説明

インターフェイス装置、およびGUI構成方法

【課題】 現在ではタッチパネル付き液晶でGUIの操作を行うことが一般的に行われているが、従来のインターフェイス装置では、操作対象(指やペン等)に適したGUIをユーザが自ら選択する必要があり、ユーザに操作負担を与えることになってしまう。
【解決手段】以上の課題を解決するため、本発明は、タッチパネルに接触した対象の接触面の面積等に応じてGUIの構成が自動的に決定されるインターフェイス装置を提案するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル付き液晶等をタッチした時の接触面積等に応じてGUIが構成されるインターフェイス装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在ではタッチパネル付き液晶でGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)の操作が広く一般的に行われている。GUIの表示形式は様々であるが、複数のメニュー項目が表示されると各メニューの選択ボタンが必然的に小さくなり、指の操作が困難になる場合がある。また、メニュー項目を絞りすぎると情報量が少なくなり、場合によってはユーザに不便になることがある。
【0003】
このような場合、例えば特許文献1に開示されている発明により、ユーザが設定ボタンを押して自ら文字の大きさ等を設定する構成とすることが考えられる。
【特許文献1】特開2006−93992
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザが文字の大きさ等をその都度設定するのは面倒であり、ユーザに過度の操作負担を与えることになってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明は、タッチパネルに接触した対象(指やスタイラスペン等)の接触面の面積等に応じてGUIの構成が自動的に決定されるインターフェイス装置を提案する。具体的には、GUIを表示するためのディスプレイと、ディスプレイに備えられ、GUIを利用した入力のためにディスプレイに接触している対象の接触面の大きさ、形、色のいずれか一以上の情報である形態情報を検知して出力する形態情報出力手段を備えたタッチセンサー部と、形態情報と、GUIの表示形態を示す情報であるGUI表示形態情報とを関連付けた第一GUI表示形態情報テーブルを保持するテーブル保持部と、前記タッチセンサーから出力される形態情報に応じたGUI表示形態情報をテーブル保持部から取得し、これに従ってGUIを構成するGUI構成部と、を有するインターフェイス装置を提案する。
【発明の効果】
【0006】
以上のような構成をとる本発明によって、タッチパネル付き液晶等でGUIを操作する場合に、その操作をする対象(指やスタイラスペン等)の大きさ等によってGUIの構成が自動的に決定されるので、任意のユーザに、快適な操作環境を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。実施例と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施例1は主に請求項1、請求項4などに関し、実施例2は主に請求項2などに関し、実施例3は主に請求項3などに関する。
【実施例1】
【0008】
<概要>
図1は、本実施例のインターフェイス装置が組み込まれたタッチパネル付きディスプレイにおけるGUIの表示形式の一例を表す図である。図に示すように、指でディスプレイをタッチすると指での操作に適した大きいボタン及び文字からなる少項目の番組リストが表示され、また、逆にスタイラスペン(以下、ペンという)でディスプレイをタッチすると、ペンでの操作に適した小さなボタン等からなる多項目の番組リストが表示される、といったものである。
【0009】
<構成>
図2は、本実施例のインターフェイス装置の機能ブロックの一例を示す図である。図2において、本実施例の「インターフェイス装置」0200は、「ディスプレイ」0201と、「タッチセンサー部」0202と、「テーブル保持部」0203と、「GUI構成部」0204とからなる。また、本発明は、装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。(本明細書の全体を通して同様である。)
【0010】
