説明

イオンドーピング装置

【課題】ランニングコストの削減、高速化、耐久性の向上を図ったイオンドーピング装置を提供する。
【解決手段】弁体23の駆動手段としてトグルリンク機構10を採用する。トグルリンク機構10は、受渡部2の直下に配置し、タイバー14を上昇させ、固定ダイ12を受渡部2の底部に当接させ固定する。固定ダイ12を受渡部2の底部に固定した後、テールストック13を所定の位置まで引き上げ、トグルリンク16を伸長させることで移動ダイ15を上昇させることでロッド11を弁体23まで上昇させ、ロッド11を弁体23に固定する。以降、トグルリンク16の伸縮によって弁体23を昇降させ、被照射体の処置室への導入出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被照射体の受渡部において、被照射体の搬送の高速化、処置室の高気密性を実現したイオンドーピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等に用いられる回路や、薄型テレビジョン装置に用いられる液晶表示装置等の半導体製品を製造するにあたり、イオン源からイオンビームを発生させ、半導体部品たる被照射体にイオンを注入するイオンドーピング装置が利用されている。イオンドーピング装置において、イオン源からイオンビームを発生させ被照射体に注入する際は、処置室内部を真空とする又は処理用ガスを充填しなくてはならない。従来、イオンドーピング装置では、その真空又は処理用ガス充填状態を保つため、種々の構造が開示されている。
【0003】
例えば特許文献1では、イオンドーピング前後の被照射体待機位置となる処理前室と、被照射体にイオンドーピングを行う処理室からなり、各々の部屋を隔離する隔離壁及び隔離バルブを設け、イオンドーピング中は隔離バルブによって各々の部屋を遮断し、イオンドーピング前後の被照射体の受渡時には隔離バルブを開放するという構成のイオンドーピング装置が開示されている。
【0004】
また、図1(a)及び(b)に示すように、上記隔離バルブと被照射体の受渡を行うためのテーブルとを兼用する構成のイオンドーピング装置も用いられており、こちらは油圧シリンダやエアシリンダを駆動源とした隔離バルブとテーブルを兼用する弁体を昇降させて被照射体の受渡しを行い、処理室と受渡部の双方からの気体の流入を防止することが可能となっている。
【0005】
このように、イオンドーピング装置においてイオンビームを発生させる処置室は、一定の環境を保つ必要があり、その気密性を高く保つ必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−203467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば上述のような弁体の駆動源に油圧シリンダやエアシリンダのような直圧式シリンダを用いたイオンドーピング装置は、弁体に常に圧力を掛け続けるため、弁体との当接部に設けられた気密性向上のためのパッキンが潰れてしまい、パッキンの耐久性の劣化が著しく早くなってしまう。また昇降動作全体が緩慢であり、イオン注入動作全体にかかる時間が長くなってしまい、また、油圧シリンダにおいては作業油量が多いためランニングコストが高くなってしまうという欠点があった。
【0008】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、ランニングコストの削減、高速化及び耐久性能の向上を実現したイオンドーピング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係るイオンドーピング装置は、被照射体を装置内部へ導入するための導入チャンバーと、前記導入チャンバーに導入された被照射体を処置室へ受け渡す受渡チャンバーからなる受渡部と、前記導入チャンバーから前記受渡チャンバーへの空気の流入を防止すると共に、前記導入チャンバーにて被照射体を載置するための弁体と、前記弁体を前記導入部と前記受渡部の間で昇降させるための昇降装置と、を有し、被照射体に対し、処置室にてイオンビームを照射するイオンドーピング装置であって、前記昇降装置は、駆動源たるモータと、該モータによって回動するボールネジと、該ボールネジを枢支し、回転運動を直線運動に変換するためのクロスヘッドと、前記受渡部下部に取り付け固定される固定ダイと、テールストックと、前記固定ダイ及び前記テールストックに端部を固定する複数のタイバーと、該タイバーに挿通され、摺動可能に取り付けられる移動ダイと、前記クロスヘッドと連結し、端部を前記移動ダイと前記テールストックとを連結するトグルリンクと、から構成されるトグルリンク機構であり、前記弁体は、前記移動ダイから延出したロッドによって連結され、前記トグルリンクが作動することにより前記弁体が昇降することを特徴とする。
