説明

インバータスタック

【課題】ファンブロックをインバータ本体から離脱させる際に、ボルト部材が落下することを防止することができるインバータスタックを提供すること。
【解決手段】インバータ本体30と、インバータ本体30の上部に係合手段を介して配設されたファンブロック40とを備え、係合手段は、インバータ本体30の上部前面に形成された左右方向が長手方向となる長孔331を前方側から貫通し、長孔331を貫通した胴部60aが長孔331よりも大きい板金部材61に形成された貫通孔611を貫通する態様で板金部材61に固定されたナット612に螺合するとともに、先端部60bに脱落防止用ナット62が固定されたボルト部材60と、ファンブロック40の下部前面に形成され、かつボルト部材60の頭部60cの外径よりも大径となる脱着孔部411と、頭部60cの外径よりも小径となる締付孔部412とが連続する態様で形成された係合孔41とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータスタックに関し、より詳細には、配電盤に配設されてインバータ装置を構成するインバータスタックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インバータ装置として、底部にキャスタを有するインバータスタックと、このインバータスタックを正面側より進入させて収納する配電盤とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−123539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には明確に示されてはいないが、従来のインバータ装置を構成するインバータスタックは、内部にインバータ回路が収納された筐体であるインバータ本体と、内部にインバータ本体に空気を送出するための複数のファンが収納された箱状のファンブロックとを備えたもので、ボルト部材で締結することでファンブロックをインバータ本体の上部に配設するものであった。
【0005】
このような構成を有するインバータスタックでは、ボルト部材の締め付け力を解除して該ボルト部材を取り外すことで、ファンブロックをインバータ本体から離脱することが可能であった。
【0006】
しかしながら、ボルト部材を取り外す必要があったため、メンテナンス作業等においてファンブロックをインバータ本体から離脱させる際に、ボルト部材がインバータ本体の内部や配電盤の内部に落下してしまう虞れがあった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、ファンブロックをインバータ本体から離脱させる際に、ボルト部材が落下することを防止することができるインバータスタックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るインバータスタックは、内部にインバータ回路が収納された筐体であるインバータ本体と、前記インバータ本体の上部に係合手段を介して配設され、内部にインバータ本体に空気を送出するための複数のファンが収納された箱状のファンブロックとを備えたインバータスタックにおいて、前記係合手段は、前記インバータ本体の上部前面に形成された左右方向が長手方向となる長孔を前方側から貫通し、この長孔を貫通した胴部が該長孔よりも大きい板金部材に形成された貫通孔を貫通する態様で該板金部材に固定されたナット部材に螺合するとともに、先端部に脱落防止用ナットが固定されたボルト部材と、前記ファンブロックの下部前面に形成され、かつ前記ボルト部材の頭部の外径よりも大径となる脱着孔部と、前記ボルト部材の頭部の外径よりも小径となる締付孔部とが連続する態様で形成された係合孔とを備え、前記ボルト部材の胴部が前記係合孔の締付孔部を貫通する状態で該ボルト部材が締め付けられる場合には、前記インバータ本体に前記ファンブロックを係合する一方、前記ボルト部材の締め付け力が解除されて該ボルト部材が前記係合孔に対して相対的に左右方向に沿ってスライド移動することで前記胴部が前記係合孔の脱着孔部を貫通する場合には、前記ファンブロックが前方側に引き出されることで前記インバータ本体から離脱することを許容することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係るインバータスタックは、上述した請求項1において、前記係合手段は、前記インバータ本体の上部後方側において前方に向けて突出する突片と、前記ファンブロックの後面に形成され、かつ前記突片が相対的に挿通することを許容する係止孔とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に係るインバータスタックは、上述した請求項1又は請求項2において、前記係合手段は、前記インバータ本体の上部後方側に配設され、かつ前記ファンブロックの後面の下端部より後方に向けて延在する後延部を自身の弾性復元力にて押さえつける板バネ部材を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、係合手段は、インバータ本体の上部前面に形成された左右方向が長手方向となる長孔を前方側から貫通し、この長孔を貫通した胴部が該長孔よりも大きい板金部材に形成された貫通孔を貫通する態様で該板金部材に固定されたナット部材に螺合するとともに、先端部に脱落防止用ナットが固定されたボルト部材と、ファンブロックの下部前面に形成され、かつボルト部材の頭部の外径よりも大径となる脱着孔部と、ボルト部材の頭部の外径よりも小径となる締付孔部とが連続する態様で形成された係合孔とを備えている。