説明

アルツハイマー病を治療及び予防する組合物とその製造方法

【課題】アルツハイマー病を治療及び予防する組合物を提供する。
【解決手段】主にモナコリン(monacolins)、抗炎症物質、抗酸化物質を含む組合物である。この三種の物質が形成する組合物を利用しアルツハイマー病を治療及び予防し、本発明の製造方法を通して実施し、確実な治療と予防を達成し、また明確な副作用を生じない効果を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルツハイマー病を治療及び予防する組合物とその製造方法に関する。特に紅麹米中のモナコリン(monacolins)、抗炎症物質、抗酸化物質によりアルツハイマー病を治療及び予防する組合物で、、錠剤、カプセル、粉末、飲料等方式に応用し消費者の服用に供するアルツハイマー病を治療及び予防する組合物とその製造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(Alzheimer's disease、ADと略称)は、老人性痴呆症とも呼ばれる持続性神経機能障害である。アルツハイマー病を発症すると、人は徐々に記憶を喪失し、しかも言語と情緒上の障害を生じ、智力が徐々に失われて行く状況は痴呆(dementia)と呼ばれる。この疾病が進行すると、入浴、食事、排泄等生活の各面で患者は他人の介助が必要となる。つまり、アルツハイマー病の患者には24時間介護が必要であるため、患者の周囲の人の生活はしばしば非常に大きな影響を受ける。
【0003】
一方、記憶の喪失はアルツハイマー病では最も顕著で、よく見受けられる病状である。特に、少し前に発生したばかりの事、或いは最近得たばかりの情報を覚えていられないことが多いが、初期の症状は微細で少しずつ出現するため、気づくのは難しい。しかも、例えばよく知っている場所で迷子になる、ある事を行ったかどうかを忘れてしまう、過去の事を何度も持ち出す、或いは新しい知識を吸収できない等の症状は他の痴呆症でも現れ、アルツハイマー病に特有のものではない。
【0004】
病情が悪化すると、患者は会話において適当な言葉を見つけられない、或いは重大な決定ができなくなる。
さらに、アルツハイマー病において最も辛いことは、患者は親しい人を認識できなくなることがある点である。また性格的にも異常に短気になり、疑い深くなり、人と接するのを嫌うようになる。症状が進むと、患者は徘徊し、迷子になり家に帰れない状況さえ発生する。
【0005】
最新の研究では、アルツハイマー病の患者の脳では、視覚と空間情報を処理する区域が損傷を受けている可能性があることが示されている。これは患者がなぜ自分がどこにいるのか分からなくなる、或いは方向が分からなくなるのかを説明するに足るものである。また患者は集中力がなくなるため、自身の日常的な身体の各種必要に気を配ることができなくなる。
【0006】
アルツハイマー病の患者の脳では前脳基底部(basal forebrain)及び海馬(hippocampus)等の記憶にとって非常に重要な他の区域も影響を受ける。多くのアルツハイマー病に苦しむ人は、肺炎 (pneumonia)等の他の原因で死に至るが、診断確定日から起算すると、アルツハイマー病の患者は一般に6-8年生存するが、20年を超える生存の例も多い。
【0007】
現在市場では約五種のアルツハイマー病を治療する薬物が、米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDAと略称) の認可を受けている。これら薬物はコリンエステラーゼ抑制剤(cholinesterase inhibitors、非商標名称はそれぞれtacrineとdonepezil) で、コリンエステラーゼ(Cholinesterase)はアセチルコリン(acetylcholine)分解反応中のカギとなる酵素で、これら薬物はコリンエステラーゼ(cholinesterase)の作用を阻害することによりアセチルコリン(acetylcholine)の分解を抑制する。
【0008】
該薬物の内2種は脳中アセチルコリン(acetylcholine)の含量を増やすことができ、2種は記憶の喪失を遅らせることができ、しかも患者が日常生活で必要とする動作の執行を助けることができる。
しかし、これら薬物はアルツハイマー病を治療することができるのではなく、アルツハイマー病の症状を軽減することができるだけである点を忘れることはできない。
【0009】
この他、これら薬品は患者に対して不快感、頭痛、下痢、不眠、疼痛、幻覚或いはめまい等のいくらかの副作用をもたらすため、実用的なアルツハイマー病の治療薬とは言えない。
【0010】
よって、明確な不良副作用が一切ない状態で、アルツハイマー病の患者を効果的に治療し、或いはアルツハイマー病の予防に効果を上げることができる薬物の開発が待たれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする主な課題は、確実にアルツハイマー病を治療及び予防する機能と効果を備える組合物を提供することで、また本発明が解決しようとする次の課題は、アルツハイマー病を治療及び予防すると同時に、明確な不良副作用が一切発生しないアルツハイマー病を治療及び予防する組合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は下記のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物を提供する。
モナコリン(monacolins)、抗炎症物質と抗酸化物質の組合物を含み、錠剤、カプセル、粉末、飲料等方式に応用し消費者の服用に供することができ、この三類の物質が形成する組合物を利用しアルツハイマー病を治療及び予防することができ、
本目的実施例中において、モナコリン(monacolins)の有効最低含量は少なくとも100μg以上で、抗酸化物質の有効最低含量は少なくとも40μg以上で、抗炎症物質の有効最低含量は少なくとも10μg以上で、モナコリン(Monacolins)、抗炎症物質、抗酸化物質の最適重量比が40:2:1である方式で実施し、治療と予防及び明確な不良副作用が一切発生しない機能と効果を確実に達成することができ、
さらに本発明中ではさらにアルツハイマー病を治療及び予防する組合物を提供し、それはモナコリン(monacolins)、抗炎症物質を含む組合物で、モナコリン(monacolins)の有効最低含量は少なくとも200μg以上必要で、抗炎症物質の有効最低含量は少なくとも60μg以上必要で、モナコリン(Monacolins)と抗炎症物質の最適重量比が10:1で、この組合物によりアルツハイマー病を確実に治療及び予防することができ、さらに明確な不良副作用が一切生じない機能と効果を達成することができ、
さらに本発明中に掲示するアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法のステップは以下の通りで、
先ず、ある種の米を洗浄し、高圧高温環境下で滅菌を行い、続いて特定の紅麹菌株を種菌培養基中に植え付け、第一特定温度湿度環境、特定震動環境、第一特定時間制限において接菌を行い、接菌完成後、第一特定温度環境中において種菌培養基を撹拌し、第二特定時間制限内において特定比率の水分を持続的に提供し、第三特定時間制限内と第一特定温度環境中において一定時間毎に適当に撹拌し後熟(afterripening)を達成し、発酵完成後の紅麹発酵物を取り出し、第四特定期間内において第二特定温度を保持しそれを乾燥化し、既に乾燥した紅麹発酵物を磨り潰し粉末状とし、成分比条件に符合するかどうかを分析し、本発明のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物に符合するなら、準備が完了した該紅麹発酵物の粉末を特定の比率で食用可能な飲料中に添加しアルツハイマー病を治療及び予防可能な紅麹飲料品を製造し、また準備が完了した該紅麹発酵物の粉末をカプセル中に充填し、或いは錠剤に製造し、この方式を通して本組合物を実施することができ、アルツハイマー病を確実に治療及び予防することができ、さらに明確な不良副作用が一切生じない機能と効果を達成することができる。
【発明の効果】
【0013】
