説明

エタノール、炭水化物、塩及び粉末化剤によって提供されるコーティングを含む固体カプセル、前記カプセルの噴霧乾燥による製造方法

本発明は、エタノールを含む固体カプセルの製造方法に関する。本発明は更に、エタノール自体を含む固体カプセル、それらを含有する製品及びエタノールを含む固体カプセルの貯蔵安定性の改善方法に関する。前記固体カプセルは、エタノール、炭水化物、塩(好ましくはクエン酸カリウム)及び粉末化剤によって提供されるコーティングを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、エタノールを含む固体カプセルの製造方法に関する。本発明は更に、エタノール自体を含む固体カプセル、それらを含有する製品及びエタノールを含む固体カプセルの貯蔵安定性の改善方法に関する。
【0002】
先行技術
固体粒子中のエタノールのカプセル化は、エタノールを固体形態の他の成分と混合することを意図した場合に、特に乾燥粉末の形態である、食品及び飲料などの製品又は付香製品の製造にとって非常に望ましい。
【0003】
ここで、これらの分野におけるカプセルの多くの有利な特性は、それらの製造、輸送、貯蔵及び取り扱いの間に考慮しなければならない他の特性とは反対である。実際に、かかる送達系は、その性質のために、特に、それらが揮発性で且つ易燃性の物質であるエタノールをカプセル化するという事実のために、引火性粉塵を構成し、これらは空気又は別の酸素含有ガス中に分散される時に容易に着火し得る混合物を形成する。十分に強力な着火源によって着火した場合、結果として上昇圧力及び火炎面による急速な燃焼反応が起こる。
【0004】
この問題は、カプセルの製造中に重要となる。特に、噴霧乾燥及び流動床のカプセル化プロセスは、それらが両方ともに、粒子が微細粒子として高温空気中に浮遊し、それゆえに該粒子がその製造の間に爆発を起こし得る装置の使用に基づくものなので、この問題が非常に懸念される。従って、かかる爆発の危険性を低下させることが望ましい。
【0005】
更に、比較的高度にエタノールが負荷されており且つアグリゲートを形成しないように、易流動性のカプセルを提供することが非常に望ましい。これらのカプセルが室温で且つ標準湿度で数ヶ月にわたりアグリゲートを形成することなく安定で且つ易流動性のままであることが更に好ましい。
【0006】
エタノールをカプセル化する固体カプセルは既に先行技術から公知である。例えば、US3,786,159号は、アルコール、水及び噴霧乾燥される水溶性材料の混合物からのカプセルの製法を記載している。水溶性の材料は、容易に水に溶けるゼラチン又は1種以上の化工デンプンであってよい。
【0007】
US4,454,165号は、8以下のグルコース重合度を有する少なくとも50%のオリゴ糖と2以下のグルコース重合度を有する10%以下の糖類とを含む加水分解デンプンをアルコール含有水溶液中で混合し且つ得られた液体混合物を噴霧乾燥させることによって調製されたアルコール含有粉末を記載している。
【0008】
US5,961,707号は、デキストリンを使用するカプセル化によるアルコール含有顆粒の調製法を記載しており、これは実質的に使用されるデキストリンのグルコース重合度に依存し、該顆粒はデキストリンの水/アルコール混合物溶液の流動床噴霧粒化によって調製される。
【0009】
これらの文献は、爆発の危険性の低いカプセルの製造法を開示していない。それらはまた多量のエタノールをカプセル化し、且つ数ヶ月にわたり易流動性のままであるカプセルも開示していない。従って、依然としてこれらの問題に対処する必要性がある。
【0010】
本発明の概要
従って、本発明は、エタノールを含む固体カプセルの製造方法であって、前記方法は以下の工程:
a)塩とエタノール、水及び炭水化物とを混合して水性の溶液、懸濁液又はエマルションを形成する工程;
b)工程a)で得られた溶液、懸濁液又はエマルションを液滴の形で噴霧塔に分散させる工程、
c)工程b)の前、その間及び/又はその後に、粉末化剤を噴霧塔に導入し、該粉末化剤と分散した溶液、懸濁液又はエマルションの液滴と接触させて、該液滴の表面で該粉末化剤のコーティングを得る工程、
d)130〜250℃の間に含まれる温度で高温ガスを噴霧塔に供給する工程、及び
e)固体の粉末化剤で被覆したカプセルを噴霧塔から取出す工程
を含み、前記塩はカリウム、ナトリウム又はカルシウムのクエン酸塩、リン酸塩、塩素酸塩、硫酸塩又は酢酸塩から選択される、前記製造方法に関する。
【0011】
本発明の文脈において、「固体のカプセル」とは、固体の壁を有するカプセルを意味しており、このカプセル化された部分は固体又は液体のいずれかである。
【0012】
本発明は更に、エタノール、炭水化物、塩及び粉末化剤によって提供されるコーティングを含む固体カプセルであって、該塩がカリウム、ナトリウム又はカルシウムのクエン酸塩、リン酸塩、塩素酸塩、硫酸塩又は酢酸塩から選択される、固体カプセルを提供する。
