説明

インクジェットヘッド及びその製造方法

【課題】印刷品位の低下を抑制することが可能なインクジェットヘッド及びその製造方法を提供する。
【解決手段】インク圧力室を形成する圧電部材と、前記圧電部材の側面に配置された電極と、前記圧電部材に接着されるとともに前記インク圧力室に連通するノズル穴を有するノズルプレートと、前記ノズルプレートの表面、前記圧電部材と前記ノズルプレートとの接着部、及び、前記電極を覆う保護膜と、を備え、前記ノズルプレートの上面における前記ノズル穴の周囲においては、前記保護膜の少なくとも一部が欠落していることを特徴とするインクジェットヘッド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インクジェットヘッド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェットヘッドにおいては、導電性インクなどの多様なインクを吐出させるため、電極等をインクから保護する必要がある。また、溶剤系などの特殊なインクを吐出させる場合には、ノズルプレートと圧電部材とを接着する接着剤がインクによって侵されるなどの問題もあり、耐インク性が劣る部分を保護する必要がある。
【0003】
このような要求に対して、電極やノズルプレート等を高分子材料により形成された保護膜で被覆する技術が検討されている。しかしながら、ノズルプレートに形成されたノズル穴のエッジ部において保護膜の成長バラツキが発生した場合には、インクの吐出性能にもバラツキが発生するといった問題が生じうる。
【0004】
ノズル穴のエッジ部で保護膜が異常成長した場合には、インク吐出時にインク滴が異常成長点の影響を受け、印刷品位を低下させるおそれがある。例えば、インク滴の吐出方向が傾いた場合には、インク滴によって形成される媒体上のドットの位置にずれが生じてしまうことがある。また、吐出すべきメインのインク滴が尾をひき、微小なインク滴(サテライト)が発生してしまった場合には、サテライトがメインインク滴とは異なる方向に飛翔し、メインのインク滴によって形成されたメインドットに加えて微小なインク滴によって形成された微小ドットが媒体上に印刷されてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−266691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本実施形態の目的は、印刷品位の低下を抑制することが可能なインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態によれば、
インク圧力室を形成する圧電部材と、前記圧電部材の側面に配置された電極と、前記圧電部材に接着されるとともに前記インク圧力室に連通するノズル穴を有するノズルプレートと、前記圧電部材と前記ノズルプレートとを接着する接着剤と、前記ノズルプレートの表面、前記圧電部材と前記ノズルプレートとの接着部、及び、前記電極を覆う保護膜と、を備え、前記ノズルプレートの上面における前記ノズル穴の周囲においては、前記保護膜の少なくとも一部が欠落していることを特徴とするインクジェットヘッドが提供される。
【0008】
本実施形態によれば、
インク圧力室を形成する圧電部材、及び、前記圧電部材の側面に配置された電極を形成し、前記圧電部材とノズルプレートとを接着し、前記ノズルプレートの表面、前記圧電部材と前記ノズルプレートとの接着部、及び、前記電極を覆う保護膜を形成し、少なくとも前記ノズル穴の周囲においては、レーザー光を照射することにより、前記ノズルプレートの上面を覆う前記保護膜の少なくとも一部を除去する、ことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本実施形態におけるインクジェットヘッドの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図2】図2は、図1に示したインクジェットヘッドを構成する主要部及びノズルプレートを含む第1構成例の構造を概略的に示す断面図である。
【図3】図3は、図1に示したインクジェットヘッドを構成する主要部及びノズルプレートを含む第2構成例の構造を概略的に示す断面図である。
【図4】図4は、図1に示したインクジェットヘッドを構成する主要部及びノズルプレートを含む第3構成例の構造を概略的に示す断面図である。
【図5】図5は、図1に示したインクジェットヘッドを構成する主要部及びノズルプレートを含む第4構成例の構造を概略的に示す断面図である。
【図6】図6は、図2乃至図5に示した各構成例のノズルプレートの形成されたノズル穴の形状を概略的に示す断面図である。
【図7】図7は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造過程の一部を概略的に示す断面図である。
【図8】図8は、本実施形態のインクジェットヘッドにおける保護膜を形成するための蒸着重合装置の構成を概略的に示す図である。
