アルミ製の調理器具の複合鍋底
【課題】構造が実用性を備え、接合が強固で電磁誘導発熱の効果が優れているアルミ製の調理器具の複合鍋底を提供する。
【解決手段】アルミ製鍋底に電磁誘導発熱板が複合固定化されるアルミ製の調理器具の複合鍋底において、電磁誘導発熱板は、上面板1と下面板があり、上面板に多数の開口が分布され、下面板の上の表面に上面開口と対応し、尚且つその開口の差込部を貫通する下面差込縁2.2がプレスしてあり、上面板と下面板を重ね合わせ、プレス成形により少なくとも下面板における下面差し込み縁を鍋底の底部内に挿入することにより、電磁誘導発熱板をアルミ製の調理器具の底部に複合固定化させる。
【解決手段】アルミ製鍋底に電磁誘導発熱板が複合固定化されるアルミ製の調理器具の複合鍋底において、電磁誘導発熱板は、上面板1と下面板があり、上面板に多数の開口が分布され、下面板の上の表面に上面開口と対応し、尚且つその開口の差込部を貫通する下面差込縁2.2がプレスしてあり、上面板と下面板を重ね合わせ、プレス成形により少なくとも下面板における下面差し込み縁を鍋底の底部内に挿入することにより、電磁誘導発熱板をアルミ製の調理器具の底部に複合固定化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は調理器具に関し、特にアルミ製の調理器具の複合鍋底に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムは磁性材料ではないので、従来のアルミ製の調理器具は電磁調理器に使用されない。この現状に対して、例えば、既存のアルミ製の調理器具底に1層のステンレス製の底面を複合させ、そのステンレス底面を鍋底に溶接してなるアルミ製の調理器具の複合鍋底が市場に登場した。しかし、このようなアルミ製の調理器具の複合鍋底は、加工工程が煩雑で、ステンレス鋼板をアルミ製の鍋の底部に溶接する必要があり、またその溶接は専用バンプ(突起電極)が必要であり、そのうえ、鍋底表面の光滑度と清潔度に影響があり、溶接のコストも高いなどの欠点がある。また、「アルミ製の調理器具の複合鍋底」という中国実用新案特許ZL02217063.4(公開番号CN2544654Y)には、アルミ製の鍋底の底部に鋼板が複合される構造において、鋼板の表面に複数の貫通穴を打抜き、その鋼板をアルミ製の鍋の底部に貼り合わせて冷間プレスを行い、アルミ製の鍋底のアルミニウムを変形させてから鋼板における貫通穴内に押し入れるとともに、貫通穴の貫通穴縁をアルミ製の調理器具の鍋底のアルミ本体内に押し込み、アルミ本体としっかり一体化することで、鋼板をアルミ製の鍋の底部に複合固定化させることを特徴とする構造が開示されている。この複合鍋底は、加工しやすく、コストが低く、接合が比較的に強固であるなどの利点があるが、単層の電磁誘導発熱板であるので、発熱効果が好ましくなく、接合もそれほど強固なものではない。また、上記アルミ製の調理器具の複合鍋底は、薄い鋼板しかアルミ製の調理器具の鍋底に押し入れることができず、そうでなければ、鋼板が厚すぎて、その貫通穴縁を平たい鍋底に押し込みにくくなるので、その応用がある程度限定される。そのため、「アルミ製の調理器具の複合鍋底」という中国特許2005201020259.1には、構造が簡単で加工しやすく、鋼板が調理器具底とより強固に接合されるアルミ製の調理器具の複合鍋底が提案されている。しかし、従来の複合調理器具底には、調理器具の複合底面があまり光滑平坦ではなく、また、貫通穴の打ち抜き及び冷間プレスのため、電磁誘導発熱板が厚く製作できないので、電磁誘導発熱の効果が影響されてしまう欠点があり、そのため、構造設計をさらに改良することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国実用新案特許 公開番号 CN2544654Y
【0004】
【特許文献2】中国特許 出願番号 2005201020259.1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の現状に対し、構造が実用性を備え、接合が強固で電磁誘導発熱の効果が優れているアルミ製の調理器具の複合鍋底を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した技術課題を解決するために、本発明に係る技術手段は、アルミ製鍋底に電磁誘導発熱板が複合固定化されるアルミ製の調理器具の複合鍋底において、電磁誘導発熱板は、上面板と下面板があり、上面板に多数の開口が分布され、下面板の上の表面に上面開口と対応し、尚且つその上面開口の差込部分を貫通する下面差し込み縁が形成してあり、上面板と下面板を重ね合わせ、プレス成形により少なくとも下面板における下面差し込み縁を鍋の底部内に挿入することにより、電磁誘導発熱板をアルミ製の調理器具の底部に複合固定化させることを特徴とするアルミ製の調理器具の複合鍋底である。
【0007】
その改良として、上記上面板には上面開口を打抜くとともに、上面板の上面開口の縁に上向きの上面差し込み縁を形成し、下面板の下面差し込み縁が少なくとも上面開口の上面差し込み縁内側に嵌入し、下面差し込み縁と上面差し込み縁とを鍋の底部内に挿入して、上面差し込み縁と下面差し込み縁との共同接合作用により、接合の強固性を大きく向上させる。
【0008】
その更なる改良として、上記下面板の下面差し込み縁は、上面差し込み縁内側の上面開口に嵌入し、さらに上面開口を、開口周囲の上面差し込み縁を越えて貫通することにより、接合の強固性をさらに向上させる。
【0009】
