説明

インフレータブラケットを有する膨張式エアバッグアセンブリ

膨張式カーテンエアバッグを、該エアバッグのスロート部でインフレータに取り付けることができる。スロート部に対するインフレータの取り付けは、インフレータ装着ブラケットにより介在されてもよい。インフレータ装着ブラケットの延在部は、回転防止機能および保持機能を与えるために、スロート部の開口を貫通して突出し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に自動車保護システムの分野に関する。より具体的には、本開示は膨張式カーテンエアバッグに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本実施形態は、添付図面と併せて解釈される以下の説明および添付の特許請求の範囲から更に十分に明らかになる。添付図面が典型的な実施形態のみを描いたものであり、したがって、添付図面が開示の範囲を限定していると見なされるべきではないことを理解しつつ、添付図面を参照して実施形態を具体的に、かつ詳細に記載し、説明する。
【0003】
【図1A】エアバッグアセンブリの一実施形態の斜視図であり、エアバッグアセンブリが膨張式カーテンエアバッグに結合される装着アセンブリを備え、装着アセンブリがエアバッグをパッケージ形態に保持するように構成される。
【0004】
【図1B】図1Aのエアバッグアセンブリの斜視図であり、膨張式カーテンエアバッグが展開形態を成している。
【0005】
【図2】図1Aのインフレータおよびインフレータ装着ブラケットの斜視図である。
【0006】
【図3】図2のインフレータおよびインフレータ装着ブラケットの他の斜視図である。
【0007】
【図4】図3のインフレータ装着ブラケットの斜視図である。
【0008】
【図5】図4のインフレータ装着ブラケットの他の斜視図である。
【0009】
【図6】図1Aのエアバッグアセンブリの拡大分解斜視図である。
【0010】
【図7】エアバッグアセンブリが組み立てられた後の図6のエアバッグアセンブリの斜視図である。
【0011】
【図8】図7のエアバッグアセンブリの他の斜視図である。
【0012】
【図9】インフレータをエアバッグに結合するためにクランプが使用された後の図7のエアバッグアセンブリの斜視図である。
【0013】
【図10】装着ブラケットを有するエアバッグアセンブリの他の実施形態の分解断面斜視図である。
【0014】
【図11】アセンブリが組み立てられた後の図10のエアバッグアセンブリの斜視図である。
【0015】
【図12】図10のインフレータ装着ブラケットの斜視図である。
【0016】
【図13】図10の装着ブラケットの他の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書中で一般に説明されて図面に示される実施形態の構成要素を、多種多様な異なる形態で配置して設計できることは、容易に理解される。したがって、図面に表される様々な実施形態の以下の更に詳しい説明は、特許請求の範囲に記載される開示の範囲を限定しようとするものではなく、様々な実施形態の単なる表示である。実施形態の様々な態様が図面に表されているが、特に示唆されていなければ、図面は必ずしも一定の倍率で描かれているとは限らない。
【0018】
「に接続され」、「に結合され」、「と連通する」という表現は、機械的、電気的、磁気的、電磁的、流体的、および、熱的な相互作用を含む2つ以上の実体間の任意の形態の相互作用を示す。2つの構成要素は、それらが互いに直接に接触しなくても、互いに結合される場合がある。用語「当接する」とは、物品が互いに直接に物理接触していることであるが、必ずしも物品同士が取り付けられていなくてもよい。
【0019】
膨張式エアバッグシステムは、衝突シナリオにおいて搭乗者の負傷を最小限に抑えるために幅広く使用される。エアバッグモジュールは、ステアリングホイール、インストルメントパネル、サイドドア内またはサイドシート内、車両のルーフレール付近、頭上位置、または、膝あるいは脚の位置を含むがこれらに限定されない車両内の様々な場所に設置されてきた。以下の開示において、「エアバッグ」とは、膨張式カーテンエアバッグ、オーバーヘッドエアバッグ、フロントエアバッグ、または、任意の他の形式のエアバッグのことであってもよい。
【0020】
膨張式カーテンエアバッグは、横衝突または横転事故中に車両の搭乗者を保護するために使用されてもよい。膨張式カーテンエアバッグは、一般に車両内で長手方向に延びており、通常は車両のルーフレールに結合されあるいはルーフレールに隣接する。膨張式カーテンエアバッグは、衝突シナリオにおいては、車両搭乗者と車両の側部構造との間で車両の側部に沿って拡張してもよい。展開状態において、膨張式カーテンエアバッグは、車両のB−ピラーおよびサイドウインドウの少なくとも一部を覆ってもよい。幾つかの実施形態では、膨張式カーテンエアバッグが車両のA−ピラーからC−ピラーまで延びてもよい。別の実施形態では、膨張式カーテンエアバッグが車両のA−ピラーからD−ピラーまで延びてもよい。
