説明

インクジェット印刷用布前処理

本発明は、布へのインクジェット印刷およびその上に高品質の印刷を許容する布に対する前処理溶液に関する。水性前処理溶液/エマルジョンは、ノニオン性ラテックスポリマーおよび多価カチオン塩を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前処理された布へのカラーインクジェットインクを用いたインクジェット印刷、およびその上への高品質印刷を許容する布用の前処理溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷などのデジタル印刷方法は、織物の印刷にますます重要になっており、およびスクリーン印刷などの従来の印刷方法を超える多数の潜在的な有益性を提供する。デジタル印刷は、スクリーンの調製に関連するセットアップ費用を排除し、および経済的な短期間での生産を潜在的に可能とすることが可能である。しかも、インクジェット印刷は、スクリーン印刷プロセスでは実際的には実現不可能である色調グラデーションおよび無限のパターン反復サイズなどの視覚的効果を許容する。
【0003】
デジタル印刷はほとんどすべての布についての利用可能な印刷条件の幅を提供するが、布上で、より高次の色(higher color)を達成する必要が度々ある。本発明は、綿および綿ブレンドなどの布の、カラーインクジェットインクを用いた、より高次の色の、高品質インクジェット印刷を実現することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本発明は、
(a)ノニオン性ラテックスポリマーおよび多価カチオン塩溶液を含む水性前処理溶液で織物を前処理するステップと、
(b)乾燥させた、前処理した織物をカラーインクジェットインクでデジタル印刷するステップと
を含み、
ノニオン性ラテックスポリマーは、多価カチオン塩溶液の存在下においてこのノニオン性ラテックスポリマーが安定であるよう十分なノニオン性成分を有する、織物をデジタル印刷する方法に関する。
【0005】
本発明は、他の態様において、ノニオン性ラテックスポリマーと多価カチオン塩溶液との水性混合物で前処理された布に関し、ここで、多価カチオン塩は、硝酸カルシウム、硝酸カルシウム水和物、塩化カルシウム、塩化カルシウム水和物およびこれらの混合物からなる群から選択されるカルシウム塩である。
【0006】
本発明のこれらおよび他の機構および利点は、以下の詳細な説明の記載から当業者によってより容易に理解されるであろう。明確さのために個別の実施形態のコンテクストで上述の、および後述される本発明の一定の特徴は、単一の実施形態における組み合わせでも提供され得ることが認識されるべきである。逆に、簡潔さのために単一の実施形態コンテクストで記載される本発明の種々の特徴はまた、個別に、またはいずれかのサブコンビネーションで提供され得る。さらに、単数形での言及はまた、コンテクストがそうでないと特定的に明記していない限りは、複数をも包含し得る(例えば、「a」および「an」は、1つ、または1つまたは複数を指し得る)。さらに、範囲で明記された値への言及は、その範囲内の各値およびあらゆる値を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
前処理溶液
本発明の方法において用いられる水性前処理溶液は、ノニオン性ラテックスポリマーおよび多価カチオン塩溶液である。より好ましくは、前処理溶液は、ノニオン性ラテックスポリマーおよび多価カチオン塩の水溶液を含む。水性前処理溶液により、ノニオン性ラテックスポリマーは、前処理溶液中に安定エマルジョンを呈し得ることが理解される。任意により、他の要素が添加されることが可能である。本明細書中に後述される処方成分割合は、他に示されていない限り、最終溶液の総重量に基づく重量パーセントである。
【0008】
ノニオン性ラテックスポリマー
特定の織物基材に対する前処理は、インク着色剤の編織布基材上への付着性および/または洗濯堅牢度をさらに強めるために、ノニオン性ラテックスポリマーを含む。ノニオン性ラテックスポリマーを含む前処理した織物は、未処理の織物と比して高い色密度および飽和、未処理の織物と比して優れた印刷品質、未処理の織物と比して低減されたウィッキングまたはにじみ、および未処理の織物と比して強いインク吸収を提供することが見出された。しかも、前処理配合物は、インクジェット印刷プロセスを介して印刷される場合、洗濯堅牢性を備える印刷されたイメージを提供する。単なる一例として、ノニオン性材料としては、ウレタン、ビニルアセテート、エチレン−ビニルアセテート、アクリレート、アクリルアミド、スチレン、およびスチレン−アクリレート樹脂および他のノニオン性ラテックスが挙げられ得る。1つまたは複数のノニオン性ラテックスポリマーが前処理溶液中に用いられ得る。
【0009】
ノニオン性ラテックスポリマーの好ましい使用は、多価カチオン塩溶液を添加することである。ノニオン性ラテックスポリマー/多価カチオン塩溶液は、布の処理を可能とするために、溶液としてまたは安定なエマルジョンとして安定でなければならない。ノニオン性ラテックスポリマーゲルまたはそのエマルジョンが多価カチオン塩溶液の存在下に不安定である場合には、前処理添加剤として使用することはできない。ノニオン性ラテックスポリマーが多価カチオン塩溶液の存在下に安定であるかどうかのスクリーニング試験とは、10重量%ポリマー(乾量基準)と15重量%の硝酸カルシウム四水和物とを混合し、溶液/エマルジョンが安定であるかどうかを観察することである。安定性の観察は、周囲温度(約25℃)で、10分間および24時間行う。ノニオン性成分は、安定なノニオン性ラテックスポリマー/多価カチオン性溶液/エマルジョンをもたらさなければならない。
【0010】
ノニオン性ラテックスポリマーは、個別の前処理溶液として、または上述の多価カチオン性溶液と一緒に組み合わせて利用されることが可能である。ノニオン性ラテックスポリマーおよび多価カチオン塩についての共溶液が好ましい。
【0011】
ラテックスポリマーのノニオン性成分は、ノニオン性反応体をラテックスポリマーに組み込むことにより得ることが可能である。ノニオン性成分の例としては、エチレンオキシド誘導体、アクリルアミド、ヒドロキシエチル置換モノマー、ビニルピロリドン、エチレンイミン等が挙げられる。この組み込みは、ラテックスポリマーを調製する重合ステップの最中、またはこの重合ステップの前後に行われることが可能である。エチレンオキシドノニオン性成分の場合には、置換は、十分な(−CH2−CH2O−)nユニットを有するグリコールが組み込まれてノニオン性安定性が付与される形態で行われることが可能である。例えば、ポリウレタンは、ノニオン性ポリウレタンに組み込まれたアルキルポリエチレングリコールを有し得る。ノニオン性成分は、その特性が上述の安定性試験を満足する限りにおいて、ノニオン性ラテックスポリマーにおける主成分であることが可能である。
【0012】
ノニオン性ラテックスポリマーはまた、ポリマーに組み込まれたイオン性成分を有し得る。例えば、ポリウレタンについては、酸などのイオン性成分がポリウレタン反応において用いられ得、特定の酸の例はジメチロールプロピオン酸である。アシルアミドおよびヒドロキシエチル置換ノニオン性ラテックスポリマーについて、イオン性源は、(メタ)アクリル酸由来であることが可能である。ノニオン性成分は、多価カチオン性成分と錯化して、ノニオン性ラテックスポリマー/多価カチオン性溶液の不安定性をもたらすこととなる錯体を形成し得るため、ノニオン性ラテックスポリマーにおけるイオン性成分の量には制限がある。ノニオン性およびイオン性成分のバランスは、上述の安定な溶液をもたらさなければならない。
