説明

エアーマットの成形方法

本発明は、内部に充満された空気の圧を通じてクッションがなされるようにしたエアーマットの製作方法に関するものであり、具体的にはスラッシュ成形とローテーション成形を混用して、スラッシュ成形過程でクッション部の内部表面に形成されたスクラップを利用してローテーション成形過程で下板との接着がなされるようにすることによって、既存のスラッシュ成形で発生されるクッション部のスクラップが除去されて製品の品質を高めることができると共にクッション部と下板間の接着力を増大させることができるだけでなく、クッション部の厚さを薄くて均一に形成させることができる長所があるエアーマットの成形方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラッシュ成形とローテーション成形を併合適用することでクッション部の厚さを薄く形成させることができ、下板とクッション部間の接合効率を高めるようにすると同時に各クッション部間の連通部材を別に設置する必要がなくて、工程を単純化することができるエアーマットの成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にエアーマットとは、空気を注入して内部に形成された空気圧を通じて適切なクッションがなされるようにして、その上で休息を取るための道具として、携帯が簡便で設置場所に拘りを受けにくい長所によって一般的に広く愛用されている。
【0003】
特に、近来になっては身体と接触される部分にでこぼこであるように気嚢を形成させて指圧効果と共に身体との度を越す圧迫を減少させるようにしたエアーマットが広く使用されている。
【0004】
このような一般的なエアーマットは、基本的に図1に示されたところのように、複数の気嚢形態でなされたクッション部1と、前記クッション部1の下面に接合されてクッション部1を密閉させるための下板2で構成されている。
【0005】
そして、前記クッション部1や下板2の一側には前記各気嚢1a内部に空気を注入させるための空気注入孔3が形成されている。
【0006】
また、各気嚢1aは、連通路4を通じて相互連通されて空気注入孔を通じて注入された空気が連通路4を通じて各気嚢1aに供給されるように構成される。
【0007】
このような従来のエアーマットは、今まで一般にスラッシュ成形を通じて製作されて来たが、その過程は先ずクッション部を成形するための金型内部にプラスチック樹脂(以下、‘プラスティゾル'という)を充満させた後に一定温度でプレヒーティングさせた後、樹脂のうちで一部が金型内部面に必要な厚さでコーティングされた時に樹脂をこぼして一定厚さでコーティングされた樹脂層は完全にゲルリングさせた後に冷却することで、クッション部を先ず製作する。
【0008】
その後、クッション部の各気嚢相互間を連通させるための連通路を形成させる工程を実施して、あらかじめ製作された下板を前記クッション部と接合させるための接合工程を別に実施することで完成するようになる。
【0009】
ところで、このようにスラッシュ成形を利用した製作方法は、クッション部の成形時、スラッシュ成形の特性上金型の上部が開放された状態で成形がなされることでクッション部の成形が完全に終わった後のみに下板をクッション部と接合することができる。
【0010】
したがって、クッション部と下板の接合工程を別に行ってこそエアーマットが最終完成されるものである。
【0011】
特に、このようなクッション部と下板の接合工程は、大体高周波接合やボンディング接合を通じて行われるが、前記高周波接合は別途の高周波接合機が準備されていなければならないし、その接合工程時間も長く所要されるので製作工程が遅延されるしかなくて、結局製品の単価が上昇する問題点を発生するようになる。
【0012】
特に、ボンディング接合は前記高周波接合のように工程時間が長くかかることは勿論で、大部分が手作業でなされることでクッション部と下板の堅固な接合がなされ難いので、接合の不良がたくさん発生される問題点がある。
【0013】
また、スラッシュ成形の特性上プラスティゾルを抜き取ると金型内に残っている各気嚢の表面にスクラップ(scrap)、すなわち、表面に残在物がでこぼこするように残っているようになる。
【0014】
したがって、このような残在物によって気嚢の厚さが均一に形成されることができなくなって、使用時に外部圧力によって気嚢の一部が裂けるかする現象が頻繁に発生される。
【0015】
併せて、クッション部の気嚢と気嚢との間には連通路を形成させて、各気嚢に空気が円滑に入って行くようにしなければならない。
