説明

インピーダンス整合回路、インピーダンス整合方法及び双方向伝送回路

【課題】オープンドレイン出力バッファ間で双方向の伝送を行う際のインピーダンスを整合させて、誤動作することなく高速通信すること。
【解決手段】インピーダンス整合回路は、第1の端子にオープンドレイン出力バッファ、第2の端子に双方向伝送線路が接続され、オープンドレイン出力バッファからの第1の出力信号及び双方向伝送線路からの第2の出力信号を検出する検出回路と、第1の出力信号の電圧の変化が第1の方向であると検出された場合、当該第1の出力信号に負荷抵抗を接続して双方向伝送線路へ出力し、第1の出力信号の電圧の変化が第1の方向とは逆の第2の方向であると検出された場合、当該第1の出力信号にダンピング抵抗を接続して双方向伝送線路へ出力し、第2の出力信号の電圧の変化が検出された場合、当該第2の出力信号に負荷抵抗及びダンピング抵抗のいずれも接続せずにオープンドレイン出力バッファへ出力する抵抗接続回路とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インピーダンス整合回路、インピーダンス整合方法及び双方向伝送回路に関し、特に、オープンドレイン出力バッファ間で双方向の伝送を行うためのインピーダンス整合回路、インピーダンス整合方法及び双方向伝送回路に関する。
【背景技術】
【0002】
オンチップデバッグの通信において、低価格マイコンの端子数削減が進み、デバッグ用の端子が1ピンになるとともに、動作周波数の高速化に伴いデバッグデータの高速伝送化が必要になってきた。
【0003】
オンチップデバッグの通信は、マイコンとICE(In−Circuit Emulator)間でデバッグコマンドやデバッグデータの通信を行うものである。一般的に、オンチップデバッグの通信としては、JTAG(Joint Test Action Group)を使ったものが知られている。しかし、オンチップデバッグの通信に必要なデバッグ端子数は、制御、クロック、データ入力及びデータ出力の4本必要である。そのため、端子数が少ない低価格なマイコンには適さないことから、端子の1ピン化が必要になってきている。
【0004】
ここで、オンチップデバッグ通信の特徴として、マイコンがデータを送出中でもICEからマイコンの動作を強制的に停止させる必要がある。そのため、端子を1ピン化した際には、双方が出力状態になってもデータ伝送が可能なオープンドレイン出力バッファを使用する必要がある。しかし、オープンドレイン出力バッファは、インピーダンス整合が難しく高速伝送には適していないことから20MHz以下の低速なデータ伝送に限られていた。
【0005】
また、低価格マイコンにおいても動作速度の向上が求められてきており、オープンドレイン出力バッファでも高速に信号伝送する技術の要求(必要性)が高まってきた。
【0006】
特許文献1は、インピーダンス整合を容易に図り、信号伝送速度の高速化に適した双方向伝送回路及びバスシステムを提供することを目的としている。
【0007】
図16は、特許文献1にかかる双方向伝送回路の構成を示すブロック図である。図16において、双方向伝送線路105は、信号を双方向に伝送する双方向伝送線路(特性インピーダンスをZoとする)である。図16では、半導体素子IC1とIC2とを接続するデータバスなどの双方向バスにおける1本の線路に関する部分を示している。
【0008】
入出力回路120は、半導体素子IC1の内部に備えられている。入出力回路120は、信号の入出力を行う入出力回路(トランシーバともいう)である。入出力回路120は、出力バッファ(ドライバともいう)101(オン抵抗値をRo1とする)と入力バッファ(レシーバともいう)102からなる。入出力回路121は、半導体素子IC2の内部に備えられている。入出力回路121は、信号の入出力を行う入出力回路である。入出力回路121は、出力バッファ103(オン抵抗値をRo2とする)と、入力バッファ104からなる。
【0009】
切替部106は、双方向伝送線路105と入出力回路120との間を直列終端するかショートするかを切り替える切替部である。切替部106は、直列終端用の抵抗器108(抵抗値をRs1とする)、ショート用のワイヤー線(以下ショート線と呼ぶ)109、スイッチ107からなる。スイッチ107は、入出力回路120の出力時には抵抗器108を接続し、入出力回路120の入力時(または出力時以外)にはショート線109を接続する。
【0010】
切替部110は、双方向伝送線路105と入出力回路121との間を直列終端するかショートするかを切り替える切替部である。切替部110は、直列終端用の抵抗器112(抵抗値をRs2とする)、ショート用のショート線113、スイッチ111からなる。スイッチ111は、入出力回路121の出力時には抵抗器112を接続し、入出力回路121の入力時(または出力時以外)にはショート線113を接続する。
【0011】
ここで、上記抵抗器108は、Rs1=Zo−Ro1で決定される抵抗値を有するものとする。これにより、入出力回路120の出力時(入出力回路121の入力時)には双方向伝送線路105の左端においてインピーダンスを整合させることができる。同様に、抵抗器112は、Rs2=Zo−Ro2により決定される抵抗値を有するものとする。また、ショート線109及び113は、プリント基板上のパターンまたは抵抗値が0Ωの抵抗器であってもよい。
【0012】
特許文献1では、出力バッファ101の動作時は、切替部106のスイッチ107が抵抗器108を選択することで、出力バッファと双方向伝送線路105の間にダンピング抵抗として抵抗器108を挿入する。また、入力バッファ102の動作時は、切替部106のスイッチ107がショート線109を選択することで入力バッファ102と双方向伝送線路を直結することで、出力バッファ動作時に出力バッファ101と双方向伝送線路105のインピーダンスが整合し、信号反射を防ぎ、誤動作を防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−007742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1では、出力バッファ101が出力時にダンピング用の抵抗器108を挿入することで、出力インピーダンスをRo1+Rs1として双方向伝送線路105にインピーダンスマッチングを実現している。ここで、特許文献1において、オンチップデバッグ通信等のように双方の出力バッファを同時に出力する必要性がある場合は、出力バッファ101にオープンドレイン出力バッファを使用する必要がある。しかしながら、特許文献1において、出力バッファ101にオープンドレイン出力バッファを使用する場合には、インピーダンス整合を保てず、信号反射が発生し、誤動作してしまうという問題点がある。
【0015】
その理由を以下に説明する。まず、出力バッファ101にオープンドレイン出力バッファを用いると、出力バッファ101の立ち上がり時の出力インピーダンスが無限大になる。そこで、50Ω程度のプルアップ抵抗(図16に記載なし)を、出力バッファ101と並列接続して、信号131を"high"として出力することが一般的である。
【0016】
つまり、出力バッファ101の出力信号の立ち上がり時には、無限大である出力インピーダンスと、50Ωであるプルアップ抵抗とが並列接続されたこととなる。そのため、信号131の立ち上がり時の出力インピーダンスは、プルアップ抵抗の抵抗値(50Ω)そのものになる。
【0017】
一方、出力バッファ101の出力信号の立ち下がり時には、インピーダンスRo1(20Ω)と、プルアップ抵抗(50Ω)とが並列接続されたこととなる。そのため、信号131の立ち下がり時の出力インピーダンスは、14Ω程度になる。
【0018】
ここで、特許文献1では、上述したように、出力バッファ101の出力時にダンピング用の抵抗器108を直列に挿入する。また、双方向伝送線路105のインピーダンスを例えば、50Ωとする。そして、双方向伝送線路105のインピーダンスと整合を取るためには、信号131の立ち下がり時の出力インピーダンスが14Ω程度であるため、36Ωの抵抗器108を接続し、合計で50Ωとする必要がある。この場合には、双方向伝送線路105のインピーダンスと整合が取れるため、信号反射は発生しない。
【0019】
しかし、この場合、信号131の立ち上がり時の出力インピーダンスが50Ωであるため、36Ωの抵抗器108を接続すると、合計で86Ωとなってしまう。そのため、双方向伝送線路105のインピーダンスに比べて信号131の出力インピーダンスが高くなり、インピーダンス不整合が発生する。
【0020】
