説明

アンテナ装置、無線装置

【課題】周囲の環境変化によるアンテナ性能の劣化を抑えることのできるアンテナ装置、無線装置を提供すること。
【解決手段】実施形態に係るアンテナ装置は、第1のアンテナおよび第2のアンテナを具備している。第1のアンテナは、地導体板と、地導体板と直交する仮想平面に対して対称な形状を有し、地導体板と仮想平面との交線上に第1の高周波信号が供給される第1の給電部を有する第1の放射導体とを備えている。第2のアンテナは、仮想平面に対して対称となる位置に配設され、互いに対称な形状を有する一対の第2の放射導体と、互いに略同一の電気長を有し、それぞれの一端が一対の第2の放射導体上の互いに対称な位置に接続された一対の伝送線路と、一対の伝送線路のそれぞれの他端に第2の高周波信号を供給する第2の給電部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、アンテナ装置および無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイバーシチやMIMO(Multiple Input Multiple Output)システムでは、複数のアンテナを備える必要がある。複数のアンテナを備えた複合型アンテナ装置としては、線対称な形状を有する導体に対して、対称線に平行な給電点および対称線に垂直な2つの給電点を設けた構成を有するものが知られている。すなわち、非平衡のアンテナと平衡のアンテナとを組み合わせたものが知られている。
【0003】
このようなアンテナ装置では、他の地導体が接近したような場合、アンテナの対称性が崩れ、当該アンテナ装置の性能が劣化する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-130092公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のアンテナ装置、無線装置では、地導体の接近など周囲の環境変化によりアンテナ性能が劣化するという問題があった。本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、周囲の環境変化によるアンテナ性能の劣化を抑えることのできるアンテナ装置、無線装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るアンテナ装置は、第1のアンテナおよび第2のアンテナを具備している。第1のアンテナは、地導体板と、地導体板と直交する仮想平面に対して対称な形状を有し、地導体板と仮想平面との交線上に第1の高周波信号が供給される第1の給電部を有する第1の放射導体とを備えている。第2のアンテナは、仮想平面に対して対称となる位置に配設され、互いに対称な形状を有する一対の第2の放射導体と、互いに略同一の電気長を有し、それぞれの一端が一対の第2の放射導体上の互いに対称な位置に接続された一対の伝送線路と、一対の伝送線路のそれぞれの他端に第2の高周波信号を供給する第2の給電部とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係るアンテナ装置の回路構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の原理を説明する図である。
【図3】第1の実施形態の原理を説明する図である。
【図4】第1の実施形態の原理を説明する図である。
【図5】第1の実施形態の原理を説明する図である。
【図6】第1の実施形態の原理を説明する図である。
【図7】第2の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
【図8】第3の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
【図9】第4の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
【図10】第5の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
【図11】第6の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
【図12】第7の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
【図13】第8の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
【図14】第9の実施形態に係る無線装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態の構成)
以下、図面を参照しながら本実施の形態について詳細に説明する。図1に示すように、第1の実施形態に係るアンテナ装置1は、第1アンテナ10および第2アンテナ20を有している。第1アンテナ10は、第1給電部11、導体素子12およびグラウンド部13を有しており、図2に示すような不平衡のモノポールアンテナを構成している。第2アンテナ20は、第2給電部21、第1導体素子22および第2導体素子23、第1伝送線路24および第2伝送線路25を有しており、図2に示すような平衡のダイポールアンテナを構成している。
【0009】
