説明

エルビウム添加光学ガラス

【課題】エルビウム添加光学ガラスを提供する。
【解決手段】(a)ホストガラス、(b)有効量のエルビウム不純物、(c)濃度10〜40モル%のネットワーク改変性金属フッ化物、ならびに(d)さらなる別の成分、を含み、(a)、(b)、(c)および(d)の量は合計で100%であるエルビウム添加ガラス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明は、エルビウム添加光学ガラスに関する。詳細には本発明は、第3の遠隔通信ウィンドウでの光増幅器またはレーザとして使用されるエルビウム添加光学ガラス、ならびにそのような増幅器およびレーザに関するものであるが、それらに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
1550nmでの光増幅で使用されるエルビウム添加ファイバ増幅器が、公知である。このような増幅器は通常、2種類のガラスホストである、シリカまたはフルオロジルコン酸塩に基づいたものであり、現在のところシリカが最も一般的である。そのようなガラスホストの使用方法が、文献に開示されている(P.Wlksocki et al., OFC 1997, paper WF2; D. Bayart et al., IEEE Photon Technol Letter, 6, (1994), 615
and B. Clesca et al., Photon Technol Letter, 6, (1994), 509)。
【0003】
シリカガラスホストに基づくファイバ増幅器は、波長によって急速に変動する利得プロファイルを有する。従って、ファイバ増幅器を波長分割マルチプレクサ(WDM)に使用するのは、WDM機器のような機器は歪みを起こすことなく均一なパワーで多くの異なる波長の信号を同時に送信できなければならないことから、不適切である。そのようなファイバ増幅器は、複合フィルタ(P. Wysocki et al., OFC 1997, paper PD2-1に記載のものなど)と組み合わせた場合に限って、波長分割マルチプレクサとして使用可能である。
【0004】
フルオロジルコン酸塩ホストガラス(例:ZBLAN)に基づくファイバ増幅器は、シリカガラスに基づく増幅器より滑らかな利得プロファイルを有し、波長分割多重化での使用に適している。しかし、フルオロジルコン酸塩ガラスは製作が困難かつ高価であり、環境の攻撃、特に水分による攻撃に弱い。さらに、エルビウム添加ZBLANファイバ増幅器は、980nmでポンピングすることができない。
【0005】
シリカガラスとフルオロジルコン酸塩ホストガラスのいずれにおいても、濃度消光が利得に大きく影響する以前の低エルビウムイオン濃度(数1000重量ppm)のみが許容される。従って、これらホストガラスに基づくファイバ増幅器は長さが数メートルなのが普通であることから、平面導波路光学増幅器の製造は除外される。
【0006】
欧州特許出願出願公開第0673892号(A2)には、金属酸化物を含むシリカガラスが開示されている。このような酸化物は利得プロファイルの幅を広げるものであり、さらにはガラスが許容できる以上にエルビウム不純物の濃度を高めるものでもある。しかしながら、発光断面積のさらなる拡大と平滑化が望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(発明の開示)
従って、第1の態様において本発明は、(a)SiO2ホストガラス、b)有効量のエ
ルビウム不純物、(c)濃度10〜40モル%の網目改変性金属フッ化物、(d)さらなる別の成分を含み、(a)、(b)、(c)および(d)の量が合計で100%であるエルビウム添加シリカガラスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のエルビウム添加シリカガラスは、公知のシリカに基づくガラスより平滑かつ広い利得プロファイルを有するという利点を有する。これにより本発明のシリカガラスは、公知のシリカガラスより、WDM機器での使用に適したものとなる。さらに本発明のシリカガラスは、高い安定性および環境抵抗性を有する。
【0009】
さらに本発明のシリカガラスは、標準的なシリカファイバを用いる従来のスプライシング法を行い安く、挿入損失が小さくなるという利点も有する。
さらに本発明のシリカガラスは、第3の遠隔通信ウィンドウにおいて比較的対称な発光断面積ピークを有することから、やはり本発明のシリカガラスは、公知のシリカガラスよりもWDM機器での使用に適している。
【0010】
好ましくはSiO2濃度は、60〜90モル%の範囲、より好ましくは70〜80モル
%の範囲である。それによって安定なガラスとなる。
前記金属フッ化物は、NaF、PbF2、LaF3、AlF3、LiF、KF、GaF3ならびにそれらの混合物のうちの1以上であり得る。このような金属フッ化物は、広い利得プロファイルを得るための網目改変剤として特に有効である。
