説明

アロマターゼ活性促進剤

【課題】 アロマターゼ活性促進効果に優れた、アロマターゼ活性促進剤を提供する。
【解決手段】 ブッソウゲ、モクマオウ、ネマガリダケ、ウド、ゼンマイ、コゴミ、ヤグルマギク、ビワ、サクラ、テリハボク、ヘゴ、ハナイグチから選択される1種または2種以上を有効成分とする、アロマターゼ活性促進剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アロマターゼ活性促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
生体内において、アロマターゼはテストステロンからエストロゲンを生合成する酵素である。従来より、加齢等によりエストロゲンの分泌が減少すると、自律神経失調(ほてり、多汗など)、骨粗しょう症(腰痛、骨折など)、心血管系疾患(動脈硬化、コレステロール値の上昇、脳こうそくなど)、精神神経症状(うつ、不眠など)、泌尿生殖器(排尿障害や、膣炎、性交障害など)、皮膚の乾燥、痴呆等の症状が現れることが知られている。
そこで、アロマターゼの活性を促進することにより、上記の症状を改善する植物に関して、開示されている(特許文献1〜3参照)が、これらによる効果は充分なものではなく、さらに有効なアロマターゼ活性化剤が期待されていた。
【0003】
ブッソウゲに関しては、グリコシダーゼ阻害効果(特許文献4参照)、ヒアルロニダーゼ活性阻害効果(特許文献5参照)、脂肪分解促進効果(特許文献6参照)等が知られているが、ブッソウゲがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
モクマオウ科植物の用途としては、モクマオウ抽出物をグルコース転移酵素阻害剤として含有する口腔用組成物(特許文献7参照)、モクマオウ灰と黒鉛ケイ石を焼成して得られる焼成物を有効成分として含有する植物生長剤、皮膚剤、植物鮮度保持剤(特許文献8〜10参照)、モクマオウ属植物に含まれるエラジタンニンを有効成分として含有する育毛剤(特許文献11参照)、リパーゼ阻害活性並びに抗酸化活性を有するモクマオウ抽出物を有効成分とする抗肥満剤(特許文献12参照)等が知られているが、モクマオウがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
ネマガリダケは、幼茎を食用とするほか、角化酵素抑制効果(特許文献13参照)等が知られているが、ネマガリダケがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
ウドは、新芽を食用とするほか、リパーゼ阻害効果(特許文献14参照)、育毛効果(特許文献15参照)等が知られているが、ウドがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
ヤグルマギクは、抗菌効果(特許文献16参照)、養毛効果(特許文献17参照)等が知られているが、ヤグルマギクがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
ビワは、果肉を食用にするほか、葉が生薬として用いられてきた。ビワは、抗アクネ効果(特許文献18参照)、エラスターゼ阻害作用(特許文献19参照)等が知られているが、ビワがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
サクラは、ヒアルロニダーゼ阻害作用(特許文献20参照)、消臭・抗菌作用(特許文献21参照)等が知られているが、サクラがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
テリハボクは、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用(特許文献22参照)、抗アレルギー作用(特許文献23参照)等が知られているが、テリハボクがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
ヘゴは、美肌作用・美白作用(特許文献24参照)等が知られているが、へゴがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
ハナイグチは、α−グルコシダーゼ阻害作用(特許文献25参照)、保湿・美白作用(特許文献26参照)、血管内皮細胞増殖促進作用(特許文献27参照)等が知られているが、ハナイグチゴがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
ゼンマイ、コゴミの春にみられる若芽が食用として広く用いられれているが、ゼンマイ、コゴミがアロマターゼ活性促進効果を有することはこれまで知られていなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−189609号公報
【特許文献2】特開2005−343872号公報
【特許文献3】特開2005−343873号公報
【特許文献4】特開2000−239164号公報
【特許文献5】特開2003−12489号公報
【特許文献6】特開2005−60366号公報
【特許文献7】特開昭59−152313号公報
【特許文献8】特開2002−238351号公報
【特許文献9】特開2003−300889号公報
【特許文献10】特開2003−250438号公報
【特許文献11】特開2004−091390号公報
【特許文献12】特開2005−060334号公報
【特許文献13】特開2004−161621号公報
【特許文献14】特開平5−255100号公報
【特許文献15】特開平10−218737号公報
【特許文献16】特開2000−44419号公報
【特許文献17】特開2001−163734号公報
【特許文献18】特開平10−265364号公報
【特許文献19】特開平11−171758号公報
【特許文献20】特開2003−012489号公報
【特許文献21】特開2005−198854号公報
【特許文献22】特開2001−192317号公報
【特許文献23】特開2005−272326号公報
【特許文献24】特開2003−95910号公報
【特許文献25】特開2000−063281号公報
【特許文献26】特開平9−227333号公報
【特許文献27】特開2000−212059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、アロマターゼ活性促進効果に優れた、アロマターゼ活性促進剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ブッソウゲ、モクマオウ、ネマガリダケ、ウド、ゼンマイ、コゴミ、ヤグルマギク、ビワ、サクラ、テリハボク、ヘゴ、ハナイグチから選択される1種または2種以上を有効成分とする、アロマターゼ活性促進剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、優れたアロマターゼ活性促進効果を発揮し、自律神経失調(ほてり、多汗など)、骨粗しょう症(腰痛、骨折など)、心血管系疾患(動脈硬化、コレステロール値の上昇、脳こうそくなど)、精神神経症状(うつ、不眠など)、泌尿生殖器(排尿障害や、膣炎、性交障害など)、皮膚の乾燥、痴呆等の症状などエストロゲンが欠乏することによって生じる症状を予防若しくは改善する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のアロマターゼ活性促進剤の有効成分についてそれぞれ紹介する。