【0013】
例えば、ポリウレタンノニオン性ラテックスポリマーの場合には、ノニオン性成分の含有量は、ポリウレタンに組み込まれたエチレンオキシドユニットの少なくとも約15ミリ当量/グラムでなければならず、またはポリウレタンの場合には、少なくとも約25ミリ当量/グラムであることが好ましく、ここで、ミリ当量/グラム計算は、乾燥ポリマー重量に基づいている。ポリウレタンノニオン性ラテックスポリマーにおいて、イオン性成分は、約10ミリ当量/グラム未満であることが可能である。
【0014】
溶液は、十分なノニオン性ラテックスポリマー含有量および他の要素を含んで、ノニオン性ラテックスポリマーによる織物の適切なインフュージョンおよび/またはコーティングを提供するべきである。典型的には、前処理は、少なくとも約0.5重量%のノニオン性ラテックスポリマーを含むこととなり、量は特定の利用されたノニオン性ラテックスポリマーの溶液/エマルジョン安定性までで用いられることが可能である。前処理は、約1重量%〜約24重量%のノニオン性ラテックスポリマーを含むこととなることが好ましい。
【0015】
多価カチオン
本発明の前処理は、1種または複数種の多価カチオンを含む。特定の状況において必要な有効量は異なることが可能であり、および本願明細書に提供されているとおり、いくらかの調整が一般的には必要であろう。
【0016】
「多価」とは、2つ以上の酸化状態を示し、および、元素「Z」については、典型的にはZ2+、Z3+、Z4+等として記載される。簡潔さのために、多価カチオンは、本願明細書においてZXとして称され得る。多価カチオンは、水性前処理溶液中に実質的に可溶であり、好ましくは(溶液中に)実質的にイオン化状態で存在し、従って、これらは、遊離して、織物が前処理溶液に露出されるときに織物との作用に利用可能な形態にある。
【0017】
Xとしては、特に制限されないが、以下:Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Cu、Au、Zn、Al、Ga、In、Sb、Bi、Ge、Sn、Pbの元素の多価カチオンが挙げられる。他の実施形態において、多価カチオンは、Ca、Ba、Ru、Co、ZnおよびGaの少なくとも1つを含む。さらに他の実施形態において、多価カチオンは、Ca、Ba、Ru、Co、ZnおよびGaの少なくとも1つを含む。多価カチオンがCaであることが好ましい。
【0018】
Xは、塩形態での添加により、またはアルカリ形態での添加により前処理溶液に組み込まれることが可能であり、前処理溶液pHの調整においては塩基として用いられる。
【0019】
関連するアニオン性材料は、いずれかの一般的なアニオン性材料、特にハロゲン化物、硝酸塩および硫酸塩から選択されることが可能である。アニオン性形態は、多価カチオンが水性前処理溶液中に可溶であるよう選択される。多価カチオン性塩は、それらの水和物形態で用いられることが可能である。1つまたは複数の多価カチオン性塩は、前処理溶液中で用いられてもよい。
【0020】
Caに関して、好ましい多価カチオン塩は、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硝酸カルシウム水和物およびこれらの混合物である。
【0021】
前処理溶液における他の任意選択の成分としては、これらに限定されないが、湿潤剤および殺生剤が挙げられ得、殺生剤は、微生物性の分解を阻害する(これらの選択および使用は、一般的には技術分野において周知である)。好適な湿潤剤は、以下にさらに詳細に考察されているとおり、カラーインクジェットインクにおける使用に好適であるものと同一である。
【0022】
前処理溶液の残りは水である。基本的にノニオン性ラテックスポリマーおよび多価カチオン性塩からなる前処理溶液が特に好適である。
【0023】
溶液は、十分な多価カチオン含有量と、織物の多価カチオンとの適当なインフュージョンおよび/またはコーティングを提供する他の成分とを含むべきである。典型的には、前処理は、少なくとも約0.5重量%の多価カチオン塩を含むこととなり、量は、特に多価カチオン塩または用いられる塩の溶解限度まで用いられることが可能である。好ましくは、前処理は、約1重量%〜約30重量%の多価カチオン塩を含むであろう。ノニオン性ラテックスポリマーおよび多価カチオン性塩を合わせた総重量は約45重量%以下となることが可能である。
【0024】

前処理される布は、カラーインクジェットインクでの印刷に好適であるいずれかの布であることが可能であり、および綿および/または綿ブレンドを含む布であることが好ましい。
【0025】
布の前処理
前処理の布への適用は、いずれかの簡便な方法であることが可能であり、このような方法は、一般的には技術分野において周知である。一つの実施例は、パディングと称される適用方法である。パディングにおいて、布は、前処理溶液中に浸漬され、次いで飽和した布が過剰な溶液を絞るニップローラを通される。布に保持される溶液の量は、ローラによって加圧されるニップ圧によって規制されることが可能である。他の前処理技術は、布の表面または表面および裏面に溶液が吹付けによって適用される噴霧適用を含む。吹付けは、印刷された布のデジタル印刷領域に制限されることが可能である。この制限された吹付けが特に適用可能であろう実施例は、例えばTシャツ、帽子、肌着等の衣服物品などの予め形成された織物物品へのイメージのデジタル印刷である。
【0026】
好ましくは、前処理溶液は、約0.20〜約7.5グラムの多価カチオン性(カルシウム)塩/100グラムの布、より好ましくは約0.60〜約6.0グラムの多価カチオン性(カルシウム)塩/100グラムの布、およびさらにより好ましくは約0.75〜約5.0グラムの多価カチオン性(カルシウム)塩/100グラムの布の含浸量(wet pick−up)で布に適用される。
【0027】
前処理の適用後、布は、いずれかの簡便な方法で乾燥され得る。布は、最終含水割合が(およそ)前処理された布の周囲温度での平衡水分と同等であるよう、印刷時には実質的に乾燥していることが好ましい。布中の水分の絶対量は、当然、周囲の空気の相対湿度に依存して多少異なっていることが可能である。
【0028】
乾燥工程の後に布に残留するノニオン性ラテックスポリマーが、印刷の最中にインクジェットインクと相互作用して印刷された織物の洗濯堅牢度などの特性を向上させるであろう相互作用的な材料を提供する。十分なノニオン性ラテックスポリマーが、より明るく/よりカラフルなイメージをもたらすために存在しなければならないことが認識されるであろう。日常的な最適化が、所与のプリンタおよびカラーインクまたはインクセットについての適切なノニオン性ポリマーラテックスレベルを明らかにするであろう。
【0029】
乾燥後に布中に残留する多価塩は、印刷中にインクジェットインクと相互作用するであろう相互作用的材料を提供する。十分な多価塩が、より明るい/よりカラフルなイメージを得るために存在していなければならないことが認識されるであろう。日常的な最適化が、所与のプリンタおよびカラーインクまたはインクセットに対する適切な多価塩レベルを明らかにするであろう。
【0030】
カラーインクジェットインク
カラーイメージの印刷に用いられる着色剤は、染料または顔料であり得る。染料としては、分散染料、反応性染料、酸染料等が挙げられる。カラーインクジェットインクおよびホワイトインクは好ましくは水性であり、UV硬化性である成分を含有しない。
【0031】
顔料化インクが好ましい。本方法における使用について好適である顔料化インクジェットインクは、典型的に、ビヒクル中に分散された顔料を含む。水性ビヒクルが好ましい。好ましくは、顔料化インクは、水性ビヒクル中に分散されたアニオン的に安定化された顔料を含む。
