説明

インホイールモータ

【課題】インホイールモータの冷却性を向上させる。
【解決手段】内部にロータ12及びステータ10を収納した円筒形のハウジング126と、ハウジング126の外方からハウジング126の周面に向けて外気を取り込む通風口124aと、通風口124aから取り込まれた外気をハウジング126の周面をハウジング126の軸方向に向けて流す冷却風通路124bと、冷却風通路124bの通風口124aとは反対側に配置された排気口124g又は124hと、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インホイールモータに関し、特に、効率的な冷却構造を有するインホイールモータに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の駆動装置としてのインホイールモータが従来から知られている。インホイールモータの少なくとも一部はホイール内に配置されるため、ホイール内に配置されたインホイールモータの冷却を十分に行うことが難しい。例えば、インホイールモータの冷却構造について特許文献1等に開示されている。
【0003】
インホイールモータ100は、図10の構成図に示すように、モータ102、減速機104、シャフト106、ハブ108、ブレーキディスク110、ブレーキキャリパ112、冷媒ポンプ114及び冷媒配管116を含んで構成される。モータ102は、ステータ10、ロータ12、モータシャフト14及びベアリング16を含んで構成され、ステータ10のコイルに電流を流すことにより界磁を発生させ、これに伴ってロータ12に固定されたモータシャフト14を回転させる。モータシャフト14は、ベアリング16によって回転自在に配置されている。モータシャフト14は、減速機104を介して、シャフト106に接続される。シャフト106にはハブ108が取り付けられ、ハブ108にはホイール120がボルト等で固定される。ホイール120にタイヤ(図示しない)が取り付けられる。これにより、モータシャフト14,減速機104、シャフト106及びハブ108を介して、モータ102の回転力はホイール120及びタイヤに駆動力として伝達される。また、ハブ108にはブレーキディスク110が固定される。ブレーキキャリパ112によってブレーキディスク110を挟み込むことによってハブ108の回転が制限され、これに伴ってホイール120及びタイヤの回転が制動される。
【0004】
ここで、インホイールモータ100には、冷媒ポンプ114と冷媒配管116が設けられる。冷媒ポンプ114は、モータ102のケーシング内に溜まった冷媒(潤滑兼冷却用オイル等)を加圧吐出させ、冷媒配管116に流し込む。冷媒配管116は、モータ102のケーシング、ベアリング16、減速機104に配設され、冷媒配管116を流れる冷媒によってインホイールモータ100の各部が冷却される。冷却に使用された冷媒はモータ102のケーシング内に再度戻される。
【0005】
また、インホイールモータ100は、車両が進行することに伴って生ずる冷却風に曝されることによっても冷却される。ただし、インホイールモータ100の一部はホイール120内に挿入された状態で配置されているため、ホイール120内には冷却風が入り込み難く、冷却能力は小さい。
【0006】
また、図11の構成図に示すように、冷媒の温度をより低く保つために、インホイールモータ200の冷媒配管116に熱交換器118を設けた構成にすることによって、冷却風による冷媒に対する冷却効率を高める構造も考えられている。
【0007】
さらに、図12の構成図に示すように、インホイールモータ300のケーシング外部に冷却風をホイール120内に導く通風ダクト122を設ける構成も考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−304543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のようなインホイールモータ100,200,300において、冷媒によりモータ内部を冷却した熱すべてを大気に放出することは難しい。外部に熱交換器118を設けた場合でも、車両の進行に伴って発生する冷却風を有効に利用することは難しく、モータ102の出力をより大きくするためには熱交換器118も大型化する必要がある。
【0010】
また、通風ダクト122を設けた場合であっても、冷却風の導入口に向いている側のモータ102のケーシング壁は冷却されるものの、通風ダクト122の内圧が高まるために冷却風はホイール120内には入り難く、導入口の反対側のケーシング壁やホイール120内は冷却され難く、冷却風を有効に利用できていない。
