説明

エレクトロルミネッセントディスプレイのための欠陥のあるエミッター検出

複数のサブピクセルを有するELディスプレイ内の動作しない、又は欠陥のあるエレクトロルミネッセント(EL)エミッターが検出される。1つのサブピクセル内の駆動トランジスタを通る電流の流れが遮断され、電流源を用いて、そのサブピクセル内のELエミッターを通る選択された試験電流が与えられ、そのサブピクセル内の読出しトランジスタの第2の電極の電圧を測定して、選択されたELエミッターの特性を表すステータス信号を与える。そのサブピクセルのためのステータス信号を隣接するサブピクセルの個々のステータス信号と比較して、そのサブピクセル内のELエミッターに欠陥があるか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエレクトロルミネッセントディスプレイ内の欠陥のあるサブピクセルの検出に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
同じ譲受人に譲渡された、同時係属中の、Levey他により2007年6月22日に出願された「OLED DISPLAY WITH AGING AND EFFICIENCY COMPENSATION」と題する米国特許出願第11/766,823号、Levey他による2008年10月25日に出願された「ELECTROLUMINESCENT DISPLAY WITH INITIAL NONUNIFORMITY COMPENSATION」と題する米国特許出願公開第12/258,388号、及びLeon他により2008年10月29日に出願された「ELECTROLUMINESCENT DISPLAY WITH EFFICIENCY COMPENSATION」と題する米国特許出願第12/260,103号が参照され、それらの開示は本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
コンピューティング、エンターテイメント及び通信のための情報ディスプレイとして、フラットパネルディスプレイへの関心は高い。例えば、エレクトロルミネッセント(EL)エミッターは何年にもわたって知られており、最近になって市販のディスプレイデバイスにおいて用いられるようになった。そのようなディスプレイは通常、ディスプレイ基板上に配置された複数のサブピクセルを利用する。各サブピクセルは、ELエミッターと、アクティブマトリックス制御方式では、ELエミッターを流れる電流を駆動するための駆動トランジスタとを含む。サブピクセルは通常2次元のアレイに配列され、サブピクセルごとに1つの行アドレス及び列アドレスがあり、サブピクセルにはデータ値が関連付けられる。単一ELサブピクセルを照明及びユーザーインターフェースの用途に用いることもできる。ELサブピクセルは、コーティング可能な無機発光ダイオード、量子ドット、及び有機発光ダイオード(OLED)を含む、種々のエミッター技術を用いて作製することができる。通常のELサブピクセルは、アノードと、1つ又は複数の発光層と、カソードとを含む。
【0004】
しかしながら、ELエミッターは、エミッターに欠陥を生じさせ、それにより、所与の駆動電流又は駆動電圧に対して隣接する点と同程度の光を放射しない、いわゆる「暗点(dim dot」、又は光を実質的に放射しない「滅点(dead dot)」の原因となる可能性がある障害を受ける。例えば、エミッターのアノードとカソードとの間の短絡によって、発光層を迂回する電流経路が設けられる可能性がある。発光層の中に湿気が侵入することによって、それらの層の発光特性が損傷を受けるか、又は破壊される可能性がある。基板又は駆動トランジスタ内の製造障害によって、駆動トランジスタとELエミッターとの間の接続が損傷を受けるか、又は断線する可能性ある。暗点又は滅点の検出は、欠陥のあるパネルを出荷するのを避けるためにも、検出された暗点又は滅点を補償する機会を与えるためにも、製造プロセスにおいて重要なステップであり、ディスプレイの寿命にわたって障害が発生するので重要であり続ける。
【0005】
種々の方式が欠陥のあるエミッターに起因する画像変動を補償する。例えば、Chung他に対する特許文献1は、作製中のパネルを検査して欠陥の場所を特定し、正常のピクセルを欠陥のあるピクセルに電気的に接続して補償することを記述している。しかしながら、この方式は費用がかかり、時間を要する。この方式は、隣接するELエミッターを互いにレーザー溶接する必要があり、これによって画像品質が劣化する。さらに、この方式は、ディスプレイの寿命にわたって定期的に生じる湿気の侵入に起因する故障を補償することができない。
【0006】
同じ譲受人に譲渡されるCokによる特許文献2は、欠陥のあるサブピクセルを補償するための種々の方法を教示している。しかしながら、この開示は、各サブピクセルの光出力を測定して、どのピクセルに欠陥があるかを特定することを教示している。これは、制御された製造条件の場合を除いて、実施するのが非常に難しい。それゆえ、ディスプレイの寿命にわたる故障は、それらの製造条件を再現する特殊な装置によってしか補償することができない。
【0007】
Trujillo他による特許文献3は、赤外線カメラを用いてディスプレイデバイスを測定することを教示しているが、Cokの開示と同じ制約を受ける。
【0008】
Fish他による特許文献4は、各サブピクセル内のフォトダイオードを用いて、サブピクセルの光出力を測定し、エミッターの変動を補償することを教示している。しかしながら、この方式は非常に複雑なサブピクセル回路を必要とし、光を放射するために利用できる面積を低減するので、電力が増加し、ディスプレイの寿命が低下する上に、機能ディスプレイの製造歩留まりが減少する。
