットを使用して採取され、新たな容器中で組み合わされる。たとえば、50%の成分A、25%の成分Bおよび25%の成分Cを含む10mlのブレンドと、5m体積の成分A(5g/l)、2.5mlの成分B(5g/l)および2.5mlの成分C(5g/l)が採取され、組み合わされる。トルエンが、たとえば、溶媒として、使われる。
【0166】
以下の、ポリマーP4とP5が本発明によるブレンドのために調製される。ポリマーP4とP5は、WO 03/048225にしたがって、対応するモノマーのスズキカップリングにより合成される。パーセントデータは、夫々のポリマー中の構造単位の割合に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造単位Zとして、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造を含むポリマーであって、ここで、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造の少なくとも一つのH原子は、アルキルアルコキシ基のC原子を介して、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造に結合するアルキルアルコキシ基Aにより置換され、また、ここで、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、任意の所望の型の一以上の置換基Rにより置換される、ポリマー。
【請求項2】
以下を特徴とする、請求項1記載のポリマー。
は、各場合に、互いに独立して、さらなる構造単位への結合であるか、または、H、D、F、Cl、Br、I、N(R、N(Ar)、C(=O)Ar、P(=O)Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OR、OSO、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(夫々は、1以上の基Rにより置換されてよく、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SもしくはCONRで置き代えられてよく、また、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CNもしくはNOで置き代えられてよい。)、または、各場合に1以上の基Rにより置換されてよい5〜40個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造、または、1以上の基Rにより置換されてよい5〜40個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基、またはこれらの構造の組み合わせであり;ここで、さらに、2個以上の置換基Rは、モノ-あるいはポリ環状、脂肪族もしくは芳香族環構造を互いに形成してもよく、
は、各場合に、互いに独立して、Hまたは1〜20個のC原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基である。
【請求項3】
アルキルアルコキシ基Aは、芳香族もしくは複素環式芳香族基Arを介して、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造に結合することを特徴とする、請求項1または2記載のポリマー。
【請求項4】
アルキルアルコキシ基Aは、式-Ar-(CR-O-(CR-O-(CR-CRにしたがい、ここで、Rは、互いに独立して、同一であるか異なり、Rに対して示された意味の一つをとることができ、CR基は、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール基で置き代えられてよく、n≧0、m>0、o≧0であり、xは0または1であり、p≧0であり、ここで、oおよびpが0であるならば、xが0であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項記載のポリマー。
【請求項5】
構造単位Zが、置換あるいは非置換トランス-インデノフルオレン、ベンゾ-トランス-インデノフルオレン、ジベンゾトランス-インデノフルオレン、シス-インデノフルオレン、ベンゾ-シス-インデノフルオレン、ジベンゾ-シス-インデノフルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、フェナントレン、フルオレン、ジベンゾフラン、ベンゾフルオレン、ベンゾクロメン、ジベンゾオキセピンおよびアントラセンから選ばれることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項記載のポリマー。
【請求項6】
構造単位Zが、一般式Iにしたがうことを特徴とする、請求項1〜5何れか1項記載のポリマー。
【化1】

(式中:少なくとも一つの基R〜R16は、更なる構造単位への結合を示し、少なくとも一つの基R〜R16は、C原子を介して一般式Iの化合物に結合する直鎖あるいは分岐鎖アルキルアルコキシ基Aを示し、ここで、残りの基R〜R16は請求項2のRに示される意味を有する。)
【請求項7】
構造単位Zが、一般式Ia、IbまたはIcにしたがうことを特徴とする、請求項6記載のポリマー。
【化2】

(式中、n≧1であり、記号と添え字は請求項1〜5に示されるのと同じ意味を有し、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を表す。)
【請求項8】
構造単位Zが、一般式IIにしたがうことを特徴とする、請求項1〜5何れか1項記載のポリマー。
【化3】

(式中:少なくとも一つの基R17〜R30は、更なる構造単位への結合を示し、少なくとも一つの基R17〜R30は、C原子を介して一般式IIの化合物に結合する直鎖あるいは分岐鎖アルキルアルコキシ基Aを示し、残りの基R17〜R30は請求項2のRに示される意味を有する。)
【請求項9】
構造単位Zが、一般式IIa、IIbまたはIIcにしたがうことを特徴とする、請求項8記載のポリマー。
【化4】

(式中、n≧1であり、記号と添え字は請求項1〜5に示されるのと同じ意味を有し、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を表す。)
【請求項10】
構造単位Zが、一般式IIIにしたがうことを特徴とする、請求項1〜5何れか1項記載のポリマー。
【化5】

(式中:少なくとも一つの基R31〜R38は、更なる構造単位への結合を示し、少なくとも一つの基R31〜R38は、C原子を介して一般式IIIの化合物に結合する直鎖あるいは分岐鎖アルキルアルコキシ基Aを示し、残りの基R31〜R38は請求項2のRに示される意味を有し、Xは、CR、NR、O、-CH-、-CH-CH-、-CH-CH-、-O-CH-、-CH-O-CH-、CARまたはCAである。)
【請求項11】
構造単位Zが、一般式IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IIIe、IIIfまたはIIIgにしたがうことを特徴とする、請求項10記載のポリマー。
【化6】

