説明

イメージセンサ用基板

【課題】 半導体基板に設ける位置合わせ用のアライメントマークの配置位置による制約を解消し、半導体基板同士の実装精度を向上させるイメージセンサ用基板を提供する。
【解決手段】 端子部4及び回路配線パターン1dを有して回路を形成した半導体基板1と、半導体基板1の長手方向に直線的に設けられ、光を光電変換する多数の光電変換部2と、光電変換部2から出力された電気信号を端子部4から出力する、光電変換部2と端子部4との間に設けられた駆動回路部3と、光電変換部2に選択的に配置され、光を透過させる光学波長の異なる複数の光学フィルタ5と、半導体基板1を載置するセンサ基板7と、センサ基板7に設けた基準マーク7aと、駆動回路部3の領域にある半導体基板1の回路配線パターン1dで形成された光反射パターン部6と、光反射パターン部6を除いて駆動回路部3を覆い、複数の光学フィルタ5が積層された光遮光膜とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、ファクシミリ、OCR等の画像情報を読み取るイメージセンサ用基板に関するものであり、特にイメージセンサ用基板の位置合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリなどの原稿を読み取る装置においては、小型なデバイスとして密着型イメージセンサが用いられている。密着型イメージセンサにおいてはイメージセンサ基板にマルチチップ実装型のCMOSなどの固体撮像素子(センサチップ)を搭載したものが用いられる。マルチチップ型のイメージセンサ基板には、一定のピッチを維持しながら等間隔でセンサチップが配置されており、センサチップの解像度が高くなるにつれてこれらの実装精度の向上が要求される。実装精度を向上させるために、例えば特開2000−182914号公報図1(特許文献1参照)には、半導体素子用の位置合わせ用のアライメントマークとして、アルミニウム層3から成る平滑な表面の十字形状のマーク本体部1と、マーク本体部1の周辺領域にアルミニウム層3によりストライプ状の微細パターン4を形成したものが開示されている。
【0003】
特開平5−183145号公報図1c(特許文献2参照)には、遮光すべき領域を残して、遮光膜13を部分的に除去し、センサ受光部11の窓開けを行った半導体装置の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−182914号公報(第1図)
【特許文献2】特開平5−183145号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、マーク本体部1からの反射光と、周辺領域の微細パターン4形成部からの反射光との輝度の差が大きいので画像認識装置により安定した認識を得ることができるものの、周辺領域に微細パターン4を配置する必要があるのでアライメントマークの配置位置に制約があるという課題がある。
【0006】
特許文献2に記載のものは、センサ受光部11を除いて、光を遮光する遮光膜13を用いているものの、光波長のフィルタ機能に関する記述は無い。
【0007】
この発明は、半導体基板に設ける位置合わせ用のアライメントマークの配置位置による制約を解消し、アライメントマークにより、半導体基板同士の実装精度を向上させることができるイメージセンサ用基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明のイメージセンサ用基板は、端子部及び回路配線パターンを有して回路を形成した半導体基板と、この半導体基板の長手方向に直線的に設けられ、光を光電変換する多数の光電変換部と、この光電変換部から出力された電気信号を順次スイッチングし、アナログ信号として前記端子部から出力する、前記光電変換部と前記端子部との間に設けられた駆動回路部と、前記光電変換部のそれぞれに選択的に塗付して配置され、所定の光学波長の光を透過させる光学波長の異なる複数の光学フィルタと、前記半導体基板を載置するセンサ基板と、このセンサ基板に設けた基準マークと、前記駆動回路部の領域にある前記半導体基板の回路配線パターン又はその開放パターンで形成された光反射パターン部と、この光反射パターン部を除いて前記駆動回路部を覆い、複数の前記光学フィルタが積層された光遮光膜とを備え、前記半導体基板と前記センサ基板との位置決めを前記基準マークと前記光反射パターン部との離間距離でおこなうものである。
【0009】
請求項2に係る発明のイメージセンサ用基板は、前記半導体基板を等ピッチで並べ、前記光電変換部を直線状に延在させた請求項1に記載のものである。
【0010】
請求項3に係る発明のイメージセンサ用基板は、前記光電変換部毎に光学波長が異なる前記光学フィルタを順番に配置し、配置されたグループを1組として、複数組繰り返して配置した請求項1に記載のものである。
【0011】
請求項4に係る発明のイメージセンサ用基板は、前記光電変換部は、長手方向と直交する方向に光学波長の異なる光学フィルタを平行配置し、それぞれ長手方向に亘って光学波長が同一の光学フィルタを配置する請求項1に記載のものである。
【0012】
