説明

アンドロゲン受容体モジュレータとしての17−アセトアミド−4−アザステロイド誘導体

構造式(I)の化合物は、組織選択的な様式でのアンドロゲン受容体(AR)のモジュレータである。これらは、骨および/または筋肉組織ではアンドロゲン受容体の作動薬として有用であり、男性の前立腺または女性の子宮ではARに拮抗する。従って、これらの化合物は、単独で、または他の活性薬剤と併用で、減弱した筋緊張の強化に有用であるとともに、骨粗しょう症、オステオペニア、グルココルチコイド誘発性骨粗しょう症、歯周病、骨折、骨形成術後の骨損傷、筋肉減少症、脆弱化、皮膚老化、男性性腺機能低下症、女性の閉経後の症状、アテローム硬化症、高コレステロール血症、高脂血症、肥満、再生不良性貧血および他の造血性疾患、炎症性関節および関節修復、HIV性るいそう、前立腺癌、癌性悪液質、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、認知障害、性欲減退、早発性卵巣機能不全および自己免疫疾患を含むアンドロゲン欠乏によって生じるか、アンドロゲンの投与によって改善することができる状態の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、17−アセトアミド−4−アザステロイド誘導体、これらの合成、およびアンドロゲン受容体モジュレータとしてのこれらの使用に関する。さらに詳細には、本発明の化合物は、組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)であり、このため、骨粗しょう症、歯周病、骨折、脆弱化および筋肉減少症などの、アンドロゲン欠乏によって生じるか、アンドロゲン投与によって改善することができる状態の治療に有用である。加えて、本発明のSARMは、うつ病、性機能不全および認知機能低下などの低テストステロンに随伴する精神障害を治療するために使用することができる。特定の組織では拮抗薬であるSARMは、アンドロゲンのトーンまたは活性上昇によって症状が生じる状態、例えば、良性前立腺肥大症および睡眠無呼吸症においても有用である。
【背景技術】
【0002】
アンドロゲン受容体(AR)は、ステロイド/甲状腺ホルモン核受容体のスーパーファミリーに属し、他の構成員には、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、グルココルチコイド受容体およびミネラルコルチコイド受容体が挙げられる。ARは、身体の非常に多数の組織において発現され、テストステロン(T)およびジヒドロテストステロン(DHT)などのアンドロゲンの生理作用および病態生理作用を媒介する受容体である。構造的には、ARは、3つの機能ドメイン、すなわち、リガンド結合ドメイン(LBD)、DNA結合ドメイン、およびアミノ末端ドメインから成る。ARに結合し、内因性ARリガンドの作用を模倣する化合物は、AR作動薬と呼ばれ、これに対して内因性ARリガンドの作用を阻害する化合物は、AR拮抗薬と呼ばれる。
【0003】
ARへのアンドロゲンリガンドの結合は、リガンド/受容体複合体を誘導し、この複合体は、細胞核への転位後、この核内に存在するターゲット遺伝子のプロモータまたはエンハンサ領域内の調節DNA配列(アンドロゲン応答因子と呼ばれる)に結合する。補因子と呼ばれる他の蛋白質が次に補充され、これらがこの受容体に結合して、遺伝子転写を導く。
【0004】
アンドロゲン療法によって、生殖障害および原発性または続発性男性性腺機能低下症などの様々な男性疾患が治療されてきた。さらに、多数の天然または合成AR作動薬が、骨疾患、造血性疾患、神経筋疾患、リウマチ学的疾患、消耗病などの筋骨格疾患の治療のために、ならびに女性アンドロゲン欠乏症などのホルモン補充療法(HRT)のために研究されてきた。加えて、フルタミドおよびビカルタミドなどのAR拮抗薬は、前立腺癌の治療に使用されている。従って、男性化および高密度リポ蛋白コレステロール(HDL)抑制などのアンドロゲンの負の特性を伴わずにアンドロゲンの望ましい骨および筋肉同化作用を生じさせるであろう組織選択的な様式でAR作用を活性化する(「作動させる」)ことができる利用可能な化合物があれば、有益であろう。
【0005】
閉経後骨粗しょう症における骨に対するアンドロゲンの有益な効果は、テストステロンとエストロゲンの併用投与を用いる最近の研究文書に記載されている[Hofbauerら,Eur.J.Edocrinol.140:271−286(1999)]。大規模な二年二重盲検比較試験において、経口抱合エストロゲン(CEE)とメチルテストステロンの併用は、腰椎および股関節における骨量の増加促進に有効であり、一方、単独の抱合エストロゲン療法は、骨量減少を防止することが示された[J.Reprod.Med.,44:1012−1020(1999)]。
【0006】
加えて、CEEおよびメチルテストステロンで治療した女性において顔面潮紅の減少が示されたが、この治療を受けた女性の30%は、アクネおよび顔毛の有意な増加、すべての現行アンドロゲン薬物療法の合併症、を経験した[Wattsら,Obstet.Gynecol,85:529−537(1995)]。他の研究において、CEEへのメチルテストステロンの追加は、HDLレベルを減少させることも判明した。このように、現行のアンドロゲン療法の男性化潜在能および脂質プロフィールに対する影響が、組織選択的アンドロゲン受容体作動薬を開発する根拠となっている。
【0007】
アンドロゲンは、男性の骨代謝において重要な役割を果たしている[Andersonら,「骨粗しょう症の性腺正常男性におけるアンドロゲン補足 − 骨密度および心血管危険因子に対する6ヶ月の治療の効果(Androgen supplementation in eugonadal men with osteoporosis−effects of six months of treatment on bone mineral density and cardiovascular risk factors)」,Bone 18:171−177,(1996)]。骨粗しょう症に罹患している性腺正常男性の場合でさえ、テストステロン治療に対する治療応答は、アンドロゲンが重要な骨同化促進効果を発揮することを示す。平均腰部BMDは、筋肉内投与でのテストステロンエステル250mgに応じて、5から6ヶ月で0.799g/cmから0.839g/cmに増加した。従って、SARMは、男性における骨粗しょう症の治療に使用することができる。
【0008】
アンドロゲン除去療法(ADT)を受けているD期前立腺癌(転移性)の男性に、アンドロゲン欠乏が発生する。内分泌精巣摘出は、長時間作用型GnRH作動薬によって達成され、一方、アンドロゲン受容体の遮断は、AR拮抗薬で実現される。ホルモンの除去に反応して、これらの男性は、顔面潮紅、有意な骨量減少、衰弱および脆弱化を経験した。D期前立腺癌の男性に関する予備研究では、1年より長い間、ADTを受けた男性では、ADTを受けていない患者よりオステオペニア(50%対38%)および骨粗しょう症(38%対25%)が一般的であった[Weiら,Urology 54:607−611(1999)]。腰椎BMDは、ADTを受けた男性のほうが有意に低かった。従って、骨および筋肉での拮抗作用がない前立腺における組織選択的AR拮抗薬は、単独でまたは伝統的なADTの補助薬として、前立腺癌の有用な治療薬であり得る[A.Stochら,J.Clin.Endocrin.Metab.,86:2787−2791(2001)も参照]。
【0009】
組織選択的AR拮抗薬によって、閉経後の女性における多嚢胞性卵巣症候群も治療することができる。C.A.Eaglesonら,「多嚢胞性卵巣症候群:フルタミドが、エストラジオールおよびプロゲステロンによるゴナドトロピン放出ホルモンパルスジェネレータの感受性を回復させる証拠(Polycystic ovarian syndrome: evidence that flutamide restores sensitivity of the gonadotropin−releasing hormone pulse generator to inhibition by estradiol and progesterone)」,J.Clin.Endocrinol.Metab.,85:4047−4052(2000)参照。
【0010】
アンドロゲンが腎臓肥大およびエリスロポイエチン(EPO)生産を刺激するような一定の造血性疾患もSARMによって治療することができる。組換ヒトEPOの導入前は、アンドロゲンが、慢性腎不全によって引き起こされる貧血の治療に利用されていた。加えて、アンドロゲンは、重症でない再生不良性貧血および骨髄異形成症候群に罹患している貧血患者において、血清EPOレベルを上昇させる。貧血の治療には、SARMによってもたらすことができるような選択的作用が必要となる。
【0011】
SARMは、肥満治療の補助薬としての臨床的価値も有する。体脂肪低下へのこのアプローチは、アンドロゲンの投与が肥満患者の皮下脂肪および内臓脂肪を減少させたという出版物に掲載された観察報告によって裏付けられる[J.C.Lovejoyら,「アンドロゲン非経口治療ではなく、蛋白同化ステロイド経口治療によって、肥満老年男性の腹部の脂肪が減少する(Oral anabolic steroid treatment, but not parenteral androgen treatment, decreases abdominal fat in obese, older men)」,Int.J.Obesity,19:614−624(1995)]、[J.C.Lovejoyら,「内因性アンドロゲンは、閉経後の肥満女性の身体組成および局所体脂肪に影響を及ぼす − 臨床研究センター調査(Exogenous Androgens Influence Body Composition and Regional Body Fat Distribution in Obese Postmenopausal Women−A Clinical Research Center Study)」,J.Clin.Endocrinol.Metab.,81:2198−2203(1996)]。従って、望ましくないアンドロゲン性作用がないSARMは、肥満の治療に有益である。
【0012】
アンドロゲン受容体作動薬は、アルツハイマー病(AD)などの神経変性疾患に対しても治療的価値を有し得る。アンドロゲン受容体によって神経保護を誘導するアンドロゲンの能力は、J.Hammondらによって報告されている[「ヒト一次性ニューロンにおけるアンドロゲン受容体によるテストステロン媒介神経保護(Testosterone−mediated neuroprotection through the androgen receptor in human primary neurons)」,J.Neurochem.,77:1319−1326(2001)]。Gourasらは、テストステロンが、アルツハイマーのβ−アミロイドペプチドの分泌を低減し、従って、ADの治療に使用できることを報告した[(Proc.Nat.Acad.Sci.,97:1202−1205(2000))。ADの進行に関与する蛋白質のリン酸化亢進の抑制によるメカニズムも記載されている[S.Papasozomenos,「テストステロンは、サイクリン依存性キナーゼ5およびc−Jun NH末端キナーゼではなくグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3βの心臓ショック誘発過剰活性化を予防し、付随してτのリン酸化亢進を廃止する:アルツハイマー病に対する影響(Testosterone prevents the heat shock−induced over activation of glycogen synthase kinase −3β but not of cyclin−dependent kinase 5 and c−Jun NH−terminal kinase and concomitantly abolishes hyperphosphorylation of τ: Implications for Alzheimer’s disease)」,Proc.Nat.Acad.Sci.,99:1140−1145(2002)]。
【0013】
アンドロゲン受容体作動薬は、筋緊張および筋力に対しても有益な効果を有し得る。最近の研究によって、「性腺機能が低下した健康な男性における生理学的アンドロゲン補充は、除脂肪体重、筋肉のサイズおよび最大随意筋力の有意な増加を随伴する」ことが証明された[S.Bhasinら,J.Endocrin.,170:27−38(2001)]。
【0014】
アンドロゲン受容体モジュレータは、男性と女性、両方において性欲減退の治療に有用であり得る。男性におけるアンドロゲン欠乏は、性欲低下に関係する。S.Howellら,Br.J.Cancer,82:158−161。低アンドロゲンレベルは、多くの女性において、彼女たちの生殖可能年齢後期の性的関心減退の一因となる。S.Davis,J.Clin.Endocrinol.Metab.,84:1886−1891(1999)。ある研究において、循環性遊離テストステロンは、性欲と明確に相関していた、同上。別の研究では、原発性または続発性副腎機能不全の女性に、生理学的DHEA補充(50mg/日)を施した。プラシーボを摂取した女性と比較して、DHEAを投与した女性は、性的思考、関心および満足の頻度増加を示した。W.Arltら,N Engl.J.Med.341:1013−1020(1999)。K.Miller,J.Clin.Endocrinol.Metab.,86:2395−2401(2001)も参照のこと。
【0015】
加えて、アンドロゲン受容体モジュレータは、認知障害の治療にも有用であり得る。最近の研究において、高用量の経口エストロゲンを、単独で、または高用量の経口メチルテストステロンと併用で、閉経後の女性に4ヶ月間与えた。この4ヶ月の治療の前と後に、認知試験を施した。この調査によって、エストロゲン(1.25mg)とメチルテストステロン(2.50mg)の併用薬を摂取した女性は、記憶構築タスクに関して学習レベルの処理能力を維持することが判明したが、エストロゲン(1.25mg)を単独で摂取した女性は、処理能力低減を示した。A.Wisniewski,Horm.Res.58:150−155(2002)。
【発明の開示】
【0016】
(発明の要約)
本発明は、構造式I:
【0017】
【化9】

の化合物またはこの医薬適合性の塩もしくは立体異性体、これらの使用および医薬組成物に関する。
【0018】
これらの化合物は、アンドロゲン受容体作動薬として有効であり、選択的アンドロゲンSARMとして特に有効である。従って、これらは、アンドロゲン欠乏によって生じるか、アンドロゲン投与によって改善することができる状態の治療に有用である。
【0019】
本発明は、本発明の化合物および医薬適合性の担体を含む医薬組成物にも関する。
【0020】
本発明において、本発明者らは、(i)N−C相互作用、(ii)転写抑制および(iii)転写活性化などのARのリガンド媒介活性化をプロファイルする一連のインビトロ細胞アッセイを使用して、SARMとして機能する化合物を特定した。上に挙げた方法で特定された本発明のSARM化合物は、インビボで組織選択的AR作動作用、すなわち、骨では作動作用(骨粗しょう症の齧歯動物モデルにおける骨形成の刺激)、前立腺では拮抗作用(去勢齧歯動物における前立腺成長に対する最小限の影響およびAR作動薬により誘発された前立腺成長に対する拮抗作用)を示す。
【0021】
SARMとして特定された本発明の化合物は、アンドロゲン投与によって改善することができるアンドロゲン欠乏によって生じた疾病または状態の治療に有用である。こうした化合物は、単独療法として、またはビスホスホネート、エストロゲン、SERM、カテプシンK阻害剤、αvβ3インテグリン受容体拮抗薬、カルシトニンおよびプロトンポンプ阻害剤などの骨吸収抑制剤と併用で、女性および男性の骨粗しょう症の治療に理想的である。副甲状腺ホルモンまたはこの類似体などの骨形成を刺激する物質とともに使用することもできる。本発明のSARM化合物は、前立腺癌および良性前立腺肥大症(BPH)などの前立腺疾患の治療にも利用することができる。さらに、本発明の化合物は、皮膚に対する影響(アクネおよび顔面発毛)を最小限にしか示さず、男性型多毛症の治療に有用であり得る。加えて、本発明の化合物は、筋肉成長を刺激することができ、筋肉減少症および脆弱化の治療に有用であり得る。肥満の治療において内臓脂肪を減少させるために利用することもできる。さらに、本発明の化合物は、中枢神経系においてアンドロゲン作動作用を示すことができ、血管運動性症状(顔面潮紅)の治療ならびにエネルギーおよび性欲の増加に有用であり得る。アルツハイマー病の治療に使用することもできる。
【0022】
本発明の化合物は、単独で、または骨を回復させる能力のためGnRH作動薬/拮抗薬療法の補助薬として、または前立腺においてアンドロゲンに拮抗する能力および骨の消耗を最少にする能力のため抗アンドロゲン療法の代替品として、前立腺癌の治療に使用することもできる。さらに、本発明の化合物は、骨を回復させる能力のため膵臓癌の治療において抗アンドロゲン薬での治療の補助薬として使用することができ、または抗アンドロゲン特性のため単独療法薬として使用することができ、骨を節約する伝統的な抗アンドロゲンを越える利点をもたらす。加えて、本発明の化合物は、赤血球などの血球および血小板の数を増加させることができ、再生不良性貧血などの造血性疾患の治療に有用であり得る。このように、上に挙げた組織選択的アンドロゲン受容体作動作用を考慮すると、本発明の化合物は、性腺機能が低下した(アンドロゲンが欠乏している)男性におけるホルモン補充療法に理想的である。
【0023】
(発明の詳細な説明)
本発明は、アンドロゲン受容体作動薬、特に、選択的アンドロゲン受容体作動薬として有用である化合物に関する。本発明の化合物は、構造式I:
【0024】
【化10】

(式中、
Xは、水素またはハロゲンであり;
Aは、C0−12アルキルであり;
は、水素、CF、カルボニルC1−3アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、C1−3アルキル、およびヒドロキシメチルであり、この場合、前記アルキルおよびアルコキシは、1から7個のフッ素原子で場合により置換されており;
およびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
1−8アルキル、
アミノC0−6アルキル、
1−6アルキルアミノC0−6アルキル、
(C1−6アルキル)アミノC0−6アルキル、
1−6アルコキシC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、
1−6アルコキシカルボニルC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC0−6アルキル、
シアノ、
過フルオロC1−4アルキル、
過フルオロC1−4アルコキシ、
0−6アルキルカルボニル、
1−6アルキルカルボニルオキシ、
1−6アルキルカルボニルアミノ、
1−6アルキルスルホニルアミノ、
1−6アルコキシカルボニルアミノ、
1−6アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、および
(C1−6アルキル)アミノカルボニルオキシ
から選択され、この場合、
およびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、場合によりスピロ−C3−6シクロアルキル基またはオキソ基を形成してもよく、ならびに
およびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
、R、RおよびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
ヘテロシクロアルキル
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、
0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
カルボキシC0−10アルキルアミノ、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルコキシ、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
1−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、
1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、
1−10アルキルチオ、
1−10アルキルスルフィニル、
アリールC0−10アルキルスルフィニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、
1−10アルキルスルホニル、
アリールC0−10アルキルスルホニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され;この場合、
およびRは、これらが結合している炭素と一緒になって、5から7員で、環内にN、OおよびSから成る群より選択されるヘテロ原子を0、1、2、3または4個有する単環式非芳香族環構造を形成してもよく、ならびに
、R、RおよびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
は、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
(カルボニル)0−1アリールC1−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、
0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
カルボキシC0−10アルキルアミノ、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルコキシ、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
1−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、
1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、
1−10アルキルチオ、
1−10アルキルスルフィニル、
アリールC0−10アルキルスルフィニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、
1−10アルキルスルホニル、
アリールC0−10アルキルスルホニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され、この場合、
は、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される1個またはそれ以上の基で場合により置換されている。)
の化合物この医薬適合性の塩または立体異性体。
【0025】
1つの実施態様において、Xは、ハロゲンである。もう1つの実施態様において、Xは、水素である。本発明のもう1つの実施態様において、Rは、C1−3アルキルであり、1から7個のフッ素原子で場合により置換されている。
【0026】
1つの実施態様において、本発明は、構造式II:
【0027】
【化11】