【0010】
請求項1の構成によれば、直圧式シリンダによる弁体の押圧と比較して、弁体の押圧力にタイバーの弾性復元力を加えることができ、弁体による受渡チャンバーへの空気の流入を確実に防止することができる。また、トグルリンク機構を用いることで、トグルリンクが伸長し始めは弁体を高速に上昇させ、トグルリンクが伸長しきるときの弁体の速度を緩やかに上昇させることができる。
【0011】
請求項2に係るイオンドーピング装置は、請求項1記載のイオンドーピング装置において、前記トグルリンク機構は、前記受渡部の下部から着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
【0012】
請求項2の構成によれば、弁体の昇降装置たるトグルリンク機構を、イオンドーピング装置本体から取り外すことができる。
【0013】
請求項3に係るイオンドーピング装置は、請求項1又は2記載のイオンドーピング装置において、前記テールストック下部にキャスターを設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項3の構成によれば、取り外したトグルリンク機構の搬送を容易に行うことができる。
【0015】
請求項4に係るイオンドーピング装置は、請求項1から3の何れか1項記載のイオンドーピング装置において、前記タイバー全ての位置を同時に昇降させるための微調整手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項4の構成によれば、弁体の位置の微調整等を行う際、タイバーを昇降させることで弁体を適切な位置に停止させることができる。
【0017】
請求項5に係るイオンドーピング装置は、請求項4記載のイオンドーピング装置において、前記微調整手段は、前記タイバーの各々の下端にはネジ部と、各ネジ部に当接するギア部と、ギア部を回転させるための駆動手段からなり、駆動手段を作動させることで、前記ギア部を回転させ、前記タイバーを上下に昇降させることが可能なことを特徴とする。
【0018】
請求項5の構成によれば、タイバー下端に形成したネジ部を形成し、これを回転させることでタイバーを上下に昇降させる。駆動手段が稼動すると、ギア部が回転し、これがタイバー下端のネジ部に伝達され、タイバーが回転し、上下に昇降する。
【0019】
請求項6に係るイオンドーピング装置は、請求項1から3に記載のイオンドーピング装置において、前記タイバーを個々に昇降させるための微調整手段を、前記タイバー毎に備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項6の構成によれば、タイバーを個々に昇降させることで、弁体と受渡部の接触部分に不均一な間隙が生じた場合、間隙に合わせて調整するタイバーを選択することができる。
【0021】
請求項7に係るイオンドーピング装置は、請求項6記載のイオンドーピング装置において、前記微調整手段は、前記タイバーの各々の下端に形成されたネジ部と、各ネジ部近傍に各ネジ部を個別に駆動するための駆動手段とから構成され、各々駆動手段を作動させることでネジ部を駆動させ、対応する前記タイバーを上下に昇降させることが可能なこと特徴とする。
【0022】
請求項7の構成によれば、タイバー近傍に、各々のタイバーを昇降させる駆動手段を設け、弁体と受渡部の間隙の状態に合わせて、各々のタイバーを個別に調節することで、弁体と受渡部との間に間隙が生じることを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
上記構成のイオンドーピング装置によれば、導入チャンバーから受渡チャンバー、処置室への空気の流入を強固に防ぐことができ、被照射体へのイオンビーム照射の精度高く行うことができる。また、トグルリンク機構の特性として、トグルリンクが伸長しきる直前はその駆動速度は緩やかになるため、弁体の速度を受渡部当接直前に緩めることができ、受渡部の耐久性の向上を図ることができる。
【0024】
また、上記構成のイオンドーピング装置によれば、トグルリンク機構は前記受渡部の下部から着脱自在に取り付けられるので、複雑なトグルリンク機構のメンテナンス等を行う際、その作業性を向上させることができ、更に下部にキャスターを設けたことで、その搬送性能の向上を図ることができる。更に、タイバーを昇降させる微調整手段を備えたことで、弁体と受渡部に間隙が生じた場合でも、タイバーを昇降させてその間隙を埋めることで外気の流入を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1から図10を参照して説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反さない範囲で、実施例において説明した以外のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【実施例1】
