説明

アルファ7受容体サブタイプ選択的なニコチン性アゴニスト、その製造方法およびそれの医薬組成物

本発明は、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)でのアゴニスト活性を有する式Iの化合物、それらの製造方法、それを含有する医薬組成物ならびに神経障害と精神障害および炎症性疾患の処置用のそれらの使用を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)にアゴニスト活性を有する化合物、それらの製造方法、それを含有する医薬組成物ならびに神経障害と精神障害および炎症性疾患の処置用のそれらの使用に関する。
【0002】
発明の背景
神経のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は、アルファおよびベータサブユニットの組み合わせにより形成されるまたは、α−ブンガロトキシンにより阻害されるα7、α8およびα9受容体の場合にはホモ五量体として存在している、五量体のリガンド−ゲートのイオンチャンネルの一群をなしている。現在までに、9種のαと3種のβアイソフォームが発見されているが、組み合わせの相対的に少ないサブセットのみが、機能的に且つ生理的に関連するチャンネルを発生させる。 ニコチン性受容体は、ヒトの脳中に広く分布しており、そこでは、それらはしばしば調節性の事象に関連しており、より少ない程度で、シナプス性伝達を仲介する。 ホモメリックなα7サブタイプは、カルシウムへ高度に透過性であり、注意および認知プロセスの制御に関与することが示されている。2,5 特に、これらの受容体は、大脳皮質、皮質下、辺縁領域および海馬で高度に発現され、そこでは、それらは、感覚プロセシングに関与する阻害性GABA作動性シナプス伝達を調節する。6,7 聴覚プロセシングの欠損は、感覚的な過負荷の状態をもたらすと考えられ、多くの中枢神経系疾患、それらの中で、統合失調症における注意不全および認知不全に寄与することが仮説として述べられている。8,9 また、α−ブンガロトキシン(α−BTX)およびα7(およびα8、α9)受容体アンタゴニストの脳室注入は、海馬での聴覚ゲーティングを妨害する。 さらに、α7受容体と統合失調症のいくつかの態様との間に関係があることは、統合失調症患者の死者脳においてこの受容体レベルが減少しているという観察に基づく。10,11 結果として、α7サブタイプは、近年、nAChRが最も良く研究されており、α7 nAChRリガンド、アロステリックモジュレーターおよびその使用についての特許出願の数が増加していることは、有望な治療上の応用の観点での関心を例証している。これらの薬剤のいくつかが、前臨床(SSR180711、Sanofi−Aventis)16,17および臨床(例えば、PH−399733、Pfizer;MEM3454、Memory Pharmaceuticals/Roche)試験に進んでいることは、神経病変および精神病変の画期的な処置に対するこの受容体サブタイプに選択的に作用する新規な化合物の開発に関心があることを証明している。また、最近の報告は、炎症の本質的なレギュレーターとしてのα7 nAChRの役割を実証していたので、18,19この受容体サブタイプの完全アゴニストは、炎症性疾患の処置における応用を見出すであろう。
【0003】
発明の要約
本発明は、α7 nAChRでの完全または部分的アゴニストとして選択的に作用する化合物、それらの合成法、このような化合物を含有する医薬組成物および、α7 nAChRの活性化が有益となりうる病変、例えばアルツハイマー病および統合失調症等の神経障害および精神障害、ならびに炎症性プロセスの処置用のそれらの使用を提供する。
【0004】
発明の開示
本発明の化合物は、式I:
【0005】
【化1】

【0006】
の化合物およびその薬学的に許容される塩またはその鏡像異性体のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)用のリガンドである(式中:
【0007】
a)Xが酸素であり、Yが窒素である場合、Y=C−Z部分において、
Zは、ハロゲン;水素;直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはアシル;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ベンジル、ベンジルオキシ、(Ar)アリール、アリールオキシ;ヒドロキシ;ヒドロキシメチル;シアノ;ニトロ;アミノ;モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチル、アルキルアミノメチル、アシルアミノ、アルキルアミノカルボニル基;直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルコキシ−、(C〜C)アルケニルオキシ−、(C〜C)アルキニルオキシ−または(Ar)アリールオキシカルボニル基から選択され;
【0008】
Arは、非置換フェニル;2−ピリジル;3−ピリジルまたは4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジルまたは5−ピリミジル;2−ピラジニルまたは3−ピラジニル;2−フリルまたは3−フリル;2−チオフェニルまたは3−チオフェニル;1−ピロリル、2−ピロリルまたは3−ピロリル;2−キナゾリル、4−キナゾリルまたは5−キナゾリル;2−オキサゾリル、4−オキサゾリルまたは5−オキサゾリル;2−イミダゾリル、4−イミダゾリルまたは5−イミダゾリル;1−ナフチルまたは2−ナフチル;2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリルまたは8−キノリル;1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリルまたは8−イソキノリル;2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、4−ベンゾフラニル、5−ベンゾフラニル、6−ベンゾフラニルまたは7−ベンゾフラニル、2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニルまたは7−ベンゾ[b]チオフェニル;2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリルまたは7−インドリル;2−ベンゾオキサゾリル、3−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリルまたは7−ベンゾオキサゾリル;2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリルまたは7−ベンゾチアゾリルから選択されるか;あるいは直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、アルコキシ;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されている任意の前記のAr部分から選択されるが、
ただし、Zは、メチル、tert−ブチル、フェニルまたは2,4,6−トリメチルフェニルではなく;
【0009】
b)Xが基NRである場合、
Rは、水素、直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、ベンジル、(Ar)アリールから選択され;
【0010】
Arは、非置換フェニル;2−ピリジル;3−ピリジルまたは4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジルまたは5−ピリミジル;2−ピラジニルまたは3−ピラジニル;2−フリルまたは3−フリル;2−チオフェニルまたは3−チオフェニル;1−ピロリル、2−ピロリルまたは3−ピロリル;2−キナゾリル、4−キナゾリルまたは5−キナゾリル;2−オキサゾリル、4−オキサゾリルまたは5−オキサゾリル;2−イミダゾリル、4−イミダゾリルまたは5−イミダゾリル;1−ナフチルまたは2−ナフチル;2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリルまたは8−キノリル;1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリルまたは8−イソキノリル;2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、4−ベンゾフラニル、5−ベンゾフラニル、6−ベンゾフラニルまたは7−ベンゾフラニル、2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニルまたは7−ベンゾ[b]チオフェニル;2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリルまたは7−インドリル;2−ベンゾオキサゾリル、3−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリルまたは7−ベンゾオキサゾリル;2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリルまたは7−ベンゾチアゾリルから選択されるか;あるいは直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、アルコキシ;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されている任意の前記のAr部分から選択され、
【0011】
そして、Yが窒素であると、Y=C−Z部分において、
Zは、ハロゲン;水素;直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはアシル;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ベンジル、ベンジルオキシ、(Ar)アリール、アリールオキシ;ヒドロキシ;ヒドロキシメチル;シアノ;ニトロ;モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチル、アルキルアミノメチル、アシルアミノ、アルキルアミノカルボニル基;直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルコキシ−、(C〜C)アルケニルオキシ−、(C〜C)アルキニルオキシ−またはアリールオキシ−カルボニル基から選択され;
【0012】
Arは、非置換フェニル;2−ピリジル;3−ピリジルまたは4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジルまたは5−ピリミジル;2−ピラジニルまたは3−ピラジニル;2−フリルまたは3−フリル;2−チオフェニルまたは3−チオフェニル;1−ピロリル、2−ピロリルまたは3−ピロリル;2−キナゾリル、4−キナゾリルまたは5−キナゾリル;2−オキサゾリル、4−オキサゾリルまたは5−オキサゾリル;2−イミダゾリル、4−イミダゾリルまたは5−イミダゾリル;1−ナフチルまたは2−ナフチル;2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリルまたは8−キノリル;1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリルまたは8−イソキノリル;2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、4−ベンゾフラニル、5−ベンゾフラニル、6−ベンゾフラニルまたは7−ベンゾフラニル、2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニルまたは7−ベンゾ[b]チオフェニル;2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリルまたは7−インドリル;2−ベンゾオキサゾリル、3−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリルまたは7−ベンゾオキサゾリル;2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリルまたは7−ベンゾチアゾリルから選択されるか;あるいは直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、アルコキシ;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されている任意の前記のAr部分から選択され、
【0013】
c)Xが酸素であり、Yが基NRである場合、
Rは、水素;直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル;ベンジル;(Ar)アリールから選択され;
【0014】
Arは、非置換フェニル;2−ピリジル;3−ピリジルまたは4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジルまたは5−ピリミジル;2−ピラジニルまたは3−ピラジニル;2−フリルまたは3−フリル;2−チオフェニルまたは3−チオフェニル;1−ピロリル、2−ピロリルまたは3−ピロリル;2−キナゾリル、4−キナゾリルまたは5−キナゾリル;2−オキサゾリル、4−オキサゾリルまたは5−オキサゾリル;2−イミダゾリル、4−イミダゾリルまたは5−イミダゾリル;1−ナフチルまたは2−ナフチル;2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリルまたは8−キノリル;1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリルまたは8−イソキノリル;2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、4−ベンゾフラニル、5−ベンゾフラニル、6−ベンゾフラニルまたは7−ベンゾフラニル、2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニルまたは7−ベンゾ[b]チオフェニル;2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリルまたは7−インドリル;2−ベンゾオキサゾリル、3−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリルまたは7−ベンゾオキサゾリル;2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリルまたは7−ベンゾチアゾリルから選択されるか;あるいは直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、アルコキシ;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されている任意の前記のAr部分から選択され、
【0015】
そして、Y−C=Z部分において、Zは酸素である)。
【0016】
a)で放棄されている化合物は、Arkivoc, 2006 (iii), 175-183から公知であり、その中で、それらは、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤として不活性であることが報告されている。しかしながら、これらの化合物は、本発明に係るα7 nAChRでのアゴニストとして使用しうる。
【0017】
第一の実施態様によれば、本発明は、式Ia:
【0018】
【化2】

