説明

アース・ソーラーシステム(地下室対応型)

【課題】石油、ガス、電気等の人口エネルギーの浪費を抑え、太陽熱や地中の地熱を有効に活用して住宅の室温調節を行うための、エネルギーコストが低く構造が簡単な冷暖房装置を提供する。
【解決手段】地下室6に温水蓄熱槽14を設置した温水蓄熱槽空間35を構築し、冬期には太陽熱温水器2で温められたお湯を風呂26で利用した後、地下室内の温水蓄熱槽空間に設置した温水蓄熱槽に溜湯し、地下室内の温水蓄熱槽空間を暖めると共に、地中熱により温め(冷され)た温水蓄熱槽空間の空気と、地下室内の空気を混ぜ合わせ、その地下室内の空気を各居室に供給して各居室の弱暖房運転を行うと共に、夏期には温水蓄熱槽に風呂の残り湯を供給せず、全熱交換型換気扇4から温水蓄熱槽空間に送り込まれた外気を地下室に供給し、地中熱により冷やされた地下室内の空気と混ぜ合わされた後、地下室からダクトを経由して各階の居室に送り込み室温調整を行うように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全熱交換型換気扇と、地下室の一部の空間を仕切り、温水蓄熱槽を設置した温水蓄熱槽空間を構築し、冬期には、太陽熱温水器で温められたお湯を風呂で利用した後、地下室内の温水蓄熱槽空間に設置した温水蓄熱槽に溜湯し、地下室内の温水蓄熱槽空間を暖めると共に、何れかの階層の全熱交換型換気扇から温水蓄熱槽空間に送り込まれた外気を、温水蓄熱槽空間に設けられたガラリより地下室に供給し、地下室内の弱温風の空気と混ぜ合わされ、その地下室内の空気をダクトを通じて各室に供給して弱温風運転を行うと共に、夏期には、温水蓄熱槽に風呂の残り湯を供給せず、全熱交換型換気扇から温水蓄熱槽空間に送り込まれた外気を、温水蓄熱槽空間に設けられたガラリより地下室に供給し、地中熱により冷やされた地下室内の空気と混ぜ合わされた後、地下室内の空気をダクトを通して各室に供給して弱冷風運転を行うための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、小規模な住宅における室温調整は、夏期にはクーラーを使用し、冬期には電気、ガス、石油等のエネルギーを利用して冷暖房を行って来たが、近年では地球温暖化防止の観点から、エネルギー消費に伴うCO2排出量の削減が急務となり、エネルギー消費量の削減や、さらに自然エネルギーへの代替が早急に望まれている。
【0003】
これに伴い、自然エネルギーの利用手段として、現在、一般的に普及しているものは、太陽エネルギーを利用した、太陽熱温水器(熱効率50〜60%)と太陽光発電(変換効率10〜15%)があるが、いずれも、太陽エネルギーだけを利用する省エネ技術は天候に左右され易く、不安定な点から単独では利用が出来ず、他のエネルギーと兼用して利用されて来たため、なお一層の改良が求められている。
【0004】
これに対して、地下4〜5mの地中は、年間を通じて安定した温度を保つことから、夏期は外気と比べて低温となり、冬期は外気と比べて暖温となる。そのため、従来からこのような地中熱を利用した設備は、大型の建物や公共設備等で実験的に施工されているが、その利用方法は、冬の間に自然界で出来た氷を保存しておき、その氷を夏期に地下に設けた蓄熱槽に移して冷水を作り、その冷水を各室に循環させて冷房を行うことが一般的であり、大掛かりな工事が必要となり、しかも、定期的に蓄熱層に氷を補充しなければならず、小規模な住宅用としては不向きであった。
【0005】
さらに、地中熱を利用したヒートポンプ方式で、家庭内の給湯と、室内の冷暖房を行う方法も行われているが、水平ループ方式(地中に深さ1〜2mの堀を堀り、そこに採熱用パイプを這わせて埋設する)では、建て坪100mの住宅の熱源を得るために400〜600mの採熱用パイプを埋設することが必要であり、又、垂直ループ方式(地中に深さ50〜100mの井戸を堀り、そこに採熱用パイプを埋設する)では2本の井戸が必要となり、一般住宅用で300〜500万円の費用を要すると共に、ヒートポンプの稼動コスト(電気代)が、深夜電力を利用した電気温水器の約75%かかるといった問題があった。
【0006】
また、平成15年7月に建築基準法が改正され、「シックハウス対策」として、居室の24時間換気(1時間で居室体積の0.5回分を換気させる事)が義務づけられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
そこで、本出願人は、特許文献1に記載された、建築基準法に対応できる「アース・ソーラーシステム(二層式)」を発明し出願した。この発明によれば、貯水タンクと、貯温水タンクの2つのタンクを地中に埋設し、その双方のタンク内に、外気取入口から各室の24時間給気パイプに連通する熱交換パイプを配管し、貯水タンクを雨水又は地下水又は水道水で満たすと共に、貯温水タンクは太陽熱温水器からの温水で満たし、前記、熱交換パイプに設けた開閉バルブを操作する事により、夏期においては、冬期の冷たい外気で冷やしておいた貯水タンク内の冷水を利用して、外気を貯水タンク内の熱交換パイプを経由させ、暑い外気を冷やして各室に送り込むため、効率よく冷風運転を行うことが出来る。また、冬期においては、夏期の暑い外気で温めておいた貯水タンクの弱温水に冷たい外気を熱交換バイプを経由して暖めると共に、さらに太陽熱温水器を利用した、貯温水タンク内の温水中の熱交換パイプを経由するため、各室に温風を送り込むことが可能となる。