(式中、n≧1であり、記号と添え字は請求項1〜5に示されるのと同じ意味を有し、Yは、さらに、NR、O、-CH-CH-、-O-CH-、-CH-O-CH-、CARまたはCAであり、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を示す。)
【請求項12】
構造単位Zが、一般式IVにしたがうことを特徴とする、請求項1〜5何れか1項記載のポリマー。
【化7】

(式中:少なくとも一つの基R39〜R60は、更なる構造単位への結合を示し、少なくとも一つの基R39〜R60は、C原子を介して一般式IVの化合物に結合する直鎖あるいは分岐鎖アルキルアルコキシ基Aを示し、残りの基R39〜R60は請求項2のRに示される意味を有する。)
【請求項13】
構造単位Zが、一般式IVa、またはIVbにしたがうことを特徴とする、請求項12記載のポリマー。
【化8】

(式中、n≧1であり、記号と添え字は請求項1〜5および12に示されるのと同じ意味を有し、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を示す。)
【請求項14】
構造単位Zおよび/または構造単位Zとは異なる一以上のさらなる構造単位の組み合わせを含むことを特徴とする、請求項1〜13何れか1項記載のポリマー。
【請求項15】
さらなる構造単位が、正孔注入、正孔輸送、正孔障壁、電子注入、電子輸送、電子障壁、エミッター、励起子生成単位または骨組単位から選ばれることを特徴とする、請求項14記載のポリマー。
【請求項16】
さらなる構造単位が、一般式Va、Vb、Vc、Vd、Ve、Vf、VgおよびVhから選ばれることを特徴とする、請求項14または15記載のポリマー。
【化9】

(式中、Rは、互いに独立して、同一であるか異なり、RまたはArに示される意味を有し、Ar、X、X、XおよびXは、夫々、互いに独立して、Rと同じ意味を有し、Xは、O、SもしくはNRであり、Xは、Rにより置換されたあるいは非置換のアルキレン基であって、ここで、一以上のC原子はOで置き代えられてよく、または芳香族環構造であり、ArおよびArは、夫々、互いに独立して、芳香族もしくは複素環式芳香族基であり、n≧1であり、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を示す。)
【請求項17】
ポリマーが共役または部分共役ポリマーおよび/またはブロックコポリマーである、請求項1〜16何れか1項記載のポリマー。
【請求項18】
請求項1〜17何れか1項記載のポリマーと少なくとも一つの更なる有機、有機金属またはポリマー化合物を含むブレンド。
【請求項19】
さらなるポリマー化合物が、正孔注入、正孔輸送、正孔障壁、電子注入、電子輸送、電子障壁、エミッター、励起子生成単位または骨組単位および前記構造単位の組み合わせから選ばれる構造単位を含むことを特徴とする、請求項18記載のブレンド。
【請求項20】
さらなるポリマー化合物が、構造単位Va、Vb、Vc、Vd、Ve、Vf、VgおよびVhを含むことを特徴とする、請求項18または19記載のブレンド。
【化10】

(式中、Rは、互いに独立して、同一であるか異なり、RまたはArと同じ意味を有し、Ar、X、X、XおよびXは、夫々、互いに独立して、Rと同じ意味を有し、Xは、O、SもしくはNRであり、Xは、Rにより置換されたあるいは非置換のアルキレン基であって、ここで、一以上のC原子はOで置き代えられてよく、または芳香族環構造であり、ArおよびArは夫々、互いに独立して、芳香族もしくは複素環式芳香族基であり、n≧1であり、破線は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を示す。)
【請求項21】
請求項1〜17何れか1項記載のポリマー、エミッター単位を含むポリマー化合物および正孔障壁単位を含むポリマー化合物を含む、請求項18〜20何れか1項記載のブレンド。
【請求項22】
さらなるポリマーを含み、夫々が、互いに独立して、正孔注入、正孔輸送、正孔障壁、電子注入、電子輸送、電子障壁、エミッターもしくは励起子生成単位を含むことを特徴とする、請求項18〜21何れか1項記載のブレンド。
【請求項23】
請求項1〜17何れか1項記載のポリマーまたは請求項18〜22何れか1項記載のブレンドの、有機電子素子での使用。
【請求項24】
請求項1〜17何れか1項記載のポリマーまたは請求項18〜22何れか1項記載のブレンドと一以上の溶媒を含む処方。
【請求項25】
有機電子素子であって一以上の層を含み、少なくとも一つの層は、請求項1〜17何れか1項記載のポリマーまたは請求項18〜22何れか1項記載のブレンドを含む、有機電子素子。
【請求項26】
有機電子素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)、ポリマーエレクトロルミネッセンス素子(PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(OLET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検査素子、有機光受容器、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電子化学電池(LEC)もしく有機レーザーダイオード(O-laser)であることを特徴とする、請求項25記載の有機電子素子。

【公表番号】特表2012−530820(P2012−530820A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516541(P2012−516541)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003323
【国際公開番号】WO2010/149261
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】