説明

アルミニウムヒドロキシカルボキシレートビルダーの開発

汚れを除去するためのクリーニング組成物は、アルミニウム塩、ヒドロキシカルボキシレート、アルカリ源および任意選択的に、界面活性剤系を含む。このクリーニング組成物は、約9〜約14のpHを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤の分野に関連する。特に、本発明は、ビルダーとしてアルミニウムヒドロキシカルボキシレートを含む洗剤組成物に関連する。
【背景技術】
【0002】
自動車の手入れ、食品および飲料(例えば、乳製品、チーズ、砂糖、肉、食品、および醸造および他の飲料業界)、食器洗浄(warewashing)および洗濯業界において使用される従来の洗剤は、アルカリ性洗剤を含む。アルカリ性洗剤、特に施設での使用および商業的使用のために意図されたものは、通常、ホスフェート、ニトリロ3酢酸(NTA)およびエチレンジアミン4酢酸(EDTA)を含む。ホスフェート、NTAおよびEDTAは、汚れを除去し、そしてカルシウム、マグネシウムおよび鉄等の金属イオンを金属封鎖するために、洗剤中で通常使用される成分である。
【0003】
特に、NTA、EDTAまたはナトリウムトリポリホスフェート等のポリホスフェートおよびそれらの塩は、前から存在する無機塩および/または汚れを可溶化させるそれらの能力のため、洗剤中で使用される。カルシウム、マグネシウムおよび鉄塩が沈殿する場合、結晶がクリーニングされる表面に付着する場合があり、そして望ましくない効果を生じる場合がある。例えば、食器の表面上の炭酸カルシウム沈殿は、食器の美観にマイナスの影響を与える場合があり、きれいでない外観を与える。洗濯の領域では炭酸カルシウムが沈殿し、そして織物の表面上に付着する場合、結晶は、織物に触ると硬い感じおよび粗い感じを残す場合がある。食品および飲料業界において、炭酸カルシウム残留物は、食品の酸性度のレベルに影響する場合がある。NTA、EDTAおよびポリホスフェートの金属イオンを除去する能力は、硬度沈殿(hardness precipitation)を防止することによって溶液の洗浄力を促進させ、汚れ除去を助け、そして/または洗浄溶液または洗浄水中に汚れが再付着するのを防ぐ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
効果的である一方で、ホスフェートおよびNTAは、環境および健康の心配により政府規制に曝される。EDTAは、現在のところ規制されていないが、環境への一貫性によって、政府規制が行われる可能性があると考えられている。したがって、ホスフェート、ホスホネート、ホスファイト、およびアクリルホスフィネートポリマー等のリン含有化合物、ならびにNTAおよびEDTA等の非生分解性アミノカルボキシレートの特性を置き換えることのできる、代替物、および好ましくは環境にやさしい、クリーニング組成物への技術的ニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、汚れを除去するためのクリーニング組成物を含む。このクリーニング組成物は、アルミニウム塩、ヒドロキシカルボキシレート、アルカリ源および任意選択的に、界面活性剤系を含む。このクリーニング組成物は、約9〜約14の間のpHを有する。
【0006】
一態様では、本発明は、約0.01%〜約60%のアルミニウムヒドロキシカルボキシレートおよび約0.8%〜約90%のアルカリ源を含む洗剤組成物である。このアルミニウムヒドロキシカルボキシレートは、グルコン酸アルミニウム、グルコヘプトン酸アルミニウム、アルミニウムムケート(aluminum mucate)、酒石酸アルミニウム、グルカル酸アルミニウム(aluminum glucarate)、アルミニウムサッカレート(aluminum saccharate)およびリンゴ酸アルミニウム(aluminum malate)の1種から選択される。
【0007】
また別の態様では、アルミニウムヒドロキシカルボキシレートは、汚れ除去の方法において使用される。ヒドロキシカルボキシレートのアルカリ金属塩または遊離ヒドロキシカルボン酸は、アルカリ金属水酸化物を用いて溶解したアルミニウム塩と混合されて、アルミニウムヒドロキシカルボキシレートを生成する。アルミニウムヒドロキシカルボキシレートは、次にアルカリ源と混合されて、クリーニング組成物を生成する。次に、この洗剤組成物は、クリーニングされる基材と接触される。基材と洗剤組成物との接触の前に、洗剤組成物は、1:約10〜1:約10、000の希釈比で希釈化されて、使用溶液を生成できる。
【0008】
複数の態様が開示される一方で、依然本発明の他の態様は、本発明の具体的に説明する態様を示し、そして以下の詳細な記載から当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ビルダーとしてアルミニウムヒドロキシカルボキシレートを含む洗剤組成物に関する。アルミニウムヒドロキシカルボキシレートを含む洗剤組成物は、洗浄力、汚れ懸濁および再付着防止特性を示す。洗剤組成物は、汚れを除去し、そしてマグネシウム、カルシウムおよび鉄の沈殿を防止するのに望ましい任意の環境において適用できる。例えば、この洗剤組成物は、自動車の手入れ用途、食器洗浄用途、洗濯用途および食品および飲料用途において使用できる。そうした用途は、自動式および手動式食器洗浄、浸け置き、洗濯および繊維製品クリーニングおよび脱染、じゅうたんクリーニングおよび脱染、自動車のクリーニングおよび手入れ用途、表面クリーニングおよび脱染、キッチンおよび浴室のクリーニングおよび脱染、床のクリーニングおよび脱染、現場クリーニング作業、一般的な目的のクリーニングおよび脱染、および工業用または家庭用クリーナーを含むがこれらに限られない。洗剤組成物の使用方法がまた提供される。
【0010】
現在のところ当該技術分野で知られている大部分の洗剤と異なり、本発明の洗剤組成物は、効果的であるために、リン、ニトリロ3酢酸(NTA)またはエチレンジアミン4酢酸(EDTA)が存在することを必要としない。従って、洗剤組成物は、生分解性であり、そしてNTAおよびEDTA等のリンおよびアミノカルボキシレートが実質的にないことができ、環境に優しい洗剤組成物に望まれるクリーニング用途において特に有用な洗剤組成物となっている。
【0011】
洗剤組成物は、通常、アルミニウムヒドロキシカルボキシレート、アルカリ源、および任意選択的に、界面活性剤または界面活性剤系を含む。界面活性剤または界面活性剤系が洗剤組成物中に含まれる場合、洗剤組成物中の成分の好適な濃度範囲は、約1%〜約60wt%のアルミニウムヒドロキシカルボキシレート、約5%〜約80wt%のアルカリ源および約0.01%〜約50wt%の界面活性剤または界面活性剤系を含む。洗剤組成物中における成分の特に好適な濃度範囲は、約1%〜約45wt%のアルミニウムヒドロキシカルボキシレート、約20%〜約75wt%のアルカリ源および約0.5%〜約40wt%の界面活性剤または界面活性剤系を含む。
【0012】
いくつかの態様において、この洗剤組成物は、界面活性剤または界面活性剤系を含まず、そしてアルミニウムヒドロキシカルボキシレート、アルカリ源、および水のみを含む。洗剤組成物における成分の好適な濃度範囲は、約0.01%〜約60wt%のアルミニウムヒドロキシカルボキシレート、約0.8%〜約90wt%のアルカリ源および約1%〜約99.5wt%の水を含む。洗剤組成物における成分の特に好適な濃度範囲は、約0.01%〜約30wt%のアルミニウムヒドロキシカルボキシレート、約10%〜約50wt%のアルカリ源および約10%〜約80wt%の水を含む。洗剤組成物における成分のさらに特に好適な濃度範囲は、約0.01%〜約5wt%のアルミニウムヒドロキシカルボキシレート、約40%〜約48wt%のアルカリ源および約40%〜約60wt%の水を含む。
【0013】
アルミニウムヒドロキシカルボキシレートは、ヒドロキシカルボキシレートの適当なアルカリ金属塩(Li、Na、K、Rb、Cs)または遊離ヒドロキシカルボン酸と、アルカリ金属水酸化物を用いて溶解したアルミニウム塩またはアルミン酸塩(「アルミニウム塩」)とを反応させることによって作られる。アルカリ金属水酸化物を用いて溶解した好適なアルミニウム塩の例は、アルミン酸ナトリウムおよび塩化アルミニウムを含むが、これらに限られない。好適なアルミニウムヒドロキシカルボキシレートの例は、グルコン酸アルミニウム、グルコヘプトン酸アルミニウム、アルミニウムムケート、酒石酸アルミニウム、グルカル酸アルミニウム、アルミニウムサッカレートおよびリンゴ酸アルミニウムを含むがこれらに限られない。特に好適なアルミニウムヒドロキシカルボキシレートは、グルコン酸アルミニウムである。ヒドロキシカルボキシレートまたは遊離ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩:アルカリ金属水酸化物を用いて溶解したアルミニウム塩のモル比は、少なくとも約1:1、そして特に約1:1である。例えば、グルコン酸アルミニウムのための好適なモル比は、約0.5:約1.5〜約1.5:約0.5のグルコン酸:アルミン酸ナトリウムである。ヒドロキシカルボキシレートまたは遊離ヒドロキシカルボン酸:アルカリ金属水酸化物を用いて溶解したアルミニウム塩のアルカリ金属塩の重量比は、約40:約60〜約95:約1である。
【0014】
洗剤組成物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、またはアルカリ金属ケイ酸塩等のアルカリ源をまた含む。好適なアルカリ源の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、またはアルカリ金属水酸化物とアルカリ金属炭酸塩との混合物を含むがこれらに限られない。アルカリ源は、水が洗剤組成物に加えられて使用溶液を生成する場合、生じる溶液のpHを制御する。使用溶液のpHは、充分な洗浄力特性を提供するためにアルカリ性の範囲で維持されることが好ましい。ある態様では、使用溶液のpHは、約9〜約12である。特に、使用溶液のpHは、約10〜約12である。さらに特に、使用溶液のpHは、約11〜約12である。使用溶液のpHが低すぎ、例えば、約9未満の場合、使用溶液は、充分な洗浄力特性を提供しない場合がある。使用溶液のpHが高過ぎ、例えば、約12超の場合、使用溶液は、表面がステンレススチールまたは耐腐食でない場合、クリーニングされる表面を攻撃または損傷させる場合がある。例えば、使用溶液のpHは、洗濯または食器洗浄組成物中で約9〜約12であることができる。ある態様では、使用溶液のpHは、約12〜約13.5であり、そして濃縮物のpHは、約13〜約14である。例えば、使用溶液のpHは、食品および飲料組成物中で約12〜約13.5であることができ、従っては、工業用強度のアルカリ度を含む。
【0015】
洗剤組成物は、界面活性剤または界面活性剤系をまた含むことができる。アニオン性、非イオン性、カチオン性、および両性イオンの界面活性剤を含む種々の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の詳細については、参照により本明細書中に取り込まれる Kirk−Othmer、 Encyclopedia of Chemical Technology、 Third Edition、 Volume 8、 pages 900〜912を参照のこと。
【0016】
洗剤組成物中において有用な好適なアニオン性界面活性剤の例は、アルキルカルボキシレート(カルボン酸塩)およびポリアルコキシカルボキシレート、アルコールエトキシレートカルボキシレート、ノニルフェノールエトキシレートカルボキシレートおよびその同類のもの等のカルボキシレート;アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、スルホン化脂肪酸エステルおよびその同類のもの等のスルホネート;硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキルサルフェート、スルホサクシネート、アルキルエーテル硫酸塩およびその同類のもの等のサルフェートを含むがこれらに限られない。いくつかの特に好適なアニオン性界面活性剤は、ナトリウムアルキルアリールスルホネート、α−オレフィンスルホネートおよび脂肪アルコールサルフェートを含むがこれらに限られない。
