説明

エアゾール容器用噴射装置

【課題】僅かな操作力でエアゾール容器から噴射装置を取り外すことができ、かつ一度取り外しても再利用して資源の節約を図ることが可能なエアゾール容器用噴射装置を提供すること。
【解決手段】エアゾール容器30に装着される噴射装置10において、エアゾール容器30のマウンテンカップ部31に装着される噴射装置本体部11と、バルブステムに被冠装着されて外部からの押圧力に応じて前記バルブステムを押圧する押圧部12と、押圧部12の一端を噴射装置本体部11に回転可能に一体化するヒンジ部としての弱剛体部13と、噴射装置本体部11に一体形成されて押圧部12に作用する装着解除方向の力を受ける回転抑制部14とを備えて、ヒンジ部に破壊を招かずに取り外し可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール容器に装着され、エアゾール容器のバルブステムから噴出される内容物を外部へ噴射させるエアゾール容器用噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消臭剤や殺虫剤等のように、エアゾール容器の内容物を噴射口から外部へ噴射させるエアゾール製品が知られている。
エアゾール製品は、一般に、噴射剤として圧縮された可燃性ガスが液状又は粉状の内容物と一緒に充填されたエアゾール容器と、このエアゾール容器のバルブステムに装着されてバルブステムから内容物を噴出させて外部へ噴射させる噴射装置とを備えている。
【0003】
通常、エアゾール製品に使用されるエアゾール容器は金属製品であり、噴射装置は合成樹脂製品であり、互いに材質が異なる製品であるため、使用済みのエアゾール製品を廃棄する際には、エアゾール容器から噴射装置を取り外して、分別廃棄することが望まれている。
【0004】
図6及び図7は、エアゾール容器に装着される噴射装置の従来例を示したものである。
ここに示した噴射装置51は、特許文献1に開示されたもので、エアゾール製品を廃棄する際に、僅かな操作力でエアゾール容器61から取り外しできるようにしたものである。
具体的には、この噴射装置51は、エアゾール容器61のマウンテンカップ部62の外周に嵌合装着される略筒状構造の噴射装置本体部52と、エアゾール容器61の頂部中心に突設されたバルブステム64に被冠装着されて、外部からの押圧力に応じてバルブステム64を押圧する押圧部53と、この押圧部53の一端を噴射装置本体部52に回転可能に一体化して押圧部53が外部からの押圧力によりバルブステム64を押し下げる方向に傾動するためのヒンジ部55とを備えている。
【0005】
そして、ヒンジ部55は、押圧部53の下部の前端部を、噴射装置本体部52の上部前端部に連結している。そして、略円筒状の噴射装置本体部52には、図7に示すように、ヒンジ部55の付け根の両側から円筒の軸線方向に、破断用に肉厚を薄くした薄肉部56が形成されている。
【0006】
以上の噴射装置51は、分別廃棄するために、エアゾール容器61から取り外すときは、まず、図8に矢印(イ)で示すように、ヒンジ部55を回転中心として押圧部53を前方に引き起こして、バルブステム64から押圧部53が離脱した状態にする。次いで、図9に示すように、押圧部53を筒状の噴射装置本体部52から引き離すように引っ張ると、図7に示した一対の薄肉部56において破断が起こり、わずかな操作力で、噴射装置本体部52の一対の薄肉部56により挟まれた部位57が引きちぎられて、噴射装置本体部52から押圧部53が分離される。
【0007】
この押圧部53の分離により、エアゾール容器61のマウンテンカップ部62に嵌合している噴射装置本体部52は、図10に示すように、周方向の一部が切り離された形態になり、この切り離し部58を矢印(ロ)、(ハ)に示すように、押し開く方向に付勢することで、噴射装置本体部52をマウンテンカップ部62から簡単に取り外すことができる。
このように、噴射装置51をエアゾール容器61から簡単に取り外すことができる。
【0008】
【特許文献1】特開2003−81370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図6乃至図10に示した噴射装置の場合、エアゾール容器61から噴射装置51を取り外す操作で、噴射装置51は、噴射装置本体部52と押圧部53とが分断された破壊状態になってしまう。
