説明

アンテナ共用器および携帯電話

【課題】小型化した場合でも、共通信号端子対とフィルタの第1および第2の端子対との間での信号通過特性が低下しないようにする。
【解決手段】アンテナ共用器は、共通信号端子対T0と、共通信号端子対T0に対して信号を送信する第1の端子対T1と、共通信号端子対T0からの信号を受信する第2の端子対T2と、共通信号端子対T0と第1の端子対T1との間に接続される第1の圧電薄膜共振器フィルタF1と、共通信号端子対T0と第2の端子対T2との間に接続される第2の圧電薄膜共振器フィルタF2と、共通信号端子対T0の間に接続されるインダクタ素子Lと、第1の圧電薄膜共振器フィルタF1に接続されるインダクタ素子L1,L2と、第2の圧電薄膜共振器フィルタF2に接続されるインダクタ素子L3,L4,L5とを備えている。インダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5との距離をできるだけ大きくするため、インダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5との間の容量結合や誘導結合を小さくできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電薄膜共振器を用いて構成された圧電共振器フィルタを備えるアンテナ共用器と、このアンテナ共用器を内蔵する携帯電話とに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電薄膜共振器(FBAR:Film Bulk Acoustic wave Resonator)は、窒化アルミニウム(AlN)や酸化亜鉛(ZnO)などからなる薄膜圧電体を2枚の電極で挟み込み、基板上に形成された空洞(エアギャップ)上に形成した素子である。圧電薄膜共振器は、電気特性が弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振器とほぼ同じであり、圧電薄膜共振器を組み合わせることで、携帯電話などの高周波回路に設けられるフィルタやアンテナ共用器を構成することができる。
【0003】
アンテナ共用器は、一つのアンテナで異なる周波数帯で送受信を行うために信号を分岐あるいは結合する装置であり、分波器やデュプレクサとも呼ばれている。アンテナ共用器の基本的な構成としては、通過域の異なる二つのフィルタの入出力端子対のうち一つを共通信号端子対に接続し、共通信号端子対間、或いはフィルタと共通信号端子対の間に移相器や整合回路を挿入したものが広く用いられている(特許文献1,2,3参照)。
【0004】
アンテナ共用器内のフィルタとしては、弾性表面波共振器或いは圧電薄膜共振器からなる一端子対共振器を、直列共振器及び並列共振器としてこれらをラダー状に接続した帯域通過フィルタなどが使用されている。
【0005】
アンテナ共用器内の移相器や整合回路は、共通信号端子対からフィルタに入力される信号、或いはフィルタから共通信号端子対に出力される信号が他方のフィルタに入力されるのを防止するために設けられている。具体的には、移相器や整合回路により、一方のフィルタの通過域の信号に対して、他方のフィルタの入力インピーダンスを非常に大きくして、信号の入力を防止している。
【0006】
アンテナ共用器内のフィルタを構成する並列共振器には、伸張コイルなどと呼ばれるインダクタが接続されている。一方のフィルタの阻止域として、他方のフィルタの通過域に対応する周波数に減衰極を形成して、大きな減衰量を持たせることにより、送受信信号の漏洩を抑制している。上記移相器や整合回路及び伸張コイルは、アンテナ共用器のパッケージ内やフィルタを搭載するセラミック基板、樹脂基板などに作製可能である。
【0007】
上記のようにアンテナ共用器を構成することにより、フィルタの通過域において信号を低損失で通過させ、かつ他方のフィルタにその信号を入力させず、かつ他方のフィルタのの通過域信号を大きく減衰させ、かつ二つのフィルタの入力端子対と出力端子対の間でのアイソレーション量を大きくしたアンテナ共用器を作製することができる。
【0008】
上記アンテナ共用器に関する技術としては、たとえば、特許文献1に開示されている多端子対SAWフィルタ及びその使用方法が挙げられる。特許文献1のフィルタでは、複数の弾性表面波共振器を用いて通過域の異なる二つのラダー型フィルタを構成し、これらのラダー型フィルタの入出力端子対のうち1個を共通端子に接続して、さらに共通信号端子対間に整合用のインダクタを接続してアンテナ共用器を構成している。
【0009】
別の技術としては、例えば、特許文献2に開示されている送受切換器が挙げられる。この送受切換器では、複数の圧電薄膜共振器を用いて通過域の異なる二つのラダー型フィルタを構成し、これらのラダー型フィルタの入出力端子対のうち1個を共通信号端子対に接続して、さらにラダー型フィルタと共通端子との間に移相器を挿入してアンテナ共用器を構成している。ここで、並列共振器には伸張コイルが接続されている。
【0010】