【0013】
別の態様において、本発明は、本発明の固体カプセルを含む製品を提供する。
【0014】
第4の態様において、本発明は、エタノールを含む固体カプセルの貯蔵安定性の改善方法であって、前記方法は以下の工程:
a)塩とエタノール、水及び炭水化物とを混合して水性の溶液、懸濁液又はエマルションを形成する工程、
b)工程a)で得られた水性の溶液、懸濁液又はエマルションを液滴の形で噴霧塔に分散させる工程、
c)工程b)の前、その間及び/又はその後に、粉末化剤を噴霧塔に導入し、該粉末化剤と分散した水性の溶液、懸濁液又はエマルションの液滴と接触させて、該液滴の表面で粉末化剤のコーティングを得る工程、
d)130〜250℃の間に含まれる温度で高温ガスを噴霧塔に供給する工程、及び
e)粉末化剤で被覆した固体カプセルを噴霧塔から取出す工程
を含み、その際、前記塩がカリウム、ナトリウム又はカルシウムのクエン酸塩、リン酸塩、塩素酸塩、硫酸塩又は酢酸塩から選択される、前記改善方法を提供する。
【0015】
本発明の詳細な説明
本発明の方法は、塩とエタノール、水及び炭水化物とを混合して水性の溶液、懸濁液又はエマルションを形成する工程を含む。
【0016】
本発明の特別な態様において、塩はクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムからなる群から選択される。更に好ましくは、塩はクエン酸ナトリウムである。
【0017】
塩の使用は、水性の溶液、懸濁液又はエマルションの調製において有利である。塩の使用の第1の有用な効果は、溶液、懸濁液又はエマルションを高温ガスの影響下で乾燥させて固体カプセルを形成する時の爆発の危険性を低下させることである。第2の有用な効果は、こうして得られた固体カプセルの貯蔵安定性を、該カプセルのアグリゲート形成を回避することによって向上させることである。
【0018】
塩は、好ましくは、溶液、懸濁液又はエマルションの全質量に対して、3〜3.5質量%の間に含まれる量で存在する。かかる量は、カプセルの乾燥質量に対して、4〜5質量%の間に含まれる濃度に対応する。少なくとも3%の好ましい濃度は、爆発の危険性を低下させる利点を有する。他方では3.5%以下の好ましい濃度は、エタノールの層分離を回避することに有利である。
【0019】
塩の量は、好ましくは、溶液、懸濁液又はエマルションに存在するエタノールの量に応じて微調整される。最高濃度の塩は、乾燥粉末の粉塵爆発を最適に軽減させる、最低濃度のエタノールと共に使用してよい。しかしながら、エタノール濃度が上昇する場合、塩の濃度は層分離を回避するために低下させなければならない。この結果、わずかに爆発の危険性が高まる。典型的には、溶液、懸濁液又はエマルション中のアルコール含有率が25%である場合、塩含有率は好ましくは、溶液、懸濁液又はエマルションの全質量に対して、3.1質量%以下の濃度に制限されるが、アルコール含有率が20%未満である場合、3.4〜3.5%の間の範囲の塩濃度は悪影響なく使用できる。
【0020】
本発明のカプセルは、エタノール自体又はアルコール組成物のいずれかをカプセル化する。例えば、カプセルはエタノール又はアルコール飲料を含むフレーバー組成物を含有してよい。特に、ワイン、ビール又は蒸留酒は、本発明の方法を使用してカプセル化できる。カプセルは、またエタノールを含有する芳香組成物も含有してよい。
【0021】
溶液、懸濁液又はエマルション中のエタノールの量は、好ましくは、溶液、懸濁液又はエマルションの全質量に対して、18〜25質量%の間に含まれる。エタノールの量は、好ましくは、爆発の危険性を低減し且つエタノールの相分離を回避するために25%に制限される。これは、乾燥カプセルの全質量に対して、20〜40質量%、好ましくは25〜38質量%、最も好ましくは27〜35質量%の範囲の最終的なエタノール添加量に相当する。
【0022】
風味付け及び/又は芳香成分は、更にアルコール又はアルコール組成物に添加してよい。本発明の目的のために、風味付け及び/又は芳香成分は、フレーバー及び/又はフレグランス産業で現在使用されている、天然由来及び合成由来の両方のフレーバー及びフレグランス成分又は組成物を包含する。これには、単一化合物及び混合物が含まれる。かかるフレーバー成分の特別な例は、最新の文献、例えばFenaroli's Handbook of flavour ingredients, 1975, CRC Press; Synthetic Food adjuncts, 1947、M. B. Jacobs著、Van Nostrand編;又はPerfume and Flavor Chemicals、S. Arctander著、1969年、Montclair、ニュージャージー州(米国)に見出され得る。最新の風味付け及び/又は芳香成分の他の多くの例は、特許文献及び入手可能な一般文献に見出され得る。風味付け及び/又は芳香成分は、溶媒、アジュバント、添加剤及び/又は他の成分、一般的にフレーバー及びフレグランス産業で現在使用されるものとの混合物の形で存在してよい。
