説明

イオンおよび電子を検出するために適した粒子検出器

イオン検出器から電子検出器へと切り換え可能な粒子検出器はイオン−電子変換器およびシンチレータ検出器を有する。構成部品への1セットの電圧で、変換器は電子の軌道上で最小限の衝突を有し、それゆえに電子がシンチレータ検出器によって効率的に検出される。構成部品への異なった電圧設定で、大部分のFIB応用について充分な効率で陽イオンを収集するように検出器が陽イオンのモードで動作することが可能である。このイオン−電子変換器は円筒の形状であるか、または複数の平行プレートを有することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粒子検出器、特に、検出のためにイオンを電子に変換することが可能な粒子検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
走査型電子顕微鏡(SEM)は観察下で電子のビームを目標物に向けて方向付け、その後、加工物(work piece)から発射される二次電子を検出する。SEMは通常では観察されている目標物から発射される二次電子を検出するためにシンチレータ検出器を使用する。シンチレータ検出器の中の材料に電子が衝突すると、その材料が瞬間的な光、すなわち閃光を発する。この瞬間的な光が、光を電気信号へと変換する光電子増倍管のようなフォトン検出器によって検出される。シンチレータ検出器は頑丈、安定、かつ長寿命である。
【0003】
他方で、集束イオンビーム(FIB)システムは集束させたイオンのビームを試料に向けて方向付ける。ビーム内のイオンはSEMの一次ビーム内の電子よりもはるかに大きいので、ビーム内のイオンの衝突は試料から正および負のイオン、ならびに電子を叩き出す。二次粒子を検出するために、FIBシステムは通常ではチャネル電子検出器かチャネル・プレート電子検出器のどちらかを使用する。試料に相対したこれらの検出器の電位を変えることによって、これらの検出器はイオンまたは電子を検出するように調節することが可能である。「集束イオンビーム・システム」という用語は、通常では集束電子供給源および集束イオン供給源の両方を装備した一般的に「デュアル・ビーム・システム」と呼ばれるシステムもやはり含む。
【0004】
チャネル電子検出器は通常では入り口に円錐形で曲率を付けられたチューブを含む。入射するイオンまたは電子がこの円錐またはチューブを叩き、二次電子の放出を引き起こし、それが今度は他方で、粒子が曲率チューブの側面に当たって跳ね返るときの付加的な電子のなだれ現象を生じさせる。チューブの端部での電子電流は検出されるために充分に大きく、前置増幅器内で増幅される。チャネル・プレート検出器はプレートを貫く数多くの細孔を有する薄いプレートを有し、各々の孔が小型のチャネル電子増倍器もしくは検出器として働く。チャネル・プレートは付加的な利得のため、およびイオンの帰還を減少させるために積層することが可能である。チャネル電子検出器およびチャネル・プレート検出器の性能は経時的に劣化する。また、チャネル電子増倍器用の前置増幅器またはチャネル・プレートは電気的に浮いていなければならず、それが電子装置を一層複雑にし、高電圧リーク電流を生じる検出器出力信号電流の不安定性につながり易い。
【0005】
チャネル・プレート検出器がFIBシステムに使用されるとき、検出器は通常ではFIBシステムの対物レンズの下に配置され、ビームの軸上で中心に置かれる。検出器はその中央に一次イオンビームを通すための穴を有し、一次イオンビームについて同軸で電子またはイオンを収集する。
【0006】
質量分析計は粒子の質量を判定する機器である。質量分析計は通常では2つの構成要素、すなわち電荷対質量比に従って粒子を分ける質量分析器と分けられた粒子を検出する粒子検出器を有する。質量分析器内で、粒子は電場、磁場、または組み合わされた磁場と電場を通って移動する。場は粒子を、それらの電荷対質量比に応じてそれらの軌道を変えることによって分ける。粒子検出器は、軌道が検出器に入る粒子を検出する。この検出器は、電荷対質量比の高い分解能を与えるために、限られた軌道範囲を受け入れるような小さい開口を有する。他方で、FIBシステムのイオン検出器は通常では大きな入射角度上の粒子を受け入れる。
【0007】
いくつかの質量分析計は、イオンによって衝撃を受けると電子を放出し、その後それが検出される構造を使用することによってイオンを検出する。そのような構造は「イオン−電子変換器」と称される。一般的に言えば、これらの変換器は入射ビームの側方に位置決めされて負に荷電した軸外れの質量分析対象プレートを有する。イオンがこのプレートに衝突することで二次電子を発生し、それらが電子増倍器によって検出される。
【0008】
Strausserの米国特許第3,538,328号はイオン衝突から電子を発生させることによってイオンを検出するような検出器を述べている。Strausserはシンチレータ電子検出器に対面する円錐形の広い側面を備えて細いイオンビームの周りに配置された円錐形状のイオン−電子変換器を述べている。−0.1kVと−10kVの間の電位の円錐でもって、陽イオンのビームが円錐の細い端部に入り、接地電位のシンチレータによってイオンが跳ね返され、円錐の内側表面を叩く。イオン衝撃によって円錐表面に生成された2次電子はシンチレータに引き付けられる。Hoferらの米国特許第4,101,771号は、シンチレータまたは半導体の電子検出器に対面する球体表面を使用することによるイオン検出に関してStrausserの概念の上に成り立っている。