【特許文献1】特願2007‐42895
【0008】
しかしながら、本出願人の出願した特許においては、貯水タンクと貯温水タンクの2つのタンクを必要としたため、配管が複雑になり、開閉バルブの数も増え、高価格になると共に、施工するための工期も長く必要であった。
【0009】
そこで、本出願人は、特許文献2に記載された、「アース・ソーラーシステム(一層式)」を発明し出願した。この発明によれば、建物の下部の地中に、建物の基礎部と一体に構成されたコンクリート製タンクを構築し、コンクリート製タンク内に熱交換パイプを配管し、コンクリート製タンク内を雨水、又は水道水、又は地下水で満たし、全熱交換型換気扇からの供給空気をコンクリート製タンク内の熱交換パイプに導き、夏期は、全熱交換型換気扇からの供給空気を、地中熱で冷やされたコンクリート製タンク内の水と、熱交換パイプとの間で熱交換して冷やした後、給気パイプを経由して各階に給気し、冬期は、太陽熱温水器からの温水を、コンクリート製タンク内に循環させて、コンクリート製タンク内を温水状態とし、全熱交換型換気扇からの供給空気を、コンクリート製タンク内の熱交換パイプに導き、コンクリート製タンク内の温水と、熱交換パイプとの間で熱交換して暖めた後、給気パイプを経由して各階に給気した事により、各室に温風を送り込むことが可能となる。
【特許文献2】特願2008‐134783
【0010】
しかしながら、本出願人の出願した特許文献2の発明においても、コンクリート製タンクを必要としたため、高価格になると共に、施工するための工期も長く必要であった。
【0011】
そこで、本出願人は、特許文献3に記載された、「アース・ソーラーシステム(地中熱回収パイプ方式)」を発明して出願した。この発明によれば、建物の基礎部に外部との通気口を設置せず、1階床下内部の空気を外気と遮断して密封状態とし、建物の室内に取付けた全熱交換型換気扇が室内側に供給する新鮮な外気を、建物の1階床下内部に送り込むと共に、1階床下の基礎底盤に下部をU字形に成形した複数の地中熱回収パイプを、両端を基礎底盤より1階床下部に突き出すように地中に埋設し、地中熱回収パイプの一端には送風機を取付け、その送風機を作動させる事により1階床下内部の空気が地中熱回収パイプに吸い込まれ、その地中熱回収パイプに吸い込まれた空気は、冬期は地中熱により地中熱回収パイプの中で暖められると共に、さらに、1階床下部に設けた温水蓄熱槽に太陽熱温水器で温めた温水を循環させて1階床下内部の空気を暖め、また、夏期は1階床下部に設けた温水蓄熱槽に太陽熱温水器からの温水を循環させず、地中熱により地中熱回収パイプの中で冷やされた空気が1階床下内部に供給され、その1階床下の空気をダクトを通して各階の天井内部に供給し、天井内部に供給された空気を各室天井に設けたガラリより室内に供給した事により、冬期には弱暖房された暖かい空気を各室に供給すると共に、夏期には弱冷風された涼しい空気を各室に送り込むことが可能となった。
【特許文献3】特願2009‐158863
【0012】
しかしながら、本出願人の出願した特許文献3の発明においても、雨や曇りの日が続いた場合、太陽熱温水器のお湯の温度が上がらず、雨や曇りの日と、晴天の日の温度差が大きいといった問題が発生した。さらに、地下室付の住宅に対しては、1階床下部に設置する温水蓄熱槽のスペースの問題や、地中熱回収パイプを設置する場所の問題等、多数の問題が生じ、特許文献3のアース・ソーラーシステム(地中熱回収パイプ方式)を地下室付の住宅に対応させる事は事実上不可能であった。
【0013】
また、従来より地中熱交換機を利用した建物の空調換気システムとして知られている、特許文献4に記載したジオパワーシステムの場合は、冬期において、地中熱だけでは暖房効果(地下5mでも地中温度は約18度前後だから、外気を地中熱により暖めても、それ以下の温度にしかならない)が低く、さらに価格が高く、一般住宅に施工する場合はコストの面で問題があった。
【特許文献4】特開2007‐303693
【0014】
さらに、太陽エネルギーを利用するソーラーシステムとして知られている、特許文献5に記載したOMソーラーの場合、雨や曇りの日が続いた場合には暖房効果が下がるため補助暖房装置が必要になるといった問題と、さらに、夏期においては冷風運転が出来ないといった欠点があった。
【特許文献5】特開平08‐005161
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、このような、従来の欠点に鑑みて、自然との調和を図る事を目的とし、石油、ガス、電気等の人工エネルギーの浪費を抑え、太陽熱や、風呂の温かい残り湯や、地中の地熱を有効に利用して、住宅の室温調整を行うものであり、エネルギーコストが低く、構造が簡単な冷暖房装置を提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本出願人の出願した特許文献1、特許文献2、特許文献3による発明では、上記のような問題が発生したため、当社では、新たに、冬期において、風呂の残り湯を、地下室の温水蓄熱槽空間に設置された温水蓄熱槽に流して温水蓄熱槽に温かい風呂の残り湯を溜湯させた装置を発明すると同時に、新製品の発売に踏み切る事とした。
【0017】
