説明

インド産ディル(アネサムソーワ(ANETHUMSOWA))を用いたインスタントスープミックスの製造方法

本発明は、インド産ディル(アネサムソーワ(Anethum Sowa))を使用したインスタントスープミックスの製造方法に関し、このスープミックスは、フェノール含有量4.5mg/g、還元力870U/gという値に示されるような優れた抗酸化特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明はインド産ディル(アネサムソーワ(Anethum sowa))を用いたインスタントスープミックスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景および従来技術
スープミックスは調理が手軽な、一般的な前菜である。とうもろこし、鶏肉、さまざまな野菜、パラックおよびマッシュルームなどをベースとするスープは、インドおよび諸外国で一般的なものである。これらの製品の優れた保存性とは別に、人々の間で高まる健康意識により、栄養学的/治療的な特性を有する製品は世界中で広く受け入れられるであろう。インド産ディル(インド北部では「ソーワ(sowa)」、インド南部では「サブシジュ(Sabsige)」として知られる)は、スパイスおよび香辛料に分類され得るよく知られた広葉植物である。インド産ディルは、そのフェノール含有量が1760mg/g、還元力が2531U/gであることからも分かるように、優れた抗酸化特性を有する。そのため「サブシジュ(Sabsige)」を使用した付加価値製品に対する需要が見込まれ、すぐに多く取引されるであろう。さらに、粘度を抑えた薄いスープはより多くの固形物を保持し得ることを意味し、よってそのエネルギーおよび栄養素密度が向上される。スープミックスに変性でんぷんを加えることにより、その糊化性を抑えることができる。こうした健康食品の調合には、ペースト粘度を低くするため物理的処理によりでんぷんを変性することに加えて、必要な全ての成分を最適に乾燥させ、適切な割合で混合することが含まれる。
【0003】
ペースト粘度を抑えた「サブシジュ(Sabsige)」をベースとするスープミックスの製造に関する、文献から入手可能な過去のレポートは存在しないが、スープパウダー/スープミックスに関しては、入手可能な過去のレポートはいくつか存在する。
【0004】
リンコン・AM(Rincon-AM)、アラウジョ・ド・ビズカーロンド・C(araujo-de-Vizcarrondo-C)、 カリロ・ド・パディラ・F(Carillo-de-Padila-F)、 マーティン・E(Martin-E)による、「ヤマノイモ属の塊茎(名称:コンゴ(congo)(Dioscorea bulbifera)およびマンピュイ(mapuery)(Dioscorea trifida))の技術的利用の可能性についての評価(Evaluation of the possible technological uses of some Dioscoreas tubers: name combo (Dioscorea bulbifera) and mapuey (Dioscorea trifida))」(1984年)、archivos-Latinamericanos-de-Nutricion;50(3)、286〜290ページ(非特許文献1)を参照することができる。この文献では、食物利用の可能性を評価するために、ヤムイモ穀粉のレオロジー特性が研究された。コンゴ穀粉は粘度ピークがなく高温時でも安定していることから、インスタントスープミックスの理想的な成分であり、白マンピュイおよび紫マンピュイの穀粉はソース増粘剤に適しているとされた。
【0005】
この発明の主な欠点は、異なる3種の新鮮なヤマノイモ属の塊茎から得られる製品/穀粉について、それらの特性が研究されたことである。ヤマノイモ種には毒性アルカロイドが含まれ、食品に使用する際には事前に特定の処理によりこれを除去しなければならない。穀粉は使用の前に調理/過熱がなされないことから、この塊茎のでんぷんの摂取時の消化率は、物理的処理を受けたでんぷんと比べて低くなるであろう。
【0006】
ユニリーバ社(Unilever NV)による、「豆スープミックスの製造方法(Method for producing a pea soup mixture)」(1973年)、オランダ特許出願(7211214)(特許文献1)を参照することができる。この出願では、スープミックスは、加熱調理され、ゆでて砕いたグリーンピースを使った豆フレーク、硬化油および未加工のじゃがいもでんぷんから調製される。
【0007】
この発明の主な欠点は、製品の開発に、成分を混合してペーストにし、このペーストを乾燥させて薄いフィルムにし、フレークを製造することが含まれたことである。フレークはさらに、えんどう豆粉、固形コーンシロップ等で塊状にされ、その後乾燥された。
【0008】
スパイス・アンド・フレーバーサービス社(Spice & Flavour Services, Ltd.)による、「乾燥スープミックス(Dry soup mixes)」(1971年)、イギリス特許(1254562)(特許文献2)を参照することができる。この特許では、自動販売機に適したスープミックスが調製された。未変性でんぷんが増粘剤として使用され、成分は乳化剤を含む油脂で覆われた。
【0009】
この方法の主な欠点は、増粘剤として未変性でんぷんが使用され、抗酸化特性を有するインド産ディルはスープミックスに使用されていないことである。
【0010】
ゴビンダン・T.K(Govindan, T.K)による、「水産物の凍結乾燥:インスタント魚介スープの調製および凍結乾燥によるその保存(Freeze drying of fishery products: preparation of instant fish soup mixes and their preservation by freeze drying)」(1970年)、Research and Industry, C.S.I.R., India 15(3)、162〜163ページ(非特許文献2)を参照することができる。この文献では、加熱調理された魚をたまねぎ、「バナスパチ」、塩などと共に細かく刻み、グルタミン酸1ナトリウムを加えたものから作られ、スープミックスとして使用するため凍結乾燥される押し出し麺の製造方法が記載される。製品は沸騰したお湯でもどす。