【0017】
洗剤組成物中で有用な非イオン性界面活性剤は、界面活性剤分子の一部分としてポリアルキレンオキサイドポリマーを含む。好適な非イオン性界面活性剤の例は、脂肪アルコールの塩素、ベンジル、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびアルキルキャップしたポリエチレングリコールエーテル;アルキルポリグルコシド等のポリアルキレンオキサイドのない非イオン性物;ソルビタンおよびスクロースエステルおよびそれらのエトキシレート;アルコキシル化エチレンジアミン;アルコールエトキシレートプロポキシレート、アルコールプロポキシレート、アルコールプロポキシレートエトキシレートプロポキシレート、アルコールエトキシレートブトキシレートおよびその同類のもの等のアルコールアルコキシレート;ノニルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレングリコールエーテルおよびその同類のもの;グリセロールエステル、ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸のエトキシル化およびグリコールエステルおよびその同類のもの等のカルボン酸エステル;ジエタノールアミン縮合物、モノアルカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドおよびその同類のもの等のカルボン酸アミド;およびエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロックコポリマーを含むポリアルキレンオキサイドブロックコポリマーを含むがこれらに限られない。好適な市販されている非イオン性界面活性剤の例は、BASF Corporation、 Florham Park、 NJから入手可能であるPLURONICおよびGoldschmidt Chemical Corporation、 Hopewell、 VAから入手可能であるABIL B8852を含むがこれらに限られない。
【0018】
洗剤組成物中に含有されるのに有用なカチオン性界面活性剤は、C18のアルキルまたはアルケニル鎖を有する第1、第2および第3級アミン等のアミン、エトキシル化アルキルアミン、エチレンジアミンのアルコキシレート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン、2−アルキル−1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリンおよびその同類のもの等のイミダゾール;および第四級アンモニウム塩、例えば、n−アルキル(C12〜C18)ジメチルベンジル塩化アンモニウム、n−テトラデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム・1水和物、およびジメチル−1−ナフチルメチル塩化アンモニウム等のナフタレン置換第四級アンモニウムクロライド等のアルキル第四級アンモニウムクロライド界面活性剤を含むがこれらに限られない。界面活性剤の更に広い列挙については、参照により本明細書中に取り込まれるMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergentsを参照のこと。
【0019】
いくつかの態様において、本発明の洗剤組成物中に含まれる任意の界面活性剤または界面活性剤系は、低泡立ちまたは消泡界面活性剤のいずれかを含む。例えば、低泡立ち界面活性剤または界面活性剤系は、食品および飲料組成物に加えられることができる。洗剤活性の所望のレベルを提供する低起泡性界面活性剤は、大量の泡立ちの存在が問題となる場合の環境中において好都合である。従って、低起泡性界面活性剤と考えられる界面活性剤を使用できる。さらに、他の界面活性剤は、消泡剤と伴に使用でき、泡立ちのレベルを制御する。
【0020】
本発明の洗剤組成物は、洗剤組成物の種々の態様のいずれかにおいて提供されることができる。ある態様では、洗剤組成物には、リン含有化合物、ニトリロ3酢酸(NTA)およびエチレンジアミン4酢酸(EDTA)が実質的にない。実質的にリンがないとは、リン含有化合物が加えられていない組成物をいう。たとえリン含有化合物が汚染を通して存在する場合でも、生じる組成物中におけるリン含有化合物のレベルは、約10wt%未満、約5wt%未満、約1wt%未満、約0.5wt%未満、約0.1wt%未満、そして多くの場合、約0.01wt%未満である。実質的にNTAまたはEDTAがないとは、NTAまたはEDTAが加えられていない組成物をいう。たとえNTAまたはEDTAが汚染を通して存在する場合でも、生じる組成物中でNTAまたはEDTAのレベルは、約10wt%未満、約5wt%未満、約1wt%未満、約0.5wt%未満、約0.1wt%未満、そして多くの場合、約0.01wt%未満である。洗剤組成物にNTAがない場合、洗剤組成物はまた、再付着防止およびしみ除去剤として機能する塩素と相溶性である。使用溶液に希釈される場合、洗剤組成物は、約100ppm未満、特に約10ppm未満、およびさらに特に約1ppm未満の濃度のリン含有成分、NTAおよびEDTAを含む。
【0021】
追加の機能性材料
洗剤組成物は、洗剤組成物所望の特性および機能性を提供する他の機能性材料を含むことができる。この出願の目的のために、用語「機能性材料」は、水溶液等の使用および/または濃縮物溶液中で分散または溶解された場合に、特別な使用において有益な特性を提供する材料を含む。そうした機能性材料の例は、有機洗剤、クリーニング剤;すすぎ助剤;漂白剤;殺菌剤/抗菌剤;活性化剤;洗剤ビルダーまたはフィラー;消泡剤、再付着防止剤;光学的光沢剤;染料/着臭剤;2次硬化剤/溶解度調整剤;該中制御用途のための殺虫剤;またはその同類のもの、または洗剤組成物の所望の特徴的なおよび/または機能性によって広範な他の機能性材料を含むがこれらに限られない。
【0022】
特に、この洗剤組成物は、同時に出願継続中の名称’’High Alkaline Detergent Composition With Enhanced Scale Control’’(参照により本明細書中に取り込まれる)の出願中に開示されたような閾値システム(threshold system)を含むことができる。機能性材料のいくつかのさらなる特定例は、下記で更に詳細に記載されるが、しかし当然のことながら記載される特定の材料は一例としてのみ与えられ、そして広範な他の機能性材料を使用できる。例えば、下記で記載される機能性材料の多くは、クリーニングおよび/または脱染用途において使用される材料に関するが、しかし当然のことながら、他の態様は、他の用途での使用のための機能性材料を含むことができる。
【0023】
すすぎ助剤
洗剤組成物は、任意選択的に、すすぎ助剤組成物、例えば、結合剤(binding agent)を使用して製造される固体組成物中の他の任意選択的成分と組み合わせた湿潤剤または被覆剤(sheeting agent)を含む、すすぎ助剤調合物を含むことができる。
【0024】
すすぎ助剤成分は、すすぎ水の表面張力を低下させて、被覆作用(sheeting action)を促進し、そして/または例えば、食器洗浄工程におけるすすぎが完了した後で、ビード水(beaded water)により生じる、しみまたは筋を防ぐことができる。被覆剤の例は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドから調製されたポリエーテル化合物、またはホモポリマーまたはブロックまたはヘテロのコポリマー構造の混合物を含むがこれらに限られない。そうしたポリエーテル化合物は、ポリアルキレンオキサイドポリマー、ポリオキシアルキレンポリマーまたはポリアルキレングリコールポリマーとして公知である。そうした被覆剤は、界面活性剤特性を分子に与えるために相対的な疎水性の領域および相対的な親水性の領域を必要とする。
【0025】
漂白剤
この洗剤組成物は、任意選択的に基材を美白(lightening)または増白(whitening)するための漂白剤を含むことができ、そして典型的には、洗浄工程の間に直面する条件下で、Cl、 Br、 −OCl− および/または −OBr−、またはその同類のもの等の活性ハロゲン種を放出できる漂白化合物を含むことができる。好適な漂白剤の例は、塩素、ハイポクロライトまたはクロラミン等の塩素を含む化合物を含むがこれらに限られない。好適なハロゲン放出化合物の例は、アルカリ金属ジクロロイソシアヌレート、アルカリ金属ハイポクロライト、モノクロラミン、およびジクロロアミンを含むがこれらに限られない。封入された塩素源はまた、組成物中で塩素源の安定性を高めるために使用できる(例えば、米国特許第4、618、914号明細書および米国特許第4、830、773号明細書(参照により、その開示を本明細書中に取り込む)を参照のこと)。この漂白剤はまた、活性酸素を含むか、または活性酸素の源として働く試薬を含むことができる。活性酸素化合物は、活性酸素の源を提供するように働き、そして水溶液中で活性酸素を放出する。活性酸素化合物は、無機、有機またはそれらの混合物であることができる。好適な活性酸素化合物の例は、テトラアセチルエチレンジアミン等の活性化剤ありまたはなしで、ペルオキシジェン化合物、ペルオキシジェン化合物付加物、過酸化水素、過ホウ酸塩、炭酸ナトリウム過酸化水素付加物、リン酸塩過酸化水素付加物(phosphate peroxyhydrate)、モノ過硫酸カリウム、および過ホウ酸ナトリウム・1水和物および4水和物を含むがこれらに限られない。
【0026】
殺菌剤/抗菌剤
洗剤組成物は、任意選択的に殺菌剤(または抗菌剤)を含むことができる。抗菌剤としても公知の殺菌剤は、材料系、表面等の微生物汚染および劣化を防止するために使用できる化学組成物である。通常、これらの材料は、フェノール性物、ハロゲン化合物、第四級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン、アルカノールアミン、ニトロ誘導体、アニリド、有機硫黄および硫黄−窒素化合物および種々の化合物を含む具体的なクラス中にある。
【0027】
化学組成物および濃度によって、所与の抗菌剤は、細菌の数のさらなる増殖を単に制限でき、または微生物個体群のすべてまたは一部を破壊できる。用語「細菌」および「微生物」は、典型的には主として、バクテリア、ウイルス、酵母、胞子、および菌微生物をいう。使用に当たって、この抗菌剤は、典型的には、任意選択的に、例えば、水流を使用して希釈され、そしておよび分散された場合に種々の表面と接触でき、微生物個体群の成長を防止またはそれらの一部分の殺傷を生じる水性消毒剤または殺菌剤組成物を形成する固体機能性材料に形成される。微生物個体群の3桁の減少により、殺菌剤組成物となる。この抗菌剤は、例えば、その安定性を向上させるために、封入されることができる。好適な抗菌剤の例は、ペンタクロロフェノール;オルトフェニルフェノール;クロロ−p−ベンジルフェノール;p−クロロ−m−キシレノール等のフェノール性の抗菌物;アルキルジメチルベンジル塩化アンモニウム;アルキルジメチルエチルベンジル塩化アンモニウム;オクチルデシルジメチル塩化アンモニウム;ジオクチルジメチル塩化アンモニウム;およびジデシルジメチル塩化アンモニウム等の第四級アンモニウム化合物を含むがこれらに限られない。
【0028】
