説明

アンテナ回路、通信装置、および通信方法

【課題】通信性能低下の改善を行うことができるようにする。
【解決手段】RF ICの受信端子RXは、コンデンサCaおよびCbの間に示されるBのポイントに設けられた端子から抵抗R3を介して、信号を入力する。このリーダ/ライタにおいて、コンデンサCaおよびCbの合成容量は、従来のコンデンサC4と同じ値になるように設定される。本開示は、例えば、リーダ/ライタと非接触ICカードの通信システムに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナ回路、通信装置、および通信方法に関し、特に、通信性能低下の改善を行うことができるようにしたアンテナ回路、通信装置、および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリーダ/ライタは、非接触ICカードや携帯電話機からの信号を受信するとき、キャリア信号を非接触ICカードや携帯電話機に対して出力する。このキャリア信号に対して、非接触ICカードや携帯電話機が負荷変調を行うことにより、その変化量が、アンテナ回路のインピーダンスを調整する回路のある部分から取り出されて、リーダ/ライタの受信回路の受信端子に入力される。このようにして、非接触ICカードや携帯電話機からの信号の受信が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−235884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、受信回路に入力される信号品質は、非接触ICカードや携帯電話機と、リーダ/ライタのアンテナとの位置関係により変化する。この信号品質は、インピーダンス調整結果により決まり、カードの種類などによって異なる。リーダ/ライタの受信回路は、この信号を基に復号を行う。しかしながら、信号品質によっては復号が困難なことがあり、その結果、リーダ/ライタの通信距離低下や、一定の位置関係のときに通信性能が悪くなってしまう現象が発生することがあった。
【0005】
一方、受信信号の品質がよくなるようなアンテナ調整を行うこともできるが、それを行うと、リーダ/ライタから磁界を効率よく出力することが困難になり、その結果、通信距離の低下を招く恐れがあった。
【0006】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、通信性能低下の改善を行うことができるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面のアンテナ回路は、少なくとも第1および第2のコンデンサ、並びにアンテナコイルからなる共振回路と、送信端子と受信端子を有する送受信回路と、前記共振回路と前記送受信回路との間においてインピーダンスを調整する調整回路とを備え、前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせは、前記第1および第2のコンデンサの合成容量の所定の範囲内において設定され、前記第1および第2のコンデンサの間に設けられる端子からの信号が、前記受信端子に入力される。
【0008】
本開示の一側面の通信装置は、送信端子と受信端子を有する送受信回路と、少なくとも第1および第2のコンデンサ、並びにアンテナコイルからなる共振回路と、前記共振回路と前記送受信回路との間においてインピーダンスを調整する調整回路とを有し、前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせは、前記第1および第2のコンデンサの合成容量の所定の範囲内において設定され、前記第1および第2のコンデンサの間に設けられる端子からの信号が、前記受信端子に入力されるアンテナ回路を備える。
【0009】
本開示の一側面の通信方法は、送信端子と受信端子を有する送受信回路と、少なくとも第1および第2のコンデンサ、並びにアンテナコイルからなる共振回路と、前記共振回路と前記送受信回路との間においてインピーダンスを調整する調整回路とを備えるアンテナ回路において、前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせは、前記第1および第2のコンデンサの合成容量の所定の範囲内において設定され、前記受信端子は、前記第1および第2のコンデンサの間に設けられる端子からの信号を入力する。
【0010】
本開示の一側面においては、共振回路における第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせが、前記第1および第2のコンデンサの合成容量の所定の範囲内において設定される。そして、前記第1および第2のコンデンサの間に設けられる端子からの信号が、受信端子に入力される。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一側面によれば、通信することができる。特に、通信性能低下の改善を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来のリーダ/ライタの構成例を示すブロック図である。
【図2】本開示を適用した通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】リーダ/ライタの回路構成例を示す図である。
【図4】負荷変調の返信信号の波形の例を示す図である。
【図5】負荷変調の返信信号の波形の例を示す図である。
【図6】Aのポイントの返信信号の波形の例を示す図である。
【図7】Bのポイントの返信信号の波形の例を示す図である。
【図8】Cのポイントの返信信号の波形の例を示す図である。
【図9】非接触ICカードとの通信性能結果を示す図である。
【図10】負荷変調の電圧レベルを示す図である。
【図11】リーダ/ライタの回路構成の他の例を示す図である。
【図12】リーダ/ライタの回路構成のさらに他の例を示す図である。
【図13】リーダ/ライタの回路構成の他の例を示す図である。
【図14】従来の通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図15】従来の通信システムのキャリア信号の波形を示す図である。
【図16】本開示を適用した通信システムの他の構成例を示すブロック図である。
【図17】通信システムによる通信性能結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(リーダ/ライタと非接触ICカードの通信システム)
2.第2の実施の形態(NFCデバイスの通信システム)
【0014】
<1.第1の実施の形態>
[従来のリーダ/ライタの回路構成例]
本開示との比較のため、図1を参照して、従来のリーダ/ライタの回路構成について説明する。図1は、従来のリーダ/ライタの回路構成例を示している。
【0015】
従来のリーダ/ライタ1は、キャリア信号を、図示せぬ非接触ICカードに送信する。非接触ICカードは、負荷変調によりリーダ/ライタ1への返信を行うので、リーダ/ライタ1は、負荷変調による変化量を取得することで、非接触ICカードからの信号を受信する。
【0016】
リーダ/ライタ1は、RF IC(Radio Frequency Integrated Circuit)11、コイルL1およびL2、コンデンサC1乃至C5、抵抗R1乃至R4、並びにアンテナコイル12などを含むように構成されている。
【0017】
