インピーダンス整合装置
【課題】可変コンデンサの調整処理を高速に行うことができるインピーダンス整合装置を提供すること。
【解決手段】 高周波電源Aと負荷Bとの間に接続された第1及び第2可変コンデンサC1,C2と、負荷側Bの反射係数ρの実部Zの大きさに応じた第1検出値(Z’値)と虚部φの大きさに応じた第2検出値(φ値)とを検出する検出部12と、この検出部12で検出した第1検出値に基づいて第1可変コンデンサC1の静電容量値を調整し、第2検出値に基づいて第2可変コンデンサC2の静電容量値を調整する制御部とを備えており、検出部12は、負荷側Bの反射係数ρの実部Zの大きさに応じた値に反射係数ρの大きさに応じた値を加算した値を第1検出値(Z’値)として検出する。
【解決手段】 高周波電源Aと負荷Bとの間に接続された第1及び第2可変コンデンサC1,C2と、負荷側Bの反射係数ρの実部Zの大きさに応じた第1検出値(Z’値)と虚部φの大きさに応じた第2検出値(φ値)とを検出する検出部12と、この検出部12で検出した第1検出値に基づいて第1可変コンデンサC1の静電容量値を調整し、第2検出値に基づいて第2可変コンデンサC2の静電容量値を調整する制御部とを備えており、検出部12は、負荷側Bの反射係数ρの実部Zの大きさに応じた値に反射係数ρの大きさに応じた値を加算した値を第1検出値(Z’値)として検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インピーダンス整合装置に関する。特に、高周波電源と負荷との間のインピーダンスを整合させるインピーダンス整合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体デバイスやFPD(Flat Panel Display)の製造プロセスでは、プラズマを利用してエッチング、堆積、酸化、スパッタリング等の処理を行うプラズマ処理装置が多く使われている。
【0003】
一般にプラズマ処理装置は、高周波電源から高周波電力に入力してプラズマ放電を発生させるプラズマ発生部を備えている。プラズマ発生部では、処理容器または反応室内に一対の電極を平行に配置して電極間に処理ガスを流し込み、高周波電源からの高周波電力を片側の電極に供給する。これにより、両電極間に高周波電界が発生し、この高周波電界により電子を加速させ、電子と処理ガスとの衝突電離によってプラズマを発生させるようにしている。
【0004】
かかるプラズマ処理装置は、高周波電源からプラズマ発生部に供給される高周波電力を最大にするため、高周波電源の出力インピーダンスとプラズマ発生部側の入力インピーダンスとを整合させるインピーダンス整合装置が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−206346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のインピーダンス整合装置では、高周波電源とプラズマ発生部との間に接続された複数の可変コンデンサと、プラズマ生成部側の反射係数に応じた値を検出する検出部とを備えている。そして、検出部により検出された反射係数に応じた値に基づきこれらの可変コンデンサを制御してチャンバーに最大電力を供給している。
【0007】
しかし、従来のインピーダンス整合装置では、検出部により検出された反射係数の実部の大きさに応じた値と虚部の大きさに応じた値とに基づき、以下のように複数の可変コンデンサの調整しているため、制御目標を超えてしまい、静定時間が長くなることがある。
【0008】
ここで、従来のインピーダンス整合装置によるインピーダンスの整合制御について図13を参照して具体的に説明する。
【0009】
従来のインピーダンス整合装置100では、検出部により検出された反射係数ρ(=Z+jφ)の実部Zの大きさに応じた値(以下、「Z値」と呼ぶ。)に基づき可変コンデンサC101の調整を行い、反射係数ρの虚部φの大きさに応じた値(以下、「φ値」と呼ぶ。)に基づき可変コンデンサC102の調整を行っている。
【0010】
ところが、従来のインピーダンス整合装置100では、可変コンデンサC101の静電容量がZ値の整合位置となるp0の前後(例えば、p1〜p2の範囲)において、Z値が図14に示すように、線形性を有していない。そのため、可変コンデンサC101の静電容量の増減方向が分からず、Z値の整合位置から離れていく方向に可変コンデンサC101を制御してしまい、可変コンデンサの調整処理を高速に行うことができないことがあった。
【0011】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、可変コンデンサの調整処理を高速に行うことができるインピーダンス整合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明においては上記課題を解決するために以下の手段を講じた。
【0013】
(1)高周波電源と負荷との間に接続された第1及び第2の可変コンデンサと、前記負荷側の反射係数の実部の大きさに応じた第1検出値と虚部の大きさに応じた第2検出値とを検出する検出部と、前記検出部で検出した前記第1検出値に基づいて前記第1の可変コンデンサを調整し、前記検出部で検出した前記第2検出値に基づいて前記第2の可変コンデンサを調整する制御部と、を備え、前記検出部は、前記負荷側の反射係数の実部の大きさに応じた値に応じた値に前記反射係数の大きさに応じた値を加算した値を前記第1検出値として検出することを特徴とするインピーダンス整合装置とした。
【0014】
(2)上記(1)のインピーダンス整合装置において、前記検出部は、前記高周波電源から前記負荷へ向かう進行波の電力に応じた値から、前記負荷から前記高周波電源へ向かう反射波の電力に応じた値を減算し、当該減算値の平方根を演算し、当該平方根値を前記高周波電源から出力される電圧に応じた値から減算し、当該減算値を、前記第1検出値とするようにした。
【0015】
(3)上記(2)のインピーダンス整合装置において、前記検出部は、前記高周波電源から出力される電圧を検出する出力電圧検出部と、前記出力電圧検出部により検出した電圧を整流する整流器と、前記高周波電源から前記負荷へ向かう進行波の電圧を検出する進行波電圧検出部と、前記負荷から前記高周波電源へ向かう反射波の電圧を検出する反射波電圧検出部と、前記進行波の電圧と前記反射波の電圧を加算する加算器と、前記進行波の電圧から前記反射波の電圧を減算する第1減算器と、前記加算器の出力と前記第1減算器の出力とを乗算する乗算器と、前記乗算器の出力の平方根を演算する平方根演算器と、前記整流器の出力から前記平方根演算器の出力を減算する第2減算器と、を備え、前記第2減算器から前記第1検出値を出力するようにした。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば負荷側の反射係数の実部の大きさに応じた値に反射係数の大きさに応じた値を加算した値に基づいて、可変コンデンサの調整を行うので、各可変コンデンサの調整処理を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るインピーダンス整合装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す制御部の構成を示す図である。
【図3】図1に示す検出部の構成を示す図である。
【図4】図1に示すインピーダンス整合装置の動作を説明するための図である。
【図5】図1に示すインピーダンス整合装置の動作を説明するための図である。
【図6】図1に示すインピーダンス整合装置の特性を説明するための図である。