【図9】図9は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造過程の一部を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるインクジェットヘッド1の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【0012】
すなわち、インクジェットヘッド1は、主要部10、ノズルプレート20、マスクプレート30、及び、ホルダ40を備えている。このインクジェットヘッド1は、第1方向Xを長手方向とした概略直方体形状である。なお、以下の説明において、第1方向Xに概ね直交する方向を第2方向Yとし、X−Y平面に直交する方向を第3方向Zとする。インク滴の吐出方向は第3方向Zである。
【0013】
主要部10は、絶縁基板11、枠体12、圧電部材13などを備えて構成されている。
【0014】
絶縁基板11は、例えば、アルミナなどのセラミックス製であり、第1方向Xに沿って延出した概略長方形の板状に形成されている。この絶縁基板11は、ノズルプレート20と対向する側に上面11Tを有するとともに、ホルダ40と対向する側に下面11Bを有している。このような絶縁基板11は、インク供給口11in及びインク排出口11outを有している。これらのインク供給口11in及びインク排出口11outは、上面11Tから下面11Bまで貫通している。
【0015】
枠体12は、例えば、金属製であり、矩形枠状に形成されている。この枠体12は、絶縁基板11の上面11Tに配置されている。圧電部材13は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)製であり、絶縁基板11の上面11Tにおいて枠体12で囲まれた内側に配置されている。各圧電部材13は、第1方向Xに概ね直交する第2方向Yに沿って延出している。これらの圧電部材13は、第1方向Xに沿って並んでいる。第1方向Xに沿って並んだ一対の圧電部材13の間には、第2方向Yに沿って延出したインク圧力室14がスリット状に形成される。
【0016】
図示した例では、第1方向Xに沿って並んだ圧電部材13の列が2列形成されている。複数のインク供給口11inは、絶縁基板11の略中央部、つまり、2列の圧電部材13の間において第1方向Xに沿って並んでいる。複数のインク排出口11outは、絶縁基板11の周辺部、つまり、圧電部材13と枠体12との間において第1方向Xに沿って並んでいる。このような構成により、インク供給口11inのそれぞれからインク圧力室14に向けてインクが供給され、インク圧力室14を通過したインクがインク排出口11outのそれぞれから排出される。
【0017】
ノズルプレート20は、例えば、ポリイミドなどの樹脂製、あるいは、ニッケル合金やステンレスなどの耐熱性を有する金属製であり、第1方向Xに沿って延出した概略長方形の板状に形成されている。このノズルプレート20は、第3方向Zに沿って主要部10の上方に配置されている。このノズルプレート20は、マスクプレート30と対向する側に上面20Tを有するとともに、主要部10と対向する側に下面20Bを有している。このノズルプレート20の下面20Bと、枠体12及び圧電部材13とは、図示しない接着剤により接着されている。
【0018】
このようなノズルプレート20は、ノズル穴21を有している。各ノズル穴21は、インク圧力室14に対向して形成されており、インク圧力室14に連通している。複数のノズル穴21は、概略第1方向Xに沿って並んでおり、ノズル列211及び212を形成している。図示した例では、ノズルプレート20には、2列のノズル列211及び212が形成されているが、ノズル列は1列であっても良いし3列以上であっても良い。なお、互いに隣接するノズル穴21は、厳密には、第1方向Xに沿った同一直線上に形成されていない場合があるが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0019】
マスクプレート30は、例えば、金属製であり、ノズルプレート20を囲む枠状に形成されている。このマスクプレート30は、第3方向Zに沿って主要部10の上方に配置されている。このマスクプレート30は、ノズルプレート20の外径と略同等の四角形状の開口部30Hを有している。このマスクプレート30と、枠体12とは、図示しない接着剤により接着されている。
【0020】
ホルダ40は、第3方向Zに沿って主要部10の下方に配置されている。このホルダ40は、インク供給口11inに向けてインクを導入するためのインク導入路41、及び、インク排出口11outから排出されたインクを回収するインク回収路42を有している。インク導入路41には、図示しないインクタンクからインクを導入するための導入用パイプ51が接続されている。インク回収路42には、インクをインクタンクに回収するための回収用パイプ52が接続されている。このホルダ40は、主要部10と対向する側に上面40Tを有している。このホルダ40の上面40Tと、絶縁基板11の下面11Bとは、図示しない接着剤により接着されている。