RF IC11は、送信端子TX1およびTX2、接地用端子GND、受信端子RX、並びに中点電位端子VMIDを備えている。RF IC11は、図示せぬ送信回路と受信回路を有しており、送信端子TX1およびTX2は、送信回路から信号を出力する端子である。受信端子RXは、受信回路に信号を入力する端子である。
【0018】
送信端子TX1およびTX2には、コイルL1およびL2の一端がそれぞれ接続されている。接地用端子GNDは接地されている。コイルL1の他端には、コンデンサC1の一端とコンデンサC3の一端が接続されている。コイルL2の他端には、コンデンサC2の一端とコンデンサC4の一端が接続されている。コンデンサC1の他端には、接地用端子GNDとコンデンサC2の他端が接続されている。
【0019】
コイルL1およびL2は、コンデンサC1およびC2とともに、LPF(Low-Pass Filter)とインピーダンス変換の機能回路を構成している。
【0020】
コンデンサC3の他端は、抵抗R1を介して、アンテナコイル12の一端に直列接続されている。コンデンサC4の他端は、抵抗R2を介して、アンテナコイル12の他端に直列接続されている。コンデンサC3およびC4は、アンテナコイル12と共に共振回路を構成している。なお、コンデンサC1およびC2もその共振を補助している。
【0021】
抵抗R1およびR2は、その共振回路のQ Factor(品質係数)を調整する。
【0022】
RF IC11の受信端子RXは、コンデンサC4の一端、コンデンサC2の一端、およびコイルL2の他端が接続される交点に設けられた端子Zから、抵抗R3およびコンデンサC5を介して、信号を入力する。
【0023】
抵抗R3は、端子Zからの信号のレベルが大きい場合、抵抗R4とともに分圧比を変えて、レベルを調整する処理を行っている。コンデンサC5は、端子Zからの信号(送信端子TX2からの信号)と、中点電位端子VMIDからの信号にある差を直流的にカットしている。
【0024】
中点電位端子VMIDは、コンデンサC6を介してアースされている。コンデンサC6は、中点電位を安定させるためのバイパスコンデンサである。中点電位端子VMIDは、中点電位を作って、その中点電位を抵抗R4を介して供給する。受信回路は、その中点電位端子VMIDの中点電位を基準として、受信端子RXから入力した信号を復号する。
【0025】
以上のように構成される従来のリーダ/ライタ1の受信回路に入力される信号品質は、インピーダンス調整の結果によって決まっていた。
【0026】
リーダ/ライタ1の受信回路は、受信端子RXから入力される信号を基に復号を行うが、信号品質によっては復号が困難なことがあり、その結果、リーダ/ライタ1の通信距離低下や一定の位置関係のときに通信性能が悪化することがあった。
【0027】
一方、受信信号の品質がよくなるように、アンテナ調整を行うと、リーダ/ライタ1から磁界を効率的に出力することができなくなってしまい、その結果、通信距離の低下が発生してしまっていた。
【0028】
そこで、本開示においては、リーダ/ライタから、非接触ICカードなどへの電力供給の特性を変化させることなく、返信信号の信号品質を変化させるようにする。以下に、詳細を説明していく。
【0029】
[通信システムの構成例]
図2は、本開示を適用した通信システムの一実施の形態の構成を模式的に示すブロック図である。
【0030】
図2に示される通信システム51は、リーダ/ライタ61と、対向する非接触ICカード62との間で非接触通信を行うシステムである。
【0031】
リーダ/ライタ61は、磁界を発生させる回路を有しており、磁界を発生させることにより、キャリア信号を非接触ICカード62に送信する。非接触ICカード62からの返信は、負荷変調方式で行われる。リーダ/ライタ61は、負荷変調による変化量を取得することで、非接触ICカード62からの信号を受信する。
【0032】
リーダ/ライタ61は、送信回路71、受信回路72、アンテナ調整回路73、並びに、コンデンサ74とアンテナコイル75からなる共振回路76を含むように構成されている。
【0033】
送信回路71は、対向する非接触ICカード62へキャリア信号の送信を行う。すなわち、送信回路71は、アンテナ調整回路73を介して、共振回路76に電流を流して電磁波を発生することにより、磁界を形成する。そして、送信回路71は、共振回路76が出力する搬送波としての電磁波を制御(変調)することにより、データを送信する。
【0034】
受信回路72は、対向する非接触ICカード62からの信号の受信を行う。すなわち、受信回路72は、アンテナ調整回路73を介して、共振回路76からの電気信号を受信し、受信した信号を基に復号を行う。
【0035】
アンテナ調整回路73は、送信回路71および受信回路72と、共振回路76との間に設けられ、インピーダンスなどを調整して、非接触ICカード62からの返信信号を、受信回路72に入力する。
【0036】
共振回路76は、コンデンサ74とアンテナコイル75とが並列に接続された共振型アンテナ回路である。この共振回路76の共振周波数が搬送波の周波数に対応し、共振回路76は、搬送波(電磁波)を出力する。また、共振回路76は、非接触ICカード62の共振回路86と結合し、結合された電磁場を電気信号に変換し、アンテナ調整回路73に供給する。
【0037】
非接触ICカード62は、例えば、IC81、抵抗82、スイッチ83、並びに、コンデンサ84とアンテナコイル85からなる共振回路86により構成される。
【0038】
IC81は、スイッチ83をオン、オフ動作することで、アンテナコイル85に対するインピーダンスの負荷を変動させる負荷変調方式により、対向するリーダ/ライタ61への信号の送信を制御する。
【0039】
共振回路86は、コンデンサ84とアンテナコイル85とが並列に接続された共振型アンテナ回路である。共振回路86は、リーダ/ライタ61の共振回路76から放射された電磁場と結合し、結合された電磁場を電気信号に変換し、IC81などに供給する。
【0040】
なお、図2の例においては、非接触ICカード62との通信システムの例を示したが、非接触ICカードに限らず、携帯電話機などであってもよい。
【0041】
[リーダ/ライタの構成例]
図3は、リーダ/ライタの詳細な回路構成例を示している。
【0042】
図3に示されるリーダ/ライタ61は、RF IC(Radio Frequency Integrated Circuit)11、コイルL1およびL2、並びにコンデンサC1乃至C3を含むように構成されている。また、リーダ/ライタ61は、コンデンサCaおよびCb、コンデンサC6、抵抗R1乃至R4、並びにアンテナコイル12などを含むように構成されている。
【0043】
すなわち、リーダ/ライタ61は、RF IC11、コイルL1およびL2、コンデンサC1乃至C3、コンデンサC6、抵抗R1乃至R4、並びにアンテナコイル12を備える点が、図1のリーダ/ライタ1と共通している。
【0044】
一方、リーダ/ライタ61は、コンデンサC4が、コンデンサCaおよびCbと入れ替わった点と、コンデンサC5が除かれた点が図1のリーダ/ライタ1と異なっている。
【0045】
RF IC11は、送信端子TX1およびTX2、接地用端子GND、受信端子RX、並びに中点電位端子VMIDを備えている。図3の例においては、図示されないが、RF IC11は、図2の送信回路71と受信回路72を有している。送信端子TX1およびTX2は、送信回路71から信号を出力する端子である。受信端子RXは、受信回路72に信号を入力する端子である。
【0046】