上記のように、本発明は紅麹米中のモナコリン(monacolins)、抗炎症物質、抗酸化物質によりアルツハイマー病を治療及び予防する組合物で、錠剤、カプセル、粉末、飲料等方式に応用し消費者の服用に供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の詳細内容及び技術について以下に説明する。
本発明はアルツハイマー病を治療及び予防する組合物で、本発明の組合物を紹介する前に、先ず本発明の概念について説明する。
アルツハイマー病形成の主要な素因は、アミロイドβプロテイン (amyloid β-protein, Aβ) が脳に大量に沈殿することで、これにより神経伝達物質の欠乏と酸化炎症反応を引き起こし、病情が徐々に重くなっていく。Aβ は、セクレターゼ (secretase)がアミロイド前駆プロテイン (amyloid precursor protein, APP)に対して特殊性位置の切断を行った後に発生する切片プロテインである。切断の酵素はα、β及びγ-セクレターゼ(γ-secretase)を含む。
【0015】
Aβはβ-セクレターゼ(β-secretase)を経過し671、672を連接するアミノ酸ボンドを切断することができ、及びγ-セクレターゼ(γ-secretase)はAPP上の713付近位置を切断後、Aβ切片を発生することができる。酵素がアミノ酸序列に対して切断する時、1-40、1-42 切片の他にその他の切片が発生する。
【0016】
もしAPPが単独でα-セクレターゼ(α-secretase)に切断され sAPP-α とp10 kDaの切片を発生するなら、 p10はまたγ-セクレターゼ(γ-secretase)により切断されp 3とp 7切片を発生する。内、p3は小切片のAβである。
別に、もし APPが単独でβ-セクレターゼ(β-secretase)に切断されsAPP-βとp12 kDa の切片を発生するなら、p12切片も再度γ-セクレターゼ(γ-secretase)により切断されAβとp7切片 (Evin et al. 2003; Shoji et al. 1992)を発生する。
【0017】
これら小切片は脳中において、集合する能力はないが、異なる型態のセクレターゼ(secretase)の切断活性パフォーマンスを証明することができる。APPはβ-セクレターゼ(β-secretase) 及びγ-セクレターゼ(γ-secretase)の分解を経て各型態のAβを発生する。内、可溶性のAβは毒性を持たず、重合を経て繊維束(fibrils)を形成後、神経細胞に対して初めて毒性を持つ。可溶性Aβは毒性を持たず、重合を経て繊維化類澱粉様タンパク(Aβfibrils)を形成後、細胞内カルシウムイオン平衡の破壊と酸化圧力誘発等メカニズムを経て始めて神経細胞を毒殺する。Aβ重合物はまた細胞内タウ(tau)プロテインの過燐酸化 (hyperphosphorylation)促進を経て神経突起の伸張を妨げ、細胞を死亡させる。
【0018】
この他、Aβ 繊維束はまた脳中マイクログリア(microglia)とアストロサイト( astrocyte)膜上の特殊レセプターとの結合により、それを活性化する。前者は多種の神経毒素を放出し、インターロイキン-l (IL-1)、インターロイキン-6 (IL-6)、腫瘍壊死因子 (TNF-α) 等の炎症を起こす物質及び酸化窒素、スーパーオキシマイナスイオン等のフリーラジカルは神経細胞を攻撃し、その死亡を招く。近年では、19対目に位置する染色体上のアポリポプロテインE (ApoE, apolipoprotein E)遺伝子とアルツハイマー病には関連があり、その ApoEとAβは迅速に結合し、脳中に沈殿し老人斑を形成し、神経細胞の壊死を引き起こすことが発見された。
【0019】
この他、心血管疾病とアルツハイマー病には一定の相関性があることが多くの文献中で指摘されている。
Martha等の65歳以上の老人を調査対象とした研究において、食生活により心血管疾病を引き起こし易い飽和脂肪酸を豊富に摂取する老人は、追跡調査により平均4年後に多数がアルツハイマー病に罹患した。反対に、食生活により多元不飽和脂肪酸と単元不飽和脂肪酸を多く摂取する老人は、逆相関 (Freund-Levi et al. 2006)にある。
【0020】
また多くの研究がアルツハイマー病を引き起こすAβの発生と細胞内脂質代謝の相関 (Frears et al. 1999; Kuo et al. 1998; Roher and Kuo 1999)を証明している。
【0021】
近年の研究は、Aβは細胞内コレステロールの分布とコレステロールエステル化作用を受け、変化する(Frears et al. 1999)と指摘する。
ApoEは血漿中コレステロールの含量を上げ、心血管疾病を引き起こす危険因子の一つである。
【0022】
Puglielli等は2001年、ハムスターの細胞内アセチルコリン分解酵素の活性がコレステロールエステルの含量と正相関 (Puglielli et al. 2001; Zhao et al. 2005)を呈することを指摘した。よって心血管疾病とアルツハイマー病には正相関性があると言える。
【0023】
よって、本発明の組合物は脳中におけるAβ沈殿の低下及び心血管疾病を低下させる飽和脂肪酸に着目し、アルツハイマー病を治療する。
【0024】
近年、紅麹菌(Monascus species)に関する研究は増加しており、紅麹は複合式多機能を持つ保健食品としての発展が期待される。紅麹中のモナコリンK(モナコリンK(monacolin K))、γ-アミノブチル酸 (γ-aminobutyric acid,GABA)、抗酸化物質は本発明の実証により、アルツハイマー病を治療及び予防することができる可能性が大幅に向上した。
【0025】
モナコリンK(monacolin K)の別名はロバスタチン(lovastatin)を含み、コレステロール合成の速度を制限する酵素である3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイムAレドゥクターゼ(3-hydroxy-3-methylglutaryl-coenzyme A reductase, HMG CoA reductase)の抑制剤で、スタチン(statin)類の化合物に属する。臨床でもこの類の化合物は心血管疾病 (cardiovascular disease, CAD)の改善に有効であることが既に実証されている。
【0026】
近年の流行病学研究では、スタチン(statin)類薬物はアルツハイマー病患者治療において確実に良好な改善効果があることが指摘されている。欧州医師研究データベース(UK General Practitioners Research Database)では、スタチン(statin)類薬物がアルツハイマー病を治療する時、70%の患者は明確な改善効果(Jick et al. 2000)があると記載されている。
【0027】
類似実験にはさらに2000年Wolozin等が米国の三つの異なる医院において60歳以上のアルツハイマー病を罹患する老人を被験者とし行った実験を含む。その診断結果はNINCDS-ADRDA (National Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke and the Alzheimer's Disease and Related Disorders Association)の標準に基づく。この試験は被験者を三組に分け、A組は制御組、B組はスタチン(statins)を使用し治療する者、C組は他の心血管疾病薬(血圧低下薬物を含む)により治療する者とした。その結果は驚くべきことにスタチン(statins)により治療した患者では、アルツハイマー病罹患の程度が70%低下し、内、ロバスタチン(lovastatin)とプラバスタチン(pravastatin)の効果が最良であった (Wolozin et al. 2000)。
【0028】