【0019】
(式中、Zは、Br、Cl;H;C、n−C、CH(CH、n−C、CHCH(CH、OCH、OC、O−n−C、OCH(CH、O−n−C、OCHCH(CH、OC(CH;CH=CH、CH−CH=CH、OCH=CH、OCH−CH=CH;C≡CH、CH−C≡CH、C−C≡CH、CH−C≡CH−CH、OC≡CH、OCH−C≡CH、OC−C≡CH、OCH−C≡CH−CH;CH−C、OCH−C;4−クロロフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル;2−ピラジニル;2−フリル、3−フリル;2−チオフェニル、3−チオフェニル;2−ピロリル、3−ピロリル、OC、O−4−クロロ−フェニル、O−2,4,6−トリメチル−フェニル、O−2−ピリジル、O−3−ピリジル、O−4−ピリジル;O−2−ピリミジル、O−4−ピリミジル、O−5−ピリミジル;O−2−ピラジニル、O−3−ピラジニル;O−2−フリル、O−3−フリル;O−2−チオフェニル、O−3−チオフェニル;O−2−ピロリル、O−3−ピロリル;OH、CHOH;CHNH;CN;COOCH、COOC、COOPh、COOCHPhから選択される)
の化合物を提供する。
【0020】
第二の実施態様によれば、本発明は、式Ib:
【0021】
【化3】

【0022】
(式中、
Rは、H、CH、C、n−C、CH(CH、CH−C、フェニル、2,4,6−トリメチル−フェニル、4−クロロ−フェニル;2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−チオフェニル、3−チオフェニルから選択され、
Zは、Br、Cl;H;CH、C、n−C、CH(CH、n−C、CHCH(CH、C(CH、OCH、OC、O−n−C、OCH(CH、O−n−C、OCHCH(CH、OC(CH;CH=CH、CH−CH=CH、OCH=CH、OCH−CH=CH;C≡CH、CH−C≡CH、C−C≡CH、CH−C≡CH−CH、OC≡CH、OCH−C≡CH、OC−C≡CH、OCH−C≡CH−CH;CH−C、OCH−C;フェニル、2,4,6−トリメチル−フェニル、4−クロロフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル;2−ピラジニル;2−フリル、3−フリル;2−チオフェニル、3−チオフェニル;2−ピロリル、3−ピロリル、OC、O−4−クロロ−フェニル、O−2,4,6−トリメチル−フェニル、O−2−ピリジル、O−3−ピリジル、O−4−ピリジル;O−2−ピリミジル、O−4−ピリミジル、O−5−ピリミジル;O−2−ピラジニル、O−3−ピラジニル;O−2−フリル、O−3−フリル;O−2−チオフェニル、O−3−チオフェニル;O−2−ピロリル、O−3−ピロリル;OH、CHOH;CHNH;CN;COOCH、COOC、COOPh、COOCHPhから選択される)
の化合物を提供する。
【0023】
更なる実施態様によれば、本発明は、式Ic:
【0024】
【化4】