【0026】
図1〜図8は、本発明の一実施例を示し、図1は、本実施例におけるイオンドーピング装置の構成の概略を示す(a)平面図、(b)側面図である。図2はイオンドーピング装置の受渡部及び昇降装置たるトグルリンク機構を示す部分拡大側面図である。図3〜8は、トグルリンク機構の取り付け方法を示す部分拡大側面図である。
【0027】
本実施例のイオンドーピング装置の構成について、図1に基づいて説明する。図1はイオンドーピング装置を示しており、図1(a)は平面図、図1(b)は側面図である。1は、イオンドーピング装置であり、被照射体5にイオンを注入し半導体部品等を製造するための装置である。2は外部から被照射体5を受け入れる受渡部である。20は、イオンドーピング装置1内部に被照射体5を導入するための導入チャンバーであり、21は導入チャンバー20を外界から遮蔽する蓋体である。22は受渡チャンバーである。23は弁体であり、導入チャンバーにおいて被照射体5を載置するテーブルを担うものであり、且つ、その載置の際、導入チャンバー20と受渡チャンバー22を遮断し、受渡チャンバー22に空気が流入するのを防止する弁を兼ねている。弁体23は上下に昇降駆動することが可能である。24は、弁体23が上昇して当接した際、空気の流入を防止するためのパッキンである。
【0028】
イオンドーピング装置1が備える上記構成を下記のように動作させることで、イオンビームを照射した被照射体を得ることができる。被照射体搬送アーム6によって被照射体5を導入チャンバー20へ搬送し、弁体23へ載置する。その後蓋体21によって密閉され、図示しない吸入装置によって導入チャンバー20内部を真空状態にする。導入チャンバー20内部が真空となったら、後述の昇降装置10を駆動させることで弁体23を所定の位置まで下降させ、被照射体5を受渡チャンバー22へ搬送する。その後弁体23上の被照射体5は処置室3へ搬送され、そこで図示しない被照射体垂立手段によって垂立させられる。その後、イオンビーム照射室4に設置されたイオン源から、アナライザー42を介してイオンビームが照射され、被照射体5に付着し、半導体製品として加工される。その後、上記とは逆の手順でイオンドーピング装置1外部へ被照射体5が搬出される。
【0029】
上述の昇降装置10について、図2に基づいて説明する。10は弁体23の昇降させる昇降装置である。11は、端部の一方を弁体23に固定され他方を後述の移動ダイに固定されるロッドである。12は受渡部2の下部に固定される固定ダイである。13はテールストックであり、14は端部を固定ダイ12とテールストック13に固定されるタイバーである。15は移動ダイである。16はテールストック13と移動ダイ15に取り付けられるトグルリンクであり、17はトグルリンク16を駆動させるための駆動源たるモータである。19はキャスターであり、トグルリンク機構10のメンテナンスを行う際など、昇降装置10を移動させる際に用いるものである。
【0030】
トグルリンク機構16は、モータ17の回転運動を垂直方向の運動に変換するためのボールネジ163と、モータ17の回転運動をボールネジ163に伝達するためのプーリ164、ボールネジ163を回動自在に枢支し、ボールネジ163の回転によってボールネジ163に沿って昇降することで、回転運動を直線運動に変換するためのクロスヘッド162と、テールストック13又は移動ダイと、クロスヘッド162とを連結する2組のリンクアーム161a、161b及び161cとによって構成される。
【0031】
トグルリンク機構16による弁体23の上昇動作は、以下の様な手順で行われる。モータ17が駆動することによってボールネジ163が回動し、モータ17の回転運動がクロスヘッド162の昇降運動へ変換される。クロスヘッド162が上昇すると、クロスヘッド162に連結されるリンクアーム161cはが、テールストック13及び移動ダイ15に連結されるリンクアーム161a・161bを外側に押し開き、リンクアーム161a・161bが直線状に伸びる。昇降装置10は、モータ17が駆動してトグルリンク16が伸縮する際、トグルリンク機構16の一方をテールストック13に固定されており、テールストック13はタイバー14及び固定ダイ12によって受渡部2に固定されるため、他方の移動ダイ15がトグルリンク機構16の伸縮の方向に駆動することとなる。即ちリンクアーム161a・161bが直線状に伸びることによって、移動ダイ15が上昇、即ち移動ダイ15とロッド11によって連結した弁体23が上昇することとなる。その結果移動ダイ15に取り付けられたロッド11が上下に昇降し、その先端に固定される弁体23を上下に昇降させることができる。モータ17が上記の回転運動と逆方向となることによって、クロスヘッド162が下降し、リンクアーム161a・161bが折りたたまれることによって、移動ダイ15が下降し、これにより弁体23が下降する。
