説明

エレクトロクロミック表示装置及びエレクトロクロミック表示装置の製造方法

【課題】簡便な制御で任意の色を発色させることの可能なエレクトロクロミック表示装置を提供する。
【解決手段】透明基板11と、表示電極と、対向基板12と、対向電極15と、前記表示電極に接して設けられたエレクトロクロミック層と、を有するエレクトロクロミック表示装置10において、前記透明基板11と前記対向電極15との間に複数の前記表示電極13a、13bが隔離して設けられ、前記複数の前記表示電極13a、13bの各々に、互いに異なる色を発色する前記エレクトロクロミック層14a、14bが設けられることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロクロミック表示装置及びエレクトロクロミック表示装置の製造方法に係り、特に、多色表示が可能なエレクトロクロミック表示装置及びエレクトロクロミック表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙に替わる電子媒体として、電子ペーパーの開発が盛んに行われている。
【0003】
電子ペーパーは、表示装置が紙のように用いられるところに特徴があるため、CRTや液晶ディスプレイといった従来の表示装置とは異なった特性が要求される。例えば、反射型表示装置であり、かつ、高い白反射率・高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリ効果があること、低電圧でも駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること、などの特性が要求される。このうち特に、表示の品質に関わる特性として、紙と同等な白反射率・コントラスト比についての要求度が高い。
【0004】
これまで、電子ペーパー用途の表示装置として、例えば反射型液晶を用いる方式、電気泳動を用いる方式、トナー泳動を用いる方式、などが提案されている。しかしながら、上記のいずれの方式も白反射率が低く、コントラスト比に劣る。従って、電子ペーパーに必要な特性を兼ね備えた表示装置を開発することは容易ではない。
【0005】
さらに、ある表示装置技術が市場で普及するためには、その表示装置が多色表示可能かどうかが非常に重要な条件になる。しかしながら、前述したいくつかの電子ペーパー用途の表示装置技術において、白反射率・コントラスト比を確保しながら多色表示を行うことは大変困難である。一般に、多色表示を行うためには、カラーフィルタを設ける。カラーフィルタを設けると、カラーフィルタ自身が光を吸収し、反射率が低下する。また、カラーフィルタは、一画素をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)に3分割するため、表示装置の反射率はさらに低下する。従って、白反射率・コントラスト比の大幅な低下を引き起こし、視認性が非常に悪くなる。
【0006】
一方、上記のようなカラーフィルタを設けず、反射型の表示装置を実現するための有望な技術として、エレクトロクロミック現象を用いる方式がある。
【0007】
電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。このエレクトロクロミズム現象を引き起こすエレクトロクロミック化合物の発色/消色(以下、発消色)を利用した表示装置が、エレクトロクロミック表示装置である。このエレクトロクロミック表示装置については、反射型の表示装置であること、メモリ効果があること、低電圧で駆動できることから、電子ペーパー用途の表示装置技術の有力な候補として、材料開発からデバイス設計に至るまで、幅広く研究開発が行われている。
【0008】
ただし、エレクトロクロミック表示装置には、酸化還元反応を利用して発消色を行う原理ゆえに、発消色の応答速度が遅いという欠点がある。特許文献1では、エレクトロクロミック化合物を電極近傍に固定させることによって発消色の応答速度の改善を図った例が記載されている。特許文献1の記載によれば、従来数10秒程度だった発消色に要する時間は、無色から青色への発色時間、青色から無色への消色時間は、ともに1秒程度まで向上している。ただし、これで十分というわけではなく、エレクトロクロミック表示装置の研究開発に際しては、さらなる発消色の応答速度の向上が必要である。
【0009】
一方、エレクトロクロミック表示装置は、エレクトロクロミック化合物の構造によって様々な色を発色できるため、多色表示装置として期待されている。
【0010】
このようなエレクトロクロミック表示装置を利用した多色表示装置には、いくつか公知になっている例がある。例えば特許文献2では、複数種のエレクトロクロミック化合物の微粒子を積層したエレクトロクロミック化合物を用いた多色表示装置が開示されている。該文献では、発色を示す電圧の異なる複数の機能性官能基を有する高分子化合物であるエレクトロクロミック化合物を複数積層し、多色表示エレクトロクロミック化合物とした多色表示装置の例が記載されている。
【0011】
また、特許文献3では、電極上に多層にエレクトロクロミック層を形成し、その発色に必要な電圧値や電流値の差を利用して多色を発色させる表示装置が開示されている。該文献では、異なる色を発色し、かつ、発色する閾値電圧及び発色に必要な必要電荷量が異なる複数のエレクトロクロミック化合物を、積層または混合して形成した表示層を有する多色表示装置の例が記載されている。
【特許文献1】特表2001−510590号公報
【特許文献2】特開2003−121883号公報
【特許文献3】特開2006−106669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、エレクトロクロミック表示装置を利用した多色表示装置においては、以下のような問題があった。
【0013】
特許文献2に開示される方法は、積層されたエレクトロクロミック化合物の各々が、異なる電圧で異なる色を発色する化合物であるため、電圧を制御することによっていずれかの色に発色させることは可能であるものの、複数の色を同時に発色させることができない、という問題があった。
【0014】
特許文献3に開示される方法は、異なる色を発色する複数種のエレクトロクロミック化合物を有するため、複数の色を同時に発色させることは可能であるものの、任意の色を選択的に発色させるために複雑な電圧・電流の制御が必要となるという問題があった。
【0015】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡便な制御で任意の色を発色させることの可能なエレクトロクロミック表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載の発明は、透明基板と、表示電極と、対向基板と、対向電極と、前記表示電極に接して設けられたエレクトロクロミック層と、を有するエレクトロクロミック表示装置において、前記透明基板と前記対向電極との間に複数の前記表示電極が隔離して設けられ、前記複数の前記表示電極の各々に、互いに異なる色を発色する前記エレクトロクロミック層が設けられることを特徴とする。これにより、簡便な制御で任意の色を発色させることの可能なエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
【0017】