【0025】
(式中、Rは、H、CH、C、n−C、CH(CH、n−C、CHCH(CH、C(CH;CH−CH=CH;CH−C≡CH、C−C≡CH;フェニル、2,4,6−トリメチル−フェニル、4−クロロ−フェニル、CH−C;2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−チオフェニル、3−チオフェニルから選択される)
の化合物を提供する。
【0026】
特定の実施態様において、本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体の作用を通して仲介される疾患の治療用の式Iに係る化合物の使用に関する。本発明のより特定の態様は、α7ニコチン性アセチルコリン受容体の作用を通して仲介される疾患の治療用の式Iの化合物の使用に関する。
【0027】
本発明の他の態様は、治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む、α7ニコチン性受容体の活性化が有益であるヒトの疾患または症状の治療または予防方法に関する。
【0028】
本発明の他の態様は、治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む、神経障害、精神障害または知的欠陥障害の治療または予防方法に関する。
【0029】
本発明の他の態様は、障害が、アルツハイマー病、学習障害、認知障害、注意欠陥、記憶損失または注意欠陥多動性障害である、治療または予防方法に関する。
【0030】
本発明の他の態様は、障害が、パーキンソン病、ハンチントン病、トゥレット症候群またはコリン作動性シナプスの欠損がある神経変性障害である、治療または予防方法に関する。
【0031】
本発明の他の態様は、障害が、不安、統合失調症または躁病もしくは躁うつ病である、治療または予防方法に関する。
【0032】
本発明の他の態様は、障害が、炎症性疾患である、治療または予防方法に関する。
【0033】
本発明の他の態様は、治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む、時差ぼけ、禁煙、ニコチン依存症、渇望(craving)、疼痛および潰瘍性大腸炎の治療または予防方法に関する。
【0034】
本発明の他の態様は、本発明の化合物および薬学的に許容しうる希釈剤または担体を含む、医薬組成物に関する。
【0035】
本発明の他の態様は、炎症性疾患の治療または予防用の医薬の製造における本発明の化合物の使用に関する。
【0036】
本発明の他の態様は、時差ぼけ、疼痛または潰瘍性大腸炎の治療または予防用の医薬の製造における上記の化合物の使用に関する。
【0037】
本発明の他の態様は、禁煙を容易にするための医薬、あるいはニコチン依存症またはニコチンを含有する製品への暴露からもたらされるものを包含する渇望の処置用の医薬の製造における本発明の化合物の使用に関する。
【0038】
本明細書に記載の使用、方法および組成物について、投与される用量は、当然ながら、使用する化合物、投与形態および望まれる処置により変動する。
【0039】
式Iの化合物は、以下のスキームに示される合成経路により製造することができる。
【0040】
スキームに従って、3−メチレンキヌクリジン221を、三級窒素原子上のホウ素錯体の生成により保護する。好適なホウ素錯体として:ボランジメチルスルフィド、ボランイソアミルスルフィド、ボランテトラヒドロフラン、ボランピリジン、ボランジフェニルホスフィン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、(+)−イソピノカンフェニルボランTMEDA、(+)−B−クロロジイソピノカンフェニルボラン、(−)−B−クロロジイソピノカンフェニルボラン、(1S)−(+)−B−ブロモジイソピノカンフェニルボラン、(1R)−(−)−B−ブロモジイソピノカンフェニルボランが挙げられる。反応は、有機溶媒中で行われる。好ましい有機溶媒は、テトラヒドロフランである。反応は、0〜100℃の温度、好ましくは30℃の温度で行われる。
【0041】
引き続く工程において、3−メチレンキヌクリジンホウ素錯体は、1,3−双極付加環化反応により、スピロ環状中間体に変換される。ペリ環状反応は、親双極子(dipolarophile)2と1,3−双極子の間で、塩基の存在下、有機溶媒溶液または懸濁液中で行われる。好適な1,3−双極子として、ニトリルオキシドおよびニトリルイミンが挙げられる。好適な有機塩基として、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、4−ジ(メチルアミノ)ピリジン、ピリジンまたはカリウムおよびナトリウム塩基が挙げられる。好適な無機塩基として、ナトリウムおよびカリウム塩基が挙げられる。反応は、有機溶媒中で行われる。好ましい溶媒は、酢酸エチルである。反応は、20〜100℃の温度で行われる。
【0042】
【化5】

【0043】
挙げうる式Iの化合物の酸付加塩として、a)鉱酸の塩、例えばハロゲン化水素酸、硫酸、リン酸の塩および有機酸、例えばギ酸、酢酸、マレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、酒石酸、マロン酸、フマル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等との塩、ならびにb)ヨウ化メチル塩(ヨードメチレート)が挙げられる。
【0044】
式Iの化合物の酸付加塩は、遊離塩基または塩、鏡像異性体もしくは保護されたその誘導体を、1当量以上の適切な酸と反応させることにより生成しうる。反応は、塩が不溶性である溶媒もしくは媒体中で、または塩が可溶性である溶媒中で、例えば水、ジオキサン、エタノール、メタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフランもしくはジエチルエーテル、または溶媒の混合物中で行われ、これらは、真空中で除去しうるか、または凍結乾燥しうる。式Iの化合物は、互変異性または鏡像異性形態で存在し、これらすべては、本発明の範囲内に包含される。種々の光学異性体は、慣用の手法、例えば分別結晶またはキラルHPLCを用いて、化合物のラセミ混合物の分離により単離しうる。あるいは、個々の鏡像異性体は、ラセミ化を引き起こさない反応条件下に、適切な光学活性原料との反応により作製しうる。
【0045】
式Iaの化合物群において、左旋性の鏡像異性体は、対応する右旋性の鏡像異性体よりも、高い親和性および有効性を常に有する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】hα7およびhα4β2受容体サブタイプを発現する細胞中で、式Iaの誘導体から選択される化合物の500μM濃度により誘起される電流のピーク振幅の測定(値は、アセチルコリン200μMにより誘起される電流で正規化)。
【図2a】受動的回避試験における、雄性ウィスターラットでのスコポラミン誘起記憶喪失に対する式Iaの誘導体から選択される化合物の急性投与の効果。記憶喪失は、訓練期間の30分前に、スコポラミン0.125mg/kg皮下投与により誘起された。化合物は、訓練期間の20分前に、腹腔内に(5mg/kg)投与し(図2a)、また、訓練期間の60分前に、経口で(15mg/kg)投与した(図2b)。
【図2b】受動的回避試験における、雄性ウィスターラットでのスコポラミン誘起記憶喪失に対する式Iaの誘導体から選択される化合物の急性投与の効果。記憶喪失は、訓練期間の30分前に、スコポラミン0.125mg/kg皮下投与により誘起された。化合物は、訓練期間の20分前に、腹腔内に(5mg/kg)投与し(図2a)、また、訓練期間の60分前に、経口で(15mg/kg)投与した(図2b)。
【0047】
実施例1
(±)−3’−エチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0048】
【化6】

【0049】
A.ジクロロメタン(55mL)中のボラン−3−メチレン−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン錯体23(1.0g、7.31mmol)の溶液に、ジクロロメタン(2mL)中の塩化プロピオヒドロキシモイル24(1.179g、10.96mmol)の溶液およびトリエチルアミン(1.5mL、10.96mmol)を加えた。反応混合物は、量(3×3.0g)の塩化プロピオヒドロキシモイルをさらに加えて、室温で2日間撹拌した。水(50mL)の添加後、反応混合物をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル9:1)で精製して、所望の付加環化物を黄色油状体(532mg、35%収率)として得た。Rf=0.32(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル2:3)。
(±)−3’−エチル−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0050】
【表1】

【0051】
B.アセトン(3mL)中の(±)−3’−エチル−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール](333mg、1.60mmol)の氷冷撹拌溶液に、アセトン(2.0mL)中のトリフルオロ酢酸(0.5mL)の溶液を滴下し、原料の消失をTLC(溶出液:ジクロロメタン/メタノール95:5)でモニターした。トルエン(5mL)を加え、溶媒と過剰の試薬を真空下にエバポレートした。残渣を水(5mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×5mL)で抽出した。残留水相をKCOを少しずつ加えて塩基性にし、次いで、ジクロロメタン(4×5mL)で抽出した。通常の後処理ののち、粗製塩基(221mg、71%収率)が無色油状体として得られた。Rf=0.41(溶出液:ジクロロメタン/メタノール4:1)。
(±)−3’−エチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0052】
【表2】

【0053】
C.メタノール(3mL)中の(±)−3’−エチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール](214mg、1.10mmol)の溶液に、メタノール(2mL)中のフマル酸(154mg、1.33mmol)の溶液を加えた。室温で16時間撹拌後、反応混合物を減圧下に濃縮すると、定量的に粗フマル酸塩が得られ、これを、酢酸エチル/2−プロパノール(95:5)から結晶化した。
(±)−3’−エチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]×3/4フマル酸塩:無色プリズム、mp168〜170℃。
【0054】
【表3】

【0055】
D.メタノール(3mL)中の(±)−3’−エチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール](194mg、1.00mmol)の溶液にヨードメタン(0.5mL)を加えた。室温で16時間撹拌後、溶媒をエバポレートすると、定量的に粗製塩が得られ、これを、無水エタノールとジエチルエーテル(3:7)から結晶化した。
(±)−3’−エチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]ヨウ化メチル:無色プリズム、mp210〜212℃。
【0056】
【表4】