【図7】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を説明するための図である。
【図8】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を示す図である。
【図9】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を示す図である。
【図10】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を示す図である。
【図11】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を示す図である。
【図12】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を示すスミスチャートである。
【図13】従来のインピーダンス整合装置の概略構成図である。
【図14】従来のインピーダンス整合装置の特性を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
[1.インピーダンス整合装置の概要]
図1に示すように、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10は、高周波電源Aと負荷(本実施形態ではプラズマ発生装置)Bとの間の伝送路の中途部に設置されており、高周波電源Aの出力インピーダンスZoutと負荷B側の入力インピーダンスZinとのインピーダンス整合を行うものである。なお、入力インピーダンスZinとは、図1を使って説明すると、インピーダンス整合装置10の入力端10aより負荷B側の回路全体のインピーダンスのことである。
【0020】
高周波電源Aは、13.56MHzに代表されるRF周波数帯の高周波信号を出力するが、用途に応じて、VHF周波数帯やマイクロ波周波数帯のものなどを使用することができる。
【0021】
負荷Bであるプラズマ処理装置は、処理容器または反応室内に一対の電極を平行に配置して電極間に処理ガスを流し込み、高周波電源Aからの高周波信号を片側の電極に供給する。また、他方の電極は接地されている。これにより、両電極間に高周波電界が発生し、この高周波電界により電子を加速させ、電子と処理ガスとの衝突電離によってプラズマを発生させるようにしている。
【0022】
インピーダンス整合装置10は、高周波電源Aを接続する入力端10aと、負荷Bを接続する出力端10bを備えている。そして、このインピーダンス整合装置10は、入力端10aと出力端10bとの間に位置するインピーダンス整合部11と、負荷B側の反射係数ρの実部Zの大きさに応じた値に反射係数ρの大きさに応じた値を加算した第1検出値(以下、「Z’値」と呼ぶ。)と虚部φの大きさに応じた第2検出値(以下、「φ値」と呼ぶ。)とを検出する検出部12と、インピーダンス整合部11を制御する制御部13とを備えている。
【0023】
インピーダンス整合部11には、高周波電源Aと負荷Bとの間に接続された第1可変コンデンサC1及び第2可変コンデンサC2を有している。第1可変コンデンサC1は、高周波電源Aと負荷Bとの間に直列に接続されており、特に反射係数ρにおける実部Zに影響を及ぼす。また、第2可変コンデンサC2は、高周波電源Aと負荷Bとの間に並列されており、特に反射係数ρにおける虚部φに影響を及ぼす。制御部13は、検出部12で検出したZ’値に基づいて可変コンデンサC1の静電容量値を調整し、検出部12で検出したφ値に基づいて、可変コンデンサC2の静電容量値を調整する。
【0024】
[2.インピーダンス整合装置の具体的構成]
上述したインピーダンス整合装置の具体的構成の一例について、図2及び図3を参照して説明する。
【0025】
図2に示すように、第1及び第2可変コンデンサC1,C2は、それぞれ、静電容量調整用の調節軸33,34を備えており、調節軸33,34を回転させることによって各可変コンデンサC1,C2の静電容量値を調節できるようになっている。
【0026】
制御部13は、第1可変コンデンサC1を駆動するための第1パルスモータ31と、第2可変コンデンサC2を駆動するための第2パルスモータ32とを備えている。第1パルスモータ31は、第1可変コンデンサC1の調節軸33に接続されており、第2パルスモータ32は第2可変コンデンサC2の調節軸34に接続されている。各パルスモータ31,32を駆動するドライバ回路31a,32aはコントローラ14に接続されており、コントローラ14からドライバ回路31a,32aに制御信号を送って各パルスモータ31,32を作動させるようになっている。そして、各パルスモータ31,32を作動させて調節軸33,34の回転位置を所望位置に位置させることで、各可変コンデンサC1,C2の静電容量値を調整可能としている。また、各パルスモータ31,32にはそれぞれの回転位置を検出するエンコーダ31b,32bが備えられており、各エンコーダ31b,32bによって、各調節軸33,34の現在位置を検出できるようになっている。なお、各調節軸33,34に直接エンコーダを設置して各調節軸33,34の現在位置を直接検出するようにしても良い。
【0027】
コントローラ14は、CPU40、ROM41、RAM42、A/D変換器43〜46、D/A変換器47,48を有して構成される。ROM41には制御プログラムが記憶されており、CPU40がROM41に記憶した制御プログラムを読み出して実行することによりコントローラ14としての各種機能を実行する。CPU40は、A/D変換器43〜46を介して、検出部12やエンコーダ31b,32bから各種情報を取得し、D/A変換器47,48を介して第1及び第2可変コンデンサC1,C2の静電容量値を制御する。
【0028】
次に、検出部12の構成について説明する。図3に示すように、検出部12は、電流センサ50、電圧センサ51、整流器52,62,63、減算器54,57,61,64、加算器53,60、乗算器55、平方根演算器56を有している。
【0029】
電圧センサ51によって検出された電圧Vは、整流器52によって整流されて減算器57に入力される。また、電圧センサ51によって検出された進行波の電力の平方根√Pf(以下、「√Pf値」と呼ぶ。)と、反射波の電力の平方根√Pr(以下、「√Pr値」と呼ぶ。)は、加算器53及び減算器54に入力される。なお、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10では、検出部12により、√Pf値として進行波の電圧Vfを検出し、√Pr値として反射波の電圧Vrを検出している。
【0030】
加算器53では、√Pf値と√Pr値との加算値を出力する。また、減算器54では、√Pf値から√Pr値を減算した値を出力する。乗算器55は、加算器53から出力された加算値(√Pf+√Pr)に減算器54から出力された減算値(√Pf―√Pr)を乗算した値を出力する。平方根演算器56は、乗算器55から出力された乗算値(Pf−Pr)の平方根を演算する。減算器57は、整流器52の出力値(|V|)から、平方根演算器56の出力値(√(Pf−Pr))を減算する。この減算器57の出力は、負荷B側の反射係数ρの実部Zに応じた値に反射係数に応じた値を加算した値であり、コントローラ14は減算器57からの出力をZ’値の情報として入力する。
【0031】
また、電流センサ50によって検出された電流Iと電圧センサ51によって検出された電圧Vとは、加算器60で加算されると共に、減算器61により減算される。加算器60からの出力(V+I)は整流器62で整流され、減算器61からの出力(V−I)は整流器63で整流される。減算器64は、整流器62の出力|V+I|から整流器63の出力|V−I|を減算する。減算器64の出力は、反射係数ρの虚部φに比例する値であり、コントローラ14は減算器64からの出力をφ値の情報として入力する。