そして、係合手段は、ボルト部材の胴部が係合孔の締付孔部を貫通する状態で該ボルト部材が締め付けられる場合には、インバータ本体にファンブロックを係合する一方、ボルト部材の締め付け力が解除されて該ボルト部材が係合孔に対して相対的に左右方向に沿ってスライド移動することで胴部が係合孔の脱着孔部を貫通する場合には、ファンブロックが前方側に引き出されることでインバータ本体から離脱することを許容するので、インバータスタックが設置される収納域の幅が狭い場合にもファンブロックをインバータ本体から離脱させることが可能で、ファンブロックの取出作業を容易に行うことができる。特に、ボルト部材の先端部に脱落防止用ナットが固定してあるので、ボルト部材の締め付け力を解除した場合でもボルト部材が落下することがない。従って、ファンブロックをインバータ本体から離脱させる際に、ボルト部材が落下することを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態であるインバータスタックが適用されるインバータ装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示したインバータ装置を構成するインバータスタックが運搬用カートに搬送される場合を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示したインバータ装置に適用される運搬用カートを前方側から見た場合を示す斜視図である。
【図4】図4は、図1及び図2に示したインバータ装置に適用される運搬用カートを後方側から見た場合を示す斜視図である。
【図5】図5は、運搬用カートを配電盤に近接させた状態を拡大して示す斜視図である。
【図6】図6は、図1及び図2に示した配電盤におけるインバータスタックが収納する収納底部を示す斜視図である。
【図7】図7は、図6に示した収納底部の要部を拡大して示す斜視図である。
【図8】図8は、図6に示した配電盤の収納底部を側方から見た場合を示す説明図である。
【図9】図9は、図1及び図2に示したインバータ装置を構成するインバータスタックを示す斜視図である。
【図10】図10は、インバータ本体の上面の構成を示す説明図である。
【図11】図11は、ファンブロックの構成を示す斜視図である。
【図12】図12は、ファンブロックをインバータ本体に配設する手順を説明する説明図である。
【図13】図13は、ファンブロックをインバータ本体に配設する手順を説明する説明図である。
【図14】図14は、ファンブロックをインバータ本体に配設する手順を説明するものであり、その要部を前方側から見た場合を示す拡大断面図である。
【図15】図15は、ファンブロックをインバータ本体に配設する手順を説明するものであり、その要部を側方から見た場合を示す拡大断面図である。
【図16】図16は、ファンブロックをインバータ本体に配設する手順を説明するものであり、その要部を側方から見た場合を示す拡大断面図である。
【図17】図17は、インバータ本体の上部に配設したファンブロックの正面図である。
【図18】図18は、インバータ本体の上部に配設したファンブロックの要部の拡大断面側面図である。
【図19】図19は、インバータ本体の上部に配設したファンブロックの要部の分解斜視図である。
【図20】図20は、ファンブロックをインバータ本体から取り外す手順を説明するための説明図である。
【図21】図21は、ファンブロックをインバータ本体から取り外す手順を説明するための正面図である。
【図22】図22は、ファンブロックをインバータ本体から取り外す手順を説明するための説明図である。
【図23】図23は、インバータスタックと配電盤との入力側の接続状態を示す斜視図である。
【図24】図24は、図23に示す要部を拡大して示す拡大斜視図である。
【図25】図25は、インバータスタックと配電盤との入力側の接続状態の解除を示す斜視図である。
【図26】図26は、インバータスタックと配電盤との出力側の接続状態を示す斜視図である。
【図27】図27は、図26に示した出力中継バーを構成する第2出力中継バーを示す斜視図である。
【図28】図28は、図26に示した出力中継バーを構成する第2出力中継バーを取り外した状態を示す側面図である。
【図29】図29は、下部フレームの構成を示す説明図である。
【図30】図30は、下部フレームの変形例の構成を示す説明図である。
【図31】図31は、第1出力中継ユニットを示す正面図である。
【図32】図32は、第1出力中継ユニットを示す側面図である。
【図33】図33は、第1出力中継ユニットを前方側から見た斜視図である。
【図34】図34は、第1出力中継ユニットを後方側から見た斜視図である。
【図35】図35は、第2出力中継ユニットを示す正面図である。
【図36】図36は、第2出力中継ユニットを示す側面図である。
【図37】図37は、第2出力中継ユニットを前方側から見た斜視図である。
【図38】図38は、第2出力中継ユニットを後方側から見た斜視図である。
【図39】図39は、図31〜図34に示した第1出力中継ユニットを取り付けた状態を示す説明図である。
【図40】図40は、図35〜図38に示した第2出力中継ユニットを取り付けた状態を示す説明図である。
【図41】図41は、図31〜図34に示した第1出力中継ユニットに適用可能なアタッチメント部材を前方側から見た斜視図である。
【図42】図42は、図31〜図34に示した第1出力中継ユニットに適用可能なアタッチメント部材を後方側から見た斜視図である。
