説明

アンテナ装置およびアレイアンテナ

【課題】ビームエッジ方向の利得を抑制し、セクタ間干渉を抑制することが可能となるアンテナ装置を提供することにある。
【解決手段】反射板と、前記反射板と所定の間隔をおいて配置されるダイポールアンテナ素子と、前記ダイポールアンテナ素子を覆うレドームとを備え、前記ダイポールアンテナ素子から放射される電波の偏波方向が大地に対して垂直方向であるアンテナ装置であって、前記レドームは、前記反射板と対向する正面部と、前記正面部の両側に形成される側壁部とを有し、前記正面部の少なくとも一部の厚さが、前記側壁部の厚さより厚いことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置およびアレイアンテナに係り、特に、ビームエッジ方向の利得を抑制し、セクタ間干渉を抑制することが可能となるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に記載されているように、偏波方向が大地に対して垂直方向の反射板付きダイポールアンテナが知られている。
図17は、従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの概略構成を示す図である。
同図において、1は反射板であり、反射板1は、主反射面を構成する底面反射板10と側面反射板11とを有する。
この反射板1の底面反射板10上には、2個の垂直偏波用のダイポールアンテナ素子(以下、アンテナ素子という)(21、22)が配置される。ここで、アンテナ素子(21,22)は、誘電基板上にプリント配線技術で形成してもよく、あるいは、金属の棒、管などを使用してもよい。
さらに、反射板1上には、アンテナ素子(21,22)を覆うようにレドーム3が配置される。
【0003】
なお、本願発明に関連する先行技術文献としては以下のものがある。
【特許文献1】特願2007−59967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図17に示す垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの水平面内指向特性(図17のX−Y面内の指向特性)を図2の破線に示す。
図2の破線で示すグラフから分かるように、図17に示す垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナでは、半幅値(利得量が、−3dBとなるビーム幅)が80°となっているが、利得量が、−10dB以下となるビーム幅は、約160°となっている。
携帯電話システムの基地局では3セクタ構成とするとき、それぞれのセクタを構成するアンテナは120°離角で同一基地局に配置される。そのときに、各セクタを構成するアンテナの水平面内ビーム幅は120°の扇形が望ましいが、例えば、図17に示す垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナのように、実際には120°方向においてもアンテナ利得が存在するために、主にセクタ間において、2つのアンテナの指向特性が重複する。この重複する領域が大きいほどセクタ間の干渉も大きくなり、通信品質の劣化をもたらす。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ビームエッジ方向の利得を抑制し、セクタ間干渉を抑制することが可能となるアンテナ装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前述のアンテナ装置を垂直偏波用のアンテナ装置として使用するアレイアンテナを提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願であって開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)反射板と、前記反射板と所定の間隔をおいて配置される放射素子と、前記放射素子を覆うレドームとを備え、前記放射素子から放射される電波の偏波方向が大地に対して垂直方向であり、前記レドームは、前記反射板と対向する正面部と、前記正面部の両側に形成される2つの側壁部とを有するアンテナ装置であって、前記正面部の少なくとも一部の厚さは、前記2つの側壁部の少なくとも一方の側壁の厚さより厚く、前記正面部の少なくとも一部の厚さをTa、λを使用中心周波数の電気長とするとき、0.065λ≦Ta≦0.2λを満足する。
(2)(1)において、前記2つの側壁部の中の一方の側壁の厚さは、前記2つの側壁部の中の他方の側壁の厚さよりも厚く、前記厚い方の側壁の厚さをTbとするとき、0.065λ≦Tb≦0.2λを満足する。
(3)反射板と、前記反射板と所定の間隔をおいて配置される放射素子と、前記放射素子を覆うレドームとを備え、前記放射素子から放射される電波の偏波方向が大地に対して垂直方向であり、前記レドームは、前記反射板と対向する正面部と、前記正面部の両側に形成される2つの側壁部とを有するアンテナ装置であって、前記放射素子と前記正面部との間、あるいは、前記正面部上に配置される誘電体材料を有する。
【0006】
(4)反射板と、前記反射板と所定の間隔をおいて配置される放射素子と、前記放射素子を覆うレドームとを備え、前記放射素子から放射される電波の偏波方向が大地に対して垂直方向であり、前記レドームは、前記反射板と対向する正面部と、前記正面部の両側に形成される2つの側壁部とを有するアンテナ装置であって、λoを使用中心周波数の自由空間における波長とするとき、前記2つの側壁の高さは、λo以下であり、前記正面部の前記両側に形成される前記2つの側壁部間の長さが、前記2つの側壁部の高さの3倍以上である。