請求項5に係る発明のイメージセンサ用基板は、互いに平行する前記半導体基板を千鳥状に等ピッチで並べ、前記光電変換部を直線状に延在させた請求項1に記載のものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係わるイメージセンサ用基板によれば、光学波長の異なるフィルタを積層させた光学フィルタの一部に抜きパターンを形成し、抜きパターンに入射する不要光を反射させる半導体基板に形成した反射パターンを設けたので、位置合わせ用のアライメントマークの配置位置による制約を解消し、アライメントマークにより、半導体基板同士の実装精度を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板部分の平面図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板部分の平面図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の光電変換部の並びを説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板部分の断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板の実装方法を説明する平面図である。
【図6】この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板の実装方法を説明する部分拡大平面図である。
【図7】この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板1に塗付された光学フィルタの抜きパターントと半導体基板の回路配線パターンとの関係を説明する図であり、図7(a)は抜きパターンがL字形の場合、図7(b)は抜きパターンが円形形状の場合をそれぞれ示す。
【図8】この発明の実施の形態2によるイメージセンサ用基板の半導体基板部分の平面図である。
【図9】この発明の実施の形態2によるイメージセンサ用基板の光電変換部の並びを説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態3によるイメージセンサ用基板の半導体基板部分の平面図である。
【図11】この発明の実施の形態3によるイメージセンサ用基板の半導体基板の実装方法を説明する平面図である。
【図12】この発明の実施の形態3によるイメージセンサ用基板の半導体基板の実装方法を説明する部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板部分の平面図である。図1において、1はシリコン材などを用いた半導体基板であり、表面に光を受光する領域、PMOSやNMOSを用いた回路パターン、入出力端子パッドなどをCMOS構成で形成する。2は半導体基板1にフォトダイオード回路(PD)又はトランジスタ回路(TR)で構成され、受光した光電荷を蓄積し光電変換する光電変換部、3は光電変換部2で光電変換された電気信号をシフトレジスタ回路に入力されたスタート信号でラッチ回路を介してアナログスイッチで順次スイッチングすることでアナログ信号の順次出力を得る駆動回路部、4は駆動回路部3のアナログ信号を外部に出力する端子部を含む入出力端子(ワイヤボンド用入出力パッド)であり、半導体基板1の外部との接続はワイヤボンドプロセスで電気接続される。
【0016】
図2は、この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板部分の平面図である。図2において、5は所定の光学波長を除き、光を遮光する光学フィルタ(光遮光膜)、6は光学フィルタ5の抜きパターン(光反射パターン部)を示す。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0017】
図3は、この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の光電変換部の並びを説明する図である。図3において、2rはゼラチン材などを用いた赤色フィルタを表面(受光面)塗布した光電変換部、2gはゼラチン材などを用いた緑色フィルタを表面(受光面)に塗布した光電変換部、2bはゼラチン材などを用いた青色フィルタを表面(受光面)に塗布した光電変換部である。光電変換部2は、赤色フィルタを搭載した光電変換部2r、緑色フィルタを搭載した光電変換部2g、青色フィルタを搭載した光電変換部2bの順で長手方向に直線状に配置され、この並びを繰り返し配置する。すなわち、光電変換部2毎に光学波長が異なる光学フィルタ5r、5g、5b(光電変換部2r、2g、2b)を順番に配置し、配置されたグループを1組として、複数組繰り返して配置する。
【0018】