【0009】
Neterによる特許文献5は、CCD又はCMOSイメージセンサー内の欠陥のあるピクセルを補償する種々の方法を教示している。しかしながら、この方法は、入力される検知データをフィルタリングすることに依存するので、入力データが欠陥と混同される可能性がある高周波数、高振幅のエッジを有しないことを要する。しかしながら、そのようなエッジはディスプレイ用途では一般的であり、例えば、ワードプロセッシングプログラムのディスプレイ内の文字のエッジにおいて、又はテレビ番組上の画面の下にあるティッカーのエッジにおいて見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0126460号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0164407号明細書
【特許文献3】米国特許第7,474,115号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0256048号明細書
【特許文献5】米国特許第6,965,395号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それゆえ、ディスプレイにおいて使用するために最適化され、かつ複雑な装置もディスプレイ電子回路も必要としない、エレクトロルミネッセントディスプレイの寿命にわたって欠陥のあるピクセルを検出するための方法が引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、ELディスプレイ内の欠陥のあるエレクトロルミネッセント(EL)エミッターを検出する方法であって、
a)複数のサブピクセルを有する前記ELディスプレイを設けることであって、各サブピクセルは駆動トランジスタと、読出しトランジスタと、ELエミッターとを含み、該駆動トランジスタは前記ELエミッターの電極と該読出しトランジスタの第1の電極とに接続された電極を有することと、
b)サブピクセルを選択することと、
c)前記選択されたサブピクセル内の前記駆動トランジスタを通る電流の流れを遮断することと、
d)電流源を用いて、前記選択されたサブピクセル内の前記ELエミッターを通る選択された試験電流を与えることと、
e)前記選択されたサブピクセル内の前記読出しトランジスタの第2の電極における電圧を測定することであって、前記選択されたサブピクセル内の前記ELエミッターの特性を表すステータス信号を与えることと、
f)前記選択されたサブピクセルのための前記ステータス信号を少なくとも2つの近傍のサブピクセルの個々のステータス信号と比較することであって、前記選択されたサブピクセル内の前記ELエミッターに欠陥があるか否かを判断することと、
を含む、ELディスプレイ内の欠陥のあるエレクトロルミネッセント(EL)エミッターを検出する方法が提供される。
【0013】
本発明の別の態様によれば、ELディスプレイ内の欠陥のあるエレクトロルミネッセント(EL)エミッターを検出する方法であって、
a)複数のサブピクセルを有する前記エレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイを設けることであって、各サブピクセルは、第1の電極及び第2の電極を有するELエミッターと、第1の電極、前記ELエミッターの前記第1の電極に接続された第2の電極、及びゲート電極を有する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタの前記第2の電極に接続された第1の電極、第2の電極及びゲート電極を有する読出しトランジスタとを有することと、
b)前記複数のサブピクセルのそれぞれの前記駆動トランジスタの前記第1の電極に関連付けられた第1の電圧源を設けることと、
c)前記複数のサブピクセルのそれぞれにおける前記ELエミッターの前記第2の電極に接続された第2の電圧源を設けることと、
d)前記読出しトランジスタの前記第2の電極に関連付けられた電流源を設けることと、
e)ELサブピクセル、並びに該ELサブピクセルの対応する駆動トランジスタ、読出しトランジスタ及びELエミッターを選択することと、
f)前記選択された読出しトランジスタの前記第2の電極に関連付けられる電圧測定回路を設けることと、
g)前記選択された駆動トランジスタを通る電流の流れを遮断することと、
h)前記電流源を用いて、前記ELエミッターを通る選択された試験電流を与えることと、
i)前記電圧測定回路を用いて、前記選択された読出しトランジスタの前記第2の電極における電圧を測定することであって、前記選択されたELエミッターの特性を表す対応するステータス信号を与えることと、
j)前記複数のELサブピクセル内の残りのELサブピクセルごとにステップe〜ステップiを繰り返すことと、
k)ELサブピクセルを選択することと、
l)前記選択されたELサブピクセルのためのサブピクセル近傍区域を選択することであって、該サブピクセル近傍区域は、前記選択されたELサブピクセルに隣接する少なくとも2つのサブピクセルを含むことと、
m)前記選択されたELサブピクセルのための前記ステータス信号を前記選択されたサブピクセル近傍区域内の前記サブピクセルのそれぞれの個々の前記ステータス信号と比較することであって、前記選択されたELエミッターに欠陥があるか否かを判断することと、
n)前記複数のELサブピクセル内の残りのELサブピクセルごとにステップk〜ステップmを繰り返すことであって、前記ELディスプレイ内の他の欠陥のあるELエミッターを検出することと、