(5)(1)ないし(4)の何れかにおいて、前記放射素子は、前記レドームの前記2つの側壁部と前記正面部とで構成される凹部の延長方向に複数配置される。
(6)電波の偏波方向が大地に対して水平方向である第1アンテナ装置と、電波の偏波方向が大地に対して垂直方向である第2アンテナ装置とを備えるアレイアンテナであって、前記第2アンテナ装置は、前述の(1)ないし(5)の何れかに記載のアンテナ装置である。
(7)(1)ないし(5)の何れかにおいて、前記放射される電波の偏波方向が大地に対して垂直方向である前記放射素子に代えて、放射される電波の偏波方向が大地に対して、+45°の方向、あるいは−45°の方向である放射素子を使用する。
(8)第1アンテナ装置と、第2アンテナ装置とを備えるアレイアンテナであって、前記第1アンテナ装置は、放射される電波の偏波方向が大地に対して、+45°の方向である放射素子を有する前述の(7)に記載のアンテナ装置であり、前記第2アンテナ装置は、放射される電波の偏波方向が大地に対して、−45°の方向である放射素子を有する前述の(7)に記載のアンテナ装置である。
【発明の効果】
【0007】
本願であって開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、ビームエッジ方向の利得を抑制し、セクタ間干渉を抑制することが可能となるアンテナ装置を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図であって、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの概略構成を示す要部断面図である。
図1において、1は反射板、10は主反射面を構成する底面反射板、11は側面反射板、21、22は、垂直偏波用のダイポールアンテナ素子(以下、アンテナ素子という)、3はレドームである。
本実施例の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの斜視図は、図17と同じであるので再度の説明は省略する。
図1に示すように、レドーム3は、底面反射板10と対向する正面部31と、正面部31の両側に設けられる側壁部32とを有する。
本実施例は、この正面部31の厚さ(図1のTa)が、側壁部32の厚さ(Tb)よりも厚くなっていることが特徴である。
ここで、正面部31の厚さ(Ta)は、0.065λ≦Ta≦0.2λを満足する必要がある。なお、λは使用中心周波数の電気長である。電気長λはレドームの比誘電率をεr,λoを使用中心周波数の自由空間における波長とすると、λ≒λo/√εrで求められる。
【0009】
図2の実線で示すグラフが、本実施例の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの水平面内指向特性(図1のX−Y面内の指向特性)を示しており、本実施例では、水平面内指向特性の半幅値(利得量が、−3dBとなるビーム幅)は80°と、図17に示す従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナと同じであるが、利得量が、−10dB以下となるビーム幅は、約140°と、図2の破線に示す図17に示す従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナよりも狭くなっている。
前述したように、一般に、携帯電話システムの基地局では3セクタ構成とするとき、それぞれのセクタを構成するアンテナを120°離角で同一基地局に配置するようにしている。
図2に示す本実施例の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナ3個を、基地局アンテナに使用し、120°間隔で配置した時の水平面内指向特性を図3(a)に示す。また、図17に示す従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナ3個を、基地局アンテナに使用し、120°間隔で配置した時の水平面内指向特性を図3(b)に示す。
図3のグラフから分かるように、図2に示す本実施例の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナを使用することにより、従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナに比して、3個の水平面内指向特性が互いに干渉する領域(図3で灰色の部分)が少なくなる。
これにより、図2に示す本実施例の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナでは、図4に示すように、例えば、19セルを配置したCDMA2000 1xEV−DOベースの計算機シミュレーションによる中心セルにおけるCINR(Carrier to Interference and Noise Ratio)を、従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナに比して改善することが可能である。なお、図4の実線が、本実施例の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの場合の、点線が、図17に示す垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの場合の水平面内指向特性である。
【0010】