第1給電部11には、導体素子12の一端(給電端R)およびグラウンド部13が接続されている。導体素子12の他端は、オープンとされている。グラウンド部13は、略直線状の地導体GNDに接続されている。ここで、図1に示すように、地導体GNDと略直交し第1給電部11を通る直線を対称線Lsymと定義すると、導体素子12は対称線Lsym上に位置している。すなわち、第1アンテナ10は、対称線Lsymに対し線対称構造を有している。同様に、地導体GNDは、対称線Lsymに対し線対称構造を有している。ここで、「対称」「対称構造」の意義は、物理的形状として厳密な対称性を要求する趣旨ではなく、高周波信号の電流分布または電圧分布が対称性を示せば足りる趣旨である。以下の説明においても同様である。
【0010】
第2給電部21には、第1伝送線路24の一端および第2伝送線路25の一端が接続されている。第1伝送線路24の他端には、第1導体素子22の一端(給電端R)が接続され、第2伝送線路25の他端には、第2導体素子23の一端(給電端R)が接続されている。第1伝送線路24および第2伝送線路25は、第2給電部21に給電される高周波信号(または給電部21が出力すべき高周波信号)の周波数において所定の特性インピーダンスを持つように構成されており、同一の電気長を有している。第1伝送線路24および第2伝送線路25は、例えば、同軸線路、平行線路、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路および導波管などにより実現することができる。給電端RおよびRは、地導体GND上で給電端R(対称線Lsym)から等距離dの位置に配設されている。
【0011】
一端が第1伝送線路24と接続された第1導体素子22は、地導体GND(または給電端RおよびRを結ぶ直線)に対し直角方向に延伸されている。すなわち、第1導体素子22は、給電端Rから対称線Lsymと平行方向に延伸されている。なお、第1導体素子22は、地導体GNDに対し給電端Rから90度以下の角度方向に延伸されてもよいが、概ね45度以上の角度を有することが望ましい。
【0012】
図1に示すように、第1導体素子22は、屈曲点を有していてもよい。この場合、給電端Rから屈曲点までの長さが導体素子12の長さと同程度以上であることが望ましい。第1導体素子22の屈曲点から第1導体素子22の開放端までの部分は、導体素子12方向へ向けて延伸されている。すなわち、第1導体素子22は、逆L字状の形状を有している。
【0013】
第2導体素子23は、対称線Lsymに対し第1導体素子22と対称な形状を有している。一端が第2伝送線路25と接続された第2導体素子23は、地導体GND(または給電端RおよびRを結ぶ直線)に対し直角方向に延伸されている。第2導体素子23は、第1導体素子22と同様に、屈曲点を有していてもよい。すなわち、第2導体素子23は、対称線Lsymに対し第1導体素子22と対称となる位置に対称な形状を有している。給電端RおよびR(RおよびR)の距離dは、第1アンテナ10および第2アンテナ20において用いる電波の波長に基づいて決定される。
【0014】
また、図1に示すように、第1アンテナ10をなす導体素子12の開放端と、第2アンテナ20をなす第1導体素子22および第2導体素子23それぞれの開放端とを接近させ、当該開放端同士でキャパシタンスCを構成してもよい。すなわち、キャパシタンスCを短縮コンデンサとして機能させることで、第1アンテナ10が電波を放射する放射導体を、導体素子12と第1導体素子22および第2導体素子23とにより構成することができる。同様に、第2アンテナ20が電波を放射する放射導体を、第1導体素子22および導体素子12と第2導体素子23および導体素子12とにより構成することができる。これは、第1アンテナ10および第2アンテナ20の放射導体の電気長を長く取ることを可能にし、アンテナ装置1全体の小型化や低姿勢化に寄与するものである。キャパシタンスCを構成する第1アンテナ10をなす導体素子12の開放端と、第2アンテナ20をなす第1導体素子22および第2導体素子23それぞれの開放端との間の距離は、使用する電波の十分の一波長以下の間隔にすると良好な結果を得ることができる。
【0015】
図1において、第2アンテナ20の第2給電部21は、第1伝送線路24および第2伝送線路25を介して、第1導体素子22および第2導体素子23に高周波電流を給電する。すなわち、第2給電部21から給電端RおよびRまでの間では、電波の放射がされない。この実施形態のアンテナ装置1では、対称線Lsymと平行で同一方向に延伸された導体素子12、第1導体素子22および第2導体素子23が電波を放射する。
【0016】
(第1の実施形態の動作)
ここで、図1ないし図4を参照して、アンテナ装置1の動作を説明する。図2に示すように、この実施形態のアンテナ装置1は、非平衡のモノポール型構成をもつ第1アンテナ10と、当該モノポールを対称線とした対称構造を有し平衡のダイポール型構成をもつ第2アンテナ20とを組み合わせたものと等価である。
【0017】
[アンテナ間のアイソレーション向上]
まず、第1アンテナ10の第1給電部11に高周波電流Iを供給した場合に、第2アンテナ20に流れ込む高周波電流I1a・I1bの電流分布を考える。第2アンテナ20の第1導体素子22および第2導体素子23は対称線Lsym(あるいは導体素子12)に対して対称な形状を有しているから、第1導体素子22および第2導体素子23上に現れる高周波電流は、対称線Lsymに対して奇関数となる分布を示す。
【0018】
すなわち、図3に示すように、対称線Lsymに関し対称となっている第1導体素子22および第2導体素子23上に現れる高周波電流I1aおよびI1bは、対称線Lsym上の導体素子12での高周波電流Iと同振幅逆位相の分布を示すことになる。そうすると、第1伝送線路24および第2伝送線路25はそれぞれ同じ電気長を有するので、第2給電部21(第1伝送線路24および第2伝送線路25と第2給電部21との接続点)に現れる高周波電流I1aおよびI1bは、互いに同振幅同位相となる(図3中I1aおよびI1bの破線矢印)。
