説明

ウォーキングビーム式加熱炉

【課題】 移動フレームの上に水を貯留させたトラフを炉長方向に沿って設けなくても、駆動用支柱を挿通させるように炉床に設けた各貫通部を通して、加熱炉内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が加熱炉内に侵入したりするのを簡単に抑制できるようにする。
【解決手段】 炉床10に設けた貫通部13を通して炉床の上方に突出された駆動用支柱21の上に炉長方向に沿った駆動ビーム22を設け、この駆動ビームを上下及び炉長方向に往復移動させるウォーキングビーム式加熱炉1において、炉長方向に沿ったシールプレート14を上記の貫通部を挟むようにして炉床の下に設け、少なくとも片側のシールプレートから対向する他方のシールプレートに向けて、炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させ、対向するシールプレート間に水膜Fを形成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炉床の上に立設された固定用支柱の上に炉長方向に沿った固定ビームを設けると共に、上記の炉床の下方に設けられた移動フレームから炉床に設けた貫通部を通して炉床の上方に突出された駆動用支柱の上に炉長方向に沿った駆動ビームを設け、上記の移動フレームをウォーキングビーム駆動手段により駆動させ、上記の駆動用支柱を介して駆動ビームを上下及び炉長方向に往復移動させて、被処理物を順々に搬送させるウォーキングビーム式加熱炉に関するものである。特に、上記のようなウォーキングビーム式加熱炉において、上記の貫通部を通して、加熱炉内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が加熱炉内に侵入したりするのを簡単に抑制できるようにすることを課題とするものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、被処理物を加熱炉内において順々に搬送させて加熱処理する加熱炉として、炉床の上に立設された固定用支柱の上に炉長方向に沿った固定ビームを設けると共に、上記の炉床の下方に設けられた移動フレームから炉床に設けた貫通部を通して炉床の上方に突出された駆動用支柱の上に炉長方向に沿った駆動ビームを設け、上記の移動フレームをウォーキングビーム駆動手段により駆動させて、上記の駆動用支柱を介して駆動ビームを上下及び炉長方向に往復移動させ、被処理物を加熱炉内において順々に搬送させるようにしたウォーキングビーム式加熱炉が用いられている。
【0003】
ここで、このようなウォーキングビーム式加熱炉においては、上記の駆動用支柱を挿通させるように炉床に設けた各貫通部を通して、加熱炉内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が加熱炉内に侵入したりするという問題があった。
【0004】
このため、従来においては、一般に特許文献1〜4等に示されるように、上記の各貫通部を囲うようにしてそれぞれ四角筒状になったシールボックスを炉床の下に設けると共に、上記の移動フレームの上に水を貯留させたトラフを炉長方向に沿って設け、このトラフに貯留させた水の中に上記のシールボックスの下端部を浸漬させ、上記の各貫通部を通して加熱炉内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が炉内に侵入したりするのを防止するようにしている。
【0005】
ここで、このように移動フレームの上に炉長方向に沿ったトラフを設けると、ウォーキングビーム駆動手段により移動フレームを駆動させる場合、このトラフが駆動用支柱や駆動ビームと一緒に上下及び炉長方向に往復移動されるようになり、移動フレームを駆動させるのに大きな動力が必要になると共に、トラフが炉長方向に往復移動されるために、炉床の下にトラフ自体の長さと駆動ビームを炉長方向に移動する距離とを合わせた長さの空間部が必要になり、駆動ビームを炉長方向に移動させる距離を大きくすると、この空間部の長さが炉長よりも長くなることがあり、駆動用支柱を介して駆動ビームを炉長方向に移動させる距離を大きくすることができなくなる等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−120754号公報
【特許文献2】実開平5−69148号公報
【特許文献3】特開2002−294332号公報