なお、透明基板は、表示電極が設けられるため、以下、表示基板と言う場合があるが、透明基板と表示基板とは同一の基板を示すものと定義する。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記表示電極は、透明電極であることを特徴とする。これにより、発色させる色の視認性をより高めることができる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック化合物と、前記エレクトロクロミック化合物を担持した金属酸化物と、を有することを特徴とする。これにより、前記表示電極から前記金属酸化物を通して電子(又は正孔)を前記エレクトロクロミック化合物に伝えることができ、より効率的に発消色させることができる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3いずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記金属酸化物は、ナノ粒子であることを特徴とする。これにより、前記金属酸化物は大きな比表面積を持つため、多くのエレクトロクロミック化合物を担持することができ、より高いコントラストをもって発消色させることができる。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4いずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記複数の前記表示電極の間に、前記複数の前記表示電極を互いに絶縁するための絶縁膜が設けられることを特徴とする。これにより、前記複数の前記表示電極に独立して電圧を印加することができ、発消色のコントラストをより向上させることができる。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記絶縁膜は、多孔質絶縁膜であることを特徴とする。これにより、前記多孔質絶縁膜中に前記電解質を満たすことが可能となり、発消色のコントラストをより向上させることができる。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記絶縁膜は、無機材料であることを特徴とする。これにより、前記エレクトロクロミック表示装置の耐久性を高めることができる。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7いずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記表示電極は、平面視において、前記表示基板の面内でマトリクス状に配列されることを特徴とする。これにより、前記エレクトロクロミック表示装置は、多様な画像を表示することができる。
【0025】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8いずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示装置を製造するエレクトロクロミック表示装置の製造方法であって、前記表示電極の一部をマスク部材により被覆する工程と、前記マスク部材により一部が被覆された前記表示電極の上に前記エレクトロクロミック層を形成する工程と、前記マスク部材を除去する工程と、を有することを特徴とする。これにより、前記エレクトロクロミック表示装置を、容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、簡便な制御で任意の色を発色させることの可能なエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2を参照し、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置を説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置10の構成を模式的に示す断面図である。また、図2は、図1に示すエレクトロクロミック表示装置10において、表示基板11の構成を模式的に示す斜視図である。
【0029】
ただし、図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の一例を示すものであり、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置は、図1及び図2の構成に限定されない。
【0030】
最初に、エレクトロクロミック表示装置10の構成について説明する。
【0031】
図1に示されるように、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置10は、表示基板11と、表示基板11に対向されて設けられた対向基板12と、表示基板11と対向基板12とがスペーサ18を介して貼りあわされたセル19を有する。
【0032】
表示基板11は、表示基板11に形成された第1の表示電極13aと、第1の表示電極13aに接して設けられた第1のエレクトロクロミック層14aと、第1のエレクトロクロミック層14aに接して設けられた絶縁膜22と、絶縁膜22に接して設けられた第2の表示電極13bと、第2の表示電極13bに接して設けられた第2のエレクトロクロミック層14bと、を有する。表示基板11は、上記の積層構造を支持するための基板である。
【0033】
第1の表示電極13aは、対向電極15に対する電位を制御し、第1のエレクトロクロミック層14aを発色させるための電極である。
【0034】
第1のエレクトロクロミック層14aは、第1のエレクトロクロミック化合物16aと、第1のエレクトロクロミック化合物16aを担持する金属酸化物17と、を有する。第1のエレクトロクロミック化合物16aは、酸化還元反応によって発色する部分であり、金属酸化物17は、第1のエレクトロクロミック化合物16aを担持するとともに、発消色を高速で行うためのものである。
【0035】
絶縁膜22は、第1のエレクトロクロミック層14aの設けられた第1の表示電極13aと、第2のエレクトロクロミック層14bの設けられた第2の表示電極13bとが、絶縁されるように隔離するためのものである。第1の表示電極13a及び第2の表示電極13bは、対向電極15に対する電位を独立して制御するため、互いに絶縁されなくてはならない。従って、第1の表示電極13aと、第2の表示電極13bとは、絶縁膜22により絶縁される。
【0036】
第2の表示電極13bは、第1の表示電極13aと同様に、対向電極15に対する電位を制御し、第2のエレクトロクロミック層14bを発色させるための電極である。
【0037】
第2のエレクトロクロミック層14bは、第1のエレクトロクロミック層14aと同様に、第2のエレクトロクロミック化合物16bと、第2のエレクトロクロミック化合物16bを担持する金属酸化物17と、を有する。第2のエレクトロクロミック化合物16bは、第1のエレクトロクロミック化合物16aと同様に、酸化還元反応によって発色する部分であり、金属酸化物17は、第2のエレクトロクロミック化合物16bを担持するとともに、発消色を高速で行うためのものである。なお、第2のエレクトロクロミック化合物16bは、第1のエレクトロクロミック化合物16aと異なる色を発色する。
【0038】
対向基板12は、対向基板12上に形成された対向電極15を有する。対向電極15は、対向電極15に対する第1の表示電極13a又は第2の表示電極13bの電位を制御し、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14bを発色させるための電極であり、対向基板12は、対向電極15を支持するためのものである。
【0039】
セル19は、表示基板11と、対向基板12とが、スペーサ18を介して貼り合わされた構造を有する。セル19の内部には、電解質20が充填される。電解質20は、第1の表示電極13a又は第2の表示電極13bと、対向電極15との間でイオンとして電荷を移動させ、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14bの発色を起こすためのものである。
【0040】
また、セル19中には、白色反射層21が設けられる。白色反射層21は、エレクトロクロミック表示装置10を反射型の表示装置として用いる場合に、白色の反射率を向上させるためのものである。白色反射層21は、白色顔料粒子が分散された電解質20が、セル19中に注入されることによって形成される。或いは、白色反射層21は、白色顔料粒子が分散された樹脂が、対向電極15上に塗布されることによって形成されることもある。
