説明

エチニルインドール化合物

【課題】強力にcysLT1/cysLT2受容体を拮抗し、経口投与においてもその効果が長時間持続し、例えば、呼吸器疾患の予防および/または治療のための経口剤として有用である強力な経口活性を有す化合物の提供。
【解決手段】一般式(I)


で示される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)
【化1】

(式中、すべての記号は後記と同じ意味を表わす。)で示される化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
気管支喘息は気道の収縮や炎症により気道が狭窄し、発作性の咳、喘鳴および呼吸困難を示す病態である。その治療剤としては強力な抗炎症作用を有する吸入ステロイド、気管支拡張薬であるβ刺激薬やテオフィリン、そして化学伝達物質の作用を抑制する薬剤等が用いられている。
【0003】
気管支喘息に関与する肥満細胞や炎症細胞から遊離される化学伝達物質としては、ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなどが知られている。ロイコトリエン(LT)のうち、LTC4、LTD4およびLTE4に代表されるシステイニルロイコトリエン(以下、cysLTsという。)は、ヒスタミンと比較して約1000倍強い気道収縮作用を有する。さらに、cysLTsは、炎症細胞浸潤を主体とした気道炎症の誘発、気道過敏性の亢進、および気道における粘液分泌を促進し、気管支喘息の基本病態に深く関与している。
【0004】
cysLTsはアラキドン酸の5−リポキシゲナーゼ代謝産物である生体内の生理活性物質である。cysLTsには少なくとも2種類の受容体が存在し、これまでにcysLT1受容体とcysLT2受容体がクローニングされている(Nature,399,789−793,1999、J.Biol.,Chem.,275,30531−30536,2000)。cysLT1受容体は主に気道平滑筋に発現しており、気管支喘息の発症に深く関わっている(Am.J.Respir.Crit.CareMed.,163,226−233,2001)。一方、cysLT2受容体はcysLT1受容体と同様にLTC4、LTD4およびLTE4をリガンドとし、気管支平滑筋に発現していることが報告されている(J.Biol.Chem.,275,30531−30536,2000、Am.J.Respir.Crit.CareMed.,164,2098−2101,2001)。
プランルカスト水和物、モンテルカストナトリウムおよびザフィルルカストは、現在上市されているロイコトリエン受容体拮抗剤であり、経口気管支喘息治療剤および/または経口アレルギー性鼻炎治療剤等として用いられている。
【化2】

【0005】
しかしながら、これらのロイコトリエン受容体拮抗薬は重症よりも軽症および中等症の気管支喘息により奏効すること、また軽症および中等症の中でも薬剤の有効性を十分に示さない非奏効例が存在することが知られており、これらを上回る活性を有する薬剤が望まれていた。
【0006】
目的を達成するための手段の一つは、薬剤のロイコトリエン受容体拮抗活性を高めることである。現在上市される3化合物は何れもcysLT1拮抗剤であり、拮抗活性を高める方法としては、cysLT1拮抗作用をさらに高める方法と、cysLT2拮抗作用を併せ持たせる方法が考えられる。
【0007】
ところで、喘息治療剤は、習慣的に服用する必要があるので、服薬に便利な経口剤が望まれる。また、経口剤にあっても、服薬回数が少ない薬剤が、利便性の高いものとして好まれる。すなわち、薬効の持続が長い経口喘息治療剤が望まれている。経口剤の開発において、薬効の持続性を向上させることは極めて重要な課題である。
【0008】
しかしながら、特に経口剤においては、たとえその化合物の拮抗活性が強力であったとしても、化合物自体が不安定であったり、標的臓器への移行がよくなかったり、代謝・排泄が早かったりすることがあるので、強力な効果を長時間持続する化合物を得るということは、簡単に達成できるものではない。
【0009】
特許文献1には、一般式(A)
【化3】

(式中、R1AおよびR2Aは、それぞれ独立して、保護されていてもよい酸性基を表わし、DAおよびEAは、それぞれ独立して、結合手又は主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表わし、R3Aは置換基を表わし、環AAはさらに置換基を有していてもよい環状基を表わし、環BAはさらに置換基を有していてもよい環状基を表わし、YAおよびZAは、それぞれ独立して、炭素原子又は窒素原子を表わし、
【化4】

は、一重結合又は二重結合を表わす(ただし、YAおよび/又はZAが窒素原子を表わすとき、該結合は一重結合を表わす。))で示される化合物がcysLT2受容体拮抗作用を有することが記載されている。しかしながら、該特許文献には、様々な縮環化合物が記載されているが、具体的にどの環が薬効の持続性に寄与するのかについては、記載も示唆もない。
【0010】
特許文献2には、一般式(B)
【化5】

(式中、R11BおよびR12Bはそれぞれ独立して置換基を表わし、R51B、R52BおよびR53Bから選択される2個の基はそれぞれ独立して、保護されていてもよい酸性基を有する基を表わし、R51B、R52BおよびR53Bのうち残り1個の基は水素原子または置換基を表わし、R3B
【化6】

(基中、VBおよびWBはそれぞれ独立して、結合手または主鎖の原子数1〜8のスペーサーを表わし、環ABおよび環BBはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状基を表わす。)等を表わし、mBは0または1〜4の整数を表わし、nBは0または1〜2の整数を表わし、pBは0または1を表わし、
【化7】

は、一重結合または二重結合を表わす。ただし、mBとpBとの和は4以下の整数である。基の説明は、必要な部分を抜粋した。)で示される化合物が、強力なロイコトリエン受容体拮抗作用を有するとともに、優れた経口活性を有することが記載されている。しかしながら、該特許文献には、種々の置換基の種類については列挙されているものの、その置換基の種類および/または置換位置による効果については、記載も示唆もない。特に、強力な経口活性を維持しつつ、薬効の持続性を向上させるための手法については、一切触れられていない。また、特許文献2中、VBが三重結合を表わす実施例化合物は、実施例101に記載される4−(1−(カルボキシメチル)−7−{[2−ヒドロキシ−4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]エチニル}−1H−インドール−3−イル)ブタン酸のみであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2005/021518号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006/090817号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
強力な経口活性を有し、かつその効果が長時間持続するcysLT1/cysLT2受容体拮抗剤が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは上記の課題に鑑み、鋭意検討した結果、一般式(I)で示される化合物は、強力にcysLT1/cysLT2受容体を拮抗し、経口投与においてもその効果が長時間持続する化合物であることを見出した。すなわち、一般式(I)で示される化合物は、有用な呼吸器疾患治療薬になることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(I)
【化8】

(式中、R1は、カルボキシメチル基、または3−カルボキシプロピル基を表わし、R2は、水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わし、R3は、[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル基、または3−カルボキシプロピル基を表わし、R4は、水素原子、またはハロゲン原子を表わし、ring1は、
【化9】

(基中、R5は、C1〜4アルキル基、またはハロゲン原子を表わし、mは、0または1〜5の整数を表わし、mが2以上を表わすとき、R5は同じでも異なっていてもよく、矢印はブチルオキシ基と結合する。)を表わす。)で示される化合物、その塩、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、
(2) ring1が、
【化10】

(基中、矢印は(1)と同じ意味を表わす。)である(1)記載の化合物、
(3) R1が3−カルボキシプロピル基であり、R3が3−カルボキシプロピル基である(2)記載の化合物、
(4) 化合物が、(1) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(2) 4,4’−[7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(3) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(4) 4,4’−[7−({4−[4−(2,3−ジフルオロフェノキシ)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(5) 4,4’−[7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(6) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(7) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(8) 4,4’−[7−({4−[4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(9) 4,4’−[7−({4−[4−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(10) 4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(11) 4,4’−[7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(12) 4,4'−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(13) 4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(14) [3−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸、(15) (1−{[1−(カルボキシメチル)−7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−3−イル]メチル}シクロプロピル)酢酸、(16) [3−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸、または(17) 4,4’−[7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸である(1)記載の化合物、
(5) (1)記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、もしくはそれらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを有効成分として含有してなる医薬組成物、
(6) cysLT1/cysLT2受容体拮抗剤である(5)記載の組成物、
(7) cysLT1/cysLT2受容体介在性疾患の予防および/または治療剤である(6)記載の組成物、
(8) cysLT1/cysLT2受容体介在性疾患が呼吸器疾患である(7)記載の組成物、
(9) 呼吸器疾患が喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、慢性気管支炎、肺炎、重症急性呼吸器症候群、急性呼吸窮迫症候群、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、肺線維症または咳嗽である(8)記載の組成物、
(10) (1)記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、もしくはそれらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグと、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ステロイド薬、抗ヒスタミン薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、エラスターゼ阻害薬、抗コリン薬、5−リポキシゲナーゼ阻害薬、プロスタグランジン類、非ステロイド性抗炎症薬、交感神経刺激薬、トロンボキサン合成酵素阻害薬およびトロンボキサン受容体拮抗薬から選択される1種以上とを組み合わせてなる医薬、
(11) (1)記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、もしくはそれらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけるcysLT1/cysLT2受容体介在性疾患の予防および/または治療方法、および
(12) cysLT1/cysLT2受容体介在性疾患の予防および/または治療薬を製造するための(1)記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、もしくはそれらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明で示される一般式(I)で示される化合物は、強力なcysLT1/cysLT2受容体拮抗作用を有するとともに、薬効の持続性に優れる化合物であるので、経口投与において、その効果が長時間持続する呼吸器疾患治療薬として大変有用である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸の結晶の粉末X線回析スペクトルチャートを示す。
【図2】4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸の結晶の示差走査熱量測定(DSC)チャートを示す。
【図3】4,4’−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸の結晶の粉末X線回析スペクトルチャートを示す。
【図4】4,4’−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸の結晶の示差走査熱量測定(DSC)チャートを示す。
【図5】4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸の結晶の粉末X線回析スペクトルチャートを示す。
【図6】4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸の結晶の示差走査熱量測定(DSC)チャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明において、R1は、カルボキシメチル基、または3−カルボキシプロピル基を表わす。
本発明において、R2は、水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。C1〜4アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。
本発明において、R3は、[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル基、または3−カルボキシプロピル基を表わす。
本発明において、R4は、水素原子、またはハロゲン原子を表わす。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0018】
本発明において、ring1は、
【化11】

(基中、R5は、C1〜4アルキル基、またはハロゲン原子を表わし、mは、0または1〜5の整数を表わし、mが2以上を表わすとき、R5は同じでも異なっていてもよく、矢印はブチルオキシ基と結合する。)を表わす。R5で示されるC1〜4アルキル基は、R2で示されるC1〜4アルキル基と同じ意味を表わす。R5で示されるハロゲン原子は、R4で示されるハロゲン原子と同じ意味を表わす。
【0019】
本発明において、R1として好ましくは、3−カルボキシプロピル基である。
本発明において、R2として好ましくは、C1〜4アルキル基であり、より好ましくは、メチル基である。
本発明において、R3として好ましくは、3−カルボキシプロピル基である。
本発明において、R4として好ましくは、水素原子、またはフッ素原子である。
本発明において、R5として好ましくは、メチル基、またはフッ素原子である。
本発明において、mとして好ましくは、2〜5の整数である。
【0020】
本発明において、ring1として好ましくは、
【化12】

(基中、矢印はブチルオキシ基と結合する。)である。
【0021】
本発明において、一般式(I)として好ましくは、一般式(I−1)
【化13】

(式中、R2は、水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わし、R4は、水素原子、またはハロゲン原子を表わし、ring1−1は、
【化14】

(基中、矢印はブチルオキシ基と結合する。)を表わす。)である。
【0022】
本発明において、好ましい化合物としては、具体的には、(1) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(2) 4,4’−[7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(3) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(4) 4,4’−[7−({4−[4−(2,3−ジフルオロフェノキシ)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(5) 4,4’−[7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(6) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(7) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(8) 4,4’−[7−({4−[4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(9) 4,4’−[7−({4−[4−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(10) 4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(11) 4,4’−[7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(12) 4,4'−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(13) 4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、(14) [3−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸、(15) (1−{[1−(カルボキシメチル)−7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−3−イル]メチル}シクロプロピル)酢酸、(16) [3−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸、または(17) 4,4’−[7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、それらの塩、それらの溶媒和物、又はそれらのプロドラッグである。
【0023】
さらに好ましくは、4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、4,4'−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、および4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、それらの塩、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
【0024】
一般式(I)で示される本発明化合物は、公知の方法、例えば以下に示す方法、これらに準ずる方法または実施例に示す方法に従って製造することができる。なお、以下各製造方法において、原料化合物は塩として用いてよい。このような塩としては、後述する一般式(I)の薬学的に許容される塩として記載されたもの等が用いられる。
【0025】
一般式(I)で示される化合物は、一般式(II)
【化15】