別の技術としては、たとえば、特許文献3に開示されている分波器が挙げられる。この分波器では、複数の弾性表面波共振器を用いて通過域の異なる二つのラダー型フィルタを構成し、これらのラダー型フィルタの入出力端子対のうち1個を共通信号端子対に接続して、さらにラダー型フィルタと共通信号端子対との間にインダクタ及びキャパシタによる整合回路を挿入してアンテナ共用器を構成している。
【特許文献1】特開平10−313229号公報
【特許文献2】特開2001−24476号公報
【特許文献3】特許第3487692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、携帯電話や自動車電話などの移動体通信機器では、小型化が望まれており、アンテナ共用器についてもいっそうの小型化が望まれている。しかしながら、小型化に伴って共通端子間に設けた整合用インダクタ、移相器、整合回路或いは伸張コイルなどの素子間隔が接近した場合に、上述した先行技術では、信号のクロストークが生じ、阻止域に形成した減衰極の減衰量やフィルタ間のアイソレーション量が低下するおそれがある。
【0012】
本発明は、小型化した場合でも、共通信号端子対とフィルタ間での信号通過特性が低下しないようにしたアンテナ共用器および携帯電話を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、信号を入出力する共通信号端子対と、前記共通信号端子対との間で信号の伝送を行う第1の端子対と、前記共通信号端子対との間で信号の伝送を行う第2の端子対と、前記共通信号端子対および前記第1の端子対を入出力端子として、第1周波数を含む所定の信号帯域の信号を通過させる第1の圧電薄膜共振器フィルタと、前記共通信号端子対および前記第2の端子対を入出力端子として、第2周波数を含む所定の信号帯域の信号を通過させる第2の圧電薄膜共振器フィルタと、前記共通信号端子対の間に接続される第1のインダクタ素子と、を備え、前記第1の圧電薄膜共振器フィルタは、複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第1の直列共振器と、複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第1の並列共振器と、前記第1の直列共振器または前記第1の並列共振器に接続され、前記第2周波数で共振する共振回路の一部を構成する第2のインダクタ素子と、を有し、前記第2の圧電薄膜共振器フィルタは、複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第2の直列共振器と、複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第2の並列共振器と、前記第2の直列共振器または前記第2の並列共振器に接続され、前記第1周波数で共振する共振回路の一部を構成する第3のインダクタ素子と、を有し、前記第2および第3のインダクタ素子は、それぞれ複数のインダクタ素子を含み、前記第2のインダクタ素子のうち前記第1の端子対に最も近接したインダクタ素子と、前記第3のインダクタ素子のうち前記第2の端子対に最も近接したインダクタ素子とは、他のインダクタ素子よりも前記第1のインダクタ素子から遠い距離に配置されるか、または前記第1のインダクタ素子とは別個の基板上に形成されるか、またはシールド用パターンを間に挟んで前記第1のインダクタ素子と対向配置されることを特徴とするアンテナ共用器が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、小型化した場合でも、共通信号端子対とフィルタの第1および第2の端子対との間での信号通過特性の低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の一態様について説明する。
【0016】
図1は本発明の第1の実施形態によるアンテナ共用器の回路図である。図1のアンテナ共用器は、例えば携帯電話のアンテナに接続されるものである。
【0017】
図1のアンテナ共用器は、不図示のアンテナとの間で信号を入出力する共通信号端子対T0と、共通信号端子対T0に対して信号を送信する第1の端子対T1と、共通信号端子対T0からの信号を受信する第2の端子対T2と、共通信号端子対T0と第1の端子対T1との間に接続される第1の圧電薄膜共振器フィルタF1と、共通信号端子対T0と第2の端子対T2との間に接続される第2の圧電薄膜共振器フィルタF2と、共通信号端子対T0の間に接続されるインダクタ素子Lと、第1の圧電薄膜共振器フィルタF1に接続されるインダクタ素子L1,L2と、第2の圧電薄膜共振器フィルタF2に接続されるインダクタ素子L3,L4,L5とを備えている。
【0018】
第1の圧電薄膜共振器フィルタF1は、第1の端子対T1に入力された信号に含まれる第1周波数帯域の信号を抽出して共通信号端子対T0から出力する。第2の圧電薄膜共振器フィルタF2は、共通信号端子対T0に入力された信号に含まれる第2周波数帯域の信号を抽出して第2の端子対T2から出力する。