【0011】
この方法の主な欠点は、魚をベースにしたスープミックスが冷凍凍結法という、費用のかかる技術により調製されることである。製品はもどされるまで麺の形状をしているため、押出機による作業も必要である。
【0012】
著者が不明の、「新:風乾マッシュルーム(New: air-dried mushrooms)」(1971年)、Agricultural Research (Washington)、19 (7)6(非特許文献3)を参照することができる。この文献には、乾燥マッシュルームを低温、その後高温で熱風乾燥させることによる、乾燥マッシュルームの開発が記載される。乾燥マッシュルームの風味は、冷凍乾燥マッシュルームの風味に匹敵するものであった。
【0013】
この方法の主な欠点は、マッシュルームの風味を保持するために高温と低温での熱風乾燥が組み合わされていることである。この製造方法では、このような乾燥マッシュルームをスープミックスに使用することについて述べられている。
【0014】
エシンク・GK(Essink-GK)による、「乾燥食物および液体食物のためのじゃがいもをベースとしたテクスチャライザー(Potato based texturisers for dry and liquid foods)」(1994年)、Food Marketing & Technology, 8(3)、12〜14ページ(非特許文献4)を参照することができる。この文献では、トマトソース、トマトペースト、粉末トマト等の成分としてのじゃがいもでんぷんの特性が議論されている。所望するソースのテクスチャーは、適切なでんぷんまたはその他の疎水コロイドの機能的な成分を使用することで実現されるとしている。
【0015】
上記方法の主な欠点は、でんぷんもしくはその他の機能的な疎水コロイドの効果的な利用または適性が、トマトソースについて研究されたことである。
【0016】
マッコンバー・DR(McComber-DR)、オスマン・EM(Osman-EM)による、「純濃縮ポンティアックじゃがいもでんぷんの使用(Use of concentrated and pure Pontiac potato starch」(1991年)、米国特許 US4981710(特許文献3)を参照することができる。この特許では、ポンティアックじゃがいもの非架橋でんぷんが食用食品ミックスのでんぷん源として使用された。ポンティアックじゃがいものでんぷんは薄くなりにくいため、スープの増粘剤として提案されている。
【0017】
上記方法の主な欠点は、ポンティアックじゃがいものでんぷんが、薄くなりにくいという特異な性質のため、その他の化学的に変性された増粘剤の代わりに食品ミックスに提案されていることである。
【0018】
イバノグル・S(Ibanogle-S)による、「噴霧乾燥タルハナ(tarhana)の機能的特性(Functional properties of spray dried tarhana)」(1999年)、Drying Technology;17(1/2)、327〜333ページ(非特許文献5)を参照することができる。この文献では、伝統的なタルハナ(発酵ヨーグルトと小麦粉の混合物)を用いたスープと噴霧乾燥されたタルハナを用いたスープとが比較された。噴霧乾燥されたタルハナを用いたスープの感覚的評価が低いのは、スラリー粘度を下げるためになされた化学処理が原因である。
【0019】
上記方法の主な欠点は、化学変性された(酸加水分解された)でんぷん源から、スープが調製されることである。スラリー粘度は低いが、感覚的評価は非常に低い。
【0020】
イバノグル・S(Ibanogle-S)、イバノグル・E(Ibanogle-E)、エインスワース・P(Ainsworth-P)による、「調理済タルハナ(トルコの伝統的シリアルスープ)の粘度に対する希酸加水分解の影響(Effect of dilute acid hydrolysis on the cooked viscosity of tarhana, a traditional Turkish cereal soup)」(1998年)、International Journal of Food Sci. & Nutrition; 49(6)、463〜466ページ(非特許文献6)を参照することができる。この文献では、高固体を用いて低粘度のタルハナを得るためにタルハナを酸加水分解する際、時間と温度の相互作用も重要だが、酸濃度が粘度に対して最も顕著な影響を与えることが示された。所望の粘度を有するタルハナスープを製造するための回帰方程式が開発された。
【0021】
上記方法の主な欠点は、完成品が、化学変性されたでんぷん源をベースとすることである。粘度は所望の程度に抑えられたが、酸変性により感覚的評価は低かった。
【0022】
ゲインズ・CS(Gaines-CS)、カッソーバ・A(Kassauba-A)、フィニー・PL(Finney-PL)による、「加熱時の小麦粉のピーク粘度と再加熱時のゲル状小麦粉の粘度の比較によるスープモデルの研究(A soup model study comparing flour peak viscosity during heating and viscosity of flour gels during reheating)」(1995年)、Cereal Chemistry; 72(3)、233〜236ページ(非特許文献7)を参照することができる。市販の缶詰スープの見かけ粘度に基づき、粘度グラフを用いてモデルシステムが研究された。発芽率の高い発芽小麦から得た小麦粉でない限り、最初の加熱時に得られる高温ペースト粘度と、保存前にゲル化し、提供温度に再加熱された同じペーストの粘度との間に関連性はない。小麦粉によりとろみがついたスープの提供温度での粘度は、粘度グラフによる高温時のピークペースト粘度よりも、アルファ(()アミラーゼ活性を直接測定し、または再加熱されたゲルの粘度を測定することで、より正確に予測することができる。