図5−3は、本実施例の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの水平面内指向特性を説明するための模式図であり、同図において、20はアンテナ素子、33は水平面内ビーム幅である。
図5−3の(b)が、図1に示す本実施例の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの水平面内指向特性を模式的に示す図であり、水平面内ビーム幅33の両側の形状を先鋭化していることを表している。
しかしながら、実際のアンテナでは、図5−3の(a)、(c)のように、水平面内ビーム幅33の両側において、形状を先鋭化する必要がなく、片側のみ先鋭化すればよい場合がある。
以下、そのような用途に使用される、実施例の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの変形例について、図5−1、図5−2を用いて説明する。
図5−1に示す変形例は、正面部31と同様、2つの側壁部の中の一方の側壁(ここでは、32a)の厚さを、他方の側壁(ここでは、32b)の厚さよりも厚くしたものである。この場合、一方の側壁(32a)の厚さ(Tbr)は、0.065λ≦Tbr≦0.2λを満足する必要がある。なお、λは使用中心周波数の電気長である。
【0011】
図5−2の実線で示すグラフが、図5−1に示す本実施例の変形例の水平面内指向特性(図5−1のX−Y面内の指向特性)を示しており、本実施例の変形例では、水平面内指向特性の半幅値(利得量が、−3dBとなるビーム幅)は80°と、図5−2の破線で示す図17に示す従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナと同じであるが、利得量が、−10dB以下となる角度は、図5−2の矢印A側では約70°、図5−2の矢印B側では、約75°、同様に、利得量が、−20dB以下となる角度は、図5−2の矢印A側では約90°、図5−2の矢印B側では、約105°となっている。
即ち、本実施例の変形例では、図5−2の矢印A側の方のビーム幅が、図5−2の破線に示す図17に示す従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナよりも狭くなっており、図5−3の(c)に示す水平面内指向性特性を得ることができる。
なお、図5−1において、正面部31と同様、他方の側壁(32b)の厚さを、一方の側壁(32a)の厚さよりも厚くしてもよい。即ち、他方の側壁(32b)の厚さ(Tbl)を、0.065λ≦Tbl≦0.2λをとしてもよい。この場合には、図5−3の(a)に示す水平面内指向性特性を得ることができる。なお、λは使用中心周波数の電気長である。
なお、レドーム3の正面部31の厚さは、図6、あるいは、図7に示すように、正面部31の一部がのみが厚くなっていてもよい。
【0012】
[実施例2]
図8は、本発明の実施例2の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの概略構成を示す要部断面図である。
本実施例では、アンテナ素子(21,22)と、正面部31との間に、アンテナ素子(21,22)から所定の間隔を離して、高誘電率材料4を配置したものである。このような構成でも、前述の実施例1と同様の効果を得ることが可能である。
なお、高誘電率材料4の膜厚は、高誘電率材料4の誘電率(ε)に応じて適宜選択する必要がある。
また、高誘電率材料4は、図9、あるいは、図10に示すように、正面部31の内側、あるいは外側に配置するようにしてもよい。さらに、高誘電率材料4は、正面部31の全部に配置するのではなく、正面部31の一部にのみ配置するようにしてもよい。
【0013】
[実施例3]
図11は、本発明の実施例3の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの概略構成を示す要部断面図である。
本実施例では、レドーム3の側壁部32の高さに比して、正面部31の両側に形成される側壁部間の長さを大きくしたものである
即ち、図11に示すように、レドーム3の側壁部32の高さをH、正面部31の両側に形成される側壁部間の長さをLとするとき、L≧3×Hを満足し、さらに、H≦λoを満足することを特徴とする。
このような構成でも、前述の実施例1と同様の効果を得ることが可能である。
【0014】
[実施例4]
図12は、本発明の実施例4のアレイアンテナの概略構成を示す斜視図である。また、図13(a)は、本発明の実施例4のアレイアンテナの垂直偏波用アンテナ素子の部分の要部断面図、図13(b)は、本発明の実施例4のアレイアンテナの水平偏波用アンテナ素子の部分の要部断面図である。
図12に示すように、本実施例のアレイアンテナは、反射板1上で、レドーム3の側壁部32と正面部31とで構成される凹部の延長方向に、2個の垂直偏波用のダイポールアンテナ素子(21,22)と、1個の水平偏波用のダイポールアンテナ素子5を所定の間隔をおいて配置したものである。
本実施例では、レドーム3の水平偏波用アンテナ素子の部分において、正面部31と側壁部32の厚さは同一であるが、レドーム3の垂直偏波用アンテナ素子の部分において、前述の実施例1のように、正面部31の厚さが、側壁部32の厚さよりも厚くなっている。
このような構成でも、前述の実施例1と同様の効果を得ることが可能である。また、本実施例のアレイアンテナにおいて、レドーム3の垂直偏波用アンテナ素子の部分の構成として、前述の図6〜図10に示す構成を採用するようにしてもよい。
【0015】