【0041】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置10の多色表示の動作について説明する。
【0042】
エレクトロクロミック表示装置10は、上記説明した構造を有することにより、容易に多色表示が可能である。すなわち、第1の表示電極13aと、第2の表示電極13bとが、絶縁膜22を介して隔離して設けられているため、対向電極15に対する第1の表示電極13aの電位と、対向電極15に対する第2の表示電極13bの電位と、を独立して制御することができる。その結果、第1の表示電極13aに接して設けられた第1のエレクトロクロミック層14aと、第2の表示電極13bに接して設けられた第2のエレクトロクロミック層14bと、を独立して発消色させることができる。第1のエレクトロクロミック層14aと、第2のエレクトロクロミック層14bとは、表示基板11側に積層して設けられているため、第1のエレクトロクロミック層14a、第2のエレクトロクロミック層14bの発消色のパターンにより、第1のエレクトロクロミック層14aのみの発色、第2のエレクトロクロミック層14bのみの発色、第1のエレクトロクロミック層14a及び第2のエレクトロクロミック層14bの両方の発色、の3段階の色に変化させることができ、多色表示が可能である。
【0043】
例えば、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14bとして、レッド、グリーン、ブルー等のうち、異なる2色を発色する2種類のエレクトロクロミック層が用いられることにより、多色表示が可能である。
【0044】
また、セル19中に白色反射層21が設けられているため、白色の反射率が高く、積層された第1のエレクトロクロミック層14a及び第2のエレクトロクロミック層14bに起因する反射率の低下を補うことができ、視認性に優れた多色表示が可能である。
【0045】
また、第1のエレクトロクロミック層14a及び第2のエレクトロクロミック層14bが、各々第1のエレクトロクロミック化合物16a、第2のエレクトロクロミック化合物16bを金属酸化物17に担持した構造を有するため、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。特に、電子(もしくは正孔)移動度の小さな有機化合物系の材料が第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16bに用いられる場合、第1の表示電極13a又は第2の表示電極13bから、第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16bの内部を電子(もしくは正孔)が伝導するのではなく、第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16bより電子(もしくは正孔)移動度の大きな金属酸化物17を経由して電子(もしくは正孔)が伝導することができるため、より高速で発消色が可能になり、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。
【0046】
続けて、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置10に用いられる材料について説明する。
【0047】
最初に、表示基板11及び表示基板11上に形成される各層の材料を説明する。
【0048】
表示基板11の材料としては、透明な材料であれば特に限定されるものではないが、ガラス基板、プラスチックフィルム等の基板が用いられる。
【0049】
第1の表示電極13a及び第2の表示電極13bの材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光の透過性を確保する必要があるため、透明な材料からなる透明電極が用いられる。透明電極の材料としては、特に限定されるものではないが、スズをドープした酸化インジウム(以下ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(以下FTO)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下ATO)等が用いられる。
【0050】
第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14bに含まれる第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16bの材料としては、酸化還元により色の変化を起こす材料が用いられる。このような材料として、ポリマー系、色素系、金属錯体、金属酸化物等の公知のエレクトロクロミック化合物が用いられる。
【0051】
具体的に、ポリマー系、色素系、のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。
【0052】
一方、金属錯体系、金属酸化物系、のエレクトロクロミック化合物としては、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物が用いられる。
【0053】
金属酸化物17の材料としては、特に限定されるものではないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム(以下アルミナ)、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ケイ素(以下シリカ)、酸化イットリウム、酸素ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物が用いられる。また、これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が混合され用いられてもよい。電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステン、から選ばれる一種、もしくはそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。とりわけ、酸化チタンが用いられたとき、より発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。
【0054】
また、金属酸化物17の形状は、特に限定されるものではないが、第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16bを効率よく担持するために、単位体積当たりの表面積(以下比表面積)が大きい形状が用いられる。例えば、金属酸化物17が、ナノ粒子の集合体であるときは、大きな比表面積を有するため、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比に優れた多色表示が可能である。
【0055】
絶縁膜22の材料としては、特に限定されるものではないが、シリカ、アルミナ等を含む多孔質絶縁膜が用いられる。シリカ、アルミナ等を含む多孔質絶縁膜が用いられることにより、電解質20が絶縁膜22を透過することが可能となるため、酸化還元反応に伴う電解質20中のイオンとしての電荷の移動が容易となり、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。また、シリカ、アルミナ等を含む多孔質絶縁膜が用いられることにより、絶縁膜22が無機材料であるため、耐久性に優れた多色表示が可能である。
【0056】
次に、対向基板12及び対向基板12上に形成される対向電極15の材料を説明する。
【0057】