【特許文献4】特開2010−222679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ウォーキングビーム式加熱炉における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、従来のように、移動フレームの上に水を貯留させたトラフを炉長方向に沿って設けなくても、駆動用支柱を挿通させて駆動させるように炉床に設けた各貫通部を通して、加熱炉内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が加熱炉内に侵入したりするのを簡単に抑制できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るウォーキングビーム式加熱炉においては、上記のような課題を解決するため、炉床の上に立設された固定用支柱の上に炉長方向に沿った固定ビームを設けると共に、上記の炉床の下方に設けられた移動フレームから炉床に設けた貫通部を通して炉床の上方に突出された駆動用支柱の上に炉長方向に沿った駆動ビームを設け、上記の移動フレームをウォーキングビーム駆動手段により駆動させ、上記の駆動用支柱を介して駆動ビームを上下及び炉長方向に往復移動させて、被処理物を順々に搬送させるウォーキングビーム式加熱炉において、上記の炉床の下に炉長方向に沿ったシールプレートを上記の貫通部を挟むようにして設け、少なくとも片側のシールプレートから対向する他方のシールプレートに向けて、炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させ、対向するシールプレート間に水膜を形成するようにした。
【0009】
ここで、上記のように炉床の下に炉長方向に沿ったシールプレートを上記の貫通部を挟むように設けるにあたっては、炉長方向に長く伸びたシールプレートを、炉長方向に沿って設けられた各貫通部を挟むようにして設ける他、従来のシールボックスと同様に、個々の貫通部を囲うようにして、それぞれ四角筒状になったシールプレートを炉床の下に設けるようにすることもできる。
【0010】
また、上記のように片側のシールプレートから対向する他方のシールプレートに向けて炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させて、対向するシールプレート間に水膜を形成するようにした場合、ライン状に噴出された水が駆動用支柱に当たった下流側の部分においては、水膜が形成されなくなって空隙が生じ、この空隙を通して、加熱炉内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が加熱炉内に侵入したりするおそれがある。このため、このような空隙をなくすように、例えば、炉長方向に沿って設けられた上記の対向する両側のシールプレートからそれぞれ他方のシールプレートに向けて炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させるようにしたり、また片側のシールプレートから対向する他方のシールプレートに向けて炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させる場合には、水を噴出させるシールプレートと反対側における駆動用支柱の部分に形成される空隙を閉塞させる閉塞手段を設けるようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のウォーキングビーム式加熱炉においては、上記のように炉床の下に炉長方向に沿ったシールプレートを上記の貫通部を挟むようにして設け、少なくとも片側のシールプレートから対向する他方のシールプレートに向けて、炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させて、対向するシールプレート間に水膜を形成するようにしたため、駆動用支柱を挿通させて駆動させるように炉床に設けた各貫通部を通して、加熱炉内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が加熱炉内に侵入したりするのが、この水膜によって抑制されようになる。
【0012】
この結果、本発明のウォーキングビーム式加熱炉においては、従来のように移動フレームの上に水を貯留させたトラフを炉長方向に沿って設ける必要がなくなり、移動フレームを駆動させるのに大きな動力が必要になるということがなく、またトラフ自体の長さと駆動ビームを炉長方向に移動する距離とを合わせた長さの空間部が必要になって、駆動ビームを炉長方向に移動させる距離を大きくことができなくなるということがなく、上記の各貫通部を通して加熱炉内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が加熱炉内に侵入したりするのを簡単に抑制できるようになる。
【0013】
また、本発明のウォーキングビーム式加熱炉において、上記のように炉床の下に炉長方向に沿ったシールプレートを上記の貫通部を挟むように設けるにあたり、個々の貫通部を囲うようにしてそれぞれ四角筒状になったシールプレートを炉床の下に設け、炉長方向に沿った少なくとも片側のシールプレートから対向する他方のシールプレートに向けて炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させるようにすると、ライン状に水を噴出させる部分の長さが短くなり、設備が簡単になると共に、噴出させる水量も少なくなって、ランニングコストも低減される。