アルツハイマー病の患者脳中では、ニコチニック(nicotinic)、ムスカリニック(muscarinic)、セラトニン(serotonin)、グルタメート(glutamate)レセプター及びγ-アミノブチル酸 (γ-aminobutyric acid, GABA)、セラトニン(serotonin)、ノレピネフリネ(norepinephrine)等神経衝動伝達因子はすべて欠損の現象が見られる。大脳は老化の過程において、体積が10%減少するが、主要な原因は大脳皮質神経の数の減少で、ある区域では30-50%も減少する。別に、アセチルコリン、GABA、カテコラミン(catecholamine) 等神経伝達物質もまた減少する。これら物質の減少により、大脳の認知機能は低下し、或いは記憶能力に障害が起きる。最も早い症状は記憶力の減退、事物に対する判断能力の喪失で、迷子になり易く、末期には言語障害、異常行為、痙攣、生活能力の喪失が現れる(Mohr et al. 1994)。
【0029】
ミトコンドリアがO2 或いはH2O2、OH.を過多に欠損すると、高反応性 OH.を形成する。Aβはフリーラジカル酸化を経て、不溶性 Aβを生成し、使アルツハイマー病をさらに悪化させる(Hsieh and Tai 2003)。ビタミンC(vitamin C)及びビタミンE(vitamin E)合併製剤等の抗酸化剤の服用はアルツハイマー病の現象を緩和することが実験により発見された(Yallampalli et al. 1998; Yamada et al. 1999)。また、セラムルド(ceramlde)等の天然の神経ミエリンは、Aβ及びFeSO4が引き起こす海馬神経損傷の作用に対抗することができる(Abousalham et al. 2002)。紅麹の抗酸化能力は1999年にAniya等により紅麹中のジメルミック酸(dimerumic acid)の抗酸化メカニズムが発表されており、それはOH、O2、フェリル-Mb(ferryl-Mb)、ペロキシルラジカルズ(peroxyl radicals)と脂質過酸化(LPO)に対する抑制作用を除去することができ、電子を酸化物に提供し、これによりそれ自身をニトロサイドラジカル(nitroxide radical)に酸化させる。このニトロサイドラジカル(nitroxide radical)はさらにすべて除去され、抗酸化の効果を達成する(Taira et al. 2002)。紅麹の抗酸化効果はアルツハイマー病の予防に運用可能で、酸化フリーラジカルの攻撃を受け病状が悪化することを防ぐことができる。
【0030】
本発明は既に2007 年7月20日、Journal of Neuroscience Research (Lee CL, Kuo TF, Wang JJ, Pan TM: Red mold rice ameliorates impairment of memory and learning ability in intracerebroventricular amyloid beta-infused rat via repressing amyloid beta accumulation. J Neurosci Res. 2007, 85, 3171-7182.)に発表されている。
【0031】
本発明の研究が採用する動物は、国立台湾大学医学院実験動物センターから、Wistar品種の雄ラットで、週齢は8週、体重約250 gのものを購入する。各組7匹を空調を備えた空間で飼育し、温度は23±1℃に維持し、灯光は点灯12 時間消灯12時間に制御し(08:00点灯、20:00消灯)、食物と水は制限しない。ラットを体重300 gまで飼育し、実験分組と脳へのポンプ移植手術を行う。各組の一日あたり紅麹米摂取量とAβ40の注射量は3-2に示す。
【0032】
Vehicle組は手術を行うが、Aβ40を接種せず、記憶学習能力が正常なラットとする。
【0033】
Aβ組は手術を行いAβ40を接種し、記憶学習能力に障害があるアルツハイマー病ラットとする。
【0034】
紅麹米の摂取剤はFDAが公告している人体体表面積換算公式(Boyd’s Formula of Body Surface Area)に基づき計算した(Boyd 1935; Lee et al. 2006)。本研究の倍の紅麹米摂取剤は成人(170 cm,65 kg)が一日あたり紅麹米2 g摂取に相当する。
RH組は高剤量の紅麹米摂取組で、LS組はRL組と相同剤量のロバスタチン(lovastatin、1.43 mg/kg rat)を毎日摂取し、単純なモナコリンKとモナコリン、抗酸化物、抗炎症物質を含む紅麹組合物のアルツハイマー病治療と予防における効果を比較する。
【0035】
本発明の実験はAβ40を連続28日間ラット脳に注入し、Aβ40を脳に直接大量に沈殿させアルツハイマー病を引き起こす。試験期間は一日あたり紅麹発酵産物或いは相同濃度の ロバスタチン(lovastatin)を与え、紅麹の既に生成されたAβ毒性に対する抑制効果を観察し、記憶学習能力に対する影響を評価する。連続28日間Aβ40をラットの脳に注入し、脳アセチルコリン分解酵素活性、活性酸素原子 (reactive oxygen species, ROS) 生成量と脂質過酸化の程度を上昇させ、総抗酸化力とスーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide dismutase、SOD) 活性を低下させた後、紅麹米を与えることで、これら脳にAβ40を注入したことによる損傷を顕著に抑制できたことを本発明の実験結果は示している。しかもその効果はロバスタチン(lovastatin)薬物治療組に比べて良好であった。この他、酸化炎症反応を抑制することにより、注入されたAβ40は海馬組織中で大量に沈殿することがない。これにより紅麹米はアルツハイマー病危険因子を低下させ、記憶学習能力を改善する効果を備え、しかもその効果はロバスタチン(lovastatin)薬物より顕著であることが初めて実証された。
本発明の試験組分けを表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
本発明の試験装置は図1に示すように、該試験装置10は大きさが相同の明室11と暗室12を含む。両室の中央には10 (W) × 10 (D) cmのゲート13があり、該ゲート13が開くと、該明室11と該暗室12は相通する。該明室11は光の照射があり、該暗室12は光の照射がない。しかもその底部には間隔が1 cmの平行に排列する金属線14を設置し、電流を流す。
【0038】
実験の流れは、先ず各組のラットを順番に明室11に入れ、しかも同時にゲート13を開く。ラットが暗室12に進入後、直ちにゲート13を閉め、同時に該金属線14に電流(100 V, 0.3 mA, 2 sec)を流し、電流刺激の5 秒後に、暗室からラットを取り出し、飼育ケースに戻す。もしラットが300秒後に暗室12に進入しないなら、ラットを無理に暗室12に進入させ、ゲート13を閉める。同時に暗室12底部の金属線14に電流を流し、再度飼育ケースに戻す。訓練後24時間、48時間にラットを明室11に入れ、同時にゲート13を開き、ラットの明室11における滞留時間(step-through latency)を測定し記録する。明室11における滞留時間が300秒以上である時、ラットの学習記憶能力は正常であると見なす。
【0039】
ラットが明室11に停留し暗室12に進入するまでの時間は、受動回避試験中記憶学習能力を評価する指標として見なすことができる。図2に示すように、すべてのラットは暗闇に向う特性により第一回試験時には直ちに暗室12中に入るが、暗室12中での電撃刺激により、正常な記憶学習能力を備えるラットは、次の試験中では怯え、暗室12に入らない。よって、第二回試験中の各組実験動物が明室11に停留する時間は、記憶学習能力の差異により顕著な差異を備える。第二回試験の結果が示すように、Aβ組が明室に停留する時間は顕著に賦形剤(vehicle)組より低い。試験組RLとRH組は明室における停留時間は顕著にAβ 組より長い(p<0.05)。ロバスタチン(lovastatin)組の効果は相同のモナコリンK(monacolin K)含量を備えるRL組に及ばないが、記憶学習の効果は依然としてAβ組より顕著に高い。
【0040】