【0023】
上記研究の主な欠点は、調査が小麦粉をベースとした市販の缶詰スープに限られており、提供温度でのアルファアミラーゼ活性測定が報告されていない可能性があることである。
【0024】
ソパド・RA(Sopade-RA)、カッスM・AL(KassuM-AL)、アダム・DJM(Adamu-DJM)による、「ナイジェリアの伝統的スープのレオロジー特性(Rheological characterization of some Nigerian traditional soups)」(1993年)、Internal Journal of food Sci. & Technol. 28(6)、647〜653ページ(非特許文献8)を参照することができる。この文献では、10℃〜70℃の温度範囲におけるスープのレオロジー特性が調査され、その結果スープの見かけ粘度の急激な低下が擬塑性を示すことが発見された。成分に日干しした材料を用いた場合にも、擬塑性に変化はなかった。
【0025】
上記研究の主な欠点は、調査がスープの特性および、日干しした材料(主にオクラ)を使用した際の可塑性における変化に限られていることである。
【0026】
大平T(Ohira-T)、宮野R(Mijano-R)、吉田R(Yoshida-R)による、「燻しでんぷん(Smoked starch)」(1981年)、イギリス特許出願2050798A(特許文献4)を参照することができる。この出願では、でんぷんの加熱時およびその後の冷却時における粘度の保持ならびにゲル形成能力が、定められた温度で2分から3分でんぷんを燻し、pH変性を行うことにより高められたとされる。このような変性でんぷんは乳製品、菓子類、スープならびに肉および魚製品に有効であることが確認された。
【0027】
上記研究の欠点は、でんぷんの化学変性、水分およびpH調整により調査が行われたことである。
【特許文献1】オランダ特許出願公開第7211214号明細書
【特許文献2】英国特許第1254562号明細書
【特許文献3】米国特許4981710号明細書
【特許文献4】英国特許出願公開第2050798A号明細書
【非特許文献1】リンコン・AM(Rincon-AM)、アラウジョ・ド・ビズカーロンド・C(araujo-de-Vizcarrondo-C)、 カリロ・ド・パディラ・F(Carillo-de-Padila-F)、 マーティン・E(Martin-E)による、「ヤマノイモ属の塊茎(名称:コンゴ(congo)(Dioscorea bulbifera)およびマンピュイ(mapuery)(Dioscorea trifida))の技術的利用の可能性についての評価(Evaluation of the possible technological uses of some Dioscoreas tubers: name combo (Dioscorea bulbifera) and mapuey (Dioscorea trifida))」(1984年)、archivos-Latinamericanos-de-Nutricion;50(3)、286〜290ページ。
【非特許文献2】ゴビンダン・T.K(Govindan, T.K)による、「水産物の凍結乾燥:インスタント魚介スープの調製および凍結乾燥によるその保存(Freeze drying of fishery products: preparation of instant fish soup mixes and their preservation by freeze drying)」(1970年)、Research and Industry, C.S.I.R., India 15(3)、162〜163ページ。
【非特許文献3】著者不明、「新:風乾マッシュルーム(New: air-dried mushrooms)」(1971年)、Agricultural Research (Washington)、19 (7)6。
【非特許文献4】エシンク・GK(Essink-GK)による、「乾燥食物および液体食物のためのじゃがいもをベースとしたテクスチャライザー(Potato based texturisers for dry and liquid foods)」(1994年)、Food Marketing & Technology, 8(3)、12〜14ページ。
【非特許文献5】イバノグル・S(Ibanogle-S)による、「噴霧乾燥タルハナ(tarhana)の機能的特性(Functional properties of spray dried tarhana)」(1999年)、Drying Technology;17(1/2)、327〜333ページ。
【非特許文献6】イバノグル・S(Ibanogle-S)、イバノグル・E(Ibanogle-E)、エインスワース・P(Ainsworth-P)による、「調理済タルハナ(トルコの伝統的シリアルスープ)の粘度に対する希酸加水分解の影響(Effect of dilute acid hydrolysis on the cooked viscosity of tarhana, a traditional Turkish cereal soup)」(1998年)、International Journal of Food Sci. & Nutrition; 49(6)、463〜466ページ。
【非特許文献7】ゲインズ・CS(Gaines-CS)、カッソーバ・A(Kassauba-A)、フィニー・PL(Finney-PL)による、「加熱時の小麦粉のピーク粘度と再加熱時のゲル状小麦粉の粘度の比較によるスープモデルの研究(A soup model study comparing flour peak viscosity during heating and viscosity of flour gels during reheating)」(1995年)、Cereal Chemistry; 72(3)、233〜236ページ。