好適なハロゲン含有抗菌性剤の例は、ナトリウムトリクロロイソシアヌレート、ナトリウムジクロロイソシアネート(無水または二水和物)、ヨードポリ(ビニルピロリジノン)錯体、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1、3−ジオール等の臭素化合物、およびベンザルコニウムクロライド、ジデシルジメチル塩化アンモニウム、コリンジヨードクロライド、およびテトラメチルホスホニウムトリブロマイド等の第四級抗菌剤を含むがこれらに限られない。ヘキサヒドロ−1、3、5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、ナトリウムジメチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート等のほかの抗菌組成物、および種々の他の材料は、それらの抗菌特性で、当該技術分野で知られている。
【0029】
当然のことながら、漂白剤のセクション中に記載したもの等の活性酸素化合物はまた、抗菌剤として働くことができ、そして消毒活性をも提供できる。実際、いくつかの態様において、抗菌剤として働くこと活性酸素化合物の能力は、組成物内の追加の抗菌剤への必要性を低下させる。例えば、過炭酸塩組成物は、優れた抗菌作用を提供すると示されてきた。
【0030】
活性化剤
いくつかの態様において、洗剤組成物の抗菌活性または漂白活性は、洗剤組成物が使用に際して置かれた場合に、活性酸素と反応して活性化成分を生成する材料の添加によって高められることができる。例えば、いくつかの態様において、過酸または過酸塩が生成される。例えば、いくつかの態様において、テトラアセチルエチレンジアミンは、洗剤組成物中に含まれて活性酸素と反応し、そして抗菌剤として働く過酸または過酸塩を生成することができる。活性酸素活性化剤のほかの例は、遷移金属およびそれらの化合物、カルボキシリック、ニトリル、またはエステル部分を含む化合物、または当該技術分野で知られている他のそうした化合物を含む。ある態様では、この活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン;遷移金属;カルボキシリック、ニトリル、アミン、またはエステル部分を含む化合物;またはそれらの混合物を含む。
【0031】
いくつかの態様において、活性酸素化合物のための活性化剤は、活性酸素と組み合わされて抗菌剤を生成する。いくつかの態様において、この洗剤組成物は、固体ブロックの形態であり、そして活性酸素のための活性化剤材料は、固体ブロックに結合されている。この活性化剤は、1種の固体洗剤組成物を別のものに結合させるための種々の方法のいずれかによって固体ブロックに結合されることができる。例えば、この活性化剤は、固体ブロックに、結合され、付けられ、糊でつけられ、またはさもなければ、接着された固体の形態であることができる。あるいは、この固体活性化剤は、ブロックの周りに形成され、そしてブロックを包んでいることができる。さらなる例によって、固体活性化剤は、プラスチックまたは収縮包装またはフィルム等の洗剤組成物のための容器またはパッケージによって固体ブロックに結合されることができる。
【0032】
洗剤ビルダーまたはフィラー
洗剤組成物は、クリーニング試薬それ自体として必ずしも機能しないが、クリーニング試薬と協働して組成物の全体的なクリーニング能力を高めることができる、より少量であるが、有効量の1種または2種以上の洗剤フィラーを任意選択的に含むことができる。好適なフィラーの例は、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、澱粉、砂糖、およびプロピレングリコール等のC1〜C10アルキレングリコールを含むがこれらに限られない。
【0033】
pH緩衝剤
さらに、水性作業における、例えば、水性クリーニング作業における使用の間に、洗浄水が所望のpHを有するであろうように、洗剤組成物は調合されていることができる。例えば、浸け置き組成物を提供する使用のために設計された組成物は、水性クリーニング作業における使用の間に、洗浄水が、約6.5〜約12の範囲の、そしていくつかの態様において、約7.5〜約11の範囲のpHを有するであろうように調合されることができる。液体製品調合物は、いくつかの態様において、(10%希釈の)pHで約7.5〜約11.0の範囲を、そしていくつかの態様において、約7.5〜約9.0の範囲を有することができる。
【0034】
例えば、サワーリング試薬(souring agent)は、繊維製品のpHが、適切な処理pHにほぼ合うように、洗剤組成物に加えられることができる。サワーリング試薬は、衣類が人間の皮膚と接触した場合に、繊維製品が皮膚を刺激しないように、残留するアルカリ性物を中和し、そして繊維製品のpHを低下させるのに使用される弱酸である。好適なサワーリング試薬の例は、リン酸、ギ酸、酢酸、ヒドロフルオロ珪酸、飽和の脂肪酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、およびそれらいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。飽和脂肪酸の例は、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキン酸(C20)等の10以上炭素原子を有するものを含むがこれらに限られない。ジカルボン酸の例は、シュウ酸、酒石酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、およびスルファミン酸を含むがこれらに限られない。トリカルボン酸の例は、クエン酸およびトリカルバリル酸を含むがこれらに限られない。好適な市販されているサワーリング試薬の例は、すべてEcolab Inc.、 St. Paul、 MNから入手可能であるTurboLizer(商標)、 Injection Sour(商標)、 TurboPlex(商標)、 AdvaCare 120 Sour(商標)、 AdvaCare 120 Sanitizing Sour(商標)、 CarboBrite(商標)、 およびEcono Sour(商標)を含むがこれらに限られない。
【0035】
織物リラクサント(Fabric Relaxants)
織物リラクサントは、繊維製品の表面の平滑性外観を高めるために、洗剤組成物に加えられることができる。
【0036】
織物柔軟剤
織物柔軟剤はまた、繊維製品の表面の感触を柔軟にするために、洗剤組成物に加えられることができる。好適な市販されている織物柔軟剤の例は、Ecolab Inc.、 St. Paul、 MN.から入手可能であるTurboFresh(商標)を含むが、これに限られない。
【0037】
汚れ放出剤(soil releasing agent)
この洗剤組成物は、繊維製品の繊維を被覆して繊維に汚れが付着する傾向を低下させるために提供されることができる汚れ放出剤を含むことができる。好適な市販されている汚れ放出剤の例は、Rhodia、 Cranbury、 NJから入手可能であるRepel−O−Tex SRP6(商標) およびRepel−O− Tex PF594(商標);Clariant Corporation、 Charlotte、 NCから入手可能であるTexaCare 100(商標) およびTexaCare 240(商標);およびBASF Corporation、 Florham Park、 NJ.から入手可能であるSokalan HP22(商標)等のポリマーを含むがこれらに限られない。
【0038】
消泡剤
この洗剤組成物は、任意選択的に、泡の安定性を低下させるためにより少量であるが有効量の消泡剤を含むことができる。好適な消泡剤の例は、ポリジメチルシロキサン中に分散したシリカ等のシリコーン化合物、脂肪アミド、炭化水素ワックス、脂肪酸、脂肪エステル、脂肪アルコール、脂肪酸石鹸、エトキシレート、鉱物性油、ポリエチレングリコールエステル、およびアモノステアリルホスフェート等のルキルホスフェートエステルを含むがこれらに限られない。消泡剤の記載は、例えば、Martinらの米国特許第3、048、548号明細書、Brunelleらの米国特許第3、334、147号明細書、およびRueらの米国特許第3、442、242号明細書(参照により開示を本明細書中に取り込む。)に見いだすことができる。
【0039】
再付着防止剤
この洗剤組成物は、任意選択的に、クリーニング溶液中で汚れの維持された懸濁を促進し、そして除去された汚れがクリーニングされる基材上に再付着されるのを防ぐことを可能にする再付着防止剤を含むことができる。好適な再付着防止剤の例は、脂肪酸アミド、フルオロカーボン界面活性剤、錯体ホスフェートエステル、ポリアクリレート、スチレン無水マレイン酸コポリマー、およびヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体を含むがこれらに限られない。
【0040】
安定剤
この洗剤組成物は、安定剤をまた含むことができる。好適な安定剤の例は、ボレート、カルシウム/マグネシウムイオン、プロピレングリコール、およびそれらの混合物を含むがこれらに限られない。
【0041】
分散剤
この洗剤組成物は、分散剤をまた含むことができる。洗剤組成物中で使用可能である好適な分散剤の例は、マレイン酸/オレフィンコポリマー、ポリアクリル酸、およびそれらの混合物を含むがこれらに限られない。
【0042】
光学的光沢剤
洗剤組成物は、任意選択的に、光学的光沢剤(optical brighteners)、とも呼ばれる蛍光増白剤(fluorescent whitening agent)または蛍光光沢剤(fluorescent brightening agent)を含むことができ、そして織物基材中に入った黄色の光学補正を提供できる。
【0043】
光学的光沢剤族に属する蛍光化合物は、多くの場合縮合環系を含む典型的には芳香族または芳香族複素環材料である。これらの化合物の特徴は、芳香族環と関連した共役二重結合の中断されていない鎖の存在である。そうした共役二重結合の数は、置換基および分子の蛍光部の平面性による。大部分の漂白剤化合物は、スチルベンまたは4、4’−ジアミノスチルベン、ビフェニル、5員環複素環(トリアゾール、オキサゾール、イミダゾール等)または6員環複素環(ナフタルアミド、トリアジン等)の誘導体である。組成物での使用のための光学的光沢剤の選択は、組成物のタイプ、組成物中に存在する他の成分の性質、洗浄水の温度、攪拌の度合い、および洗浄される材料の、おけ(tub)のサイズへの比等の多くの因子によるであろう。漂白剤の選択はまた、洗浄される材料のタイプ、例えば、綿、合成物等による。大部分の洗濯洗剤製品は、種々の織物をクリーニングするために使用されるので、洗剤組成物は、種々の織物のために効果的である漂白剤の混合物を含むことができる。もちろん、そうした漂白剤混合物の個々の成分が相溶性であることが必要である。
【0044】
好適な光学的光沢剤の例は、市販されており、そして当業者によって認識されるであろう。少なくともいくつかの商業的光学的光沢剤は、スチルベン、ピラゾリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5、5−二酸化物、アゾール、5および6員環複素環の誘導体、および他の種々の試薬を含むがこれらに限られないサブグループに分類できる。特に好適な光学増白剤の例は、:ジスチリルビフェニルジスルホン酸ナトリウム塩、および塩化シアヌル/ジアミノスチルベンジスルホン酸ナトリウム塩を含むがこれらに限られない。好適な市販されている光学増白剤の例は、Ciba Specialty Chemicals Corporation、 Greensboro、 NCから入手可能であるTinopal 5 BM−GX(商標)、 Tinopal CBS−CL(商標)、 Tinopal CBS−X(商標)、 およびTinopal AMS−GX(商標)を含むがこれらに限られない。光学的光沢剤の例はまた、’’The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents’’、 M。 Zahradnik、 Published by John Wiley & Sons、 New York (1982)、(参照によりその開示を本明細書中に取り込む)に開示されている。