(式中、
Xは、水素またはハロゲンであり;
Aは、C0−12アルキルであり;
およびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
1−8アルキル、
アミノC0−6アルキル、
1−6アルキルアミノC0−6アルキル、
(C1−6アルキル)アミノC0−6アルキル、
1−6アルコキシC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、
1−6アルコキシカルボニルC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC0−6アルキル、
シアノ、
過フルオロC1−4アルキル、
過フルオロC1−4アルコキシ、
0−6アルキルカルボニル、
1−6アルキルカルボニルオキシ、
1−6アルキルカルボニルアミノ、
1−6アルキルスルホニルアミノ、
1−6アルコキシカルボニルアミノ、
1−6アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、および
(C1−6アルキル)アミノカルボニルオキシ
から選択され、この場合、
およびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、場合によりスピロ−C3−6シクロアルキル基またはオキソ基を形成してもよく、ならびに
およびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
、RおよびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、
0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
カルボキシC0−10アルキルアミノ、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルコキシ、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
1−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、
1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、
1−10アルキルチオ、
1−10アルキルスルフィニル、
アリールC0−10アルキルスルフィニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、
1−10アルキルスルホニル、
アリールC0−10アルキルスルホニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され;この場合、
およびRは、これらが結合している炭素と一緒になって、5から7員で、環内にN、OおよびSから成る群より選択されるヘテロ原子を0、1、2、3または4個有する単環式非芳香族環構造を形成してもよく、ならびに
、RおよびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
は、水素、ハロゲン、少なくとも1個のRで場合により置換されているC1−10アルキルから選択され;
は、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル、
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
1−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され、この場合、
は、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される1個またはそれ以上の基で場合により置換されているが;但し、
およびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、単環式または二環式環構造を形成するときには、Aは、C2−12アルキルから選択されることを条件とする。)
の化合物、この医薬適合性の塩または立体異性体を含む。
【0028】
もう1つの実施態様において、Xは、ハロゲンである。さらにもう1つの実施態様において、Xは、水素である。
【0029】
本発明の1つの実施態様において、Aは、C1−3アルキルである。
【0030】
さらにもう1つの実施態様において、Rは、水素である。
【0031】
本発明のもう1つの非限定的な実施態様は、構造式III:
【0032】
【化12】

(式中、
Aは、C0−12アルキルであり;
【0033】
【化13】

は、5から7員で、環内にN、OおよびSから成る群より選択されるヘテロ原子を0、1、2、3または4個有する単環式非芳香族環構造であり、この場合の単環式非芳香族環構造は、1個またはそれ以上の置換基、Rで場合により置換されており;
およびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
1−8アルキル、
アミノC0−6アルキル、
1−6アルキルアミノC0−6アルキル、
(C1−6アルキル)アミノC0−6アルキル、
1−6アルコキシC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、
1−6アルコキシカルボニルC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC0−6アルキル、
シアノ、
過フルオロC1−4アルキル、
過フルオロC1−4アルコキシ、
0−6アルキルカルボニル、
1−6アルキルカルボニルオキシ、
1−6アルキルカルボニルアミノ、
1−6アルキルスルホニルアミノ、
1−6アルコキシカルボニルアミノ、
1−6アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、および
(C1−6アルキル)アミノカルボニルオキシ
から選択され、この場合、
およびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、場合によりスピロ−C3−6シクロアルキル基またはオキソ基を形成してもよく、ならびに
およびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
およびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、
0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
カルボキシC0−10アルキルアミノ、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルコキシ、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
1−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、
1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、
1−10アルキルチオ、
1−10アルキルスルフィニル、
アリールC0−10アルキルスルフィニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、
1−10アルキルスルホニル、
アリールC0−10アルキルスルホニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され;
およびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
は、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、
0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
カルボキシC0−10アルキルアミノ、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルコキシ、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
1−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、
1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、
1−10アルキルチオ、
1−10アルキルスルフィニル、
アリールC0−10アルキルスルフィニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、
1−10アルキルスルホニル、
アリールC0−10アルキルスルホニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され、この場合、
は、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される1個またはそれ以上の基で場合により置換されている。)の化合物、この医薬適合性の塩または立体異性体を含む。
【0034】
もう1つの実施態様において、構造式IIIの化合物またはこの医薬適合性の塩もしくは立体異性体は、
【0035】
【化14】

が、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘキサジエニル、シクロペンタジエニル、ジオキシドテトラヒドロチエニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ピロリニル、オキサジニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロ−2H−ピラニルから選択され、この場合、
【0036】
【化15】

は、1個またはそれ以上のRで場合により置換されており;
およびRが、各々独立して、
水素、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
ヒドロキシC0−10アルキル、および
過フルオロC1−6アルキル
から選択され、この場合、
およびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
が、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル、
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
1−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され、この場合、
は、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される1個またはそれ以上の基で場合により置換されているものを含む。
【0037】
本発明の1つの実施態様において、Aは、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される少なくとも1個の基で場合により置換されているC1−4アルキルである。
【0038】
さらにもう1つの実施態様において、式IIIの本発明の化合物は、
【0039】
【化16】

が、ジオキシドテトラヒドロチエニル、モルホリニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロ−2H−ピラニルから選択され、この場合、
【0040】
【化17】

は、1個またはそれ以上のRで場合により置換されており;
が、
水素、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
ヒドロキシC0−10アルキル、および
過フルオロC1−6アルキル
から選択され、この場合、
は、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
が、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル、
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
1−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され、この場合、
は、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される1個またはそれ以上の基で場合により置換されているものから選択される。
【0041】
もう1つの実施態様において、Xは、フッ素である。
【0042】
本発明の非限定的な化合物は、
N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N,N−[N,N−ジメチルグリシンアミジル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[2−(ジメチルアミノ)エチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−t−ブチル−カルボキシリル)ピペリジン−4−イル)メチル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(2−メトキシエチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−t−ブチル−カルボキシリル)ピペリジン−3−イル)メチル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−t−ブチル−カルボキシ)ピペリジン−4−イル)]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−エチル)ピペリジン−3−イル)]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−2−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(2−ヒドロキシメチルグリシンアミジル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(グリシンアミジル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(エチル−4,4,4−トリフルオロブタン−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(ピペリジン−4−イル)]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(4,4,4−トリフルオロブタノキシ−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(4,4,4−トリフルオロ−N,N−ブタナミド−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(グアニジニル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;ならびに
これらの医薬適合性の塩および立体異性体
から選択される。
【0043】
この実施態様の部分集合において、本発明の化合物は、
N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N,N−[N,N−ジメチルグリシンアミジル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[2−(ジメチルアミノ)エチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(2−メトキシエチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;ならびに
これらの医薬適合性の塩および立体異性体
から選択される。
【0044】
もう1つの実施態様において、本化合物は、
N−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−t−ブチル−カルボキシリル)ピペリジン−4−イル)メチル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−t−ブチル−カルボキシリル)ピペリジン−3−イル)メチル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;ならびに
これらの医薬適合性の塩および立体異性体
から選択される。
【0045】
もう1つの実施態様において、本化合物は、
N−[(1−t−ブチル−カルボキシ)ピペリジン−4−イル)]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−エチル)ピペリジン−3−イル)]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−2−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(2−ヒドロキシメチルグリシンアミジル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(グリシンアミジル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(エチル−4,4,4−トリフルオロブタン−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(ピペリジン−4−イル)]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(4,4,4−トリフルオロブタノキシ−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(4,4,4−トリフルオロ−N,N−ブタナミド−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(グアニジニル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミドならびに
これらの医薬適合性の塩および立体異性体
から選択される。
【0046】
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸およびキラル面(E.L.Eliel and S.H.Wilen,Stereochemistry of Carbon Compounds,John Wiley & Sons,New York,1994,1119−1190頁に記載されているとおり)を有することがあり、ラセミ体、ラセミ混合物として、および個々のジアステレオマーとして発生することがある。光学異性体を含むすべての可能な異性体およびこれらの混合物が、本発明に包含される。
【0047】
用語「アルキル」は、総炭素原子数が1から10の、すなわちこの範囲内のあらゆる数の直鎖または分枝鎖アルカン(すなわち、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチルなど)を意味するものとする。(「C0−8アルキルアリール」の場合のような)用語「Cアルキル」は、アルキル基の不在を指すものとする。
【0048】
用語「アルケニル」は、総炭素原子数が2から12の、またはこの範囲内のあらゆる数の直鎖または分枝鎖アルケンを意味するものとする。
【0049】
用語「アルキニル」は、炭素原子を2から12個および炭素−炭素三重結合を少なくとも1個有する直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素ラジカルを指す。3個以下の炭素−炭素三重結合が、存在できる。従って、「C−Cアルキニル」は、炭素原子を2から6個有するアルキニルラジカルを意味する。アルキニル基には、エチニル、プロピニル、ブチニル、3−メチルブチニルなどが挙げられる。アルキニル基の直鎖、分枝鎖または環状部分は、三重結合を有することができ、置換アルキニル基が示されている場合には置換されていてもよい。
【0050】
ここで用いる用語「シクロアルキル」は、指定された数の炭素原子を有する非芳香族性環状炭化水素基を包含するためのものであり、架橋または構造的に拘束されていてもよいし、いなくてもよい。こうしたシクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロヘプチル、テトラヒドロ−ナフタレン、メチレンシクロヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。ここで用いる「C−C10シクロアルキル」の例には、次のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
【化18】

【0052】
「アルコキシ」は、酸素架橋により結合している指定炭素原子数の環状または非環状、いずれかのアルキル基を表す。従って、「アルコキシ」は、上のアルキルおよびシクロアルキルの定義を包含する。
【0053】
「過フルオロアルキル」は、対応する水素がフッ素原子で余すところなく置換されている炭素原子数10以下のアルキル鎖を表す。
【0054】
ここで用いる「アリール」は、各環の原子数が7以下であり、少なくとも一方の環が芳香族である、あらゆる安定な単環式または二環式炭素環を意味するためのものである。こうしたアリール要素の例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロ−ナフチル、インダニルまたはビフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。アリール置換基が、二環式であり、一方の環が、芳香族環である場合、結合は、芳香族環経由であると理解される。
【0055】
ここで用いる用語「ヘテロアリール」は、各環の原子数が7以下であり、この場合少なくとも一方の環が、芳香族であり、O、NおよびSから選択されるヘテロ原子を1から4個含有する、安定な単環式または二環式の環を表す。この定義の範囲内のヘテロアリール基には、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリンが挙げられるが、これらに限定されない。下記ヘテロシクリルの定義と同じように、「ヘテロアリール」は、あらゆる窒素含有ヘテロアリールのN−オキシド誘導体を包含することも理解される。
【0056】
ヘテロアリール置換基が、二環式であり、一方の環が、非芳香族であるか、ヘテロ原子を含有しない場合、結合は、それぞれ、芳香族環経由か、ヘテロ原子含有環経由であると理解される。
【0057】
用語「アルキル」もしくは「アリール」またはこれらいずれかの接頭根が、置換基の名前の中に出現する場合(例えば、アリールC0−8アルキル)、これは、「アルキル」および「アリール」について上で与えた制限を含むと解釈するものとする。指定されている炭素原子数(例えば、C0−8)は、独立して、アルキルもしくは環状アルキル部分の炭素原子数を指すか、アルキルがこの接頭根として出現する、より大きな置換基のアルキル部分を指すものとする。
【0058】
当業者には理解されるように、ここで用いる用語「ハロ」または「ハロゲン」は、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを包含するためのものである。ここで用いる用語「複素環」または「ヘテロシクリル」は、O、NおよびSから成る群より選択されるヘテロ原子を1から4個含有する5から10員の芳香族または非芳香族複素環を意味するためのものであり、二環式の基を包含する。従って、「ヘテロシクリル」は、上述のヘテロアリールならびにこれらのジヒドロおよびテトラヒドロ類似体を包含する。「ヘテロシクリル」のさらなる例には次のものが挙げられるが、これらに限定されない:ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、アジリジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンズオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロチエニル、ならびにこれらのN−オキシド。ヘテロシクリル置換基の結合は、炭素原子経由またはヘテロ原子経由で生じることができる。
【0059】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、環内の炭素原子のうちの1個が、O、SまたはNから選択されるヘテロ原子により置換されており、およびさらに3個以下の炭素原子が、前記へテロ原子により置換されていてもよいシクロアルキル基(非芳香族性)を指す。
【0060】
用語「アリールアルキル」および「アルキルアリール」は、アルキル部分(この場合のアルキルは、上で定義したとおりである)を含むとともに、アリール部分(アリールは、上で定義したとおりである)を含む。アリールアルキルの例には、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ナフチルエチルおよびチエニルプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキルアリールの例には、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、メチルピリジン、プロピルピリジンおよびブチルピリジンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
用語「オキシ」は、酸素(O)原子を意味する。用語「チオ」は、硫黄(S)原子を意味する。用語「オキソ」は、「=O」を意味する。用語「カルボニル」は、「C=O」を意味する。
【0062】
用語「置換されている」は、指名されている置換基による多重置換度を包含すると考えるものとする。多重置換基部分が、開示されているか、特許請求の範囲に記載されている場合、この置換化合物は、この開示されているか、特許請求の範囲に記載されている置換基部分1つまたはそれ以上により、1回または複数回、独立して置換されていてもよい。「独立して置換されている」とは、(2個またはそれ以上の)置換基が、同じであってもよいし、異なっていてもよいことを意味する。
【0063】
いずれかの可変項(例えば、R、Rなど)が、いずれかの置換基においてまたは式Iにおいて1回またはそれ以上出現する場合、各出現時におけるこの定義は、この他すべての出現時におけるこの定義とは無関係である。また、置換基および/または可変項の組み合わせは、こうした組み合わせの結果、安定な化合物が生じる場合にのみ許される。
【0064】
本開示を通して用いている標準的な命名法のもとでは、指定副鎖の末端部分を先ず記載し、続いて隣接官能基を結合点に向かって記載する。例えば、C1−5アルキルカルボニルアミノC1−6アルキル置換基は、
【0065】
【化19】

