説明

イオン伝導性固体電解質

【課題】吸水量が小さく、高いイオン伝導率を有する固体電解質を提供する。
【解決手段】電解質塩と、下記式(化1)で示される分子の重合体、およびこの分子とCH2=CR3COOR4で示される分子との共重合体から選ばれる少なくとも1種と、を含むイオン伝導性固体電解質とする。ただし、R1,R3は水素原子またはメチル基、R2はフルオロ基、シアノ基、炭素数が1以上6以下の直鎖アルキル基または炭素数が1以上6以下の直鎖アルコキシル基、R4は炭素数が1以上22以下の直鎖アルキル基または炭素数が1以上22以下の直鎖フルオロアルキル基、Xは−COO−基または−OCO−基、aは1以上6以下の整数、b,cは1または2である。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン伝導性固体電解質に関する。具体的には、リチウムおよびリチウムイオン電池、キャパシタ、光電気化学電池、イオンセンサおよびフォトクロミック素子等の各種デバイスに適した特性を有するイオン伝導性固体電解質に関する。
【背景技術】
【0002】
固体状態でイオン伝導性を有する固体電解質、特に高分子固体電解質は、近年、次世代リチウム二次電池用の電解質等として注目を集めている。高分子固体電解質は、液漏れのおそれがなく、不揮発性であり、しかも形状の自由度が大きい。
【0003】
高分子固体電解質は、液系電解質に比べてイオン伝導率が低い。このため、高分子固体電解質の改良は、イオン伝導率の向上を目的として為されることが多い。従来、この目的を達成するために、液晶材料の配向性を利用した様々な高分子固体電解質が提案されている(例えば特許文献1〜6)。
【0004】
【特許文献1】特開平4−19903号
【特許文献2】特開平4−323260号
【特許文献3】特開平11−86629号
【特許文献4】特開2001−338527号
【特許文献5】特開2001−351683号
【特許文献6】特開2002−105033号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高分子固体電解質を用いるデバイスでは、微量の水の存在がその性能を劣化させることがある。例えばリチウム電池では、水と金属リチウムの反応により容量が低下する。色素増感電池では、水により色素の劣化が促進される。高温作動固体高分子型燃料電池では、水との接触によるプロトン酸の溶出が懸念される。しかし、高分子固体電解質から微量の水を除去するためには高温で長時間の真空乾燥処理が必要であり、この処理はコスト高の要因となる。
【0006】
以上の事情を鑑み、本発明は、伝導率が高く、吸水性が低い固体電解質を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電解質塩と、下記式(化1)で示される分子の重合体、および前記分子と下記式(化2)で示される分子との共重合体から選ばれる少なくとも1種と、を含むイオン伝導性固体電解質を提供する。
【0008】
【化1】

【0009】
【化2】

【0010】
ただし、R1およびR3は水素原子またはメチル基であり、R2はフルオロ基、シアノ基、炭素数が1以上6以下の直鎖アルキル基または炭素数が1以上6以下の直鎖アルコキシル基であり、R4は炭素数が1以上22以下の直鎖アルキル基または炭素数が1以上22以下の直鎖フルオロアルキル基であり、Xは−COO−基または−OCO−基であり、aは1以上6以下の整数であり、bおよびcは1または2である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、吸水性が低く、伝導率にも優れた高分子固体電解質を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の固体電解質は、電解質塩とともに、a)式(化1)で示される液晶性モノマーの重合体、b)式(化1)で示される液晶性モノマーと下記式(化2)で示される非液晶性モノマーとの共重合体の少なくとも1種、とを含む。a)およびb)は側鎖型液晶ポリマーとなる。この側鎖型液晶ポリマーは、(CH2CR1(R3)R0)を繰り返し単位として含む。R0は、上記液晶性モノマーまたは上記非液晶性モノマーに由来する側鎖部である。
【0013】
a)〜b)のうち、液晶の配向性の向上を考慮するとa)が好ましく、得られる固体電解質のガラス転位温度を低下させ、柔軟性を付与することを考慮するとb)が好ましい。上記液晶性モノマーにおけるR2はシアノ基が好ましく、上記非液晶性モノマーにおけるR4は直鎖アルキル基が好ましい。
【0014】
上記b)の重合体および上記c)の共重合体では、特に制限されないが、分子量が1000〜10000であることが好ましい。
【0015】