本発明の別の試験装置は図3に示すように、それは水迷宮装置20で、その円形プール21の直径は140 cmで、高度は45 cmである。プール中には移動可能な休息プラットフォームP1 (或いはエスケーププラットフォーム、escape platform)を含む。プラットフォームの直径は12 cmで、高度は 25 cmである。実験進行前に円形プール21に水を27 cmの液面高度まで加える。該円形プール21は四個の四分円 ( I、II、III と IV 区)に区分し、5個のを設定する。該休息プラットフォームP1は任一の四分円の中心点に設置する。試験期間にはプール中心点の正上方にカメラを設置し、実験動物の遊泳ルートを記録する。
【0041】
紅麹米の脳にAβを注入されたアルツハイマー病ラットの参考記憶学習能力損傷に対する影響は図4に示す。実験動物が水迷宮装置20を起点とし休息プラットフォームP1を見つけるまでの時間は、参考記憶試験を評価する指標と見なすことができる。
【0042】
第2回から第9回までの記憶訓練の結果が示すように、Aβが注入されたアルツハイマー病ラットは総じて正常な記憶能力を備える賦形剤(vehicle)組に比べ、休息プラットフォームP1を見つけるまでより長い時間がかかる。しかし、紅麹米を与えるアルツハイマー病ラット(RL とRH組)は見つけるまでの時間を顕著に低下させることができる (p<0.05)。ロバスタチン(lovastatin)を与えることで、Aβ組に比べかかる時間は短くなるが、その効果はRL組とRH組より低く、相同の捜索時間は類似の遊泳ルート長度を現出させる。この他、各組実験動物の間の遊泳速度にも顕著な差異 (data not shown)は見られない (p>0.05)。
【0043】
空間性探測試験を24日目の最後の一回の参考記憶試験に続けて行う。休息プラットフォームP1は参考記憶試験終了後に水迷宮装置20から取り出し、実験動物が元々休息プラットフォームP1が置かれていた四分円中を徘徊する時間は空間性探測試験の記憶学習能力指標と見なすことができる。結果は図4Aに示すように、Aβ組が目標四分円中を捜索する時間は賦形剤(vehicle)組より顕著に低い(p<0.05)。RL組とRH組は目標四分円における捜索時間はそれぞれAβ組に比べ38.2% (p<0.05)と48.0% (p<0.01)高い。これは紅麹米が確実にアルツハイマー病ラットの記憶学習能力損傷を改善したことを証明している。遊泳ルートは実験動物の空間性探測試験中における記憶学習能力パフォーマンスの真実性の判断を助けることができる。図4Bに示すように、Aβ組は空間性探測試験中において方向性と目標性がない状態で目標四分円を捜索し、しかも遊泳のルートは円形プール21全体に及んでいる。反対に、最適な記憶学習能力を備えるRL組、RH組と賦形剤(vehicle)組は直接目標四分円中に泳いで入り、しかも目標区域においてより長い時間徘徊している。しかし、ロバスタチン(lovastatin)を与えた組は依然としてRL組とAβ組の間の効果を記憶学習能力の改善において示している(図4Bと図4C)。作業記憶試験は短期記憶学習能力の評価方式の一種で、その結果は図5に示すように、Aβ 組は休息プラットフォームP1を捜索する時間は、賦形剤(vehicle)組より顕著に長い(p<0.01)。しかし、RL組とRH組は作業記憶試験中において正常記憶能力の賦形剤(vehicle)組と同じような記憶学習効果を示しており、それぞれAβ組に比べ57.3%と58.9%の捜索時間を短縮している(p<0.01)。LS組はAβ組に比べ顕著に26.7%の捜索時間を短縮しているが(p<0.05)が、その効果はRL組とRH組より低い (p<0.05)。
【0044】
Aβ はアルツハイマー病患者の記憶学習能力不足の主要な危険因子(Hashimoto et al. 2005; Stephan and Phillips 2005)であることが既に実証されている。Aβ40をラット脳の側頭野に注入する方式はアルツハイマー病の動物パターンを作ることができることは既に実証されている(Stephan and Phillips 2005)。しかも、この種の方式で作られたパターン動物はまた記憶行為と学習能力不足の特性を備える (Kar et al. 1998; Schubert et al. 1995; Townsend and Pratico 2005)。注入されたAβはフリーラジカルと活性酸素原子を誘発し、神経元の損傷と突起延伸は抑制を受け、これにより記憶学習能力の不足を招く(Townsend and Pratico 2005)。よって、現在いくつかの研究は抗酸化と抗炎症物質によりこれらアルツハイマー病脳中の酸化炎症危険因子を低下させ、記憶学習能力の損傷を軽減する(Chauhan et al. 2004; Cordle et al. 2005)。
【0045】
モリス(Morris)水迷宮試験は記憶学習能力を評価する主要な方法の一つである。内、参考記憶試験が代表するのは、長期記憶能力の評価方法で、作業記憶試験は短期記憶能力の評価方式に属する。上記記憶学習試験の結果によれば、倍の剤量と五倍剤量の紅麹米を与えたアルツハイマー病ラットは参考記憶試験と作業記憶試験の捜索時間を短縮することができた (p<0.05)。この他、紅麹米を与えた組はさらに空間性探測試験中において目標四分円における捜索時間を延長することができた。これら結果から紅麹米を与えることで、記憶学習能力を改善し、より短い時間で水迷宮の休息プラットフォームを見つけることができるとはっきりと指摘することができる。反対に、未治療のアルツハイマー病ラットは目標性のない状態で水迷宮全体を探し回る。よって、参考記憶と作業記憶試験中においてより多くの時間を費やす。
【0046】
モナコリンK(monacolin K)は紅麹米がコレステロールを低下させる主要機能と効果成分の一つで、スタチン(statin)類化合物は脳Aβの生成抑制と抗炎症の効果を備えるため、アルツハイマー病を治療する新興薬物として認識されている (Chauhan et al. 2004; Li et al. 2006)。多数のアルツハイマー病治療に関する研究ではすべて使用スタチン(statins)を使用し、アルツハイマー病の遺伝子を移植したマウスの脳Aβの生成を抑制している (Yamada et al. 1999)。現在知られている研究中では、ロバスタチン(lovastatin)によりAβを注入したアルツハイマー病パターンラットの記憶学習能力の損傷を軽減するものは未だない。本研究は、ロバスタチン(lovastatin)を紅麹米中のモナコリンK(monacolin K)の代用とし、紅麹米中のモナコリンK(monacolin K)がアルツハイマー病記憶学習能力損傷を軽減することができる唯一の物質であるかどうかを確かめる。但し、上記記憶学習試験の結果が示すように、ロバスタチン(lovastatin)を与えた組の記憶学習能力損傷を軽減する効果は相同のモナコリンK(monacolin K)濃度を備えるRL組より弱い。よって、紅麹米中のモナコリンK(monacolin K)はAβが引き起こす記憶能力損傷を軽減する唯一の効果性成分ではないことが実証される。
【0047】
モナコリンK(monacolin K)は紅麹米がコレステロールを低下させる主要機能と効果成分の一つで、スタチン(statin)類化合物は脳Aβの生成抑制と抗炎症の効果を備えるため、アルツハイマー病を治療する新興薬物として認識されている (Chauhan et al. 2004; Li et al. 2006)。多数のアルツハイマー病治療に関する研究ではすべて使用スタチン(statins)を使用し、アルツハイマー病の遺伝子を移植したマウスの脳Aβの生成を抑制している (Yamada et al. 1999)。現在知られている研究中では、ロバスタチン(lovastatin)によりAβを注入したアルツハイマー病パターンラットの記憶学習能力の損傷を軽減するものは未だない。本研究は、ロバスタチン(lovastatin)を紅麹米中のモナコリンK(monacolin K)の代用とし、紅麹米中のモナコリンK(monacolin K)がアルツハイマー病記憶学習能力損傷を軽減することができる唯一の物質であるかどうかを確かめる。但し、上記記憶学習試験の結果が示すように、ロバスタチン(lovastatin)を与えた組の記憶学習能力損傷を軽減する効果は相同のモナコリンK(monacolin K)濃度を備えるRL組より弱い。よって、モナコリンK(monacolin K)の食用は、Aβが引き起こすアルツハイマー病の症状を確実に有効に改善することができる。
【0048】