【0021】
膨張式カーテンエアバッグは一般に非展開状態では車両のルーフレールに隣接して設置され、非展開状態において、膨張式カーテンエアバッグは、丸められもしくは折り畳まれ、あるいはまたはそれらを組み合わせて、エアバッグに沿う特定のポイントで包まれることにより、折り畳まれあるいは丸められた形態に保持される。この状態では、エアバッグがパッケージ形態にあってもよい。エアバッグは、展開されると、パッケージ形態から抜け出て広がり形状をとる。エアバッグは、広げられて膨張されると、展開形態を備えてもよい。
【0022】
図1Aはエアバッグアセンブリ100を斜視図で描いている。この場合、膨張式カーテンエアバッグ110はパッケージ形態を成して、車両のルーフレール12に隣接して装着される。エアバッグアセンブリ100は、膨張式カーテンエアバッグ110と、エアバッグのスロート部120に結合されるインフレータ140とを備えてもよい。アセンブリ110は1つ以上の外部テザー105を更に備えてもよい。図示の実施形態において、エアバッグ110は、A−ピラー14からD−ピラー19まで延びる膨張式カーテンエアバッグクッションである。また、膨張式カーテンエアバッグ110は、B−ピラー16およびC−ピラー18を通り過ぎて延び、それにより展開形態では、図1Bに描かれるように、B−ピラーおよびC−ピラーを少なくとも部分的に覆う。
【0023】
図1Bはアセンブリ100の斜視図であり、膨張式カーテンエアバッグ110が展開形態で描かれている。膨張式カーテンエアバッグ110は1つ以上のインフレータの作動時に膨張するように構成されており、それにより、膨張式カーテンエアバッグはパッケージ形態から展開形態へと移行する。膨張式カーテンエアバッグ110は、上部111、下部112、第1の面113、第2の面(不可視)、および、インフレータ取付部とも呼ばれ得るスロート部120を有していてもよい。スロート部がインフレータの周囲で閉じられてもよく、また、インフレータがインフレータ装着ブラケットを介して車両のルーフレールに装着されてもよい。膨張式カーテンエアバッグ110の様々な面が、インフレータと流体連通する内部可膨張ボイド118を形成する。可膨張ボイド118は複数の膨張セルへと分割されてもよい。膨張式カーテンエアバッグ110の様々な面は、継ぎ目で互いに結合されるナイロン織布のパネルを備えてもよい。
【0024】
膨張式カーテンエアバッグ110の上部111は、エアバッグが展開状態にあるときに車両のヘッドライナに最も近い、カーテンエアバッグの部分である。下部112は、膨張式カーテンエアバッグ110が展開状態にあるときに上部111よりも下側にあり、車両の床に最も近い。用語「下部」は、膨張式カーテンエアバッグの水平中間面よりも下側にある膨張式カーテンエアバッグ110の部分に必ずしも限定されず、膨張式カーテンエアバッグの下端部の半分を下回る部分、半分を上回る部分、あるいは、ちょうど半分の部分を含んでもよい。同様に、用語「上部」は、膨張式カーテンエアバッグの水平中間面よりも上側にある膨張式カーテンエアバッグ110の部分に必ずしも限定されず、膨張式カーテンエアバッグの上端部の半分を下回る部分、半分を上回る部分、あるいは、ちょうど半分の部分を含んでもよい。
【0025】
当業者であれば分かるように、本開示の範囲および思想から逸脱することなく様々な形式および形態の膨張式カーテンエアバッグ膜を利用できる。例えば、エアバッグ膜のサイズ、形状、および割合は、エアバッグが膨張式カーテンクッション、後方搭乗者側エアバッグ、ドライバのエアバッグ、および/または、前方搭乗者側エアバッグを成し得るように、異なる車両でのその使用にしたがって、あるいは1つの車両内の異なる場所にしたがって変わってもよい。また、エアバッグは、シリコンなどの物質がコーティングされてもよいナイロン織布などの、当該技術分野において良く知られる任意の材料のうちの1つ以上を備えてもよい。更に、エアバッグクッションは、ワンピースウィービング、切断および縫い付け、あるいはこれらの2つの技術の組み合わせなどの様々な技術を使用して製造されてもよい。また、クッション膜は、シールされたあるいはシールされない継ぎ目を使用して製造されてもよい。この場合、継ぎ目は、縫い合わせ、接着、テーピング、高周波溶着、ヒートシール、または、任意の他の好適な技術あるいは技術の組み合わせによって形成される。
【0026】