本発明の固体電解質は、室温から高温に至る広い温度範囲で高いイオン伝導率を有することができる。例えば、固体電解質を透明導電膜付きガラス電極間に狭持して測定した23℃におけるイオン伝導率が1.0×10-6以上であり、上記電極間に狭持して測定した100℃におけるイオン伝導率が1.0×10-5以上とすることも可能である。デバイスの使用条件を考慮すると、上記電極間に狭持して測定した伝導率が広い温度域で高い固体電解質が求められており、本発明の固体電解質はこの要求特性を満たしうる。
【0016】
本発明の固体電解質では、電解質塩の含有率は1〜20重量%、特に5〜20重量%、が好ましく、上記重合体(重合体および共重合体)の含有率は80〜99重量%、特に80〜95重量%、が好ましい。電解質塩が1重量%未満となると伝導性の発現に必要なイオンが不足し、電解質塩が20重量%を超える程度に増量してもイオン伝導率は向上せず、液晶性分子の垂直配向性が低下するのみである。
【0017】
電解質塩としては、アルカリ金属塩、特にリチウム塩が好適であり、具体的には、LiPF6、LiBF4、LiN(C25SO22、LiAsF6、LiSbF6、LiAlF4、LiGaF4、LiInF4、LiClO4、LiN(CF3SO22、LiCF3SO3、LiSiF6、LiN(CF3SO2)(C49SO2)等を用いることができる。
【0018】
電解質塩はデバイスに応じて適宜選択するとよい。リチウム塩以外の電解質塩としては、LiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物、4級イミダゾリウム化合物のヨウ素塩、テトラアルキルアンモニウム化合物のヨウ素塩、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2等の金属臭化物を例示できる。
【0019】
本発明の固体電解質には、さらにプロトン酸を添加してもよい。プロトン酸を添加すると、プロトン伝導体として使用できる。プロトン酸は無機酸でも有機酸でもよい。無機酸としては、硝酸、硫酸、亜硫酸、重亜硫酸、燐酸、亜燐酸、次燐酸、メタ燐酸、次亜燐酸、アミド燐酸、炭酸、重炭酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、オルトホウ酸、メタホウ酸、アルミン酸、アミド硫酸、ヒドラジノ硫酸、スルファミン酸を例示できる。また、有機酸としては、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、乳酸、酢酸、酪酸、クロトン酸、アゼライン酸、クエン酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、フマル酸、マロン酸、リンゴ酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アニス酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、ナフトエ酸、テレフタル酸、ピロメリツト酸、アスパラギン、アスパラギン酸、4−アミノ酪酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシン、ゲルタミン酸、システイン、セリン、バリン、ヒスチジン、メチオニン、ロイシン、安息香酸、安息香酸−2−燐酸、アデノシン−2’−燐酸、フェノール−3−燐酸、ガラクトース−1−燐酸、ベンゼンホスホン酸、2−アミノエチルホスホン酸、2−ブロム−p−トリルホスホン酸、2−メトキシフェニルホスホン酸、t−ブチルホスフィン酸、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、4−アミノ−m−クレゾール、2,4−ジニトロフェノール、o−ブロモフェノール、p−フェノールスルホン酸、p−アセチルフェノール、アスコルビン酸、レダクチン、3−ヒドロキシフェニルホウ酸、3−アミノフェニルホウ酸、β−フェニルエチルボロン酸、ヒドラジン−N,N−ジ酢酸、ヒドラジン−N,N’−ジ酢酸を例示できる。プロトン酸は、上記に限らず、例えば、スルフォニルイミド酸、その誘導体等であってもよい。
【0020】
本発明の固体電解質は、上記液晶分子、電解質塩、プロトン酸以外に、ゲル化剤、ポリエチレンオキシドポリマー等の汎用の高分子電解質等その他成分を含んでいてもよいが、その他成分の含有率は、10重量%以下とすることが好ましい。
【0021】
本発明の固体電解質は、リチウムイオン電池等各種デバイスへの適用が可能である。例えば色素増感型太陽電池では不揮発性の電解質が求められているが、本発明の固体電解質は十分に要求特性を満たす。
【0022】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。まず、イオン伝導率の測定方法について説明する。
【0023】
(イオン伝導率の測定方法)