なお、前述の説明では、水平面内指向特性の半幅値を80°にするために、アンテナ素子21と、アンテナ素子22の2つのダイポールアンテナ素子を使用する場合について説明したが、ダイポールアンテナ素子は1個でも、ビームエッジ方向の利得を抑制することが可能である。
また、前述したダイポールアンテナ素子(21、22)に代えて、図14に示すように、偏波方向が大地に対して時計回りで45°の方向のダイポールアンテナ素子6、あるいは、偏波方向が大地に対して時計回りで−45°の方向のダイポールアンテナ素子(図14に示すダイポールアンテナ素子6を左右反転させたもの)を使用するようにしてもよい。
また、前述の各実施例では、放射素子として、ダイポールアンテナ素子(21,22)を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、放射素子として、例えば、図15に示すパッチアンテナ素子を使用することも可能である。なお、図15において、13は誘電体板、14は誘電体基板13の裏面側に形成された接地電極、15はパッチアンテナ素子である。
さらに、レドーム3は、図16に示すように、円筒状のレドームであってもよく、この場合、図16に示すX1―X2の破線とY1―Y2の一点鎖線の交点を原点とし、X2方向を中心とした±85°(図16のθ)内の領域のレドーム3の厚さを、レドーム3における、図16に示すY1―Y2の一点鎖線と交差する部分の厚さよりも厚くする、あるいは、図16に示すX1―X2の破線とY1―Y2の一点鎖線の交点を原点とし、X2方向を中心とする±85°内の領域において、放射素子(ダイポールアンテナ素子20)とレドーム3との間、あるいは、レドーム3の表面または裏面上に誘電体材料を配置することにより、前述の実施例1、実施例2と同様の効果を得ることが可能である。
なお、図16において、20は垂直偏波用ダイポールアンテナ素子であるが、垂直偏波用ダイポールアンテナ素子として、例えば、21、22の2つのダイポールアンテナ素子を使用する場合には、図16に示すY1―Y2の一点鎖線は、2つのダイポールアンテナ素子を通る線で、図16に示すX1―X2の破線は、2つのダイポールアンテナ素子の間の中心を通る線とすればよい。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲であって種々変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの概略構成を示す要部断面図である。
【図2】本発明の実施例1の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナと、図17に示す従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの水平面内指向特性の一例を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例1の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナと、図17に示す従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナとを、基地局アンテナに使用した水平面内指向特性の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例1の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナと、図17に示す従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナとのCINR(Carrier to Interference and Noise Ratio)を示すグラフである。
【図5−1】本発明の実施例1の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの変形例の概略構成を示す要部断面図である。
【図5−2】図5−1に示す垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの水平面内指向特性の一例を示すグラフである。
【図5−3】本発明の実施例1の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの水平面内指向特性を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施例1の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの変形例の概略構成を示す要部断面図である。
【図7】本発明の実施例1の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの変形例の概略構成を示す要部断面図である。
【図8】本発明の実施例2の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの概略構成を示す要部断面図である。
【図9】本発明の実施例2の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの変形例の概略構成を示す要部断面図である。
【図10】本発明の実施例2の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの変形例の概略構成を示す要部断面図である。
【図11】本発明の実施例3の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの概略構成を示す要部断面図である。