さらに、その更なる改良として、上記下面板の下面差し込み縁は孔抜き成形により形成して、下面穿孔部の両側に分布され、それに対応して、上面板の隣接する上面開口における上面差し込み縁の間の部位がほぼ下面板の下面差し込み縁の間の下面穿孔部を充填・遮蔽し、上面開口がほぼ下面板における隣接する下面穿孔部における下面差し込み縁及びそれらの間の部位に充填・遮蔽されることにより、上面板と下面板を、ほぼ平坦で、格子模様が分布されている一体的な電磁誘導発熱板に複合させ、そのため、美観と実用性を兼ねており、鍋底が平坦に見える効果が得られ、装飾性が良く、様式が独特で、また電磁誘導発熱板の面積が増大されて、電磁誘導発熱の效果を大きく向上させる。
【0010】
上記上面差し込み縁は環状の周囲片又は複数の側部片から構成されることが好ましい。
【0011】
上記上面板及び下面板は正方形、長方形、円形又は楕円形とすることが好ましい。
【0012】
上記上面開口を正方形、長方形、扇形又は正六角形、それに対応して、下面穿孔部は正方形、長方形、扇形又は正六角形とすることが好ましい。
【0013】
上記上面板の上面開口及び下面穿孔部は電磁誘導発熱板が均等に力を受けるように、互いに適合する碁盤目状配列又は環状配列とする。
【0014】
上記鍋底は、複合された後、下面板が鍋底と面一になるように、予め上面板と下面板の形状及び厚さに適合する凹部を形成しておく。
【0015】
又は、上記上面板と下面板は形状が同じで、下面板はサイズが上面板より大きく、鍋底は、複合された後、下面板が調理器具底と面一になるように、予め下面板の形状と上下面板の厚さに適合する凹部を形成しておく。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べると、本発明においては、上面板と下面板とからなる電磁誘導発熱板を使用することにより、全体の厚さと面積を増加させることができ、電磁誘導発熱の效果が改善され、変形しにくくなる。また、上面差し込み縁と下面差し込み縁とを合わせる構造を採用して接合を行うことにより、下面差し込み縁と上面差し込み縁が更に鋭く(発熱板の全体が同じ厚さである場合)鍋底に挿入しやすくなり、接合が非常に強固で安定し抜けにくくなる。さらに、装飾用の格子模様を多様化することができ、外観が平坦で、美観と実用性を兼ねており、生産性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は実施形態1に係る長方形状の上面板を示す斜視図である。
【図2】図2は実施形態1に係る長方形状の下面板を示す斜視図である。
【図3】図3は実施形態1に係る長方形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図4】図4は実施形態1に係る長方形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図5】図5は実施形態1に係る長方形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す部分断面拡大図である。
【図6】図6は実施形態2に係る円形状の上面板を示す斜視図である。
【図7】図7は実施形態2に係る円形状の下面板を示す斜視図である。
【図8】図8は実施形態2に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図9】図9は実施形態2に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図10】図10は実施形態2に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す部分断面拡大図である。
【図11】図11は実施形態3に係る円形状の上面板を示す斜視図である。
【図12】図12は実施形態3に係る円形状の下面板を示す斜視図である。
【図13】図13は実施形態3に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図14】図14は実施形態3に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図15】図15は実施形態3に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す部分断面拡大図である。
【図16】図16は複合化された鍋を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面及び実施形態に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0019】
図1〜図5に示すように、アルミ製の調理器具の複合鍋底は、アルミ製鍋底に電磁誘導発熱板が複合固定化される。この発明は、電磁誘導発熱板が上面板1と下面板2とがあり、両方ともステンレス鋼板又は鉄板より形成され、厚さが0.2〜1.0mm、辺長が50〜300mmであることを特徴とする。この実施形態において、上面板1と下面板2は長方形状をしており、面積の大きさが一致し、また、必要に応じて、複合化する場合、周縁2aを折り返して上面板1の四周側面に被覆して一体的な電磁誘導発熱板が形成されるように、下面板2を上面板1より周縁2a分大きくしてもよい。上面板1に4〜10mmの辺長の正方形状の上面開口1.1が分布され、上面板は、打抜き工程により上面開口1.1が打ち抜けられるとともに、上面開口1.1の縁に上向きの上面差し込み縁1.2が形成され、この上面差し込み縁1.2が正方形の四周の周縁より構成され、また上面差し込み縁1.2の高さが0.5〜2mmあり、上面開口1.1が規則的な碁盤目状の配列を呈している。