説明

イソキサゾール誘導体を含む、再狭窄の予防及び治療のための医薬組成物

イソキサゾール誘導体を含む再狭窄の予防及び治療のための医薬組成物が提供される。該医薬組成物は、式1で表されるイソキサゾール誘導体の又は医薬品として許容可能なその塩の治療上有効量を含む。該医薬組成物は、抗再発狭窄症活性を示しそして内皮細胞再生を促進するため、該医薬組成物は、血管狭窄症の予防及び治療に有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再狭窄の予防及び治療のための医薬組成物に関し、そしてより詳細には、有効成分としてのイソキサゾール誘導体又はそれらの医薬品として許容される塩を含む再狭窄の予防又は治療のための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
狭心症又は心筋梗塞によって代表される虚血性疾患を治療する方法のひとつとして、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)が、バイパス手術の代わりに、最近広く用いられている。この場合、PTCAは、その先端部に取り付けられたバルーンを有する特別なカテーテルを末梢動脈から冠動脈の狭窄部位へ経皮的に挿入し、バルーンを拡張することにより狭窄部位を拡張することにより行われる。このバルーンカテーテルを使用した冠動脈血管形成術は、狭心症の比較的高い改善率及び心筋梗塞の発病の誘発に対する低いリスクを有するため、優れた治療法として評価されてきた。しかし、バルーンカテーテルを使用した冠動脈形成術後に、同じ部位の再狭窄が40乃至50%の頻度で発生する。この場合は、PTCA又はバイパス手術を再び行わなければならない。
【0003】
上記問題を解決するために、ステントを使用した方法が、ステンレススチール製の金属ステントを狭窄した血管内に挿入しそして狭窄した血管を血管の本来のサイズに拡張させることにより、狭窄した血管を治療しそして正常な血流を維持するために使用されてきた。この冠動脈ステント挿入は約10%まで再狭窄率を低下させることが報告された。しかし、ステントを使用する該方法はまた、再狭窄が高頻度で再発する問題を有し、そしてまたステントは柔軟性に欠けるため曲がった血管へステントを適用することは困難である。
【0004】
ステント内再狭窄の発生に対する機構は、上記問題を解決するために研究された。結果として、バルーンを使用した治療介入における機構とは別に、ステント挿入術後の再狭窄の機構は、血管壁の気圧障害及び異物による連続的な刺激に起因する内膜の過形成に起因し、そして血管がステント挿入術中に十分に拡張されなかった場合に、見せかけのステント内狭窄が生じ得ることが報告された(Hoffman R等,Circulation、94:1247−1254頁、1966年:Dussainllant GR等,J.Am.Coll.Cardiol.,26:720−724頁,1995年参照)。最近では、内皮細胞の損傷に対する過形成反応がアンジオテンシン変換酵素(ACE)遺伝子多型と関連付けられることが知られている。この場合、D/D遺伝形質が、80%のびま
ん性ステント内再狭窄病変において観測され、そして、36%の病巣部位において認められ、このことは、遺伝形質は再狭窄に影響を及ぼす1つのファクターであることを示している(Ribichini F等、Circulation、97;141−154頁、
1998年参照)。また、血管の中膜中の血管平滑筋細胞の増殖及び内膜への血管平滑筋の移動に起因する新生内膜形成は、再狭窄の機構における最も重要な役割を果たすことが期待されていた。これらの研究結果から、血管再狭窄は、治療介入後の損傷を受けた血管内の血管平滑筋細胞の増殖、成長因子及び細胞質基質に起因する新生内膜の過形成、血管内の動的変化への血管壁の反応による血管の再構築、等に起因すると最近では考えられている(Epstein SE等、J.Am.Coll. Cardiol.,23:1278−1288頁、1994年;Glagov S, Circulation,89:
28888−28891頁、1994年参照)。
【0005】
正常な血管平滑筋細胞は増大しないが、血管平滑筋細胞の分裂、移動及び増殖は、内皮細胞の中膜がステント挿入手術等により損傷を受けた場合に、シグナル変換カスケードを通じて誘因される。血管平滑筋細胞の増殖の機構は、増殖阻害因子の除去、正常内皮細胞
の損傷による増殖因子の活性化、血管平滑筋細胞の細胞表面上の受容体を介する増殖促進シグナルの変換、そして血管平滑筋細胞の核へ変換された増殖促進シグナルによる細胞周期の変化、等を含む。正常な内皮細胞は、血管平滑筋細胞の増殖を阻害する因子を分泌するが、しかし、内皮細胞が損傷を受けた場合、これらの因子の分泌が阻害され、そして、平滑筋細胞の増殖は、トロンビン、線維芽細胞増殖因子(FGF)及び活性化血小板から分泌される血小板由来増殖因子(PDGF)、及び細胞損傷により発生する酸素フリーラジカルにより誘発されることが報告されている(Palmer RMJ等,Nature,327:524−526頁,1987年;Kinsella MG,Wight TN,J.Cell Biol.,102:678−682頁、1986年:McNamara CA等,J.Clin. Invest.,91:94−98頁,1993年参照)

【0006】
レーザー血管形成術、高速回転アテローム切除術及びカッティングバルーンを使用した冠動脈血管形成術のような新しいPTCA機器が、再狭窄を予防するために導入され、そして、抗血小板薬、抗血栓剤、血管拡張剤、細胞増殖抑制剤等のような薬剤を使用して冠動脈血管形成術後の再狭窄を予防する試みもまた行われてきた。それらのなかでも、表面がラパマイシン又はパクリタキセルのような細胞増殖抑制剤でコートされた薬剤溶出性ステントが最も効果的であることが証明されている。これらの薬剤は、再狭窄の原因である血管中の血管平滑筋細胞の分裂、移動及び増殖を強力に阻害する。この2種の薬剤溶出性ステントは、再狭窄を防止するというすばらしい効果を持っていたため、薬剤溶出性ステントが2004年に米国によって着手されてから2年以内に米国冠動脈血管形成市場の90%以上を該薬剤溶出性ステントが占めるに至るほどのものとして認められてきていた。
【0007】
しかし、細胞増殖抑制剤を使用した薬剤溶出性ステントは、ステント挿入手術の1ヶ月以上後に患者の遅発性ステント血栓症の発症を増加させるリスクを有することが報告された(2006年、バルセロナにおける世界心臓病学会)。したがって、FDAは、患者は、ステント挿入手術後の少なくとも1年間は、抗血栓剤を選ぶようにと推奨しており、そして、遅発性ステント血栓症のリスクを調査して追跡している(http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/06/briefing/2006−4253b1_01.pdf参照)。薬剤溶出性ステントのこれらの副作用には種々の原因があり得るが、最も重要な原因のひとつは、ステント操作中におけるステント側の血管壁の創傷が治癒しないか又はその治癒が遅延していることである(Renu Virmani、Circulation 2005年;112;270−278頁参照)。薬剤それ自身は、血管壁における創傷治癒の遅延の原因として考えられている。最近使用された薬剤の全てが細胞増殖抑制剤であり、そしてこれらの細胞増殖抑制剤は、血管壁の内皮細胞再生に作用する血管内皮細胞の分裂、移動及び増殖を阻害し、並びに、再狭窄の原因である血管平滑筋細胞の分裂、移動及び増殖を阻害する。即ち、これらの薬剤は、平滑筋細胞への選択性を有さず、その結果、再狭窄を阻害する作用を有し、また、この薬剤は細胞に対する特定の選択性を有さないため血管壁の創傷治癒を遅延させる副作用も有する。(Sarembock,Drug Discov Today:Dis Mech(2007年)doi:10.1016/j.ddmec.2007.10.007)。したがって、再狭窄を予防し、そして血管壁の創傷治癒を阻害する如何なる副作用も有しない、医薬用品の開発に対する緊急の需要が存在する。
【0008】
一方、「Wnt」タンパクは、約40kDaの分子量を有しそして、システインに富む分泌性糖タンパクであり、そして細胞増殖及び分化を含む種々の成長過程及び細胞極性に関連付けられることが知られている(Moon RT等、Science、2002年;Reya T及びClevers H,Nature,2005年)。19のWntタンパクがヒトにおいて同定されたこと、そして、Wnt受容体として作用する10のフリズル(frizzled)タンパク及び2の共受容体(LRP5及び6)もまたヒトに存在
することが報告された(HeXC等、Nat Genet,2004年;Tamai K等,Mol Cell,2004年;Tamai K等,Nature,2000年)。
【0009】
最近では、Wntシグナル変換経路が、幹細胞の維持及び分化及び成長促進における重要な役割を果たすことが報告され(Reya T等、Nature,2003年;Trowbridge JJ等,Natuer Med.,2006年)、それゆえ、組織の再生、抜け毛の防止、造血、及び幹細胞の成長促進、維持及び分化のための基質としてのWntタンパクを開発する多くの試みがある。
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を試み、そして、Wnt/β−カテニンシグナル変換を調節(アゴナイズ)する効果を有するアゴニストとして作用するイソキサゾール誘導体及びその医薬品として許容できる塩が、再狭窄を予防及び治療するために有効であることを見出したものである。ゆえに、本発明は、上記事実に基づき完成された。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Hoffman R等,Circulation、94:1247−1254頁、1966年
【非特許文献2】Dussainllant GR等,J.Am.Coll.Cardiol.,26:720−724頁,1995年
【非特許文献3】Ribichini F等、Circulation、97;141−154頁、1998年
【非特許文献4】Epstein SE等、J.Am.Coll. Cardiol.,23:1278−1288頁、1994年
【非特許文献5】Glagov S, Circulation,89:28888−28891頁、1994年
【非特許文献6】Palmer RMJ等,Nature,327:524−526頁,1987年
【非特許文献7】Kinsella MG,Wight TN,J.Cell Biol.,102:678−682頁、1986年