【0016】
しかし、スラッシュ成形はその特性上とても単純な形状しか成形することができないので、クッション部の連通路はクッション部の成形が完了された後に別途の連通路形成工程を通じて形成させなければならない。したがって、それによる全体工程の遅延及び製品の単価が上昇される問題点がある。
【0017】
もちろん金型のうちで各気嚢の間の隔壁に貫通孔を切開形成させることによって、連通路が形成されるようにすることもできる。
【0018】
しかし、前で説明したように成形過程で連通路内壁に形成されたスクラップによる厚さのバラ付きによって連通路が易しく破損される恐れがある。
【0019】
このようなスラッシュ成形による製作方法の問題点を解決するために本出願人は、大韓民国特許出願第2005-0093038号「エアーマットとその製造方法及び成形装置」を提案したことがある。
【0020】
本出願人による前記従来技術は、スラッシュ成形ではないローテーション成形を通じてエアーマットを製作する方法で、まず、金型内にプラスティゾルを注入して、下板及び覆いを結合した後に一定軌道で金型を回転させることによって、回転過程で金型内のプラスティゾルが遠心力によって金型内に均一に分布されて、クッション部が形成されると同時に、下板にも移動されて、結局下板とクッション部が自然に接合される方式でなされる。
【0021】
したがって、別途でクッション部と下板の接合工程を実施しなければならないスラッシュ成形の問題点を解決することができると同時に同一材質により接合がなされることによって接着力が増大される効果を有するようになる長所がある。
【0022】
しかし、本出願人は前記従来技術を実施する過程でローテーション成形だけで製作する場合、次のような問題点を発見した。
【0023】
先ず、クッション部は使用時に円滑な収縮のために厚さが薄く形成されなければならないが、ローテーション成形特性上厚さを薄く形成させることができない短所がある。
【0024】
また、特性上体積が小さな物品は、成形が難しいために比較的体積が小さな各気嚢を成形することが困難な問題点がある。
【0025】
併せて、成形過程で連通路を形成させるために金型に別途の連通部材を設置しなければならないために材料の不必要な浪費が大きくて製作工程が増える問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するためのものであり、スラッシュ成形とローテーション成形を並行することで、スラッシュ成形とローテーション成形の短所をカバーすると同時に長所のみを兼ね備えたエアーマットの成形方法を提供することを目的とする。
【0027】
すなわち、第一に、ローテーション成形の短所である比較的体積が小さなクッション部の気嚢成形が容易で、クッション部の厚さを薄く成形させることができるようにしてクッション部のクッション力を増大させることができるエアーマットの成形方法の提供を目的とする。
【0028】
第二に、スラッシュ成形過程で生成されるクッション部の気嚢及び連通で表面のスクラップを除去すると共にスクラップを利用してクッション部と下板を接合することによってクッション部と下板間の接合力を高めることができるエアーマットの成形方法の提供を目的とする。
【0029】
第三に、クッション部の各気嚢の厚さが均一に成形されることができるようにすることによって使用時に気嚢及び連通路の破損を防止することができるエアーマットの成形方法の提供を目的とする。
【0030】
第四に、連通路形成のための別途の連通部材を使わなくても連通路を手軽く形成させることができるようにすることによって連通部材の準備による材料の無駄使い及び製作工程を縮めることができるエアーマットの成形方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明は、内部に空気が収容される気嚢形態でなされたクッション部と、該クッション部の下部に位置する板材形態の下板が相互結合されてなされたエアーマットの成形方法であって、一定深さの溝形態である気嚢成形溝が形成されて、クッション部を成形するための下部金型と該下部金型に結合される下板及び前記下板上に安着される覆いを準備する金型と下板及び覆い準備工程と、
前記下部金型内に樹脂組成物を注入した後に実施されてクッション部を成形するスラッシュ成形工程と、
前記スラッシュ成形工程後に下部金型の気嚢成形溝の入口を覆うように下板を下部金型に結合して、下板上に覆いを安着させる下板及び覆い結合段階と、