【0014】
また、炉長方向に沿って設けられた対向する両側のシールプレートからそれぞれ他方のシールプレートに向けて、炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させたり、片側のシールプレートから対向する他方のシールプレートに向けて炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させる場合に、水を噴出させるシールプレートと反対側における駆動用支柱の部分に形成される空隙を閉塞させる閉塞手段を設けるようにすると、噴出された水が駆動用支柱に当たった下流側の部分における水膜に空隙が生じるのが防止され、各貫通部を通して加熱炉内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が加熱炉内に侵入したりするのをより確実に抑制できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るウォーキングビーム式加熱炉の内部状態を示した概略横断面説明図である。
【図2】上記の実施形態におけるウォーキングビーム式の加熱炉において、炉床に設けられた各貫通部を囲うようにして、それぞれ四角筒状になったシールプレートを炉床の下に設けた状態を示した概略縦断面説明図である。
【図3】上記の実施形態に係るウォーキングビーム式加熱炉において、(A)は、上記のように貫通部を囲うように設けたシールプレートの部分を炉長方向と交差する方向に切断し、炉長方向に沿った片側のシールプレートにライン状に伸びた水噴出部を設け、この水噴出部から対向する他方のシールプレートに向けてライン状に水を噴出させて、対向するシールプレート間に水膜を形成する状態を示した概略縦断面説明図、(B)は貫通部を囲うように設けたシールプレートの部分を炉長方向に切断し、炉長方向に沿った片側のシールプレートにライン状に伸びた水噴出部を設けた状態を示した概略縦断面説明図である。
【図4】上記の実施形態に係るウォーキングビーム式加熱炉において、貫通部を囲うように設けたシールプレートにおける炉長方向に沿った片側のシールプレートにライン状に伸びた水噴出部を設け、この水噴出部から対向する他方のシールプレートに向けてライン状に水を噴出させて、対向するシールプレート間に水膜を形成する状態を示した概略横断面説明図である。
【図5】上記の実施形態に係るウォーキングビーム式加熱炉の変更例において、貫通部を挟むようにして炉長方向に伸びた両側のシールプレートにそれぞれライン状に伸びた水噴出部を設け、この両側の水噴出部から他方のシールプレートに向けてライン状に水を噴出させて、対向するシールプレート間に水膜を形成する状態を示した概略縦断面説明図である。
【図6】上記の実施形態に係るウォーキングビーム式加熱炉の変更例において、ライン状に水を噴出させる片側のシールプレートと反対側における駆動用支柱の部分に、他方のシールプレートに向けてライン状に水を噴出させる補助噴出部を設けると共に、駆動用支柱が上下方向に往復移動する距離以上の高さになった一対の案内板を空隙の両側の縁部に沿うようにして他方のシールプレートに向けて設け、対向するシールプレート間を水膜等によって閉塞させる状態を示し、(A)は概略縦断面説明図、(B)は概略横断面説明図である。
【図7】上記の実施形態に係るウォーキングビーム式加熱炉の変更例において、ライン状に水を噴出させる片側のシールプレートと反対側における駆動用支柱の部分に、駆動用支柱が上下方向に往復移動する距離以上の高さになった一対の案内板を空隙の両側の縁部に沿うようにして他方のシールプレートに向けて設けると共に、この一対の案内板間に空隙を閉塞する閉塞板を設けて、対向するシールプレート間に水膜等によって閉塞させる状態を示し、(A)は概略縦断面説明図、(B)は概略横断面説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係るウォーキングビーム式加熱炉を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係るウォーキングビーム式加熱炉は下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0017】
この実施形態におけるウォーキングビーム式加熱炉1においては、図1に示すように、加熱炉1内に設けられた炉床10に、炉長方向及び加熱炉1の幅方向にそれぞれ所要間隔を介して複数の固定用支柱11を立設させている。そして、炉長方向に沿って設けられた各固定用支柱11の上に炉長方向に沿った固定ビーム12を取り付け、このように炉長方向に沿った固定ビーム12を加熱炉1の幅方向に所要間隔を介して複数設けている。