【非特許文献8】McNamara CA等,J.Clin. Invest.,91:94−98頁,1993年
【非特許文献9】http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/06/briefing/2006−4253b1_01.pdf
【非特許文献10】Renu Virmani、Circulation 2005年;112;270−278頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、先行技術の問題を解決することを目的とし、そしてしたがって、該医薬組成物は有効成分としてのイソキサゾール誘導体又はそれらの医薬品として許容できる塩を含むため、本発明の目的は、再狭窄の予防及び治療に効果を有する医薬組成物を提供することにある。
【0013】
また、本発明のその他の目的は、活性成分としてイソキサゾール誘導体又はそれらの医薬品として許容できる塩を採用することにより、血管内皮細胞における創傷治癒に起因する遅発性ステント血栓症の如何なる副作用もなしに、抗再狭窄活性を付与しそして内皮細胞再生を促進する、血管再狭窄の予防又は治療の方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
技術的解決
本発明のこの明細書の詳細な説明に先立ち、本発明中で使用される用語を以下に定義する。
【0015】
a)アルキル基:直鎖又は分枝、飽和又は不飽和の1乃至10個の炭素原子を含む炭化水素であり、1つ又はそれ以上の水素原子が、1種又はそれ以上の、アシル基、アミノ基、カルボアルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシアミノ基、−O−カルバモイル基(−O−(C=O)−NH2)、シアノ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、チオ基、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホキシ基及びグアニド基から選ばれる基で、最大限に可能な数まで、順番及びその種類にかかわりなく、置換され得るものを指す。
【0016】
b)シクロアルキル基:飽和又は部分的に飽和されるか、0乃至5個の酸素、硫黄、窒素等のようなヘテロ原子と構成される3乃至12員からなる、非芳香族、単環式又は多環式環状炭化水素化合物を指す。それは、3乃至12員の単環化合物又は結合した環化合物であり、1つ又はそれ以上の水素原子が、アシル基、アミノ基、カルボアルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシアミノ基、−O−カルバモイル基(−O−(C=O)−NH2)、
シアノ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、チオ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホキシ基、グアニド基から選ばれる基で、1種又はそれ以上の、最大限に可能な数まで、順番及びその種類にかかわりなく、置換され得るものであり得る。
【0017】
シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、モルホリニル基、ホモモルホリニル基、チオモルホリニル基、ホモチオモルホリニル基、チオモルホリニル S−オキシド、チオモルホリニル S,S−ジオキシド、ピペリジニル基、ホモピペリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基、オキサゾリジノニル基、ジヒドロピラゾリル基、ジヒドロピロリル基、ジヒドロピラジニル基、ジヒドロピリジニル基、ジヒドロピリミジニル基、ジヒドロフリル基及びジヒドロピラニル基を含むがこれらに限定されない。
【0018】
c)アリール基: 5乃至15員環及び1乃至5個の酸素、硫黄又は窒素のようなヘテロ
原子との複素環からなる、芳香族単環又は結合環炭化水素を含む芳香族環であり、1つ又はそれ以上の水素原子が、アシル基、アミノ基、カルボアルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシアミノ基、−O−カルバモイル基(−O−(C=O)−NH2)、シアノ基、ハ
ロゲン原子、水酸基、ニトロ基、チオ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホキシ基及びグアニド基から選ばれる基で、1種又はそれ以上の、最大限に可能な数まで、順番及びその種類にかかわりなく、置換され得るものを指す。
【0019】
アリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、キノリニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、ピラジニル基、イソインドリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、イミダゾリニル基、イソキサゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、インドリジニル基、インダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、チエニル基、ピロリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾロピリジニル基、イミダゾピリジニル基、イソチアゾリル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、イソクロマニル基、クロマニル基
、テトラヒドロイソキノリニル基、イソインドリニル基、イソベンゾテトラヒドロフラニル基、イソベンゾテトラヒドロチエニル基、イソベンゾチエニル基、ベンゾキサゾリル基、ピリドピリジニル基、ベンゾテトラヒドロフラニル基、ベンゾテトラヒドロチエニル基、プリニル基、ベンゾジオキソリル基、トリアジニル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、プテリジニル基、ベンゾチアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾチアゾリル基、ジヒドロベンズイソキサジニル基、ベンズイソキサジニル基、ベンゾキサジニル基、ジヒドロベンズイソチオピラニル基、ベンゾピラニル基、ベンゾチオピラニル基、クマリニル基、イソクマリニル基、クロモニル基、クロマノニル基、ピリジニル−N−オキシド、テトラヒドロキノリニル−N−オキシド、ジヒドロキノリニル基、ジヒドロキノリノニル基、ジヒドロイソキノリノニル基、ジヒドロクマリニル基、ジヒドロイソクマリニル基、イソインドリノニル基、ベンゾジオキサニル基、ベンゾオキサゾリノニル基、ピロリル−N−オキシド、ピリミジニル−N−オキシド、ピラジニル−N−オキシド、キノリニル−N−オキシド、インドリル−N−オキシド、インドリニル−N−オキシド、ピラジニル−N−オキシド、イソキノリル−N−オキシド、キナゾリニル−N−オキシド、キノキサリニル−N−オキシド、フタラジニル−N−オキシド、イミダゾリニル−N−オキシド、イソキサゾリル−N−オキシド、オキサゾリル−N−オキシド、チアゾリル−N−オキシド、インドリジニル−N−オキシド、イミダゾリル−N−オキシド、ベンゾチアゾリル−N−オキシド、ベンズイミダゾリル−N−オキシド、ピロリル−N−オキシド、オキサジアゾリル−N−オキシド、チアジアゾリル−N−オキシド、トリアゾリル−N−オキシド及びテトラゾリル−N−オキシドを含むがこれらに限定されない。
【0020】
d)ハロ:一般的にフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードと呼ぶ。
【0021】
説明の便宜のため、本発明で用いられる用語は、以下に定義した省略された形で用いられる。
−N,N−ジメチルホルムアミド:DMF
−テトラヒドロフラン:THF
−1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド:EDC
−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物:HOBt
−1,1'−カルボニルジイミダゾール:CDI
−ジフェニルホスホリルアジド:DPPA
−トリエチルアミン:TEA
−メチル:Me
−エチル:Et
【0022】
以下に典型的な本発明の実施態様をより詳細に説明する。
本発明の特徴によれば、下記式
【化1】

(式中、
1は、
非置換又はアシル基、アミノ基、カルボアルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシアミノ基、−O−カルバモイル基(−O−(C=O)−NH2)、シアノ基、ハロゲン原子、水
酸基、ニトロ基、チオ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホニル基及びグアニド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基により置換された、フェニル基、フラニル基又はチエニル基を表し、
mは2又は3を表し、
Aは結合、O、S、SO、又はS(=O)2を表し、そして
2は、非置換又はアシル基、アミノ基、カルボアルコキシ基、カルボキシ基、カルボキ
シアミノ基、−O−カルバモイル基(−O−(C=O)−NH2)、シアノ基、ハロゲン
原子、水酸基、ニトロ基、チオ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホニル基及びグアニド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基により置換された、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基又はピリジニル基を表す。)
により表されるイソキサゾール誘導体、又はその医薬品として許容される塩、の治療上有効量を含む、再狭窄の予防及び治療のための医薬組成物、が提供される。
【0023】