【0019】
第1の圧電薄膜共振器フィルタF1は、直列接続される2つの圧電薄膜共振器からなる直列共振器Rsと、並列接続される2つの圧電薄膜共振器からなる並列共振器Rpとを有し、並列共振器Rpを構成する各圧電薄膜共振器にインダクタ素子L1,L2がそれぞれ直列接続されている。
【0020】
第2の圧電薄膜共振器フィルタF2は、直列接続される3つの圧電薄膜共振器からなる直列共振器Rsと、並列接続される3つの圧電薄膜共振器からなる並列共振器Rpとを有し、並列共振器Rpを構成する各圧電薄膜共振器にインダクタ素子L3,L4,L5がそれぞれ直列接続されている。
【0021】
共通信号端子対T0側から見た第2の圧電薄膜共振器フィルタF2の単体のインピーダンスが第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の通過域f1において共通信号端子対T0間に接続されたインダクタ素子Lと並列共振し、かつ、共通信号端子対T0側から見た第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の単体のインピーダンスが第2の圧電薄膜共振器フィルタF2の通過域f2において共通信号端子対T0間に接続されたインダクタ素子Lと並列共振するように、インダクタ素子Lのインダクタンスが調整される。
【0022】
このような調整により、第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の通過域f1における信号が第2の圧電薄膜共振器フィルタF2に入力されなくなる。同様に、第2の圧電薄膜共振器フィルタF2の通過域における信号が第1の圧電薄膜共振器フィルタF1に入力されなくなる。したがって、第1および第2の圧電薄膜共振器フィルタF1,F2は、共通信号端子対T0を共用することができる。
【0023】
第1の圧電薄膜共振器フィルタF1内の並列共振器Rpのインピーダンスは、この並列共振器Rpに接続されたインダクタ素子L1,L2と第2の圧電薄膜共振器フィルタF2の通過域において直列共振し、かつ、第2の圧電薄膜共振器フィルタF2内の並列共振器Rpのインピーダンスは、この並列共振器Rpに接続されたインダクタ素子L3〜L5と第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の通過域f1において直列共振するように、インダクタ素子L1〜L5のインダクタンスが調整される。
【0024】
このようにしてインダクタ素子L1〜L5のインダクタンスを調整することにより、第2の圧電薄膜共振器フィルタF2の通過域f2において第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の信号通過強度が非常に減衰し、また第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の通過域f1において第2の圧電薄膜共振器フィルタF2の信号通過強度が非常に減衰する。この結果、第1の端子対T1と第2の端子対T2の間のアイソレーション量が増加し、信号の漏洩が抑制される。
【0025】
共通信号端子対T0に接続されたインダクタ素子Lと、それ以外のインダクタ素子L1〜L5とが近接配置されると、インダクタ素子同士が容量結合や誘導結合を起こし、多少なりとも信号の信号通過特性が変化する。
【0026】
図2は、インダクタ素子Lとインダクタ素子L1〜L5が十分に離れて配置された理想的な場合の共通信号端子対T0と第1の端子対T1の間の信号通過特性と、共通信号端子対T0と第2の端子対T2の間の信号通過特性を示す図である。また、図3は図2と同じ条件での第1の端子対T1と第2の端子対T2との間の信号通過特性(アイソレーション量)を示す図である。
【0027】
図2のプロット”○”を結ぶ曲線cb1は、第1の端子対T1からの入力信号が第1の圧電薄膜共振器フィルタF1を通過して共通信号端子対T0に出力される場合の信号通過特性を示し、プロット”□”を結ぶ曲線cb2は、共通信号端子対T0からの入力信号が第2の圧電薄膜共振器フィルタF2を通過して第2の端子対T2に出力される場合の信号通過特性を示している。
【0028】
曲線cb1の中心周波数f1と曲線cb2の中心周波数f2とは、数10〜数100MHz程度の差がある。
【0029】
図2からわかるように、曲線cb1と曲線cb2は信号の通過帯域が異なっている。また、図3からわかるように、第1の端子対T1と第2の端子対T2では、信号の通過帯域が異なっており、第1の端子対T1から第2の端子対T2への信号の漏洩は少ない。
【0030】
一方、図4は、インダクタ素子Lと第2の端子対T2に最も近いインダクタ素子L5とを隣接配置し、それ以外のインダクタ素子L1〜L4を十分に離した場合の信号通過特性を示す図である。また、図5は図4と同じ条件での第1の端子対T1と第2の端子対T2との間の信号通過特性を示す図である。
【0031】
