説明

エアーマッサージベッド

【課題】 折り畳みベッドを含む各種形態のベッドとしてコンパクトに構成でき、しかも静寂で、不快な振動を抑制しうるエアーマッサージベッドを提供する。
【解決手段】 脚部材を有しマット載置用の載置枠を含むベッド基体と、前記載置枠を覆って該載置枠に載置されるマットと、前記マットに配設されたマッサージ用の複数の空気袋と、該空気袋にエアーを供給するエアー供給手段と、各空気袋へのエアーの給排気を制御する制御手段とを具え、前記エアー供給手段を、前記マット部材のマット使用者の足下側の領域に収納するとともに、前記各空気袋と、エアー供給手段との間を継ぐエアーホースを具えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧で膨張する空気袋によって、使用者のマッサージ部位を刺激してマッサージするエアーマッサージベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
横臥状態の使用者の肩、腰、脚部などマッサージ部位に、刺激を加えてマッサージするマッサージ機能付きのベッドは、マッサージ椅子に比べて楽な姿勢で使用できることなどから、ベッド本体にバイブレーター方式、可動揉み球方式など各形態のマッサージ機能を付加したものが使用されている。
【0003】
一例として、図13に示すように、複数の空気袋aを、ベッド基体bに載置したマットdの表側に配置し、エアーポンプeの高圧空気をエアーホースfを介して前記空気袋aへ供給して、該空気袋aの膨張による加圧力でマッサージするマッサージベッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この種エアーマッサージベッドは、横臥して体重が載ったマッサージ部位を空気圧により柔らかく押圧できるため、適度な刺激が与えられてマッサージ効果に優れ、またそのまま眠りに入ったとしても刺激が過剰になることがないため、安全性が高く、しかも通常のベッドと兼用できてマッサージ用に特別なスペースを必要としないため、実用性の高いマッサージ装置として多く用いられている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−209674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記エアーマッサージベッドでは、エアーポンプeがベッド基体bの下部に装着され、エアーホースfをベッド基体bの開口を介してマットd内へ挿通させて構成している。従って、エアーマッサージベッド専用のベッド基体bを設計製作する必要があり、汎用性を欠くためにコストが高くなり、またエアーポンプeがベッド基体bの下部へ突出するため折り畳みベッドとして構成できない等、構造上の制約が伴うという問題がある。
【0007】
更に前記エアポンプeは、ベッド基体b下部へ収納されるものの、音漏れし易いことから騒音が大きくなり、更にはベッド基体bを介して機械振動が伝播して不快感を与えるという問題もあった。
【0008】
本発明は、エアー供給手段を、前記マット部材のマット使用者の足下側の領域に収納するとともに、前記各空気袋と、エアー供給手段との間を継ぐエアーホースを具えることを基本とし、折り畳みベッドを含む各種形態のベッドとしてコンパクトに構成でき、しかも静寂で、不快な振動を抑制しうるエアーマッサージベッドの提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、脚部材を有しマット載置用の載置枠を含むベッド基体と、前記載置枠を覆って該載置枠に載置されるマットと、前記マットに配設されたマッサージ用の複数の空気袋と、該空気袋にエアーを供給するエアー供給手段と、各空気袋へのエアーの給排気を制御する制御手段とを具え、前記エアー供給手段を、前記マット部材のマット使用者の足下側の領域に収納するとともに、前記各空気袋と、エアー供給手段との間を継ぐエアーホースを具えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明において、前記ベッド基体は、前記載置枠が、頭側の載置半枠と脚側の載置半枠とからなりかつ載置半枠をたてて折曲げ可能とした収納式ベッド基体であり、かつマットは頭側の載置半枠に配される頭側のマットと、脚側の載置半枠に配される脚側のマットとからなり、請求項3に係る発明では、前記マットは、スポンジ材からなるマット本体と、前記空気