を含む、ELエミッター内の欠陥のあるエレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイを検出する方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、ディスプレイの寿命にわたって、ディスプレイが製造されるときに存在しない故障を含むサブピクセル故障を検出する、簡単で実効的な方法を提供する。本方法は、特殊な試験装置も特殊な条件も必要としない。本方法は、ディスプレイの消費電力、寿命又は他の性能属性に大きな影響を及ぼさない。本方法は、ディスプレイにおいて使用するために最適化されるので、その結果は表示された画像データによって損なわれない。サブピクセルを平均することによって、本方法は、試験下のサブピクセルに隣接する点灯しないサブピクセル又は暗いサブピクセルの影響を受けにくくしている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による、エレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイの一実施形態の概略図である。
【図2A】本発明を用いる場合に有用なELサブピクセル及び関連する回路部の一実施形態の概略図である。
【図2B】本発明の一実施形態による、サブピクセルグループの概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による、ELディスプレイ内の欠陥のあるELエミッターを検出する方法の流れ図である。
【図4】例示的なサブピクセル近傍区域の図である。
【図5】ELエミッターの例示的なI−V特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで図1を参照すると、本発明による、欠陥のあるELエミッターを検出する際に有用であるエレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイの一実施形態の概略図が示される。ELディスプレイ10は、行及び列に配列された複数のELサブピクセル60のアレイを含む。行及び列はここで示されるのとは異なる方向に向けることができることに留意されたい。例えば、それらの行及び列は90度だけ回転させることができる。ELディスプレイ10は複数の選択線20を含み、ELサブピクセル60の各行が1つの選択線20を有する。ELディスプレイ10は複数の読出し線30を含み、ELサブピクセル60の各列が1つの読出し線30を有する。各読出し線30は第2のスイッチ130に接続され、第2のスイッチは、以下に説明される測定プロセス中に、読出し線30を電流源160に接続する。明確に例示するために図示されないが、ELサブピクセル60の各列は、当該技術分野において既知であるようなデータ線も有する。複数の読出し線30は1つ又は複数のマルチプレクサー40に接続され、マルチプレクサー40は、以下に説明されるように、ELサブピクセルからの信号をパラレル/シリアルに読み出すことができるようにする。マルチプレクサー40は、ELディスプレイ10と同じ構造の一部とすることもできる、ELディスプレイ10に接続することもELディスプレイ10から切り離すこともできる別の構成とすることもできる。
【0017】
ここで図2Aを参照すると、本発明を用いる場合に有用なELサブピクセル及び関連する回路の一実施形態の概略図が示される。ELサブピクセル60は、ELエミッター50と、駆動トランジスタ70と、コンデンサー75と、読出しトランジスタ80と、選択トランジスタ90とを含む。ELエミッター50は第1の電極51及び第2の電極52を有する。駆動トランジスタ70は、第1の電極71と、第2の電極72と、ゲート電極73とを有する。読出しトランジスタ80は、第1の電極81と、第2の電極82と、ゲート電極83とを有する。選択トランジスタ90は、第1の電極91と、第2の電極92と、ゲート電極93とを有する。
【0018】
駆動トランジスタ70のゲート電極73は、選択トランジスタ90の第2の電極92に接続され、当該技術分野において既知であるように、ソースドライバー155からのデータを、データ線35を介して駆動トランジスタ70に選択的に与える。データ線35は、選択トランジスタ90の第1の電極91に接続される。選択線20は、ELサブピクセル60の行内の選択トランジスタ90のゲート電極93に接続される。選択トランジスタ90のゲート電極93は、読出しトランジスタ80のゲート電極83に接続される。
【0019】
読出しトランジスタ80の第1の電極81は、駆動トランジスタ70の第2の電極72に、かつELエミッター50の第1の電極51に接続される。駆動トランジスタ70の第2の電極72はELエミッター50の第1の電極51に接続される。
【0020】
第1の電圧源140をオプションの第1のスイッチ110によって駆動トランジスタ70の第1の電極71に選択的に接続することができ、そのスイッチはELディスプレイ基板(図示せず;当該技術分野において既知であるガラス若しくは他の硬質若しくは可撓性の基板)上に、又は別の構造上に配置することができる。「接続される」は、素子が直接接続されるか、又は別の構成要素、例えば、スイッチ、ダイオード、若しくは別のトランジスタを介して電気的に接続されることを意味する。第2の電圧源150が、ELエミッター50の第2の電極52に接続される。ELディスプレイのために、少なくとも1つの第1のスイッチ110が設けられることが好ましい。ELディスプレイが、駆動される複数のピクセルサブグループを有する場合には、付加的な第1のスイッチを設けることができる。通常の表示モードでは、第1のスイッチは閉じ、第2のスイッチ(後に説明される)は開く。
【0021】