下板及び覆いが結合された下部金型を、ローテーション成形機を通じて回転させることによって下部金型のクッション部と下板を一体で接合させるローテーション成形工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
以上で説明したところのように本発明は、
第一に、スラッシュ成形後にローテーション成形を実施することによってスラッシュ成形過程で生成されるクッション部及び連通路表面のスクラップを除去すると共にスクラップを通じてクッション部と下板を一体で接合することができて、クッション部と下板間の接合力をより高めることができる長所がある。
【0033】
第二に、スラッシュ成形後にローテーション成形を通じてスクラップを除去することによって各気嚢の厚さを均一に成形することができて厚さの不均衡による気嚢及び連通路の破損を防止することができる長所がある。
【0034】
第三に、ローテーション成形前にスラッシュ成形を通じてクッション部を成形することによって連通路形成のための別途の連通部材を具備する必要がなくて、材料節減及び連通部材の設置による製作工程を略することができる長所がある。
【0035】
第四に、ローテーション成形以前にスラッシュ成形を通じてクッション部を成形することによってローテーション成形時により薄い厚さでクッション部の各気嚢を成形することができて高いクッション力を得ることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】エアーマットの構造を示した斜視図である。
【図2】本発明の全体工程を示した流れ図である。
【図3】本発明の工程のうちで金型と下板及び覆い準備工程を詳らかに示した図面である。 図4ないし図7は、スラッシュ成形工程を示した図面である。
【図4】樹脂組成物充填工程を通じて金型内に樹脂組成物が充填された状態を示した図面である。
【図5】1次加熱及び1次ゲル化工程を通じて金型内に一定厚さのクッション部層及び連通路層が形成された状態を示した図面である。
【図6】樹脂除去工程を通じて金型内の樹脂を除去した後クッション部層と連通路層だけが残っている状態を示した図面である。
【図7】2次加熱及び2次ゲル化工程を通じてクッション部が完成される過程を示した図面である。
【図8】下板及び覆い設置工程を通じて金型上部に下板と覆いが順次に覆われた状態を示した図面である。 図9ないし図11は、ローテーション成形工程を示した図面である。
【図9】ローテーション機を通じてローテーション成形過程を示した図面である。
【図10】ローテーションの過程でスクラップを通じてクッション部と下板が接合された状態を示した図面である。
【図11】冷却及び脱型工程を通じてエアーマットが完成された状態を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
前記のような目的を達成するために提案された本発明のエアーマットの製作方法は、図2に示されたところのように基本的に金型及び下板を準備する金型及び下板準備工程S100と、
前記準備した金型にスラッシュ成形を通じてクッション部を成形するスラッシュ成形工程S200と、
前記スラッシュ成形工程を通じてクッション部が成形された金型上に下板と覆いを設置する下板及び覆い設置工程S300と、
設置された下板とクッション部を、ローテーション成形を通じて接合するローテーション成形工程S400でなされる。
【0038】
先ず、前記金型及び下板準備工程S100は、図3の(a)と(b)に示されたところのようにエアーマットのクッション部を成形するための下部金型10とエアーマットの底に該当する下板20及びローテーション成形過程で下部金型を固定するための覆い30を別に準備する段階である。
【0039】
この時、準備した下部金型10は、図面のようにエアーマットの各気嚢を成形するための気嚢成形溝12が一定深さの溝形態で複数形成されており、特定気嚢成形溝12には外部と連通される空気注入部14が形成される。
【0040】
そして、このような気嚢成形溝12は、相互一定間隔を置いて具備されることで各気嚢成形溝12の間には隔壁16が形成されて、各隔壁16には各気嚢を相互連通させる連通路の成形のための切開溝18が形成される。
【0041】
前記切開溝18は、クッション部の成形過程で各気嚢を相互連通させるための連通路を共に成形するためのものである。
【0042】
仮に、各気嚢ごとに別度に空気を注入する構造でエアーマットを成形する場合には、前記切開溝は形成させる必要がないが、一度の空気注入で気嚢全体に均一に空気が注入されることができるようにする場合に形成させる。
【0043】