この実施形態は均一の分布配列を採用し、それに対応して、下面板2は打抜き工程によりその下面穿孔部2.1の両側に上向きの下面差し込み縁2.2が形成され、下面穿孔部2.1も長方形状をしており、下面差し込み縁2.2の高さは上面板1の上面差し込み縁1.2と等しいか又はそれより少々高く、下面板2の下面差し込み縁2.2は上面開口1.1を貫通し開口周囲の上面差し込み縁1.2と面一か、又は、それより0.1〜1mm高くなっている。下面差し込み縁2.2の長さが上面板の上面開口1.1の辺長と一致し、異なる下面穿孔部にある隣接する下面差し込み縁2.2の非対向面間の間隔Aが上面開口1.1の辺長Bと一致し、下面差し込み縁2.2を上面開口1.1の側面にぴったりと接触するようにすることで、上面板1と下面板2を重ね合わせると、プレス成形により、下面板2における隣接する下面穿孔部の対になる下面差し込み縁2.2が上面板1の上面差し込み縁内の上面開口1.1を貫通し、下面差し込み縁2.2と上面差し込み縁1.2が鍋底の底部に挿入され、アルミニウム本体と一体となって、複合化することとなる。それと同時に、上面開口1.1と下面穿孔部2.1との組み合わせにより、上面板1における同じ並びの隣接する上面差し込み縁1.2の間の部位が下面板2における同じ並びの対向する差し込み縁2.2の間の下面穿孔部2.1を充填・遮蔽し、上面開口1.1が下面板における隣接する下面差し込み縁2.2及びそれらの間の部位に充填・遮蔽されることで、上面板1と下面板2とを、ほぼ平坦で、格子模様が分布されている一体的な電磁誘導発熱板に複合化させる。
【0020】
さらに、鍋底は、複合化された後、下面板が鍋底と面一になるように、予め上面板と下面板の形状及び厚さに適合する凹部を成形しておいてもよい。
【実施例2】
【0021】
図6〜図10に示すように、アルミ製の調理器具の複合鍋底は底部に電磁誘導発熱板が複合固定化される。この発明は電磁誘導発熱板が上面板1と下面板2とがあり、両方ともステンレス鋼板又は鉄板より形成され、厚さが0.2〜1.0mm、直径が50〜300mmであることを特徴とする。この実施形態において、上面板1と下面板2は円形状をしており、面積の大きさが一致し、また、必要に応じて、複合化する場合、周縁2aを折り返して上面板1の四周側面に被覆して一体的な電磁誘導発熱板が形成されるように、下面板2を上面板1より周縁2a分大きくしてもよい。上面板1に4〜10
mmの辺長の正六角形状の上面開口1.1が分布され、上面板の上面開口1.1は打抜き工程により開口部を打抜くとともに、上面開口1.1の縁に上向きの上面差し込み縁1.2が形成され、上面差し込み縁1.2は正六角形状の周縁により構成され、上面差し込み縁1.2の高さが0.5〜1mmあり、上面開口1.1は環状に中心から外へ配列しており、それに対応して、下面板2においては、打抜き工程により、その下面穿孔部2.1の両側に上向きの下面差し込み縁2.2が形成され、下面穿孔部2.1も長方形状をしており、下面差し込み縁2.2の高さが上面板の上面差し込み縁1.2と等しいか又はそれより少々高く、下面板2の下面差し込み縁2.2は上面開口1.1を貫通し開口周囲の上面差し込み縁1.2と面一か、又は、それより0.1〜1mm高くなっている。
【0022】
下面差し込み縁2.2の長さが上面開口1.1の辺長と一致し、異なる穿孔部にある隣接する下面差し込み縁2.2の非対向面間の間隔が上面開口の最大間隔と一致し、下面差し込み縁2.2を上面開口の側面にぴったりと接触させて上面板1と下面板2を重ね合わせると、プレス成形により、下面板2における隣り合う対になる下面差し込み縁2.2が上面板1の上面差し込み縁1.2内を貫通し、下面差し込み縁2.2と上面差し込み縁1.2が鍋底の底部に挿入され、アルミニウムと一体となって、複合化することになり、それと同時に、上面開口1.1と下面穿孔部2.1との組み合わせにより、上面板1における隣接する上面差し込み縁1.2間の部位が下面板2の同じ輪にある対向する差し込み縁2.2の間の下面穿孔部を充填・遮蔽し、上面開口1.1が下面板における隣接する下面差し込み縁2.2及びそれらの間の部位に充填・遮蔽されることで、上面板1と下面板2を、ほぼ平坦で、格子模様が分布されている一体的な電磁誘導発熱板に複合化させる。
【0023】
また、鍋底は、複合化された後、下面板が鍋底と面一となるように、予め上面板と下面板の形状及び厚さに適合する凹部を成形しておいてもよい。
【実施例3】
【0024】
図11〜図15に示すように、アルミ製の調理器具の複合鍋底は、底部に電磁誘導発熱板が複合固定化される。この発明は電磁誘導発熱板が上面板1と下面板2とがあり、両方ともステンレス鋼板又は鉄板より形成され、厚さが0.2〜1.0mmで、直径が50〜300mmであることを特徴とする。この実施形態において、上面板1と下面板2は円形状をしており、面積の大きさが一致し、また、必要に応じて、複合化する場合、周縁2aを折り返して上面板1の四周側面に被覆して一体的な電磁誘導発熱板が形成されるように、下面板2を下面板1より周縁2a分大きくしてもよい。上面板1に4〜10