【0009】
ブッソウゲ(Hibiscus rosa-sinensis)は、アオイ科(Malvaceae)フヨウ属(Hibiscus)に属する植物で、天然に自生しているものの他、園芸・栽培用品種を用いてもよい。ブッソウゲは、全草、地上部位、根、茎、葉、花、実等の各部位を用いることができるが、有効性の点から葉を用いるとよい。
【0010】
モクマオウとしては、モクマオウ科(Casuarinaceae)モクマオウ属(Casuarina)に属する植物を用いる。かかるモクマオウ属植物としては、トキワギョリュウ(Casuarina equisetifolia L.)、モクマオウ(別名マオウヒバCasuarina stricta Ait.;Casuarina quadrivalvis Labill.)、カスアリナ・スマトラナ(Casuarina sumatrana Jungh.)、カスアリナ・コリナ(Casuarina collina Poisson)、ヤマモクマオウ(Casuarina junghuhniana Miq.)、ローズモクマオウ(Casuarina torulosa Ait.)、カスアリナ・パプアナ(Casuarina papuana S. Moore)、リバーオーク(Casuarina cunninghamiana)、スワンプオーク(Casuarina glauca)、シダレモクマオウ(Casuarina rumphiana)、スベロサモクマオウ(Casuarina suberosa)等が例示される。モクマオウは、幹、枝、葉、花、種子、樹皮、樹液、根、茎、芽などのいずれの部位を用いても構わないが、簡便に利用するには、枝、葉、種子を用いるとよく、有効性の点から枝や葉を用いるとよい。
【0011】
ネマガリダケ(Sasa kurilensis)は、イネ科ササ属に属する。ネマガリダケは、茎、葉、幼茎、皮などのいずれの部位を用いても構わないが、有効性の点から幼茎を用いるとよい。
【0012】
ウド(Aralia cordata)は、ウコギ科タラノキ属に属する。ウドの使用部位は特に限定されないが、有効性の点から若芽や根茎を用いるとよい。
【0013】
ゼンマイ(Osmunda japonica Thunb.)は、ゼンマイ科に属するシダ植物である。ゼンマイの使用部位は特に限定されないが、有効性の点から春にみられる若芽を用いるとよい。
【0014】
コゴミ(Matteuccia struthiopteris(L.)Todaro)は、イワデンタ科クサソテツ属に属するシダ植物である。。コゴミの使用部位は特に限定されないが、有効性の点から春にみられる若芽を用いるとよい。
【0015】
ヤグルマギク(Centaurea Cyannus L.)は、キク科ヤグルマギク属に属する双子葉植物である。ヤグルマギクの使用部位は特に限定されないが、有効性の点から花を用いるとよい。
【0016】
ビワ(Eryobotrya japonica (Thunb.)Lindl. ; Mespilus japonica Thunb.)は、バラ科ビワ属に属する常緑樹である。ビワの使用部位は特に限定されないが、有効性の点から葉を用いるとよい。
【0017】
サクラ(Prunus speciosa)は、バラ科サクラ属に属する落葉樹である。本発明においては、ソメイヨシノと称される栽培品種を用いることが好ましい。サクラの使用部位は特に限定されないが、有効性の点から葉を用いるとよい。
【0018】
テリハボクとしては、オトギリソウ科テリハボク属に属する植物を用いる。かかるテリハボク属植物としては、テリハボク(Calophyllum inophyllum)、カロフィルム・イノフィルム(Calophyllum inophyllum)、カロフィルム・ネオエブディクム(Calophyllum neoebudicum)、カロフィルム・ブラシリエンス及びその変種、(Calophyllum brasiliense ; Calophyllum brasiliense var. antillanum ; Calophyllum brasiliense var. rekoi)、カロフィルム・アンティラヌム(Calophyllum antillanum)、カロフィルム・カラバ(Calophyllum calaba)、カロフィルム・ジャクイニ(Calophyllum jacquinii)、カロフィルム・ルシドゥム(Calophyllum lucidum)、カロフィルム・ピアロアヌム(Calophyllum piaroanum)、カロフィルム・キアペンス(Callophylum chiapense)などが例示される。テリハボクの使用部位は特に限定されないが、有効性の点から葉を用いるとよい。
【0019】
ヘゴとしては、ヘゴ科ヘゴ属に属するシダ植物を用いる。かかるヘゴ属植物としては、ヘゴ(Cyathea spinulosa ; Cyathea fauriei ; Alsophila fauriei)、クサマルハチ(Cyathea hancockii)、モリへゴ(ヒカゲへゴ)(Cyathea lepifera)、マルハチ(Cyathea mertensiana)、チャボへゴ(Cyathea metteniana)、メへゴ(Cyathea ogurae)、クロへゴ(オニへゴ)(Cyathea podophylla)、エダウチへゴ(Cyathea tuyamae)、及びこれらの変種等が例示される。ヘゴの使用部位は特に限定されないが、有効性の点から葉を用いるとよい。
【0020】
ハナイグチとしてはは、イグチ科ヌメリイグチ属に属する担子菌類を用いる。かかるヌメリイグチ属担子菌類としては、ハナイグチ(Suillus grevillei)、ベニハナイグチ(Suillus pictus)、キノボリイグチ(Suillus spectabilis)、シロヌメリイグチ(Suillus laricinus)、キヌメリイグチ(Suillus americanus)、ヌメリツバイグチ(Suillus subluteus)、ゴヨウイグチ(Suillus placidus)、ヌメリイグチ(Suillus luteus)、チチアワタケ(Suillus granulatus)、ワタゲヌメリイグチ(Suillus tomentosus)、アミタケ(Suillus bovinus)、及びこれらの変種等が例示される。ハナイグチの使用部位は特に限定されないが、有効性の点から子実体を用いるとよい。