送信端子TX1およびTX2には、コイルL1およびL2の一端がそれぞれ接続されている。接地用端子GNDは接地されている。コイルL1の他端には、コンデンサC1の一端とコンデンサC3の一端が接続されている。コイルL2の他端には、コンデンサC2の一端とコンデンサCaの一端が接続されている。コンデンサC1の他端には、接地用端子GNDとコンデンサC2の他端が接続されている。
【0047】
コイルL1およびL2は、コンデンサC1およびC2とともに、LPF(Low-Pass Filter)とインピーダンス変換の機能を有する回路(すなわち、図2のアンテナ調整回路73に相当)である。
【0048】
コンデンサC3の他端は、抵抗R1を介して、アンテナコイル12の一端に直列接続されている。コンデンサCaの他端は、コンデンサCbの一端に接続されている。コンデンサCbの他端は、抵抗R2を介して、アンテナコイル12の他端に直列接続されている。すなわち、コンデンサCa、Cb、抵抗R2、アンテナコイル12の順に接続されている。
【0049】
コンデンサC3、Ca、およびCbは、アンテナコイル12と共振回路(すなわち、図2の共振回路76に相当)を構成している。なお、コンデンサC1およびC2もその共振を補助している。
【0050】
抵抗R1およびR2は、共振回路のQ Factor(品質係数)を調整する。
【0051】
中点電位端子VMIDは、コンデンサC6を介してアースされている。中点電位端子VMIDは、中点電位を作って、その中点電位を抵抗R4を介して、受信端子RXに供給する。
【0052】
RFIC11の受信端子RXは、コンデンサCaおよびCbの間に示されるBのポイントに設けられる端子(以下、端子Bとも称する)から抵抗R3を介して、信号を入力する。すなわち、この場合、送信端子TX2からの信号が直接、受信端子RXに入力されないので、図1のコンデンサC5は必要ない。抵抗R3は、端子Bからの信号のレベルが大きい場合、抵抗R4とともに分圧比を変えて、レベルを調整する処理を行っている。
【0053】
受信回路72は、中点電位端子VMIDの中点電位を基準として、受信端子RXから入力した信号を復号する。
【0054】
以上のように構成されるリーダ/ライタ61において、コンデンサCaおよびCbの合成容量は、図1のコンデンサC4と同じ値になるように調整される。これにより、リーダ/ライタ61の共振回路76から、従来のリーダ/ライタ1と同等の磁界の強さが出力される。
【0055】
非接触ICカード62からの返信信号の波形は、図4および図5に示されるように、リーダ/ライタ61の共振回路76と非接触ICカード62の共振回路86との組み合わせや位置関係によって様々に変化する。
【0056】
図4および図5は、非接触ICカード62からの負荷変調の返信信号の波形の例を示している。
【0057】
図4に示される返信信号の波形は、LレベルにおいてHレベルにおいても平らになっている部分がある。したがって、図4に示される波形の場合、リーダ/ライタ61の受信回路72において容易に復号可能である。
【0058】
しかしながら、図5に示される返信信号の波形は、鋸波のようになっており、LレベルとHレベルとの変化点の判断が困難である。図5に示される波形の場合、リーダ/ライタ61の受信回路72で復号する際に、HレベルとLレベルのデューティー比が崩れてしまい、正確に復号することが困難である。
【0059】
以上のことから、リーダ/ライタ61においては、非接触ICカード62からの返信信号の波形を受信回路72が受信しやすくなるように、図1のコンデンサC4と同じ値の範囲内で、コンデンサCaの容量とコンデンサCbの容量の組み合わせを変化させる。そして、コンデンサCaの容量とコンデンサCbの容量の組み合わせが、最適な受信波形となる組み合わせに設定される。これにより、最適な受信波形が受信回路72に入力されるようにすることができる。
【0060】
図6乃至図8は、図3のリーダ/ライタ61に示されるA、B、Cの各ポイントの返信信号の波形の例を示している。なお、図3の例においては、Aは、コイルL2の他端、コンデンサC2の一端、およびコンデンサCaの一端の交点である。Bは、コンデンサCaの他端とコンデンサCbの一端の間のポイントである。Cは、コンデンサCbの他端と抵抗R2の一端の間のポイントである。
【0061】
図6に示されるAのポイントの返信信号の波形は、図5の返信信号の波形と同様に、鋸波のようになっており、LレベルとHレベルとの変化点の判断が困難である。
【0062】
図8に示されるCのポイントの返信信号の波形は、オーバーシュートが大きく出ており、この部分で受信回路72が正確に復号できない恐れがある。
【0063】
これらに対して、図7に示されるBのポイントの返信信号の波形は、図6および図7に示される波形の弱点を改善したような波形となっている。すなわち、図8に示される波形は、図6に示される波形に比して、HレベルおよびLレベルにおいて平らな部分があり、LレベルとHレベルの差もある。また、図8に示される波形は、図7に示される波形に比して、オーバーシュートがあまり出ていない。このため、受信回路72が復号しやすくなる。
【0064】
したがって、Bのポイントに端子を設け、設けられた端子Bから、受信端子RXに信号を入力することで、よりよい波形の信号を受信端子RXに入力することができる。
【0065】
図9は、リーダ/ライタ61において、コンデンサCaおよびCbの容量を変えた場合の非接触ICカード62との通信性能結果を示すグラフである。
【0066】
図9に示されるグラフにおいて、縦軸は、正答率[%]を表しており、横軸は通信距離[mm]を表している。コンデンサCaとCbの合成容量は、120〜123pFとして、図9の例においては、6種類のコンデンサCaの容量とCbの容量の組み合わせが示されている。
【0067】
すなわち、上から順に、コンデンサCaをショートした時で、コンデンサCbが120pFの容量の組み合わせ、コンデンサCaが390pFの容量で、コンデンサCbが180pFの容量の組み合わせが示されている。また、コンデンサCaが270pFの容量で、コンデンサCbが220pFの容量の組み合わせ、コンデンサCaが220pFの容量で、コンデンサCbが270pFの容量の組み合わせが示されている。コンデンサCaが180pFの容量で、コンデンサCbが390pFの容量の組み合わせ、コンデンサCaが120pFの容量で、コンデンサCbをショートした時の組み合わせが示されている。
【0068】
コンデンサCaをショートした時で、コンデンサCbが120pFの容量の組み合わせの場合、正答率は、通信距離30mm前後で20%あたりまで落ちるが、33mm乃至37mmで100%になるものの、38mm前後で0%まで落ちている。なお、コンデンサCaとCbの合成容量が120〜123pFで、コンデンサCbが120pFということは、この結果が、従来のコンデンサC4を用いたリーダ/ライタ1の通信性能結果ともいえる。
【0069】
コンデンサCaが390pFの容量で、コンデンサCbが180pFの容量の組み合わせの場合、正答率は、通信距離32mm前後で0%まで落ちるが、35mm乃至40mmで100%になるものの、43mm前後で0%まで落ちている。
【0070】
コンデンサCaが270pFの容量で、コンデンサCbが220pFの容量の組み合わせの場合、正答率は、通信距離40mm前後で90%まで落ちるが、42mmで100%になるものの、43mm前後で0%まで落ちている。
【0071】
コンデンサCaが220pFの容量で、コンデンサCbが270pFの容量の組み合わせの場合、正答率は、通信距離40mm前後で0%まで落ちている。
【0072】
コンデンサCaが180pFの容量で、コンデンサCbが390pFの容量の組み合わせの場合、正答率は、通信距離30mm前後で0%まで落ちている。