かかる課題を解決するため、建物の、各階の室内に取付けた全熱交換型換気扇が室内側に供給する新鮮な外気の、何れかの階層からの外気を地下室に送り込むと共に、地下室の一部の空間を仕切り、温水蓄熱槽を設置した温水蓄熱槽空間を構築し、冬期には、その温水蓄熱槽に太陽熱温水器で温められた温水を風呂で使用した後、温かい風呂の残り湯を温水蓄熱槽の中に流して溜湯させる事により温水蓄熱槽空間の空気が暖められると共に、このようにして暖められた温水蓄熱槽空間に、別の階層の全熱交換型換気扇から室内側に供給される新鮮な外気を送り込む事により、その温水蓄熱槽空間に送り込まれた外気は、風呂の残り湯が溜湯された温かい温水蓄熱槽空間により暖められ、暖められた外気は温水蓄熱槽空間に設けられたガラリより地下室に供給され、地中熱により暖められた地下室内の空気と混ぜ合わされた後、各階天井内部に設けられたダクトの送風機を作動させる事により、地下室からダクトを経由して各階の天井内部に送られ、天井に設けたガラリより室内に供給されて室内を暖めると共に、夏期においては、温水蓄熱槽に風呂の残り湯を供給せず、全熱交換型換気扇から温水蓄熱槽空間に送り込まれた外気を、温水蓄熱槽空間に設けられたガラリより地下室に供給し、地中熱により冷やされた地下室内の空気と混ぜ合わされた後、各階天井内部に設けられたダクトの送風機を作動させる事により、地下室からダクトを経由して各階の天井内部に送られ、天井に設けたガラリより室内に供給されて各室を冷やした事を特徴とする。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、地下室内の天井下の天井梁に囲まれた空間に温水蓄熱槽を配置した温水蓄熱槽空間を設置した事を特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明は、地下室内の置き床や、壁面に対して二重壁やボードを施行せず、地下室の床と壁のコンクリートを介して地中熱を地下室に取り込む事を特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、冬期においては、太陽熱温水器からのお湯をお風呂で利用した後、地下室の一部の空間に設けられた温水蓄熱槽空間の中の温水蓄熱槽に流して溜湯したため、雨や曇りが続いた場合においても、温水蓄熱槽空間を暖かく保つ事が可能となり、これまで排水溝に流していた温かい風呂の残り湯のエネルギーを再利用する事が可能となり、CO2の削減と省エネに貢献する事が出来るようになった。さらに、全熱交換型換気扇から室内側に供給される外気を、建物の階層別に、地下室と温水蓄熱槽空間の、それぞれに送り込み、地中熱により暖められた地下室内の全熱交換型換気扇からの空気と、温水蓄熱槽空間の中の温水蓄熱槽により暖められた弱温風が、地下室内で混ぜ合わされて各居室に供給される事により、地下室全体を地中熱を回収するための蓄熱層空間として利用する事が可能となり、安価で簡単な設備で、お風呂の残り湯の熱と地中熱を回収して利用する事が可能となった。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、地下室内の天井下の天井梁に囲まれた空間に温水蓄熱槽を配置した温水蓄熱槽空間を設置した事により、温水蓄熱槽空間の下部も居室として利用可能となり、地下室空間を有効に利用する事が可能となった。さらに、地下室内の天井下の天井梁に囲まれた空間に温水蓄熱槽を配置したため、温水蓄熱槽からの排水もポンプアップせずに直接排水溝に流す事が出来るようになり、排水をポンプアップするための装置も不要となり、工期も短縮して安価に製作する事が可能となった。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、地下室内の置き床や、壁面に対して二重壁やボードを施行せず、地下室の床面はCFシートを施工し、壁面はコンクリートに直接壁紙仕上げとしたため、地下室の床と壁のコンクリートを介して地中熱を、直接地下室に取り込む事が可能となったため、これまでのように地下室を冬期に暖かく、夏期に涼しい居室として利用するだけではなく、地下室を建物全体の温度調整槽として有効利用する事が可能となった。
【実施例1】
【0023】
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0024】
図1及至図6には、この発明の実施の形態を示す。
【0025】
図1は、本発明の太陽熱温水器と温水蓄熱槽と全熱交換型換気扇を利用した、地下室付住宅の分解解説図である。以下に、太陽熱と地中熱を利用した冷暖房システムを説明する。
【0026】
図1は、本発明のアース・ソーラーシステム(地下室対応型)を分かり易く説明するため、アース・ソーラーシステム(地下室対応型)を組み込んだ地下室付住宅1を分解解説図で示したものである。屋根3の上に太陽熱温水器2を設置すると共に、地下室内部18には仕切壁24で囲われた温水蓄熱槽空間35を構築し、温水蓄熱槽空間35には温水蓄熱槽14が設置され、この温水蓄熱槽14には風呂26の残り湯を供給するための残り湯パイプ31が配管され、さらに、その温水蓄熱槽空間35には、何れかの階層に設置された全熱交換型換気扇4からの外気(室外側吸込空気)を外気導入ダクト30を経由して送り込むと共に、温水蓄熱槽空間35に送り込まれた外気(室外側吸込空気)はガラリ15から矢印22方向に送られ、地下室内部18に供給される。さらに、地下室内部18に対しても、別の階層に設置された全熱交換型換気扇5からの外気(室外側吸込空気)を外気導入ダクト27を経由して送り込む。このようにして地下室内部18に送り込まれた、全熱交換型換気扇4、全熱交換型換気扇5からの外気(室外側吸込空気)はダクトスペース9に設けられたガラリ10から吸い込まれて給気ダクト8を経由して各居室に供給される。