袋を含んでマット本体を囲むカバーとを含み、かつカバーは、該カバーと前記空気袋とが接触する接触領域を伸縮性に優れる布により形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、前記空気袋は、頭側のマットに配され膨張により背部を押し上げる背部の空気袋と、腰部を押し上げる腰部の空気袋と、脚側のマットに配されふくらはぎが載置される下脚部の空気袋とを含み、少なくとも前記頭側のマットは、前記マット本体に、空気袋を撓むことなく支持する多孔シートを敷設したことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明では、前記空気袋は、首部を押し上げる首部の空気袋と、太ももを押し上げる太もも部の空気袋とを含むとともに、前記下脚部の空気袋は、膨張によりV字状に折れ曲がりふくらはぎを挟み、また請求項6に係る発明において、前記マットは、足下側の領域が隆起する隆起部を具え、該隆起部内に前記エアー供給手段を配したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明は、エアー供給手段は、マットの厚さ内に収納されるため、エアー供給手段がマットから飛び出して配置されることがなく、エアーマッサージ機能をコンパクトに構成することができる。従って、折り畳みベッドを含め、あらゆる形態のベッドにおいて、マットを載置するだけで簡単にマッサージ機能を付加できる。しかも使用者の足下側領域のマット中に収納されるエアー供給手段は、機械音、振動が低減すると共に使用者の耳から離れるため、快適に使用できる。
【0014】
請求項2に係る発明では、エアー供給装置がマットに収納されるため、未使用時等に収納式ベッド基体を折畳む際、その折り曲げ動作に支障を一切生じることがなく、取り扱い性に優れる。しかも足下側の領域に収納されたエアー供給装置は、比較的重いとともに折畳み時下位に位置するため、起立するベッドの安定性が向上して、安全に使用しうる。
【0015】
請求項3に係る発明のように、カバーと空気袋との接触領域に伸縮性に優れた布を配すると、空気袋の膨張による圧力が直に使用者に伝わり、その結果優れたマッサージ効果が得られる。さらに前記カバーの接触領域以外への引張りが低減するため、カバー全体に不整な変形がなくなる。
【0016】
請求項4に係る発明においては、使用者の体重が比較的重くかかる頭側のマットに、空気袋を撓むことなく支持できる多孔シートが敷設されるため、空気袋の膨張により使用者のツボが有効に加圧され、その結果マッサージ効果を高めうる。請求項5に係る発明では、首部の空気袋の加圧作用により、首のコリ、疲れを有効に低減でき、また太もも部の空気袋が太ももを押し上げて大腿部の疲労を回復しうる。そして膨張してV字状に折れ曲がる下脚部の空気袋によって、脹脛がマッサージされ、筋肉疲労を回復できる。また請求項6に係る発明のようにエアー供給手段を足下側領域に形成された隆起部に配置すると、エアー供給手段の上を充分な厚さのマットで覆われるため、クッション性が損なわれることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1に示すように、エアーマッサージベッド1は、マット載置用の載置枠3を含むベッド基体4と、前記載置枠3を覆って該載置枠3に載置されるマット5と、このマット5に配設された複数の空気袋6と、空気袋6にエアーを供給するエアー供給手段7と、前記エアーの給排気を制御する制御手段8とを含み構成される。
【0018】
前記ベッド基体4は、図3に示すように、脚部材2を有して、ベッドの骨格を形成するものである。本形態の載置枠3は、図3に示すように、ニ分割して形成された、頭側の載置半枠11Aと脚側の載置半枠11Bとを逆V字状に折り曲げ可能に連結して構成される。従って本形態のベッド基体4はコンパクトに収納しうる収納式ベッド基体4Sとして形成される。但しベッド基体4は、頭側から脚側までを一体の構造とした据置式ベッド基体として構することもできる。
【0019】
前記頭側の載置半枠11Aは、枠材を平面視矩形状ないし略コ字状(本例ではコ字状)に折り曲げて形成した主枠21と、縦横にのびる補強材22、23とが一体に固着されて形成される。なお頭側の載置半枠11Aは、マット5を一層安定して支持するため、主枠21の内側に図示されないネットを張設している。また頭側の載置半枠11Aは、ベッド長さ方向の中間部側に位置する内端部が継ぎ材24に軸着されるとともに、外端部のベッド巾方向の両側に、頭側の支脚材2A、2Aが取り付けられる。