【図43】図43は、図41及び図42に示したアタッチメント部材を適用した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るインバータスタックの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態であるインバータスタックが適用されるインバータ装置を示す斜視図である。ここで例示するインバータ装置は、インバータスタック10と配電盤50とを備えて構成してある。インバータスタック10は、内部にインバータ回路を備えるものであり、図2に示すように運搬用カート1により運搬され、対象となる配電盤50に設置されるものである。
【0015】
図3及び図4は、それぞれ図1及び図2に示したインバータ装置に適用される運搬用カート1を示すものであり、図3は、運搬用カート1を前方側から見た場合を示す斜視図であり、図4は、運搬用カート1を後方側から見た場合を示す斜視図である。
【0016】
これら図3及び図4に示すように、運搬用カート1は、複数(例えば4つ)のカート用キャスタ1aを備える基台2に、支持面3と、レールガイド(ガイド部材)4と、固定板金(固定支持部材)5と、把持部6とが設けられて構成してある。
【0017】
支持面3は、基台2の上面において鋼板等により構成されたものであり、インバータスタック10の底部に設けられたキャスタ10aが転動可能な面である。この支持面3は、インバータスタック10を載置した状態で支持するものである。かかる支持面3は、図5に示すように、配電盤50におけるインバータスタック10の2つの載置面51、すなわちインバータスタック10のキャスタ10aが転動可能な面と同一の高さレベルを有している。
【0018】
このような支持面3には、突出部3aが設けてある。突出部3aは、支持面3の後縁部より後方に突出する態様で形成された板状部である。この突出部3aの左右幅の大きさは、配電盤50における2つの載置面51間の距離に適合しており、図5に示すように、突出部3aは、運搬用カート1を正面側より近接させる場合に、載置面51間に形成された配電盤50の進入部52に進入することで水平方向の位置決めを行うものである。
【0019】
レールガイド4は、支持面3の左右両端において前後方向に沿って延在する長尺板状体である。これらレールガイド4は、ネジ等により支持面3に固定してある。このようなレールガイド4は、支持面3に載置した状態で支持されたインバータスタック10を配電盤50に向けて移動させる場合に、インバータスタック10のキャスタ10aの転動をガイドするものであり、インバータスタック10が左右方向にずれることを規制するものである。
【0020】
固定板金5は、支持面3の前方側において基台2から立設する態様で設けられた板状体である。この固定板金5には、複数(例えば2つ)のネジ孔5aが形成してある。これらネジ孔5aは、支持面3にインバータスタック10が載置した状態で支持されている場合に、該インバータスタック10の下部前面に形成されたネジ孔10bに対応してそれぞれ設けてある。これにより、インバータスタック10が支持面3に支持されている場合に、固定板金5のネジ孔5a及びインバータスタック10のネジ孔10bの双方に前方側よりネジN1を挿通させ、かかるネジN1を軸心回りに回転させて締め付けることにより、固定板金5はインバータスタック10と締結される。
【0021】
つまり、固定板金5は、支持面3に支持されるインバータスタック10にネジN1等の締結部材を介して締結されることで該インバータスタック10を固定支持するものである。
【0022】
把持部6は、基台2に左右一対となる態様で形成されたものである。これら把持部6は、長尺棒状体であるパイプを適宜屈曲させ、かつそれぞれの両端を基台2に溶接等で接続することにより構成したもので、利用者、すなわちインバータスタック10の搬送者が把持するためのものである。尚、図3及び図4中の符号7は、ストッパであり、把持部6に設けてある。
【0023】
このような運搬用カート1の支持面3に載置して支持するインバータスタック10を、図2に示すように設置対象となる配電盤50の正面側まで搬送し、その後に運搬用カート1を配電盤50に近接させて突出部3aを配電盤50の所定の進入部52に進入させることで位置決めを行う。そして、固定板金5及びインバータスタック10のネジ孔5b,10bを挿通するネジN1を取り除いて固定板金5とインバータスタック10との締結を解除し、インバータスタック10を移動させて配電盤50の正面側より進入させることで、図1に示すように配電盤50に収納させることができる。
【0024】
図6は、図1及び図2に示した配電盤50におけるインバータスタック10が収納する収納底部を示す斜視図であり、図7は、図6に示した収納底部の要部を拡大して示す斜視図であり、図8は、図6に示した配電盤50の収納底部を側方から見た場合を示す説明図である。これら図6〜図8に示すように、配電盤50は、出力中継端子53を備えている。
【0025】
出力中継端子53は、複数(例えば3つ)設けてあり、U相の出力中継端子53、V相の出力中継端子53及びW相の出力中継端子53がそれぞれインバータスタック10の進入方向、すなわち前後方向に沿って延在し、かつ碍子54を介して並列に並ぶ態様で配電盤50の収納底部に設けてある。これら出力中継端子53は、それぞれの背面側端部531が下方に屈曲しており、各背面側端部531に例えばモータ等の負荷に接続された出力電線55が取り付けられている。また、出力中継端子53は、それぞれの正面側端部532には、貫通孔532aが形成してあるとともに該貫通孔532aに対応する下面にナット532bが固定支持してある。
【0026】
これら出力中継端子53は、収納されるインバータスタック10の底部よりも下方に位置しており、より詳細には、インバータスタック10のキャスタ10aよりも高さレベルが低い位置にある。
【0027】