【0011】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、冷却効率を高めたインホイールモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの態様は、内部にロータ及びステータを収納した円筒形のモータハウジングと、前記モータハウジングの外方から前記モータハウジングの周面に向けて外気を取り込む通風口と、前記モータハウジングの周面を前記モータハウジングの軸方向に向けて前記通風口から取り込まれた外気を流す冷却風通路と、前記冷却風通路の前記通風口とは反対側に配置された排気口と、を備えるインホイールモータである。
【0013】
ここで、前記通風口の総開口面積に対する前記排気口の総開口面積の面積比は5%以下であることが好適である。
【0014】
また、前記通風路は、複数の仕切り壁によって、複数の通路に分割されていることが好適である。
【0015】
また、前記仕切り壁は、モータシャフトに対して放射状又は前記冷却風通路を流れる冷却風の方向に交差する方向に配置されていることが好適である。
【0016】
また、前記仕切り壁は、前記モータシャフトの軸方向に対して10°以上20°以下の捻れ角θを有して配置されていることが好適である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、インホイールモータの冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態におけるインホイールモータの構成を示す構造図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるインホイールモータの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における通風口及び排気口の面積比と流量増加率との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における仕切り壁の配置の一例を示す平面図及び側面図である。
【図5】本発明の実施の形態における仕切り壁の配置の別例を示す平面図及び側面図である。
【図6】本発明の実施の形態における仕切り壁の配置の別例を示す平面図及び側面図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるインホイールモータの構成を示す構造図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるインホイールモータの構成を示す拡大構造図である。
【図9】本発明の実施の形態におけるインホイールモータの構成を示す斜視図である。
【図10】従来のインホイールモータの構成を示す構造図である。
【図11】従来のインホイールモータの構成を示す構造図である。
【図12】従来のインホイールモータの構成を示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態におけるインホイールモータ400は、図1の構造図に示すように、モータ102、減速機104、シャフト106、ハブ108、ブレーキディスク110、ブレーキキャリパ112、冷媒ポンプ114、冷媒配管116及び通風ダクト124を含んで構成される。また、インホイールモータ400において、モータ102、減速機104及び冷媒ポンプ114は、ハウジング126に格納される。なお、図1の構成図は、インホイールモータ400の断面を模式的に示したものである。
【0020】
モータ102は、従来技術と同様に、ステータ10、ロータ12、モータシャフト14及びベアリング16を含んで構成される。ステータ10は、ステータコイル及びステータコアを含んで構成され、ステータコイルに電流を流すことによってハウジング126内に界磁を発生させる。例えば、モータ102が三相モータである場合、ステータ10からはU相、V相及びW相の3相の磁界が発生する。ロータ12は、ステータ10によって周囲を囲まれるように配置され、ステータ10によって形成された界磁の影響によりロータ12に回転力が発生する。ロータ12は、ベアリング16によって回転可能に設けられたモータシャフト14に固定されており、ロータ12に発生した回転力によってモータシャフト14も回転させられる。モータシャフト14の回転は、減速機104に伝達される。
【0021】
減速機104は、プラネタリギヤ、サンギヤ、ピニオンギヤ、リングギヤ及びプラネタリキャリア(図示しない)を含む。サンギヤ軸は、回転自在に支持され、モータ102のモータシャフト14に連結される。サンギヤは、サンギヤ軸に連結される。ピニオンギヤは、サンギヤと噛合い、回転自在に支持される。リングギヤは、ハウジング126に固定される。プラネタリキャリアは、ピニオンギヤに連結され、シャフト106にスプライン嵌合される。また、プラネタリキャリアは、回転自在に支持される。
【0022】
ロータ12が回転すると、モータシャフト14も回転する。モータシャフト14の回転は、サンギヤ軸を介してプラネタリギヤへ伝達される。プラネタリギヤは、サンギヤ軸から受けた回転をサンギヤおよびピニオンギヤによって変速(減速)してプラネタリキャリアへ伝達する。プラネタリキャリアは、プラネタリギヤに伝達された回転をシャフト106に伝達する。