なお、以下に記載するインターフェイス装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェイス、通信用インターフェイス、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザーインターフェイス用アプリケーションなどが挙げられる。そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェイスなどから入力されメモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。
【0011】
また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。また、この発明のインターフェイス装置(または方法、プログラム)は、各種コンテンツ再生装置に組み込まれ、下記構成要件の作用によってディスプレイ上にGUIを表示するが、組み込まれるべきコンテンツ再生装置は特段限定しない。
【0012】
「ディスプレイ」は、GUIを表示する機能を有する。ディスプレイとはコンピュータなどの機器から出力される静止画または動画の映像信号を表示する機器である。ここで、ディスプレイとしては、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、ELディスプレイ、ビデオプロジェクタなどが挙げられる。なお、本実施例のディスプレイは、以下説明するタッチセンサー部にあたるタッチセンサー等の機能を内蔵させる構成とすることが可能である。例えばタッチセンサー付き液晶パネルはそれ自体で両者の機能を発揮することができる。
【0013】
「タッチセンサー部」は、ディスプレイに備えられ、GUIを利用した入力のためにディスプレイに接触している対象の接触面の大きさ、形、色のいずれか一以上の情報である形態情報を検知して出力する形態情報出力手段を備える。
ここで、ディスプレイに接触しているとは、一般的にディスプレイの前面の画面に接触している状況が想定されるが、ディスプレイの背面に接触している状況も同様に考えられる。特に薄く、かつ、小型のディスプレイにおいては、そのような構成も現実的である。
また、ディスプレイに対する接触において、必ずしも圧力をかける必要はなく、タッチセンサーが入力を行っている対象(指やペン等)の存在を、認識することが可能な状態であれば足りる。例えば、特開2005−275644に示されている技術により、対象が画面に強く接触していない状態でも、光センサーで対象の存在を検出することが可能である。特開2005−275644の技術を要約すると、接触している対象に反射した光を検出するセンサーと赤・青・緑のカラーフィルタを画素に設けることで、接触している対象の大きさや形、色を検出することが可能になる、というものである。
つまり、本実施例においても、これらの周知技術を用いることで、タッチセンサーがディスプレイに接触している対象の接触面の大きさ、形、色の情報を取得可能な構成とすることが可能である。なお、ディスプレイの背面にタッチセンサーを備える場合は、上記光センサー等も背面に設けることで対処可能である。
【0014】
「テーブル保持部」は、形態情報と、GUIの表示形態を示す情報であるGUI表示形態情報とを関連付けた第一GUI表示形態情報テーブルを保持する機能を有する。
ここで、GUIの表示形態としては、例えばGUIを構成する文字やボタン等のサイズ、一画面で表示される文字数やメニュー項目数、内容、GUIの背景色などを組み合わせたものとすることが考えられる(実施例3にて詳述する)。当該テーブル保持部としては、例えば、メモリカードやHDD等の記憶装置がその機能を果たすといえる。
【0015】
第一GUI表示形態情報テーブルとしては、例えば図3に示すようなものが考えられる。この図に示すように、例えば接触面の大きさに応じて画面の文字やボタン等のサイズを選択することが可能である。これにより、GUIのボタン等が指に比べて小さくて操作しにくいといったことが少なくなる。また、接触している対象の色に応じてGUIの背景色を変更させ、接触している対象とGUIの色が重ならないようにすることも可能である。また、接触している対象が楕円形の形であるならば表示されるボタンも楕円形にしたり、対象が四角形に近い場合はボタンも四角形にしたりするといったことも可能である。また、GUIの構成を決定する各要素(文字のサイズやメニュー項目の数等)は相互に関連付けておくことも可能である。例えば、文字のサイズを大きくする場合はメニュー項目の数を少なめにし、文字のサイズを小さくした場合は、メニュー項目の数を多めにする、といった具合である。ここで、メニュー項目が一画面に表示されない場合はスクロールバーを設ける構成とすることや、次ページに移るための操作ボタンを設ける構成とすることも考えられる。
【0016】