【0027】
このように構成されたアース・ソーラーシステム(地下室対応型)は、太陽熱温水器2で温められた温水が温水パイプ28を経由して風呂26に給湯され、さらに、風呂26で利用された後の温かい残り湯は、風呂26に備え付けられた残り湯パイプ31用の風呂に設置された排水栓(図示せず)を抜く事により、残り湯パイプ31を経由して温水蓄熱槽14に流され溜湯される。
【0028】
以上のような構成において、図2により夏期における各室の冷風運転について説明する。
【0029】
最初に、全熱交換型換気扇65から室内側に供給される外気(室外側吸込空気)を地下室内Aに給気する方法について説明する。1階室内Bの室内側吐出空気(よごれた室内空気)は、全熱交換型換気扇65に吸い込まれて室外に排気される。その際、全熱交換型換気扇65が排気する室内の空気(室内側吐出空気)と、室内に給気する外気(室外側吸込空気)とが全熱交換型換気扇65の中で熱交換されると共に、吸い込んだ室外側吸込空気(新鮮な空気)は全て外気導入ダクト66を経由して地下室内Aに導かれる。同様にして、2階室内Cの室内側吐出空気(よごれた室内空気)は、全熱交換型換気扇103に吸い込まれて室外に排気される。その際、全熱交換型換気扇103が排気する室内の空気(室内側吐出空気)と、室内に給気する外気(室外側吸込空気)とが全熱交換型換気扇103の中で熱交換されると共に、吸い込んだ室外側吸込空気(新鮮な空気)は全て外気導入ダクト95を経由して温水蓄熱槽空間77に導かれる。さらに、3階室内Dの室内側吐出空気(よごれた室内空気)は、全熱交換型換気扇106に吸い込まれて室外に排気される。その際、全熱交換型換気扇106が排気する室内の空気(室内側吐出空気)と、室内に給気する外気(室外側吸込空気)とが全熱交換型換気扇106の中で熱交換されると共に、吸い込んだ室外側吸込空気(新鮮な空気)は全て外気導入ダクト99を経由して温水蓄熱槽空間77に導かれる。
【0030】
このようにして、全熱交換型換気扇65、全熱交換型換気扇103、全熱交換型換気扇106を使用する事により、夏期における涼しい室内の空気を、外の暑い外気と入れ替える(換気する)際に、室内温度の上昇を最小限に抑える事が可能となる。
【0031】
続いて、このようにして地下室内Aに導入された全熱交換型換気扇65からの外気(室外側吸込空気)が、どのようにして地下室内Aで弱冷風になるかを説明する。当社で施工する地下室は、地下室の床面と天井スラブの高さを、標準仕様では2.8メートルとしているため、標準的な地下室を施工する場合、地下室が地表面から立ち上がっている部分を差引くと、地表面から耐圧盤(当社の場合は耐圧盤の厚さは約300cm)の下面までの深さは、概ね2.8メートルとなる。ちなみに、東京都足立区の、当社ショールーム(地下室付)では、毎日、地中深さ1メートル、3メートル、5メートルの3箇所の地中温度を測定しているが、その測定結果によると地中3メートルの温度は、4月に最低温度の14.7℃となり、10月に最高温度の20.6℃となる。外気の最低気温(2月頃)に対して地中の最低温度が4月にずれ込むのは、地表面の温度が地中に浸透するのに時間がかかるためです。夏期の場合も同様です。ちなみに、東京都台東区の、当社ショールーム(地下室付)の、8月の地中3メートルの温度は約19℃である。このように、夏の外気温度に対して夏の地中3メートルの温度は低いため、地下室の冷えた躯体コンクリートにより地下室内Aの空気も冷やされる。このため、全熱交換型換気扇65から外気導入ダクト66を経由して地下室に供給された外気(室外側吸込空気)は、地下室内Aの空気と混ぜ合わされ弱冷風となる。同様に、全熱交換型換気扇103、106から外気導入ダクト95、99を経由して温水蓄熱槽空間77に供給された外気(室外側吸込空気)は、ガラリ72から矢印75方向の地下室内Aに供給され地下室内Aの空気と混ぜ合わされ弱冷風となる。
【0032】
このように地下室内Aで冷やされた外気(室外側吸込空気)は、送風機47を作動させる事によりダクト吸込口73から矢印71方向に吸い込まれ、給気ダクト50を経由して3階天井裏100に供給され、ガラリ49、ガラリ102より3階室内Dに給気されて3階室内Dを冷やす。同様にして、送風機54を作動させる事により、地下室内Aで冷やされた外気(室外側吸込空気)は、ダクト吸込口73から矢印71方向に吸い込まれ、給気ダクト55を経由して2階天井裏97に供給され、ガラリ53、ガラリ98より2階室内Cに給気されて2階室内Cを冷やす。同様にして、送風機59を作動させる事により、地下室内Aで冷やされた外気(室外側吸込空気)は、ダクト吸込口73から矢印71方向に吸い込まれ、給気ダクト61を経由して1階天井裏93に供給され、ガラリ58、ガラリ94より1階室内Bに給気されて1階室内Bを冷やす。
【0033】
なお、夏期においては、温水蓄熱槽空間77に設置した温水蓄熱槽76には風呂の残り湯を供給せず、夏期においては温水蓄熱槽76は利用しない。