図9は、図1及び図2に示したインバータ装置を構成するインバータスタック10を示す斜視図である。インバータスタック10は、下部フレーム20と、インバータ本体30と、ファンブロック40とを備えて構成してある。下部フレーム20は、インバータスタック10の底部を構成するものであり、上述したキャスタ10aを有している。この下部フレーム20は、詳細は後述するが、複数のフレーム材21が直方体の各辺を成す態様でネジ止め等により連結されてなるものである。
【0028】
インバータ本体30は、内部にインバータ回路等の種々の回路を内蔵する筐体である。このインバータ本体30の上面には、図10に示すように、開口31が形成してある。このような開口31を形成するインバータ本体30の上面の後縁部32には、前方に向けて突出する2つの突片321が形成してある。また、この後縁部32には、板バネ部材322がネジ等により締結することで固定してある。かかる板バネ部材322は、その先端部322aが下方に向けて屈曲した形状を成しており、かかる先端部322aが後縁部32に形成された矩形状の貫通孔323に上方から進入している。
【0029】
また、上記インバータ本体30においては上記開口31を形成する上面に接続する上部前面33に、左右方向が長手方向となる2つの長孔331が形成してある。かかる長孔331には、前方側よりボルト部材60の胴部60aが貫通しており、該長孔331を貫通する胴部60aは、長孔331よりも大きい長尺板状体である板金部材61に形成された貫通孔611を貫通する態様で該板金部材61に固定されたナット612に螺合している。また、図10には図示していないが、このボルト部材60の先端部60bは、脱落防止用ナット62が固定してある(図18及び図19参照)。
【0030】
ファンブロック40は、インバータ本体30の上部に配設されており、内部にインバータ本体30に対して空気を送出するための複数のファンFが収納された箱状のものである。このファンブロック40は、図11に示すように、上面及び下面が開口した直方体状を成すものである。
【0031】
このようなファンブロック40においては、係合孔41、フランジ42及び係止孔43が形成してある。係合孔41は、ファンブロック40における下部前面、すなわちファンブロック40における前面の下端部から前方に延在した延在端部より下方に延在する部分の前面に複数(例えば2つ)形成してある。これら係合孔41は、ボルト部材60の頭部60cよりも大径となる脱着孔部411と、該ボルト部材60の頭部60cよりも小径となる締付孔部412とが連続する態様で形成されたダルマ孔である。
【0032】
フランジ42は、ファンブロック40における下面開口40aを形成する左右の下側縁部の後方側において、下方に向けて延在する態様で形成してある。係止孔43は、ファンブロック40の後面に形成されており、上記突片321の挿通を許容する大きさを有している。
【0033】
このようなファンブロック40は、次のようにしてインバータ本体30に係合して配設される。図12に示すように、ボルト部材60の頭部60cが係合孔41の脱着孔部411を相対的に貫通する態様でファンブロック40を前方側から後方に向けてインバータ本体30の上面をスライド移動させる。その際、ファンブロック40のフランジ42は、図13及び図14に示すように、インバータ本体30の開口31を形成する上面の上側縁部34よりも内方に位置しており、スライド移動するファンブロック40が左右方向に必要以上にずれることを規制している。
【0034】
そして、図15に示すように、インバータ本体30の突片321がファンブロック40の係止孔43に相対的に挿通し、図16に示すように、ファンブロック40の後面の下端部より後方に向けて延在する後延部44を板バネ部材322の先端部322aが自身の弾性復元力で押さえつけることで、ファンブロック40の後方側は、インバータ本体30に係合する。
【0035】
その後、ボルト部材60をその頭部60cが脱着孔部411から締付孔部412に移動するよう左右方向に沿って変位させ、かかるボルト部材60を締め付けることにより、図17〜図19に示すように、ファンブロック40の前方側は、インバータ本体30に係合する。これにより、ファンブロック40をインバータ本体30の上部に配設することができる。
【0036】
一方、このようなファンブロック40は、インバータ本体30から次のようにして取り外される。図20に示すように、ファンブロック40に取り付けてあるコネクタCNを外してボルト部材60の締め付け力を解除する。その後、図21に示すように、ボルト部材60をその頭部60cが締付孔部412から脱着孔部411に移動するよう左右方向に沿って変位させる。そして、図22に示すように、ファンブロック40を前方側に引き出すことで、ファンブロック40は、インバータ本体30から取り外される。
【0037】
つまり、インバータ本体30とファンブロック40との間においては、ボルト部材60、係合孔41、突片321、係止孔43、板バネ部材322がインバータ本体30に対してファンブロック40を係合させる係合手段を構成している。特に、ボルト部材60及び係合孔41は、ボルト部材60の胴部60aが係合孔41の締付孔部412を貫通する状態で該ボルト部材60が締め付けられる場合には、インバータ本体30にファンブロック40を係合する一方、ボルト部材60の締め付け力が解除されて該ボルト部材60が係合孔41に対して相対的に左右方向に沿ってスライド移動することで胴部60aが係合孔41の脱着孔部411を貫通する場合には、ファンブロック40が前方側に引き出されることでインバータ本体30から離脱することを許容している。
【0038】
このような構成を有するインバータスタック10は、次のようにして配電盤50に収納されて設置されている。
【0039】