【0057】
実施例2
(±)−3’−(ピリジン−3−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0058】
【化7】

【0059】
A.トルエン(80mL)中のボラン−3−メチレン−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン錯体(1.0g、7.31mmol)と塩化3−ピリジンカルボヒドロキシモイル(1.144g、7.31mmol)の懸濁液に、トルエン(10mL)中のトリエチルアミン(2.0mL、14.62mmol)の溶液を滴下した。窒素下に3日間加熱還流しつつ、さらなる量の塩化3−ピリジンカルボヒドロキシモイル(2.288g、14.62mmol)およびトリエチルアミン(4.0mL、29.24mmol)を、反応混合物に少しずつ加えた。水(30mL)を反応混合物に加え、相を分離し、水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。通常の後処理ののち、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル4:1)で精製して、所望の付加環化物(883mg、47%収率)を得、これを、酢酸エチルから無色葉片状物として結晶化した(mp187〜188.5℃)。Rf=0.28(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル3:2)。
(±)−3’−(ピリジン−3−イル)−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0060】
【表5】

【0061】
B.(±)−3’−(ピリジン−3−イル)−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール](530mg、2.06mmol)の氷冷溶液を、上記の手順に従って、トリフルオロ酢酸で処理した。所望の遊離塩基が無色粘稠油状体として得られた(341mg、68%収率)。Rf=0.37(溶出液:ジクロロメタン/メタノール9:1)。
(±)−3’−(ピリジン−3−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0062】
【表6】

【0063】
C.上記のプロトコルにより、(±)−3’−(ピリジン−3−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]のフマル酸およびヨウ化メチルとの塩を調製した。
(±)−3’−(ピリジン−3−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]フマル酸塩:2−プロパノールからの無色プリズム、mp197〜198.5℃。
【0064】
【表7】

【0065】
(±)−3’−(ピリジン−3−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]ヨウ化メチル:2−プロパノールからの薄黄色プリズム、mp216〜220℃(分解)。
【0066】
【表8】

【0067】
実施例3
(±)−3’−ベンジルオキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0068】
【化8】

【0069】
A.酢酸エチル(90mL)中のボラン−3−メチレン−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン錯体(4.50g、32.9mmol)と炭酸カリウム(22.7g、164mmol)の懸濁液に、ジブロモホルムアルドキシム26(6.68g、32.9mmol)を加えた。量(5×2.0g)のジブロモホルムアルドキシムをさらに加えて、反応混合物を室温で5日間撹拌した。付加環化が終了後、セライトを加え、得られたスラリーを真空下に濾過し、酢酸エチルで洗浄した。溶媒をエバポレートし、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル1:1)で精製して、所望の付加環化物(4.05g、47%収率)を得、これを、酢酸エチルから無色プリズムとして結晶化した(mp127〜128℃)。Rf=0.18(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル2:3)。
(±)−3’−ブロモ−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0070】
【表9】

【0071】
B.窒素下に、無水テトラヒドロフラン(3mL)中のベンジルアルコール(0.30mL、2.90mmol)の溶液に、NaH(76mg、3.19mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、0℃に冷却し、無水テトラヒドロフラン(5mL)中の(±)−3’−ブロモ−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール](500mg、1.93mmol)の溶液を滴下した。混合物を室温で3時間撹拌し、水(1mL)を加え、溶媒を真空下にエバポレートした。残渣を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(4×5mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下に濃縮した。粗反応混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル3:2)で精製して、所望の化合物(428mg、77%収率)を得、これを、酢酸エチル/n−ヘキサンから無色プリズムとして結晶化した(mp128〜129℃)。Rf=0.44(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル2:3)。
(±)−3’−ベンジルオキシ−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0072】
【表10】

【0073】
C.(±)−3’−ベンジルオキシ−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール](350mg、1.22mmol)の氷冷溶液を、上記の手順に従って、トリフルオロ酢酸で処理した。所望の遊離塩基が無色粘稠油状体(264mg、79%収率)として得られた。Rf=0.25(溶出液:ジクロロメタン/メタノール95:5)。
(±)−3’−ベンジルオキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0074】
【表11】

【0075】
D.上記のプロトコルにより、(±)−3’−ベンジルオキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]のフマル酸およびヨウ化メチルとの塩を調製した。
(±)−3’−ベンジルオキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]×3/4フマル酸塩:2−プロパノールからの無色プリズム、mp122〜123℃。
【0076】
【表12】

【0077】
(±)−3’−ベンジルオキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]ヨウ化メチル:無水エタノール/ジエチルエーテルからの吸湿性無水プリズム、mp>50℃。
【0078】
【表13】

【0079】
以下の化合物が、同様にして調製された:
(±)−3’−ブロモ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
淡黄色の油状物、m/z 246(MH
(±)−3’−クロロ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
淡黄色の油状物、m/z 201(MH
(±)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の濃厚油状物、m/z 167(MH
(±)−3’−メチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 181(MH
(±)−3’−n−プロピル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 209(MH
(±)−3’−イソ−プロピル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
淡黄色の油状物、m/z 209(MH
(±)−3’−n−ブチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 223(MH
(±)−3’−イソ−ブチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
淡黄色の油状物、m/z 223(MH
(±)−3’−tert−ブチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
淡黄色の油状物、m/z 223(MH
(±)−3’−メトキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 197(MH
(±)−3’−エトキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 211(MH
(±)−3’−n−プロポキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
淡黄色の油状物、m/z 225(MH
(±)−3’−イソ−プロポキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 225(MH
(±)−3’−ブトキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 239(MH
(±)−3’−イソ−ブトキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 239(MH
(±)−3’−tert−ブトキシ−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 239(MH
(±)−3’−ビニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 193(MH
(±)−3’−アリル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 207(MH
(±)−3’−(ビニルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 209(MH
(±)−3’−(アリルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 223(MH
(±)−3’−エチニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 191(MH
(±)−3’−(プロパ−2−イン−1−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 205(MH
(±)−3’−(ブタ−3−イン−1−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 219(MH
(±)−3’−(ブタ−2−イン−1−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 219(MH
(±)−3’−(エチニルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 207(MH
(±)−3’−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
淡黄色の油状物、m/z 221(MH
(±)−3’−(ブタ−3−イン−1−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 235(MH
(±)−3’−(ブタ−2−イン−1−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 235(MH
(±)−3’−ベンジル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 257(MH
(±)−3’−フェニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
淡黄色の油状物、m/z 243(MH
(±)−3’−メシチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の粘性油状物、m/z 285(MH
(±)−3’−(4−クロロフェニル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 277(MH
(±)−3’−(ピリジン−2−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 244(MH
(±)−3’−(ピリジン−4−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 244(MH
(±)−3’−(ピリミジン−2−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 245(MH
(±)−3’−(ピリミジン−4−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 245(MH
(±)−3’−(ピリミジン−5−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 245(MH
(±)−3’−(ピラジン−2−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 245(MH
(±)−3’−(2−フリル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 233(MH
(±)−3’−(3−フリル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 233(MH
(±)−3’−(2−チエニル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 249(MH
(±)−3’−(3−チエニル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
淡黄色の油状物、m/z 249(MH
(±)−3’−(1H−ピロール−2−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 232(MH
(±)−3’−(1H−ピロール−3−イル)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 232(MH
(±)−3’−(フェノキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 259(MH
(±)−3’−(メシチルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の濃厚油状物、m/z 301(MH
(±)−3’−(4−クロロフェノキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 293(MH
(±)−3’−(ピリジン−2−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 260(MH
(±)−3’−(ピリジン−3−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 260(MH
(±)−3’−(ピリジン−4−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 260(MH
(±)−3’−(ピリミジン−2−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 261(MH
(±)−3’−(ピリミジン−4−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 261(MH
(±)−3’−(ピリミジン−5−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
明橙色の油状物、m/z 261(MH
(±)−3’−(ピラジン−2−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 261(MH
(±)−3’−(2−フリルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
淡黄色の油状物、m/z 249(MH
(±)−3’−(3−フリルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 249(MH
(±)−3’−(2−チエニルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 265(MH
(±)−3’−(3−チエニルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 265(MH
(±)−3’−(1H−ピロール−2−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
黄色の油状物、m/z 248(MH
(±)−3’−(1H−ピロール−3−イルオキシ)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
暗黄色の油状物、m/z 248(MH
(±)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
無色の油状物、m/z 183(MH
(±)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]−3’−イルメタノール
無色の油状物、m/z 197(MH
(±)−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]−3’−カルボニトリル
無色の油状物、m/z 192(MH
(±)−メチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]−3’−カルボキシラート
淡黄色の油状物、m/z 225(MH
(±)−エチル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]−3’−カルボキシラート
無色の油状物、m/z 239(MH)。
【0080】
実施例4
(±)−5’−ブロモ−2’−フェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール]
【0081】
【化9】