「GUI構成部」は、前記タッチセンサー部から出力される形態情報に応じたGUI表示形態情報をテーブル保持部から取得し、これに従ってGUIを構成する機能を有する。テーブル保持部に保持されている図3の第一GUI表示形態情報テーブルに基づいてGUI構成部がGUIを構成する様子を図4に示した。この図の処理は主にメインメモリとCPUにて行われる。ステップS0401において形態情報と第一GUI表示形態情報テーブルを取得する。ステップS0402において、上記形態情報に基づいて接触している対象の接触面の大きさを判定する。そして、当該判定の結果に基づいてステップS0403A/Bにおいて文字サイズとボタンサイズを設定する。ステップS0404において、上記形態情報に基づいて接触している対象の形を判定する。そして、当該判定の結果に基づいてステップS0405A/B/Cにおいてボタンの形を設定する。ステップS0406において、上記形態情報に基づいて接触している対象の色を判定する。そして、当該判定の結果に基づいてステップS0407A/B/Cにおいて背景色、文字色、ボタン色を設定する。そして、ステップS0408では上記のステップで設定した各要素を統合してGUIの全体を構成する処理を行う。
なお、この例ではタッチセンサーから出力される接触対象の大きさ、形、色の情報を利用してGUIの構成を行ったが、例えば、接触対象の大きさのみを利用してGUIを構成することも可能であるし、形又は色のみの情報を利用して構成することも可能である。さらに、接触対象の他の情報(画面を押す強さや押している時間等)を利用して構成することも同様に可能である。
【0017】
<具体的な構成>
次に、本実施例のインターフェイス装置のそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。図5は、本実施例のインターフェイス装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。「テーブル保持部」は「記憶装置(記憶媒体)」0501などから構成される。「GUI構成部」は「CPU」0502と「メインメモリ」0503と「記憶装置(記憶媒体)」などから構成される。また、「タッチセンサー部」は「CPU」と「メインメモリ」と「記憶装置(記憶媒体)」と「タッチセンサー」0504などから構成される。さらに、インターフェイス装置はGUIを表示するための「ディスプレイ」0505を備える。また、インターフェイス装置は外部との信号の入出力を受け付ける「I/O」0506を備える。上記の構成は、「システムバス」0507のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0018】
記憶装置はCPUによって実行される各種プログラムなどを記憶している。またメインメモリは、プログラムがCPUによって実行される際の作業領域であるワーク領域を提供する。また、このメインメモリや記憶装置にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、CPUで実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0019】
まず、「タッチセンサー部」で形態情報を検出して出力する処理について説明する。記憶装置には予めタッチセンサープログラムが記憶されている。タッチセンサーがディプレイに接触している対象が存在するとの信号を出力した場合、CPUは、メインメモリに展開された当該プログラムを実行して、形態情報を検出する。これは、例えば何個のタッチセンサー要素から有意信号を受信したかによって、接触している対象の大きさの情報を検出することが可能である。ここで、タッチセンサーには赤・青・緑のカラーフィルタが組み込まれている構成とすると、各タッチセンサー要素からの信号に基づいて接触している対象の色を検出することができる。また、いずれのタッチセンサー要素から有意信号を受信したかによって接触している対象の形を検出することも可能である。タッチセンサープログラムは当該検出処理の結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する処理(出力処理)を行う。
【0020】
次に、「GUI構成部」でGUIを構成する処理について説明する。記憶装置には予めGUI構成プログラムが記憶されている。CPUはメインメモリに展開されたGUI構成プログラムを実行して、記憶装置に保持されている第一GUI表示形態情報テーブルを取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。続いて、CPUは、メインメモリに格納された形態情報と上記テーブルに基づいて表示するGUIを構成する処理を行う。具体的な処理としては、例えば形態情報を示す形態情報IDを検索キーとして上記テーブルから該当するGUIの構成を検索する処理を行うことが考えられる。ここで、対象の接触面の形や色のみに基づいてGUIの構成を決定することも可能であるし、またこれらの組み合わせに基づいてGUIの構成を決定することも可能である。
