説明

エレベーター扉を利用した広告宣伝装置

【課題】昇降機の扉としての機能のみを有していて有効活用されていないエレベーターの扉に、広告宣伝機能、緊急時対応機能を有することで、設置に費用がかからずに利用者に利便性や安全性を提供する。
【解決手段】エレベーターの扉1にスクリーン2やスピーカー3を設け、プロジェクター等の映像投射装置7を利用して映像再生装置8により映像を再生することにより、視認効果に優れた広告装置を得る。さらに、インターネット無線及び有線送受信機を介して情報センターと接続して、映像及び音声情報の配信を受けると共に防犯カメラ9の映像を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターを活用した広告宣伝装置に関する。さらに詳しくは、エレベーター利用者に対し、エレベーター扉を利用して広告宣伝を行うための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エレベーターかご内や乗り場の操作ボタン付近に液晶モニター等の表示装置を設け、エレベーター利用者に向けて広告宣伝を行う技術はある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−182464号公報
【特許文献2】特開2006−117355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、液晶モニターを利用して広告宣伝を行う方法が主流であり、設置に費用がかかるという問題点があった。また、設置場所としては、かご内や乗り場の操作ボタンパネル付近に設置するのが主流であり、エレベーターの扉は有効活用されていないという現状がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、上記課題を解決するために、本発明者はエレベーターの扉にスクリーン機能やスピーカー機能を付与し、プロジェクター等の投射機を利用して映像を再生することにより、視認効果に優れた広告装置を提供できることを見いだした。
【発明の効果】
【0006】
本発明を実施すると以下の効果が得られる。
<1> 一般に、昇降機の扉としての機能のみを有していたエレベーターの扉に、広告宣伝機能、緊急時対応機能を有することで利用者に利便性や安全性を提供する。
<2> 前記の広告宣伝機能に関しては、広告宣伝を行うことにより、エレベーターの所有者は広告主より収入を得ることができる。つまり、従来活用されていなかった資源が利益を生むことになり、経済活動に貢献することになる。ひいては、その利益の一部により諸料金引き下げやサービス内容充実が実現する等、利用者に還元される場合もある。
<3> 前記の緊急時対応機能に関しては、異常事態を遠隔地からも監視、通報できることから、犯罪の防止や火災や地震等の事故、災害時に緊急情報を提供できる等、社会に安全を提供する。
<4> 一般に行われているエレベーターかご内の広告装置の表示部としては液晶モニターが広く利用されているが、本発明は安価かつ施工が簡便なスクリーンを利用しているため、コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態における表示部分の正面図である。
【図2】本発明の実施形態における全体図であり、表示部分の側面、利用者、および制御部分の側面の図である。
【図3】本発明の実施形態における広告装置と情報センターの関係を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の表示部分(4)の正面図であり、エレベーター扉(1)、スクリーン(2)およびスピーカー(3)を有する。スクリーン(2)はパールスクリーン等の高反射率のものが望ましいが、屋外、屋内、照明等の周囲の条件により適したものを適宜選択できるとする。また、スクリーン(2)の取り付け工法としては特に限定はしないが、既存のエレベーター扉(1)には張り付けることができる。新規のエレベーターに本発明の広告装置を施工する場合はエレベーター扉(1)の表面にスクリーン(2)を埋め込むことができる。
【0009】
図2は本実施形態の全体を例示した図であり、エレベーターを待っている利用者(4)に向けて、制御部分(6)により表示部分(1)のスクリーン(2)に広告が掲示され、またスピーカー(3)より音声が流れる。
【0010】
図3は本実施形態の広告装置と情報センターの関係を例示しており、情報センターから映像および音声情報がインターネット無線及び有線受送信機(図示していない)を介して配信される。
【0011】
図2を用いて制御部分(6)に関して説明する。制御部分(6)は映像投射装置(7)、映像再生装置(8)、防犯カメラ(9)を有する。また、インターネット無線及び有線受送信機(図示していない)を有し、該送受信機は独立している場合と、映像再生装置(8)等に内蔵されている場合がある。