【0082】
A.酢酸エチル(50mL)中のボラン−3−メチレン−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン錯体(1.0g、7.31mmol)と炭酸カリウム(5.050g、36.55mmol)の懸濁液に、フェニルカルボノヒドラゾン酸ジブロミド27(2.032g、7.31mmol)を加えた。量(3×2.0g)のヒドラゾノイルジブロミドをさらに加えて、反応混合物を室温で5日間撹拌した。付加環化が終了後、セライトを加え、得られたスラリーを真空下に濾過し、酢酸エチルで洗浄した。溶媒をエバポレートし、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル4:1)で精製して、対応する付加環化物(952mg、39%収率)を得、これを、酢酸エチル/n−ヘキサンから薄黄色プリズムとして結晶化した(mp148〜149℃)。Rf=0.27(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル7:3)。
(±)−4−ボラニル−5’−ブロモ−2’−フェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール]
【0083】
【表14】

【0084】
B.(±)−4−ボラニル−5’−ブロモ−2’−フェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール](502mg、1.5mmol)の氷冷溶液を、上記の手順に従って、トリフルオロ酢酸で処理した。所望の遊離塩基が淡黄色粘稠油状体として得られた(245mg、51%収率)。
(±)−5’−ブロモ−2’−フェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール]
【0085】
【表15】

【0086】
C.上記のプロトコルにより、(±)−5’−ブロモ−2’−フェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール]のフマル酸およびヨウ化メチルとの塩を調製した。
(±)−5’−ブロモ−2’−フェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール]×3/4フマル酸塩:無水エタノール/ジエチルエーテルからの無色プリズム、mp180〜188℃、分解。
【0087】
【表16】

【0088】
(±)−5’−ブロモ−2’−フェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール]ヨウ化メチル:2−プロパノールからの薄黄色プリズム、mp203〜207℃。
【0089】
【表17】

【0090】
以下の化合物が、同様にして調製された:
(±)−5’−ブロモ−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール]
淡黄色の油状物、m/z 245(MH
(±)−5’−クロロ−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール]
淡黄色の油状物、m/z 200(MH
(±)−5’−メトキシ−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール]
淡黄色の油状物、m/z 196(MH
(±)−5’−メトキシ−2’−フェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 淡黄色の油状物、m/z 272(MH
(±)−2’− メシチル−5’−メトキシ−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 淡黄色の油状物、m/z 314(MH
(±)−2’−(4−クロロフェニル)−5’−メトキシ−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 黄色の油状物、m/z 306(MH
(±)−2’−(4−クロロフェニル)−5’−エトキシ−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 淡黄色の油状物、m/z 320(MH
(±)−2’−(4−クロロフェニル)−5’−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 黄色の油状物、m/z 330(MH
(±)−5’−メチル−2’−フェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 淡黄色の油状物、m/z 256(MH
(±)−2’,5’−ジフェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール]
黄色の濃厚油状物、m/z 318(MH
(±)−5’−(2−フリル)−2’−フェニル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 無色の油状物、m/z 308(MH
(±)−2’−フェニル−5’−(2−チエニル)−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 淡黄色の油状物、m/z 324(MH
(±)−2’−メチル−5’−(ピリジン−2−イル)−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 淡黄色の油状物、m/z 257(MH
(±)−2’−メチル−5’−(ピリジン−3−イル)−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 黄色の油状物、m/z 257(MH
(±)−2’−メチル−5’−(ピリジン−4−イル)−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 淡黄色の油状物、m/z 257(MH
(±)−5’−メトキシ−2’−メチル−2’,4’−ジヒドロスピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−ピラゾール] 淡黄色の油状物、m/z 210(MH)。
【0091】
実施例5
(±)−2’−メチル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン
【0092】
【化10】

【0093】
A.メタノール(350mL)とテトラヒドロフラン(10mL)中の(±)−3’−ベンジルオキシ−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール](2.80g、9.79mmol)の溶液に、Pd−C/10%(300mg)を加えた。懸濁液を水素下に2日間撹拌し、さらなる量(3×300mg)の触媒を加えた。還元が終了したのち、懸濁液を濾過し、メタノールで洗浄した。溶媒をエバポレートして、無水粘稠油状体(1.56g、81%収率)を得た。Rf=0.23(溶出液:ジクロロメタン/メタノール95:5)。
(±)−3’−ヒドロキシ−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール]
【0094】
【表18】

【0095】
B.アセトン(30mL)中の(±)−3’−ヒドロキシ−4−ボラニル−4’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾール](900mg、4.60mmol)の溶液に、KCO(1.90g、13.79mmol)およびヨードメタン(2mL)を加えた。室温で16時間撹拌したのち、溶媒をエバポレートし、残渣を水(8mL)で希釈し、ジクロロメタン(4×5mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン/メタノール95:5)で精製して、無色油状体(850mg、88%収率)を得た。Rf=0.51(溶出液:ジクロロメタン/メタノール95:5)。
(±)−2’−メチル−4−ボラニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン
【0096】
【表19】

【0097】
C.(±)−2’−メチル−4−ボラニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン(500mg、2.38mmol)の氷冷溶液を、上記の手順に従って、トリフルオロ酢酸で処理した。所望の遊離塩基が無色濃厚油状体(271mg、58%収率)として得られた。
(±)−2’−メチル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン
【0098】
【表20】

【0099】
D.上記のプロトコルにより、(±)−2’−メチル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オンのフマル酸およびヨウ化メチルとの塩を調製した。
(±)−2’−メチル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン×1/2フマル酸塩:酢酸エチル/メタノール/n−ヘキサン(96:2:2)からの無色プリズム、mp172〜173℃。
【0100】
【表21】

【0101】
((±)−2’−メチル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン ヨウ化メチル:2−プロパノールからの無水プリズム、mp182〜183℃。
【0102】
【表22】