【0011】
好ましくは前記シリカガラスは、網目改変性金属酸化物、好ましくはNa2O、PbO
、La23、Al23およびそれらの混合物のうちの1以上をさらに含む。金属酸化物と金属フッ化物とを組合せることによって、利得プロファイルがさらに広くなる。
【0012】
好ましくは前記シリカガラスは、アルカリまたはアルカリリン酸塩、好ましくはアルカリ土類金属リン酸塩、より好ましくはNaPO3をさらに含む。
アルカリまたはアルカリ土類金属リン酸塩の濃度は、微量から5モル%とすることができる。
【0013】
エルビウム不純物の濃度は、0.01〜5モル%の範囲、好ましくは1モル%以上とすることができる。
本発明のさらに別の態様では、(a)GeO2およびTeO2のうちの一方を含むホストガラス、(b)有効量のエルビウム不純物、(c)網目改変性金属酸化物、ならびに(d)さらなる別の成分を含み、(a)、(b)、(c)および(d)の量が合計で100%となるエルビウム添加された亜テルル酸塩ガラスまたはゲルマニウム酸塩ガラスが提供される。
【0014】
そのような亜テルル酸塩ガラスまたはゲルマニウム酸塩ガラスは、広い発光断面積と1.55ミクロン近辺に幅広の発光ピークを有する。それによって、広帯域増幅とレーザ発振が可能となる。さらに、そのようなガラスは、優れたファイバ延伸特性も有する。
【0015】
好ましくはGeO2またはTeO2の濃度は、50〜80モル%の範囲である。それによって安定なガラスが得られる。
好ましくは、前記金属酸化物は、バリウム、ビスマス、鉛、亜鉛、ガリウム、ランタン、ニオブ、タングステン、タンタル、バナジウムおよびそれらの混合物のうちの1以上の酸化物を含むものである。
【0016】
これらの酸化物は、ガラスの均一な網目を破壊して、エルビウム不純物のための異なる部位を形成すると共に、屈折率およびエルビウム不純物の溶解度を高める作用をする。
そのような酸化物を本発明のガラスに含有させることで、波長589nmのナトリウム線で1.7以上のレベルの大きい屈折率を有するガラスが得られる。次にこれによって、
比較的大きい発光断面積が生じるが、これは短ファイバ増幅器および平面光学素子の製造に重要であり、広帯域で平面の利得増幅器の製造を可能とする。
【0017】
前記金属酸化物には、BaO、Bi23、PbO、ZnO、Ga23、La23、Li2O、BiO、Nb25、WO3、Ta25、V25およびこれらの混合物からなる群から選択される1以上のものなどが含まれ得る。これらの酸化物は、発光断面積を広げるのに特に有効である。
【0018】
本発明による亜テルル酸塩またはゲルマニウム酸塩の光学ガラスはさらに、Na2また
はK2Oおよびそれらの混合物のうちの1以上を含むこともあり、その濃度は好ましくは
、微量から20モル%の範囲である。
【0019】
本発明による亜テルル酸塩またはゲルマニウム酸塩の光学ガラスはさらに、好ましくはBaCl2、PbCl2、PbF3、LaF3、ZnF3、BaF2、NaF、NaCl、LiFおよびこれらの混合物を含む群から選択される金属ハロゲン化物を含み得る。
【0020】
金属ハロゲン化物の濃度は、微量から20モル%の範囲であり得る。
前記の亜テルル酸塩またはゲルマニウム酸塩の光学ガラスにおけるエルビウム不純物の濃度は、0.01〜5モル%の範囲とし得る。
【0021】
好ましくは前記亜テルル酸塩またはゲルマニウム酸塩の光学ガラスは、波長1530nmで7×10-21cm2を超える発光断面積を有し、好ましくは波長1530nmで8×10-21cm2を超える発光断面積を有する。
【0022】
好ましくは前記亜テルル酸塩またはゲルマニウム酸塩の光学ガラスは、1450〜1650nmの範囲に発光断面積のピークを有し、その発光ピークは60nm以上、好ましくは70nm以上、より好ましくは80nm以上、さらに好ましくは90nm以上の半値全幅(半波高全幅値)を有する。
【0023】
好ましくは前記亜テルル酸塩またはゲルマニウム酸塩の光学ガラスは、589nmナトリウム線で1.7以上、好ましくは1.8以上の屈折率を有する。
本発明のさらに別の態様によれば、(a)25〜60モル%のAlF3、(b)40〜
60モル%の二価金属フッ化物、(c)有効量のエルビウム不純物、(d)YF3、Zr
4、HF4およびそれらの混合物のいずれかを含む網目改変剤、ならびに(e)さらなる別の成分を含み、(a)、(b)、(c)、(d)および(e)の量が合計で100%であるエルビウム添加フッ化アルミン酸塩光学ガラスが提供される。
【0024】
この本発明のさらに別の態様のエルビウム添加フッ化アルミン酸塩ガラスも、平滑な利得プロファイルも有する。このようなガラスは環境に対して安定であり、1モル%以上の多量のエルビウムの添加が可能である。このようなガラスはまた、増幅のために有効な980nmにて光学的にポンピングできる。