(式中、R1-1は、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、3−(メトキシカルボニル)プロピル基、または3−(エトキシカルボニル)プロピル基を表わし、R3ー1は、[1−(メトキシカルボニルメチル)シクロプロピル]メチル基、[1−(エトキシカルボニルメチル)シクロプロピル]メチル基、3−(メトキシカルボニル)プロピル基、または3−(エトキシカルボニル)プロピル基を表わす。)で示される化合物をアルカリ加水分解反応に付すことによって製造することができる。
【0026】
一般式(II)で示される化合物のアルカリ加水分解反応は、例えば、有機溶媒(エチレングリコール、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)または炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、0〜120℃の温度で行なわれる。
【0027】
一般式(II)で示される化合物は、反応工程式1に示される方法で製造することができる。反応工程式1中、Xは臭素原子、ヨウ素原子、またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表わし、AcOはアセトキシ基を表わし、Zはハロゲン原子、水酸基、メタンスルホニルオキシ基、またはp−トルエンスルホニルオキシ基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。
【化16】

【0028】
反応工程式1で示される、クロスカップリング反応、水酸基の脱保護反応、およびエーテル化反応は、以下に示す条件、または本明細書中に記載された実施例の条件で行うことができる。
【0029】
一般式(III)で示される化合物と一般式(IV)で示される化合物のクロスカップリング反応は、例えば、有機溶媒(酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘプタン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、エタノール、イソプロパノール、ポリエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、アセトニトリル、水、またはそれらの混合物等)中、塩基(ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ピリジン、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、フッ化カリウム等)および触媒(パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl2(PPh3)2)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、二塩化パラジウム(PdCl2)、パラジウム黒、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)ジクロロパラジウム(PdCl2(dppf)2)、二塩化ジアリルパラジウム(PdCl2(allyl)2)、ヨウ化フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PhPdI(PPh3)2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2(DBA)3)、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(tBu3P)2)等)単独で、または配位子(例えば、トリフェニルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン等)との混合物、またはそれらと銅触媒(ヨウ化銅(I)等)との混合物等)存在下または非存在下、相関移動触媒(例えば、フッ化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム等)の存在下または非存在下、室温〜120℃で反応させることにより行われる。
【0030】
クロスカップリング反応の後に行われる水酸基の脱保護反応は、例えば、有機溶媒(メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンまたはそれらの混合物等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)または炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、0〜100℃の温度で行なわれる。
【0031】
一般式(V)で示される化合物と一般式(VI)で示される化合物のエーテル化反応は、(1)Zがハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、またはp−トルエンスルホニルオキシ基の場合には、例えば、有機溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)または炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)、アルカリ金属のリン酸塩(リン酸カリウム等)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物の存在下、相関移動触媒(例えば、フッ化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム等)の存在下または非存在下、0〜120℃で反応させることにより行なわれる。
(2)Zが水酸基の場合には、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン等)中、アゾ化合物(アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン、1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)等)およびホスフィン化合物(トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン等)の存在下、0〜60℃で反応させることにより行なわれる。
【0032】
一般式(III)で示されるインドール化合物は、例えば、本明細書中に記載された実施例2、実施例10、実施例20、または実施例51に記載の方法、または公知の方法で製造することができる。
【0033】
出発原料または試薬として用いる一般式(III)、(IV)および(VI)で示される化合物は、それ自体公知であるか、本明細書中に記載された実施例、あるいは公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を用いることにより容易に製造することができる。
【0034】
本明細書中の各反応において、加熱を伴なう反応は、当業者にとって明らかなように、水浴、油浴、砂浴またはマイクロウェーブを用いて行なうことができる。
本明細書中の各反応において、適宜、高分子ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール等)に担持させた固相担持試薬を用いてもよい。
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶などの方法により精製することができる。精製は各反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
【0035】
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、互変異性体、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物は、すべて本発明に含まれる。
【0036】
一般式(I)で示される化合物は、本明細書中に記載された実施例、あるいは公知の方法で塩に変換される。塩としては薬学的に許容される塩が好ましい。
【0037】
塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。
塩は、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げられる。
【0038】
一般式(I)で示される化合物およびそれらの塩は、本明細書中に記載された実施例、あるいは公知の方法で溶媒和物に変換することもできる。
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)のような溶媒和物が挙げられる。
cysLT1/cysLT2受容体に拮抗する化合物として、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグの形態となっているものを用いてもよい。
【0039】
一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により一般式(I)で示される化合物に変換する化合物をいう。一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとしては、R1および/またはR3で示されるカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、イソプロピルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、1−{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)、または、該カルボキシ基がヒドロキシメチル基と置き換わった化合物等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。
【0040】
さらに、一般式(I)で示される化合物は同位元素(例えば、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、35S、18F、36Cl、123Iまたは125I等)等で標識されていてもよい。
【0041】
[毒性]
一般式(I)で示される化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全である。
【0042】
[医薬品への適用]
本発明化合物はcysLT1/cysLT2受容体に拮抗するため、例えば、気道収縮抑制薬、炎症細胞(例えば、好酸球、好中球、リンパ球、好塩基球等)の浸潤抑制薬、粘液分泌抑制薬、気道過敏性亢進抑制薬として有用である。
また、本発明化合物は、cysLT1/cysLT2受容体が関与する疾患、例えば、呼吸器疾患(例えば、喘息(気管支喘息、アスピリン喘息、運動誘発性喘息等)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、慢性気管支炎、肺炎(間質性肺炎、好酸球性肺炎等)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、無呼吸性症候群(睡眠時無呼吸症候群、アデノイド/扁桃肥大に伴う睡眠呼吸障害、アデノイド/扁桃肥大術後の睡眠呼吸障害等)、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎等)、肺線維症、咳嗽(慢性咳嗽等)等)の予防および/または治療薬や去痰薬、鎮咳薬として有用である。
また、本発明化合物は、呼吸器機能改善薬としても有用である。呼吸器機能とは、例えば、空気を肺に出し入れする機能(肺活量能)や、酸素を肺から血液中に送り込み、二酸化炭素を血液中から体外に運び出す機能(酸素交換能)や呼吸抵抗能等をいう。
【0043】
本発明において、呼吸器とは、例えば、気道、口腔、鼻腔、副鼻腔、気管、気管支、細気管支、肺等の呼吸に関与する体部を意味する。
【0044】
さらにcysLT1/cysLT2受容体が関与する疾患として、本発明化合物は、心臓血管系疾患(例えば、狭心症、心筋梗塞、急性冠症候群、心不全、不整脈、心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症等)、心膜炎、弁膜炎、心筋炎、心タンポナーゼ、心低拍出量症候群、僧帽弁狭窄症等)、嚢胞性線維症、アテローム性動脈硬化、肺線維症、脳梗塞、脳浮腫、動脈瘤頭痛(片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛等)、婦人科疾患(子宮内膜症、月経困難症等)、メニエール病、てんかん、癌、腎疾患、消化管潰瘍、炎症性腸疾患等の治療および/または予防にも有用である。
【0045】
本発明において、cysLT1/cysLT2受容体拮抗作用とは、cysLT1受容体とcysLT2受容体のどちらも拮抗する作用を表わす。
【0046】
本発明化合物は、(1)本発明化合物等の予防および/または治療効果の補完および/または増強、(2)本発明化合物等の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または(3)本発明化合物等の副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、投与してもよい。
【0047】
本発明化合物等と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を含有する配合剤にして投与する形態をとってもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明化合物等を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明化合物等を後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
【0048】
前記他の薬剤は、低分子化合物であってもよく、また高分子の蛋白、ポリペプチド、ポリヌクレオチド(DNA、RNA、遺伝子)、アンチセンス、デコイ、抗体であるか、またはワクチン等であってもよい。他の薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物等と他の薬剤の配合比は、投与対象の年齢および体重、投与方法、投与時間、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、本発明化合物等1質量部に対し、他の薬剤を0.01乃至100質量部用いればよい。他の薬剤は以下に示す同種群および異種群から任意に1種または2種以上を適宜の割合で組み合わせて投与してもよい。また、本発明化合物等の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
【0049】
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本発明化合物等の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
【0050】
本発明化合物の喘息に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗ヒスタミン薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、エラスターゼ阻害薬、抗コリン薬、抗アレルギー薬(化学伝達物質遊離抑制薬、ヒスタミン拮抗薬、トロンボキサン合成酵素阻害薬、トロンボキサン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬)、ステロイド薬、気管支拡張薬(キサンチン誘導体、交感神経刺激薬、副交感神経遮断薬)、ワクチン療法薬、金製剤、漢方薬、非ステロイド抗炎症薬、5−リポキシゲナーゼ阻害薬、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質拮抗薬、ロイコトリエン合成阻害薬、プロスタグランジン類、カンナビノイド−2受容体刺激薬、鎮咳薬、去痰薬、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液等が挙げられる。
【0051】
ロイコトリエン受容体拮抗薬としては、例えば、プランルカスト水和物、モンテルカストナトリウム、ザフィルルカスト、MK−571、LY−203647、WY−46016、WY−48422、WY−49353、WY−49451、RG−12553、MDL−43291、CGP−44044A、RG−14524、LY−287192、LY−290324、L−695499、RPR−105735B、WAY−125007、OT−4003、LM−1376、LY−290154、SR−2566、L−740515、LM−1453、CP−195494、LM−1484、CR−3465、アブルカスト、ポビルカスト、スルカスト、L−648051、RG−12525、RG−7152、SK&F−106203、SR−2640、WY−50295、イラルカストナトリウム、ベルルカスト、MCC−847、BAY−x−7195、リトルカスト、シナルカスト、CGP−44826、FK−011、YM−158、MEN−91507、KCA−757、RS−601、RS−635、S−36496、ZD−3523、DS−4574、ピロドマスト、AS−35、YM−57158、MCI826、NZ−107、4414−CERM、YM−16638、Wy−48252、Wy−44329、Wy−48090、VUF−4679、トメルカスト、SM−11044、SC−39070、OT−3473、N−2401、LY−243364、L−649923、ドクアラスト、DP−1934、YM−17551、Wy−47120、VUF−K−8707、SK&F−88046、SK&F−101132、SK&F−102922、LY−137617、LY−163443、LY−302905、L−647438、L−708738、KY−234、FPL−55712、CP−288886、S−36527、CGP−35949、CS−615、MDL−19301D、SCH−40120、またはZD−3705が挙げられる。
【0052】
ロイコトリエン受容体拮抗薬として好ましくは、プランルカスト水和物、モンテルカストナトリウム、ザフィルルカスト、MK−571であり、さらに好ましくは、プランルカスト水和物、モンテルカストナトリウム、ザフィルルカストである。
【0053】
抗ヒスタミン薬としては、例えば、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェニルピラリン、テオクル酸ジフェニルピラリン、フマル酸クレマスチン、ジメンヒドリナート、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸トリプロリジン、塩酸プロメタジン、酒石酸アリメマジン、塩酸イソチペンジル、塩酸ホモクロルシクリジン、ヒドロキシジン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸レボカバスチン、アステミゾール、ベポタスチン、デスロラタジン、TAK−427、ZCR−2060、NIP−530、モメタゾンフロエート、ミゾラスチン、BP−294、アンドラスト、オーラノフィン、アクリバスチン等が挙げられる。
【0054】
ホスホジエステラーゼ阻害薬としては、ホスホジエステラーゼ4阻害薬が好ましく、ホスホジエステラーゼ4阻害薬としては、例えば、ロリプラム、シロミラスト(商品名アリフロ)、Bay19−8004、NIK−616、ロフルミラスト(BY−217)、シパムフィリン(BRL−61063)、アチゾラム(CP−80633)、SCH−351591、YM−976、V−11294A、PD−168787、D−4396、IC−485等が挙げられる。
【0055】
エラスターゼ阻害薬としては、例えば、シベレスタットナトリウム水和物(ONO−5046)、ONO−6818、MR−889、PBI−1101、EPI−HNE−4、R−665、ZD−0892、ZD−8321、GW−311616、AE−3763、DMP−777、L−659286、L−658758、L−680833、L−683845等が挙げられる。
【0056】
抗コリン薬としては、例えば、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化シメトロピウム、テミベリン、臭化チオトロピウム、レバトロペート(UK−112166)等が挙げられる。
【0057】
抗アレルギー薬のうち、化学伝達物質遊離抑制薬としては、例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、アンレキサノクス、レピリナスト、イブジラスト、ペミロラストカリウム、ダザノラスト、ネドクロミル、クロモグリカート、イスラパファント等が挙げられる。
【0058】
抗アレルギー薬のうち、ヒスタミン拮抗薬としては、例えば、フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、メキタジン、テルフェナジン、フマル酸エメダスチン、塩酸エピナスチン、エバスチン、塩酸セチリジン、塩酸オロパタジン、ロラタジン、フェキソフェナジン等が挙げられる。
【0059】
抗アレルギー薬のうち、トロンボキサン合成酵素阻害薬としては、例えば、塩酸オザグレル、イミトロダストナトリウム等が挙げられる。
【0060】
抗アレルギー薬のうち、トロンボキサン拮抗薬としては、例えば、セラトロダスト、ラマトロバン、ドミトロバンカルシウム水和物、KT−2−962等が挙げられる。
【0061】
抗アレルギー薬のうち、Th2サイトカイン阻害薬としては、例えば、トシル酸スプラタスト等が挙げられる。
【0062】
ステロイド薬のうち、外用薬としては、プロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、フルオシノニド、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジフルプレドナート、プデソニド、吉草酸ジフルコルトロン、アムシノニド、ハルシノニド、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプロドン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プレドニゾロン、フルドロキシコルチド等が挙げられる。