図1にイオン伝導率の測定に用いたセルを示す。このセルを作製するために、まず、アルゴングローブボックス内にて、予めITO(indium tin oxide)膜3を形成した縦25mm、横20mmのガラス板(ITO膜付きガラス電極)4に、電解質充填部1として直径15mmの円を打ち抜いた厚み35μmの粘着剤付きポリイミドフィルム(図2参照)をスペーサー2として貼り付けた。次いで、電解質充填部1に、測定対象とする電解質を充填して等方性液体状態となるまで加熱し、その後、もう1枚のITO膜付きガラス電極4をITO膜3が固体電解質側となるように配置した。
【0024】
こうして得た伝導率測定用セルは、一旦、室温(23℃)まで自然冷却し、室温で、インピーダンス測定装置(Princeton Applied Research製263Aポテンショスタットと5210 Rock in amplifier)を用いた複素インピーダンス法により、高周波数側の円弧と低周波数側の直線との交点の実数成分インピーダンスを求め、以下の式に基づいて伝導率σ(S/cm)を算出した。
σ=d/(R×A)
d:スペーサー厚み(cm)、R:実数成分インピーダンス(Ω)、A:極板面積(cm2
(吸水量測定)
測定の対象とする固体電解質1gを23℃、相対湿度50〜60%の室内に3日間放置し、その前後の重量増加から吸水量を算出した。
【0025】
(合成例1)
(化1)において、R1=H、R2=CN、a=2、b=1、c=2に相当する、4−(2−アクリルオキシエトキシ)−ベンゼン酸−4−シアノビフェニルエステルの合成例を示す。
【0026】
水酸化カリウム溶液(KOH300g,エタノール700cm3,水300cm3)に、4−ヒドロキシ安息香酸276g(2mol)と触媒量のヨウ化カリウムを加えて溶解した。加温状態でエチレンクロロヒドリン177g(2.2mol)をゆっくり加えて約15時間還流した(反応とともに塩化カリウムが析出した)。反応終了後エタノールを留去し、水2リットル中に反応液を加えた。この水溶液をジエチルエーテルで2回洗浄後、水層を4mol/dm-3塩酸で酸性とした。得られた沈殿物をろ過、乾燥後、エタノールで再結晶して、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸を得た(収量290g,収率82%,純度98%)。
【0027】
4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸182g(1mol)、ヒドロキノン40g、pートルエンスルホン酸40g、アクリル酸600cm3をベンゼン/トルエン=1/1(重量比)の混合溶媒600cm3に溶解した。Dean−Stark管を用いて理論量の水が系外に除かれるまで還流(約15時間)した。次に反応液をジエチルエーテル4リットルに入れ、温水洗浄を行なった。さらに飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた固体をアセトン/ヘキサン=1/1(重量比)の混合溶媒で再結晶し、4−(2−プロペノイルオキシエトキシ)安息香酸を得た(収量153g,収率65%,純度97%)。
【0028】
4−(2−プロペノイルオキシエトキシ)安息香酸23.6g(0.1mol)をアセトン400cm3に加えた。さらにトリフルオロ酢酸無水物20.8cm3(0.15mol)を加えて撹拌した。4−シアノ−4´−ヒドロキシビフェニル19.5g(0.1mol)を反応液に加え室温で6時間反応させた。反応液を留去後、ジエチルエーテルに溶解して、水、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた固体をアセトニトリル600cm3で再結晶し、目的のモノマーを得た(収量29.3g,収率71%,純度99%)。
【0029】
(合成例2)
(化1)に示したモノマーの重合例を示す。
【0030】
合成例1で得たモノマー4.10gと、ジメチルアセトアミド(DMAc)/テトラヒドロフラン(THF)=4/1(重量比)の混合溶媒30cm3を三つ口フラスコに仕込んだ後、窒素気流下で加熱撹拌してモノマーを完全に溶解した。そこへ少量の上記混合溶媒に溶解したアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)100mgを滴下した。6時間還流した後、加熱を止め反応液を室温に戻してから、反応溶液をメタノール150cm3中へ滴下してポリマーを再沈殿させた。ポリマーをろ別し、メタノール/THF=3/2(重量比)の混合溶媒50cm3で洗浄した後、ろ別、乾燥してポリマー(Aポリマー)を得た(収量3.62g,収率90%)。テトラヒドロフランを溶出液として使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量は8.9×103であった。
【0031】
(合成例3)