以上のことから、特許文献1において、出力バッファ101にオープンドレイン出力バッファを使用する場合には、信号131の立ち上がり時と立ち下がり時において、出力インピーダンスが異なってしまう。そのため、上述した問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の態様にかかるインピーダンス整合回路は、第1の端子にオープンドレイン出力バッファが接続され、第2の端子に双方向伝送線路が接続されたインピーダンス整合回路であって、負荷抵抗と、ダンピング抵抗と、前記負荷抵抗もしくは前記ダンピング抵抗のいずれかを接続するか又はいずれも接続しない抵抗接続回路と、前記オープンドレイン出力バッファからの第1の出力信号及び前記双方向伝送線路からの第2の出力信号を検出する検出回路と、を有し、前記抵抗接続回路は、前記検出回路により前記第1の出力信号の電圧の変化が第1の方向であると検出された場合、当該第1の出力信号に前記負荷抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、前記検出回路により前記第1の出力信号の電圧の変化が前記第1の方向とは逆の第2の方向であると検出された場合、当該第1の出力信号に前記ダンピング抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、前記検出回路により前記第2の出力信号の電圧の変化が検出された場合、当該第2の出力信号に前記負荷抵抗及び前記ダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記オープンドレイン出力バッファへ出力する。
【0022】
本発明の第2の態様にかかるインピーダンス整合方法は、第1のオープンドレイン出力バッファと第2のオープンドレイン出力バッファとの間で双方向の伝送を行う双方向伝送回路のインピーダンス整合方法であって、前記双方向伝送回路は、負荷抵抗とダンピング抵抗とを有し、前記双方向伝送回路において、前記第1のオープンドレイン出力バッファからの第1の出力信号及び前記第2のオープンドレイン出力バッファからの第2の出力信号を検出し、前記第1の出力信号の電圧の変化が第1の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記負荷抵抗を接続して前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力し、前記第1の出力信号の電圧の変化が前記第1の方向とは逆の第2の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記ダンピング抵抗を接続して前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力し、前記第2の出力信号の電圧の変化を検出した場合、当該第2の出力信号に前記負荷抵抗及び前記ダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記第1のオープンドレイン出力バッファへ出力する。
【0023】
本発明の第3の態様にかかる双方向伝送回路は、第1のオープンドレイン出力バッファと第2のオープンドレイン出力バッファとの間で双方向の伝送を行う双方向伝送回路であって、双方向伝送線路と、第1の端子に前記第1のオープンドレイン出力バッファが接続され、第2の端子に前記双方向伝送線路が接続され、第1の負荷抵抗と、第1のダンピング抵抗と、を有する第1のインピーダンス整合回路と、第3の端子に前記双方向伝送線路が接続され、第4の端子に前記第2のオープンドレイン出力バッファが接続され、第2の負荷抵抗と、第2のダンピング抵抗と、を有する第2のインピーダンス整合回路と、を備え、前記第1のインピーダンス整合回路は、前記第1のオープンドレイン出力バッファからの第1の出力信号及び前記双方向伝送線路からの第2の出力信号を検出し、前記第1の出力信号の電圧の変化が第1の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記第1の負荷抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、前記第1の出力信号の電圧の変化が前記第1の方向とは逆の第2の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記第1のダンピング抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、前記第2の出力信号の電圧の変化を検出した場合、当該第2の出力信号に前記第1の負荷抵抗及び前記第1のダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記第1のオープンドレイン出力バッファへ出力し、前記第2のインピーダンス整合回路は、前記双方向伝送線路からの第3の出力信号及び前記第2のオープンドレイン出力バッファからの第4の出力信号を検出し、前記第4の出力信号の電圧の変化が前記第1の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記第2の負荷抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、前記第4の出力信号の電圧の変化が前記第2の方向であると検出した場合、当該第4の出力信号に前記第2のダンピング抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、前記第3の出力信号の電圧の変化を検出した場合、当該第3の出力信号に前記第2の負荷抵抗及び前記第2のダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力する。
【0024】
上述した本発明の第1乃至第3の態様により、オープンドレイン出力バッファを用いることにより出力インピーダンスが変化した場合でも、オープンドレイン出力バッファから出力される信号の電圧変化に応じて抵抗値を調整することにより、双方向伝送におけるインピーダンスを整合させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、オープンドレイン出力バッファ間で双方向の伝送を行う際のインピーダンスを整合させて、信号反射をなくし、誤動作することなく高速通信を可能とするためのインピーダンス整合回路、インピーダンス整合方法及び双方向伝送回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるオンチップデバッグ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる電圧変化検出回路の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる電流方向検出回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1にかかるデコーダ回路の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態1にかかるプルアップ抵抗選択回路の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態1にかかるダンピング抵抗選択回路の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態1にかかるプルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブルの例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1にかかるマイコン側からICE側へ信号が出力された際のタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施の形態1にかかるICE側からマイコン側へ信号が出力された際のタイミングチャートである。
【図12】本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路の設定状態を説明するための図である。
【図13】本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路の設定状態を説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路の設定状態を説明するための図である。
【図15】本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路の設定状態を説明するための図である。
【図16】関連技術にかかる双方向伝送回路の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0028】
<発明の実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1にかかるオンチップデバッグ装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態1にかかるオンチップデバッグ装置は、マイコン25と、ICE226と、双方向伝送回路302とを備える。双方向伝送回路302には、マイコン25とICE226とが接続されている。
【0029】
マイコン25は、CPU(Central Processing Unit)24と、オンチップデバッグ回路23と、入力バッファ102と、オープンドレイン出力バッファ10とを備える。また、双方向伝送回路302は、インピーダンスマッチング回路300と、双方向伝送線路105と、インピーダンスマッチング回路301とを備える。尚、インピーダンスマッチング回路300及び301の詳細な構成は、図2及び図3を用いて後述する。ICE226は、デバッグ処理回路227と、入力バッファ104と、オープンドレイン出力バッファ210とを備える。