【非特許文献8】ソパド・RA(Sopade-RA)、カッスM・AL(KassuM-AL)、アダム・DJM(Adamu-DJM)による、「ナイジェリアの伝統的スープのレオロジー特性(Rheological characterization of some Nigerian traditional soups)」(1993年)、Internal Journal of food Sci. & Technol. 28(6)、647〜653ページ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
発明の目的
本発明の主たる目的は、インド産ディルを使ったインスタントスープミックスの製造方法を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、インド産ディルの粉末の製造方法を提供することである。
【0030】
本発明のさらに別の目的は、ペースト粘度を抑えた変性じゃがいもでんぷんの製造方法を提供することである。
【0031】
本発明のさらに別の目的は、スープミックスに使用する粉末たまねぎの製造方法を提供することである。
【0032】
本発明のさらに別の目的は、熱風乾燥により、スープミックスの含水量を抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の新規性は、スープミックスが優れた抗酸化特性を有する低粘度のインスタント製品であるということである。このスープミックスは、サブシジュ、変性じゃがいも粉、マルトデキストリンおよびその他の成分を使い、本発明により調製された自由流動性を有する便利な製品である。製造方法には、また、低水分を維持するために乾燥成分を混合し、その後スープミックスの水分を5%にまで下げるための仕上げ乾燥を行うこと、油脂重量ベースで200ppm程度のtert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)をスープミックスに加えることが含まれる。製品は自由流動性を有し、以下の特徴を有する。含水量:3〜5%、限界水分:11%、油脂:9.5%、遊離脂肪酸:3.36mg/g、過酸化物価(g):なし、ハンター色度値(L、A、B):L:73.0、A:−4.137、B:16.13、総平板計数:18750/g、イースト菌およびかび:なし。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
インド産ディルは一般にスパイスおよび香辛料と考えられているため、スープの調理に使用するものだとは考えられていない。こうした考えとは反対に、出願人はインド産ディルをスープの調製に使用し、これがスープ愛飲者に有効であることを見い出した。
【0035】
発明の要旨
変性でんぷんを含むインド産ディルまたは「サブシジュ(Sabsige)」をベースとする乾燥スープミックスはペースト粘度が低く、そのためより多くの固形物を保持するのに役立つ。このようなスープミックスは、栄養素およびエネルギーに富み、抗酸化特性を有する製品である。フェノール含有量が1760mg/gであることからも分かるとおり、新鮮な葉は優れた抗酸化特性を有し、これにより「サブシジュ(Sabsige)」をベースとする付加価値製品の需要は高まるであろう。個々の成分の比率が、脱脂粉乳:とうもろこし粉:じゃがいも粉:小麦粉:マルトデキストリン:油脂:粉末ディル:塩:砂糖:たまねぎ:こしょう=20:15:11.75:12.5:12.5:7.5:5:6:2.5:1.75であり、その後仕上げ乾燥され、金属化ポリエステル/ポリエチレンのラミネート袋(200ゲージ)に袋詰めされるスープミックスの調合品は、相対湿度65%、室温で最大で8ヶ月の貯蔵寿命を有する。調合品はまた、フェノール含有量4.5mg/g、ソース(スープミックス)の還元力870U/gという値に示されるような抗酸化特性を有する。
【0036】
発明の詳細な説明
したがって、本発明は、
(i) 汚れを取り除いたインド産ディルの葉を4〜5センチの長さに切断する工程、
(ii) 前記工程(i)の葉の切片を0.5〜1.0%の重炭酸ナトリウムを含む溶液に20〜40分間浸漬する工程、
(iii) 前記工程(ii)で浸漬した葉の切片を、40〜50℃の範囲の温度の熱風で乾燥させる工程、
(iv) 前記工程(iii)で乾燥させた葉の切片を粉末にし、目の粗さが約400〜600μmのふるいにかける工程、
(v) ドラム乾燥、キャビネット乾燥および日干しされた角切りじゃがいもと、乾燥させた刻んだたまねぎとを粉末にし、目の粗さが約500μmのふるいにかける工程、
(vi) 脱脂粉乳:とうもろこし粉:じゃがいも粉:小麦粉:マルトデキストリン:油脂:粉末ディル:塩:砂糖:たまねぎ:こしょうを、それぞれ10〜20:12〜15:10〜12:10〜14:10〜14:3〜8:3〜6:3〜5:3〜7:2〜4:1〜2.5(w/w)の割合で混合しスープミックスを得る工程、
(vii) 前記工程(vi)のスープミックスを含水量が3〜5%になるまで乾燥させ、インスタントスープ混合物を得る工程、
(viii) 前記工程(vii)のスープ混合物を、金属化ポリエステル/ポリエチレンのラミネート袋(200ゲージ)に袋詰めにし、相対湿度65%、室温で最大8ヶ月の貯蔵寿命を有する工程、
(ix) 冷水でもどし(スープミックス:冷水=1:10〜12)、攪拌し、沸騰させると前記スープミックスは、優れた色、味、風味および濃度ならびに全体的な品質を有する工程を含む、インド産ディル(アネサムソーワ(Anethum sowa))を用いたインスタントスープミックスの製造方法を提供する。
【0037】
本発明の実施形態において、新鮮で固く、害虫がついていないディルの葉を洗って余分な部分を取り除き、4〜5センチの長さに切断してもよい。
【0038】