【0009】
イオン−電子タイプの検出器は通常では、それらが電子とイオンの両方を効率的に検出することが不可能であるので集束イオンビーム・システムに使用されない。検出器の効率は、検出器に到達する粒子の数に対する検出された粒子の数の比である。
【0010】
シンチレータは、シンチレータ・ディスクを約−10kVの電位に維持して陽イオンを引き付け、それらのエネルギーをフォトンへと変換することによってイオンを直接検出するために使用することが可能である。しかしながら、イオン−フォトン検出過程はあまり効率的ではない。付け加えると、シンチレータへのイオンの衝突は主として電子を検出するシンチレータ検出器のそれと比べると検出器の動作寿命を大幅に短くする。
【特許文献1】米国特許第3,538,328号
【特許文献2】米国特許第4,101,771号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、イオンまたは電子を検出することが可能な頑丈な粒子検出器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、イオンを電子に変換するためのイオン−電子変換器を使用し、その後、ターゲットから直接出る電子かまたはイオン−電子変換器内で作り出される電子のどちらかを検出するためにシンチレータ検出器もしくは他の電子検出器を使用することによってイオンかまたは電子のどちらかを検出するための方法および装置を含む。シンチレータ電子検出器は従来式のチャネル電子検出器またはチャネル・プレート検出器よりも大幅に長い耐用年数を有することが可能である。
【0013】
この検出器は電子とイオンの両方を検出するためのデュアル・ビーム・システムを含めた集束イオンビーム・システムでの使用に特に適している。
【0014】
本発明の他の態様はイオン−電子変換を行なうかまたは電子を通すように構成することが可能なイオン−電子変換器を含む。
【0015】
以上は、以下の本発明の詳細な説明が一層よく理解され得るように本発明の特徴および技術的利点をどちらかといえば広範に概説した。本発明の付加的な特徴および利点がこれ以降述べられるであろう。開示される概念および特定の実施形態が本発明と同じ目的を実行する他の構成を改造もしくは設計するための基礎として容易に利用され得ることは当業者によって理解されるはずである。そのような同等の構成が添付の特許請求項に述べられるような本発明の趣旨と範囲から逸脱しないこともやはり当業者によって明確に理解されるはずである。
【0016】
本発明およびその利点のさらに完全な理解のために、添付の図面を参照しながら以下の説明が為される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に示された実施形態では、粒子検出器102は従来式のシンチレータ検出器106の前部で「ベネチアンブラインド型」イオン−電子変換器104を使用する。イオン−電子変換器104は半球形入り口格子112とシンチレータ検出器106の間に配置されて互いに平行であることが好ましい複数の変換器プレート110を有する。陽イオン収集モードでは、入り口格子は負にバイアスされ、FIBによってサンプルで生じる低エネルギーの陽イオンを引き付けるためにFIBのターゲットに相対して約−250Vであることが好ましい。
【0018】
変換器プレート110はFIBのターゲットに相対して約−2000Vの電位に維持されることが好ましい。この電位は陽イオン116をプレートに引き付け、それらが変換器プレート110を叩くときにそれらを約2000eVに加速する。プレート110を叩くイオンは変換器プレート110から電子118を発射させる。変換器プレート110は、イオンによって叩かれると二次電子を効率的に発生する金属酸化物のような材料から作製されることが好ましい。一実施形態では、これらのプレートは容易に酸化して酸化アルミニウムの薄い表層を作り出すアルミニウムで作られる。他の実施形態ではこれらのプレートはステンレス鋼で作製される。イオンがプレート110を叩くと作り出される電子118を引き付けるためにシンチレータ検出器106の前部に約+10,000Vの電位が印加される。シンチレータ・ディスクを叩く電子118はフォトンへと変換され、従来の方式で検出される。
【0019】
図2は電子検出モードで動作する図1の粒子検出器102を示している。電子検出モードでは、入り口スクリーン112に約250Vの正の電位が印加され、プレート110に約500Vの正の電位が印加され、シンチレータ検出器106に約10,000Vの正の電位が印加される。電子202は入り口格子112、およびその後に変換器プレート110によって加速される。いくらかの電子は変換器プレート110を叩くけれども、その他の電子は変換器プレートを通り抜けてシンチレータを直接叩く。
【0020】