対向基板12の材料としては、特に限定されるものではなく、対向電極15の材料としては、導電性を有する材料であれば、特に限定されるものではない。対向基板12として、ガラス基板、プラスチックフィルムが用いられる場合、対向電極15の材料として、ITO、FTO、酸化亜鉛等の透明導電膜、あるいは亜鉛、白金等の導電性金属膜が用いられる。これらの透明導電膜又は導電性金属からなる対向電極15は、対向基板12にコーティングされ用いられる。一方、対向電極15として、亜鉛等の金属板が用いられる場合、対向基板12が対向電極15を兼ねる。
【0058】
さらに、対向電極15の材料が、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14bの起こす酸化還元反応と逆の逆反応を起こす材料である場合、安定した発消色が可能である。すなわち、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14bが酸化により発色する場合は還元反応を起こし、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14bが還元により発色する場合は酸化反応を起こす材料を対向電極15として用いると、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14bにおける発消色の反応は、より安定となる。あるいは、対向電極15として逆反応を起こす材料が用いられなくても、そのような逆反応を起こす材料が対向電極15上に形成されることもできる。
【0059】
次に、セル19を構成する電解質20、白色反射層21の材料を説明する。
【0060】
電解質20の材料としては、一般的に、支持塩を溶媒に溶解させたものが用いられる。支持塩として、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。具体的に、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BF等を用いることができる。また、溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ―ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、が用いられる。その他、支持塩を溶媒に溶解させた液体状の電解質に特に限定されるものではないため、ゲル状の電解質や、ポリマー電解質等の固体電解質も用いられる。
【0061】
白色反射層21に含まれる白色顔料粒子の材料としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セシウム、酸化イットリウム等が用いられる。
【0062】
以上、本実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置10によれば、第1の表示電極13aの電位と、第2の表示電極13bの電位、とを独立して制御し、第1のエレクトロクロミック層14aと、第2のエレクトロクロミック層14bとを、独立して発消色させることができるため、簡便な制御で任意の色を発色させることの可能なエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
(第1の実施の形態の第1の変形例)
次に、図3を参照し、第1の実施の形態の第1の変形例について説明する。
【0063】
図3は、第1の実施の形態の第1の変形例に係るエレクトロクロミック表示装置10aの構成を模式的に示す断面図である。ただし、以下の文中では、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある(以下の変形例についても同様)。
【0064】
本変形例に係るエレクトロクロミック表示装置10aは、表示電極及び表示電極に接して設けられるエレクトロクロミック層が各々3層積層される点で、第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置10と相違する。
【0065】
図3を参照するに、第1の実施の形態において、表示電極及び表示電極に接して設けられるエレクトロクロミック層が各々2層積層されるのと相違し、本変形例に係るエレクトロクロミック表示装置10aは、表示電極及び表示電極に接して設けられるエレクトロクロミック層が各々3層積層されることが特徴である。
【0066】
すなわち、表示基板11aは、表示基板11aに形成された第1の表示電極13aと、第1の表示電極13aに接して設けられた第1のエレクトロクロミック層14aと、第1のエレクトロクロミック層14aに接して設けられた第1の絶縁膜22aと、第1の絶縁膜22aに接して設けられた第2の表示電極13bと、第2の表示電極13bに接して設けられた第2のエレクトロクロミック層14bと、第2のエレクトロクロミック層14bに接して設けられた第2の絶縁膜22bと、第2の絶縁膜22bに接して設けられた第3の表示電極13cと、第3の表示電極13cに接して設けられた第3のエレクトロクロミック層14cと、を有する。
【0067】
エレクトロクロミック表示装置10aは、上記説明した構造を有することにより、容易に多色表示が可能である。第1の表示電極13a、第2の表示電極13b、第3の表示電極13c、が、第1の絶縁膜22a、第2の絶縁膜22bを介して隔離して設けられているため、対向電極15に対する第1の表示電極13aの電位、対向電極15に対する第2の表示電極13bの電位、対向電極15に対する第3の表示電極13cの電位、を独立して制御することができる。その結果、第1の表示電極13aに接して設けられた第1のエレクトロクロミック層14a、第2の表示電極13bに接して設けられた第2のエレクトロクロミック層14b、第3の表示電極13cに接して設けられた第3のエレクトロクロミック層14c、を、独立して発消色させることができる。第1のエレクトロクロミック層14aと、第2のエレクトロクロミック層14b、第3のエレクトロクロミック層14c、は、表示基板11a側に積層して設けられているため、第1のエレクトロクロミック層14a、第2のエレクトロクロミック層14b、第3のエレクトロクロミック層14c、の発消色のパターンにより、第1のエレクトロクロミック層14aのみの発色、第2のエレクトロクロミック層14bのみの発色、第3のエレクトロクロミック層14cのみの発色、の3色に変化させることができ、多色表示が可能である。
【0068】
また、第1のエレクトロクロミック層14a、第2のエレクトロクロミック層14b、第3のエレクトロクロミック層14cとして、イエロー、マゼンダ、シアンに発色するエレクトロクロミック層を用い、第1の表示電極13a、第2の表示電極13b、第3の表示電極13c、の電位を独立に制御することにより、エレクトロクロミック表示装置10aは、フルカラー表示が可能である。
【0069】
以上、本変形例に係るエレクトロクロミック表示装置10aによれば、第1の表示電極13aの電位と、第2の表示電極13bの電位と、第3の表示電極13cの電位と、を独立して制御し、第1のエレクトロクロミック層14aと、第2のエレクトロクロミック層14bと、第3のエレクトロクロミック層14cとを独立して発消色させることができるため、簡便な制御で任意の色を発色させることの可能なエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
(第1の実施の形態の第2の変形例)
次に、図4を参照し、第1の実施の形態の第2の変形例について説明する。
【0070】
図4は、第1の実施の形態の第2の変形例に係るエレクトロクロミック表示装置において、表示基板11bの構成を模式的に示す斜視図である。
【0071】
本変形例に係るエレクトロクロミック表示装置は、第2の表示電極13bをメッシュ形状とする点で、第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置10と相違する。
【0072】