に相当する。
【0066】
本発明の化合物を選択する際、様々な置換基、すなわち、R、R、Rなどを、化学構造の結合性に関する周知の原則に従って選択すべきであることは、通常の当業者には理解されるであろう。
【0067】
置換基から環構造に引かれた線は、示されている結合が、あらゆる置換可能な環原子に結合できることを示している。環構造が多環式である場合、この結合は、専ら隣接する環上にあるあらゆる適する炭素原子に結合するものと解釈する。
【0068】
化学的に安定である、ならびに容易に入手できる出発原料から当該技術分野において周知の技法および下に記載する方法によって容易に合成することができる化合物が得られるように、本発明の化合物の置換基および置換パタンを通常の当業者が選択できることは理解される。置換基、これ自体が、1個またはそれ以上の基で置換されている場合、これらの複数の基は、結果として安定な構造が得られるのであれば、同じ炭素原子上にあってもよいし、異なる炭素原子上にあってもよいことは理解される。「1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている」という言い回しは、「少なくとも1個の置換基で場合により置換されている」という言い回しと同等であると考えるべきであり、こうした場合、1つの実施態様は、0から3個の置換基を有するであろう。
【0069】
本発明の1つの実施態様において、Rは、水素およびC1−3アルキルから選択され、この場合、前記アルキルは、1から7個のフッ素原子で場合により置換されている。この実施態様の変形において、Rは、水素、CFおよびC1−3アルキルから選択される。もう1つの実施態様において、Rは、水素である。
【0070】
1つの実施態様において、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲンおよびC1−8アルキルから選択される。もう1つの実施態様において、RおよびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、オキソ基、または例えばシクロプロピルなどのスピロ−C3−6シクロアルキル基を形成する。さらなる実施態様において、RおよびRは、各々、水素である。
【0071】
本発明のさらにもう1つの実施態様において、R、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C1−10アルコキシ、C1−10アルコキシC0−10アルキル、C1−10アルキルスルホニル、過フルオロC1−6アルキルおよび過フルオロC1−6アルコキシから選択される。
【0072】
もう1つの実施態様において、RおよびRは、これらが結合している炭素と一緒になって、5から7員で、N,OおよびSから成る群より選択されるへテロ原子を0、1、2、3または4個有する単環式非芳香族環構造、例えば、テトラヒドロ−2H−ピラニル、ピペリジニル、1,1−ジオキシドテトラヒドロチエニル、およびテトラヒドロフラニルなどを形成する。
【0073】
もう1つの実施態様において、Rは、水素、(カルボニル)0−11−10アルキル、(カルボニル)0−12−10アルケニル、(カルボニル)0−12−10アルキニル、(カルボニル)0−1アリールC1−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1、C1−4アシルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニル、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、C0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、C0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、カルボキシC0−10アルキル、カルボキシC3−8シクロアルキル、C1−10アルキルオキシC0−10アルキル、ヒドロキシC0−10アルキル、C1−10アルキルチオ、C1−10アルキルスルフィニル、アリールC0−10アルキルスルフィニル、C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、C1−10アルキルスルホニル、アリールC0−10アルキルスルホニル、C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、および過フルオロC1−6アルキルから選択される。
【0074】
本発明のさらにもう1つの実施態様において、Rは、水素、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、過フルオロC1−6アルキル、および過フルオロC1−6アルコキシから選択される。この実施態様の変形において、Rは、水素、ハロゲン、C1−10アルキルおよび過フルオロC1−6アルキルから選択され、例えば水素である。
【0075】
本発明の化合物は、アンドロゲン受容体の組織選択的モジュレータ(SARM)であることが判明した。1つの側面において、本発明の化合物は、哺乳動物におけるアンドロゲン受容体の機能の活性化、特に、骨および/または筋肉組織におけるアンドロゲン受容体の機能の活性化ならびに雄個体の前立腺または雌個体の子宮におけるアンドロゲン受容体の機能の阻害(「拮抗」)に有用であり得る。
【0076】
本発明のさらなる側面は、雄個体の前立腺または雌個体の子宮においてAR作動薬によって誘発されるアンドロゲン受容体の機能を減弱または遮断するが、皮膚発毛または声帯においてはせず、ならびに骨および/または筋肉組織においてアンドロゲン受容体の機能を活性化するが、血中脂質レベルを制御する臓器(例えば、肝臓)においてはしない、式Iの化合物の使用である。
【0077】
本発明の代表的な化合物は、アンドロゲン受容体に対してサブマイクロモルの結合親和性を示す。従って、本発明の化合物は、アンドロゲン受容体機能に関連した疾患に罹患している哺乳動物の治療に有用である。アンドロゲン受容体機能に関連した疾患、例えば、アンドロゲン欠乏症、アンドロゲン補充によって改善することができる、またはアンドロゲン補充によって向上させることができる疾患を治療するために、本化合物(この医薬適合性の塩を包含する)の治療有効量がこの哺乳動物に投与される。こうした疾患には、減弱した筋緊張の強化、骨粗しょう症、オステオペニア、グルココルチコイド誘発性骨粗しょう症、歯周病、骨折(例えば、脊椎骨折および非脊椎骨骨折)、骨形成術後の骨損傷、筋肉減少症、脆弱化、皮膚老化、男性性腺機能低下症、女性の閉経後の症状、アテローム硬化症、高コレステロール血症、高脂血症、肥満、再生不良性貧血および他の造血性疾患、膵臓癌、炎症性関節炎および関節修復、HIV性るいそう、前立腺癌、良性前立腺肥大症(BPH)、癌性悪液質、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、認知機能低下、性機能不全、睡眠無呼吸症、うつ病、早発性卵巣機能不全および自己免疫疾患が挙げられる。治療は、構造式Iの化合物の治療有効量をこうした治療が必要な哺乳動物に投与することによって行う。加えて、これらの化合物は、単独でまたは他の活性薬剤と併用で、医薬組成物中の成分として有用である。
【0078】
1つの実施態様において、本発明の化合物は、骨粗しょう症、オステオペニア、グルココルチコイド誘発性骨粗しょう症、歯周病、HIV性るいそう、前立腺癌、癌性悪液質、肥満、関節炎性状態、貧血(例えば、再生不良性貧血など)、筋ジストロフィー、アルツハイマー病、認知機能低下、性機能不全、睡眠無呼吸症、うつ病、良性前立腺肥大(BPH)、およびアテローム硬化症を含む(しかし、これらに限定されない)、アンドロゲン欠乏によって生じるか、アンドロゲン補充によって改善することができる雄個体における状態を治療するために、単独で使用または他の活性薬剤と併用することができる。治療は、構造式Iの化合物の治療有効量をこうした治療が必要な雄個体に投与することによって行う。
【0079】
「関節炎性状態」(単数形または複数形)は、炎症性病変が関節に限定される疾病、または関節のあらゆる炎症状態、最も著名なところでは変形性関節症および関節リウマチを指す(Academic Press Dictionary of Science Technology; Academic Press;第1版,1992年1月15日)。式Iの化合物は、単独でまたは併用で、関節炎性状態、例えば、ベーチェット病;滑液包炎および腱炎;CPPD沈着症;手根管症候群;エーラース−ダンロス症候群;線維筋痛症;痛風;感染性関節炎;炎症性腸疾患;若年性関節炎;エリテマトーデス;ライム病;マルファン症候群;筋炎;変形性関節症;骨形成不全;骨壊死;多発性動脈炎;リウマチ性多発性筋痛;乾癬性関節炎;レイノー現象;反射交感神経ジストロフィー症候群;ライター症候群;関節リウマチ;強皮症;およびシェーグレン症候群の治療または予防にも有用である。本発明の実施態様は、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む関節炎性状態の治療および予防を包含する。下位実施態様は、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む変形性関節症の治療または予防である。Cutolo M,Seriolo B,Villaggio B,Pizzorni C,Craviotto C,Sulli A. Ann.N.Y.Acad.Sci.2002 Jun;966:131−42; Cutolo,M.Rheum Dis Clin North Am 2000 Nov;26(4):881−95; Bijlsma JW,Van den Brink HR.Am J Reprod Immunol 1992 Oct−Dec;28(3−4):231−4; Jansson L,Holmdahl R.;Arthritis Rheum 2001 Sep;44(9):2168−75;およびPurdie DW.Br Med Bull 2000;56(3):809−23参照。Merck Manual,第17版,pp.449−451も参照。
【0080】
関節炎性状態を治療するために併用する場合、式Iの化合物は、併用療法に有用なものとして本明細書に開示するあらゆる薬物とともに使用することができ、またはコルチコステロイド、細胞毒性薬(または他の疾患修飾もしくは寛解誘導薬)、金治療薬、メトトレキセート、NSAID、およびCOX−2阻害剤などの関節炎性状態を治療もしくは予防することが知られている薬物とともに使用することができる。
【0081】
もう1つの実施態様において、本発明の化合物は、骨粗しょう症、オステオペニア、皮膚老化、グルココルチコイド誘発性骨粗しょう症、閉経後の症状、歯周病、HIV性るいそう、癌悪液質、肥満、貧血(例えば、再生不良性貧血など)、筋ジストロフィー、アルツハイマー病、早発性卵巣機能不全、認知機能低下、性機能不全、うつ病、炎症性関節炎および関節修復、アテローム硬化症、および自己免疫疾患を含む(しかし、これらに限定されない)、アンドロゲン欠乏によって生じるか、アンドロゲン補充によって改善することができる雌個体における状態を治療するために、単独で使用または他の活性薬剤と併用することができる。治療は、構造式Iの化合物の治療有効量をこうした治療が必要な雌個体に投与することによって行う。
【0082】
式Iの化合物は、例えばヒトなどの哺乳動物における筋緊張の強化にも有用である。
【0083】
構造式Iの化合物は、骨を回復させるため、骨量減少を最小にするため、および骨密度を維持するために、前立腺癌の治療における伝統的なアンドロゲン枯渇療法の補助薬として利用することもできる。この要領で、これらの化合物は、P.Limontaら,「抗癌薬としてのLHRH類似体:下垂体および下垂体外の作用部位(LHRH analogues as anticancer agents: pituitary and extrapituitary sites of action)」,Exp.Opin.Invest.Drugs,10:709−720(2001); H.J.Stricker,「黄体化ホルモン放出ホルモン拮抗薬(Luteinizing hormone−releasing hormone antagonists)」,Urology,58(Suppl.2A):24−27(2001); R.P.Millarら,「非ペプチド系経口活性GnRH拮抗薬の開発に向けての進展(Progress towards the development of non−peptide orally−active GnRH antagonists)」,British Medical Bulletin,56:761−772(2000);およびA.V.Schallyら,「ホルモン感受性新生物および婦人科系状態の治療におけるLH−RHの作動薬および拮抗薬の合理的使用(Rational use of agonists and antagonists of LH−RH in the treatment of hormone−sensitive neoplasms and gynecologic conditions)」,Advanced Drug Delivery Reviews,28:157−169(1997)に開示されているものなどのGnRH作動薬/拮抗薬を含む伝統的なアンドロゲン除去療法と一緒に利用することもできる。構造式Iの化合物は、前立腺癌の治療の際に、フルタミド、2−ヒドロキシフルタミド(フルタミドの活性代謝産物)、ニルタミドおよびビカルタミド(Casodex(商標))などの抗アンドロゲン薬と併用することができる。
【0084】
さらに、本発明の化合物は、アンドロゲン拮抗特性のために、またはフルタミド、2−ヒドロキシフルタミド(フルタミドの活性代謝産物)、ニルタミドおよびビカルタミド(Casodex(商標))などの抗アンドロゲン薬の補助薬として、膵臓癌の治療の際に利用することもできる。
【0085】
用語「癌を治療すること」または「癌の治療」は、癌性状態に罹患している哺乳動物への投与を指し、ならびに癌性細胞を殺すことにより癌性状態を緩和する作用を指すが、結果的に癌の増殖および/または転移を抑制することとなる作用も指す。
【0086】
構造式Iの化合物は、脂質代謝に対するマイナス影響を最小にすることができる。従って、本発明の化合物は、これらの組織選択的アンドロゲン作動薬特性を考慮すると、性腺機能が低下した(アンドロゲンが欠乏している)雄個体においてホルモン補充療法についての既存のアプローチを越える利点を示す。
【0087】
加えて、本発明の化合物は、赤血球などの血球および血小板の数を増加させることができ、再生不良性貧血などの造血性疾患の治療に使用することができる。
【0088】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物の治療有効量を哺乳動物に投与して、減弱した筋緊張の強化、骨粗しょう症、オステオペニア、グルココルチコイド誘発性骨粗しょう症、歯周病、骨折、骨形成術後の骨損傷、筋肉減少症、脆弱化、皮膚老化、男性性腺機能低下症、女性の閉経後の症状、アテローム硬化症、高コレステロール血症、高脂血症、肥満、再生不良性貧血および他の造血性疾患、膵臓癌、炎症性関節炎および関節修復、HIV性るいそう、前立腺癌、良性前立腺肥大(BPH)、癌性悪液質、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、認知機能低下、性機能不全、睡眠無呼吸症、うつ病、早発性卵巣機能不全および自己免疫疾患から選択される状態を治療または改善する。
【0089】
もう1つの実施態様では、本化合物の治療有効量を使用して、筋緊張減弱、骨粗しょう症、オステオペニア、グルココルチコイド誘発性骨粗しょう症、歯周病、骨折、骨形成術後の骨損傷、筋肉減少症、アルツハイマー病および脆弱化から選択される疾患を治療または改善することができる。
【0090】
もう1つの実施態様において、本発明の化合物は、男性性腺機能低下症、女性の閉経後の症状、アテローム硬化症、高コレステロール血症、高脂血症、肥満、再生不良性貧血および他の造血性疾患、膵臓癌、炎症性関節炎および関節修復、HIV性るいそう、前立腺癌、良性前立腺肥大(BPH)、癌性悪液質、筋ジストロフィー、認知機能低下、性機能不全、睡眠無呼吸症、うつ病、早発性卵巣機能不全および自己免疫疾患などの疾患を治療または改善するために使用することができる。
【0091】
本発明の化合物は、エナンチオマー的に純粋な形態で投与することができる。ラセミ混合物は、多数の慣用法のうちのいずれかにより個々のエナンチオマーに分離することができる。これらには、キラルクロマトグラフィー;キラル助剤での誘導、続くクロマトグラフィーまたは晶析による分離;およびジアステレオマー塩の分別晶析が挙げられる。
【0092】
ここで用いるような、アンドロゲン受容体の「作動薬」として機能する本発明の化合物は、アンドロゲン受容体に結合し、この受容体の生理学的または薬理学的応答特性を始動することができる。用語「組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータ」は、一部の組織では天然リガンドの作用を模倣するが、他ではしないアンドロゲン受容体リガンドを指す。「不完全作動薬」は、適用する化合物の量にかかわらず、受容体集団の最大活性化を誘導することができない作動薬である。「完全作動薬」は、所定濃度でアンドロゲン受容体集団の完全活性化を誘導する。アンドロゲン受容体の「拮抗薬」として機能する本発明の化合物は、アンドロゲン受容体に結合し、天然アンドロゲン受容体リガンドによって通常誘導されるアンドロゲン関連応答を遮断または阻害することができる。
【0093】
用語「医薬適合性の塩」は、無機または有機塩基および無機または有機酸を含む医薬適合性非毒性塩基または酸から調製される塩を指す。無機塩基由来の非限定的で代表的な塩には、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などが挙げられる。本発明の1つの変形において、前記塩は、アンモニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩から選択される。医薬適合性非毒性有機塩基由来の塩の非限定的な例には、第一、第二および第三アミン塩、天然置換アミンを含む置換アミン塩、環状アミン塩、ならびにアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトロメタミンなどの塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。
【0094】
本発明の化合物が、塩基性である場合、塩は、無機酸および有機酸を含む医薬適合性非毒性酸から調製することができる。利用することができる代表的な酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、マロン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。1つの変形において、前記酸は、クエン酸、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸から選択される。
【0095】
上記の医薬適合性の塩および他の典型的な医薬適合性の塩の調製は、Bergらによってより詳細に説明されている[「製薬学的塩(Pharmaceutical Salts)」,J.Pharm.Sci.,1977:66:1−19]。
【0096】
本発明の化合物は、生理条件下ではカルボキシル基などの本化合物の脱プロトン化酸性部分がアニオンになり得、この電荷と四級窒素原子などのプロトン化またはアルキル化塩基性部分のカチオン電荷との内部バランスが崩されることがあるので、場合によっては分子内塩または両性イオンであるという点にも注目されよう。
【0097】
用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家によって探求されて続ける、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を惹起するであろう構造式Iの化合物の量を意味する。
【0098】
ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特定の成分の特定の量での組み合わせから直接または間接的に得られるあらゆる製品を包含するためのものである。
【0099】
「医薬適合性の」とは、この担体、希釈剤または賦形剤が、この調合物の他の成分と相溶性でなければならず、この受容者に対して有害であってはならないという意味である。
【0100】
用語「化合物の投与」および「化合物を投与すること」は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを治療が必要な個体に与えることを意味すると理解すべきである。
【0101】
用語「アンドロゲン受容体により媒介される機能を組織選択的に調節すること」とは、アンドロゲン受容体により媒介される機能を同化(骨および/または筋肉)組織(骨および筋肉)において選択的に(または差別的に)調節し、前立腺、精巣、精嚢、卵巣、子宮および他の性副組織などのアンドロゲン性(生殖)組織ではこうした調節が不在であることを意味する。1つの実施態様において、同化組織ではアンドロゲン受容体の機能を活性化し、これに対してアンドロゲン性組織ではアンドロゲン受容体の機能を遮断または抑制する。
【0102】
本治療方法を実施するための構造式Iの化合物の投与は、構造式Iの化合物の有効量をこうした治療または予防が必要な患者に投与することによって行う。本発明の方法の予防的投与の必要性は、周知の危険因子の使用により判定する。個々の化合物の有効量は、この件を担当する医師により、最終的な分析で決定されるが、治療すべき正確な疾病、この疾病の重症度、およびこの患者が罹患している他の疾病または状態、選択される投与経路、この患者が同時に必要とし得る他の薬物および治療などの因子ならびに医師の判断で他の因子に依存する。
【0103】
固定用量として調合する場合、こうした併用製品には、下に記載する用量範囲内の本発明の化合物および承認用量範囲内の他の薬学的活性薬剤(複数を含む)が利用される。また、併用調合が不適切な場合、本発明の化合物と公知医薬適合性薬剤(複数を含む)とを逐次的に使用することができる。
【0104】
一般に、構造式Iの化合物の日用量は、1日につき成人1人あたり0.01から1000mgの広い範囲にわたって変化させることができる。例えば、投薬量は、0.1から200mg/日にわたる。経口投与用の組成物は、0.01から1000mg、詳細には、治療すべき哺乳動物の症状に投薬量を合わせるために0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、3.0、5.0、6.0、10.0、15.0、25.0、50.0、75、100、125、150、175、180、200、225および500ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。
【0105】
この用量は、単一日用量で投与することができ、または全日用量を1日2、3もしくは4回の分割量で投与することができる。さらに、投与のために選択される個々の化合物の特性を基に、この用量をより少ない頻度で、例えば、週1回、週2回、月1回などで投与することができる。勿論、単位用量は、投与頻度が低ければこれに応じて多くなるだろう。
【0106】
鼻腔内経路、経皮経路、肛門座剤もしくは膣座剤、または静脈内溶液により投与する場合、この投薬量の投与は、勿論、この薬剤投与計画を通して、間欠的ではなく継続的であろう。
【0107】
本発明のよい例は、上に記載した化合物のいずれかおよび医薬適合性の担体を含む医薬組成物である。上に記載した化合物のいずれかを医薬適合性の担体と併せることにより製造される医薬組成物も、本発明のよい例である。本発明の実例は、上に記載した化合物のいずれかを医薬適合性の担体と併せることを含む医薬組成物の製造プロセスである。
【0108】
医療用の本方法で利用される組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータの調合物は、構造式Iの化合物とともに、この許容される担体および場合により他の治療活性成分を含む。この担体は、この調合物の他の成分と相溶性であり、この調合物の受容者本人に対して有害でないという意味で、医薬適合性でなければならない。
【0109】
従って、本発明は、構造式Iの化合物とともにこの医薬適合性担体を含む医薬調合物をさらに提供する。
【0110】
本調合物には、経口、直腸内、膣内、鼻腔内、局所または非経口投与(皮下、筋肉内および静脈内投与を含む)に適するものが挙げられる。1つの実施態様において、本調合物は、経口投与に適するものである。
【0111】
式Iの化合物の適する局所調合物には、経皮装置、エーロゾル、クリーム、溶液、軟膏、ゲル、ローション、散布剤などが挙げられる。本発明の化合物を含有する局所医薬組成物は、通常、約0.005重量%から約5重量%の活性化合物を医薬適合性のビヒクルとの混合物で含む。本発明の化合物の投与に有用な経皮パッチには、通常の当業者によく知られているものが挙げられる。経皮送達系の形態で投与するためには、この投薬量の投与は、この薬剤投与計画を通して、間欠的ではなく継続的であろう。
【0112】
本調合物は、単位剤形で与えることができ、調剤技術分野では周知の方法のいずれによって調製してもよい。すべての方法が、1つまたはそれ以上の成分を構成する担体と活性化合物会合させる段階を含む。一般に、本調合物は、活性化合物を液体担体、蝋様固体担体または微粉固体担体と均一、および、均質に会合させ、次いで、必要な場合には、この生成物を所望の剤形に成形することによって調製する。
【0113】
経口投与に適する本発明の調合物は、各々が所定量の活性化合物を含有するカプセル、カシェ剤、錠剤もしくはロゼンジなどの個別単位として、粉末もしくは顆粒として、または水性液または非水性液中の懸濁液もしくは溶液、例えばシロップ、エリキシルもしくはエマルジョンとして与えることができる。
【0114】
錠剤は、場合により1つまたはそれ以上の補助成分とともに圧縮または成形することにより製造することができる。圧縮錠は、補助成分、例えば結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、崩壊剤または着色剤と場合により混合された、易流動形態、例えば粉末または顆粒の活性化合物を適する機械で圧縮することにより作成することができる。成形錠は、好ましくは粉末形態の活性化合物と適する担体との混合物を適する機械で成形することにより製造することができる。適する滑沢剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖(グルコースまたはβ−ラクトースなど)、トウモロコシ甘味料、天然および合成ゴム(アラビアゴム、トラガカントゴムまたはアルギン酸ナトリウムなど)、カルボキシメチル−セルロース、ポリエチレングリコール、蝋などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの剤形に使用される非限定的で代表的な滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
合成および天然ゴム、例えばトラガカントゴム、アラビアゴム、メチルセルロースなどの適切に着香された懸濁化または分散剤中のシロップまたは懸濁液のような経口液体剤形は、前記溶液または懸濁液に活性化合物を添加することにより製造することができる。利用することができるさらなる分散剤には、グリセリンなどが挙げられる。
【0116】