化学式1により表される化合物に加え、医薬品として許容できる酸又は塩基添加物塩及びその立体化学的な異性体は、本発明のイソキサゾール誘導体の範囲内である。該化合物が投与される対象においてそれが好ましくない効果をもたらさずにその親化合物の活性が維持される限り、如何なる塩も本発明の範囲内であり、そして如何なる特別な限定もそれに付与されるものではない。該塩は無機又は有機塩であり得る。好ましくは、酢酸、硝酸、アスパラギン酸、スルホン酸、硫酸、マレイン酸、グルタミン酸、蟻酸、コハク酸、リン酸、フタル酸、タンニン酸、酒石酸、臭化水素酸、プロピオン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ステアリン酸、エシル酸(esyl)、乳酸、重炭酸、重硫酸、酒石酸水素塩、シュウ酸、酪酸、エデト酸カルシウム、カムシル酸、炭酸、クロロ安息香酸、クエン酸、エデト酸、トルエンスルホン酸、エデシル酸(edisylic)、エシル酸、フマル酸、グルセプト酸、パモン酸、グルコン酸、グリコリルアルサニル酸、メチル硝酸、ポリガラクトウロン酸、ヘキシルレゾルシン酸、マロン酸、ヒドラバミック酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、マンデル酸、エストリック酸、メチル硫酸、ムチン酸、ナプシル酸、ムコン酸、p−ニトロメタンスルホン酸、ヘキサミン酸、パントテン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、サリチル酸、スルファミン酸、スルファニル酸、メタンスルホン酸、又はテオクル酸の塩である。
【0024】
また、塩基性塩の形態は、例えば、アンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウム塩のようなアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、ベザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン塩、及びアルギニン及びリジンのようなアミノ酸のような有機塩基性塩を含み得る。
【0025】
一方、塩の形態は、好適な塩基又は酸で処理することにより遊離型に変換され得る。
【0026】
ここで用いられる用語「付加塩」は、化学式1の化合物又はその塩が形成し得る溶媒和物を含む塩を意味する。該溶媒和物は、水和物及びアルコラートにより例示され得る。
【0027】
ここで用いられるように、「化学式1で表される化合物の立体化学的な異性体」という用語は、化学式1で表される化合物が有し得る全ての可能な形態を指す。特に特定又は言及のない限り、化学式1で表される化合物の化学名は、基本分子構造の全てのジアステレオマー及びエナンチオマーを含む、全ての可能な立体化学的な異性体の混合物を示す。
【0028】
特に、それぞれのキラル中心は、R又はS−配置の両方を有し得、そして二価の環状(部分的に)飽和ラジカル上の置換基は、シス−又はトランス−配置を有し得る。二重結合を有する化合物がもし存在する場合には、E−又はZ−立体化学を有し得る。全ての化学式1で表される化合物の立体化学的な異性体は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0029】
本発明の典型的な実施態様によるイソキサゾール化合物の中で、より好ましいイソキサゾール誘導体の例は、以下の誘導体(1)乃至(70)であるがこれらに特に限定される
ものではない。
【0030】
誘導体1:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体2:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミド
誘導体3:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピリジン−3−イル−エチル)−アミド
誘導体4:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体5:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピリジン−4−イル−エチル)−アミド
誘導体6:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(2−メチル−イミダゾール−1−イル)−エチル]−アミド
誘導体7:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(5−メチル−イミダゾール−1−イル)−エチル]−アミド
誘導体8:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−エチル]−アミド
誘導体9:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体10:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピラゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体11:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体12:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−エチル)−アミド
誘導体13:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−テトラゾール−2−イル−エチル)−アミド
誘導体14:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−テトラゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体15:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[3−(2−メチル−イミダゾール−1−イル)−プロピル]−アミド
誘導体16:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−ピラゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体17:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体18:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−プロピル)−アミド
誘導体19:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体20:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−テトラゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体21:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−テトラゾール−2−イル−プロピル)−アミド
誘導体22:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−プロピル]−アミド
誘導体23:5−フェニル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体24:5−フェニル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体25:5−o−トリル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体26:5−m−トリル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体27:5−p−トリル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体28:5−(2−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体29:5−(3−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体30:5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体31:5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体32:5−(2−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体33:5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体34:5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピラゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体35:5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体36:5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−エチル)−アミド
誘導体37:5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体38:5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−テトラゾール−2−イル−エチル)−アミド
