説明

ウォーターポンプ

【目的】漏水の水抜き孔と、蒸気の換気通路とが上下方向に沿って可能な限り垂直状となるようにすることができるウォーターポンプとすること。
【構成】ケーシングAのベアリングボス部1の内周側のベアリング室11と、ポンプハウジング部2内のシール装着室21と、ベアリング室11とシール装着室21との間に形成された空隙室3と、ケーシングAの空隙室3における内部上方と外部上方とを連通する換気孔5と、ケーシングAの空隙室3における内部下方と外部下方とを連通する水抜き孔4と、ベアリングボス部1の外側面上方の所定位置に形成されると共に換気孔5の開口を覆う2個の換気屋根部6と、ケーシングAの外側面下方に設定された水抜き孔4が形成される水抜き孔用リブ8とからなること。水抜き孔用リブ8はポンプハウジング部Aの面方向に沿って所定幅を有すると共に、ポンプハウジング部2よりベアリングボス部1の軸方向に沿って膨出形成されること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォーターポンプにおける漏水の水抜き孔と、蒸気の換気通路とが上下方向に沿って可能な限り垂直状となるようにすることができるウォーターポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用のウォーターポンプは、ベアリング及びメカニカルシール等を具備し、該メカニカルシールでは冷却水をシール(密封)する機能を有するものの、ごく微量の冷却水は漏れ続ける状態となっている。その漏れた冷却水を逃がすため、メカニカルシールとベアリングとの間の空間には、ケース外に下方向に延びる水抜き孔と、ケース外に上方向に延びる換気孔(蒸気孔)が形成されるのが一般的である。
【0003】
この種のものとして、特許文献1が存在する。なお、以下の説明において、部材に付された符号は、特許文献1に記載されたものをそのまま使用する。ハウジング2には、中心線L2に沿って一直線上に蒸気通路17及び水抜き通路19が形成され、回転軸線L1より上側に蒸気通路17が形成され、回転軸線L1より下側に水抜き通路19が形成されている。
【0004】
そして、前記蒸気通路17の外側開口部17bより数mm離れて周方向リブ7が形成されている。外側開口部17bが形成される軸受部4の外周と周方向リブ7との隙間の大きさは一定となっている。水抜き通路19は、通路用リブ8に形成されている。上記構成において、周方向リブ7は、周方向に一定角度配置されているため、外側開口部17bの配置自由度は大きい。
【0005】
逆に水抜き通路19は通路用リブ8内を貫通するように形成される必要があるため、水抜き通路19は通路用リブ8の向き以外に形成することは出来ない。また、蒸気通路17及び水抜き通路19は鋳抜きピンにて一緒に形成されているため、一直線上に形成される。以上により蒸気通路17及び水抜き通路19の向きは通路用リブ8の向きに拘束されて形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−115546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、以下の課題が存在する。類似流量、類似冷却水回路のエンジンでも、エンジンやウォーターポンプの取付け角度が異なる別仕様が存在する場合がある。このような場合、ウォーターポンプは同じものが使用出来そうだがウォーターポンプから見た真下の角度が変化するため、水抜き通路19の形成角度も追随して変化させる必要がある。
【0008】
水抜き通路19は、通路用リブ8に形成されるため、水抜き通路19の形成角度を変えると通路用リブ8の角度も変化させる必要がある。つまり、ウォーターポンプの取付け角度が変わった場合は新規の金型を製作してハウジング2を作り直す必要が出てくる。このようにウォーターポンプの取付け角度が違うだけで多くの費用をかけて新規金型を製作する必要があり、無駄が生じていた。