<処理の流れ>
【0021】
図6は本実施例のインターフェイス装置(またはGUI構成方法)における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初に、ステップS0601では、タッチセンサーによりディスプレイに接触している対象が認識されたか否か判断される。ここでの判断が、認識されたとの判断であった場合は、ステップS0602に移行する。ここでの判断が、認識されないとの判断であった場合は、待機する。次にステップS0602では、ディスプレイに接触している対象の接触面の大きさ、形、色のいずれか一以上の情報である形態情報を取得する。ステップS0603では、形態情報と、GUIの表示形態を示す情報であるGUI表示形態情報とを関連付けた第一GUI表示形態情報テーブルを取得する。ステップS0604では、ステップS0602において取得された形態情報に応じたGUI表示形態情報を第一GUI表示形態情報テーブルから取得し、これに従ってGUIを構成する。
【0022】
以上の処理は、計算機に実行させるためのプログラムで実行することができ、また、このプログラムを計算機によって読取り可能な記録媒体に記録することができる。(本明細書の全体を通して同様である。)
【0023】
<効果>
本実施例のインターフェイス装置により、タッチパネル付き液晶等においてGUIを使用した操作を行う場合、ディスプレイに接触した対象(指やペン等)の接触面積等に応じてGUIの文字サイズなどの構成を機動的に変化させることができるため、ユーザが自らGUIの表示形式の選択をしなくても、ユーザに適したGUIを表示することが可能になる。
【実施例2】
【0024】
<概要>
本実施例のインターフェイス装置は、基本的に実施例1の装置と共通する。しかし、本実施例のインターフェイス装置は、ディスプレイをタッチした対象(指やペン等)の大きさ、形、色のみならず、タッチしたGUI内の位置の情報を利用してGUIを構成することができる。例えば、図7に示すように、多くのメニュー項目を含む番組リスト(ペン等の細い接触対象でタッチ操作をするのに適したリスト)が表示されている場合に、メニュー項目が表示されてない余白部分を指でタッチすると大きなメニュー項目からなる番組リストに変更されるが、メニュー項目が表示されている部分を指でタッチすると、メニュー項目の選択操作とみなして、現在のGUIの表示形態を継承し、選択項目に係る内容をGUIで表示する、ということになる。つまり、指でタッチしたからといって、大きめのメニュー項目からなる番組リストの表示を常にユーザが求めているわけではなく、かかる状況にも適切に対応するインターフェイス装置を提案するものである。
【0025】
<構成>
図8は、本実施例のインターフェイス装置の機能ブロックの一例を示す図である。本実施例の「インターフェイス装置」0800は、「ディスプレイ」0801と、「タッチセンサー部」0802と、「テーブル保持部」0803と、「GUI構成部」0804とからなり、「タッチセンサー部」は、「位置検出手段」0805を有し、「テーブル保持部」は第一GUI表示形態情報テーブルの他に第二GUI表示形態情報テーブルを保持し、「GUI構成部」は「位置別GUI構成手段」0806を有する。
【0026】
「タッチセンサー部」は、ディスプレイに接触している対象のGUI内の接触位置を示す情報である接触位置情報を検出する位置検出手段を有する。ここでGUI内の接触位置の情報としては、GUI内における絶対的な位置の情報(座標情報等)の他、GUIを構成する各要素(メニュー項目やアイコンの要素、それ以外の余白の要素など)に対する相対的な位置情報も含む。つまり、GUI内の接触位置の情報には「メニュー項目1の要素の位置に存在する。」といった情報や、「余白の要素の位置に存在する。」といった情報を含むことになる。上記の相対的な位置を検出する機能は、GUI内の各要素の座標情報と接触位置の座標情報を取得し、比較する処理を行うことで果たされる。
【0027】
「テーブル保持部」は、GUI表示形態情報を形態情報および接触位置情報と関連付けた第二GUI表示形態情報テーブルを保持する。ここで、GUIの表示形態としては、実施例1と同様、例えばGUIを構成する文字やボタン等のサイズ、一画面で表示される文字数やメニュー項目数、GUIの背景色などを組み合わせたものが考えられる(実施例3にて詳述する)。当該テーブル保持部としては、例えば、メモリカードやHDD等の記憶装置がその機能を果たすことが考えられる。
【0028】