図23は、インバータスタック10と配電盤50との入力側の接続状態を示す斜視図であり、図24は、図23に示す要部を拡大して示す拡大斜視図である。これら図23及び図24に示すように、インバータスタック10は、インバータ本体30に設けられた2つの入力端子35が、それぞれ入力中継バー70を介して配電盤50の入力側端子56に連結されている。
【0040】
入力中継バー70は、板状部材であり、上端部が配電盤50の対応する入力側端子56と締結部材Tを介して締結されるとともに、下端部がインバータスタック10の対応する入力端子35と締結部材Tを介して締結されることで、上述したように入力側端子56と入力端子35とを連結するものである。
【0041】
そして、それぞれの入力中継バー70においては、締結部材Tであるボルトが貫通する孔部71には共通の側部(右側部若しくは左側部)に連通する切欠72が形成されている。
【0042】
このように入力中継バー70の孔部71には切欠72が形成されていることから、図25に示すように、締結部材Tの締め付け力を解除することで該締結部材Tを取り外さなくても入力中継バー70を離脱させることができる。
【0043】
図26は、インバータスタック10と配電盤50との出力側の接続状態を示す斜視図である。この図26や上述した図8にも示すように、インバータ本体30に設けられた図示せぬ3つの出力端子が、それぞれ出力中継バー73を介して配電盤50の出力中継端子53の正面側端部532に連結されている。ここで、出力中継バー73は、3つ設けてあり、U相の出力端子とU相の出力中継端子53とを連結するもの、V相の出力端子とV相の出力中継端子53とを連結するもの、W相の出力端子とW相の出力中継端子53とを連結するものがある。
【0044】
このような出力中継バー73の構成は、それぞれ同様の構成を有しており、第1出力中継バー731と第2出力中継バー732とを備えている。第1出力中継バー731は、上下方向に沿って延在するものであり、上端部が対応する出力端子に連結されている。
【0045】
第2出力中継バー732は、図27に示すように、縦断面形状がL字状を成しており、より詳細には、基部7321と先端部7322とを有している。基部7321は、上下方向に沿って延在し、かつインバータスタック10の底部より下方に突出する部位であり、その上端部が第1出力中継バー731の下端部と締結部材Tを介して締結してある。先端部7322は、基部7321の下端部より前方に向けて延在する部位であり、対応する出力中継端子53の正面側端部532に締結部材Tを介して締結してある。つまり、配電盤50に設けられた出力中継端子53は、背面側端部531にモータ等の負荷に接続された出力電線55が取り付けられ、かつ正面側端部532が、インバータスタック10の出力端子に連結されるとともに該インバータスタック10の底部より下方に突出する出力中継バー73と締結部材Tを介して締結されるものである。
【0046】
このような第2出力中継バー732においては、基部7321における締結部材Tが挿通する挿通孔7321a、並びに先端部7322における締結部材Tが挿通する挿通孔7322aが、締結部材Tの外径よりも拡径となるよう形成してある。
【0047】
これにより、基部7321の挿通孔7321aで左右方向及び上下方向の寸法公差を吸収することが可能となり、また先端部7322の挿通孔7321aで左右方向及び前後方向の寸法公差を吸収することが可能となる。
【0048】
また、上記出力中継バー73においては、図28に示すように、第2出力中継バー732を第1出力中継バー731及び対応する出力中継端子53の双方から取り外すことで、インバータスタック10の駆動を検査するインバータ単体立ち上げを実施することができる。
【0049】
上記出力中継バー73は、インバータスタック10の下部フレーム20を貫通する態様で設けられることとなるから、該下部フレーム20は、図29に示すように、出力中継バー73に貫通される四周枠の一辺を構成するフレーム材21、すなわち前方側上辺を構成するフレーム材21及び前方側下辺を構成するフレーム材21が、例えばステンレス等の非磁性体により形成され、その他のフレーム材21が、板金等により形成されるものである。
【0050】
このように出力中継バー73が貫通する四周枠の一辺を構成するフレーム材21が非磁性体により形成されることで、渦電流の発生を規制することができる。
【0051】
尚、図29においては、出力中継バー73に貫通される四周枠の一辺として、前方側上辺を構成するフレーム材21及び前方側下辺を構成するフレーム材21が非磁性体により形成されるものとしたが、本実施の形態の下部フレーム20においては、図30に示すように、前方側上辺を構成するフレーム材21と前方側下辺を構成するフレーム材21とを連結する左右一対の前方側縦辺を構成する縦フレーム材22とからなる下部フレーム20の前方部23を例えばステンレス等の非磁性体により形成されるものとしても良い。
【0052】
このような構成においても、出力中継バー73が貫通する四周枠の一辺を構成するフレーム材21が非磁性体により形成されることで、渦電流の発生を規制することができる。
【0053】
上記インバータ装置においては、出力中継バー73を出力中継部として、U相の出力端子とU相の出力中継端子53とを連結するもの、V相の出力端子とV相の出力中継端子53とを連結するもの、W相の出力端子とW相の出力中継端子53とを連結するものを示したが、本実施の形態においては、かかる出力中継バー73の代わりに第1出力中継ユニット80及び第2出力中継ユニット90のうち択一的に選択されたものを出力中継部として用いるようにしても良い。
【0054】
図31〜図34は、それぞれ第1出力中継ユニット80を示すものであり、図31は正面図、図32は側面図、図33は前方側から見た斜視図、図34は後方側から見た斜視図である。