本発明の目的(解決しようとする技術的課題)は、ウォーターポンプの取付け角度が違ったとしても、同一の金型で対応でき、もって製造費用を少なくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、ベアリングボス部と該ベアリングボス部の軸方向に対して直交方向に延出するポンプハウジング部とからなるケーシングにおいて、該ケーシングのベアリングボス部の内周側のベアリング室と、ポンプハウジング部内のシール装着室と、前記ベアリング室と前記シール装着室との間に形成された空隙室と、前記ケーシングの前記空隙室における内部上方と外部上方とを連通する換気孔と、前記ケーシングの前記空隙室における内部下方と外部下方とを連通する水抜き孔と、前記ベアリングボス部の外側面上方の所定位置に形成されると共に前記換気孔の開口を覆う2個の換気屋根部と、前記ケーシングの外側面下方に設定された水抜き孔が形成される水抜き孔用リブとからなり、該水抜き孔用リブは前記ポンプハウジング部の面方向に沿って所定幅を有すると共に、前記ポンプハウジング部より前記ベアリングボス部の軸方向に沿って膨出形成されてなるウォーターポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
【0010】
請求項2の発明を、請求項1において、前記換気屋根部は、所定間隔をおいて2個形成されてなるウォーターポンプとしたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1において、前記換気屋根部は、所定間隔をおいて2個形成されると共に、前記両換気屋根部の頂部同士は連続且つ一体形成されてなるウォーターポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、水抜き孔用リブ及び換気屋根部の壁共に少なくとも一定角度を有する膨出部として形成されているため、1つの金型であったとしても鋳抜きピンの方向を変えるだけで、一定角度までの角度の範囲内で水抜き孔及び換気孔の方向を変更することが可能となる。これによりウォーターポンプの取付け角度が異なる仕様であったとしても同一の金型が使用できるため、別途金型費が掛かることなく安価に別仕様品を製造することが可能となる。
【0012】
請求項2の発明を、請求項1において、前記換気屋根部は、所定間隔をおいて2個形成されてなるウォーターポンプとしたことにより、換気屋根部が換気孔の開口をぐるりと覆う構成となり換気屋根部によって換気孔の開口からの水や泥が入りづらく出来るという効果を奏する。また、ケーシング内に配置されたベアリングやメカニカルシールにダメージを与えることが無い。
【0013】
請求項3の発明では、前記換気屋根部は、所定間隔をおいて2個形成されると共に、前記両換気屋根部の頂部同士は連続且つ一体形成されたことにより、換気屋根部の壁はひと連なりに形成されているため、形状が単純であり、鋳造金型費や加工費を安くすることが出来る。また、請求項2と略同様に、換気屋根部が換気孔の開口をぐるりと覆う構成となり、外から換気孔の開口内に水や泥が入りづらく出来るという効果を奏する。また、ケーシング内に配置されたベアリングやメカニカルシールにダメージを与えることが無い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態の正面図、(B)は(A)のY1−Y1矢視断面図、(C)は(A)の(ア)部の拡大斜視図である。
【図2】(A)はケーシングの縦断側面図、(B)は(A)のY2−Y2矢視断面図である。
【図3】(A)及び(B)は、いずれか2個の換気屋根部に対して水抜き孔用リブ側から水抜き孔及び換気孔を穿孔する状態を示す断面図である。
【図4】(A)は本発明の第1実施形態を示すケーシングの斜視図、(B)は本発明の第2実施形態を示すケーシングの要部斜視図、(C)は第2実施形態の要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本発明は、主に、ケーシングAと、シャフト付きベアリング91と、メカニカルシール92と、インペラ93とから構成される。前記ケーシングAは、アルミ合金製であるが、その他の材質でも構わない。
【0016】
ケーシングAは、図1,図2に示すように、略中空円筒形状のベアリングボス部1と平板形状のポンプハウジング部2とから構成される。ベアリングボス部1とポンプハウジング部2とは一体的に形成されている。ベアリングボス部1は、内周側に包囲されたベアリング室11が形成される。また、ポンプハウジング部2にはメカニカルシール92が装着されるシール装着室21が形成されている。
【0017】