【0073】
コンデンサCaが120pFの容量で、コンデンサCbをショートした時の組み合わせの場合、正答率は、通信距離36mm前後で30%まで落ちるが、37mmあたりで90%になるものの、39mm前後で20%まで落ちる。その後、正答率は、41mm前後で30%になるが、42mm前後で0%まで落ちている。
【0074】
このように容量の組み合わせによって、最大通信距離や正答率が低下するポイントが異なるが、この結果においては、コンデンサCaが270pFの容量で、コンデンサCbが220pFの容量の組み合わせのときが、一番通信性能がよくなっている。
【0075】
以上のように、リーダ/ライタにおいては、アンテナコイルと共振回路を構成し、アンテナコイルと直列に接続された複数のコンデンサの容量が、合成容量の所定の範囲内で、よりよい組み合わせに設定される。そして、容量が設定された複数のコンデンサの間にある端子から、受信回路への信号が取得される。これにより、返信信号の波形は、図4に示したような理想的な波形に近づき、結果、通信性能を向上させることができる。
【0076】
ところで、図2の通信システム51においては、非接触ICカード62から、リーダ/ライタ61に返信する負荷変調による返信信号の電圧レベルを任意に変化させることも可能である。
【0077】
リーダ/ライタと、非接触ICカードのアンテナの位置を変化させると、負荷変調による返信信号の電圧レベルも変化し、ある位置で電圧レベルが非常に小さくなり、その結果、通信性能が悪化する位置が存在することがある。
【0078】
図10は、リーダ/ライタ61において、コンデンサCaおよびCbの容量を変えた場合において、通信距離を変化させたときの負荷変調の電圧レベルを示すグラフである。
【0079】
図10に示されるグラフにおいて、縦軸は、負荷変調レベル[mV]を表しており、横軸は通信距離[mm]を表している。コンデンサCaとCbの合成容量は、150〜165pFとして、図10の例においては、6種類のコンデンサCaの容量とCbの容量の組み合わせが示されている。
【0080】
すなわち、上から順に、コンデンサCaをショートした時で、コンデンサCbが162pFの容量の組み合わせ、コンデンサCaが1000pFの容量で、コンデンサCbが180pFの容量の組み合わせが示されている。また、コンデンサCaが470pFの容量で、コンデンサCbが220pFの容量の組み合わせ、コンデンサCaが330pFの容量で、コンデンサCbが330pFの容量の組み合わせが示されている。コンデンサCaが220pFの容量で、コンデンサCbが470pFの容量の組み合わせ、コンデンサCaが180pFの容量で、コンデンサCbが1000pFの容量の組み合わせが示されている。
【0081】
コンデンサCaをショートした時で、コンデンサCbが162pFの容量の組み合わせの場合(すなわち、従来のリーダ/ライタ1の場合)、負荷変調レベルは、通信距離が2mm前後で18mVと高く、だんだん低くなり、14mm前後に2mVと低くなっている。
【0082】
コンデンサCaが1000pFの容量で、コンデンサCbが180pFの容量の組み合わせの場合、負荷変調レベルは、通信距離が0mm前後で14mVと高く、だんだん低くなり、10mm前後に2mVと低くなっている。また、負荷変調レベルは、通信距離が10mmからだんだん高くなり、18mmで7mVになってから、だんだん低くなっている。
【0083】
コンデンサCaが470pFの容量で、コンデンサCbが220pFの容量の組み合わせの場合、負荷変調レベルは、通信距離が0mm前後に8mVで、だんだん低くなり、5mm前後に2mVと低くなっている。また、負荷変調レベルは、通信距離が5mmからだんだん高くなり、15mmで14mVになってから、だんだん低くなっている。
【0084】
コンデンサCaが330pFの容量で、コンデンサCbが330pFの容量の組み合わせの場合、負荷変調レベルは、通信距離が0mm前後に5mVで、だんだん低くなり、4mm前後に3mVと低くなっている。また、負荷変調レベルは、通信距離が3mmからだんだん高くなり、12mmで16mVになってから、だんだん低くなっている。
【0085】
コンデンサCaが220pFの容量で、コンデンサCbが470pFの容量の組み合わせの場合、負荷変調レベルは、通信距離が0mm前後に3mVで、だんだん高くなり、10mm前後に15mVと高くなっている。また、負荷変調レベルは、通信距離が10mmからだんだん低くなっている。
【0086】
コンデンサCaが180pFの容量で、コンデンサCbが1000pFの容量の組み合わせの場合、負荷変調レベルは、通信距離が0mm前後に7mVで、だんだん高くなり、9mm前後に19mVと高くなっている。また、負荷変調レベルは、通信距離が9mmからだんだん低くなっている。
【0087】
以上のように、従来のリーダ/ライタ1においては、負荷変調レベルが非常に小さくなる通信距離の位置が存在する。これに対して、リーダ/ライタ61においては、コンデンサCaおよびCbの容量を変えると、負荷変調レベルが小さくなる位置が変化し、その位置が通信に影響があまりないようなコンデンサCaおよびCbの組み合わせが存在する。
【0088】
したがって、コンデンサCaおよびCbの複数の組み合わせのうち、負荷変調レベルが小さくなる位置が通信にあまり影響がないような組み合わせを選ぶことによって、安定して通信させたい距離における負荷変調レベルを大きくすることができる。その結果、通信システム51においては、通信性能を改善することができる。
【0089】
[リーダ/ライタの構成例]
図11は、リーダ/ライタの回路構成の他の例を示している。
【0090】
図11に示されるリーダ/ライタ101は、RF IC11、コイルL1およびL2、コンデンサC1、コンデンサCaおよびCb、コンデンサC6、抵抗R1、R3、およびR4、並びにアンテナコイル12などを含むように構成されている。
【0091】
すなわち、リーダ/ライタ101は、アンテナ調整に使用する部品をできるだけ少なくした構成例で、コンデンサC2とC3、抵抗R2が除かれた点が、図3のリーダ/ライタ61と異なっている。
【0092】
一方、リーダ/ライタ101は、RF IC11、コイルL1およびL2、コンデンサC1、コンデンサCaおよびCb、コンデンサC6、抵抗R1、R3、およびR4、並びにアンテナコイル12を備える点が図3のリーダ/ライタ61と共通している。なお、これらの共通している部分については、詳細な説明は繰り返しになるので適宜省略する。
【0093】
送信端子TX1およびTX2には、コイルL1およびL2の一端がそれぞれ接続されている。接地用端子GNDは接地されている。コイルL1の他端には、コンデンサC1の一端と抵抗R1の一端が接続されている。コイルL2の他端には、コンデンサC1の他端とコンデンサCaの一端が接続されている。
【0094】
コイルL1は、コンデンサC1とともに、LPFとインピーダンス変換の機能を有する回路(すなわち、図2のアンテナ調整回路73に相当)である。
【0095】
抵抗R1は、アンテナコイル12の一端に直列接続されている。コンデンサCaの他端は、コンデンサCbの一端に接続されている。コンデンサCbの他端は、アンテナコイル12の他端に直列接続されている。すなわち、コンデンサCa、Cb、アンテナコイル12の順に接続されている。
【0096】
コンデンサCaおよびCbと、アンテナコイル12とで共振回路(すなわち、図2の共振回路76に相当)を構成している。なお、コンデンサC1もその共振を補助している。
【0097】