【0055】
ここで例示する第1出力中継ユニット80は、3つの出力中継バー81と固定金82とを備えている。3つの出力中継バー81は、それぞれU相の出力端子とU相の出力中継端子53とを連結するもの、V相の出力端子とV相の出力中継端子53とを連結するもの、W相の出力端子とW相の出力中継端子53とを連結するものである。
【0056】
これら3つの出力中継バー81は、第1出力中継バー811と第2出力中継バー812とを備えている。第1出力中継バー811は、上下方向に沿って延在するものであり、上端部が対応する出力端子に連結可能なものである。第2出力中継バー812は、縦断面形状がL字状を成しており、より詳細には、基部8121と先端部8122とを有している。基部8121は、上下方向に沿って延在し、その上端部が第1出力中継バー811の下端部と締結部材Tを介して締結してある。先端部8122は、基部8121の下端部より前方に向けて延在する部位であり、対応する出力中継端子53の正面側端部532に締結部材Tを介して締結可能なものである。そして、第2中継バーにおいては、基部8121における締結部材Tが挿通する挿通孔(図示せず)、並びに先端部8122における締結部材Tが挿通する挿通孔8122aが、締結部材Tの外径よりも拡径となるよう形成してある。
【0057】
固定金82は、板金を適宜屈曲加工して構成したものであり、3つの出力中継バー81とは、絶縁部材である樹脂80aを介して一体的に連結してユニット化されている。このような固定金82は、インバータスタック10に固定するためのものである。尚、図31〜図34の符号83は、ホールCTであり、電流検知を行うものである。
【0058】
このような第1出力中継ユニット80は、3つの出力中継バー81を有していることから、出力端子からの三相の出力をそのまま出力中継端子53に出力可能なものである。
【0059】
図35〜図38は、それぞれ第2出力中継ユニット90を示すものであり、図35は正面図、図36は側面図、図37は前方側から見た斜視図、図38は後方側から見た斜視図である。
【0060】
ここで例示する第2出力中継ユニット90は、1つの出力中継バー91と固定金92とを備えている。出力中継バー91は、第1出力中継バー911と第2出力中継バー912とを備えている。第1出力中継バー911は、上下方向に沿って延在するものであり、上端部が3つの出力端子に連結可能なものである。
【0061】
第2出力中継バー912は、縦断面形状がL字状を成しており、より詳細には、基部9121と先端部9122とを有している。基部9121は、上下方向に沿って延在し、その上端部が第1出力中継バー911の下端部と締結部材Tを介して締結してある。先端部9122は、基部9121の下端部より前方に向けて延在する部位であり、いずれかの出力中継端子53の正面側端部532に締結部材Tを介して締結可能なものである。そして、第2出力中継バー912においては、基部9121における締結部材Tが挿通する挿通孔(図示せず)、並びに先端部9122における締結部材Tが挿通する挿通孔9122aが、締結部材Tの外径よりも拡径となるよう形成してある。
【0062】
固定金92は、板金を適宜屈曲加工して構成したものであり、出力中継バー91とは、絶縁部材である樹脂90aを介して一体的に連結してユニット化されている。このような固定金92は、インバータスタック10に固定するためのものである。尚、図35〜図38の符号93は、ホールCTであり、電流検知を行うものである。
【0063】
このような第2出力中継ユニット90は、1つの出力中継バー91を有していることから、出力端子からの三相の出力を、U相、V相及びW相のいずれかの単相として出力中継端子53に出力可能なものである。
【0064】
そして、図39に示すように、インバータスタック10の下部フレーム20に固定金82を介して固定し、各出力中継バー81と、出力端子及び出力中継端子53とを締結することで第1出力中継ユニット80を出力中継部として用いても良いし、図40に示すように、インバータスタック10の下部フレーム20に固定金92を介して固定し、出力中継バー91と、各出力端子及びいずれかの出力中継端子53とを締結することで第2出力中継ユニット90を出力中継部として用いても良い。
【0065】
以上説明したように、上記運搬用カート1においては、インバータスタック10を載置した状態で支持する支持面3が設置対象となる配電盤50におけるインバータスタック10の載置面51と同じ高さレベルを有しており、この支持面3より外方に突出する態様で設けられた突出部3aが配電盤50における載置面51間に形成された進入部52に進入することで水平方向の位置決めを行うので、従来用いたリフタのように高い位置合わせ精度を必要としない。しかもリフタのように支持台を上下方向に沿って移動させる機構等を必要としない。従って、上記運搬用カート1によれば、コストの低減化を図りながら、より簡単にインバータスタック10を配電盤50に設置することができる。
【0066】
また、上記運搬用カート1によれば、支持面3上においてインバータスタック10の移動可能な方向に沿って配設されたレールガイド4が、インバータスタック10を移動させる場合に移動方向に対して左右方向にずれることを規制するので、該インバータスタック10の設置作業を良好に行うことができる。
【0067】
更に、上記運搬用カート1によれば、支持面3より立設する固定板金5が、該支持面3に支持されるインバータスタック10にネジN1等の締結部材を介して締結されることで該インバータスタック10を固定支持するので、運搬中にもインバータスタック10が落下してしまうことを防止することができる。
【0068】