図4を参照するに、第1の実施の形態において、第2の表示電極13bは表示基板11の全面にわたり形成されているのと相違し、本変形例に係るエレクトロクロミック表示装置においては、第2の表示電極13bが、平面視において、縦横格子状に形成され、メッシュ形状であることが特徴である。
【0073】
第2の表示電極13bをメッシュ形状とすることにより、電解質20が第2の表示電極13bを透過することが可能となるため、酸化還元反応に伴う電解質20中のイオンとしての電荷の移動がより容易となり、より高速で発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。
【0074】
以上、本変形例に係るエレクトロクロミック表示装置10によれば、第2の表示電極13bをメッシュ形状とすることにより、高速で発消色の応答速度に優れた多色表示が可能となるため、簡便な制御で任意の色を発色させることの可能なエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
【0075】
なお、電解質20が第2の表示電極13bを透過することが可能であるならば、第2の表示電極13bの形状はメッシュ形状でなくてもよく、任意の形状を有することが可能である。
(第1の実施の形態に係る第3の変形例)
次に、図5を参照し、第1の実施の形態の第3の変形例について説明する。
【0076】
図5は、第1の実施の形態の第3の変形例に係るエレクトロクロミック表示装置10cの構成を模式的に示す断面図である。
【0077】
本変形例に係る半導体製造装置10cは、絶縁膜22を設けない点で、第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置10と相違する。
【0078】
図5を参照するに、第1の実施の形態において、第1のエレクトロクロミック層14aの設けられた第1の表示電極13aと、第2のエレクトロクロミック層14bの設けられた第2の表示電極13bとは、絶縁膜22によって絶縁されるのと相違し、本変形例に係るエレクトロクロミック表示装置10cは、第1の表示電極13aに接して設けられた第1のエレクトロクロミック層14aと、第2の表示電極13bとの間には、絶縁膜がなく、第1のエレクトロクロミック層14aと、第2の表示電極13bとが隔離されていることが特徴である。
【0079】
すなわち、第1のエレクトロクロミック層14aと、第2の表示電極13bとがほぼ隔離され、第1のエレクトロクロミック層14aの抵抗が比較的大きいことにより、第1の表示電極13aと、第2の表示電極13bとをほぼ絶縁することが可能となるため、絶縁膜が設けられなくても、第1の表示電極13aの電位と、第2の表示電極13bの電位、とを独立して制御することができ、多色表示が可能である。
【0080】
以上、本実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置10cによれば、絶縁膜を設けない簡便な構造を用いても、第1の表示電極13aの電位と、第2の表示電極13bの電位と、を独立して制御し、第1のエレクトロクロミック層14aと、第2のエレクトロクロミック層14bと、を独立して発消色させることができるため、簡便な制御で任意の色を発色させることの可能なエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
(第1の実施の形態の第1の製造方法)
本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の第1の製造方法について説明する。
【0081】
図6(a)〜(g)は、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の第1の製造方法の説明図である。
【0082】
図6(a)〜(g)に示されるように、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の第1の製造方法は、表示電極の一部をマスク部材により被覆する工程と、マスク部材により一部が被覆された表示電極の上にエレクトロクロミック層を形成する工程と、マスク部材を除去する工程と、を有する。
【0083】
始めに、公知の手法を用いて、表示基板11上に第1の表示電極13aを形成する。
【0084】
次に、第1の表示電極13aの一部をマスク部材により被覆する。第1の表示電極13aが全面に付いた表示基板11上に、レジスト23aをスピンコート法により塗布し、メタルマスク24aを当接し、露光を行う(図6(a))。その後、現像を行って、第1の表示電極13aの一部を第1のマスク25aにより被覆する(図6(b))。
【0085】
次に、第1のマスク25aにより一部が被覆された第1の表示電極13aの上に第1のエレクトロクロミック層14aを形成する。第1のエレクトロクロミックナノ粒子の分散液をスピンコート法により塗布する。
【0086】
次に、絶縁膜22を形成する。シリカナノ粒子の分散液を同様にスピンコート法により塗布し、絶縁膜22とする。
【0087】
次に、第2の表示電極13bを形成する。ITO微粒子の分散液をスピンコート法により塗布し、第2の表示電極13bを形成する(図6(c))。
【0088】
次に、第2の表示電極13bの一部をマスク部材により被覆する。第2の表示電極13b上で、平面視で第1のマスク25aとは異なる別の一部を第2のマスク25bにより被覆する。第2の表示電極13b上に、レジスト23bをスピンコート法により塗布し、メタルマスク24bを当接し、露光を行う(図6(d))。その後、現像を行って、第2の表示電極13bの一部を第2のマスク25bにより被覆する(図6(e))。
【0089】
次に、第2のマスク25bにより一部が被覆された第2の表示電極13bの上に第2のエレクトロクロミック層14bを形成する(図6(f))。第2のエレクトロクロミックナノ粒子の分散液をスピンコート法で塗布する。
【0090】
次に、有機溶媒を用いた洗浄、アッシング等の方法により、第1のマスク25aおよび第2のマスク25bを除去し(図6(g))、その後、焼結を行う。
【0091】
引き続き、公知の手法を用いることにより、第1の表示電極13a、第1のエレクトロクロミック層14a、絶縁層22、第2の表示電極13b、第2のエレクトロクロミック層14bを有するエレクトロクロミック表示装置10を製造することができる。
【0092】
以上のように、任意にパターニングされた第1の表示電極13a、第2の表示電極13bの上に、エレクトロクロミックナノ粒子、シリカナノ粒子、ITO微粒子を積層パターニングすることにより形成するエレクトロクロミック表示装置の製造方法であれば、本発明に係るエレクトロクロミック表示装置をさらに容易に製造することが可能となる。
(第1の実施の形態の第2の製造方法)
本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の第2の製造方法について説明する。
【0093】
図7(a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の第2の製造方法の説明図である。
【0094】
本製造方法は、マスク部材をインクジェット法を用いて形成する点で、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の第1の製造方法と相違する。
【0095】
図7(a)〜(e)を参照するに、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の第1の製造方法において、マスク部材をスピンコート法により塗布し、メタルマスクを用いた露光、現像を行って第1の表示電極13aの一部を被覆するのと相違し、本製造方法においては、インクジェット法を用いて第1の表示電極13aの一部を被覆することが特徴である。
【0096】