図2から3は、いずれもエアバッグアセンブリ100の構成要素であるインフレータ140および装着ブラケット130の斜視図である。インフレータ140は、火薬、貯留ガス、または、組み合わせインフレータを備えてもよく、また、管状本体部141、ガス放出端142、および、反対側の端部143にある電気コネクタを備える。インフレータ装着ブラケット130は、スチールなどの金属または金属合金の断片を備えてもよく、また、長尺なエアバッグ先端領域131と、反対側のエアバッグ基端領域132と、中央領域133とを有する。エアバッグ先端領域131は、略長方形部を備えてもよく、平面形状を有してもよい。エアバッグ基端領域132は、インフレータ140の管状本体部141を部分的に包み込むように構成される凹形状を備えてもよい。図示の実施形態では、装着ブラケット130がクランプによってインフレータ140に結合されるように構成されるが、他の実施形態では、装着ブラケットがインフレータ上でスライドしてもよく、あるいは、装着ブラケットがインフレータに対して押圧されてもよい。
【0027】
図4から5はインフレータ装着ブラケット130の斜視図である。前述したように、装着ブラケットは、エアバッグ先端領域および基端領域131,132と、中央領域133とを備える。エアバッグ中央領域133は、エアバッグ基端領域の一部であってもよく、インフレータ装着ブラケット130の中央を示唆しようとするものではない。インフレータ装着ブラケット130は平面部および湾曲部を備えてもよい。図示の実施形態では、エアバッグ先端領域131が平面であってもよく、また、エアバッグ基端領域132および中央領域133がそれぞれ湾曲されていてもよい。エアバッグ基端領域および中央領域132,133はそれぞれ、これらの各領域がインフレータの管状本体部を受けることができるように凹形状を備える。エアバッグ先端領域132とエアバッグ中央領域133との間には、幅減少部(参照符号132で特定される)が位置してもよい。つまり、インフレータ装着ブラケットのエアバッグ基端領域は、幅減少部によって分離される第1の凹部および第2の凹部を備えてもよい。幅減少部は、インフレータ装着ブラケットをインフレータと近接させた関係に保つように構成されるクランプを受けるために使用されてもよい。図示の実施形態において、エアバッグ先端領域131は、それぞれが装着ブラケット130の随意的な特徴であるタブ134および開口135を備える。タブ134および開口135はそれぞれ車両装着構造の例であり、また、タブと開口との組み合わせは一車両装着構造の一例である。タブ134は、装着ブラケット130の先端領域131の延在部であってもよい。タブ134は、車両のルーフレール上の相補的な特徴形態によって受けられるように構成されてもよく、また、開口135はボルトなどの装着ハードウェアを受けてもよく、この装着ハードウェアを用いて装着ブラケット130が車両のルーフレールに部分的に装着されてもよい。
【0028】
当業者であれば分かるように、本発明の思想から逸脱することなく、様々な形状および形式のインフレータ装着ブラケットが使用されてもよい。例えば、装着ブラケットの相対的なサイズおよび/または形状が、図示の実施形態と異なってもよい。また、装着ブラケットの特定の形状および/または特徴が、図示の実施形態と異なってもよい。
【0029】
図6は、膨張式カーテンエアバッグ110と、インフレータ装着ブラケット130と、インフレータ140と、クランプ150とを備えてもよいエアバッグアセンブリ100の分解斜視図である。エアバッグ110の上部111はスロート部120を備えてもよく、スロート部120は、装着ブラケット130を受けるための開口122を伴う先端領域121と、インフレータ挿入開口123とを有する。開口122は、「受け入れ開口」と呼ばれてもよく、「ボタン穴」と見なされ得る長尺スロットを備えてもよい。他の実施形態において、開口122は、楕円、長方形、正方形、円、または、任意の他の好適な形状を備えてもよい。図示の実施形態では、ボタン穴122がエアバッグ110の後面114に位置する。ボタン穴122は、インフレータ装着ブラケット130の先端131を受けるように構成される。インフレータ挿入開口123は、インフレータ140の膨張ガス放出端142を受けるように構成される。インフレータ挿入開口123は膨張式カーテンエアバッグ110の可膨張ボイドと連続しているため、装着ブラケット130の先端131がエアバッグの後面114を貫いてスロート部120の可膨張ボイド内に突出する。クランプ150は、インフレータ140、装着ブラケット130、および、スロート120の一部を包み込むように、および/またはこれらにわたってスライドするように構成される。
【0030】