【0063】
ステロイド薬のうち、内服薬、注射薬としては、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、ブチル酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、酢酸ハロプレドン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、パルミチン酸デキサメタゾン、酢酸パラメタゾン、ベタメタゾン等、吸入薬としては、プロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、フルニソリド、トリアムシノロン、ST−126P、シクレソニド、デキサメタゾンパロミチオネート、モメタゾンフランカルボネート、プラステロンスルホネート、デフラザコート、メチルプレドニゾロンスレプタネート、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム等が挙げられる。
【0064】
気管支拡張薬のうち、キサンチン誘導体としては、例えば、アミノフィリン、テオフィリン、ドキソフィリン、シパムフィリン、ジプロフィリン、プロキシフィリン、コリンテオフィリン等が挙げられる。
【0065】
気管支拡張薬のうち、交感神経刺激薬としては、例えば、エピネフリン、塩酸エフェドリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、塩酸メトキシフェナミン、硫酸イソプロテレノール、塩酸イソプロテレノール、硫酸オルシプレナリン、塩酸クロルプレナリン、塩酸トリメトキノール、硫酸サルブタモール、硫酸テルブタリン、硫酸ヘキソプレナリン、塩酸ツロブテロール、塩酸プロカテロール、臭化水素酸フェノテロール、フマル酸フォルモテロール、塩酸クレンブテロール、塩酸マブテロール、キシナホ酸サルメテロール、R,R−フォルモテロール、ツロブテロール、塩酸ピルブテロール、塩酸リトドリン、バンブテロール、塩酸ドペキサミン、酒石酸メルアドリン、AR−C68397、レボサルブタモール、KUR−1246、KUL−7211、AR−C89855、S−1319等が挙げられる。
【0066】
気管支拡張薬のうち、副交感神経遮断薬としては、例えば、臭化イプラトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化シメトロピウム、テミベリン、臭化チオトロピウム、レバトロペート(UK−112166)等が挙げられる。
【0067】
ワクチン療法薬としては、例えば、パスパート、アストレメジン、ブロンカスマ・ベルナ、CS−560等が挙げられる。
【0068】
金製剤としては、例えば、金チオリンゴ酸ナトリウム等が挙げられる。
【0069】
塩基性非ステロイド抗炎症薬としては、例えば、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、エピリゾール、エモルファゾン等が挙げられる。
【0070】
5−リポキシゲナーゼ阻害薬としては、例えば、ザイリュートン、ドセベノン、ピリポスト、SCH−40120、WY−50295、E−6700、ML−3000、TMK−688、ZD−2138、メシル酸ダルブフェロン、R−68151、E−6080、DuP−654、SC−45662、CV−6504、NE−11740、CMI−977、NC−2000、E−3040、PD−136095、CMI−392、TZI−41078、Orf−20485、IDB−18024、BF−389、A−78773、TA−270、FLM−5011、CGS−23885、A−79175、ETH−615、AM−103、MK−0633等が挙げられる。
【0071】
5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質拮抗薬としては、例えば、MK−591、MK−886、MK−0633、AM−103等が挙げられる。
【0072】
ロイコトリエン合成阻害薬としては、例えば、オーラノフィン、マレイン酸プログルメタシン、L−674636、A−81834、UPA−780、A−93178、MK−886、REV−5901A、SCH−40120、MK−591、Bay−x−1005、Bay−y−1015、DTI−0026、アムレキサノックス、E−6700等が挙げられる。
【0073】
プロスタグランジン類(以下、PGと略記する。)としては、PG受容体アゴニスト、PG受容体アンタゴニスト等が挙げられる。
【0074】
PG受容体としては、PGE受容体(EP1、EP2、EP3、EP4)、PGD受容体(DP、CRTH2)、PGF受容体(FP)、PGI受容体(IP)、TX受容体(TP)等が挙げられる。
【0075】
鎮咳薬としては、例えば、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、オキシメテバノール、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸ペントキシベリン、リン酸ジメモルファン、クエン酸オキセラジン、クロペラスチン、リン酸ベンプロペリン、塩酸クロフェダノール、塩酸ホミノベン、ノスカピン、ヒベンズ酸チペピジン、塩酸エプラジノン、シャゼンソウエキス等が挙げられる。
【0076】
去痰薬としては、例えば、アンモニアウイキョウ精、炭酸水素ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩酸ブロムヘキシン、桜皮エキス、カルボシステイン、フドステイン、塩酸アンブロキソール、塩酸アンブロキゾール徐放薬、メチルシステイン塩酸塩、アセチルシステイン、塩酸L−エチルシステイン、チロキサポール等が挙げられる。
【0077】
該他の薬剤として好ましくは、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ステロイド薬または交感神経刺激薬である。
【0078】
本発明を実施するための製剤としては、cysLT1/cysLT2受容体に拮抗する化合物と該化合物の治療効果を補完および/または増強する他の薬剤とを、1つの製剤に配合した製剤でもよく、それぞれの成分を別々に製剤化した製剤でもよい。これらの製剤化は、公知の方法によって行なうことができる。
【0079】
本発明化合物等、または本発明化合物等と他の薬剤の併用剤を含有してなる医薬組成物を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
【0080】
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人あたり、1回につき、1mgから1000mgの範囲で、1日1回から数回(好ましくは、1日1回)経口投与されるか、または成人一人あたり、1回につき、0.1mgから100mgの範囲で、1日1回から数回非経口投与(好ましくは、静脈内投与)されるか、または1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
【0081】
本発明の目的で化合物を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。
【0082】
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤のカプセルには、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。
このような内服用固形剤においては、1種または2種以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらに、ゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
【0083】
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
【0084】
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解、懸濁または乳濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳濁させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
【0085】
非経口投与のための点眼剤の剤形としては、点眼液、懸濁型点眼液、乳濁型点眼液、用時溶解型点眼液および眼軟膏が含まれる。
これらの点眼剤は公知の方法に準じて製造される。例えば、点眼液の場合には、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、界面活性剤(ポリソルベート80(商品名)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、安定化剤(クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等)、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)などを必要に応じて適宜選択して製造される。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造される。
【0086】
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用液剤または吸入用粉末剤が含まれ、吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解、懸濁または乳濁させて使用する形態であってもよい。
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して製造される。
【0087】
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩(ステアリン酸マグネシウム等)等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して製造される。
【0088】
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(例えば、アトマイザー、ネブライザー等)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
【0089】
非経口投与のためのその他の製剤としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される外用液剤、軟膏剤、塗布剤、スプレー剤、坐剤および膣内投与のためのペッサリー等が含まれる。
【0090】
スプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号および同第3,095,355号に詳しく記載されている。
【実施例】
【0091】
以下、実施例および生物学的実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0092】
クロマトグラフィーによる分離の箇所、TLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。NMRの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した溶媒を示している。
また、実施例に示される化合物名は、ACD/Name(バージョン6.00、Advanced Chemistry Development Inc.社製)によって命名した。
粉末X線回折スペクトルデータは、その性質上、結晶の同一性の認定においては、回折角(2θ)や全体的なパターンが重要であり、相対強度は結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって多少変わり得る。
さらに、示差走査熱量測定(DSC)データにおいても、結晶の同一性の認定においては、全体的なパターンが重要であり、測定条件によって多少変わり得る。
【0093】
実施例1
エチル 4−(7−ブロモ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)ブタノアート
(2−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩(14g)のエタノール溶液(60mL)に5−アセチルバレリン酸(9.0g)を加え、反応混合物を50℃で40分撹拌後、濃硫酸(6.0mL)を加え、16時間加熱還流した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルにて抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)にて精製することによって以下の物性値を有する標題化合物(15g)を得た。
TLC:Rf 0.54(ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.23, 1.89-2.00, 2.31, 2.39, 2.72, 4.10, 6.95, 7.24, 7.43, 7.91。
【0094】
実施例2
ジエチル 4,4’−(7−ブロモ−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル)ジブタノアート
実施例1で製造した化合物(18g)をジメチルスルホキシド(110mL)に溶解し、4−ブロモ酪酸エチル(76g)および炭酸セシウム(145g)を加え、反応混合物を50℃で16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を中圧分取液体クロマトグラフ W−prep 2XY(山善社製、カラム:メインカラム4L、インジェクトカラム3L;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→4:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(24g)を得た。
TLC:Rf 0.31(ヘキサン:アセトン=17:3);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.24, 1.26, 1.83-1.98, 1.98-2.12, 2.30, 2.36, 2.39, 2.73, 4.09-4.20, 4.47-4.52, 6.88, 7.26, 7.42。
【0095】
実施例3
ジエチル 4,4’−(7−{[4−(アセチルオキシ)フェニル]エチニル}−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル)ジブタノアート
実施例2で製造した化合物(5.5g)および4−エチニルフェニル アセタート(3.8g)のアセトニトリル(25mL)溶液にアルゴン雰囲気下、ジイソプロピルアミン(3.3mL)およびビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(320mg)を加え、室温で15時間撹拌した。この反応混合物を、セライト(登録商標)を通してろ過後、ろ液を濃縮し、得られた残渣を中圧分取液体クロマトグラフ W−prep 2XY(山善社製、カラム:メインカラム3L、インジェクトカラム2L;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→7:3)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(5.9g)を得た。
TLC:Rf 0.26(ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.21, 1.24, 1.86-1.98, 2.10-2.22, 2.25-2.37, 2.75, 4.04-4.14, 4.59-4.65, 7.03, 7.11, 7.32, 7.50, 7.55。
【0096】
実施例4
ジエチル 4,4’−{7−[(4−ヒドロキシフェニル)エチニル]−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル}ジブタノアート
実施例3で製造した化合物(5.9g)のエタノール(11mL)およびジメトキシエタン(11mL)溶液に炭酸カリウム(3.1g)を加え、室温で15時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を中圧分取液体クロマトグラフ W−prep 2XY(山善社製、カラム:メインカラム2L、インジェクトカラムL;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→6:4)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(4.8g)を得た。
TLC:Rf 0.29(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.22, 1.26, 1.82-1.99, 2.05-2.21, 2.32, 2.36, 2.75, 4.04-4.14, 4.62, 5.39, 6.83, 7.01, 7.30, 7.42. 7.48。
【0097】
実施例5
4−(ペンタフルオロフェニル)ブタ−3−イン−1−オール
1−ブロモ−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼン(50g)のトリエチルアミン(200mL)溶液に3−ブチン−1−オール(15g)、トリフェニルホスフィン(2.7g)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(3.6g)およびヨウ化銅(I)(1.9g)を加え、80℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、tert−ブチルメチルエーテル(500mL)を加え、0℃で30分間撹拌した。反応混合物を、セライト(登録商標)を通してろ過後、ろ液を濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→65:35)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(43g)を得た。
TLC:Rf 0.28(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.81, 2.78, 3.86。
【0098】
実施例6
4−(ペンタフルオロフェニル)ブタン−1−オール
実施例5で製造した化合物(43g)のエタノール(430mL)溶液に10%パラジウム炭素(50%含水品、4.3g)を加え、反応系中をアルゴンで置換した後に水素雰囲気下室温で6時間撹拌した。10%パラジウム炭素(50%含水品、4.3g)を追加し、水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応混合物を、セライト(登録商標)を通してろ過後、ろ液を濃縮し、以下の物性値を有する標題化合物(41g)を得た。
TLC:Rf 0.31(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.20-1.38, 1.52-1.76, 2.74, 3.68。
【0099】
実施例7
4−(ペンタフルオロフェニル)ブチル 4−メチルベンゼンスルホナート
実施例6で製造した化合物(40g)のトルエン(330mL)溶液にトリエチルアミン(46mL)を加え0℃で撹拌した。p−トルエンスルホニルクロリド(41g)およびトリメチルアミン塩酸塩(1.6g)を加え、0℃で2時間撹拌後、室温で20時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(7.3g)を加え15分間撹拌した。反応液に水を加え、2N塩酸で水層を酸性にした後、有機層を分取した。水層をトルエンで抽出し、併せた有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧留去した。固体成分をヘキサン−酢酸エチル(10:1)で洗浄し、以下の物性値を有する標題化合物(52g)を得た。
TLC:Rf 0.48(ヘキサン:酢酸エチル=5:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.55-1.77, 2.45, 2.66, 4.05, 7.35, 7.78。
【0100】
実施例8
ジエチル 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタノアート
実施例4で製造した化合物(180mg)および実施例7で製造した化合物(150mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)溶液に炭酸セシウム(220mg)を加え、室温で10時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水,飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。中圧分取液体クロマトグラフ W−prep 2XY(山善社製、カラム:メインカラムM、インジェクトカラムS;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→8:2)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(160mg)を得た。
TLC:Rf 0.52(ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.19-1.26, 1.71-2.00, 2.05-2.10, 2.25-2.40, 2.68-2.85, 3.99-4.18, 4.62, 6.87, 7.01, 7.31, 7.42-7.52。
【0101】
実施例9
4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
【化17】