誘導体39:5−(4−クロロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体40:5−(4−クロロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体41:5−(4−クロロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体42:5−(2−メトキシ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体43:5−(3−メトキシ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体44:5−(4−メトキシ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体45:5−(3−ニトロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体46:5−(4−ニトロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体47:5−(3−アミノ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体48:5−(4−アミノ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体49:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体50:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体51:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体52:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピラゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体53:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体54:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体55:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−エチル)−アミド
誘導体56:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピリジン−3−イル−エチル)−アミド
誘導体57:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピリジン−4−イル−エチル)−アミド
誘導体58:5−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体59:5−フラン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体60:5−フラン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体61:5−フラン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体62:5−チオフェン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体63:5−チオフェン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
誘導体64:5−チオフェン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体65:5−チオフェン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
誘導体66:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(ピリジン−2−イル−オキシ)−エチル]−アミド
誘導体67:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(ピリジン−2−イル−オキシ)−エチル]−アミド
誘導体68:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル−スルファニル)−エチル]−アミド
誘導体69:5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[3−(4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル−スルファニル)−プロピル]−アミド
誘導体70:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(4−メチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル−スルホニル)−エチル]−アミド
【0031】
本発明のその他の特徴によれば、抗再狭窄活性を付与しそして内皮細胞再生を促進するため有効成分として化学式1で表されるイソキサゾール誘導体又はそれらの医薬品として許容される塩を採用することにより、遅発性ステント血栓症の如何なる副作用なしに血管再狭窄の予防及び治療する方法もまた提供される。
【0032】
血管再狭窄は、経皮的冠動脈血管形成術(PTCA)後の冠動脈再狭窄、脳血管及び末梢血管の経皮的インターベンション後の再狭窄、種々の血管手術後の血管狭窄症、バイパ
ス手術及び動静脈瘻血管形成術後の血管狭窄症、自己血管及び人工血管移植後の狭窄症、及び動脈硬化を含み得るが、これらに特に限定されるものではない。
【0033】
本発明の一つの典型的な実施態様による化学式1で表されるイソキサゾール誘導体は、既知の化合物、又は、本発明が関連する分野における化合物合成の分野に関する当業者により知られた化合物から容易に製造され得る化合物、から製造され得る。したがって、ここに示されるイソキサゾール誘導体の製造方法の記載は、例証することのみを目的とするためだけの好ましい例であり、そして、単位操作の順番は、必要ならば、選択して変更され得るが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0034】
先ず、化学式1で表されるイソキサゾール誘導体の製造方法を以下のスキーム1を参照して詳細に説明する。
【0035】
[スキーム1]
【化2】

【0036】
市販の出発物質(1)は、好ましくは、無水エタノール中で1.0Mナトリウムエトキシドで処理され得、そして、シュウ酸ジエチルと反応させ中間体(2)を得る。次に、中間体(2)は無水エタノール溶液中でヒドロキシルアミンで処理され得、イソキサゾール中間体(3)を得る。次に、中間体(3)は、好ましくはTHF及びメタノール溶媒の存在下で1N水酸化リチウム水溶液で処理され得、カルボン酸中間体(4)を合成する。中間体(4)は所望のアミンと反応し得、最終のイソキサゾール化合物(5)(化学式1で表される化合物)を得る。
【0037】
本発明の典型的な実施態様による化学式1の化合物は、後述する実施例の結果のように、Wnt/β―カテニンシグナル変換をアゴナイズ(agonize)する効果を有する。したがって、本発明は、式1で示されるイソキサゾール誘導体、又は医薬品として許容できる塩及び医薬品として許容できるその担体の治療上の有効量を本質的に含む、Wnt/β−カテニンシグナル変換をアゴナイズする効果を有する組成物を提供する。
【0038】
医薬組成物の製造において、担体は、製造される製剤により選択され得、そして製剤は、活性成分、式1で表されるイソキサゾール誘導体と担体を好適な混合比で混合することにより製造され得る。
【0039】
即ち、活性成分は、所望の使用により経口、非経口、注射剤又は経皮的製剤に製剤化され得、そして、簡易な投与及び投与量の均一性の観点において単位あたりの剤形に製造される。
【0040】
本発明の一つの典型的な実施態様による医薬組成物の投与は、腹腔内、筋肉内及び皮下
投与並びに経口投与を含み得るが、非経口投与が好ましい。例えば、医薬組成物は、浸透圧ポンプをヒトに挿入することにより放出を制御して投与され得、そしてまた、コーティング剤の形態のステントへ非経口で局所的に投与される。また、本発明の一つの典型的な実施態様による医薬組成物を、単独又は従来のその他の薬剤と組み合わせてコーティング剤の形態で局所的に投与するのもまた好ましい。この場合、コーティング方法は、ステントを薬剤でコーティングする従来の方法に従う。コーティング方法としては例えば、ステントをコーティングするために用いられる種々のポリマーと薬剤を混合すること、ドロップ及びスピンのようなコーティング方法を用いて薬剤混合物を用いてステントをコーティングすること、そしてコーティングされたステントを滅菌することを含む方法が使用され得る。
【0041】
最も好ましくは、本発明の一つの典型的な実施態様による医薬組成物は、ステントコーティング剤の形態で非経口で局所的に投与され得る。
【0042】
従来の薬学的担体は、経口製剤の製造のために使用され得る。例えば、水、グリコール、オイル、アルコール等がシロップ、エリキシル剤及び溶液のような経口液体製剤の場合の担体として使用され得、そして、デンプン、糖、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤等が、粉末、ピル、カプセル及びタブレットのような固体製剤の場合に担体として使用され得る。タブレット及びカプセルは、簡便な投与を考慮し最も使い勝手のよい剤形であり、そして、タブレット及びピルを腸溶性製剤の形態で製造することが、より好ましい。
【0043】
非経口製剤の場合において、滅菌水が担体として一般的に使用される。この場合、非経口製剤はさらに、溶解剤のようなその他の成分を含み得る。
【0044】
注射製剤、例えば、滅菌された注射用水溶性又は脂溶性懸濁液は、既知の方法による好適な分散剤、湿潤剤及び懸濁化剤を用いて製造され得る。ここに使用される溶媒は、水、リンゲル液及び生理食塩水が含まれ得、そして滅菌固定油もまた溶媒又は懸濁化媒体として一般的に使用される。任意の、モノ−又はジ−グリセリドを含む非刺激性固定油が、この目的のために使用され、そしてオレイン酸のようなその他の脂肪酸が注射用製剤のために使用され得る。
【0045】
経皮的製剤の場合に、担体としての浸潤プロモーター及び/又は好適な湿潤剤が、皮膚に如何なる炎症ももたらさない好適な添加剤とともに、任意に使用され得る。添加剤が皮膚を介した投与を促進し又は望ましい組成物を製造する一助となる場合、添加剤には特に限定はない。また、経皮製剤は、経皮パッチ、クリーム又は軟膏のような種々の形態で投与され得る。
【0046】
一方、本発明による活性成分が人体から急速に排除されることを防ぐために、本発明の1つの典型的な実施態様によるイソキサゾール誘導体を含む組成物は、徐放性製剤に製剤化され得る。この場合、ここで使用され得る担体の具体例は、当業者に知られたインプラント、マイクロカプセル化された送達系、生分解性/生体適合性のあるポリマー等を含む。
【0047】
用語「治療上の有効量」は、治療の必要のある病気の症状の緩和又は軽減に、又は予防の必要のある病気の臨床的指標の兆候又は症状の軽減又は遅延に、効果的な活性成分の量を意味する。治療上の有効量は、実際に治療する病気のためには既知の生体内及び生体外モデル系における、対応する化合物の実験を行うことによる経験から決定され得る。