【0103】
以下の化合物が、同様にして調製された:
(±)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン
無色の油状物、m/z 183(MH
(±)−2’−エチル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 無色の油状物、m/z 211(MH
(±)−2’−n−プロピル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 無色の油状物、m/z 225(MH
(±)−2’−イソ−プロピル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 無色の油状物、m/z 225(MH
(±)−2’−n−ブチル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 淡黄色の油状物、m/z 239(MH
(±)−2’−イソ−ブチル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 黄色の油状物、m/z 239(MH
(±)−2’−tert−ブチル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 無色の油状物、m/z 239(MH
(±)−2’−アリル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 黄色の油状物、m/z 223(MH
(±)−2’−(プロパ−2−イン−1−イル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 淡黄色の油状物、m/z 221(MH
(±)−2’−(ブタ−3−イン−1−イル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 明橙色の油状物、m/z 235(MH
(±)−2’−フェニル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 無色の粘性油状物、m/z 259(MH
(±)−2’− メシチル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 淡黄色の濃厚油状物、m/z 301(MH
(±)−2’−(4−クロロフェニル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 淡黄色の油状物、m/z 293(MH
(±)−2’−ベンジル−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン
無色の油状物、m/z 273(MH
(±)−2’−(ピリジン−2−イル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン; 黄色の油状物、m/z 260(MH
(±)−2’−(ピリジン−3−イル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 淡黄色の油状物、m/z 260(MH
(±)−2’−(ピリジン−4−イル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 黄色の油状物、m/z 260(MH
(±)−2’−(2−チエニル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 淡黄色の油状物、m/z 265(MH
(±)−2’−(3−チエニル)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5’−イソオキサゾリジン]−3’−オン 黄色の油状物、m/z 265(MH)。
【0104】
生物活性
上記の合成アプローチにより調製された、本発明に係る化合物は、最初に、α4β2およびα7ニコチン性受容体サブタイプでの競合結合試験を行うことにより、受容体親和性試験に付した。本発明の化合物は、α7ニコチン性受容体サブタイプに、1000nMより低い結合親和性(Κi)を示す。最も興味深い化合物、すなわち、α7ニコチン性受容体サブタイプに対する有意な親和性(Κi=4〜80nM)および顕著な機能選択性を特徴とするものは、さらに、それらのアゴニスト/部分アゴニストプロフィールを評価するための電気生理学的実験で、また、認知挙動に対するそれらの効果を調べるための薬理学的なインビボ試験でアッセイした。
【0105】
受容体結合アッセイ
H]−エピバチジン(Epibatidine)および[125I]−α−ブンガロトキシン(α−BTX)の膜結合:皮質組織を解剖し、ドライアイス上で直ちに凍結させ、後で使用するために80℃で保存した。各々の実験において、2匹のラットからの皮質組織を、ポッターホモジナイザーを用いて、緩衝溶液(50mM NaPO、1M NaCl、2mM EDTA、2mM EGTAおよび2mM PMSF、pH7.4)10mL中で均質化し;次いで、均質化物を希釈し、60.000gで1.5時間遠心処理した。全体の膜均質化、希釈および遠心処理手順を2回行い、次いで、ペレットを集め、緩衝溶液(50mM トリス−HCl、120mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl、2.5mM CaClおよび2mM PMSF、pH7)で迅速にすすぎ、以下のプロテアーゼ阻害剤:ロイペプチン、ベスタチン、ペプスタチンA、およびアプロチニンの各々の20μg/mLの混合物を含有する同じ緩衝液中に再懸濁した。
【0106】
H]−エピバチジン結合:56〜60Ci/mmolの比活性を有する(±)−[H]−エピバチジンは、パーキンエルマー(ボストン MA)より購入し;非放射性α−BTX、ニコチンおよびエピバチジンは、シグマから購入した。[H]−エピバチジンが、α−BTX結合受容体にnM親和性で結合することも、先に報告されている。28H]−エピバチジンのα−BTX結合受容体への結合を防ぐために、膜均質化物を、2μM α−BTX、次いで、[H]−エピバチジンと共に予備インキュベートした。飽和実験は、皮質膜均質化物のアリコートを、0.01〜2.5nM濃度の(±)−[H]−エピバチジンと共に、4℃で一晩インキュベートすることによって行った。非特異的結合は、100nMの非標識エピバチジンの存在下にインキュベーションすることにより、並行して測定した。インキュベーションの最後に、試料を0.5%ポリエチレンイミン中に浸漬し、緩衝溶液(10mM NaPO、50mM NaCl、pH7.4)で洗浄したGFCフィルターで濾過し、フィルターをβカウンター中で計数した。
【0107】
125I]−α−BTX結合:飽和結合実験は、0.1〜10nM濃度の[125I]−α−BTX(比活性200〜213Ci/mmol、Amersham)と共に、室温で一晩インキュベートした皮質膜均質化物のアリコートを用いて行った。非特異的結合は、1μMの非標識α−BTXの存在下にインキュベーションすることにより、並行して測定した。インキュベーションの後に、試料を上記のように濾過し、結合した放射性をγカウンター中で直接計数した。
【0108】
検討した化合物のnACh受容体親和性:エピバチジン、ニコチンおよび試験化合物による放射性リガンド結合の阻害は、対照のニコチン性アゴニストであるエピバチジンまたはニコチンおよび試験すべき薬物の用量を増やしながら(10pM〜10mM)、皮質均質化物を室温で30分間予備インキュベートすることにより測定し、その後、飽和実験に使用したと同じ温度で、最終濃度が0.075nM[H]−エピバチジンまたは1nM[125I]−α−BTXと共に一晩インキュベートした。これらのリガンド濃度は、異なる2種のnAChRに対するリガンドのΚd値の範囲内であるので、競合結合実験に使用した。各々の化合物について、4回の飽和結合実験および4回の競合結合実験から得られた実験データを、Munson and Rodbardにより記述されたLIGANDプログラムを用いて、非線形最小二乗法により分析した。29 結合パラメーターは、4つの独立した飽和実験を同時にフィットさせることにより算出し、Κi値は、4つの独立した競合実験データをフィットさせることにより決定した。同時的なフィットのΚd値およびΚi値における誤差は、LIGANDソフトを用いて算出し、パーセント変動係数(%CV)として表した。200μMまでの最終化合物濃度で放射性リガンド結合が阻害されなかった場合、Κi値はchen and Prusoff式に基づいて、>100μMであると定めた。30
【0109】
ヒトサブタイプのトランスフェクション
α7サブタイプ:ヒトα7(hα7)受容体は、トランスフェクトしたGH4C1において安定的に発現され、先に記載されたように、ゲネチシン(G418硫酸塩、500μg/mL)の存在下に、培養した。
【0110】
α4β2サブタイプ:ヒトnAChRα4およびβ2サブユニットの一時的なトランスフェクションは、最適リン酸カルシウム法を用いて、先に記載されたように32、レトロウイルスパッケージング細胞系HEK293中で行った。細胞は、10%ウシ胎仔血清(Hyclone、USA)を補足したダルベッコ変性イーグル培地(DMEM、Gibco)中で培養した。サブユニットcDNAは、当量(100mm皿あたり1μg)加えた。トランスフェクションの後、8〜12時間の間に、細胞を2回洗浄し、DMEM含有10%ウシ胎仔血清を再び加えた。
【0111】
電気生理学的記録:実験に使用された標準プロトコルは、先に記載されている。30 50mVに保持された細胞を、独立の管を介して、対照、アセチルコリンまたは試験すべき化合物と共に連続的に過融合し、そして、先に報告されているように33、高速交換系に接続した。
【0112】
アセチルコリン誘起電流の振幅に対する化合物の効果:全体の細胞が継ぎ合わされ連結されたhα7−およびhα4β2−発現細胞は、アセチルコリンで処理される(challenged)と速やかに減衰する内向き電流を示した。具体的には、アセチルコリン(200μM)は、hα7サブタイプに対しては、200±50pA(n=8)、hα4β2サブタイプに対しては、185±40pA(n=8)の平均を誘起した。hα7電流は、50nMのメチルリカコニチンで阻止され、hα4β2電流は、1mMのジヒドロ−β−エリスロイジンで阻止された。
【0113】
検討している化合物(図1の化合物は、式Iaの誘導体のうちの代表例である)を適用すると、それは、hα7受容体を発現する細胞中で、用量依存的に内向き電流を誘起した。この電流のピーク振幅を測定し、200μMのアセチルコリンにより誘起される電流に対して正規化した。結果を図1に示す。hα4β2サブタイプを発現する細胞について試験すると、検討している化合物は、内向き電流の誘起においてはそれほど有効ではなく;事実、最高濃度500μMで、200μMのアセチルコリンにより誘起される電流の2%のみを誘起した。したがって、この誘導体は、α4β2受容体サブタイプに対して無視しうる効果を有していた。
【0114】
認知挙動
認知挙動は、ラットでのスコポラミン誘起記憶喪失を覆す能力を試験するために、受動的回避(PA)作業を用い、実施例から選択された化合物について検討した。その化合物は、スコポラミン誘起記憶喪失の有意な復帰を誘起することにより、長期の参照記憶の軽度〜良好な認知改善を示した(代表的な結果を、式Iaの誘導体から選択された化合物について、図2に示す)。
【0115】
動物:体重180〜220gの雄性ウイスターラットを、到着後7日間、標準的な実験室条件で飼育した。試験の前日に、ラットを個々の単独ケージに分離した。
【0116】
装置および手法:装置(Ugo Basile, Varese, Italy)は、ギロチンドアで同じ寸法(24×21×27)の2つの部屋に分けられた箱からなっており、床は、ステンレス棒の格子を有していた。一方の部屋は、10ワットの電球で照らされて、白い壁を有しており、他方の部屋は、暗かった。Ader34により記述されているステップスルー型受動的回避作業を、少しの修正を加えて用いた。最初の日に(訓練期間)、ラットを、明るい部屋に置いて、暗い部屋に入ることを許容しておくが;一旦ラットがそうしたときには、ドアが自動的に閉じられて、回避できない急な肢ショック(0.8mA)が5秒間加えられた。24時間後、ラットを再び明るい部屋に置き、暗い部屋に再度入るまでの待ち時間を、最大300秒まで記録した。
【0117】
処置:動物に、訓練期間の30分前に、生理食塩水またはスコポラミン(0.125mg/kg)を皮下注射した(1ml/kg)。訓練期間の20分前に、生理食塩水またはその化合物(5mg/kg)を腹腔内に(5ml/kg)投与した。訓練期間の60分前に、生理食塩水またはその化合物(15mg/kg)を経口投与した。
【0118】
【表23】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化11】