実施例8で製造した化合物(150mg)のジメトキシエタン(2.0mL)およびエタノール(2.0mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL)を加え、室温で4時間撹拌した。氷冷下、反応液に氷冷2N塩酸(1.0mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をジイソプロピルエーテル−ヘキサン(9:1)洗浄し、減圧下乾燥することにより、以下の物性値を有する標題化合物(120mg)を得た。
TLC:Rf 0.40(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.63-1.82, 1.87-2.02, 2.14-2.24, 2.33, 2.67, 2.76, 4.03, 4.54, 6.94-7.03, 7.22, 7.44-7.54, 12.08。
【0102】
実施例9(1)〜(8)
実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0103】
実施例9(1)
4,4’−[7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.36(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.59-1.87, 1.88-2.03, 2.12-2.23, 2.31, 2.33, 2.61-2.77, 4.05, 4.54, 6.93-7.03, 7.07-7.18, 7.19-7.29, 7.42-7.58, 12.05。
【0104】
実施例9(2)
4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.18(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.65-1.80, 1.88-2.02, 2.14-2.24, 2.34, 2.60-2.74, 4.02, 4.54, 6.83-7.02, 7.14-7.25, 7.42-7.52, 12.04。
【0105】
実施例9(3)
4,4’−[7−({4−[4−(2,3−ジフルオロフェノキシ)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.37(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.66-1.81, 1.83-2.02, 2.13-2.24, 2.34, 2.62-2.74, 4.05-4.12, 4.13-4.20, 4.49-4.60, 6.91-7.06, 7.07-7.18, 7.22, 7.44-7.56, 12.08。
【0106】
実施例9(4)
4,4’−[7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.42(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.55-1.86, 1.86-2.04, 2.11-2.25, 2.34, 2.67, 4.05, 4.54, 6.90-7.07, 7.08-7.19, 7.22, 7.40-7.57, 12.09。
【0107】
実施例9(5)
4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.35(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.64-1.81, 1.87-2.04, 2.13-2.24, 2.33, 2.62-2.76, 4.03, 4.49-4.60, 6.92-7.03, 7.22, 7.33-7.54, 12.08。
【0108】
実施例9(6)
4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.43(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.61-1.84, 1.86-2.02, 2.14-2.25, 2.33, 2.62-2.77, 4.03, 4.46-4.60, 6.92-7.03, 7.22, 7.39-7.55, 12.08。
【0109】
実施例9(7)
4,4’−[7−({4−[4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.33(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.52-1.85, 1.87-2.05, 2.12-2.24, 2.26, 2.33, 2.60, 2.67, 4.04, 4.54, 6.83-7.05, 7.09-7.28, 7.39-7.56, 12.09。
【0110】
実施例9(8)
4,4’−[7−({4−[4−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.35(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.59-1.84, 1.87-2.05, 2.17, 2.18-2.24, 2.33, 2.67, 4.05, 4.54, 6.92-7.05, 7.08-7.18, 7.22, 7.44-7.56, 12.09。
【0111】
実施例10
エチル 4−[7−ブロモ−1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−2−メチル−1H−インドール−3−イル]ブタノアート
4−ブロモ酪酸エチルの代わりに、ブロモ酢酸エチルを用いて、実施例2と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
TLC:Rf 0.52(ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.24, 1.27, 1.85-1.99, 2.27, 2.30, 2.75, 4.11, 4.24, 5.28, 6.92, 7.26, 7.44。
【0112】
実施例11
4−[1−(カルボキシメチル)−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
実施例2で製造した化合物の代わりに、実施例10で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.25(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.66-1.81, 2.16-2.24, 2.25, 2.62-2.76, 3.99-4.08, 5.38, 6.94-7.03, 7.19, 7.32-7.45, 7.45-7.53, 12.02, 12.96。
【0113】
実施例12
エチル 4−(7−ブロモ−1−{[1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−1H−インドール−3−イル)ブタノアート
実施例1で製造した化合物(2.0g)のジメチルスルホキシド(12mL)溶液に、[1−(ブロモメチル)シクロプロピル]アセトニトリル(1.6g)および炭酸セシウム(3.0g)を加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。炭酸セシウム(3.0g)を加えて一晩撹拌し、さらに炭酸セシウム(3.0g)を加えて9時間撹拌した。[1−(ブロモメチル)シクロプロピル]アセトニトリル(1.6g)および炭酸セシウム(2.0g)を加えてさらに一晩撹拌した。反応混合物に水を加え、塩酸水溶液で中和してから酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→75:25)によって精製することにより、N−アルキル体(1.3g)を得た。
上記N−アルキル体(1.7g)のエタノール(7.0mL)およびエチレングリコール(3.5mL)溶液に、12N水酸化ナトリウム水溶液(3.4mL)を加え、100℃で11時間、120℃で5時間加熱した。反応混合物に、氷冷下、5N塩酸を加えて酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより、ジカルボン酸(1.3g)を得た。
アルゴン雰囲気下、上記ジカルボン酸(1.3g)のジメチルホルムアミド(8.0mL)溶液に、炭酸カリウム(1.1g)およびヨードエタン(2.2g)を加え、室温で17時間撹拌した。反応溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、減圧濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→80:20)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(1.5g)を得た。
TLC:Rf 0.49(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 0.16-0.29, 0.30-0.47, 1.18-1.34, 1.79-1.96, 2.28, 2.35, 2.42, 2.71, 4.04-4.21, 4.89, 6.85, 7.21-7.28, 7.39。
【0114】
実施例13
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
【化18】

実施例2で製造した化合物の代わりに、実施例12で製造した化合物を用いて、実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.43(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.05-0.26, 0.27-0.48, 1.61-1.87, 2.18, 2.31, 2.34, 2.66, 2.77, 4.03, 4.90, 6.88-7.04, 7.19, 7.46, 7.51, 12.09。
【0115】
実施例13(1)〜(6)
実施例2で製造した化合物の代わりに、実施例12で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0116】
実施例13(1)
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
TLC:Rf 0.43(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.06-0.24, 0.28-0.45, 1.56-1.86, 2.18, 2.29-2.33, 2.34, 2.59-2.78, 4.05, 4.90, 6.89-7.03, 7.06-7.22, 7.25, 7.46, 7.52, 12.09。
【0117】
実施例13(2)
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−7−({4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
TLC:Rf 0.40(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.12-0.19, 0.34-0.42, 1.66-1.79, 2.18, 2.31, 2.34, 2.60-2.70, 3.99-4.05, 4.90, 6.91-7.02, 7.15-7.25, 7.46, 7.49-7.54, 12.08。
【0118】
実施例13(3)
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
TLC:Rf 0.43(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.06-0.25, 0.28-0.47, 1.57-1.88, 2.12-2.23, 2.31, 2.34, 2.59-2.78, 4.05, 4.90, 6.88-7.05, 7.08-7.17, 7.19, 7.46, 7.52, 12.09。
【0119】
実施例13(4)
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−7−({4−[4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
TLC:Rf 0.44(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.06-0.24, 0.28-0.45, 1.56-1.85, 2.18, 2.26, 2.31, 2.34, 2.56-2.71, 4.05, 4.90, 6.86-7.06, 7.12-7.24, 7.47, 7.52, 12.11。
【0120】
実施例13(5)
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
TLC:Rf 0.44(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.05-0.26, 0.27-0.47, 1.59-1.85, 2.18, 2.31, 2.34, 2.59-2.77, 4.03, 4.90, 6.89-7.04, 7.19, 7.37-7.58, 12.09。
【0121】
実施例13(6)
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
TLC:Rf 0.44(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.04-0.25, 0.28-0.47, 1.60-1.86, 2.18, 2.31, 2.34, 2.66, 2.73, 4.03, 4.90, 6.89-7.03, 7.04-7.15, 7.19, 7.28-7.42, 7.46, 7.51, 12.09。
【0122】
実施例14
4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
【化19】

(2−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩の代わりに、(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジン(以下の製造方法によって製造した。:2−ブロモ−5−フルオロアニリン(20g)を、氷冷下、5N塩酸(200mL)に注ぎ、20分間撹拌した後、亜硝酸ナトリウム(8.0g)の水(20mL)溶液をゆっくり加え、40分間撹拌した。この反応液および5N水酸化ナトリウム水溶液(150mL)を、氷冷下、亜硫酸ナトリウム(33g)およびリン酸二水素ナトリウム(1.7g)の水溶液(200mL)に、pH6以上を保ちながら加えた後、75℃で1時間撹拌した。この反応液を室温まで冷却した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣を60℃の濃塩酸に注ぎ、2時間撹拌した後、室温にて終夜撹拌した。この反応液を、氷冷下、12N水酸化ナトリウム水溶液で中和した。析出した固体をろ過し、水で洗浄した後、酢酸エチルに溶解させた。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮することにより、ヒドラジン化合物を得た。)を用いて、実施例1→実施例2→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.43(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.64-1.84, 1.88-2.02, 2.14-2.23, 2.33, 2.68-2.82, 4.02, 4.49-4.59, 6.76, 6.97, 7.19, 7.47, 12.08。
【0123】
実施例14(1)〜(3)
(2−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩の代わりに、上記(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジンを用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例1→実施例2→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0124】
実施例14(1)
4,4’−[7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.35(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.57-1.84, 1.86-2.03, 2.12-2.23, 2.30, 2.32, 2.65-2.79, 4.05, 4.55, 6.76, 6.99, 7.07-7.30, 7.48, 12.08。
【0125】
実施例14(2)
4,4'−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.58(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.59-1.85, 1.87-2.05, 2.10-2.26, 2.32, 2.59-2.82, 4.05, 4.48-4.63, 6.76, 6.91-7.06, 7.08-7.16, 7.20, 7.48, 12.08。
【0126】
実施例14(3)
4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
TLC:Rf 0.57(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.61-1.83, 1.87-2.02, 2.13-2.23, 2.32, 2.64-2.79, 4.02, 4.49-4.61, 6.76, 6.97, 7.20, 7.38-7.58, 12.08。
【0127】
実施例15
4−[1−(カルボキシメチル)−4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
(2−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩の代わりに、上記(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジンを用い、4−ブロモ酪酸エチルの代わりに、ブロモ酢酸エチルを用いて、実施例1→実施例2→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.38(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.62-1.84, 2.18, 2.24, 2.66-2.83, 4.03, 5.40, 6.78, 6.97, 7.18, 7.48, 12.02, 13.07。
【0128】
実施例15(1)
4−[1−(カルボキシメチル)−7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
(2−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩の代わりに、上記(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジンを用い、4−ブロモ酪酸エチルの代わりに、ブロモ酢酸エチルを用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例1→実施例2→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.30(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.57-1.85, 2.19, 2.24, 2.31, 2.65-2.80, 4.04, 5.40, 6.78, 6.98, 7.08-7.22, 7.26, 7.48, 12.05, 13.10。
【0129】
実施例16
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
【化20】