また、前記下部金型10の上面中の枠部分には段顎部19が形成されて後述する下板20が安着されることができるようにする。
【0044】
このような下部金型10と共に準備する下板20は、エアーマットの底に該当するものとして、単純板材形態を現して下部金型10の上部面、すなわち、段顎部19以内の面積と同一に形成される。
【0045】
そして、覆い30は成形過程で下板20を下部金型に固定させるためのものであって、下板20と同じく板材形態を現すが、面積は下部金型10の上部面積以上の面積を有するように製作される。
【0046】
このように下部金型10と下板20及び覆い30の準備が完了すると、図2のようにスラッシュ成形工程S200を先ず実施する。
【0047】
前記スラッシュ成形工程S200は、再び樹脂組成物充填工程S210と1次加熱及び1次ゲル化工程S220、樹脂除去工程S230、2次加熱及び2次ゲル化工程S240で分けて実施される。
【0048】
先ず、スラッシュ成形工程S200中の樹脂組成物充填工程S210は、図4に示されたところのように下部金型10の各気嚢成形溝12を含めた切開溝18内に気嚢及び連通路成形のための樹脂組成物40、すなわち、プラスティゾルを満たして入れる段階である。
【0049】
この時、使用される樹脂組成物40は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride:PVC)や合成ゴム、ポリウレタン(Polyurethane)のように一般なエアーマットに使用される材質でなされるが、粉末形態の基本合成樹脂及び基本合成樹脂の熱可塑性を増大させて高温での成形が円滑になされるようにするための可塑材が混合された形態である。
【0050】
前記基本合成樹脂は、前記材質のうちで熱加工が容易なポリ塩化ビニルを主に使用するが、これに限定されるものではなく前記材質以外にも多様に適用が可能である。
【0051】
また、可塑材としては基本合成樹脂の種類によって選択使用することができるが、そのうち発ガン物質や環境ホルモン含有の危険が比較的少ないDINP(Diisononyl phthalate)やDNOP(di-n-octylphthalate)、DIDP(Diisodecyl phthalate)のようなフタル酸(phthalate)系可塑剤を使用することが望ましいであろう。
【0052】
すなわち、最近合成樹脂に対する環境ホルモン規制が強化されることによって完全な無毒性可塑材のみを使用することもできるものである。
【0053】
併せて、このような樹脂組成物40に別途の色素をさらに添加させたら、所望の色が加味されたクッション部100を製作することもできる。
【0054】
前記樹脂組成物の注入方式は、大きく一度に気嚢成形溝12及び切開溝18内に樹脂組成物を充填させる1回注入法と気嚢成形溝12及び切開溝18の内部壁面に樹脂組成物をコーティングして薄い膜を形成させた後樹脂組成物を充填させる2回注入法で区分される。
【0055】
金型表面に凹凸等がある場合や注入過程で樹脂組成物自体に気泡が含まれている時には2回注入法を適用することが望ましいが、本発明の気嚢成形溝12のように形態が単純な場合には、1回注入法を適用することが望ましい。
【0056】
参照で、前記樹脂組成物40を下部金型10に注入する前に下部金型10に形成された空気注入部には別途の成形棒50を設置しておくことで、樹脂組成物40が外部に抜け出ることを防止すると共に、クッション部成形過程で空気注入孔が共に形成されるようにすることもできる。
【0057】
仮に、下部金型10に前記空気注入孔を形成させなかったら空気注入孔はエアーマットの製作が完了された後に所定位置に簡単に形成させることができるので前の成形棒50の設置作業は選択的に適用可能である。
【0058】
このような樹脂組成物充填工程S210が完了すると、1次加熱及び1次ゲル化工程S220を経るようになる。
【0059】
前記1次加熱及び1次ゲル化工程S220は、図5のように加熱を通じて気嚢成形溝12内の樹脂組成物40の一部を硬化させて、気嚢成形溝12の内壁と切開溝18の内壁にそれぞれ一定厚さの気嚢と連通路が形成されるようにする過程である。
【0060】
その過程は先ず金型を別途のオーブンH内に入れておおよそ160℃〜220℃で5ないし6分ぐらい加熱する。
【0061】
この時、前記加熱温度及び加熱時間は、成形しようとする製品の厚さによって多様に変形適用が可能である。すなわち、製品の厚さを厚く成形しようとする場合には加熱温度及び時間を高めて薄く成形する場合は反対に適用すると良い。