ベアリング室11には、シャフト付きベアリング91のベアリング部が装着され、シール装着室21には、メカニカルシール92が装着される〔図1(B)参照〕。シャフト付きベアリング91のシャフト91aは、メカニカルシール92によって外周側面が水密的にシールされつつ、メカニカルシール92を貫通している。そして、シャフト91aの軸方向一端には、インペラ93が装着される。また、シャフト91aにはベルト車94が装着され、該ベルト車94にはベルト95が装着される(図1参照)。
【0018】
ケーシングAのベアリング室11とシール装着室21との間には、空隙室3が形成される〔図1(B),図2(A)参照〕。該空隙室3は、ベアリング室11に装着されたシャフト付きベアリング91のベアリング部分と、シール装着室21に装着されたメカニカルシール92との間に構成されたスペースとなる。ケーシングAには、水抜き孔4と換気孔5とがシャフト付きベアリング91のシャフト91aに対して上下方向且つ垂直方向に形成される〔図1(B),図2(A)参照〕。
【0019】
前記水抜き孔4及び換気孔5は、前記ケーシングA内部と外部とを貫通する孔であり、メカニカルシール92とシャフト付きベアリング91の間に構成された空隙室3に漏れて溜まった冷却水をケーシングAの外部に排出する役目を有する。前記水抜き孔4及び換気孔5は、ケーシングAにおける空隙室3の内部側と外部側とを貫通する管路状の孔であり、共に直線状の孔であり、水抜き孔4と換気孔5とは、1直線上に並んで形成される(図1,図2参照)。
【0020】
ケーシングAの下方の位置には、水抜き孔用リブ8が形成されている(図1乃至図3参照)。該水抜き孔用リブ8は、前記水抜き孔4が形成される部位であり、前記ベアリングボス部1と前記ポンプハウジング部2との付根箇所で、且つベアリングボス部1の下方側からポンプハウジング部2の面方向下方に沿って形成されている。
【0021】
そして、水抜き孔用リブ8は、前記ベアリングボス部1の直径中心(略直径中心も含む)を中心として前記ポンプハウジング部2の面方向に所定幅を有すると共に、前記ポンプハウジング部2側より前記ベアリングボス部1の軸方向に沿って膨出形成されたものである〔図1(B),(C)、図2(A)参照〕。
【0022】
水抜き孔用リブ8は、具体的には、換気屋根部6を中心として周方向に約30度程度(一定角度)又は30度以上の角度を有した扇形形状に形成されている。また、換気屋根部6が2個の場合では、それぞれの換気孔5に対して略台形状に形成される。
【0023】
ケーシングAの外側には、換気屋根部6が形成されている。さらに具体的には、換気屋根部6は、前記ベアリングボス部1の外側面上方の所定位置に形成され、且つ前記ポンプハウジング部2側より前記ベアリングボス部1の軸方向に沿って突出形成される。具体的には、換気屋根部6は、シャフト付きベアリング91のシャフト91aの軸方向に沿うようにして立ち上がった形状となっている。換気屋根部6は、前記換気孔5のケーシングAの外部側で、且つ換気孔5の排出側である換気開口51を覆うと共にケーシングAの補強としての役目を果たす。
【0024】
換気屋根部6は、ベアリングボス部1の外周側面の上方位置に略半割管形状又はトンネル形状に形成された略アーチ状の形成物である〔図1(A),(B),図4(A)参照〕。そして、換気孔5の換気開口51は、さらに換気屋根部6を通過して、ケーシングAの外部と連通する。また、換気屋根部6の壁の高さは、本実施例ではベアリングボス部1の高さの略半分程度の高さとしているが、この大きさに限定するものではない。
【0025】
また、換気屋根部6の屋根開口61の面積は、前記換気孔5の換気開口51の面積より僅かに大きい程度となっている。換気屋根部6は、換気孔5の換気開口51の必要な面積を確保しつつ、換気屋根部6の屋根開口61の面積は出来る限り小さい面積にすることが好ましい。換気屋根部6の屋根開口61の面積を小さくすることで、換気孔5より内部への水や泥の浸入を抑制することができる。
【0026】
その浸入の抑制手段として、換気屋根部6の通路には、該換気屋根部6の屋根開口61と、換気孔5の換気開口51との間に堰形状の段差部62が形成されることもある。該段差部62によって、換気孔5の換気開口51からケーシングAの内部に水や泥の浸入を抑制することができる。
【0027】