本発明の別の実施形態において、切断したインド産ディルの葉を、重炭酸ナトリウムを含む溶液(葉:溶液=1:2)に室温(27〜30℃)で20分間浸漬し、その後水気を切ってもよい。
【0039】
本発明のさらに別の実施形態において、水気を切ったインド産ディルの葉の切片を、アルミニウム製トレイの上に広げ(加重:1平方メートル当たり3kg)、キャビネット乾燥機中で45℃で4〜5時間表面乾燥させてもよい。
【0040】
本発明の別の目的において、前記じゃがいものドラム乾燥は以下の工程で行われる。
【0041】
(i) 前記じゃがいもを角切りにする工程、
(ii) 前記工程(a)のじゃがいもを70〜75℃のオートクレーブで約15〜20分間調理し、その後12〜17℃で約15〜20分間冷却する工程、
(iii) 前記工程(ii)で冷却したじゃがいもを、75〜85℃の範囲の温度で約15〜20分間調理する工程、
(iv) 前記工程(iii)で調理したじゃがいもをミックスチャーですりつぶす工程、
(v) 1500〜2500mg/kgの範囲のメタ重亜硫酸カリウム、0.02〜0.09%の範囲の濃縮乳漿タンパクおよび0.05〜0.1%の範囲のグルタミン酸1ナトリウムを前記すりつぶしたじゃがいもに加える工程、
(vi) 前記工程(v)ですりつぶしたじゃがいもを乾燥させて製粉し、目の粗さが400〜600μmの範囲のふるいにかけ、じゃがいも粉を得る工程。
【0042】
本発明の別の実施形態において、前記じゃがいものキャビネット乾燥は以下の工程で行われる。
【0043】
(i) 前記じゃがいもを角切りにする工程、
(ii) 前記工程(i)のじゃがいもを、酵素を不活性化するために約3〜8分間オートクレーブで処理し、その後冷却する工程、
(iii) 前記工程(ii)のじゃがいもに、1500〜2500mg/kgの範囲のメタ重亜硫酸カリウムを10〜30分間加える工程、
(iv) 前記工程(iii)で冷却したじゃがいもを、60〜70℃の範囲の温度で約6〜8時間乾燥させる工程、
(v) 前記工程(iv)で乾燥させたじゃがいもを製粉し、目の粗さが400〜600μmのふるいにかけ、じゃがいも粉を得る工程。
【0044】
本発明の別の実施形態において、前記たまねぎの乾燥および製粉は以下の工程で行われる。
【0045】
(i) 皮を剥いたたまねぎを薄切りにする工程、
(ii) 前記工程(i)の薄切りたまねぎを55〜65℃の範囲の温度の熱風で乾燥させ、脱水薄切りたまねぎを得る工程、
(iii) 前記工程(ii)の脱水薄切りたまねぎを製粉し、目の粗さが400〜600μmのふるいにかけ、粉末たまねぎを得る工程。
【0046】
本発明のさらに別の実施形態において、乾燥させた葉を目の粗さが500μmのハンマーミルで粉末にし、適切なポリエチレンの袋に袋詰めにし、気密容器に入れ、使用時に備えて12±1℃で保管してもよい。
【0047】
本発明のさらに別の実施形態において、角切りじゃがいもを下処理をしてから乾燥機で乾燥させ、目の粗さが500μmのハンマーミルで粉末にしてもよい。上記じゃがいも粉はピーク粘度が1636cp、高温ペースト粘度が1162cp、低温ペースト粘度が1440cpである。じゃがいも粉はポリエチレンの袋に袋詰めされ、機密容器に入れ、使用時に備えて12±1℃で保管してもよい。
【0048】
本発明のさらに別の実施形態において、新鮮なピンクたまねぎの上と下の部分を切り落として皮を剥き、スライサーを使って薄切りにした。薄切りにしたたまねぎを65℃の熱風乾燥機で4時間乾燥させ、脱水薄切りたまねぎを得た。乾燥させた薄切りたまねぎを目の粗さが500μmのハンマーミルで粉末にし、適切なポリエチレンの袋に袋詰めにし、気密容器に入れ、使用時に備えて12±1℃で保管した。
【0049】
本発明の別の実施形態において、スープミックスは、インド産ディルの粉末、小麦粉、とうもろこし粉、変性じゃがいも粉、脱脂粉乳、硬化植物油、塩、砂糖、粉末たまねぎ、こしょう粉および酸化防止剤などの成分を用いて調合された。
【0050】
本発明の方法は、以下の工程を含む。
【0051】
i) 汚れを取り除いたインド産ディルの葉をステンレス製ナイフで4〜5センチの長さに切断する工程、
ii) 切片を0.5〜1.0%の重炭酸ナトリウムを含む溶液(切片:溶液=1:2)に、室温(27〜30℃)で20〜40分間浸漬する工程、
iii) 浸漬した葉の水気を切り、1平方メートル当たり3〜4kgの割合でアルミニウム製トレイの上に広げ、熱風乾燥機を使って40〜50℃で乾燥させる、
iv) 乾燥させた葉を目の粗さが500μmのハンマーミルおよび粉末で粉末にする、
v) ドラム乾燥、キャビネット乾燥および日干しされた角切りじゃがいも、ならびに乾燥させた刻んだたまねぎを目の粗さが500μmのハンマーミルで粉末にし、この粉末はスープミックスの調合品に使用するために調製される、
vi) スープミックスの調合品は、個々の成分の比率が、脱脂粉乳:とうもろこし粉:じゃがいも粉:小麦粉:マルトデキストリン:油脂:粉末ディル:塩:砂糖:たまねぎ:こしょう=10〜20:12〜15:10〜12:10〜14:10〜14:3〜8:3〜6:3〜5:3〜7:2〜4:1〜2.5(w/w)である、
vii) 上記調合品にドラム乾燥させたじゃがいも粉を使用したスープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度および低温ペースト粘度は、それぞれ127、107、186cpである、
viii) 上記調合品にキャビネット乾燥させたじゃがいも粉を使用したスープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度および低温ペースト粘度は、それぞれ145、126、288cpである、
ix) 上記調合品に天然のじゃがいも粉を使用したスープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度および低温ペースト粘度は、それぞれ182、167、291cpである、