RF IC11の受信端子RXは、コンデンサCaおよびCbの間に示されるDのポイントに設けられた端子(以下、端子Dとも称する)から抵抗R3を介して、信号を入力する。受信回路72は、中点電位端子VMIDの中点電位を基準として、受信端子RXから入力した信号を復号する。
【0098】
以上のように構成されるリーダ/ライタ101においても、コンデンサCaおよびCbの容量を変化させて、合成容量の所定の範囲内でよりよい組み合わせが設定され、コンデンサCaおよびCbの間に設けられた端子Dから信号が受信端子RXに入力される。これにより、受信端子RXに入力される信号品質を変化させることが可能である。したがって、最適な受信波形を入力することができるので、通信性能の改善を行うことができる。
【0099】
[リーダ/ライタの構成例]
図12は、リーダ/ライタの回路構成のさらに他の例を示している。
【0100】
図12に示されるリーダ/ライタ111は、RF IC11、コイルL1およびL2、コンデンサC1およびC2、コンデンサCaおよびCb、コンデンサC6、抵抗R1乃至R4、並びにアンテナコイル12などを含むように構成されている。
【0101】
すなわち、リーダ/ライタ111は、RF IC11、コイルL1およびL2、コンデンサC1およびC2、コンデンサCaおよびCb、コンデンサC6、抵抗R1乃至R4、並びにアンテナコイル12を備える点が図3のリーダ/ライタ61と共通している。なお、これらの共通している部分については、詳細な説明は繰り返しになるので適宜省略する。
【0102】
一方、リーダ/ライタ111は、アンテナコイル12内に、コンデンサCaおよびCbが設けられた点と、コンデンサC3が除かれた点が図3のリーダ/ライタ61と異なっている。
【0103】
送信端子TX1およびTX2には、コイルL1およびL2の一端がそれぞれ接続されている。接地用端子GNDは接地されている。コイルL1の他端には、コンデンサC1の一端と抵抗R1の一端が接続されている。コイルL2の他端には、コンデンサC2の一端と抵抗R2の一端が接続されている。コンデンサC1の他端には、接地用端子GNDとコンデンサC2の他端が接続されている。
【0104】
コイルL1およびL2は、コンデンサC1およびC2とともに、LPFとインピーダンス変換の機能を有する回路(すなわち、図2のアンテナ調整回路73に相当)である。
【0105】
抵抗R1の他端は、アンテナコイル12の一端に直列接続されている。抵抗R2の他端は、アンテナコイル12の他端に直列接続されている。
【0106】
そして、リーダ/ライタ111においては、アンテナコイル12内(アンテナコイル12上)に、コンデンサCaおよびCbが設けられている。コンデンサCaおよびCbと、アンテナコイル12で共振回路(すなわち、図2の共振回路76に相当)を構成している。なお、コンデンサC1およびC2もその共振を補助している。
【0107】
そして、アンテナコイル12内において、コンデンサCaとコンデンサCbの間に示されるEのポイントに設けられた端子(以下、端子Eとも称する)から、抵抗R3を関して、受信端子RXに信号が入力される。受信回路72は、中点電位端子VMIDの中点電位を基準として、受信端子RXから入力した信号を復号する。
【0108】
以上のように構成されるリーダ/ライタ111においても、コンデンサCaおよびCbの容量を変化させて、合成容量の所定の範囲内でよりよい組み合わせが設定される。そして、このように容量が設定されたコンデンサCaおよびCbの間に設けられた端子Eから信号が受信端子RXに入力される。これにより、受信端子RXに入力される信号品質を変化させることが可能である。したがって、最適な受信波形を入力することができるので、通信性能の改善を行うことができる。
【0109】
[リーダ/ライタの構成例]
図13は、リーダ/ライタの回路構成のさらに他の例を示している。
【0110】
図13に示されるリーダ/ライタ121は、RF IC131、コイルL1およびL2、インダクタL3乃至L5、コンデンサC1乃至C6、抵抗R1乃至R4、並びにアンテナコイル12などを含むように構成されている。
【0111】
すなわち、リーダ/ライタ121は、コイルL1およびL2、コンデンサC1乃至C6、抵抗R1乃至R4、並びにアンテナコイル12を備える点が、図3のリーダ/ライタ61と共通している。なお、これらの共通している部分については、詳細な説明は繰り返しになるので適宜省略する。
【0112】
一方、リーダ/ライタ121は、RF IC11がRF IC131と入れ替わった点、コンデンサCaおよびCbが、可変容量ダイオードD1およびD2に入れ替わった点、インダクタL3乃至L5が追加された点が、図3のリーダ/ライタ61と異なっている。
【0113】
RF IC131は、図示せぬ受信回路、送信回路の他に、マイクロコンピュータ141を内蔵している。RFIC131は、送信端子TX1およびTX2、接地用端子GND、受信端子RX、並びに中点電位端子VMIDの他に、マイクロコンピュータ141からの制御信号を、端子F乃至端子Hに送信する制御端子CTRL1乃至CTRL3を有している。
【0114】
マイクロコンピュータ141は、制御端子CTRL1乃至CTRL3を介して、図3のコンデンサCaおよびCbに相当する可変容量ダイオードD1およびD2の容量を制御する。制御端子CTRL1乃至CTRL3は、任意の電位を出力可能な端子である。
【0115】
送信端子TX1およびTX2には、コイルL1およびL2の一端がそれぞれ接続されている。接地用端子GNDは接地されている。コイルL1の他端には、コンデンサC1の一端とコンデンサC3の一端が接続されている。コイルL2の他端には、コンデンサC2の一端とコンデンサC4の一端が接続されている。コンデンサC1の他端には、接地用端子GNDとコンデンサC2の他端が接続されている。
【0116】
コイルL1およびL2は、コンデンサC1およびC2とともに、LPFとインピーダンス変換の機能を有する回路(すなわち、図2のアンテナ調整回路73に相当)である。
【0117】
コンデンサC3の他端は、可変容量ダイオードD1の一端に接続されている。可変容量ダイオードD1の他端は、可変容量ダイオードD2の一端に接続されている。可変容量ダイオードD2の他端は、抵抗R1を介して、アンテナコイル12の一端に直列接続されている。すなわち、可変容量ダイオードD1、D2、抵抗R1、アンテナコイル12の順に接続されている。コンデンサC4の他端は、抵抗R2を介して、アンテナコイル12の他端に直列接続されている。
【0118】
そして、コンデンサC3の他端と可変容量ダイオードD1の一端の間には、制御端子CTRL1とインダクタL3を介して接続される端子Fが設けられている。可変容量ダイオードD1の他端と可変容量ダイオードD2の一端の間には、制御端子CTRL2とインダクタL4を介して接続される端子Gが設けられている。可変容量ダイオードD2の他端と抵抗R1の一端の間には、制御端子CTRL3とインダクタL5を介して接続される端子Hが設けられている。
【0119】
可変容量ダイオードD1およびD2は、電圧を逆方向に印加した場合にダイオードのPN接合の層の厚みが変化することによる、静電容量(接合容量)の変化を利用した可変容量コンデンサである。つまり、可変容量ダイオードD1およびD2は、逆バイアスを印加したときの両端の電位差により容量の値を可変にすることができる。
【0120】
コンデンサC3は、可変容量ダイオードD1の電位を制御端子CTRL1から制御する任意の電位に設定するためのDC(直流成分)カット用コンデンサである。
【0121】