【0023】
「風味付け成分」は、風味又は味を消費者製品に付与すること、又は前記消費者製品の味及び/又は風味を変性させること、又は更にはそのテクスチャー又は口あたりを変性させることが可能なものとして芳香分野の当業者に良く知られている。
【0024】
「芳香成分」は、本願明細書中では、表面上で適用する時に快楽効果を付与するために芳香調製物又は組成物において活性成分として使用される化合物であると理解される。換言すれば、芳香性のものであると考えられる、かかる化合物は、香料分野の当業者によって、組成物の臭気又は物品もしくは表面の臭気を、良い方向に、もしくは心地良いように、付与又は変性させることができ、且つ単に臭気を有するだけではないものとして認識されなければならない。更には、この定義は、臭気を有している必要はないが、芳香組成物、着香物品又は表面の臭気を変調し、結果として、かかる組成物、物品又は表面の臭気のユーザーによる感知を修正できる化合物を含むことも意味する。これは成分及び組成物を中和する悪臭も含有する。用語「悪臭中和成分」は、本願明細書では、悪臭、即ち、ヒトの鼻にとって不快であるか又は攻撃的である臭気の感知を、悪臭を中和及び/又はマスキングすることによって低減可能な化合物を意味する。特定の実施態様において、それらの化合物は公知の悪臭を引き起こすキー成分と反応する能力を有する。該反応は、悪臭材料が空気によって運ばれる水準を低下させ、その結果、悪臭の感知を低減させる。
【0025】
種々のタイプの炭水化物を本発明の方法で使用することができる。
【0026】
例えば、炭水化物は、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖又は分子当たり10個を上回る単糖類単位を含有する糖類である多糖類を含有してよい。従って、本発明の有利な態様において、炭水化物は多糖類の他に、単糖類及び/又は二糖類の群から選択される糖類を含む。
【0027】
炭水化物は、ゴム及び/又は親水コロイド、例えば、アラビアガム及び類似物も含有してよい。
【0028】
更に好ましくは、炭水化物はデンプン及び/又はデンプン誘導体を含む。デンプン誘導体の例としては、様々な分子量のアルファ化デンプン、薄手糊デンプン又は厚手糊デンプン、デキストリン又はマルトデキストリンが挙げられる。炭化水素として適したデンプン及び得られる誘導体の他の可能な変性物としては、オクテニル−スクシネート化デンプン、デンプンエーテル(即ち、カルボキシメチルデンプン)、デンプンエステル(即ち、デンプンモノホスフェート)、架橋されたデンプン及び/又は酸化されたデンプンが挙げられる。
【0029】
最も好ましい炭水化物は、8以下のグルコース重合度を有する少なくとも50%のオリゴ糖と2以下のグルコース重合度を有する10%以下の糖類とを含む加水分解デンプンの混合物であり、これらのパーセンテージは溶液懸濁液又はエマルションの全質量に対するものである。
【0030】
炭水化物は好ましくは、溶液、懸濁液又はエマルションの全質量に対して、41.5〜59質量%の間、好ましくは42〜50質量%の間に含まれる量で使用される。水の必要量を制限し、従ってより高いエタノール負荷を達成するように、59%以下の濃度を使用することが好ましい。炭水化物にとって好ましい濃度範囲の最低値は、エタノールについて上記された好ましい最高濃度によって決定される。乾燥カプセル中の炭水化物の量は、乾燥カプセルの全質量に対して、好ましくは55〜76質量%の間、更に好ましくは60〜75質量%の間に含まれる。
【0031】
水は好ましくは、溶液、懸濁液又はエマルションの全質量に対して、20〜30質量%の間に含まれる量で添加される。水の量は、好ましくは、乾燥中の過剰なエネルギー消費を回避し、従って加工費用を削減するために、可能な限り少なく維持される。しかしながら、溶液、懸濁液又はエマルションの粘度を低下させるために、少なくとも20%の濃度の水を使用することが好ましい。
【0032】
上記の成分を、水性の溶液、懸濁液又はエマルションの形で混合する。フレーバー又はフレグランスなどの疎水性の成分が存在しない場合、上記の成分は好ましくは単一相の水溶液の形で混合され、その際、塩、炭水化物及びエタノールが完全に溶解し且つ相分離しない。溶液、懸濁液又はエマルションを形成するために、炭水化物及び塩と、水及びエタノール又はアルコール溶液とを、そこに溶解、懸濁又は乳化させることによって混合する。
【0033】