【0030】
マイコン25の回路構成を以下に説明する。CPU24とオンチップデバッグ回路23は、制御信号やトレースデータの入出力を相互に行う。これにより、オンチップデバッグ回路23は、CPU24のプログラムデバッグを行う。また、オンチップデバッグ回路23は、入力バッファ102からデータを入力し、オープンドレイン出力バッファ10へデータを出力する。入力バッファ102は、インピーダンスマッチング回路300から入力信号12によりデータを入力する。オープンドレイン出力バッファ10は、インピーダンスマッチング回路300へ出力信号11によりデータを出力する。
【0031】
ICE226の回路構成を以下に説明する。デバッグ処理回路227は、入力バッファ104からデータを入力し、オープンドレイン出力バッファ210へデータを出力する。入力バッファ104は、インピーダンスマッチング回路301から入力信号212によりデータを入力する。オープンドレイン出力バッファ210は、インピーダンスマッチング回路301へ出力信号211によりデータを出力する。
【0032】
双方向伝送回路302は、オープンドレイン出力バッファ10を含むマイコン25と、オープンドレイン出力バッファ210を含むICE226との間で、方向伝送線路105を介した双方向の伝送を行う。そして、双方向伝送回路302は、オープンドレイン出力バッファ10とオープンドレイン出力バッファ210とを用いることにより生じる出力インピーダンスの変化を、インピーダンスマッチング回路300及び301により整合を取る。
【0033】
図2は、本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路300の構成を示すブロック図である。インピーダンスマッチング回路300は、第1の端子(不図示)にオープンドレイン出力バッファ10を含むマイコン25が接続され、第2の端子(不図示)に双方向伝送線路105が接続されている。インピーダンスマッチング回路300は、プルアップ抵抗器(例えば、後述する図7の抵抗器52)と、ダンピング抵抗器(例えば、後述する図8の抵抗器53)と、検出回路35と、抵抗接続回路36とを備える。尚、プルアップ抵抗器は、負荷抵抗器の一例である。例えば、負荷抵抗器は、プルダウン抵抗器であってもよい。
【0034】
検出回路35は、オープンドレイン出力バッファ10からの第1の出力信号である入出力信号34及び双方向伝送線路105からの第2の出力信号である信号22を検出する。抵抗接続回路36は、検出回路35による検出結果に応じて、プルアップ抵抗器もしくはダンピング抵抗器のいずれかを接続する、又は、プルアップ抵抗器及びダンピング抵抗器のいずれも接続しない。
【0035】
具体的には、抵抗接続回路36は、検出回路35により第1の出力信号の立ち上がりが検出された場合、当該第1の出力信号にプルアップ抵抗器である抵抗器52を接続して双方向伝送線路105へ出力する。また、抵抗接続回路36は、検出回路35により前記第1の出力信号の立ち下がりが検出された場合、当該第1の出力信号にダンピング抵抗器である抵抗器53を接続して双方向伝送線路105へ出力する。また、抵抗接続回路36は、検出回路35により前記第2の出力信号の立ち上がり又は立ち下がりが検出された場合、当該第2の出力信号にプルアップ抵抗器及びダンピング抵抗器のいずれも接続せずにオープンドレイン出力バッファ10へ出力する。
【0036】
検出回路35は、電圧変化検出回路20と、電流方向検出回路21と、デコーダ回路17と、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15とを備える。また、抵抗接続回路36は、プルアップ抵抗選択回路13と、ダンピング抵抗選択回路33とを備える。
【0037】
電圧変化検出回路20は、信号28を入力し、信号28が立ち上がり信号であれば、電圧変化検出信号18をHighとして出力する。また、電圧変化検出回路20は、信号28が立ち下がりであれば、電圧変化検出信号18をLowとして出力する。つまり、電圧変化検出回路20は、第1の出力信号及び第2の出力信号について電圧の変化を検出する。また、電圧変化検出回路20は、検出した電圧の変化を電圧変化検出信号18として出力する。
【0038】
電流方向検出回路21は、信号28及び信号22を入力し、信号28から信号22に電流が流れると、電流方向検出信号19をHighとして出力する。また、電流方向検出回路21は、信号22から信号28に電流が流れると、電流方向検出信号19をLowとして出力する。つまり、電流方向検出回路21は、第1の出力信号及び第2の出力信号について電流が流れる方向を検出する。また、電流方向検出回路21は、検出した電流の方向を電流方向検出信号として出力する。
【0039】
デコーダ回路17は、電圧変化検出信号18と、電流方向検出信号19を入力し、デコード信号(ST1)29と、デコード信号(ST2)30と、デコード信号(ST3)31と、デコード信号(ST4)32を出力する。つまり、デコーダ回路17は、電流方向検出回路21及び電圧変化検出回路20から入力される電流方向検出信号19及び電圧変化検出信号18の変化を表したデコード信号をプルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15に出力する。
【0040】
プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、電流方向検出回路21により検出される電流の方向と、電圧変化検出回路20により検出される電圧の変化に基づき、ダンピング抵抗器とプルアップ抵抗器のそれぞれの選択を制御する選択信号を抵抗接続回路36へ出力する。
【0041】
ここで、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、電流方向検出回路21により検出される電流の方向がオープンドレイン出力バッファ10から双方向伝送線路105であることが検出され、電圧変化検出回路20により第1の出力信号について電圧の変化が立ち上がりであることが検出された場合、プルアップ抵抗器を選択させるように選択信号を出力する。また、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、電流方向検出回路21により検出される電流の方向が双方向伝送線路105からオープンドレイン出力バッファ10であることが検出され、電圧変化検出回路20により第1の出力信号について電圧の変化が立ち下がりであることが検出された場合、ダンピング抵抗器を選択させるように選択信号を出力する。さらに、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、電流方向検出回路21により検出される電流の方向がオープンドレイン出力バッファ10から双方向伝送線路105であることが検出され、電圧変化検出回路20により第1の出力信号について電圧の変化が立ち下がりであることが検出された場合、プルアップ抵抗器及びダンピング抵抗器のいずれも選択させないように選択信号を出力する。さらに、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、電流方向検出回路21により検出される電流の方向が双方向伝送線路105からオープンドレイン出力バッファ10であることが検出され、電圧変化検出回路20により第1の出力信号について電圧の変化が立ち上がりであることが検出されたた場合、プルアップ抵抗器及びダンピング抵抗器のいずれも選択させないように選択信号を出力する。
【0042】
そして、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、デコード信号に応じて、プルアップ抵抗器の接続有無を示す第1の接続有無信号であるプルアップ抵抗選択信号14と、ダンピング抵抗器の接続有無を示す第2の接続有無信号であるダンピング抵抗選択信号16とを選択信号として出力する。
【0043】
すなわち、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、デコード信号(ST1)29、デコード信号(ST2)30、デコード信号(ST3)31及びデコード信号(ST4)32を入力し、プルアップ抵抗選択信号14とダンピング抵抗選択信号16にHigh又はLowの信号を出力する。
【0044】
抵抗接続回路36は、電流方向検出回路21により検出される電流の方向と、電圧変化検出回路20により検出される電圧の変化に基づき、プルアップ抵抗器及びダンピング抵抗器のそれぞれについての接続をするか否かを選択する。また、抵抗接続回路36は、選択信号に応じて、プルアップ抵抗器及びダンピング抵抗器のそれぞれについての接続をするか否かを選択する。
【0045】
ここで、抵抗接続回路36は、プルアップ抵抗選択信号14に応じて、プルアップ抵抗器を接続するか否かを選択するプルアップ抵抗選択回路13と、ダンピング抵抗選択信号16に応じて、ダンピング抵抗器を接続するか否かを選択するダンピング抵抗選択回路33と、を有する。
【0046】