mmの辺長の扇形の上面開口1.1が分布され、上面開口1.1は打抜き工程により開口部を打抜くとともに、開口1.1の縁に上向きの上面差し込み縁1.2が形成され、上面差し込み縁1.2は扇形四周の周縁より構成され、上面差し込み縁1.2の高さが0.5〜1mmであり、上面開口1.1は環状に中心から外へ配列しており、それに対応して、下面板2は打抜き工程により、その下面穿孔部2.1の両側に上向きの下面差し込み縁2.2が形成され、下面穿孔部2.1も扇形形状をしており、下面差し込み縁2.2の高さは上面板1の上面差し込み縁1.2と等しいか又はそれより少々高く、下面板2の下面差し込み縁2.2は上面開口1.1を貫通し開口周囲の上面差し込み縁1.2と面一か、又は、それより0.1〜1mm高くなっている。
【0025】
下面差し込み縁2.2の長さが上面開口1.1の側面辺長と一致し、異なる下面穿孔部にある隣接する下面差し込み縁2.2の非対向面間の間隔と形状が上面開口1.1の長さ及び形状と一致し、下面差し込み縁2.2が上面開口1.1の側面にぴったりと接触するようにすることで、上面板1と下面板2を重ね合わせると、プレス成形により、下面板2における隣り合う対になる差し込み縁2.2が上面板の上面開口を開口周囲の差込縁を越えて貫通し、下面差し込み縁2.2と上面差し込み縁1.2が鍋底の底部に挿入され、アルミニウムと一体となって、複合化することになり、それと同時に、上面開口1.1と下面穿孔部2.1との組み合わせにより、上面板1での隣の上面開口の隣接する上面差し込み縁1.2の間の部位が下面板2での同じ輪にある対向する下面差し込み縁2.2の間の下面穿孔部2.1を充填・遮蔽し、上面開口1.1が下面板における隣接する下面差し込み縁2.2及びそれらの間の部位に充填・遮蔽されることにより、上面板1と下面板2をほぼ平坦で、格子模様が分布されている一体的な磁気誘導発熱板に複合化させる。さらに、鍋底は、複合化された後、下面板が鍋底と面一になるように、予め上面板と下面板の形状及び厚さに適合する凹部を形成しておいてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、発熱効率が高くかつ接合性の強固な電磁誘導板を有する調理器具を提供するもので産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0027】
1 上面板
1.1 上面開口
1.2 上面差し込み縁
2 下面板
2.1 下面穿孔部
2.2 下面差し込み縁
2a 周縁
A 隣接する下面差し込み縁の非対向面間の間隔
B 上面開口の辺長
【技術分野】
【0001】
本発明は調理器具に関し、特にアルミ製の調理器具の複合鍋底に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムは磁性材料ではないので、従来のアルミ製の調理器具は電磁調理器に使用されない。この現状に対して、例えば、既存のアルミ製の調理器具底に1層のステンレス製の底面を複合させ、そのステンレス底面を鍋底に溶接してなるアルミ製の調理器具の複合鍋底が市場に登場した。しかし、このようなアルミ製の調理器具の複合鍋底は、加工工程が煩雑で、ステンレス鋼板をアルミ製の鍋の底部に溶接する必要があり、またその溶接は専用バンプ(突起電極)が必要であり、そのうえ、鍋底表面の光滑度と清潔度に影響があり、溶接のコストも高いなどの欠点がある。また、「アルミ製の調理器具の複合鍋底」という中国実用新案特許ZL02217063.4(公開番号CN2544654Y)には、アルミ製の鍋底の底部に鋼板が複合される構造において、鋼板の表面に複数の貫通穴を打抜き、その鋼板をアルミ製の鍋の底部に貼り合わせて冷間プレスを行い、アルミ製の鍋底のアルミニウムを変形させてから鋼板における貫通穴内に押し入れるとともに、貫通穴の貫通穴縁をアルミ製の調理器具の鍋底のアルミ本体内に押し込み、アルミ本体としっかり一体化することで、鋼板をアルミ製の鍋の底部に複合固定化させることを特徴とする構造が開示されている。この複合鍋底は、加工しやすく、コストが低く、接合が比較的に強固であるなどの利点があるが、単層の電磁誘導発熱板であるので、発熱効果が好ましくなく、接合もそれほど強固なものではない。また、上記アルミ製の調理器具の複合鍋底は、薄い鋼板しかアルミ製の調理器具の鍋底に押し入れることができず、そうでなければ、鋼板が厚すぎて、その貫通穴縁を平たい鍋底に押し込みにくくなるので、その応用がある程度限定される。そのため、「アルミ製の調理器具の複合鍋底」という中国特許2005201020259.1には、構造が簡単で加工しやすく、鋼板が調理器具底とより強固に接合されるアルミ製の調理器具の複合鍋底が提案されている。しかし、従来の複合調理器具底には、調理器具の複合底面があまり光滑平坦ではなく、また、貫通穴の打ち抜き及び冷間プレスのため、電磁誘導発熱板が厚く製作できないので、電磁誘導発熱の効果が影響されてしまう欠点があり、そのため、構造設計をさらに改良することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国実用新案特許 公開番号 CN2544654Y
【0004】
【特許文献2】中国特許 出願番号 2005201020259.1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の現状に対し、構造が実用性を備え、接合が強固で電磁誘導発熱の効果が優れているアルミ製の調理器具の複合鍋底を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した技術課題を解決するために、本発明に係る技術手段は、アルミ製鍋底に電磁誘導発熱板が複合固定化されるアルミ製の調理器具の複合鍋底において、電磁誘導発熱板は、上面板と下面板があり、上面板に多数の開口が分布され、下面板の上の表面に上面開口と対応し、尚且つその上面開口の差込部分を貫通する下面差し込み縁が形成してあり、上面板と下面板を重ね合わせ、プレス成形により少なくとも下面板における下面差し込み縁を鍋の底部内に挿入することにより、電磁誘導発熱板をアルミ製の調理器具の底部に複合固定化させることを特徴とするアルミ製の調理器具の複合鍋底である。