【0062】
このような1次加熱過程を通すと気嚢成形溝の内壁と切開溝18の内壁から一定厚さ程度は濃度が濃くなる1次ゲル化(gelation)現象が起きて組織が不安定な状態のクッション部層100及び連通路層200が形成される。
【0063】
このように1次加熱及び1次ゲル化工程S220が完了すると、樹脂除去工程S230を経る。
【0064】
前記樹脂除去工程S230は金型内のプラスティゾル、すなわちゲル化されない樹脂組成物をこぼし出す段階で、除去された樹脂組成物は別途の真空脱泡機を通じて再使用されるように加工される。
【0065】
このように金型から樹脂組成物が除去されれば図6のように気嚢成形溝12の表面と切開溝18の表面には1次ゲル化されたクッション部層100及び連通路層200のみが残るようになる。
【0066】
このように形成されたクッション部層100と連通路層200はすべて上部が開放された状態で切開溝18ごとに形成された連通路層200は各クッション部層100を連結するようになる。
【0067】
ところで、この時図6の拡大図のように各クッション部層100および連通路層200の表面には樹脂組成物が離れ出る過程で発生された樹脂組成物の残在物S(以下、‘スクラップ'と称する)がデコボコするように残るようになる。
【0068】
前記スクラップSは前で説明したところのように気嚢及び連通路の厚さの不均衡をもたらして破損の恐れを発生させることがあるが、本発明では前記スクラップSを除去すると共に下板との接着材で使用できるようにすることを核心特徴とする。
【0069】
このような過程は後述するローテーション成形工程S400で説明するようにする。
【0070】
このように1次ゲル化されたクッション部層100と連通路層200は粘度があまり高くないために2次加熱及び2次ゲル化工程S240を再び経るようになる。
【0071】
前記2次加熱及び2次ゲル化工程S240は、1次ゲル化されたクッション部層100及び連通路層200を再び加熱して適正粘度までゲル化させてクッション部を完成する段階として、図7のように金型を再びオーブンHに入れた後おおよそ180℃〜230℃の温度でおおよそ5〜6分で加熱される。
【0072】
この時、使用される加熱手段としては、電気ヒーターやバーナーなどを使用するが、バーナーを使用する時には花火が金型に直接触れないようにして、成形品の表面に割れ目などが発生されることを防止しなければならない。
【0073】
以外におおよそ300℃以上のシリコンオイルやパラフィンオイル、カリウムミットレートなどのような別途の熱媒体を金型に接触させて加熱する方式も適用が可能である。
【0074】
このような2次加熱を通じてクッション部層100と連通路層200の自体粘度が再び上昇して結局最終クッション部100で完成される。
【0075】
このようにスラッシュ成形を利用することによって気嚢と併せて連通路まで共に成形されることでローテーション成形で連通路形成のために必須に必要であった連通部材が必要でなくなって、不必要な材料の無駄使いを防止することができるし、連通部材の設置の他の工程遅延も共に解決することができる長所がある。
【0076】
参照で図面には示されなかったが、前記スラッシュ成形工程S200のうち樹脂組成物充填工程S210以前に下部金型10をあらかじめ加熱して樹脂組成物を注入する手順でも進行が可能である。
【0077】
すなわち、一般なスラッシュ成形工程のように樹脂組成物を充填以前に下部金型の内部にパラフィン管のようなコーティング層が形成された状態では樹脂組成物を充填した後に金型を加熱するが、コーティング層が形成されない状態では金型をあらかじめ加熱した状態で樹脂組成物を注入しても同一なゲル化現象が発生される。
【0078】
また、2次加熱及び2次ゲル化工程S240は、樹脂注入の後に1次加熱及び1次ゲル化が進行される場合は必須に実施されるが、金型加熱の後に樹脂注入である場合には略しても無関係である。
【0079】
その理由は、金型が先ず充分に加熱された状態で樹脂を注入する場合にゲル化に必要な適正温度まで引き上げる時間が必要ではないために1次ゲル化工程で短時間に充分に完璧なゲル化がなされるからである。
【0080】
前記したスラッシュ成形工程S200を通じてクッション部1000の成形が完了すると、金型内の成形品を脱型させずに直ちにローテーション成形工程S400を実施する(図2参照)。
【0081】
ローテーション成形工程S400以前に下板及び覆い設置工程S300を先ず実施する。
【0082】