第二GUI表示形態情報テーブルとしては、例えば図9に示すようなものが考えられる。この図に示すように、例えば、ディスプレイに接触している指やペン等がメニュー項目等の選択可能な部分の位置(選択項目位置)であるか、また選択不可能な余白部分の位置(非選択項目位置)であるかに応じてGUIの表示形態を変化させることが考えられる。この図の例では、ユーザが非選択項目位置に接触した場合は、実施例1と同様に、接触対象の形態情報に基づいてGUIの表示形態を再構成することになる。しかし、ユーザが選択項目に接触した場合は、接触対象の形態情報に関係なく、現在のGUIの表示形態情報を継承して、選択項目に係る内容をGUIで表示することになる。これにより、ユーザが単なるメニュー項目等の選択を行いたい場合は、当該選択処理を可能にし、また、メニュー項目等が小さくてGUIの操作がしにくい場合は余白部分等のタッチ操作をすることによりメニュー項目等が大きいGUIの表示形態に変更させる、といった構成が可能になる。
なお、実施例1で示した第一GUI表示形態情報テーブルと第二GUI表示形態情報テーブルは同一のテーブルデータとして記憶装置に格納する構成とすることも可能であるし、また別々のテーブルデータとして記憶装置に格納しておくことも可能である。
【0029】
「GUI構成部」は、前記タッチセンサー部から出力される形態情報と接触位置情報に応じたGUI表示形態情報をテーブル保持部から取得し、これに従ってGUIを構成する位置別GUI構成手段を有する。テーブル保持部に保持されている図9の第二GUI表示形態情報に基づいて位置別GUI構成手段がGUIを構成する様子を図10に示した。この図の処理は主にメインメモリとCPUにて行われる。ステップS1001において形態情報と接触位置情報と第二GUI表示形態情報テーブルを取得する。ステップS1002において、上記接触位置情報に基づいて接触している対象のGUI内の接触位置を判定する。ここで、接触位置が選択項目部分である場合は、ステップS1003Xに進む。また、接触位置が非選択項目部分である場合は、ステップS1003に進む。ステップS1003Xでは、現在表示されているGUIの表示形態情報を継承して、選択項目に係る内容をGUIで表示する。ステップS1003では、上記形態情報に基づいて接触している対象の接触面の大きさを判定する。そして、当該判定の結果に基づいてステップS1004A/Bにおいて文字サイズとボタンサイズを設定する。ステップS1005において、上記形態情報に基づいて接触している対象の形を判定する。そして、当該判定の結果に基づいてステップS1006A/B/Cにおいてボタンの形を設定する。ステップS1007において、上記形態情報に基づいて接触している対象の色を判定する。そして、当該判定の結果に基づいてステップS1008A/B/Cにおいて背景色、文字色、ボタン色を設定する。そして、ステップS1009では上記のステップで設定した各要素を統合してGUIの全体を構成する処理を行う。
なお、この例ではタッチセンサーから出力される接触対象の接触位置、大きさ、形、色の情報を利用してGUIの構成を行ったが、例えば、接触対象の接触位置及び大きさのみの情報を利用して構成することも可能であるし、接触対象の接触位置及び形又は色のみの情報を利用して構成することも可能である。
【0030】
<具体的な構成>
図11は、本実施例のインターフェイス装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。その構成は、基本的に図5を用いて説明した実施例1の装置のハードウェア構成と共通する。ただし、本実施例のインターフェイス装置のタッチセンサー及びタッチセンサープログラムは、さらにディスプレイに接触している対象のGUI内の接触位置を示す情報をも検出することが可能である。また、記憶装置には、第一GUI表示形態情報テーブルの他に、第二GUI表示形態情報テーブルが保持されている。さらに、GUI構成プログラムは、形態情報と接触位置情報に応じたGUI表示形態情報に従ってGUIを構成することが可能である。以下実施例1と異なる点について詳しく説明する。
【0031】
まず、「タッチセンサー部」の「位置検出手段」による、ディスプレイに接触している対象のGUI内の接触位置を示す情報である接触位置情報を検出する処理について説明する。記憶装置には予めタッチセンサープログラムが記憶されている。ディプレイに接触している対象が存在するとの信号がタッチセンサーから出力された場合、CPUは、メインメモリに展開されたタッチセンサープログラムを実行して、形態情報及び接触位置情報を検出する。形態情報の検出する処理は、実施例1に示したように、例えば何個のタッチセンサー要素から有意信号を受信したかによって、接触している対象の大きさの情報を検出すること等が可能である。