膣または直腸内投与用の調合物は、従来どおりの担体、すなわち、粘膜に対して毒性がなく、無刺激であり、構造式Iの化合物と相溶性であり、保管安定性であり、構造式Iの化合物に結合せず、構造式Iの化合物の放出に干渉しない基剤を用いて、座剤として与えることができる。適する基剤には、カカオバター(カカオ脂)、ポリエチレングリコール(カーボワックスおよびポリグリコールなど)、グリコール−界面活性剤併用剤、ステアリン酸ポリオキシ40、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween、MyrjおよびArlacelなど)、グリセロゼラチン、および硬化植物油が挙げられる。グリセロゼラチン座剤を使用する場合、メチルパラベンまたはプロピルパラベンなどの保存薬を利用することができる。
【0117】
活性薬物成分を含有する局所製剤は、例えばアルコール、バルバドスアロエゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンAおよびE油、鉱物油、PPG2ミリスチルプロピオネートなどの当該技術分野では周知の様々な担体材料と混合して、例えば、アルコール溶液、局所クレンザー、クレンジングクリーム、スキンゲル、スキンローション、およびクリームまたはゲル処方のシャンプーを作ることができる。
【0118】
本発明の化合物は、小型単層小胞、大型単層小胞および多層小胞などのリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から作ることができる。
【0119】
本発明の化合物は、本化合物分子とカップリングする個々の担体としてモノクローナル抗体を使用することにより送達することもできる。本発明の化合物は、目標を定めることができる薬物担体としての可溶性ポリマーとカップリングさせることもできる。こうしたポリマーには、ポリビニル−ピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルタミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されているポリエチレンオキシドポリリシンが挙げられる。さらに、本発明の化合物は、薬物の制御送達の達成に有用な種類の生体分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーとカップリングさせることができる。
【0120】
非経口投与に適する調合物には、受容者の血液と等張であり得る活性化合物の無菌水性製剤を含む調合物が挙げられる。好適には、こうした調合物は、被験者の血液と等張である化合物の溶液または懸濁液を含む。こうした調合物は、希釈水、希釈水または食塩水中5%のデキストロース、および活性化合物を含有し得る。多くの場合、利用する溶媒に対して適切な溶解度を有する活性化合物の医薬適合性で薬理学的に許容される酸付加塩を利用すると便利である。有用な調合物には、活性化合物を含む濃厚溶液または固体も含まれ、これらを適切な溶媒で希釈すると非経口投与に適する溶液が得られる。
【0121】
本発明の化合物は、薬物の制御放出の達成に有用な種類の生体分解性ポリマー、例えば、ポリ酢酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーとカップリングさせることができる。
【0122】
本発明の医薬組成物および方法は、骨粗しょう症、歯周病、骨折、骨形成術後の骨損傷、筋肉減少症、脆弱化、皮膚老化、男性性腺機能低下症、女性の閉経後の症状、アテローム硬化症、高コレステロール血症、高脂血症、造血製疾患(例えば再生不良性貧血など)、膵臓癌、アルツハイマー病、炎症性関節炎および関節修復を含む上述の状態の治療に通常適用されている他の治療活性化合物をさらに含むことができる。
【0123】
骨粗しょう症の治療および予防のために、本発明の化合物は、吸収抑制剤、骨同化促進剤、ならびに明確に定義されていないメカニズムにより骨格に益をもたらす他の物質、例えばカルシウム栄養補助食品、フラボノイドおよびビタミンD類似体、から選択される骨強化剤と併用で投与することができる。歯周病、骨折および骨形成術後の骨損傷の状態も、これらの併用治療の恩恵を受けることができる。例えば、本発明の化合物は、エストロゲン、ビスホスホネート、SERM、カテプシンK阻害剤、αvβ3インテグリン受容体拮抗薬、液胞性ATPアーゼ阻害剤、ポリペプチドオステオプロテゲリン、VEGF拮抗薬、チアゾリジンジオン、カルシトニン、プロテインキナーゼ阻害剤、副甲状腺ホルモン(PTH)および類似体、カルシウム受容体拮抗薬、成長ホルモン分泌促進物質、成長ホルモン放出ホルモン、インスリン様成長因子、骨形態発生蛋白(BMP)、BMP拮抗薬の阻害剤、プロスタグランジン誘導体、線維芽細胞成長因子、ビタミンDおよびこの誘導体、ビタミンKおよびこの誘導体、大豆イソフラボン、カルシウム塩、ならびにフッ化物塩などの他の物質の有効量と併用で有効に投与することができる。歯周病、骨折および骨形成術後の骨損傷の状態も、これらの併用治療の恩恵を受けることができる。
【0124】
本発明の1つの実施態様において、本発明の化合物は、単独のまたはプロゲスチンもしくはプロゲスチン誘導体と併用でのエストロゲンおよびエストロゲン誘導体;ビスホスホネート;抗エストロゲン薬または選択的エストロゲン受容体モジュレータ;αvβ3インテグリン受容体拮抗薬;カテプシンK阻害剤;破骨細胞液胞性ATPアーゼ阻害剤;カルシトニン;ならびにオステオプロテゲリンから選択される少なくとも1つの骨強化剤の有効量と併用で、有効に投与することができる。
【0125】
骨粗しょう症の治療において、本発明の化合物の活性は、吸収抑制剤(エストロゲン、ビスホスホネート、SERM、カルシトニン、カテプシンK阻害剤、液胞性ATPアーゼ阻害剤、RANK/RANKL/オステオプロテゲリン経路に干渉する物質、p38阻害剤、または破骨細胞の発生もしくは破骨細胞の活性化に対する他のあらゆる阻害剤)の活性とは異質である。構造式Iの化合物は、骨吸収を抑制するのではなく、例えば骨の強度の有意な部分の責任を担う皮質骨に対して作用することにより骨形成を刺激する。皮質骨の肥厚は、骨折の危険性、特に股関節骨折の危険性の低下に実質的に寄与する。構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータと吸収抑制剤(例えば、エストロゲン、ビスホスホネート、抗エストロゲン薬、SERM、カルシトニン、αvβ3インテグリン受容体拮抗薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、液胞性ATPアーゼ阻害剤、およびカテプシンK阻害剤など)の併用は、骨の同化作用と吸収抑制作用の相補性のため、特に有用である。
【0126】
骨吸収抑制剤は、骨の吸収を抑制することが当該技術分野において公知である薬剤であり、例えば17β−エストラジオール、エストロン、抱合エストロゲン(PREMARIN(登録商標))、ウマエストロゲン、17β−エチニルエストラジオールなどのエストロゲン活性を有するステロイド性化合物を含む、エストロゲンおよびエストロゲン誘導体が例えば挙げられる。エストロゲンまたはエストロゲン誘導体は、単独で利用することができ、またはプロゲスチンもしくはプロゲスチン誘導体と併用することができる。プロゲスチン誘導体の非限定的な例は、酢酸ノルエチンドロンおよび酢酸メドロキシプロゲステロンである。
【0127】
ビスホスホネートも骨吸収抑制剤である。本発明の構造式Iの化合物と併用することもできるビスホスホネート化合物の非限定的な例には、次のものが挙げられる:
(a)アレンドロネート(アレンドロン酸、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸、アレンドロン酸ナトリウム、アレンドロン酸一ナトリウム三水和物または4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸一ナトリウム三水和物としても知られている)。アレンドロネートは、Kieczykowskiらに対して1990年5月1日に公開された米国特許第4,922,007号、Kieczykowskiに対して1991年5月28日に公開された米国特許第5,019,651号、Dauerらに対して1996年4月23日に公開された米国特許第5,510,517号、Dauerらに対して1997年7月15日に公開された米国特許第5,648,491号に記載されている(前記特許はすべて、これら全文が、本明細書に参照により組込まれる);
(b)[(シクロヘプチルアミノ)−メチレン]−ビス−ホスホネート(インカドロネート)。これは、Isomuraらに対して1990年11月13日に公開された米国特許第4,970,335号に記載されている(前記特許は、この全文が、本明細書に参照により組込まれる);
(c)(ジクロロメチレン)−ビス−ホスホン酸(クロドロン酸)およびこの二ナトリウム塩(クロドロネート)。これは、ベルギー特許第672,205号(1966)およびJ.Org.Chem 32,4111(1967)に記載されている(前記両開示は、これら全文が、本明細書に参照により組込まれる);
(d)[1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン]−ビス−ホスホネート(EB−1053);
(e)(1−ヒドロキシエチリデン)−ビス−ホスホネート(エチドロネート);
(f)[1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)プロピリデン]−ビス−ホスホネート(イバンドロネート)。これは、1990年5月22日に公開された米国特許第4,927,814号に記載されている(前記特許は、この全文が、本明細書に参照により組込まれる);
(g)(6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシリデン)−ビス−ホスホネート(ネリドロネート);
(h)[3−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロピリデン]−ビス−ホスホネート(オルパドロネート);
(i)(3−アミノ−1−ヒドロキシプロピリデン)−ビス−ホスホネート(パミドロネート);
(j)[2−(2−ピリジニル)エチリデン]−ビス−ホスホネート(ピリドロネート)。これは、米国特許第4,761,406号に記載されている(前記特許は、この全文が、参照により組込まれる);
(k)[1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)−エチリデン]−ビス−ホスホネート(リセドロネート);
(l){[(4−クロロフェニル)チオ]メチレン}−ビス−ホスホネート(チルドロネート)。これは、1989年10月24日、Breliereらの米国特許第4,876,248号に記載されている(この特許は、この全文が、本明細書に参照により組込まれる);
(m)[1−ヒドロキシ−2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチリデン]−ビス−ホスホネート(ゾレドロネート);および
(n)[1−ヒドロキシ−2−イミダゾピリジン−(1,2−a)−3−イルエチリデン]−ビス−ホスホネート(ミノドロネート)。
【0128】
本発明の方法および組成物の1つの実施態様において、ビスホスホネートは、アレンドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、ピリドロネート、リセドロネート、チルドロネート、ゾレドロネート、これらのビスホスホネートの医薬適合性の塩、およびこれらの混合物から選択される群より選択される。一つの変形において、ビスホスホネートは、アレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロネート、イバンドロネート、チルドロネートおよびクロドロネートから選択される。この類の亜類において、ビスホスホネートは、アレンドロネート、この医薬適合性の塩および水和物、ならびにこれらの混合物である。アレンドロネートの特定の医薬適合性の塩は、アレンドン酸一ナトリウムである。アレンドン酸一ナトリウムの医薬適合性の水和物には、一水和物および三水和物が挙げられる。リセドロネートの特定の医薬適合性の塩は、リセドロン酸一ナトリウムである。リセドロン酸一ナトリウムの医薬適合性の水和物には、2.5水和物(hemi−pentahydrate)が挙げられる。
【0129】
なお、さらに、ラロキシフェン(例えば米国特許第5,393,763号参照)、クロミフェン、ズクロミフェン、エンクロミフェン、ナホキシデン、CI−680、CI−628、CN−55、945−27、Mer−25、U−11、555A、U−100A、およびこれらの塩などの抗エストロゲン化合物(例えば、米国特許第4,729,999号および同第4,894,373号参照)は、本発明の方法および組成物において構造式Iの化合物と併用することができる。これらの薬剤は、SERM、または選択的エストロゲン受容体モジュレータ(エストロゲンのものと同様であると考えられる経路により骨吸収を抑制することによって骨量減少を予防することが当該技術分野において知られている薬剤)としても知られている。
【0130】
SERMを式Iの化合物と併用して、骨粗しょう症を含む骨疾患を有益に治療することができる。こうした薬剤には、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、ラソホキシフェン、トレミフェン、アゾルキシフェン、EM−800、EM−652、TSE424、クロミフェン、ドロロキシフェン、イドキシフェンおよびレボルメロキシフェンが挙げられる[Goldsteinら,「選択的エストロゲン受容体モジュレータの薬理学的総説(A pharmacological review of selective estrogen receptor modulators)」,Human Reproduction Update,6:212−224(2000)、およびLufkinら,「骨粗しょう症の予防および治療における選択的エストロゲン受容体モジュレータの役割(The role of selective estrogen receptor modulators in the prevention and treatment of osteoporosis)」,Rheumatic Disease Clinics of North America.,27:163−185(2001)]。SERMは、「SERMでのエストロゲン受容体のターゲッティング(Targeting the Estrogen Receptor with SERMs)」,Ann.Rep.Med.Chem.36:149−158(2001)においても論じられている。
【0131】
αvβ3インテグリン受容体拮抗薬は、骨吸収を抑制し、および骨粗しょう症を含む骨疾患の治療のために構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータと併用することができる。αvβ3インテグリン受容体のペプチジルならびにペプチド様作用性拮抗薬は、科学文献と特許文献の両方に記載されている。例えば、W.J.Hoekstra and B.L.Poulter,Curr.Med.Chem.5:195−204(1998)およびこれに引用されている参考文献;国際公開公報第95/32710号;同第95/37655号;同第97/01540号;同第97/37655号;同第98/08840号;同第98/18460号;同第98/18461号;同第98/25892号;同第98/31359号;同第98/30542号;同第99/15506号;同第99/15507号;同第00/03973号;EP853084;EP854140;EP854145;米国特許第5,204,350号;同第5,217,994号;同第5,639,754号;同第5,741,796号;同第5,780,426号;同第5,929,120号;同第5,952,341号;同第6,017,925号;および同第6,048,861号を参照のこと。
【0132】
インビトロおよびインビボで骨吸収を防止するαvβ3インテグリン受容体拮抗薬の能力の証拠が提示されている(V.W.Englemanら,「αvβ3インテグリンのペプチド様作用性拮抗薬は、インビトロで骨吸収を抑制し、インビボで骨粗しょう症を予防する(A Peptidomimetic Antagonist of the αvβ3 Integrin Inhibits Bone Resorption In Vitro and Prevents Osteoporosis In Vivo)」,J.Clin.Invest.99:2284−2292(1997); S.B.Rodanら,「高親和性非ペプチドαvβ3リガンドは、インビトロおよびインビボで破骨細胞活性を阻害する(A High Affinity Non−Peptide αvβ3 Ligand Inhibits Osteoclast Activity In Vitro and In Vivo)」,J.Bone Miner.Res.11:S289(1996); J.F.Gourvestら,「αvβ3ビトロネクチン受容体の非ペプチド性リガンドでのOVX誘発骨量減少の防止(Prevention of OVX−Induced Bone Loss With a Non−peptidic Ligand of the αvβ3 Vitronectin Receptor)」,Bone 23:S612(1998); M.W.Larkら,「経口活性ビトロネクチン受容体αvβ3拮抗薬は、卵巣切除ラットにおいてインビトロおよびインビボで骨吸収を防止する(An Orally Active Vitronectin Receptor αvβ3 Antagonist Prevents Bone Resorption In Vitro and In Vivo in the Ovariectomized Rat)」,Bone 23:S219(1998)参照)。他のαvβ3拮抗薬は、R.M.Keenanら,「強力な非ペプチドビトロネクチン受容体(αvβ3)拮抗薬の発見(Discovery of Potent Nonpeptide Vitronectin Receptor(αvβ3) Antagonists)」,J.Med.Chem.40:2289−2292(1997); R.M.Keenanら,「1,4−ベンゾジアゼピン非ペプチドビトロネクチン受容体(αvβ3)拮抗薬におけるアルギニン模倣薬としてのベンズイミダゾール誘導体(Benzimidazole Derivatives As Arginine Mimetics in 1,4−Benzodiazepine Nonpeptide Vitronectin Receptor(αvβ3) Antagonists)」,Bioorg.Med.Chem.Lett.8:3165−3170(1998);およびR.M.Keenanら,「再狭窄モデルにおいて効能があるイミダゾピリジン含有1,4−ベンゾジアゼピン非ペプチドビトロネクチン受容体(αvβ3)拮抗薬の発見(Discovery of an Imidazopyridine−Containing 1,4−Benzodiazepine Nonpeptide Vitronectin Receptor(αvβ3) Antagonist With Efficacy in a Restenosis Model)」,Bioorg.Med.Chem.Lett.8:3171−3176(1998)に記載されている。
【0133】
さらに他のベンズアゼピン、ベンゾジアゼピンおよびベンゾシクロヘプテンαvβ3インテグリン受容体拮抗薬は、次の特許公報に記載されている:国際公開公報第96/00574号、同第96/00730号、同第96/06087号、同第96/26190号、同第97/24119号、同第97/24122号、同第97/24124号、同第98/14192号、同第98/15278号、同第99/05107号、同第99/06049号、同第99/15170号、同第99/15178号、同第99/15506号、および米国特許第6,159,964号、および国際公開公報第97/34865号。ジベンゾシクロヘプテン、ジベンゾシクロヘプタンおよびジベンズオキサゼピン骨格を有するαvβ3インテグリン受容体拮抗薬は、国際公開公報第97/01540号、同第98/30542号、同第99/11626号、同第99/15508号、同第00/33838号、米国特許第6,008,213号および同第6,069,158号に記載されている。
【0134】
骨格に配座的な環の拘束が組み込まれている他の破骨細胞インテグリン受容体拮抗薬が、特許文献に記載されている。フェニル拘束を有する拮抗薬を開示している公開特許出願または公開特許には、国際公開公報第98/00395号、同第99/32457号、同第99/37621号、同第99/44994号、同第99/45927号、同第99/52872号、同第99/52879号、同第99/52896号、同第00/06169号、EP0820,988、EP0820,991、米国特許第5,741,796号;同第5,773,644号;同第5,773,646号;同第5,843,906号;同第5,852,210号;同第5,929,120号;同第5,952,381号;同第6,028,223号;および同第6,040,311号が挙げられる。単環式の環の拘束を有する拮抗薬を開示している公開特許出願または公開特許には、国際公開公報第99/26945号、同第99/30709号、同第99/30713号、同第99/31099号、同第99/59992号、同第00/00486号、同第00/09503号、EP0796,855、EP0928,790、EP0928,793、米国特許第5,710,159号;同第5,723,480号;同第5,981,546号;同第6,017,926号;および同第6,066,648号が挙げられる。二環式の環の拘束を有する拮抗薬を開示している公開特許出願または公開特許には、国際公開公報第98/23608号、同第98/35949号、同第99/33798号、EP0853,084、米国特許第5,760,028号;同第5,919,792号;および同第5,925,655号が挙げられる。
【0135】
アルファvインテグリン拮抗薬に関するさらなる科学および特許文献については次の総説も参照のこと: M.E.Dugganら,「インテグリン受容体αβ3に対するリガンド(Ligands to the integrin receptor αβ3)」,Exp.Opin.Ther.Patents,10:1367−1383(2000); M.Gowenら,「骨粗しょう症の新療法(Emerging therapies for osteoporosis)」,Emerging Drugs,5:1−43(2000); J.S.Kerrら,「小分子αインテグリン拮抗薬: 新規抗癌薬(Small molecule α integrin antagonists: novel anticancer agents)」,Exp.Opin.Invest.Drugs,9:1271−1291(2000);およびW.H.Millerら,「インテグリンαβ(ビトロネクチン受容体)の小分子拮抗薬の同定およびインビトロでの効能(Identification and in vivo efficacy of small−molecule antagonists of integrin αβ(the vitronectin receptor))」,Drug Discovery Today,5:397−408(2000)。
【0136】
かつてはカテプシンO2として知られていたカテプシンKは、システインプロテアーゼであり、1996年5月9日に公開されたPCT国際出願、国際公開公報第96/13523号、1996年3月3日に公開された米国特許第5,501,969号、および1998年4月7日に公開された米国特許第5,736,357号(これらの特許はすべて、これら全文が、本明細書に参照により組込まれる)に記載されている。システインプロテアーゼ、特にカテプシンは、腫瘍転移、炎症、関節炎および骨のリモデリングなどの多数の疾病状態に関係付けられている。酸性pHで、カテプシンは、I型コラーゲンを分解することができる。カテプシンプロテアーゼ阻害剤は、コラーゲン線維の分解を阻害することにより、破骨細胞の骨吸収を抑制することができ、故に、骨粗しょう症などの骨吸収疾患の治療に有用である。カテプシンK阻害剤の非限定的な例は、Merck Frost Canada and Axix Pharmaceuticalsに譲渡されたPCT国際公開出願(2001年7月7日に公開された国際公開公報第01/49288号および2001年10月18日に公開された国際公開公報第01/77073号)において見出すことができる。
【0137】
「スタチン」として知られているHMG−CoAレダクターゼ阻害剤類の構成員は、新しい骨の成長を誘発して、骨粗しょう症の結果としての骨量減少を補充することが判明した(The Wall Street Journal,1999年12月3日金曜日、B1頁)。従って、スタチンは、骨吸収の治療に有望である。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の例には、ロバスタチン(米国特許第4,342,767号参照);シンバスタチン(米国特許第4,444,784号参照);ジヒドロキシ開環型酸形シンバスタチン、特にこのアンモニウムまたはカルシウム塩;プラバスタチン、特にこのナトリウム塩(米国特許第4,346,227号参照);フルバスタチン、特にこのナトリウム塩(米国特許第5,354,772号参照);アトルバスタチン、特にこのカルシウム塩(米国特許第5,273,995号参照);セリバスタチン、特にこのナトリウム塩(米国特許第5,177,080号参照);ZD−4522としても知られているロスバスタチン(米国特許第5,260,440号参照);およびNK−104、イタバスタチンまたはニスバスタチンとも呼ばれるピタバスタチン(PCT国際出願、国際公開公報第97/23200号参照)を含む(しかし、これらに限定されない)、ラクトン化形態またはジヒドロキシ開環型酸形態のスタチンならびにこれらの医薬適合性の塩およびエステルが挙げられる。
【0138】
プロトンポンプ阻害剤とも呼ばれる破骨細胞液胞性ATPアーゼ阻害剤も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。破骨細胞の頂側膜上に見出されるプロトンATPアーゼは、骨吸収プロセスにおいて有意な役割を果たすことが報告されている。従って、このプロトンポンプは、骨粗しょう症および関連代謝性疾患の治療および予防に潜在的に有用である骨吸収抑制剤を設計するための魅了的なターゲットの代表である[C.Farinaら,「新規骨吸収抑制剤としての破骨細胞液胞性プロトンATPアーゼの選択的阻害剤(Selective inhibitors of the osteoclast vacuolar proton ATPase as novel bone antiresorptive agents)」,DDT,4:163−172(1999)参照]。
【0139】
脈管形成因子VEGFは、破骨細胞上のこの受容体に結合することにより成体ウサギ単離破骨細胞の骨吸収活性を刺激することが証明された[M.Nakagawaら,「血管内皮成長因子(VEGF)は、破骨細胞の骨吸収および成熟破骨細胞の生存を直接増進させる(Vascular endothelial growth factor(VEGF) directly enhances osteoclastic bone resorption and survival of mature osteoclasts)」,FEBS Letters,473:161−164(2000)参照]。従って、KDR/Flk−1およびFlt−1などの破骨細胞受容体に結合するVEGFの拮抗薬の開発によって、骨吸収の治療および予防のさらなるアプローチを得ることができる。
【0140】