【0021】
上記の植物等を使用する際は、そのまま粉砕して使用することもできるが、抽出物を用いるとよい。抽出には、植物等の幹、枝、葉、花、種子、樹皮、樹液、根、茎、芽、子実体、菌糸体、胞子などのいずれの部位を用いても構わない。抽出の際は、生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬するか、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0022】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、1、3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタノール、メタノール、アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界流体や亜臨界流体を用いてもよい。また、オートクレーブなどを用いて、加圧下で抽出することも可能である。
【0023】
上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、濃縮、乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解して使用することもでき、これらの生理作用を損なわない範囲で脱色、脱臭、脱塩等の精製処理やカラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。
【0024】
ブッソウゲ、モクマオウ、ネマガリダケ、ウド、ゼンマイ、コゴミ、ヤグルマギク、ビワ、サクラ、テリハボク、ヘゴ、ハナイグチから選択される1種または2種以上を有効成分とする、アロマターゼ活性促進剤は、エストロゲンが欠乏することによって生じる自律神経失調(ほてり、多汗など)、骨粗しょう症(腰痛、骨折など)、心血管系疾患(動脈硬化、コレステロール値の上昇、脳こうそくなど)、精神神経症状(うつ、不眠など)、泌尿生殖器(排尿障害や、膣炎、性交障害など)、皮膚の乾燥、痴呆等の症状など症状を予防若しくは改善する効果を発揮する。
【0025】
本発明のアロマターゼ活性促進剤は、ブッソウゲ、モクマオウ、ネマガリダケ、ウド、ゼンマイ、コゴミ、ヤグルマギク、ビワ、サクラ、テリハボク、ヘゴ、ハナイグチから選択される1種または2種以上を含有するものであればその形態は限定されず、例えば、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)や健康食品などの飲食品、医薬品、化粧品、医薬部外品などとして用いることができる。
【0026】
飲食品として用いる場合は、そのまま直接摂取することができ、また、公知の担体や助剤などを使用してカプセル剤、錠剤、顆粒剤など服用しやすい形態に成型して摂取することができる。これら成型剤における各抽出物の含有量は0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%がよい。さらに、飲食物材料に混合して、チューインガム、チョコレート、キャンディー、ゼリー、ビスケット、クラッカーなどの菓子類、アイスクリーム、氷菓などの冷菓類、茶、清涼飲料、栄養ドリンク、美容ドリンクなどの飲料、うどん、中華麺、スパゲティー、即席麺などの麺類、蒲鉾、竹輪、半片などの練り製品、ドレッシング、マヨネーズ、ソースなどの調味料、マーガリン、バター、サラダ油などの油脂類、パン、ハム、スープ、レトルト食品、冷凍食品など、すべての飲食物に使用することができる。これら飲食用組成物を摂取する場合、その摂取量は各抽出物換算で成人一人一日当たり0.01〜1000mg/kg体重、好ましくは0.1〜100mg/kg体重がよい。また、家畜やペット用の飼料やペットフードとしても使用することができ、その摂取量は各抽出物換算で一日当たり0.001〜1000mg/kg体重が好ましい。
【0027】
医薬品として用いる場合は、その剤形は特に限定されず、例えば、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、液剤、注射剤、坐剤、貼付剤などが挙げられる。製剤化においては、薬剤学的に許容される他の製剤素材、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤などを適宜添加して調製することができる。これら製剤の投与量としては、各抽出物換算で成人一人一日当たり0.01〜1000mg/kg体重、好ましくは0.1〜100mg/kg体重を1回ないし数回に分けて投与する。また、家畜やペット用の医薬品としても使用することができ、その投与量は各抽出物換算で一日当たり0.01〜1000mg/kg体重が好ましい。
【0028】
化粧品、医薬部外品として用いる場合、その剤型は任意であり、例えば、ローションなどの可溶化系、クリームや乳液などの乳化系、カラミンローション等の分散系として提供することができる。さらに、噴射剤と共に充填したエアゾール、軟膏剤、粉末、顆粒などの種々の剤型で提供することもできる。
【0029】
本発明のアロマターゼ活性促進剤を含有する、化粧品、医薬部外品には、アロマターゼ活性促進剤のほかに、必要に応じて、通常化粧品、医薬部外品、及び洗浄料に配合される、油性成分、細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬剤、香料、樹脂、防菌防黴剤、アルコール類等を適宜配合することができる。
【0030】
本発明のアロマターゼ活性促進剤を化粧品、医薬部外品に配合する際の配合量は、皮化粧品、医薬部外品の種類や使用目的等によって調整することができるが、効果や安定性などの点から、全量に対して0.0001〜50.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.001〜25.0質量%である。
【実施例】
【0031】
以下にアロマターゼ活性促進剤の有効成分である各種植物等の抽出物の製造例、各作用を評価するための試験、皮膚外用剤や食品としての処方例、使用試験についてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0032】
[抽出方法1]
植物等の乾燥粉砕物100gを、2.0kgの50容量%エタノール水溶液に分散させ、撹拌しながら室温にて2時間抽出した。抽出上清を濾別したのち、減圧濃縮後、凍結乾燥を行い、抽出物を得た。
【0033】
[抽出方法2]
植物等の乾燥粉砕物100gを、2.0kgの精製水に分散させ、120℃で20分間加熱抽出した。抽出上清を濾別したのち、凍結乾燥を行い、抽出物を得た。
【0034】
アロマターゼ活性促進剤の実施例を、表1にまとめた。
【0035】
【表1】