【0020】
前記頭側の脚部材2Aは、本形態では逆T字状をなす脚フレーム25と、その下部に取り付けられたキャスター26とからなり、前記脚フレーム25の上端部が前記頭側の載置半枠11Aの主枠21に軸着される。さらにこの頭側の脚部材2A、2Aは、載置半枠11の下方でベッド巾方向にのびる継ぎ棹27で連結され一体化している。なお本形態の頭側の載置半枠11Aには、垂直に立ち上がる宮板28が設けられる。
【0021】
前記脚側の載置半枠11Bは、頭側の載置半枠11Aと同様、主枠21及び補強枠22、23を一体に固着して形成される。そして内端部を前記継ぎ材24に軸着することにより、前記の如く、頭側の載置半枠11Aと脚側の載置半枠11Bとが折り畳み可能に連結される。さらに脚側の載置半枠11Bは、前記主枠21の外端部に一対の脚側の脚部材2B、2Bが固着される。本形態の脚側の脚部材2B、2Bは、下端部にキャスター29を取り付けるとともに、上端部間に横材30が架け渡されて門型の脚構成材31を形成している。さらに前記横材30には、その中間部に、図8に示す如く折り畳んだ際に脚側の載置半枠11Bを支える、補助キャスター32が設けられる。また脚側の載置半枠11Bは、その両側部に、使用者が把持しうる手摺部材33が設けられる。
【0022】
前記継ぎ材24は、ベッドの幅方向の両側に一対を配置し、その間に連結材34を架け渡して一体化し、更にこの連結材34には、略U字状の中間の脚部材2Cが垂設される。該中間の脚部材2Cは、載置半枠11の伸展状態において床面に接地でき、前記頭側の支脚材2A及び脚側の脚部材2Bとともにベッド荷重を支持して、使用時の安定性を高める。さらに本形態では、前記中間の脚部材2Cと頭側の載置半枠11Aとの間、及び中間の脚部材2Cと脚側の載置半枠11Bとの間に、引張バネ35が架け渡される。
【0023】
前記のように、継ぎ材24の両端に双方の載置半枠11が軸着されているため、図8に示すように、載置半枠11を垂直姿勢に折り曲げることによりベッドをコンパクトに収納することができる。その際、前記引張バネ35は、前記折り畳み時の操作力を軽減するとともに展開時の衝撃の緩和できる。なお電動機などを使用して、自動によりベッドの折り畳み、展開動作を行わせることも良い。
【0024】
前記マット5は、本形態では、マット本体12と、多孔シート14とを含み構成されたものを例示している。また本形態のマット5は、頭側の載置半枠11Aに配される頭側のマット5Aと、脚側の載置半枠11Bに配される脚側のマット5Bとに分割して形成される。但し、マット5は分割されることなく一体マットとして形成することもできる。
【0025】
前記頭側のマット5Aのマット本体12は、図6に示すように、平面視矩形状をなし、下からベースマット層12Bと、メインマット層12Mとを積層して形成される。また脚側のマット5Bのマット本体12は、図4、5に示すように、同様に平面視矩形状をなし、下からベースマット層12Bと、メインマット層12Mと、このメインマット層12Mの足下側の矩形領域にのみ重ねられるトップマット層12Tとを積層して形成される。なお前記トップマット層12Tにより、マット5は足下側の領域が隆起した隆起部15が形成される。
【0026】
また前記脚側のマット5Bのメインマット層12Mには、前記トップマット層12Tが載る領域に、矩形状に切除されて上下に連通する収納部36が形成される。更にベースマット層12B、メインマット層12M、トップマット層12Tを、各々複層のマット積層体を用いて構成することもできる。
【0027】
前記ベースマット層12Bの厚さは、例えば、10〜100mm程度、好ましくは20〜50mm、本形態では30mm程度としている。また前記メインマット層12Mの厚さは、例えば、20〜200mm程度、好ましくは40〜150mm、本形態では80〜120mm程度としている。更にトップマット層12Tの厚さは、例えば、15〜130mm程度、好ましくは30〜80mm、本形態では50mm程度としている。尚トップマット層12Tのベッド長手方向の長さは、例えば400〜800mm程度、本形態では600mm程度に形成される。
【0028】
尚マット5は、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどのスポンジ材を用いて形成される。なお厚さの大きなメインマット層12Mに、再生スポンジを用いると、環境負荷を低減できる点で好ましい。