【0045】
好適なスチルベン誘導体は、ビス(トリアジニル)アミノスチルベン誘導体、スチルベンのビスアシルアミノ誘導体、スチルベンのトリアゾール誘導体、スチルベンのオキサジアゾール誘導体、スチルベンのオキサゾール誘導体、スチルベンのおよびスチリル誘導体を含むがこれらに限られない。
【0046】
帯電防止剤
この洗剤組成物は、帯電防止特性を提供するために洗濯乾燥業界で普通に使用されるもの等の帯電防止剤を含むことができる。帯電防止剤は、処理に曝されない繊維製品と比較した場合に、少なくとも約50%の%静電気低下(percent static reduction)を生成することができる。この%静電気低下は、70%超であることができ、そしてこれは80%超であることができる。帯電防止剤の例は、第四級基を含む試薬を含むがこれに限られない。
【0047】
抗しわ剤
この洗剤組成物は、抗しわ特性を提供するように、抗しわ剤を含むことができる。好適な抗しわ剤の例は、シロキサンまたはシリコーン含有化合物および第四級アンモニウム化合物を含むがこれらに限られない。抗しわ剤の特に好適な例は、ポリジメチルシロキサン二第四級アンモニウム(diquaternary ammonium)、シリコーンコポリオール脂肪第四級アンモニウム、およびポリオキシアルキレンを有するポリジメチルシロキサンを含むがこれらに限られない。市販されている抗しわ剤の例は、Degussa/Goldschmidt Chemical Corporation、 Hope well、 VAから入手可能であるRewoquat(商標) SQ24;Lambent Technologiesから入手可能であるLube CSI−Q(商標);およびCiba Specialty Chemicals Corporation、 Greensboro、 NC.から入手可能であるTinotex CMA(商標)を含むがこれらに限られない。
【0048】
臭気捕集剤
この洗剤組成物は、臭気捕集剤を含むことができる。通常、臭気捕集剤は、においを提供するある分子を捕捉または取り囲むことによって機能すると考えられている。好適な臭気捕集剤の例は、シクロデキストリンおよびリシノール酸亜鉛を含むがこれらに限られない。
【0049】
繊維保護剤
この洗剤組成物は、繊維の分解および/または劣化を減少または予防するために、繊維製品の繊維を被覆する繊維保護剤を含むことができる。繊維保護剤の例は、セルロースのポリマーを含むがこれに限られない。
【0050】
色保護剤
この洗剤組成物は染料の繊維製品から水中に逃げる傾向を低下させるために、繊維製品の繊維を被覆するための色保護剤を含むことができる。好適な色保護剤の例は、第四級アンモニウム化合物および界面活性剤を含むがこれらに限られない。特に好適な色保護剤の例は、ジ(ノータロー(nortallow)カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェートおよびカチオン性ポリマーを含むがこれらに限られない。市販されている界面活性剤色保護剤の例は、Degussa/Goldschmidt Chemical Corporation、 Hopewell、 VAから入手可能であるVarisoft WE 21 CP(商標)およびVarisoft CCS−I(商標);Ciba Specialty Chemicals Corporation、 Greensboro、 NCからTinofix CL(商標);およびClariant Corporation、 Charlotte、 NCから入手可能であるColor Care Additive DFC 9(商標)、 Thiotan TR(商標)、 Nylofixan P−Liquid(商標)、 Polymer VRN(商標)、 Cartaretin F−4(商標),Cartaretin F−23(商標);Alcoa Inc.、 Pittsburgh、 PAから入手可能であるEXP 3973 Polymer(商標);および Croda International PIc、 Edison NJから入手可能であるColtide(商標)を含むがこれらに限られない。
【0051】
染料/着臭剤
種々の染料、香水を含む着臭剤、および他の美観改良剤はまた、洗剤組成物中に含まれることができる。好適な市販されている染料の例は、Mac Dye−Chem Industries、 Ahmedabad、 Indiaから入手可能であるDirect Blue 86(商標);Mobay Chemical Corporation、 Pittsburgh、 PAから入手可能であるFastusol Blue(商標);American Cyanamid Company、 Wayne、 NJから入手可能であるAcid Orange 7(商標);Sandoz、 Princeton、 NJから入手可能であるBasic Violet 10 and Sandolan Blue/Acid Blue 182(商標); Chemos GmbH、 Regenstauf、 Germanyから入手可能であるAcid Yellow 23(商標);Sigma Chemical、 St. Louis、 MOから入手可能であるAcid Yellow 17(商標);Keyston Analine and Chemical、 Chicago、 ILから入手可能であるSap Green and Metanil Yellow(商標);Emerald Hilton Davis、 LLC、 Cincinnati、 OHから入手可能であるAcid Blue 9(商標);Capitol Color and Chemical Company、 Newark、 NJから入手可能であるHisol Fast Red and Fluorescein(商標);および、Ciba Specialty Chemicals Corporation、 Greenboro、 NCから入手可能であるAcid Green 25(商標)を含むがこれらに限られない。
【0052】
好適な香料または香水の例は、シトロネロール等のテルペノイド、アミル桂皮アルデヒド等のアルデヒド、CIS−ジャスミンまたはジャスマル等のジャスミン、およびバニリンを含むがこれらに限られない。
【0053】
UV保護剤
この洗剤組成物は、織物に高められたUV保護を提供するために、UV保護剤を含むことができる。衣類の場合、UV保護剤を衣類に適用することによって、衣類の下にある皮膚上への紫外線の有害な効果を低下させることが可能であると考えられている。衣類は重量でより軽くなるので、UV光は衣類をより貫通する傾向を有しそして衣類の下の皮膚は、日焼けする場合がある。好適な市販されているUV保護剤の例は、Ciba Specialty Chemicals Corporation、 Greensboro、 NC.から入手可能であるTinosorb FD(商標)を含むがこれに限られない。
【0054】
抗けば立ち剤
この洗剤組成物は、繊維から突出するかまたははみだした繊維の部分に作用する抗けば立ち剤(Anti−pullung Agents)を含むことができる。抗けば立ち剤は、セルラーゼ酵素等の酵素として有用であることができる。市販されている抗けば立ち剤の例は、Genencor International、 Pal Alto、 CAから入手可能であるPuradex(商標);およびNovozyme、 Franklinton、 NCから入手可能であるEndolase(商標) およびCarezyme(商標)を含むがこれらに限られない。
【0055】
撥水剤
この洗剤組成物は、撥水剤特性を高めるために繊維製品に適用できる撥水剤を含むことができる。適する撥水剤の例は、パーフルオロアクリレートコポリマー、炭化水素ワックス、およびポリシロキサンを含むがこれらに限られない。
【0056】
硬化剤/溶解度調整剤
この洗剤組成物は、より少量であるが有効量の硬化剤を含むことができる。好適な硬化剤の例は、ステアリックモノエタノールアミド(stearic monoethanolamide)またはラウリックジエタノールアミド(lauric diethanolamide)等のアミド、アルキルアミド、固体ポリエチレングリコール、固体EO/POブロックコポリマー、酸またはアルカリ性処理工程を通して水溶性にされた澱粉、および冷却で加熱された組成物に凝固特性を与える種々の無機物を含むがこれらに限られない。そうした化合物は、クリーニング試薬および/または他の活性成分が、長期間にわたり、固体組成物から吐出されることができるような使用の間、水媒体中での組成物の溶解度を変化させる。
【0057】
ガラスおよび金属腐食防止剤
この洗剤組成物は、約30wt%まで、約6wt%まで、そして約2wt%までの量で金属腐食防止剤を含むことができる。この腐食防止剤は、腐食防止剤がないことを除けば別の同一の使用溶液でのガラスの腐食および/またはエッチングの速度より小さいガラスの腐食および/またはエッチングの速度を示す使用溶液を提供するのに充分な量で洗剤組成物中に含まれることができる。使用溶液は、所望の腐食抑制特性を提供するために、少なくとも約6百万分の1(ppm)の腐食防止剤を含むであろうことが期待される。より大量の腐食防止剤が有害な影響なしに使用溶液中で使用することができると期待される。使用溶液は、約6ppm〜約300ppmの腐食防止剤、および約20ppm〜約200ppmの腐食防止剤を含むことができる。好適な腐食防止剤の例は、アルミニウムイオン源と、亜鉛イオン源との組み合わせ、およびそれらのアルカリ金属ケイ酸塩または水和物を含むがこれらに限られない。
【0058】
腐食防止剤は、アルミニウムイオン源と、亜鉛イオン源との組み合わせということができる。この固体洗剤組成物が、使用溶液の形態で提供された場合、アルミニウムイオン源および亜鉛イオン源は、アルミニウムイオンおよび亜鉛イオンを、それぞれ提供する。腐食防止剤の量は、アルミニウムイオン源および亜鉛イオン源の合せた量に基づいて計算される。使用溶液中でアルミニウムイオンを提供する任意のものは、アルミニウムイオン源と呼ぶことができ、そして使用溶液中に提供された場合、亜鉛イオンを提供する全てのものは、亜鉛イオン源と呼ぶことができる。アルミニウムイオン源および/または亜鉛イオン源が反応して、アルミニウムイオンおよび/または亜鉛イオンを生成することは必要ではない。アルミニウムイオンは、アルミニウムイオン源と考えることができ、そして亜鉛イオンは、亜鉛イオン源と考えることができる。アルミニウムイオン源および亜鉛イオン源は、有機塩、無機塩、およびそれらの混合物として提供されることができる。例示的なアルミニウムイオン源は、アルミン酸ナトリウム、臭化アルミニウム、塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、酪酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、臭素酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム亜鉛、およびリン酸アルミニウム等のアルミニウム塩を含むがこれらに限られない。例示的な亜鉛イオン源は、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、チオシアン酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、二クロム酸亜鉛、クロム酸亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、クエン酸亜鉛、乳酸亜鉛、ギ酸亜鉛、臭素酸塩亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、フッ化ケイ酸亜鉛、およびサリチル酸亜鉛等の亜鉛塩を含むがこれらに限られない。