また、換気屋根部6の屋根開口61の部位では頂部からベアリングボス部1側に近づくにしたがって、ポンプハウジング部2から遠ざかるようにベアリングボス1側とのすそ野が長くなるように形成されている。これにより換気屋根部6の屋根開口61の端面に付着した水はすそ野形状に沿って屋根開口61から遠ざかりながら垂れて行き、これにより換気孔6より内部への水や泥の浸入を抑制している。
【0028】
ベアリングボス部1とポンプハウジング部2との間には、複数のリブ7が形成されている。リブの高さはベアリングボスに向かうに従って徐々に高くなっていく。リブ7は、ベアリングボス部1の外周において略等間隔に5箇所配置されている。リブ7の個数は、必ずしも5に限定されるものではなく、5以下でも、或いは5以上であっても構わないが、全体のバランスを考慮して形成されるものである。
【0029】
リブ7は、板片状に形成されたものであり、ポンプハウジング部2の外周縁に形成された複数のボルト取付台座22,22,…から、ベアリングボス部1の直径中心に向かって連続的に繋がるようにして形成されている。それぞれのリブ7の外端寄りの高さは、ポンプハウジング部2からベアリングボス部1の軸方向に突出するボルト取付台座22の高さ寸法と略同等である。そして、リブ7とベアリングボス部1の外周側面との連続箇所では、ベアリングボス部1の軸方向に沿って延びるように形成されている。
【0030】
複数のリブ7,7,…は、ベアリングボス部1の外周側面に連続形成されるものであるが、その中の一部は、前記換気屋根部6に連続形成される。前記リブ7は、前記換気屋根部6の頂部箇所に形成される。1箇所のボルト取付台座22から2本のリブ7が換気屋根部6に向かって形成され、換気屋根部6を構成する左右両側の側壁部6a,6aによって、略二股形状に分岐形成される。
【0031】
つまりリブ7のベアリングボス部1側では、換気屋根部6の側壁部6a,6aによって二股状に分岐形成される。そして、リブ7と換気屋根部6の二岐状の側壁部6a,6aによって、一つの補強リブが構成されることになり、換気孔5の換気開口51は、換気屋根部6にて排気可能に覆われ、リブ7と換気孔5との最適位置が一致しても、共に最適位置を確保しつつ相互の干渉も防止でき、補強リブとして十分に機能を果たすことができる。
【0032】
前記換気屋根部6は、所定間隔をおいて2箇所に形成される〔図1(A),図4(A)参照〕。そして、1つのボルト取付台座22から、2個の換気屋根部6,6の両方に向かってリブ7,7が形成される。そして、1箇所のボルト取付台座22から2本のリブ7,7が2個の換気屋根部6,6に向かって形成され、2個のそれぞれのリブ7から換気屋根部6を構成する側壁部6a,6aによって、略二股形状に分岐形成される。つまり換気屋根部6の壁は四つ股に分かれる。
【0033】
前述したように、2個の換気屋根部6,6と、この2個の換気屋根部6,6に対応する2個のリブ7,7を有するものである。そして、2個の換気屋根部6,6は、そのいずれか一方がケーシングAの頂部に位置するように設定できるようになっている。つまり、本発明のウォーターポンプを装着するエンジンによって、取付角度が変更する場合が存在するが、換気屋根部6が2個具備されたものであり、これによっていずれか一方の換気屋根部6がケーシングAの頂部に位置するように設定される。
【0034】
ケーシングAの頂部に位置する側の換気屋根部6に換気孔5が形成され、他方の換気屋根部6には換気孔5は形成されていない。つまり、予めケーシングAには2個の換気屋根部6,6と、これに対応する2個のリブ7,7が形成され、頂部に位置する換気屋根部6にのみ換気孔5を形成することで、エンジンへの種々の取付状態に対応することができ、鋳造金型費や加工費を安くすることが出来る。
【0035】
次に本発明の第2実施形態について図4(B)及び(C)に基づいて述べる。前記換気屋根部6は、所定間隔をおいて2個形成されると共に、前記両換気屋根部6,6の頂部同士は連続且つ一体形成される。具体的には、両換気屋根部6,6の隣り合う近接する側の側壁部6a,6aは設けられず、最も離間した位置に形成される2つの側壁部6a,6aと、両側壁部6a,6aに亘って形成された頂部6bとから構成される。
【0036】
頂部6bは、ベアリングボス部1の外周側面の周方向に沿って略円弧状の板片部として形成されたものである。そして、前記頂部6bとポンプハウジング部2との間にリブ7が形成される。該リブ7は1個形成される。具体的には、頂部6bの周方向において、略中間位置にリブ7が形成される。