図3は本発明を具現化する他の粒子検出器302を示している。粒子検出器302は半球形入り口格子306とシンチレータ・ディスク308との間に位置決めされた円筒304を使用する。陽イオンの検出のための一実施形態では、入り口格子306は約−250Vの電位に維持され、円筒304は約−2000Vの電位に維持され、シンチレータ検出器308は約+10,000Vの電位に維持され、すべての電位はFIBのターゲットに相対して与えられる。
【0021】
サンプルから出る陽イオン310は入り口格子306へと引き付けられる。その後、イオン310は円筒形の変換器304へと引き付けられる。イオン310が変換器304を叩くと、それらは二次電子314を作り出し、それらの多くは比較的大きい正電位によってシンチレータ検出器308へと引き付けられる。シンチレータ308は電子314をフォトンへと変換し、従来の方式でフォトンを検出する。
【0022】
図4は、電子検出モードで動作する図3の粒子検出器302を示している。電子検出モードでは、入り口格子306は約+200Vの電位に維持され、それがFIBのターゲットからFIBで誘発される二次電子402を引き付ける。イオン変換器の円筒304は約+500Vに保たれ、それが電子を約+10,000Vの電位に維持されるシンチレータ検出器308へと移動させる補助をする。
【0023】
図5〜10はIntegrated Engineering Software Sales Inc.,Winnipeg,Manitoba,Canadaから得たローレンツ2Dシミュレーション・プログラムを使用して作り出された荷電粒子ビームのシミュレーション結果を示している。検出器は円対称を示し、それゆえに中心線よりも下の軌道だけが図5、6、および9に示され、円筒304および502の上部は図示されない。
【0024】
図5はFIBのターゲット500から10eVの運動エネルギーで発射されるイオン310のシミュレートされた軌道を示している。イオンは半球内に発射され、正に荷電した入り口スクリーン306へと引き付けられる。図5はイオンの大部分が変換器の円筒304に衝突することを示している。接地された円筒502が変換器304およびシンチレータ308を取り囲む。図6は図5に示されたそれと同じシミュレーションを示しているが、しかし入り口格子306、変換器の円筒304、およびシンチレータ検出器308の様々な電位によって作り出される電界を例示するために等電位線が追加されている。
【0025】
図7および8は変換器の円筒の異なった点にイオンが衝突するときに作り出される電子の軌道のシミュレーションを示している。電子702は衝突点から半球全体にわたって均一に発射されると想定される。図7は変換器の円筒304の長さに沿って中央付近にイオンが衝突するときに作り出される電子の軌道を示しており、図8は変換器の円筒304の入り口端部付近にイオンが衝突するときに作り出される電子の軌道を示している。図7は変換器の円筒304の中央付近にイオンが衝突するときに作り出される電子702の本質的にすべてがシンチレータ検出器308に衝突し、それゆえに計数されることを示している。図8はシンチレータ検出器に衝突する電子802が、変換器の円筒304の入り口端部付近にイオンが衝突するときに作り出される合計の電子のうちの半分以上を含むことを示している。シンチレータ検出器308に当たらない電子804は発生した合計の電子のうちの半分未満を構成する。発生源から検出器への軸対称性を有するこれらの二次元シミュレーションから、粒子検出器302を使用すると50%を超える電子収集効率があり得ることが明らかとなる。しかしながら、ターゲット領域での電場の対称性の欠如がこの収集効率を低下させる可能性が高い。
【0026】
図9はFIBのターゲット500から電子収集モードで動作している図4の粒子検出器を通る10eVの電子の軌道902を示すシミュレーションである。サンプルから入る電子のほぼ100%が検出される。図9もやはり等電位線904を示している。
【0027】
本発明の粒子検出器は既にあるシンチレータ検出器の入り口スクリーンとシンチレータ・ディスクとの間に変換器の円筒を単純に追加することによって作り出すことが可能である。この検出器はシンチレータのフランジとシステムの真空チャンバのフランジとの間で別個のフランジに装着されることが可能である。イオン−電子変換部を追加することが電子収集効率を低下させることはなく、変換器表面で50%と見積もられるイオン−電子変換効率を有するならばイオン検出に関して約25パーセントの効率を有するように思われる。この効率はイオンのタイプ、それらのエネルギー、システムの幾何学形状、および使用される電圧で変わるであろう。一次イオンビームによってサンプルからスパッタされる物質が変換器の円筒に堆積する可能性が高く、経時的に効率に影響を及ぼす。設計は、シミュレーションおよび実験によって特定の用途のために容易に最適化することが可能である。
【0028】
イオンおよび電子の検出効率は大部分の集束イオンビーム応用に関して充分であり、したがって、そのようなシステムがチャネル検出器またはチャネル・プレート検出器を1つまたは複数のシンチレータ検出器のような頑丈な検出器で置き換えることを可能にする。本発明の実施形態は、部品類のどのような物理的再配列も伴うことなく、上述のように単純に部品上の電圧を変えることによってイオン検出モードから電子検出モードへと容易に切り換えることが可能である。本発明は電子および陽イオンを検出するための電圧で述べられているが、電子を取り除くために場合によって用いられる追加の部品を備えて陰イオンを検出するための適切な電圧を決定することが可能である。いくつかの構造では、イオン−電子変換器に衝突する電子は、付加的な電子が叩き出されてシンチレータ検出器によって収集される事象を生じさせる。