【0007】
その改良として、上記上面板には上面開口を打抜くとともに、上面板の上面開口の縁に上向きの上面差し込み縁を形成し、下面板の下面差し込み縁が少なくとも上面開口の上面差し込み縁内側に嵌入し、下面差し込み縁と上面差し込み縁とを鍋の底部内に挿入して、上面差し込み縁と下面差し込み縁との共同接合作用により、接合の強固性を大きく向上させる。
【0008】
その更なる改良として、上記下面板の下面差し込み縁は、上面差し込み縁内側の上面開口に嵌入し、さらに上面開口を、開口周囲の上面差し込み縁を越えて貫通することにより、接合の強固性をさらに向上させる。
【0009】
さらに、その更なる改良として、上記下面板の下面差し込み縁は孔抜き成形により形成して、下面穿孔部の両側に分布され、それに対応して、上面板の隣接する上面開口における上面差し込み縁の間の部位がほぼ下面板の下面差し込み縁の間の下面穿孔部を充填・遮蔽し、上面開口がほぼ下面板における隣接する下面穿孔部における下面差し込み縁及びそれらの間の部位に充填・遮蔽されることにより、上面板と下面板を、ほぼ平坦で、格子模様が分布されている一体的な電磁誘導発熱板に複合させ、そのため、美観と実用性を兼ねており、鍋底が平坦に見える効果が得られ、装飾性が良く、様式が独特で、また電磁誘導発熱板の面積が増大されて、電磁誘導発熱の效果を大きく向上させる。
【0010】
上記上面差し込み縁は環状の周囲片又は複数の側部片から構成されることが好ましい。
【0011】
上記上面板及び下面板は正方形、長方形、円形又は楕円形とすることが好ましい。
【0012】
上記上面開口を正方形、長方形、扇形又は正六角形、それに対応して、下面穿孔部は正方形、長方形、扇形又は正六角形とすることが好ましい。
【0013】
上記上面板の上面開口及び下面穿孔部は電磁誘導発熱板が均等に力を受けるように、互いに適合する碁盤目状配列又は環状配列とする。
【0014】
上記鍋底は、複合された後、下面板が鍋底と面一になるように、予め上面板と下面板の形状及び厚さに適合する凹部を形成しておく。
【0015】
又は、上記上面板と下面板は形状が同じで、下面板はサイズが上面板より大きく、鍋底は、複合された後、下面板が調理器具底と面一になるように、予め下面板の形状と上下面板の厚さに適合する凹部を形成しておく。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べると、本発明においては、上面板と下面板とからなる電磁誘導発熱板を使用することにより、全体の厚さと面積を増加させることができ、電磁誘導発熱の效果が改善され、変形しにくくなる。また、上面差し込み縁と下面差し込み縁とを合わせる構造を採用して接合を行うことにより、下面差し込み縁と上面差し込み縁が更に鋭く(発熱板の全体が同じ厚さである場合)鍋底に挿入しやすくなり、接合が非常に強固で安定し抜けにくくなる。さらに、装飾用の格子模様を多様化することができ、外観が平坦で、美観と実用性を兼ねており、生産性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は実施形態1に係る長方形状の上面板を示す斜視図である。
【図2】図2は実施形態1に係る長方形状の下面板を示す斜視図である。
【図3】図3は実施形態1に係る長方形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図4】図4は実施形態1に係る長方形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図5】図5は実施形態1に係る長方形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す部分断面拡大図である。
【図6】図6は実施形態2に係る円形状の上面板を示す斜視図である。
【図7】図7は実施形態2に係る円形状の下面板を示す斜視図である。
【図8】図8は実施形態2に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図9】図9は実施形態2に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図10】図10は実施形態2に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す部分断面拡大図である。
【図11】図11は実施形態3に係る円形状の上面板を示す斜視図である。
【図12】図12は実施形態3に係る円形状の下面板を示す斜視図である。
【図13】図13は実施形態3に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図14】図14は実施形態3に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す斜視図である。
【図15】図15は実施形態3に係る円形状の複合化された電磁誘導発熱板を示す部分断面拡大図である。
【図16】図16は複合化された鍋を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面及び実施形態に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0019】