(2−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩の代わりに、上記(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジンを用いて、実施例1→実施例12→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.38(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.10-0.21, 0.35-0.44, 1.64-1.84, 2.11-2.21, 2.29-2.32, 2.33, 2.65-2.83, 4.03, 4.91, 6.74, 6.98, 7.18, 7.51, 12.09。
【0130】
実施例16(1)〜(3)
(2−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩の代わりに、上記(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジンを用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例1→実施例12→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0131】
実施例16(1)
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
TLC:Rf 0.35(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.11-0.20, 0.36-0.44, 1.60-1.86, 2.12-2.21, 2.31, 2.33, 2.66-2.77, 4.02-4.10, 4.91, 6.73, 6.99, 7.07-7.21, 7.25, 7.46-7.55, 12.08。
【0132】
実施例16(2)
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
TLC:Rf 0.38(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.07-0.22, 0.29-0.46, 1.61-1.86, 2.16, 2.31, 2.33, 2.71, 2.79, 4.04, 4.91, 6.74, 6.99, 7.18, 7.51, 7.74, 12.09。
【0133】
実施例16(3)
4−[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]ブタン酸
TLC:Rf 0.30(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.12-0.19, 0.35-0.45, 1.64-1.82, 2.16, 2.31, 2.33, 2.63-2.78, 4.03, 4.91, 6.74, 6.95-7.03, 7.18, 7.33-7.45, 7.47-7.58, 12.09。
【0134】
実施例17
{1−[(7−ブロモ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]シクロプロピル}アセトニトリル
[1−(ブロモメチル)シクロプロピル]アセトニトリル(15g)および7−ブロモ−2−メチル−1H−インドール(45g)のトルエン(250mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、氷冷下でエチルマグネシウムブロミド(3.0M ジエチルエーテル溶液、72mL)をゆっくり滴下した後、100℃で80分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした後、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を精製分取装置CombiFlash CompanionXL(イスコ社製、カラム:Redisep 350g;ヘキサン:酢酸エチル=95:5→70:30)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(14g)を得た。
TLC:Rf 0.64(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 0.53-0.60, 0.60-0.68, 2.27, 2.46, 2.89, 6.97, 7.27, 7.47, 8.03。
【0135】
実施例18
{1−[(7−ブロモ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]シクロプロピル}酢酸
実施例17で製造した化合物(14g)のエタノール(100mL)およびエチレングリコール(50mL)溶液に水酸化ナトリウム(28g)の水(100mL)溶液を加え、100℃で1.5日撹拌した。反応液を、氷冷下、5N塩酸で中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することで以下の物性値を有する標題化合物(19g)を得た。
TLC:Rf 0.68(ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.28-0.40, 2.11, 2.31, 2.80, 6.86, 7.16, 7.42, 10.90, 12.00。
【0136】
実施例19
エチル {1−[(7−ブロモ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]シクロプロピル}アセタート
実施例18で製造した化合物(19g)のN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)溶液に炭酸カリウム(16g)およびヨウ化エチル(11g)加え、室温で3時間撹拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を精製分取装置CombiFlash CompanionXL(イスコ社製、カラム:Redisep 80g;ヘキサン:酢酸エチル=80:20)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(16g)を得た。
TLC:Rf 0.58(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 0.38-0.50, 1.25, 2.23, 2.40, 2.95, 4.11, 6.93, 7.22, 7.46, 7.98。
【0137】
実施例20
エチル (7−ブロモ−3−{[1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−1H−インドール−1−イル)アセタート
実施例19で製造した化合物(16g)のN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)溶液に炭酸セシウム(38g)およびブロモ酢酸エチル(12g)を加え、室温で15時間撹拌した後、さらに炭酸セシウム(6.0g)およびブロモ酢酸エチル(1.5g)を加え、室温で4.5時間撹拌した後、50℃で2時間撹拌した。反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を精製分取装置CombiFlash CompanionXL(イスコ社製、カラム:Redisep 120g;ヘキサン:酢酸エチル=100:0→80:20)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(18g)を得た。
TLC:Rf 0.42(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 0.33-0.41, 1.26, 1.27, 2.27, 2.28, 2.97, 4.15, 4.23, 5.29, 6.90, 7.23, 7.48。
【0138】
実施例21
[3−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸
実施例2で製造した化合物の代わりに、実施例20で製造した化合物を用いて、実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.46(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.31, 1.55-1.89, 2.16, 2.25, 2.76, 2.88, 4.03, 5.39, 6.83-7.06, 7.19, 7.41-7.60, 12.13, 12.86。
【0139】
実施例21(1)〜(2)
実施例2で製造した化合物の代わりに、実施例20で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0140】
実施例21(1)
(1−{[1−(カルボキシメチル)−7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−3−イル]メチル}シクロプロピル)酢酸
TLC:Rf 0.43(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.31, 1.58-1.72, 1.72-1.85, 2.17, 2.25, 2.31, 2.70, 2.89, 4.05, 5.39, 6.92-7.06, 7.07-7.29, 7.41-7.56, 12.19, 12.81。
【0141】
実施例21(2)
[3−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸
TLC:Rf 0.43(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.31, 1.61-1.72, 1.73-1.84, 2.17, 2.25, 2.67, 2.88, 4.04, 5.39, 6.89-7.03, 7.11, 7.15-7.23, 7.43-7.57, 12.05, 12.79。
【0142】
実施例22
エチル 4−(7−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタノアート
7−ブロモ−1H−インドール(18g)を塩化メチレン(50mL)に溶解し、氷冷下、塩化アルミニウム(III)(6.8g)およびエチルスクシニルクロリド(8.4g)を加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下乾燥することにより、以下の物性値を有する標題化合物(6.0g)を得た。
TLC:Rf 0.53(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.27, 2.79, 3.23, 4.16, 7.17, 7.44, 7.97, 8.32, 8.72。
【0143】
実施例23
エチル 4−(7−ブロモ−1H−インドール−3−イル)ブタノアート
実施例22で製造した化合物(5.0g)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に,氷冷下,水素化ホウ素ナトリウム(760mg)および三フッ化ホウ素―ジエチルエーテル錯体(5.8mL)を加え、0℃で2時間撹拌した。反応混合物に、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を中圧分取液体クロマトグラフ W−prep 2XY(山善社製、カラム:メインカラム2L、インジェクトカラムL;ヘキサン:酢酸エチル=90:10→85:15)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(2.9g)を得た。
TLC:Rf 0.53(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.24, 1.98-2.08, 2.36, 2.79, 4.12, 6.99, 7.06, 7.34, 7.55, 8.14。
【0144】
実施例24
ジエチル 4,4’−(7−ブロモ−1H−インドール−1,3−ジイル)ジブタノアート
実施例23で製造した化合物(4.4g)をジメチルスルホキシド(14mL)に溶解し、4−ブロモ酪酸エチル(5.5g)および炭酸セシウム(9.2g)を加え,反応混合物を50℃で14時間撹拌した。反応混合物に水を加え、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(1:1)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を中圧分取液体クロマトグラフ W−prep 2XY(山善社製、カラム:メインカラムL、インジェクトカラムL;ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(5.9g)を得た。
TLC:Rf 0.31(ヘキサン:アセトン=17:3);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.22-1.27, 1.91-2.05, 2.08-2.12, 2.27-2.38, 2.74, 4.08-4.16, 4.52, 6.85, 6.91, 7.33, 7.51。
【0145】
実施例25
4,4’−[7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
【化21】