【0034】
続いて、図3で示す、冬期における各室の弱温風運転について説明する。
【0035】
最初に、全熱交換型換気扇65から室内側に供給される外気(室外側吸込空気)を地下室内Aに給気する方法について説明する。1階室内Bの室内側吐出空気(よごれた室内空気)は、全熱交換型換気扇65に吸い込まれて室外に排気される。その際、全熱交換型換気扇65が排気する室内の空気(室内側吐出空気)と、室内に給気する外気(室外側吸込空気)とが全熱交換型換気扇65の中で熱交換されると共に、吸い込んだ室外側吸込空気(新鮮な空気)は全て外気導入ダクト66を経由して地下室内Aに導かれる。
【0036】
このようにして地下室内Aに供給された外気(室外側吸込空気)は、前記、東京都足立区の、当社ショールーム(地下室付)で説明したように、当社ショールーム(地下室付)の2月の地中3メートルの温度は約16℃で、外気に比べて暖かいため、地下室の躯体コンクリートが温められると共に、地下室内Aの空気も温められる。このため、全熱交換型換気扇65から外気導入ダクト66を経由して地下室に供給された外気(室外側吸込空気)は、地下室内Aの空気と混ぜ合わされ弱温風となる。
【0037】
さらに、2階室内Cの室内側吐出空気(よごれた室内空気)は、全熱交換型換気扇103に吸い込まれて室外に排気される。その際、全熱交換型換気扇103が排気する室内の空気(室内側吐出空気)と、室内に給気する外気(室外側吸込空気)とが全熱交換型換気扇103の中で熱交換されると共に、吸い込んだ室外側吸込空気(新鮮な空気)は全て外気導入ダクト95を経由して温水蓄熱槽空間77に導かれる。さらに、3階室内Dの室内側吐出空気(よごれた室内空気)は、全熱交換型換気扇106に吸い込まれて室外に排気される。その際、全熱交換型換気扇106が排気する室内の空気(室内側吐出空気)と、室内に給気する外気(室外側吸込空気)とが全熱交換型換気扇106の中で熱交換されると共に、吸い込んだ室外側吸込空気(新鮮な空気)は全て外気導入ダクト99を経由して温水蓄熱槽空間77に導かれる。
【0038】
このようにして、全熱交換型換気扇65、全熱交換型換気扇103、全熱交換型換気扇106を使用する事により、冬期における室内の暖かい空気を、外の冷たい外気と入れ替える(換気する)際に、室内温度が下がるのを最小限に抑える事が可能となる。ちなみに三菱電機株式会社のホームページでは、ロスナイ(全熱交換型換気扇)の熱交換機能を、「外気温度0℃、室内温度20℃、温度交換効率75%の場合」、室内温度20℃の空気をロスナイ(全熱交換型換気扇)で換気した場合、外気(0℃)の空気の温度は熱交換機の働きで15℃となって室内に給気(新鮮空気)されると説明している。
【0039】
さらに、冬期では太陽熱温水器44で温められた温水を風呂89で使用した後、風呂89で利用された後の温かい残り湯は、風呂89に備え付けられた、温水蓄熱槽76に残り湯を供給するための、残り湯パイプ111用の排水栓(図示せず)を抜く事により、残り湯パイプ111を経由して温水蓄熱槽76に流され溜湯される。このようにして温水蓄熱槽76に溜湯された温かい風呂89の残り湯は温水蓄熱槽空間77の空気を暖める。なお、温水蓄熱槽76から溢れ出る、温水蓄熱槽76の底部の冷めた風呂の残り湯の排水は排水パイプ113を経由して矢印114方向に流れ排水溝81に排水される。
【0040】
このようにして、太陽熱温水器44で温められた温水を風呂89で使用した後に、風呂89で利用された後の温かい残り湯を、地下室の温水蓄熱槽空間77に設置した温水蓄熱槽76に流して溜湯させる事により、全熱交換型換気扇103、106から温水蓄熱槽空間77に供給された外気(室外側吸込空気)は、温水蓄熱槽94に溜湯された温かい風呂の残り湯により、さらに暖められ、温水蓄熱槽空間77に設けたガラリ72から地下室内Aに供給される。このようにして地下室内Aに供給された弱温風の空気は地下室内Aの空気と混ぜ合わされ、地下室内Aの空気を、さらに暖める。そして、このように地下室内Aで暖められた外気(室外側吸込空気)は、送風機47を作動させる事によりダクト吸込口73から矢印71方向に吸い込まれ、給気ダクト50を経由して3階天井裏100に供給され、ガラリ49、ガラリ102より3階室内Dに給気されて3階室内Dを暖める。同様にして、送風機54を作動させる事により、地下室内Aで暖められた外気(室外側吸込空気)は、ダクト吸込口73から矢印71方向に吸い込まれ、給気ダクト55を経由して2階天井裏97に供給され、ガラリ53、ガラリ98より2階室内Cに給気されて2階室内Cを暖める。同様にして、送風機59を作動させる事により、地下室内Aで暖められた外気(室外側吸込空気)は、ダクト吸込口73から矢印71方向に吸い込まれ、給気ダクト61を経由して1階天井裏93に供給され、ガラリ58、ガラリ94より1階室内Bに給気されて1階室内Bを暖める。
【0041】
このように、冬期においては、太陽熱温水器44で温められた温水を風呂89で使用した後、風呂89で利用された後の温かい残り湯を、地下室の温水蓄熱槽空間77に設置した温水蓄熱槽76に流して溜湯させる事により、曇りや雨の日が続いた場合でも、風呂89で利用された後の温かい残り湯を温水蓄熱槽76に流して溜湯させる事により、地下室内Aの空気を暖める事が可能となる。
【0042】