図7から8は、アセンブリが部分的に組み立てられた後の図6のエアバッグアセンブリの斜視図である。図7は後面斜視図を描いており、また、図8は正面斜視図を描いている。エアバッグ110の上部111のスロート部120は、先端143がインフレータ挿入開口から延出して、インフレータのガス放出端がエアバッグの可膨張ボイドへと向けられるようにインフレータ140を受けるべく構成される。インフレータ装着ブラケット130のエアバッグ先端131は、エアバッグ110の後面114に位置するボタン穴122を貫通して突出する。結合された形態では、インフレータ140の先端143が装着ブラケット130の先端領域131に隣接するとともに、スロート部120の一部がインフレータ140の管状本体部とインフレータ装着ブラケットの基端領域および中央領域132,133との間に位置する。車両への装着時には、膨張式カーテンエアバッグ110のスロート部120の前面113は車両の搭乗室へ向けられ、また、後面114は車両のサイドウインドウへ向けられる。
【0031】
図9は、クランプ150が装着ブラケット130、インフレータ140、および、スロート部120を包み込んだ、および/またはこれらにわたってスライドされた後の図7から8の膨張式エアバッグアセンブリを描いている。クランプ150は、金属、プラスチック、または、複合材料を備えてもよく、また、ネジクランプ、その張力を保つ圧着ピースを有する金属バンド、または、「ジップタイ」などのラチェット・ラック型のクランプを備えてもよい。また、クランプ150は、クランプから離れるように突出し、かつインフレータおよび装着ブラケットアセンブリを車両のルーフレールに取り付けるのに役立つ装着ステムを備えてもよい。インフレータ装着ブラケット130は、クランプ150が装着ブラケット上の所定の位置に位置するように、かつ所定の位置がその所定の位置にクランプを保持するのに役立つ所定の特徴を備えるように構成されてもよい。図示の実施形態では、1つのクランプ150が装着ブラケット130の先端領域131およびインフレータ140の先端143に位置する。他のクランプは、装着ブラケット130の基端領域132に位置する。他の実施形態では、更に多くのあるいは少ないクランプが使用されてもよい。
【0032】
図10は、エアバッグアセンブリ200の他の実施形態の分解断面斜視図である。エアバッグアセンブリ200およびインフレータ装着ブラケット230は、ある点で、前述したエアバッグアセンブリ100およびインフレータ装着ブラケット130に似ている。したがって、同様の特徴には、100番台の数字を「1」から「2」へ繰り上げて同様の参照符号が付される。エアバッグアセンブリ100およびインフレータ装着ブラケット130に関して説明した特徴の任意の好適な組み合わせをアセンブリ200およびインフレータ装着ブラケット230と共に使用することができ、逆もまた同様である。
【0033】
アセンブリ200は、膨張式カーテンエアバッグ210と、インフレータ装着ブラケット230と、インフレータ240と、1つ以上のクランプ250とを備えてもよい。膨張式カーテンエアバッグ210は図10では断面であり、そのため、後面214の上部211が可視である。上部211は、上端側225に開口222を伴う先端領域を有するスロート部220を備える。インフレータ装着ブラケット230はエアバッグ先端領域231とクリップ237とを備える。インフレータ240は、第1の端部242を有する管状本体部241を備える。クランプ250は管状本体部241を包み込むように構成される。
【0034】
インフレータ装着ブラケット230のエアバッグ先端領域231は、「ボタン穴」と見なされ得る開口222によって受けられるように構成される。インフレータ240の第1の端部242は、インフレータ挿入開口223を介してスロート部220のボイド内に配置されてもよい。第1の端部242は、ブラケット230の先端領域231がボタン穴222を貫通して配置される前または後のいずれかにおいてインフレータ挿入開口223により受けられてもよい。クランプ250は、インフレータ240の管状本体部241上にわたってスライドされてもよく、あるいは、インフレータの管状本体部を包み込んでもよい。
【0035】
図11は、アセンブリが組み立てられた後のエアバッグアセンブリ200の断面斜視図である。インフレータ装着ブラケット230は、エアバッグ210のスロート部220の上端側225のボタン穴に挿通されている。インフレータ240は、該インフレータの第2の端部243に依然としてアクセスできるようにスロート部220のインフレータ挿入開口内に挿入されている。クランプ250は、インフレータ装着ブラケット230のエアバッグ先端領域および基端領域231,232上に配置されている。また、クランプ250はインフレータ240の周囲で延びている。インフレータ装着ブラケット230のクリップ237は、それが車両の相補的な構造と相互に作用でき、それにより、インフレータ240およびスロート部220を車両に少なくとも一時的に装着するのに役立ち得るように方向付けられる。当業者であれば分かるように、クリップ237は、他の形態のインフレータ装着ブラケットおよびエアバッグスロート部において使用されてもよい。例えば、クリップは、膨張式エアバッグの後面、前面、または、下端側に結合されるインフレータ装着ブラケットと共に使用されてもよい。同様に、インフレータ装着ブラケット自体は、クリップを伴うことなく、膨張式カーテンエアバッグのスロート部の前面または下端側を含む様々な位置でエアバッグに結合されてもよい。