図4のプロット”○”を結ぶ実線曲線cb3は、インダクタ素子L,L5を隣接配置した場合の第1の端子対T1から共通信号端子対T0への信号通過特性を示し、プロット”□”を結ぶ実線曲線cb4は、インダクタ素子L,L5を隣接配置した場合の共通信号端子対T0から第2の端子対T2への信号通過特性を示している。また、図4では、図2に示した二つの曲線cb1,cb2を破線で示している。
【0032】
図4からわかるように、インダクタ素子Lとインダクタ素子L5を隣接配置すると、第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の通過域f1において、共通信号端子対T0と第2の端子対T2との間の信号通過強度が、インダクタ素子Lとインダクタ素子L5を十分に離した場合の信号通過強度に比べて大幅に増加する。
【0033】
同様に、図5からわかるように、第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の通過域f1で第1の端子対T1から第2の端子対T2への信号通過強度が大幅に上昇している。
【0034】
本発明者は、図4および図5の他に、インダクタ素子Lに隣接させるインダクタ素子をインダクタ素子L1〜L5の中から種々選択して検出した信号通過強度を、インダクタ素子Lとインダクタ素子L1〜L5を十分に離した場合の信号通過強度と比較した。図6はこの比較結果を示す図である。
【0035】
図6において、ILTは第2の圧電薄膜共振器フィルタF2の通過域f2における共通信号端子対T0と第1の端子対T1との間の信号通過強度の変化量を示す。ISTは第2の圧電薄膜共振器フィルタF2の通過域f2における第1の端子対T1と第2の端子対T2との間の信号通過強度の変化量を示す。ILRは第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の通過域f1における共通信号端子対T0と第2の端子対T2との間の信号通過強度の変化量を示す。ISRは第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の通過域f1における第1の端子対T1と第2の端子対T2との間の信号通過強度の変化量を示す。図6では、数値が正の場合には、信号通過強度が増加することを示している。
【0036】
図6からわかるように、共通信号端子対T0に隣接したインダクタ素子Lが第1の端子対T1に最も近いインダクタ素子L2に隣接している場合、あるいはインダクタ素子Lが第2の端子対T2に最も近いインダクタ素子L5に隣接している場合は、インダクタ素子Lが他のインダクタ素子L1,L3,L4に隣接している場合よりも、不所望の通過域での信号通過強度が大きくなる。その理由は、インダクタ素子Lとインダクタ素子L2またはインダクタ素子L5が隣接する場合には、容量結合や誘導結合が起こって、共通信号端子対T0と第1の端子対T1との間、あるいは共通信号端子対T0と第2の端子対T2との間で信号が漏洩するためと考えられる。
【0037】
このような信号の漏洩は、インダクタ素子Lとインダクタ素子L1が隣接する場合や、インダクタ素子とインダクタ素子L4が隣接する場合にも起こりうるが、インダクタ素子L1と第1の端子対T1間、あるいはインダクタ素子L4と第2の端子対T2間には複数の直列共振器Rsと並列共振器Rpが接続されているため、信号の漏洩の度合は小さくなる。
【0038】
したがって、インダクタ素子Lとインダクタ素子L1,L3またはL4が隣接する場合は、インダクタ素子Lとインダクタ素子L2またはL5が隣接する場合と比べて、信号が漏洩しにくくなる。
【0039】
以上まとめると、共通信号端子対T0と第1の端子対T1との距離が近い場合、あるいは共通信号端子対T0と第2の端子対T2との距離が近い場合ほど、インダクタ素子L,L2あるいはL,L5間の距離も近くなり、信号の漏洩の度合が大きくなる。
【0040】
アンテナ共用器を小型化すると、それに伴ってインダクタ素子L,L1〜L5も接近し、第2の圧電薄膜共振器フィルタF2の通過域f2における共通信号端子対T0と第1の端子対T1との間の通過強度の増加(減衰量の低下)と、第1の圧電薄膜共振器フィルタF1の通過域f1における共通信号端子対T0と第2の端子対T2との間の信号通過強度の増加(減衰量の低下)と、第1の端子対T1と第2の端子対T2との間の信号通過強度の増加(アイソレーション量の低下)とが生じやすくなる。
【0041】
このような不所望の信号通過強度の増加を抑制するには、上述したように、共通信号端子対T0に最も近いインダクタ素子Lと、第1の端子対T1に最も近いインダクタ素子L2または第2の端子対T2に最も近いインダクタ素子L5とを隣接させないことが最も望ましい。
【0042】
より望ましくは、上記の条件に加えて、共通信号端子対T0に最も近いインダクタ素子Lと、インダクタ素子L2の次に第1の端子対T1に近いインダクタ素子L1またはインダクタ素子L5の次に第2の端子対T2に近いインダクタ素子L4とを遠ざけることで、信号通過強度の増加をより抑制できる。