【0021】
ホルダ40と絶縁基板11とを接着する接着剤、ノズルプレート20と枠体12及び圧電部材13とを接着する接着剤、及び、マスクプレート30と枠体12とを接着する接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化型樹脂が適用可能である。
【0022】
図2は、図1に示したインクジェットヘッド1を構成する主要部10及びノズルプレート20を含む第1構成例の構造を概略的に示す断面図である。
【0023】
すなわち、圧電部材13は、絶縁基板11の上面11Tにおいて、所定の間隔を置いて配置されている。詳細な説明は省略するが、この圧電部材13は、例えば、分極方向が互いに逆向きの2つの圧電部材を第3方向Zに積層して形成されている。このような圧電部材13は、上面13Tと、絶縁基板11の上面11Tに対して略垂直な側面13Sと、を有している。
【0024】
インク圧力室14は、互いに隣接する圧電部材13の間に形成されている。換言すると、圧電部材13は、インク圧力室14を隔てて配置されている。
【0025】
電極16は、圧電部材13のそれぞれの側面13Sに配置されている。つまり、圧電部材13は、2つの電極16によって挟まれている。また、この電極16は、隣接する圧電部材13の間に位置する絶縁基板11の上面にも配置されている。このような電極16は、例えば、ニッケルメッキや銅メッキなどによって形成されている。
【0026】
ノズルプレート20は、圧電部材13に接着されている。より具体的には、圧電部材13の上面13Tとノズルプレート20の下面20Bとが接着剤により接着されている。このノズルプレート20に形成されたノズル穴21は、インク圧力室14に連通している。このノズル穴21の中心は、隣接する圧電部材13の間の略中間に位置している。
【0027】
このような構成においては、圧電部材13を挟むそれぞれの電極16に逆極性の電圧が印加されることにより、圧電部材13が変形し、インク圧力室14の容積を変化させる(つまり、容積を拡張させたり、容積を収縮させたりする)。インク圧力室14の容積変化に伴い、インク圧力室14に導入されたインクがノズル穴21から吐出される。
【0028】
ところで、本実施形態においては、インクジェットヘッド1は、ノズルプレート20の表面、圧電部材13とノズルプレート20との接着部AP、及び、電極16を覆う保護膜60を備えている。なお、ノズルプレート20の表面とは、上面20T、下面20B、及び、ノズル穴21の内壁21Iを含むものとする。インク圧力室14の内面は、一様に保護膜60によって覆われている。
【0029】
このような保護膜60は、電気的絶縁性であり、例えば、ポリイミドやパリレン(ポリパラキシリレン)などの有機系材料を用いて形成されている。また、この保護膜60は、例えば、蒸着重合法などのドライ方式で形成される。
【0030】
ここで、蒸着重合法とは、熱エネルギーによって蒸発させ、活性化させた複数種類の原料モノマーを、保護膜60の成膜を目的とする処理対象物の表面に付着させ、その処理対象物表面で重合反応を生じさせることにより、処理対象物表面に有機高分子膜からなる保護膜60を形成する重合方法である。
【0031】
このような保護膜60については、ノズルプレート20の上面20Tにおいて、少なくともノズル穴21の周囲においては、保護膜60の少なくとも一部が欠落している。図示した例では、保護膜60には、ノズル穴21の周囲において窪み60Cが形成されている。より具体的には、ノズルプレート20の上面20Tを覆う保護膜60の膜厚がノズル穴21の周囲において局所的に薄くなっている。
【0032】
例えば、保護膜60は、概ね第1膜厚T1(例えば、5μm程度)を有するように形成されているが、ノズル穴21の周囲における保護膜60の第2膜厚T2は、例えば接着部APの直上における保護膜60の第1膜厚T1よりも薄い。このような第2膜厚T2の領域つまり窪み60Cは、例えば、ノズル穴21を囲むリング状に形成されている。この保護膜60について、第2膜厚T2の領域は、ノズル穴21の内壁21Iを覆う領域と繋がっている。なお、ここでの第1膜厚T1及び第2膜厚T2は、第3方向Zに沿った長さである。
【0033】
このような第1構成例は、ノズルプレート20が樹脂製である場合及び金属製である場合のいずれにも適用される。
【0034】
図3は、図1に示したインクジェットヘッド1を構成する主要部10及びノズルプレート20を含む第2構成例の構造を概略的に示す断面図である。
【0035】
ここに示した第2構成例は、第1構成例と比較して、ノズルプレート20の上面20Tのうち、ノズル穴21の周囲が保護膜60から露出している点で相違している。すなわち、接着部APの直上における保護膜60の第1膜厚T1に対して、ノズル穴21の周囲における保護膜60の第2膜厚T2はゼロである。つまり、ノズル穴21の周囲においては、保護膜60は、上面20Tに至るまで完全に除去されており、第1膜厚T1分の段差が形成されている。このような保護膜60から露出した領域は、例えば、ノズル穴21を囲むリング状に形成されている。なお、その他については第1構成例と同様であるため、説明を省略する。