なお、以下の説明では、特に説明しない部分は本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の第1の製造方法と同一の工程を有するものとする。
【0097】
始めに、公知の手法を用いて、表示基板11上に第1の表示電極13aを形成する。
【0098】
次に、第1の表示電極13aの一部をマスク部材により被覆する。第1の表示電極13aが全面に付いた表示基板11上の一部に、レジスト23aをインクジェットヘッド26aを用いたインクジェット法により塗布し、第1の表示電極13aの一部を第1のマスク25aにより被覆する(図7(a))。
【0099】
引続いて、第1のマスク25aにより一部が被覆された第1の表示電極13aの上に、第1のエレクトロクロミックナノ粒子、シリカナノ粒子、ITO微粒子、をスピンコート法で塗布し、第1のエレクトロクロミック層14a、絶縁膜22、第2の表示電極13b形成する(図7(b))。この工程は、第1の製造方法と同一である。
【0100】
次に、第2の表示電極13bの一部をマスク部材により被覆する。第2の表示電極13b上の平面視で第1のマスクとは異なる別の一部に、レジスト23bをインクジェットヘッド26bを用いたインクジェット法により塗布し、第2の表示電極13bの一部を第2のマスク25bにより被覆する(図7(c))。
【0101】
次に、第1の製造方法と同一の工程により、第2のマスク25bにより一部が被覆された第2の表示電極13bの上に、第2のエレクトロクロミックナノ粒子をスピンコート法で塗布し、第2のエレクトロクロミック層14bを形成する(図7(d))。
【0102】
次に、有機溶媒を用いた洗浄、アッシング等の方法により、第1のマスク25aおよび第2のマスク25bを除去し(図7(e))、その後、焼結を行う。
【0103】
その後、公知の手法を用いて、第1の製造方法と同様に、エレクトロクロミック表示装置10を製造することができる。
【0104】
以上のように、任意にパターニングされた第1の表示電極13a、第2の表示電極13bの上に、エレクトロクロミックナノ粒子、シリカナノ粒子、ITO微粒子を積層パターニングすることにより形成するエレクトロクロミック表示装置の製造方法であれば、本発明に係るエレクトロクロミック表示装置をさらに容易に製造することが可能となる。
【0105】
なお、インクジェット法であるが、第1の表示電極13a、第1のエレクトロクロミック層14a、絶縁膜22、第2の表示電極13b、第2のエレクトロクロミック層14bの形成手法としても用いることができ、ITO微粒子、エレクトロクロミックナノ粒子、シリカナノ粒子を積層パターニングすることにより、本発明のエレクトロクロミック表示装置をさらに容易に製造することが可能となる。
【0106】
また、インクジェット法の代わりに、スクリーン印刷法等のパターニング技術を用いることもできる。
(第2の実施の形態)
図8乃至図10を参照し、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置を説明する。
【0107】
本発明の第2の実施の形態は、画像を表示する画像表示装置であって、本発明の第1の実施形態に係るエレクトロクロミック表示装置10を含む、画像表示装置30である。画像表示装置30は、本発明の第1の実施形態に係るエレクトロクロミック表示装置10を、1画素を表示するエレクトロクロミック表示素子31として、複数含む。エレクトロクロミック表示素子31は、より長い時間にわたって発消色を保持することができるため、画像表示装置30は、より長い時間にわたって画像の表示/画像の非表示を保持することができる。
【0108】
最初に、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置30の構成を説明する。
【0109】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置30の構成を模式的に示す断面図である。また図9は、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置30において、表示基板11の構成を模式的に示す斜視図である。ただし、図8及び図9は、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置の一例を示すものであり、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置は、図8及び図9の構成に限定されない。
【0110】
複数のエレクトロクロミック表示素子31を含む画像表示装置30は、表示基板11と、対向基板12とを有し、対向基板12上には、各々のエレクトロクロミック表示素子31を構成する対向電極15が複数設けられ、表示基板11上には、各々のエレクトロクロミック表示素子31を構成する第1の表示電極13aと、第1のエレクトロクロミック層14aと、絶縁膜22と、第2の表示電極13bと、第2のエレクトロクロミック層14bと、が複数組設けられる。そのうち1組の第1の表示電極13a、第1のエレクトロクロミック層14a、絶縁膜22、第2の表示電極13b、第2のエレクトロクロミック層14bは、1つのエレクトロクロミック表示素子31を構成する。このように構成された複数のエレクトロクロミック表示素子31を、表示基板11面内にマトリクス状に配置することにより、画像を表示する画像表示装置30を提供することができる。
【0111】
なお、画像表示装置30においても、本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置10と同様に、セル19中に白色反射層21が設けられる。白色反射層21は、白色顔料粒子が分散された電解質20が、セル19中に注入されることによって形成される。或いは、白色反射層21は、白色顔料粒子が分散された樹脂が、対向電極15上に塗布されることによって形成されることもある。
【0112】
上記の構成を有することにより、画像表示装置30は、例えば、電子ペーパーのような反射型表示装置として用いられる。
【0113】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置30における、エレクトロクロミック表示素子31の駆動方法について説明する。
【0114】
画像表示装置30に含まれるエレクトロクロミック表示素子31に電界を印加する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、公知のアクティブマトリクス駆動型の電気回路を採用し、公知のアクティブマトリクス駆動方法に従って駆動することができる。アクティブマトリクス駆動型の電気回路としては、例えば、アクティブマトリクス駆動素子としての薄膜トランジスタ(TFT)の電極を、エレクトロクロミック表示素子31に接続した電気回路が挙げられる。この型の電気回路によって、個々のエレクトロクロミック表示素子31をより高速に駆動することができるため、高精細な画像を高速に表示することができる画像表示装置30を提供することができる。
【0115】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置30における、アクティブマトリクス駆動方法を用いたエレクトロクロミック表示素子31の駆動回路について説明する。
【0116】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置30の駆動回路の例を示す図である。
【0117】