また更に、上記運搬用カート1によれば、把持部6が支持面3を備えた基台2に左右一対となる態様で設けられているので、狭い通路等においてもインバータスタック10を良好に運搬することが可能である。
【0069】
上記インバータスタック10においては、ボルト部材60の胴部60aが係合孔41の締付孔部412を貫通する状態で該ボルト部材60が締め付けられる場合には、インバータ本体30にファンブロック40を係合する一方、ボルト部材60の締め付け力が解除されて該ボルト部材60が係合孔41に対して相対的に左右方向に沿ってスライド移動することで胴部60aが係合孔41の脱着孔部411を貫通する場合には、ファンブロック40が前方側に引き出されることでインバータ本体30から離脱することを許容するので、インバータスタック10が設置される収納域の幅が狭い場合にもファンブロック40をインバータ本体30から離脱させることが可能で、ファンブロック40の取出作業を容易に行うことができる。特に、インバータスタック10によれば、ボルト部材60の先端部60bに脱落防止用ナット62が固定してあるので、ボルト部材60の締め付け力を解除した場合でもボルト部材60が落下することがない。従って、ファンブロック40をインバータ本体30から離脱させる際に、ボルト部材60が落下することを防止することができる。
【0070】
また、上記インバータスタック10によれば、ファンブロック40をインバータ本体30の上部に配設する場合に、インバータ本体30の突片321をファンブロック40の係止孔43に挿通させており、更にファンブロック40の後延部44をインバータ本体30に取り付けた板バネ部材322で押し付けているので、ファンブロック40を後方に押し込むのみで良く、ファンブロック40の設置作業を良好なものとすることができる。
【0071】
上記インバータ装置においては、出力中継端子53が、インバータスタック10を収納する収納底部に該インバータスタック10の進入方向に沿って延在する態様で設けられており、その背面側端部531にモータ等の負荷に接続された出力電線55が取り付けられ、かつその正面側端部532が、インバータスタック10の出力端子に連結されるとともに該インバータスタック10の底部より下方に突出する出力中継バー73と締結部材Tを介して締結されているので、出力中継端子53と出力中継バー73との締結を解除するだけで、インバータスタック10と配電盤50との出力側の接続状態を解除できる。従って、上記インバータ装置によれば、インバータスタック10を配電盤50から簡単に取り外すことができる。
【0072】
また、上記インバータ装置によれば、入力中継バー70が、共通の側部に連通する切欠72が形成された孔部71にボルト等の締結部材Tを挿通させるので、締結部材Tの締め付け力を解除することで該締結部材Tを取り外さなくても入力中継バー70を離脱させることができ、インバータスタック10と配電盤50との入力側の接続状態を解除することができる。従って、これによってもインバータスタック10を配電盤50から簡単に取り外すことができる。
【0073】
更に、上記インバータ装置によれば、インバータスタック10を構成する下部フレーム20は、出力中継バー73に貫通される四周枠の一辺を構成するフレーム材21が非磁性体により形成されているので、渦電流の発生を規制することができ、これにより渦電流の発生等による加熱及び振動を防止することができる。また、下部フレーム20のその他のフレーム材21は板金等で構成されているので、すべてのフレーム材をステンレス等の非磁性体で形成するのに比して製造コストを低下させることができる。従って、渦電流の発生等による加熱及び振動を防止しつつ、製造コストの低減化を図ることができる。尚、出力中継バー73を伝達する電流量により下部フレーム20に渦電流が生じないことが明らかであれば、非磁性体のフレーム材21を板金等の磁性体で形成したフレーム材に交換しても良い。このように渦電流が生じないことが明らかな場合には、下部フレーム20を構成するフレーム材21をすべて磁性体で構成することで運用コストの低減化を図ることができる。
【0074】
また更に、上記インバータ装置によれば、出力中継バー73の代わりに出力中継部として、第1出力中継ユニット80及び第2出力中継ユニット90のうち択一的に選択されたものを用いることができるので、インバータスタック10と配電盤50とを連結する出力端子構成の変更を簡単に行うことができる。
【0075】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更を行うことができる。
【0076】
上述した実施の形態では、出力中継部として第1出力中継ユニット80及び第2出力中継ユニット90のうち択一的に選択されたものを用いるようにしたが、本発明では、第1出力中継ユニット80の変形例として、次のようなアタッチメント部材84を有するものを用いても良い。
【0077】
図41及び図42は、それぞれ図31〜図34に示した第1出力中継ユニット80に適用可能なアタッチメント部材84を示すものであり、図41は前方側から見た斜視図、図42は後方側から見た斜視図である。ここで例示するアタッチメント部材84は、3つの出力中継アタッチメントバー85を備えている。
【0078】
これら3つの出力中継アタッチメントバー85は、第1出力中継アタッチメントバー851と第2出力中継アタッチメントバー852とを備えている。第1出力中継アタッチメントバー851は、上下方向に沿って延在する第1基部8511と、この第1基部8511の上端部より右方に向けて延在する右延部8512と、第1基部8511の下端部より左方に向けて延在する左延部8513とを有して成るものであり、第1基部8511が絶縁部材である樹脂84aを介してアタッチメント固定金86に連結してある。