【0036】
このような第2構成例は、ノズルプレート20が樹脂製である場合及び金属製である場合のいずれにも適用される。
【0037】
図4は、図1に示したインクジェットヘッド1を構成する主要部10及びノズルプレート20を含む第3構成例の構造を概略的に示す断面図である。
【0038】
ここに示した第3構成例は、第2構成例と比較して、ノズルプレート20の上面20Tにおいて、ノズル穴21の周囲を含む全面が保護膜60から露出している点で相違している。つまり、この第3構成例においては、ノズルプレート20の上面20Tには、保護膜60が形成されていない。なお、その他については第1構成例と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
このような第3構成例は、ノズルプレート20が樹脂製である場合及び金属製である場合のいずれにも適用される。
【0040】
図5は、図1に示したインクジェットヘッド1を構成する主要部10及びノズルプレート20を含む第4構成例の構造を概略的に示す断面図である。
【0041】
ここに示した第4構成例は、第2構成例と比較して、さらに、保護膜60から露出したノズルプレート20には、窪み20Cが形成されている点で相違している。この窪み20Cの上面20Tからの深さdは、ノズルプレート20の厚さDの10%以内、あるいは、5μm以内である。このような窪み20Cは、例えば、ノズル穴21を囲むリング状に形成されている。ここでの深さd及び厚さDは、第3方向Zに沿った長さである。なお、その他については第1構成例と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
このような第4構成例は、特に、ノズルプレート20が樹脂製である場合に適用される。
【0043】
ここで、ノズルプレート20に形成されるノズル穴21の断面形状の一例について説明する。
【0044】
図6は、図2乃至図5に示した各構成例のノズルプレート20の形成されたノズル穴21の形状を概略的に示す断面図である。
【0045】
すなわち、ノズル穴21は、ノズルプレート20の上面20Tと下面20Bとの間で最小径φとなるつづみ型の断面形状を有している。つまり、ノズル穴21の内壁21Iは、ノズルプレート20の上面20T側に逆テーパ部21Aを形成するとともに、ノズルプレート20の下面20B側に順テーパ部21Bを形成している。
【0046】
なお、図示しないが、X−Y平面においては、ノズル穴21は、円形であり、最小径となる部分についても円形である。上面20Tから最小径となる位置までの第3方向Zに沿った距離Lは、ノズルプレート20の厚さDの約10%である。各部の寸法の一例を示すと、厚さDは50μmであり、距離Lは5μmであり、最小径φは30μmである。
【0047】
図5に示した第4構成例において、ノズルプレート20の上面20T側に窪み20Cが形成される場合であっても、窪み20Cの深さdがノズルプレート20の厚さDの10%以内あるいは5μm以内であれば、ノズル穴21の最小径φは維持される。このため、ノズル穴21毎に最小径が異なるといった不具合の発生は防止される。
【0048】
このような形状のノズル穴21は、ノズルプレート20が樹脂製である場合に形成されることが多いが、ノズルプレート20が金属製である場合にも形成可能である。
【0049】
なお、ノズル穴21の他の断面形状としては、図示しないが、ノズルプレート20の上面20Tの側に略均一な内径の円筒部が形成され、ノズルプレート20の下面20Bの側で順テーパ部が形成された形状も適用可能である。この場合においても、第4構成例のように、ノズルプレート20の上面20Tの側に窪み20Cが形成される構成において、窪み20Cの深さが円筒部の軸方向に沿った長さ以内であれば、円筒部の内径がノズル穴21の最小径φとなり、この最小径が維持される。
【0050】
次に、本実施形態におけるインクジェットヘッド1の製造方法について説明する。なお、ここでは、X−Z平面における断面図を参照しながら説明する。
【0051】
図7は、本実施形態のインクジェットヘッド1の製造過程の一部を概略的に示す断面図である。
【0052】
まず、図7の(a)で示したように、絶縁基板11の上面11Tに、圧電部材13を形成した後に、この圧電部材13の側面13S及び絶縁基板11の上面11Tに電極16を形成する。図示した段階では、圧電部材13の上面13Tには、電極16は配置されていない。
【0053】