実施例2で製造した化合物の代わりに、実施例24で製造した化合物を用いて、実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.48(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.62-1.92, 1.99-2.19, 2.26, 2.68, 2.76, 4.03, 4.56-4.62, 6.93-7.05, 7.16, 7.29, 7.49, 7.57, 12.07。
【0146】
実施例26
4−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール
窒素雰囲気下、4−ブロモ−1H−インドール(200g)のテトラヒドロフラン溶液(2.0L)を0℃まで氷冷した後、水素化ナトリウム(49g)を加え、氷冷下で1時間撹拌した。反応混合物に、氷冷下、ベンゼンスルホニルクロリド(200g)を滴下した後、氷浴を外し室温で撹拌した。反応混合物に、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。得られた残渣をイソプロピルエーテル−ヘキサン(1:1、1.0L)で洗浄後、乾燥して、以下の物性値を有する標題化合物(310g)を得た。
TLC:Rf 0.68(ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 6.74, 7.18, 7.36-7.51, 7.52-7.60, 7.63, 7.84-7.92, 7.92-8.00。
【0147】
実施例27
4−ブロモ−2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール
窒素雰囲気下、n−ブチルリチウム(1.6M ヘキサン溶液、420mL)をテトラヒドロフラン(100mL)に加え、10℃まで冷却した。ジイソプロピルアミン(68g)を滴下した後、氷浴を外し室温で30分間撹拌した。ドライアイス−メタノール浴で−60℃に冷却した。実施例26で製造した化合物(150g)のテトラヒドロフラン(1.0L)溶液を約1時間かけて滴下した後、0℃まで昇温した。反応混合物をドライアイス−メタノール浴で−60℃に冷却し、ヨードメタン(95g)を約20分間かけて滴下した後、10℃まで昇温した。TLCで反応確認後、飽和塩化アンモニウム水溶液(500mL)を滴下し、さらに水(500mL)を加え、酢酸エチル(1.0L)で2回抽出を行った。有機層を1N塩酸(1.0L)、飽和食塩水(500mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。得られた残渣をメタノール(500mL)で洗浄後、乾燥することにより、以下の物性値を有する標題化合物(140g)を得た。
TLC:Rf 0.48(ヘキサン:酢酸エチル=6:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 2.61, 6.39-6.48, 7.07-7.17, 7.36, 7.39-7.48, 7.50-7.59, 7.72-7.81, 8.07-8.15。
【0148】
実施例28
4−ブロモ−2−メチル−1H−インドール
アルゴン雰囲気下、実施例27で製造した化合物(12g)のエタノール(35mL)溶液に、5N水酸化ナトリウム水溶液(35mL)、およびジメトキシエタン(11mL)を加え、6時間加熱還流した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた残渣を10℃に冷却し、5N塩酸を用いて反応溶液をpH5に調整した後、酢酸エチルで2回抽出を行った。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、減圧濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(7.3g)を得た。
TLC:Rf 0.37(ヘキサン:酢酸エチル=6:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 2.41-2.49, 6.24-6.31, 6.90-7.00, 7.18-7.24, 7.99。
【0149】
実施例29
1−(4−ブロモ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン
窒素雰囲気下、実施例28で製造した化合物(140g)およびN,N−ジメチルメチレンアンモニウムクロリド(68g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(1.4L)に加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液を氷冷した5N水酸化ナトリウム水溶液(800mL)に加え、水を(2.0L)加え、酢酸エチル(2.0L)で2回抽出を行った。有機層を水(1.0L×2回)、飽和食塩水(1.0L)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をヘキサン(500mL)で洗浄後、乾燥することにより、以下の物性値を有する標題化合物(140g)を得た。
TLC:Rf 0.23(ブタノール:酢酸:水=3:1:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 2.30, 2.31, 3.71, 6.87, 7.10-7.26, 7.20。
【0150】
実施例30
(4−ブロモ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセトニトリル
窒素雰囲気下、ジメチル硫酸(71g)をテトラヒドロフラン(1.0L)に加え、5℃以下に冷却した。実施例29で製造した化合物(140g)のテトラヒドロフラン(500mL)溶液を1時間かけて滴下し、10℃で1時間撹拌した。反応溶液の溶媒を減圧留去し、得られた残渣に水(1.5L)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(600mL)を加え、溶解させた後、シアン化カリウム(50g)を加え80℃で2時間撹拌した。反応混合物を20℃に冷却した後、酢酸エチル(1.0L×3回)で抽出した。有機層を水(1.0L×3回)、飽和食塩水(1.0L)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、減圧濃縮して得られた残渣をイソプロピルエーテル(200mL)で洗浄後、乾燥することにより、以下の物性値を有する標題化合物(100g)を得た。
TLC:Rf 0.20(ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 2.45, 4.11, 6.94-7.02, 7.22-7.24, 7.25-7.29, 8.10。
【0151】
実施例31
(4−ブロモ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)酢酸
実施例30で製造した化合物(20g)のエタノール(130mL)、ジメトキシエタン(70mL)およびエチレングリコール(70mL)溶液に、12N水酸化ナトリウム水溶液(67mL)加え、32時間加熱還流した。反応混合物に、氷冷下、5N塩酸(160mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。ろ過後、減圧濃縮して得られた残渣をヘキサンで洗浄後、減圧下乾燥することにより、以下の物性値を有する標題化合物(22g)を得た。
TLC:Rf 0.46(ヘキサン:酢酸エチル=1:4);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 2.27, 3.80, 6.87, 7.70, 7.25, 11.19, 12.06。
【0152】
実施例32
エチル (4−ブロモ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセタート
実施例31で製造した化合物(22g)のN,N−ジメチルホルムアミド(80mL)溶液に、炭酸カリウム(22g)およびヨードエタン(19g)を加え、室温で15時間撹拌した。反応混合物に、氷冷下、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。ろ過後、減圧濃縮して得られた残渣をヘキサンで洗浄後、減圧下乾燥することにより、以下の物性値を有する標題化合物(22g)を得た。
TLC:Rf 0.43(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.28, 2.26, 3.48, 3.96, 4.20, 6.89, 7.13, 7.19, 8.10。
【0153】
実施例33
エチル (4−ブロモ−1−{[1−(シアノメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセタート
実施例32で製造した化合物(10g)をジメチルスルホキシド(40mL)に溶解し、[1−(ブロモメチル)シクロプロピル]アセトニトリル(13g)および炭酸セシウム(99g)を加え,反応混合物を40℃で25時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。減圧濃縮して得られた残渣をジイソプロピルエーテルおよびヘキサンで洗浄後、減圧下乾燥することにより、以下の物性値を有する標題化合物(11g)を得た。
TLC:Rf 0.32(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 0.58-0.70, 1.26, 2.29, 2.38, 4.02, 4.17, 4.25, 6.97, 7.22, 7.27。
【0154】
実施例34
(4−ブロモ−1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−1H−インドール−3−イル)酢酸
実施例33で製造した化合物(12g)のエタノール(80mL)、ジメトキシエタン(40mL)およびエチレングリコール(40mL)溶液に、12N水酸化ナトリウム水溶液(38mL)加え、29時間加熱還流した。反応混合物に、氷冷下、5N塩酸(95mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。ろ過後、減圧濃縮して得られた残渣をヘキサンで洗浄後、減圧下乾燥することにより、以下の物性値を有する標題化合物(11g)を得た。
TLC:Rf 0.38(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 0.43-0.60, 2.25, 2.34, 4.10, 4.25, 6.95, 7.20, 7.29。
【0155】
実施例35
エチル (4−ブロモ−1−{[1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセタート
実施例34で製造した化合物(11g)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に、炭酸カリウム(14g)およびヨードエタン(14g)を加え、室温で8時間撹拌した。反応混合物に、氷冷下、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。ろ過後、減圧濃縮して得られた残渣をジイソプロピルエーテルおよびヘキサンで洗浄後、減圧下乾燥することにより、以下の物性値を有する標題化合物(12g)を得た。
TLC:Rf 0.42(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 0.40-0.48, 1.24, 1.25, 2.28, 2.35, 4.01, 4.09-4.19, 4.32, 6.92, 7.18, 7.28。
【0156】
実施例36
[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−4−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]酢酸
実施例2で製造した化合物の代わりに、実施例35で製造した化合物を用いて、実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.50(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.23-0.44, 1.60-1.85, 2.23, 2.32, 2.76, 3.93-4.07, 4.34, 6.90-6.99, 6.99-7.07, 7.08-7.15, 7.41, 7.45-7.53, 12.13。
【0157】
実施例36(1)〜(3)
実施例2で製造した化合物の代わりに、実施例35で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0158】
実施例36(1)
[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−4−({4−[4−(4,5−ジフルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−3−イル]酢酸
TLC:Rf 0.24(クロロホルム:メタノール:水=10:1:0.1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.24-0.47, 1.56-1.86, 2.23, 2.33, 2.55-2.65, 3.96-4.10, 4.34, 6.93-6.99, 7.00-7.07, 7.07-7.14, 7.17-7.23, 7.41, 7.45-7.54, 12.12。
【0159】
実施例36(2)
[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−4−({4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]酢酸
TLC:Rf 0.36(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.25-0.34, 0.37-0.43, 1.64-1.78, 2.23, 2.33, 2.60-2.68, 3.94-4.11, 4.35, 6.92-6.99, 7.04, 7.12, 7.16-7.27, 7.42, 7.47-7.55, 12.14。
【0160】
実施例36(3)
(1−{[3−(カルボキシメチル)−4−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]メチル}シクロプロピル)酢酸
TLC:Rf 0.46(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.26-0.36, 0.36-0.46, 1.56-1.89, 2.23, 2.31, 2.32, 2.65-2.75, 3.95-4.10, 4.34, 6.96, 7.03, 7.08-7.18, 7.21-7.29, 7.41, 7.50, 12.13。
【0161】
実施例37
4−[3−(カルボキシメチル)−4−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−7−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル]ブタン酸
実施例1で製造した化合物の代わりに、実施例32で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例2→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.24(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.57-1.94, 2.24, 2.31, 2.33, 2.66-2.74, 3.96-4.08, 4.23, 6.87, 6.93-7.01, 7.05-7.18, 7.21-7.29, 7.43-7.56, 12.14。
【0162】
実施例37(1)
4−[3−(カルボキシメチル)−2−メチル−4−({4−[4−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1−イル]ブタン酸
実施例1で製造した化合物の代わりに、実施例32で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例2→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.28(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.67-1.78, 1.78-1.90, 2.24-2.31, 2.33, 2.65-2.76, 3.96-4.06, 4.10-4.19, 6.92-6.99, 7.01-7.09, 7.10-7.16, 7.31-7.43, 7.43-7.47, 7.48-7.54, 12.13。
【0163】
実施例38
[1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−4−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−3−イル]酢酸
実施例28で製造した化合物の代わりに、4−ブロモ−1H−インドールを用い、実施例29→実施例30→実施例31→実施例32→実施例33→実施例34→実施例35→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.45(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.46-0.54, 0.63-0.74, 1.60-1.86, 2.03, 2.76, 3.95-4.09, 4.18, 6.96, 7.07-7.22, 7.34, 7.41-7.48, 7.50, 12.17。
【0164】
実施例39
4−[3−(カルボキシメチル)−4−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1−イル]ブタン酸
実施例28で製造した化合物の代わりに、4−ブロモ−1H−インドールを用い、実施例29→実施例30→実施例31→実施例32→実施例2→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.39(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.62-1.82, 1.88-2.04, 2.19, 2.76, 3.98, 4.02, 4.16, 6.90-6.99, 7.07-7.19, 7.31, 7.41-7.56, 12.13。
【0165】
実施例40
4−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
4−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(6.9g、オーガニック レターズ、2003年、5巻、5023−5025頁に記載の方法で製造した。)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(210mg)の塩化メチレン(150mL)溶液に、氷冷下、水酸化ナトリウム(4.3g)およびベンゼンスルホニルクロリド(5.5mL)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)を通してろ過後、ろ液を濃縮し、得られた残渣を精製分取装置CombiFlash CompanionXL(イスコ社製、カラム:Redisep 120g;ヘキサン:酢酸エチル=95:5→60:40)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(9.8g)を得た。
TLC:Rf 0.58(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 6.78, 7.56-7.67, 7.68-7.76, 8.05, 8.08-8.17, 8.21-8.27。
【0166】
実施例41
4−ブロモ−2−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
アルゴン雰囲気下、ジイソプロピルエチルアミン(7.8mL)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.63M ヘキサン溶液、34mL)を加え、30分間撹拌した。この反応混合物に実施例40で製造した化合物(9.3g)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液を−25℃で加え、30分間撹拌した後、ヨードメタン(1.9mL)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を加え、2時間撹拌した。この反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を加えクエンチした後、水(200mL)で希釈し、酢酸エチル抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を精製分取装置CombiFlash CompanionXL(イスコ社製、カラム:Redisep 120g;ヘキサン:酢酸エチル=100:0→80:20→70:30)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(3.0g)を得た。
TLC:Rf 0.38(ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 2.75, 6.36, 7.31, 7.44-7.52, 7.54-7.62, 8.10-8.20。
【0167】
実施例42
4−ブロモ−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
実施例41で製造した化合物(3.0g)のテトラヒドロフラン(8.0mL)溶液に、氷冷下、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0M テトラヒドロフラン溶液、17mL)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を精製分取装置CombiFlash CompanionXL(イスコ社製、カラム:Redisep 40g;ヘキサン:酢酸エチル=90:10→80:20→70:30)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(590mg)を得た。
TLC:Rf 0.14(ヘキサン:酢酸エチル=3:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 2.54, 6.24, 7.23, 8.00, 10.98。
【0168】
実施例43
1−(4−ブロモ−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン
実施例42で製造した化合物(590mg)のn−ブチルアルコール(10mL)溶液にN,N−ジメチルメチレンアンモニウムクロリド(410mg)を加え、135℃で1時間撹拌した後、室温まで冷却した。この反応混合物にtert−ブチルメチルエーテルおよび1N塩酸を加え、有機層を分離後、水層をtert−ブチルメチルエーテルで抽出した。水層を氷冷下、5N水酸化ナトリウム水溶液で中和し、塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する標題化合物(510mg)を得た。
TLC:Rf 0.09(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 2.32, 2.51, 3.69, 7.23, 7.96, 10.69。
【0169】
実施例44
(4−ブロモ−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトニトリル
実施例43で製造した化合物(510mg)のテトラヒドロフラン(7.5mL)溶液に氷冷下ジメチル硫酸エステル(0.41mL)を加え、室温で1時間撹拌した。デカンテーションにて上澄み液を除いた後に、固体をテトラヒドロフランで洗浄し、減圧乾燥させた後、水(7.5mL)およびシアン化カリウム(200mg)加え、75℃で4時間撹拌した。この反応混合物をろ過し、水洗後、減圧乾燥させることにより、以下の物性値を有する標題化合物(270mg)を得た。
TLC:Rf 0.18(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 2.40, 4.09, 7.28, 7.97, 12.03。
【0170】
実施例45
エチル (4−ブロモ−2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセタート
実施例44で製造した化合物(270mg)のエタノール(5.0mL)溶液に、氷冷下、クロロトリメチルシラン(1.4mL)を加え、80℃で4時間撹拌した後、硫酸(0.10mL)を加え、2.5時間撹拌した。この反応混合物にジメトキシエタン(4.0mL)を加え、80℃で15時間撹拌した後、硫酸(0.10mL)を加え、20時間撹拌した。この反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する標題化合物(280mg)を得た。
TLC:Rf 0.44(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.17, 2.31, 3.85, 4.07, 7.20, 7.91, 11.80。
【0171】
実施例46
4−[3−(カルボキシメチル)−2−メチル−4−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]ブタン酸
実施例1で製造した化合物の代わりに、実施例45で製造した化合物を用いて、実施例2→実施例3→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.25(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.62-1.81, 1.82-1.96, 2.23, 2.40, 2.76, 3.96, 4.04, 4.25, 6.94-7.04, 7.09, 7.52-7.61, 8.11, 12.17。
【0172】
実施例47
エチル 4−[7−{(E)−2−[4−(アセチルオキシ)フェニル]ビニル}−1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−2−メチル−1H−インドール−3−イル]ブタノアート
実施例10で製造した化合物(250g)の1,4−ジオキサン(2.5L)溶液に、4−ビニルフェニルアセタート(110g)、ジシクロヘキシルメチルアミン(150g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(57g)、およびトリ−tert−ブチルホスフィン(25g)を加え、100℃で2時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)を通してろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→6:4)によって精製し、ヘキサンにて固化することにより、以下の物性値を有する標題化合物(210g)を得た。
TLC:Rf 0.44(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.22, 1.24, 1.94, 2.37-2.28, 2.30, 2.32, 2.76, 4.10, 4.20, 4.96, 6.85, 7.12-7.04, 7.16, 7.58-7.44。
【0173】
実施例48
4−{1−(カルボキシメチル)−2−メチル−7−[(E)−2−{4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}ビニル]−1H−インドール−3−イル}ブタン酸
実施例3で製造した化合物の代わりに、実施例47で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.49(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.60-1.84, 2.21, 2.25, 2.61-2.77, 3.99, 4.99, 6.82-6.94, 6.98, 7.14, 7.38, 7.41-7.58。
【0174】
実施例48(1)
4−{1−(カルボキシメチル)−7−[(E)−2−{4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}ビニル]−2−メチル−1H−インドール−3−イル}ブタン酸
実施例3で製造した化合物の代わりに、実施例47で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.44(塩化メチレン:メタノール:酢酸=90:10:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.52-1.86, 2.21, 2.25, 2.31, 2.61-2.79, 4.02, 5.01, 6.81-7.05, 7.07-7.19, 7.22-7.31, 7.34-7.43, 7.43-7.59。
【0175】
実施例49
4−{3−(カルボキシメチル)−2−メチル−4−[(E)−2−{4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}ビニル]−1H−インドール−1−イル}ブタン酸
実施例1で製造した化合物の代わりに、実施例32で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例2→実施例47→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.36(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.66-1.76, 1.78-1.90, 2.28, 2.36, 2.64, 3.77, 3.92-4.05, 4.12, 6.77-7.41, 7.52, 7.72, 12.25。
【0176】
実施例50
(1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−4−[(E)−2−{4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}ビニル]−1H−インドール−3−イル)酢酸
実施例28で製造した化合物の代わりに、4−ブロモ−1H−インドールを用いて、実施例29→実施例30→実施例31→実施例32→実施例33→実施例34→実施例35→実施例47→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.33(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.45-0.52, 0.62-0.69, 1.63-1.82, 2.05, 2.76, 3.85, 4.01, 4.15, 6.92, 7.00-7.16, 7.24-7.37, 7.52, 7.62, 12.26。
【0177】
実施例50(1)
(1−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−4−[(E)−2−{4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}ビニル]−1H−インドール−3−イル)酢酸
実施例28で製造した化合物の代わりに、4−ブロモ−1H−インドールを用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例29→実施例30→実施例31→実施例32→実施例33→実施例34→実施例35→実施例47→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.51(クロロホルム:メタノール:水=40:8:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.41-0.73, 1.62-1.80, 2.05, 2.65, 3.84, 3.93-4.06, 4.15, 6.87-6.96, 6.99-7.37, 7.51, 7.62, 12.25。
【0178】
実施例51
エチル 4−[7−ブロモ−1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1H−インドール−3−イル]ブタノアート
実施例1で製造した化合物の代わりに、実施例23で製造した化合物を用い、4−ブロモ酪酸エチルの代わりに、ブロモ酢酸エチルを用いて、実施例2と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
TLC:Rf 0.32(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
1H−NMR(CDCl3):δ 1.22-1.28, 1.95-2.07, 2.36, 2.75, 4.12, 4.23, 5.21, 6.79, 6.93, 7.32, 7.51。
【0179】
実施例52
4−{1−(カルボキシメチル)−7−[(E)−2−{4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}ビニル]−1H−インドール−3−イル}ブタン酸
実施例10で製造した化合物の代わりに、実施例51で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例47→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.60(塩化メチレン:メタノール:酢酸=90:10:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.61-1.77, 1.78-1.92, 2.28, 2.58-2.71, 3.92-4.10, 5.12, 6.86-6.96, 7.02, 7.08, 7.15-7.30, 7.37-7.61, 11.67-13.79。
【0180】
実施例53
(3−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−7−[(E)−2−{4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}ビニル]−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸
実施例10で製造した化合物の代わりに、実施例20で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例47→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.60(クロロホルム:メタノール:酢酸=85:15:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 0.23-0.39, 1.58-1.87, 2.17, 2.18, 2.24, 2.62-2.72, 2.88, 4.02, 5.01, 6.87, 6.91-7.06, 7.08-7.19, 7.39, 7.44-7.56, 12.05, 12.93-13.35。
【0181】
実施例54
4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
【化22】