【0032】
以下、減算器57の出力がZ’値となり、減算器64の出力がφ値となることについて説明する。
【0033】
負荷Bのインピーダンスをzとし、高周波電源Aと負荷Bとの間の伝送路のインピーダンスをrとすると、図3に示す電圧v及び電流iは次のように表現できる。
【数1】
【0034】
さらに以下のように規定される反射係数ρを用いると、電圧v及び電流iは次のように表現できる。
【数2】
【0035】
ここで、反射係数ρは定義から複素数、ρ=Z+jφと表現できる。従って、
【数3】
とすると、最終的に電圧v及び電流iは次のように表現できる。
【数4】
【0036】
電流センサ50は、電流iをビートダウンすることにより電流iの周波数ωcを低周波化して出力し、電流センサ50は、電圧vをビートダウンすることにより電圧vの周波数ωcを低周波化して出力する。このとき、電流センサ50及び電圧センサ51は、一階時間微分をしているため、各々のビートダウン出力を大文字のVとIで表すと次のように表現できる。
【数5】
【0037】
ここでrおよびωは定数であり、Eは共通である。従って、センサ係数を調整して、VとIは次のようにすることができる。
【数6】
【0038】
上記式により、VとIの大きさは、以下の式(1),(2)に示すように表現できる。
【数7】
【0039】
以下、減算器57の出力であるZ’値について説明する。乗算器55に√Pfと√Prの和と差を入力したとき、乗算器55からの出力は次のように表現できる。
【数8】
【0040】
乗算器55の出力(Pf―Pr)を平方根演算器56へ入力して、反射係数ρを考慮すると、平方根演算器56の出力は次のように表現することができる。
【数9】
【0041】
一方、整流器52の出力(|V|)は、上記式(1)から以下のように表現できる。
【数10】
しかし、√の中は負荷インピーダンスで決まってしまうことから、係数Aは実際の進行波の電力Pfの平方根に比例する(A∝√Pf)と考えて良い。従って、
【数11】
としても良いことになる。そのため、係数を調整すれば、最終出力のZ’値は、以下の式(3)に示すように表現することができる。
【数12】
とすることが可能である。
【0042】
負荷Bが整合位置近傍なら|ρ|2=Z2+φ2は1に比べて十分小さいと言えるので、Z’値は以下の式(4)に示すように表現することができる。
【数13】
【0043】
次に、減算器64の出力であるφ値について説明する。加算器60の出力(V+I)と、減算器61の出力(V−I)は、次のように表現できる。
【数14】
【0044】
従って、整流器62の出力|V+I|と、整流器63の出力|V−I|は、次のように表現できる。
【数15】
【0045】
従って、減算器64の出力は、以下のように表現できる。
【数16】
【0046】
ここで、負荷Bが整合位置近傍のときZ2+φ2は1に比べて十分小さいため、k’を係数とすると、
【数17】
となり、φに比例した値を得ることができる。
【0047】
[3.インピーダンス整合装置の具体的動作]
以上のように構成されたインピーダンス整合装置10の具体的動作について図4及び図5を参照して説明する。
【0048】
制御部13は、インピーダンス整合処理を開始すると、図4に示すように、第1パルスモータ31の速度を検出部12から出力されるZ’値に比例した値に設定する(ステップS10)。これにより、第1可変コンデンサC1はZ’値に比例した速度で調整される。
【0049】
次に、制御部13は、第2パルスモータ32の速度を検出部12から出力されるφ値に比例した値に設定する(ステップS11)。これにより、第2可変コンデンサC2はφ値に比例した速度で調整される。
【0050】
次に、制御部13は、検出部12から出力されるZ’値及びφ値に基づき、モータ方向/停止制御処理を実行する(ステップS12)。このモータ方向/停止制御処理は、図5に示すステップS20〜S29の処理であり、後で説明する。この処理が終了すると、制御部13は、処理をステップS10に戻す。
【0051】
図5に示すように、モータ方向/停止制御処理を開始すると、制御部13は、検出部12から出力されるZ’値が整合位置Z0であるか否かを判定する(ステップS20)。このZ0は所定の範囲を有するものであり、この範囲は、実質的にインピーダンス整合を行うことができる範囲である。この処理において、Z’値が整合位置Z0であると判定すると(ステップS20:YES)、制御部13は、第1パルスモータ31を停止する(ステップS21)。これにより、第1可変コンデンサC1の静電容量値の調整処理が停止する。
【0052】
一方、Z’値が整合位置Z0ではないと判定すると(ステップS20:NO)、制御部13は、Z’値がZ0を超えているか否かを判定する。すなわち、Z値が正極性かどうかを判定する(ステップS22)。この処理において、Z’値が整合位置Z0を超えていると判定すると(ステップS22:YES)、制御部13は、第2パルスモータの回転方向を第1可変コンデンサC1の静電容量値が減少する方向に設定する(ステップS23)。一方、Z’値が整合位置Z0を超えておらず、負極性であると判定すると(ステップS22:NO)、制御部13は、第1パルスモータ31の回転方向を第1可変コンデンサC1の静電容量値が増加する方向に設定する(ステップS24)。
【0053】
ステップS21,S23,S24の処理が終了すると、制御部13は、検出部12から出力されるφ値が整合位置φ0であるか否かを判定する(ステップS25)。この処理において、φ値が整合位置φ0であると判定すると(ステップS25:YES)、制御部13は、第2パルスモータ32を停止する(ステップS26)。これにより、第2可変コンデンサC2の静電容量値の調整処理が停止する。
【0054】
一方、φ値が整合位置φ0ではないと判定すると(ステップS25:NO)、制御部13は、φ値が整合位置φ0を超えているか否かを判定する。すなわち、φ値が正極性かどうかを判定する(ステップS27)。このφ0は所定の範囲を有するものであり、この範囲は、実質的にインピーダンス整合を行うことができる範囲である。この処理において、φ値が整合位置φ0を超えていると判定すると(ステップS27:YES)、制御部13は、第2パルスモータの回転方向を第2可変コンデンサC2の静電容量値が減少する方向に設定する(ステップS28)。一方、φ値が整合位置φ0を超えておらず、負極性であると判定すると(ステップS27:NO)、制御部13は、第2パルスモータの回転方向を第2可変コンデンサC2の静電容量値が増加する方向に設定する(ステップS29)。ステップS26,S28,S29の処理が終了すると、制御部13は、モータ方向/停止制御処理を終了する。
【0055】
上述のように構成されたインピーダンス整合装置10は、Z’値に基づいて第1可変コンデンサC1を制御するので、各可変コンデンサC1,C2の調整処理を高速に行うことができる。
【0056】
図6は、インピーダンス整合装置10において、第2可変コンデンサC2の静電容量値を固定したときのシュミュレーション結果であり、横軸に可変コンデンサC1の静電容量値を示す。また、縦軸は、式(3)に示すZ’値の変動(一点鎖線)、式(4)に示す近似Z’値の変動(実線)、φ値の変動(破線)、従来のZ値の変動(二点鎖線)を示す。
【0057】