【0019】
ところで、第2給電部21の2つの給電点には、高周波信号として、互いに逆位相となる差動信号が供給され/取り出されるから、第1アンテナ10から流入した高周波電流I1aおよびI1bは、コモンモードの電流ということになる。したがって、高周波電流I1aおよびI1bは、第2アンテナ20から取り出される差動信号には何ら影響を与えず、第1アンテナ10の信号が第2アンテナ20に影響を与えることはない。
【0020】
次に、第2アンテナ20の第2給電部21に高周波電流Iを供給した場合に、第1アンテナ10に流れ込む高周波電流の電流分布を考える。第2アンテナ20の第1導体素子22および第2導体素子23は対称線Lsym(あるいは導体素子12)に関して対称性を有する形状を有しているから、導体素子12上に現れる高周波電流は、対称線に対して偶関数となる分布を示す。
【0021】
図4に示すように、第1導体素子22および第2導体素子23には、対称線Lsymに関して同振幅逆位相の高周波電流Iが分布しており、導体素子12と第1導体素子22の間の距離と導体素子12と第2導体素子23の間の距離とは同一(=d)とされている。したがって、対称線Lsymは、同振幅逆位相の関係にある第1導体素子22から導体素子12に流れ込む電流Iと第2導体素子23から導体素子12に流れ込む電流Iとが相殺される境界線となる。すなわち、第1導体素子22および第2導体素子23に流れる高周波電流Iは、第1アンテナ10から取り出される信号には何ら影響を与えず、第2アンテナ20の信号が第1アンテナ10に影響を与えることはない。
【0022】
なお、第1アンテナ10と第2アンテナ20とが互いに影響を与えないということは、キャパシタンスCを用いた放射導体の構成がうまく働くことを意味している。すなわち、第1アンテナ10が、キャパシタンスCにより接続された導体素子12、第1導体素子22および第2導体素子23を放射導体として用いたとしても、第1給電部11に供給される高周波信号は第2アンテナ20に何ら影響を与えない。同様に、第2アンテナ20が、キャパシタンスCにより接続された導体素子12および第1導体素子22と、導体素子12および第2導体素子23とを放射導体として用いたとしても、第2給電部21に供給される高周波信号は第1アンテナ10に何ら影響を与えない。
【0023】
以上から、第1アンテナ10と第2アンテナ20との間のアイソレーションを高められることがわかる。
【0024】
[地導体GNDに起因するアンテナ性能劣化の抑止]
アンテナ装置全体の小型化や、地導体からのアンテナ最大高さを低くする低姿勢化の要請から、電波を放射する放射導体と地導体との間の距離を小さくする要求が高まっている。第1の実施形態に係るアンテナ装置1において、第1導体素子22および第2導体素子23に屈曲部を設けたり、キャパシタンスCを用いて放射導体を構成したりすることは、低姿勢化に資するものである。
【0025】
ところで、アンテナ装置1のように非平衡型アンテナと平衡型アンテナとを組み合わせた場合、平衡型アンテナと地導体とが接近し、平衡型アンテナの性能が劣化する可能性が指摘されている。すなわち、図5に示すように、平衡のダイポール型構成をもつアンテナDPが地導体GNDと接近して配置された場合、導体素子に流れる高周波電流I22およびI23と同振幅逆位相のイメージ電流Iimg22およびIimg23が地導体GND上を流れてしまう。このイメージ電流の存在は、アンテナDPの効率を悪化させ、利用可能周波数帯域幅を狭くする原因となる。
【0026】
一方、地導体から垂直方向に延伸した放射導体線を持つ非平衡のモノポールアンテナは、イメージ電流が放射導体線と同一方向に流れるため、アンテナ効率に影響を与えにくい。この実施形態のアンテナ装置1は、かかる特性を用いてアンテナ効率の劣化を抑えている。
【0027】
図6に示すように、この実施形態では、第2アンテナ20を、モノポールと等価なアンテナ20aおよび20bの2つに分割している。すなわち、アンテナ装置1では、第1アンテナ10をなす導体素子12と同一方向かつ等間隔で第1導体素子22および第2導体素子23を配置し、第1導体素子22および第2導体素子23が対称線Lsymに対し対称となるように構成している。そして、導体素子12の給電端Rに対応する位置の給電端RおよびRに高周波信号を供給している。
【0028】
言い換えれば、ダイポール型構成の第2アンテナ20を、2つのモノポール型構成のアンテナ20aおよび20bに置き換えている。かかる構成により、図6に示すように、第1アンテナ10のイメージ電流Iimg1も第2アンテナ20のイメージ電流Iimg2も、放射導体たる導体素子12、第1導体素子22および第2導体素子23と同一方向となり、アンテナ効率の劣化を抑えるとともに、利用可能周波数帯域幅の狭帯域化を抑えることが可能となる。
【0029】
このように、この実施形態のアンテナ装置1では、第1アンテナ10および第2アンテナ20のアイソレーションを確保するとともに、低姿勢化してもアンテナ特性の劣化を抑えることができる。