【0037】
また、両側壁部6a,6aで、且つ頂部6bの周方向の略中間位置と、ベアリングボス部1との間で、仕切り壁71が形成される。該仕切り壁71は、前述した頂部6bとポンプハウジング部2との間に形成されたリブ7と頂部6bを挟んで連続したものであり、仕切り壁71は、2箇所の換気屋根部6,6を仕切ると共にリブ7と共に換気屋根部6の補強の役目をなす。
【0038】
本発明において、前記水抜き孔用リブ8は、所定幅を有しており、2個の換気屋根部6,6に対して、2つの位置の水抜き孔4及び換気孔5をドリルにて穿孔形成することができる。前述したように、水抜き孔4と換気孔5とは、一直線(略一直線も含む)上に配列されるものであり、水抜き孔4はケーシングAに対して下方側に形成され、換気孔5は、ケーシングAに対して上方側に形成されるものである〔図1(A),(B)参照〕。
【0039】
水抜き孔用リブ8は、所定幅を有しており、具体的には、方向が異なる2本の水抜き孔4を穿孔可能な程度の幅方向寸法を有している(図3参照)。そして、ケーシングAは、ポンプハウジング部2側をエンジンに装着するときに、ケーシングAの上方となる位置に換気孔5が位置するように、該換気孔5が形成される。また、ケーシングAの上方となる位置に換気孔5が位置することが最も好適な状態となる。
【0040】
ここで、ケーシングAのエンジンへの取り付け状態が変更して、ケーシングAの取付角度が変更されることが生じたときには、二つの換気屋根部6の上方となるもの、或いは最も上方に近いものに向って、水抜き孔用リブ8の最下方の位置からドリル等の穿孔工具Tによって穿孔する。このとき、換気屋根部6が正面より見てベアリングボス部1の上方位置より右側に位置するものでは、水抜き孔用リブ8の左側寄りの位置から穿孔を行う〔図3(A)参照〕。
【0041】
また、換気屋根部6が正面より見てベアリングボス部1の上方位置より左側に位置するものでは、水抜き孔用リブ8の右側寄りの位置から穿孔を行う〔図3(B)参照〕。これによって、水抜き孔4と換気孔5とが略一直線上で且つ換気孔5が上方で水抜き孔4が下方となるように形成することができる。
【符号の説明】
【0042】
A…ケーシング、1…ベアリングボス部、11…ベアリング室、
2…ポンプハウジング部、21…シール装着室、3…空隙室、5…換気孔、
6…換気屋根部、7…リブ、8…水抜き孔用リブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアリングボス部と該ベアリングボス部の軸方向に対して直交方向に延出するポンプハウジング部とからなるケーシングにおいて、該ケーシングのベアリングボス部の内周側のベアリング室と、ポンプハウジング部内のシール装着室と、前記ベアリング室と前記シール装着室との間に形成された空隙室と、前記ケーシングの前記空隙室における内部上方と外部上方とを連通する換気孔と、前記ケーシングの前記空隙室における内部下方と外部下方とを連通する水抜き孔と、前記ベアリングボス部の外側面上方の所定位置に形成されると共に前記換気孔の開口を覆う2個の換気屋根部と、前記ケーシングの外側面下方に設定された水抜き孔が形成される水抜き孔用リブとからなり、該水抜き孔用リブは前記ポンプハウジング部の面方向に沿って所定幅を有すると共に、前記ポンプハウジング部より前記ベアリングボス部の軸方向に沿って膨出形成されてなることを特徴とするウォーターポンプ。
【請求項2】
請求項1において、前記換気屋根部は、所定間隔をおいて2個形成されてなることを特徴とするウォーターポンプ。
【請求項3】
請求項1において、前記換気屋根部は、所定間隔をおいて2個形成されると共に、前記両換気屋根部の頂部同士は連続且つ一体形成されてなることを特徴とするウォーターポンプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−87729(P2013−87729A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230810(P2011−230810)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000144810)株式会社山田製作所 (183)
【Fターム(参考)】