図10に示される画像表示装置30は、複数のエレクトロクロミック表示素子31、複数のエレクトロクロミック表示素子31の第1の表示電極13a、第2の表示電極13bにそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタ33a、33b、複数の薄膜トランジスタ33a、33bのゲート電極に接続される複数の横方向の導線34a、34b、及び複数の薄膜トランジスタ33a、33bのソース電極に接続される複数の縦方向の導線35a、35bを含む。複数の薄膜トランジスタ33aのドレイン電極の各々は、複数のエレクトロクロミック表示素子31の第1の表示電極13aに接続される。複数の薄膜トランジスタ33bのドレイン電極の各々は、複数のエレクトロクロミック表示素子31の第2の表示電極13bに接続される。また、複数のエレクトロクロミック表示素子31の対向電極15は、一定の電位を有し、例えば、接地されていてもよい。
【0118】
図10に示される画像表示装置30において、複数の横方向の導線34aの一つ及び複数の縦方向の導線35aの一つのそれぞれに電圧を印加すると、その選択された一つの横方向の導線34a及びその選択された一つの縦方向の導線35aに接続された薄膜トランジスタ33aにおいて、ゲート電極に電圧が印加されてその薄膜トランジスタ33aがON状態になり、ソース電極からドレイン電極間の抵抗が小さくなって、その薄膜トランジスタ33aに接続されたエレクトロクロミック表示素子31の第1の表示電極13aに電圧が印加される。その結果、そのエレクトロクロミック表示素子31に含まれる第1のエレクトロクロミック化合物が、所定の色に発色する。同様に、複数の横方向の導線34bの一つ及び複数の縦方向の導線35bの一つのそれぞれに所定の電流を流すと、その選択された一つの第2の表示電極13bとその選択された一つの対向電極15との間に電圧が印加され、そのエレクトロクロミック表示素子31に含まれる第2のエレクトロクロミック化合物が、所定の色に発色する。これらの動作により、その選択された一つの表示電極とその選択された一つの対向電極との間に位置する画素を、第1のエレクトロクロミック化合物だけが発色した色、第2のエレクトロクロミック化合物だけが発色した色、第1のエレクトロクロミック化合物及び第2のエレクトロクロミック化合物が発色した色、の3段階の色に発色させることができる。同様に、任意の画素の色を所定の色に発色させるように第1の表示電極13a、第2の表示電極13bを選択し、選択された第1の表示電極13a、第2の表示電極13bと選択された対向電極15との間に電圧を印加することによって、画像表示装置30に任意の画像を表示することができる。
【0119】
ここで、薄膜トランジスタ33a、33bを、表示基板11側に設けられる第1の表示電極13a、第2の表示電極13bに接続させる場合には、エレクトロクロミック表示素子31の発色の視認性を低下させないように、薄膜トランジスタ33a、33bを、表示基板11と反対側の対向基板12に形成することも可能である。
【0120】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置30は、積層された表示電極及びエレクトロクロミック層が基板面内にマトリクス状に配置されるため、多様な画像を表示することが可能となる。
【0121】
なお、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置30において、表示電極及び表示電極に接して設けられるエレクトロクロミック層は各々2層積層されるが、表示電極及び表示電極に接して設けられるエレクトロクロミック層を各々3層以上積層する構成とすることもできる。
【実施例1】
【0122】
(エレクトロクロミック粒子の作製)
まず、酸化チタンナノ粒子に2−ブロモエチルトリクロロシラン、4,4´−ビピリジン、1―ブロモヘキサンを順次反応させ、第1のエレクトロクロミック粒子を作製した。
【0123】
次に、酸化チタンナノ粒子に2−ブロモエチルトリクロロシラン、4,4´−ビピリジン、2,4−ジニトロクロロベンゼンを順次反応させた。さらに末端を4−シアノアニリンで置換反応し、第2のエレクトロクロミック粒子を作製した。
(表示電極及びエレクトロクロミック層の作製)
表示電極及びエレクトロクロミック層の作製は以下のように行った。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の一部をマスクにより被覆した。レジストをスピンコート法により塗布した後、所定のメタルマスクを用いて露光、現像を行い、パターニングしたレジストによりガラス基板の一部を被覆し、第1のマスクとした。
【0124】
次に、第1のエレクトロクロミック粒子の分散液をスピンコート法により塗布し、第1のエレクトロクロミック層とした。続いて、シリカナノ粒子(シーアイ化成社製)分散液をスピンコート法により塗布し、絶縁膜とした。その後、ITO微粒子(三菱マテリアル社製)分散液をスピンコート法で塗布し、第2の表示電極とした。
【0125】
次に、第2の表示電極までが塗布されたガラス基板において、第1のマスクと逆側の一部をマスクにより被覆した。レジストをスピンコート法により塗布した後、所定のメタルマスクを用いて露光、現像を行い、パターニングしたレジストによりガラス基板の一部を被覆し、第2のマスクとした。
【0126】
次に、第2のエレクトロクロミック粒子の分散液をスピンコート法により塗布し、第2のエレクトロクロミック層とした。
【0127】
その後、第1のマスク及び第2のマスクを除去した。有機溶媒を用いた洗浄、アッシング等の方法により第1のマスク及び第2のマスクを除去した。第1のマスク及び第2のマスクが除去されると同時に、第1のマスク及び第2のマスクの上に形成された第1のエレクトロクロミック層、絶縁膜、第2の表示電極、第2のエレクトロクロミック層も除去された。
【0128】
最後に、200℃で1時間焼結させ、表示電極及びエレクトロクロミック層とした。
(対向電極の作製)
ガラス基板からなる対向基板の全面に、酸化スズからなる対向電極を形成した。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の上面に、1次粒径30nmの酸化スズ粒子(三菱マテリアル社製)の20wt%水分散液を、スピンコート法により厚さ約2μmになるように塗布した。その後、400℃で1時間焼結させ、対向電極を作製した。
(エレクトロクロミック表示装置の作製)
表示基板と対向基板を75μmのスペーサを介して貼り合わせ、セルを作製した。過塩素酸クロライドを炭酸プロピレンに0.2M溶解させた溶液に、一次粒径300nmの酸化チタン粒子(石原産業株式会社製)を35wt%分散させ、電解質溶液を調製し、セル内に封入することで表示素子を作製した。
(発消色試験)
素子の発消色測定は、大塚電子株式会社製分光測色計LCD―5000を用いて拡散光を照射することにより行った。電圧の印加には、株式会社東方技研社製ファンクションジェネレータFG−02を用いた。本実施例のエレクトロクロミック表示装置は、電圧を印加しない状態で、白色を示し、約60%の高い反射率を示した。次に、第1の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを印加したところ、青色に発色した。次に、第2の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを印加したところ、緑色に発色した。さらに、第1の表示電極及び第2の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを印加したところ、黒色に発色した。すなわち、電圧を印加する表示電極を第1の表示電極と第2の表示電極との間で選択することにより、容易に多色表示が可能なエレクトロクロミック表示装置が得られた。
【実施例2】
【0129】
酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の一部をマスクにより被覆する方法、及び第2の表示電極までが塗布されたガラス基板において、第1のマスクと逆側の一部をマスクにより被覆する方法、において、レジストのパターニングをインクジェット法により行った以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック表示装置を作製した。