図1〜図5に示すように、アルミ製の調理器具の複合鍋底は、アルミ製鍋底に電磁誘導発熱板が複合固定化される。この発明は、電磁誘導発熱板が上面板1と下面板2とがあり、両方ともステンレス鋼板又は鉄板より形成され、厚さが0.2〜1.0mm、辺長が50〜300mmであることを特徴とする。この実施形態において、上面板1と下面板2は長方形状をしており、面積の大きさが一致し、また、必要に応じて、複合化する場合、周縁2aを折り返して上面板1の四周側面に被覆して一体的な電磁誘導発熱板が形成されるように、下面板2を上面板1より周縁2a分大きくしてもよい。上面板1に4〜10mmの辺長の正方形状の上面開口1.1が分布され、上面板は、打抜き工程により上面開口1.1が打ち抜けられるとともに、上面開口1.1の縁に上向きの上面差し込み縁1.2が形成され、この上面差し込み縁1.2が正方形の四周の周縁より構成され、また上面差し込み縁1.2の高さが0.5〜2mmあり、上面開口1.1が規則的な碁盤目状の配列を呈している。この実施形態は均一の分布配列を採用し、それに対応して、下面板2は打抜き工程によりその下面穿孔部2.1の両側に上向きの下面差し込み縁2.2が形成され、下面穿孔部2.1も長方形状をしており、下面差し込み縁2.2の高さは上面板1の上面差し込み縁1.2と等しいか又はそれより少々高く、下面板2の下面差し込み縁2.2は上面開口1.1を貫通し開口周囲の上面差し込み縁1.2と面一か、又は、それより0.1〜1mm高くなっている。下面差し込み縁2.2の長さが上面板の上面開口1.1の辺長と一致し、異なる下面穿孔部にある隣接する下面差し込み縁2.2の非対向面間の間隔Aが上面開口1.1の辺長Bと一致し、下面差し込み縁2.2を上面開口1.1の側面にぴったりと接触するようにすることで、上面板1と下面板2を重ね合わせると、プレス成形により、下面板2における隣接する下面穿孔部の対になる下面差し込み縁2.2が上面板1の上面差し込み縁内の上面開口1.1を貫通し、下面差し込み縁2.2と上面差し込み縁1.2が鍋底の底部に挿入され、アルミニウム本体と一体となって、複合化することとなる。それと同時に、上面開口1.1と下面穿孔部2.1との組み合わせにより、上面板1における同じ並びの隣接する上面差し込み縁1.2の間の部位が下面板2における同じ並びの対向する差し込み縁2.2の間の下面穿孔部2.1を充填・遮蔽し、上面開口1.1が下面板における隣接する下面差し込み縁2.2及びそれらの間の部位に充填・遮蔽されることで、上面板1と下面板2とを、ほぼ平坦で、格子模様が分布されている一体的な電磁誘導発熱板に複合化させる。
【0020】
さらに、鍋底は、複合化された後、下面板が鍋底と面一になるように、予め上面板と下面板の形状及び厚さに適合する凹部を成形しておいてもよい。
【実施例2】
【0021】
図6〜図10に示すように、アルミ製の調理器具の複合鍋底は底部に電磁誘導発熱板が複合固定化される。この発明は電磁誘導発熱板が上面板1と下面板2とがあり、両方ともステンレス鋼板又は鉄板より形成され、厚さが0.2〜1.0mm、直径が50〜300mmであることを特徴とする。この実施形態において、上面板1と下面板2は円形状をしており、面積の大きさが一致し、また、必要に応じて、複合化する場合、周縁2aを折り返して上面板1の四周側面に被覆して一体的な電磁誘導発熱板が形成されるように、下面板2を上面板1より周縁2a分大きくしてもよい。上面板1に4〜10
mmの辺長の正六角形状の上面開口1.1が分布され、上面板の上面開口1.1は打抜き工程により開口部を打抜くとともに、上面開口1.1の縁に上向きの上面差し込み縁1.2が形成され、上面差し込み縁1.2は正六角形状の周縁により構成され、上面差し込み縁1.2の高さが0.5〜1mmあり、上面開口1.1は環状に中心から外へ配列しており、それに対応して、下面板2においては、打抜き工程により、その下面穿孔部2.1の両側に上向きの下面差し込み縁2.2が形成され、下面穿孔部2.1も長方形状をしており、下面差し込み縁2.2の高さが上面板の上面差し込み縁1.2と等しいか又はそれより少々高く、下面板2の下面差し込み縁2.2は上面開口1.1を貫通し開口周囲の上面差し込み縁1.2と面一か、又は、それより0.1〜1mm高くなっている。
【0022】
下面差し込み縁2.2の長さが上面開口1.1の辺長と一致し、異なる穿孔部にある隣接する下面差し込み縁2.2の非対向面間の間隔が上面開口の最大間隔と一致し、下面差し込み縁2.2を上面開口の側面にぴったりと接触させて上面板1と下面板2を重ね合わせると、プレス成形により、下面板2における隣り合う対になる下面差し込み縁2.2が上面板1の上面差し込み縁1.2内を貫通し、下面差し込み縁2.2と上面差し込み縁1.2が鍋底の底部に挿入され、アルミニウムと一体となって、複合化することになり、それと同時に、上面開口1.1と下面穿孔部2.1との組み合わせにより、上面板1における隣接する上面差し込み縁1.2間の部位が下面板2の同じ輪にある対向する差し込み縁2.2の間の下面穿孔部を充填・遮蔽し、上面開口1.1が下面板における隣接する下面差し込み縁2.2及びそれらの間の部位に充填・遮蔽されることで、上面板1と下面板2を、ほぼ平坦で、格子模様が分布されている一体的な電磁誘導発熱板に複合化させる。
【0023】
また、鍋底は、複合化された後、下面板が鍋底と面一となるように、予め上面板と下面板の形状及び厚さに適合する凹部を成形しておいてもよい。
【実施例3】
【0024】