【0059】
使用溶液中でアルミニウムイオンの亜鉛イオンに対する比を制御することによって、いずれかの成分単独での使用と比較して,ガラス製品およびセラミックの減少した腐食および/またはエッチングを提供することが可能である。これは、アルミニウムイオンと亜鉛イオンとの組み合わせは、腐食および/またはエッチングの減少における相乗効果を提供できる。アルミニウムイオン源の亜鉛イオン源に対する比は、相乗作用効果を提供するように制御できる。通常、使用溶液中でアルミニウムイオン:亜鉛イオンの重量比は、少なくとも約6:1であることができ、約1:20未満であることができ、そして約2:1〜約1:15であることができる。
【0060】
有効量のアルカリ金属ケイ酸塩またはそれらの水和物は、本発明の組成物および工程において用いられ、金属保護能力を有する安定な固体洗剤組成物を生成することができる。本発明の組成物において用いることのできるケイ酸塩は、通常、固体洗剤調合物中で使用されてきたものである。例えば、典型的なアルカリ金属ケイ酸塩は、無水または好ましくは水和水(約5%〜約25wt%、特に約15%〜約20wt%の水和水)のいずれかであるこれらの粉末化、粒子状または粒状ケイ酸塩である。これらのケイ酸塩は、好ましくはケイ酸ナトリウムであり、そしてそれぞれ約1:1〜約1:5のNaO:SiO比を有し、そして典型的には水約5%〜約25wt%の量で利用できる水を含む。通常、ケイ酸塩は、約1:1〜約1:3.75、特に約1:1.5〜約1:3.75および最も特に約1:1.5〜約1:2.5のNaO:SiO比を有する。約1:2のNaO:SiO比および約16%〜約22wt%の水和の水を有するケイ酸塩が最も好ましい。例えば、そうしたケイ酸塩は、GDケイ酸塩としての粉末形態およびPQ Corporation、 Valley Forge、 PAから入手可能であるBritesil H−20(商標)としての粒状形態で入手可能である。これらの比は、単一のケイ酸塩組成物または組み合わせにより好ましい比となるケイ酸塩の組み合わせでえることができる。好ましい比での水和したケイ酸塩、約1:1.5〜約1:2.5のNaO:SiO比は、最適な金属保護を提供し、そして急速に固体洗剤を生成することが見いだされた。水和したケイ酸塩は、好ましい。
【0061】
ケイ酸塩は、金属保護を提供するために洗剤組成物中に含まれることができるが、しかしアルカリ度を提供し、そしてさらに再付着防止剤として機能することが知られている。例示的なケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムを含むがこれらに限られない。この洗剤組成物は、ケイ酸塩なしで提供されることができるが、ケイ酸塩が含まれる場合、所望の金属保護を提供する量で含まれることができる。この濃縮物は、少なくとも約1wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約10wt%、および少なくとも約15wt%の量でケイ酸塩を含むことができる。さらに、濃縮物中で他の成分のための充分な余地を提供するために、ケイ酸塩成分は、約35wt%未満、約25wt%未満、約20wt%未満、および約15wt%未満のレベルで提供されることができる。
【0062】
酵素
洗剤組成物中に含まれることができる酵素は、澱粉および/またはタンパク質しみの除去を助けるこれらの酵素を含む。例示的なタイプの酵素は、プロテアーゼ、α−アミラーゼ、およびそれらの混合物を含むがこれらに限られない。使用できる例示的なプロテアーゼは、Bacillus licheniformix、 Bacillus lenus、 Bacillus alcalophilus、 およびBacillus amyloliquefacinsから誘導されたものを含むがこれらに限られない。例示的なα−アミラーゼは、Bacillus subtilis、 Bacillus amyloliquefaceins およびBacillus licheniformisを含む。この濃縮物は、酵素を含む必要はないが、この濃縮物が酵素を含む場合は、洗剤組成物が使用組成物として提供される場合所望の酵素活性を提供する量で含まれることができる。濃縮物中で酵素の例示的な範囲は、約10wt%まで、約5wt%までおよび約1wt%までを含む。
【0063】
抗スケーリング剤
洗剤組成物は、抗スケーリング剤(Anti−scaling agent)を含むことができる。一態様では、抗スケーリング剤は、洗剤組成物の約0.25wt%〜約10wt%を構成する。いくつかの態様において、抗スケーリング剤は、洗剤組成物の約2〜約5wt%を構成する。また他の態様において、抗スケーリング剤は、洗剤組成物の約0.5〜約1.5wt%を構成する。当然のことながら、すべての変数およびこれらの値および範囲の間の範囲は、本発明によって、包含される。いくつかの態様において、有効量の抗スケーリング剤は、装置上のスケールが実質的に除去されるように、工業の食品加工装置に適用される。
【0064】
いくつかの態様において、スケール堆積の少なくとも約10%は、装置から除去される。他の態様において、スケール堆積の少なくとも約25%は、除去される。また他の態様において、スケール堆積の少なくとも約50%は除去される。いくつかの態様において、スケール堆積の約90%は除去される。
【0065】
いくつかの態様において、装置上へのスケールの形成が実質的に防止されるように、有効量の抗スケーリング剤が工業食品加工装置に適用される。いくつかの態様において、スケール堆積の少なくとも約10%が防止される。他の態様において、スケール堆積の少なくとも約25%が防止される。また他の態様において、スケール堆積の少なくとも約50%が防止される。いくつかの態様において、スケール堆積の約90%が防止される。
【0066】
酸化剤
この洗剤組成物は、過酸化物またはペルオキシ酸等の酸化剤または酸化剤を更に含むことができる。好適な成分は、亜塩素酸塩、臭素、臭素酸塩、一臭化塩素、ヨード、一塩化ヨウ素、ヨウ素酸塩、パーマンガネート、硝酸塩、硝酸、ホウ酸塩、過ホウ酸塩、およびオゾン、酸素、二酸化塩素、塩素、二酸化硫黄およびそれらの誘導体等のガス状酸化剤等の酸化剤である。過酸化物を含むペルオキシジェン化合物、および過炭酸塩を含む種々の過カルボン酸は、好適である。
【0067】
ペルオキシカルボン酸(またはペルオキシカルボン酸)は、通常式R(COsH)(式中、例えば、Rは、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキル、芳香族、または複素環基であり、そしてnは1、2、または3であり、そして親酸にペロキシを頭に付けることによって名付けられる)を有する。R基は、飽和または不飽和、ならびに置換または非置換であることができる。中鎖(medium chain)ペルオキシカルボン酸(またはペルオキシカルボン酸)は、式R(COH)n(式中、Rは、C〜C11のアルキル基、C〜C11のシクロアルキル、C〜C11のアリールアルキル基、C〜C11のアリール基、またはC〜C11の複素環基であり;そしてnは1、2、または3である。)を有することができる。短鎖脂肪酸は、式R(COH)(式中、Rは、C〜Cであり、そしてnは、1、2、または3である。)を有することができる。
【0068】
好適なペルオキシカルボン酸の例は、ペルオキシペンタン酸、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシへプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシイソノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、ペルオキシドデカン酸、ペルオキシアスコルビン酸、ペルオキシアジピン酸、ペルオキシクエン酸、ペルオキシピメリン酸、またはペルオキシスベリン酸、それらの混合物、またはその同類のものを含むがこれらに限られない。
【0069】
好適な分枝鎖ペルオキシカルボン酸の例は、ペルオキシイソペンタン酸、ペルオキシイソノナン酸、ペルオキシイソヘキサン酸、ペルオキシイソへプタン酸、ペルオキシイソオクタン酸、ペルオキシイソノナン酸、ペルオキシイソデカン酸、ペルオキシイソウンデカン酸、ペルオキシイソドデカン酸、ペルオキシネオペンタン酸、ペルオキシネオヘキサン酸、ペルオキシネオへプタン酸、ペルオキシネオオクタン酸、ペルオキシネオノナン酸、ペルオキシネオデカン酸、ペルオキシネオウンデカン酸、ペルオキシネオドデカン酸、それらの混合物、またはその同類のものを含むがこれらに限られない。
【0070】
典型的なペルオキシジェン化合物は、過酸化水素(H)、過酢酸、過オクタン酸(peroctanoic acid)、過硫酸塩、過ホウ酸塩、または過炭酸塩を含む。
【0071】
洗剤組成物中の酸化剤の量は、存在する場合、約40wt%までである。酸化剤の受け入れられるレベルは、約10wt%までであり、約5%までが特に好適なレベルである。
【0072】
溶媒
この洗剤組成物は、汚れ除去特性を高めるために、または最終組成物の粘度を調製するために溶媒を含むことができる。疎水性の汚れを除去するのに好適な溶媒は、低級アルカノール、低級アルキルエーテル、グリコール、アリールグリコールエーテルおよび低級アルキルグリコールエーテル等の含酸素溶媒を含むがこれらに限られない。他の溶媒の例は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、メチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、混合エチレンプロピレングリコールエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、およびプロピレングリコールフェニルエーテルを含むがこれらに限られない。実質的に水溶性のグリコールエーテル溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、メチレングリコールエチルエーテル、メチレングリコールブチルエーテルおよびその同類のものを含むがこれらに限られない。
【0073】
溶媒が洗剤組成物中に含まれる場合、約25wt%まで、特に約15wt%までしてさらに特に約5wt%までの量で含まれることができる。
【0074】
防虫剤
洗剤組成物は、防蚊剤等の防虫剤を含むことができる。市販されている防虫剤の例は、DEETである。さらに、水性キャリアー溶液は、白カビを殺す防かび剤およびある繊維製品上に存在するアレルギーの潜在性(allergic potential)を低下させ、および/または菌保証特性 (germ proofing properties)を提供するアラージサイド(allergicides)を含むことができる。
【0075】
他の成分
所望の特性または機能性を含むように調合された特別な洗剤組成物を提供するのに有用な広範な他の成分が含まれることができる。例えば、この洗剤組成物は、他の活性成分、クリーニング酵素、キャリアー、処理助剤、液体調合物、またはその他のもののための溶媒、およびその同類のものを含むことができる。
【0076】
態様
本発明は、ビルダーとしてアルミニウムヒドロキシカルボキシレートを含む液体および固体洗剤組成物に関する。洗剤組成物が液体として提供される場合、本発明は、ゲルまたはペーストを含む。洗剤組成物が固体として提供される場合、洗剤組成物は、キャスティングされた、押し出された、成型されたまたは成形された固体ペレット、ブロック、錠剤、粉末、粒体、薄片およびその同類のものを含むがこれらに限られない形態を取ることができる。
【0077】
濃縮された洗濯洗剤、濃縮された食器洗浄洗剤および濃縮された食品および飲料洗剤として提供される場合、洗剤組成物の成分のための例示的な範囲は、表1、2および3の中に、それぞれ示されている。
【0078】
表1−洗濯組成物
【表1】