図4は、本発明における地下室付住宅41を、次世代省エネタイプの断熱で構成した状態を示す。屋根の断熱に関しては、屋根断熱材120(一般的には、厚さ160mmの発泡ウレタン)を屋根内側に施工する。外壁の断熱に関しては、外壁断熱材121(一般的には、厚さ75mmの発泡ウレタン)を外壁内側に施工する。窓のサッシに関しては、各社から発売されている断熱等級4(次世代省エネタイプ)の断熱サッシ122を使用する。基礎の断熱に関しては、基礎外断熱材123(一般的には、厚さ50mmの発泡スチロール板)を基礎コンクリートの外側に施工する。なお、地下室の外壁の外側に施工する基礎外断熱材123は、地表面から約10cmの深さまで施工する。その理由は、地下室の外壁全体に基礎外断熱材123を施工した場合、地下室コンクリートに地中熱が伝わりにくくなるためです。但し、ここに書かれた断熱材の種類と材質に関しては、例えば、発泡スチロール板であっても、密度の違いにより断熱効果に変化が生じるため、同一メーカーであっても、密度により厚さが変わる場合もある。
【0043】
本発明における地下室付住宅41の断熱に関しては、最大限の省エネ効果を得るためにも、図4で説明した次世代省エネタイプの断熱を施工する必要がある。
【0044】
図5は、温水蓄熱槽131の正面図、平面図、A‐A断面図、B‐B断面図である。温水蓄熱槽131は、長方形に切断された2枚のゴム状シート(塩化ビニールシート等)の端部を溶着し、水枕状に構成される。上部に使用する上面ゴムシート132には取入口138、排水口135のための穴(図示せず)を開け、さらに、ゴム状のシートを四角形状に切断(約20cm×約25cmの大きさに切断)して中央部に風呂の残り湯の温水取入口の穴(図示せず)を開けて溶着部137を作成し、溶着部137に塩ビ管で製作した取入口138を塩ビ溶接すると共に、同様に、ゴム状のシートを四角形状に切断(約20cm×約25cmの大きさに切断)して中央部に排水口の穴(図示せず)を開けて溶着部134を作成し、溶着部134に塩ビ管で製作した排水口135を塩ビ溶接し、上面ゴムシート132に開けられた穴位置(図示せず)に合わせて、溶着部137、溶着部134を溶着して取り付ける。なお、現在では砂漠や高地に人造湖等を造る際に、砂漠や高地等に大きな穴を掘り、その穴の底面にゴムシートを敷き詰め、そのゴムシート同士を溶着して一枚の大きな防水シートに加工して水を貯める事も行われており、本発明のような温水蓄熱槽をゴムシートで作製した場合においても、長期の耐久性が保たれる。
【0045】
このようにして取付けた取入口138から温水蓄熱槽内部144への入口は、B‐B断面図で示すように、風呂の残り湯は、取入口138から溶着部137の直ぐ下に取付けられた固定部146をへて矢印145方向で示すように温水蓄熱槽内部144に流れ込み、温水蓄熱槽内部144の上側に温かい風呂の残り湯が溜湯される。このように温水蓄熱槽内部144に残り湯が供給された場合、温水蓄熱槽内部144の上部が温かく保たれ、温水蓄熱槽内部144の下部は、上部に比べて温度が低い状態となる。
【0046】
また、温水蓄熱槽内部144から排水される冷めた風呂の残り湯は、A‐A断面図で示すように、排水取込口149から曲げ加工された排水パイプ配管148により排水口135まで配管され、温水蓄熱槽内部144の冷めた風呂の残り湯は、温水蓄熱槽内部144の下部の排水取込口149から矢印150方向に吸い込まれ、排水パイプ配管148を経由して排水口135から排水される。なお、風呂の残り湯を流入する温水蓄熱槽131に取付ける取入口138の入口の高さと、冷えた風呂の残り湯が温水蓄熱槽131から排出される排水口135の出口の高さは、温水蓄熱槽131がゴム状のシートで製作されるため、温水蓄熱槽131に風呂の残り湯が流入される事により、温水蓄熱槽131が水枕状に膨らむため、温水蓄熱槽131に風呂の残り湯が満タン状態になるまで流入された状態で、温水蓄熱槽131の上面ゴムシート132の最上部位置より上部(上面ゴムシート132の上面より、約10〜約20cm高くなるのが良い)になるように構成されなければならない。
【0047】
このように温水蓄熱槽131を構成する事により、毎日、温かい風呂の残り湯が温水蓄熱槽131に供給され、雨や曇り日が続いた場合でも、地下室内の空気を暖める事が可能となる。さらに、排水取込口149を温水蓄熱槽内部144の底部に設置したため、風呂の残り湯の中に含まれる、温水蓄熱槽内部144の底部に蓄積する湯あか等を、冷めた風呂の残り湯と一緒に容易に排出する事が可能となる。
【0048】
図6は、図5で説明した温水蓄熱槽が、どのような状態で地下室の温水蓄熱槽空間175に設置されるか示す。温水蓄熱槽空間175は、地下室内の空間として違和感が無いように、天井梁176の下面と同一面になるように温水蓄熱槽床174が構成され、温水蓄熱槽177は地下室内Aの天井梁176に囲まれた天井空間に設けられた温水蓄熱槽空間175の温水蓄熱槽床174の上面に設置されると共に、その温水蓄熱槽177に対して、風呂161に設置されている温水蓄熱槽用の排水栓(図示せず)を抜く事により、風呂161の残り湯が残り湯パイプ182を経由して矢印172方向に送られ温水蓄熱槽177に溜湯されると共に、温水蓄熱槽177から溢れ出る冷めた風呂の残り湯は排水パイプ171を経由して矢印170方向から排水溝165に排水される。
【実施例2】
【0049】