【0036】
上記実施例のアロマターゼ活性促進作用の評価を行った。
【0037】
[アロマターゼ活性促進作用]
各濃度に調製したサンプル溶液4μLに、NADP、MgCl2、グルコース−6−ホスフェート、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、およびコントロール昆虫細胞膜タンパクの混合溶液(CPY19/MFC ハイスループット・インヒビター・スクリーニングキット(Hige Throughput Inhibitor Screening Kit)、BD Biosciences社製)96μLを添加し、10分間37℃に加温した。15mM CYP19(アロマターゼ)、50μM 7−メトキシ−4−トリフルオロメチルクマリン(基質)溶液100μLを添加し、30分間37℃に加温した。100mM トリス塩基75μLを添加し、反応を停止させた。
励起波長409nm、発光波長530nmにおいて蛍光測定を行った。7−メトキシ−4−トリフルオロメチルクマリンはCYP19により分解され、7−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチルクマリンが生成して蛍光を生じるため、蛍光測定によりアロマターゼ活性促進能の定量を行った。
得られた結果を、試料無添加のコントロールにおけるアロマターゼ活性促進作用を100とした時の相対値により表2〜13に示す。なお、表中の*及び**は、t−testにおける有意確率P値に対し、有意確率5%未満(P<0.05)を*で、有意確率1%未満(P<0.01)を**でそれぞれ表したものである。
【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
【表5】

【0042】
【表6】

【0043】
【表7】

【0044】
【表8】

【0045】
【表9】

【0046】
【表10】

【0047】
【表11】

【0048】
【表12】

【0049】
【表13】

【0050】
表2〜13より明らかなように、本発明の実施例は、全て高いアロマターゼ活性促進作用が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブッソウゲ、モクマオウ、ネマガリダケ、ウド、ゼンマイ、コゴミ、ヤグルマギク、ビワ、サクラ、テリハボク、ヘゴ、ハナイグチから選択される1種または2種以上を有効成分とする、アロマターゼ活性促進剤。

【公開番号】特開2008−81440(P2008−81440A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263277(P2006−263277)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】