【0023】
シャフト106の先端部にはハブ108が固定される。さらに、ハブ108にはホイール120がボルト等により固定される。そして、ホイール120の外周部にタイヤ(図示しない)が取り付けられる。これにより、モータ102のモータシャフト14の回転力が、減速機104、シャフト106、ハブ108を介して、ホイール120及びタイヤに伝達される。
【0024】
ホイール120は、ハブ108からモータ102又は減速機104の外周の少なくとも一部を覆うようなカップ型形状を有する。ホイール120は、ディスク部120aとリム部120bとから構成される。リム部120bの外縁にタイヤ(図示せず)が取り付けられる。
【0025】
なお、ハウジング126は、モータ102のモータシャフト14の軸方向に沿った略円筒形に形成される。
【0026】
ブレーキディスク110は、ハブ108の外周から突出するようにハブ108に固定されたドーナツ板状の部材である。ブレーキディスク110の外周端には、ブレーキディスク110の外周端を挟み込むようにブレーキキャリパ112が配置される。ブレーキキャリパ112によってブレーキディスク110の外周端を挟み込むことによって、ホイール120及びタイヤの回転を制動することができる。
【0027】
また、インホイールモータ400には冷却構造が設けられる。冷却構造の1つとして、冷媒による冷却系統が設けられている。冷媒ポンプ114は、モータ102を収納するハウジング126の底部に溜まった冷媒(潤滑兼冷却用オイル等)に圧力を加えて冷媒配管116へ送り込む。冷媒は、冷媒配管116を通って、モータ102のベアリング16及び減速機104等へ供給され、インホイールモータ400の各部を冷却し、モータ102の底部に戻される。なお、図1に、冷媒の流れを黒矢印で示している。
【0028】
また、インホイールモータ400にはさらに冷却風による冷却系統も設けられる。図2は、インホイールモータ400の外観構造を示す斜視図である。図2では、冷却風による冷却系統を明確に示すために、インホイールモータ400の一部(図中、右上部分)を切り取ってハウジング126が露出した内部構造を示すように記載している。なお、図1に、冷却風の流れを白抜きの矢印で示している。
【0029】
インホイールモータ400の冷却風による冷却系統は通風ダクト124を有する。通風ダクト124は、通風口124a及び冷却風通路124bを含んで構成される。通風口124aは、インホイールモータ400が取り付けられる車両の進行方向、すなわちハウジング126の半径方向に向けて配置され、車両の進行に伴って発生する冷却風を外部から冷却風通路124bに取り込む。冷却風通路124bは、モータ102及び減速機104を収納するハウジング126の周面との間の隙間として、ハウジング126の外面を取り囲むように外部壁124cを設けることによって形成される。すなわち、冷却風通路124bは、外部壁124cの内部の空間、又は、外部壁124cの内面とハウジング126の外面との間の空間として形成される。冷却風通路124bは、通風口124aに繋げられる。また、冷却風通路124bは、減速機104近傍においてハブ108又はブレーキディスク110に向けて開放されている。また、ホイール120に冷却風を通すための空気穴120cを設けてもよい。
【0030】
インホイールモータ400において、外部壁124cにも冷媒が循環するための冷媒配管116の一部を構成する冷媒通路124dが設けられる。すなわち、外部壁124cには、図2に示すように、外周壁124e及び内周壁124fが設けられ、その間の空間である冷媒通路124dに冷媒ポンプ114から供給された冷媒の少なくとも一部が通される。そして、冷媒通路124dを通った冷媒の少なくとも一部がモータ102のベアリング16及び減速機104等へ供給され、インホイールモータ400の各部を冷却する。
【0031】
さらに、モータシャフト14の軸に対して通風口124aの反対側の外部壁124cに排気口124gを設けることが好適である。この場合、通風口124aは車両の進行方向に向けて配置されるので、排気口124gは車両の進行の反対方向に向けて設けられることになる。また、ハブ108又はブレーキディスク110に向けて開放されている冷却風通路124bの開口部付近に排気口124hを設けることも好適である。排気口124hも通風口124aの反対側の外部壁124cに設けることが好適である。なお、排気口124g及び124hは少なくとも一方を設ければよい。
【0032】
これにより、通風口124aから取り込まれた冷却風を排気口124g又は排気口124hから排気することができ、通風ダクト124の内圧を適度に保つことができる。したがって、通風口124aからの冷却風の取り込みをより効果的に行うことが可能となる。また、排気口124g及び124hを冷却風の下流側に設けることによって、水や泥等がインホイールモータ400内に入り難くすることができる。