そして、図7の(b)で示したように、圧電部材13とノズルプレート20とを接着剤により接着する。接着剤は、例えば、エポキシ樹脂であり、圧電部材13の上面13Tに塗布される。ノズルプレート20は、例えば、ポリイミド製である。図示した例では、接着時のノズルプレート20には、ノズル穴が形成されていないが、予めノズル穴21が形成されたノズルプレート20を接着しても良い。特に、ノズルプレート20が金属製である場合には、接着前に予めノズル穴21が形成されていることが望ましい。このようなノズルプレート20にノズル穴21を形成する手法としては、例えば、レーザー光を照射するレーザー加工、プレス加工、電鋳など手法が適用可能である。
【0054】
ここでは、レーザー加工により図6に示したようなつづみ型の断面形状のノズル穴21を形成する方法について説明する。
【0055】
すなわち、このノズルプレート20の上面20Tには、保護フィルム22が貼付されている。この保護フィルム22は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに粘着材が塗布されたものである。厚さの一例として、ノズルプレート20の厚さが約50μm程度であり、保護フィルム22の厚さが約15μm程度である。
【0056】
このような保護フィルム22が貼付されたノズルプレート20は、その下面20Bを圧電部材13に向けた状態で、接着剤が塗布された圧電部材13の上面13Tに載置され、接着剤の硬化処理を行うことによって、圧電部材13に接着される。このとき、ノズルプレート20にはノズル穴が形成されていないため、精密な位置合わせは不要である。
【0057】
続いて、図7の(c)で示したように、詳述しない穴加工装置の光学系OPにより整形されたレーザー光LLをノズルプレート20に向けて照射し、ノズル穴21を形成する。このレーザー光LLは、エキシマレーザー装置やYAGレーザー装置などから出射された紫外線領域の波長の光であり、ノズルプレート20の材質の除去が可能なものを用いている。このようなレーザー光LLは、穴加工装置のテレセントリックな光学系OPを通過すると、その進行方向に垂直な断面において集光面Fまで次第に径が細くなり集光面Fからは次第に径が太くなるようにくびれたビーム形状となるように整形される。
【0058】
このようにくびれたビーム形状となるレーザー光LLの集光面Fをノズルプレート20の断面内部に位置させながら加工することによって、逆テーパ部21Aと順テーパ部21Bとが形成される。その後、ノズルプレート20の上面20Tから保護フィルム22を剥離する。
【0059】
これにより、図7の(d)で示したように、ノズルプレート20には、つづみ型の断面形状を有するノズル穴21が形成される。このようにして形成されたノズル穴21は、インク圧力室14に連通している。
【0060】
続いて、ノズルプレート20の表面、圧電部材13とノズルプレート20との接着部AP、及び、電極16を覆う保護膜60を形成する。
【0061】
図8は、本実施形態のインクジェットヘッド1における保護膜60を形成するための蒸着重合装置100の構成を概略的に示す図である。以下に、蒸着重合装置100の概略構造、及び、蒸着重合の作業手順について図8を参照して説明する。
【0062】
蒸着重合装置100は、蒸着重合法による成膜を目的とする処理対象物(本実施形態では、ノズル穴21が形成されたノズルプレート20と圧電部材13とが接着されたもの)Aを保持するステージ118が内部に設けられたチャンバー119を備えている。ステージ118には、処理対象物Aの温度調節を行うための温度調節機構(図示せず)が設けられている。
【0063】
チャンバー119内には、チャンバー119内の温度を制御する室内温度制御機構(図示せず)が設けられている。また、特に図示しないが、チャンバー119には、チャンバー119内を減圧させるための減圧機構が設けられている。この減圧機構は、例えば、ファン等によってチャンバー119内の空気を強制的にチャンバー119外へ排気するような機構であってもよい。
【0064】
チャンバー119の上側には混合漕120が設けられている。チャンバー119と混合漕120とは、複数の孔が形成されたシャワープレート121を介して連通されている。
【0065】
また、蒸着重合装置100は、処理対象物Aに付着させる原料モノマーを保持する複数の蒸発漕122を備えている。特に図示しないが、各蒸発漕122には、原料モノマーを加熱する加熱機構が設けられている。また、各蒸発漕122には、各蒸発漕122と混合漕120とをそれぞれ連通させるモノマー導入管123が設けられている。各モノマー導入管123には、それぞれのモノマー導入管123を開放制御するバルブ124が設けられている。モノマー導入管123は、蒸着重合を行う時以外は、バルブ124によって閉塞されている。
【0066】
保護膜60の成膜に際しては、まず、蒸着重合法による成膜を目的とする処理対象物Aを、ステージ118に取り付ける。なお、この処理対象物Aにおける保護膜60の成膜が不要な部分(例えば、電極端子など)には、予めマスキングをしておく。
【0067】
つぎに、加熱機構によって蒸発漕122内を加熱する。加熱された原料モノマーは、気体となって蒸発する。原料モノマーが十分に気化したところで、バルブ124を開放してモノマー導入管123を開放する。これにより、気化した原料モノマーは、モノマー導入管123を通って混合漕120に導入される。混合漕120では、各種モノマーが均一に混ざった混合モノマーが生成される。