【0032】
続いて受渡部2の下部に昇降装置10を取り付ける過程を、図3〜8に基づいて説明する。最初に図3に示すようにキャスター19を用いて受渡部2の下部に昇降装置10を配置する。続いて、後述のタイバー調整手段を用いて、図4に示すようにタイバー14を上昇させ、固定ダイ12を受渡部2の底部に当接させ、図示しないボルト等の固定手段により固定する。更に図5に示すように、モータ17を駆動させることでトグルリンク機構16を伸長させ、移動ダイ15を上昇させることによってロッド11を上昇させ、ロッド11の先端に、図示しないボルト等によって弁体23を取り付け固定する。図6に示すようにテールストック13を引き上げ、弁体23が導入チャンバー21と受渡チャンバー22の所定の位置を往復できるよう、位置調整を行う。その後、図7に示すように弁体23を固定する固定治具25を取り外し、弁体の締め付け力をテールストック13の位置によって調整し、図8に示すように弁体23の昇降動作を行う。
【0033】
続いて、前述のトグルリンク機構16において、タイバー14を昇降させることによって移動ダイ15の傾きを微調整し、弁体23が受渡部2に当接する際に間隙が生じることを防止する構造について図9に基づいて説明する。30は微調整手段である。30aはタイバー調整用モータであり、微調整手段を構成する1つである。30bは第1の動力伝達ギアであり、31は第2の動力伝達ギアである。タイバー調整用モータ30aが駆動することで、第1の動力伝達ギア30bが回転し、更に第2の動力伝達ギア31が回転することで、タイバー14の下端に形成されるネジ部14aを回転させ、4本のタイバー14全てを同時に昇降させることができる。
【0034】
以上のようなイオンドーピング装置によれば、従来用いられているような直圧式のシリンダを弁体の昇降のための駆動源とする構成と比較して、高速化を図ることができ、更に昇降動作に掛かる作業油量を著しく削減することができ、ランニングコストの低下も実現できる。また、トグルリンク機構16の特性として、リンクアーム161a、161bが伸長しきる寸前が最も速度が遅くなるため、弁体23が導入チャンバー20に当接する際、弁体23の移動速度が速すぎて導入チャンバー20が破損するといったようなことがなく、且つリンクアーム161a、161bが伸長しきる寸前が最も押圧力が大きいため、弁体によって受渡部若しくは処置室への空気の流入を確実に防ぐことができる。また、直圧式シリンダと異なり、パッキン24に対して過剰な圧力をかけることがなく、パッキン24の耐久性能を長く保持することができる。
【0035】
また、弁体23が当接するパッキンは、その使用回数と共に弾力性が劣化し、弁体23との間に間隙が生じてしまう虞があるが、上記構成によって、パッキン24が潰れたりして受渡部2と弁体23に間隙が生じたとしても、弁体23を底上げして間隙を埋め、気体の流入出を防止することができる。
【実施例2】
【0036】
図10は本発明の実施例2を示したものであり、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例1では、微調整手段30としてタイバー調整用モータ30aの駆動を第1の動力伝達ギア30b、第2の動力伝達ギア31を介して、全てのタイバー14のネジ部14aを回転させ、これによって4本のタイバー17を同時に調整する構成としたが、本実施例では、タイバー14の各々の近傍に微調整手段32をそれぞれ設けた構成とする。タイバー調整用モータ32aは、動力伝達ギア32bを介してタイバー14下端のネジ部14aを回転させることで、タイバー14を上下に昇降させることができる。また実施例1の構成と異なりタイバー14を個々に昇降させるためにタイバー14の本数分タイバー調整用モータ32aを配設したので、構成が複雑となり高コストとなる反面、弁体23を様々な方向に傾けることができ、パッキン24の変形の度合いに合わせた柔軟な対応を行うことができる。
【0037】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えばタイバー14を4本
備える構成としたが、これに限定せずに、タイバー3本を三角状に配置した構成としても何ら問題ない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1における、イオンドーピング装置の全体を示す、(a)平面図、(b)側面図である。
【図2】同上、受渡部下部にトグルリンク機構を取り付ける手順を示す要部拡大側面図である。
【図3】同上、受渡部下部にトグルリンク機構を取り付ける手順を示す要部拡大側面図である。
【図4】同上、受渡部下部にトグルリンク機構を取り付ける手順を示す要部拡大側面図である。