実施例9で製造した化合物(50mg)をtert−ブチルメチルエーテル(1.5mL)に50℃で溶解した。この溶液に室温下n−ヘプタン(0.75mL)を加えた後、30分間放置した。結晶をろ別し、減圧乾燥させることで、標題化合物(39mg)を得た。
【0182】
下記の条件で測定した該結晶の粉末X線回析スペクトルを図1に、示差走査熱量測定(DSC)のチャートを図2にそれぞれ示す。
(1)粉末X線回折スペクトル
装置:BRUKER axs製 D8 DISCOVER with GADDS、ターゲット:Cu、電圧:40kV、電流:40mA。
概結晶は、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、以下の表1で示される回折角(2θ)および相対強度のデータによって特徴づけられる。
【0183】
【表1】

(2)示差走査熱量測定(DSC)
装置:メトラー・トレド製 DSC822e 示差走査熱量分析装置、試料量:1.37mg、試料セル:アルミパン40μL、窒素ガス流量:40ml/min、昇温速度:5℃/min(25〜300℃)。
【0184】
実施例54(1)
ジメチル 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタノアート
実施例1で製造した化合物の代わりに、メチル 4−(7−ブロモ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)ブタノアート(エタノールの代わりに、メタノールを用いて、実施例1と同様の操作を行って製造した。)を用い、4−ブロモ酪酸エチルの代わりに、4−ブロモ酪酸メチルを用いて、実施例2→実施例3→実施例4→実施例8と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
TLC:Rf 0.40(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)
1H−NMR(CDCl3):δ 1.72-2.00, 2.06-2.20, 2.26-2.40, 2.68-2.84, 3.61, 3.64, 4.01, 4.63, 6.88, 7.01, 7.30, 7.40-7.50。
実施例9で示される本発明化合物は、実施例8で製造した化合物の代わりに、実施例54(1)で示される化合物を用いて、実施例9と同様の操作を行うことでも製造することができる。
【0185】
実施例55
4,4’−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
【化23】

実施例14(2)で製造した化合物(30mg)をtert−ブチルメチルエーテル(2.4mL)に60℃で溶解し、室温まで冷却した。結晶をろ別し、減圧乾燥させることで、標題化合物(24mg)を得た。
【0186】
下記の条件で測定した該結晶の粉末X線回析スペクトルを図3に、示差走査熱量測定(DSC)のチャートを図4にそれぞれ示す。
(1)粉末X線回折スペクトル
装置:BRUKER axs製 D8 DISCOVER with GADDS、ターゲット:Cu、電圧:40kV、電流:40mA。
概結晶は、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、以下の表2で示される回折角(2θ)および相対強度のデータによって特徴づけられる。
【表2】

【0187】
(2)示差走査熱量測定(DSC)
装置:メトラー・トレド製 DSC822e 示差走査熱量分析装置、試料量:3.30mg、試料セル:アルミパン40μL、窒素ガス流量:40ml/min、昇温速度:5℃/min(25〜300℃)。
【0188】
実施例55(1)
ジメチル 4,4’−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタノアート
実施例1で製造した化合物の代わりに、メチル 4−(7−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)ブタノアート((2−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩の代わりに、(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジンを用い、エタノールの代わりに、メタノールを用いて、実施例1と同様の操作を行って製造した。)を用い、4−ブロモ酪酸エチルの代わりに、4−ブロモ酪酸メチルを用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブチル 4−メチルベンゼンスルホナートを用いて、実施例2→実施例3→実施例4→実施例8と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
TLC:Rf 0.36(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)
1H−NMR(CDCl3):δ 1.70-2.00, 2.10-2.20, 2.23, 2.30-2.40, 2.70, 2.82, 3.62, 3.63, 4.02, 4.62, 6.67, 6.85-6.92, 6.94, 7.05-7.10, 7.21, 7.44。
【0189】
実施例14(2)で示される本発明化合物は、実施例8で製造した化合物の代わりに、実施例55(1)で示される化合物を用いて、実施例9と同様の操作を行うことでも製造することができる。
【0190】
実施例56
4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸
【化24】

実施例14(3)で製造した化合物(50mg)を酢酸エチル(1.4mL)に70℃で溶解し、この溶液に室温下n−ヘプタン(0.68mL)を加えた後、0℃まで冷却した。結晶をろ別し、減圧乾燥させることで、標題化合物(39mg)を得た。
【0191】
下記の条件で測定した該結晶の粉末X線回析スペクトルを図5に、示差走査熱量測定(DSC)のチャートを図6にそれぞれ示す。
(1)粉末X線回折スペクトル
装置:BRUKER axs製 D8 DISCOVER with GADDS、ターゲット:Cu、電圧:40kV、電流:40mA。
概結晶は、Cu−Kα線を使用して得られる粉末X線回折スペクトルにおいて、以下の表3で示される回折角(2θ)および相対強度のデータによって特徴づけられる。
【表3】