プルアップ抵抗選択回路13は、プルアップ抵抗選択信号14を入力し、プルアップ抵抗選択信号14がHighのとき信号34をプルアップする。また、ダンピング抵抗選択回路33は、ダンピング抵抗選択信号16を入力し、ダンピング抵抗選択信号16がHighのとき信号28と信号34の間にダンピング抵抗を挿入する。
【0047】
図1に戻って説明する。双方向伝送線路105は、マイコン25が出力の時には、信号22を入力信号とし、信号222を出力信号とする。また、双方向伝送線路105は、マイコン25が入力のときには、信号222を入力信号とし、信号22を出力信号とする。
【0048】
図3は、本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路301の構成を示すブロック図である。インピーダンスマッチング回路301は、第3の端子(不図示)に双方向伝送線路105が接続され、第4の端子(不図示)にオープンドレイン出力バッファ210を含むICE226が接続されている。インピーダンスマッチング回路301は、プルアップ抵抗器(例えば、後述する図14の抵抗器252)と、ダンピング抵抗器(例えば、後述する図15の抵抗器253)と、検出回路235と、抵抗接続回路236とを備える。
【0049】
検出回路235は、電圧変化検出回路220と、電流方向検出回路221と、デコーダ回路217と、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル215とを備える。抵抗接続回路236は、プルアップ抵抗選択回路213と、ダンピング抵抗選択回路233とを備える。
【0050】
尚、インピーダンスマッチング回路301の回路構成は、インピーダンスマッチング回路300と同等であり、双方向伝送線路105に対して左右対称に構成要素が配置されており、詳細説明は省略する。
【0051】
また、信号222、信号228及び入出力信号234は、それぞれ図2の信号22、信号28及び入出力信号34に対応する。また、電圧変化検出信号218及び電流方向検出信号219は、図2の電圧変化検出信号18及び電流方向検出信号19に対応する。また、デコード信号(ST1)229、デコード信号(ST2)230、デコード信号(ST3)231及びデコード信号(ST4)232は、図2のデコード信号(ST1)29、デコード信号(ST2)30、デコード信号(ST3)31及びデコード信号(ST4)32に対応する。また、プルアップ抵抗選択信号214及びダンピング抵抗選択信号216は、図2のプルアップ抵抗選択信号14及びダンピング抵抗選択信号16に対応する。
【0052】
図4は、本発明の実施の形態1にかかる電圧変化検出回路20の構成の一例を示すブロック図である。電圧変化検出回路20は、抵抗器60、61及び62と、コンデンサ63と、アンプ64とを備える。抵抗器60は、10KΩ程度の高い抵抗値である。電圧変化検出回路20は、信号28を抵抗器60でプルアップする。これにより、オープンドレイン出力バッファ10がHighを出力した際に、信号28に立ち上がり信号が入力される。そして、抵抗器61からコンデンサ63に向かって電流が流れる。その後、信号65の電圧が信号66よりも高くなり、電圧変化検出回路20は、電圧変化検出信号18にHighを出力する。
【0053】
また、信号22に立ち下がり信号が入力されると、コンデンサ63から抵抗61に向かって電流が流れる。そして、信号66の電圧が信号65よりも高くなり、電圧変化検出回路20は、電圧変化検出信号18にLowを出力する。尚、電圧変化検出回路220も同様の回路構成であるため、図示及び説明を省略する。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態1にかかる電流方向検出回路21の構成の一例を示すブロック図である。電流方向検出回路21は、抵抗器70及び71と、アンプ72とを備える。電流方向検出回路21は、信号28と信号22を入力する。そして、電流方向検出回路21は、信号28から信号22へ電流が流れると抵抗器70に電位差が発生する。その後、信号74の電位が信号73よりも高くなり、電流方向検出回路21は、信号19にHighを出力する。また、電流が逆に流れると前記動作と逆の動作をし、電流方向検出回路21は、Lowを出力する。尚、電流方向検出回路221も同様の回路構成であるため、図示及び説明を省略する。
【0055】
図6は、本発明の実施の形態1にかかるデコーダ回路17の構成の一例を示すブロック図である。デコーダ回路17は、インバータ80及び81と、アンドゲート82〜85とを備える。デコーダ回路17は、電圧変化検出信号18及び電流方向検出信号19を入力する。そして、電圧変化検出信号18がHigh、かつ、電流方向検出信号19がHighのとき、デコーダ回路17は、デコード信号(ST1)29をHighとして出力する。また、電圧変化検出信号18がLow、かつ、電流方向検出信号19がLowのとき、デコーダ回路17は、デコード信号(ST2)30をHighとして出力する。また、電圧変化検出信号18がHigh、かつ、電流方向検出信号19がLowのとき、デコーダ回路17は、デコード信号(ST3)31をHighとして出力する。また、電圧変化検出信号18がLow、かつ、電流方向検出信号19がHighのとき、デコーダ回路17は、デコード信号(ST3)32をHighとして出力する。尚、デコーダ回路217も同様の回路構成であるため、図示及び説明を省略する。
【0056】
図7は、本発明の実施の形態1にかかるプルアップ抵抗選択回路13の構成の一例を示すブロック図である。プルアップ抵抗選択回路13は、インバータ90と、抵抗器52と、トランジスタ91とを備える。プルアップ抵抗選択回路13は、プルアップ抵抗選択信号14を入力する。そして、プルアップ抵抗選択信号14にHighが入力されると、インバータ90で反転される。これにより、Lowがトランジスタ91に入力され、トランジスタ91がONになる。その後、プルアップ抵抗選択回路13は、入出力信号34を抵抗器52でプルアップする。また、プルアップ抵抗選択信号14にLowが入力されると、前記動作と逆の動作をする。この場合、トランジスタ91がOFFになり、入出力信号34のプルアップは解除される。尚、プルアップ抵抗選択回路213も同様の回路構成であるため、図示及び説明を省略する。
【0057】
図8は、本発明の実施の形態1にかかるダンピング抵抗選択回路33の構成の一例を示すブロック図である。ダンピング抵抗選択回路33は、抵抗器53と、トランジスタ95及び96からなるスイッチと、インバータ97とを備える。ダンピング抵抗選択回路33は、ダンピング抵抗選択信号16にHighが入力されると、トランジスタ95及び96からなるスイッチがOFFになる。これにより、入出力信号34と信号28の間にダンピング用の抵抗器53が挿入される。また、ダンピング抵抗選択信号16にLowが入力されると、トランジスタ95及び96からなるスイッチがONになる。これにより、入出力信号34と信号28をトランジスタ95及び96によりショートする。尚、ダンピング抵抗選択回路233も同様の回路構成であるため、図示及び説明を省略する。
【0058】
図9は、本発明の実施の形態1にかかるプルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15の一例を示す図である。ここでは、まず、デコーダ回路17の動作が次のものであることを前提とする。具体的には、デコーダ回路17は、電圧変化検出信号18がHigh、かつ、電流方向検出信号19がHighの場合、デコード信号(ST1)29のみをHighとして出力する。また、デコーダ回路17は、電圧変化検出信号18がLow、かつ、電流方向検出信号19がLowの場合、デコード信号(ST2)30のみをHighとして出力する。また、デコーダ回路17は、電圧変化検出信号18がHigh、かつ、電流方向検出信号19がLowの場合、デコード信号(ST3)31のみをHighとして出力する。電圧変化検出信号18がLow、かつ、電流方向検出信号19がHighの場合、デコード信号(ST4)32のみをHighとして出力する。
【0059】
そして、図9の例では、デコード信号(ST1)29がHighの場合には、プルアップ抵抗選択信号14がHigh及びダンピング抵抗選択信号16がLowとして出力される。また、デコード信号(ST2)30がHighの場合には、プルアップ抵抗選択信号14がLow及びダンピング抵抗選択信号16がHighとして出力される。デコード信号(ST3)31がHighの場合には、プルアップ抵抗選択信号14がLow及びダンピング抵抗選択信号16がLowとして出力される。デコード信号(ST4)32がHighの場合には、プルアップ抵抗選択信号14がLow及びダンピング抵抗選択信号16がLowとして出力される。すなわち、デコード信号(ST3)31又はデコード信号(ST4)32のいずれかがHighの場合には、インピーダンスマッチング回路300に入力された信号は、プルアップ抵抗器及びダンピング抵抗器に接続せずにそのまま出力される。尚、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル215も同様の構成であるため、図示及び説明を省略する。
【0060】