x) 上記調合品にとうもろこし粉および小麦粉のかわりにキャビネット乾燥させたじゃがいも粉を使用した、スープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度および低温ペースト粘度は、それぞれ133、130、208cpである、
xi) 変性じゃがいも粉から製造されたスープミックスは、天然じゃがいも粉に比べ、スープの調合品について最適な糊化性を有する、
xii) 含水量が3.5〜4.5%となるよう仕上げ乾燥され、金属化ポリエステル/ポリエチレンのラミネート袋(200ゲージ)に袋詰めされた上記調合品に基づくインド産ディルのインスタントスープミックスは、相対湿度65%、室温で最大8ヶ月の貯蔵寿命を有する、
xiii) 冷水でもどし(スープミックス:冷水=1:10〜12)、攪拌し、沸騰させた前記スープミックスが、優れた色、味、風味および濃度ならびに全体的な品質を有する。
【実施例1】
【0052】
新鮮なインド産ディル2.35kgを根から分離するように切りとり、葉と茎の部分をやわらかいものと成熟して固くなったものとに手作業で分別した。用意された材料を水道水でよく洗い、ステンレス製ナイフで4〜5センチの長さに切断した。切片を0.5%の重炭酸ナトリウムを含む溶液(薄片:溶液=1:2)に、室温で20分間浸漬した。浸漬した葉の水気を切り、1平方メートル当たり3kgの割合でアルミニウム製トレイの上に広げ、熱風乾燥機を使って40℃で乾燥させ、材料の重量を150gまで減少させた。乾燥させた葉を目の粗さが500μmのハンマーミルで粉末にし、この粉末(145g)をスープミックスの調合に使用した。
【0053】
新鮮なじゃがいも20kgを洗って研磨皮剥き機で皮を剥き、その後ステンレス製の皮むき機を使って余分な部分を取り除いた。皮を剥いたじゃがいも(17.75kg)は、1cmの立方刃を有する角切り用機械に入れるまで水にさらしておいた。じゃがいもを角切りにした。角切りにしたじゃがいも(17.75)を穴のあいたアルミニウム製トレイに入れ、70〜75℃のオートクレーブで20分間調理し、その後15℃で20分間冷却した。冷却したじゃがいもを再び85℃で20分間調理し、その後シグマミキサーですりつぶした。2000ppmのメタ重亜硫酸カリウム、0.05%の濃縮乳漿タンパク、0.05%のグルタミン酸1ナトリウムをすりつぶしたじゃがいもに加えた。すりつぶしたじゃがいもを蒸気圧6バール、ドラムスピード4rpmによりローラー乾燥させた。乾燥させたフレーク(3.7kg)を回収し、目の粗さが500μmのハンマーミルで製粉した。上記の方法で調製したドラム乾燥させたじゃがいも粉(3.65kg)のピーク粘度は328cp、高温ペースト粘度は253cp、低温ペースト粘度は399cpである。
【0054】
新鮮なピンクたまねぎ(9kg)の上と下の部分を切り落として皮を剥き、スライサーで薄切りにした。薄切りにしたたまねぎ(8kg)を65℃の熱風乾燥機で4時間乾燥させ、脱水薄切りたまねぎを得た。乾燥薄切りたまねぎ(0.800kg)を目の粗さが500μmのハンマーミルで粉末にした。この粉末(kg)を調合品に使用した。スープミックスに使用されるその他の成分である脱脂粉乳、塩、砂糖、硬化油脂、小麦粉、とうもろこし粉、こしょう粉、マルトデキストリンなどは、市販のものを使用した。スープミックスの調合品は、個々の成分について以下の比率で調合される。脱脂粉乳:とうもろこし粉:じゃがいも粉:小麦粉:マルトデキストリン:油脂:粉末ディル:塩:砂糖:たまねぎ:こしょう=20:15:11.75:12.5:12.5:7.5:5:6:2.5:1.75。油脂重量ベースで200ppm程度のtert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)を加えた。製品に熱風乾燥機で仕上げ乾燥を行い、含水量が3.6%の製品を得た。スープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度、低温ペースト粘度はそれぞれ、127、107、186cpであった。
【実施例2】
【0055】
実施例1で説明されたインド産ディルの粉末および粉末たまねぎを以下の実施例で使用した。
【0056】
新鮮なじゃがいも13.25kgを洗って研磨皮剥き機で皮を剥き、その後ステンレス製の皮むき機を使って余分な部分を取り除いた。皮を剥いたじゃがいも(11.26kg)は、1cmの立方刃を有する角切り用機械に入れるまで、水にさらしておいた。じゃがいもは角切りにされた。角切りにされたじゃがいも(11.26)を穴のあいたアルミニウム製トレイに入れ、酵素を不活性化するためにオートクレーブで4分間ブランチングした。冷却後、じゃがいもを2000ppmのKMS溶液に、室温で20分間浸漬した。じゃがいもの水気を切り、これを機械乾燥機を使って65℃±2℃で6〜8時間乾燥させた。乾燥させた角切りじゃがいも(2.39kg)を、目の粗さが500μmのハンマーミルで粉末にした。上記の方法で調製したじゃがいも粉(2.28kg)のピーク粘度は363cp、高温ペースト粘度は360cp、低温ペースト粘度は518cpである。
【0057】
スープミックスに使用されるその他の成分である脱脂粉乳、塩、砂糖、硬化油脂、小麦粉、とうもろこし粉、こしょう粉、マルトデキストリンなどは、市販のものを使用した。スープミックスの調合品は個々の成分について以下の比率で調合される。脱脂粉乳:とうもろこし粉:じゃがいも粉:小麦粉:マルトデキストリン:油脂:粉末ディル:塩:砂糖:たまねぎ:こしょう=20:15:11.75:12.5:12.5:7.5:5:6:2.5:1.75。油脂重量ベースで200ppm程度のtert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)を加えた。製品に熱風乾燥機で仕上げ乾燥を行い、含水量3.6%、限界水分11%、油脂9.5%、遊離脂肪酸3.36mg/g、過酸化物価:なし、ハンター色度値(L、a、b)がL:73.0、a:−4.137、b:16.13、総平板計数:18750/g、イースト菌およびかび:なし、大腸菌:なし、の製品を得た。スープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度、低温ペースト粘度はそれぞれ、145、126、228cpであった。ソース(スープミックス)の還元力870U/gを有するフェノール含有量4.5mg/gに関する抗酸化値。