【0032】
「水性ビヒクル」とは、水または水と少なくとも1種の水溶性有機溶剤(共溶剤)または湿潤剤との混合物を含むビヒクルを指す。好適な混合物の選択は、所望の表面張力および粘度などの特定の用途の要求、選択される着色剤、およびインクが印刷されることとなる基材との親和性に依存する。
【0033】
水溶性有機溶剤および湿潤剤の実施例としては:チオジグリコール、スルホラン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびカプロラクタムなどのアルコール、ケトン、ケト−アルコール、エーテルなど;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコールおよびヘキシレングリコールなどのグリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等などのオキシエチレンまたはオキシプロピレンの付加ポリマー;グリセロールおよび1,2,6−ヘキサントリオールなどのトリオール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルまたはジエチルエーテルなどの多価アルコールの低級ジアルキルエーテル;尿素および置換尿素が挙げられる。
【0034】
水性ビヒクルは、典型的には約30%〜約95%の水を含有することとなり、残り(すなわち、約70%〜約5%)は水溶性溶剤である。インク組成物は、典型的には、水性ビヒクルの総重量に基づいて約60%〜約95%の水を含有する。
【0035】
織物の多価前処理と共に用いられるに好適な顔料は、一般的には、水性インクジェットインクについて技術分野において周知であるものである。伝統的に、顔料は、高分子分散剤などの分散剤または界面活性剤によって安定化されて、顔料のビヒクル中の安定な分散体を生成する。より最近においては、しかしながら、いわゆる「自己分散可能な」または「自己分散性」顔料(本願明細書中以下、「SDP」)が開発されてきている。名前が示唆するとおり、SDPは、水中に分散剤無しで分散性である。分散染料はまた、本願明細書において用いられる水性インク中に不溶性であるため顔料とみなされる。
【0036】
顔料に適用される分散剤または表面処理は、アニオン性表面電荷(「アニオン性顔料分散体」)を形成する。好ましくは、その表面電荷は、主にイオン性カルボン酸(カーボキシレート)基により付与される。
【0037】
添加される分散剤によって安定化される顔料は、技術分野において公知である方法によって調製され得る。濃縮形態で安定化された顔料を形成することが、一般的には望ましい。安定化された顔料は、先ず、選択された顔料および高分子分散剤を水性キャリア媒体(水および、場合により、水−混和性の溶剤など)中に予め混合し、次いで、顔料を分散または解凝させることにより調製される。分散ステップは、2−ロールミル、媒体ミル、水平ミニミル、ボールミル、磨砕機において、または混合物を、液体噴射相互作用チャンバ内の複数のノズルに、少なくとも5,000psiの液体圧力で通過させて、顔料粒子の水性キャリア媒体中の均一な分散体(マイクロ流動化装置)を生成することにより達成され得る。あるいは、濃縮物は、高分子分散剤および顔料を圧力下での乾燥ミルにより調製され得る。媒体ミル用の媒体は、ジルコニア、YTZおよびナイロンを含む一般に入手可能である媒体から選択される。これらの種々の分散体プロセスは、米国特許第5022592号明細書、米国特許第5026427号明細書、米国特許第5310778号明細書、米国特許第5891231号明細書、米国特許第5976232号明細書、米国特許出願公開第20030089277号明細書により例示されるとおり、一般的な意味で技術分野において周知である。これら公報の各々の開示は、本願明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体を本願明細書に記載したものとして援用される。2−ロールミル、媒体ミル、および混合物を液体噴射相互作用チャンバ内の複数のノズルに、少なくとも5,000psiの液体圧力で通過させることが好ましい。
【0038】
ミルプロセスが完了した後、顔料濃縮物は、水性系中に「薄め」られ得る。「薄め」られるとは、混合または分散での濃縮物の希釈を指し、混合/分散の強度は、通常、試行および慣例の方法を用いる誤差により判定され、および度々、高分子分散剤、溶剤および顔料の組み合わせに依存する。
【0039】
顔料の安定化に用いられる分散剤は、高分子分散剤であることが好ましい。構造化ポリマーが技術分野において周知である理由で分散剤としての使用に好ましいが、構造化またはランダムポリマーのいずれかが用いられ得る。「構造化ポリマー」という用語は、ブロック、分岐またはグラフト構造を有するポリマーを意味する。構造化ポリマーの実施例は、米国特許第5085698号明細書に開示されているものなどのABまたはBABブロックコポリマー;EP−A−0556649号明細書に開示されているものなどのABCブロックコポリマー;および米国特許第5231131号明細書に開示されているものなどのグラフトポリマーを含む。例えば米国特許第6117921号明細書、米国特許第6262152号明細書、米国特許第6306994号明細書および米国特許第6433117号明細書に、用いられることが可能である他の高分子分散剤が記載されている。これらの公報の各々開示は、本願明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本願明細書に記載したものとして援用される。
【0040】
本発明における使用に好適であるポリマー分散剤は、疎水性および親水性モノマーの両方を含む。ランダムポリマーにおいて用いられる疎水性モノマーのいくつかの実施例は、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレートおよび関連するアクリレートである。親水性モノマーの実施例は、メタクリル酸、アクリル酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびこれらの塩である。ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの第4級塩もまた用いられ得る。
【0041】
広く多様な有機および無機顔料が、単独でまたは組み合わせで、他のインクを形成するために選択され得る。本明細書で使用される場合、用語「顔料」は、不溶性着色剤を意味する。顔料粒子は、インクのインクジェット印刷デバイス、特に通常約10ミクロン〜約50ミクロンの範囲の直径を有する吐出ノズルでの自由な流れを許容するために、十分に小さいべきである。粒径はまた、顔料分散安定性に影響を有し、これはインクの寿命を通じて重要である。微細な粒子のブラウン運動は、粒子の凝集の防止を補助する。最大色強度および光沢についても、小さい粒子を用いることが望ましい。有用な粒径の範囲は、典型的には約0.005ミクロン〜約15ミクロンである。好ましくは、顔料粒径は、約0.005〜約5ミクロンおよび、最も好ましくは、約0.005〜約1ミクロンの範囲であるべきである。動的光散乱法により計測される平均粒径は、約500nm未満、好ましくは約300nm未満である。
【0042】
選択される顔料は、乾燥またはウェット形態で用いられ得る。例えば、顔料は、通常は、水性媒体中に生産され、および得られる顔料は、水で濡れたプレスケーキとして入手される。プレスケーキ形態において、顔料は、乾燥形態における程度にまでは凝塊していない。それ故、水に濡れたプレスケーキ形態の顔料は、インクの調製方法において、乾燥形態の顔料ほどの解凝を必要としない。(代表的な商業的に入手し得る乾燥顔料は、上述の援用された米国特許第5085698号明細書に列記される。)