また、接触位置情報を検出する処理としては、いずれの位置に配置されたタッチセンサー要素から有意信号を受信したかによって、検出することが可能である。タッチセンサープログラムは当該検出処理の結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する処理を行う。
【0032】
次に、「GUI構成部」の「位置別GUI構成手段」によりGUIを構成する処理について説明する。記憶装置には予めGUI構成プログラムが記憶されている。CPUは、メインメモリに展開されたGUI構成プログラムを実行して、記憶装置に保持されている第二GUI表示形態情報テーブルを取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。続いて、メインメモリに格納された形態情報及び接触位置情報と第二GUI表示形態情報テーブルに基づいてGUIを決定する処理を行う。具体的には、形態情報を示す形態情報IDと接触位置情報を示す接触位置情報IDを検索キーとして上記テーブルから該当するGUIの構成を検索する処理が考えられる。
その他の具体的な構成は実施例1のインターフェイス装置の具体的な構成と同じであるから説明は省略する。
【0033】
<処理の流れ>
図12は本実施例のインターフェイス装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初に、ステップS1201では、タッチセンサーによりディスプレイに接触している対象が認識されたか否か判断される。ここでの判断が、認識されたとの判断であった場合は、ステップS1202に移行する。ここでの判断が、認識されないとの判断であった場合は、待機する。次にステップS1202では、ディスプレイに接触している対象の接触面の大きさ、形、色のいずれか一以上の情報である形態情報を取得する。ステップS1203では、さらにディスプレイに接触している対象のGUI内の接触位置を示す情報である接触位置情報を取得する。なお、ステップS1202とステップS1203は、一つの処理としてまとめて行うことも可能である。ステップS1204では、GUI表示形態情報を形態情報および接触位置情報と関連付けた第二GUI表示形態情報テーブルを取得する。ステップS1205では、ステップS1202及びステップS1203において取得された形態情報及び接触位置情報に応じたGUI表示形態情報を第二GUI表示形態情報テーブルから取得し、これに従ってGUIを構成する。
【0034】
<効果>
実施例1と同様に、本実施例のインターフェイス装置は、タッチパネル付き液晶等においてGUIを使用した操作を行う場合、ディスプレイに接触した対象(指やペン等)の接触面の大きさ、形、色に応じてGUIの文字サイズなどの構成を機動的に変化させることができるため、ユーザに適したGUIを容易に表示することが可能になる。さらに、本実施例のインターフェイス装置は、ディスプレイをタッチした対象の接触面の大きさ等の情報の他に、タッチしたGUI内の位置情報を利用して表示しているGUIを構成することができるため、よりユーザの希望に沿ったGUIの表示を行うことが可能になる。
【実施例3】
【0035】
<概要>
本実施例のインターフェイス装置は、基本的に実施例1又は実施例2の装置と共通する。しかし、本実施例のインターフェイス装置は、GUIの表示形態情報として、文字数やボタンサイズ等を組み合わせたデータを予め保持しておくことが可能であり、ディスプレイに接触した対象(指やペン等)の形態情報や位置情報に応じて適切なGUIの表示形態を表示することが可能になる。つまり、予めある程度構成された状態のGUIのデータを保持することで、少ない処理過程でユーザに対して適切なGUIを提示することが可能になる。
【0036】
<構成>
図13は、本実施例のインターフェイス装置の機能ブロックの一例を示す図である。本実施例の「インターフェイス装置」1300は、「ディスプレイ」1301と、「タッチセンサー部」1302と、「テーブル保持部」1303と、「GUI構成部」1304とからなり、「テーブル保持部」は、「文字サイズ別表示形態情報保持手段」1305を有する。
【0037】
「テーブル保持部」は、保持する表示形態情報として、形態情報又は/及び接触位置情報に応じて文字サイズ、文字数、アイコンサイズ、ボタンサイズのいずれか一以上の組み合わせが互いに異なるGUI表示形態情報である文字サイズ別表示形態情報を保持する、文字サイズ別表示形態情報保持手段を有する。
ここで、組み合わせとして、文字サイズ、文字数、アイコンサイズ、ボタンサイズを挙げたが、その他として、メニュー項目や操作ボタンの数、文字フォント、アイコン又はボタン等の形、GUIを構成する各要素の色などの情報をさらに組み合わせる構成とすることも可能である。