【0068】
加えて、減圧機構によってチャンバー119内を減圧する。混合モノマーは、混合漕120とチャンバー119内との圧力差によって、シャワープレート121を介してチャンバー119内に導入される。
【0069】
チャンバー119内に導入された混合モノマーは、処理対象物A上の保護膜60を成膜したい部分に付着する。処理対象物Aとチャンバー119内の温度とを制御することにより、処理対象物Aに付着した原料モノマーが重合を開始する。これによって、処理対象物A上の保護膜60を成膜したい部分(ノズルプレート20の表面、圧電部材13とノズルプレート20との接着部AP、及び、電極16)には、目的とする保護膜60が成膜される。
【0070】
このような蒸着重合法は、成膜したい物質をモノマー単位で処理対象物Aに付着させて処理対象物A上で重合させるため、複雑な形状をした処理対象物Aに対してもモノマー分子が良好に回り込むので、処理対象物Aの形状に左右されずに細かな部分にも均一に成膜を施すことができる。また、蒸着重合法は良好な密着性と優れた付き回り性とを有するので、このような蒸着重合法を用いて保護膜60を成膜することにより、処理対象物Aに対する下地処理等を行うことを不要とすることができる。
【0071】
図9は、本実施形態のインクジェットヘッド1の製造過程の一部を概略的に示す断面図である。
【0072】
図9の(a)で示したように、上記の蒸着重合法により保護膜60を形成した場合、ノズルプレート20の表面(すなわち、上面20T、下面20B、ノズル21の内壁21I)、圧電部材13とノズルプレート20との接着部AP、及び、電極16は、保護膜60によって覆われる。このとき、図示したように、局所的に異常成長して保護膜60の突起61が形成されることがある。
【0073】
そして、図9の(b)で示したように、レーザー光LLをノズルプレート20に向けて照射し、少なくともノズル穴21の周囲においては、ノズルプレート20の上面20Tを覆う保護膜60の少なくとも一部を除去する。これにより、たとえ保護膜60に突起61が形成されていたとしても、レーザー光LLの照射によって突起61はほとんど除去される。
【0074】
ここで適用されるレーザー光LLは、エキシマレーザー装置やYAGレーザー装置などから出射された紫外線領域の波長の光であり、保護膜60の材質である有機系材料の除去が可能なものを用いている。このとき、ノズル穴21の周囲に向けて選択的にレーザー光LLを照射しても良いし、ノズルプレート20の上面20Tの略全体に向けて径大のレーザー光LLを照射しても良いし、径小のレーザー光LLを照射しながらノズルプレート20の上面20Tの略全体を走査しても良い。
【0075】
保護膜60を除去する除去量(あるいは、第3方向Zに沿った保護膜60の掘り込みの深さ)は、保護膜60へのレーザー光LLの照射量を制御することによって調整される。レーザー光LLの照射量は、1ショット当たりのエネルギー密度や照射時間、ショット数などによって制御される。
【0076】
ノズルプレート20が樹脂製である場合、レーザー光LLの照射量が過大であると、ノズルプレート20の上面20Tの保護膜60を除去するのにとどまらず、ノズルプレート20の上面20Tから下面20Bまで貫通してしまう。このため、ノズルプレート20が樹脂製である場合には、レーザー光LLの照射量は、ノズルプレート20の上面20Tから下面20Bまで貫通しないように設定される。
【0077】
一方、ノズルプレート20がレーザー光LLの熱に対して十分な耐熱性(あるいは、耐レーザー性)を有する金属製である場合、レーザー光の照射量が多少過大であっても、ノズルプレート20自体を除去してしまうことはほとんどなく、ノズルプレート20の上面20Tで加工が止まる。このため、ノズルプレート20が金属製である場合には、ノズルプレート20が樹脂製である場合と比較して、レーザー光LLの照射量を厳密に制御することなく、必要量の保護膜60を除去することが可能となる。
【0078】
ノズルプレート20の材質にかかわらず、レーザー光LLの照射量がノズルプレート20の上面20Tに形成された保護膜60を第1膜厚T1分だけ除去するのに必要な第1照射量に設定された場合、レーザー光LLをノズル穴21の周囲に向けて選択的に照射することにより、保護膜60が選択的に除去され、図3に示した第2構成例のように、ノズルプレート20の上面20Tのうち、ノズル穴21の周囲が保護膜60から露出する。
【0079】
同様に、ノズルプレート20の材質にかかわらず、レーザー光LLの照射量が第1照射量に設定された場合、レーザー光LLをノズルプレート20の上面20Tの全面に照射することにより、上面20Tを覆っていた保護膜60が除去され、図4に示した第3構成例のように、ノズルプレート20の上面20Tの全面が保護膜60から露出する。
【0080】