【0043】
有機顔料の場合、インクは、総インク重量に基づいて、およそ30重量%以下、好ましくは約0.1〜約25重量%、およびより好ましくは約0.25〜約10重量%の顔料を含有し得る。無機顔料が選択される場合、インクは、有機顔料を用いる同等のインクより多量の重量パーセントの顔料を含有する傾向にあることとなり、およびいくつかの場合においては、無機顔料は、一般的には、有機顔料より大きい比重を有するため、約75%もの量となり得る。
【0044】
自己分散顔料を用いられることが可能であり、これらは、度々、同一の顔料装填物でのより大きい安定性および低い粘度観点から、伝統的な分散剤で安定化された顔料を超えて有利である。これは、より大きな配合許容範囲を最終インクにおいて提供することが可能である。
【0045】
SDPおよび特定の自己分散性カーボンブラック顔料は、例えば、米国特許第2439442号明細書、米国特許第3023118号明細書、米国特許第3279935号明細書および米国特許第3347632号明細書に開示されている。SDP、SDPおよび/またはSDPと共に配合される水性インクジェットインクの形成方法の追加の開示は、例えば、米国特許第5554739号明細書、米国特許第5571311号明細書、米国特許第5609671号明細書、米国特許第5672198号明細書、米国特許第5698016号明細書、米国特許第5707432号明細書、米国特許第5718746号明細書、米国特許第5747562号明細書、米国特許第5749950号明細書、米国特許第5803959号明細書、米国特許第5837045号明細書、米国特許第5846307号明細書、米国特許第5851280号明細書、米国特許第5861447号明細書、米国特許第5885335号明細書、米国特許第5895522号明細書、米国特許第5922118号明細書、米国特許第5928419号明細書、米国特許第5976233号明細書、米国特許第6057384号明細書、米国特許第6099632号明細書、米国特許第6123759号明細書、米国特許第6153001号明細書、米国特許第6221141号明細書、米国特許第6221142号明細書、米国特許第6221143号明細書、米国特許第6281267号明細書、米国特許第6329446号明細書、米国特許出願公開第2001/0035110号明細書、EP−A−1114851号明細書、EP−A−1158030号明細書、国際公開第01/10963号パンフレット、国際公開第01/25340号パンフレットおよび国際公開第01/94476号パンフレットに見出されることが可能である。
【0046】
二酸化チタンはまた用いられることが可能である顔料の例であり、色が白色であるために潜在的に有利である。二酸化チタンは、インクジェットプリンタシステムに適合するインクビヒクル中に分散させることが困難である可能性がある。インクジェット的に安定な二酸化チタンを提供するこれらの分散体および/またはインクビヒクルが、ノニオン性ラテックスポリマーおよび多価カチオン前処理した織物と共に用いられることが可能である。
【0047】
好ましい実施形態において、グラフトおよびブロックコポリマーの組み合わせは、米国特許出願第10/872,856号明細書(出願日2004年6月21日)に記載のものなどの二酸化チタン顔料についての共分散剤として用いられ、その開示は、本願明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体を本願明細書に記載したものとして援用される。この分散剤の組み合わせは、二酸化チタン顔料スラリーの安定化に効果的であり、しかも、高い安定性をインク配合物において提供する。他の好ましい二酸化チタンインクジェットインクが、共有の米国仮特許出願第60/717,438号明細書(出願日2005年9月15日)において記載されており、その開示は、本願明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体を本願明細書に記載したものとして援用される。
【0048】
ホワイトインクは、プロセスカラーとしてインクセット中において用いられることが可能である。あるいは、ホワイトインクは、カラーイメージに対する下位層として用いられることが可能である。下位層スキームにおいて用いられる場合、カラーインクは、織物上のカラーイメージを至適化するためにホワイトインクを印刷してから60分間以内に印刷される。ホワイトインク、これに続くカラーインクの使用は、有色の織物について特に有用である。
【0049】
添加剤
他の成分(添加剤)が、慣例の実験により容易に測定され得る最終インクの安定性および可噴射性にこのような他の成分が干渉しない程度において、インクジェットインクに配合され得る。このような他の成分は、一般的な意味で技術分野において周知である。
【0050】
普通、界面活性剤は、表面張力および湿潤性を調整するためにインクに添加される。好適な界面活性剤としては、エトキシル化アセチレンジオール(例えばエアープロダクツ(Air Products)製のサーフィノール(Surfynols)(登録商標)シリーズ)、エトキシル化第一級アルコール(例えばシェル(Shell)製のネオドール(Neodol)(登録商標)シリーズおよびトマープロダクツ(Tomah Products)製のトマドール(Tomadol)(登録商標)シリーズ)および第二級アルコール(例えばユニオンカーバイド(Union Carbide)製のテルギトール(Tergitol)(登録商標)シリーズ)、スルホコハク酸塩(例えばサイテック(Cytec)製のエアロゾル(Aerosol)(登録商標)シリーズ)、オルガノシリコーン(例えばGEシリコンズ(GE Silicons)製のシルウェット(Silwet)(登録商標)シリーズ)およびフルオロ界面活性剤(例えば本特許出願人製のゾニール(Zonyl)(登録商標)シリーズ)が挙げられる。界面活性剤は、典型的には、インクの総重量に基づいて約0.01〜約5%および好ましくは約0.2〜約2%の量で用いられる。
【0051】
ポリマーは、耐久性を向上させるためにインクに添加され得る。ポリマーは、ビヒクル中に可溶または分散(例えば「エマルジョンポリマー」または「ラテックス」)されることが可能であり、およびイオン性またはノニオン性であることが可能である。ポリマーの有用なクラスとしては、アクリル系、スチレン−アクリル系およびポリウレタンが挙げられる。特に有用な好ましいバインダ添加剤は、米国特許出願公開第20050182154号明細書に記載のとおり架橋ポリウレタンであり、その開示は本願明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体を本願明細書に記載したものとして援用される。
【0052】
殺生剤が、微生物の増殖を阻害するために用いられ得る。緩衝がpHを維持するために用いられ得る。緩衝としては、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(「トリズマ(Trizma)」または「トリス(Tris)」)が挙げられる。
【0053】
エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、イミノ二酢酸(IDA)、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジヒドロキシエチレングリシン(DHEG)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”、N”−ペンタ酢酸(DTPA)、およびグリコールエーテルジアミン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸(GEDTA)、およびこれらの塩などの金属イオン封鎖(またはキレート化)剤の包含が、例えば、重金属不純物の有害な影響を排除するために有利であり得る。
【0054】
上述の成分は、一般的には上述のおよび一般的に当業者により認識されている所望のインク特性を達成するために、種々の比率および組み合わせでインクを形成することが可能である。特定の最終用途のためにインクを最適化するためにいくつかの実験法が必要であり得るが、このような最適化は、一般的には技術分野における通常の技術である。
【0055】
インクにおけるビヒクルの量は、典型的には、約70%〜約99.8%、および典型的には約80%〜約99%の範囲である。着色剤は、一般的には、約10%以下の量で存在する。ホワイトインクが用いられる場合、ホワイト顔料の濃度は25%以下とすることが可能である。割合は、インクの総重量の重量パーセントである。
【0056】
他の成分(添加剤)は、存在する場合、一般的には、インクの総重量に基づいて約15重量%未満で含まれる。界面活性剤は、添加される場合、一般的には、インクの総重量に基づいて約0.2〜約3重量%の範囲である。ポリマーは、必要に応じて添加されることが可能であるが、一般的にはインクの総重量に基づいて約15重量%未満であろう。
【0057】
液滴速度、小滴の分離長さ、液滴サイズおよび流れ安定性は、インクの表面張力および粘度によって大きく影響される。インクジェットインクは、典型的には、25℃で、約20ダイン/cm〜約70ダイン/cmの範囲で表面張力を有する。粘度は、25℃で30cPもの高さであることが可能であるが、典型的にはいくらか低い。インクは、吐出条件およびプリントヘッド設計に調整される物理特性を有する。インクは、顕著な程度でインクジェット装置中で目詰まりしないよう優れた長期の保管安定性を有するべきである。さらに、インクは、接触する、インクジェット印刷デバイスの部品を腐蝕させるべきではなく、および基本的に無臭および無毒であるべきである。インクについての好ましいpHは、約6.5〜約8の範囲である。
【0058】
インクセット
「インクセット」という用語は、インクジェットプリンタに備えられて噴射されるすべての個別のインクまたは他の流体を指す。
【0059】
好ましい一実施形態において、インクセットは、少なくとも2つの異なって着色された顔料化インクジェットインクを含み、および任意により1つが上記のホワイト顔料化インクジェットインクであってもよい。
【0060】
他の好ましい実施形態において、インクセットは、少なくとも3つの異なって着色された顔料化インクジェットインクを含み、ここで、少なくとも1つがシアン顔料化インクジェットインクであり、少なくとも1つがマゼンタ顔料化インクジェットインクであり、そして少なくとも1つがイエロー顔料化インクジェットインクである。
【0061】
上記に示したカラーインクジェットインクに追加して、インクセット中にブラック顔料化インクジェットインクを含むこともまた好ましい。
【0062】
上述のCMYKWインクに追加して、インクセットは、CMYKWおよび他のインクの異なる濃度のものと共に、追加の異なって着色されたカラーインクを含有し得る。
【0063】
例えば、本発明のインクセットは、インクセットにおけるインクの1種または複数種のそのままの濃度のもの、ならびにそれらの「淡色」のものを含むことが可能である。
【0064】
インクジェットインクセットについての追加の色としては、例えば、オレンジ、バイオレット、グリーン、レッドおよび/またはブルーが挙げられる。
【0065】
印刷方法
本方法は、前処理した織物基材のデジタル印刷に関する。典型的には、これは、以下の:
(1)デジタルデータシグナルに応答性であるインクジェットプリンタを提供するステップと、
(2)プリンタに、印刷される織物基材、この場合、前処理した織物基材を装填するステップと、
(3)プリンタに、上述のインクまたはインクジェットインクセットを装填するステップと、
(4)インクジェットインクまたはインクジェットインクセットを用いて、デジタルデータシグナルに応答して基材上に印刷するステップと
を含む。
【0066】
印刷は、布を扱いおよび印刷するよう装備されたいずれかのインクジェットプリンタにより達成されることが可能である。市販されているプリンタとしては、例えば、デュポン(DuPont)(商標)アーティストリ(Artistri)(商標)3210および2020プリンタおよびプリンタのミマキ(Mimaki) TXシリーズが挙げられる。
【0067】
上記に示すとおり、多様なインクおよびインクセットが、これらのプリンタでの使用のために入手可能である。市販されているインクセットとしては、例えば、デュポン(DuPont)(商標)アーティストリ(Artistri)(商標)P700およびP5000シリーズインクが挙げられる。
【0068】
布上に置かれるインクの量はプリンタモデル、所与のプリンタにおける印刷モード(解像度)および所与の色を達成するために必要なパーセント被覆率によって異なることが可能である。すべてのこれらの考慮点の複合効果が、各色についてのグラムのインク/布の単位面積である。一つの実施形態において、インク被覆率は、カラーインク(ブラックおよびホワイトインクを含む)について、好ましくは約5〜約17グラムのインク/布1平方メートルである。
【0069】
しかしながら、ホワイトインクがバックグラウンドまたはデジタル印刷イメージ用として用いられる場合には、ホワイトインクの約12倍以下(一般的には約5〜約200グラムのインク/布1平方メートル)が、増強された最終イメージを得るために用いられ得る。このような場合において、ホワイトインクは、基材上の、最終イメージによって被覆されるべき領域の少なくとも一部(下位印刷部分)上に初期に印刷され、次いで最終イメージが、少なくとも下位印刷部分上に印刷される。
【0070】
ホワイトインクはまた、最終イメージの境界の外側に印刷されて(初期バックグラウンド印刷の一部として、またはその後のイメージ印刷の一部として)、例えば、小さい、認識不可能な境界をイメージに形成して、イメージが明瞭な境界を有しているように見せることが可能である。
【0071】
イメージ用のバックグラウンドの印刷についてのホワイトインクの使用は、有色(非白色)織物上に印刷されるときに特に有用である。
【0072】
布の後処理
カラーインクで印刷された布は、典型的には、織物印刷技術分野において周知である方法に従って後処理されることとなる。
【0073】
印刷された織物は、場合により、米国特許出願公開第20030160851号明細書に開示されているものなどの、熱および/または圧力で後加工され得、その開示は、本願明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体を本願明細書に記載したものとして援用される。上方温度は、印刷される特定の織物の許容誤差によって指定される。下方温度は、所望のレベルの耐久性を達成するために必要とされる熱量によって決定される。一般的には、融着温度は、少なくとも約80℃および好ましくは少なくとも約140℃、より好ましくは少なくとも約160℃および最も好ましくは少なくとも約180℃であろう。
【0074】