【0025】
好ましくは、網目改変剤であるYF3、ZrF4およびHf4それぞれの濃度は0〜15
モル%の範囲である。
網目改変剤は、HfHfおよびZrF4ならびにそれらの混合物のうちの1以上と組合
わせて、YF3を含むことができる。
【0026】
好ましくは、AlF3の濃度は25〜40モル%、より好ましくは25〜35モル%の
範囲である。
好ましくは、本発明によるフッ化アルミン酸塩ガラスは、アルカリまたはアルカリ土類
金属リン酸塩、好ましくはアルカリ土類金属リン酸塩、より好ましくはNaPO3を含む

【0027】
好ましくは、アルカリまたはアルカリリン酸塩の濃度は、0〜10モル%の範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】Er3+の部分エネルギー準位図。
【図2】いくつかのガラスにおけるエルビウムの発光断面積スペクトルを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(発明を実施するための最良の形態)
以下、添付の図面および表を参照しながら、実施例によって本発明について説明するが、このことは本発明を限定することを意図しているわけではない。
【0030】
表1は、本発明のエルビウム添加シリカガラス組成物のいくつかの例を挙げたものである。
表2は、表1に挙げたガラス組成物の、増幅エルビウム遷移の寿命と断面積を挙げたものである。
【0031】
表3は、本発明のエルビウム添加フッ化アルミン酸塩、亜テルル酸塩およびゲルマニウム酸塩のガラス組成物の例を挙げたものである(亜テルル酸塩およびゲルマニウム酸塩ガラス組成物は総称して、重金属酸化物(HMO)ガラスと称する)。
【0032】
表4は、表3に挙げたガラス組成物に対する寿命と発光断面積を挙げたものである。
図1には、Er3+の部分エネルギー準位図を示している。エルビウム添加ファイバ増幅器は、Er3+413/2415/2遷移を利用して、1.5μmでの増
幅を得るものである。2種類のポンピング法が利用可能である。980nmポンプはイオンを411/2準位へ上昇させ、それらのイオンは411/2準位から、レージング(lasing)413/2準位まで非放射的に緩和する。別法としては、1480nmポンプを用いて、413/2準位の直接の帯域内ポンピングが可能である。980nmでのポンピングにはいくつかの利点がある。1480nmの場合のような帯域内ポンピングでは増幅器ノイズが生じ、従って増幅器性能が低下する。さらに、帯域内ポンピングによって、発光スペクトルの短波長部分が増幅に使えなくなる。しかしながら、980nmポンプを利用するためには、非放射的411/2413/2遷移が非常に速くなくてはならない。すなわち、411/2
位の寿命はポンピング速度と比較して短くなければならない。これは2つの理由により重要である。第1に、レージング準位間での反転分布を維持するためには、高い方のレージング準位(413/2)が急速に再分布される必要がある。高ポンプ・高利得の条件では、411/2状態は分布を蓄積して、ボトルネックを形成し、利得飽和を生じてしまう可能性がある。411/2準位の寿命が短いと、この問題は大幅に軽減される。第2に、411/2準位からのポンプESA(励起状態吸収)の存在によって、ポンプ効率が低下する。ESAは、高い方の準位の寿命によって決定される。滞留時間が非常に短いと、ESAは無視できるものとなる。411/2準位の寿命は、ホストガラスのフォノンエネルギーによって決定
される。フォノンエネルギーが大きいほど、寿命はほぼ指数関数的関係に短くなる。シリカを初めとする高フォノンエネルギーのガラスでは、980nmポンピング法が非常に有効である。ZBLANを初めとする低フォノンエネルギーのガラスでは、供給411/2
位の寿命が長いことから、980nmポンプは使用できず、1480nmポンピング法を代わりに使用しなければならない。本発明において、改変シリカガラスはシリカ類の高フォノンエネルギーを保持する。重金属酸化物ガラスおよびフッ化アルミン酸塩ガラスはシ
リカより低いが、ZBLANより高いフォノンエネルギーを有し、411/2準位の寿命は
980nmでのポンピングが可能となる程度の短い。
【0033】