即ち、上記噴射装置は、一旦、エアゾール容器61から取り外すと壊れてしまうため、再び別のエアゾール容器に装着して再利用することができず、資源的に不経済であった。
【0010】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、エアゾール製品を廃棄する際に、僅かな操作力でエアゾール容器から噴射装置を取り外すことができ、かつ一度取り外しても再利用して資源の節約を図ることが可能なエアゾール容器用噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決することのできる本発明は、エアゾール容器に装着され、前記エアゾール容器のバルブステムから噴出される内容物を外部へ噴射させるエアゾール容器用噴射装置であって、
前記エアゾール容器のマウンテンカップ部に装着される噴射装置本体部と、前記バルブステムに被冠装着されて、外部からの押圧力に応じて前記バルブステムを押圧する押圧部と、前記押圧部の一端を前記噴射装置本体部に回転可能に一体化して前記押圧部が外部からの押圧力により前記バルブステムを押し下げる方向に傾動するためのヒンジ部として機能する弱剛体部と、前記噴射装置本体部に一体形成されて、前記押圧部に前記バルブステムとの装着状態を解除する方向の力が作用した時に前記弱剛体部を回転支点として前記押圧部が前記バルブステムとの装着解除方向に回転することを抑制する回転抑制部と、を備え、
前記噴射装置本体部を前記エアゾール容器から取り外すために前記押圧部に与えられる外力による負荷を、前記回転抑制部において受けることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、分別廃棄するためにエアゾール容器から噴射装置を取り外すときは、押圧部にエアゾール容器のバルブステムとの装着状態を解除する方向の力を作用させる。この時、押圧部に作用した装着解除方向の力は、噴射装置本体部に一体形成された回転抑制部が受けるため、ヒンジ部として機能する弱剛体部に無理な曲げ荷重等の負荷がかからない。従って、噴射装置の取り外しのために作用させた負荷で、弱剛体部が破壊されることがない。
また、押圧部に作用させた装着解除方向の力は、回転抑制部を介して噴射装置本体部に伝達されるため、押圧部と噴射装置本体部とが一体のまま、壊れることなくエアゾール容器から取り外されることになる。
従って、使用済みのエアゾール容器を廃棄する時に、エアゾール容器から取り外して、エアゾール容器の分別廃棄が可能であると共に、一度取り外した噴射装置は、別のエアゾール容器に取り付けて再利用することが可能であり、再利用して資源の節約を図ることができる。
【0013】
また、本発明において、前記回転抑制部は、前記押圧部の両側の係止部から上方に離間し、且つ、前記両側の係止部に一部が重なるように配置され、前記押圧部が上方に回転操作されたときに前記両側の係止部と接触して係合することを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、押圧部を上方(即ち、バルブステムとの装着状態を解除する方向)に回転させようとするときだけ、両側の係止部と接触して係合するので、通常使用時における押圧操作時には、押圧部と回転抑制部との接触がなく、回転抑制部が押圧操作の邪魔になることがなく、良好な操作性を維持できる。
また、回転抑制部は、押圧部の両側の係止部と一部が重なる構成となっていればよいので、複雑かつ大きな構造物にはならない。従って、回転抑制部の装備により、噴射装置の成形が困難になったり、噴射装置のコンパクト化が犠牲にされたりすることがなく、成形性やコンパクト化に優れた噴射装置を提供することができる。
【0015】
また、本発明において、前記噴射装置本体部は、前記マウンテンカップ部と係合する係合部を備えた略円筒状の側縁部を有し、
前記側縁部には、前記噴射装置本体部を前記エアゾール容器から取り外すための外力が作用した時に、前記マウンテンカップ部と前記係合部との係合を解除する方向の弾性変形を生じ易くする切り込み部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、エアゾール容器のマウンテンカップ部に係合している略円筒状の側縁部は、その一部に形成された切り込み部により、マウンテンカップ部との係合を解除する方向の弾性変形が生じ易くなっている。そのため、エアゾール容器から噴射装置を取り外すために押圧部に作用させた装着解除方向の力がそれほど大きな力でなくとも、その力が回転抑制部を介して噴射装置本体部に伝達されたときに、側縁部の弾性変形により簡単に噴射装置本体部をマウンテンカップ部から取り外すことができる。