図11〜図15に示すように、アルミ製の調理器具の複合鍋底は、底部に電磁誘導発熱板が複合固定化される。この発明は電磁誘導発熱板が上面板1と下面板2とがあり、両方ともステンレス鋼板又は鉄板より形成され、厚さが0.2〜1.0mmで、直径が50〜300mmであることを特徴とする。この実施形態において、上面板1と下面板2は円形状をしており、面積の大きさが一致し、また、必要に応じて、複合化する場合、周縁2aを折り返して上面板1の四周側面に被覆して一体的な電磁誘導発熱板が形成されるように、下面板2を下面板1より周縁2a分大きくしてもよい。上面板1に4〜10
mmの辺長の扇形の上面開口1.1が分布され、上面開口1.1は打抜き工程により開口部を打抜くとともに、開口1.1の縁に上向きの上面差し込み縁1.2が形成され、上面差し込み縁1.2は扇形四周の周縁より構成され、上面差し込み縁1.2の高さが0.5〜1mmであり、上面開口1.1は環状に中心から外へ配列しており、それに対応して、下面板2は打抜き工程により、その下面穿孔部2.1の両側に上向きの下面差し込み縁2.2が形成され、下面穿孔部2.1も扇形形状をしており、下面差し込み縁2.2の高さは上面板1の上面差し込み縁1.2と等しいか又はそれより少々高く、下面板2の下面差し込み縁2.2は上面開口1.1を貫通し開口周囲の上面差し込み縁1.2と面一か、又は、それより0.1〜1mm高くなっている。
【0025】
下面差し込み縁2.2の長さが上面開口1.1の側面辺長と一致し、異なる下面穿孔部にある隣接する下面差し込み縁2.2の非対向面間の間隔と形状が上面開口1.1の長さ及び形状と一致し、下面差し込み縁2.2が上面開口1.1の側面にぴったりと接触するようにすることで、上面板1と下面板2を重ね合わせると、プレス成形により、下面板2における隣り合う対になる差し込み縁2.2が上面板の上面開口を開口周囲の差込縁を越えて貫通し、下面差し込み縁2.2と上面差し込み縁1.2が鍋底の底部に挿入され、アルミニウムと一体となって、複合化することになり、それと同時に、上面開口1.1と下面穿孔部2.1との組み合わせにより、上面板1での隣の上面開口の隣接する上面差し込み縁1.2の間の部位が下面板2での同じ輪にある対向する下面差し込み縁2.2の間の下面穿孔部2.1を充填・遮蔽し、上面開口1.1が下面板における隣接する下面差し込み縁2.2及びそれらの間の部位に充填・遮蔽されることにより、上面板1と下面板2をほぼ平坦で、格子模様が分布されている一体的な磁気誘導発熱板に複合化させる。さらに、鍋底は、複合化された後、下面板が鍋底と面一になるように、予め上面板と下面板の形状及び厚さに適合する凹部を形成しておいてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、発熱効率が高くかつ接合性の強固な電磁誘導板を有する調理器具を提供するもので産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0027】
1 上面板
1.1 上面開口
1.2 上面差し込み縁
2 下面板
2.1 下面穿孔部
2.2 下面差し込み縁
2a 周縁
A 隣接する下面差し込み縁の非対向面間の間隔
B 上面開口の辺長
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミ製鍋底に電磁誘導発熱板が複合固定化されるアルミ製の調理器具の複合鍋底において、電磁誘導発熱板は、上面板と下面板があり、上面板に多数の開口が分布され、下面板の上の表面に上面開口と対応し、尚且つその上面開口の差込部分を貫通する下面差し込み縁が形成してあり、上面板と下面板を重ね合わせ、プレス成形により少なくとも下面板における下面差し込み縁を鍋の底部内に挿入することにより、電磁誘導発熱板をアルミ製の調理器具の底部に複合固定化させることを特徴とするアルミ製の調理器具の複合鍋底である。
【請求項2】
前記上面板には上面開口を打抜くとともに、上面開口の縁に上向きの上面差し込み縁を形成し、下面板の下面差し込み縁が少なくとも上面開口の上面差し込み縁内側に嵌入し、下面差し込み縁と上面差し込み縁とを鍋の底部内に挿入することを特徴とする請求項1に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項3】
前記下面板の下面差し込み縁は、上面差し込み縁内側の上面開口に嵌入し、さらに上面開口を開口周囲の上面差し込み縁を越えて貫通することを特徴とする請求項2に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項4】
前記下面板の下面差し込み縁は孔抜き成形により形成して、下面穿孔部の両側に分布され、それに対応して、上面板における隣接する上面開口における上面差し込み縁の間の部位がほぼ下面板の下面差し込み縁の間の下面穿孔部を充填・遮蔽し、上面開口がほぼ下面板における隣接する下面穿孔部における下面差し込み縁及びそれらの間の部位に充填・遮蔽されることにより、上面板と下面板を、ほぼ平坦で、格子模様が分布されている一体的な電磁誘導発熱板に複合させることを特徴とする請求項3に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項5】
前記上面差し込み縁は環状の周囲片又は複数の側部片から構成されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項6】
前記上面板及び下面板を、正方形、長方形、円形又は楕円形とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項7】