ノズルプレート20の材質にかかわらず、レーザー光LLの照射量が第1照射量よりも小さく設定された場合には、レーザー光LLをノズル穴21の周囲に向けて選択的に照射することにより、保護膜60が選択的に除去され、図2に示した第1構成例のように、ノズルプレート20の上面20Tを覆う保護膜60には、ノズル穴21の周囲に窪み60Cが形成される。
【0081】
ノズルプレート20が樹脂製であって、レーザー光LLの照射量が第1照射量よりも大きく設定された場合には、レーザー光LLをノズル穴21の周囲に向けて選択的に照射することにより、保護膜60が選択的に除去されるとともにノズルプレート20の上面20T側の一部も除去され、図5に示した第4構成例のように、ノズルプレート20の上面20T側に窪み20Cが形成される。
【0082】
上述したように、本実施形態のインクジェットヘッド1においては、インク圧力室14に形成された電極16及び圧電部材13とノズルプレート20との接着部APは、保護膜60によって被覆されている。このため、種々のインクを吐出するインクジェットヘッド1において、電極16や、圧電部材13とノズルプレート20とを接着する接着剤などの耐インク性に劣る部分を保護膜60によって保護することが可能となる。
【0083】
換言すると、電極16や接着剤については、インクには接触しないため、耐インク性を考慮する必要がなくなり、選択可能な材料を増やすことが可能となる。また、インクについても、電極16や接着剤への影響を考慮する必要がなくなり、多様なインクを適用することが可能となる。
【0084】
特に、ノズル穴21が予め形成された金属製のノズルプレート20を圧電部材13に接着する接着剤としては、熱硬化型のものは避けられる傾向にある。これは、熱硬化時にノズルプレート20の熱膨張により位置ずれが生じやすいためである。このため、接着剤として選択可能な材料が限られる。これらの接着剤の中で、耐インク性を考慮すると、さらに選択可能な材料が限られるが、本実施形態においては、接着剤は保護膜60によって保護されており、インクに触れることがないため、接着剤として選択可能な材料の制限を緩和することが可能となる。
【0085】
また、ノズル穴21の周囲において、ノズルプレート20の上面20Tを覆う保護膜60の少なくとも一部が欠落している。これは、保護膜60を形成する過程の後に、レーザー光LLを照射することによって保護膜60の少なくとも一部を除去したためである。このため、保護膜60を形成する過程で、たとえノズル穴21のエッジ部において、保護膜60の一部に異常成長が発生して突起61が形成されたとしても、保護膜60を除去する過程で突起61も除去することが可能である。
【0086】
したがって、保護膜60の異常成長の影響を軽減することが可能となる。これにより、ノズル穴21から吐出されたインクの吐出方向に傾きが生じたり、サテライトの発生に起因した印刷不具合が生じたりすることを抑制でき、印刷品位の低下を抑制することが可能となる。
【0087】
なお、異常成長した突起61の大きさにもよるが、レーザー光LLの照射によって完全に除去できない場合がある。このような場合でも、突起61がなだらかとなり、平準化されるため、インクを吐出する際の影響を低減することが可能である。
【0088】
図2に示した第1構成例においては、ノズルプレート20の上面20Tを覆う保護膜60には、ノズル穴21の周囲において窪み60Cが形成されている。このような第1構成例では、窪み60Cを形成する過程でノズル穴21の周囲で異常成長した保護膜60の突起61は除去可能である。このため、印刷品位低下を抑制する効果が得られる。また、レーザー光LLを照射する領域をノズル穴21の周囲に限定することにより、レーザー光照射工程における工程数の削減が可能となる。
【0089】
図3に示した第2構成例及び図4に示した第3構成例においては、ノズルプレート20の上面20Tのうち、少なくともノズル穴21の周囲は、保護膜60から露出している。このような第2構成例では、保護膜60を除去する過程でノズル穴21の周囲で異常成長した保護膜60の突起61は除去可能である。この第2構成例においては、第1構成例と比較して、突起61の除去率が高まるため、突起61による影響をさらに低減することができ、印刷品位低下を抑制する効果が得られる。また、レーザー光LLを照射する領域をノズル穴21の周囲に限定した第3構成例では、レーザー光LLを照射する領域をノズルプレート20の上面20Tの略全体とした第4構成例と比較して、レーザー光照射工程における工程数の削減が可能となる。
【0090】
図5に示した第4構成例においては、ノズル穴21の周囲を保護膜60から露出するのに加えて、保護膜60から露出したノズルプレート20には、窪み20Cが形成されている。このような第4構成例では、保護膜60及びノズルプレート20の一部を除去する過程でノズル穴21の周囲で異常成長した保護膜60の突起61は除去可能である。この第4構成例においては、第2構成例及び第3構成例と比較して、突起61の除去率がさらに高まるため、突起61による影響をさらに低減することができ、印刷品位低下を抑制する効果が得られる。また、レーザー光LLを照射する領域をノズル穴21の周囲に限定することにより、レーザー光照射工程における工程数の削減が可能となる。