上述のごとく回路構成を有することで、容易に本発明の実施の形態1にかかる双方向伝送回路302を実現する事が出来る。
【0061】
続いて、本発明の実施の形態1にかかる動作を図10及び図11のタイミングチャートと図12〜図15を用いて説明する。図10及び図11のタイミングチャートは、CPU24のプログラムデバッグ中のある状態を示したものである。
【0062】
図10は、本発明の実施の形態1にかかるマイコン25側からICE226側へ信号が出力された際のタイミングチャートである。時刻T1〜T19は、オンチップデバッグ回路23がデバッグデータをオープンドレイン出力バッファ10、インピーダンスマッチング回路300、双方向伝送線路105、インピーダンスマッチング回路301、入力バッファ104を介してデバッグ処理回路227に出力している状態の時間経過を示す。次に各時刻での動作を説明する。
【0063】
時刻T1においては、オープンドレイン出力バッファ10がLowを出力している状態を示す。時刻T2においては、オープンドレイン出力バッファ10がHighを出力すると、立ち上がり信号が、入出力信号34、ダンピング抵抗選択回路33及び信号28に伝播し、電圧変化検出回路20及び電流方向検出回路21に入力され、信号22に伝播することを示す。
【0064】
時刻T3においては、信号28に立ち上がり信号が入力されると電圧変化検出回路20は、電圧変化検出信号18にHighを出力する。立ち上がり信号が伝播しているため、信号28の電圧が信号22より高くなる。そして、信号28から信号22に電流が流れ、電流方向検出回路21は、電流方向検出信号19にHighを出力することを示す。
【0065】
時刻T4においては、デコーダ回路17は、電圧変化検出信号18にHigh及び電流方向検出信号19にHighを入力する。そして、デコーダ回路17は、デコード信号(ST1)29にHighを出力する。続いて、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、デコード信号(ST1)29のHighを入力する。そして、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、当該テーブルに設定されているプルアップ抵抗選択信号14にHighを出力し、ダンピング抵抗選択信号16にLowを出力する。その後、プルアップ抵抗選択回路13は、プルアップ抵抗選択信号14にHighが入力されたことで、信号34をプルアップ用の抵抗器52でプルアップする。また、ダンピング抵抗選択回路33は、ダンピング抵抗選択信号16にLowが入力され、ダンピング用の抵抗器53をショートに設定することを示す。
【0066】
時刻T5においては、信号22は、双方向伝送線路105を通過し、信号222に伝播し、電流方向検出回路221を介して信号228へ伝播することを示す。
【0067】
時刻T6においては、信号228には立ち上がり信号が伝播しているので、電圧変化検出回路220は、電圧変化検出信号218にHighを出力する。信号222の電圧が信号228よりも高いため、電流が信号222から信号228に流れ、電流方向検出回路221は、電流方向検出信号219にLowを出力することを示す。
【0068】
時刻T7においては、デコーダ回路217は、前記電圧変化検出信号218と電流方向検出信号219を入力する。そして、デコーダ回路217は、デコード信号(ST3)231にHighを出力する。プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル215は、デコード信号(ST3)231のHighを入力し、前記テーブルに設定されているプルアップ抵抗選択信号214にLow、ダンピング抵抗選択信号216にLowを出力する。プルアップ抵抗選択回路213は、プルアップ抵抗選択信号214を入力し、信号234をプルアップしない設定にする。また、ダンピング抵抗選択回路233は、ダンピング抵抗選択信号216を入力し、ダンピング用の抵抗器253をショートすることを示す。
【0069】
以上の動作によりインピーダンスマッチング部300と301は、図12の設定になる。図12は、本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路の設定状態を説明するための図である。
【0070】
時刻T8においては、オープンドレイン出力バッファ10がLowを出力すると、立ち下がり信号が、入出力信号34、ダンピング抵抗選択回路33、信号28に伝播し、電圧変化検出回路20、電流方向検出回路21に入力され、信号22に伝播することを示す。
【0071】
時刻T9においては、信号28に立ち下がり信号が入力されると、電圧変化検出回路20は、電圧変化検出信号18にLowを出力する。立ち下がり信号が伝播しているため、信号22の電圧が信号28より高くなり、信号22から信号28に電流が流れ電流方向検出回路21は、電流方向検出信号19にLowを出力することを示す。
【0072】
時刻T10においては、デコーダ回路17は、電圧変化検出信号18にLow、電流方向検出信号19にLowが入力される。そして、デコーダ回路17は、デコード信号(ST2)30にHighを出力する。プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、デコード信号(ST2)30のHighを入力し、前記テーブルに設定されているプルアップ抵抗選択信号14にLowを出力し、ダンピング抵抗選択信号16にHighを出力する。プルアップ抵抗選択回路13は、プルアップ抵抗選択信号14にLowが入力されたことで、信号34をプルアップしない設定にする。また、ダンピング抵抗選択回路33は、ダンピング抵抗選択信号にHighが入力され、ダンピング用の抵抗器52を挿入することを示す。
【0073】
時刻T11においては、信号22は双方向伝送線路105を通過し、信号222に伝播し、電流方向検出回路221を介して信号228へ伝播することを示す。
【0074】
時刻T12においては、信号228には立ち下がり信号が伝播しているので、電圧変化検出回路220は、電圧変化検出信号218にLowを出力する。信号228の電圧が信号222よりも高いため、電流が信号228から信号222に流れ、電流方向検出回路221は、電流方向検出信号219にHighを出力することを示す。
【0075】
時刻T13においては、デコーダ回路217は、前記電圧変化検出信号218と電流方向検出信号219を入力する。そして、デコーダ回路217は、デコード信号(ST4)232にHighを出力する。プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル215は、デコード信号(ST4)232のHighを入力し、前記テーブルに設定されているプルアップ抵抗選択信号214にLow、ダンピング抵抗選択信号216にLowを出力する。プルアップ抵抗選択回路213は、プルアップ抵抗選択信号214を入力し、信号234をプルアップしない設定にする。また、ダンピング抵抗選択回路233は、ダンピング抵抗選択信号216を入力し、ダンピング用の抵抗器253をショートすることを示す。
【0076】
以上の動作によりインピーダンスマッチング部300と301は、図13の設定になる。図13は、本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路の設定状態を説明するための図である。
【0077】
尚、時刻T14乃至T19は、時刻T2乃至T7と同様であるため、説明を省略する。
【0078】
次に、図11は、本発明の実施の形態1にかかるICE側からマイコン側へ信号が出力された際のタイミングチャートである。時刻T20〜T31は、デバッグ処理回路227がデバッグコマンドをオープンドレイン出力バッファ210、インピーダンスマッチング回路301、双方向伝送線路105、インピーダンスマッチング回路300、入力バッファ102を介してオンチップデバッグ回路23に出力している状態の時間経過を示す。
【0079】
時刻T20においては、オープンドレイン出力バッファ210がLowを出力すると、立ち下がり信号が、入出力信号234、ダンピング抵抗選択回路233、信号228に伝播し、電圧変化検出回路220、電流方向検出回路221に入力され、信号222に伝播することを示す。
【0080】
時刻T21においては、信号228に立ち下がり信号が入力されると、電圧変化検出回路220は、電圧変化検出信号218にLowを出力する。立ち下がり信号が伝播しているため、信号222の電圧が信号228より高くなり、信号222から信号228に電流が流れ、電流方向検出回路221は、電流方向検出信号219にLowを出力することを示す。
【0081】
時刻T22においては、デコーダ回路217は、電圧変化検出信号218がLow、電流方向検出信号219がLowを入力する。そして、デコーダ回路217は、デコード信号(ST2)230にHighを出力する。プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル215は、デコード信号(ST2)230のHighを入力し、前記テーブルに設定されているプルアップ抵抗選択信号214にLowを出力し、前記テーブルに設定されているダンピング抵抗選択信号216にHighを出力する。プルアップ抵抗選択回路213は、プルアップ抵抗選択信号214にLowが入力されたことで、信号234をプルアップしない設定にする。また、ダンピング抵抗選択回路233は、ダンピング抵抗選択信号にHighを入力したことで、ダンピング用の抵抗器253を挿入することを示す。