【実施例3】
【0058】
実施例1で説明されたインド産ディルの粉末および粉末たまねぎを以下の実施例で使用した。調合品には天然のじゃがいも粉が使用された。
【0059】
スープミックスに使用されるその他の成分である脱脂粉乳、塩、砂糖、硬化油脂、小麦粉、とうもろこし粉、こしょう粉、マルトデキストリンなどは、市販のものを使用した。スープミックスの調合品は個々の成分について以下の比率で調合される。脱脂粉乳:とうもろこし粉:じゃがいも粉:小麦粉:マルトデキストリン:油脂:粉末ディル:塩:砂糖:たまねぎ:こしょう=20:15:11.75:12.5:12.5:7.5:5:6:2.5:1.75。油脂重量ベースで200ppm程度のtert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)を加えた。製品に熱風乾燥機で仕上げ乾燥を行い、含水量が3.6%の製品を得た。スープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度、低温ペースト粘度はそれぞれ、182、167、291cpであった。
【実施例4】
【0060】
実施例1で説明されたインド産ディルの粉末および粉末たまねぎ、ならびに実施例2で説明されたじゃがいも粉を使用した。スープミックスに使用されるその他の成分である脱脂粉乳、塩、砂糖、硬化油脂、小麦粉、とうもろこし粉、こしょう粉、マルトデキストリンなどは、市販のものを使用した。スープミックスの調合品は個々の成分について以下の比率で調合される。脱脂粉乳:じゃがいも粉:マルトデキストリン:油脂:粉末ディル:塩:砂糖:たまねぎ:こしょう=20:39.5:12.5:7.5:5:6:2.5:1.75。油脂重量ベースで200ppm程度のtert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)を加えた。製品に熱風乾燥機で仕上げ乾燥を行い、含水量が3.6%の製品を得た。スープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度、低温ペースト粘度はそれぞれ、133、130、208cpであった。
【0061】
スープミックスの調合品は、変性じゃがいもでんぷんを除き、上記成分を使って製造された。調合品には、ピーク粘度が634cp、高温ペースト粘度が604cp、低温ペースト粘度が662cpの天然じゃがいも粉が使用された。スープミックスのピーク粘度は182cp、高温ペースト粘度は167cp、低温ペースト粘度は291cpとなった。
【0062】
実施例に従い調製されたスープを100人のスープ愛好家に試食してもらった。スープを試食した100人のうち、70%は大変おいしいと言い、10%はおいしいと言い、15%は許容できると言い、5%は意見がなかった。
【0063】
主な利点:
1. インド産ディルまたはソーワは整腸剤のほか、駆風薬、解熱剤および止血剤などの医薬的特性で知られている。
2. スープミックスは、フェノール含有量4.5mg/g、ソース(スープミックス)の還元力870U/gと、優れた抗酸化特性を有する。
3. スープは食事における前菜として重要な役割を有する。
4. 乾燥スープミックスとすることで、貯蔵寿命が長くなる。
5. スープ粉末と冷水を1:10から1:12の割合で混合すれば簡単にもどすことができる。提供する前にこれを攪拌して沸騰させる。
6. 本発明により調製される製品は、色、濃度、味および全体的な品質について、優れた感覚的品質を有する。
7. 本発明により調製され、金属化PET/ポリラミネート袋に袋詰めされた製品は、室温で8ヶ月を超える優れた貯蔵安定性を有し、その感覚的特長が影響を受けることもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i) 汚れを取り除いたインド産ディルの葉を4〜5センチの長さに切断する工程、
(ii) 前記工程(i)の葉の切片を0.5〜1.0%の重炭酸ナトリウムを含む溶液に20〜40分間浸漬する工程、
(iii) 前記工程(ii)で浸漬した葉の切片を、40〜50℃の範囲の温度の熱風で乾燥させる工程、
(iv) 前記工程(iii)で乾燥させた葉の切片を粉末にし、目の粗さが約400〜600μmのふるいにかける工程、
(v) ドラム乾燥、キャビネット乾燥および日干しされた角切りじゃがいもと、乾燥させた刻んだたまねぎとを粉末にし、目の粗さが約500μmのふるいにかける工程、
(vi) 脱脂粉乳:とうもろこし粉:じゃがいも粉:小麦粉:マルトデキストリン:油脂:粉末ディル:塩:砂糖:たまねぎ:こしょうを、それぞれ10〜20:12〜15:10〜12:10〜14:10〜14:3〜8:3〜6:3〜5:3〜7:2〜4:1〜2.5(w/w)の割合で混合しスープミックスを得る工程、
(vii) 前記工程(vi)のスープミックスを含水量が3〜5%になるまで乾燥させ、インスタントスープ混合物を得る工程を含む、インド産ディル(アネサムソーワ(Anethum sowa))を用いたインスタントスープミックスの製造方法。
【請求項2】
前記工程(ii)において、葉の切片と溶液との割合が、1:2である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程(v)において、前記じゃがいもおよびたまねぎが、ドラム乾燥、キャビネット乾燥および日干しからなる群から選択される乾燥方法により乾燥される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記じゃがいものドラム乾燥が、以下の工程で行われる請求項3に記載の方法。