発光断面積および413/2415/5遷移のプロファイルは、「Rare Earth doped Fibre Lasers and Amplifiers」(MJF Digonnet, Marcel Dekker 編1993年)に開示されているように、ホストガラスによって大きく影響される。2つの主要な独立の効果がある。発光断面積の値はホストの屈折率に伴って増加する。この増加は、振動子強度とバルクガラスの屈折率によって代表されるホスト場との間の関係を反映したものである。第2の効果は発光プロファイルを変更するものであって、不純物イオンの局所リガンド場環境から生じるものである。いくつかのシュタルク副準位(413/4では4個の副準位、415/2では5個の副準位)からなる2種類のエネルギー準位マニホルド間に、増幅遷移が起こる。発光プロファイルと利得プロファイルは、副準位間のすべての遷移の寄与を組み合わせたものである。それらのプロファイルは、2種類のレベルのシュタルクスプリッティングおよび個々の遷移の振動子強度によって決定される。シュタルクスプリッティングと振動子強度のいずれも、イオン環境のリガンド場によって大きく影響される。リガンド場は、不純物イオンが曝露される局所的電磁場であり、ホスト材料の対称性および化学的性質によって決まる。従って、Er3+イオンの発光プロファイルと利得プロファイルは、イオン部位でのリガンド場によって決定される。非対称イオンリガンド場は特に強力な広がり効果を生じる。ホストガラスが異なるリガンド場で多様な異なる不純物部位を提供する場合、それら部位でのイオンはやや異なるスペクトルを発する。本発明によるガラスでの総Er3+放出は、異なる部位からのすべてのイオンの寄与を合わせたものであることから、相対的に広く・平滑な発光プロファイルを生じるものである。本発明のエルビウム添加ガラスにおける網目改変剤の役割は、均一なホストガラスの網目を破壊して、Er3+不純物のための多くの異なる部位を作り出すことにある。網目改変剤の選択は、2つの目的を達するために行われる。重金属酸化物/フッ化物を用いて屈折率を増大させ、それによって発光断面積を増加させる。すべての網目改変剤は、エルビウム不純物のための新たな強力に結合したイオン部位を提供するためものである。イオン結合はリガンド場のイオン性と関連していることから、発光スペクトルが広くなる。さらに、強いイオン結合によって溶解度が上昇し、それによってエルビウム添加レベルを高めることができる。本発明のエルビウム添加光学ガラスは、多数の異なるエルビウム不純物部位を提供する。これら部位のエルビウムイオンは異なるリガンド場に曝露されることから、やや異なるスペクトルを発する。これらガラスにおける総Er3+発光スペクトルは、異なる部位からのすべてのEr3+イオンからの寄与を合わせたものであることから、広く平滑な発光プロファイルを生じる。
【0034】
図2には、いくつかのガラスにおける発光断面積スペクトルを示している。本発明による改変シリカ(MS)、重金属酸化物(HMO)およびフッ化アルミン酸塩(ALF)ガラスは、実線で示している。点線は、工業用ベンチマークガラスを表している。発光スペクトルは利得プロファイルとはかなり異なるが、広帯域の発光スペクトルによって、大きい利得帯域幅が生じる。発光断面積が大きくなると利得閾値が低下し、広帯域の利得を達成することが容易になる。
【0035】
表1には、本発明のエルビウム添加改変シリカガラス組成物のいくつかの例を示している。表2には、これらのガラスにおける増幅エルビウム遷移の寿命および発光断面積を示している。表2にはさらに、寿命と発光断面積の積も示している。この積は、利得についての性能係数を構成している。表2にはさらに比較のため、工業標準物質であるエルビウム添加Al/P−シリカガラスについてのデータも盛り込んでいる。
【0036】
表3には、本発明のエルビウム添加HMOおよびフッ化アルミン酸塩ガラスのいくつかの組成物を示している。図4は、それらのガラスにおけるエルビウム寿命、発光断面積、
および性能係数である積を示している。フッ化ジルコン酸塩ZBLANガラスを比較のため含めている。さらには、モリらの報告(A. Mori et al., OFC 1 997, paper PD1-1 )に開示された方法に従ってNTTが開発した亜テルル酸塩ガラスも含めている。
【0037】
いずれのガラスも市販の高純度粉末から製造し、白金坩堝(るつぼ)中で清浄条件下で溶融させた。改変シリカガラスは1150〜1350℃で溶融させ、坩堝中400℃で焼成した。HMOガラスは650〜750℃で溶融させ、坩堝中200〜250℃で焼成した。
【0038】
フッ化アルミン酸塩ガラスは、乾燥窒素雰囲気下に950〜1000℃で溶融させ、280〜300℃に予め加熱しておいた鋳型で鋳造した。溶融温度と期間は、揮発による損失を回避しながら、ガラスが十分に均質化するように決定する。この焼成段階は、焼入による応力を除去し、ガラスのひび割れを防止するためのものである。製造されるガラス中のOH-不純物および遷移金属不純物を回避
するには、高純度の原材料が必要である。
【0039】
表1:Er3+添加改変シリカガラス組成物のいくつかの例
【0040】
【表1】

表2:表1に挙げた改変シリカガラスの一部におけるEr3+の分光パラメータ。τは蛍光寿命であり、σは発光断面積であり、τ×σは性能係数であり、FWHMは発光の全幅半値である。
【0041】
【表2】

表3:Er3+添加HMOおよびフッ化アルミン酸塩ガラス組成物のいくつかの例。
【0042】
【表3】