【0082】
時刻T23においては、信号222は双方向伝送線路105を通過し、信号22に伝播し、電流方向検出回路21を介して信号28へ伝播することを示す。
【0083】
時刻T24においては、信号28には立ち下がり信号が伝播しているので、電圧変化検出回路20は、電圧変化検出信号18にLowを出力する。信号28の電圧が信号22よりも高いため、電流が信号28から信号22に流れ、電流方向検出回路21は、電流方向検出信号19にHighを出力することを示す。
【0084】
時刻T25においては、デコーダ回路17は、前記電圧変化検出信号18と電流方向検出信号19を入力する。そして、デコーダ回路17は、デコード信号(ST4)32にHighを出力する。プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、デコード信号(ST4)32のHighを入力し、前記テーブルに設定されているプルアップ抵抗選択信号14にLowが、ダンピング抵抗選択信号16にLowが出力される。プルアップ抵抗選択回路13は、プルアップ抵抗選択信号14を入力し、信号34をプルアップしない設定にする。また、ダンピング抵抗選択回路33は、ダンピング抵抗選択信号16を入力し、ダンピング用の抵抗器53をショートすることを示す。
【0085】
以上の動作によりインピーダンスマッチング部300と301は、図14の設定になる。図14は、本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路の設定状態を説明するための図である。
【0086】
時刻T26においては、オープンドレイン出力バッファ210がHighを出力すると、立ち上がり信号が、入出力信号234、ダンピング抵抗選択回路233、信号228に伝播し、電圧変化検出回路220、電流方向検出回路221に入力され、信号222に伝播することを示す。
【0087】
時刻T27においては、信号228に立ち上がり信号が入力されると、電圧変化検出回路220は、電圧変化検出信号218にHighを出力する。立ち上がり信号が伝播しているため、信号228の電圧が信号222より高くなり、信号228から信号222に電流が流れ、電流方向検出回路221は、電流方向検出信号219にHighを出力することを示す。
【0088】
時刻T28においては、デコーダ回路217は、電圧変化検出信号218がHigh、電流方向検出信号219がHighを入力する。そして、デコーダ回路217は、デコード信号(ST1)229にHighを出力する。プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル215は、デコード信号(ST1)229のHighを入力し、前記テーブルに設定されているプルアップ抵抗選択信号214にHighを出力し、前記テーブルに設定されているダンピング抵抗選択信号216にLowを出力する。プルアップ抵抗選択回路213は、プルアップ抵抗選択信号214にHighが入力されたことで、信号234をプルアップ用の抵抗器52でプルアップする。また、ダンピング抵抗選択回路233は、ダンピング抵抗選択信号216にLowを入力したことで、ダンピング用の抵抗器253をショートに設定することを示す。
【0089】
時刻T29においては、信号222は双方向伝送線路105を通過し、信号22に伝播し、電流方向検出回路21を介して信号28へ伝播することを示す。
【0090】
時刻T30においては、信号28には立ち上がり信号が伝播しているので、電圧変化検出回路20は、電圧変化検出信号18にHighを出力する。信号22の電圧が信号28よりも高いため、電流が信号22から信号28に流れ、電流方向検出回路21は、電流方向検出信号19にLowを出力することを示す。
【0091】
時刻T31においては、デコーダ回路17は、前記電圧変化検出信号18と電流方向検出信号19を入力する。そして、デコーダ回路17は、デコード信号(ST3)31にHighを出力する。プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル15は、デコード信号(ST3)31のHighを入力し、前記テーブルに設定されているプルアップ抵抗選択信号14にLowが、ダンピング抵抗選択信号16にLowが出力される。プルアップ抵抗選択回路13は、プルアップ抵抗選択信号14を入力し、信号34をプルアップしない設定にする。また、ダンピング抵抗選択回路33は、ダンピング抵抗選択信号16を入力し、ダンピング用の抵抗器53をショートすることを示す。
【0092】
以上の動作によりインピーダンスマッチング部300と301は、図15の設定になる。図15は、本発明の実施の形態1にかかるインピーダンスマッチング回路の設定状態を説明するための図である。
【0093】
また、本発明の実施の形態1は、次のように表現することもできる。すなわち、双方向伝送線路に信号を入出力する双方向伝送回路であり、且つ双方の出力回路から同時に信号を出力する場合が存在する双方向伝送回路に関する発明ということができる。そして、当該双方向伝送回路は、一方から出力された信号を入力し、前記双方向伝送線路のインピーダンスにマッチングさせる第1インピーダンスマッチング部と、他方から同時に出力された信号を入力し、前記双方向伝送線路のインピーダンスにマッチングさせる第2インピーダンスマッチング部とを備える。
【0094】
ここで、前記第1および第2インピーダンスマッチング部は、双方の出力回路から同時に前記双方向伝送線路へ信号を出力した際にそれぞれの側に流れる電流の方向を検出する電流方向検出回路と、同じく前記それぞれの側における電圧の変化を検出する電圧変化検出回路と、前記電流方向検出回路と前記電圧変化検出回路から出力される電圧変化検出信号と電流方向検出信号を入力し、前記それぞれの側の出力信号の変化を表したデコード信号を出力するデコーダ回路と、前記デコーダ回路から出力されたデコード信号を入力し、ダンピング抵抗とプルアップ抵抗のそれぞれの選択を制御する選択信号を出力するプルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブルと、前記選択信号によって制御され、プルアップ抵抗を選択するプルアップ抵抗選択回路とダンピング抵抗を挿入するダンピング抵抗選択回路を有する。
【0095】
前記第1および第2インピーダンスマッチング部は、それぞれ、双方の出力信号の変化を監視する。そして、第1インピーダンスマッチング部は、一方(図1のマイコン25側)の出力信号の立ち上がりを検出すると出力信号にプルアップ抵抗を接続し、立ち下がりを検出するとダンピング抵抗を挿入し、他方(図1のICE226側)の出力信号が立ち上がり又は立ち下がりを検出するとプルアップ抵抗及びダンピング抵抗を挿入しない動作をする。また、他方(図1のICE226側)に接続されたインピーダンスマッチング部は、他方(図1のICE226側)の出力信号の立ち上がりを検出すると出力信号にプルアップ抵抗を接続し、立ち下がりを検出するとダンピング抵抗を挿入し、一方(図1のマイコン25側)の出力信号が立ち上がり又は立ち下がりを検出するとプルアップ抵抗及びダンピング抵抗を挿入しない動作をする。
【0096】
これにより、特許文献1において出力バッファにオープンドレインを使用した場合に、信号反射が発生し、誤動作するという問題点を解決することが出来る。上記問題点を解決する理由について、図12〜図15を用いて以下に説明する。
【0097】
まず、双方向伝送線路に接続されている2つの出力回路の信号変化を監視する。そして、信号の立ち上がり時は、プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブルに従って図12及び図14のようにプルアップ用の抵抗器52及び抵抗器252を挿入し、かつ、ダンピング用の抵抗器53及び抵抗器253をショートする。これにより、オープンドレイン出力バッファ10の出力インピーダンス(無限大Ω)に、プルアップ用の抵抗器52及び抵抗器252の抵抗値50Ωが並列接続されたことになる。この場合、出力インピーダンスは50Ωになり、双方向伝送線路105とインピーダンスマッチングを取ることができる。そのため、入力信号212は、信号反射が発生せず誤動作が発生しない。
【0098】
また、信号の立ち下がり時は、前記テーブルにしたがって図13及び図15のようにプルアップ用の抵抗器52及び抵抗器252を外し、かつ、ダンピング用の抵抗器53及び抵抗器253に30Ωを挿入する。これにより、オープンドレイン出力バッファ10の出力インピーダンス(約20Ω)にダンピング用の抵抗器53及び抵抗器253の抵抗値30Ωが直列接続されたことになる。この場合、前記抵抗値を加算した50Ωになることで、双方向伝送線路105とインピーダンスマッチングを取ることができる。そのため、入力信号212は、信号反射が発生せず、誤動作が発生することなく、高速通信が可能となる。よって、特許文献1により発生する問題を解決する事ができる。