図6に示すように、Z’値の変動を、可変コンデンサC1,C2の静電容量が整合位置(Z値=0、φ値=0)となるp0の前後(例えば、p1〜p2の範囲)で、線形性を持たせることができ、可変コンデンサC1の静電容量の増減方向が逆転することを抑制できる。そのため、可変コンデンサC1,C2の調整処理を高速に行うことができる。また、近似Z’値の変動も、Z’値の変動と同様に線形性を持たせることができ、可変コンデンサC1,C2の調整処理を高速に行うことができる。
【0058】
ここで、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10と従来のインピーダンス整合装置との調整動作の比較結果を図7〜図11を参照して説明する。ここでは、図7に示すように、500pFの第1可変コンデンサC1と、2000pFの第2可変コンデンサC2を用いた例を説明する。なお、高周波電源Aと負荷Bとの間に1μHのインダクタ成分があり、負荷Bのインピーダンスは、3−j20(Ω)であるとする。
【0059】
図8〜図11に、第1及び第2可変コンデンサC1,C2の静電容量値が以下の(i)〜(iv)にある状態からインピーダンス整合動作を開始したときの比較例を示す。
(i)C1=220pF、C2=1000pF
(ii)C1=220pF、C2=1050pF
(iii)C1=220pF、C2=1200pF
(iv)C1=220pF、C2=1500pF
なお、図8(a),図9(a),図10(a),図11(a)は、従来のインピーダンス整合装置の特性を示し、図8(b),図9(b),図10(b),図11(b)は、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10の特性を示している、
【0060】
上記(i)の条件下では、図8に示すように、インピーダンス整合が完了するまでの整合完了時間に大きな違いはない。しかし、図9〜図11に示すように、上記(ii)〜(iv)の条件下では、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10の方が従来よりも大幅に整合完了時間が短縮されていることが分かる。
【0061】
図12に上記(i)〜(iv)の状態からインピーダンス整合動作を開始したときの比較例をスミスチャートで示す。図12(a)に従来のインピーダンス整合装置における反射係数の変位を示し、図12(b)に本実施形態に係るインピーダンス整合装置10の反射係数の変位を示す。
【0062】
図12に示すように、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10では、反射係数の実部Zや虚部φの変化に無駄がなく、第1及び第2可変コンデンサC1,C2の調整処理が効率的に行うことができる。
【0063】
このように、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10では、Z’値に基づいて第1可変コンデンサC1を制御するので、各可変コンデンサC1,C2の調整処理を高速に行うことができる。
【0064】
また、可変コンデンサC1,C2の静定時間を短縮できるため、負荷Bであるプラズマ発生装置でのプラズマ着火条件を早期に確立することができる。しかも、可変コンデンサC1,C2において機械的に無駄の無い最適の動作が実現できるため、動作機構部品の磨耗寿命を延ばすことができる。
【0065】
本発明を、上述してきた実施形態を通して説明したが、本実施形態によれば、以下の効果が期待できる。
【0066】
(1)インピーダンス整合装置10は、高周波電源Aと負荷Bとの間に接続された第1及び第2可変コンデンサC1,C2と、負荷B側の反射係数ρの実部Zに応じた第1検出値(Z’値)と虚部φの大きさに応じた第2検出値(φ値)とを検出する検出部12と、この検出部12で検出した第1検出値に基づいて第1可変コンデンサC1を調整し、第2検出値に基づいて第2の可変コンデンサC2を調整する制御部13と、を備えている。そして、検出部12は、負荷B側の反射係数ρの実部Zの大きさに応じた値に反射係数ρの大きさに応じた値を加算したZ’値を第1検出値として検出する。このように構成することで、第1及び第2可変コンデンサC1,C2の静電容量が整合位置となるp0の前後(例えば、p1〜p2の範囲)で、線形性を持たせることができ、第1可変コンデンサC1の静電容量の増減方向が逆転することがない。そのため、第1及び第2可変コンデンサC1,C2の調整処理を高速に行うことができる。
【0067】
(2)検出部12は、高周波電源Aから負荷Bへ向かう進行波の電力Pfに応じた値から、負荷Bから高周波電源Aへ向かう反射波の電力Prに応じた値を減算し、当該減算値(Pf−Pr)の平方根を演算し、当該平方根値(√(Pf−Pr))を高周波電源Aから出力される電圧に応じた値|V|から減算し、当該減算値(√(Pf−Pr)−|V|)を、第1検出値としている。このようにすることにより、可変コンデンサC1,C2の静電容量が整合位置の前後で、容易に線形性を持たせることができる。
【0068】
(3)検出部12は、高周波電源Aから出力される電圧V、高周波電源Aから負荷Bへ向かう進行波の電圧Vf、負荷Bから高周波電源Aへ向かう反射波の電圧Vrを検出する電圧センサ51(出力電圧検出部、進行波電圧検出部、射波電圧検出部)と、電圧センサ51により検出した電圧Vを整流する整流器52と、進行波の電圧Vfと反射波の電圧Vrを加算する加算器53と、進行波の電圧Vfから反射波の電圧Vrを減算する減算器54と、加算器53の出力と減算器54の出力とを乗算する乗算器55と、乗算器55の出力の平方根を演算する平方根演算器56と、整流器27の出力から平方根演算器56の出力を減算する減算器57とを備え、減算器57から第1検出値を出力させている。このように進行波や反射波の電圧Vf,Vrを進行波や反射波の電力Pf,Prに替えて検出するようにしているので、検出部12の構成が簡易なものになり、コストの増加を抑制することができる。
【符号の説明】
【0069】
A 高周波電源
B 負荷(プラズマ発生装置)
10 インピーダンス整合装置
11 インピーダンス整合部
12 センサ
13 制御部
C1 第1可変コンデンサ
C2 第2可変コンデンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、インピーダンス整合装置に関する。特に、高周波電源と負荷との間のインピーダンスを整合させるインピーダンス整合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体デバイスやFPD(Flat Panel Display)の製造プロセスでは、プラズマを利用してエッチング、堆積、酸化、スパッタリング等の処理を行うプラズマ処理装置が多く使われている。
【0003】
一般にプラズマ処理装置は、高周波電源から高周波電力に入力してプラズマ放電を発生させるプラズマ発生部を備えている。プラズマ発生部では、処理容器または反応室内に一対の電極を平行に配置して電極間に処理ガスを流し込み、高周波電源からの高周波電力を片側の電極に供給する。これにより、両電極間に高周波電界が発生し、この高周波電界により電子を加速させ、電子と処理ガスとの衝突電離によってプラズマを発生させるようにしている。
【0004】
かかるプラズマ処理装置は、高周波電源からプラズマ発生部に供給される高周波電力を最大にするため、高周波電源の出力インピーダンスとプラズマ発生部側の入力インピーダンスとを整合させるインピーダンス整合装置が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−206346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のインピーダンス整合装置では、高周波電源とプラズマ発生部との間に接続された複数の可変コンデンサと、プラズマ生成部側の反射係数に応じた値を検出する検出部とを備えている。そして、検出部により検出された反射係数に応じた値に基づきこれらの可変コンデンサを制御してチャンバーに最大電力を供給している。