【0043】
図7はインダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5との距離をなるべく大きくしたアンテナ共用器の実装形態の一例を示す基板レイアウト図である。図7では、基板1の下面側に共通信号端子対T0用の共通信号端子パターンと、第1の端子対T1用の第1の端子パターンと、第2の端子対T2用の第2の端子パターンと、これら端子対の一端が接続される接地パターン2とが形成されている。
【0044】
これら端子パターンは、スルーホール3により基板1の上面側のパターンとそれぞれ導通している。基板1上面の中央奥には、インダクタ素子L用の螺旋状パターンが形成されている。基板の中央部には、第1の圧電薄膜共振器フィルタF1と第2の圧電薄膜共振器フィルタF2とが共通信号端子パターン4を挟んで対向配置されている。
【0045】
第1の端子対T1に最も近いインダクタ素子L2のパターンは、第1の圧電薄膜共振器フィルタF1を挟んで、インダクタ素子Lのパターンと対角線方向に対向配置されている。同様に、第2の端子対T2に最も近いインダクタ素子L5のパターンは、第2の圧電薄膜共振器フィルタF2を挟んで、インダクタ素子Lのパターンと対角線方向に対向配置されている。
【0046】
インダクタ素子Lのパターンの両側には、インダクタ素子L1,L3のパターンが配置され、インダクタ素子L3の脇にはインダクタ素子L4のパターンが形成されている。第1および第2の圧電薄膜共振器フィルタF1,F2のパッド5とパターン等とは、ワイヤ6で接続されているが、それ以外の手法(例えば、半田バンプなど)で接続してもよい。
【0047】
このように、図7では、インダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5とを第1の圧電薄膜共振器フィルタF1を挟んで対角線方向に対向配置しているため、両インダクタ素子間の距離が広がり、信号の漏洩の度合を低減できる。
【0048】
図8は図7の第1の変形例を示すアンテナ共用器の基板レイアウト図である。図8のアンテナ共用器は、共通信号端子、インダクタ素子L、第1の端子対T1および第2の端子対T2が形成される基板1と、それ以外の回路部分(インダクタ素子L2,L5などが形成される基板7とを上下に配置した構造を有する。基板1と基板7とは空気で絶縁されている。
【0049】
図8では、基板1上のインダクタ素子L1,L2の形成箇所を図1とは逆にしており、同様に、インダクタ素子L3,L5の形成箇所も図1とは逆にしている。なお、必ずしも逆にする必要はない。
【0050】
基板7上のインダクタ素子L2,L5は、基板1上のインダクタ素子Lと上下に重ならないように配置されている。その理由は、両者間の直線距離を広げるためである。
【0051】
図8の場合、インダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5とが互いに別の基板に形成されているため、インダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5との直線距離がそれほど離れていなくても、信号の漏洩の度合を低減可能である。
【0052】
一方、図9は図7の第2の変形例を示すアンテナ共用器の基板レイアウト図である。図9のアンテナ共用器は、図7のように一つの基板1のみで形成されているが、基板1上のインダクタ素子L1,L2の形成箇所を図1とは逆にしており、同様に、インダクタ素子L3,L5の形成箇所も図1とは逆にしている。
【0053】
図9における基板1上のインダクタ素子Lとインダクタ素子L2との間にはシールド用接地パターン10aが形成され、かつインダクタ素子Lとインダクタ素子L5との間にもシールド用接地パターン10bが形成されている。
【0054】
図9の場合、インダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5とは近接して配置されているが、その間にシールド用接地パターン10a,10bを配置することにより、信号の漏洩を防止できる。したがって、インダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5の配置場所についての制約が少なくなり、レイアウトが行いやすくなる。
【0055】
図10は図7の第3の変形例を示すアンテナ共用器の基板レイアウト図である。図10のアンテナ共用器は、共通信号端子、インダクタ素子L、第1の端子対T1および第2の端子対T2が形成される基板1と、それ以外の回路部分(インダクタ素子L2,L5などが形成される基板7と、これら基板間に配置されるシールド(接地)パターン8が形成されたシールド用基板9とを備えている。
【0056】
図10の場合、インダクタ素子Lが形成される基板1と、インダクタ素子L2,L5が形成される基板7とがシールド用基板8を挟んで対向配置されているため、インダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5との容量結合や誘導結合をより抑制でき、信号の漏洩の度合をより低減できる。