コンデンサC3、C4、可変容量ダイオードD1およびD2と、アンテナコイル12とで共振回路(すなわち、図2の共振回路76に相当)を構成している。なお、コンデンサC1およびC2もその共振を補助している。
【0122】
インダクタL3乃至L5は、それぞれ、端子F乃至Hと各制御端子CTRL1乃至CTRL3を高周波的に分離するインダクタであり、アンテナ調整への影響を防止するための素子である。
【0123】
RFIC11の受信端子RXは、可変容量ダイオードD1およびD2の間に設けられた端子GからコンデンサC5および抵抗R3を介して、信号を入力する。受信回路72は、中点電位端子VMIDの中点電位を基準として、受信端子RXから入力した信号を復号する。
【0124】
以上のように構成されるリーダ/ライタ121において、マイクロコンピュータ141は、可変容量ダイオードD1およびD2の素子の個々の特性より、合計の容量を変化させないような条件の電位を、制御端子CTRL1乃至CTRL3から出力させる。
【0125】
これにより、図3のリーダ/ライタ61と同様の機能を有することができる。すなわち、非接触ICカード62からの返信信号の波形を受信回路が受信しやすくなるように、図1のコンデンサC4と同じ値の範囲(所定の範囲)内で、可変容量ダイオードD1およびD2の素子の容量の組み合わせを制御し、変化させることができる。
【0126】
さらに、マイクロコンピュータ141は、可変容量ダイオードD1およびD2に対して、各コンデンサの容量の組み合わせの設定値を複数のパターンを、内蔵する記憶部に記憶しておく。また、マイクロコンピュータ141は、対向する非接触ICカードや携帯電話機の特性に応じた最適な組み合わせの設定値に関する情報を記憶部に記憶する。そして、マイクロコンピュータ141は、RF IC131の、図示せぬ受信回路および送信回路を用いての通信を行うことで、対向する非接触ICカードや携帯電話機の通信特性を検出し、検出された通信特性に応じて最適な設定を選択する。マイクロコンピュータ141は、選択した最適な設定値となるような条件の電位を、制御端子CTRL1乃至CTRL3から出力させ、可変容量ダイオードD1およびD2の素子の容量を変化させる。
【0127】
これにより、可変容量ダイオードD1およびD2の容量のよりよい組み合わせが設定され、可変容量ダイオードD1およびD2の間に設けられた端子Gから信号が受信端子RXに入力される。その結果、対向する非接触ICカードや携帯電話機の通信特性に応じた最適な受信波形が、リーダ/ライタ121の受信回路に入力される。したがって、非接触ICカードや携帯電話機などの通信特性がそれぞれ異なる機器と通信を行う環境下において、通信性能を担保して好適な通信を行うことができる。
【0128】
以上より、様々な種類の非接触ICカードや携帯電話機に対する通信性能改善を容易に行うことができる。
【0129】
<2.第2の実施の形態>
[従来の通信システムの構成例]
本開示との比較のため、図14を参照して、従来の通信システムについて説明する。図14は、従来の通信システムの構成例を示している。
【0130】
図14に示される通信システム151は、NFC(Near Field Communication)デバイスであるイニシエータ161とターゲット162との間において、passive communication modeで非接触通信を行うシステムである。
【0131】
図14の例において、イニシエータ161およびターゲット162は、図1のリーダ/ライタ1と同様に、磁界を発生させる回路を有しており、磁界を発生させることにより、キャリア信号を相手に送信することができる。また、イニシエータ161およびターゲット162は、図示せぬ非接触ICカードと同様に、キャリア信号を送ってきた相手に対する返信を負荷変調方式で行う。
【0132】
つまり、イニシエータ161およびターゲット162は、それぞれ、図1のリーダ/ライタ1にもなりうるし、図示せぬ非接触ICカードにもなりうる。
【0133】
イニシエータ161およびターゲット162は、図1の従来のリーダ/ライタ1と基本的に同様に構成される。すなわち、イニシエータ161およびターゲット162は、それぞれ、コイルL1およびL2、コンデンサC1乃至C6、抵抗R1乃至R4、RFIC11、並びにアンテナコイル12を備えている。
【0134】
したがって、RF IC11は、送信端子TX1およびTX2、接地用端子GND、受信端子RX、並びに中点電位端子VMIDを備えている。なお、図1のRFIC11の例においては省略されていたが、図14のRF IC11においては、送信端子TX1と接地用端子GNDとを接続するスイッチS1と、送信端子TX2と接地用端子GNDとを接続するスイッチS2とが示されている。
【0135】
送信端子TX1およびTX2には、コイルL1およびL2の一端がそれぞれ接続されている。接地用端子GNDは接地されている。コイルL1の他端には、コンデンサC1の一端とコンデンサC3の一端が接続されている。コイルL2の他端には、コンデンサC2の一端とコンデンサC4の一端が接続されている。コンデンサC1の他端には、接地用端子GNDとコンデンサC2の他端が接続されている。
【0136】
コイルL1およびL2、コンデンサC1およびC2とともに、LPF(Low-Pass Filter)とインピーダンス変換の機能回路を構成している。
【0137】
コンデンサC3の他端は、抵抗R1を介して、アンテナコイル12の一端に直列接続されている。コンデンサC4の他端は、抵抗R2を介して、アンテナコイル12の他端に直列接続されている。コンデンサC3およびC4と、アンテナコイル12とで共振回路を構成している。なお、コンデンサC1およびC2もその共振を補助している。
【0138】
抵抗R1およびR2は、共振回路のQ Factor(品質係数)を調整する。
【0139】
RF IC11の受信端子RXは、コンデンサC4の一端、コンデンサC2の一端、およびコイルL2の他端が接続される交点の端子Pから、抵抗R3およびコンデンサC5を介して、信号を入力する。入力される信号は、中点電位をクロスする。受信回路は、中点電位端子VMIDの中点電位を基準として、受信端子RXから入力した信号を復号する。
【0140】
抵抗R3は、端子Pからの信号のレベルが大きい場合、抵抗R4とともに分圧比を変えて、レベルを調整する処理を行っている。コンデンサC5は、端子Pからの信号(送信端子TX2からの信号)と、中点電位端子VMIDからの信号にある差を直流的にカットしている。
【0141】
中点電位端子VMIDは、コンデンサC6を介してアースされている。コンデンサC6は、中点電位を安定させるためのバイパスコンデンサである。中点電位端子VMIDは、中点電位を作って、抵抗R4を介して供給する。
【0142】
このような通信システム151において、例えば、ターゲット162は、イニシエータ161に対して返信を行う場合、スイッチS1およびS2のオン/オフにより、送信端子TX1およびTX2を接地用端子GNDと接続することで、負荷変調を行う。
【0143】
しかしながら、このスイッチS1およびS2のオン/オフにより、送信端子TX1およびTX2のDCレベルが変化し、その変化の影響を受けて、端子PのDCレベルも変化する。
【0144】
この結果、受信端子RXのDCレベルが変化し、受信端子RXに入力するキャリア信号の中点電位が変化するため、図15に示されるように、キャリア信号が中点電位をクロスしないことが発生してしまう。このような場合、イニシエータ161のRFIC11の受信回路は、クロックを正確にカウントできない。このため、ターゲット162からイニシエータ161への返信時にパケットの長さが、本来の長さより長くなってしまうので、通信に失敗してしまう。