【0079】
表2−食器洗浄組成物
【表2】

【0080】
表3−食品および飲料組成物
【表3】

【0081】
この洗剤組成物は、混合工程を使用して製造できる。アルミニウムヒドロキシカルボキシレート、アルカリ源、界面活性剤または界面活性剤系および他の機能性成分を含む洗剤組成物の成分は、最終の、均質の組成物を生成するように完全に溶解するのに充分な時間の量の間混合される。例示的な態様では、洗剤組成物の成分は、約10分間混合される。
【0082】
この洗剤組成物は、濃縮物組成物を含むことができるか、または使用組成物を生成するように希釈されることができる。通常、濃縮物は、所望のクリーニング、すすぎまたはその同類のものを提供するために、物体に接触する使用溶液に、水を用いて希釈されることを目的とする組成物をいう。クリーニングされる物品に接触する洗剤組成物は、使用組成物ということができる。使用溶液は、クリーニング、すすぎ、またはその同類のものに好適なレベルで追加の機能性成分を含むことができる。ある態様では、使用溶液は、約0.05wt%〜約75wt%の追加の機能性成分を含む。
【0083】
使用溶液は、所望の洗剤特性を有する使用溶液を提供する希釈比で水を用いて濃縮物を希釈することによって濃縮物から調製できる。使用組成物を生成させるために濃縮物を希釈するのに用いられる水は、希釈水または希釈剤と呼ばれることができ、そして場所によって異なる。典型的な希釈因子は約1〜約500であるが、水硬度、除去されたる汚れの量およびその同類のものを含む因子に依存する。ある態様では、濃縮物は、約1:10〜約1:10、000(濃縮物:水)の比で希釈される。特に、この濃縮物は、約1:100〜約1:1500(濃縮物:水)の比で希釈される。さらに特に、この濃縮物は、約1:250〜約1:500(濃縮物:水)の比で希釈される。洗剤組成物が使用溶液に希釈される場合、アルミニウムヒドロキシカルボキシレートは、約20百万分の1(ppm)〜約400ppmおよび特に約40ppm〜約140ppmの濃度において効果的である。特に、アルミニウムヒドロキシカルボキシレートは、約100ppm未満および約40ppm未満の濃度において効果的である。
【0084】
使用組成物は、洗剤組成物の無駄を避けながら所望のレベルの洗剤特性を提供するのに充分である固体含有量を有することができる。固体濃度は、使用組成物中における非水成分の濃度をいう。ある態様では、洗剤組成物が使用溶液として提供される場合、使用組成物は、所望のレベルのクリーニングを提供するために、少なくとも約0.05wt%の固体含有量を有することができる。さらに、使用組成物は、組成物を使いすぎることを避けるために約1.0wt%未満の固体含有量を有することができる。使用組成物は、約0.05wt%〜約0.75wt%の固体含有量を有することができる。
【0085】
濃縮物は、使用溶液を提供するために使用の場所において、水を用いて希釈されることができる。使用溶液は、表面から汚れを除去するのに充分な時間の量の間表面上に適用されることができる。例示的な態様では、使用溶液は、表面から汚れを効果的に除去するために、表面上に少なくとも約5秒間留まる。使用溶液は、次に表面からすすがれる。
【0086】
本開示中で使用される固体洗剤組成物は、例えば、固体、ペレット、ブロック、錠剤、および粉末を含む種々の形態を包含する。一例として、ペレットは、約1mm〜約10mmの直径を有することができる、錠剤は、約1mm〜約10mmまたは約1cm〜約10cmの直径を有することができる、そしてブロックは、少なくとも約10cmの直径を有することができる。当然のことながら、用語「固体」は、貯蔵および固体洗剤組成物の使用の予期される条件下での洗剤組成物の状態をいう。通常、洗剤組成物は、約100°Fまでまたは約120°Fより下の温度で提供される場合、固体のままであるであろうことが予期される。
【0087】
ある態様において、固体洗剤組成物は、単位投与量の形態で提供される。単位投与量は、全単位が単一のサイクル、例えば、食器洗浄機の単一の洗浄サイクルの間に使用されるようなサイズの単位の固体洗浄組成物をいう。固体洗剤組成物が単位投与量として提供される場合、約1グラム(g)〜約50gの質量を有することができる。他の態様において、組成物は、約50g〜250g、約100g以上、または約40g〜約11、000gのサイズを有する固体、ペレット、または錠剤であることができる。
【0088】
他の態様において、固体洗剤組成物は、ブロックまたは複数のペレット等の複数の使用固体の形態で提供されることができ、そして複数の洗浄サイクルのための水性洗剤組成物を生成するために繰り返して使用できる。ある態様において、固体洗剤組成物は、約5g〜約10キログラム(kg)の質量を有する固体として提供されることができる。ある態様において、固体洗剤組成物の複数の使用形態は、約1kg〜約10kgの質量を有する。さらなる形態では、固体洗剤組成物の複数の使用形態は、約5kg〜約8kgの質量を有する。他の態様において、固体洗剤組成物の複数の使用形態は、約5g〜約1kg、または約5g〜約500gの質量を有する。
【実施例】
【0089】
本発明の範囲内多数の改変および変化は、当業者に明らかであろうので、本発明は、具体的な説明のみを意図する以下の例中で、さらに特に記載される。そうでないと記載がない限り、以下の例中で報告される、全ての部、パーセンテージ、および比は、重量基準であり、そして以下の例中で使用されるすべての試薬は、下記の化学品供給業者から得られたか、もしくは入手可能であり、または従来技術によって合成できる。
【0090】
洗濯試験
汚れを除去する本発明の組成物の能力を決定するために、種々の洗濯試験を行った。試験された組成物は、ビルダーとしてアルミニウムヒドロキシカルボキシレートを含んでいた。複数の人工的に汚した綿、ポリコットンおよび綿ポリエステルの耐久性のあるプレス材料見本(swatch)が、汚され、そして種々の組成物を用いて洗浄された。汚れは、メークアップ、汚れたモーター油、すす/オリーブ油およびほこり皮脂を含んでいた。それぞれの材料見本上に存在する汚れの量を、Hunterlab Colorquest XE分光光度計を使用して反射率、または明度(L)値を使用した測定により決定した。3つの大きい綿のナプキン6つの異なるタイプの材料見本を含む裏材料(backers)を、それぞれ、布の裏材料に取り付けた。
【0091】
洗浄機を、洗浄ドラムの内側に均一に分散された3つの裏材料とともに約25〜28ポンドの綿シートで充填した。それぞれの洗濯試験を、約140°Fの温度の水で行い、1洗浄当り約250gの組成物を使用した。
【0092】
それぞれの洗浄の後で、材料見本を乾燥させ、そして反射率(L値)を再び測定した。初期のL値と最終のL値との間の相違から除去された%汚れを計算した。汚れ除去値(SR)を以下の式から計算した:
SR = ((Lw−Luw)/(Lo−Luw))×100%
(式中、
SR = 汚れ除去 (%)
=洗浄された材料見本の明度
uw=汚されて、未洗浄の材料見本の明度
Lo=汚される前の白色の材料見本の明度)。
【0093】
一般的に、2種の洗剤組成物の性能が約10%より大きく変わらない場合、2種の洗剤組成物は、実質的に同様に機能し、従って、相互に有効な置換物として機能すると考えた。
【0094】
例1および比較例AおよびB
例1の組成物は、ビルダーとしてアルミニウムヒドロキシカルボキシレート、およびベースとして洗剤特性を有すると知られている直鎖アルキルスルホネート(LAS)成分を、使用する本発明の洗剤組成物を含んでいた。特に、例1の組成物は、グルコン酸アルミニウムを含んでいた。
【0095】
比較例Aの組成物は、LASのみを含んでおり、そして比較例Bの組成物は、LASおよび公知のビルダー特性を有する成分、ナトリウムトリポリホスフェート(STPP)を含んでいた。例1および比較例AおよびBの組成物の成分濃度を、下の表4中に具体的に説明する。
【0096】
表4
【表4】

【0097】
例1および比較例AおよびBの組成物での個々のおよび平均の汚れ除去%を、下記の表5に記載する。
表5.
【表5】

【0098】
表5中に具体的に示すように、例1の組成物は、LASのみを含んでいた比較例の組成物より、平均して約18%性能が優れていた。比較例Bの組成物と比較した場合、グルコン酸アルミニウムは、平均して約11.5%より少なく汚れを除去した。しかし、標準偏差を考慮に入れた場合、グルコン酸アルミニウムとSTPPとの性能において10%未満の相違がある。従って、グルコン酸アルミニウムは、洗濯洗剤中でSTPPビルダーとして好適な置換物となる。
【0099】
例2および比較例C
例2の組成物は、ベースとしてEcolab Inc.、 St。 Paul、 MN、から入手可能である洗剤、調合物1を使用するが、調合物1中のEDTAをグルコン酸アルミニウムと、1:1の重量比基準で置き換えた、本発明の洗剤組成物を含んでいた。
比較例Cの組成物は、ビルダーとしてEDTAを使用する調合物1のみを含んでいた。
例2および比較例Cの組成物での個々のおよび平均の汚れ除去%を、下記表6中に示す。
【0100】
表6.
【表6】

【0101】
表6中に具体的に説明するように、例2および比較例Cの組成物は、実質的に同様に機能した。従って、グルコン酸アルミニウムは、洗濯洗剤中のビルダーとして、EDTAの好適な置き換えとなる。
【0102】
例3および比較例D
例3の組成物は、ベースとして、Ecolab Inc.、 St。 Paul、 MNから入手可能である洗剤Ecostar(商標)、およびビルダーとしてグルコン酸アルミニウムを使用する、本発明の洗剤組成物を含んでいた。特に、例3の組成物では調合物1中でニトリロ3酢酸(NTA)をグルコン酸アルミニウムと1:1重量比ベースで置換した。
比較例Dの組成物は、ビルダーとしてNTAを使用するEcostar(商標)を含んでいた。
例3および比較例Dの組成物での個々のおよび平均%汚れ除去を、下記の表7に示す。
【0103】
表7
【表7】

【0104】
表7は、例3の組成物が、比較例Dの組成物より、平均して約11.3%少なく汚れを除去したことを示す。しかし、標準偏差を考慮すると、グルコン酸アルミニウムとNTAとの重複する性能がある。従って、グルコン酸アルミニウムは、洗濯洗剤中でビルダーとしてNTAの好適な置換物となる。
【0105】
食器洗浄試験
試験のためのプレートを用意するために、コーヒーディッパーを17グレイン(grain)の硬水で満たし、そして約185°F〜約195°Fに加熱した。150のリプトンティーバッグを加え、そして約5分〜約7分間かき混ぜた。ブロス内に液体を絞りながら、ティーバッグを除去した。次にディッパー中の温度を約160°Fに下げて、約4つの12オンス缶のCarnation Evaporated Milkを加え、そして約30分間攪拌した。1セットの15のプレートをディッパーに加え、そして1分で25回溶液中に浸し、そしてそれぞれの浸漬当り1分間溶液の外に置いた。必要な場合、脱イオン水をディッパーに加えて、蒸発による何らかの水の損失分を置き換えた。
【0106】
汚れを除去する本発明の組成物の能力を決定するために、種々の食器洗浄試験を行った。プレートを洗浄する前に、プレート上の汚れの量を記録した。水だめを17グレイン水で満たし、そして洗剤を加えた。食器洗浄機を1つのサイクルの間動かした。 温度が約150°F〜155°Fであることを確かにした後で、1セットの3つのプレートを食器洗浄機中に位置するラックの上に置いた。1サイクルの間、プレートを洗浄し、そしてすすいだ。次にプレートを取り除き、そして乾燥させた。プレート上に残った汚れの量を記録した。
【0107】
一般的に、2種の洗剤組成物の性能が約10%より大きく変わらない場合、2種の洗剤組成物は、実質的に同様に機能する、従って、相互に有効な置換物として機能すると考えた。
【0108】
試験した組成物のそれぞれは、ベースとしてEcolab Inc.、 St。 Paul、 MNから入手可能であるSolid Power(商標)、洗剤を使用した。
【0109】
例4および5および比較例EおよびF
例4の組成物は、ベースとしてSolid Power(商標)を使用するが、Solid Power(商標)中のNTAをグルコン酸アルミニウムと1:1の重量比で置き換えた本発明の洗剤組成物を含んでいた。例4の組成物は、1:1のアルミニウム:グルコネート比で生成したグルコン酸アルミニウムを含んでいた。 比較例Eの組成物は、Solid Power(商標)および、公知のキレート剤、NTAを含んでいた。
例4および比較例Eの組成物の成分濃度を、下記表8中に具体的に記載した。
【0110】
表8.
【表8】

【0111】
表8中に示すように、グルコン酸アルミニウムを含んでいた例4の組成物は、紅茶のしみを除去する上で、公知のビルダーを含んでいた比較例Eの組成物より性能が良かった。従って、グルコン酸アルミニウムは、食器洗浄洗剤を1:1の重量置換比でのNTAの好適な置換物である。
【0112】
NTAとグルコン酸アルミニウムとの1:1重量比の置換が、紅茶のしみを除去するのに効果的であったことを決定した後で、グルコン酸アルミニウムを別の公知のビルダーに対して試験した。例5は、ビルダーとして1:1のアルミニウム:グルコネート比で生成されたグルコン酸アルミニウムを使用した本発明の洗剤組成物を含んでいた。
【0113】
比較例Fの組成物は、Solid Power(商標)洗剤および公知のビルダー、Dissolvine(商標) GL−38を含んでいた。例5および比較例Fの組成物の成分濃度を下記の表9中に具体的に記載した。
【0114】
表9.
【表9】