本発明の方法の好ましい態様によれば、炭水化物、エタノール、水及び塩を含む、溶液、懸濁液又はエマルションは、溶液、懸濁液又はエマルションの全質量に対して、45〜62質量%、好ましくは45〜55質量%の範囲の乾物含量を有する。比較的高い乾物含量は、高い粘度のエマルションを与え、これは場合により取扱いと噴霧塔への誘導が困難になり得る。他方では、高い乾物含量のお陰で、蒸発するのにより少ない水が要求されるため、乾燥プロセスがより効率的になる。一般に150μm未満の直径を有する微細な液滴を生成するために、エマルション粘度が十分に低いことが要求される従来の噴霧乾燥とは異なって、本発明は、継続的に且つ効率的に乾燥できる比較的大きな液滴の調製を可能にする。この場合、エマルションが低い粘度を有する必要はないので、従来の噴霧乾燥と比較して、より高い粘度を利用してよい。
【0034】
溶液、懸濁液又はエマルションは、液滴の形で噴霧塔に分散される。
【0035】
液滴の形の溶液、懸濁液又はエマルションを分散させることが可能な任意のデバイスを、分散工程を実施するために使用できる。例えば、溶液、懸濁液又はエマルションは、噴霧ノズルを通して又は遠心ホイールディスクを通して噴霧塔に誘導できる。振動オリフィスを使用してもよい。
【0036】
カプセルのサイズは、塔に分散された液滴のサイズによって決定される。噴霧ノズルを液滴の分散に使用する場合、このサイズは、例えば、ノズルを通る噴霧気体の流量によって制御してよい。遠心ホイールディスクを分散に使用する場合、液滴のサイズを調整する主要な因子は、液滴がディスクから塔へと分散される遠心力である。遠心力は、同様に、ディスクの回転速度及び直径に依存する。エマルションの供給流量、その表面張力、及び上記の通り、その粘度も、最終的な液滴サイズ及びサイズ分布を制御するパラメータである。これらのパラメータを調整することによって、当業者は、塔に分散されるべきエマルションの液滴のサイズを制御することができる。
【0037】
典型的には、本発明によって製造されるカプセルは、10〜2000μmの範囲、好ましくは150〜300μmの範囲の平均直径を有する。従って分散した液滴のサイズは、好ましくはそれに応じて調整される。
【0038】
本発明は、噴霧されたエマルションの液滴上に粉末化剤のコーティングを得るために粉末化剤を噴霧塔に導入する工程を含む。この工程には、良好な貯蔵安定性を有する易流動性のカプセルを提供するという有益な効果がある。この効果は、上記の通り、溶液、懸濁液又はエマルション中の塩の存在と、粉末化剤によるコーティングとの組み合わせによって更に強化される。
【0039】
本発明の有利な態様によれば、粉末化剤は、デンプン、デンプン誘導体、タルク、ベントナイト、二酸化ケイ素、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム又はカリウムのケイ酸塩、ナトリウム、カリウム又はカルシウムのアルミノケイ酸塩、カルシウム、ナトリウム又はマグネシウムの炭酸塩、カルシウム又はマグネシウムのリン酸塩、クエン酸第二鉄アンモニウム、微結晶性セルロース及びセルロース誘導体又は繊維、脂肪酸のアルミニウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム又はアンモニウム塩、マグネシウムの酸化物及び前述の粉末化剤を2種以上含む混合物からなる群から選択される。粉末化剤の目的は、分散した液滴が互いに及び/又は噴霧塔の内壁に結合することを防ぐことである。従って、粉末化剤が、塔中の溶液、懸濁液又はエマルションの液滴と接触され、それらが該粉末化剤と接触するとすぐに分散した液滴上にコーティングを創り出す。従って、本発明の有利な態様において、粉末化剤の粒子が噴霧塔に導入されて、これらが噴霧塔の注入口から排出口へと循環する。例えば、この排出口は高温ガスの排出口であってもよい。
【0040】
噴霧された液滴と接触させるために、粉末化剤と噴霧された液滴は、塔内で一緒に存在する。例えば、粉末化剤は、液滴が噴霧される時に既に塔内に存在してよく、液滴の噴霧と同時に導入されてよく及び/又は更に液滴が噴霧されてすぐに導入されてもよいが、但し、液滴が塔内に存在し続けることを条件とする。
【0041】
粉末化剤は再利用してよい。例えば、粉末化剤は再循環ユニットコレクタ中で再利用でき、このコレクタから粉末化剤の戻り管によって噴霧塔中の注入口に向け直してよい。好ましくは、粉末化剤は、少なくとも部分的に分散された液滴と向流で循環する。従って、本発明の好ましい態様において、分散されたカプセル上に吸着されない粉末化剤は、高温ガスと一緒に排気ガスの排出口を通って噴霧塔を出て行き、この排出口は粉末化剤から高温ガスを分離することが可能なユニットにつながり、次いで、この粉末化剤は噴霧塔中に再導入される。従って、粉末化剤は再循環ユニットから噴霧塔へと連続的に循環し、そして再循環ユニットに戻る。例えば、再循環ユニットはサイクロン又はフィルターバッグハウスであってよい。
【0042】