【0030】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るアンテナ装置について詳細に説明する。図7に示すように、この実施形態のアンテナ装置100は、図1に示す第1の実施形態のアンテナ装置を基板上に実装したものである。以下、第1の実施形態における各要素の説明と重複する説明は省略する。図7に示すように、この実施形態のアンテナ装置100は、基板101上に形成した第1アンテナ110および第2アンテナ120を有している。第1アンテナ110は、基板101上に形成した導体素子112、グラウンドとして機能する地導体層113および第1給電部111を有している。また、第2アンテナ120は、基板101上に形成した第1導体素子122および第2導体素子123、第1導体素子122および第2導体素子123に高周波電流を供給する第1伝送線路124および第2伝送線路125、および、伝送ケーブル126から送られる高周波電流を供給する第2給電部121を有している。
【0031】
基板101は、板状に成形したガラスエポキシなどの誘電体材料からなる誘電体基板である。基板101の主面には、有限地板としての地導体層113が形成されている。基板101の主面においては、エッチングなどにより地導体層113の一部が取り去られて基板本体の一部が露出しており、当該露出部分に第1アンテナ110および第2アンテナ120の放射導体が形成されている。図7に示す例では、基板101および地導体層113は矩形形状を有しており、基板本体露出部分と地導体層113の境界線は直線をなしている。
【0032】
図7に示すように、第1給電部111は、導体素子112と地導体層113との間に配設されている。第1給電部111には、導体素子112の一部(給電端R)および地導体層113が接続されている。導体素子112は、給電端Rを頂点とした逆三角形形状を有しており、例えばエッチングなどにより地導体層113の一部を取り去ることにより形成される。
【0033】
ここで、図7に示すように、地導体層113と直交し第1給電部111を通る面を対称面Ssym、地導体層113と対称面Ssymの交線を対称線Lsymと定義すると、第1給電部111および導体素子112の給電端Rは対称線Lsym上に位置しており、導体素子112は、対称面Ssymに対して対称となる形状を有している。すなわち、図7に示すように、導体素子112は、対称面Ssymに関して面対称形状の三角形形状であり、地導体層113から遠ざかるにつれて末広がりとなる形状を有している。
【0034】
第1アンテナ110における第1給電部111、導体素子112および地導体層113は、それぞれ図1に示す第1の実施形態の第1アンテナ10における第1給電部11、導体素子12およびグラウンド部13と対応し、共通の作用を発現する。
【0035】
第2給電部121は、第1伝送線路124の一端および第2伝送線路125の一端と接続されている。第1伝送線路124の他端は、第1導体素子22の一部(給電端R)と接続され、第2伝送線路125の他端は、第2導体素子123の一部(給電端R)と接続されている。
【0036】
第1伝送線路124および第2伝送線路125は、図1に示す第1実施形態における第1伝送線路24および第2伝送線路25と対応し、共通の作用を発現する。すなわち、第1伝送線路124および第2伝送線路125は、伝送ケーブル126から第2給電部121に供給される高周波信号等の周波数において所定の特性インピーダンスを持つように構成されており、同一の電気長(L112=L113)を有している。給電端RおよびRは、基板本体の露出部分と地導体層113との境界線近傍で給電端R(対称線Lsym)から等距離dの互いに対称な位置に配設されている。第1伝送線路124および第2伝送線路125は、空間を伝搬する電波を直接送受信しないように、地導体層113上を這わせて配置されている。
【0037】
一部が第1伝送線路124に接続された第1導体素子122は、地導体層113と基板本体露出部分の境界線に対し概ね直角方向に延伸されている。すなわち、第1導体素子22は、給電端Rから対称面Ssymと概ね平行方向に延伸されている。なお、第1導体素子122は、給電端Rから対称面Ssymと平行方向に向けて形成されていれば、図7に示すような複雑な形状を有していてもよい。また、第1の実施形態と同様に、第1導体素子122は、屈曲点を有していてもよい。図7では、基板101の縁部において対称線Ssymに向かって伸びるように形成されている様子が示されている。
【0038】
第2導体素子123は、対称面Ssymに対して第1導体素子122と対称な位置に対称な形状を有している。すなわち、一部が第2伝送線路125に接続された第2導体素子123は、地導体層113と基板本体露出部分の境界線に対し概ね直角方向に延伸されている。第2導体素子123は、対称線Ssymに関し第1導体素子122と面対称となる位置に面対称となる構造(形状)を有していればよい。すなわち、第1の実施形態と同様に、第1導体素子122および第2導体素子123が対称面Ssymに対して互いに面対称となる形状を有していればよい。第1導体素子122および第2導体素子123は、図1に示す第1の実施形態における第1導体素子22および第2導体素子23とそれぞれ対応し、共通の作用を発現する。
【0039】
なお、第1の実施形態と同様に、図7に示す第2の実施形態では、第1アンテナ110をなす導体素子112の縁部(辺部)と、第2アンテナ120をなす第1導体素子122および第2導体素子123それぞれの開放端部とを接近させてキャパシタンスCを構成してもよい。
【0040】