【0029】
前記多孔シート14は、図4、5に示すように、前記メインマット層12Mの上に敷設される。また多孔シート14は、少なくとも頭側のマット5Aに敷設され、本形態では、これに加えて図5に示すように、脚側のマット5Bのトップマット層12Tが積層されない領域にも敷設される。本形態の多孔シート14は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などのプラスチック材料を用いてメッシュ状に成形したものが使用される。この他、小孔を多数穿設したプラスチック薄板を用いることもできる。このように、多孔シート14は、マット5に対する荷重を分散して局部的な沈み込みを防止できるように、比較的剛性の高い材質で形成される。
【0030】
前記空気袋6は、中空密閉袋状をなし、高圧空気の充填により膨張し、使用者のマッサージ部位を加圧してマッサージしうるものである。本形態の空気袋6は、頭側のマット5Aにおいて、図2、6に示すように、ベッド巾方向に一対が並設され、使用者の背部略全体を押し上げる背部の空気袋6Bと、この背部の空気袋6Bを挟んで頭側、腰側に各々配され、かつベッド巾方向に平行に細長くのびて、使用者の首部、腰部を押し上げて加圧する首部の空気袋6N、腰部の空気袋6Wとが設けられる。前記首部の空気袋6Nは、頚部を押圧することにより首のコリ、疲れを有効に低減できる。
【0031】
また脚側のマット5Bにおいては、図2、5に示すように、太ももを押し上げる太もも部の空気袋6Fと、前記トップマット層12Tの上にベッド巾方向に一対が並び、ふくらはぎが載置される下脚部の空気袋6Lとが設けられる。前記太もも部の空気袋6Fは、大腿部を加圧して脚の疲労を有効に回復できる。下脚部の空気袋6Lは、空気充填してV字状に折れ曲がるため、図7(A)(B)に示すように、載置された脹脛を押し上げると同時に両側から挟みこんでマッサージし、運動などによる筋肉痛、下肢の疲労を効果的に低減して回復させることができる。
【0032】
各空気袋6は、図4に示すように、マット5の多孔シート14或いはトップマット層12Tに、小ループを多数設けた雌面材と小フックを多数設けた雄面材とが圧着されて着脱可能に係合する面ファスナー43を用いて着脱可能に取り付けられる。これ以外に接着、金具止めなどを用いて取り付けることができる。また前記の如く、使用者の体重が比較的重くかかる頭側のマット5A及び本形態では、脚側のマット5Bの大腿部を支持する領域に比較的剛性の高い多孔シート14が敷設され、その上に空気袋6が取り付けられる。その結果空気袋6は撓むことなく支持されるため、空気袋6が空気膨張によって押上力を生じ、その圧力が使用者に有効に作用して、ツボが効果的に加圧されてマッサージ効果を高めることができる。
【0033】
前記エアー供給手段7は、本形態では図10に示すように、空気袋6に供給する高圧空気を発生するエアーポンプ38と、前記高圧空気の前記各空気袋6に対する供給を個別に入り切りする三方弁を用いた複数個の弁A〜弁Gとを含み構成されたものを例示している。そして本形態では、前記エアーポンプ38及び複数個の弁A〜弁Gは、ボックス状にユニット39内に内蔵される。そしてこのユニット39は、図4、5に示すように、前記脚側のマット5Bに形成された収納部36内に収容される。従って前記エアー供給手段7は、マット5の厚さ内に収納されるため、マット5から突出することがなく、エアーマッサージ機能をコンパクトに組み込むことができる。その結果、前記マット5をベッド基体4に載置することによりあらゆる形態のベッドに対してエアーマッサージ機能を簡単に付加することができる。更にエアー供給手段7は、クッション性に富むマット本体12に覆われるため機械音、振動が低減してベッド周囲の静寂性を維持できる。しかもエアー供給手段7は、マット5の使用者の足下側の領域9に収納され、使用者の耳から最も離れた位置に配置されるため、快適性を向上できる。
【0034】
しかも本形態のエアー供給手段7は、メインマット層12Mの上にトップマット層12Tを積層した隆起部15の内部に収納されるため、エアー供給手段7が充分な厚さのマット本体12で覆われて、クッション性を低下させることがない。
【0035】