読出し線30は、サブピクセル60の列内の読出しトランジスタ80の第2の電極82に接続される。読出し線30は第2のスイッチ130に接続される。ELサブピクセル60の列ごとに1つの第2のスイッチ130が設けられる。第2のスイッチ130によって、電流源160を読出しトランジスタ80の第2の電極82に選択的に接続できるようになり、接続されるときに、読出しトランジスタ80によって、選択された定電流がELサブピクセル60に流れ込むことができる。第2のスイッチ130及び電流源160は、ディスプレイ基板上に、又は基板外に配置することができる。
【0022】
複数のELサブピクセル60を含むELディスプレイ10において、第2のスイッチを通して、単一の電流源160を複数のELサブピクセル60内の各読出しトランジスタ80の第2の電極82に選択的に接続することができる。各読出しトランジスタ80の第2の電極82が任意の所与の時点において選択的に1つの電流源に接続されるか又はいずれにも接続されない場合には、2つ以上の電流源160を用いることができる。
【0023】
読出しトランジスタ80の第2の電極は電圧測定回路170にも接続され、電圧測定回路170は、電圧を測定して、ELサブピクセル60内のELエミッター50の特性を表すステータス信号を与える。電圧測定回路170は、電圧測定値をデジタル信号に変換するためのアナログ/デジタルコンバーター185と、プロセッサ190とを含む。アナログ/デジタルコンバーター185からの信号はプロセッサ190に送信される。電圧測定回路170は、ステータス信号を格納するためのメモリ195、又は電圧測定値内の高周波雑音を減衰させるためのローパスフィルター180も含むことができる。電圧測定回路170は、1つの読出し線30に直接接続することもできるし、所定の数のELサブピクセル60から電圧を順次に読み出すために、マルチプレクサー出力線45及びマルチプレクサー40を通して複数の読出し線30及び読出しトランジスタ80に接続することもできる。複数のマルチプレクサー40が存在する場合には、各マルチプレクサーは、その自らのマルチプレクサー出力線45を有することができる。したがって、所定の数のELサブピクセルを同時に駆動することができる。複数のマルチプレクサーは、種々のマルチプレクサー40から電圧を並列に読み出すことを可能にし、各マルチプレクサーは、そのマルチプレクサーに取り付けられた読出し線30から順次に読み出すことを可能にする。これは、本明細書において、並列/順次プロセスと呼ばれる。
【0024】
図2Bを参照すると、本発明の一実施形態において、複数のサブピクセルが1つ又は複数のサブピクセルグループに分割される。この図を明確にするために、サブピクセル60a、60b、60c、60dごとに、第1の電極81、第2の電極82及びゲート電極83を有する読出しトランジスタ80だけが示される。サブピクセル60a、60b、60c、60dの他の全ての構成要素は図1Aに示される通りである。選択線20a及び20bは、図1及び図2Aに示される通りである。
【0025】
一実施形態では、各サブピクセルグループはサブピクセルの1つの列を含むことができる。サブピクセル60a及び60bはサブピクセルグループ69aを形成する。サブピクセル60c及び60dはサブピクセルグループ69bを形成する。各サブピクセルグループは、電流源を個々のサブピクセルグループ内の複数のサブピクセルのそれぞれの読出しトランジスタの第2の電極に選択的に接続するための個々の第2のスイッチを有する。サブピクセルグループ69aは読出し線30a及び第2のスイッチ130aを有する。サブピクセルグループ69bは、読出し線30b及び第2のスイッチ130bを有する。サブピクセルグループ69bは、第2のスイッチ130b及び接続131を通して電流源160aに接続される。代替的には、サブピクセルグループ69bは、第2のスイッチ130b及び接続132を通して、自らの電流源160bに接続することができる。
【0026】
ここで図3を参照し、合わせて図1、図2A及び図2Bも参照すると、本発明の一実施形態による、ELディスプレイ内の欠陥のある(暗い、又は点灯しない)エレクトロルミネッセント(EL)エミッターを検出する方法が、上記の装置:ELディスプレイ10(ステップ301)、第1の電圧源140、及び任意選択で、第1の電圧源140を複数のサブピクセルのそれぞれの駆動トランジスタ70の第1の電極71に接続するための第1のスイッチ110(ステップ302)、第2の電圧源150(ステップ303)並びに電流源160(ステップ304)を設けることを含む。その後、測定プロセスが始まる。測定のために、選択された複数のELサブピクセルのうちの1つのELサブピクセル60並びにその対応する駆動トランジスタ70、読出しトランジスタ80及びELエミッター50が選択される(ステップ305)。読出しトランジスタ80を選択することは、読出しトランジスタ80にゲート電圧を印加して、読出しトランジスタ80を導通させることを含む(Nチャネル読出しトランジスタの場合、25VDC)。選択された読出しトランジスタ80の第2の電極に関連付けられるか、又は接続された電圧測定回路170が設けられる(ステップ306)。選択された駆動トランジスタを通る電流の流れが遮断される(ステップ307)。これは、例えば、第1のスイッチ110を開くことによって、又は駆動トランジスタ70のゲート電極73に負の(Nチャネルの場合)ゲート電圧(V)を印加することによって成し遂げることができる。電流の流れが遮断されるとき、駆動トランジスタにはほとんど電流が流れない。
【0027】