表4:表3に挙げたHMOガラスおよびフッ化アルミン酸塩ガラスの一部におけるEr3+の分光パラメータ。ZBLANについてのデータを比較のため盛り込んでいる。τは蛍光寿命であり、σは発光断面積であり、τ×σは性能係数であり、FWHMは発光の全幅半値である。
【0043】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)TeOを含むホストガラス、
(b)増幅を得るのに有効量のエルビウム不純物、
(c)網目改変性金属酸化物であって、BaO、Bi、PbO、ZnO、Ga、La、LiO、BiO、Nb、WO、Ta、V、NaO、KO、およびこれらの混合物からなる群から選択される1以上のものを含むもの、
)金属ハロゲン化物であって、BaCl、PbCl、PbF、LaF、ZnF、BaF、NaF、NaCl、LiFおよびこれらの混合物を含む群から選択されるもの、
任意選択の他の成分
を含み、(a)、(b)、(c)、(d)、および(eの量が合計で100%となるエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項2】
TeO2の濃度が50〜80モル%の範囲である請求項1に記載のエルビウム添加亜テル
ル酸塩光学ガラス。
【請求項3】
TeO2の濃度が70〜80モル%の範囲である請求項1に記載のエルビウム添加亜テル
ル酸塩光学ガラス。
【請求項4】
金属ハロゲン化物の濃度が、0.01〜20モル%の範囲である請求項1に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項5】
エルビウム不純物の濃度が0.01〜5モル%の範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項6】
前記光学ガラスが波長1530nmで7×10-21cm2を超える発光断面積を有する請求項1に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項7】
前記光学ガラスが波長1530nmで8×10-21cm2を超える発光断面積を有する請求項1に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項8】
前記光学ガラスが1450〜1650nmの範囲に発光断面積の発光ピークを有し、該発光ピークは60nm以上の半値全幅を有する請求項1に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項9】
前記光学ガラスが1450〜1650nmの範囲に発光断面積の発光ピークを有し、該発光ピークは70nm以上の半値全幅を有する請求項1に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項10】
前記光学ガラスが1450〜1650nmの範囲に発光断面積の発光ピークを有し、該発光ピークは80nm以上の半値全幅を有する請求項1に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項11】
前記光学ガラスが1450〜1650nmの範囲に発光断面積の発光ピークを有し、該発光ピークは90nm以上の半値全幅を有する請求項1に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項12】
前記光学ガラスが、589ナトリウム線で1.7以上の屈折率を有する請求項1〜6のい
ずれか1項に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項13】
前記光学ガラスが、589ナトリウム線で1.8以上の屈折率を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。
【請求項14】
前記金属ハロゲン化物が光学ガラスの蛍光寿命(τ)を改良するのに有効な量で存在する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のエルビウム添加亜テルル酸塩光学ガラス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−260790(P2010−260790A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169388(P2010−169388)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【分割の表示】特願2000−536663(P2000−536663)の分割
【原出願日】平成11年3月19日(1999.3.19)
【出願人】(500435012)ザ ユニバーシティ オブ リーズ (1)
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF LEEDS
【Fターム(参考)】