このように、この実施形態のアンテナ装置100は、第1の実施形態に係るアンテナ装置1と比較して、第2アンテナ120の第1導体素子122および第2導体素子123が対称面Ssymに対して関して面対称な位置で面対称形状を有する点、および、第1および第2伝送線路にケーブル状の線路を用いている点が相違する。かかる構成であっても、第1の実施形態と同様に、第1アンテナ110および第2アンテナ120間のアイソレーションを確保するとともに、地導体層113に起因する性能劣化を抑えることができる。
【0041】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るアンテナ装置について詳細に説明する。図8に示すように、この実施形態のアンテナ装置200は、図7に示す第2の実施形態のアンテナ装置における第1伝送線路124および第2伝送線路125の配置を変更したものである。以下、第2の実施形態のアンテナ装置と共通する構成要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0042】
第1伝送線路224および第2伝送線路225は、図7に示す第2実施形態のアンテナ装置100における第1伝送線路124および第2伝送線路125と対応し、共通の作用を発現する。第3の実施形態の第1伝送線路224および第2伝送線路225は、放射導体たる第1導体素子122および第2導体素子123と同様に、対称線Lsym(あるいは図示しない対称面)に対してそれぞれ対称となる地導体層113上の位置に配設されている。
【0043】
かかる構成により、第1伝送線路224および第2伝送線路225の間に微弱な結合が生じていたとしても、それぞれ互いに対称線Lsymに関して対称な位置に配設されているので、第1導体素子122および第2導体素子123と同様に、高いアイソレーションを保つことができる。すなわち、第1アンテナ110および第2アンテナ220間のアイソレーションをより高めることができる。
【0044】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係るアンテナ装置について詳細に説明する。図9に示すように、この実施形態のアンテナ装置300は、図7に示す第2の実施形態のアンテナ装置の導体素子112、第1導体素子122および第2導体素子123の形状を、それぞれT字型および逆L型としたものである。以下、第2の実施形態における構成要素と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0045】
図9に示すように、第1給電部111は、導体素子312と地導体層113との間に位置している。第1給電部111は、導体素子312の一部(給電端R)および地導体層113と接続されている。導体素子312は、給電端Rを底部としたT字形状を有しており、例えばエッチングなどにより地導体層113の一部を取り去ることにより形成される。導体素子312のうち、第1給電部111と接続された一方の給電端Rから対称線Lsym上に帯状に形成された直線部分の長さと、他方の端部で当該直線部分と直角方向に延伸された頂部の長さとの和が、使用する電波の四分の一波長程度の長さとなるように成形される。
【0046】
ここで、図9に示すように、地導体層113と直交し第1給電部111を通る面を対称面Ssym、地導体層113と対称面Ssymの交線を対称線Lsymと定義すると、第1給電部111および導体素子312の給電端Rは対称線Lsym上に位置している。導体素子312は、対称線Lsym上を地導体層113から離れる方向に所定幅で延伸されるとともに、給電端Rの反対側の端部において対称線Lsym上と垂直方向に延伸され、全体としてT字状に成形されている。
【0047】
第1アンテナ310における第1給電部111、導体素子312および地導体層113は、それぞれ図1に示す第1の実施形態の第1アンテナ10における第1給電部11、導体素子12およびグラウンド部13と対応し、共通の作用を発現する。
【0048】
第2給電部121は、第1伝送線路124の一端および第2伝送線路125の一端と接続されている。第1伝送線路124の他端は、第1導体素子322の一端(給電端R)と接続され、第2伝送線路125の他端は、第2導体素子323の一端(給電端R)と接続されている。給電端RおよびRは、基板本体の露出部分と地導体層113との境界線近傍で給電端R(対称線Lsym)から等距離dの互いに対称な位置に配設されている。第1伝送線路124および第2伝送線路125は、空間を伝搬する電波を直接送受信しないように、地導体層113上を這わせて配置されている。
【0049】
一端が第1伝送線路124に接続された第1導体素子322は、地導体層113と基板本体露出部分の境界線に対し概ね直角方向に延伸されている。すなわち、第1導体素子322は、給電端Rから対称面Ssymと平行方向に延伸されている。そして、T字形状をなす導体素子312の頂部(対称線Lsymとの平行部分と直交部分とが交わる部分)と対応する第1導体素子322上の位置に屈曲部が形成され、対称線Lsym方向に略直角に折り曲げられている。すなわち、第1導体素子322は、地導体層113に関して逆L字形状を有している。
【0050】
第2導体素子323は、対称面Ssymに対して第1導体素子322と対称な位置に対称な形状を有している。すなわち、一端が第2伝送線路125に接続された第2導体素子323は、地導体層113と基板本体露出部分の境界線に対し概ね直角方向に延伸されている。第2導体素子323は、対称面Ssymに関し第1導体素子322と面対称となる位置に面対称となる構造(形状)を有していればよい。第1導体素子322および第2導体素子323は、図1に示す第1の実施形態における第1導体素子22および第2導体素子23とそれぞれ対応し、共通の作用を発現する。