前記上面開口を正方形、長方形、扇形又は正六角形とし、それに対応して、下面穿孔部を正方形、長方形、扇形又は正六角形とすることを特徴とする請求項4に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項8】
前記上面開口及び下面穿孔部を互いに適合する碁盤目状配列又は環状配列とすることを特徴とする請求項7に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項9】
前記調理器具底は、複合された後、下面板が調理器具底と面一になるように、予め上面板と下面板の形状及び厚さに適合する凹部を形成しておくことを特徴とする請求項8に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項10】
前記上面板と下面板は形状が同じで、下面板はサイズが上面板より大きく、前記調理器具底は、複合された後、下面板が調理器具底と面一になるように、予め下面板の形状と上下面板の厚さに適合する凹部を形成しておくことを特徴とする請求項8に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項1】
アルミ製鍋底に電磁誘導発熱板が複合固定化されるアルミ製の調理器具の複合鍋底において、電磁誘導発熱板は、上面板と下面板があり、上面板に多数の開口が分布され、下面板の上の表面に上面開口と対応し、尚且つその上面開口の差込部分を貫通する下面差し込み縁が形成してあり、上面板と下面板を重ね合わせ、プレス成形により少なくとも下面板における下面差し込み縁を鍋の底部内に挿入することにより、電磁誘導発熱板をアルミ製の調理器具の底部に複合固定化させることを特徴とするアルミ製の調理器具の複合鍋底である。
【請求項2】
前記上面板には上面開口を打抜くとともに、上面開口の縁に上向きの上面差し込み縁を形成し、下面板の下面差し込み縁が少なくとも上面開口の上面差し込み縁内側に嵌入し、下面差し込み縁と上面差し込み縁とを鍋の底部内に挿入することを特徴とする請求項1に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項3】
前記下面板の下面差し込み縁は、上面差し込み縁内側の上面開口に嵌入し、さらに上面開口を開口周囲の上面差し込み縁を越えて貫通することを特徴とする請求項2に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項4】
前記下面板の下面差し込み縁は孔抜き成形により形成して、下面穿孔部の両側に分布され、それに対応して、上面板における隣接する上面開口における上面差し込み縁の間の部位がほぼ下面板の下面差し込み縁の間の下面穿孔部を充填・遮蔽し、上面開口がほぼ下面板における隣接する下面穿孔部における下面差し込み縁及びそれらの間の部位に充填・遮蔽されることにより、上面板と下面板を、ほぼ平坦で、格子模様が分布されている一体的な電磁誘導発熱板に複合させることを特徴とする請求項3に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項5】
前記上面差し込み縁は環状の周囲片又は複数の側部片から構成されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項6】
前記上面板及び下面板を、正方形、長方形、円形又は楕円形とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項7】
前記上面開口を正方形、長方形、扇形又は正六角形とし、それに対応して、下面穿孔部を正方形、長方形、扇形又は正六角形とすることを特徴とする請求項4に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項8】
前記上面開口及び下面穿孔部を互いに適合する碁盤目状配列又は環状配列とすることを特徴とする請求項7に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項9】
前記調理器具底は、複合された後、下面板が調理器具底と面一になるように、予め上面板と下面板の形状及び厚さに適合する凹部を形成しておくことを特徴とする請求項8に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【請求項10】
前記上面板と下面板は形状が同じで、下面板はサイズが上面板より大きく、前記調理器具底は、複合された後、下面板が調理器具底と面一になるように、予め下面板の形状と上下面板の厚さに適合する凹部を形成しておくことを特徴とする請求項8に記載のアルミ製の調理器具の複合鍋底。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−284497(P2010−284497A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180214(P2009−180214)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(506282517)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(506282517)
【Fターム(参考)】
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