【0115】
表9に示すように、例5の組成物は、比較例Fの組成物より平均して約40%性能が優れていた。従って、グルコン酸アルミニウムは、1:1の重量置換比で食器洗浄洗剤においてDissolvine(商標) GL−38の好適な置換物である。
【0116】
例4、6および7および比較例G
いったん公知のビルダーとグルコン酸アルミニウムとを1:1の重量比で置換することが、紅茶のしみ除去に依然効果的であることを決定すると、しみを効果的に除去するのに必要なグルコン酸アルミニウムの量を決定するために、種々の試験を行った。特に、(上記)例4の組成物は、約140ppmのグルコン酸アルミニウムを含んでおり、例6の組成物は、約41ppmのグルコン酸アルミニウムを含んでおり、そして例7の組成物は、約20.5ppmのグルコン酸アルミニウムを含んでいた。
【0117】
比較例Gの組成物は、公知のビルダー、約140ppmのNTAを含んでいた。表10は、例4、6および7および比較例Gの組成物の成分濃度、ならびに例4、6および7および比較例Gの組成物を用いて処理されたプレートからしみ除去のパーセンテージを記載する。
【0118】
表10.
【表10】

【0119】
表10は、しみを除去するNTAの能力に比較してしみを除去する濃度を変化させたグルコン酸アルミニウムの能力を具体的に示す。特に、20.5ppmにおいてさえ、グルコン酸アルミニウムは、140ppmのNTAより17%超のしみを多く除去した。したがって、グルコン酸アルミニウムは、NTAより低い濃度でのしみの除去に効果的であった。
【0120】
例8および9および比較例H
そこで、アルミニウムのグルコネートに対する比がグルコン酸アルミニウムの性能に影響するかどうかを決定するために異なる比で生成させたグルコン酸アルミニウムを用いて、しみ除去試験を繰り返した。特に、例8および9の組成物は、1:1.2のアルミニウム:グルコネート比で生成されたグルコン酸アルミニウムを含んでいた。例8の組成物は、約140ppmのグルコン酸アルミニウムを含んでいたが、例9の組成物は、約41ppmのグルコン酸アルミニウムを含んでいた。
【0121】
比較例Hの組成物は、Solid Power(商標)洗剤およびNTA、公知のビルダーを含んでいた。
全ての洗浄に使用される水および洗浄温度は、それぞれ、約15グレインおよび約152°Fであった。例8および9および比較例Hの組成物の成分濃度を下記の表11中に具体的に記載する。表11はまた、例8および9および比較例Hの組成物を用いて処理されたプレートから除去されたしみの量を記載する。
【0122】
表11.
【表11】

【0123】
表11中に図に示すようにグルコン酸アルミニウムが、わずかに約1未満:1のアルミニウム:グルコネートの比で生成された場合でさえ、グルコン酸アルミニウムは、比較例Hの組成物より依然大量のしみを除去できた。41ppmの濃度においてさえ、グルコン酸アルミニウムは、140ppmのNTAより約5.5%多く除去された。したがって、わずかに1未満:1のアルミニウム:グルコネート比を有するグルコン酸アルミニウムは、より低い濃度においてしみを除去する上でNTAより効果的である。
【0124】
例10および11および比較例IおよびJ
次に、1未満:1の比においてしみを除去するグルコン酸アルミニウムの能力を試験するために、アルミニウム:グルコネートの比を約1:4のアルミニウム:グルコネートに変化させた。例10の組成物は、1:1重量比の基準で、Solid Power(商標)中のNTAを置き換えた。
【0125】
比較例Iの組成物は、Solid Power(商標)洗剤およびNTA、公知のビルダーを含んでいた。
全ての洗浄に使用された水および洗浄温度は、それぞれ、約15グレインおよび約152°Fであった。表12は、例10および比較例Iの組成物のしみ除去能力を記載する。
【0126】
表12.
【表12】

【0127】
表12中に記載するように、1:4のアルミニウム:グルコネート比においてさえ、例10の組成物はNTAより約26%多くしみを除去した。したがって、約1:4のアルミニウム:グルコネート比を有するグルコン酸アルミニウムは、NTAよりしみを除去するのに効果的である。
【0128】
1:4のアルミニウム:グルコネート比で生成されたグルコン酸アルミニウムが、NTAと少なくとも等しい量でしみをさらに除去する能力を有することを決定した後で、1:4のアルミニウム:グルコネート比で生成したグルコン酸アルミニウムを、別の公知のキレート対して試験した。例11の組成物は、ビルダーとして、1:4のアルミニウム:グルコネート比で生成したグルコン酸アルミニウムを使用した本発明の洗剤組成物を含んでいた。
【0129】
比較例Jの組成物は、Solid Power(商標)洗剤および公知のビルダー、Dissolvine(商標)GL−38を含んでいた。
全ての洗浄に使用される水および洗浄温度は、それぞれ、約15グレインおよび約152°Fであった。表13は、例11および比較例Jの組成物を用いて処理されたプレートから除去されたしみの%を記載する。
【0130】
表13.
【表13】

【0131】
表13に示すように、1:4のアルミニウム:グルコネート比においてさえ、例11の組成物は、比較例Jの組成物より約42%多くしみを除去した。したがって、約1:4のアルミニウム;グルコネート比を有するグルコン酸アルミニウムは、Dissolvine(商標) GL−38より、しみを除去するのに効果的である。
【0132】
例12、13および14および比較例K
例12の組成物は、本発明のビルダーを含んでいた。特に、例13の組成物は、2:1のモル比の酒石酸塩:アルミニウムを有する酒石酸アルミニウムを含んでいた。
比較例Kの組成物は、ビルダーとしてNTAを含む。
表14は、例12および比較例Kの組成物のしみ除去特性を示す。
【0133】
表14.
【表14】

【0134】
プレートから除去されたしみの量は、例12および比較例Kの組成物では減少したが、表14中のデータは、酒石酸アルミニウムがNTAより、67%近く良好に機能することを示す。プレート上に紅茶しみは2日超経っているので、紅茶しみを除去するのがさらに難しいため、例12および比較例Kの組成物ならびに他の組成物は、機能しなかったと考えられる。したがって、酒石酸アルミニウムは、少なくともNTAの好適な置換物である。同じ試験は、同じセットからの別の群のプレート上で72時間後に繰り返した。例14のビルダーおよび組成物は、ビルダーとして2:1モル比の酒石酸塩:アルミニウムを有する酒石酸アルミニウムを含んでいたので、例13の組成物は、グルコン酸アルミニウムを含んでいた。表15は、紅茶しみがプレート上に5日間超あった後のグルコン酸アルミニウムおよび酒石酸アルミニウムのしみ除去特性を示す。
【0135】
表15.
【表15】

【0136】
プレートから除去されたしみの量は、例13および14の組成物では減少したが、表15中のデータは、グルコン酸アルミニウムが酒石酸アルミニウムよりわずかに良好に機能することを示す。プレート上に紅茶しみは5日超経っているので、紅茶しみを除去するのがさらに難しいため、例13および14の組成物ならびに他の組成物は、機能しなかったと考えられる。例12〜14の組成物は、酒石酸アルミニウムがNTAより機能することおよび紅茶しみの除去においてグルコン酸アルミニウムに類似することを示さなかった。したがって酒石酸アルミニウムがNTAおよびDissolvine(商標) GL−38等の公知の商業的ビルダーより紅茶しみを除去するのに効果的であることが予想される。
【0137】
Hampshire滴定試験
カルシウムと結合するポリマーの能力を決定するために、ポリマーをカーボネートイオンの存在下で、CaCl溶液を用いて滴定した。滴定試験は、炭酸カルシウムが沈殿し始める前に、カーボネート、アルカリ源およびアルミニウムヒドロキシカルボキシレートを含む溶液に加えられることのできるカルシウムの量を測定する。Hampshire滴定試験は、試験サンプルのキレーション能力と関連してきた。約1グラム(g)のポリマー、約10ミリリッター(ml)の2% NaCO、および100グラムの全サンプル重量を与えるのに充分な量の脱イオン水を含む溶液を、攪拌しながら、約140°Fに加熱した。温度が約140°Fで安定になると、50%のNaOHまたは15.75%のHClの添加によってpHを調整した。この溶液を0.25MのCaClを用いて、はっきりとし、かつ永続的な濁りが現れるまで滴定した。濁りの前のステージはわずかな乳白色として認識された。
【0138】
例15および比較例L
アルミニウムヒドロキシカルボキシレートのカルシウムへの結合能力を決定するために、Hampshire滴定試験を行った。特に、例15の組成物は、1.87mMolのグルコン酸アルミニウムを含んでいた。
比較例Lの組成物が2.09mMolのグルコネートを含んでいた点を除き、比較例Lの組成物を例15の組成物と同じ条件下で試験した。
表16は、例17の組成物での、溶液のpH、終点、カルシウムのmMolおよびMoI グルコン酸アルミニウム/Mol Ca+2およびMolのCa+2/Mol グルコン酸アルミニウムおよび比較例Lの組成物での、溶液のpH、終点、カルシウムのmMolおよびMol グルコネート/Mol Ca+2 およびMol Ca+2/Mol グルコネートを提供する。
【0139】
表16
【表16】

【0140】
表16中のデータは、室温で、9〜12.5のpH範囲内の、1モルのグルコン酸アルミニウムが約1モルのカルシウムをキレートできることを示す。対照的に、室温で9〜12.5のpH範囲の、15モルのグルコネートが、1モルのカルシウムをキレートするのに必要である。pHが増加するにつれて、さらに多くのモルのグルコネートが、キレート1molのカルシウムをキレートするのに必要とされる。
【0141】
食品および飲料ビーカー試験
試薬が硬度溶液(hardness solution)およびナトリウム重炭酸塩溶液を作ることによって最初に調整された。硬度溶液を作るために、約33.45グラムのCaCl・2HO + 23.24gのMgCl・6HOを1リッターの容積のフラスコ中で溶解させ、そして脱イオン水を用いて体積に希釈した。ナトリウム重炭酸塩溶液を作るために、約56.25グラムのNaHCO・2HOを1リッターの容積のフラスコ中に溶解させ、そして脱イオン水を用いて体積に希釈した。
【0142】
約1000ミリリッター(ml)の脱イオン水および1.5インチの攪拌棒を、4つの1000または1500mlのそれぞれのビーカーに加えた。ビーカーをホットプレート上に置き、そして約5mlのナトリウム重炭酸塩溶液が加えられる間、攪拌した。いったん水温が約85°Fに到達すると、そうでないと特定しない限り、硬度溶液をそれぞれのビーカーに、それぞれの約2グレインに等しい1mlを加え、そして2グレインの追加量を追加した。約0.40%または1オンス/2ガロンに等しい、約4mlのアルミニウムヒドロキシカルボキシレートをそれぞれのビーカーに加えた。サンプルが濃いか、または良好に流れない場合、サンプルを4mlの重量ベースで加えた。サンプルが完全に混合した後で、攪拌機を止めた。
【0143】
温度が約85°Fに到達した場合、最初の透過率の読み取りを行った。透過率の読み取りをまた560nm、140°Fおよび160°Fで行った。100%の透過率は、溶液が澄み切っており、そしてなんら沈殿物の形成がないことを示す。99%または98%の透過率は、器具および方法の誤差の範囲内であり、そしてまた充分に透明と考えられる。90%の透過率では、溶液は肉眼には透明に見えるであろうが、いくつかの沈殿が生成し始めている場合がある。従って、透過率%が約98%〜約100%の場合、溶液には沈殿物がないと考えられる。透過率のより低いパーセンテージは、いくらかの初期マイクロ核の生成を示す。
【0144】
例16および比較例M
アルミニウムヒドロキシカルボキシレートのカルシウムに結合できる能力を決定するために、300ppmの NaCOおよび330ppmのNaOHおよび16グレインの水硬度を用いて、ビーカー試験を行った。特に、例16の組成物は、グルコヘプトン酸アルミニウムを含んでいた。
【0145】
比較例Mの組成物がグルコヘプトン酸ナトリウムを含む点のみを除いて、例16の組成物と同じ条件下で、比較例Mの組成物を試験した。
【0146】
表17は、例16および比較例Mの組成物の、グルコヘプトン酸アルミニウム:水硬度のモル比および85華氏度、140華氏度、160華氏度での溶液を通した透過率%を示す。
【0147】
表17
【表17】