【0051】
なお、第1の実施形態と同様に、図9に示す第4の実施形態では、第1アンテナ310をなす導体素子312の頂部と、第2アンテナ320をなす第1導体素子322および第2導体素子323それぞれの端部とを接近させてキャパシタンスCを構成してもよい。このとき、導体素子312と第1導体素子322の間および導体素子312と第2導体素子323の間の距離は、第1アンテナ310や第2アンテナ320が送受信する電波の十分の一波長以下とすることが望ましい。これにより、好適な容量結合を確保できる。
【0052】
このように、この実施形態のアンテナ装置においても、2つのアンテナ間のアイソレーションを高めることができる。また、アンテナ効率の劣化を抑えるとともに、利用可能周波数帯域幅の狭帯域化を抑えることが可能となる。
【0053】
さらに、この実施形態では第1アンテナ310としてT字型アンテナを用いたので、低姿勢化を図ることができる。特に、第1アンテナ310の端部と第2アンテナ320の端部同士を容量結合させたので、低姿勢化するとインピーダンスが低下し整合が取りにくくなるT字型モノポールアンテナおよび逆Lアンテナを適切に整合させることができる。
【0054】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係るアンテナ装置について詳細に説明する。図10に示すように、この実施形態のアンテナ装置400は、図9に示す第4の実施形態に係るアンテナ装置の第1伝送線路124および第2伝送線路125を、それぞれマイクロストリップラインにより構成したものである。以下、第4の実施形態における構成要素と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0055】
図10に示すように、この実施形態のアンテナ装置400では、第1アンテナ410を構成する導体素子312と、第2アンテナ420を構成する第1導体素子322、第2導体素子323、第1伝送線路424および第2伝送線路425が、基板101の一方の主面上に形成され、第1アンテナ410を構成する地導体層413が、基板101の他方の主面上に形成されている。そして、第2アンテナ420を構成する第1導体素子322、第2導体素子323、第1伝送線路424および第2伝送線路は、帯状に一体的に成形されている。第1アンテナ410の導体素子312および地導体層413と、第2アンテナ420の第1導体素子322および第2導体素子323の、基板101の平面方向の位置関係は、図9に示す第4の実施形態と共通する。第1アンテナ410を構成する地導体層413は、第1伝送線路424および第2伝送線路425と対向する位置に形成されたグラウンドとしても作用する。すなわち、第1伝送線路424および第2伝送線路425は、誘電体たる基板101および地導体層413と協働したマイクロストリップラインを構成している。
【0056】
図10に示すように、この実施形態の第1伝送線路424および第2伝送線路425は、それぞれ対称線Lsymに関して線対称(あるいは対称面Ssymに関して面対称)となるような位置に形成され、対称線Lsymに関して線対称(あるいは対称面Ssymに関して面対称)となるような形状を有している。
【0057】
この実施形態のアンテナ装置においても、2つのアンテナ間のアイソレーションを高めることができ、アンテナ効率の劣化を抑えるとともに、利用可能周波数帯域幅の狭帯域化を抑えることが可能となる。また、この実施形態では第1アンテナ410としてT字型アンテナを用いたので、低姿勢化を図ることができる。特に、第1アンテナ410の端部と第2アンテナ420の端部同士を容量結合させたので、低姿勢化するとインピーダンスが低下し整合が取りにくくなるT字型モノポールアンテナおよび逆Lアンテナを適切に整合させることができる。
【0058】
さらに、地導体の形状が変形しないため、第1アンテナおよび第2アンテナの動作が、マイクロストリップ線路の引き回し方によらず一定となる。これにより、マイクロストリップ線路を無視したアンテナ設計が可能になるだけでなく、マイクロストリップ線路の位置ずれ誤差に対するアンテナ性能のばらつきを抑えることが可能となる。
【0059】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態に係るアンテナ装置について詳細に説明する。図11に示すように、この実施形態のアンテナ装置500は、図9に示す第4の実施形態に係るアンテナ装置の第1伝送線路124および第2伝送線路125を、それぞれコプレーナ伝送路により実現したものである。以下、第4の実施形態における構成要素と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0060】
図11に示すように、この実施形態のアンテナ装置500では、第2アンテナ520を構成する第1導体素子322、第2導体素子323、第1伝送線路424および第2伝送線路は、帯状に一体的に成形され、第1伝送線路524および第2伝送線路525の縁部と地導体層113との間には、所定の間隔の隙間が形成されている。すなわち、第1伝送線路524および第2伝送線路525は、隣接する地導体層113と協働してコプレーナ伝送路を構成している。第1アンテナ310の導体素子312および地導体層113と、第2アンテナ520の第1導体素子322および第2導体素子323の、基板101の平面方向の位置関係は、図9に示す第4の実施形態と共通する。
【0061】