【0091】
以上説明したように、本実施形態によれば、印刷品位の低下を抑制することが可能なインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することができる。
【0092】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1…インクジェットヘッド
10…主要部
11…絶縁基板 11T…上面
13…圧電部材 13T…上面 13S…側面
14…インク圧力室
16…電極
20…ノズルプレート 20T…上面 20B…下面
21…ノズル穴 21I…内壁 21A…逆テーパ部 21B…順テーパ部
60…保護膜 61…突起
AP…接着部
100…蒸着重合装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク圧力室を形成する圧電部材と、
前記圧電部材の側面に配置された電極と、
前記圧電部材に接着されるとともに前記インク圧力室に連通するノズル穴を有するノズルプレートと、
前記ノズルプレートの表面、前記圧電部材と前記ノズルプレートとの接着部、及び、前記電極を覆う保護膜と、を備え、
前記ノズルプレートの上面における前記ノズル穴の周囲においては、前記保護膜の少なくとも一部が欠落していることを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項2】
前記ノズルプレートの上面を覆う前記保護膜には、前記ノズル穴の周囲において窪みが形成されたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
【請求項3】
前記ノズルプレートの上面のうち、少なくとも前記ノズル穴の周囲は、前記保護膜から露出していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
【請求項4】
さらに、前記保護膜から露出した前記ノズルプレートには、窪みが形成されたことを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッド。
【請求項5】
前記窪みの深さは、前記ノズルプレートの厚さの10%以内であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
【請求項6】
前記ノズル穴は、前記ノズルプレートの上面と下面との間で最小径となるつづみ型の断面形状を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
【請求項7】
前記ノズル穴において、前記ノズルプレートの上面から最小径となる位置までの距離は、前記ノズルプレートの厚さの10%であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
【請求項8】
前記ノズルプレートは、樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
【請求項9】
前記ノズルプレートは、金属製であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
【請求項10】
インク圧力室を形成する圧電部材、及び、前記圧電部材の側面に配置された電極を形成し、
前記圧電部材とノズルプレートとを接着し、
前記ノズルプレートの表面、前記圧電部材と前記ノズルプレートとの接着部、及び、前記電極を覆う保護膜を形成し、
少なくとも前記ノズル穴の周囲においては、レーザー光を照射することにより、前記ノズルプレートの上面を覆う前記保護膜の少なくとも一部を除去する、
ことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項11】
前記ノズルプレートは樹脂製であり、
前記保護膜の少なくとも一部を除去するための前記レーザー光の照射量は、前記ノズルプレートの上面から下面まで貫通しないように設定されることを特徴とする請求項10に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項12】
前記ノズルプレートは金属製であり、
前記圧電部材と接着される前の前記ノズルプレートには、予めノズル穴が形成されていることを特徴とする請求項10に記載のインクジェットヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−91381(P2012−91381A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240034(P2010−240034)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】