【0029】
本発明は広範な応用性を有し、上記の範例に述べられ、かつ示されたように多くの利益を提供することが可能である。その実施形態は特定の用途に応じて大幅に変わるであろうし、すべての実施形態がそれらの利益のすべてを提供し、かつ本発明によって達成可能な目的のすべてを満たすことはないであろう。イオンと電子の両方の効率的な検出を可能にし、かつ頑丈なシンチレータ検出器の使用を許容するので特に有用であるが、本発明はイオン単独を検出するために使用されることが可能であり、「変換された」粒子を検出するためのいずれのタイプの電子検出器と共に使用することも可能である。
【0030】
本発明およびその利点が詳細に述べられてきたけれども、添付の特許請求項によって規定される本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、ここで様々な変形例、置き換え例、および代替例が為され得ることは理解されるはずである。例えば、シンチレータ検出器以外のタイプの電子検出器を使用することもやはり可能である。さらに、本出願の範囲は本願明細書に述べられた処理、機械、製品、物質の組成、手段、方法および工程の特定の実施形態に限定されるように意図されていない。本発明の開示から当業者が容易に理解するであろうが、本願明細書に述べられた対応する実施形態と実質的に同じ機能を遂行するか、または実質的に同じ結果を達成する現在あるもしくは後に開発される処理、機械、製品、物質の組成、手段、方法または工程が本発明に従って利用されることが可能である。したがって、添付の特許請求項がその範囲の中にそのような処理、機械、製品、物質の組成、手段、方法または工程を含むように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】イオン検出モードで動作する本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図2】電子検出モードで動作する図1の実施形態を示す図である。
【図3】イオン検出モードで動作する本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図4】電子検出モードで動作する図3の実施形態を示す図である。
【図5】ターゲットから発射され、図3のイオン−電子変換器に衝突する10eVのイオンの経路を示す荷電粒子の光学的シミュレーションを示す図である。
【図6】等電位線を追加された図5のシミュレーションを示す図である。
【図7】図3の変換器の円筒の中央付近にイオンが衝突すると発射される電子の経路を例示する荷電粒子の光学的シミュレーションを示す図である。
【図8】図3の変換器の円筒の入り口端部付近にイオンが衝突すると発射される電子の経路を例示する荷電粒子の光学的シミュレーションを示す図である。
【図9】ターゲットから発射され、図3のイオン−電子変換器を通り抜ける電子の経路を示す荷電粒子の光学的シミュレーションを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットへと向けられることが可能であり、前記ターゲットとイオンビームの衝突で二次粒子を作り出す集束イオンビームを含めた集束イオンビーム・システムでの使用に適した荷電粒子検出器であって、
前記ターゲットから発射される正または負の二次荷電粒子を引き付けるように前記ターゲットに相対して電圧を選択的に印加することが可能な入り口スクリーンと、
前記ターゲットからの荷電粒子によって衝撃を加えられると電子を放出する材料を有するイオン−電子変換器と、
前記ターゲットで発生する電子または前記イオン−電子変換器で発生する電子を検出するためのシンチレータ検出器とを有する荷電粒子検出器。
【請求項2】
前記イオン−電子変換器が、ターゲットから発射されるイオンを前記シンチレータ検出器による検出のために電子へと変換するための第1の構成に構成可能であり、シンチレータ検出器による検出のために前記ターゲットから前記イオン−電子変換器を通して電子を送るための第2の構成に構成可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記イオン−電子変換器が、前記イオン−電子変換器の部品上の1つまたは複数の電圧を変えることによって前記第1の構成または前記第2の構成で単独に構成可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ターゲットからの正に荷電したイオンを引き付けるため、および前記シンチレータ検出器による検出のために前記正に荷電したイオンを前記イオン−電子変換器に衝突させて電子を発生させるために前記イオン−電子変換器に第1の電圧を印加し、前記ターゲットから前記イオン−電子変換器を通して電子を前記シンチレータ検出器へ送るために前記イオン−電子変換器に第2の電圧を印加するための電圧供給源をさらに有