チアゾリジンジオン(TZD)などのペルオキシソーム増殖剤応答性受容体−γ(PPARγ)の活性化は、インビトロで破骨細胞様細胞形成および骨吸収を抑制する。R.OkazakiらによってEndocrinology,140:5060−5065(1999)に報告された結果は、骨髄細胞に関する局所性メカニズムならびにグルコース代謝に関する全身性メカニズムを示唆している。PPARγ活性化因子の非限定的な例には、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾンおよびBRL 49653などのグリタゾンが挙げられる。
【0141】
カルシトニンも構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。カルシトニンは、好適にはサケ鼻腔スプレー剤として使用される。(Azraら,Calcitonin,1996.In: J.P.Bilezikianら編,Principles of Bone Biology,San Diego:Academic Press;およびSilverman,「カルシトニン(Calcitonin)」,Rheumatic Disease Clinics of North America 27:187−196,2001)。
【0142】
プロテインキナーゼ阻害剤も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。キナーゼ阻害剤には、国際公開公報第01/17562号に開示されているものが挙げられ、一つの実施態様ではP38の阻害剤から選択される。本発明において有用なP38阻害剤の非限定的な例には、SB 203580が挙げられる[Badgerら,「関節炎、骨吸収、内毒素ショックおよび免疫機能の動物モデルにおけるSB 203580、サイトカイン抑制型結合蛋白質/p38キナーゼの選択的阻害剤、の薬理学的プロフィール(Pharmacological profile of SB 203580, a selective inhibitor of cytokine suppressive binding protein/p38 kinase, in animal models of arthritis, bone resorption, endotoxin shock,and immune function)」,J.Pharmacol.Exp.Ther.279:1453−1461(1996)]。
【0143】
骨同化促進剤は、骨蛋白基質の生産を増加させることにより骨を構築することが知られている薬剤である。こうした骨同化促進剤には、例えば、天然PTH(1−84)、PTH(1−34)、天然のまたは置換されているこれらの類似体、および特に副甲状腺ホルモン皮下注射剤などの様々な形態の副甲状腺ホルモン(PTH)が挙げられる。PTHは、骨を形成する細胞である骨芽細胞の活性を増大させ、これによって新しい骨の合成を促進することが判明した(Modern Drug Discovery,Vol.3,No.8,2000)。注射用のヒトPTH組換形、Forteo(テリパラタイド)は、米国において骨粗しょう症の治療薬として承認されている。このように、PTHおよびこのフラグメント、例えばhPTH(1−34)が、単独でまたは他の薬剤、例えば本発明の組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータと併用で、骨粗しょう症の治療において効能があることを検証することができる。
【0144】
Gowenらが「副甲状腺カルシウム受容体への拮抗は、オステオペニアのラットにおいて副甲状腺ホルモン分泌および骨形成を刺激する(Antagonizing the parathyroid calcium receptor stimulates parathyroid hormone secretion and bone formation in osteopenic rats)」,J.Clin.Invest.105:1595−604(2000)に記載したようなPTHの分泌を誘発するカルシウム受容体拮抗薬も、本発明のSARMとの併用に有用である。
【0145】
骨粗しょう症の治療のために構造式Iの化合物とともに使用することができるさらなる骨同化促進剤には、成長ホルモン分泌促進物質、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモンなどが挙げられる。代表的な成長ホルモン分泌促進物質は、米国特許第3,239,345号;米国特許第4,036,979号;米国特許第4,411,890号;米国特許第5,206,235号;米国特許第5,283,241号;米国特許第5,284,841号;米国特許第5,310,737号;米国特許第5,317,017号;米国特許第5,374,721号;米国特許第5,430,144号;米国特許第5,434,261号;米国特許第5,438,136号;米国特許第5,494,919号;米国特許第5,494,920号;米国特許第5,492,916号;米国特許第5,536,716号;EPO特許公報第0,144,230号;EPO特許公報第0,513,974号;PCT特許公報第WO94/07486号;PCT特許公報第WO94/08583号;PCT特許公報第WO94/11012号;PCT特許公報第WO94/13696号;PCT特許公報第WO94/19367号;PCT特許公報第WO95/03289号;PCT特許公報第WO95/03290号;PCT特許公報第WO95/09633号;PCT特許公報第WO95/11029号;PCT特許公報第WO95/12598号;PCT特許公報第WO95/13069号;PCT特許公報第WO95/14666号;PCT特許公報第WO95/16675号;PCT特許公報第WO95/16692号;PCT特許公報第WO95/17422号;PCT特許公報第WO95/17423号;PCT特許公報第WO95/34311号;PCT特許公報第WO96/02530号;Science,260,1640−1643(1993年6月11日); Ann.Rep.Med.Chem.,28,177−186(1993); Bioorg.Med.Chem.Lett.,4:2709−2714(1994);およびProc.Natl.Acad.Sci.USA 92,7001−7005(1995)に開示されている。
【0146】
インスリン様成長因子(IGF)も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。インスリン様成長因子は、単独の、またはIGF結合蛋白3およびIGFIIとの組み合わせでの、インスリン様成長因子Iから選択することができる。[Johannson and Rosen,「将来性のある代謝性骨疾患療法としてのIGF(The IGFs as potential therapy for metabolic bone diseases)」,1996,In: Bilezikianら編,Principles of Bone Biology.San Diego:Academic Press;およびGhironら,「初老女性における骨の代謝回転に対する組換インスリン様成長因子Iおよび成長ホルモンの効果(Effects of recombinant insulin−like growth factor−I and growth hormone on bone turnover in elderly women)」,J Bone Miner Res.10:1844−1852(1995)参照]。
【0147】
骨形態発生蛋白(BMP)も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。骨形態発生蛋白には、BMP2、3、5、6、7、ならびに関連分子TGFベータおよびGDF5が挙げられる[Rosenら,「骨形態発生蛋白(Bone morphogenetic proteins)」,1996.In:J.P.Bilezikianら編,Principles of Bone Biology,San Diego:Academic Press;およびWang EA,「骨形態発生蛋白(BMP):骨欠損症の治癒に関する治療の可能性(Bone morphogenetic proteins(BMPs): therapeutic potential in healing bony defects)」,Trends Biotechnol.,11:379−383(1993)]。
【0148】
BMP拮抗作用の阻害剤も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。一つの実施態様において、BMP拮抗薬阻害剤は、BMP拮抗薬SOST、ノギン、コーディン、グレムリンおよびダンの阻害剤から選択される[Massague and Chen,「TGF−ベータシグナリングの制御(Controlling TGF−beta signaling)」,Genes Dev.,14:627−644,2000; Aspenbergら,「骨形態発生蛋白拮抗薬ノギンは、膜性骨化を抑制する(The bone morphogenetic proteins antagonist Noggin inhibits membranous ossification)」,J.Bone Miner Res.16:497−500,2001; Brunkowら,「骨形成異常硬化狭窄症は、SOST遺伝子産物、新規cystine knot含有蛋白、の喪失の結果生じる(Bone dysplasia sclerosteosis results from loss of the SOST gene product,a novel cystine knot−containing protein)」,Am.J.Hum.Genet.68:577−89(2001)]。
【0149】
本発明の組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータは、骨粗しょう症などの骨量減少に関連した状態の治療のためにポリペプチドオステオプロテゲリンと併用することもできる。このオステオプロテゲリンは、哺乳動物オステオプロテゲリンおよびヒトオステオプロテゲリンから選択することができる。腫瘍壊死因子受容体超科の構成員であるポリペプチドオステオプロテゲリンは、骨粗しょう症などの骨量減少の増加を特徴とする骨疾患の治療に有用である。米国特許第6,288,032号を参照のこと(前記特許は、この全文が、本明細書に参照により組込まれる)。
【0150】
プロスタグランジン誘導体も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。プロスタグランジン誘導体の非限定的代表は、プロスタグランジン受容体EP1、EP2、EP4、FP、IPおよびこれらの誘導体の作動薬から選択される[Pilbeamら,「プロスタグランジンおよび骨代謝(Prostaglandins and bone metabolism)」,1996.In:Bilezikianら編,Principles of Bone Biology.San Diego:Academic Press; Weinrebら,「骨芽細胞系統および成体ラット骨組織におけるプロスタグランジンE(2)(PGE(2))受容体サブタイプEP(4)の発現およびPGE(2)によるこの調節(Expression of the prostaglandin E(2)(PGE(2)) receptor subtype EP(4) and its regulation by PGE(2) in osteoblastic cell lines and adult rat bone tissue)」,Bone,28:275−81(2001)]。
【0151】
線維芽細胞成長因子も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。線維芽細胞成長因子には、aFGFおよびbFGFならびにFGF活性を有する関連ペプチドが挙げられる[Hurley Florkiewicz,「線維芽細胞成長因子および血管内皮成長因子ファミリー(Fibroblast growth factor and vascular endothelial growth factor families)」,1996.In:J.P.Bilezikianら編,Principles of Bone Biology.San Diego:Academic Press]。
【0152】
骨吸収抑制剤および骨同化促進剤に加えて、正確には定義されていないメカニズムにより骨格に有益であることが知られている他の薬剤もある。これらの薬剤も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータと好適に併用することができる。
【0153】
ビタミンDおよびビタミンD誘導体も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。ビタミンDおよびビタミンD誘導体には、例えば、天然ビタミンD、25−OH−ビタミンD3、1α,25(OH)ビタミンD3、1α−OH−ビタミンD3、1α−OH−ビタミンD2、ジヒドロタキステロール、26,27−F6−1α,25(OH)ビタミンD3、19−ノル−1α,25(OH)ビタミンD3、22−オキサカルシトリオール、カルシポトリオール、1α,25(OH)−16−エン−23−イン−ビタミンD3(Ro 23−7553)、EB1089、20−エピ−1α,25(OH)ビタミンD3、KH1060、ED71、1α,24(S)−(OH)ビタミンD3、1α,24(R)−(OH)ビタミンD3が挙げられる[Jones G.「治療の薬理学的メカニズム:ビタミンDおよび類似体(Pharmacological mechanisms of therapeutics: vitamin D and analogs)],1996.In:J.P.Bilezikianら編,Principles of Bone Biology.San Diego:Academic Press」。
【0154】
ビタミンKおよびビタミンK誘導体も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。ビタミンKおよびビタミンK誘導体には、メナテトレノン(ビタミンK2)が挙げられる[Shirakiら,「ビタミンK2(メナテトレノン)は、骨粗しょう症において、骨折を有効に予防し、腰骨の骨密度を維持する(Vitamin K2(menatetrenone) effectively prevents fractures and sustains lumbar bone mineral density in osteoporosis)」,J.Bone Miner Res.15:515−521(2000)]。
【0155】
イプリフラボンを含む大豆イソフラボンは、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。
【0156】
フッ化ナトリウム(NaF)およびフルオロリン酸一ナトリウム(MFP)を含むフッ化物塩も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。カルシウム栄養補助食品も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータとともに使用することができる。カルシウム栄養補助食品には、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウムおよび天然カルシウム塩が挙げられる(Heaney,カルシウム(Calcium),1996.In:J.P.Bilezikianら編,Principles of Bone Biology,San Diego:Academic Press)。
【0157】
構造式Iの化合物と併用する場合の骨吸収抑制剤、骨同化促進剤、および骨格に恩恵をもたらすために使用することができる他の薬剤についての日用量は、当該技術分野において知られている量である。こうした併用では、一般に、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータの日用量は、1日につき成人1人あたり0.01から1000mg(例えば、0.1から200mg/日など)である。しかし、併用される薬剤の効能が増大するため、各薬剤の用量を減少させるよう調整してもよい。
【0158】
特に、ビスホスホネートを利用する場合、(遊離ビスホスホン酸として測定して)2.5から100mg/日(例えば、5から20mg/日にわたるか、約10mg/日など)の投薬量が治療に適する。予防的には、約2.5から約10mg/日、特に約5mg/日の用量を使用すべきである。副作用を低減させるために、構造式Iの化合物とビスホスホネートの組み合わせを週に1度投与するのが望ましいこともある。週1度の投与には、週あたり約15mgから700mgの用量のビスホスホネートと0.07から7000mgの用量の構造式Iの化合物を別々にまたは併用剤形で使用することができる。特に週1度の投与については、制御放出送達装置で構造式Iの化合物を好適に投与することができる。
【0159】
アテローム硬化症、高コレステロール血症および高脂血症の治療については、構造式Iの化合物は、1つまたはそれ以上のさらなる活性薬剤と併用で有効に投与することができる。前記1つまたは複数のさらなる活性薬剤は、HMG−CoAレダクターゼなどの脂質修飾化合物、他の薬学的活性を有する薬剤、および脂質修飾作用と他の薬学的活性の両方を有する薬剤から選択することができる。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の非限定的な例には、ロバスタチン(米国特許第4,342,767号参照);シンバスタチン(米国特許第4,444,784号参照);ジヒドロキシ開環型酸形シンバスタチン、特にこのアンモニウムまたはカルシウム塩;プラバスタチン、特にこのナトリウム塩(米国特許第4,346,227号参照);フルバスタチン、特にこのナトリウム塩(米国特許第5,354,772号参照);アトルバスタチン、特にこのカルシウム塩(米国特許第5,273,995号参照);セリバスタチン、特にこのナトリウム塩(米国特許第5,177,080号参照);ならびにNK−104とも呼ばれるニスバスタチン(PCT国際出願、国際公開公報第97/23200号参照)を含む(しかし、これらに限定されない)、ラクトン化形態またはジヒドロキシ開環型酸形態のスタチンならびにこれらの医薬適合性の塩およびエステルが挙げられる。
【0160】
構造式Iの化合物と併用することができるさらなる活性薬剤には、HMG−CoAシンターゼ阻害剤;スクアレンエポキシダーゼ阻害剤;スクアレンシンセターゼ阻害剤(スクアレンシンターゼ阻害剤としても知られている);アシル補酵素A:ACAT−1またはACAT−2の選択的阻害剤ならびにACAT−1とACAT−2の二重阻害剤を含むコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;ミクロソームトリグリセリド転送蛋白(MTP)阻害剤;プロブコール;ナイアシン;米国特許5,767,115号および同第5,846,966号に記載されている、エゼチミブおよび1−(4−フルオロフェニル)−3(R)−[3(S)−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル)]−4(S)−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アゼチジノンとしても知られているSCH−58235などのコレステロール吸収抑制剤;胆汁酸封鎖剤;LDL(低密度リポ蛋白)受容体誘導物質;血小板凝集抑制剤、例えば糖蛋白IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体拮抗薬およびアスピリン;一般に、グリタゾンと呼ばれる化合物、例えばトログリタゾン、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾンを含む、ならびにチアゾリジンジオンとして知られている構造類の範囲に含まれる化合物およびチアゾリジンジオン構造類以外のPPARγ類似体を含む、ヒトペルオキシソーム増殖剤応答性受容体ガンマ(PPARγ)作動薬;PPARα作動薬、例えば、クロフィブレート、フェノフィブレート(微紛化フェノフィブレートを含む)およびゲムフィブロジル;PPARα/γ二重作動薬;ビタミンB(ピリドキシンとしても知られている)およびこの医薬適合性の塩、例えばHCl塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとしても知られている);葉酸またはこの医薬適合性の塩もしくはエステル、例えばナトリウム塩およびメチルグルカミン塩;抗酸化薬ビタミン類、例えばビタミンCおよびEならびにベータカロチン;ベータ遮断薬;アンギオテンシンII拮抗薬、例えばロサルタン;アンギオテンシン変換酵素阻害剤、例えばエナラプリルおよびカプトプリル;カルシウムチャネル遮断薬、例えばニフェジピンおよびジルチアザム;内皮類(endothelin)拮抗薬;ABC1遺伝子発現を増進するLXRリガンドなどの物質;ビスホスホネート化合物、例えばアレンドロン酸ナトリウム;ならびにシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、例えばロフェコキシブおよびセレコキシブ;ならびにこれらの状態の治療に有用であることが知られている他の薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
構造式Iの化合物と併用する場合のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の日用量範囲は、当該技術分野において知られているものに相当する。同様に、HMG−CoAシンターゼ阻害剤;スクアレンエポキシダーゼ阻害剤;スクアレンシンセターゼ阻害剤(スクアレンシンターゼ阻害剤としても知られている);アシル補酵素A:ACAT−1またはACAT−2の選択的阻害剤ならびにACAT−1とACAT−2の二重阻害剤を含むコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;ミクロソームトリグリセリド転送蛋白(MTP)阻害剤;プロブコール;ナイアシン;エゼチミブを含むコレステロール吸収抑制剤;胆汁酸封鎖剤;LDL(低密度リポ蛋白)受容体誘導物質;糖蛋白IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体拮抗薬およびアスピリンを含む血小板凝集抑制剤;ヒトペルオキシソーム増殖剤応答性受容体ガンマ(PPARγ)作動薬;PPARα作動薬;PPARα/γ二重作動薬;ビタミンB;ビタミンB12;葉酸;抗酸化薬ビタミン類;ベータ遮断薬;アンギオテンシンII拮抗薬;アンギオテンシン変換酵素阻害剤;カルシウムチャネル遮断薬;内皮類拮抗薬;ABC1遺伝子発現を増進するLXRリガンドなどの物質;ビスホスホネート化合物;およびシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤についての日用量範囲も、当該技術分野において知られているものに相当するが、構造式Iの化合物と併せた作用であるため、投薬量は、併用で投与する際には多少少な目になり得る。
【0162】
本発明の1つの実施態様は、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む、哺乳動物における骨の代謝回転マーカーを作動させる方法である。骨の代謝回転マーカーの非限定的な例は、尿I型コラーゲンC末端テロペプチド分解産物(CTX)、尿I型コラーゲンN末端テロペプチド架橋体(NTX)、オステオカルシン(骨G1a蛋白質)、二重エネルギーX線吸収法(DXA)、骨特異的アルカリホスファターゼ(BSAP)、超音波測定法(QUS)、およびデオキシピリジノリン(DPD)架橋体から選択することができる。
【0163】
本発明の方法によると、併用薬の個々の成分は、治療の過程の中で異なるときに別々に投与することができ、または分割されたもしくは単一の併用剤形で同時に投与することができる。従って、本発明は、こうした同時治療方式または交代治療方式のすべてを包含すると理解すべきであり、用語「投与する」は、これに応じて解釈すべきである。アンドロゲン欠乏によって生じるか、アンドロゲンの追加により改善することができる疾病の治療に有用な本発明の化合物と他の薬剤の併用の範囲は、わかるであろう。
【0164】
本発明の化合物の調製の説明において使用する略記
AcOH 酢酸
DHT ジヒドロテストステロン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMEM ダルベッコ変性イーグル培地
DMSO ジメチルスルホキシド
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
EA 酢酸エチル
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)3−エチルカルボジイミドHCl
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EtOH エタノール
EtN トリエチルアミン
FCS ウシ胎仔血清
HEPES (2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
KHMDS カリウムビストリメチルシリルアミド
LCMS 液体クロマトグラフィー/質量分光分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LG 脱離基
MeOH メタノール
n−Bu4NI ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム
PMBCL 塩化p−メトキシベンジル
p−TosCl 塩化p−トルエンスルホニル
Rt 室温
TFA トリフルオロ酢酸
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0165】
本発明の化合物は、文献で知られている、またはこの実験手順に例示されている他の標準的な操作に加えて、以下の図式に示すような反応を利用することにより、調製することができる。従って、実例となる下の図式は、説明のために挙げる化合物または使用する特定の置換基に限定されない。図式に示す置換基の番号付けは、特許請求の範囲において使用するものとは必ずしも相関しておらず、多くの場合、分かりやすいように、前に定義した式Iの定義のもとで許される複数の置換基の代わりに1つの置換基がこの化合物に結合しているように示す。
【0166】
図式A−Dは、式Iの化合物を製造するための一般的なガイドラインを提供するものである。図式Aは、2位の炭素原子が非置換である4−アザステロイド骨格へのR置換基の付加を図示するものである。図式Bは、4−アザステロイド骨格の4位および2位、それぞれへのRおよびX置換基の付加を図示するものである。図式Cは、式C−7の化合物の一般合成を表す。図式Dは、4−アザステロイド骨格の17位に結合しているメチレンリンカー上に置換基RおよびRを有する化合物を合成するための一般的なガイドラインを提供するものである。式C−7およびD−2の化合物の合成では、様々な市販アミンを使用することができる。図式BおよびDにおいて、特定の脱離基、LGの選択は、勿論、この中核構造に組み込まれている特定の置換基の種類次第となる点に留意しなければならない。脱離基の選択および適用は、合成有機化学技術分野では慣例であり、当業者は、この情報を容易に知り、利用することができる。例えば、Organic Synthesis,Smith,M,McGraw−Hill INC,1994,New York(ISBN 0−07−048716−2)参照。
【0167】
【化20】