図4は、この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板部分の断面図である。図4において、1aはシリコン基材、1bは半導体基板1のアクティブ領域を保護する透明な保護膜(下部絶縁層)、1cは半導体基板1の上部回路を保護する透明な保護膜(上部絶縁層)、1dは下部絶縁層1bの表面に設けられたアルミ材などを用いた導体パターン(回路配線パターン)、1eは光電変換部2を構成するフォトダイオード(PD)やアナログスイッチ、ラッチ、シフトレジスタなどの駆動回路部3を構成するCMOS回路の電極(端子)である。5rは光電変換部2rの表面に塗付され、その他の光電変換部2には塗付されない光学フィルタ(赤色フィルタ)、5gは光電変換部2gの表面に塗付され、その他の光電変換部2には塗付されない光学フィルタ(緑色フィルタ)、5bは光電変換部2bの表面に塗付され、その他の光電変換部2には塗付されない光学フィルタ(青色フィルタ)である。
【0019】
また、光学フィルタ5は、半導体基板1の一方の長手方向端部に配列した光電変換部2と他方の長手方向端部周辺に配列した端子部4との間にある駆動回路部3が配置されている領域にも塗付される。駆動回路部3が配置されている領域の光学フィルタ5r、5g、5bは3層を重ねて積層され、光を遮光する光遮光膜となる。
【0020】
カラー読み取りの密着型イメージセンサでは、光信号を色情報として識別するために、電荷を蓄積するフォトダイオード(PD)などで構成された光電変換部の受光面に光学フィルタを配置する。この光学フィルタは、例えば赤色、緑色、青色などで構成され、それぞれ光を透過又は阻止する光学波長が異なる。赤色の光学フィルタでは640nm程度の波長を透過又は阻止させる。緑色の光学フィルタでは525nm程度の波長を透過又は阻止させる。青色の光学フィルタでは475nm程度の波長を透過又は阻止させる。本実施の形態1では、これらの光学フィルタが光電変換部2の受光面に配置され、3種類の光学フィルタが決められた順序で繰り返して配置される。また、光電変換部2以外の領域には可視光を遮光するため、それぞれの光学フィルタを積層し、積層した領域では、特定波長を透過させる光学フィルタを用いた場合には可視光は遮光される。
【0021】
次に動作について説明する。光電変換部2に照射された光は光学フィルタ5によって所定の波長成分のみが透過し、保護膜1b、1cを通過し、フォトダイオード(PD)に到達する。半導体基板1に照射された光はその自身の持つエネルギーによってキャリアを発生させる。これらキャリアは半導体中を拡散移動して、PN接合部から成る光電変換部2の領域に到達する。この到達したキャリアは光電変換部2で光電変換され、駆動回路部3によって信号処理され、端子部4から電気信号として取り出される。
【0022】
光電変換部2の領域以外に照射された光は、積層された光学フィルタ5によって遮光される。積層された光学フィルタ5が配置されない領域に照射された光は、半導体基板1のアクティブ領域の保護膜1b表面に形成したアルミ材で配線された回路配線パターン1dで反射される。
【0023】
図5は、この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板の実装方法を説明する平面図である。図5において、7は半導体基板1を載置するセンサ基板、7aはセンサ基板7に設置したアライメントマーク(基準マーク)である。図5では、半導体基板1を等ピッチで並べ、光電変換部2を直線状に延在させている。図中、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0024】
図6は、この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板の実装方法を説明する部分拡大平面図である。図6において、L1、L2は光学フィルタ5の抜きパターンと6と基準マーク7aとのX−Y方向離間距離を示す。L3は隣接する半導体基板1の端部側線対称となる抜きパターン6間のX方向離間距離である。図6中、図5と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0025】
次に光学フィルタ5の抜きパターン6について説明する。抜きパターン6は、半導体基板1をセンサ基板7に精度良く実装するために設けられたものであり、半導体基板1側のアライメントマークとして使用する。半導体基板1内の両端部領域に回路配線パターン1dの一部又は浮島パターン(開放パターン)1dとして設けられ、L字型、H字型、十字型などがある。また、回路配線パターン1dの特異な形状部分をアライメントマークに代用することもある。
【0026】
次に半導体基板1に実装について説明する。センサ基板7に設けられた基準マーク7aと半導体基板1の回路配線パターン1dのアライメント可能なパターンとの距離を認識又は検出して実装する。センサ基板7に配置された基準マーク7aを基準に半導体基板1の内部の抜きパターン6との絶対座標を参照しながら実装する。これを絶対値補正方法と呼ぶ。
【0027】
別の実装方法として、絶対値補正方法で実装された、先に実装された半導体基板1の最端部の画素位置座標とこれから実装する半導体基板1の抜きパターン6との位置を補正しながら実装する。これを相対値補正方法と呼ぶ。
【0028】
相対値補正方法を用いることにより短い距離(L3)で隣接する半導体基板1の隙間の補正ができるので実装精度が向上する。
【0029】