【0145】
図15は、従来の通信システム151におけるキャリア信号の波形を示している。すなわち、図15の例においては、従来の通信システム151において、パケットの長さが本来の長さより長くなってしまっているときのキャリア信号の波形が示されている。
【0146】
図15の波形においては、Qが付された丸に示されるように、キャリア信号が中点電位をクロスしない部分が発生してしまっている。イニシエータ161のRFIC11の受信回路は、図15のQが示される丸に囲まれた部分のクロックを、カウントすることが困難である。
【0147】
[本技術の通信システムの構成例]
図16は、本技術を適用した通信システムの構成例を示している。
【0148】
図16に示される通信システム201は、NFCデバイスであるイニシエータ211とターゲット212との間において、passive communication modeで非接触通信を行うシステムである。
【0149】
図16の例において、イニシエータ211およびターゲット212は、図2のリーダ/ライタ61と同様に、磁界を発生させる回路を有しており、磁界を発生させることにより、キャリア信号を相手に送信することができる。また、イニシエータ211およびターゲット212は、図2の非接触ICカード62と同様に、キャリア信号を送ってきた相手に対する返信を負荷変調方式で行う。
【0150】
つまり、イニシエータ211およびターゲット212は、それぞれ、図2のリーダ/ライタ61にもなりうるし、図2の非接触ICカード62にもなりうる。
【0151】
イニシエータ211およびターゲット212は、基本的に、図3のリーダ/ライタ61と同様に構成される。すなわち、イニシエータ211およびターゲット212は、コイルL1およびL2、コンデンサC1乃至C3、コンデンサCaおよびCb、コンデンサC6、抵抗R1乃至R4、RF IC11、並びにアンテナコイル12を備えている。
【0152】
RF IC11は、図示されないが、送信回路と受信回路を有しており、送信端子TX1およびTX2、接地用端子GND、受信端子RX、並びに中点電位端子VMIDを備えている。送信端子TX1およびTX2は、送信回路から信号を出力する端子である。受信端子RXは、受信回路に信号を入力する端子である。なお、図3のRFIC11の例においては省略されていたが、図16のRF IC11においては、送信端子TX1と接地用端子GNDとを接続するスイッチS1と、送信端子TX2と接地用端子GNDとを接続するスイッチS2とが示されている。
【0153】
送信端子TX1およびTX2には、コイルL1およびL2の一端がそれぞれ接続されている。接地用端子GNDは接地されている。コイルL1の他端には、コンデンサC1の一端とコンデンサC3の一端が接続されている。コイルL2の他端には、コンデンサC2の一端とコンデンサCaの一端が接続されている。コンデンサC1の他端には、接地用端子GNDとコンデンサC2の他端が接続されている。
【0154】
コイルL1およびL2は、コンデンサC1およびC2とともに、LPFとインピーダンス変換の機能を有する回路(すなわち、図2のアンテナ調整回路73に相当)である。
【0155】
コンデンサC3の他端は、抵抗R1を介して、アンテナコイル12の一端に直列接続されている。コンデンサCaの他端は、コンデンサCbの一端に接続されている。コンデンサCbの他端は、抵抗R2を介して、アンテナコイル12の他端に直列接続されている。すなわち、コンデンサCa、Cb、抵抗R2、アンテナコイル12の順に接続されている。
【0156】
コンデンサC3、Ca、およびCbと、アンテナコイル12とで共振回路(すなわち、図2の共振回路76に相当)を構成している。なお、コンデンサC1およびC2もその共振を補助している。
【0157】
抵抗R1およびR2は、共振回路のQ Factor(品質係数)を調整する。
【0158】
中点電位端子VMIDは、コンデンサC6を介してアースされている。中点電位端子VMIDは、中点電位を作って、中点電位を抵抗R4を介して、受信端子RXに供給する。
【0159】
RF IC11の受信端子RXは、コンデンサCaおよびCbの間に示されるポイントRに設けられた端子(以下、端子Rとも称する)から抵抗R3を介して、信号を入力する。抵抗R3は、端子Rからの信号のレベルが大きい場合、抵抗R4とともに分圧比を変えて、レベルを調整する処理を行っている。
【0160】
受信回路72は、中点電位端子VMIDの中点電位を基準にして、受信端子RXから入力した信号を復号する。
【0161】
このような通信システム201において、例えば、ターゲット212は、イニシエータ211に対して返信を行う場合、スイッチS1およびS2のオン/オフにより、送信端子TX1およびTX2を接地用端子GNDと接続することで、負荷変調を行う。
【0162】
このスイッチS1およびS2のオン/オフにより、送信端子TX1およびTX2のDCレベルが変化し、その変化の影響を受けて、Pで示されるポイントのDCレベルも変化する。そこで、ターゲット212においては、コンデンサCaが備えられていることにより、端子Rにおいて、送信端子TX1およびTX2のDCレベルの変化の影響が低減される。
【0163】
これにより、イニシエータ211においては、受信端子RXに入力されるキャリア信号のクロックを正確にカウントすることができ、パケットの長さが長くなるような通信での不具合の発生を抑制することができる。
【0164】
図17は、従来の通信システムと本技術の通信システムによる通信性能結果を示す図である。
【0165】
図17の例において、横軸は、通信距離[mm]を表しており、縦軸は、正答率[%]を表している。
【0166】
従来の通信システム151の正答率は、通信距離が0乃至6mmのところで0%である。従来の通信システム151の正答率は、通信距離が6乃至10mmにかけて、100%までだんだん上がっている。そして、従来の通信システム151の正答率は、通信距離が20乃至36mmにかけて、0%までだんだん下がっている。
【0167】
これに対して、本技術の通信システム201の正答率は、通信距離が0乃至37mmのところで100%であるが、38mmのところで急激に下がる。
【0168】
すなわち、従来の通信システム151の場合、近接付近と遠方において通信性能が悪化しているが、本技術の通信システム201の場合、従来と比して、正答率低下の現象も発生せず、通信距離も長くなっている。
【0169】
以上のように、NFCデバイス同士の通信システムにおいても、アンテナコイルと共振回路を構成し、アンテナコイルと直列に接続される複数のコンデンサの合成容量が最適に設定され、その複数のコンデンサの間にある端子から、受信回路への信号が取得される。これにより通信性能を向上させることができる。
【0170】
なお、上記説明においては、ターゲット212を用いて説明したが、イニシエータ211の返信の場合にも同様の効果が得られる。
【0171】
また、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0172】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0173】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 少なくとも第1および第2のコンデンサ、並びにアンテナコイルからなる共振回路と、
送信端子と受信端子を有する送受信回路と、
前記共振回路と前記送受信回路との間においてインピーダンスを調整する調整回路と