【0007】
しかし、従来のインピーダンス整合装置では、検出部により検出された反射係数の実部の大きさに応じた値と虚部の大きさに応じた値とに基づき、以下のように複数の可変コンデンサの調整しているため、制御目標を超えてしまい、静定時間が長くなることがある。
【0008】
ここで、従来のインピーダンス整合装置によるインピーダンスの整合制御について図13を参照して具体的に説明する。
【0009】
従来のインピーダンス整合装置100では、検出部により検出された反射係数ρ(=Z+jφ)の実部Zの大きさに応じた値(以下、「Z値」と呼ぶ。)に基づき可変コンデンサC101の調整を行い、反射係数ρの虚部φの大きさに応じた値(以下、「φ値」と呼ぶ。)に基づき可変コンデンサC102の調整を行っている。
【0010】
ところが、従来のインピーダンス整合装置100では、可変コンデンサC101の静電容量がZ値の整合位置となるp0の前後(例えば、p1〜p2の範囲)において、Z値が図14に示すように、線形性を有していない。そのため、可変コンデンサC101の静電容量の増減方向が分からず、Z値の整合位置から離れていく方向に可変コンデンサC101を制御してしまい、可変コンデンサの調整処理を高速に行うことができないことがあった。
【0011】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、可変コンデンサの調整処理を高速に行うことができるインピーダンス整合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明においては上記課題を解決するために以下の手段を講じた。
【0013】
(1)高周波電源と負荷との間に接続された第1及び第2の可変コンデンサと、前記負荷側の反射係数の実部の大きさに応じた第1検出値と虚部の大きさに応じた第2検出値とを検出する検出部と、前記検出部で検出した前記第1検出値に基づいて前記第1の可変コンデンサを調整し、前記検出部で検出した前記第2検出値に基づいて前記第2の可変コンデンサを調整する制御部と、を備え、前記検出部は、前記負荷側の反射係数の実部の大きさに応じた値に応じた値に前記反射係数の大きさに応じた値を加算した値を前記第1検出値として検出することを特徴とするインピーダンス整合装置とした。
【0014】
(2)上記(1)のインピーダンス整合装置において、前記検出部は、前記高周波電源から前記負荷へ向かう進行波の電力に応じた値から、前記負荷から前記高周波電源へ向かう反射波の電力に応じた値を減算し、当該減算値の平方根を演算し、当該平方根値を前記高周波電源から出力される電圧に応じた値から減算し、当該減算値を、前記第1検出値とするようにした。
【0015】
(3)上記(2)のインピーダンス整合装置において、前記検出部は、前記高周波電源から出力される電圧を検出する出力電圧検出部と、前記出力電圧検出部により検出した電圧を整流する整流器と、前記高周波電源から前記負荷へ向かう進行波の電圧を検出する進行波電圧検出部と、前記負荷から前記高周波電源へ向かう反射波の電圧を検出する反射波電圧検出部と、前記進行波の電圧と前記反射波の電圧を加算する加算器と、前記進行波の電圧から前記反射波の電圧を減算する第1減算器と、前記加算器の出力と前記第1減算器の出力とを乗算する乗算器と、前記乗算器の出力の平方根を演算する平方根演算器と、前記整流器の出力から前記平方根演算器の出力を減算する第2減算器と、を備え、前記第2減算器から前記第1検出値を出力するようにした。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば負荷側の反射係数の実部の大きさに応じた値に反射係数の大きさに応じた値を加算した値に基づいて、可変コンデンサの調整を行うので、各可変コンデンサの調整処理を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るインピーダンス整合装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す制御部の構成を示す図である。
【図3】図1に示す検出部の構成を示す図である。
【図4】図1に示すインピーダンス整合装置の動作を説明するための図である。
【図5】図1に示すインピーダンス整合装置の動作を説明するための図である。
【図6】図1に示すインピーダンス整合装置の特性を説明するための図である。
【図7】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を説明するための図である。
【図8】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を示す図である。
【図9】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を示す図である。
【図10】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を示す図である。
【図11】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を示す図である。
【図12】図1に示すインピーダンス整合装置と従来のインピーダンス整合装置との比較結果を示すスミスチャートである。
【図13】従来のインピーダンス整合装置の概略構成図である。
【図14】従来のインピーダンス整合装置の特性を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
[1.インピーダンス整合装置の概要]
図1に示すように、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10は、高周波電源Aと負荷(本実施形態ではプラズマ発生装置)Bとの間の伝送路の中途部に設置されており、高周波電源Aの出力インピーダンスZoutと負荷B側の入力インピーダンスZinとのインピーダンス整合を行うものである。なお、入力インピーダンスZinとは、図1を使って説明すると、インピーダンス整合装置10の入力端10aより負荷B側の回路全体のインピーダンスのことである。
【0020】
高周波電源Aは、13.56MHzに代表されるRF周波数帯の高周波信号を出力するが、用途に応じて、VHF周波数帯やマイクロ波周波数帯のものなどを使用することができる。
【0021】
負荷Bであるプラズマ処理装置は、処理容器または反応室内に一対の電極を平行に配置して電極間に処理ガスを流し込み、高周波電源Aからの高周波信号を片側の電極に供給する。また、他方の電極は接地されている。これにより、両電極間に高周波電界が発生し、この高周波電界により電子を加速させ、電子と処理ガスとの衝突電離によってプラズマを発生させるようにしている。
【0022】
インピーダンス整合装置10は、高周波電源Aを接続する入力端10aと、負荷Bを接続する出力端10bを備えている。そして、このインピーダンス整合装置10は、入力端10aと出力端10bとの間に位置するインピーダンス整合部11と、負荷B側の反射係数ρの実部Zの大きさに応じた値に反射係数ρの大きさに応じた値を加算した第1検出値(以下、「Z’値」と呼ぶ。)と虚部φの大きさに応じた第2検出値(以下、「φ値」と呼ぶ。)とを検出する検出部12と、インピーダンス整合部11を制御する制御部13とを備えている。