その後、電流源を用いて、選択された試験電流がELエミッターを通して与えられる(ステップ308)。この試験電流によって、ELエミッター50の両端に電圧が生じる。ELエミッター50の第1の電極51の電圧は、読出しトランジスタ80の第1の電極81及び第2の電極82を通して読出し線30に、そこから電圧測定回路170に搬送される。その際、電圧測定回路170は、その電圧を測定して(ステップ309)、選択されたELエミッターの特性を表す、選択されたサブピクセル60に対応するステータス信号を与え、ステータス信号をメモリ195に格納する。他のサブピクセルが測定される場合には(判断ステップ310)、読出しトランジスタ80にゲート電圧を印加して導通しないようにすることを含めて、選択されたサブピクセル60及び構成要素を選択解除し、別のサブピクセルが選択され、測定される。ELディスプレイ10上の全てのサブピクセル60、特定の色の全てのサブピクセル、規則的な格子若しくは間隔に従ってサンプリングされた、ELディスプレイ10上のサブピクセルのサブセット、又は隣接するサブピクセルのサブセットの測定を行うことができる。
【0028】
選択された複数のサブピクセル内の全てのサブピクセルの測定が行われると、ステータス信号を用いて、点灯しないか、又は暗いELエミッターが検出される。選択された複数のサブピクセルからサブピクセル60が選択される(ステップ311)。次に、選択されたELサブピクセルのサブピクセル近傍区域が選択され、サブピクセル近傍区域は、選択されたELサブピクセルに隣接する少なくとも2つのサブピクセルを含む(ステップ312)。以下に説明されるように、選択されたELサブピクセルのためのステータス信号を、選択されたサブピクセル近傍区域内の各サブピクセルの個々のステータス信号と比較して、選択されたELエミッターに欠陥があるか否かを判断する(ステップ313)。選択された複数のサブピクセル内に任意の残りのサブピクセルが存在する場合には、選択されたサブピクセル60を選択解除し、別のサブピクセルを選択し、比較して(判断ステップ314)、ELディスプレイ内の他の欠陥のあるELエミッターを検出する。
【0029】
ステップ305、307、308及び309はその相対的な順序において実行されるべきである。ステップ311及び313はその相対的な順序において実行されるべきである。
【0030】
図2A及び図2Bを再び参照すると、複数のELサブピクセル60を同時に、例えば、並列/順次プロセスを用いて測定するとき、第1の時間中に、選択された数のELサブピクセルに対してステップ307(電流を遮断する)及び308(試験電流を与える)が同時に実行され、読出し線30ごとにステップ309(電圧を測定する)が順次に実行される。例えば、サブピクセル60a及び60cに電流を同時に加えて、読出し線30a及び30b上に対応する電圧を同時に生成することができる。読出し線30a及び30bはマルチプレクサー40に接続することができ、マルチプレクサー40は読出し線30aを電圧測定回路170に接続してサブピクセル60aのためのステータス信号を生成することができ、その次に、読出し線30bを電圧測定回路170に接続して、サブピクセル60cのためのステータス信号を生成することができる。このようにして、複数の読出し線(例えば、30a、30b)に接続されたマルチプレクサー40を用いて、所定の数のOLEDサブピクセルのためのステータス信号を順次に読み出す。
【0031】
図4はサブピクセル近傍区域の一例を示す。サブピクセル60が選択される。サブピクセル60はサブピクセル61、62、63、64、65、66、67及び68によって包囲されている。一実施形態では、サブピクセル近傍区域401は、8つ全ての包囲するサブピクセルを含む。別の実施形態では、サブピクセル近傍区域402は、選択されたELサブピクセルの上側のサブピクセル62、選択されたELサブピクセルの下側のサブピクセル67、選択されたELサブピクセルの左側のサブピクセル64、及び選択されたELサブピクセルの右側のサブピクセル65を含む。サブピクセル近傍区域内で用いられるサブピクセルの数が多いほど、欠陥のあるELエミッターを検出する可能性が高くなるが、必要とされる計算も増加する。さらに、サブピクセル近傍区域内で用いられるサブピクセルの数が多いほど、都合の良いことに、サブピクセル近傍区域内の欠陥のあるELエミッターに影響されにくくなる。
【0032】
図5は、代表的なELエミッター50のI−V特性1000を示す。横座標はボルト単位の駆動電圧であり、縦座標は任意の単位の電流である。ライン1020は、選択されたしきい値電流であり、その電流未満では、ELエミッターは著しい量の光を放射しない。ライン1010は図3のステップ308において用いられるような、選択された試験電流の一例を示す。この実施形態では、選択された試験電流1010は選択されたしきい値電流1020よりも大きい。これによって、都合の良いことに、測定値の信号対雑音比が増大する。
【0033】
選択されたELサブピクセルのためのスタータス信号を、選択されたサブピクセル近傍区域内の各サブピクセルの個々のステータス信号と種々の方法において比較し、選択されたELエミッターに欠陥があるか否かを判断することができる。例えば、平均値、標準偏差、信頼区間、又は他の統計的な指標を比較することができる。表1は、本発明の例示的なディスプレイデバイスから測定されたスタータス信号を示す。サブピクセルが図4に従って番号を付され、欠陥のあるサブピクセルがアスタリスク(「」)を付される。サブピクセル近傍区域401が用いられた。1〜4の番号を付された、ディスプレイの4つの異なるエリアからのデータが示される。「結果」行は、式1に従って計算された比較の結果Rを示す。ただし、Ssnは、サブピクセルsnのステータス信号である(例えば、S60は、サブピクセル60のためのステータス信号である):