の化合物および薬学的に許容される塩(式中、
a)Xが酸素であり、Yが窒素である場合、Y=C−Z部分において、
Zは、ハロゲン;水素;直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはアシル;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ベンジル、ベンジルオキシ、(Ar)アリール、アリールオキシ;ヒドロキシ;ヒドロキシメチル;シアノ;ニトロ;アミノ;モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチル、アルキルアミノメチル、アシルアミノ、アルキルアミノカルボニル基;直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルコキシ−、(C〜C)アルケニルオキシ−、(C〜C)アルキニルオキシ−または(Ar)アリールオキシカルボニル基から選択され;
Arは、非置換フェニル;2−ピリジル;3−ピリジルまたは4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジルまたは5−ピリミジル;2−ピラジニルまたは3−ピラジニル;2−フリルまたは3−フリル;2−チオフェニルまたは3−チオフェニル;1−ピロリル、2−ピロリルまたは3−ピロリル;2−キナゾリル、4−キナゾリルまたは5−キナゾリル;2−オキサゾリル、4−オキサゾリルまたは5−オキサゾリル;2−イミダゾリル、4−イミダゾリルまたは5−イミダゾリル;1−ナフチルまたは2−ナフチル;2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリルまたは8−キノリル;1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリルまたは8−イソキノリル;2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、4−ベンゾフラニル、5−ベンゾフラニル、6−ベンゾフラニルまたは7−ベンゾフラニル、2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニルまたは7−ベンゾ[b]チオフェニル;2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリルまたは7−インドリル;2−ベンゾオキサゾリル、3−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリルまたは7−ベンゾオキサゾリル;2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリルまたは7−ベンゾチアゾリルから選択されるか;あるいは直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、アルコキシ;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されている任意の前記のAr部分から選択されるが、
ただし、Zは、メチル、tert−ブチル、フェニルまたは2,4,6−トリメチル−フェニルではなく;
b)Xが基NRである場合、
Rは、水素、直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、ベンジル、(Ar)アリールから選択され;
Arは、非置換フェニル;2−ピリジル;3−ピリジルまたは4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジルまたは5−ピリミジル;2−ピラジニルまたは3−ピラジニル;2−フリルまたは3−フリル;2−チオフェニルまたは3−チオフェニル;1−ピロリル、2−ピロリルまたは3−ピロリル;2−キナゾリル、4−キナゾリルまたは5−キナゾリル;2−オキサゾリル、4−オキサゾリルまたは5−オキサゾリル;2−イミダゾリル、4−イミダゾリルまたは5−イミダゾリル;1−ナフチルまたは2−ナフチル;2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリルまたは8−キノリル;1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリルまたは8−イソキノリル;2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、4−ベンゾフラニル、5−ベンゾフラニル、6−ベンゾフラニルまたは7−ベンゾフラニル、2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニルまたは7−ベンゾ[b]チオフェニル;2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリルまたは7−インドリル;2−ベンゾオキサゾリル、3−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリルまたは7−ベンゾオキサゾリル;2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリルまたは7−ベンゾチアゾリルから選択されるか;あるいは直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、アルコキシ;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されている任意の前記のAr部分から選択され、
そして、Yが窒素であると、Y=C−Z部分において、
Zは、ハロゲン;水素;直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはアシル;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ベンジル、ベンジルオキシ、(Ar)アリール、アリールオキシ;ヒドロキシ;ヒドロキシメチル;シアノ;ニトロ;モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチル、アルキルアミノメチル、アシルアミノ、アルキルアミノカルボニル基;直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルコキシ−、(C〜C)アルケニルオキシ−、(C〜C)アルキニルオキシ−またはアリールオキシ−カルボニル基から選択され;
Arは、非置換フェニル;2−ピリジル;3−ピリジルまたは4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジルまたは5−ピリミジル;2−ピラジニルまたは3−ピラジニル;2−フリルまたは3−フリル;2−チオフェニルまたは3−チオフェニル;1−ピロリル、2−ピロリルまたは3−ピロリル;2−キナゾリル、4−キナゾリルまたは5−キナゾリル;2−オキサゾリル、4−オキサゾリルまたは5−オキサゾリル;2−イミダゾリル、4−イミダゾリルまたは5−イミダゾリル;1−ナフチルまたは2−ナフチル;2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリルまたは8−キノリル;1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリルまたは8−イソキノリル;2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、4−ベンゾフラニル、5−ベンゾフラニル、6−ベンゾフラニルまたは7−ベンゾフラニル、2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニルまたは7−ベンゾ[b]チオフェニル;2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリルまたは7−インドリル;2−ベンゾオキサゾリル、3−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリルまたは7−ベンゾオキサゾリル;2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリルまたは7−ベンゾチアゾリルから選択されるか;あるいは直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、アルコキシ;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されている任意の前記のAr部分から選択され、
c)Xが酸素であり、Yが基NRである場合、
Rは、水素;直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル;ベンジル;(Ar)アリールから選択され;
Arは、非置換フェニル;2−ピリジル;3−ピリジルまたは4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジルまたは5−ピリミジル;2−ピラジニルまたは3−ピラジニル;2−フリルまたは3−フリル;2−チオフェニルまたは3−チオフェニル;1−ピロリル、2−ピロリルまたは3−ピロリル;2−キナゾリル、4−キナゾリルまたは5−キナゾリル;2−オキサゾリル、4−オキサゾリルまたは5−オキサゾリル;2−イミダゾリル、4−イミダゾリルまたは5−イミダゾリル;1−ナフチルまたは2−ナフチル;2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリルまたは8−キノリル;1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリルまたは8−イソキノリル;2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、4−ベンゾフラニル、5−ベンゾフラニル、6−ベンゾフラニルまたは7−ベンゾフラニル、2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニルまたは7−ベンゾ[b]チオフェニル;2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリルまたは7−インドリル;2−ベンゾオキサゾリル、3−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリルまたは7−ベンゾオキサゾリル;2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリルまたは7−ベンゾチアゾリルから選択されるか;あるいは直鎖状、分岐状または環状(C〜C)アルキル、アルコキシ;(C〜C)アルケニル、アルケニルオキシ;(C〜C)アルキニル、アルキニルオキシ;ハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ;モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルアミノ、アミノメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されている任意の前記のAr部分から選択され、
そして、Y−C=Z部分において、Zは酸素である)。
【請求項2】
式Ia:
【化12】