現在アルツハイマー病の治療はアセチルコリン分解酵素活性を抑制し、アセチルコリン濃度を上げ、認知と記憶行為を改善することに重きが置かれている (Nabeshima and Nitta 1994)。アルツハイマー病パターン動物を作る相関研究はまた、連続でAβをラット脳に注入すると、コリン神経機能衰退と不足の神経毒性を引き起こすことを実証している。研究はまた脳にAβを注入したアルツハイマー病ラットの脳アセチルコリン含量は正常なラットに比べ明らかに不足していることを実証している (Arendt et al. 1984; Darvesh et al. 2004)。アセチルコリン濃度の低下とアセチルコリン分解酵素活性の増加に従い、神経元の喪失はさらにはひどくなる (Stephan and Phillips 2005)。この他、アセチルコリン分解酵素活性の増加はまたAβの重合程度をさらにはひどくすることが示されており、しかも安定と毒性がさらに強い繊維化類澱粉様タンパク(Aβfibrils)を形成することが示されている(Stephan and Phillips 2005)。よって、アセチルコリン分解酵素活性の抑制は間接的にAβが引き起こす記憶学習能力不足を抑制する神経保護作用があると認められる。図6は紅麹米のAβ40を脳に注入したラット大脳皮質と海馬組織中アセチルコリン分解酵素活性への影響を示す。図中ではAβ組大脳皮質のアセチルコリン分解酵素活性は賦形剤(vehicle)組より50.5%高く、海馬組織中では179.1%上げることが分かる。倍と五倍剤量の紅麹米を与えると、Aβが高めるアセチルコリン分解酵素活性が顕著に抑制される。しかし、ロバスタチン(lovastatin)は大脳皮質と海馬組織中のアセチルコリン分解酵素活性に対して抑制効果は備えない。この結果は紅麹米中にはアセチルコリン分解酵素活性を抑制する物質を備えることを実証している。この物質はモナコリンK(monacolin K)ではなく、他の機能性代謝物である。ロバスタチン(lovastatin)がアセチルコリン分解酵素活性を抑制するとの研究は少なく、ある研究ではロバスタチン(lovastatin)はアセチルコリン分解酵素の活性に対して顕著な抑制効果を備えないと示している。この研究結果と本発明の趨勢は符合する。モナコリンK(monacolin K)以外に、紅麹米の複合性機能代謝物は他のアセチルコリン分解酵素抑制剤を含む。しかも紅麹米中の代謝物GABAはまた一種の神経伝達物質で、またアルツハイマー病の認知と記憶行為能力を改善することができる。
【0049】
Aβはアルツハイマー病の患者脳の酸化圧力を引き起こすことが実証されている。よって、Aβが誘発する酸化圧力の抑制はアルツハイマー病薬物開発の重要な指標と考えられる。図7に示すように、脳にAβを注入すると、大脳皮質と海馬組織中の総抗酸化状態 (total antioxidants status, TAS) を引き起こし、それぞれ賦形剤(vehicle)組に比べ20.9% と20.4%低下させることができる。ロバスタチン(lovastatin)を与えると、大脳皮質のTASを13.9%向上させることができるが、海馬組織中では効果を備えない。RL組の大脳皮質と海馬組織中 TASは顕著に24.6%と46.2%向上する。しかも本試験は、五倍剤量の紅麹米を与えるアルツハイマー病ラットの大脳皮質と海馬組織中のTASは共にAβ組より顕著に高いことが発見された。
【0050】
紅麹米の大脳皮質と海馬組織中マロンジアルデヒド(MDA)濃度に対する影響は図8に示す。大脳皮質と海馬組織中のMDA濃度は、脳にAβを注入後、それぞれ顕著に95.3%と112%上がるが、この MDA 濃度の上昇は与える紅麹の剤量を上げたためで、効果的にさらに低下させることができる。
RL組とRH組の大脳皮質と海馬組織中のスーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide dismutase, SOD)活性はまた類似の神経元保護効果を呈する(図9参照)。大脳皮質と海馬組織中の SOD 活性は脳に注入するAβによりそれぞれ19.8% と 25.2%低下するが、倍の剤量の紅麹米を与えると、それぞれ大脳皮質と海馬組織中の SOD 活性は27.2%と 52.7%上がり、5 倍の紅麹米を与えるとさらにそれぞれ27.2%と 60.9%上がる。
【0051】
上記の結果から分かるように、記憶学習能力が損傷を受けたアルツハイマー病パターンラットの大脳皮質と海馬組織は共に厳重な酸化圧力がある。但し、これら酸化圧力は一日あたり紅麹米を与えることで改善され、しかもその効果は剤量効果関係を備えるだけでなく、さらにロバスタチン(lovastatin)を与えた組より優れている。紅麹発酵産物中の抗酸化物質で、現在既に知られているものには、ジメルミック酸(dimerumic acid)、タンニン(tannin)、フェノール(phenol)、モノ不飽和脂肪酸(monounsaturated fatty acid) とステロール(sterols) (Aniya et al. 1999; Wang et al. 2006)がある。
【0052】
よって本発明の抗酸化物質はジメルミック酸(dimerumic acid)、 タンニン(tannin)、 フェノール(phenol)、モノ不飽和脂肪酸(monounsaturated fatty acid)、 ステロール(sterols) と スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide dismutase、SOD)中から任意に一種を選択する。
【0053】
本発明の体内動物試験の結果は図10Aに示すように、Aβを脳に注入するとラット大脳皮質と海馬組織中の活性酸素原子(reactive oxygen species, ROS)濃度はそれぞれ顕著に39.8% と28.7%上がる(p<0.05)。一日あたり紅麹米を与えたアルツハイマー症ラットの大脳皮質と海馬組織中ROS濃度は共に低下する。内、RL組はそれぞれ16.0% (p<0.05) と21.2% (p<0.05)低下させることができ、RH 組はそれぞれ 35.4% (p<0.01) と 21.3% (p<0.05)低下させることができる。ロバスタチン(lovastatin)の摂取は大脳皮質中 ROS 濃度を29.3%低下させ、海馬組織中では15.7% ( p<0.05)低下させる。誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の海馬組織における発現量は図10Bの免疫組織染色に示すように、Aβの注入は誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現量を顕著に増加させ、 RL組とRH組の海馬組織中で発現する誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現量は顕著に抑制される。但し、抗炎症に対する効果は、ロバスタチン(lovastatin)摂取組は倍と5 倍剤量の紅麹摂取組より劣ることが分かる。
【0054】