前記下板及び覆い設置工程S300は、図8に示されたところのようにローテーション成形に先立ってエアーマットの底に該当する下板20を下部金型10上に設置すると共に下板20の固定のために覆い30を共に設置する段階である。
【0083】
前で説明したところのように前記下板20は、下部金型10上部の段顎部19に安着されて、各気嚢成形溝12の入口を覆うようになる。
【0084】
この時、下板20は前記クッション部1000と同一な材質で製作して後述するローテーション成形過程でクッション部1000と下板20が相互融合を通じて一体化されて堅固な接合がなされるようにする。
【0085】
このように下板の設置が完了すると下板20上に覆い30を安着させるが、覆い30は適正重量を有するようにして下板20を適正圧力で押して固定すると共に各気嚢及び連通路を完璧に密閉させて下板とクッション部1000との間の接着力を高めるようにする。
【0086】
そして、前記覆い30は下部金型20から離脱されないようにボルトのような別途の締結手段(図示せず)を通じて結合固定される。
【0087】
その後、ローテーション成形工程S400を実施するが、前記ローテーション成形工程S400は再び3次加熱及びローテーション工程S410と、冷却及び脱型工程S420でなされる。
【0088】
前記3次加熱及びローテーション工程S410は、本発明の核心工程として実際のクッション部1000と下板20の接合がなされて、最終的にエアーマットが完成される段階である。
【0089】
その過程は、先ず図9に示されたところのようにローテーション成形機Rを通じて下部金型10、下板20、覆い30の組立体を多くの方向に回転させて、これと同時に加熱器(図示せず)を通じて加熱させることで下部金型10内部に入っているクッション部1000及び下板20を相互接合する段階である。
【0090】
このような3次加熱及びローテーション成形工程S410のうち下部金型20の加熱は、おおよそ200℃〜260℃の温度で2〜10分間なされる。
【0091】
そして、このような3次加熱によって図10のように各気嚢及び連通路の表面に形成されているスクラップSが溶融されて、溶融されたスクラップSは3次加熱と同時になされるローテーション成形過程で遠心力によってクッション部層100及び連通路層200の壁面に均一に分布される。
【0092】
また、この過程でスクラップはクッション部層100と下板20の連結部品A、そして連通路層200と下板20との間の連結部品Bまで分布されて、結局各クッション部層100と下板20及び連通路層200が相互接合されて一体で成形される。
【0093】
この時、前記クッション部1000及び下板20と同一な材質であるスクラップを通じて接合がなされるためにクッション部1000と下板20の一体成形ができて、より高い接合効率を得るようになる。
【0094】
この時、スクラップの分布図は、金型の回転速度によって決まったりするが、下部金型10と覆い30の厚さによって調節することもできる。
【0095】
すなわち、下部金型10の厚さを覆い30の厚さより薄く形成させたら、ローテーション成形工程のうちで覆い30より下部金型10の内部面に熱伝導が早く成り立って覆い30より熱伝導が先に上昇するので、下部金型10内のスクラップが先に溶融されて比較的短い時間に高い分布図を得ることができるようになる。
【0096】
もちろん厚さを反対に適用する時には反対の分布図を得るようになる。
【0097】
このようにスラッシュ成形過程で発生されたスクラップは、ローテーション成形過程で除去されることによってスクラップによるクッション部の厚さ不均衡の問題を解決することができると共に、下板20とクッション部1000との間の接合材料として使って高い接合効率を得るようになることが本発明の最大の特徴中の一つである。
【0098】
併せて、スラッシュ工程のうち、樹脂注入過程で樹脂組成物自体に気泡が含まれてもローテーション過程のうち、スクラップの分布過程で除去されるので気泡による成形品表面のまだら発生現象を防止することもできる。
【0099】
そして、このように下板とクッション部が一体で成形されるようにすることでクッション部と下板を接合するための別途の接合過程が必要なくて、エアーマットの製作工程を単純化して、工程時間及び製品の単価も低めるようにして、相互堅固な接合がなされるようにして、製品の不良率を最小化できるようになる。
【0100】
また、ローテーション成形以前にスラッシュ成形を通じてクッション部を成形することによってローテーション成形を通じて成形する時より薄い厚さで成形が可能で各気嚢のクッション力を高めるようにしたことが本発明のまた他の特徴中の一つである。