【図12】本発明の実施例4のアレイアンテナの概略構成を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施例4のアレイアンテナの概略構成を示す要部断面図である。
【図14】本発明の各実施例に使用可能な45°偏波用のダイポールアンテナ素子を示す斜視図である。
【図15】本発明の各実施例に使用可能なパッチアンテナ素子を示す斜視図である。
【図16】本発明の各実施例のレドームの変形例を説明するための要部断面図である。
【図17】従来の垂直偏波用反射板付きダイポールアンテナの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0017】
1 反射板
3 レドーム
4 高誘電率材料
5 水平偏波用ダイポールアンテナ素子
6 45°偏波用ダイポールアンテナ素子
10 底面反射板
11 側面反射板
13 誘電体基板
14 接地電極
15 パッチアンテナ素子
20,21,22 垂直偏波用ダイポールアンテナ素子
31 正面部
32,32a,32b 側壁部
33 水平面内ビーム幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射板と、
前記反射板と所定の間隔をおいて配置される放射素子と、
前記放射素子を覆うレドームとを備え、
前記放射素子から放射される電波の偏波方向が大地に対して垂直方向であり、
前記レドームは、前記反射板と対向する正面部と、
前記正面部の両側に形成される2つの側壁部とを有するアンテナ装置であって、
前記正面部の少なくとも一部の厚さは、前記2つの側壁部の少なくとも一方の側壁の厚さより厚く、
前記正面部の少なくとも一部の厚さをTa、λを使用中心周波数の電気長とするとき、0.065λ≦Ta≦0.2λを満足することを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
(新規の請求項)
前記2つの側壁部の中の一方の側壁の厚さは、前記2つの側壁部の中の他方の側壁の厚さよりも厚く、
前記厚い方の側壁の厚さをTbとするとき、0.065λ≦Tb≦0.2λを満足することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
反射板と、
前記反射板と所定の間隔をおいて配置される放射素子と、
前記放射素子を覆うレドームとを備え、
前記放射素子から放射される電波の偏波方向が大地に対して垂直方向であり、
前記レドームは、前記反射板と対向する正面部と、
前記正面部の両側に形成される2つの側壁部とを有するアンテナ装置であって、
前記放射素子と前記正面部との間、あるいは、前記正面部上に配置される誘電体材料を有することを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
反射板と、
前記反射板と所定の間隔をおいて配置される放射素子と、
前記放射素子を覆うレドームとを備え、
前記放射素子から放射される電波の偏波方向が大地に対して垂直方向であり、
前記レドームは、前記反射板と対向する正面部と、
前記正面部の両側に形成される2つの側壁部とを有するアンテナ装置であって、
λoを使用中心周波数の自由空間における波長とするとき、前記2つの側壁の高さは、λo以下であり、
前記正面部の前記両側に形成される前記2つの側壁部間の長さが、前記2つの側壁部の高さの3倍以上であることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項5】
前記放射素子は、前記レドームの前記2つの側壁部と前記正面部とで構成される凹部の延長方向に複数配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
電波の偏波方向が大地に対して水平方向である第1アンテナ装置と、
電波の偏波方向が大地に対して垂直方向である第2アンテナ装置とを備えるアレイアンテナであって、
前記第2アンテナ装置は、前記請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ装置であることを特徴とするアレイアンテナ。
【請求項7】
前記放射される電波の偏波方向が大地に対して垂直方向である前記放射素子に代えて、放射される電波の偏波方向が大地に対して、+45°の方向、あるいは−45°の方向である放射素子を使用することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
第1アンテナ装置と、
第2アンテナ装置とを備えるアレイアンテナであって、
前記第1アンテナ装置は、放射される電波の偏波方向が大地に対して、+45°の方向である放射素子を有する請求項7に記載のアンテナ装置であり、
前記第2アンテナ装置は、放射される電波の偏波方向が大地に対して、−45°の方向である放射素子を有する請求項7に記載のアンテナ装置であることを特徴とするアレイアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−218993(P2009−218993A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62261(P2008−62261)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000232287)日本電業工作株式会社 (71)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】