【0036】
図12から13はインフレータ装着ブラケット230の斜視図である。前述したように、装着ブラケットは、エアバッグ先端領域および基端領域231,232と、中央領域233とを備える。エアバッグ中央領域233は、エアバッグ基端領域の一部であってもよく、インフレータ装着ブラケット230の中央を示唆しようとするものではない。インフレータ装着ブラケット230は平面部および湾曲部を備えてもよい。図示の実施形態では、エアバッグ先端領域231が平面であると言われてもよく、また、エアバッグ基端領域232および中央領域233がそれぞれ湾曲していてもよい。エアバッグ基端領域および中央領域232,233はそれぞれ、これらの各領域がインフレータの管状本体部を受けることができるように凹形状を備える。エアバッグ先端領域232とエアバッグ中央領域233との間には幅減少部239が位置されてもよい。つまり、インフレータ装着ブラケットのエアバッグ基端領域は、幅減少部239によって分離される第1の凹部136および第2の凹部138を備えてもよい。幅減少部239は、インフレータ装着ブラケットをインフレータと近接させた関係に保つように構成されるクランプを受けるために使用されてもよい。
【0037】
図示の実施形態において、エアバッグ先端領域231は、それぞれが装着ブラケット230の随意的な特徴であるタブ234および開口235を備える。タブ234および開口235はそれぞれ車両装着構造の例であり、また、タブと開口との組み合わせは一車両装着構造の一例である。タブ234は、装着ブラケット230の先端領域231の延在部であってもよい。タブ234は、車両のルーフレール上の相補的な特徴形態によって受けられるように構成されてもよく、また、開口235はボルトなどの装着ハードウェアを受けてもよく、この装着ハードウェアを用いて装着ブラケット230が車両のルーフレールに部分的に装着されてもよい。クリップ237は、装着ブラケット230を車両構造に結合するために使用されてもよい。この場合、クリップは、車両の相補的な構造と相互に作用するように構成される。
【0038】
当業者であれば分かるように、本発明の思想から逸脱することなく、様々な形状および形式のインフレータ装着ブラケットが使用されてもよい。例えば、装着ブラケットの相対的なサイズおよび/または形状が、図示の実施形態と異なってもよい。また、装着ブラケットの特定の形状および/または特徴が、図示の実施形態と異なってもよい。
【0039】
本明細書中に開示される任意の方法は、前述した方法を実行するための1つ以上のステップまたはアクションを備える。方法のステップおよび/またはアクションが互いに置き換えられてもよい。すなわち、実施形態の適切な工程のためにステップまたはアクションの特定の順序が必要とされなければ、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用が変更されてもよい。
【0040】
本明細書の全体にわたる「1つの実施形態」または「その実施形態」への言及は、その実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体にわたって挙げられる引用句またはその変形は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているとは限らない。
【0041】
同様に、実施形態の先の説明では、開示を合理化する目的で、様々な特徴が時として単一の実施形態、図、またはその説明にまとめられることが理解されるべきである。しかしながら、開示のこの方法は、任意の請求項がその請求項で明確に挙げられる特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。それどころか、以下の請求項が反映するように、発明態様は、任意の単一の先に開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴の組み合わせにある。したがって、これにより、この詳細な説明に続く特許請求の範囲は、この詳細な説明に明確に組み入れられる。この場合、それぞれの請求項はそれ自体が別個の実施形態として存在する。この開示は、独立請求項とそれらの従属請求項との全ての並び換えを含む。