【図5】同上、受渡部下部にトグルリンク機構を取り付ける手順を示す要部拡大側面図である。
【図6】同上、受渡部下部にトグルリンク機構を取り付ける手順を示す要部拡大側面図である。
【図7】同上、受渡部下部にトグルリンク機構を取り付ける手順を示す要部拡大側面図である。
【図8】同上、受渡部下部にトグルリンク機構を取り付けた状態を示す要部拡大側面図である。
【図9】同上、トグルリンク機構の下面を示す平面図である。
【図10】本発明の実施例2における、トグルリンク機構の下面を示す平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 イオンドーピング装置
2 受渡部
20 導入チャンバー
21 蓋体
22 受渡チャンバー
23 弁体
24 パッキン
25 固定治具
3 処置室
4 イオンビーム照射室
41 イオン源
42 アナライザー(質量分析マグネット)
10 昇降装置
11 ロッド
12 固定ダイ
13 テールストック
14 タイバー
14a ネジ部
15 移動ダイ
16 トグルリンク機構
161a、161b、161c リンクアーム
162 クロスヘッド
163 ボールネジ
164 プーリ
17 モータ
30、32 微調整手段
30a、32a タイバー調整用モータ
30b 第1の駆動伝達ギア
31 第2の駆動伝達ギア
32b 動力伝達ギア32b
6 被照射体搬送アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照射体を装置内部へ導入するための導入チャンバーと、
前記導入チャンバーに導入された被照射体を処置室へ受け渡す受渡チャンバーからなる受渡部と、
前記導入チャンバーから前記受渡チャンバーへの空気の流入を防止すると共に、前記導入チャンバーにて被照射体を載置するための弁体と、
前記弁体を前記導入部と前記受渡部の間で昇降させるための昇降装置と、
を有し、被照射体に対し、処置室にてイオンビームを照射するイオンドーピング装置であって、
前記昇降装置は、
駆動源たるモータと、
該モータによって回動するボールネジと、
該ボールネジを枢支し、回転運動を直線運動に変換するためのクロスヘッドと、
前記受渡部下部に取り付け固定される固定ダイと、
テールストックと、
前記固定ダイ及び前記テールストックに端部を固定する複数のタイバーと、
該タイバーに挿通され、摺動可能に取り付けられる移動ダイと、
前記クロスヘッドと連結し、端部を前記移動ダイと前記テールストックとを連結するトグルリンクと、
から構成されるトグルリンク機構であり、
前記弁体は、前記移動ダイから延出したロッドによって連結され、前記トグルリンクが作動することにより前記弁体が昇降することを特徴とするイオンドーピング装置。
【請求項2】
前記トグルリンク機構は、前記受渡部の下部から着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のイオンドーピング装置。
【請求項3】
前記テールストック下部にキャスターを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のイオンドーピング装置。
【請求項4】
前記タイバー全ての位置を同時に昇降させるための微調整手段を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のイオンドーピング装置。
【請求項5】
前記微調整手段は、前記タイバーの各々の下端にはネジ部と、各ネジ部に当接するギア部と、ギア部を回転させるための駆動手段からなり、駆動手段を作動させることで、前記ギア部を回転させ、前記タイバーを上下に昇降させることが可能なことを特徴とする請求項4記載のイオンドーピング装置。
【請求項6】
前記タイバーを個々に昇降させるための微調整手段を、前記タイバー毎に備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のイオンドーピング装置。
【請求項7】
前記微調整手段は、前記タイバーの各々の下端に形成されたネジ部と、各ネジ部近傍に各ネジ部を個別に駆動するための駆動手段とから構成され、各々駆動手段を作動させることでネジ部を駆動させ、対応する前記タイバーを上下に昇降させることが可能なこと特徴とする請求項6記載のイオンドーピング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−18799(P2011−18799A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162872(P2009−162872)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000222587)東洋機械金属株式会社 (299)
【Fターム(参考)】