【0048】
本発明の1つの典型的な実施態様による組成物中の活性成分、特に化学式1で表されるイソキサゾール誘導体は、臨床目的で投与され、患者に単回又は複数回で投与され得る活
性成分の一日投与量は、体重1kgあたり0.1乃至100mgの範囲がより好ましいが、特定の患者に対する同等な投与量は、使用される特定の化合物、患者の体重、性別及び健康状態、食餌、薬剤の投与時間、投与経路、排泄速度、薬剤の混合物、病気の重篤度等により変化し得る。
【0049】
化学式1で表されるイソキサゾール誘導体は、有効な医薬組成物を該誘導体のプロドラッグ形態等へ製剤化するために必要な場合には使用され得る。
【0050】
また、本発明の1つの典型的な実施態様による組成物は、活性成分の作用を阻害しない
又は助けるその他の成分をさらに含み得、そして、当業者に知られたその他の種々の形態に製剤化され得る。本発明の1つの典型的な実施態様による組成物は、好ましくは、当業
者に知られたラパマイシン又はパクリタキセルのような血管再狭窄阻害剤をさらに含み得る。
【0051】
有利な効果
上記したように、本発明の1つの典型的な実施態様による医薬組成物は、該医薬組成物が抗再狭窄活性及び内皮細胞再生の促進を示すため、従来の薬剤溶出ステントの副作用の1つである遅発性ステント血栓症の予防に有用であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、β−カテニン活性におけるイソキサゾール誘導体の効果を測定するために設計された遺伝子構造を図示する略図である。
【図2】図2は、β−カテニン活性におけるイソキサゾール誘導体の効果を評価するために構築された細胞株スクリーニング系を説明する概念図である。
【図3】図3は、図2に示すスクリーニング系の作用がWnt/β−カテニンシグナル変換のアゴニストである塩化リチウムを用いて測定される結果を説明するグラフである。
【図4】図4は、細胞内に集積したβ−カテニンの量が、HEK293細胞が種々の濃度のイソキサゾール誘導体で処理される場合のヒトβ−カテニン抗体を用いて、ウエスタンブロット実験により測定される結果を説明する図である。
【図5】図5は、内皮細胞増殖及び平滑筋細胞増殖における、本発明の1つの典型的な実施態様によるイソキサゾール誘導体及び従来の再狭窄阻害剤、パクリタキセル及びラパマイシン、の効果を説明するグラフである。
【図6】図6は、細胞をイソキサゾール誘導体及びラパマイシンを一緒に用いて処理した場合の、内皮細胞増殖及び平滑筋細胞増殖における効果を説明するグラフである。
【図7】図7は、細胞をイソキサゾール誘導体及びパクリタキセルを一緒に用いて処理した場合の、内皮細胞増殖における効果を説明するグラフである。
【図8】図8は、内皮細胞増殖における、本発明の1つの典型的な実施態様による種々のイソキサゾール誘導体の効果を説明するグラフである。
【図9】図9は、内皮細胞増殖における、本発明の1つの典型的な実施態様による種々のイソキサゾール誘導体の効果を説明するグラフである。
【図10】図10は、内皮細胞増殖における、本発明の1つの典型的な実施態様による種々のイソキサゾール誘導体の効果を説明するグラフである。
【図11】図11は、ラット頸動脈損傷モデルを用いることにより、細胞をイソキサゾール誘導体及びラパマイシンを一緒に用いて処理した場合の再狭窄の阻害における効果を説明する図である。
【図12】図12は、ラット頸動脈損傷モデルを用いることにより、本発明の1つの典型的な実施態様によるイソキサゾール誘導体の内皮細胞再生における効果を説明する図である。
【図13】図13は、ラット頸動脈損傷モデルを用いることにより、細胞をイソキサゾール誘導体及びラパマイシンを一緒に用いて処理した場合の内皮細胞再生における効果を説明する図である。
【図14】図14は、ブタ冠状動脈ステントモデルを用いることにより、本発明の1つの典型的な実施態様によるイソキサゾール誘導体の再狭窄の阻害における効果を説明する図である。
【図15】図15は、ブタ冠状動脈ステントモデルを用いることにより、本発明の1つの典型的な実施態様によるイソキサゾール誘導体の内皮細胞再生における効果を説明する図である。
【実施例】
【0053】
発明を実施するための最良の形態
以下に、本発明の典型的な実施態様をより詳細に記載する。しかしながら、ここに提案される記載は、例示のみ提案するための単に好ましい例であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるものである。
【0054】
製造実施例1:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミドの製造
5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド(誘導体1)を以下のスキーム2で表される経路を通じて合成した。それぞれの反応系路の工程を以下により詳細に記載する。
【0055】
[スキーム2]
【化3】

【0056】
1)工程1:4−フラン−2−イル−2,4−ジオキソ−酪酸エチルエステルの製造
無水エタノール(200mL)中のナトリウムエトキシド(6.81g)の溶液へ、0℃において2−アセチルフラン(5.01mL)を徐々に添加した。得られた溶液を0℃において2時間攪拌し、そしてシュウ酸ジエチル(9.30mL)を該溶液へ徐々に添加した。得られた溶液を18時間攪拌し、そして反応を1N塩酸溶液を用いて停止させた。得られた混合物を減圧下で濃縮し、そして次に残渣を塩化メチレンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして次に減圧下で濃縮し、10.0gの4−フラン−2−イル−2,4−ジオキソ−酪酸エチルエステルを得た。この濃縮物をさらに精製することなく次の工程に用いた。
1H−NMR(アセトン−d6,200NHz),ppm(δ):8.02〜7.99(m,1H),7.62〜7.55(m,1H),6.98〜6.94(m,1H),6.83〜6.77(m,1H),4.40(q,2H),1.38(t,3H)
【0057】
2)工程2:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルの製造
4−フラン−2−イル−2,4−ジオキソ−酪酸エチルエステル(10.0g)及びヒドロキシルアミン塩酸塩のエタノールの懸濁液を85℃において2時間攪拌し、そして得られた混合物を減圧下濃縮した。濃縮物を塩化メチレン及び蒸留水中に溶解し、そして
有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲルパッドを通し濾過し、そして次に減圧下濃縮し、8.01gの5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルを得た(収率:77%)。この濃縮物をさらに精製することなく次の工程に用いた。
1H−NMR(アセトン−d6、 200NHz),ppm(δ):7.90〜7.86(m,1H),7.20(d,1H),7.00(s,1H),6.77〜6.73(m,1H),4.45(q,2H),1.41(t,3H)
【0058】
3)工程3:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸の製造
5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル(4.14g)のTHF(130mL)及びメタノール(25mL)の溶液に、1N水酸化リチウム水溶液(80mL)を徐々に添加した。得られた混合物を15時間攪拌し、そして次に減圧下濃縮した。残渣の溶液を1N塩酸で酸性にし、固体を形成させた、そしてこの固体を濾取し、蒸留水で洗浄し、乾燥させ、3.22gの5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸を白色固体として得た(収率:90%)。
1H−NMR(アセトン−d6,200NHz),ppm(δ):7.90〜7.86(m,1H),7.19(d,1H),7.00(s,1H),6.77〜6.73(m,1H)
【0059】
4)工程4:5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)アミド(誘導体1)の製造
5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(7mg)及び3−イミダゾールー1−イル−プロピルアミン(0.005mL)のDMFの溶液へHOBt(8mg)、EDC(9mg)及びTEA(0.014mL)を添加した。得られた溶液を室温において18時間攪拌し、そして次に減圧下濃縮した。得られた濃縮物を分取用HPLCを用いて精製し、4mgの5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミドを得た(収率:35%)。
1H−NMR(アセトン−d6,200NHz),ppm(δ):8.16(bs,1H),7.86〜7.84(m,1H),7.65〜7.61(m,1H),7.19〜7.12(m,2H),6.97〜6.89(m,2H),6.78〜6.71(m,1H),4.18(t,2H),3.48(q,2H),2.24〜2.07(m,2H) 正確な質量(計算値)286.11 LC−MS(ESI+)m/e(M+1)+:287
【0060】
以下の誘導体2乃至70を、適切な出発物質を用いる他はイソキサゾール誘導体1の合成と同様の方法で製造した。
NMRの結果を下記表1に一覧する。
【0061】
表1
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【0062】
製造実施例において合成された上記化合物は、以下の再狭窄の阻害における効果を試験した。
【0063】
実施例1:細胞株を用いたWnt/β−カテニンシグナル変換に対する活性物質の確認
(1)細胞株を用いたwnt/β−カテニンシグナル変換のための測定系の構築
2種のヒト腫瘍細胞株HEK293及びSW480を、本発明の典型的な実施例による化合物の生体外での活性を測定するために使用した。ここで、前者は、Wntシグナル変換経路が除かれていない細胞株を表し、そして後者はWntシグナル変換経路が構造的に制限されていない(APC遺伝子突然変異)細胞株を表す。