図11に示すように、この実施形態の第1伝送線路524および第2伝送線路525は、それぞれ対称線Lsymに関して線対称(あるいは対称面Ssymに関して面対称)となるような位置に形成され、対称線Lsymに関して線対称(あるいは対称面Ssymに関して面対称)となるような形状を有している。
【0062】
この実施形態のアンテナ装置においても、2つのアンテナ間のアイソレーションを高めることができ、アンテナ効率の劣化を抑えるとともに、利用可能周波数帯域幅の狭帯域化を抑えることが可能となる。また、この実施形態では第1アンテナ310としてT字型アンテナを用いたので、低姿勢化を図ることができる。特に、第1アンテナ310の端部と第2アンテナ520の端部同士を容量結合させたので、低姿勢化するとインピーダンスが低下し整合が取りにくくなるT字型モノポールアンテナおよび逆Lアンテナを適切に整合させることができる。
【0063】
さらに、第1伝送線路524および第2伝送線路525をコプレーナ伝送路としたので、すべての導体素子および地導体層を基板101の共通の主面上に形成することができる。すなわち、製造コストを抑えることが可能である。
【0064】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態に係るアンテナ装置について詳細に説明する。図12に示すように、この実施形態のアンテナ装置600は、図11に示す第6の実施形態に係るアンテナ装置の第1給電部および第2給電部に同軸ケーブルを用いて給電したものである。以下、第6の実施形態における構成要素と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0065】
同軸線路636は、第1同軸ケーブル616および第2同軸ケーブル626を有している。第1同軸ケーブル616および第2同軸ケーブル626は、同一方向から第1給電部611および第2給電部621に向けて基板101上を這わされている。第1同軸ケーブル616の端部は、第1給電部611と接続され、第2同軸ケーブル626の端部は、第2給電部621と接続されている。第1同軸ケーブル616および第2同軸ケーブル626は、それぞれ内導体616aおよび626aと、内導体を内包する誘電体(図示せず)と、当該誘電体と外皮絶縁体との間に配設された外導体616bおよび626bとを備えた、円筒状多層の高周波用ケーブルである。
【0066】
内導体616aおよび626aは、それぞれ給電端Rおよび第1伝送線路524の端部と接続され、外導体616bおよび626bは、それぞれ地導体層113および第2伝送線路525の端部と接続されている。
【0067】
この実施形態のアンテナ装置によれば、第1給電部および第2給電部に同軸線路を用いて給電する構成を有するので、アイソレーションの向上に寄与する対称性に対する影響が少なく、簡便に実装することができる。
【0068】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態に係るアンテナ装置について詳細に説明する。図13に示すように、この実施形態のアンテナ装置700は、図12に示す第7の実施形態に係るアンテナ装置の第1給電部および第2給電部と接続された同軸ケーブルの配置を変更したものである。以下、第7の実施形態における構成要素と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0069】
第1同軸ケーブル616および第2同軸ケーブル726は、基板101の対向する異なる縁部から第1給電部611および第2給電部621に向けて這わされている。第1同軸ケーブル616の端部は、第1給電部611と接続され、第2同軸ケーブル726の端部は、第2給電部621と接続されている。第1同軸ケーブル616および第2同軸ケーブル726は、それぞれ内導体616aおよび726aと、内導体を内包する誘電体(図示せず)と、当該誘電体と外皮絶縁体との間に配設された外導体616bおよび726bとを備えた、円筒状多層の高周波用ケーブルである。内導体616aおよび726aは、それぞれ給電端Rおよび第1伝送線路524の端部と接続され、外導体616bおよび726bは、それぞれ地導体層113および第2伝送線路525の端部と接続されている。
【0070】
図13に示すように、この実施形態のアンテナ装置の第1同軸ケーブル616および第2同軸ケーブル726は、対称線Lsymと直交する方向の一直線上に配設されている。すなわち、第1給電部および第2給電部に給電する同軸ケーブルも、対称線Lsym(あるいは対称面Ssym)に関して対称となるように引き回され配置されている。
【0071】
この実施形態のアンテナ装置によれば、第1給電部および第2給電部に同軸線路を用いて給電する構成を有するので、アイソレーションの向上に寄与する対称性に対する影響が少なく、簡便に実装することができる。さらに、同軸線路とアンテナの空間を介した結合が無視できない場合にも、同軸線路の対称性により、アンテナ間のアイソレーションを向上することが可能となる。
【0072】
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態に係る無線装置について詳細に説明する。図14に示すように、この実施形態の無線装置800は、第1ないし第8の実施形態に係るアンテナ装置を無線装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)に導入したものである。図14は、代表して図9に示すアンテナ装置300をPCに内蔵した例を示している。以下、第1ないし第8の実施形態における構成要素と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0073】