【0192】
(2)示差走査熱量測定(DSC)
装置:メトラー・トレド製 DSC822e 示差走査熱量分析装置、試料量:4.70mg、試料セル:アルミパン40μL、窒素ガス流量:40ml/min、昇温速度:5℃/min(25〜300℃)。
【0193】
実施例56(1)
ジメチル 4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタノアート
実施例1で製造した化合物の代わりに、メチル 4−(7−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)ブタノアートを用い、4−ブロモ酪酸エチルの代わりに、4−ブロモ酪酸メチルを用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブチル 4−メチルベンゼンスルホナートを用いて、実施例2→実施例3→実施例4→実施例8と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
TLC:Rf 0.39(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)
1H−NMR(CDCl3):δ 1.70-2.00, 2.06-2.20, 2.26-2.38, 2.74, 2.81, 3.62, 3.63, 4.00, 4.62, 6.66, 6.69-6.80, 6.87, 7.20, 7.43。
【0194】
実施例14(3)で示される本発明化合物は、実施例8で製造した化合物の代わりに、実施例56(1)で示される化合物を用いて、実施例9と同様の操作を行うことでも製造することができる。
【0195】
実施例57
4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸二ナトリウム
実施例9で製造した化合物(10mg)のテトラヒドロフラン(0.10mL)溶液に、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.33mL)を加えた後、減圧濃縮することで以下の物性値を有する標題化合物を得た。
1H−NMR(METHANOL-D4):δ 1.71-1.93,2.00-2.15,2.16-2.26,2.41, 2.73,2.78-2.86,4.03,4.56-4.66,6.88-6.96,7.18,7.44-7.52。
【0196】
実施例58
4,4’−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸二ナトリウム
実施例9で製造した化合物の代わりに、実施例14(2)で製造した化合物を用いて、実施例57と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
1H−NMR(METHANOL-D4):δ 1.68-1.95,2.00-2.13,2.15-2.25,2.40,2.68-2.76,2.80,4.03,4.56-4.67,6.60,6.80-6.88,6.89-6.99,7.04-7.17,7.47。
【0197】
実施例59
4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸二ナトリウム
実施例9で製造した化合物の代わりに、実施例14(3)で製造した化合物を用いて、実施例57と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
1H−NMR(METHANOL-D4):δ 1.70-1.95,1.98-2.13,2.15-2.25,2.40,2.70-2.85,4.02,4.57-4.68,6.60,6.91,6.96-7.08,7.12,7.46。
【0198】
実施例60
4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸ビス(2,6−ジアミノヘキサン酸)
実施例9で製造した化合物(10mg)のテトラヒドロフラン(0.10mL)溶液に、0.1mol/Lリジン水溶液(0.33mL)を加えた後、減圧濃縮することで以下の物性値を有する標題化合物を得た。
1H−NMR(METHANOL-D4):δ 1.39-1.56,1.57-1.74,1.74-1.98,1.99-2.14,2.15-2.27,2.40,2.69-2.85,2.86-2.93,3.52,3.96-4.08,4.58-4.69,6.89-6.99,7.19,7.39-7.54。
【0199】
実施例61
4,4’−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸ビス(2,6−ジアミノヘキサン酸)
実施例9で製造した化合物の代わりに、実施例14(2)で製造した化合物を用いて、実施例60と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
1H−NMR(METHANOL-D4):δ 1.40-1.56,1.58-1.95,2.01-2.14,2.15-2.25,2.39,2.68-2.76,2.81,2.86-2.93,3.53,4.04,4.60-4.68,6.62,6.81-6.88,6.90-6.99,7.03-7.11,7.14,7.46。
【0200】
実施例62
4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸ビス(2,6−ジアミノヘキサン酸)
実施例9で製造した化合物の代わりに、実施例14(3)で製造した化合物を用いて、実施例60と同様の操作を行って、標題化合物を得た。
【0201】
実施例63
4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸二ナトリウム三水和物
実施例57で製造した化合物(10g)を水(40mL)、メタノール(40mL)の混合溶媒に53℃で溶解し、2−プロパノール(1900mL)加え、5℃まで冷却した。結晶をろ別し、40℃で減圧乾燥した後、25℃相対湿度60%の加湿下で2日間静置することで以下の物性値を有する標題化合物(8.2g)を得た。
1H−NMR(METHANOL-D4):δ 1.72-1.92,2.01-2.14,2.16-2.25,2.41,2.73,2.77-2.87,4.03,4.58-4.67,6.87-6.96,7.18,7.45-7.52。
【0202】
実施例64
4,4’−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸二ナトリウム八水和物
実施例58で製造した化合物(10g)を水(20mL)、メタノール(20mL)の混合溶媒に53℃で溶解し、アセトン(750mL)加え、15℃まで冷却した。結晶をろ別し、40℃で減圧乾燥した後、40℃相対湿度75%の加湿下で10日間静置することで以下の物性値を有する標題化合物(8.2g)を得た。
1H−NMR(METHANOL-D4):δ 1.68-1.95,2.00-2.13,2.15-2.25,2.40,2.68-2.76,2.80,4.04,4.56-4.68,6.61,6.80-6.88,6.89-6.99,7.04-7.17,7.47。
【0203】
実施例65
4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸二ナトリウム一水和物
実施例59で製造した化合物(8.5g)を水(22mL)、メタノール(22mL)の混合溶媒に60℃で溶解した。室温まで冷却後、アセトン(430mL)加え、2℃まで冷却した。結晶をろ別し、50℃で減圧乾燥することで以下の物性値を有する標題化合物(7.8g)を得た。
1H−NMR(METHANOL-D4):δ 1.67-1.96,2.00-2.14,2.15-2.25,2.39,2.69-2.85,3.99,4.56-4.68,6.60,6.91,6.94-7.06,7.12,7.45。
【0204】
比較例1
4,4’−{2−メチル−7−[(E)−2−{4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}ビニル]−1H−インドール−1,3−ジイル}ジブタン酸
実施例10で製造した化合物の代わりに、実施例2で製造した化合物を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例47→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する比較化合物を得た。
TLC:Rf 0.69(クロロホルム:メタノール=6:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.62-1.81, 1.81-1.94, 2.19, 2.31, 2.60-2.84, 3.90-4.08, 4.19-4.32, 6.82-7.02, 7.13, 7.31-7.43, 7.54, 7.69, 11.91-12.21。
【0205】
比較例2
4,4’−{4−フルオロ−7−[(E)−2−{4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}ビニル]−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル}ジブタン酸
実施例10で製造した化合物の代わりに、ジエチル 4,4’−(7−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル)ジブタノアート((2−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩の代わりに、(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジンを用いて、実施例1→実施例2と同様の操作を行って製造した。)を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例47→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する比較化合物を得た。
TLC:Rf 0.44(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.57-1.95, 2.13-2.25, 2.17, 2.30, 2.60-2.80, 4.02, 4.19-4.31, 6.71, 6.82, 6.88-7.19, 6.93, 7.53, 7.61, 12.08。
【0206】
比較例3
4,4’−{4−フルオロ−2−メチル−7−[(E)−2−{4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}ビニル]−1H−インドール−1,3−ジイル}ジブタン酸
実施例10で製造した化合物の代わりに、ジエチル 4,4’−(7−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル)ジブタノアート((2−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩の代わりに、(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)ヒドラジンを用いて、実施例1→実施例2と同様の操作を行って製造した。)を用い、実施例7で製造した化合物の代わりに、相当するスルホナートを用いて、実施例47→実施例4→実施例8→実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する比較化合物を得た。
TLC:Rf 0.44(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H−NMR(DMSO-D6):δ 1.58-1.95, 2.12-2.24, 2.30, 2.65-2.80, 4.00, 4.26, 6.71, 6.82, 6.91, 7.04, 7.38-7.50, 7.52, 7.61, 12.07。
【0207】
一般式(I)で示される本発明化合物の効果は、以下の実験によって証明することができる。以下に実験方法を示すが、これに限定されるものではない。
【0208】
生物学的実施例1:LTD4による細胞内カルシウム上昇に対する作用
ヒトcysLT1受容体の発現細胞(CHO)を、96穴プレート1穴あたり0.4×105個ずつ播種し、F-12培地を用いて、37℃にて5%CO2下で24時間培養した。細胞は、7.5μM Fura2−AM、20mM HEPES(2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸)および2.5mM プロベネシドを含む培地中で、37℃で約60分間インキュベーションした。Fura2−AMを取り込ませた細胞はアッセイバッファー(20mM HEPESを含むハンクス緩衝液)で一回洗浄し、FDSS2000(浜松ホトニクス)でLTD4による細胞内カルシウム流入を測定した。本発明化合物はLTD4刺激30分前に処置し、100nMのLTD4で誘発される反応を150秒間経時的に測定した。本発明化合物の受容体拮抗作用は、LTD4刺激150秒後までの最大値の蛍光強度で評価し、各化合物について50%阻害濃度(IC50)を算出した。
【0209】
その結果、一般式(I)で示される化合物は、10μM以下のIC50値を示した。例えば、実施例9、9(1)、11、21(1)、14(2)、21(2)、および14(3)で製造した化合物は、それぞれ1.1、1.5、0.21、0.16、1.8、0.24および7.0nMのIC50値を示した。
【0210】
生物学的実施例2:LTD4による細胞内カルシウム上昇に対する作用
ヒトcysLT2受容体の発現細胞(HEK293)を、96穴プレート1穴当たり1×105個ずつ播種し、DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)を用いて、37℃にて5%CO2下で24時間培養した。細胞は、7.5μM Fura2−AM、20mM HEPES(2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸)および2.5mM プロベネシドを含む培地中、37℃で約60分間インキュベーションした。Fura2−AMを取り込ませた細胞はアッセイバッファー(20mM HEPESを含むハンクス緩衝液)で一回洗浄し、FDSS2000(浜松ホトニクス)でLTD4による細胞内カルシウム流入を測定した。本発明化合物はLTD4刺激30分前に処置し、100nMのLTD4で誘発される反応を150秒間経時的に測定した。本発明化合物の受容体拮抗活性は、LTD4刺激150秒後までの最大値の蛍光強度で評価し、各化合物について50%阻害濃度(IC50)を算出した。
【0211】
その結果、一般式(I)で示される化合物は、10μM以下のIC50値を示した。例えば、実施例9、9(1)、11、21(1)、14(2)、21(2)、および14(3)で製造した化合物は、それぞれ2.8、6.6、0.77、2.1、44、2.9および15nMのIC50値を示した。
【0212】
生物学的実施例3:LTD4によるモルモット気道収縮に対する作用
モルモットをペントバルビタールナトリウム(75mg/kg、i.p.)にて麻酔し、切開して気管にポリエチレン細管を挿入した。LTD4を投与するために、頸静脈にカテーテルを挿入した。気管に挿入したカニューレの片側は定量式人工呼吸装置に接続し、換気量5mL、換気回数70回/分で人工呼吸した。気道収縮反応はLTD4を静脈内投与することにより誘発し、コンツェットレスラー(Konzett&Rossler)法により、気道抵抗を測定した。気道収縮反応はLTD4誘発10分後まで測定し、気管を完全に閉塞して得られる最大通気圧を100%として、経時的に気道収縮率を算出した。なお、本発明化合物はLTD4誘発1、2、4、8、12、18、24、36および48時間前に経口投与した。本実施例においては、気道収縮の抑制率が95%を超えるものを、完全に抑制したものと評価した。LTD4誘発2および24時間前に経口投与した結果について、表4および5に示した。
【0213】
その結果、一般式(I)で示される、三重結合を有するエチニルインドール化合物は、経口投与において、モルモット気道の収縮を完全に抑制することがわかった。しかも、LTD4誘発2時間前投与のみならず、LTD4誘発24時間前投与においても、完全に抑制することが示された。例えば、表4に示すように、実施例9、実施例14(2)、および実施例14(3)で製造した化合物は、経口投与において、モルモット気道の収縮を完全に抑制した。表4中、括弧内の数値は投与量を表わし、表内の数値は抑制率(%)を表わす。
【表4】

【0214】
すなわち、一般式(I)で示されるエチニルインドール化合物は、経口投与においてもその効果が長時間持続する化合物であって、経口呼吸器疾患治療薬として有用であることが示された。
【0215】
なお、表4で示される化合物に対応する、比較例1〜3で示される、二重結合を有するエテニルインドール化合物を同量投与した場合の気道収縮の抑制率を測定したところ、表5に示すように、LTD4誘発2時間前投与であれば完全に抑制する場合もあるが、LTD4誘発24時間前投与においては、完全には抑制しなかった。表5中、括弧内の数値は投与量を表わし、表内の数値は抑制率(%)を表わす。
【表5】

【0216】
[製剤例]
本発明の実施に用いられる製剤例を以下に示す。
【0217】
製剤例1
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠を得た。
・4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸(100g);
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤)(20g);
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤)(10g);
・微結晶セルロース(870g)。
【0218】
製剤例2
以下の各成分を常法により混合した後、除塵フィルターでろ過し、5mlずつアンプルに充填し、オートクレーブで加熱滅菌して、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル1万本を得た。
・4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸(200g);
・マンニトール(2kg);
・蒸留水(50L)。
【産業上の利用可能性】
【0219】
本発明で示される一般式(I)で示される化合物は、強力なcysLT1/cysLT2受容体拮抗作用を有するとともに、薬効の持続性に優れる化合物であるので、経口投与において、その効果が長時間持続する喘息治療薬等として大変有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(式中、R1は、カルボキシメチル基、または3−カルボキシプロピル基を表わし、R2は、水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わし、R3は、[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル基、または3−カルボキシプロピル基を表わし、R4は、水素原子、またはハロゲン原子を表わし、ring1は、
【化2】

(基中、R5は、C1〜4アルキル基、またはハロゲン原子を表わし、mは、0または1〜5の整数を表わし、mが2以上を表わすとき、R5は同じでも異なっていてもよく、矢印はブチルオキシ基と結合する。)を表わす。)で示される化合物、その塩、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項2】
ring1が、
【化3】

(基中、矢印は請求項1と同じ意味を表わす。)である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1が3−カルボキシプロピル基であり、R3が3−カルボキシプロピル基である請求項2記載の化合物。
【請求項4】
化合物が、
(1) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(2) 4,4’−[7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(3) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(4) 4,4’−[7−({4−[4−(2,3−ジフルオロフェノキシ)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(5) 4,4’−[7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(6) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(7) 4,4’−[2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(8) 4,4’−[7−({4−[4−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(9) 4,4’−[7−({4−[4−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(10) 4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(11) 4,4’−[7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(12) 4,4'−[4−フルオロ−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(13) 4,4’−[4−フルオロ−2−メチル−7−({4−[4−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸、
(14) [3−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−2−メチル−7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1−イル]酢酸、
(15) (1−{[1−(カルボキシメチル)−7−({4−[4−(3−クロロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−3−イル]メチル}シクロプロピル)酢酸、
(16) [3−{[1−(カルボキシメチル)シクロプロピル]メチル}−7−({4−[4−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸、または
(17) 4,4’−[7−({4−[4−(ペンタフルオロフェニル)ブトキシ]フェニル}エチニル)−1H−インドール−1,3−ジイル]ジブタン酸である
請求項1記載の化合物。
【請求項5】
請求項1記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、もしくはそれらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを有効成分として含有してなる医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−168359(P2010−168359A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289494(P2009−289494)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】