(i) 前記じゃがいもを角切りにする工程、
(ii) 前記工程(a)のじゃがいもを70〜75℃でオートクレーブ中で約15〜20分間調理し、その後12〜17℃で約15〜20分間冷却する工程、
(iii) 前記工程(ii)で冷却したじゃがいもを、75〜85℃の範囲の温度で約15〜20分間調理する工程、
(iv) 前記工程(iii)で調理したじゃがいもをミックスチャーですりつぶす工程、
(v) 1500〜2500mg/kgの範囲のメタ重亜硫酸カリウム、0.02〜0.09%の範囲の濃縮乳漿タンパクおよび0.05〜0.1%の範囲のグルタミン酸1ナトリウムを前記すりつぶしたじゃがいもに加える工程、
(vi) 前記工程(v)ですりつぶしたじゃがいもを乾燥させて製粉し、目の粗さが400〜600μmの範囲のふるいにかけ、じゃがいも粉を得る工程。
【請求項5】
前記じゃがいものキャビネット乾燥が、以下の工程で行われる請求項4に記載の方法。
(i) 前記じゃがいもを角切りにする工程、
(ii) 前記工程(i)のじゃがいもを、酵素を不活性化するために約3〜8分間オートクレーブで処理し、その後冷却する工程、
(iii) 前記工程(ii)のじゃがいもに、1500〜2500mg/kgの範囲のメタ重亜硫酸カリウムを10〜30分間加える工程、
(iv) 前記工程(iii)で冷却したじゃがいもを、60〜70℃の範囲の温度で約6〜8時間乾燥させる工程、
(v) 前記工程(iv)で乾燥させたじゃがいもを製粉し、目の粗さが400〜600μmのふるいにかけ、じゃがいも粉を得る工程。
【請求項6】
前記たまねぎの乾燥および製粉が、以下の工程で行われる請求項4に記載の方法。
(i) 皮を剥いたたまねぎを薄切りにする工程、
(ii) 前記工程(i)の薄切りたまねぎを55〜65℃の範囲の温度の熱風で乾燥させ、脱水薄切りたまねぎを得る工程、
(iii) 前記工程(ii)の脱水薄切りたまねぎを製粉し、目の粗さが400〜600μmのふるいにかけ、粉末たまねぎを得る工程。
【請求項7】
前記工程(vi)において、ドラム乾燥させたじゃがいも粉を使用したスープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度および低温ペースト粘度が、それぞれ127、107、186cpである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記工程(vi)において、スープミックスにキャビネット乾燥させたじゃがいも粉を使用した前記スープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度および低温ペースト粘度が、それぞれ145、126、288cpである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記工程(vi)において、スープミックスに天然のじゃがいも粉を使用した前記スープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度および低温ペースト粘度が、それぞれ182、167、291cpである請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(vi)において、スープミックスにとうもろこし粉および小麦粉のかわりにキャビネット乾燥させたじゃがいも粉を使用した、前記スープミックスのピーク粘度、高温ペースト粘度および低温ペースト粘度が、それぞれ133、130、208cpである請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記工程(vi)において、前記スープミックスが、150〜250ゲージの厚さを有する金属化ポリエステル/ポリエチレンのラミネート袋に袋詰めされ、相対湿度65%、室温で最大8ヶ月の貯蔵寿命を有する請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記工程(vii)において、冷水でもどし(スープミックス:冷水=1:10〜12)、攪拌し、沸騰させると前記スープミックスが、優れた色、味、風味および濃度ならびに全体的な品質を有する請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記インスタントスープミックスが、自由流動性を有し、含水量が3〜5%、限界水分が9〜13%、油脂が8〜9.5%、遊離脂肪酸が約3.36mg/g、過酸化物価が0、ハンター色度値(L、a、b)がL:73.0、a:−4.137、b:16.13、総平板計数が約18750/gであり、イースト菌およびかびが存在しない、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
請求項1の方法に記載のインスタントスープミックス。
【請求項15】
前記スープが自由流動性を有し、含水量が3〜5%、限界水分が9〜13%、油脂が8〜9.5%、遊離脂肪酸が約3.36mg/g、過酸化物価が0、ハンター色度値(L、a、b)がL:73.0、a:−4.137、b:16.13、総平板計数が約18750/gであり、イースト菌およびかびが存在しない、請求項15に記載のインスタントスープミックス。

【公表番号】特表2007−527196(P2007−527196A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514346(P2005−514346)
【出願日】平成15年12月27日(2003.12.27)
【国際出願番号】PCT/IB2003/006190
【国際公開番号】WO2005/070233
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(595059872)カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ (81)
【Fターム(参考)】