向上した耐久性を達成するために要求される融着圧力は非常に僅かであることが可能である。それ故、圧力は、約3psig、好ましくは少なくとも約5psig、より好ましくは少なくとも約8psigおよび最も好ましくは少なくとも約10psigであることが可能である。約30psi以上の融着圧力は、追加の耐久性に対してさらなる有益性はもたらさないように見受けられるが、このような圧力は除外されない。
【0075】
融着の時間(印刷された織物が、所望の温度で圧力下にある時間の長さ)は、特に重要であるとは考えられていない。融着操作における時間のほとんどは、一般的には、印刷物を所望の温度にさせるだけである。一旦印刷物が十分な温度になったら、圧力下にある時間は短時間であることが可能である(数秒)。
【実施例】
【0076】
ノニオン性ラテックスポリマーの調製
以下の処方成分および略語を、ノニオン性ラテックスポリマーの化学成分の説明に用いた。
DBTL=ジブチルスズジラウレート
DMPA=ジメチロールプロピオン酸
EDA=エチレンジアミン
IPDI=イソホロンジイソシアネート
TEA=トリエチルアミン
TETA=トリエチレンテトラミン
LHT=ベイヤー(Bayer)製のポリプロピレングリコールトリオール、およびデスモフェン(Desmophen)C1200−ベイヤー(Bayer)(ペンシルバニア州ピッツバーグ(Pittsburgh,PA))製のポリエステルカーボネートジオール
MPEG500ダウケミカル(Dow Chemical)(ミシガン州ミッドランド(Midland,MI))製のメトキシポリエチレングリコール
テゴケミー(Tego Chemie)(独国エッセン(Essen Germany)製のテゴマー(Tegomer)D−3403−ポリエーテルジオール
【0077】
ポリエチレングリコール側鎖を有するポリエーテルジオールの合成
滴下漏斗、コンデンサ、攪拌機および窒素ガスラインを備えるアルカリおよび酸を含まない乾燥したフラスコに、400gダウケミカル(Dow Chemical)製のMPEG500、160.8g(0.72)モルIPDIおよび3滴のDBTDLを添加した。混合物を、NCOが5.4%以下となるまで室温で反応させた。476g LHT−240、ベイヤー(Bayer)製のポリプロピレントリオールおよび10滴のDBTDLをこのフラスコに添加した。次いで、溶液を70℃に加熱し、65〜70℃の間でNCO%が0%に達するまで維持した。このポリエーテルジオールをPDiol−1と呼んだ。
【0078】
ノニオン性ラテックスポリマー、ポリウレタンの調製、実施例1
滴下漏斗、コンデンサ、攪拌機および窒素ガスラインを備えるアルカリおよび酸を含まない乾燥したフラスコに、150.5gデスモフェン(Desmophen)C1200、2000MWポリカーボネート/エステルジオール、180g PDiol−1、100gアセトンおよび0.03g DBTLを添加した。含有物を40℃に加熱し、よく混合した。72g IPDIを、次いで、滴下漏斗を介してフラスコに40℃で60分かけて添加し、残存するIPDIのいずれも滴下漏斗からフラスコに10gアセトンですすいだ。
【0079】
フラスコ温度を50℃に昇温させ、次いで、NCO%が2.03%未満となるまで50℃で維持した。
【0080】
50℃の700g脱イオン(DI)水を10分間かけて添加し、続いて、24.4g EDA75g TETA(6.25%水溶液として)を5分間かけて滴下漏斗を介して添加し、次いで、これを40.0g水ですすいだ。混合物を、50℃で1時間維持し、次いで室温に冷却した。
【0081】
アセトン(−310.0g)を真空下に除去して、約35.0%重量固形分および約7.5のpHを有するポリウレタンの最終分散体を残留させた。このポリマーは、17重量%または0.39meq.エチレンオキシドユニットを有する。
【0082】
ノニオン性ラテックスポリマー、ポリウレタンの調製、実施例2
滴下漏斗、コンデンサ、攪拌機および窒素ガスラインを備えるアルカリおよび酸を含まない乾燥したフラスコに、200gデスモフェン(Desmophen)C1200、150g PDiol−1、123gアセトンおよび0.03g DBTLを添加した。含有物を40℃に加熱し、よく混合した。80g IPDIを、次いで、滴下漏斗を介してフラスコに40℃で60分かけて添加し、残存するIPDIのいずれも滴下漏斗からフラスコに10gアセトンですすいだ。
【0083】
フラスコ温度を50℃に昇温させ、次いで、30分間維持した。10g DMPA続いて、7.5g TEAを、滴下漏斗を介してフラスコに添加し、次いで、これを10gアセトンですすいだ。次いで、フラスコ温度を再度50℃に昇温させ、NCO%が1.25%未満となるまで50℃で維持した。
【0084】
50℃の740g脱イオン(DI)水を10分間かけて添加し、続いて、46.3g EDA(6.25%水溶液として)を、5分間かけて滴下漏斗を介して添加し、次いで、これを40.0g水ですすいだ。混合物を、50℃で1時間維持し、次いで室温に冷却した。
【0085】
アセトンを真空下に除去して、約35.0%重量固形分および約7.5のpHを有するポリウレタンの最終分散体を残留させた。このポリマーは、13重量%または0.30meq.エチレンオキシドユニットおよび0.017meq.COOH基を有する。
【0086】
ノニオン性ラテックスポリマー、ポリウレタンの調製、実施例3
滴下漏斗、コンデンサ、攪拌機および窒素ガスラインを備えるアルカリおよび酸を含まない乾燥したフラスコに、265gデスモフェン(Desmophene)C1200、50gテゴマー(Tegomer)D3403、テゴケミー(Tego Chemie)製のポリエーテルジオール、110gアセトンおよび0.03g DBTLを添加した。含有物を40℃に加熱し、よく混合した。75g IPDIを、次いで、滴下漏斗を介してフラスコに40℃で60分かけて添加し、残存するIPDIのいずれも滴下漏斗からフラスコに10gアセトンですすいだ。
【0087】
フラスコ温度を50℃に昇温させ、次いで、30分間維持した。10g DMPA続いて、7.5g TEAを、滴下漏斗を介してフラスコに添加し、次いで、これを10gアセトンですすいだ。次いで、フラスコ温度を再度50℃に昇温させ、NCO%が1.47%未満となるまで50℃で維持した。
【0088】
50℃の654g脱イオン(DI)水を10分間かけて添加し、続いて、59.2g TETA(6.25%水溶液として)を、5分間かけて滴下漏斗を介して添加し、次いで、これを40.0g水ですすいだ。混合物を、50℃で1時間維持し、次いで室温に冷却した。
【0089】
アセトンを真空下に除去して、約35.0%重量固形分、約7.5のpHを有するポリウレタンの最終分散体を残留させた。このポリマーは、11.3重量%または0.26meq.エチレンオキシドユニットおよび0.019meq.COOH基を有する。
【0090】
比較用ノニオン性ラテックスポリマー、ポリウレタンの調製、比較調製例1
滴下漏斗、コンデンサ、攪拌機および窒素ガスラインを備えるアルカリおよび酸を含まない乾燥したフラスコに、235gデスモフェン(Desmophen)C1200、80g PDiol−1、112gアセトンおよび0.03g DBTLを添加した。含有物を40℃に加熱し、よく混合した。82g IPDIを、次いで、滴下漏斗を介してフラスコに40℃で60分かけて添加し、残存するIPDIのいずれも滴下漏斗からフラスコに10gアセトンですすいだ。
【0091】
フラスコ温度を50℃に昇温させ、次いで、30分間維持した。15g DMPA続いて、10g TEAを、滴下漏斗を介してフラスコに添加し、次いで、これを10gアセトンですすいだ。次いで、フラスコ温度を再度50℃に昇温させ、NCO%が3.2%未満となるまで50℃で維持した。
【0092】