それぞれの癌細胞株中のwnt/β−カテニンシグナル変換の活性を測定するために、本発明者らは、図1に示されるように、β−カテニンが結合するTcf/Lef転写調節タンパクの結合サイト(5X TCFs)を有し、そしてTcf/Lef転写調節タンパクの活性を測定し得るマーカーとしてホタル蛍光タンパク(ホタルルシフェラーゼ)を有する遺伝子、を細胞中へ導入した。次に、本発明者らは、G418で遺伝子導入された細胞を処理することにより、Tcf/Lef転写調節タンパクが遺伝子の導入により連続的に発現する、細胞株の単一クローンを得るために、細胞に基づくWntアゴニストスクリーニング系を構築した。次に、本発明者らは、図2に示されるように、スクリーニング系を用いて発現した蛍光タンパクの量を測定することにより、β−カテニン活性を間接的に測定する、細胞に基づくスクリーニングを行った。
調製された細胞株が、本発明の一つの典型的な実施態様によるイソキサゾール誘導体のWntアゴニスト活性を測定する対照としての細胞に基づくWntアゴニストスクリーニング系中の陽性対照である、塩化リチウム(LiCl)で処理された場合、蛍光タンパクの発現量が測定され、そして図3に示されるようにグラフ中にプロットされた。
【0064】
(2)イソキサゾール誘導体のwnt/β−カテニンシグナル変換活性の測定
細胞に基づいたWntアゴニストスクリーニング系が構築された細胞株を、RPMI1640(SW480用)又はDMEM(HEK293用)培養媒体(ペニシリニウム属ストレプトマイシン(100単位/mL)処理及び熱処理により不活化したウシ胎児血清を含む)中で標準の培養条件(5%CO2、37℃、100%相対湿度(RH))のもとで
インキュベートした。次に、単個細胞浮遊液をトリプシン処理及びピペッティング法により得た。単個細胞浮遊液を、細胞の数がウェルあたり8,000個乃至15,000個の範囲になるまで同じ培養媒体で希釈し、そして96−ウェルのマイクロタイタープレートへ移した。24時間の培養の後、細胞を種々の濃度の製造実施例において製造したイソキ
サゾール誘導体で処理した。24時間の培養の後、イソキサゾール誘導体の活性を、ルシフェラーゼアッセイキット(プロメガ社(Promega)製、米国)を用いて測定した。評価は、製造者のマニュアルに記載されている方法に基づき行い、そして、製造実施例で製造したイソキサゾール誘導体の活性を以下の表2乃至3に一覧する。Wntシグナル変換をアゴナイズする作用を有することで知られる塩化リチウム(LiCl、20mM)を対照として使用し、そして塩化リチウムのアゴニスト効果に対する相対値を百分率で表した。
【0065】
[表2]
HEK293細胞株中のβ−カテニン活性におけるイソキサゾール誘導体の効果
【表16】

【表17】

【0066】
[表3]
[表]
SW480細胞株中のβ−カテニン活性におけるイソキサゾール誘導体の効果
【表18】

【表19】

【表20】

【0067】
実施例2:集積したβ−カテニンの量を測定することによる生体外でのイソキサゾール誘導体のWnt/β−カテニンシグナル変換活性の確認
HEK293細胞株を、DMEM培養媒体(ペニシリニウム属ストレプトマイシン(100単位/mL)の処理及び熱処理により不活化したウシ胎児血清を含む)中で標準の培養条件(5%CO2、37℃、100%相対湿度(RH))のもとでインキュベートした
。試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解し、そして最後に30又は60μMの濃度において使用した。HEK293細胞(3×107)を、試験化合物含有培
養媒体及び試験化合物のない培養媒体それぞれの中で24時間インキュベートした。HEK293細胞から細胞質のみを選択的に遊離させるために、該HEK293細胞を、高濃度塩溶液でHEK293細胞を処理し、得られた細胞浮遊液を200g(rpm)の回転速度で10分間遠心分離することにより、溶解させた。次に、細胞核及び膜の沈殿物を除去し、上澄を回収した。
得られた細胞質溶液を10%PAGEゲル中で電気泳動し、そして次にβ−カテニン抗体(アップステートバイオテクノロジー社(Upstate Biotechnology Inc.)製)でプローブした。プローブは、化学発光系を用いて行った(ECL、アマシャム社(Amersham)製)。アクチンタンパクを対照として使用し、タンパクの当量を比較した。結果を図4に示す。図4に示すように、ウエスタンブロットアッセイから、細胞が化合物で処理された場合、化合物の濃度に依存してβ−カテニンは細胞中に集積することが確認された。
【0068】
実施例3:イソキサゾール誘導体における内皮細胞増殖及び平滑筋細胞増殖の生体外試験(1)内皮細胞増殖
3乃至10代継代培養されたHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞、キャンブレックス社(Cambrex)製、米国)細胞株を、EGM2(内皮増殖媒体、キャンブレックス社
製)培養媒体中で標準の培養条件(O295%、5%CO2、37℃、100%相対湿度(RH))のもとでインキュベートした。1×104の細胞を24−ウェルプレートに分け
、そして1日培養し細胞が24−ウェルプレートに固定され得るようにした。細胞が中間期に入るのを可能とするために、細胞をPBSで3回洗浄し、そしてEGM2培養媒体を、1%ウシ胎児血清及び1%抗生物質抗真菌剤(米国ギブコ社(Gibco)製)を含むEBM2(内皮基礎媒体、キャンブレックス社製)で置換し、そして細胞を1日インキュベートした。使用した媒体を除去した後、薬剤を補充した1%ウシ胎児血清及び1%抗生物質抗真菌剤(ギブコ社製)を含むEBM2溶液を細胞に添加し、そして細胞溶液を次に2日間培養した。細胞培養の後、細胞の形態を顕微鏡下で観察した。次に、細胞をトリプシンを用いてプレートから分離し、そして血球計を用いて計測した。生理食塩液中に溶解した0.1%DMSOを溶媒対照として使用した。
【0069】
(2)血管平滑筋細胞増殖の試験
3乃至10代継代培養されたSMC(ラット大動脈平滑筋細胞)細胞株を、5%ウシ胎児血清及び1%抗生物質抗真菌剤(ギブコ社製、米国)を含むSmGM(平滑筋細胞増殖媒体、キャンブレックス社製)の培養媒体中で標準の培養条件(95%O2、5%CO2、37℃、100%相対湿度(RH))のもとでインキュベートした。2×104の細胞を
24−ウェルプレートに分け、そして1日培養し細胞が24−ウェルプレートに固定され得るようにした。細胞をPBSで3回洗浄し、そして、5%ウシ胎児血清及び1%抗生物質抗真菌剤(ギブコ社製)を含むSmGMの溶液へ加え、そして細胞を1日培養した。使用した媒体を除去した後、対応する薬剤を補充した5%ウシ胎児血清溶液を含むSmGM溶液を細胞に添加し、そして細胞溶液を次に2日間インキュベートした。細胞培養の後、細胞の形態を顕微鏡下で観察した。次に、細胞をトリプシンを用いてプレートから分離し、そして血球計を用いて計測した。生理食塩液中に溶解した0.1%DMSOを溶媒対照として使用した。
【0070】
(3)結果
結果を図5乃至10にそれぞれ示す。図5に示すように、従来の抗狭窄剤、パクリタキセル及びラパマイシンは、細胞を抗狭窄剤の濃度を増加して処理した場合に、HUVECの増殖を阻害したが、本発明の1つの典型的な実施態様による誘導体5はHUVECの増殖を増加又は維持した。また、本発明の1つの典型的な実施態様による誘導体5の濃度を増加させると、5%ウシ胎児血清及び1%抗生物質抗真菌剤(ギブコ社製、米国)を含むSmGM(平滑筋細胞媒体、キャンブレックス社製)の培養媒体中での標準の培養条件(95%O2、5%CO2、37℃、100%相対湿度(RH))での血管平滑筋細胞(VSMC)の細胞数は減少した。また、図6に示すように、内皮細胞の増殖は、化合物が従来の薬剤「ラパマイシン」と一緒に使用される場合に回復し、一方、内皮細胞がラパマイシンのみで処理された場合、内皮細胞の増殖は、阻害されることが示された。また、ラパマイシンを単独で使用した場合よりも、ラパマイシンを該化合物と一緒に使用した場合に、血管平滑筋細胞の増殖は、より有意に阻害されることが観測された。同様に、従来の薬剤「パクリタキセル」を該化合物と一緒に使用した場合に、内皮細胞の増殖が回復し、一方、パクリタキセル単独を使用した場合に、内皮細胞の増殖が阻害されることが、図7に示すように観測された。
誘導体5に加えて、内皮細胞の増殖における誘導体4、19、23、31、35、50、62、63、68、69及び70の効果もまた測定した。結果として、図8乃至10に示すように、該化合物は内皮細胞の増殖を阻害又は維持することが示された。したがって、これらの化合物は、平滑筋細胞の増殖を阻害しそして内皮細胞の増殖を増強するので、本発明において使用される化合物は、再狭窄を予防又は治療するために有効である薬剤であることが示された。
【0071】
実施例4:ラット頸動脈損傷モデルでの再狭窄阻害におけるイソキサゾール誘導体の効果
再狭窄の阻害におけるイソキサゾール誘導体の効果をラット頸動脈損傷モデルを用いて評価した。
350乃至400gの体重の白色ラットをケタミン及びキシレンで麻酔し、そしてそれらの手術部位の毛を剃りそしてベタジンで消毒した。頸部の皮膚を約2cm切開し、そしてラットの頸動脈をモスキート鉗子で見出した。頸動脈及び内頸動脈上に糸を保持し次いで外頸動脈を糸で結ぶことにより、血流を阻止した。2Fフォガティーカテーテル(バクスター社(Baxter)製,米国)を、外頸動脈と頸動脈の間の血管に挿入し、頸動脈部位を3回傷つけた。次に、傷つけた頸動脈部位を糸で結び、頸動脈と内頸動脈を通る血流を可能にし、そして頸動脈と外頸動脈の間の出血を防ぎ、そして手術部位を縫い閉じた。頸部後方の皮膚それぞれを約1cm切開し、そして薬剤を含む浸透圧ポンプを血管に挿入しそして縫い閉じた。1週間後に内皮細胞を観察するために、そして2週間後に再狭窄を観察するために、全ての血液をそれぞれの対象のラットからかん流を使用して抜き取り、頸動脈をラットより取り出しそしてその組織スライドをそれらの血管の断面を観察するために作成した。誘導体5(SKL−2020)を、実験群として用い、そして75%DMF(ジメチルホルムアミド)(DMF:H2O=3:1)を溶媒対照として使用した。
実験結果を図11に示す。図11及び図13に示すように、誘導体5を投与しなかった場合よりも200μg/kg/日の誘導体5を2週間にわたり投与した場合に、血管の再狭窄部位はより有為に縮小することが示された。また、単独の化合物で細胞を処理する場合よりも、ラパマイシンと共に化合物で細胞を処理した場合に、該化合物はより有意な再狭窄阻害効果を有するため、本発明の1つの典型的な実施態様による化合物は、化合物を従
来の再狭窄阻害剤と一緒に使用する場合に相乗効果を有すると考えられた。
【0072】
実施例5:ラット頸動脈損傷モデルでのイソキサゾール誘導体による内皮細胞再生の観測