従って、エアゾール製品を廃棄する際に、僅かな操作力でエアゾール容器から噴射装置を取り外すことができ、分別廃棄に手間がかからない。
また、側縁部に弾性変形が生じ易いことによって、マウンテンカップ部と係合している係合部に無理な捻りや摩擦がかからず、係合部の破壊を防止することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るエアゾール容器用噴射装置の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本実施形態にかかるエアゾール容器用噴射装置の一実施の形態の正面図、図2は図1に示した噴射装置の側面図、図3は図2に示した噴射装置の上面図、図4は図3のA−A断面図、図5は図3のB−B断面図である。
【0018】
本実施の形態のエアゾール容器用噴射装置10は、例えば、化粧品や殺虫剤などを充填したエアゾール容器30(図5参照)に装着されて、エアゾール容器30の頂部中央に装備された直管状のバルブステム(不図示)から噴出される内容物を外部へ噴射させる。
【0019】
本実施の形態の噴射装置10は、具体的には、エアゾール容器30の上部に周設されたマウンテンカップ部31に装着される噴射装置本体部11と、エアゾール容器30の直管状のバルブステム(不図示)に被冠装着されて、外部からの押圧力に応じて前記バルブステムを押圧する押圧部12と、押圧部12の一端(前端)を噴射装置本体部11に回転可能に一体化する弱剛体部13とを、合成樹脂の射出成形等により、一体形成したものである。
【0020】
噴射装置本体部11は、マウンテンカップ部31の内周に嵌入する略円筒状の側縁部18と、この側縁部18の上端縁から径方向外側に鍔状に張り出してマウンテンカップ部31の頂部に当接するフランジ部19と、を有している。
【0021】
そして、略円筒状の側縁部18の外周面には、マウンテンカップ部31の内周の凹溝32に係合してマウンテンカップ部31への固定を果たす複数個の係合部16が設けられている。複数個の係合部16は、図1及び図2に示すように、周方向に離間して装備されている。
更に、本実施の形態の場合、略円筒状の側縁部18には、円筒の軸方向に沿って、切り込み部17が形成されている。この切り込み部17は、側縁部18の下端から円筒の軸方向に沿って形成されていて、側縁部18を、縮径方向や拡径方向に弾性変形し易くしている。
【0022】
換言すると、切り込み部17は、側縁部18をマウンテンカップ部31に嵌入させる時に、側縁部18の縮径方向の弾性変形により、嵌入を容易にする。また、噴射装置本体部11をエアゾール容器30から取り外すための外力が作用した時にも、マウンテンカップ部31と係合部16との係合を解除する縮径方向の弾性変形を生じ易くして、僅かな操作力でも取り外しできるようにする。
【0023】
押圧部12は、図4及び図5に示すように、エアゾール容器30の直管状のバルブステム(図6のバルブステム64に相当する)が嵌入するステム嵌合孔21とこのステム嵌合孔21の先端に連通して設けられた噴射ノズル孔22とを有した噴射頭23と、この噴射頭23の上端面に連続して後方(噴射ノズル孔22と逆側)に延出した押圧板部24とを具備している。押圧板部24の表面には、滑り止めの凹凸24aが形成されている。
【0024】
押圧板部24は、エアゾール容器30から噴射装置10を取り外すときには、図5に押圧板部24の裏面に手指Fを引っかけて、図5の矢印(ニ)で示すように、押圧部12を上方に引っ張る。この場合に、上方とは、バルブステムとステム嵌合孔21との嵌合を外してバルブステムへの装着状態を解除する方向である。
【0025】
図4に示すように、押圧部12の両側には、押圧板部24から垂下するように側壁25が設けられている。そして、この両側壁25の下部には、外側に向かって水平に突出した係止部15が設けられている。
【0026】
そして、図4に示すように、上記係止部15に対向するように、噴射装置本体部11の上部両側には、回転抑制部14が一体に装備されている。