【0057】
上述したアンテナ共用器は、例えば携帯電話で用いることができる。図11は本実施形態によるアンテナ共用器を内蔵する携帯電話の内部構成の一例を示すブロック図である。図11の携帯電話は、アンテナ11に接続される上述したアンテナ共用器12と、このアンテナ共用器12に接続される送信部13および受信部14とを備えている。
【0058】
送信部13は、マイク20で取り込んだ音声信号に対応するベースバンド信号を生成するBB処理部21と、ベースバンド信号を変調する変調器22と、変調信号に含まれる不要な周波数成分を除去する帯域通過フィルタ23と、帯域通過フィルタ23を通過した信号を増幅する高周波パワーアンプ24とを有する。高周波パワーアンプ24の出力信号は、アンテナ共用器12を介してアンテナ11に送られる。
【0059】
受信部14は、アンテナ11で受信してアンテナ共用器12を通過した受信信号を増幅する低雑音増幅器31と、低雑音増幅器31の出力信号に含まれる所望の周波数成分のみを抽出するフィルタ回路32と、フィルタ回路32の出力信号に基づいて復調処理を行う復調器33と、復調器33の出力信号に基づいてベースバンド処理を行うBB処理部34と、スピーカ35とを有する。
【0060】
なお、携帯電話の内部構成は図11に示したものに限定されない。また、本実施形態に係るアンテナ共用器12は、携帯電話だけに用いられるものではなく、各種の通信機器(例えば、無線LAN装置など)に幅広く適用可能である。
【0061】
このように、本実施形態によるアンテナ共用器12では、共通信号端子に接続されるインダクタ素子Lと第1の圧電共振器フィルタの第1の端子対T1に最も近いインダクタ素子L2との距離をできるだけ大きくし、かつインダクタ素子Lと第2の圧電共振器フィルタの第2の端子対T2に最も近いインダクタ素子L5との距離をできるだけ大きくするため、インダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5との間の容量結合や誘導結合を小さくでき、第1および第2の圧電共振器フィルタF1,F2の阻止域に形成した減衰極の減衰量を大きくして、かつ両フィルタ間の信号通過強度の増加を抑制できる。これにより、アンテナ共用器12全体を小型化しても、信号の漏洩の少ない高性能なアンテナ共用器12が得られる。
【0062】
上述した実施形態において、第1および第2の圧電薄膜共振器フィルタF1,F2の内部構成は、図1に示したものに限定されない。直列共振器Rsや並列共振器Rpの接続形態や、直列共振器Rs内の圧電薄膜共振器の数や、並列共振器Rp内の圧電薄膜共振器の数は、任意に変更可能である。
【0063】
上述した図1では、第1の圧電薄膜共振器フィルタF1が第1の端子対T1から共通信号端子対T0に信号を送信する送信側で用いられ、第2の圧電薄膜共振器フィルタF2が共通信号端子対T0から第2の端子対T2に信号を送信する受信側で用いられる例を説明したが、これらフィルタを通過する信号の流れが逆でもよい。すなわち、第1の圧電薄膜共振器フィルタF1が共通信号端子対T0から第1の端子対T1に信号を送信する受信側で用いられ、第2の圧電薄膜共振器フィルタF2が第2の端子対T2から共通信号端子対T0に信号を送信する送信側で用いられてもよい。
【0064】
あるいは、第1および第2の圧電薄膜共振器フィルタF1,F2の両方とも、信号を双方向に送受してもよい。あるいは、両フィルタは、第1および第2の端子対T1,T2から共通信号端子対T0に信号を送信する送信側で用いられてもよいし、あるいは、共通信号端子から第1および第2の端子対T1,T2に信号を送信する受信側で用いられてもよい。
【0065】
上述した図1では、インダクタ素子L1〜L5を並列共振器Rpに直列接続する例を説明したが、インダクタ素子L1〜L5を並列共振器Rpに並列接続してもよい。あるいは、インダクタ素子L1〜L5を直列共振器Rsに直列または並列接続してもよい。これらの場合でも、第1の端子T1と第2の端子T2に最も近いインダクタ素子L2,L5を、できるだけインダクタ素子Lから遠ざけるのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施形態によるアンテナ共用器の回路図。
【図2】インダクタ素子Lとインダクタ素子L1〜L5が十分に離れて配置された理想的な場合の共通信号端子対T0と第1の端子対T1の間の信号通過特性と、共通信号端子対T0と第2の端子対T2の間の信号通過特性を示す図。
【図3】図2と同じ条件での第1の端子対T1と第2の端子対T2との間の信号通過特性を示す図。
【図4】インダクタ素子Lと第2の端子対T2に最も近いインダクタ素子L5とを隣接配置し、それ以外のインダクタ素子L1〜L4を十分に離した場合の信号通過特性を示す図。
【図5】図4と同じ条件での第1の端子対T1と第2の端子対T2との間の信号通過特性を示す図。