【0101】
そして、ローテーション成形時に連通路成形のために必ず必要であった連通部材を具備させる必要がなくなることによって連通部材による材料の無駄使い及び工程の遅延を防止することができる長所がある。
【0102】
すなわち、本発明はスラッシュ成形とローテーション成形の併行を通じて各成形方式の短所をカバーして、長所のみを追い出して適用したものである。
【0103】
このように3次加熱及びローテーション工程S410を経った本発明のすべての工程は、冷却及び脱型工程S420を通すことによって完了するが、前記冷却及び脱型工程S420は、図11の(a)のように先ず冷却水Cなどを通じて金型を充分に冷却させて、金型表面の水分を除去した後覆い30を解体した後、(b)のように成形品を下部金型10から脱型させる方式でなされる。
【0104】
このように脱型された成形品は、各クッション部層100と連通路層200の上部面が下板20によって塞がった、すなわちクッション部層100、連通路200、下板20が相互一体で成形された図1のようなエアーマット2000になるものである。
【符号の説明】
【0105】
10 下部金型
20 下板
S スクラップ
40 樹脂組成物
30 覆い
100 クッション部層
200 連通路層
1000 クッション部
2000 エアーマット
S100 金型と下板及び覆い準備工程
S200 スラッシュ成形工程
S300 下板及び覆い設置工程
S400 ローテーション成形工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空気が収容される気嚢形態でなされたクッション部と、該クッション部の下部に位置する板材形態の下板が相互結合されてなされたエアーマットの成形方法であって、
一定深さの溝形態である気嚢成形溝が形成されて、クッション部を成形するための下部金型と該下部金型に結合される下板及び前記下板上に安着される覆いを準備する金型と下板及び覆い準備工程と、
前記下部金型内に樹脂組成物を注入した後実施されてクッション部を成形するスラッシュ成形工程と、
前記スラッシュ成形工程後に下部金型の気嚢成形溝の入口を覆うように下板を下部金型に結合して、下板上に覆いを安着させる下板及び覆い結合段階と、
下板及び覆いが結合された下部金型を、ローテーション成形機を通じて回転させることによって下部金形内のクッション部と下板とを一体で接合させるローテーション成形工程とを含むことを特徴とするエアーマット成形方法。
【請求項2】
前記ローテーション成形工程過程で下部金型内のクッション部の各気嚢表面が溶融されて、溶融された一部樹脂が下板に拡散することによってクッション部と下板が相互接合されることを特徴とする請求項1に記載のエアーマット成形方法。
【請求項3】
前記スラッシュ成形工程は、下部金型内に樹脂組成物を充填させる樹脂組成物注入工程と、
下部金型を加熱することによって下部金型の各気嚢成形溝の内部表面にクッション部成形層が形成される1次加熱及び1次ゲル化(gelation)工程と、
ゲル化されない下部金型内の樹脂組成物を除去する樹脂除去工程と、
下部金型内のクッション部成形層を再び加熱する2次加熱及び2次ゲル化工程とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のエアーマット成形方法。
【請求項4】
前記ローテーション成形工程は、
金型の回転過程で加熱する3次加熱工程及びローテーション工程と、
クッション部と下板の接合後に金型を冷却して、下部金型からクッション部及び下板を抜き取る冷却及び脱型工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載のエアーマット成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【公表番号】特表2010−537860(P2010−537860A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523922(P2010−523922)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【国際出願番号】PCT/KR2007/004443
【国際公開番号】WO2009/031725
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(510059929)ケラゲム カンパニー、リミテッド (1)
【Fターム(参考)】