一般的に、カプセルの全質量に対する粉末化剤の寄与率は、乾燥カプセルの全質量に対して、0.1〜30質量%の間、好ましくは0.1〜27質量%の間、好ましくは0.5〜25質量%の間、更に好ましくは1〜20質量%の間、最も好ましくは1〜10質量%の間に含まれてよい。最も有利には、粉末化剤の量は、カプセルの全質量の10質量%までを占める。多量の粉末化剤の使用は、不利益に少量のカプセル化されたエタノールがもたらされるが、少量の粉末化剤は易流動性のカプセルを得るのに不十分である。
【0043】
本発明の方法は、液滴が存在する間に高温ガスを噴霧塔中に供給するという必須の工程を含む。高温ガスの温度は、少なくとも表面的にカプセルを乾燥させるのに十分でなければならない。例えば、高温ガスは、130〜250℃の範囲に含まれる温度で供給してよい。
【0044】
本発明の有利な態様によれば、乾燥塔中に供給される高温ガスは、135〜220℃、好ましくは140〜210℃、最も好ましくは140〜170℃の範囲の温度を有する。
【0045】
高温ガスは、例えば、空気又は窒素などの任意の不活性ガスであってよい。
【0046】
高温ガスの注入口を通した高温ガスの供給は、約180℃〜約50℃、好ましくは約170℃〜約40℃の範囲の温度を噴霧塔にもたらす。塔内の温度は、高温ガスの注入口において最高温度を有する、勾配に従うので、これは溶液、懸濁液又はエマルションの液滴が分散される所に高い温度をもたらす。塔の底部の温度は、分散された液滴からの水の蒸発のために遥かに低い。
【0047】
本発明の方法は、粉末化剤で被覆されたカプセルを噴霧塔から取出す工程も含む。
【0048】
本発明の方法は、粉末化剤によって被覆された後に及び噴霧塔において高温ガスによって少なくとも表面的に乾燥された後に、カプセルを流動床によって留める更なる任意の工程を含んでよい。
【0049】
好ましくは、流動床には、40℃〜約100℃の範囲の温度を有するガスが供給され、これはこの範囲の温度を有するガスが床の下から小さいアパーチャを通って供給されてカプセルを流動させる及び/又は留めることを意味する。好ましくは、ガスの温度は65〜90℃の範囲である。一般的にガスは空気である。噴霧領域と同様に、本発明の方法は、先行技術を考慮して比較的高い温度を再び流動床に与える。
【0050】
本発明の方法は、例えば、WO2004/062382号(第2頁、第26〜35行)に記載されたものなどの任意の従来の噴霧塔で行ってよい。
【0051】
従来の多段階乾燥装置は、本発明の方法の工程を実施するために使用されてよい。多段階の乾燥装置は、噴霧乾燥塔、及び塔の底に、塔から落ちた部分的に乾燥した粒子を留める流動床を含む。典型的な多段階乾燥機において、空気注入口及び空気排出口は、塔の上部領域に位置する。一般的に、噴霧塔において、上に定義される通り、粉末化剤を維持することも可能である。粉末化剤は一般的に別個の注入口によって導入され、該注入口は、好ましくは水性の溶液、懸濁液又はエマルションの注入口に近いか又は乾燥塔の低い部分のいずれかに位置してよい。粉末化剤は、この運転モードで、一定の運動であり且つ空気排出口と一緒に塔を出てよい。
【0052】
従って本発明は、従来の多段階の噴霧乾燥機の新規な利用を提供し、更に、非特殊型の装置を用いて本願明細書に開示された方法による比較的大きなサイズのカプセルの製造を可能にする。かかる多段階乾燥機の使用は、カプセル化の可能性を広げる。従って、好ましい態様では、本発明は、多段階乾燥装置で実施される方法を提供する。
【0053】
本発明の方法は、回分的に又は連続的に実施してよい。多段階乾燥機の回分式運転では、収集容器につながる流動床の水準に排出口が存在する。流動床をスイッチオフし且つ収集容器につながるバルブを開くことによって、カプセルは、例えば、重力によってそれらが取出され得る所から、収集容器に誘導される。しかしながら、本発明の方法は、好ましくは、例えば、顆粒を、統合された流動床から外部の、更なる流動床へと運ぶことによって、連続的に実施され、そこで最終的な水分量を正確に制御するためにカプセルは更に乾燥され得る。
【0054】
本発明の方法によって得られたカプセルは、好ましくはSt−クラス1に分類される。マイクロカプセルのSt−クラスは、その生成物の特別な定数K−Stの値から導き出される。0〜199の間に含まれるK−St定数によって特徴付けられる粉末は、クラスSt−1に分類されるが、200〜299の間に含まれるK−St定数又は300を上回るK−St定数によって特徴付けられる粉末は、それぞれクラスSt−2及びSt−3に分類される。K−Stパラメータは、20lの球体装置においてISO標準手順ISO6184/1によって測定される。この装置及びK−Stの測定方法は、本願明細書に援用される国際規格(VDIガイドライン2263の第1部:Dust Fires and Dust Explosions, Hazard Assessment - Protective Measures, Test Methods for the Determination of Safety Characteristics of Dusts, Beuth、ベルリン、1990年5月)に記載されている。