=S60/[(S61+S62+S63+S64+S65+S66+S67+S68)/8]
【0034】
【表1】

【0035】
表1において、「欠陥のないサブピクセル」は、サブピクセル近傍区域内のサブピクセルに欠陥がなく、かつ選択されたサブピクセルに欠陥がないときに、Rが近似的に1であることを示す。「選択されたサブピクセルに欠陥がある」は、選択されたサブピクセル60に欠陥があり、サブピクセル近傍区域内のサブピクセルに欠陥がないときに、Rが近似的に1でないことを示す。「横のサブピクセルに欠陥がある」及び「角のサブピクセルに欠陥がある」は、選択されたサブピクセルには欠陥がないが、サブピクセル近傍区域内の1つのサブピクセル(「横のサブピクセルに欠陥がある」場合、サブピクセル65;「角のサブピクセルに欠陥がある」場合、サブピクセル63)に欠陥があるときに、Rがそれでも近似的に1であるので、本発明が誤検知(機能しているサブピクセルを誤って欠陥があると報告すること)に対してロバストであることを示す。それゆえ、比較ステップは、近傍区域内のサブピクセルの個々のステータス信号の第1の平均値を計算することと、選択されたELサブピクセルのステータス信号が、第1の平均値から、該第1の平均値の選択された第1のパーセントよりも大きく外れているか否かを判断することとを含むことができる。Rは、第1の平均値に対する選択されたELサブピクセルのステータス信号の比であるので、例えば、0.75より小さいか、又は1.25よりも大きいRは、選択されたELサブピクセルのステータス信号が第1の平均値から、該第1の平均値の25%よりも大きく外れており、それゆえ、選択されたELサブピクセルに欠陥があることを示す。第1の平均値の値、並びにサブピクセル近傍区域の配列及び大きさは、当該技術分野において既知の統計解析を用いて、誤検知及び検知漏れ(欠陥のあるサブピクセルを機能していると誤って報告すること)の発生を小さくするように選択することができる。上記のように、サブピクセル近傍区域内のサブピクセルの数を増やすことによって、検知漏れ、そして特に誤検知の発生確率を小さくすることができる。
【0036】
欠陥のあるサブピクセルについての情報を用いて、選択されたサブピクセルごとにサブピクセル近傍区域を選択することによって、誤検知の可能性を更に小さくすることができる。メモリ195(図2A)は、どのELエミッターに欠陥があるかについての情報を格納するための欠陥マップを含むことができ、欠陥マップ内で欠陥があると記載されるサブピクセルは、任意のサブピクセル近傍区域から省くことができる。それゆえ、サブピクセル近傍区域内のサブピクセルごとに欠陥マップ内に格納された個々の情報は、サブピクセルに欠陥がないことを示すことになる。
【0037】
例えば、「角のサブピクセルに欠陥がある」事例において、欠陥マップが、サブピクセル63に欠陥があることを示す場合には、Rの代わりに、式2に従ってR’を計算することができ、その結果が以下の表2に記載される。R’はRよりも1に近いので、誤検知の確率はより小さい。
’=S60/[(S61+S62+S64+S65+S66+S67+S68)/7]
【0038】
【表2】

【0039】
本発明は当該技術分野において既知の種々のサブピクセル構造とともに利用することができる。例えば、図2Aに示されるELサブピクセル60は、Nチャネル駆動トランジスタ及び非反転EL構造のためのものである。ELエミッター50は、駆動トランジスタ70のソース電極に関連付けられ、駆動トランジスタ70のゲート電極上の電圧が高いほど、高い光出力を指示し、電圧供給源140が第2の電圧供給源150に対して正であるので、140から150に電流が流れ、選択された試験電流が正であるので、第1の電極51から第2の電極52に流れる。しかしながら、本発明は、Pチャネルトランジスタ又はNチャネルトランジスタ、及び非反転(共通カソード)ELエミッター又は反転(共通アノード)ELエミッターの任意の組み合わせに適用可能である。これらの事例に合わせた回路の適切な変更は、当該技術分野において既知である。例えば、Nチャネル反転構成では、試験電流は負であるので、第2の電極52から第1の電極51に流れる。
【0040】
好ましい実施形態では、本発明は、有機発光ダイオード(OLED)を含むサブピクセルにおいて用いられ、それらの有機発光ダイオードは、限定はしないが、Tang他による米国特許第4,769,292号及びVanSlyke他による米国特許第5,061,569号において開示されるような、小分子OLED又は高分子OLEDから構成される。有機発光ダイオード材料の多くの組み合わせ及び変形を用いて、そのようなパネルを製造することができる。図2Aを参照すると、ELエミッター202がOLEDエミッターであるとき、ELサブピクセル15はOLEDサブピクセルであり、ELディスプレイ10はOLEDディスプレイである。本発明は、OLED以外のELエミッターにもあてはまる。他のELエミッタータイプの劣化モードは、本明細書において記述される劣化モードとは異なる可能性があるが、それでも、本発明の測定、モデル化及び補償技法を適用することができる。駆動トランジスタ70、及び他のトランジスタ80、90は低温ポリシリコン(LTPS)、酸化亜鉛(ZnO)、若しくはアモルファスシリコン(a−Si)トランジスタ、又は当該技術分野において既知の別のタイプのトランジスタとすることができる。a−Siバックプレーンでは、駆動トランジスタ70及び選択トランジスタ90はアモルファスシリコントランジスタである。
【0041】
本発明は、特定の好ましい実施形態を特に参照しながら詳細に説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲内で変形及び変更を実施できることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0042】