【0012】
映像投射装置(7)は、プロジェクターであり、映像再生装置(8)により再現された映像をエレベーター扉(1)のスクリーン(2)に投射する。また、エレベーター扉(1)は扉の開閉センサー(図示していない)を有し、その開閉信号は映像投射装置(7)に送信される。そして、該投射装置はエレベーター扉の開放時は自動的に映像の投射を停止し、閉鎖時に再開する機能を有する。
【0013】
映像再生装置(8)について詳しく説明する。該装置は以下の<1>から<2>の少なくともいずれかの装置;
<1>情報センターより配信された情報をインターネット無線及び有線送受信機により受信し、映像および音声を映像投射装置を用いてスクリーン(2)およびスピーカー(3)に再生可能とする装置、
<2>USBやDVD等に記憶された映像および音声を映像投射装置(7)を用いてスクリーン(2)およびスピーカー(3)に再生可能とする装置、
であることを特徴とする。また、スピーカー(3)と映像再生装置(8)はブルートゥース等の短距離無線で接続されていることが、煩雑な配線作業の必要がなく望ましい。
【0014】
さらに、制御部分(6)は防犯カメラ(9)を有し、該防犯カメラの映像はインターネット無線及び有線送受信機を介して情報センターに随時送信される。情報センターでは必要に応じて防犯カメラの映像を監視して、異常時には通報を行うと同時に、緊急映像や音声を送信し、スクリーンに投影またはスピーカーから放送し、エレベーター周囲の人々に緊急情報を知らせることができる。
【符号の説明】
【0015】
1 エレベーター扉
2 スクリーン
3 スピーカー
4 表示部分
5 利用者
6 制御部分
7 映像投射装置
8 映像再生装置
9 防犯カメラ
10 エレベーター内部
11 天井
12 床
13 情報センター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明の広告宣伝装置は表示部分と制御部分を有し、表示部分は少なくとも以下の(1)から(3)の要件;
(1) エレベーター扉
(2) スクリーン
(3) スピーカー
を有し、制御部分は少なくとも以下の(4)から(6)の要件;
(4) 映像投射装置
(5) 映像再生装置
(6) インターネット無線及び有線送受信機
を有することを特徴とする広告宣伝装置。
【請求項2】
本発明の広告宣伝装置は遠隔地に情報センターを有し、請求項1に記載のインターネット無線及び有線送受信機を介して映像や音声等の情報を受信できることを特徴とする請求項1に記載の広告宣伝装置。
【請求項3】
本発明の広告宣伝装置は、請求項1に記載の映像再生装置として以下の(1)から(2)の少なくともいずれかの装置;
(1)請求項1に記載のインターネット無線及び有線送受信機により請求項2に記載の情報センターから受信した映像および音声を映像投射装置を用いてスクリーンおよびスピーカーに再生可能とする装置、
(2)USBやDVD等に記憶された映像および音声を映像投射装置を介してスクリーンおよびスピーカーに再生可能とする装置、
を有することを特徴とする請求項1の広告宣伝装置。
【請求項4】
本発明の広告宣伝装置は、請求項1に記載の制御部分に防犯カメラを有し、該防犯カメラの映像を同請求項1に記載のインターネット無線及び有線送受信機により情報センターに送信することが可能であることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の広告宣伝装置。
【請求項5】
エレベーター扉に開閉センサーを有し、請求項1に記載の映像投射装置が、該開閉センサーが発信する開閉信号を付随する制御装置により受信し、エレベーター扉の開放時には映像投射を中止し、エレベーター扉の閉鎖時に映像投射を再開することが可能であることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のエレベーター警報装置。
【請求項6】
エレベーター扉または扉付近に赤外線等の人感知センサーを有し、請求項1に記載の映像投射装置が人感知センサーの発信する信号を付随する制御装置により受信し、エレベーター扉の前に人がいる時には映像投射をし、人がいない時には映像投射を停止することが可能であることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のエレベーター警報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−63337(P2011−63337A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213159(P2009−213159)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(310021386)ナチュラルインベンション株式会社 (4)
【Fターム(参考)】