【0055】
本発明の固体カプセルも有利には、室温及び標準湿度にて少なくとも4ヶ月の貯蔵安定性を特徴とし、これはカプセルが易流動性のままであり且つこの期間にわたってアグリゲートを形成しないことを意味する。
【0056】
本発明の方法によって得られるカプセルは、任意に、例えば、リボンブレンダーなどのブレンダー/ミキサーを使用して、天然デンプンなどの公知の流動化剤をカプセルの表面に更に適用することによって被覆できる。
【0057】
本発明は更に、入手可能な及び/又は本発明の方法によって得られるカプセルを提供する。
【0058】
更に特に、本発明はエタノール、炭水化物、塩及び粉末化剤によって提供されるコーティングを含む固体カプセルに関し、これらの成分は上で定義された通りである。
【0059】
本発明は更に本発明のカプセルを含む消費者製品を提供する。かかる消費者製品は、例えば、乾燥粉末形態の食品又は飲料であってよい。本発明のカプセルは、紅茶粉末、粉末化ソフトドリンク、スープミックス、ソース/グレービーソースミックス及びケーキミックスの配合物中で特に有用である。
【0060】
本発明は更に、エタノールを含む固体カプセルの貯蔵安定性の改善方法であって、以下の工程:
a)塩とエタノール、水及び炭水化物とを混合して水性の溶液、懸濁液又はエマルションを形成する工程、
b)工程a)で得られた水性の溶液、懸濁液又はエマルションを液滴の形で噴霧塔に分散させる工程、
c)工程b)の前、その間及び/又はその後に、粉末化剤を噴霧塔に導入し、該粉末化剤と、分散した水性の溶液、懸濁液又はエマルションの液滴とを接触させて、該液滴の表面で粉末化剤のコーティングを得る工程、
d)130〜250℃の間に含まれる温度で高温ガスを噴霧塔に供給する工程、及び
e)粉末化剤で被覆した固体カプセルを噴霧塔から取出す工程
を含む、前記改善方法に関する。
【0061】
これらの工程は上記の通り行われる。
【0062】
実施例
本発明をここで以下の実施例によって更に詳細に説明する。
【0063】
実施例1
本発明によるエタノールを含む固体カプセルの調製
以下の成分を有する溶液Aを調製した。
【表1】

1)98%のエタノールにおいて2%で食用アルコールのフレーバーを認識させるフレーバー溶液
2)Glucidex(登録商標)29DE(コーンシロップの固形分、製造元:Roquette Freres)
【0064】
溶液を次の通り調製した:
50%の塩溶液を、クエン酸カリウムを同量の水に溶解することによって調製した。別個に、アルコールフレーバー組成物を、閉鎖可能な容器中で残りの水と混合した。次に炭水化物を、既にフレーバー組成物及び水を含有する密閉可能な容器に、撹拌しながら、ゆっくりと添加した。この容器を次いで密閉し、混合物を60℃に加熱した。この溶液を、炭水化物の溶解が完了するまで1時間にわたり60℃に維持した。調製された塩溶液を次いで既に他の成分を含有する密閉可能な容器に添加した。この容器を次いで密閉し、これを透明な溶液が形成されるまで振盪させた。
【0065】
この溶液を次いで多段階乾燥機(MobilMinor、製造元:NIRO)中で噴霧乾燥させた。窒素注入口を130〜160℃の範囲の温度に設定し、排出口温度は70〜80℃の範囲であった。天然デンプンを乾燥の開始前に乾燥機中に導入した。
【0066】
カプセルの爆発特性を、20lの球体装置を用いて測定した(VDIガイドライン2263の第1部を参照のこと:Dust Fires and Dust Explosions, Hazard Assessment -Protective Measures, Test Methods for the Determination of Safety Characteristics of Dusts、ISO規格手順ISO6184/1、Beuth、ベルリン、1990年5月)。K−St定数は87であった。従って、カプセルは粉塵の危険性の分類St−1であった。
【0067】
カプセルは室温で且つ標準湿度で4ヶ月にわたって貯蔵され、これは全期間にわたり易流動性のままであった。
【0068】
実施例2(比較)
エタノールを含有する固体カプセルの調製
以下の成分を有する溶液Bを調製した。この溶液は、クエン酸カリウムを含有しないことを除いて、溶液Aと同じである。
【表2】

1)98%のエタノールにおいて2%で食用アルコールのフレーバーを認識させるフレーバー溶液
2)Glucidex(登録商標)29DE(コーンシロップの固形分、製造元:Roquette Freres)
【0069】
溶液を次の通り調製した:
アルコールフレーバー組成物を、閉鎖可能な容器中で水と混合した。炭水化物を次いで混合しながらゆっくりと添加した。この容器を次いで密閉し、混合物を60℃に加熱した。この溶液を、炭水化物の溶解が完了するまで1時間にわたり60℃に維持した。カプセルを次いで従来の噴霧乾燥技術を用いてこの溶液から形成した。
【0070】
この溶液をベンチトップ噴霧乾燥機(Model Buchi 290、フラヴィル、スイス)中で噴霧乾燥させた。空気注入口を130〜160℃の範囲の温度に設定し、排出口温度は75〜90℃の間の範囲であった。
【0071】
カプセルの爆発特性を、実施例1に記載した通りに測定した。K−St定数は338であった。従って、カプセルは粉塵の危険性の分類St−3に属した。
【0072】
このカプセルを室温で且つ標準湿度で4ヶ月の間貯蔵した。粉末は易流動性のままではなく且つアグリゲートを形成した。
【0073】
実施例3
本発明によるエタノールを含む固体カプセルの調製
以下の成分を有する溶液Cを調製した。
【表3】

1)98%のエタノールにおいて2%で食用アルコールのフレーバーを認識させるフレーバー溶液
2)Glucidex(登録商標)18DE(マルトデキストリン、製造元:Roquette Freres)
3)グルコース
【0074】
この溶液を実施例1に記載した方法を用いて調製した。この溶液を次いで、ガスの注入口及び排出口温度がそれぞれ145〜160℃及び75〜90℃の範囲であったことを除いて、実施例1に記載した方法を用いて噴霧乾燥させた。
【0075】
カプセルを室温で且つ標準湿度で4ヶ月の間貯蔵し、これは全期間にわたり易流動性のままであった。
【0076】
実施例4
本発明によるエタノールを含む固体カプセルの調製
以下の成分を有する溶液Dを調製する。
【表4】

1)98%のエタノールにおいて2%で食用アルコールのフレーバーを認識させるフレーバー溶液
2)Glucidex 18DE(マルトデキストリン、製造元:Roquette Freres)
3)グルコース
【0077】
この溶液を調製し、次いで実施例3に記載した方法を用いて噴霧乾燥させる。
【0078】
実施例5
本発明によるエタノールを含む固体カプセルの調製
以下の成分を有する溶液Eを調製する。
【表5】

1)98%のエタノールにおいて2%で食用アルコールのフレーバーを認識させるフレーバー溶液
2)Glucidex 18DE(マルトデキストリン、製造元:Roquette Freres)
3)グルコース
【0079】
この溶液を調製し、次いで実施例3に記載した方法を用いて噴霧乾燥させる。
【0080】
実施例6
本発明によるエタノールを含む固体カプセルの調製
以下の成分を有する溶液Fを調製する。
【表6】

1)98%のエタノールにおいて2%で食用アルコールのフレーバーを認識させるフレーバー溶液
2)Glucidex 18DE(マルトデキストリン、製造元:Roquette Freres)
3)グルコース
【0081】
この溶液を調製し、次いで実施例3に記載した方法を用いて噴霧乾燥させる。
【0082】
実施例7
本発明によるエタノールを含む固体カプセルの調製
以下の成分を有する溶液Gを調製する。
【表7】

1)98%のエタノールにおいて2%で食用アルコールのフレーバーを認識させるフレーバー溶液
2)Glucidex 18DE(マルトデキストリン、製造元:Roquette Freres)
3)グルコース
【0083】
この溶液を調製し、次いで実施例3に記載した方法を用いて噴霧乾燥させる。
【0084】
実施例8
本発明によるエタノールを含む固体カプセルの調製
以下の成分を有する溶液Hを調製する。
【表8】

1)98%のエタノールにおいて2%で食用アルコールのフレーバーを認識させるフレーバー溶液
2)Glucidex 18DE(マルトデキストリン、製造元:Roquette Freres)
3)グルコース
【0085】
この溶液を調製し、次いで実施例3に記載した方法を用いて噴霧乾燥させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノールを含む固体カプセルの製造方法であって、前記方法が以下の工程:
a)塩とエタノール、水及び炭水化物とを混合して水性の溶液、懸濁液又はエマルションを形成する工程、
b)工程a)で得られた水性の溶液、懸濁液又はエマルションを液滴の形で噴霧塔に分散させる工程、
c)工程b)の前、その間及び/又はその後に、粉末化剤を噴霧塔に導入し、該粉末化剤と噴霧された水性の溶液、懸濁液又はエマルションの液滴とを接触させて、該液滴の表面で粉末化剤のコーティングを得る工程、
d)130〜250℃の間に含まれる温度で高温ガスを噴霧塔に供給する工程、及び
e)固体の粉末化剤で被覆したカプセルを噴霧塔から取出す工程