【0168】
【化21】

【0169】
【化22】


【0170】
【化23】

【実施例】
【0171】
本発明は、以下の反応図式および実施例に示す手順、または容易に入手できる出発原料、試薬および従来どおりの手順もしくは合成有機化学の技術分野の通常技能の従業者に周知のこれらの変形を利用する以下の反応図式および実施例に示す手順の修正手順に従って調製することができる。図式中の可変項の特定の定義は、単に説明のために与えるものであり、記載する手順を制限するためのものではない。
【0172】
以下の実施例は、本発明の化合物の調製および使用の詳細をさらに説明するために提供するものである。これらは、いかなる点においても本発明の範囲を制限するためのものではなく、こう解釈すべきではない。さらに、以下の実施例に記載する化合物が、本発明と見なされる唯一の類を形成すると解釈すべきではなく、これらの化合物またはこれらの部分のあらゆる組み合わせ、これ自体が、類を形成する。以下の調製手順の条件およびプロセスの周知の変形を使用して、これらの化合物を調製できることは、当業者には容易に理解されるであろう。すべての温度は、別様に注記していない限り摂氏度である。
【0173】
式Iの選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)は、図式1に概要を示すとおり調製した。
【0174】
構造式1−6の選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)は、図式1に概要を示すとおり調製した。出発原料は、G.H.Rasmussonら,J.Med.Chem.,29:2298−2315(1986)およびR.L.Tolmanら,J.Steroid Biochem.Mol.Biol.,60:303−309(1997)に開示されている、17β−カルボン酸1−1であった。前記各開示は、本明細書に参照により組込まれる。
【0175】
【化24】


【0176】
(実施例1)
段階A:4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルビノール(1−2)
0℃でCHCl:THF(1:1−500mL)中の1−1(36.5g、110.12mmol)の溶液にEtN(20.0mL、143.2mmol)を添加した。クロロギ酸イソブチル(17.1mL、132.1mmol)を一滴ずつ添加し、30分後、冷却浴を取り外し、反応混合物を2時間攪拌した。次に、反応混合物を0℃に冷却し、THF中2MのLiBHの溶液(165.2mL、330.4mmol)を一滴ずつ添加した。この反応混合物を0℃で2時間攪拌した。NHClの飽和溶液(125mL)を一滴ずつ添加することにより反応を停止させ、CHCl(900mL)で希釈して、1NのNaOH、ブラインで洗浄し、乾燥させて(MgSO)、濃縮した。残留物をトルエンと共沸させ、高真空下で18時間乾燥させた後、この粗製材料を次の反応で使用した。
【0177】
MS計算値M+H:318、実測値318。
【0178】
段階B:トシル酸4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−メチル(1−3)
0℃でCHCl(250mL)中の1−2(粗製材料27.0g、約85.0mmol)の溶液に、ピリジン(50mL)およびp−TosCl(26.0g、136.1mmol)を添加した。30分後、冷却浴を取り外し、反応混合物を15時間攪拌した。NaHCOの飽和溶液(125mL)の添加により反応を停止させ、CHCl(800mL)で希釈して、ブラインで洗浄し、乾燥させて(MgSO)、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン中0から100%のEtOAc)によって精製して、1−3を白色の固体として得た。
【0179】
MS計算値M+H:472、実測値472。
【0180】
段階C:4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトニトリル(1−4)
室温でDMSO(120mL)中の1−3(43.0g、91mmol)の溶液にNaCN(17.9g、365mmol)をゆっくりと添加し、反応混合物を120℃の油浴内に配置して、2時間攪拌した。冷却後、反応混合物をCHCl(1000mL)で希釈し、NaHCOの飽和溶液(125mL)、ブラインで洗浄し、乾燥させて(MgSO)、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン中0から100%のEtOAc)によって精製して、1−4を白色の固体として得た。
【0181】
MS計算値M+H:327、実測値327。
【0182】
段階D:4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−酢酸(1−5)
室温でAcOH(50mL)中の1−4(28.7g、87.9mmol)の溶液に濃HCl(50mL)を添加し、反応混合物を125℃に加熱して、14時間攪拌した。冷却後、反応混合物をCHCl(800mL)で希釈し、冷水、NaHCOの飽和溶液、ブラインで洗浄し、乾燥させて(MgSO)、濃縮した。残留物をトルエンと共沸させて、1−5を黄色の泡沫として得た。
【0183】
MS計算値M+H:346、実測値346。
【0184】
段階E:N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド(1−7)
DMF(1.0mL)中の1−5(0.125g、0.362mmol)およびHOAt(0.098g、0.724mmol)の溶液にEDC(0.139g、0.724mmol)を添加し、反応混合物を室温で攪拌した。1時間後、2,2,2−トリフルオロエチルアミン(0.358g、3.62mmol)を添加し、この反応混合物を60℃に加熱して、20時間攪拌した。冷却後、反応混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、冷水、ブラインで洗浄し、乾燥させて(MgSO)、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン中0から100%のEtOAc)によって精製して、1−7を白色の固体として得た。
【0185】
MS計算値M+H:427、実測値427。
【0186】
表1の実施例2から9は、このカルボキサミドを生じさせるために適切なアミンを使用したこと以外、実施例1と同様の手法で調製した。
【0187】
【表1】