(エレクトロクロミック粒子の作製)
実施例1と同様の方法を用いて、第1のエレクトロクロミック粒子及び第2のエレクトロクロミック粒子を作製した。
(表示電極及びエレクトロクロミック層の作製)
その後、第1のエレクトロクロミック層、絶縁層、第2の表示電極、第2のエレクトロクロミック層、の形成は、以下のように行った。
【0130】
酸化スズ透明電極膜が全面に付いたガラス基板の一部をマスクにより被覆した。酸化スズ透明電極膜の一部被覆する部分だけに、レジストをインクジェット法により塗布し、パターニングされたレジストによりガラス基板の一部を被覆し、第1のマスクとした。
【0131】
続いて、第1のエレクトロクロミック粒子の分散液、シリカナノ粒子(シーアイ化成社製)分散液、ITO微粒子(三菱マテリアル社製)分散液を、実施例1と同様の方法を用いて、順次、スピンコート法で塗布し、第1のエレクトロクロミック層、絶縁膜、第2の表示電極、を形成した。
【0132】
次に、第2の表示電極までが塗布されたガラス基板において、第1のマスクと逆側の一部をマスクにより被覆した。ITO電極層の一部被覆する部分だけに、レジストをインクジェット法により塗布し、パターニングされたレジストによりガラス基板の一部を被覆し、第2のマスクとした。
【0133】
次に、第2のエレクトロクロミック粒子の分散液をスピンコート法により塗布し、第2のエレクトロクロミック層とした。
【0134】
その後、実施例1と同様に、マスクの除去、200℃1時間の焼結を行い、表示電極及びエレクトロクロミック層とした。
(対向電極の作製)
実施例1と同様の方法を用いて、ガラス基板からなる対向基板の全面に、酸化スズからなる対向電極を形成した。
(エレクトロクロミック表示装置の作製)
実施例1と同様の方法を用いて、表示基板と対向基板を75μmのスペーサを介して貼り合わせ、セルを作製した。
(発消色試験)
実施例1と同様の方法を用いて、素子の発消色測定を行い、実施例1と同様の結果を得た。本実施例のエレクトロクロミック表示装置は、電圧を印加しない状態で、白色を示し、約60%の高い反射率を示した。次に、第1の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを印加したところ、青色に発色した。次に、第2の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを印加したところ、緑色に発色した。さらに、第1の表示電極及び第2の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを印加したところ、黒色に発色した。すなわち、電圧を印加する表示電極を第1の表示電極と第2の表示電極との間で選択することにより、容易に多色表示が可能なエレクトロクロミック表示装置が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置において、表示基板の構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係るエレクトロクロミック表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係るエレクトロクロミック表示装置において、表示基板の構成を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の第3の変形例に係るエレクトロクロミック表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の第1の製造方法の説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の第2の製造方法の説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置において、表示基板の構成を模式的に示す斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置の駆動回路の例を示す図である。
【符号の説明】
【0136】
10、10a、10c エレクトロクロミック表示装置
11、11a、11b 表示基板(透明基板)
12 対向基板
13a 第1の表示電極
13b 第2の表示電極
13c 第3の表示電極
14a 第1のエレクトロクロミック層
14b 第2のエレクトロクロミック層
14c 第3のエレクトロクロミック層
15 対向電極
16a 第1のエレクトロクロミック化合物
16b 第2のエレクトロクロミック化合物
16c 第3のエレクトロクロミック化合物
17 金属酸化物
18 スペーサ
19 セル
20 電解質
21 白色反射層
22、22a、22b 絶縁膜
23a、23b レジスト
24a、24b メタルマスク
25a 第1のマスク
25b 第2のマスク
26a、26b インクジェットヘッド
30 画像表示装置
31 エレクトロクロミック表示素子
33a、33b 薄膜トランジスタ(TFT)
34a、34b 水平方向の導線
35a、35b 垂直方向の導線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、表示電極と、対向基板と、対向電極と、前記表示電極に接して設けられたエレクトロクロミック層と、を有するエレクトロクロミック表示装置において、
前記透明基板と前記対向電極との間に複数の前記表示電極が隔離して設けられ、
前記複数の前記表示電極の各々に、互いに異なる色を発色する前記エレクトロクロミック層が設けられることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置。
【請求項2】
前記表示電極は、透明電極であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック表示装置。
【請求項3】
前記エレクトロクロミック層は、
エレクトロクロミック化合物と、
前記エレクトロクロミック化合物を担持した金属酸化物と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック表示装置。
【請求項4】
前記金属酸化物は、ナノ粒子であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示装置。
【請求項5】
前記複数の前記表示電極の間に、前記複数の前記表示電極を互いに絶縁するための絶縁膜が設けられることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示装置。
【請求項6】
前記絶縁膜は、多孔質絶縁膜であることを特徴とする請求項5に記載のエレクトロクロミック表示装置。
【請求項7】
前記絶縁膜は、無機材料であることを特徴とする請求項5又は6に記載のエレクトロクロミック表示装置。
【請求項8】
前記表示電極は、平面視において、前記表示基板の面内でマトリクス状に配列されることを特徴とする請求項1乃至7いずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示装置を製造するエレクトロクロミック表示装置の製造方法であって、
前記表示電極の一部をマスク部材により被覆する工程と、
前記マスク部材により一部が被覆された前記表示電極の上に前記エレクトロクロミック層を形成する工程と、
前記マスク部材を除去する工程と、を有することを特徴とするエレクトロクロミック表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−163005(P2009−163005A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−563(P2008−563)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】