を含み、その際、前記塩が、カリウム、ナトリウム又はカルシウムのクエン酸塩、リン酸塩、塩素酸塩、硫酸塩又は酢酸塩である、前記製造方法。
【請求項2】
前記塩が、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩がクエン酸カリウムである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
得られた固体カプセルが20〜40質量%のエタノール負荷量を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記粉末化剤が、デンプン、デンプン誘導体、タルク、ベントナイト、二酸化ケイ素、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム又はカリウムのケイ酸塩、ナトリウム、カリウム又はカルシウムのアルミノケイ酸塩、カルシウム、ナトリウム又はマグネシウムの炭酸塩、カルシウム又はマグネシウムのリン酸塩、クエン酸第二鉄アンモニウム、微結晶性セルロース及びセルロース誘導体又は繊維、脂肪酸のアルミニウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム又はアンモニウム塩、マグネシウムの酸化物、及び前述の粉末化剤を2種以上含む混合物からなる群から選択される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
エタノール、炭水化物、塩及び粉末化剤によって提供されたコーティングを含む固体カプセルであって、前記塩がカリウム、ナトリウム又はカルシウムのクエン酸塩、リン酸塩、塩素酸塩、硫酸塩又は酢酸塩である、前記固体カプセル。
【請求項7】
前記塩が、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムからなる群から選択される、請求項6に記載の固体カプセル。
【請求項8】
前記塩がクエン酸カリウムである、請求項7に記載の固体カプセル。
【請求項9】
前記粉末化剤が、デンプン、デンプン誘導体、タルク、ベントナイト、二酸化ケイ素、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム又はカリウムのケイ酸塩、ナトリウム、カリウム又はカルシウムのアルミノケイ酸塩、カルシウム、ナトリウム、又はマグネシウムの炭酸塩、カルシウム又はマグネシウムのリン酸塩、クエン酸第二鉄アンモニウム、微結晶性セルロース及びセルロース誘導体又は繊維、脂肪酸のアルミニウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム又はアンモニウム塩、マグネシウムの酸化物、及び前述の粉末化剤を2種以上含む混合物からなる群から選択される、請求項6から8までのいずれか1項に記載の固体カプセル。
【請求項10】
請求項6から9までのいずれか1項に記載の固体カプセルを含む消費者製品。
【請求項11】
粉末形態の食品又は飲料である、請求項10に記載の消費者製品。
【請求項12】
エタノールを含む固体カプセルの貯蔵安定性の改善方法であって、前記方法は以下の工程:
a)塩とエタノール、水及び炭水化物とを混合して水性の溶液、懸濁液又はエマルションを形成する工程、
b)工程a)で得られた水性の溶液、懸濁液又はエマルションを液滴の形で噴霧塔に分散させる工程、
c)工程b)の前、その間及び/又はその後に、粉末化剤を噴霧塔に導入し、該粉末化剤と分散された水性の溶液、懸濁液又はエマルションの液滴とを接触させて、該液滴の表面で粉末化剤のコーティングを得る工程、
d)130〜250℃の間に含まれる温度で高温ガスを噴霧塔に供給する工程、及び
e)粉末化剤で被覆した固体カプセルを噴霧塔から取出す工程
を含み、その際、前記塩が、カリウム、ナトリウム又はカルシウムのクエン酸塩、リン酸塩、塩素酸塩、硫酸塩又は酢酸塩である、前記改善方法。
【請求項13】
前記塩が、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記塩がクエン酸カリウムである、請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2013−507909(P2013−507909A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533717(P2012−533717)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054487
【国際公開番号】WO2011/045706
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1,route des Jeunes, CH−1211 Geneve 8, Switzerland
【Fターム(参考)】