(化1)に示したモノマーと(化2)に示したモノマーの共重合例を示す。
【0032】
合成例1で得たモノマー2.69g、市販のアクリル酸ステアリル((化2)においてR3=H、R4=ステアリル基)1.14gおよびジメチルアセトアミド(DMAc)/テトラヒドロフラン(THF)=4/1(重量比)の混合溶媒30cm3を三つ口フラスコに仕込んだ後、合成例2と同様にして、ポリマー(ASコポリマー)を得た(収量3.35g,収率89%)。テトラヒドロフランを溶出液として使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量は9.8×103であった。
【0033】
(実施例1)
リチウム塩LiN(CF3SO22(キシダ化学製、以下「LiTFSI」と表記する)0.2g、合成例3で合成したASコポリマー0.8gをシクロヘキサン5cm3中に溶解させ、140℃でシクロヘキサンを揮発させ、80℃で一日真空乾燥を行った。こうして得た電解質を用い、120℃で測定用セルを作製し、イオン伝導率を測定した。
【0034】
(実施例2)
リチウム塩LiTFSI(キシダ化学製)0.1g、合成例3で合成したASコポリマー0.9gをシクロヘキサン5cm3中に溶解させ、140℃でシクロヘキサンを揮発させ、80℃で一日真空乾燥を行った。こうして得た電解質を用い、120℃で測定用セルを作製し、イオン伝導率を測定した。
【0035】
(実施例3)
リチウム塩LiTFSI(キシダ化学製)0.2g、合成例2で合成したAポリマー0.8gをシクロヘキサン5cm3中に溶解させ、140℃でシクロヘキサンを揮発させ、80℃で一日真空乾燥を行った。こうして得た電解質を用い、120℃で測定用セルを作製し、イオン伝導率を測定した。
【0036】
(比較例1)
0.01mol/dm-3のLiTFSI(キシダ化学製)0.0287gを含むγ−ブチロラクトン(富山化学製)電解液を0.99gに溶解させた電解質を用い、上記実施例と同様にしてイオン伝導率を測定した。
【0037】
(比較例2)
LiTFSI(キシダ化学製)5重量部、ポリエチレンオキサイド(アルドリッチ製、粘度平均分子量90万、直鎖状)20重量部、アセトニトリル(和光純薬製)75重量部を混合し、80℃で撹拌して電解質溶液を得た。この溶液をシャーレに展開し、80℃で3時間加熱乾燥し、さらに60℃で12時間真空乾燥を行い、厚み約80μmの高分子固体電解質フィルムを得た。このフィルムを用い、測定用セルを作製してイオン伝導率を測定した。
【0038】
上記各実施例、比較例から得た伝導率、吸水量を表1にまとめて示す。
【0039】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、吸水量が小さく、高いイオン伝導率を有する高分子固体電解質を提供できる。本発明の固体電解質は、リチウムイオン電池、光電気化学電池、燃料電池に代表される各種デバイスの材料として大きな利用価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例で用いた垂直方向イオン伝導率測定用セルの断面図である。
【図2】図1のセルに用いたスペーサーの平面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 電解質充填部
2 スペーサー
3 ITO膜
4 ITO膜付きガラス電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質塩と、下記式(化1)で示される分子の重合体、および前記分子と下記式(化2)で示される分子との共重合体から選ばれる少なくとも1種と、を含むイオン伝導性固体電解質。
【化1】

【化2】

ただし、R1およびR3は水素原子またはメチル基であり、R2はフルオロ基、シアノ基、炭素数が1以上6以下の直鎖アルキル基または炭素数が1以上6以下の直鎖アルコキシル基であり、R4は炭素数が1以上22以下の直鎖アルキル基または炭素数が1以上22以下の直鎖フルオロアルキル基であり、Xは−COO−基または−OCO−基であり、aは1以上6以下の整数であり、bおよびcは1または2である。
【請求項2】
前記電解質塩の含有率が1〜20重量%であり、前記重合体の含有率が80〜99重量%である請求項1に記載のイオン伝導性固体電解質。
【請求項3】
前記電解質塩がアルカリ金属塩である請求項1または2に記載のイオン伝導性固体電解質。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−32000(P2006−32000A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205862(P2004−205862)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】