【0042】
特許請求の範囲における特徴または要素に関する用語「第1」の列挙は、必ずしも第2のあるいは更なるそのような特徴または要素の存在を示唆するものではない。当業者に明らかなように、本発明の内在する原理から逸脱することなく、前述した実施形態の詳細に対して変更を成してもよい。排他的な所有権または権限が請求される本発明の実施形態は、以下のように規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロート部を有する膨張式カーテンエアバッグであって、スロート部が、膨張式エアバッグの可膨張ボイドと連続するインフレータ挿入開口を備えるとともに、受け入れ開口も備える、膨張式カーテンエアバッグと、
膨張式カーテンエアバッグのスロート部に位置するインフレータであって、少なくとも一部が膨張式カーテンエアバッグのスロート部内に位置され、管状本体部を備えるインフレータと、
膨張式カーテンエアバッグの受け入れ開口を貫通して突出するエアバッグ先端領域を有するインフレータ装着ブラケットと、
締め付け力がインフレータに加えられるように、膨張式エアバッグカーテンのスロート部の一部とスロート部内に一部があるインフレータとを包み込むクランプと、を備え、
インフレータ装着ブラケットの先端領域が膨張式エアバッグカーテンの受け入れ開口を貫通して突出して、クランプが締め付け圧をインフレータに加え、インフレータ装着ブラケットは、膨張式カーテンエアバッグが展開中にインフレータの周囲でねじれないようにする、膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項2】
インフレータ装着ブラケットがインフレータの管状本体部の一部を部分的に包み込む、請求項1に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項3】
インフレータ装着ブラケットがインフレータを車両のルーフレールに結合する、請求項1または2に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項4】
前記先端領域が受け入れ開口を貫通してスロート部内へ突出し、エアバッグ基端領域が受け入れ開口を貫通して突出しない、請求項1から請求項3のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項5】
インフレータは、膨張式カーテンエアバッグのスロート部内に位置するガス放出端と、電気接続端とを備え、
インフレータ装着ブラケットは、インフレータの管状本体部の一部を部分的に包み込む凹部を備えるエアバッグ基端領域と、インフレータの管状本体部の一部を部分的に包み込む凹部を備える中央領域とを備える、
請求項1に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項6】
クランプは、インフレータ装着ブラケットのエアバッグ基端領域の凹部と中央領域の凹部との間に位置する、請求項5に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項7】
第2のクランプを更に備え、クランプのうちの一方がインフレータ装着ブラケットのエアバッグ基端領域の凹部と中央領域との間に位置され、他方のクランプが中央領域の凹部とエアバッグ先端領域との間に位置する、請求項5または6に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項8】
装着ブラケットのエアバッグ先端領域は、膨張式カーテンエアバッグのスロート部のインフレータ挿入開口を越えて延びる、請求項5から7のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項9】
インフレータ装着ブラケットのエアバッグ先端領域がインフレータの電気コネクタ端に隣接して位置する、請求項5から8のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項10】
装着ブラケットのエアバッグ先端領域は、インフレータの電気接続端を越えて延びる、請求項9に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項11】
エアバッグのスロート部がインフレータとインフレータ装着ブラケットとの間に位置する、請求項5から10のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項12】
インフレータ装着ブラケットおよび受け入れ開口が膨張式カーテンエアバッグのスロート部の上端側に位置する、請求項5から11のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項13】