【0079】
第2出力中継アタッチメントバー852は、上下方向に沿って延在する第2基部8521と、この第2基部8521の上端部より後方に延在する後延部8522と、第2基部8521の下端部より前方に延在する前延部8523とを有して成るものであり、後延部8522が第1出力中継アタッチメントバー851の左延部8513に締結部材Tを介して締結してある。
【0080】
このようなアタッチメント部材84は、図43に示すように、アタッチメント固定金86をインバータスタック10の下部フレーム20に固定し、各第2出力中継アタッチメントバー852の前延部8523と、対応する第2出力中継バー812の先端部8122とを締結部材Tを介して締結することで用いられる。
【0081】
このようなアタッチメント部材84を備えた第1出力中継ユニット80を出力中継部として用いることで、顧客の要求や仕様の変更に柔軟に対応することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 運搬用カート
1a カート用キャスタ
2 基台
3 支持面
3a 突出部
4 レールガイド(ガイド部材)
5 固定板金(固定支持部材)
5a ネジ孔
6 把持部
10 インバータスタック
10a キャスタ
20 下部フレーム
21 フレーム材
30 インバータ本体
31 開口
32 後縁部
321 突片
322 板バネ部材
322a 先端部
323 貫通孔
33 上部前面
331 長孔
34 上側縁部
35 入力端子
40 ファンブロック
40a 下面開口
41 係合孔
411 脱着孔部
412 締付孔部
42 フランジ
43 係止孔
44 後延部
50 配電盤
51 載置面
52 進入部
53 出力中継端子
531 背面側端部
532 正面側端部
532a 貫通孔
532b ナット
54 碍子
55 出力電線
56 入力側端子
60 ボルト部材
60a 胴部
60b 先端部
60c 頭部
61 板金部材
611 貫通孔
612 ナット
62 脱落防止用ナット
70 入力中継バー
71 孔部
72 切欠
73 出力中継バー
731 第1出力中継バー
732 第2出力中継バー
7321 基部
7322 先端部
7321a 挿通孔
7322a 挿通孔
80 第1出力中継ユニット
81 出力中継バー
80a 樹脂
811 第1出力中継バー
812 第2出力中継バー
8121 基部
8122 先端部
8122a 挿通孔
82 固定金
84 アタッチメント部材
84a 樹脂
85 出力中継アタッチメントバー
851 第1出力中継アタッチメントバー
8511 第1基部
8512 右延部
8513 左延部
852 第2出力中継アタッチメントバー
8521 第2基部
8522 後延部
8523 前延部
86 アタッチメント固定金
90 第2出力中継ユニット
90a 樹脂
91 出力中継バー
911 第1出力中継バー
912 第2出力中継バー
9121 基部
9122 先端部
9122a 挿通孔
92 固定金
F ファン
T 締結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にインバータ回路が収納された筐体であるインバータ本体と、
前記インバータ本体の上部に係合手段を介して配設され、内部にインバータ本体に空気を送出するための複数のファンが収納された箱状のファンブロックと
を備えたインバータスタックにおいて、
前記係合手段は、
前記インバータ本体の上部前面に形成された左右方向が長手方向となる長孔を前方側から貫通し、この長孔を貫通した胴部が該長孔よりも大きい板金部材に形成された貫通孔を貫通する態様で該板金部材に固定されたナット部材に螺合するとともに、先端部に脱落防止用ナットが固定されたボルト部材と、
前記ファンブロックの下部前面に形成され、かつ前記ボルト部材の頭部の外径よりも大径となる脱着孔部と、前記ボルト部材の頭部の外径よりも小径となる締付孔部とが連続する態様で形成された係合孔と
を備え、
前記ボルト部材の胴部が前記係合孔の締付孔部を貫通する状態で該ボルト部材が締め付けられる場合には、前記インバータ本体に前記ファンブロックを係合する一方、前記ボルト部材の締め付け力が解除されて該ボルト部材が前記係合孔に対して相対的に左右方向に沿ってスライド移動することで前記胴部が前記係合孔の脱着孔部を貫通する場合には、前記ファンブロックが前方側に引き出されることで前記インバータ本体から離脱することを許容することを特徴とするインバータスタック。
【請求項2】
前記係合手段は、
前記インバータ本体の上部後方側において前方に向けて突出する突片と、
前記ファンブロックの後面に形成され、かつ前記突片が相対的に挿通することを許容する係止孔と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインバータスタック。
【請求項3】
前記係合手段は、
前記インバータ本体の上部後方側に配設され、かつ前記ファンブロックの後面の下端部より後方に向けて延在する後延部を自身の弾性復元力にて押さえつける板バネ部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインバータスタック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2013−99113(P2013−99113A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239645(P2011−239645)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】