【0038】
さらに、GUIで表示する内容を形態情報等と関連づけておくことも可能である。例えば、接触対象の接触面の大きさが小さいときは全ての操作ボタンを表示するが、接触面の大きさが大きいときは、使用頻度が高い操作ボタンを優先的に表示する、といった構成とすることも可能である。また、当該使用頻度のデータは、接触対象ごとにインターフェイス装置において集計する構成とすることも可能である。これにより、子供の指と認識される接触対象がディスプレイに接触したときは子供用のGUIを表示し、大人の指と認識される接触対象がディスプレイに接触したときは大人用のGUIを表示する、といった構成が可能になる。具体的な手段としては、インターフェイスにおいてユーザの指紋データをGUIの表示形態及び使用頻度のデータ等と関連づけて保持し、タッチセンサー部から出力される形態情報に基づいてGUIの構成を決定することが挙げられる。
【0039】
文字サイズ別表示形態情報の一例としては、例えば図14に示すようなものが考えられる。この図の例では、形態情報として接触面の大きさのみを利用し、接触位置情報を利用しない構成としている。図に示すように、例えば、接触対象の接触面の大きさが5mmより小さい場合は、GUI表示形態としてタイプ1が選択されることになる。つまり、GUI構成部によって、「文字サイズが10pt、各行あたりの文字数が25字以内、アイコンサイズが小、ボタンサイズが小」の要素からなるGUIが構成されることになる。このように、GUIの形態を決定する各要素をある程度関連づけておくことで、適切なGUIを少ない処理で構成することが可能になる。
【0040】
なお、この図の例では、文字サイズ、文字数、アイコンサイズ、ボタンサイズのすべての要素を関連づけているが、必ずしも全てを関連づける必要はなく、一以上の組み合わせであれば足りる。また、形態情報として、接触対象の形や色の情報を利用してGUI表示形態を決定する構成とすることも同様に可能であるし、接触位置情報を利用して決定する構成とすることも可能である。
【0041】
<具体的な構成>
図15は、本実施例のインターフェイス装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。その構成は、基本的に図5を用いて説明した実施例1の装置のハードウェア構成と共通する。ただし、本実施例のインターフェイス装置の記憶装置は、さらに文字サイズ別表示形態情報を記憶する構成となっている。
【0042】
「GUI構成部」が文字サイズ別表示形態情報を利用してGUIを構成する処理について説明する。記憶装置には予めGUI構成プログラムが記憶されている。CPUは、メインメモリに展開されたGUI構成プログラムを実行して、記憶装置に保持されている文字サイズ別表示形態情報を取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。続いて、CPUは、メインメモリに格納された接触対象の形態情報と当該文字サイズ別表示形態情報に基づいてGUIを決定する処理を行う。具体的には、形態情報を示す形態情報IDを検索キーとして上記の文字サイズ別形態情報から該当するGUIの構成を検索する処理が考えられる。その他の具体的な構成は実施例1のインターフェイス装置の具体的な構成と同じであるから説明は省略する。
【0043】
<処理の流れ>
図16は本実施例のインターフェイス装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初に、ステップS1601では、タッチセンサーによりディスプレイに接触している対象が認識されたか否か判断される。ここでの判断が、認識されたとの判断であった場合は、ステップS1602に移行する。ここでの判断が、認識されないとの判断であった場合は、待機する。次にステップS1602では、ディスプレイに接触している対象の接触面の大きさ、形、色のいずれか一以上の情報である形態情報を取得する。また、ステップS1602では、当該形態情報の代わりに接触位置情報を取得する構成とすることも可能であるし、両方の情報を取得する構成とすることも可能である。ステップS1603では、文字サイズ別表示形態情報を取得する。ステップS004では、ステップS1602において取得された接触対象の形態情報等に応じたGUI表示形態情報を文字サイズ別表示形態情報から取得し、これに従ってGUIを構成する。
【0044】
<効果>