【0033】
特に、排気口124g及び排気口124hの総開口面積は、通風口124aの総開口面積の5%以下とすることが好適である。
【0034】
図3に、通風口124aの総開口面積に対する排気口124g及び排気口124hの総開口面積の面積比と、通風口124aから流入する冷却風の流量増加率との関係を示す。面積比が0の場合(すなわち、排気口124g及び排気口124hを設けない場合)に比べて、面積比を5%以下とした場合に流量が10%以上の増加を示した。一方、排気口124g又は排気口124hを設けた効果がないわけではないが、面積比を5%より大きくした場合には流量の増加は10%未満となった。
【0035】
このように、通風ダクト124の構成要素である外部壁124cに形成された冷媒通路124dに冷媒を循環させることによって、通風ダクト124に取り込まれた冷却風によって冷媒が冷却され、より高い冷却効率でインホイールモータ400を冷却することができる。特に、排気口124g又は排気口124hを設けることによって、通風口124aから取り込まれる冷却風の流量を増すことができ、さらに高い冷却効率でインホイールモータ400を冷却することができる。
【0036】
また、ハウジング126と冷却風通路124bとの位置を決め、機械的な強度を増すために、図2の斜視図に示すように、外部壁124cに冷却風通路124bをモータシャフト14から放射状に間仕切りする仕切り壁124iを設けてもよい。このように、冷却風通路124bを間仕切りする仕切り壁124iを設けることによって、冷却風通路124bの機械的な強度を高めることができると共に、冷却フィンとして冷却風による冷媒の冷却効率をより高めることができる。
【0037】
図4は、仕切り壁124iの配置について示す平面図及び内部構成図である。図4(a)は、インホイールモータ400を上部からみた平面図であり、図4(b)は、インホイールモータ400の内部に設けられた通風ダクト124の構造を簡略に示す側面図である。なお、図4では、冷却風の流れを黒矢印で示している。図4に示すように、この例では、仕切り壁124iは、モータシャフト14(及びシャフト106)の軸方向に沿って平行に配置される。
【0038】
図5は、仕切り壁124iの別例の配置について示す平面図及び内部構成図である。図5(a)は、インホイールモータ400を上部からみた平面図であり、図5(b)は、インホイールモータ400の内部に設けられた通風ダクト124の構造を簡略に示す側面図である。なお、図5では、冷却風の流れを黒矢印で示している。図5に示すように、この例では、仕切り壁124iは、通風ダクト124内における冷却風の流れに沿うようにモータシャフト14(及びシャフト106)の軸方向に対して捻れた状態に配置される。このとき、捻れの角度θをモータシャフト14(及びシャフト106)の軸方向に対して10°以上20°以下とすることが好適である。特に、捻れの角度θを約15°とすることが好適である。
【0039】
さらに、仕切り壁124iの内部に冷媒通路124dを設けてもよい。冷却フィンとして機能する仕切り壁124i内に冷媒を通すことによって、冷却風による冷媒の冷却効率をより高めることができる。
【0040】
図6は、仕切り壁124iの別例の配置について示す平面図及び内部構成図である。図6(a)は、インホイールモータ400を上部からみた平面図であり、図6(b)は、インホイールモータ400の内部に設けられた通風ダクト124の構造を簡略に示す側面図である。なお、図6では、冷却風の流れを黒矢印で示している。図4及び図5の例では、仕切り壁124iをモータシャフト14(及びシャフト106)から放射状に配置したが、この例では、通風ダクト124内における冷却風の流れに対して交差する方向に沿って仕切り壁124iを配置する。通風口124aから取り入れられた冷却風は車両の進行方向に沿って流れようとするので、車両の進行方向に対して交差する方向に沿って仕切り壁124iを配置することになる。このとき、通風ダクト124内における冷却風の流れに対して略垂直な方向に沿って仕切り壁124iを配置することがより好ましい。
【0041】
さらに、この例では、仕切り壁124iは、通風ダクト124内における冷却風の流れに沿うようにモータシャフト14(及びシャフト106)の軸方向に対して捻れた状態に配置することが好適である。この場合も、捻れの角度θをモータシャフト14(及びシャフト106)の軸方向に対して10°以上20°以下とすることが好適である。特に、捻れの角度θを約15°とすることが好適である。
【0042】