【0018】
また、図2に示すように、上記の炉床10の下の空間部分に移動フレーム20を設け、この移動フレーム20から複数の駆動用支柱21を炉床10に設けられた各貫通部13を通して炉床10の上方に突出させて、炉長方向及び加熱炉1の幅方向にそれぞれ所要間隔を介して複数の駆動用支柱21を設けている。そして、炉長方向に沿って設けられた各駆動用支柱21の上に炉長方向に沿った駆動ビーム22を取り付け、このように炉長方向に沿った駆動ビーム22を加熱炉1の幅方向に所要間隔を介して複数設けている。
【0019】
また、上記の移動フレーム20の下にウォーキングビーム駆動手段23を設け、このウォーキングビーム駆動手段23により、移動フレーム20を上下方向に往復移動させると共に炉長方向に往復移動させて、この移動フレーム20に設けられた各駆動ビーム22をウォーキング動作させるようにしている。
【0020】
そして、加熱炉1の導入口2に設けられた扉2aを開けて、被処理物Wを加熱炉1内に導入し、上記のように各駆動ビーム22をウォーキング動作させて、被処理物Wを炉長方向に順々に移動させながら加熱処理し、加熱炉1の取出し口3に設けた扉3aを開けて、このように加熱処理された被処理物Wを加熱炉1内から取り出すようにしている。
【0021】
ここで、この実施形態における加熱炉1においては、図2に示すように、上記の各貫通部13を囲うようにしてそれぞれ四角筒状になったシールプレート14を炉床10の下に設け、図3(A),(B)及び図4に示すように、上記の貫通部13を挟むようにして炉長方向に沿って対になったシールプレート14において、その片側のシールプレート14に、炉長方向に沿ってライン状に伸びた水噴出部15を設け、この水噴出部15から他方のシールプレート14に向けてライン状に水を噴出させ、対向するシールプレート14,14間に水膜Fを形成するようにしている。このようにすると、貫通部13を挟むようにして炉長方向に沿って対になったシールプレート14,14間に形成される水膜Fにより、駆動支柱21が図3(B)の矢印で示すようなウォーキング動作をした場合においても、常に、上記の貫通部13を通して加熱炉1内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が加熱炉1内に侵入したりするのが抑制されるようになる。
【0022】
また、ライン状に水を噴出させる片側のシールプレート14と対向する他方のシールプレート14においては、その下端部にこのシールプレート14に導かれた水を受ける受け部16を設け、この受け部16に導かれた水を浄化装置17に導いて水中における異物を除去した後、この水を上記の水噴出部15に戻して再利用するようにしている。
【0023】
なお、上記のように片側のシールプレート14に設けた水噴出部15から他方のシールプレート14に向けてライン状に水を噴出させて、対向するシールプレート14間に水膜Fを形成するようにした場合、ライン状に噴出された水が上記の駆動用支柱21に当たった下流側の部分においては、水膜Fが形成されなくなって空隙Sが生じ、この空隙Sを通して加熱炉1内の雰囲気ガスが外部に漏れ出したり、外気が加熱炉1内に侵入したりするようになる。
【0024】
そして、このような空隙Sをなくすため、図5に示すように、貫通部13を挟むようにして炉長方向に伸びた両側のシールプレート14にそれぞれ炉長方向に沿ってライン状に伸びた水噴出部15を設け、この両側の水噴出部15から他方のシールプレート14に向けてライン状に水を噴出させるようにすることができる。
【0025】
また、前記のように炉長方向に沿って設けられた片側のシールプレート14から対向する他方のシールプレート14に向けて炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させる場合において、閉塞手段30により水を噴出させるシールプレート14と反対側における駆動用支柱21の部分に形成される空隙Sを閉塞させるようにすることもできる。
【0026】
例えば、図6(A),(B)に示すように、水を噴出させるシールプレート14と反対側における駆動用支柱21の部分に、他方のシールプレート14に向けてライン状に水を噴出させる補助噴出部31を設けるようにすると共に、上記の駆動用支柱21が上下方向に往復移動する際に、この補助噴出部31が駆動用支柱21と一緒に上下方向に往復移動して、この補助噴出部31から他方のシールプレート14に向けてライン状に噴出される水の位置が変化し、上記の水噴出部15から他方のシールプレート14に向けてライン状に噴出される水の位置とずれるため、駆動用支柱21が上下方向に往復移動する距離以上の高さになった一対の案内板32を、駆動用支柱21の部分に形成される空隙Sの両側の縁部に沿うようにして他方のシールプレート14に向けて設けるようにすることができる。このようにすると、上記の補助噴出部31からライン状に噴出される水による水膜Fとこの一対の案内板32とによって上記の空隙Sが閉塞されるようになる。