薬剤による内皮細胞再生レベルを観察するために、血管の組織切片スライドを0.1%の過酸化水素で処理し、内因性ペルオキシダーゼを除去し、マウスの内皮細胞を染色するvWF(フォンヴィレブランド因子、ダコサイトメーション(DakoCytomation)社製,米国)Abを用いて4℃において反応させた。次に、組織切片をビオチン化抗ラットIgG(ジャクソンイムノリサーチラボラトリーズ(Jackson Immuno Research Laboratories)製,米国)で処理し、そしてアビジン−ビオチン錯体(ABC)ペルオキシダーゼキット(エリートキット(Elite kit);ベクターラボラトリーズ(Vector Laboratories)製)を用いて染色した。組織切片スライドを顕微鏡下で観察しそして撮影した。誘導体5を、実験群として用い、そして75%DMF(ジメチルホルムアミド)(DMF:H2O=3:
1)を溶媒対照として使用した。実験結果を図12及び図13に示す。図12に示すように、誘導体5を投与しなかった場合よりも200μg/kg/日の誘導体5を2週間にわたり投与した場合に、損傷した頸動脈の内皮細胞再生はより有意に現れることが示された。図13に示すように、単独の化合物で細胞を処理する場合よりも、ラパマイシンと共に化合物で細胞を処理した場合に、内皮細胞再生はより有意に増進するため、本発明の1つ
の典型的な実施態様による化合物は、化合物を従来の再狭窄阻害剤と一緒に使用する場合に相乗効果を有すると考えられた。
【0073】
実施例6:ブタ冠状動脈ステントモデルでの再狭窄の阻害におけるイソキサゾール誘導体の効果
再狭窄の阻害におけるイソキサゾール誘導体の効果をブタ冠状動脈ステントモデルを用いて評価した。
外科手術を受ける全てのブタを、外科手術の1週間前に抗血栓剤「クロピドグレル」(35mg/日)及びアスピリン(100mg/日)で処理した。30乃至40kgの体重のブタをケタミン(20mg/kg/IM)及びキシラジン(2mg/kg IM)で麻酔し、そしてそれらの麻酔を、麻酔状態により耳静脈へ輸液セットを接続し、そしてケタミン/キシラジン溶液(ケタミン50g+キシラジン10g/500mL生理食塩液)を
耳静脈へ流入させることにより維持した。ブタの手術部位の毛を剃り、ベタジンで消毒した。頸部の皮膚を約5cm切開し、そしてブタの頸動脈をモスキート鉗子で見出し、そして1mLのヘパリン(5,000単位)をブタに投与した。血管心臓造影法をSIREMOBIL245B血管心臓造影機(ジーメンス(Siemens)社より市販されている)を用いて行った。ステント(直径:3.0mm;長さ:15mm)を、ステント:静脈直径の比が1.3:1においてステントを拡張することにより、LAD、RAD及びRCXにおける外科手術に使用した。静脈径、ステント移植の位置は、イメージング装置を用いて予め測定した。
28日後、ブタは、ブタに心臓麻痺をひき起こすための従来の麻酔状態下でKCl(40meq/L)を静脈内注射され、そしてブタの心臓を摘出した。ブタ心臓の摘出直後、ブタ心臓血管を、1mlのヘパリン(5000単位)を希釈することにより得られた500mlの生理食塩液でかん流し、そしてかん流を通して500mlの10%のホルマリン溶液で固定した。次に、ブタの心臓全体を、生理食塩液で緩衝した10%ホルマリン溶液に浸漬することにより固定した。ステント移植したLAD、RAD及びRCX血管部位を摘出し、10%ホルマリン溶液で1日固定し、エタノールで脱水し、そして次にメチルメタクリレートで1ヶ月包埋した。包埋後、ブタ血管をレーザーカッターを用いて10μmの長さで切り、サンドペーパーを用いて5乃至7μmのサイズに擦り、そして次に光学顕微鏡下で観察し再狭窄の存在を判定した。この実験において、薬剤を含まず及びPLGAポリマーで覆われたステントを陰性対照として用い、そしてPLGAポリマーに加えてラパマイシンを含むステントを陽性対照として用いた。180μgのラパマイシンと増量した(45μg、90μg及び180μg)誘導体5の混合物を含むステントを、実験群として使用した。
実験結果を図14に示す。図14に示すように、血管の再狭窄部位は、陰性対照と比較して、ラパマイシン処理群においては2.74mm2乃至1.80mm2有意に縮小したことが示され、そしてまた、ラパマイシン処理群と比較して誘導体5処理群においては、血管のルーメン(lumen)の損失が更に減少したことが確認された。
【0074】
実施例7:ブタ冠状動脈ステントモデルでのイソキサゾール誘導体による内皮細胞再生の観測
薬剤による内皮細胞再生レベルを観察するために、ブタ血管の組織切片スライドを、マウスの内皮細胞を染色するvWF(フォンヴィレブランド因子、ダコサイトメーション社製,米国)Abを用いて4℃において反応させた。次に、組織切片をビオチン化抗ヒトIgG(ジャクソンイムノリサーチラボラトリーズ製,米国)で処理し、そしてアビジン−ビオチン錯体(ABC)ペルオキシダーゼキットを用いて染色した。組織切片スライドを蛍光顕微鏡下で観察しそして撮影した。実験結果を図15に示す。
図15に示すように、ステントをポリマーで被覆した場合に、内皮細胞再生度(再生%)は80.2%であったが、しかし、内皮細胞再生度(再生%)はラパマイシンにより67.9%に縮小した。誘導体5をブタに投与した4週間後、損傷した頸動脈表面の内皮細胞再生は、細胞をラパマイシンで処理したもののレベルまで、有意に回復した。本発明の1つの典型的な実施態様による化合物を従来の再狭窄阻害剤と一緒に使用する場合、その化合物は、副作用に起因する内皮細胞再生の縮小を阻害することにより、遅発性ステント血栓症を予防する作用を有する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式
【化1】

(式中、
1は、
非置換又はアシル基、アミノ基、カルボアルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシアミノ基、−O−カルバモイル基(−O−(C=O)−NH2)、シアノ基、ハロゲン原子、水
酸基、ニトロ基、チオ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホニル基及びグアニド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基により置換された、フェニル基、フラニル基又はチエニル基を表し、
mは2又は3を表し、
Aは結合、O、S、SO、又はS(=O)2を表し、そして
2は、非置換又はアシル基、アミノ基、カルボアルコキシ基、カルボキシ基、カルボキ
シアミノ基、−O−カルバモイル基(−O−(C=O)−NH2)、シアノ基、ハロゲン
原子、水酸基、ニトロ基、チオ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホニル基及びグアニド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基により置換された、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾルイル基、テトラゾリル基又はピリジニル基を表す。)
により表されるイソキサゾール誘導体、又はその医薬品として許容される塩、の治療上有効量を含む、再狭窄の予防及び治療のための医薬組成物。
【請求項2】
前記イソキサゾール誘導体が下記化合物(1)乃至(70):
(1):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(2):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミド
(3):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピリジン−3−イル−エチル)−アミド
(4):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
(5):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピリジン−4−イル−エチル)−アミド
(6):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(2−メチル−イミダゾール−1−イル)−エチル]−アミド
(7):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(5−メチル−イミダゾール−1−イル)−エチル]−アミド
(8):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−エチル]−アミド
(9):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
(10):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピラゾール−1−イル−エチル)−アミド
(11):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
(12):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3
]トリアゾール−2−イル−エチル)−アミド
(13):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−テトラゾール−2−イル−エチル)−アミド
(14):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−テトラゾール−1−イル−エチル)−アミド
(15):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[3−(2−メチル−イミダゾール−1−イル)−プロピル]−アミド
(16):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−ピラゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(17):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(18):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−プロピル)−アミド