以上のように、仕切り壁124iを配置することによって、通風ダクト124内に冷却風をより効率的に流すことができ、インホイールモータ400の冷却効率を高めることができる。特に、仕切り壁124iを捻れた状態となるように角度θを付けて配置することによって、通風ダクト124内の冷却風の流動抵抗を低減できると共に、冷媒との熱交換のための適切な風の流れの形成及び金属の伝熱を利用した冷却の効率を向上させることができる。
【0043】
さらに、仕切り壁124iの内部に冷媒通路124dを設けてもよい。冷却フィンとして機能する仕切り壁124i内に冷媒を通すことによって、冷却風による冷媒の冷却効率をより高めることができる。
【0044】
また、図7の構造図に示すように、冷却風通路124bを構成する外部壁124cのハウジング126に近い側に冷媒通路124dを設けたインホイールモータ402としてもよい。これにより、冷媒通路124dを通過する際の冷媒によるハウジング126の冷却がより効率的に行われるという利点がある。
【0045】
また、図8の拡大構造図に示すように、上記インホイールモータ400,402において冷媒通路124d内を複数の通路に間仕切りするための冷媒通路仕切り壁124jを設けてもよい。これにより、冷媒通路124dの機械的な強度を増すことができると共に、冷媒による冷却効率を高めることができる。
【0046】
また、図9の斜視図に示すように、通風ダクト124の下部を冷媒用タンク124kとしたインホイールモータ404として構成してもよい。すなわち、通風ダクト124の一部を冷却風通路124bとは独立した空間として形成し、その空間を冷媒用タンク124kとして使用する。すなわち、形成した空間とモータ102のハウジング126とを冷媒用の通路で繋ぎ、インホイールモータ404の各部を循環してハウジング126に戻された冷媒が、ハウジング126から冷媒用タンク124kへ収納され、そこから冷媒ポンプ114によって再びインホイールモータ404の各部へ供給される構造とする。これにより、冷媒と空気との分離を行うことができ、冷媒の循環をより円滑に行うことができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した各実施の形態の特徴部分を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 ステータ、12 ロータ、14 モータシャフト、16 ベアリング、100,200,300,400,402,404 インホイールモータ、102 モータ、104 減速機、106 シャフト、108 ハブ、110 ブレーキディスク、112 ブレーキキャリパ、114 冷媒ポンプ、116 冷媒配管、118 熱交換器、120 ホイール、120a ディスク部、120b リム部、120c 空気穴、122 通風ダクト、124 通風ダクト、124a 通風口、124b 冷却風通路、124c 外部壁、124d 冷媒通路、124e 外周壁、124f 内周壁、124g,124h排気口、124i 仕切り壁、124j 冷媒通路仕切り壁、124k 冷媒用タンク、126 ハウジング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にロータ及びステータを収納した円筒形のモータハウジングと、
前記モータハウジングの外方から前記モータハウジングの周面に向けて外気を取り込む通風口と、
前記モータハウジングの周面を前記モータハウジングの軸方向に向けて前記通風口から取り込まれた外気を流す冷却風通路と、
前記冷却風通路の前記通風口とは反対側に配置された排気口と、
を備えるインホイールモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のインホイールモータであって、
前記通風口の総開口面積に対する前記排気口の総開口面積の面積比は5%以下であることを特徴とするインホイールモータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のインホイールモータであって、
前記通風路は、複数の仕切り壁によって、複数の通路に分割されていることを特徴とするインホイールモータ。
【請求項4】
請求項3に記載のインホイールモータであって、
前記仕切り壁は、モータシャフトに対して放射状又は前記冷却風通路を流れる冷却風の方向に交差する方向に配置されていることを特徴とするインホイールモータ。
【請求項5】
請求項4に記載のインホイールモータであって、
前記仕切り壁は、前記モータシャフトの軸方向に対して10°以上20°以下の捻れ角θを有して配置されていることを特徴とするインホイールモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−151886(P2011−151886A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9141(P2010−9141)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】