この回転抑制部14は、図3及び図4に示すように、押圧部12の両側の係止部15から上方に離間し、且つ、両側の係止部15に一部が重なるように、押圧部12の側壁25に向かって突出した板片である。
この回転抑制部14は、押圧部12が上方に回転操作されたときに両側の係止部15と接触して係合して、押圧部12に作用していた荷重を受ける。
【0027】
弱剛体部13は、押圧部12や噴射装置本体部11の前端周辺よりも押圧部12が外部からの押圧力によりバルブステムを押し下げる方向に傾動するためのヒンジ部として機能する。
この弱剛体部13のヒンジ部としての機能により、図5に示したように押圧部12に手指Fによりバルブステムとの装着状態を解除する方向の力が作用した時には、弱剛体部13を回転支点として押圧部12がバルブステムとの装着解除方向に回転しようとする。
しかし、本実施の形態の噴射装置10の場合は、手指Fによってバルブステムとの装着状態を解除する方向の力が作用して、押圧部12が僅かに持ち上がると、押圧部12の両側に設けていた係止部15が、その上方に待機していた噴射装置本体部11上の回転抑制部14に当接して、弱剛体部13を回転支点としたそれ以上の回転挙動が抑制される。
そして、押圧部12に作用していた装着解除方向の力による負荷は、係止部15が当接している回転抑制部14によって受けられて、押圧部12と噴射装置本体部11とが一体的に装着解除方向に移動することになる。
【0028】
以上に説明した一実施の形態のエアゾール容器用噴射装置10では、分別廃棄するためにエアゾール容器30から噴射装置10を取り外すときは、図5に示すように、押圧部12の押圧板部24の裏に手指Fを引っかけて、エアゾール容器30のバルブステムと押圧部12との装着状態を解除する方向の力を作用させる。この時、押圧部12に作用した装着解除方向の力は、噴射装置本体部11に一体形成された回転抑制部14が受けるため、ヒンジ部として機能する弱剛体部13に無理な曲げ荷重等の負荷がかからない。従って、噴射装置10の取り外しのために作用させた負荷で、弱剛体部13が破壊されることがない。
【0029】
また、押圧部12に作用させた装着解除方向の力は、回転抑制部14を介して噴射装置本体部11に伝達されるため、押圧部12と噴射装置本体部11とが一体のまま、壊れることなくエアゾール容器30から取り外されることになる。
従って、使用済みのエアゾール容器30を廃棄する時に、エアゾール容器30から取り外して、エアゾール容器30の分別廃棄が可能であると共に、一度取り外した噴射装置10は、別のエアゾール容器30に取り付けて再利用することが可能であり、再利用して資源の節約を図ることができる。
【0030】
また、本実施の形態のエアゾール容器用噴射装置10の場合、回転抑制部14は、図4に示すように、押圧部12の両側の係止部15から上方に離間し、且つ、両側の係止部15に一部が重なるように配置されており、押圧部12が上方に回転操作されたときに両側の係止部15と接触して係合する構成である。
【0031】
従って、押圧部12を上方(即ち、バルブステムとの装着状態を解除する方向)に回転させようとするときだけ、両側の係止部15と接触して係合するので、通常使用時における押圧操作時には、押圧部12と回転抑制部14との接触がなく、回転抑制部14が押圧操作の邪魔になることがなく、良好な操作性を維持できる。
【0032】
また、回転抑制部14は、押圧部12の両側の係止部15と一部が重なる構成となっていればよいので、複雑かつ大きな構造物にはならない。従って、回転抑制部14の装備により、噴射装置10の成形が困難になったり、噴射装置10のコンパクト化が犠牲にされたりすることがなく、成形性やコンパクト化に優れた噴射装置10を提供することができる。
【0033】
また、本実施の形態のエアゾール容器用噴射装置10の場合、噴射装置本体部11は、マウンテンカップ部31と係合する係合部16を備えた略円筒状の側縁部18を有し、更にその側縁部18には、噴射装置本体部11をエアゾール容器30から取り外すための外力が作用した時に、マウンテンカップ部31と係合部16との係合を解除する方向の弾性変形を生じ易くする切り込み部17が形成されている。
【0034】