【0188】
(実施例20)
医薬組成物
本発明の具体的な実施態様として、N−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミドを、充分に微粉砕したラクトースと配合して、全量580から590mgを生じさせて、サイズ0の硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0189】
上記明細書は、説明のために与えた実施例とともに、本発明の原理を教示しているが、本発明の実施は、後続の特許請求の範囲およびこの等価の範囲内である通常の変形、適応または修正すべてを包含する。
【0190】
アッセイ
化合物のSARM活性特定のためのインビトロおよびインビボアッセイ
本出願において例示する化合物は、以下のアッセイのうちの1つまたはそれ以上で活性を示した。
【0191】
内因的に発現されたARに対する化合物の親和性についての水酸アパタイト利用放射リガンド置換アッセイ
材料:
結合バッファ: TEGM(10mM Tris−HCl、1mM EDTA、10%グリセロール、1mM ベータ−メルカプトエタノール、10mM モリブデン酸ナトリウム、pH7.2)
50% HAPスラリー: 10mM Tris(pH8.0)および1mM EDTA中のCalbiochem Hydroxylapatite、Fast Flow。
洗浄バッファ: 40mM Tris(pH7.5)、100mM KCl、1mM EDTAおよび1mM EGTA。95%EtOH
メチルトリエノロン、[17α−メチル−H]、(R1881);NEN NET590
メチルトリエノロン(R1881)、NEN NLP005(95%EtOHに溶解したもの)
ジヒドロテストステロン(DHT)[1,2,4,5,6,7−H(N)]NEN NET453
Hydoroxylapatite Fast Flow;Calbiochem Cat#391947
モリブデン酸塩=モリブデン酸(Sigma、M1651)
【0192】
MDA−MB−453細胞培地:
RPMI 1640(Gibco 11835−055)と、23.8mM NaHCO、2mM L−グルタミン酸
500mLの完全培地中 最終濃度
10mL(1M Hepes) 20mM
5mL(100mM L−グルタミン酸) 4mM
0.5mL(10mg/mL ヒトインスリン(0.01N HCl中のもの;Calbiochem#407694−S) 10μg/mL
50mL FBS(Sigma F2442) 10%
1mL(10mg/mL Gentamaicin Gibco #15710−072) 20μg/mL
【0193】
細胞継代培養:
細胞(Hall R.E.ら,European Journal of Cancer,30A(4),484−490(1994))をPBSで2回すすぎ、フェノールレッド不含トリプシン−EDTAを同PBSで1:10希釈する。細胞層を1X トリプシンですすぎ、余分なトリプシンを流出させ、細胞層を37℃で〜2分間インキュベートする。フラスコを軽くたたき、細胞剥離の様子をチェックする。細胞がフラスコから滑り落ちはじめたら、完全培地を添加してトリプシンを殺す。この時点で細胞をカウントし、次いで、適切な濃度に希釈して(通常、1:3から1:6希釈)、さらなる培養のために複数のフラスコまたは皿に分配する。
【0194】
MDA−MB−453細胞溶解産物の作成
MDA細胞が70から85%の集密度になったら、これらを上に記載したように剥離させ、4℃で10分間、1000gで遠心分離することによって回収する。この細胞ペレットをTEGM(10mM Tris−HCl、1mM ETDA、10%グリセロール、1mM ベータ−メルカプトエタノール、10mM モリブデン酸ナトリウム、pH7.2)で2回洗浄する。最終洗浄後、細胞を細胞数10/mLの濃度で再びTEGMに浮遊させる。この細胞浮遊液を液体窒素またはエタノール/ドライアイス浴で急速冷凍し、ドライアイスを用いて−80℃の冷凍器に移す。結合アッセイを始める前に、この冷凍サンプルを、ちょうど溶けるまで(〜1時間)氷水上に放置する。次に、サンプルを4℃で30分間、12,500gから20,000gで遠心分離する。この上清を使用して、直ちにアッセイを始める。50μLの上清を使用する場合、試験化合物は、50μLのTEGMバッファ中で調製することができる。
【0195】
化合物多重スクリーニングの手順:
1x TEGMバッファを調製し、同位元素含有アッセイ混合物を次のオーダーで調製する: EtOH(反応における最終濃度2%)、H−R1881またはH−DHT(反応における最終濃度0.5nM)および1x TEGM。[例えば、100個のサンプルに関しては、200μL(100x2)のEtOH+4.25μLの1:10 H−R1881ストック+2300μL(100x23)の1x TEGM]。化合物を系列希釈する。例えば、出発最終濃度が1μMであり、化合物が25μLの溶液中にある場合、二重サンプル用に、75μLの4x1μM溶液を作り、3μLの100μMを72μLのバッファに添加し、1:5系列希釈。
【0196】
25μLの微量のH−R1881と25μLの化合物の溶液を先ず混合し、続いて、50μLの受容体溶液を添加する。反応混合物を穏やかに混合し、約200rpmで短時間回転させて、4℃で一晩インキュベートする。100μLの50%HAPスラリーを調製し、このインキュベートした反応混合物に添加し、次いで、これを渦攪拌して、5から10分間、氷上でインキュベートする。この反応混合物をさらに2回渦攪拌して、反応混合物をインキュベートしながらHAPを再び懸濁させる。次に、96ウエルフォーマットのサンプルを、FilterMate(商標)Universal Harvesterプレート洗浄装置(Packard)を使用して、洗浄バッファ中で洗浄する。この洗浄プロセスによって、リガンドに結合した発現受容体を含有するHAPペレットをUnifilter−96GF/Bフィルタプレート(Packard)に移す。このフィルタプレート上のHAPペレットを、50μLのMICROSCINT(Packard)シンチラントとともに30分間インキュベートした後、TopCountマイクロシンチレーションカウンタ(Packard)でカウントする。リファレンスとしてR1881を使用してIC50を計算する。
【0197】
実施例1から19にある化合物および表1に記載した化合物を上のアッセイで試験し、1マイクロモルまたはそれ以下のIC50値を有することが判明した。
【0198】
MMP1プロモータ抑制、一過性トランスフェクションアッセイ(TRAMPS)
HepG2細胞を、10%チャコール処理FCSを含有するフェノールレッド不含MEM中、37℃、5%COで培養する。トランスフェクションのために、細胞を96ウエル白色、透明底プレートに細胞数10,000/ウエルでプレーティングする。24時間後、FuGENE6トランスフェクション試薬を使用し、製造業者が推奨するプロトコルに従って、細胞をMMP1プロモータ−ルシフェラーゼレポータ構築物およびアカゲザル発現構築物(比率50:1)でコ・トランスフェクトする。このMMP1プロモータ−ルシフェラーゼレポータ構築物は、pGL2ルシフェラーゼレポータ構築物(Promega)へのヒトMMP1プロモータフラグメント(−179/+63)の挿入により生じさせ、アカゲザルAR発現構築物は、CMV−Tag2B発現ベクター(Stratagene)において生じさせる。細胞をさらに24時間培養し、次いで、100nMのホルボール−12−ミリステート−13−アセテート(PMA)(MMP1プロモータの基礎活性を増大させるために使用)の存在下、リガンドで処理する。この時点で、1000nMから0.03nMの範囲の化合物、10Xの濃度、10分の1量での10個の希釈物を添加する(例:10マイクロリットルの10Xリガンドを既にウエル内にある100マイクロリットルの培地に添加する)。細胞をもう48時間、さらに培養する。次に、細胞をPBSで2回洗浄し、70μLの溶解バッファ(1x、Promega)をウエルに添加することにより溶解する。このルシフェラーゼ活性を、1450 Mikrobeta Jet(Perkin Elmer)照度計を用いて96ウエルフォーマットで測定する。試験化合物の活性は、PMA誘発制御レベルからのルシフェラーゼシグナルの抑制として得られる。EC50値およびEmax値が報告される。本発明の組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータは、一般に、サブマイクロモルのEC50値および約50%より大きいEmax値で抑制を活性化する。
【0199】
Newberry EP,Willis D,Latifi T,Boudreaux JM,Towler DA,「線維芽細胞成長因子受容体のシグナリングは、二部構成Ets−AP1要素でヒト間質コラゲナーゼプロモータを活性化する(Fibroblast growth factor receptor signaling activates the human interstitial collagenase promoter via the bipartite Ets−APl element)」,Mol Endocrinol.11:1129−44(1997)およびSchneikert J,Peterziel H,Defossez PA,Klocker H,Launoit Y,Cato AC,「アンドロゲン受容体とEts蛋白の相互作用は、マトリックスメタロプロテイナーゼ発現のステロイドホルモン媒介下方調節の新規メカニズムである(Androgen receptor−Ets protein interaction is a novel mechanism for steroid hormone−mediated down−modulation of matrix metalloproteinase expression)」,J Biol Chem.271907−23913(1996)参照。
【0200】
アンドロゲン受容体のN末端およびC末端ドメインのリガンド誘導相互作用についての哺乳動物2−ハイブリッドアッセイ(作動薬モード)
このアッセイは、活性化されたアンドロゲン受容体によって媒介されるインビボでの男性化の潜在能力を反映する、rhARのN末端ドメイン(NTD)とC末端ドメイン(CTD)の間の相互作用を誘発するAR作動薬の能力を評価するものである。rhARのNTDとCTDの相互作用は、CV−1サル腎細胞における哺乳動物2−ハイブリッドアッセイの場合、Gal4DBD−rhARCTD融合蛋白とVP16−rhARNTD融合蛋白の間のリガンド誘導会合として定量される。
【0201】
トランスフェクションの前日、CV−1細胞をトリプシン処理して、カウントし、この後、96ウエルプレートまたはより大きなプレート(しかるべくスケールアップする)に、DMEM+10%FCS中、細胞数20,000/ウエルでプレーティングする。翌朝、LIPOFECTAMINE PLUS試薬(GIBCO−BRL)を使用し、この供給業者が推奨する手順に従って、CV−1細胞を、pCBB1(SV40初期プロモータのもとで発現されたGal4DBD−rhARLBD融合構築物)、pCBB2(SV40初期プロモータのもとで発現されたVp16−rhAR NTD融合構築物)およびpFR(Gal4応答性ルシフェラーゼ受容体、Promega)でコ・トランスフェクトする。簡単に言えば、0.05μgのpCBB1と0.05μgのpCBB2のDNA混合物および0.1ugのpFRを、「PLUS Reagent」(1.6μL、GIBCO−BRL)と混合した3.4uLのOPTI−MEM(GIBCO−BRL)中で混合し、室温(RT)で15分間インキュベートして、予め複合したDNAを作る。
【0202】
各ウエルにつき、0.4μLのLIPOFECTAMINE Reagent(GIBCO−BRL)を第二の試験管の中の4.6μLのOPTI−MEMに添加して希釈し、混合して希釈LIPOFETAMINE Reagentを作る。予め複合したDNA(上記)と希釈したLIPOFETAMINE Reagent(上記)を併せ、混合し、15分間、室温でインキュベートする。細胞上の培地を40μL/ウエルのOPTI−MEMで置換し、10μLのDNA−脂質複合体を各ウエルに添加する。これらの複合体を培地に穏やかに混ぜ入れ、37℃、5%COで5時間インキュベートする。インキュベーション後、200μL/ウエルのD−MEMおよび13%チャコール処理FCSを添加し、次いで、37℃、5%COでインキュベートする。24時間後、試験化合物を所望の濃度(複数を含む)(1nMから10μM)で添加する。48時間後、LUC−Screen system(TROPIX)を使用し、製造業者のプロトコルに従って、ルシフェラーゼ活性を測定する。このアッセイは、アッセイ溶液1、続いて、アッセイ溶液2を、各々50μL、順次添加することにより、ウエル内で直接行う。室温で40分間インキュベーションした後、2から5秒積分で発光を直接測定する。
【0203】
試験化合物の活性は、3nMのR1881で得られる活性を基準にしてEmaxとして計算する。本発明の典型的な組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータは、このアッセイにおいて弱い作動薬活性を示すか、作動薬活性を全く示さず、10マイクロモルで作動薬活性50%未満である。
【0204】
He B,Kemppainen JA,Voegel JJ,Gronemeyer H,Wilson EM,「ヒトアンドロゲン受容体リガンド結合ドメインにおける活性化機能は、NH(2)−末端ドメインとのドメイン間コミュニケーションを媒介する(Activation function In the human androgen receptor ligand binding domain mediates inter−domain communication with the NH (2)−terminal domain)」,J Biol Chem.274:37219−37225(1999)参照。
【0205】
アンドロゲン受容体のN末端ドメインとC末端ドメインの間の相互作用の阻害についての哺乳動物2−ハイブリッドアッセイ(拮抗薬モード)
このアッセイは、上で説明したようなCV−1細胞における哺乳動物2−ハイブリッドアッセイでのrhARのNTDとCTDの間の相互作用に対するR1881の刺激作用に拮抗する試験化合物の能力を評価するものである。
【0206】
トランスフェクションの48時間後、CV−1細胞を、典型的には10μM、3.3μM、1μM、0.33μM、100nM、33nM、10nM、3.3nMおよび1nMの最終濃度の試験化合物で処理する。37℃、5%COで10から30分間インキュベートした後、AR作動薬メチルトリエノロン(R1881)を0.3nMの最終濃度まで添加し、37℃でインキュベートする。48時間後、LUC−Screen system(TROPIX)を使用し、この製造業者が推奨するプロトコルに従って、ルシフェラーゼ活性を測定する。R1881の作用に拮抗する試験化合物の能力を、0.3nM R1881単独での値と比較した相対発光として計算する。
【0207】
アンドロゲン受容体の相互活性化モジュレーション(TAMAR)
このアッセイは、MDA−MB−453細胞(ヒトARを自然発現するヒト乳癌細胞系統)におけるMMTV−LUCレポーター遺伝子からの転写を制御する試験化合物の能力を評価するものである。このアッセイでは、修飾MMTV LTR/LUCレポーター遺伝子に結合しているプロモータの誘導を測定する。
【0208】
10%FBS、4mMのL−グルタミン、20mMのHEPES、10ug/mLのヒトインスリンおよび20ug/mLのゲンタマイシンを含有するフェノールレッド不含RPMI 1640から成る「指数増殖培地」中、細胞数20,000から30,000/ウエル/細胞を、白色、透明底96ウエルプレートにプレーティングする。インキュベータ条件は、37℃、5%COである。トランスフェクションは、バッチモードを行う。細胞をトリプシン処理し、適切な量の新鮮な培地中で適切な細胞数までカウントし、次いで、Fugene/DNAカクテルミックスと穏やかに混合し、96ウエルプレートにプレーティングする。200 Tlの培地+脂質/DNA複合体をすべてのウエルに加え、37℃で一晩インキュベートする。トランスフェクションカクテルは、無血清Optimem、Fugene6試薬およびDNAから成る。カクテルの準備についてはこの製造業者(Roche Biochemical)のプロトコルに従う。脂質(Tl)のDNAに対する比率は、約3:2であり、インキュベーション時間は、室温で20分である。トランスフェクションの16から24時間後、最終DMSO(ビヒクル)濃度が3%未満になるように試験化合物で細胞を処理する。細胞を試験化合物に48時間暴露する。48時間後、細胞をPromega細胞培養溶解バッファで30から60分間溶解し、次いで、抽出物のルシフェラーゼ活性を96ウエルフォーマットの照度計でアッセイする。
【0209】
試験化合物の活性は、100nMのR1881で得られる活性を基準にしたEmaxとして計算する。
【0210】
R.E.Hallら,「MDA−MB−453、アンドロゲン受容体を高度に発現しているアンドロゲン応答ヒト乳癌細胞系統(MDA−MB−453,an androgen−responsive human breast carcinoma cell line with high androgen receptor expression)」,Eur.J.Cancer,30A:484−490(1994)およびR.E.Hallら,「ヒト乳癌細胞におけるステロイドおよびレチノイン酸によるアンドロゲン受容体遺伝子発現の調節(Regulation of androgen receptor gene expression by steroids and retioic acid in human breast−cancer cells)」,Int.J.Cancer.,52:778−784(1992)参照。
【0211】
インビボ前立腺アッセイ
週齢9から10週、性的熟成の最低年齢、の雄のSprague−Dawleyラットを、予防モードで使用する。目的は、アンドロゲン様化合物が、睾丸の除去(睾丸摘除[ORX])後7日間の間に発生する腹側前立腺および精嚢の急速な衰退(〜−85%)を遅延させる程度を測定することである。
【0212】
ラットに睾丸摘除(ORX)を施す。各ラットを計量し、次いで、イソフルランガスにより麻酔し、この効果を維持する。1.5cmの前後方向切開をこの陰嚢に施す。右睾丸を肱置する。この睾丸より近位0.5cmで、精巣動脈および精管を4.0シルクで結紮する。この結紮部位より遠位を外科用小鋏で1回切断することにより、この睾丸を除去する。組織断端を陰嚢に戻す。同じ処理を左睾丸に対して繰り返す。両方の断端を精嚢の戻したら、精嚢およびこの上の皮膚を4.0シルクで縫合して閉じる。Sham−ORXについて、結紮および鋏切断を除くすべての手順を完了する。ラットは、10から15分以内に意識および全運動能を完全に回復する。
【0213】
外科的切開の縫合後、直ちに、試験化合物の用量を皮下または経口投与する。さらに6日続けて治療を継続する。
【0214】
剖検および終点
先ずラットを計量し、次いで、COチャンバー内でほぼ死亡するまで麻酔する。約5mLの全血を心臓穿刺によって得る。次に、ラットを一定の死徴およびORXの完璧さについて検査する。次に、前立腺の腹側部の位置を確認し、ごく型どおりのやり方で鈍的切開を施して除去する。この腹側前立腺を3から5秒間、吸い取り乾燥させ、次いで、計量する(VPW)。最後に、精嚢の位置を確認し、解剖して除去する。この側腹精嚢を3から5秒間吸い取り乾燥させ、次いで、計量する(SVWT)。
【0215】
このアッセイの一次データは、側腹前立腺および精嚢の重量である。二次データには、血清LH(黄体形成ホルモン)およびFSH(卵胞刺激ホルモン)、ならびに骨形成および男性化の推定血清マーカーが含まれる。ANOVA plus Fisher PLSD post−hoc試験によりデータを分析して、グループ間の差を特定する。ORXによって誘導されるVPWおよびSVWTの喪失を試験化合物が抑制する程度を評価する。
【0216】
インビボ骨形成アッセイ
月齢7から10ヶ月の雌のSprague−Dawleyラットを治療モードで使用して、成人女性をシミュレーションする。75から180日前にラットに卵巣摘出術(OVX)を施しておいて骨量減少を生じさせ、エストロゲン欠乏、オステオペニアの成人女性をシミュレートする。0日目、低用量の強力な吸収抑制薬、アレンドロネートでの前治療(0.0028mpk、皮下投与、週2回)を始める。15日目に試験化合物での治療を開始する。試験化合物治療は、15日目から31日目まで行い、32日目に剖検する。目的は、アンドロゲン様化合物が骨形成量を増加させる程度を測定することであり、これは、骨膜表面における蛍光色素標識の増加によって示される。
【0217】
典型的なアッセイでは、ラット各7匹の9グループを試験する。
【0218】
19日目および29日目(治療の5日目および15日目)に、カルセイン(8mg/kg)の皮下注射を1回、各ラットに施す。
【0219】
剖検および終点
先ずラットを計量し、次いで、COチャンバー内でほぼ死亡するまで麻酔する。約5mLの全血を心臓穿刺によって得る。次に、ラットを一定の死徴およびOVXの完璧さについて検査する。先ず、子宮の位置を確認し、ごく型どおりのやり方で鈍的切開を施して除去し、3から5秒間吸い取り乾燥させ、次いで、計量する(UW)。この子宮を10%中性緩衝ホルマリンに入れる。次に、右脚の股関節をはずす。大腿骨および頸骨を膝関節で切り離し、実質的に肉を取り、次いで、70%エタノールに入れる。
【0220】
大腿骨近位−遠位中間点を中心として中央右大腿骨の1cmセグメントをシンチレーションバイアルに入れて、脱水し、漸増アルコールおよびアセトン中で脱脂し、次いで、漸増濃度のメタクリル酸メチルを含有する溶液に導入する。90%メタクリル酸メチル:10%フタル酸ジブチルの混合物にこれを埋め込み、48から72時間にわたって重合させる。瓶を割り、このプラスチックブロックを、Leica 1600 Saw Microtomeの万力様標本ホルダーと横切断用に用意したこの骨の長軸が適便に合う形にトリミングする。85μm厚の断面3個を用意し、スライドガラスに載せる。各ラットから骨の中間点に近い切片1個を選択し、ブラインドコードする。各切片の骨膜表面を、全骨膜表面、単一蛍光色素標識、二重蛍光色素標識および標識間距離について評価する。
【0221】
このアッセイの一次データは、二重標識を有する骨膜表面の割合および石灰化速度(標識間距離(μm)/10日)、骨形成の半独立マーカーである。二次データには、子宮重量および組織学的特徴が含まれる。第三の終点には、骨形成および男性化の血清マーカーを挙げることができる。ANOVA plus Fisher PLSD post−hoc試験によりデータを分析して、グループ間の差を特定する。試験化合物が骨形成終点を増大させる程度を評価する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