また本形態のように、頭部側の載置半枠11と脚側の載置半枠11Bとが逆V字状に折り畳可能に形成した収納式ベッド基体4Sを採用した場合であっても、図8に示すように、エアー供給手段7がマット5内部に収納されて出っ張りを生じないため、スムースに折り畳みできて、取り扱い性に優れる。しかも足下側の領域9に収納されたエアー供給手段7は、折り畳んだ状態において下位に位置するため、機械部分を含み重量が大きなエアー供給手段7が重心を下げて、逆V字状に起立したベッドの安定性を向上させる。
【0036】
前記エアー供給手段7は、各空気袋6との間をエアーホース10により接続され、これによりエアーポンプ38から送り出される高圧空気は各空気袋6に向けて供給される。本形態では図10に示すように、前記弁A〜弁Gとこれに対応する各空気袋6とが個別に独立したエアーホース10により接続される。但し図5に示すように、エアー供給手段7からのびる複数のエアーホース10は、一つに束ねるとともに管状のカバーにより全体が被覆され、各空気袋6の近傍から分岐して配設されている。更に本形態では、図3に示すように、脚側のマット5B及び頭部側のマット5から各々延出したエアーホース10の先端に、相互にジョイントされて、首部の空気袋6N、背部の空気袋6B、及び腰部の空気袋6Wへ向けて漏れなく空気を送給しうる接続具40、40が装着される。従って、この接続具40、40を接合して高圧空気を全空気袋6へ供給することができ、マット5をベッド基体4から取り外す際には、接続具40の接続を外して頭部側のマット5と脚側のマット5Bとを分離することができる。
【0037】
前記各空気袋6へのエアーの給排気は、制御手段8により制御される。本形態の制御手段8は、図10に示すように、全体をコントロールするメイン制御部8Aと、このメイン制御部8Aからの信号を受けてエアーポンプ38をコントロールするエアーポンプ制御部8Bと、弁A〜弁Gを個別に制御する空気弁制御部8Dとを具える。また本形態の制御手段8は、前記エアー供給手段7と共に前記ユニット39内に収容され、従って脚側のマット5Bの収納部36内に収容される。前記各々の弁(三方弁)は、空気弁制御部8Dに制御されて、図11に示すように、各空気袋6に連続するエアーホース10がエアーポンプに連通するポンプ側と、大気に連通する開放側に切換可能に制御される。三方弁がポンプ側、かつエアーポンプの動作時には、空気袋6の内圧は上昇して膨張し、次いでエアーポンプが停止するとその内圧を維持する。更に三方弁が開放に切り替わると空気袋6の内圧が低下して空気袋6が収縮する。この一連の動作がメイン制御部8Aからの信号で繰り返され、これにより各空気袋6の膨張、収縮運動が波状に連続して使用者をマッサージする。
【0038】
前記制御手段8は、各空気袋6の自動運転モードを制御する自動運転制御部8Eと、連続運転時間を制御する動作時間制御部8Fとを含む。また前記メイン制御部8Aは、エアーポンプ38から供給される高圧空気圧を検知するエアー圧力センサ、及び図9に示すリモートコントローラ41(運転入力部)からの運転信号が入力され、また前記リモートコントローラ41のタイマー42に対して動作時間データを出力している。
【0039】
更に本形態では、前記マット本体12及び空気袋6全体を囲んで、カバー13が装着される。前記カバー13は、前記マット5全体を収容しうる袋状をなし、本形態では図4、6に示すように、頭側のマット5A、脚側のマット5Bに分かれて形成される。そして各々スライドファスナー37により開閉可能に形成されるため、マット本体12に対して装着取外し自在である。更にカバー13は、その上面中央で前記空気袋6の上を覆ってこれと接触する接触領域16を、ジャージ、トリコット、ベルベット、ニット等の伸縮性に富む布を用いて形成している。そのため、膨張した空気袋6の圧力が減衰することなく使用者に伝わり、優れたマッサージ効果が得られる。また前記カバー13の接触領域16以外への引張り力が低減するため、カバー13全体に不整な変形を抑制でき見栄えに優れる。尚、マッサージ機能を使わないで通常のベッドとする際は、前記カバー13上に敷パットを敷設して使用する。
【0040】
図12は他の実施形態を例示している。以下異なる内容について説明し、それ以外は図中に表れた主要構成に同じ符号を付すだけとする。本形態は、据置式ベッドが例示され、マット載置用の載置枠3は、頭側から脚側までを一体構造とした大型載置枠が用いられる。そして、その上に載置された厚いマット5に、複数の空気袋6及びエアー供給手段7を配置している。
【0041】