アルツハイマー病ラットの大脳皮質と海馬組織中ROS 濃度は紅麹米摂取剤量を上げるとさらに顕著に低下する。ロバスタチン(lovastatin)は細胞パターン中においてAβが引き起こす炎症反応を効果的に低下させることが実証されているが、このような効果は動物パターン中では実証されていない。しかもスタチン(statins)の抗炎症効果もまたAβ脳注入アルツハイマー病ラットの記憶学習能力損傷軽減に応用されていない。本研究はロバスタチン(lovastatin)の摂取は脳組織中の ROS 含量と誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現量を顕著に低下させることができるが、これら効果は紅麹米摂取組にやや劣ることを実証した。近年、紅麹サブ代謝物の保健機能は徐々に開発研究されており、よって多くの抗炎症の物質も続々と発見されている。内、多種形式のモナコリン(monacolins)、6種のアザフィロネス(azaphilones)、モナスチン(monascin)、アンカフラビン(ankaflavin)、ルブロプンクタチン(rubropunctatin)、モナスコルブリン(monascorburin)、ルブロプンクタミン(rubropunctamine)、モナスコルブラミン(monascorburamine)、2種のフラノイソフラリデス(furanoisophthalides)、ザントモナシンA(xanthomonasin A)とザントモナシンB(xanthomonasin B)、及び2種のアミノ酸(amino acids)、(+)-モナスキュミック酸(monascumic acid) と (-)-モナスキュミック酸(monascumic acid)を含む (Schubert et al. 1995)。よって、モナコリンK(monacolin K)は確実にAβが引き起こす炎症反応を抑制する唯一の代謝物ではない。Akihisa等は2005年にマウス動物パターン中において紅麹米により12-O-テトラデカノイルフォルボル-13-アセテート(12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate、TPA)が引き起こす炎症反応を抑制し、主要な抗炎症物質はアザフィロネス(azaphilones)類とフラノイソフラリデス(furanoisophthalides)類の化合物であることを実証した。本研究の体外と体内動物評価の結果と紅麹抗炎症の相関研究を総合すると、紅麹米のAβが引き起こす炎症反応への抑制は主にモナコリンK(monacolin K)と他の抗炎症物質が共同で呈する協同メカニズムによると言うことができる。
【0055】
よって本発明が示す抗炎症物質はγ-アミノブチル酸(γ-aminobutyric acid,GABA)、モナスチン(monascin)、アンカフラビン(ankaflavin)、ルブロプンクタチン(rubropunctatin)、モナスコルブリン(monascorburin)、ルブロプンクタミン(rubropunctamine)、 モナスコルブラミン(monascorburamine)、ザントモナシン(xanthomonasin A) 、 ザントモナシン(xanthomonasin B)、(+)-モナスキュミック酸(monascumic acid) と (-)-モナスキュミック酸(monascumic acid)中から任意に一種を選択する。
【0056】
28日間Aβ40をラットの海馬組織に連続注入後、図11中と賦形剤(vehicle)組の比較結果から分かるように、Aβ組の海馬組織中には大量のAβ40 の沈殿が見られる。上記結果と公知の研究から分かるように、注入したAβ40は脳中において酸化圧力と炎症反応を招き、Aβ40 の沈殿を引き起こす。沈殿したAβ40含量が多くなると、さらに厳重な酸化圧力と炎症反応を引き起こし、悪循環を繰り返すことで、脳損傷の持続的な悪化を招く。ロバスタチン(lovastatin)はAβ40が引き起こす炎症反応を抑制する効果を備えるが、抗酸化圧力に対する能力は比較的弱い。よって、結果からLS 組の海馬組織中の Aβ40 はAβ組よりいくらか低いが、依然として大量のAβ40 の沈殿があることが分かる。紅麹米摂取のRL組とRH組はAβ40累積量を低下させる顕著な効果を示す。紅麹米はAβ40の海馬組織における累積量を低下させるが、それはは主に酸化圧力と炎症反応に対する抑制による。脳に注入されたAβ40は酸化炎症物質の影響を受けず沈殿しない。こうしてAβ40は脳に対して損傷を引き起こすことはできず、こうして記憶学習の能力を効果的に改善することができる。
【0057】
本発明のアルツハイマー病を治療及び予防するモナコリン(monacolins)、抗炎症物質、抗酸化物質を含む組合物はすべて、紅麹米においてアルツハイマー病の症状を改善することができる。
第一実施例中では、1gの紅麹米中のモナコリン(monacolins)の有効最低含量は少なくとも100μg以上で、1gの紅麹米中の抗酸化物質の有効最低含量は少なくとも40μg以上で、1gの紅麹米中の抗炎症物質の有効最低含量は少なくとも10μg以上である。
内、モナコリン(Monacolins)、炎症物質、抗酸化物質の最適重量比が40:2:1である時、第一実施例中では最適の効果を達成した。この他、モナコリン(Monacolins)、炎症物質、抗酸化物質の有効重量比の範囲が10:4:1 から90:2:1まですべて実施可能で、錠剤、カプセル、粉末、飲料品等方式で応用し消費者の服用に提供することができる。
【0058】
この他、第二実施例中において、1gの紅麹米中のモナコリン(monacolins)の有効最低含量は少なくとも200μg以上で、1gの紅麹米中の抗炎症物質の有効最低含量は少なくとも60μg以上である組合物中にも、上記過程中の効用が見られる。本第二実施例中では、モナコリン(monacolins)、抗炎症物質の組合物を使用し、アルツハイマー病を治療及び予防することができ、内モナコリン(Monacolins) と炎症物質の最適重量比が10:1である時、第二実施例中では最適の効果を達成した。この他、モナコリン(Monacolins)と炎症物質の有効重量比の範囲は10:3から45:1まで第二実施例中において実施可能で、錠剤、カプセル、粉末、飲料等方式に応用し消費者の服用に供することができる。
【0059】
紅麹米内に含まれる抗炎症物質はγ-アミノブチル酸(γ-aminobutyric acid,GABA)で、しかも紅麹米は天然食品で、特定の方式により発酵精錬されるため、人体に対して明確な不良副作用を一切生じない。よって紅麹米をアルツハイマー病を治療する調理食品とすれば、その効果は顕著であるばかりか、一般の薬品が患者に対して生じる多種の副作用は発生しない。すなわち人類に福をもたらす発明である。
【0060】
図12、13、14に示すように、本発明のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法は以下の通りである。
先ず、ある種の米を洗浄し、高圧高温環境下で滅菌を行う(ステップ100)。この米種は台湾固有の米種で、この高圧高温環境は121℃及び1 kg/cm2の圧力環境である。
続いて、特定の紅麹菌株を種菌培養基中に植え付け、第一特定温度湿度環境、特定震動環境、第一特定時間制限において接菌を行う(ステップ110)。この種菌培養基は少なくとも5gの該米種を蒸留無菌水100ml中に浸し組成し、この第一特定時間制限とは48時間後を指し、この第一特定温度は30℃に保持し、この特定震動環境は100から150 rpm(revolutions per minute)に保持する。つまり紅麹菌株を種菌培養基に接種し、30℃、125 rpm振動を保持し約48時間培養後に接菌を行う。固態培養基500gを計り、洗浄後、6〜8 時間水に浸す。ガーゼで水を切った後、麹布の上に置き、麹盤中に平らに広げ、殺菌 (121℃,20〜25 min)を行う。さらに、100 mLの水を振り掛ける。第二回殺菌を行い(121℃,20 min)、冷卻後接菌を行う。種菌液を取り固態基質中(5%)に入れ、充分に撹拌し均一にする。
【0061】
続いて該第一特定温度環境中において該種菌培養基を撹拌し、第二特定時間制限内において特定比率の水分を継続的に提供(ステップ120)する。この第二特定時間制限とは72時間以内を指し、この該特定比率の水分とは20%の蒸留無菌水を指し、72時間内において、24時間毎に該種菌培養基を撹拌し、20%の蒸留無菌水を補充し、30℃の恒温箱中において培養する。
【0062】
さらに第三特定時間制限内と該第一特定温度環境中において一定時間毎に適当に撹拌し後熟(afterripening)を達成(ステップ130)する。後熟(afterripening)とは代謝物生成の段階を指し、この第三特定時間制限内とは96時間以内を指し、この固定時間とは10時間毎を指す。96時間以内に、平均10時間毎に種菌培養基に対して適当に撹拌する。
【0063】
次に発酵完成後の紅麹発酵物を取り出し、第四特定期間内において第二特定温度を保持しそれを乾燥化(ステップ140)する。この第四特定期間とは24時間以内を指し、この第二特定温度とは55-60℃を保持することを言う。このステップで麹を取り、発酵完成後の紅麹発酵物を取り出し、乾燥箱内で24時間60℃の乾燥プロセスを行う。
【0064】