実施例1と同様に、本実施例のインターフェイス装置は、タッチパネル付き液晶等においてGUIを使用した操作を行う場合、ディスプレイに接触した対象(指やペン等)の接触面の大きさ、形、色に応じてGUIの文字サイズなどの構成を機動的に変化させることができるため、ユーザに適したGUIを容易に表示することが可能になる。さらに、本実施例のインターフェイス装置は、予めある程度構成された状態のGUIのデータを保持することで、少ない処理過程でユーザに対して適切なGUIを提示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1に係るインターフェイス装置の概要図
【図2】実施例1に係るインターフェイス装置の機能ブロックの一例を示す図
【図3】実施例1に係る第一GUI表示形態情報テーブルの一例を示す図
【図4】実施例1に係るGUI構成部がGUIを構成する処理を表す図
【図5】実施例1に係るインターフェイス装置のハードウェア構成の一例を示す図
【図6】実施例1に係るインターフェイス装置の処理の流れの一例を示す図
【図7】実施例2に係るインターフェイス装置の概要図
【図8】実施例2に係るインターフェイス装置の機能ブロックの一例を示す図
【図9】実施例2に係る第二GUI表示形態情報テーブルの一例を示す図
【図10】実施例2に係る位置別GUI構成手段がGUIを構成する処理の流れを示す図
【図11】実施例2に係るインターフェイス装置のハードウェア構成の一例を示す図
【図12】実施例2に係るインターフェイス装置の処理の流れの一例を示す図
【図13】実施例3に係るインターフェイス装置の機能ブロックの一例を示す図
【図14】実施例3に係る文字サイズ別表示形態情報の一例を示す図
【図15】実施例3に係るインターフェイス装置のハードウェア構成の一例を示す図
【図16】実施例3に係るインターフェイス装置の処理の流れの一例を示す図
【符号の説明】
【0046】
0200 インターフェイス装置、0201 ディスプレイ、
0202 タッチセンサー部、0203 テーブル保持部、0204 GUI構成部、
0501 記憶装置、0502 CPU、0503 メインメモリ、
0504 タッチセンサー、0505 ディスプレイ、0506 I/O、
0507 システムバス、0805 位置検出手段、0806 位置別GUI構成手段、
1305 文字サイズ別表示形態情報保持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GUIを表示するためのディスプレイと、
ディスプレイに備えられ、GUIを利用した入力のためにディスプレイに接触している対象の接触面の大きさ、形、色のいずれか一以上の情報である形態情報を検知して出力する形態情報出力手段を備えたタッチセンサー部と、
形態情報と、GUIの表示形態を示す情報であるGUI表示形態情報とを関連付けた第一GUI表示形態情報テーブルを保持するテーブル保持部と、
前記タッチセンサー部から出力される形態情報に応じたGUI表示形態情報をテーブル保持部から取得し、これに従ってGUIを構成するGUI構成部と、
を有するインターフェイス装置。
【請求項2】
タッチセンサー部は、さらにディスプレイに接触している対象のGUI内の接触位置を示す情報である接触位置情報を検出する位置検出手段を備え、
テーブル保持部は、GUI表示形態情報を形態情報および接触位置情報と関連付けた第二GUI表示形態情報テーブルを保持し、
GUI構成部は、前記タッチセンサー部から出力される形態情報と接触位置情報に応じたGUI表示形態情報をテーブル保持部から取得し、これに従ってGUIを構成する位置別GUI構成手段を有する請求項1に記載のインターフェイス装置。
【請求項3】
テーブル保持部は、保持する表示形態情報として、形態情報又は/及び接触位置情報に応じて文字サイズ、文字数、アイコンサイズ、ボタンサイズのいずれか一以上の組み合わせが互いに異なるGUI表示形態情報である文字サイズ別表示形態情報を保持する文字サイズ別表示形態情報保持手段を有する請求項1または2に記載のインターフェイス装置。
【請求項4】
GUIを利用した入力のためにディスプレイに接触している対象の接触面の大きさ、形、色のいずれか一以上の情報である形態情報を取得するステップと、
形態情報と、GUIの表示形態を示す情報であるGUI表示形態情報とを関連付けた第一GUI表示形態情報テーブルを取得するステップと、
取得された形態情報に応じたGUI表示形態情報を第一GUI表示形態情報テーブルから取得し、これに従ってGUIを構成するステップと、
からなるGUI構成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−146301(P2010−146301A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322949(P2008−322949)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】