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ターゲットからの正に荷電したイオンを引き付けるために前記入り口スクリーンに第1の電圧を印加し、前記ターゲットからの正に荷電したイオンを引き付けるために前記入り口スクリーンに第2の電圧を印加するための電圧供給源をさらに有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記イオン−電子変換器が概して平行の複数のプレートを有し、入来する荷電粒子の移動の方向に前記複数のプレートの主平面がほぼ平行である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記イオン−電子変換器が中空で概して円筒の構造を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記イオン−電子変換器がアルミニウムまたはステンレス鋼を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
集束イオンビーム・システムであって、
イオン供給源と、
前記イオン供給源からイオンビームへとイオンを集束させるため、およびそれをターゲットに向けて方向付けるためのイオン光学系と、
前記イオンビームの衝突の結果として前記ターゲットから発射される二次陽イオンまたは二次電子を検出するための請求項1に記載の荷電粒子検出器とを有するシステム。
【請求項10】
前記イオン−電子変換器が、ターゲットから発射されるイオンを前記電子検出器による検出のために電子へと変換するための第1の構成に構成可能であり、電子検出器による検出のために前記ターゲットから前記イオン−電子変換器を通して電子を送るための第2の構成に構成可能である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記イオン−電子変換器が中空で概して円筒の構造を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記イオン−電子変換器がアルミニウムまたはステンレス鋼を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
イオンに電子検出器で検出されるべき電子を発生させることによってターゲットで発生するイオンを検出するために前記電子検出器と共に使用するイオン−電子変換器であって、イオンで叩かれると検出のための電子を発生させる材料を含み、前記イオン−電子変換器に第1の電圧が印加されるとイオンが前記イオン−電子変換器へと引き付けられ、前記イオン−電子変換器の表面と衝突し、かつ前記電子検出器で検出される電子を発生させ、第2の電圧が印加されると電子が前記イオン−電子変換器を通り抜けて前記電子検出器によって検出されるような構造を有するイオン−電子変換器。
【請求項14】
前記電子検出器がシンチレータ検出器を含む、請求項13に記載のイオン−電子変換器。
【請求項15】
中空の円筒に近似する形状を有する、請求項13に記載のイオン−電子変換器。
【請求項16】
複数の平行のプレートを有する、請求項13に記載のイオン−電子変換器。
【請求項17】
アルミニウムまたはステンレス鋼を含む、請求項13に記載のイオン−電子変換器。
【請求項18】
正または負に荷電した粒子を検出する方法であって、
ターゲットから陽イオンまたは電子を選択的に引き付ける工程と、
陽イオンが選択的に引き付けられれば、前記陽イオンを表面に衝突させ、前記衝突が電子の放出を生じさせることによって前記陽イオンを電子へと変換する工程と、
前記陽イオンの前記衝突によって前記表面から放出される電子、または前記ターゲットから選択的に引き付けられ、かつ前記表面に衝突しない電子のどちらかを電子検出器を使用して検出する工程とを含む方法。
【請求項19】
前記陽イオンを表面に衝突させることによって前記陽イオンを電子へと変換する工程が概して円筒の表面に前記陽イオンを衝突させる工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記陽イオンを表面に衝突させることによって前記陽イオンを電子へと変換する工程が複数の概して平行のプレートの表面に前記陽イオンを衝突させる工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記陽イオンを表面に衝突させることによって前記陽イオンを電子へと変換する工程が、酸化アルミニウムまたはステンレス鋼を含む表面に前記陽イオンを衝突させる工程を含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−521486(P2007−521486A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517687(P2006−517687)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020527
【国際公開番号】WO2005/004186
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(501419107)エフ・イ−・アイ・カンパニー (78)
【Fターム(参考)】