インフレータ装着ブラケットは、該インフレータ装着ブラケットの中央領域から延びるクリップを更に備え、クリップがインフレータ装着ブラケットの延在部を備える、請求項5から12のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項14】
スロート部の受け入れ開口がスロート部の後面に位置され、
インフレータは、膨張式カーテンエアバッグのスロート部内に位置するガス放射端と、電気接続端とを備え、
インフレータ装着ブラケットがスロート部の後面に位置され、インフレータ装着ブラケットは、車両結合構造を備えるエアバッグ先端領域を有し、
インフレータ装着ブラケットは、インフレータの管状本体部の一部を部分的に包み込む凹部を有するエアバッグ基端領域と、インフレータの管状本体部の一部を部分的に包み込む凹部を備える中央領域とを更に備え、
インフレータ装着ブラケットの先端領域の全体が膨張式カーテンエアバッグの受け入れ開口を貫通して突出する、
請求項1の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項15】
車両装着構造が先端領域に開口を備える、請求項14に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項16】
車両装着構造は、車両の開口によって受けられるように構成される先端領域の延在部を備える、請求項14または15に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項17】
エアバッグ先端領域は、受け入れ開口を介してスロート部の後面を貫通して延びる、請求項14から16のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項18】
エアバッグ先端領域がインフレータ挿入開口を越えて延びる、請求項14から17のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項19】
クランプは、インフレータ装着ブラケットのエアバッグ基端領域の凹部と中央領域との間に位置する、請求項14から18のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項20】
第2のクランプを更に備え、クランプのうちの一方がインフレータ装着ブラケットのエアバッグ基端領域の凹部と中央領域の凹部との間に位置され、他方のクランプが中央領域の凹部とエアバッグ先端領域との間に位置する、請求項14から19のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項21】
インフレータ装着ブラケットが平面部と湾曲部とを備える、請求項20に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項22】
インフレータ装着ブラケットは、エアバッグ基端領域に位置され、かつ第1の凹部と第2の凹部との間に位置する幅減少部を備える、請求項21に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項23】
第2のクランプを更に備え、第2のクランプがインフレータ装着ブラケットのエアバッグ基端領域の幅減少部に位置する、請求項22に記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項24】
インフレータ装着ブラケットおよび受け入れ開口が膨張式カーテンエアバッグのスロート部の上端側に位置する、請求項14から23のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。
【請求項25】
インフレータ装着ブラケットが該インフレータ装着ブラケットの中央領域から延びるクリップを更に備え、該クリップがインフレータ装着ブラケットの延在部を備える、請求項14から24のいずれかに記載の膨張式エアバッグアセンブリ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2013−516360(P2013−516360A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548140(P2012−548140)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020469
【国際公開番号】WO2011/085167
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(597065363)オートリブ エーエスピー,インコーポレイティド (87)
【Fターム(参考)】