次に、抜きパターン6と回路配線パターン1dとの関係について説明する。図7は、この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板1に塗付された光学フィルタ5の抜きパターン6と半導体基板1の回路配線パターン1dとの関係を説明する図であり、図7(a)は抜きパターン6がL字形の場合を示し、図7(b)は抜きパターン6が円形形状の場合を示す。図7中、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
図7(a)では、回路配線パターン1dの領域の一部領域をL字形の抜きパターン6としている。図7(b)では、回路配線パターン1dの回路が浮島となっている領域の一部領域を円形形状の抜きパターン6としている。
【0030】
なお、光を反射させる回路配線パターン1dは、浮島パターン1dを除き、論理回路を形成するシフトレジスタ回路やラッチ回路の回路配線パターン1d領域を使用することが好ましい。
【0031】
以上から実施の形態1によるイメージセンサ用基板によれば、光学波長の異なるフィルタを積層させた光学フィルタ5の一部に抜きパターン6を形成し、抜きパターン6に入射する不要光を反射させる半導体基板1に形成した光反射パターン部を設けたので、位置合わせ用のアライメントマークの配置位置による制約を解消し、アライメントマークにより、半導体基板同士の実装精度を向上させることができる効果がある。
【0032】
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2によるイメージセンサ用基板の半導体基板部分の平面図である。図8において、20は光電変換部、50は光学フィルタ、60は光学フィルタ50の抜きパターンを示す。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。図9は、この発明の実施の形態2によるイメージセンサ用基板の光電変換部の並びを説明する図である。図9において、20rは赤色フィルタを塗布した光電変換部、20gは緑色フィルタを塗布した光電変換部、20bは青色フィルタを塗布した光電変換部である。
【0033】
赤色フィルタを搭載した光電変換部20r、緑色フィルタを搭載した光電変換部20g、青色フィルタを搭載した光電変換部20bは、長手方向と直交する方向に光学波長の異なる光学フィルタとした光電変換部20を平行配置したものとしている。そして、長手方向に亘って同一光学波長の光学フィルタ5同士とした光電変換部20としている。その他の構成については、実施の形態1で説明したものと同一であるので説明を省略する。
【0034】
実施の形態1では、1列に3種類のフィルタ5を塗付した光電変換部2を規則的な順番で配置したが、実施の形態2では、3列に光電変換部20を配置することにより、駆動回路部も3系統が配置され、それぞれの列の光電変換部20に異なる光学波長の光を透過させるフィルタ50が配置される。
【0035】
以上から実施の形態2によるイメージセンサ用基板によれば、光学波長の異なるフィルタを積層させた光学フィルタ50の一部に抜きパターン60を形成し、抜きパターン60に入射する不要光を反射させる半導体基板1に形成した光反射パターン部を設けたので、位置合わせ用のアライメントマークの配置位置による制約を解消し、アライメントマークにより、半導体基板同士の実装精度を向上させることができる効果があると共に同一波長の光学フィルタを設けた光電変換部の配列密度を高めることで高解像度のイメージセンサ用基板を得ることができる。
【0036】
実施の形態3.
図10は、この発明の実施の形態3によるイメージセンサ用基板の半導体基板部分の平面図である。図10において、51は光学フィルタ、61は端部に配置した光学フィルタ51の抜きパターンを示す。62は端部の内側に配置した光学フィルタ51の抜きパターンを示す。図中、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示す。その他の構成については実施の形態1と同一であるので説明を省略する。
【0037】
図11は、この発明の実施の形態3によるイメージセンサ用基板の半導体基板の実装方法を説明する平面図である。図11において、70は半導体基板1を載置するセンサ基板、70aはセンサ基板70に設置したアライメントマーク(基準マーク)である。図中、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0038】
図12は、この発明の実施の形態1によるイメージセンサ用基板の半導体基板の実装方法を説明する部分拡大平面図である。図12において、L4は半導体基板1の端部に設けた光学フィルタ51の抜きパターン61と半導体基板1の端部内側に設けた光学フィルタ51の抜きパターン62とのX方向離間距離を示す。図12中、図10と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0039】