50℃の687g脱イオン(DI)水を10分間かけて添加し、続いて、46.3g EDA(6.25%水溶液として)を、5分間かけて滴下漏斗を介して添加し、次いで、これを40.0g水ですすいだ。混合物を、50℃で1時間維持し、次いで室温に冷却した。
【0093】
アセトンを真空下に除去して、約35.0%重量固形分および約7.5のpHを有するポリウレタンの最終分散体を残留させた。このポリマーは、7.4重量%または0.17meq.エチレンオキシドユニットおよび0.026meq.COOH基を有する。
【0094】
比較用ノニオン性ラテックスポリマー、ポリウレタンの調製、比較調製例2
このポリマーは、3.9重量%または0.09meq.エチレンオキシドユニットおよび0.042meq.COOH基を有する。
【0095】
滴下漏斗、コンデンサ、攪拌機および窒素ガスラインを備えるアルカリおよび酸を含まない乾燥したフラスコに、330gデスモフェン(Desmophen)C1200、55g PDiol−1、112gアセトンおよび0.03g DBTLを添加した。含有物を40℃に加熱し、よく混合した。120g IPDIを、次いで、滴下漏斗を介してフラスコに40℃で60分かけて添加し、残存するIPDIのいずれも滴下漏斗からフラスコに10gアセトンですすいだ。
【0096】
フラスコ温度を50℃に昇温させ、次いで、30分間維持した。30g DMPA続いて、20g TEAを、滴下漏斗を介してフラスコに添加し、次いで、これを10gアセトンですすいだ。次いで、フラスコ温度を再度50℃に昇温させ、NCO%が4.3%未満となるまで50℃で維持した。
【0097】
50℃の900g脱イオン(DI)水を10分間かけて添加し、続いて、62.1g EDA(6.25%水溶液として)を、5分間かけて滴下漏斗を介して添加し、次いで、これを40.0g水ですすいだ。混合物を、50℃で1時間維持し、次いで室温に冷却した。
【0098】
アセトンを真空下に除去して、約35.0%重量固形分、約7.5のpHを有するポリウレタンの最終分散体を残留させた。このポリマーは、3.9重量%または0.09meq.エチレンオキシドユニットおよび0.042meq.COOH基を有する。
【0099】
比較用ラテックスポリマー、ポリウレタンの調製、比較調製例3
滴下漏斗、コンデンサ、攪拌機および窒素ガスラインを備えるアルカリおよび酸を含まない乾燥したフラスコに、699.2gデスモフェン(Desmophen)C1200、280.0gアセトンおよび0.06g DBTLを添加した。含有物を40℃に加熱し、よく混合した。189.14g IPDIを、次いで、滴下漏斗を介してフラスコに40℃で60分かけて添加し、残存IPDIのいずれも滴下漏斗からフラスコに15.5gアセトンですすいだ。
【0100】
フラスコ温度を50℃に昇温させ、次いで、30分間維持した。44.57g DMPA続いて、25.2g TEAを、滴下漏斗を介してフラスコに添加し、次いで、これを15.5gアセトンですすいだ。次いで、フラスコ温度を再度50℃に昇温させ、NCO%が1.23%未満となるまで50℃で維持した。このポリマーは、0.036meq.COOH基を有すると共に、ノニオン性成分を有さない。
【0101】
試験
実施例および比較例を多価カチオン塩溶液との安定性について試験した。最終水性溶液/エマルジョンにおいて10重量%となる量のラテックスポリマーをビーカに入れ、混合物を攪拌し、次いで15重量%硝酸カルシウム水性溶液を約5分間かけて添加した。乾燥ポリマーおよび硝酸カルシウム四水和物重量比は10/15であった。混合物をさらに5分間攪拌した。10分間および24時間後、溶液/エマルジョンを、凝塊、ゲル化または不安定性の他の兆候について観察した。凝塊が観察されなかった場合、適合性、または安定性と評価される。試験溶液が10分間または24時間後に凝塊した場合、ラテックスポリマーおよび硝酸カルシウム試験溶液の組み合わせは本発明の組み合わせではないと判断される。
【0102】
【表1】

【0103】
印刷条件
以下に記載の実施例は、エプソン(Epson)3000インクジェットプリンタ、USスクリーンプリンティングインスティチュート(US Screen Printing Institute)(アリゾナ州テンペ(Tempe,AZ))製ファーストT−ジェット(Fast T−Jet)(商標)を用いて行い、および印刷は、種々の基材上に行った。用いた織物基材は、テストファブリックス(Testfabrics)製の419 100%綿および7409 65/35ポリエステル/綿ブレンド、ヘインズビーフィ(Hanes Beefy)T100%綿Tシャツ、ヘインズヘビー(Hanes Heavy)ウェイト100%綿Tシャツ、ヘインズ(Hanes)50/50ポリコットン綿Tシャツ、およびジョアンズファブリック(Joann’s Fabric)製黒色布(100%綿ツイード織布)であった。すべてのテスト印刷物は、約170℃で約1分融着させた。
【0104】
顔料インクを、ノニオン性ラテックスポリマーおよび多価カチオン前処理溶液ならびに比較前処理配合物の試験に用いた。この用いたインクは、デュポン(DuPont)(商標)アルティストリ(Artistri)(商標)P700およびP5000シリーズインクであった。用いたホワイトインクはIJ0132およびIJ0196に記載した。
【0105】
比色計測を、スペクトラマッチ(Spectra Match)ソフトウェアを用いるミノルタスペクトロフォトメター(Minolta Spectrophotometer)CM−3600dを用いて行った。
【0106】
明示の場合には、印刷された織物を、ノースカロライナ州リサーチトライアングルパーク(Research Triangle Park, NC)の米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile Chemists and Colorists)(AATCC)により開発された方法に準拠して洗濯堅牢度についてテストした。AATCC試験法61−1996、「家庭および商業的洗濯に対する色堅牢度:加速(Colorfastness to Laundering, Home and Commercial: Accelerated)」を用いた。このテストにおいて、色堅牢度は、「その色特性のいずれかにおける変化、その着色剤の隣接する材料への移動、または材料の加工、テスト、保管または使用の最中に遭遇し得るいずれかの環境への材料の露出の結果もたらされる両者に対する材料の耐性」として説明される。テスト2Aおよび3Aを行い、および色洗濯堅牢度および着色格付けを記録した。これらのテストについての格付けは、1〜5で5が最良の結果であり、すなわち、それぞれ、色の損失がほとんどまたはまったくない、および他の材料への色移りがほとんどまたはまったくない。色落ち試験はAATCC試験法8−1996に記載の方法を使用して実施した。
【0107】
前処理溶液
試薬グレード硝酸カルシウム四水和物(アルドリッチ(Aldrich))を、脱イオン水と、硝酸カルシウムが完全に溶解するまで混合した。6つの前処理溶液を調製し、多価カチオンだけが存在する比較例溶液もまた調製した。
【0108】
【表2】

【0109】
前処理の印刷試験
印刷試験設定A:419白色綿を、デュポン(DuPont)(商標)アルティストリ(Artistri)(商標)P5000 CMYKインク(Inks)により種々の前処理条件で印刷した。各実施例を、意図される印刷されるイメージとほぼ同じ領域での織物への吹付けにより前処理し、乾燥し、およびエプソン(Epson) 3000プリンタで印刷した。印刷前のTシャツ上の硝酸カルシウム水和物の推定量は約7.5グラム/平方メートルであった。5グラムのノニオン性ラテックスポリマー。次いで、印刷した織物を170℃で1分融着させた。印刷した織物を、吸光度、2Aおよび3A洗濯堅牢度ならびに濡れおよび乾燥色落ちについて試験した。表3は、この印刷の結果を示す。