を備え、
前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせは、前記第1および第2のコンデンサの合成容量の所定の範囲内において設定され、
前記第1および第2のコンデンサの間に設けられる端子からの信号が、前記受信端子に入力される
アンテナ回路。
(2) 対向する通信装置と非接触で通信を行う通信部と、
前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせの設定値、および前記通信装置の通信特性と前記設定値とに関する情報を記憶する記憶部と、
前記通信部により検出される前記対向する通信装置の通信特性に基づいて、前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせの設定値を選択する制御部と
をさらに備える前記(1)に記載のアンテナ回路。
(3) 前記制御部は、前記選択した容量の組み合わせの設定値に基づいて、前記第1および第2のコンデンサの容量を設定する
前記(2)に記載のアンテナ回路。
(4) 送信端子と受信端子を有する送受信回路と、
少なくとも第1および第2のコンデンサ、並びにアンテナコイルからなる共振回路と、
前記共振回路と前記送受信回路との間においてインピーダンスを調整する調整回路と
を有し、
前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせは、前記第1および第2のコンデンサの合成容量の所定の範囲内において設定され、
前記第1および第2のコンデンサの間に設けられる端子からの信号が、前記受信端子に入力されるアンテナ回路を
備える通信装置。
(5) 前記アンテナ回路は、対向する通信装置と非接触で通信を行う通信部と、
前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせの設定値、および前記通信装置の通信特性と前記設定値とに関する情報を記憶する記憶部と、
前記通信部により検出される前記対向する通信装置の通信特性に基づいて、前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせの設定値を選択する制御部と
をさらに有する前記(4)に記載の通信装置。
(6) 前記制御部は、前記選択した容量の組み合わせの設定値に基づいて、前記第1および第2のコンデンサの容量を設定する
前記(5)に記載の通信装置。
(7) 送信端子と受信端子を有する送受信回路と、
少なくとも第1および第2のコンデンサ、並びにアンテナコイルからなる共振回路と、
前記共振回路と前記送受信回路との間においてインピーダンスを調整する調整回路と
を備えるアンテナ回路において、
前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせは、前記第1および第2のコンデンサの合成容量の所定の範囲内において設定され、
前記受信端子は、前記第1および第2のコンデンサの間に設けられる端子からの信号を入力する
通信方法。
【符号の説明】
【0174】
11 RF IC, 12 アンテナコイル, 51 通信システム, 61 リーダ/ライタ, 62 非接触ICカード, 71 送信回路, 72 受信回路, 73 アンテナ調整回路, 74 コンデンサ, 75 アンテナコイル, 76 共振回路, 101 リーダ/ライタ, 111 リーダ/ライタ, 121 リーダ/ライタ, 131 RF IC, 141 マイクロコンピュータ, 171 RF IC, 201 通信システム, 211 イニシエータ, 212 ターゲット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1および第2のコンデンサ、並びにアンテナコイルからなる共振回路と、
送信端子と受信端子を有する送受信回路と、
前記共振回路と前記送受信回路との間においてインピーダンスを調整する調整回路と
を備え、
前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせは、前記第1および第2のコンデンサの合成容量の所定の範囲内において設定され、
前記第1および第2のコンデンサの間に設けられる端子からの信号が、前記受信端子に入力される
アンテナ回路。
【請求項2】
対向する通信装置と非接触で通信を行う通信部と、
前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせの設定値、および前記通信装置の通信特性と前記設定値とに関する情報を記憶する記憶部と、
前記通信部により検出される前記対向する通信装置の通信特性に基づいて、前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせの設定値を選択する制御部と
をさらに備える請求項1に記載のアンテナ回路。
【請求項3】
前記制御部は、前記選択した容量の組み合わせの設定値に基づいて、前記第1および第2のコンデンサの容量を設定する
請求項2に記載のアンテナ回路。
【請求項4】
送信端子と受信端子を有する送受信回路と、
少なくとも第1および第2のコンデンサ、並びにアンテナコイルからなる共振回路と、
前記共振回路と前記送受信回路との間においてインピーダンスを調整する調整回路と
を有し、
前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせは、前記第1および第2のコンデンサの合成容量の所定の範囲内において設定され、
前記第1および第2のコンデンサの間に設けられる端子からの信号が、前記受信端子に入力されるアンテナ回路を
備える通信装置。
【請求項5】
前記アンテナ回路は、対向する通信装置と非接触で通信を行う通信部と、
前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせの設定値、および前記通信装置の通信特性と前記設定値とに関する情報を記憶する記憶部と、
前記通信部により検出される前記対向する通信装置の通信特性に基づいて、前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせの設定値を選択する制御部と
をさらに有する請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記選択した容量の組み合わせの設定値に基づいて、前記第1および第2のコンデンサの容量を設定する
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
送信端子と受信端子を有する送受信回路と、
少なくとも第1および第2のコンデンサ、並びにアンテナコイルからなる共振回路と、
前記共振回路と前記送受信回路との間においてインピーダンスを調整する調整回路と
を備えるアンテナ回路において、
前記第1および第2のコンデンサの容量の組み合わせは、前記第1および第2のコンデンサの合成容量の所定の範囲内において設定され、
前記受信端子は、前記第1および第2のコンデンサの間に設けられる端子からの信号を入力する
通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−90021(P2013−90021A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226411(P2011−226411)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】