10 エレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイ
20、20a、20b 選択線
30、30a、30b 読出し線
35 データ線
40 マルチプレクサー
45 マルチプレクサー出力線
50 ELエミッター
51 第1の電極
52 第2の電極
60〜68 ELサブピクセル
60a、60b、60c、60d ELサブピクセル
69a、69b サブピクセルグループ
70 駆動トランジスタ
71 第1の電極
72 第2の電極
73 ゲート電極
75 コンデンサー
80 読出しトランジスタ
81 第1の電極
82 第2の電極
83 ゲート電極
90 選択トランジスタ
91 第1の電極
92 第2の電極
93 ゲート電極
95 制御線
110 第1のスイッチ
130、130a、130b 第2のスイッチ
131 接続
132 接続
140 第1の電圧源
150 第2の電圧源
155 ソースドライバー
160、160a、160b 電流源
170 電圧測定回路
180 ローパスフィルター
185 アナログ/デジタルコンバーター
190 プロセッサ
195 メモリ
301〜309 ステップ
310、314 判断ステップ
311、312、313 ステップ
401、402 サブピクセル近傍区域
1000 I−V特性
1010 ライン
1020 ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ELディスプレイ内の欠陥のあるエレクトロルミネッセント(EL)エミッターを検出する方法であって、
a)複数のサブピクセルを有する前記ELディスプレイを設けることであって、各サブピクセルは駆動トランジスタと、読出しトランジスタと、ELエミッターとを含み、該駆動トランジスタは前記ELエミッターの電極と該読出しトランジスタの第1の電極とに接続された電極を有することと、
b)サブピクセルを選択することと、
c)前記選択されたサブピクセル内の前記駆動トランジスタを通る電流の流れを遮断することと、
d)電流源を用いて、前記選択されたサブピクセル内の前記ELエミッターを通る選択された試験電流を与えることと、
e)前記選択されたサブピクセル内の前記読出しトランジスタの第2の電極における電圧を測定することであって、前記選択されたサブピクセル内の前記ELエミッターの特性を表すステータス信号を与えることと、
f)前記選択されたサブピクセルのための前記ステータス信号を少なくとも2つの近傍のサブピクセルの個々のステータス信号と比較することであって、前記選択されたサブピクセル内の前記ELエミッターに欠陥があるか否かを判断することと、
を含む、ELディスプレイ内の欠陥のあるエレクトロルミネッセント(EL)エミッターを検出する方法。
【請求項2】
ELディスプレイ内の欠陥のあるエレクトロルミネッセント(EL)エミッターを検出する方法であって、
a)複数のサブピクセルを有する前記エレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイを設けることであって、各サブピクセルは、第1の電極及び第2の電極を有するELエミッターと、第1の電極、前記ELエミッターの前記第1の電極に接続された第2の電極、及びゲート電極を有する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタの前記第2の電極に接続された第1の電極、第2の電極及びゲート電極を有する読出しトランジスタとを有することと、
b)前記複数のサブピクセルのそれぞれにおける前記駆動トランジスタの前記第1の電極に関連付けられた第1の電圧源を設けることと、
c)前記複数のサブピクセルのそれぞれにおける前記ELエミッターの前記第2の電極に接続された第2の電圧源を設けることと、
d)前記読出しトランジスタの前記第2の電極に関連付けられた電流源を設けることと、
e)ELサブピクセル、並びに該ELサブピクセルの対応する駆動トランジスタ、読出しトランジスタ及びELエミッターを選択することと、
f)前記選択された読出しトランジスタの前記第2の電極に関連付けられた電圧測定回路を設けることと、
g)前記選択された駆動トランジスタを通る電流の流れを遮断することと、
h)前記電流源を用いて、前記ELエミッターを通る選択された試験電流を与えることと、
i)前記電圧測定回路を用いて、前記選択された読出しトランジスタの前記第2の電極における電圧を測定することであって、前記選択されたELエミッターの特性を表す対応するステータス信号を与えることと、
j)前記複数のELサブピクセル内の残りのELサブピクセルごとにステップe〜ステップiを繰り返すことと、
k)ELサブピクセルを選択することと、
l)前記選択されたELサブピクセルのためのサブピクセル近傍区域を選択することであって、該サブピクセル近傍区域は、前記選択されたELサブピクセルに隣接する少なくとも2つのサブピクセルを含むことと、
m)前記選択されたELサブピクセルのための前記ステータス信号を前記選択されたサブピクセル近傍区域内の前記サブピクセルのそれぞれの個々の前記ステータス信号と比較することであって、前記選択されたELエミッターに欠陥があるか否かを判断することと、
n)前記複数のELサブピクセル内の残りのELサブピクセルごとにステップk〜ステップmを繰り返すことであって、前記ELディスプレイ内の他の欠陥のあるELエミッターを検出することと、
を含む、ELディスプレイ内の欠陥のあるエレクトロルミネッセント(EL)エミッターを検出する方法。
【請求項3】