(19):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(20):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−テトラゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(21):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−テトラゾール−2−イル−プロピル)−アミド
(22):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−プロピル]−アミド
(23):5−フェニル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(24):5−フェニル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
(25):5−o−トリル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(26):5−m−トリル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(27):5−p−トリル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(28):5−(2−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(29):5−(3−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(30):5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(31):5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(32):5−(2−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
(33):5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
(34):5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピラゾール−1−イル−エチル)−アミド
(35):5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
(36):5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−エチル)−アミド
(37):5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[
1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
(38):5−(4−フルオロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−テトラゾール−2−イル−エチル)−アミド
(39):5−(4−クロロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(40):5−(4−クロロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
(41):5−(4−クロロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(42):5−(2−メトキシ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(43):5−(3−メトキシ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(44):5−(4−メトキシ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(45):5−(3−ニトロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(46):5−(4−ニトロ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(47):5−(3−アミノ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(48):5−(4−アミノ−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(49):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(50):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(51):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
(52):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピラゾール−1−イル−エチル)−アミド
(53):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
(54):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−エチル)−アミド
(55):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
(56):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピリジン−3−イル−エチル)−アミド
(57):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−ピリジン−4−イル−エチル)−アミド
(58):5−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(59):5−フラン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(60):5−フラン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(61):5−フラン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
(62):5−チオフェン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−[1,2
,4]トリアゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(63):5−チオフェン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−アミド
(64):5−チオフェン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−アミド
(65):5−チオフェン−3−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−アミド
(66):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(ピリジン−2−イル−オキシ)−エチル]−アミド
(67):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(ピリジン−2−イル−オキシ)−エチル]−アミド
(68):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル−スルファニル)−エチル]−アミド
(69):5−チオフェン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[3−(4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル−スルファニル)−プロピル]−アミド
(70):5−フラン−2−イル−イソキサゾール−3−カルボン酸[2−(4−メチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−スルホニル)−エチル]−アミド
からなる群より選ばれる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
ラパマイシン(rapamycin)又はパクリタキセル(paclitaxel)をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記組成物が、経皮的冠動脈血管形成術(PTCA)後の冠動脈再狭窄、脳血管及び末梢血管の経皮的インターベンション後の再狭窄、種々の血管手術後の血管狭窄症、バイパス手術及び動静脈瘻血管形成術後の血管狭窄症、自己血管及び人工血管移植後の狭窄症、及び動脈硬化からなる群より選ばれる疾患の予防及び治療に用いられる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
経口製剤、非経口製剤、注射製剤又は経皮製剤に形成されるものとして好適な、医薬品として許容できる担体をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記組成物が、ステントコーティング剤の形態において典型的に非経口的に投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
請求項1に定義された医薬組成物を患者に投与することにより、抗動脈再狭窄活性をもたらしそして内皮細胞再生を促進する、遅発性ステント血栓症を予防する方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−532344(P2010−532344A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514632(P2010−514632)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【国際出願番号】PCT/KR2008/003821
【国際公開番号】WO2009/005269
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(303024622)エスケー ホルディングス カンパニー リミテッド (28)
【Fターム(参考)】