【0027】
また、図7(A),(B)に示すように、駆動用支柱21が上下方向に往復移動する距離以上の高さになった一対の案内板32を、駆動用支柱21の部分に形成される空隙Sの両側の縁部に沿うようにして他方のシールプレート14に向けて設けると共に、この案内板32間に上記の空隙Sを閉塞する閉塞板33を設けるようにすることもできる。また、上記の水噴出部15から他方のシールプレート14に向けてライン状に噴出される水の一部がこの閉塞板33を通して他方のシールプレート14に導かれるようにすると、この閉塞板33の端部と他方のシールプレート14との間に隙間S’があっても、この隙間部分が閉塞板33を通して他方のシールプレート14に導かれる水によって閉塞されるようになる。
【0028】
また、上記の実施形態においては、各貫通部13を囲うようにしてそれぞれ四角筒状になったシールプレート14を炉床10の下に設けるようにしたが、炉長方向に長く伸びたシールプレート14を、炉長方向に沿って設けられた各貫通部13をまとめて挟むようにして設けるようにすることも可能である。
【0029】
また、上記のように水膜Fによって空隙Sを無くすことができれば、上記の貫通部13の大きさや長さは制限なく採用することが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 加熱炉
2 導入口, 2a 扉
3 取出し口, 3a 扉
10 炉床
11 固定用支柱
12 固定ビーム
13 貫通部
14 シールプレート
15 水噴出部
16 受け部
17 浄化装置
20 移動フレーム
21 駆動用支柱
22 駆動ビーム
23 ウォーキングビーム駆動手段
30 閉塞手段
31 補助噴出部
32 案内板
33 閉塞板
F 水膜
S 空隙
S’ 隙間
W 被処理物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉床の上に立設された固定用支柱の上に炉長方向に沿った固定ビームを設けると共に、上記の炉床の下方に設けられた移動フレームから炉床に設けた貫通部を通して炉床の上方に突出された駆動用支柱の上に炉長方向に沿った駆動ビームを設け、上記の移動フレームをウォーキングビーム駆動手段により駆動させ、上記の駆動用支柱を介して駆動ビームを上下及び炉長方向に往復移動させて、被処理物を順々に搬送させるウォーキングビーム式加熱炉において、上記の炉床の下に炉長方向に沿ったシールプレートを上記の貫通部を挟むようにして設け、少なくとも片側のシールプレートから対向する他方のシールプレートに向けて、炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させ、対向するシールプレート間に水膜を形成することを特徴とするウォーキングビーム式加熱炉。
【請求項2】
請求項1に記載のウォーキングビーム式加熱炉において、上記の貫通部を囲うようにしてシールプレートを炉床の下に設け、炉長方向に沿った少なくとも片側のシールプレートから対向する他方のシールプレートに向けて、炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させることを特徴とするウォーキングビーム式加熱炉。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のウォーキングビーム式加熱炉において、炉長方向に沿って設けられた上記の対向する両側のシールプレートからそれぞれ他方のシールプレートに向けて、炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させることを特徴とするウォーキングビーム式加熱炉。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のウォーキングビーム式加熱炉において、炉長方向に沿って設けられた片側のシールプレートから対向する他方のシールプレートに向けて、炉長方向に沿ったライン状に水を噴出させると共に、水を噴出させるシールプレートと反対側における駆動用支柱の部分に形成される空隙を閉塞させる閉塞手段を設けたことを特徴とするウォーキングビーム式加熱炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−108128(P2013−108128A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253393(P2011−253393)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000211123)中外炉工業株式会社 (170)
【Fターム(参考)】