【0110】
【表3】

【0111】
前処理実施例の各々は、非前処理サンプルを超える吸光度(OD)の向上ならびに、比較前処理溶液例を超える向上した洗濯堅牢度および色落ちを示す。
【0112】
印刷試験設定B:7409ポリエステル/綿ブレンドを、デュポン(DuPont)(商標)アルティストリ(Artistri)(商標)P5000 CMYKインク(Inks)により種々の前処理条件で印刷した。各実施例を、意図される印刷されるイメージとほぼ同じ領域での織物への吹付けにより前処理し、乾燥し、およびエプソン(Epson) 3000プリンタで印刷した。印刷前のTシャツ上の硝酸カルシウム水和物の推定量は約7.5グラム/平方メートルであった。5グラムのノニオン性ラテックスポリマー。次いで、印刷した織物を170℃で1分融着させた。印刷した織物を、吸光度、2Aおよび3A洗濯堅牢度ならびに濡れおよび乾燥色落ちについて試験した。表4この印刷の結果を示す。
【0113】
【表4】

【0114】
前処理実施例の各々は、非前処理サンプルを超える吸光度(OD)の向上ならびに、比較前処理溶液例を超える向上した洗濯堅牢度および色落ちを示す。
【0115】
印刷試験設定C:この試験は、本発明の前処理後であるが、イメージ印刷の前でのホワイトインクの使用を示す。黒色tシャツを、デュポン(DuPont)(登録商標)アルティストリ(Artistri)(登録商標)P5000CMYインクにより印刷した。前処理溶液4番をホワイトインク試験のすべてについて用いた。
【0116】
【表5】

【0117】
本実施例は、比較例に比して著しく向上した彩度およびL*を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ノニオン性ラテックスポリマーおよび多価カチオン塩溶液を含む水性前処理溶液で織物を前処理するステップと、
(b)前処理した織物を乾燥させるステップと、
(c)乾燥し、前処理した織物をカラーインクジェットインクでデジタル印刷するステップと
を含み、ノニオン性ラテックスポリマーは、多価カチオン塩溶液の存在下において安定であるように十分なノニオン性成分を有する、織物をデジタル印刷する方法。
【請求項2】
ノニオン性ラテックスポリマーが、エチレンオキシド誘導体、アクリルアミド、ヒドロキシエチル、ビニルピロリドン、およびエチレンイミンの群から選択される1つまたは複数のノニオン性成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ノニオン性ラテックスポリマーが、ウレタン、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル、アクリレート、アシルアミド、スチレン、およびスチレン−アクリレートポリマーの群から選択される1つまたは複数のポリマー成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ノニオン性ラテックスポリマーのポリマー成分が、ウレタン、アクリレート、およびアシルアミドの群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ポリウレタンが、エチレンオキシド成分から誘導されるノニオン性成分を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
エチレンオキシド成分が、ノニオン性ラテックスポリマーの少なくとも15ミリ当量/グラムである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
多価カチオンが、元素Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Cu、Au、Zn、Al、Ga、In、Sb、Bi、Ge、SnおよびPbの多価カチオンの群の1つまたは複数から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
多価カチオンがカルシウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前処理溶液が多価カチオン性塩の水溶液を含み、多価カチオン性塩が、硝酸カルシウム、硝酸カルシウム水和物、塩化カルシウム、カルシウム水和物およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
織物が、布100グラムあたり約0.20〜約7.5グラムの多価カチオン塩の含浸量で前処理溶液で前処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
織物が、少なくとも2色の異なるカラーインクジェットインクを含むカラーインクジェットインクセットで印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
カラーインクジェットインクが顔料インクである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
顔料化インクジェットインクの少なくとも1色がホワイトである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
インクセットが、少なくとも3つの異なって着色された顔料化インクジェットインクを含み、少なくとも1つがシアン顔料化インクジェットインクであり、少なくとも1つがマゼンタ顔料化インクジェットインクであり、少なくとも1つがイエロー顔料化インクジェットインクである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
インクセットが、ブラック顔料化インクジェットインクをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
織物が、少なくとも2色の異なるカラーインクジェットインクにより、布1平方メートルあたりインク約5〜約17グラムのインク付着量で印刷される、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
顔料化インクジェットインクが、またはインクジェットセットにおける顔料化インクジェットインクの各々が個々に、水性ビヒクル中にアニオン的に安定化された顔料を含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項18】
印刷された織物を熱および/または圧力で後処理するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
布が綿または綿ブレンドを含む、請求項1に記載の前処理した織物。
【請求項20】
織物前処理溶液が適用された後に周囲温度で平衡水分に乾燥される、請求項1に記載の前処理した織物。

【公表番号】特表2010−503779(P2010−503779A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528338(P2009−528338)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/020203
【国際公開番号】WO2008/033569
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】