【0148】
表17中の比較例Mの組成物の結果に示されているように、4:1の比においてさえ、グルコペプトナートそれ自身は、カルシウムをキレートできず、従って炭酸カルシウムの沈殿を制御できなかった。対照的に、140°Fまでは、カルシウムに対して2倍モル量のグルコヘプトン酸アルミニウムがある場合には、グルコヘプトン酸アルミニウム(例16)は、炭酸カルシウムの沈殿を制御できた。しかし、溶液を冷却させるとこの状態は持続しなかった。3:1のモル比では、グルコヘプトン酸アルミニウムは、炭酸カルシウムの沈殿を防止できた。炭酸カルシウムの沈殿を制御するグルコヘプトン酸アルミニウムの有効性は、4:1の比でさらに増加した。
【0149】
例17および比較例N
例17の組成物は、アルミニウムムケートを含んでおり、そして300ppmのNaCOおよび330ppmのNaOHおよび16グレインの水硬度を用いて試験された。
比較例Nの組成物は、ナトリウムムケートを含んでいた点を除き、例17の組成物と同じ条件で比較例Nの組成物を試験した。
表18は、例17および比較例Nの組成物について、85華氏度、140華氏度および160華氏度での、ポリマー:水硬度比、溶液を通した透過率%を示す。
【0150】
表18.
【表18】

【0151】
表18に示されるように、粘液酸(mucic acid)それ自身は、全ての温度において、1:1または2:1の比ではカルシウムにキレートできなかった。対照的に、アルミニウムムケートは、1:1の比で炭酸カルシウムの沈殿を防止することができた。しかし、溶液が冷却するにつれて、アルミニウムムケートは、炭酸カルシウムの沈殿を制御するのに有効ではなく、結局はいくらかの沈殿を溶液中に示した。アルミニウムムケートが、2:1の比で炭酸カルシウムの沈殿を防止できたことがいったん決定されると、どの点でアルミニウムムケートが効果的になるかを決定するために、わずかに低い比でアルミニウムムケートを試験した。1.14:1の比で試験した場合、アルミニウムムケートは、85、140および160華氏度で炭酸カルシウムの沈殿を防止できた。
【0152】
溶解度試験
本組成物のカルシウムを可溶化する能力を決定するために、異なる溶解度の2種のカルシウム化合物、ヒドロキシルアパタイト (Ca(POMOH))および(dibasic calcium phosphate)(CaHPO)を調製した。Ca(POMOH)は、CaHPOより遙かに不溶性である。スラリーを攪拌し、そして約140°Fに加熱した。両スラリーは、白色不透明着色を有した。次に約100mlの1mol/Lグルコン酸アルミニウムをそれぞれのスラリーに加えた。
【0153】
例18の組成物は、リン酸水素カルシウムスラリーへのグルコン酸アルミニウムの添加を含んでおり、そして比較例Oの組成物は、ヒドロキシルアパタイトスラリーへのグルコン酸アルミニウムの添加を含んでいた。表19は、例18および比較例Oの組成物での、カルシウム源、カルシウムの量および結果を示す。
【0154】
表19.
【表19】

【0155】
表19中の結果に示すように、最後にグルコン酸アルミニウムが加えられた10分間以内に同等な透明性を有している間に、グルコン酸が加えられた場合に ヒドロキシルアパタイトは透明性を有さなかった。リン酸水素カルシウム中のカルシウムの量がヒドロキシルアパタイトより高かったとしても、グルコン酸アルミニウムは、リン酸水素カルシウムを溶解できた。
【0156】
さらなる試験において、グルコネートおよびグルコン酸アルミニウムを使用して、CaHPOの溶解度を試験した。手順は上記で使用したものに類似した。系中でカルシウムと錯体を作るのに必要なグルコネート種の量を示すために、グルコネート種/カルシウムモル比を使用した。モル比が低ければ低いほど、より少ない量のグルコネート種が必要であった。
【0157】
例19の組成物は、リン酸水素カルシウムスラリーへのグルコン酸アルミニウムの添加を含み、そして 比較例Pの組成物は、リン酸水素カルシウムスラリーへのグルコン酸アルミニウムの添加を含んでいた。表20は、例19および比較例Pの組成物での、カルシウムの量、グルコネートの量、結果、およびグルコネート化合物:カルシウムの比を示す。
【0158】
表20.
【表20】

【0159】
表20中の結果に示されるように、例19の組成物のグルコネート;カルシウム比は、比較例Pの組成物のグルコネート:カルシウム比より遙かに小さかった。特に、例19の組成物での比は、比較例Pの組成物での比より約95%少なかった。従って、グルコン酸アルミニウムは、リン酸水素カルシウムの溶解においてグルコネートより良好に機能した。
【0160】
本発明の範囲を離れることなく、種々の改変および追加が、記載された例示的な態様になされるであろう。例えば、上記の態様は特別な特徴をいう一方で、本発明の範囲はまた、上記に記載された特徴の全てを含まない特徴および態様の異なる組み合わせを有する態様を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アルミニウム塩と、
(b)ヒドロキシカルボキシレートと、
(c)アルカリ源と、
を含んで成る、汚れを除去するためのクリーニング組成物であって、
(d)該クリーニング組成物の該pHが、約9〜約14である、クリーニング組成物。
【請求項2】
該アルミニウム塩および該ヒドロキシカルボキシレートが組み合わさって、アルミニウムヒドロキシカルボキシレートを生成する、請求項1に記載のクリーニング組成物。
【請求項3】
該アルミニウムヒドロキシカルボキシレートが、グルコン酸アルミニウム、グルコヘプトン酸アルミニウム、アルミニウムムケート、酒石酸アルミニウム、グルカル酸アルミニウム、アルミニウムサッカレートおよびリンゴ酸アルミニウムの1種を含む、請求項2に記載のクリーニング組成物。
【請求項4】
該アルミニウムヒドロキシカルボキシレートが、グルコン酸アルミニウムを含む、請求項2に記載のクリーニング組成物。
【請求項5】
該グルコン酸アルミニウムが、グルコン酸:アルミン酸ナトリウム=約0.5:1.5〜約1.5:0.5のモル比を有する、請求項4に記載のクリーニング組成物。
【請求項6】
界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載のクリーニング組成物。
【請求項7】
該アルミニウムヒドロキシカルボキシレートが、ヒドロキシカルボキシレートのアルカリ金属塩または遊離ヒドロキシカルボン酸:アルカリ金属水酸化物を用いて溶解したアルミニウム塩=約40:60〜約95:1の重量比を有する、請求項2に記載のクリーニング組成物。
【請求項8】
(a)洗剤組成物の約0.8%〜約90wt%を構成するアルカリ源と、
(b)洗剤組成物の約0.01%〜約60wt%を構成するアルミニウムヒドロキシカルボキシレートと
を含んで成る、洗剤組成物であって、
該アルミニウムヒドロキシカルボキシレートが、グルコン酸アルミニウム、グルコヘプトン酸アルミニウム、アルミニウムムケート、酒石酸アルミニウム、グルカル酸アルミニウム、アルミニウムサッカレートおよびリンゴ酸アルミニウムの1種を含む、洗剤組成物。
【請求項9】
該アルミニウムヒドロキシカルボキシレートが、グルコン酸アルミニウムを含み、そして該グルコン酸アルミニウムが、グルコン酸:アルミン酸ナトリウム=約0.5:1.5〜約1.5:0.5のモル比を有する、請求項8に記載の洗剤組成物。
【請求項10】
該アルミニウムヒドロキシカルボキシレートが、ヒドロキシカルボキシレートのアルカリ金属塩または遊離ヒドロキシカルボン酸;アルカリ金属水酸化物を用いて溶解したアルミニウム塩=約40:60〜約95:1の重量比を有する、請求項8に記載の洗剤組成物。
【請求項11】
該洗剤組成物が、約10wt%未満のNTAおよびEDTAを含む、請求項8に記載の洗剤組成物。
【請求項12】
該洗剤組成物が、約10wt%未満のリン含有化合物を含む、請求項8に記載の洗剤組成物。
【請求項13】
該洗剤組成物が、約10wt%未満のスルホン化または硫酸化界面活性剤を含む、請求項8に記載の洗剤組成物。
【請求項14】
該洗剤組成物の約0.01%〜約50wt%を構成する界面活性剤系をさらに含む、請求項8に記載の洗剤組成物。
【請求項15】
汚れを除去するための方法であって、該方法が、
(a)(i)アルカリ源と、
(ii)ヒドロキシカルボキシレートのアルカリ金属塩または遊離ヒドロキシカルボン酸およびアルカリ金属水酸化物を用いて溶解したアルミニウム塩から生成されたアルミニウムヒドロキシカルボキシレートと、
を含む洗剤組成物を用意する工程と、
(c)該洗剤組成物と、クリーニングされる基材とを接触させる工程とを含んで成る、方法。
【請求項16】
該洗剤組成物が、界面活性剤系をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
洗剤組成物を提供する工程が、該アルミニウムヒドロキシカルボキシレートと別に、該アルカリ源と該界面活性剤系とを混合する工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
該アルミニウムヒドロキシカルボキシレートが、ヒドロキシカルボキシレートのアルカリ金属塩または遊離ヒドロキシカルボン酸:アルカリ金属水酸化物を用いて溶解したアルミニウム塩=約40:60〜約95:1の重量比を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
使用溶液を生成させるために、約1:10〜約1:10、000の希釈比で、該洗剤組成物を希釈する工程を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
使用溶液が、約400百万分の1未満のアルミニウムヒドロキシカルボキシレート濃度を有する、請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2012−516373(P2012−516373A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547046(P2011−547046)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050419
【国際公開番号】WO2010/086832
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】