【図6】インダクタ素子Lに隣接させるインダクタ素子をインダクタ素子L1〜L5の中から種々選択して検出した信号通過強度を、インダクタ素子Lとインダクタ素子L1〜L5を十分に離した場合の信号通過強度と比較した結果を示す図。
【図7】インダクタ素子Lとインダクタ素子L2,L5との距離をなるべく大きくしたアンテナ共用器の実装形態の一例を示す基板レイアウト図。
【図8】図7の第1の変形例を示すアンテナ共用器の基板レイアウト図。
【図9】図7の第2の変形例を示すアンテナ共用器の基板レイアウト図。
【図10】図7の第3の変形例を示すアンテナ共用器の基板レイアウト図。
【図11】本実施形態によるアンテナ共用器を内蔵する携帯電話の内部構成の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0067】
T0 共通信号端子対
T1 第1の端子対
T2 第2の端子対
F1 第1の圧電薄膜共振器フィルタ
F2 第2の圧電薄膜共振器フィルタ
1,7 基板
2 接地パターン
3 スルーホール
4 共通信号端子パターン
5 パッド
6 ワイヤ
11 アンテナ
12 アンテナ共用器
20 マイク
21,34 BB処理部
22 変調器
23 帯域通過フィルタ
24 高周波パワーアンプ
31 低雑音増幅器
32 フィルタ回路
33 復調器
34 BB処理部
35 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を入出力する共通信号端子対と、
前記共通信号端子対との間で信号の伝送を行う第1の端子対と、
前記共通信号端子対との間で信号の伝送を行う第2の端子対と、
前記共通信号端子対および前記第1の端子対を入出力端子として、第1周波数を含む所定の信号帯域の信号を通過させる第1の圧電薄膜共振器フィルタと、
前記共通信号端子対および前記第2の端子対を入出力端子として、第2周波数を含む所定の信号帯域の信号を通過させる第2の圧電薄膜共振器フィルタと、
前記共通信号端子対の間に接続される第1のインダクタ素子と、を備え、
前記第1の圧電薄膜共振器フィルタは、
複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第1の直列共振器と、
複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第1の並列共振器と、
前記第1の直列共振器または前記第1の並列共振器に接続され、前記第2周波数で共振する共振回路の一部を構成する第2のインダクタ素子と、を有し、
前記第2の圧電薄膜共振器フィルタは、
複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第2の直列共振器と、
複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第2の並列共振器と、
前記第2の直列共振器または前記第2の並列共振器に接続され、前記第1周波数で共振する共振回路の一部を構成する第3のインダクタ素子と、を有し、
前記第2および第3のインダクタ素子は、それぞれ複数のインダクタ素子を含み、
前記第2のインダクタ素子のうち前記第1の端子対に最も近接したインダクタ素子と、前記第3のインダクタ素子のうち前記第2の端子対に最も近接したインダクタ素子とは、他のインダクタ素子よりも前記第1のインダクタ素子から遠い距離に配置されるか、または前記第1のインダクタ素子とは別個の基板上に形成されるか、またはシールド用パターンを間に挟んで前記第1のインダクタ素子と対向配置されることを特徴とするアンテナ共用器。
【請求項2】
前記第2のインダクタ素子は、前記第1の並列共振器に直列接続され、前記第1の並列共振器のインピーダンスとの間で前記第2周波数にて直列共振し、
前記第3のインダクタ素子は、前記第2の並列共振器に直列接続され、前記第2の並列共振器のインピーダンスとの間で前記第1周波数にて直列共振することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ共用器。
【請求項3】
前記第2のインダクタ素子は、前記第1の直列共振器に直列接続されるか、前記第1の直列共振器に並列接続されるか、前記第1の並列共振器に直列接続されるか、または前記第1の並列共振器に並列接続され、
前記第3のインダクタ素子は、前記第2の直列共振器に直列接続されるか、前記第2の直列共振器に並列接続されるか、前記第2の並列共振器に直列接続されるか、または前記第2の並列共振器に並列接続されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ共用器。
【請求項4】
前記第2のインダクタ素子のうち前記第1の端子対に最も近接したインダクタ素子と、前記第3のインダクタ素子のうち前記第2の端子対に最も近接したインダクタ素子とが形成される基板と、前記第1のインダクタ素子が形成される基板と、の間に配設されるシールド用基板を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアンテナ共用器。