【0023】
インピーダンス整合部11には、高周波電源Aと負荷Bとの間に接続された第1可変コンデンサC1及び第2可変コンデンサC2を有している。第1可変コンデンサC1は、高周波電源Aと負荷Bとの間に直列に接続されており、特に反射係数ρにおける実部Zに影響を及ぼす。また、第2可変コンデンサC2は、高周波電源Aと負荷Bとの間に並列されており、特に反射係数ρにおける虚部φに影響を及ぼす。制御部13は、検出部12で検出したZ’値に基づいて可変コンデンサC1の静電容量値を調整し、検出部12で検出したφ値に基づいて、可変コンデンサC2の静電容量値を調整する。
【0024】
[2.インピーダンス整合装置の具体的構成]
上述したインピーダンス整合装置の具体的構成の一例について、図2及び図3を参照して説明する。
【0025】
図2に示すように、第1及び第2可変コンデンサC1,C2は、それぞれ、静電容量調整用の調節軸33,34を備えており、調節軸33,34を回転させることによって各可変コンデンサC1,C2の静電容量値を調節できるようになっている。
【0026】
制御部13は、第1可変コンデンサC1を駆動するための第1パルスモータ31と、第2可変コンデンサC2を駆動するための第2パルスモータ32とを備えている。第1パルスモータ31は、第1可変コンデンサC1の調節軸33に接続されており、第2パルスモータ32は第2可変コンデンサC2の調節軸34に接続されている。各パルスモータ31,32を駆動するドライバ回路31a,32aはコントローラ14に接続されており、コントローラ14からドライバ回路31a,32aに制御信号を送って各パルスモータ31,32を作動させるようになっている。そして、各パルスモータ31,32を作動させて調節軸33,34の回転位置を所望位置に位置させることで、各可変コンデンサC1,C2の静電容量値を調整可能としている。また、各パルスモータ31,32にはそれぞれの回転位置を検出するエンコーダ31b,32bが備えられており、各エンコーダ31b,32bによって、各調節軸33,34の現在位置を検出できるようになっている。なお、各調節軸33,34に直接エンコーダを設置して各調節軸33,34の現在位置を直接検出するようにしても良い。
【0027】
コントローラ14は、CPU40、ROM41、RAM42、A/D変換器43〜46、D/A変換器47,48を有して構成される。ROM41には制御プログラムが記憶されており、CPU40がROM41に記憶した制御プログラムを読み出して実行することによりコントローラ14としての各種機能を実行する。CPU40は、A/D変換器43〜46を介して、検出部12やエンコーダ31b,32bから各種情報を取得し、D/A変換器47,48を介して第1及び第2可変コンデンサC1,C2の静電容量値を制御する。
【0028】
次に、検出部12の構成について説明する。図3に示すように、検出部12は、電流センサ50、電圧センサ51、整流器52,62,63、減算器54,57,61,64、加算器53,60、乗算器55、平方根演算器56を有している。
【0029】
電圧センサ51によって検出された電圧Vは、整流器52によって整流されて減算器57に入力される。また、電圧センサ51によって検出された進行波の電力の平方根√Pf(以下、「√Pf値」と呼ぶ。)と、反射波の電力の平方根√Pr(以下、「√Pr値」と呼ぶ。)は、加算器53及び減算器54に入力される。なお、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10では、検出部12により、√Pf値として進行波の電圧Vfを検出し、√Pr値として反射波の電圧Vrを検出している。
【0030】
加算器53では、√Pf値と√Pr値との加算値を出力する。また、減算器54では、√Pf値から√Pr値を減算した値を出力する。乗算器55は、加算器53から出力された加算値(√Pf+√Pr)に減算器54から出力された減算値(√Pf―√Pr)を乗算した値を出力する。平方根演算器56は、乗算器55から出力された乗算値(Pf−Pr)の平方根を演算する。減算器57は、整流器52の出力値(|V|)から、平方根演算器56の出力値(√(Pf−Pr))を減算する。この減算器57の出力は、負荷B側の反射係数ρの実部Zに応じた値に反射係数に応じた値を加算した値であり、コントローラ14は減算器57からの出力をZ’値の情報として入力する。
【0031】
また、電流センサ50によって検出された電流Iと電圧センサ51によって検出された電圧Vとは、加算器60で加算されると共に、減算器61により減算される。加算器60からの出力(V+I)は整流器62で整流され、減算器61からの出力(V−I)は整流器63で整流される。減算器64は、整流器62の出力|V+I|から整流器63の出力|V−I|を減算する。減算器64の出力は、反射係数ρの虚部φに比例する値であり、コントローラ14は減算器64からの出力をφ値の情報として入力する。
【0032】
以下、減算器57の出力がZ’値となり、減算器64の出力がφ値となることについて説明する。
【0033】
負荷Bのインピーダンスをzとし、高周波電源Aと負荷Bとの間の伝送路のインピーダンスをrとすると、図3に示す電圧v及び電流iは次のように表現できる。
【数1】
【0034】
さらに以下のように規定される反射係数ρを用いると、電圧v及び電流iは次のように表現できる。
【数2】
【0035】
ここで、反射係数ρは定義から複素数、ρ=Z+jφと表現できる。従って、
【数3】
とすると、最終的に電圧v及び電流iは次のように表現できる。
【数4】
【0036】
電流センサ50は、電流iをビートダウンすることにより電流iの周波数ωcを低周波化して出力し、電流センサ50は、電圧vをビートダウンすることにより電圧vの周波数ωcを低周波化して出力する。このとき、電流センサ50及び電圧センサ51は、一階時間微分をしているため、各々のビートダウン出力を大文字のVとIで表すと次のように表現できる。
【数5】
【0037】
ここでrおよびωは定数であり、Eは共通である。従って、センサ係数を調整して、VとIは次のようにすることができる。
【数6】
【0038】
上記式により、VとIの大きさは、以下の式(1),(2)に示すように表現できる。
【数7】
【0039】
以下、減算器57の出力であるZ’値について説明する。乗算器55に√Pfと√Prの和と差を入力したとき、乗算器55からの出力は次のように表現できる。
【数8】
【0040】
乗算器55の出力(Pf―Pr)を平方根演算器56へ入力して、反射係数ρを考慮すると、平方根演算器56の出力は次のように表現することができる。
【数9】
【0041】
一方、整流器52の出力(|V|)は、上記式(1)から以下のように表現できる。
【数10】
しかし、√の中は負荷インピーダンスで決まってしまうことから、係数Aは実際の進行波の電力Pfの平方根に比例する(A∝√Pf)と考えて良い。従って、
【数11】
としても良いことになる。そのため、係数を調整すれば、最終出力のZ’値は、以下の式(3)に示すように表現することができる。
【数12】
とすることが可能である。
【0042】
負荷Bが整合位置近傍なら|ρ|2=Z2+φ2は1に比べて十分小さいと言えるので、Z’値は以下の式(4)に示すように表現することができる。
【数13】
【0043】
次に、減算器64の出力であるφ値について説明する。加算器60の出力(V+I)と、減算器61の出力(V−I)は、次のように表現できる。
【数14】
【0044】
従って、整流器62の出力|V+I|と、整流器63の出力|V−I|は、次のように表現できる。
【数15】
【0045】
従って、減算器64の出力は、以下のように表現できる。