以下、この発明の実施の形態2について説明する。
[発明の実施の形態2]
【0050】
図7は、太陽熱温水器186に太陽熱温水器接続ユニット193を接続した場合の断面図である。給水管198より矢印196方向から矢印188方向に送られた水は、太陽熱温水器186の中で温められる。太陽熱温水器186の中で温められた温水は、温水パイプ192を矢印187方向から矢印190方向に送られて、太陽熱温水器接続ユニット193の中で給水管198から供給される水と混ぜ合わされて温度調整され、さらに風呂給湯器195を経由して風呂に給湯される。
【0051】
太陽熱温水器接続ユニット193を使用するメリットは、雨や曇りの日が続いた場合、太陽熱温水器186の温度が風呂のお湯の適温まで達しない場合、太陽熱温水器186の温水は風呂給湯器195で加熱されて風呂に供給する事が可能となる。これらの太陽熱温水器接続ユニット193は、株式会社ノーリツ、リンナイ株式会社、株式会社長府製作所等の会社より発売されている。その他の、全熱交換型換気扇や、温水蓄熱槽空間の構造、さらに温水蓄熱槽空間に設置する温水蓄熱槽の構造、給気ダクトの構造に関しては、実施の形態1で説明した内容と同一である。
【0052】
以上、実施の形態1、2に基づいて、本発明に係るアース・ソーラーシステム(地下室対応型)について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
【0053】
図1において、太陽熱温水器2からの温水を貯留するための温水蓄熱槽14の形状は立方体で描かれているが、この形状に限らず残り湯パイプ31と排水パイプ33との間を、長い塩ビパイプや、簡単に曲げて施工する事が可能なリブパイプ等を接続して温水蓄熱槽を構成する事も可能である。このような材質を使用して温水蓄熱槽を構成する事により、地下室の天井梁の高さが低い場合においても、簡単に温水蓄熱槽を構築する事が出来る。また、温水蓄熱槽の材質に関しても、この発明の実施の形態では、安価に作製するためゴム状としているが、耐久性を考えた場合にはFRP製の温水蓄熱槽、さらに、ステンレス等の金属で温水蓄熱槽を構成する事ももちろん可能である。
【0054】
図1及至図3において、太陽熱温水器2、太陽熱温水器44は太陽光の集熱板と貯湯槽が一体となった形式のもので説明したが、この形式に限らず、太陽光の集熱板と貯湯槽が分離され、太陽光の集熱板が屋根に設置されると共に、貯湯槽が地表面に固定されたタイプの太陽熱温水器を使用する事も可能である。
【0055】
図2及至図4において、外気導入ダクト66、95、99、給気ダクト50、55、61の配管スペースは、壁内、床内、天井内、又は専用配管スペースにこだわらず、最適な位置に配管される事は、当然である。
【0056】
図6において、1階に設置するユニットバスを、バリアフリー対応にする場合には、ユニットバスを設置する部分について、地下室の天上スラブを掘り込むように下げなければならない。このような場合には、天井スラブを下げた部分を温水蓄熱層空間として利用し、その温水蓄熱槽空間に温水蓄熱槽を設置して、風呂の残り湯を温水蓄熱槽に流して溜湯すると共に、温水蓄熱槽空間の下部にガラリを設けて、全熱交換型換気扇から供給される温水蓄熱槽空間の空気を、地下室に供給する事も可能である。このように構成する事により、温水蓄熱槽空間が温められ、その事により浴室を暖める事が可能となる。
【0057】
この発明の実施の形態については、一般的な住宅に関して説明してきたが、建築する住宅の種類に関しては、鉄骨住宅、RCコンクリート住宅等にも応用出来ることは、当然である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の実施の形態1に係るアース・ソーラーシステム(地下室対応型)の分解図である。
【図2】同実施の形態に係る、夏期における住宅断面図の全熱交換型換気扇と地下室を利用したアース・ソーラーシステム(地下室対応型)の弱冷風システム図である。
【図3】同実施の形態に係る、冬期における住宅断面図の全熱交換型換気扇と地下室と太陽熱温水器を利用したアース・ソーラーシステム(地下室対応型)の弱温風システム図である。
【図4】同実施の形態に係る、地下付住宅に、屋根断熱材、外壁断熱材、断熱樹脂サッシ、基礎外断熱材を施工した状態の断面図である。
【図5】同実施の形態に係る、温水蓄熱槽の正面図、平面図、断面図である。
【図6】同実施の形態に係る、風呂と温水蓄熱槽と、その風呂と温水蓄熱槽とを配管している配管図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る、太陽熱温水器に太陽熱温水器接続ユニットを接続した場合の断面図である。
【符号の説明】
【0059】
A 地下室内
B 1階室内
C 2階室内
D 3階室内
1 地下室付住宅
2 太陽熱温水器
3 屋根
4 全熱交換型換気扇
5 全熱交換型換気扇
6 地下室
7 矢印
8 給気ダクト
9 ダクトスペース
10 ガラリ
11 矢印
12 地表面
13 階段
14 温水蓄熱槽
15 ガラリ
16 地下室スラブ
17 地下室耐圧盤
18 地下室内部
19 天井梁
20 地下室外壁
21 矢印
22 矢印
23 排水溝
24 仕切壁
25 排水パイプ
26 風呂
27 外気導入ダクト
28 温水パイプ
29 水栓
30 外気導入ダクト