尚、叙上の説明は本発明の実施の形態を例示したものである。従って本発明の技術的範囲はこれに何ら限定されるものではなく、前記した実施の形態の他にも各種の変形例が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施の形態を例示する断面図である。
【図2】その使用状態の平面図である。
【図3】その分解斜視図である。
【図4】脚側のマットを例示する分解斜視図である。
【図5】その要部分解斜視図である。
【図6】頭部側のマットを例示する分解斜視図である。
【図7】(A)(B)は下脚部の空気袋の動作状態を説明する断面図である。
【図8】折り曲げた収納状態を例示する正面図である。
【図9】リモートコントローラの平面図である。
【図10】エアーホースの配管及び制御系統を説明するブロック図である。
【図11】制御手段の動作を説明するタイムチャートである。
【図12】他の実施の態様を例示する断面図である。
【図13】従来例の要部断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 エアーマッサージベッド
2 脚部材
3 載置枠
4 ベッド基体
4S 収納式ベッド基体
5 マット
5A 頭側のマット
5B 脚側のマット
6 空気袋
6B 背部の空気袋
6F 太もも部の空気袋
6L 下肢部の空気袋
6N 首部の空気袋
6W 腰部の空気袋
7 エアー供給手段
8 制御手段
9 足下側の領域
10 エアーホース
11 載置半枠
11A 頭側の載置半枠
11B 脚側の載置半枠
12 マット本体
13 カバー
14 多孔シート
15 隆起部
16 接触領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚部材を有しマット載置用の載置枠を含むベッド基体と、前記載置枠を覆って該載置枠に載置されるマットと、前記マットに配設されたマッサージ用の複数の空気袋と、該空気袋にエアーを供給するエアー供給手段と、各空気袋へのエアーの給排気を制御する制御手段とを具え、
前記エアー供給手段を、前記マット部材のマット使用者の足下側の領域に収納するとともに、前記各空気袋と、エアー供給手段との間を継ぐエアーホースを具えることを特徴とするエアーマッサージベッド。
【請求項2】
前記ベッド基体は、前記載置枠が、頭側の載置半枠と脚側の載置半枠とからなりかつ載置半枠をたてて折曲げ可能とした収納式ベッド基体であり、かつマットは頭側の載置半枠に配される頭側のマットと、脚側の載置半枠に配される脚側のマットとからなることを特徴とする請求項1記載のエアーマッサージベッド。
【請求項3】
前記マットは、スポンジ材からなるマット本体と、前記空気袋を含んでマット本体を囲むカバーとを含み、かつカバーは、該カバーと前記空気袋とが接触する接触領域を伸縮性に優れる布により形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のエアーマッサージベッド。
【請求項4】
前記空気袋は、頭側のマットに配され膨張により背部を押し上げる背部の空気袋と、腰部を押し上げる腰部の空気袋と、脚側のマットに配されふくらはぎが載置される下脚部の空気袋とを含み、
少なくとも前記頭側のマットは、前記マット本体に、空気袋を撓むことなく支持する多孔シートを敷設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエアーマッサージベッド。
【請求項5】
前記空気袋は、首部を押し上げる首部の空気袋と、太ももを押し上げる太もも部の空気袋とを含むとともに、前記下脚部の空気袋は、膨張によりV字状に折れ曲がりふくらはぎを挟むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエアーマッサージベッド。
【請求項6】
前記マットは、足下側の領域が隆起する隆起部を具え、該隆起部内に前記エアー供給手段を配したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエアーマッサージベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−14415(P2007−14415A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196557(P2005−196557)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(595084807)株式会社アテックス (26)
【Fターム(参考)】