【数16】
【0046】
ここで、負荷Bが整合位置近傍のときZ2+φ2は1に比べて十分小さいため、k’を係数とすると、
【数17】
となり、φに比例した値を得ることができる。
【0047】
[3.インピーダンス整合装置の具体的動作]
以上のように構成されたインピーダンス整合装置10の具体的動作について図4及び図5を参照して説明する。
【0048】
制御部13は、インピーダンス整合処理を開始すると、図4に示すように、第1パルスモータ31の速度を検出部12から出力されるZ’値に比例した値に設定する(ステップS10)。これにより、第1可変コンデンサC1はZ’値に比例した速度で調整される。
【0049】
次に、制御部13は、第2パルスモータ32の速度を検出部12から出力されるφ値に比例した値に設定する(ステップS11)。これにより、第2可変コンデンサC2はφ値に比例した速度で調整される。
【0050】
次に、制御部13は、検出部12から出力されるZ’値及びφ値に基づき、モータ方向/停止制御処理を実行する(ステップS12)。このモータ方向/停止制御処理は、図5に示すステップS20〜S29の処理であり、後で説明する。この処理が終了すると、制御部13は、処理をステップS10に戻す。
【0051】
図5に示すように、モータ方向/停止制御処理を開始すると、制御部13は、検出部12から出力されるZ’値が整合位置Z0であるか否かを判定する(ステップS20)。このZ0は所定の範囲を有するものであり、この範囲は、実質的にインピーダンス整合を行うことができる範囲である。この処理において、Z’値が整合位置Z0であると判定すると(ステップS20:YES)、制御部13は、第1パルスモータ31を停止する(ステップS21)。これにより、第1可変コンデンサC1の静電容量値の調整処理が停止する。
【0052】
一方、Z’値が整合位置Z0ではないと判定すると(ステップS20:NO)、制御部13は、Z’値がZ0を超えているか否かを判定する。すなわち、Z値が正極性かどうかを判定する(ステップS22)。この処理において、Z’値が整合位置Z0を超えていると判定すると(ステップS22:YES)、制御部13は、第2パルスモータの回転方向を第1可変コンデンサC1の静電容量値が減少する方向に設定する(ステップS23)。一方、Z’値が整合位置Z0を超えておらず、負極性であると判定すると(ステップS22:NO)、制御部13は、第1パルスモータ31の回転方向を第1可変コンデンサC1の静電容量値が増加する方向に設定する(ステップS24)。
【0053】
ステップS21,S23,S24の処理が終了すると、制御部13は、検出部12から出力されるφ値が整合位置φ0であるか否かを判定する(ステップS25)。この処理において、φ値が整合位置φ0であると判定すると(ステップS25:YES)、制御部13は、第2パルスモータ32を停止する(ステップS26)。これにより、第2可変コンデンサC2の静電容量値の調整処理が停止する。
【0054】
一方、φ値が整合位置φ0ではないと判定すると(ステップS25:NO)、制御部13は、φ値が整合位置φ0を超えているか否かを判定する。すなわち、φ値が正極性かどうかを判定する(ステップS27)。このφ0は所定の範囲を有するものであり、この範囲は、実質的にインピーダンス整合を行うことができる範囲である。この処理において、φ値が整合位置φ0を超えていると判定すると(ステップS27:YES)、制御部13は、第2パルスモータの回転方向を第2可変コンデンサC2の静電容量値が減少する方向に設定する(ステップS28)。一方、φ値が整合位置φ0を超えておらず、負極性であると判定すると(ステップS27:NO)、制御部13は、第2パルスモータの回転方向を第2可変コンデンサC2の静電容量値が増加する方向に設定する(ステップS29)。ステップS26,S28,S29の処理が終了すると、制御部13は、モータ方向/停止制御処理を終了する。
【0055】
上述のように構成されたインピーダンス整合装置10は、Z’値に基づいて第1可変コンデンサC1を制御するので、各可変コンデンサC1,C2の調整処理を高速に行うことができる。
【0056】
図6は、インピーダンス整合装置10において、第2可変コンデンサC2の静電容量値を固定したときのシュミュレーション結果であり、横軸に可変コンデンサC1の静電容量値を示す。また、縦軸は、式(3)に示すZ’値の変動(一点鎖線)、式(4)に示す近似Z’値の変動(実線)、φ値の変動(破線)、従来のZ値の変動(二点鎖線)を示す。
【0057】
図6に示すように、Z’値の変動を、可変コンデンサC1,C2の静電容量が整合位置(Z値=0、φ値=0)となるp0の前後(例えば、p1〜p2の範囲)で、線形性を持たせることができ、可変コンデンサC1の静電容量の増減方向が逆転することを抑制できる。そのため、可変コンデンサC1,C2の調整処理を高速に行うことができる。また、近似Z’値の変動も、Z’値の変動と同様に線形性を持たせることができ、可変コンデンサC1,C2の調整処理を高速に行うことができる。
【0058】
ここで、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10と従来のインピーダンス整合装置との調整動作の比較結果を図7〜図11を参照して説明する。ここでは、図7に示すように、500pFの第1可変コンデンサC1と、2000pFの第2可変コンデンサC2を用いた例を説明する。なお、高周波電源Aと負荷Bとの間に1μHのインダクタ成分があり、負荷Bのインピーダンスは、3−j20(Ω)であるとする。
【0059】
図8〜図11に、第1及び第2可変コンデンサC1,C2の静電容量値が以下の(i)〜(iv)にある状態からインピーダンス整合動作を開始したときの比較例を示す。
(i)C1=220pF、C2=1000pF
(ii)C1=220pF、C2=1050pF
(iii)C1=220pF、C2=1200pF
(iv)C1=220pF、C2=1500pF
なお、図8(a),図9(a),図10(a),図11(a)は、従来のインピーダンス整合装置の特性を示し、図8(b),図9(b),図10(b),図11(b)は、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10の特性を示している、
【0060】
上記(i)の条件下では、図8に示すように、インピーダンス整合が完了するまでの整合完了時間に大きな違いはない。しかし、図9〜図11に示すように、上記(ii)〜(iv)の条件下では、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10の方が従来よりも大幅に整合完了時間が短縮されていることが分かる。
【0061】
図12に上記(i)〜(iv)の状態からインピーダンス整合動作を開始したときの比較例をスミスチャートで示す。図12(a)に従来のインピーダンス整合装置における反射係数の変位を示し、図12(b)に本実施形態に係るインピーダンス整合装置10の反射係数の変位を示す。
【0062】
図12に示すように、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10では、反射係数の実部Zや虚部φの変化に無駄がなく、第1及び第2可変コンデンサC1,C2の調整処理が効率的に行うことができる。
【0063】
このように、本実施形態に係るインピーダンス整合装置10では、Z’値に基づいて第1可変コンデンサC1を制御するので、各可変コンデンサC1,C2の調整処理を高速に行うことができる。
【0064】