【請求項5】
前記第1〜第3のインダクタ素子と、前記第1および第2の圧電薄膜共振器フィルタとは、同一基板上に形成され、
前記第1のインダクタ素子と前記第2のインダクタ素子とは、前記第1の圧電薄膜共振器フィルタを挟んで対向するように配置され、
前記第1のインダクタ素子と前記第3のインダクタ素子とは、前記第2の圧電薄膜共振器フィルタを挟んで対向するように配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のアンテナ共用器。
【請求項6】
前記第1〜第3のインダクタ素子と、前記第1および第2の圧電薄膜共振器フィルタとの一部が形成される第1の基板と、
前記第1〜第3のインダクタ素子と、前記第1および第2の圧電薄膜共振器フィルタとの前記一部以外の部分が形成される第2の基板と、
前記第1および第2の基板の間に介挿されるシールド基板と、を備え、
前記第1のインダクタ素子は、前記第1および第2の基板の一方に形成され、
前記第2および第3のインダクタ素子は、前記第1および第2の基板の他方に形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のアンテナ共用器。
【請求項7】
前記第1の圧電薄膜共振器フィルタは、前記共通信号端子対に入力された信号に含まれる前記第1周波数を含む信号帯域の信号を抽出して前記第1の端子対から出力するフィルタ処理と、前記第1の端子対に入力された信号に含まれる前記第1周波数を含む信号帯域の信号を抽出して前記共通信号端子対から出力するフィルタ処理との少なくとも一つを行い、
前記第2の圧電薄膜共振器フィルタは、前記共通信号端子対に入力された信号に含まれる前記第2周波数を含む信号帯域の信号を抽出して前記第2の端子対から出力するフィルタ処理と、前記第2の端子対に入力された信号に含まれる前記第2周波数を含む信号帯域の信号を抽出して前記共通信号端子対から出力するフィルタ処理との少なくとも一つを行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のアンテナ共用器。
【請求項8】
無線信号を受信するアンテナと、
前記アンテナとの間で送信信号および受信信号を切り替えるアンテナ共用器と、
前記アンテナで受信されて前記アンテナ共用器を通過した受信信号の復調処理を行う受信部と、
前記アンテナ共用器を介して前記アンテナから送信すべき送信信号を生成する送信部と、を備え、
前記アンテナ共用器は、
信号を入出力する共通信号端子対と、
前記共通信号端子対との間で信号の伝送を行う第1の端子対と、
前記共通信号端子対との間で信号の伝送を行う第2の端子対と、
前記共通信号端子対および前記第1の端子対を入出力端子として、第1周波数を含む所定の信号帯域の信号を通過させる第1の圧電薄膜共振器フィルタと、
前記共通信号端子対および前記第2の端子対を入出力端子として、第2周波数を含む所定の信号帯域の信号を通過させる第2の圧電薄膜共振器フィルタと、
前記共通信号端子対の間に接続される第1のインダクタ素子と、を備え、
前記第1の圧電薄膜共振器フィルタは、
複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第1の直列共振器と、
複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第1の並列共振器と、
前記第1の直列共振器または前記第1の並列共振器に接続され、前記第2周波数で共振する共振回路の一部を構成する第2のインダクタ素子と、を有し、
前記第2の圧電薄膜共振器フィルタは、
複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第2の直列共振器と、
複数の圧電薄膜共振器を用いて構成される第2の並列共振器と、
前記第2の直列共振器または前記第2の並列共振器に接続され、前記第1周波数で共振する共振回路の一部を構成する第3のインダクタ素子と、を有し、
前記第2および第3のインダクタ素子は、それぞれ複数のインダクタ素子を含み、
前記第2のインダクタ素子のうち前記第1の端子対に最も近接したインダクタ素子と、前記第3のインダクタ素子のうち前記第2の端子対に最も近接したインダクタ素子とは、他のインダクタ素子よりも前記第1のインダクタ素子から遠い距離に配置されるか、または前記第1のインダクタ素子とは別個の基板上に形成されるか、またはシールド用パターンを間に挟んで前記第1のインダクタ素子と対向配置されることを特徴とする携帯電話。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2007−259296(P2007−259296A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83719(P2006−83719)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】