この無線装置800は、第3の実施形態に係るアンテナ装置300と、アンテナ装置300の第1給電部111および第2給電部121と一端が接続された給電ケーブル326と、給電ケーブル326の他端と接続された送受信部351と、表示部352と、送受信部351を収容する筐体354と、表示部352および筐体354を機械的に連結するヒンジ部353とを備えている。
【0074】
送受信部351は、アンテナ装置300を介して異なる二つの周波数(帯)の電波を送受信する。送受信部351は、高周波信号を変調する変調器、無線信号を復調する復調器、ローカル信号を生成する発振器、高周波信号を増幅する増幅器などを有している。変調器や復調器、発振器、増幅器などは、周波数帯毎に複数(例えば2組)設けてもよい。
【0075】
表示部352は、液晶に電圧を印加してデジタルデータを可視化する装置であり、たとえば液晶デバイスなどにより実現される。表示部352は、剛性確保やノイズ抑制のため、その裏側が導体でシールド(図示せず)されている。表示部352の裏側に設けられたシールドは、アンテナ装置の地導体層113と共通の構成としてもよい。すなわち、表示部352のシールドをアンテナ装置の地導体層として用いてもよい。ヒンジ部353は、表示部352と筐体354とを連結するとともに表示部352を開閉する作用をする。
【0076】
筐体354は、PCの主要回路基板が収容される本体である。筐体354には、キーボードなどが配設されてもよい。図14に示す例では、送受信部351は筐体354内に収容され、アンテナ装置300は表示部352内に配設され、送受信部351およびアンテナ装置300が給電ケーブル326により接続されている。
【0077】
この実施形態に係る無線装置では、アイソレーションを確保したアンテナ装置を内蔵するので、二つの異なる周波数の電波を送受信することができる。また、低姿勢化を実現したアンテナ装置を用いたので、PCの表示部のように比較的厚さの薄い筐体に収容することができ、PCの小型化を図ることができる。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
1…アンテナ装置、10…第1アンテナ、11…第1給電部、12…導体素子、13…グラウンド部、20…第2アンテナ、21…第2給電部、22…第1導体素子、23…第2導体素子、24…第1伝送線路、25…第2伝送線路、GND…地導体、C…キャパシタンス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地導体板と、
前記地導体板と直交する仮想平面に対して対称な形状を有し、前記地導体板と前記仮想平面との交線上に第1の高周波信号が供給される第1の給電部を有する第1の放射導体と、
を備えた第1のアンテナ、および
前記仮想平面に対して対称となる位置に配設され、互いに対称な形状を有する一対の第2の放射導体と、
互いに略同一の電気長を有し、それぞれの一端が前記一対の第2の放射導体上の互いに対称な位置に接続された一対の伝送線路と、
前記一対の伝送線路のそれぞれの他端に第2の高周波信号を供給する第2の給電部と、
を備えた第2のアンテナ、
を具備したことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記一対の伝送線路は、前記仮想平面に対して互いに対称な形状を有することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記第1の放射導体は、前記第1の給電部から前記交線に沿って帯状に形成されるとともに、その端部が前記交線と直交方向に帯状に延伸されたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記第1の放射導体および前記第2の放射導体は、その端部が十分の一波長以下の間隔で離間していることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記一対の伝送線路は、前記地導体板とともにマイクロストリップ線路を構成することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記一対の伝送線路は、前記地導体板とともにコプレーナ線路を構成することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記第1の給電部および前記第2の給電部は、互いに一直線上に配設された同軸線路が接続されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記第1の高周波信号を送受信する第1の無線ユニットと、
前記第2の高周波信号を送受信する第2の無線ユニットと、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のアンテナ装置と、
を具備したことを特徴とする無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−209712(P2012−209712A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73110(P2011−73110)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】