31 残り湯パイプ
32 矢印
33 排水パイプ
34 排水溝
35 温水蓄熱槽空間
41 地下室付住宅
42 屋根
43 太陽
44 太陽熱温水器
45 矢印
46 矢印
47 送風機
48 矢印
49 ガラリ
50 給気ダクト
51 矢印
52 矢印
53 ガラリ
54 送風機
55 給気ダクト
56 矢印
57 矢印
58 ガラリ
59 送風機
60 矢印
61 給気ダクト
62 矢印
63 1階床下
64 地下室スラブ
65 全熱交換型換気扇
66 外気導入ダクト
67 地表面
68 矢印
69 地下室外壁
70 地下室耐圧盤
71 矢印
72 ガラリ
73 ダクト吸込口
74 仕切壁
75 矢印
76 温水蓄熱槽
77 温水蓄熱槽空間
78 温水蓄熱槽床
79 矢印
80 排水パイプ
81 排水溝
82 給水管
83 矢印
84 矢印
85 開閉バルブ
86 矢印
87 矢印
88 矢印
89 風呂
90 蛇口
91 水栓
92 矢印
93 1階天井裏
94 ガラリ
95 外気導入ダクト
96 矢印
97 2階天井裏
98 ガラリ
99 外気導入ダクト
100 3階天井裏
101 矢印
102 ガラリ
103 全熱交換型換気扇
104 温水パイプ
105 給水パイプ
106 全熱交換型換気扇
107 矢印
108 矢印
111 残り湯パイプ
112 矢印
113 排水パイプ
114 矢印
120 屋根断熱材
121 外壁断熱材
122 断熱サッシ
123 基礎外断熱材
124 1階床下
125 1階天井裏
126 2階天井裏
127 3階天井裏
131 温水蓄熱槽
132 上面ゴムシート
133 下面ゴムシート
134 溶着部
135 排水口
136 溶着部
137 溶着部
138 取入口
139 矢印
140 矢印
141 矢印
142 矢印
143 矢印
144 温水蓄熱槽内部
145 矢印
146 固定部
147 固定部
148 排水パイプ配管
149 排水取込口
150 矢印
160 温水パイプ
161 風呂
162 矢印
163 排水パイプ
164 矢印
165 排水溝
166 地下室外壁
167 地下室耐圧盤
169 矢印
170 矢印
171 排水パイプ
172 矢印
173 下面ゴムシート
174 温水蓄熱槽床
175 温水蓄熱槽空間
176 天井梁
177 温水蓄熱槽
178 1階床
180 地下室スラブ
181 上面ゴムシート
182 残り湯パイプ
183 矢印
184 蛇口
185 水栓
186 太陽熱温水器
187 矢印
188 矢印
189 矢印
190 矢印
191 給水パイプ
192 温水パイプ
193 太陽熱温水器接続ユニット
195 風呂給湯器
196 矢印
197 開閉バルブ
198 給水管
199 蛇口
200 風呂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の、各階の室内に取付けた全熱交換型換気扇が室内側に供給する新鮮な外気の、何れかの階層からの外気を地下室に送り込むと共に、地下室の一部の空間を仕切り、温水蓄熱槽を設置した温水蓄熱槽空間を構築し、冬期には、その温水蓄熱槽に太陽熱温水器で温められた温水を風呂で使用した後、温かい風呂の残り湯を温水蓄熱槽の中に流して溜湯させる事により温水蓄熱槽空間の空気が暖められると共に、このようにして暖められた温水蓄熱槽空間に、別の階層の全熱交換型換気扇から室内側に供給される新鮮な外気を送り込む事により、その温水蓄熱槽空間に送り込まれた外気は、風呂の残り湯が溜湯された温かい温水蓄熱槽空間により暖められ、暖められた外気は温水蓄熱槽空間に設けられたガラリより地下室に供給され、地中熱により暖められた地下室内の空気と混ぜ合わされた後、各階天井内部に設けられたダクトの送風機を作動させる事により、地下室からダクトを経由して各階の天井内部に送られ、天井に設けたガラリより室内に供給されて室内を暖めると共に、夏期においては、温水蓄熱槽に風呂の残り湯を供給せず、全熱交換型換気扇から温水蓄熱槽空間に送り込まれた外気を、温水蓄熱槽空間に設けられたガラリより地下室に供給し、地中熱により冷やされた地下室内の空気と混ぜ合わされた後、各階天井内部に設けられたダクトの送風機を作動させる事により、地下室からダクトを経由して各階の天井内部に送られ、天井に設けたガラリより室内に供給されて各室を冷やした事を特徴とするアース・ソーラーシステム(地下室対応型)。
【請求項2】
地下室内の天井下の天井梁に囲まれた空間に温水蓄熱槽を配置した温水蓄熱槽空間を設置した事を特徴とする請求項1に記載のアース・ソーラーシステム(地下室対応型)。
【請求項3】
地下室内の置き床や、壁面に対して二重壁やボードを施行せず、地下室の床と壁のコンクリートを介して地中熱を地下室に取り込む事を特徴とする請求項1又は2に記載のアース・ソーラーシステム(地下室対応型)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−190961(P2011−190961A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56192(P2010−56192)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(504196492)株式会社 ▲高▼▲橋▼監理 (33)
【Fターム(参考)】