また、可変コンデンサC1,C2の静定時間を短縮できるため、負荷Bであるプラズマ発生装置でのプラズマ着火条件を早期に確立することができる。しかも、可変コンデンサC1,C2において機械的に無駄の無い最適の動作が実現できるため、動作機構部品の磨耗寿命を延ばすことができる。
【0065】
本発明を、上述してきた実施形態を通して説明したが、本実施形態によれば、以下の効果が期待できる。
【0066】
(1)インピーダンス整合装置10は、高周波電源Aと負荷Bとの間に接続された第1及び第2可変コンデンサC1,C2と、負荷B側の反射係数ρの実部Zに応じた第1検出値(Z’値)と虚部φの大きさに応じた第2検出値(φ値)とを検出する検出部12と、この検出部12で検出した第1検出値に基づいて第1可変コンデンサC1を調整し、第2検出値に基づいて第2の可変コンデンサC2を調整する制御部13と、を備えている。そして、検出部12は、負荷B側の反射係数ρの実部Zの大きさに応じた値に反射係数ρの大きさに応じた値を加算したZ’値を第1検出値として検出する。このように構成することで、第1及び第2可変コンデンサC1,C2の静電容量が整合位置となるp0の前後(例えば、p1〜p2の範囲)で、線形性を持たせることができ、第1可変コンデンサC1の静電容量の増減方向が逆転することがない。そのため、第1及び第2可変コンデンサC1,C2の調整処理を高速に行うことができる。
【0067】
(2)検出部12は、高周波電源Aから負荷Bへ向かう進行波の電力Pfに応じた値から、負荷Bから高周波電源Aへ向かう反射波の電力Prに応じた値を減算し、当該減算値(Pf−Pr)の平方根を演算し、当該平方根値(√(Pf−Pr))を高周波電源Aから出力される電圧に応じた値|V|から減算し、当該減算値(√(Pf−Pr)−|V|)を、第1検出値としている。このようにすることにより、可変コンデンサC1,C2の静電容量が整合位置の前後で、容易に線形性を持たせることができる。
【0068】
(3)検出部12は、高周波電源Aから出力される電圧V、高周波電源Aから負荷Bへ向かう進行波の電圧Vf、負荷Bから高周波電源Aへ向かう反射波の電圧Vrを検出する電圧センサ51(出力電圧検出部、進行波電圧検出部、射波電圧検出部)と、電圧センサ51により検出した電圧Vを整流する整流器52と、進行波の電圧Vfと反射波の電圧Vrを加算する加算器53と、進行波の電圧Vfから反射波の電圧Vrを減算する減算器54と、加算器53の出力と減算器54の出力とを乗算する乗算器55と、乗算器55の出力の平方根を演算する平方根演算器56と、整流器27の出力から平方根演算器56の出力を減算する減算器57とを備え、減算器57から第1検出値を出力させている。このように進行波や反射波の電圧Vf,Vrを進行波や反射波の電力Pf,Prに替えて検出するようにしているので、検出部12の構成が簡易なものになり、コストの増加を抑制することができる。
【符号の説明】
【0069】
A 高周波電源
B 負荷(プラズマ発生装置)
10 インピーダンス整合装置
11 インピーダンス整合部
12 センサ
13 制御部
C1 第1可変コンデンサ
C2 第2可変コンデンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波電源と負荷との間に接続された第1及び第2可変コンデンサと、
前記負荷側の反射係数の実部の大きさに応じた第1検出値と虚部の大きさに応じた第2検出値とを検出する検出部と、
前記検出部で検出した前記第1検出値に基づいて前記第1可変コンデンサを調整し、前記検出部で検出した前記第2検出値に基づいて前記第2可変コンデンサを調整する制御部と、を備え、
前記検出部は、前記負荷側の反射係数の実部の大きさに応じた値に前記反射係数の大きさに応じた値を加算した値を前記第1検出値として検出することを特徴とするインピーダンス整合装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記高周波電源から前記負荷へ向かう進行波の電力に応じた値から、前記負荷から前記高周波電源へ向かう反射波の電力に応じた値を減算し、当該減算値の平方根を演算し、当該平方根値を前記高周波電源から出力される電圧に応じた値から減算し、当該減算値を、前記第1検出値とすることを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス整合装置。
【請求項3】
前記検出部は、
前記高周波電源から出力される電圧を検出する出力電圧検出部と、
前記出力電圧検出部により検出した電圧を整流する整流器と、
前記高周波電源から前記負荷へ向かう進行波の電圧を検出する進行波電圧検出部と、
前記負荷から前記高周波電源へ向かう反射波の電圧を検出する反射波電圧検出部と、
前記進行波の電圧と前記反射波の電圧を加算する加算器と、
前記進行波の電圧から前記反射波の電圧を減算する第1減算器と、
前記加算器の出力と前記第1減算器の出力とを乗算する乗算器と、
前記乗算器の出力の平方根を演算する平方根演算器と、
前記整流器の出力から前記平方根演算器の出力を減算する第2減算器と、を備え、
前記第2減算器から前記第1検出値を出力することを特徴とする請求項2に記載のインピーダンス整合装置。
【請求項1】
高周波電源と負荷との間に接続された第1及び第2可変コンデンサと、
前記負荷側の反射係数の実部の大きさに応じた第1検出値と虚部の大きさに応じた第2検出値とを検出する検出部と、
前記検出部で検出した前記第1検出値に基づいて前記第1可変コンデンサを調整し、前記検出部で検出した前記第2検出値に基づいて前記第2可変コンデンサを調整する制御部と、を備え、
前記検出部は、前記負荷側の反射係数の実部の大きさに応じた値に前記反射係数の大きさに応じた値を加算した値を前記第1検出値として検出することを特徴とするインピーダンス整合装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記高周波電源から前記負荷へ向かう進行波の電力に応じた値から、前記負荷から前記高周波電源へ向かう反射波の電力に応じた値を減算し、当該減算値の平方根を演算し、当該平方根値を前記高周波電源から出力される電圧に応じた値から減算し、当該減算値を、前記第1検出値とすることを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス整合装置。
【請求項3】
前記検出部は、
前記高周波電源から出力される電圧を検出する出力電圧検出部と、
前記出力電圧検出部により検出した電圧を整流する整流器と、
前記高周波電源から前記負荷へ向かう進行波の電圧を検出する進行波電圧検出部と、
前記負荷から前記高周波電源へ向かう反射波の電圧を検出する反射波電圧検出部と、
前記進行波の電圧と前記反射波の電圧を加算する加算器と、
前記進行波の電圧から前記反射波の電圧を減算する第1減算器と、
前記加算器の出力と前記第1減算器の出力とを乗算する乗算器と、
前記乗算器の出力の平方根を演算する平方根演算器と、
前記整流器の出力から前記平方根演算器の出力を減算する第2減算器と、を備え、
前記第2減算器から前記第1検出値を出力することを特徴とする請求項2に記載のインピーダンス整合装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−124191(P2011−124191A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283364(P2009−283364)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】
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