次に動作について説明する。図11ではセンサ基板70に半導体基板1を千鳥配置して実装している。千鳥実装はセンサ基板70に奇数番目の半導体基板1と偶数番目の半導体基板1とを読み取りラインを基準に並べる。奇数番目の半導体基板1と偶数番目の半導体基板1とは互いに一定の重なりをもって配置する。半導体基板1に設置されている光電変換部2を画素と言い換えると、この重なり寸法は奇数番目の半導体基板1と偶数番目の半導体基板1の重なり画素数から算出する。直線状に隙間を設けて実装する実装方法とは異なり、数画素の重なり領域を設けて半導体基板1同士に生じる隙間に相当する領域を重なり領域を設けて画素補間する。
【0040】
千鳥配置して実装する場合、半導体基板1を機械実装装置によって長手方向に互いに平行する半導体基板1を千鳥状に等ピッチで並べて直線状にダイボンディングする。このとき、センサ基板70に設けられたアライメントマーク70aと半導体基板1に設けられた抜きパターン61,62を利用して実装される。例えば、読み取りライン上のセンサ基板70の両端部に基準マーク70aを設け、この基準マーク70aの位置から起算して、奇数番目の半導体基板1の抜きパターン61を認識してダイボンドする。次に偶数番目の半導体基板1の抜きパターン62を認識してダイボンドする。以後は、実施の形態1で説明した相対値補正方法などを用いてダイボンドする。
【0041】
以上から実施の形態3によるイメージセンサ用基板によれば、光学波長の異なるフィルタを積層させた光学フィルタ51の一部に抜きパターン61,62を形成し、抜きパターンに入射する不要光を反射させる半導体基板1に形成した光反射パターン部を設けたので、位置合わせ用のアライメントマークの配置位置による制約を解消し、アライメントマークにより、半導体基板1同士の実装精度を向上させることができる効果があると共に千鳥配置される半導体基板1に対しても抜きパターン61、62を使い分けることにより高精度の実装が可能となる。
【符号の説明】
【0042】
1・・半導体基板
1a・・シリコン基材 1b・・保護膜 1c・・保護膜
1d・・導体パターン(回路配線パターン) 1e・・電極
2・・光電変換部
2r・・赤色フィルタを塗布した光電変換部
2g・・緑色フィルタを塗布した光電変換部
2b・・青色フィルタを塗布した光電変換部
3・・駆動回路部
4・・端子部(入出力パッド)
5・・光学フィルタ
5r・・光学フィルタ(赤色フィルタ)
5g・・光学フィルタ(緑色フィルタ)
5b・・光学フィルタ(青色フィルタ)
6・・抜きパターン(光反射パターン部)
7・・センサ基板 7a・・アライメントマーク(基準マーク)
20・・光電変換部
20r・・赤色フィルタを塗布した光電変換部
20g・・緑色フィルタを塗布した光電変換部
20b・・青色フィルタを塗布した光電変換部
50・・光学フィルタ
51・・光学フィルタ
60・・抜きパターン(光反射パターン部)
61・・抜きパターン(光反射パターン部)
62・・抜きパターン(光反射パターン部)
70・・センサ基板 70a・・アライメントマーク(基準マーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子部及び回路配線パターンを有して回路を形成した半導体基板と、この半導体基板の長手方向に直線的に設けられ、光を光電変換する多数の光電変換部と、この光電変換部から出力された電気信号を順次スイッチングし、アナログ信号として前記端子部から出力する、前記光電変換部と前記端子部との間に設けられた駆動回路部と、前記光電変換部のそれぞれに選択的に塗付して配置され、所定の光学波長の光を透過させる光学波長の異なる複数の光学フィルタと、前記半導体基板を載置するセンサ基板と、このセンサ基板に設けた基準マークと、前記駆動回路部の領域にある前記半導体基板の回路配線パターン又はその開放パターンで形成された光反射パターン部と、この光反射パターン部を除いて前記駆動回路部を覆い、複数の前記光学フィルタが積層された光遮光膜とを備え、前記半導体基板と前記センサ基板との位置決めを前記基準マークと前記光反射パターン部との離間距離でおこなうイメージセンサ用基板。
【請求項2】
前記半導体基板を等ピッチで並べ、前記光電変換部を直線状に延在させた請求項1に記載のイメージセンサ用基板。
【請求項3】
前記光電変換部毎に光学波長が異なる前記光学フィルタを順番に配置し、配置されたグループを1組として、複数組繰り返して配置した請求項1に記載のイメージセンサ用基板。
【請求項4】
前記光電変換部は、長手方向と直交する方向に光学波長の異なる光学フィルタを平行配置し、それぞれ長手方向に亘って光学波長が同一の光学フィルタを配置する請求項1に記載のイメージセンサ用基板。
【請求項5】
互いに平行する前記半導体基板を千鳥状に等ピッチで並べ、前記光電変換部を直線状に延在させた請求項1に記載のイメージセンサ用基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−182302(P2011−182302A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46486(P2010−46486)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】