【0099】
以上のことから、本発明の実施の形態1の効果は、通信速度が速いオープンドレインを使った双方向伝送線路でも誤動作が発生しないことである。その理由は、電流方向検出回路と電圧変化検出回路とデコーダ回路とプルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブルとプルアップ抵抗選択回路とダンピング抵抗選択回路を有することで、オープンドレイン出力バッファの信号が、立ち上がり時には出力側に50Ωのプルアップ抵抗器を入れ、立ち下がり時には30Ωのダンピング抵抗器を入れることで、出力インピーダンスが双方向伝送線路のインピーダンスと整合するからである。
【0100】
<その他の発明の実施の形態>
尚、上述したように、本発明の実施の形態1にかかるプルアップ抵抗器は、プルダウン抵抗器に置き換わっても構わない。その場合、上記において第1の出力信号について電圧の変化の方向を「立ち上がり」であるものと検出していた箇所を「立ち下がり」とし、第1の出力信号について電圧の変化の方向を「立ち下がり」であるものと検出していた箇所を「立ち上がり」とすればよい。さらに、本発明の実施の形態1にかかるプルアップ抵抗器は、少なくとも負荷抵抗器であればよい。その場合、「立ち上がり」を第1の方向、「立ち下がり」を第1の方向とは逆の第2の方向と表現することができる。すなわち、抵抗接続回路36は、検出回路35により第1の出力信号の電圧の変化が第1の方向であると検出された場合、当該第1の出力信号に負荷抵抗器を接続して双方向伝送線路105へ出力する。また、抵抗接続回路36は、検出回路35により第1の出力信号の電圧の変化が第2の方向であると検出された場合、当該第1の出力信号にダンピング抵抗器を接続して双方向伝送線路105へ出力する。さらに、抵抗接続回路36は、検出回路35により第2の出力信号の電圧の変化が検出された場合、当該第2の出力信号に負荷抵抗器及びダンピング抵抗器のいずれも接続せずにオープンドレイン出力バッファ10へ出力する。
【0101】
さらに、本発明は、次のようなものであってもよい。第1のオープンドレイン出力バッファと第2のオープンドレイン出力バッファとの間で双方向の伝送を行う双方向伝送回路のインピーダンス整合方法であって、前記双方向伝送回路は、負荷抵抗とダンピング抵抗とを有し、前記双方向伝送回路において、前記第1のオープンドレイン出力バッファからの第1の出力信号及び前記第2のオープンドレイン出力バッファからの第2の出力信号を検出し、前記第1の出力信号の電圧の変化が第1の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記負荷抵抗を接続して前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力し、前記第1の出力信号の電圧の変化が前記第1の方向とは逆の第2の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記ダンピング抵抗を接続して前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力し、前記第2の出力信号の電圧の変化を検出した場合、当該第2の出力信号に前記負荷抵抗及び前記ダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記第1のオープンドレイン出力バッファへ出力する。
【0102】
また、本発明は、双方向伝送線路に信号を入出力する双方向伝送回路に関し、特にマイコンのプログラムをデバッグするオンチップデバッグの技術に関する。
【0103】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0104】
10、210 オープンドレイン出力バッファ
11、211 出力信号
12、212 入力信号
13、213 プルアップ抵抗選択回路
14、214 プルアップ抵抗選択信号
15、215 プルアップ抵抗ダンピング抵抗選択テーブル
16、216 ダンピング抵抗選択信号
17、217 デコーダ回路
18、218 電圧変化検出信号
19、219 電流方向検出信号
20、220 電圧変化検出回路
21、221 電流方向検出回路
22、222 信号
23 オンチップデバッグ回路
24 CPU
25 マイコン
226 ICE
227 デバッグ処理回路
28、228 信号
29、229 デコード信号(ST1)
30、230 デコード信号(ST2)
31、231 デコード信号(ST3)
32、232 デコード信号(ST4)
33、233 ダンピング抵抗選択回路
34、234 入出力信号
35、235 検出回路
36、236 抵抗接続回路
52、53 抵抗器
252、253 抵抗器
60、61、62 抵抗器
63 コンデンサ
64 アンプ
65、66 信号
70、71 抵抗器
72 アンプ
73、74 信号
80,81 インバータ
82、83、84、85 アンドゲート
90 インバータ
91 トランジスタ
95、96 トランジスタ
97 インバータ
101、103 出力バッファ
102、104 入力バッファ
105 双方向伝送線路
106、110 切替部
107、111 スイッチ
108、112 抵抗器
109、113 ショート線
120,121 入出力回路
131 信号
300,301 インピーダンスマッチング回路
302 双方向伝送回路
IC1、IC2 半導体素子
T1〜T31 時刻
Ro1、Ro2 抵抗値
Rs1、Rs2 抵抗値
Zo 特性インピーダンス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子にオープンドレイン出力バッファが接続され、第2の端子に双方向伝送線路が接続されたインピーダンス整合回路であって、
負荷抵抗と、
ダンピング抵抗と、
前記負荷抵抗もしくは前記ダンピング抵抗のいずれかを接続するか又はいずれも接続しない抵抗接続回路と、
前記オープンドレイン出力バッファからの第1の出力信号及び前記双方向伝送線路からの第2の出力信号を検出する検出回路と、を有し、
前記抵抗接続回路は、
前記検出回路により前記第1の出力信号の電圧の変化が第1の方向であると検出された場合、当該第1の出力信号に前記負荷抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記検出回路により前記第1の出力信号の電圧の変化が前記第1の方向とは逆の第2の方向であると検出された場合、当該第1の出力信号に前記ダンピング抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記検出回路により前記第2の出力信号の電圧の変化が検出された場合、当該第2の出力信号に前記負荷抵抗及び前記ダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記オープンドレイン出力バッファへ出力する
ことを特徴とするインピーダンス整合回路。
【請求項2】
前記負荷抵抗は、プルアップ抵抗であり、
前記抵抗接続回路は、
前記検出回路により前記第1の出力信号の立ち上がりが検出された場合、当該第1の出力信号に前記プルアップ抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記検出回路により前記第1の出力信号の立ち下がりが検出された場合、当該第1の出力信号に前記ダンピング抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記検出回路により前記第2の出力信号の立ち上がり又は立ち下がりが検出された場合、当該第2の出力信号に前記プルアップ抵抗及び前記ダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記オープンドレイン出力バッファへ出力することを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス整合回路。
【請求項3】
前記検出回路は、
前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号について電流が流れる方向を検出する電流方向検出回路と、
前記第1の出力信号及び前記第2の出力信号について電圧の変化を検出する電圧変化検出回路と、を有し、
前記抵抗接続回路は、前記電流方向検出回路により検出される電流の方向と、前記電圧変化検出回路により検出される電圧の変化に基づき、前記負荷抵抗及び前記ダンピング抵抗のそれぞれについての接続をするか否かを選択することを特徴とする請求項1又は2に記載のインピーダンス整合回路。
【請求項4】
前記検出回路は、
前記電流方向検出回路により検出される電流の方向と、前記電圧変化検出回路により検出される電圧の変化に基づき、前記ダンピング抵抗と前記負荷抵抗のそれぞれの選択を制御する選択信号を前記抵抗接続回路へ出力する選択テーブルをさらに備え、
前記抵抗接続回路は、前記選択信号に応じて、前記負荷抵抗及び前記ダンピング抵抗のそれぞれについての接続をするか否かを選択することを特徴とする請求項3に記載のインピーダンス整合回路。
【請求項5】
前記選択テーブルは、