(式中、
Xは、水素またはハロゲンであり;
Aは、C0−12アルキルであり;
は、水素、CF、カルボニルC1−3アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、C1−3アルキル、およびヒドロキシメチルであり、この場合、前記アルキルおよびアルコキシは、1から7個のフッ素原子で場合により置換されており;
およびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
1−8アルキル、
アミノC0−6アルキル、
1−6アルキルアミノC0−6アルキル、
(C1−6アルキル)アミノC0−6アルキル、
1−6アルコキシC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、
1−6アルコキシカルボニルC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC0−6アルキル、
シアノ、
過フルオロC1−4アルキル、
過フルオロC1−4アルコキシ、
0−6アルキルカルボニル、
1−6アルキルカルボニルオキシ、
1−6アルキルカルボニルアミノ、
1−6アルキルスルホニルアミノ、
1−6アルコキシカルボニルアミノ、
1−6アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、および
(C1−6アルキル)アミノカルボニルオキシ
から選択され、この場合、
およびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、場合によりスピロ−C3−6シクロアルキル基またはオキソ基を形成してもよく、ならびに
およびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
、R、RおよびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、
0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
カルボキシC0−10アルキルアミノ、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルコキシ、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
1−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、
1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、
1−10アルキルチオ、
1−10アルキルスルフィニル、
アリールC0−10アルキルスルフィニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、
1−10アルキルスルホニル、
アリールC0−10アルキルスルホニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され;この場合、
およびRは、これらが結合している炭素と一緒になって、5から7員で、環内にN、OおよびSから成る群より選択されるヘテロ原子を0、1、2、3または4個有する単環式非芳香族環構造を形成してもよく、ならびに
、R、RおよびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
は、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
(カルボニル)0−1アリールC1−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクリルアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、
0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
カルボキシC0−10アルキルアミノ、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルコキシ、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
1−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、
1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、
1−10アルキルチオ、
1−10アルキルスルフィニル、
アリールC0−10アルキルスルフィニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、
1−10アルキルスルホニル、
アリールC0−10アルキルスルホニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され、この場合、
は、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される1個またはそれ以上の基で場合により置換されている。)
の化合物この医薬適合性の塩または立体異性体。
【請求項2】
Xが、ハロゲンであり、Rが、1個から7個のフッ素原子で場合により置換されているC1−3アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
構造式II:
【化2】

(式中、
Xは、水素またはハロゲンであり;
Aは、C0−12アルキルであり;
およびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
1−8アルキル、
アミノC0−6アルキル、
1−6アルキルアミノC0−6アルキル、
(C1−6アルキル)アミノC0−6アルキル、
1−6アルコキシC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、
1−6アルコキシカルボニルC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC0−6アルキル、
シアノ、
過フルオロC1−4アルキル、
過フルオロC1−4アルコキシ、
0−6アルキルカルボニル、
1−6アルキルカルボニルオキシ、
1−6アルキルカルボニルアミノ、
1−6アルキルスルホニルアミノ、
1−6アルコキシカルボニルアミノ、
1−6アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、および
(C1−6アルキル)アミノカルボニルオキシ
から選択され、この場合、
およびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、場合によりスピロ−C3−6シクロアルキル基またはオキソ基を形成してもよく、ならびに
およびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
、RおよびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、
0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
カルボキシC0−10アルキルアミノ、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルコキシ、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
1−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、
1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、
1−10アルキルチオ、
1−10アルキルスルフィニル、
アリールC0−10アルキルスルフィニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、
1−10アルキルスルホニル、
アリールC0−10アルキルスルホニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され;この場合、
およびRは、これらが結合している炭素と一緒になって、5から7員で、環内にN、OおよびSから成る群より選択されるヘテロ原子を0、1、2、3または4個有する単環式非芳香族環構造を形成してもよく、ならびに
、RおよびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
は、水素;ハロゲン;少なくとも1個のRで場合により置換されているC1−10アルキルから選択され;
は、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
1−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され、この場合、
は、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される1個またはそれ以上の基で場合により置換されているが;但し、
およびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、単環式または二環式環構造を形成するときには、Aは、C2−12アルキルから選択されることを条件とする。)
の化合物この医薬適合性の塩または立体異性体。
【請求項4】
Xが、ハロゲンであり、Aが、C1−3アルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、水素である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が、水素である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
構造式III:
【化3】

(式中、
Aは、C1−12アルキルであり;
【化4】

は、5から7員で、環内にN、OおよびSから成る群より選択されるヘテロ原子を0、1、2、3または4個有する単環式非芳香族環構造であり、この場合の単環式非芳香族環構造は、1個またはそれ以上の置換基、Rで場合により置換されており;
およびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
1−8アルキル、
アミノC0−6アルキル、
1−6アルキルアミノC0−6アルキル、
(C1−6アルキル)アミノC0−6アルキル、
1−6アルコキシC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、
1−6アルコキシカルボニルC0−6アルキル、
ヒドロキシカルボニルC1−6アルキルオキシ、
ヒドロキシC0−6アルキル、
シアノ、
過フルオロC1−4アルキル、
過フルオロC1−4アルコキシ、
0−6アルキルカルボニル、
1−6アルキルカルボニルオキシ、
1−6アルキルカルボニルアミノ、
1−6アルキルスルホニルアミノ、
1−6アルコキシカルボニルアミノ、
1−6アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、および
(C1−6アルキル)アミノカルボニルオキシ
から選択され、この場合、
およびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、場合によりスピロ−C3−6シクロアルキル基またはオキソ基を形成してもよく、ならびに
およびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
およびRは、各々独立して、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、
0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
カルボキシC0−10アルキルアミノ、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルコキシ、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
1−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、
1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、
1−10アルキルチオ、
1−10アルキルスルフィニル、
アリールC0−10アルキルスルフィニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、
1−10アルキルスルホニル、
アリールC0−10アルキルスルホニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され;
およびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
は、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
(カルボニル)0−12−10アルキニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキルアミノカルボニル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、
0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
0−10アルキルカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
0−10アルコキシカルボニルアミノ(C0−10アルキル)、
カルボキシC0−10アルキルアミノ、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルコキシ、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
1−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、
1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8ヘテロシクリルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、
1−10アルキルチオ、
1−10アルキルスルフィニル、
アリールC0−10アルキルスルフィニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルフィニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、
1−10アルキルスルホニル、
アリールC0−10アルキルスルホニル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルスルホニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され、この場合、
は、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される1個またはそれ以上の基で場合により置換されている。)
の、請求項1に記載の化合物、この医薬適合性の塩または立体異性体。
【請求項8】
【化5】

が、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘキサジエニル、シクロペンタジエニル、ジオキシドテトラヒドロチエニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ピロリニル、オキサジニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロ−2H−ピラニルから選択され、この場合、
【化6】

は、1個またはそれ以上のRで場合により置換されており;
およびRが、各々独立して、
水素、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
3−8ヘテロシクリルアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
ヒドロキシC0−10アルキル、および
過フルオロC1−6アルキル
から選択され、この場合、
およびRは、各々独立して、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
が、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
1−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され、この場合、
は、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される1個またはそれ以上の基で場合により置換されている、
請求項7に記載の、式IIIの化合物、またはこの医薬適合性の塩もしくは立体異性体。
【請求項9】
Aが、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される少なくとも1個の基で場合により置換されているC1−4アルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
【化7】

が、ジオキシドテトラヒドロチエニル、モルホリニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロ−2H−ピラニルから選択され、この場合、
【化8】

は、1個またはそれ以上のRで場合により置換されており;
が、
水素、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
カルボキシC0−10アルキル、
カルボキシC3−8シクロアルキル、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
ヒドロキシC0−10アルキル、および
過フルオロC1−6アルキル
から選択され、この場合、
は、少なくとも1個のRで場合により置換されており;
が、
水素、
ハロゲン、
(カルボニル)0−11−10アルキル、
(カルボニル)0−12−10アルケニル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1
1−4アシルアミノC0−10アルキル、
0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、
3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
3−8ヘテロシクリルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニル、
1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、
1−10アルキルオキシC0−10アルキル、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、
(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、
ヒドロキシC0−10アルキル、
1−10アルキルスルホニル、
1−10アルキルスルホニルアミノ、
アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8ヘテロシクリルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、
シアノ、
ニトロ、
過フルオロC1−6アルキル、および
過フルオロC1−6アルコキシ
から選択され、この場合、
は、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(C1−10)過フルオロアルキルおよびNHから選択される1個またはそれ以上の基で場合により置換されている、
請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
Xが、フッ素である、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N,N−[N,N−ジメチルグリシンアミジル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[2−(ジメチルアミノ)エチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−t−ブチル−カルボキシリル)ピペリジン−4−イル)メチル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(2−メトキシエチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−t−ブチル−カルボキシリル)ピペリジン−3−イル)メチル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−t−ブチル−カルボキシ)ピペリジン−4−イル)]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−エチル)ピペリジン−3−イル)]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−2−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(2−ヒドロキシメチルグリシンアミジル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(グリシンアミジル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(エチル−4,4,4−トリフルオロブタン−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(ピペリジン−4−イル)]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(4,4,4−トリフルオロブタノキシ−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(4,4,4−トリフルオロ−N,N−ブタナミド−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(グアニジニル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド
から選択される化合物、ならびにこの医薬適合性の塩および立体異性体。
【請求項13】
N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N,N−[N,N−ジメチルグリシンアミジル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[2−(ジメチルアミノ)エチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(2−メトキシエチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
から選択される、請求項12に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および立体異性体。
【請求項14】
N−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−t−ブチル−カルボキシリル)ピペリジン−4−イル)メチル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
N−[(1−t−ブチル−カルボキシリル)ピペリジン−3−イル)メチル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド;
から選択される、請求項12に記載の化合物ならびにこの医薬適合性の塩および立体異性体。
【請求項15】
筋緊張減弱、骨粗しょう症、オステオペニア、グルココルチコイド誘発性骨粗しょう症、歯周病、骨折、骨形成術後の骨損傷、筋肉減少症、脆弱化、皮膚老化、男性性腺機能低下症、女性の閉経後の症状、アテローム硬化症、高コレステロール血症、高脂血症、肥満、再生不良性貧血および他の造血性疾患、関節炎性状態および関節修復、HIV性るいそう、前立腺癌、癌性悪液質、筋ジストロフィ、アルツハイマー病、認知機能低下、性機能不全、睡眠無呼吸症、良性前立腺肥大症、うつ病、早発性卵巣機能不全および自己免疫疾患から選択される状態を治療または予防するための医薬品の調製における、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはこの医薬適合性の塩もしくは立体異性体の使用。
【請求項16】
前記状態が、骨粗しょう症である、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記状態が、関節炎性状態である、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
前記関節炎性状態が、関節リウマチおよび変形性関節症から選択される、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはこの医薬適合性の塩もしくは立体異性体および医薬適合性の担体を含む医薬組成物。
【請求項20】
1)単独のまたはプロゲスチンもしくはプロゲスチン誘導体と併用での、エストロゲンまたはエストロゲン誘導体、
2)ビスホスホネート、
3)抗エストロゲン薬または選択的エストロゲン受容体モジュレータ、
4)αvβ3インテグリン受容体拮抗薬、
5)カテプシンK阻害剤、
6)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、
7)破骨細胞液胞性APTアーゼ阻害剤、
8)破骨細胞受容体へのVEGF結合の拮抗薬、
9)ペルオキソーム増殖剤応答性受容体γのアクチベータ、
10)カルシトニン、
11)カルシウム受容体拮抗薬、
12)副甲状腺ホルモンまたはこの類似体、
13)成長ホルモン分泌促進薬、
14)ヒト成長ホルモン、
15)インスリン様成長因子、
16)p−38プロテインキナーゼ阻害剤、
17)骨形態形成蛋白質、
18)BMP拮抗薬の阻害剤、
19)プロスタグランジン誘導体、
20)ビタミンDまたはビタミンD誘導体、
21)ビタミンKまたはビタミンK誘導体、
22)イプリフラボン、
23)フッ化物塩、
24)カルシウム栄養補助食品、および
25)オステオプロテゲリン
から選択される活性成分をさらに含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
1)単独のまたはプロゲスチンもしくはプロゲスチン誘導体と併用でのエストロゲンまたはエストロゲン誘導体が、抱合エストロゲン、ウマエストロゲン、17β−エストラジオール、エストロン、17β−エチニルエストラジオール、ならびに17β−エチニルエストラジオールと酢酸ノルエチンドロンおよび酢酸メドロキシプロゲステロンから選択される少なくとも1つの物質から選択され;
2)ビスホスホネートが、アレンドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、ピリドロネート、リセドロネート、チルドロネートおよびゾレドロネートから選択され;
3)抗エストロゲン薬または選択的エストロゲン受容体モジュレータが、ラロキシフェン、クロミフェン、ズクロミフェン、エンクロミフェン、ナホキシデン、CI−680、CI−628、CN−55、945−27、Mer−25、U−11、555A、U−100A、タモキシフェン、ラソホキシフェン、トレミフェン、アゾルキシフェン、EM−800、EM−652、TSE424、ドロロキシフェン、イドキシフェン、およびレボルメロキシフェンから選択され;
4)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、ロバスタチン、シンバスタチン、ジヒドロキシ開環型酸形シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチンおよびニスバスタチンから選択され;
5)カルシトニンが、鼻腔スプレー剤として投与されるサケカルシトニンであり;
6)骨形態形成蛋白質が、BMP2、BMP3、BMP5、BMP6、BMP7、TGFベータおよびGDF5から選択され;
7)インスリン様成長因子が、単独のまたはIGF結合蛋白3と併用での、IGF IおよびIGF IIから選択され;
8)プロスタグランジン誘導体が、プロスタグランジン受容体EP、EP、EP、FPおよびIPの作動薬から選択され;
9)線維芽細胞成長因子が、aFGFおよびbFGFから選択され;
10)副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH類似体が、PTH皮下注射剤、ヒトPTH(1−84)、ヒトPTH(1−34)および他の部分配列(天然のものまたは置換を有するもの)から選択され;
11)ビタミンDまたはビタミンD誘導体が、天然ビタミンD、25−OH−ビタミンD3、1α,25(OH)ビタミンD3、1α−OH−ビタミンD3、1α−OH−ビタミンD2、ジヒドロタキステロール、26,27−F6−1α,25(OH)ビタミンD3、19−ノル−1α,25(OH)ビタミンD3、22−オキサカルシトリオール、カルシポトリオール、1α,25(OH)−16−エン−23−イン−ビタミンD3(Ro23−7553)、EB1089、20−エピ−1α,25(OH)ビタミンD3、KH1060、ED71、1α,24(S)−(OH)ビタミンD3、および1α,24(R)−(OH)ビタミンD3から選択され;
12)カルシウム栄養補助食品が、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウムおよび天然カルシウム塩から選択され;
13)フッ化物塩が、フッ化ナトリウムおよびフルオロリン酸一カルシウム(MFP)から選択される、
およびこれらの医薬適合性の塩または立体異性体の場合の、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記物質が、
1)単独のまたはプロゲスチンもしくはプロゲスチン誘導体と併用での、エストロゲンまたはエストロゲン誘導体、
2)ビスホスホネート、
3)抗エストロゲン薬または選択的エストロゲン受容体モジュレータ、
4)αvβ3インテグリン受容体拮抗薬、
5)カテプシンK阻害剤、
6)破骨細胞液胞性APTアーゼ阻害剤、
7)カルシトニン、
8)オステオプロテゲリン、および
9)副甲状腺ホルモンまたはこの類似体
から選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記ビスホスホネートが、アレンドロン酸一ナトリウム・三水和物またはアレンドロン酸一ナトリウム・一水和物である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはこの塩もしくは立体異性体と医薬適合性の担体を併せることを含む、医薬組成物を製造するための方法。

【公表番号】特表2007−522087(P2007−522087A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518684(P2006−518684)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020508
【国際公開番号】WO2005/009949
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】