ステップbは、前記第1の電圧源を、前記複数のサブピクセルのそれぞれにおける前記駆動トランジスタの前記第1の電極に選択的に接続するための第1のスイッチを設けることを含み、ステップgは、前記第1のスイッチを開いて、前記選択された駆動トランジスタを通る電流の流れを遮断することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のサブピクセルは1つ又は複数のサブピクセルグループに分割され、ステップeは、前記電流源を、前記個々のサブピクセルグループ内の前記複数のサブピクセルのそれぞれにおける前記読出しトランジスタの前記第2の電極に選択的に接続するために、前記1つ又は複数のサブピクセルグループごとに個々の第2のスイッチを設けることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
各サブピクセル近傍区域は、前記選択されたELサブピクセルの上側のサブピクセル、前記選択されたELサブピクセルの下側のサブピクセル、前記選択されたELサブピクセルの左側のサブピクセル、及び前記選択されたELサブピクセルの右側のサブピクセルを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記比較するステップは、前記近傍区域内の前記サブピクセルの前記個々のステータス信号の第1の平均値を計算することと、前記選択されたELサブピクセルの前記ステータス信号が、前記第1の平均値から、該第1の平均値の選択された第1のパーセントよりも大きく外れているか否かを判断することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
どのELエミッターに欠陥があるかについての情報を格納するための欠陥マップを設けることを更に含み、前記サブピクセル近傍区域内のサブピクセルごとの前記欠陥マップ内の個々の前記格納された情報は、前記サブピクセルに欠陥がないことを示す、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記選択された試験電流は、選択されたしきい値電流よりも大きい、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記ELディスプレイは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイであり、各ELサブピクセルはOLEDサブピクセルであり、各ELエミッターはOLEDエミッターである、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
各駆動トランジスタはアモルファスシリコン駆動トランジスタである、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記電圧測定回路はアナログ/デジタルコンバーターを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
各ELサブピクセルは、前記駆動トランジスタの前記ゲート電極に接続された第2の電極を有する選択トランジスタを更に含み、各選択トランジスタの前記ゲート電極は前記対応する読出しトランジスタの前記ゲート電極に接続される、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
ステップg及びステップhは、第1の時間中に、選択された数のELサブピクセルに対して同時に実行され、ステップiは、前記第1の時間中に、前記選択された数のELサブピクセルのELサブピクセルごとに順次に実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記ELサブピクセルを行及び列に配列することと、前記行に対応する複数の選択線、及び前記列に対応する複数の読出し線を設けることとを更に含み、各ELサブピクセルは、前記駆動トランジスタの前記ゲート電極に接続された第2の電極、第1の電極及びゲート電極を有する選択トランジスタを含み、各選択線は1つ又は複数の対応する選択トランジスタの前記ゲート電極(複数の場合もあり)に接続され、各読出し線は、1つ又は複数の対応する読出しトランジスタの前記第2の電極(複数の場合もあり)に接続される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の読出し線に接続され、前記所定の数のOLEDサブピクセルのための前記ステータス信号を順次に読み出すためのマルチプレクサーを用いることを更に含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−506873(P2013−506873A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532212(P2012−532212)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/050163
【国際公開番号】WO2011/041225
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(510048417)グローバル・オーエルイーディー・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (95)
【氏名又は名称原語表記】GLOBAL OLED TECHNOLOGY LLC.
【住所又は居所原語表記】13873 Park Center Road, Suite 330, Herndon, VA 20171, United States of America
【Fターム(参考)】