即ち、エアゾール容器30のマウンテンカップ部31に係合している略円筒状の側縁部18は、その一部に形成された切り込み部17により、マウンテンカップ部31との係合を解除する方向の弾性変形が生じ易くなっている。そのため、エアゾール容器30から噴射装置10を取り外すために押圧部12に作用させた装着解除方向の力がそれほど大きな力でなくとも、その力が回転抑制部14を介して噴射装置本体部11に伝達されたときに、側縁部18の弾性変形により簡単に噴射装置本体部11をマウンテンカップ部31から取り外すことができる。
【0035】
従って、エアゾール製品を廃棄する際に、僅かな操作力でエアゾール容器30から噴射装置10を取り外すことができ、分別廃棄に手間がかからない。
また、側縁部18に弾性変形が生じ易いことによって、マウンテンカップ部31と係合している係合部16に無理な捻りや摩擦がかからず、係合部16の破壊を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態にかかるエアゾール容器用噴射装置の一実施の形態の正面図である。
【図2】図1に示した噴射装置の側面図である。
【図3】図2に示した噴射装置の上面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】従来のエアゾール容器用噴射装置の縦断面図である。
【図7】図6に示した噴射装置の正面図である。
【図8】図6に示した噴射装置において、エアゾール容器から取り外すために押圧部を引き起こした状態を示す縦断面図である。
【図9】図8に示した押圧部の引き起こし操作の後、押圧部を引っ張って、噴射装置本体部から押圧部を切り離した状態を示す縦断面図である。
【図10】図9のC矢視図である。
【符号の説明】
【0037】
10:エアゾール容器用噴射装置(噴射装置)、11:噴射装置本体部、12:押圧部、13:弱剛体部、14:回転抑制部、15:係止部、16:係合部、17:切り込み部、18:側縁部、21:ステム嵌合孔、23:噴射頭、24:押圧板部、25:側壁、30:エアゾール容器、31:マウンテンカップ部、32:凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器に装着され、前記エアゾール容器のバルブステムから噴出される内容物を外部へ噴射させるエアゾール容器用噴射装置であって、
前記エアゾール容器のマウンテンカップ部に装着される噴射装置本体部と、
前記バルブステムに被冠装着されて、外部からの押圧力に応じて前記バルブステムを押圧する押圧部と、
前記押圧部の一端を前記噴射装置本体部に回転可能に一体化して前記押圧部が外部からの押圧力により前記バルブステムを押し下げる方向に傾動するためのヒンジ部として機能する弱剛体部と、
前記噴射装置本体部に一体形成されて、前記押圧部に前記バルブステムとの装着状態を解除する方向の力が作用した時に前記弱剛体部を回転支点として前記押圧部が前記バルブステムとの装着解除方向に回転することを抑制する回転抑制部と、を備え、
前記噴射装置本体部を前記エアゾール容器から取り外すために前記押圧部に与えられる外力による負荷を、前記回転抑制部において受けることを特徴とするエアゾール容器用噴射装置。
【請求項2】
前記回転抑制部は、前記押圧部の両側の係止部から上方に離間し、且つ、前記両側の係止部に一部が重なるように配置され、前記押圧部が上方に回転操作されたときに前記両側の係止部と接触して係合することを特徴とする請求項1に記載のエアゾール容器用噴射装置。
【請求項3】
前記噴射装置本体部は、前記マウンテンカップ部と係合する係合部を備えた略円筒状の側縁部を有し、
前記側縁部には、前記噴射装置本体部を前記エアゾール容器から取り外すための外力が作用した時に、前記マウンテンカップ部と前記係合部との係合を解除する方向の弾性変形を生じ易くする切り込み部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエアゾール容器用噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−120441(P2008−120441A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−309512(P2006−309512)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(000141118)株式会社丸一 (47)
【Fターム(参考)】