続いて既に乾燥した該紅麹発酵物を磨り潰し粉末状とし、成分比条件に符合するかどうかを分析(ステップ150)する。この成分比条件とは該組合物がモナコリン(monacolins)、抗炎症物質、抗酸化物質を含み、この三種の物質の有効重量比の範囲が10:4:1から 90:2:1であることを指す。この範囲において該成分比条件に符合するかどうかを確認し、もし符合しないなら、製造過程が失敗したことを示しているため、プロセスを終了する。
【0065】
範囲の確認において、さらにステップAとステップBを含む。図13、14に示すように、ステップAの後、準備が完了した該紅麹発酵物の粉末を特定の比率で食用可能な飲料中に添加しアルツハイマー病を治療及び予防可能な紅麹飲料品を製造し(ステップ160)、本製造工程を完成する。この特定比例とは1.0〜4.0%の間である。
【0066】
ステップBの後、準備が完了した該紅麹発酵物の粉末をカプセル中に充填し、或いは錠剤に製造し(ステップ170)、本製造工程を完成する。
本実施製造方式は伝統的な麹盤を通して培養を行うことができる。長さ、幅、高さが各約20 × 30 × 5 cmの比較的小型の麹盤を製造する。
【0067】
培養時には底層に麹布を置き固態基質を包む。これは麹の裏返しに有利であると、同時に湿度を保持することもできる。
【0068】
上層には麹布で覆い、外界からの汚染を防止し、同時に発酵過程において紅麹米の湿度を保持することができる。培養過程全体は開放式空間で行う。こうして、本製造方式を通して本発明の組合物を確実に実施可能で、錠剤、カプセル、粉末、飲料品等に応用することができる。
【0069】
本発明は上記に最適実施例を掲示したが、これは本発明を制限するものではない。当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の製品と領域を脱しない範囲内で、他のモナコリン(monacolins)、抗炎症物質、抗酸化物質を含みアルツハイマー病を治療するあらゆる物品(紅麹米に限定しない)等、各種の変動や潤色を加えることができる。よって本発明の保護範囲は特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明試験装置の指示図である。
【図2】ラットが明室に停留し暗室に進入するまでの時間統計図である。
【図3】本発明水迷宮装置と分区域の指示図である。
【図4】紅麹米のアミロイドβ40 (Aβ40)を脳に注入したラットに対する参考記憶試験とプルーブテスト(probe test)中における記憶学習能力影響図である。
【図5】紅麹米のAβ40を脳に注入したラットに対する作業記憶試験中における記憶学習能力である。
【図6】紅麹米のAβ40を脳に注入したラット大脳皮質と海馬組織中アセチルコリン分解酵素活性に対する影響図である。
【図7】脳にAβを注入したラット大脳皮質と海馬組織中の総抗酸化剤状態 (TAS) 比較図である。
【図8】紅麹米のラット大脳皮質と海馬組織中マロンジアルデヒド(MDA)濃度に対する影響図である。
【図9】紅麹米のラット大脳皮質と海馬組織中スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide dismutase、SOD)活性に対する影響図である。
【図10】紅麹米の脳にAβ40を注入したラット大脳皮質と海馬組織中活性酸素原子 (ROS)含量と海馬組織中誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)発現量に対する影響である。
【図11】Aβ40をラットの海馬組織に連続で注入後、Aβ40の沈殿指示図である。
【図12】本発明のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方
【図13】本発明のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法である。
【図14】本発明のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法である。
【符号の説明】
【0071】
10 試験装置
11 明室
12 暗室
13 ゲート
14 金属線
20 水迷宮装置
21 円形プール
P1 休息プラットフォーム
ステップ100 ある種の米を洗浄し、高圧高温環境下で滅菌を行う。
ステップ110 特定の紅麹菌株を種菌培養基中に植え付け、第一特定温度湿度環境、特定震動環境、第一特定時間制限において接菌を行う。
ステップ120 該第一特定温度環境中において該種菌培養基を撹拌し、第二特定時間制限内において特定比率の水分を継続的に提供する。
ステップ130 第三特定時間制限内と該第一特定温度環境中において一定時間毎に適当に撹拌し後熟(afterripening)を達成する。
ステップ140 発酵完成後の紅麹発酵物を取り出し、第四特定期間内において第二特定温度を保持し、その乾燥化を行う。
ステップ150 既に乾燥した該紅麹発酵物を磨り潰し粉末状とし、成分比条件に符合するかどうかを分析する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルツハイマー病を治療及び予防する組合物はモナコリン(monacolins)、抗炎症物質、抗酸化物質を含む組合物であることを特徴とするアルツハイマー病を治療及び予防する組合物。
【請求項2】
前記モナコリン(monacolins)の有効最低含量は少なくとも100μg以上であることを特徴とする請求項1記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物。
【請求項3】
前記抗酸化物質の有効最低含量は少なくとも40μg以上であることを特徴とする請求項1記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物。
【請求項4】
前記抗酸化物質はジメルミック酸(dimerumic acid)、タンニン(tannin)、フェノール(phenol)、モノ不飽和脂肪酸(monounsaturated fatty acid)、ステロール(sterols)及びスーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide dismutase、SOD)の組合せ中から任意に一つを選択することを特徴とする請求項1記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物。
【請求項5】
前記抗炎症物質の有効最低含量は少なくとも10μg以上であることを特徴とする請求項1記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物。
【請求項6】
前記抗炎症物質はγ-アミノブチル酸、モナスチン(monascin)、アンカフラビン(ankaflavin)、ルブロプンクタチン(rubropunctatin)、モナスコルブリン(monascorburin)、ルブロプンクタミン(rubropunctamine)、モナスコルブラミン(monascorburamine)、ザントモナシン(xanthomonasin A)、ザントモナシン(xanthomonasin B)、(+)-モナスキュミック酸(monascumic acid)及び(-)-モナスキュミック酸(monascumic acid)の組合せ中から任意に一つを選択することを特徴とする請求項1記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物とその製造方法。
【請求項7】
前記モナコリン(Monacolins)、該抗炎症物質、該抗酸化物質の最適重量比は40:2:1であることを特徴とする請求項1記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物とその製造方法。
【請求項8】
前記モナコリン(Monacolins)、該抗炎症物質、該抗酸化物質の有効重量比の範囲は10:4:1から90:2:1であることを特徴とする請求項1記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物とその製造方法。
【請求項9】
アルツハイマー病を治療及び予防する組合物はモナコリン(monacolins)と抗炎症物質を含むことを特徴とするアルツハイマー病を治療及び予防する組合物。