(式中、Zは、Br、Cl;H;C、n−C、CH(CH、n−C、CHCH(CH、OCH、OC、O−n−C、OCH(CH、O−n−C、OCHCH(CH、OC(CH;CH=CH、CH−CH=CH、OCH=CH、OCH−CH=CH;C≡CH、CH−C≡CH、C−C≡CH、CH−C≡CH−CH、OC≡CH、OCH−C≡CH、OC−C≡CH、OCH−C≡CH−CH;CH−C、OCH−C;4−クロロフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル;2−ピラジニル;2−フリル、3−フリル;2−チオフェニル、3−チオフェニル;2−ピロリル、3−ピロリル、OC、O−4−クロロ−フェニル、O−2,4,6−トリメチル−フェニル、O−2−ピリジル、O−3−ピリジル、O−4−ピリジル;O−2−ピリミジル、O−4−ピリミジル、O−5−ピリミジル;O−2−ピラジニル、O−3−ピラジニル;O−2−フリル、O−3−フリル;O−2−チオフェニル、O−3−チオフェニル;O−2−ピロリル、O−3−ピロリル;OH、CHOH;CHNH;CN;COOCH、COOC、COOPh、COOCHPhから選択される)
の請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式Ib:
【化13】


(式中、
Rは、H、CH、C、n−C、CH(CH、CH−C、フェニル、2,4,6−トリメチル−フェニル、4−クロロフェニル;2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−チオフェニル、3−チオフェニルから選択され、
Zは、Br、Cl;H;CH、C、n−C、CH(CH、n−C、CHCH(CH、C(CH、OCH、OC、O−n−C、OCH(CH、O−n−C、OCHCH(CH、OC(CH;CH=CH、CH−CH=CH、OCH=CH、OCH−CH=CH;C≡CH、CH−C≡CH、C−C≡CH、CH−C≡CH−CH、OC≡CH、OCH−C≡CH、OC−C≡CH、OCH−C≡CH−CH;CH−C、OCH−C;フェニル、2,4,6−トリメチル−フェニル、4−クロロ−フェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル;2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル;2−ピラジニル;2−フリル、3−フリル;2−チオフェニル、3−チオフェニル;2−ピロリル、3−ピロリル、OC、O−4−クロロ−フェニル、O−2,4,6−トリメチル−フェニル、O−2−ピリジル、O−3−ピリジル、O−4−ピリジル;O−2−ピリミジル、O−4−ピリミジル、O−5−ピリミジル;O−2−ピラジニル、O−3−ピラジニル;O−2−フリル、O−3−フリル;O−2−チオフェニル、O−3−チオフェニル;O−2−ピロリル、O−3−ピロリル;OH、CHOH;CHNH;CN;COOCH、COOC、COOPh、COOCHPhから選択される)
の請求項1記載の化合物。
【請求項4】
式Ic:
【化14】


(式中、Rは、H、CH、C、n−C、CH(CH、n−C、CHCH(CH、C(CH;CH−CH=CH;CH−C≡CH、C−C≡CH;フェニル、2,4,6−トリメチル−フェニル、4−クロロ−フェニル、CH−C;2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−チオフェニル、3−チオフェニルから選択される)
の請求項1記載の化合物。
【請求項5】
ニコチン性アセチルコリン受容体の作用を通して仲介される疾患の治療用の医薬を製造するための、請求項1〜4の化合物の使用。
【請求項6】
α7ニコチン性アセチルコリン受容体の作用を通して仲介される疾患の治療のための、請求項5記載の使用。
【請求項7】
神経障害、精神障害または知的欠陥障害の治療または予防のための、請求項6記載の使用。
【請求項8】
アルツハイマー病、学習障害、認知障害、注意欠陥、記憶損失、注意欠陥多動性障害、パーキンソン病、ハンチントン病、トゥレット症候群または、コリン作動性シナプスの欠損がある神経変性障害、不安、統合失調症または躁病もしくは躁うつ病の治療または予防のための、請求項7記載の使用。
【請求項9】
炎症性疾患の治療または予防のための、請求項5または6記載の使用。
【請求項10】
時差ぼけ、禁煙、ニコチン依存症、渇望、疼痛および潰瘍性大腸炎の治療または予防のための、請求項5または6記載の使用。
【請求項11】
請求項1〜4の化合物および薬学的に許容しうる希釈剤または担体を含む、医薬組成物。
【請求項12】
治療有効量の請求項1〜4の化合物を投与することを含む、α7ニコチン性受容体の活性化が有益であるヒトの疾患または症状の治療または予防方法。
【請求項13】
α7 nAChRアゴニストとしての、Zが、メチル、tert−ブチル、フェニルまたは2,4,6−トリメチル−フェニルである式Iaの化合物。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate


【公表番号】特表2009−541392(P2009−541392A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516990(P2009−516990)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005724
【国際公開番号】WO2008/000469
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(503047641)ウニヴェルシタ’ デリ ストゥディ ディ ミラノ (6)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITA’ DEGLI STUDI DI MILANO
【出願人】(591095362)コンシグリオ・ナツィオナーレ・デレ・リチェルケ (7)
【氏名又は名称原語表記】CONSIGLIO NAZIONALE DELLE RICERCHE
【Fターム(参考)】