前記電流方向検出回路により検出される電流の方向が前記オープンドレイン出力バッファから前記双方向伝送線路であることが検出され、前記電圧変化検出回路により前記第1の出力信号について電圧の変化が前記第1の方向であることが検出された場合、前記負荷抵抗を選択させるように前記選択信号を出力し、
前記電流方向検出回路により検出される電流の方向が前記オープンドレイン出力バッファから前記双方向伝送線路であることが検出され、前記電圧変化検出回路により前記第1の出力信号について電圧の変化が前記第2の方向であることが検出された場合、前記ダンピング抵抗を選択させるように前記選択信号を出力し、
前記電流方向検出回路により検出される電流の方向が前記双方向伝送線路から前記オープンドレイン出力バッファであることが検出された場合、前記負荷抵抗及び前記ダンピング抵抗のいずれも選択させないように前記選択信号を出力することを特徴とする請求項4に記載のインピーダンス整合回路。
【請求項6】
前記電流方向検出回路は、検出した電流の方向を電流方向検出信号として出力し、
前記電圧変化検出回路は、検出した電圧の変化を電圧変化検出信号として出力し、
前記検出回路は、
前記電流方向検出回路及び前記電圧変化検出回路から入力される前記電流方向検出信号及び前記電圧変化検出信号の変化を表したデコード信号を前記選択テーブルに出力するデコーダ回路をさらに備え、
前記選択テーブルは、前記デコード信号に応じて、前記負荷抵抗の接続有無を示す第1の接続有無信号と、前記ダンピング抵抗の接続有無を示す第2の接続有無信号とを前記選択信号として出力し、
前記抵抗接続回路は、
前記第1の接続有無信号に応じて、前記負荷抵抗を接続するか否かを選択する負荷抵抗選択回路と、
前記第2の接続有無信号に応じて、前記ダンピング抵抗を接続するか否かを選択するダンピング抵抗選択回路と、を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のインピーダンス整合回路。
【請求項7】
第1のオープンドレイン出力バッファと第2のオープンドレイン出力バッファとの間で双方向の伝送を行う双方向伝送回路のインピーダンス整合方法であって、
前記双方向伝送回路は、負荷抵抗とダンピング抵抗とを有し、
前記双方向伝送回路において、
前記第1のオープンドレイン出力バッファからの第1の出力信号及び前記第2のオープンドレイン出力バッファからの第2の出力信号を検出し、
前記第1の出力信号の電圧の変化が第1の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記負荷抵抗を接続して前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力し、
前記第1の出力信号の電圧の変化が前記第1の方向とは逆の第2の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記ダンピング抵抗を接続して前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力し、
前記第2の出力信号の電圧の変化を検出した場合、当該第2の出力信号に前記負荷抵抗及び前記ダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記第1のオープンドレイン出力バッファへ出力する
ことを特徴とするインピーダンス整合方法。
【請求項8】
前記負荷抵抗は、プルアップ抵抗であり、
前記第1の出力信号の立ち上がりを検出した場合、当該第1の出力信号に前記プルアップ抵抗を接続して前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力し、
前記第1の出力信号の立ち下がりを検出した場合、当該第1の出力信号に前記ダンピング抵抗を接続して前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力し、
前記第2の出力信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出した場合、当該第2の出力信号に前記プルアップ抵抗及び前記ダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記第1のオープンドレイン出力バッファへ出力することを特徴とする請求項7に記載のインピーダンス整合方法。
【請求項9】
第1のオープンドレイン出力バッファと第2のオープンドレイン出力バッファとの間で双方向の伝送を行う双方向伝送回路であって、
双方向伝送線路と、
第1の端子に前記第1のオープンドレイン出力バッファが接続され、第2の端子に前記双方向伝送線路が接続され、第1の負荷抵抗と、第1のダンピング抵抗と、を有する第1のインピーダンス整合回路と、
第3の端子に前記双方向伝送線路が接続され、第4の端子に前記第2のオープンドレイン出力バッファが接続され、第2の負荷抵抗と、第2のダンピング抵抗と、を有する第2のインピーダンス整合回路と、
を備え、
前記第1のインピーダンス整合回路は、
前記第1のオープンドレイン出力バッファからの第1の出力信号及び前記双方向伝送線路からの第2の出力信号を検出し、
前記第1の出力信号の電圧の変化が第1の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記第1の負荷抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記第1の出力信号の電圧の変化が前記第1の方向とは逆の第2の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記第1のダンピング抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記第2の出力信号の電圧の変化を検出した場合、当該第2の出力信号に前記第1の負荷抵抗及び前記第1のダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記第1のオープンドレイン出力バッファへ出力し、
前記第2のインピーダンス整合回路は、
前記双方向伝送線路からの第3の出力信号及び前記第2のオープンドレイン出力バッファからの第4の出力信号を検出し、
前記第4の出力信号の電圧の変化が前記第1の方向であると検出した場合、当該第1の出力信号に前記第2の負荷抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記第4の出力信号の電圧の変化が前記第2の方向であると検出した場合、当該第4の出力信号に前記第2のダンピング抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記第3の出力信号の電圧の変化を検出した場合、当該第3の出力信号に前記第2の負荷抵抗及び前記第2のダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力する
ことを特徴とする双方向伝送回路。
【請求項10】
前記第1の負荷抵抗は、第1のプルアップ抵抗であり、
前記第1のインピーダンス整合回路は、
前記第1の出力信号の立ち上がりを検出した場合、当該第1の出力信号に前記第1のプルアップ抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記第1の出力信号の立ち下がりを検出した場合、当該第1の出力信号に前記第1のダンピング抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記第2の出力信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出した場合、当該第2の出力信号に前記第1のプルアップ抵抗及び前記第1のダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記第1のオープンドレイン出力バッファへ出力し、
前記第1の負荷抵抗は、第2のプルアップ抵抗であり、
前記第2のインピーダンス整合回路は、
前記第4の出力信号の立ち上がりを検出した場合、当該第4の出力信号に前記第2のプルアップ抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記第4の出力信号の立ち下がりを検出した場合、当該第4の出力信号に前記第2のダンピング抵抗を接続して前記双方向伝送線路へ出力し、
前記第3の出力信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出した場合、当該第3の出力信号に前記第2のプルアップ抵抗及び前記第2のダンピング抵抗のいずれも接続せずに前記第2のオープンドレイン出力バッファへ出力する
ことを特徴とする請求項9に記載の双方向伝送回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−134702(P2012−134702A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284133(P2010−284133)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】