【請求項10】
前記組合物は紅麹米であることを特徴とする請求項7記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物。
【請求項11】
前記モナコリン(monacolins)の有効最低含量は少なくとも200μg以上であることを特徴とする請求項7記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物。
【請求項12】
前記抗炎症物質の有効最低含量は少なくとも60μg以上であることを特徴とする請求項7記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物。
【請求項13】
前記抗炎症物質はγ-アミノブチル酸、モナスチン(monascin)、アンカフラビン(ankaflavin)、ルブロプンクタチン(rubropunctatin)、モナスコルブリン(monascorburin)、ルブロプンクタミン(rubropunctamine)、モナスコルブラミン(monascorburamine)、ザントモナシン(xanthomonasin A)、ザントモナシン(xanthomonasin B)、(+)-モナスキュミック酸(monascumic acid)及び(-)-モナスキュミック酸(monascumic acid)の組合せ中から任意に一つを選択することを特徴とする請求項7記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物。
【請求項14】
アルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法は以下のステップを含み、
ある種の米を洗浄し、高圧高温環境下で滅菌を行い、
特定の紅麹菌株を菌培養基中に植え付け、第一特定温度湿度環境、特定震動環境、第一特定時間制限において接菌を行い、
該第一特定温度環境中において該種菌培養基を撹拌し、第二特定時間制限内において特定比率の水分を継続的に提供し、
第三特定時間制限内と該第一特定温度環境中において一定時間毎に適当に撹拌し後熟(afterripening)を達成し、
発酵完成後の紅麹発酵物を取り出し、第四特定期間内において第二特定温度を保持しそれを乾燥化し、
既に乾燥した該紅麹発酵物を磨り潰し粉末状とし、成分比条件に符合するかどうかを分析し、
準備が完了した該紅麹発酵物の粉末を特定の比率で食用可能な飲料中に添加しアルツハイマー病を治療及び予防可能な紅麹飲料品を製造することを特徴とするアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項15】
前記米種は台湾固有の米種であることを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項16】
前記高圧高温環境は121℃及び1kg/cm2の圧力環境であることを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項17】
前記種菌培養基は少なくとも5gの該米種を蒸留無菌水100ml中に浸し組成することを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項18】
前記第一特定温度は30℃に保持することを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項19】
前記特定震動環境は100〜150rpm(revolutions per minute)の間に保持することを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項20】
前記第一特定時間制限とは48時間後を指すことを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項21】
前記第二特定時間制限とは72時間以内を指すことを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項22】
前記特定比率の水分とは20%の蒸留無菌水を指すことを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項23】
前記第三特定時間制限内は96時間以内を指すことを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項24】
前記固定時間とは10時間毎を指すことを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項25】
前記第四特定期間とは24時間以内を指すことを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項26】
前記第二特定温度とは55℃〜60℃の間を保持することを指すことを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項27】
前記成分比条件とは該組合物がモナコリン(monacolins)、抗炎症物質、抗酸化物質を含み、この三種の物質の有効重量比の範囲が10:4:1から90:2:1であることを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項28】
前記モナコリン(Monacolins)、該抗炎症物質、該抗酸化物質の最適重量比は40:2:1であることを特徴とする請求項27記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項29】
前記特定比例とは1.0〜4.0%の間であることを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。
【請求項30】
前記既に乾燥した該紅麹発酵物を磨り潰し粉末状とし、成分比条件に符合するかどうかを分析するステップはさらに準備が完了した該紅麹発酵物の粉末をカプセル中に充填し、或いは錠剤に製造するステップを含むことを特徴とする請求項14記載のアルツハイマー病を治療及び予防する組合物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−155258(P2009−155258A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334504(P2007−334504)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 1.出版社ホームページ上での論文の先行発表 (1)掲載日 平成19年7月30日 (2)掲載アドレス ▲1▼ワイリー−リス株式会社のホームページ上で掲載された技術情報誌「ジャーナル オブ ニューロサイエンス」のトップページ 「http://www3.interscience.wiley.com/journal/116329807/issue」 ▲2▼ワイリー−リス株式会社のホームページ上で掲載された技術情報誌「ジャーナル オブ ニューロサイエンス」の該当タイトルが表示されたページ 「http://www3.interscience.wiley.com/cgi−bin/abstract/114298712/ABSTRACT」 ※なお、上記アドレスに表示のページについて、翻訳の対象とした箇所を蛍光ペンで囲んでおりますので、参照願います。 2.出版社ホームページ上での論文の先行発表後の論文雑誌での同一論文の発表 (1)発行者名 ワイリー−リス株式会社 (2)刊行物名 「ジャーナル オブ ニューロサイエンス」第85巻第14号 (3)発行日 平成19年11月1日
【出願人】(507422828)サンウェイ バイオテック シーオー エルティディ (3)
【氏名又は名称原語表記】SUNWAY BIOTECH CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】2F.,No.1,Alley 30,Lane 358,Rueiguang Rd.,Neihu District,Taipei City 114,Taiwan,R.O.C.
【Fターム(参考)】